図1は浸透圧ポンプシステム10の第一の例示的実施形態を示す。図1の実施形態においては、浸透圧ポンプシステム10は、環境14(この特別な例では人体)内に置かれた浸透圧ポンプ装置12、および遠隔制御装置16を含む。ここで使われているように、用語「遠隔」は、情報(例えばデータあるいは制御信号)または電源信号、または例えば遠く離れた制御装置と浸透圧ポンプを繋ぐワイヤやケーブルのような結合要素を持たない遠隔制御装置や浸透圧ポンプシステムのような、空間的に離れた装置や機器の間の他の相互作用、の通信に対してあてはまるが、様々な実施形態においては、比較的大きな距離(例えば数マイルまたは数キロメートル)離れていたり、または比較的小さな距離(例えば数インチや数ミリメートル)離れていたりする可能性のある、遠隔制御装置と浸透圧ポンプ装置との間の特別な空間的関係を意味するものではない。浸透圧ポンプ装置12は、遠隔制御装置16によって生成される電磁制御信号に応答する遠隔活性化可能制御要素18を含む。
図2Aおよび図2Bにおいて示されるように浸透圧ポンプ装置の例示的実施形態によれば、浸透圧ポンプシステムは、環境54内に位置されるように構成された本体構造52、例えば放出口60を介して環境54に送達されるべき送達流体58を収容可能なデリバリーリザーバー56、浸透圧室62、浸透圧室62をデリバリーリザーバー56から分離する圧力応答型移動バリヤ64、および浸透圧室62を、この例では環境54である浸透圧流体源から分離する半透膜66、を含むことが可能である。浸透圧生成材料70は浸透室62内部に収容可能であり、電磁界制御信号によって制御可能な浸透圧生成材料70によって、浸透圧の発生が起こる。圧力応答型移動バリヤ64は浸透圧生成材料70に対して実質的に不浸透性であり、浸透室62における圧力の変化に応答して移動し、デリバリーリザーバー56内の圧力、または容積の少なくとも一つに変化をもたらすように構成され、浸透室62を浸透圧流体源68から分離している半透膜66は、浸透圧流体源68からの浸透圧流体71によっては実質的には浸透性であり得るが、浸透圧生成材料70に対しては実質的に不浸透性であって良い。圧力応答型移動バリヤ64は、図2A,図2Bに示すように柔軟な膜64、または例えば図5A、図5Bにおいて参照番号206で示されるようなピストンを備えても良い。
浸透圧ポンプの本体構造(例えば図2Aの本体構造52)は特定の環境に対して適合させることが出来る。本体構造の大きさ、形、および材料は特別の環境に対しては適切に影響を及ばす。例えば、人間の身体または他の生体における使用が意図された装置は、通常は適切な生体適合性特質を有するものである。どのような環境においても使用するためには、本体構造(および全体としての装置)は、温度、化学的暴露性、および機械的応力のような環境条件に耐えるように設計されて良い。さらに、本体構造は環境内で好みの位置に位置され、あるいは好みの位置を標的とすることを可能とする特性を備えることが出来る。そのような特性には、大きさおよび形、環境内で(装置が所望の位置に置かれた場合)本体構造の移動を阻止するための繋ぎもしくは把持する構造、または装置を所望の位置に向かわせるような、あるいは所望の位置に局在されるような、標的化特性(表面化学特性、形、など)が含まれる。小型装置(例えば生体内に置かれるために使われる可能性のあるような)は、微小加工技術分野での当業者に知られている方法を用いて、製造される。大きさが制限されない用途においては、広範囲の製造方法が用いられる。浸透圧ポンプ装置の本体構造は、限定はされないがプラスチックおよび他のポリマー、セラミックス、金属およびガラス、を含む様々な材料、またはそれら材料の組合せから、また様々な加工技術によって形成されてよい。いくつかの実施形態においては、浸透圧流体源が環境であり、一方他の実施形態においては、浸透圧流体源として機能する流体を収容するリザーバを浸透圧ポンプシステムが備えても良い。
ここで説明されるように、種々の異なった浸透圧生成材料が、浸透圧ポンプシステムにおいて使用されてよい。例えば、浸透圧生成材料は数ある中で、イオンの、または非イオンの親水性材料または吸水性材料、不揮発性水溶性種、塩、砂糖、多糖類、ポリマー、ヒドロゲル、オスモポリマー、親水性ポリマー、および吸収性ポリマーを含んで良い。親水性材料は不揮発性、水溶性種、たとえば硫酸マグネシウム(magnesium sulfate)、塩化マグネシウム(magnesium chloride)、硫酸カリウム(potassium sulfate)、塩化ナトリウム(sodium chloride)、 硫酸ナトリウム(sodium sulfate)、 硫酸リチウム(lithium sulfate)、リン酸ナトリウム(sodium phosphate)、リン酸カリウム(potassiumphosphate)、d−マンニトール(d-mannitol)、ソルビトール(sorbitol)、イノシトール(inositol)、尿素(urea)、コハク酸マグネシウム(magnesium succinate)、酒石酸(tartaric acid)、ラフィノース(raffinose)、 種々の単糖(various monosaccharides)、 オリゴ糖(oligosaccharides)およびショ糖(sucrose)、グルコース(glucose)、乳糖(lactose)、果糖(fructose)、デキストラン(desxtran)、とその混合物のような多糖類(polysaccharides)を含んでよい。吸水性材料は、オスモポリマー、例えば水と接触して膨張する親水性ポリマーを含む。吸水性材料の例としては、分子量30,000〜5,000,000の多(水酸基アルキルメタクリル酸塩hydroxyl alkyl methacrylates)、分子量10,000〜360,000 のポリビニールピロリドン(polyvinylpyrrolidone)、陰イオンおよび陽イオンヒドロゲル(anionic and cationic hydrogels)、高分子電解質コンプレックス、低い酢酸塩残留物を有し、随意にグリオキサール(glyoxal)、ホルムアルデヒト(formaldehyde)、あるいはグルタルアルデヒド(glutaraldehyde) と架橋結合をし、かつ200〜30,000の重合度を有し、例えばメチルセルロース(methylcellulose)、架橋寒天(cross linked agar)およびカルボキシルメチルセルロース(carboxymethylcellulose)の混合物を有するポリ(ビニルアルコール)(poly(vinyl alcohol))が含まれる;あるいはヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methycellulose)およびナトリウムカルボキシメチルセルロース(sodium carboxymethylcellulose);Nビニラクタム(N - vinyllactams)、ポリオキシエチレン ポリオキシプロピレン(polyoxyethylene polyoxypropylene)ジェル、 ポリオキシブチレン‐ポリオキシエチレン(polyoxybutylene - polyoxethylene)ブロック共重合体ジェル、イナゴマメガム(carob gum)、ポリアクリル(polyacrylic)ジェル、ポリエステル(polyester)ジェル、ポリウリア(polyuria)ジェル、ポリエーテル(polyether)ジェル、ポリアミド(polyamide)ジェル、ポリペプチド(polypeptide)ジェル、ポリアミノ酸(poly amino acid)ジェル、ポリセルロース(polycellulosic)ジェル、カルボポル(carbopol)酸のカルボキシ(carboxy)ポリマー分子量250,000〜4,000,000、シアナミドポリアクリラミーデ(cyanamer polyacrylamides)、架橋インデン‐マレイン(indene - maleic)無水物重合体、澱粉グラフト共重合体(starch graft copolymers)、アクリル酸塩重合体多糖類(acrylate polymer polysaccharides)が含まれる。他の親水性および/または吸水性材料は、ポリ(アクリル酸)カリウム塩(poly(acrylic acid) potassium salt)、ポリ(アクリル酸)ナトリウム塩(poly(acrylic acid) sodium salt)、ポリ(アクリル酸‐アクリルアミド共重合体)カリウム塩(poly(acrylic acid-co-acrylamide) potassium salt)、ポリ(アクリル酸)ナトリウム塩グラフト共重合体(エチレンオキサイド)(poly(acrylic acid) sodium salt-graft-poly(ethylene oxid))、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(poly(2-hydroxethyl methacrylate))および/またはポリ(2−ヒドロキシプロピルメタクリレート)(poly(2-hydropropyl methacrylate))およびポリ(イソブチレン−マレイン酸共重合体)(poly(isobutylene-co-maleic acid))などの吸収性ポリマーを含む。種々の浸透圧生成材料および/または吸水性材料は、米国特許出願第2004/0106914号と米国特許出願第2004/0015154号に記述されており、その両者の内容全体を参照によって本願明細書に引用したものとする。
浸透圧生成材料の浸透圧を生み出す能力は、浸透圧流体内への浸透圧生成材料の溶解度、および/または浸透圧流体内の浸透圧生成材料の濃度に依存して良く、従って濃度または溶解度のいずれかが変わると、浸透圧生成材料の浸透圧生成能力が変更される可能性がある。浸透圧流体内における浸透圧生成材料の濃度は電磁界制御信号に応答して浸透圧生成材料の溶解度を変えることにより、または電磁界制御信号に応答して浸透圧流体を変化させることによって変更が可能である。
図2Aおよび図2Bの浸透圧ポンプシステムは、浸透圧生成材料70によって浸透圧の生成を制御するために電磁界制御信号に応答して遠隔活性化可能制御要素72を備えて良い。図2Aに示されているように、浸透圧生成材料70の一部74は溶融していない。遠隔活性化可能制御要素72の活性化に続いて、浸透圧生成材料70のより多くの量が図2Bに示されているように溶融状態にあり、浸透圧生成材料70のより高い濃度が作り出され、従って浸透圧流体71の浸透室62への流れがより大きくなり、またデリバリーリザーバー56から出る送達流体58のポンプ流量が増大する。
浸透圧ポンプ装置およびシステムの様々な実施形態において使用される、遠隔活性化可能制御要素には、一つ以上の電磁気活性材料が含まれてよい。例えば、永久磁化可能材料(permanently magnetizable material)、強磁性材料(ferromagnetic material)、フェリ磁性体材料(ferrimagnetic material)、第一鉄材料(ferrous material)、第二鉄材料(ferric material)、誘導体材料(dielectric material)、強誘導体材料(ferroelectric material)、圧電性材料(piezoelectric material)、反磁性材料(diamagnetic material)、常磁性体材料(paramagnetic material)、反強磁性材料(antiferromagnetic material)、または例えば永久分極誘導性(permanently 'poled' dielectric)、強誘導性(ferroelectric)、誘導性(dielectric)、または圧電性材料(piezoelectric material)のような電気的活性材料(electrically active material)などを含んでよい。
いくつかの実施形態においては、遠隔活性化可能制御要素は複合構造によるものであっても良い。図3に示される遠隔活性化可能制御要素100の例は、ポリマー102と、複数の粒子104の形を取りポリマー102の全体に分散された複数の電気的または磁気的活性成分から形成される複合構造を含んでいる。いくつかの実施形態では、電気的または磁気的活性成分は電磁制御信号によって加熱可能であり、電気的または磁気的活性成分の加熱によってポリマーの構成に変化をもたらす。磁気的に応答するポリマーの例は、例えばNeto等による「磁性コロイドでドープ処理した非液晶エラストマーの光学的、磁気的、誘導体特性」("Optical, Magnetic and Dielectric Properties of Non-Liquid Crystalline Elastomers Doped with Magnetic Colloids");2005年3月付け、ブラジル物理学会誌第35巻第1号、184〜189ページ、に述べられており、参照により本明細書に引用する。他の例示的材料と構造は、Agarwal等による「磁気駆動型温度制御微蛍光アクチュエータ」("Magnetically-driven temperature-controlled microfluidic actuators")1〜5ページに述べられており、下記URLまたは米国特許第6,607,553号明細書に掲載されており、両者とも参照により本明細書に引用する。
http://www.unl.im.dendai.ac.jp/INSS2004/INSS2004_papers/OralPresentations/C2.pdf
いくつかの実施形態においては、遠隔活性化可能制御要素は、形状記憶ポリマーまたは形状記憶金属などの形状記憶材料を含んでよい。他の実施形態においては、遠隔活性化可能制御要素はバイメタル構造を含んでよい。さらに他の実施形態においては、遠隔活性化可能制御要素は、ポリマー、セラミック、誘電体または金属を含んで良い。いくつかの実施形態においては、遠隔活性化可能制御要素は、ヒドロゲル、フェロゲルまたは強誘導体の少なくとも一つを含んで良い。遠隔活性化可能制御要素は、ポリマーおよび磁気的または電気的活性成分などの複合材料または構造を含んで良い。
電磁界に対する遠隔活性化可能制御要素の応答は、電磁信号からのエネルギー吸収によるか、または遠隔活性化可能制御要素の全体または一部に対する電磁界によるトルクまたは牽引力による可能性がある。応答は、電磁界の強さ、相対的な方向性、および周波数に依存するであろうし、かつ遠隔活性化可能制御要素の材料の構造、組成、および調合に依存するであろう。応答は、マクロレベル、顕微鏡レベル、またはナノ顕微鏡または分子レベルで発生する可能性がある。
遠隔活性化可能制御要素は、様々な機能的特徴を有していて良い。いくつかの実施形態では、遠隔活性化可能制御要素は、加熱要素(例えば抵抗要素)または冷却要素(例えば熱電装置であっても良い)を含むかまたは形成しても良い。いくつかの実施形態では、遠隔活性化可能制御要素は、膨張要素であって良い。いくつかの実施形態では、遠隔活性化可能制御要素は、遠隔制御信号発生装置から送られてくる電磁制御信号の受信を向上させるためのアンテナ、もしくは他の幾何学的増幅構造のような受信要素を含んで良い。
図4は浸透圧ポンプ装置150の実施形態を概略図の形式で、活性部分154と受信要素156を含む遠隔活性化可能制御要素152を含む。浸透圧ポンプ装置150はまた、浸透室158およびデリバリーリザーバー160も含む。受信要素156は、特定の周波数または周波数帯の電磁エネルギーを受信し、変換するのに適した大きさ、形、および材料を有していれば、どのような構造でも良い。いくつかの実施形態では、受信要素156は高度の周波数選択性があって良く、一方他の実施形態では、広範囲の周波数帯に渡って、もしくは複数の周波数帯に渡って反応して良い。受信要素156は、様々な金属、または電気的もしくは磁気的に活性である材料で形成されてよい。活性部分154は、受信要素156によって受信され、変換された電磁エネルギーに対して機械的に、熱的に、化学的に応答する様々な材料を含んで良く、浸透室158においての浸透圧の発生、または浸透室158への、またはデリバリーリザーバー160からの流体の流れに影響を及ぼし、結果として、デリバリーリザーバー160からの流体のポンプ流量を修正する。
遠隔活性化可能制御要素を制御信号に応答出来る様にする方法の一つは、熱の生成または熱の吸収による方法である。いくつかの実施形態では、遠隔活性化可能制御要素の温度変化によって、浸透圧の発生を直接修正できる。図5Aおよび図5Bに示されているように、一実施形態において浸透圧ポンプシステムは、電磁界で活性化される加熱要素である遠隔活性化可能制御要素202を備えた浸透圧ポンプシステム200を含んでよく、加熱要素は浸透圧流体の温度を上昇させることが出来、浸透圧生成材料70は浸透圧流体の温度上昇に応答して変化する、浸透圧流体71への溶解性を有する。浸透圧ポンプシステム200は、浸透室62、および放出口60を通して放出が可能な送達流体58を収容するデリバリーリザーバー56、を含んで良い。浸透圧ポンプシステム200は、図2Aおよび図2Bとの繋がりで前に述べたように、半透過性バリヤ66および浸透圧流体源(例えば環境54)を含む。圧力応答型移動バリヤ206は、図2Aおよび図2Bで示されたように柔軟な膜としてよりはむしろ、ピストンまたは滑動可能な壁として示されるが、実質的には機能上同じことに相当する。浸透圧生成材料70は浸透室62内に収容される。遠隔活性化可能制御要素202は浸透室62の壁に置かれてよい。遠隔活性化可能制御要素202は、初めの温度T1を持つ。電磁制御信号に応答して、遠隔活性化可能制御要素202が加熱されるのに従って、遠隔活性化可能制御要素202は、図5Bに示されているように次の温度T2を有する。遠隔活性化可能制御要素202の温度変化は、浸透室62内の浸透圧生成材料70の濃度を修正し得る。図5Aにおいて、浸透圧生成材料70の部分204は不溶解性であり、一方図5Bにおいては、浸透圧流体71の温度変化によって全ての浸透圧生成材料70が溶解するに至る。電磁界で活性化される加熱要素202は、第一鉄、第二鉄、または強磁性材料、あるいは有意な電磁気的「損失接線」あるいは「抵抗」を伴う材料、を含んで良い。本例では、浸透圧流体71における浸透圧生成材料70の溶解度は温度の上昇と共に増大するものとして示されるが、いくつかの実施形態では温度の上昇と共に溶解度が減少することもあり得る。
いくつかの実施形態では、浸透圧ポンプシステムは、浸透圧流体温度の低下をもたらすことの出来る電磁界で活性化される冷却要素を含んで良く、浸透圧生成材料は浸透圧流体温度の低下に応答して変化する浸透圧流体における溶解度を有する。例えば、電磁界で活性化される冷却要素は熱電要素を含んで良い。浸透圧生成材料の溶解度は温度の低下に伴って増大しても良く、また温度の低下に伴って減少しても良い。浸透圧流体における浸透圧生成材料の濃度は、電磁界制御信号に応答した浸透室の容積変化によって修正が可能である。
図6Aと図6Bは、冷却することによって遠隔活性化可能制御要素252が電磁制御信号に応答する浸透圧ポンプ装置250を示している。冷却する方法および/または機構は、限定はされないが、熱電(ペルチエ効果)および液体‐気体蒸発(ジュール・トムソン)装置、または有意のエンタルピー変換を含む「フェーズ変更」材料を採用した装置を含んで良い。図6Aでは、例えば冷却要素252は温度T1まで冷やすべく活性化され、これにより浸透室62の浸透圧がより低くなる。図6Bでは、電磁制御信号が修正されて、その結果冷却要素252はそれ以上の冷却はせず、温度は上昇してより高い温度T2になる。その後浸透室62内の圧力は上昇して、浸透室62への浸透圧流体71の流れが増大し、それに伴ってデリバリーリザーバー56から放出口60を介して環境54への送達流体58のポンプ流量は増大する。
いくつかの実施形態では、浸透圧ポンプ装置要素の遠隔活性化可能制御要素の温度変化により、浸透圧生成、従ってポンプ流量が間接的に、例えば構造の大きさにおける変化をもたらすことによって修正される(例えば、図3に示された遠隔活性化可能制御要素に類似して)。図7Aは前に述べたように、送達流体58を収容したデリバリーリザーバー56および浸透圧生成材料70を収容した浸透室62、圧力応答型移動バリヤ64、および半透膜66、を含む浸透圧ポンプシステム300を示す。浸透圧ポンプシステム300は、電磁制御信号に応答して大きさが変化する遠隔活性化可能制御要素302を含んで良い。大きさの変化は加熱、または熱の除去もしくは損失による可能性を持つ。遠隔活性化可能制御要素302は、図7Aおよび図7Bに示されるごとく浸透室62の壁に置かれて良い。相互作用サイト306を含む相互作用領域304は、遠隔活性化可能制御要素302の上、もしくは隣接して置かれて良く、それにより相互作用領域304の大きさが遠隔活性化可能制御要素302の大きさの変化によって修正される。相互作用サイト306は浸透圧生成材料70を結合してよく、それによりそれを溶解しないようにして、浸透室62内の浸透圧を低く維持する;相互作用サイト306の間隔すなわち露出の変化により、浸透圧生成材料70と相互作用サイト306の相互作用は修正され、従って浸透室62内の浸透圧が修正される。例えば図7Bにおいて、遠隔活性化可能制御要素は少なくとも一つの大きさに収縮して、相互作用領域304の大きさに対応して減少せしめ、相互作用サイト306間の間隔を減じる。図7Bに示された例では、相互作用サイトの間隔の減少は、浸透圧生成材料70との相互作用を減じ、それは浸透圧流体71への溶解に至らしめ、より高い濃度にする。
相互作用サイトは、図7Aおよび図7Bに示されたように相互作用領域に局在されて良く、または相互作用サイトは浸透室内で様々な位置に分散されて良い。浸透圧ポンプは浸透室内の浸透圧生成材料に対して、複数の相互作用サイトを含んで良く、浸透圧生成材料と相互作用サイトの相互作用は電磁界制御信号によって制御可能であることが見込まれ、浸透圧生成材料の相互作用サイトとの相互作用は浸透室内の浸透圧変化を惹起する。相互作用サイトは、浸透圧生成材料との結合、反応、相互作用、または複合体の形成、の一つ以上によって浸透圧生成材料との相互作用が可能である。相互作用サイトは少なくとも一つの特性が変化すると電磁界制御信号に応答して良く、その変化は相互作用サイトと浸透圧生成材料間の相互作用を修正する少なくとも一つの特性の変化である。少なくとも一つの特性は、限定はされないが、例えば溶解性、反応性、浸透室内の分散、密度、温度、構造、方向性、配列、または化学ポテンシャル、の少なくとも一つを含んで良い。
相互作用サイトを収容する浸透室の少なくとも部分は(例えば図7Aおよび図7Bにおける相互作用領域304)、浸透室の部分の表面面積変化により電磁制御信号に応答してよく、その表面面積変化はいくつかの相互作用サイトの少なくとも一つを修正し、あるいは浸透圧生成材料の相互作用サイトとの相互作用の修正が見込まれる。表面面積の変化は、図8A〜図8Dに示されているように浸透室の部分を引伸ばすことによって生成され、あるいは表面面積の変化は、図11Aおよび図11Bに示されているように浸透室の部分の折りたたみを広げることにより、あるいは浸透室の少なくとも一部分の構造をいくぶん変化させることによって生成されて良い。
図8A〜図8Dは相互作用領域340上の一つまたは二つのディメンションにおける変化の影響を示している。例えば、相互作用領域は制御信号に応答して拡張する遠隔活性化可能制御要素上に形成されてよい。相互作用領域340は複数の反応サイト342を含んでよく、第一のディメンションでは初めの長さx1、および第二のディメンションでは初めの長さy1を有する。図8Bは第一のディメンションが長さx2に変化した後の相互作用領域340を示す。図8Cは第二のディメンションが長さy2に変化した後の相互作用領域340を示し、図8Dは第一および第二ディメンションの双方が大きさx2×y2に変化した後の相互作用領域340を示す。おのおのの場合において、ディメンションが変化すると、結果として反応サイト342間の距離の変化がもたらされる。図8A〜図8Dに示されたディメンションの変化は、相互作用領域の「引伸ばし」または「拡張」として視認される。相互作用領域の表面面積増大は反応の度合いを高める。相互作用領域の表面面積増大(例えば表面を引伸ばすことにより)は、相互作用領域上の反応サイト間の距離を増大させる。反応サイト間の距離増大は反応の度合いを増大することに繋がる(例えば、反応サイト間のより小さな間隔は、反応体の反応サイトへのアクセスを妨害する立体障害をもたらす)。
相互作用領域の表面面積修正の影響は、図9Aと図9Bおよび図10Aと図10Bに関連付けてさらに説明される。図9Aと図9Bは、引伸ばしまたは拡張による相互作用領域の表面面積増大が、どのように相互作用の度合いを相互作用領域において増やすかを図示している。複数の相互作用サイト352が相互作用領域350内に位置付けされている。図9Aに示されているように引伸ばしまたは拡張の前には、相互作用サイト352は互いに近接しており、複数の相互作用サイト352に結合されている反応体354は十分に大きく、反応体354がおのおのの相互作用サイト352に結合されることは不可能である。相互作用領域350が図9Bに示されているように拡張された形350'に引伸ばしまたは拡張され、相互作用サイト352間がさらに離されると、反応体354はより大きな割合の相互作用サイトに結合され、反応の度合いが増大する。
いくつかの実施形態においては、引伸ばしまたは拡張による相互作用領域の表面面積増大は反応の度合いを減少させる可能性がある(例えば、反応体がいくつかの相互作用サイトと同時に結合または連合することを許容するために特定の間隔が必要である場合)。図10Aおよび図10Bは、引伸ばしまたは拡張によって相互作用領域400の表面面積増大が、相互作用領域で起こる相互作用の度合いをいかに減少させるかを図示している。再び、図10Aに示されているように複数の相互作用サイト402および404が、相互作用領域400に位置づけされる。この例においては、反応体406の相互作用領域400への結合は、反応体406が二つの相互作用サイト402および404に結合されることが要求される。相互作用領域400が引伸ばされまたは拡張されて、図10Bに示されているように拡張された400'の形になると、二つの相互作用サイト402および404の間隔は変更されて、反応体406は拡張された形400'においてすぐには相互作用領域に結合されず、従って相互作用の度合いは減少する。
熱エネルギーが与えられると多くの材料は膨張する。材料をポリマーゲル状として結合することによって、個々の成分の異なった特性を用いて全体に影響を与えることが出来る。熱応答型材料は、熱感応型N-アルキルアクリルアミドポリマー(thermosensitive N-alkyl acrylamide polymers)、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド(Poly(N-isopropylacrylamide))、(PNIPAAm)、バイオポリマー(biopolymers)、架橋エラスチンベースのネットワーク(crosslinked elastin-based networks)、熱的にトリガーされヒドロゲル化された材料(materials that undergo thermally triggered hydrogelation)、記憶泡(memory foam)、樹脂合成物(resin composites)、熱変色性材料(thermochromic materials)、蛋白質(proteins)、形状記憶合金(memory shape alloys)、プラスチック(plastics)および熱可塑性樹脂(thermoplastics)のような熱応答型ゲル(ヒドロゲル)を含む。加熱に応じて縮小する、または折重なる材料は、熱的にトリガーされヒドロゲル化された熱的応答型ゲル(ヒドロゲル)(例えばポラキサマー(Polaxamers)、未架橋PNIPAAm誘導体(PNIPAAm derivatives)、キトサン/グリセロール製剤(chitosan/glycerol formulations)、エラスチンベースのポリマー(elastin-based polymers))、熱硬化性樹脂(thermosetting resins)、(例えば、フェノール、(phenolic)、メラミン(melamine)、尿素およびポリエステル樹脂(urea and polyester resins))、歯科用コンポジット(dental composites)(例えば、モノメチルアクリレート(monomethylacrylates))、および熱可塑性プラスチック(thermoplastics)を含んで良い。
反応サイト間の距離を変えることによって促進される反応のいくつかの例は、二重機能分子、パシュケらによる「遷移金属複合体にリンクした生体分子−化学療法に対する新たなチャンス」に記載された遷移金属複合体にリンクした生体分子、のようなスペーサーつきで設計された含有薬物を含む。パシュケらによる「遷移金属複合体にリンクした生体分子−化学療法に対する新たなチャンス」("Biomolecules linked to transition metal complexes-new chances for chemotherapy")は;現代医療化学、2003年10月号および2005年10月18日号、10/24/2005印刷ページ2033〜44(ページ1〜2);第10巻19号;(Current Medicinal Chemistry; bearing dates of October 2003 and October 18, 2005, printed on 10/24/2005; pp. 2033-44 (pp. 1-2); Volume 10, Number 19;);PubMed以下に位置する:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=12871101&dopt=Abstract、およびプッチェッティ等による 「炭素脱水抑制剤」に記載されたシフ(Schiff)ベース、(Schiff bases as described in Puccetti et al., "Carbonic anhydrase inhibitors", Bioorg. Med. Chem. Lett. 2005 June 15; 15(12): 3096-101 (Abstract only))両者とも参照によって本願明細書に引用したものとする。他の反応は構造的(アロステリック)な変化に応答した反応を含み、それはアロステリックモジュレータによる調整を含み、また複数サイト蛋白における基質またはリガンドの協同性を含む反応を含む。ここで結合は引続き起こる結合の親和力に影響し、例えば第一酸素分子のヘムへの結合はそのような次の分子の結合親和力を増大し、またはタキソール上のタウ粒子に影響する。ロス等が以下に述べている:「タウ粒子が協同性タキソールの微小管への結合を誘導する」;PNAS;2004年8月31日付け、および2004年;12910から12915ページ;第101巻、第35号;米国国立科学アカデミー;以下に位置する:
http://gabriel. physics.ucsb.edu/~deborah/pub/RossPNASv101p12910y04.pdf
参照によって本願明細書に引用したものとする。反応サイト間隔の増大によって減速される可能性がある反応は、構造的(アロステリック)変化、影響またはペーハー、または架橋に応答する反応を含む。例えば、ボニフェス(Boniface)等による「抗原結合が向上されるのと同じペーハー域において起こる、クラスII主要組織適合複合分子における構造的変化に対する実証」を参照のこと("Evidence for a Conformational Change in a Class II Major Histocompatibility Complex Molecule Occuring in the Same pH Range Where Antigen Binding Is Enhanced"; J. Exp. Med.; Bearing dates of January 1996 and June 26, 2005; pp. 119-126; Volume 183; The Rockefeller University Press);位置するサイトはhttp://www.jem.org、もまた参照によって本願明細書に引用したものとする。あるいはスリドハー(Sridhar)等による「炭素スペーサーによって結合された新二価PKCリガンド:結合親和性の向上」("New bivalent PKC ligands linked by a carbon spacer: enhancement in binding affinity"; J Med Chem);位置するサイト:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=12954072&dopt=Abstract、であり、参照によって本願明細書に引用したものとする。
表面面積あるいは反応容積に加えて、遠隔活性化可能制御要素の拡大はまた、反応条件に影響するべく反応領域の追加部分を露出すること、あるいは追加の機能グループを露出することの効果を有する。反応面積の少なくとも部分の相互作用領域構造を、畳んだ物を伸ばすこと、または他の「広げる」形式、によって相互作用領域の表面面積を増大することで、相互反応領域上の反応サイトの数を増やすことが可能である(例えば、相互作用領域が折畳まれた構成であった場合には、完全に、または部分的に隠蔽されるか遮られた追加の反応サイトを露出することにより)。例えば、相互作用領域の面積は図11Aおよび図11Bに示されているように、反応面積の追加の部分を露出すべく反応面積の少なくとも部分の折畳みを広げることによって、増やすことが可能である。図11Aにおいて、遠隔活性化可能制御要素を含むか、または遠隔活性化可能制御要素から成り立っている相互作用領域450は、図11Bに示された形に折りたたみを広げることにより拡張できる。相互作用領域450は、隆起452a〜452eおよび谷454a〜454dを含む襞をつけられた構造を有する。反応サイト456は隆起452a〜452eおよび谷454a〜454dの中に、または上に位置づけることが出来る。図11Aに図示された畳まれた形において、谷454a〜454dに位置づけされた反応サイト458は、反応体がそれらの反応サイトに到達するべく狭い谷の内部には適合しない可能性があるという意味において「隠されて」おり、一方隆起452a〜452e上の反応サイトは露出されているままである。相互作用領域450が、図11Bに示された形に折畳みを広げられると、谷454a〜454d内の反応サイト458が露出されるが、それは開かれた谷が、反応体が谷にある反応サイトへのアクセスを許容するからである。電磁界に応答して畳まれたものを開く材料の例は、イオン化されたポリマー‐金属複合体(IPMC)を含み、これはシャヒンプア等(Shahinpoor et al.)による「人工筋肉研究所:機関誌:生体模倣のセンサー、アクチュエータ、および人工筋肉としてのイオン化したポリマー‐金属複合体(IPMC)−論評」("Artificial Muscle Research Institute: Paper: Ionic Polymer-Metal Composites (IPMC) As Biomimetic Sensors, Actuators and Artificial Muscles-A Review"; University of New Mexico; printed on 10/21/2005; pp. 1-28;);位置するサイトは: http://www.unm.edu/~amri/paper.html,であり、参照によって本願明細書に引用したものとする。
相互作用領域の表面面積の増大は、いくつかの状況下では相互作用の度合いを減少させ、他の場合には相互作用の度合いを増加させる可能性がある。相互作用領域の追加部分の露出は、反応サイトではない追加の機能グループを露出するが、それは代わって反応の度合いまたは反応速度を修正する、相互作用領域の表面特性に対するいくつかの局部的修正をもたらす可能性がある。例えば、露出された機能グループは少なくともペーハー、表面エネルギーまたは表面電荷の局部的変更をもたらす可能性がある。例えば、米国特許出願第2003/0142901(A1)号明細書を参照のこと、これは参照によって本願明細書に引用したものとする。
相互作用領域の関係する修正には、遠隔活性化可能制御要素の空隙率の増大または密度の減少を含んで良い。空隙率の増大は、反応サイト、機能グループなどの間隔または露出を修正する事に関して、図11Aおよび図11Bに示された折畳みを広げることに対する効果と類似の効果を有する。例えば、米国特許第5,643,246号、米国特許第 5,830,207号および米国特許第6,755,621号を参照のこと、これらは参照によって本願明細書に引用したものとする。
相互作用サイトの間隔の変化は、特定の反応および反応体に依存するやり方で相互作用の度合いを増大または減少する、または相互作用の他のパラメータを修正する可能性がある。反応容積の加熱または冷却はまた、圧力、またはペーハー、または浸透圧、または反応空間における反応に直接関係した他の化学的変動を修正することによって、化学的反応を修正することが可能である。
いくつかの実施形態では、浸透圧ポンプ装置は浸透室内に二次材料を含んで良く、この二次材料は、電磁界制御信号によって修正可能な少なくとも一つの特性を有し、浸透圧生成材料の濃度は二次材料の少なくとも一つの特性を変化させることによって修正が可能である。二次材料は例えば、浸透圧生成材料との結合、反応、相互作用、または複合体の形成、が可能な材料を含んで良い。前記少なくとも一つの特性は、溶解性、反応性、浸透室内の分散、密度、温度、構造、方向性、配列、または化学ポテンシャルの修正機構、の少なくとも一つを含んで良い。
ここに述べた様々な実施形態において、相互作用領域は相互作用サイトを含んで良く、この相互作用サイトは浸透圧生成材料との相互作用、または浸透圧生成材料の挙動への影響、が可能な二次材料を含んで良い。遠隔活性化可能制御要素は、二次材料の影響を修正してよい。いくつかの実施形態では、二次材料は相互作用領域へ局在化されるのではなく、浸透室内に分散されるが、電磁制御信号に応答して良い。
二次材料は、様々な方法で浸透圧生成材料に対して相互作用するか、または影響を与えて良い。第一の例として、二次材料は特定的にまたは非特定的に、浸透圧生成材料を結合または隔離して、それを溶解しないようにするレセプタ、または他の結合箇所、であってよい。図12Aおよび図12Bは、相互作用領域504内の浸透圧生成材料500と二次材料502の間の相互作用を図示する。図12Aでは、遠隔活性化可能制御要素506の活性化前には、浸透圧生成材料500は相互作用領域504において二次材料502に結合しない。遠隔活性化可能制御要素506の活性化に続いて、二次材料502は図12Bに示されるように修正された形502'へ変更され、それにより浸透圧生成材料500は修正された形502'に結合され、溶解せず、浸透圧が減少する。
図13Aおよび図13Bに示された例では、二次材料550はそれ自身は浸透圧生成材料552に対するレセプタあるいは結合サイトではないが、浸透圧生成材料552と相互作用サイト554(これは例えば結合またはレセプタサイトであって良い)の間の相互作用を相互作用領域556において修正する。図13Aにおいて、二次材料550は、浸透圧生成材料552の相互作用サイト554へのアクセスを妨害する第一の構成内にある。図13Bでは、遠隔活性化可能制御要素558の影響下にあって、二次材料550は第二の構成550'をとったところであり、これは浸透圧生成材料552の相互作用サイト554へのアクセスを許容する。二次材料550は、浸透圧生成材料552および相互作用サイト554の間の相互作用の度合いまたは性状を、立体効果によって、例えば疎水性または親水性グループ(hydrophobic or hydrophilic groups)のように相互作用領域の少なくとも部分の極性を修正することによって;酸または酸性化物(acids or acidifiers)(例えば塩化アンモニウム(ammonium chloride))、塩基またはアルカリ化物(bases or alkalizers)(重炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム(sodium bicarbonate, sodium acetate))、または緩衝材(buffering agents)(例えばモノ‐、またはジ‐リン酸水素(mono- or di-hydrogen phosphates))によって相互作用領域の少なくとも部分のペーハーを修正することによって、電磁制御信号に応答して修正する材料であって良く;または様々な酵素(enzyme)、ノイラミニダーゼ(neuraminidase)、トランスフェラーゼ(transferase)、酸化防止剤(antioxidants)、および電荷ドナー(charge donors)、などを含む相互作用領域の少なくとも部分の電荷を修正する材料であって良い。
図14Aおよび図14Bの例において、二次材料600は浸透圧生成材料602と反応して反応性生物604を生成する反応体である。浸透圧生成材料602は、図14Aにおける相互作用領域606内の二次材料600に近づき、反応生成物604は図14Bにおける相互作用領域606を離れる。二次材料600と浸透圧生成材料602間に、遠隔活性化可能制御要素608の活性化により、反応が惹起され、生成され、促進され、あるいはさもなければ増大され、活発化される(例えば加熱、冷却、表面電荷の変化、構造の変化を引起す)。反応生成物604は、異なった溶解性、あるいは反応が浸透室における浸透圧生成分子の数を増減する結果を招くという理由により、浸透圧生成材料602とは異なった浸透圧生成能力を有して良い。反応副生成物610は図14Bに示されているように相互作用領域606に残って良く、あるいは二次材料600は反応によって完全に消費されても良い。
図12A〜図14Bに示されている例における遠隔活性化可能制御要素の影響は、例えば相互作用領域または露出反応サイトまたは機能グループの温度を修正することを含んで、ここに述べられたことに限定はされない、様々な影響のいずれでもあり得る。相互作用領域で起こる相互作用は、反応体とは量において異なった、または溶解度または化学的活性が異なった反応生成物を生成することによって、浸透室内の浸透圧生成材料濃度を変化させて反応室内の浸透圧を変えることが可能である。いくつかの実施形態では、相互作用領域は化学反応を促進するが、化学反応によって修正はされない触媒、例えばプラチナのような金属、酸をベースにした触媒、リボザイム(ribozymes)またはDNA酵素(DNAzymes)のような触媒的な核酸(catalytic nucleic acids)、などを含んで良い。相互作用領域は、オキシドリダクターゼ(oxidoreductase)(例えばグルコースオキシダーゼ(glucose oxidase))、トランスフェラーゼ(transferase)(グリコシルトランスフェラーゼ、キナーゼ/フォスフォリラーゼ(glycosyltransferase, kinase/phosphorylase))、ヒドロラーゼ(hydrolase)、リアーゼ(lyase)、イソメラーゼ(isomerase)、リガーゼ(ligase)、および酵素複合体(enzymatic complexes)および/またはコファクター(cofactors)などのような酵素を含んで良い。様々な触媒の例がコツェブニコフ(Kozhevnikov)による「ファイン・ケミカル・シンセシスのための触媒第2巻、ポリオクソメタレイトによる触媒作用」("Catalysts for Fine Chemical Synthesis, Volume 2,Catalysis by Polyoxometalates";Chipsbooks.com; Bearing dates of 2002 and 1998-2006, printed on 10/21/2005; pp 1-3 (201 pages); Volume 2; Culinary and Hospitality Industry Publications Services); により供給されており、位置するサイトは;http://www.chipsbooks.com/catcem2.htmであり、ここに参考文献として引用する。
相互作用領域における反応条件の修正はまた、相互作用領域の少なくとも部分を加熱あるいは冷却することによって、または浸透圧もしくはペーハー、表面電荷、または相互作用領域の少なくとも部分の表面エネルギー、を修正することによって達成可能である。同様に、相互作用領域における反応条件を修正することは、浸透圧ポンプ装置内の反応空間のパラメータを修正することを含んで良く、この反応空間は、例えば、反応空間の容積を修正し、反応空間の少なくとも部分における加熱または冷却することにより、または浸透圧、ペーハー、温度、化学的組成、または反応空間の少なくとも部分の化学的活性を修正することによって、相互作用領域を包含する。
いくつかの実施形態では、遠隔活性化可能制御要素の膨張または他の構造変化が、化学反応に対する他の修正をもたらす。例えば、相互作用領域を包含する反応空間の容積は、図15Aおよび図15Bに示されているように遠隔活性化可能制御要素の膨張によって増大する。浸透圧ポンプ装置650は、浸透圧生成材料70を包含し、図15Aに示されたように第一の容積を有する浸透室652を有する。浸透圧ポンプ装置650はまた、送達流体656を収容するデリバリーリザーバー654を有する。電磁制御信号に応答して大きさを変化させる遠隔活性化可能制御要素658は、浸透室652の壁の拡張可能部分を形成する。図15Bに示された拡張された形658'まで遠隔活性化可能制御要素が拡張するのに際して、浸透室652反応空間容積は増大する。従って浸透室652内の浸透圧生成材料70の濃度は減少し、浸透圧ポンプ流量に関連する影響を有する可能性がある。
図8A〜図8D、図11A,図11B、図15A、図15Bにおいて図示された効果は、制御信号への適切な調整によって逆行させることが出来て、相互作用領域の表面面積、反応空間の容積、または露出された反応サイトの数、において対応した減少が導かれる。
例えば図2Aと図2B、図5Aと図5B、図6Aと図6B、図7Aと図7B、および図15Aと図15Bに示されているように、様々な実施形態において示されたように、デリバリーリザーバーは放出口を含んで良く、その放出口を通してデリバリーリザーバーにおける圧力または容積の少なくとも一つの変化に応答して、送達流体が環境側に移動する。あるいはまた、図16に示されているように、浸透圧ポンプシステム700は、デリバリーリザーバー56と流体連通していて、かつデリバリーリザーバー56内の圧力または容積の少なくとも一つが変化することに応答して、デリバリーリザーバー56から放出された流体58を受信するように構成された下流側流体処理構造702を含んで良い。下流側流体処理構造702は、図16に示されているようにチャンバー、チャネル、または一つ以上のチャネル、チャンバー、または他の流体処理構造の組合せを含んで良い。選択された実施形態における使用に適した流体処理構造の例は、米国特許第6,146,103号、および米国特許第6,802,489号、ならびにクラウス等による「磁気応力によりポンプされる流体」(Krau? et al., "Fluid pumped by magnetic stress"; Bearing a date of July 1, 2004; pp. 1-3);位置するサイトは:http://arxiv.org/PS_cache/physics/pdf/0405/0405025.pdf、に記述されており、これら全ては参照によって本願明細書に引用したものとする。流体処理構造は、限定はされないが、とりわけチャネル、チャンバー、弁、ミクサー、スプリッター、アキュムレータ、パルスフロー発生装置、およびサージ抑制器等を含んで良い。
図17は浸透圧ポンプシステム750の実施形態の概略図であり、浸透圧ポンプ装置752および遠隔制御信号源754を含んで良く、遠隔制御信号源754は、浸透圧ポンプ装置752の浸透室62内の浸透圧生成材料70により、浸透圧の生成を制御するのに十分な電磁界制御信号756を生成することが出来る。浸透圧ポンプ装置752は以下を含んで良い。すなわち、環境54内への配置のために構成された本体構造52;環境54内に送達されるべき送達流体58を収容することの出来るデリバリーリザーバー56;浸透室62;浸透室内に収容された浸透圧生成材料70、浸透圧生成材料70による浸透圧の生成は、電磁界制御信号756によって制御可能である;デリバリーリザーバー56から浸透室62を分離している圧力応答型移動バリヤ758、この圧力応答型バリヤ758は浸透圧生成材料70に対して実質的に不浸透であり、浸透室62内の圧力変化に応答して移動して、デリバリーリザーバー56内の圧力または容積の少なくとも一つに変化をもたらすように構成される;および浸透室62を浸透圧流体源から分離している半透膜66、この半透膜66は、浸透圧流体源からの流体に対しては実質的に浸透性があるが、浸透圧生成材料に対しては実質的に不浸透である。
遠隔制御信号源754は、電気回路760、信号発生器762、および信号送信器764を含んで良く、意図するシステムの用途に依存して様々な特性を有する電磁制御信号756を生成するように構成されて良い。電気回路760、信号発生器762、および信号送信器764の設計細目は、電磁制御信号756の種類に依存するであろう。電磁信号の生成と送信のための回路ならびに関連する構造の設計は、電子技術業界における当業者に知られているツールおよび技術を用いて行うことが出来る。例えば、L.D.ランダウ、E.M.リフシッツ、およびL.P.ピタエウスキィ、による連続的メディアの電子力学、第2版(Electrodynamics of Continuous Media, 2nd Edition, by L.D. Landau, E.M. Lifshitz and L.P. Pitaevskii, Elsevier Butterworth-Heinemann, Oxford)を参照されたい。特に、しかし排他的ではないが、1〜13ページ、および199〜222ページを、電気的、磁気的、および電磁信号の生成と伝播の基礎を成す理論の検討のために参照によって本願明細書に引用したものとする。電気回路は、アナログ回路、デジタル回路、一つ以上のマイクロプロセッサ、コンピュータ装置、メモリー装置、などのいずれかまたは全てを含んで良い。遠隔制御信号源754は、電磁制御フィールド信号の発生を制御するように構成されたハードウエア、ファームウエア、またはソフトウエアの少なくとも一つを含んで良い。
浸透圧ポンプシステムの浸透圧ポンプ装置752は、有機体の体、水体または他の流体本体、または収容された流体容積、から選択された環境内に位置づけされるのに適合した本体構造52を含んで良い。いくつかの実施形態では、本体構造は産業流体容積、農業流体容積、水泳プール、水槽、飲用水供給、およびHVACシステム冷却水供給、から選択された収容された流体容積内に位置づけされるのに適合していて良い。様々な実施形態が選択された生物医学的適用と(例えば、人間または他の動物の身体内での配置に適合した浸透圧ポンプ装置と)関係付けされて使用されてよい。ここで述べられた浸透圧ポンプシステムは、人間または他の動物の身体に限定されずに、様々な環境で使用されてよいということも意図される。浸透圧ポンプ装置は他種類の生命体の中に置かれても良い(例えば植物)。浸透圧ポンプ装置はまた、水体または様々な閉じられた流体容積の内部、産業、農業、および様々な他の適用種類の内部に置かれて良い。ここに述べられた実施形態の使用のための環境は、単に例示的であり、ここに開示されたように浸透圧ポンプシステムは、例示された適用での使用に限定されない。
図18は浸透圧ポンプシステム800の例示的実施形態を図示していて、そこで浸透圧ポンプ装置12は小さな閉じられた流体容積802内に設けられている(例えば水槽)。遠隔制御装置または遠隔制御信号生成器16は、閉じられた流体容積802の外部に置かれている。
図19は浸透圧ポンプシステム804のさらなる例示的実施形態を図示していて、そこで浸透圧ポンプ装置12はより大きな閉じられた流体容積806内に設けられている(これは例えば貯水タンク、HVACシステム冷却水タンク、産業用流体または農業用流体を収容したタンクであって良い)。遠隔制御装置または遠隔制御信号生成器16は、閉じられた流体容積806の外部に置かれている。
図20は浸透圧ポンプシステム808のさらなる例示的実施形態を図示していて、そこで浸透圧ポンプ装置12は水体810内に設けられている(湖または池がここでは示されるが、このような浸透圧ポンプシステムはまた、川、流れ、または海において使われるために設計されてよい)。遠隔制御装置または遠隔制御信号生成器16は、水体810の外部に置かれているが、いくつかの実施形態では遠隔制御装置16を水体810内の場所に置くことが有利である。
広範囲の材料がここで述べられた浸透圧ポンプ装置のデリバリーリザーバーに蓄えられて良く、材料の選択は、浸透圧ポンプのための使用環境と意図する用途に依存するであろう。浸透圧ポンプによって環境へ送達される材料には、限定はされないが、化学肥料(fertilizers)、 栄養剤(nutrients)、 治療薬物(remediation agents)、 抗生物質/殺菌剤(antibiotics/microbicides)、除草剤(herbicides)、 抗真菌剤(fungicides)、 消毒薬(disinfectants)、化学組成またはペーハーを調整するための材料、例えば緩衝剤(buffers)、酸(acides)、塩基(bases)、キレート試薬(chelating agents)、および界面活性剤(surfactant)、などが含まれる。有機体の体に送達される可能性のある材料の例には、栄養材(nutrients)、ホルモン(hormones)、成長因子(growth factors)、薬剤(medications)、治療化合物(therapeutic compounds)、酵素(enzymes)、遺伝物質(genetic materials)、ワクチン(vaccines)、ビタミン(vitamins)、イメージング薬物(imaging agents)、細胞シグナリング物質(cell-signaling materials)、プロ‐またはアンチ‐アポプトチック薬剤(pro- or anti-apoptotic agents)、または神経伝達物質(neurotransmitters)が含まれる。材料はまた、前駆物質または、遺伝物質、ワクチン、栄養材、ビタミン、イメージング薬物、治療化合物、ホルモン、成長因子、プロ‐またはアンチ‐アポプトチック薬剤、または神経伝達物質のようなある物質の成分または前駆物質を含んでも良い。そのような前駆物質には例えば、プロドラッグ(prodrugs)(例えば以下を参照のこと、「ヘプディレクト1・プロドラッグを用いた肝臓を標的にした薬剤送達」エリオン等、最先端薬理学および実験的治療学機関紙、JPET 312:554-560, 2005(初版8/31/2004)("Liver-Targeted Drug Delivery Using HepDirect1 Prodrugs," Erion et al., Journal of pharmacology and Experimental Therapeutics Fast Forward, JPET 312:554-560, 2005 (first pub 8/31/2004) )および「LEAPT;レクチン主導の酵素活性化プロドラッグ治療」ロビンソン等、PNAS2004年10月5日第101巻、40号、14527〜14532("LEAPT: Lectin-directed enzyme-activated prodrug therapy", Robinson et al., PNAS October 5, 2004 vol. 101, No. 40, 14527-14532)、印刷前に2004年9月24日オンライン発行、サイトは(http://www.pnas.org/cgi/content/full/101/40/14527)、この両者とも参照によって本願明細書に引用したものとする。例えばプロドラッグから薬剤に変換すること、血流における物質の酵素反応、で有益な材料が作られる可能性がある(CYP450、コレステロール代謝(cholesterol metabolism)、例えばコレステロール・モノオキシゲナーゼ(cholesterol monooxygenase)、コレステロール還元酵素(cholesterol reductase)、コレステロール・オキシダーゼ(cholesterol oxidase)による)。ここで用いられている「送達流体」という用語は、液体、気体、粉体または液体担体または気体担体中の他の固体粒子、を含む流体または流体のようなふるまい示す全ての形式を有する材料を包含するべく意図されている。送達流体は溶液、懸濁液、または乳濁液であって良い。環境へ送達されるべき材料は、いくつかの場合では適切な流体の性質を有して良く、一方他の場合には懸案材料は、流体溶剤すなわち担体状で、上記のごとく溶液、懸濁液、乳濁液状で、または気体もしくは固体担体物質の状態で送達されて良い。
図17に示されているように浸透圧ポンプ装置は、浸透圧生成材料による浸透圧生成を制御するための電磁界制御信号に応答する遠隔活性化可能制御要素を含んで良い。遠隔活性化可能制御要素は、永久磁化可能材料(a permanently magnetizable material)、強磁性体材料(a ferromagnetic material)、フェリ磁性体材料(a ferrimagnetic material)、第一鉄材料(a ferrous material)、第二鉄材料(a ferric material)、誘電体または強誘電体または圧電性材料(a dielectric or ferroelectric or piezoelectric material)、反磁性材料(a diamagnetic material)、常磁性体材料(a paramagnetic material)、および反強磁性体材料(an antiferromagnetic material)の少なくとも一つを含む磁気的または電気的活性材料を含んで良い。遠隔活性化可能制御要素は、ポリマー、セラミック、誘電体または金属を含んで良い。いくつかの実施形態では、浸透圧ポンプシステムは形状記憶材料を含んで良い。いくつかの実施形態では、遠隔活性化可能制御要素はポリマーおよび磁気的または電気的活性成分を含んで良い。
いくつかの実施形態では、遠隔活性化可能制御要素は形状を変化させることにより制御信号に応答してよい。いくつかの実施形態では、遠隔活性化可能制御要素は少なくとも一つの寸法を変化させることにより制御信号に応答してよい。遠隔活性化可能制御要素の応答は、加熱、冷却、振動、膨張、延伸、折畳みから広げること、縮小、変形、軟化、または全体または局部的折畳み、の一つ以上を含んで良い。遠隔活性化可能制御要素は、ポリマー、セラミック、プラスチック、誘電体または金属、またはそれの組合せ、のような様々な材料を含んで良い。遠隔活性化可能制御要素は、形状記憶ポリマーまたは形状記憶金属のような形状記憶材料、またはバイメタル構造のような複合構造、を含んで良い。遠隔活性化可能制御要素は、磁気的または電気的活性材料を含んで良い。磁気的活性材料の例は、永久磁化可能材料、鉄、ニッケル、コバルト、およびそれらの合金のような強磁性体材料、磁鉄鉱(magnetite)のようなフェリ磁性体材料、第一鉄材料、第二鉄材料、石英のような反磁性材料、珪酸塩またはスルフィド(silicate or sulfide)のような常磁性材料、および 強磁性材料に類似した振舞いをする斜傾反強磁性材料(canted antiferromagnetic materials)のような反磁性材料を含む;電気的活性材料の例は、強誘電体(ferroelectrics)、圧電体および 正および負双方の真の誘電率を有する誘電体(piezoelectrics and dielectrics having both positive and negative real permittivities)、を含む。いくつかの実施形態では、遠隔活性化可能制御要素は、ヒドロゲル(a hydrogel)または磁性ゲル(a ferrogel)を含んで良い。
いくつかの実施形態では、遠隔活性化可能制御要素はポリマーおよび電気的活性成分(高度分極化誘電体を含んで)、または磁気的活性成分(磁性ポリマーおよび類似物を含んで)、同時に一つの(またはそれ以上の可能性のある)磁気的または電気的大量成分を含む遠隔活性化可能制御要素、を含んで良い。遠隔活性化可能制御要素が一つ以上の電気的または磁気的活性成分を含む実施形態においては、電気的または磁気的活性成分は電磁制御信号に第一の方法で(例えば加熱により)応答して良く、遠隔活性化可能制御要素の応答は、電気的または磁気的活性成分への応答において作られる(例えば、電気的または磁気的活性成分の加熱に応答した膨張または形状変化)。
電磁制御信号の様々な種類および周波数が、ここでのべるように浸透圧ポンプシステムに用いられる。例えばいくつかの実施形態では、浸透圧ポンプシステムは、浸透圧の生成を所望の方法で制御するための遠隔活性化可能制御要素を活性化するのに十分な、静的もしくは準静的電界制御信号または静的もしくは準静的磁界制御信号を生成するように構成された遠隔制御信号源を含んで良い。他の実施形態では、遠隔制御信号源は、浸透圧の生成を所望の方法で制御するための遠隔活性化可能制御要素を活性化するのに十分な、無線周波数、マイクロウエーブ、赤外線、ミリメータウエーブ、光学的または紫外線電磁界制御信号、を生成するように構成されて良い。
浸透圧ポンプ装置のための遠隔制御装置は、浸透圧ポンプ装置の浸透室内における浸透圧生成材料濃度を変更するために環境内に置かれた浸透圧ポンプ装置の遠隔活性化可能制御要素を活性化するのに十分な電磁信号を生成することの出来る電磁信号生成装置;または遠隔活性化可能制御要素へ電磁信号を無線で送ることの出来る電磁信号送信器、を含んで良い。
図17に戻って参照して、信号送信器764は例えば、電磁信号と共に使用するために適したアンテナ、または導波管であって良い送信装置を含んで良い。静的および準静的電界は、例えば帯電した金属表面によって作られて良く、一方静的および準静的磁界は、例えば一つ以上の電線またはコイルを通して、または一つ以上の永久磁石を通して電流を流すことによって作ってよく、このことはその技術における経験者には知られていることである。ここで使用されているような送信、送信器、および伝送と言う用語は、電磁信号の無線送受信の意味における伝送のみに限定されず、一つ以上の初期位置から一つ以上の遠隔地までの磁気信号の無線での結合、および/または伝達にも使われる。
図17で一般的に示されている遠隔制御信号源754は、システムの意図された適用に依存して様々な特性を有する電磁制御信号を生成するよう構成されて良い。いくつかの実施形態では、特定の遠隔制御信号源は特定タイプの信号のみを作るべく構成されて良く(例えば、特定の周波数または周波数帯の)、一方他の実施形態では、特定の遠隔制御信号源は様々な周波数内容を有する信号を作るべく調整されて良い。信号はDCバイアスまたはいくつかの場合にはオフセットを与える成分、また同時にAC周波数成分を含んで良い。浸透圧ポンプシステム750の遠隔制御信号源754は、所望の浸透圧またはポンプ流量を生成するために遠隔活性化可能制御要素18を活性化するのに十分な、静的または準静的電界制御信号または静的または準静的磁界制御信号、を生成するべく構成されて良い。他の実施形態では、遠隔制御信号源754は、化学反応の所望の度合いまたは反応速度を生成するために遠隔活性化可能制御要素18を活性化するのに十分な、様々な異なった周波数における電磁制御信号を生成するべく構成されて良い。電磁制御信号は、例えば、無線周波数、マイクロウエーブ、赤外線、ミリメータウエーブ、光学的または紫外線周波数、を有して良い。無線周波数電磁信号の生成は、例えばARRL無線通信ハンドブック2006に述べられており(The ARRL Handbook for Radio Communications 2006, R. Dean Straw, Editor, published by ARRL, Newington, CT)、参照によって本願明細書に引用したものとする。
遠隔制御装置/遠隔制御信号源(例えば、図17の754)は意図される使途に適するように修正されて良い。例えば、浸透圧ポンプ装置が配備されている人間(または他の有機体)の身体上に、例えばベルト、腕輪、またはペンダント上に着用、または人間の身体にテープ付け、あるいは付着されるべく構成されて良い。代替的に有機体の周囲、例えば家庭もしくは薬が使用される状況で使用するための卓上装置として、置かれるべく構成されて良い。
様々な種類の電磁界制御信号が遠隔活性化可能制御要素を活性化するために使用されて良い。遠隔活性化可能制御要素は、静的または準静的電界もしくは静的または準静的磁界に応答して良い。それは様々な種類のイオン化しない電磁気放射、またはいくつかの場合にはイオン化電磁気放射に応答してよい。様々な実施形態で使用されてよい電磁界制御信号には、無線周波数電磁放射、マイクロウエーブ電磁放射、赤外線電磁放射、ミリメータウエーブ電磁放射、光学電磁放射、または紫外線電磁放射が含まれる。
電磁信号生成装置は、電気回路および/またはマイクロプロセッサを含んで良い。いくつかの実施形態では、電磁信号は少なくとも部分的には所定の活性化パターンに従って作られて良い。遠隔制御装置は所定の活性化パターンを格納することの出来るメモリーを含んで良い。いくつかの実施形態では、電磁信号はモデルベースの計算に基づいて作られて良い;遠隔制御装置はモデルベースの計算に使われるモデルパラメータを格納できるメモリーを含んで良い。
図21は、環境1056内の浸透圧ポンプ装置1054に送られる電磁制御信号1052を生成する遠隔制御装置1050を含む浸透圧ポンプシステムを図示する。電磁制御信号1052は浸透圧ポンプ装置1054内の遠隔活性化可能制御要素1058によって受信される。遠隔制御装置1050は、センサー1062によって環境1056から探知したフィードバック信号1060を受信するために適合した信号入力1051を含んで良く、電磁制御信号1052は、環境から探知されたフィードバック信号1060に少なくとも部分的に基づいて作られる。例えば、フィードバック信号1060は、環境の浸透圧またはペーハー、環境内の化学物質の濃度または化学的活性、環境の温度または圧力、または探知された他のいくつかの信号、に応答して良い。遠隔制御装置1050は、電気回路1064、信号生成装置1066、信号送信器1068、およびメモリー1070を含んで良い。センサー1062からのフィードバックはワイヤ接続上で送られ、またはいくつかの実施形態では無線で送信されて良い。
図22は、浸透圧ポンプシステムのもう一つの実施形態を図示し、環境1106内の浸透圧ポンプ装置1104へ電磁制御信号1102を送信する遠隔制御装置1100を含む。遠隔制御装置1100は、浸透圧ポンプ装置1104内のセンサー1110からのフィードバック信号1112を受信するのに適合した、信号入力1108を含んで良い。電磁制御信号1102は、少なくとも部分的にフィードバック信号1112に基づいて決定されて良い。センサーの例は、米国特許第6,935,165号、および米国特許出願第2004/0007051号に述べられており、両者とも参照によって本願明細書に引用したものとする。浸透圧ポンプ装置1104は遠隔活性化可能制御要素1058を含む。フィードバック信号1112は遠隔制御装置1100へ無線送信されて良い。遠隔制御装置1100は、プロセッサ1114、信号生成装置1116、信号送信器1118およびメモリー1120を含んで良い。いくつかの実施形態では、遠隔制御装置1100は、浸透圧ポンプ装置からのフィードバック信号を受信するのに適合した信号入力1108を含んで良く、電磁信号は、少なくとも部分的に浸透圧ポンプ装置から探知されたフィードバック信号に基づいて作られる。浸透圧ポンプ装置からのフィードバック信号は、浸透圧ポンプ装置内の、または周囲の浸透圧またはペーハー、浸透圧ポンプ装置内の、または周囲の化学物資の濃度または化学的活性、浸透圧ポンプ装置内のまたは周囲の温度または圧力、浸透圧ポンプ装置のポンプ流量、または浸透圧ポンプ装置から探知された他のいくつかのパラメータに応答して良い。
図23に図示されているように、いくつかの実施態様では、遠隔制御装置は制御パラメータの使用者入力を受信するように構成されて良い。遠隔制御装置1150は、例えばコマンド、変数、継続時間、振幅、周波数、波形、データの格納または検索指示、患者データなどの使用者からの情報または指示の入力を受信するための入力1160を含む。他の実施形態のように、遠隔制御装置1150は電磁制御信号1152を環境1156内の浸透圧ポンプ装置1154へ送信し、それにより遠隔活性化可能制御要素1158が活性化される。入力1160は、キーボード、キーパッド、マイクロフォン、マウスなどのような使用者からの情報の直接入力のための一つ以上の入力装置を含んで良く、あるいは入力1160は、アナログ、またはデジタルデータ入力またはポートの様々な種類のいずれでも良く、デスクドライブ、メモリーデバイス読取装置など、情報もしくはデータをデジタルまたは電子形式で受信するためのデータ読取装置を含む。入力1160を介して入ったデータまたは指示は、遠隔制御装置1150の動作を修正して、信号生成装置1164による電磁制御信号1152の生成、ならびに送信器1166による電磁制御信号1152の送信、を調整するために電気回路1162によって使用されてよい。
この、ここで開示された他の実施形態では、遠隔制御装置はソフトウエアを含んで良く、このソフトウエアは、例えば電磁制御信号の生成を制御するための指示、および電磁制御信号の電磁気的に応答する制御要素への送信を制御するための指示、を含んで良い。
ここで開示されたごとく、浸透圧ポンプ装置は図24に図示されたような方法で制御されて良く、該方法はステップ1202で、環境における浸透圧ポンプ装置の磁気的にまたは電気的に応答する制御要素によって吸収が可能な周波数要素を含む電磁制御信号を生成すること、およびステップ1204で、浸透圧ポンプ装置内の浸透圧生成材料の濃度を制御するための、磁気的にまたは電気的に応答する浸透圧ポンプ装置内の制御要素を活性化するのに十分な信号特性を有する電磁制御信号を、浸透圧ポンプ装置に遠隔送信すること、を含んで良い。
図24において一般的に示された方法は、電磁制御信号を生成することと、浸透圧ポンプ装置へ遠隔制御信号源によって送信することを含んで良い。電磁制御信号の生成はモデルベースの計算から電磁制御信号を生成すること、または格納されたパターンに基づいて電磁制御信号を生成すること、を含んで良い。図25に示されているように、ステップ1222で、環境内で磁気的または電気的に応答する浸透圧ポンプ装置の制御要素によって、吸収可能な周波数成分を含む電磁制御信号を生成するステップ、およびステップ1224で、浸透圧ポンプ装置内の浸透圧生成材料の濃度を制御するために、磁気的または電気的に応答する浸透圧ポンプ装置内の制御要素を活性化するのに十分な信号特性によって、電磁制御信号を浸透圧ポンプ装置へ遠隔送信するステップに加えて、この方法はまた、ステップ1226で環境からフィードバック信号を受信すること、および該フィードバック信号に基づいて、ステップ1228で所望のフィードバック信号を生成するために、期待される信号特性により電磁制御信号を生成することも含んで良い。該方法ステップは、終了する決定が判断ポイント1230でなされるまで繰返えされてよい。環境からのフィードバック信号を受信することは、浸透圧、ペーハー、温度、圧力または濃度の測定値、または環境の少なくとも部分における化学物質の化学的活性、を受信することを含んで良い。
図26に示されているように、この方法は、ステップ1302で環境における浸透圧ポンプ装置の磁気的または電気的に応答する制御要素によって吸収可能な周波数成分、を含む電磁制御信号を生成すること、ステップ1304で浸透圧ポンプ装置内の浸透圧生成材料の濃度を制御するために、磁気的または電気的に応答する浸透圧ポンプ装置内の制御要素を活性化するのに十分な信号特性によって、電磁制御信号を浸透圧ポンプ装置に遠隔送信すること、ステップ1306で浸透圧ポンプ装置からフィードバック信号を受信すること、および該フィードバック信号に基づいて、ステップ1308で所望のフィードバック信号を生成することが期待される信号特性を有する電磁制御信号を生成すること、を含んで良い。他の関連する実施形態との結びつきで言及されているように、この方法ステップは終了する決定が判断ポイント1310でなされるまで繰返えされて良い。浸透圧ポンプ装置からのフィードバック信号を受信することは、浸透圧ポンプ装置内の浸透圧生成材料の濃度、浸透圧ポンプ装置内または周囲の化学物質の濃度または化学的活性、または浸透圧ポンプ装置内または周囲の浸透圧、ペーハー、温度、または圧力、を示す信号を受信することを含んで良い。
いくつかの実施形態では、図27に示されているようにこの方法は、ステップ1352で一つ以上の制御パラメータの使用者入力を受信すること、およびステップ1354で、一つ以上の制御パラメータに基づいて、環境内で磁気的または電気的に応答する浸透圧ポンプ装置の制御要素によって、吸収可能な周波数成分を含む電磁制御信号を生成すること、を含んで良く、該電磁制御信号は、浸透圧ポンプ装置内の浸透圧生成材料の所望濃度を作るために期待される信号特性を有する。この方法は、浸透圧ポンプ装置内の浸透圧生成材料の濃度を制御するために、磁気的または電気的に応答する浸透圧ポンプ装置内の制御要素を活性化するのに十分な信号特性によって、電磁制御信号を浸透圧ポンプ装置へ遠隔送信することを含む、ステップ1356を含んで良い。浸透圧ポンプ装置内の浸透圧生成材料の所望濃度は、浸透圧ポンプ装置による所望のポンプ流量を作るのに十分な濃度であって良い。この方法は、加熱または冷却するべく、あるいは磁気的または電気的に応答する制御要素の構成を変更するべく、磁気的または電気的に応答する制御要素を活性化することを含んで良い。
いくつかの実施形態では、電磁制御信号を生成するステップ、および電磁制御信号を浸透圧ポンプ装置に遠隔送信するステップは、ソフトウエア、ハードウエア、またはファームウエアの形で供給された指示に従ってなされて良い。電磁制御信号の生成は、静的又は準静的磁界、または静的又は準静的電界、または無線周波数、マイクロウエーブ、赤外線、光学的または紫外線波長の電磁信号、の生成を含んで良い。この方法は、ソフトウエア制御の下に電磁制御信号を生成することを含んで良い。この方法は、浸透圧ポンプ装置の浸透室内における浸透圧生成材料濃度を、浸透室内の相互作用領域面積を修正することによって修正すること、を含んで良い。相互作用領域の面積を修正することは、相互作用領域の面積を増大することを含んで良く、このことは相互作用領域内の相互作用サイト間の距離を増やすこと、および相互作用面積内の相互作用サイトの使用可能な数を増やすこと、の一つまたは両方を含んで良い。あるいは逆に相互作用領域の面積を修正することは、相互作用領域の面積を減少することを含んで良く、このことは相互作用領域内の相互作用サイト間の距離を減らすこと、および/または相互作用面積内の相互作用サイトの使用可能な数を減らすこと、を含んで良い。
浸透圧ポンプ装置の浸透室内の浸透圧生成材料濃度の修正は浸透室内の相互作用領域での条件の修正を含んで良く、例えば相互作用領域の少なくとも部分での加熱、または冷却を含んで良い。それに替わって、あるいは追加して、相互作用領域での条件の修正は、相互作用領域の少なくとも部分での浸透圧またはペーハーの修正、または相互作用領域の少なくとも部分での表面電荷または表面エネルギーの修正、を含んで良い。相互作用領域での条件の修正は、浸透室の容積の修正、浸透室の少なくとも部分の加熱または冷却、または浸透室の少なくとも部分の浸透圧またはペーハーの修正などの浸透室の条件の修正、を含んで良い。
浸透圧ポンプ装置を制御するさらなる方法は図28に示され、それはステップ1372で、環境での磁気的または電気的に応答する浸透圧ポンプ装置の制御要素によって吸収可能な周波数成分を含む電磁制御信号を生成すること、およびステップ1374で、浸透圧ポンプ装置のポンプ流量を制御するために、浸透圧ポンプ装置における磁気的にまたは電気的に応答する制御要素の機械的、熱的または化学的な活性化をもたらすのに十分な信号特性によって環境内で電磁制御信号を浸透圧ポンプ装置へ遠隔送信すること、を含む。この方法は電磁制御信号を遠隔制御信号源により生成し、送信することを含んで良い。他の述べられた実施形態におけるように、この方法は電磁制御信号をモデルベースの計算から、または格納されたパターンから生成することを含んで良い。この方法はまた、環境からフィードバック信号を受信すること、および該フィードバック信号の少なくとも部分に基づいて、所望のフィードバック信号を作ることが期待される信号特性を有する電磁制御信号を生成すること、を含んでも良い。環境からフィードバック信号を受信することは、環境の少なくとも部分内の浸透圧、ペーハー、温度、圧力、または化学物質の濃度または化学的活性、の測定を受信する事を含んで良い。
代替的に、あるいは追加してこの方法は浸透圧ポンプ装置からフィードバック信号を受信すること;またフィードバック信号の少なくとも部分に基づいて、所望のフィードバック信号を作ることが期待される信号特性を有する電磁制御信号を生成すること、を含んで良い。浸透圧ポンプ装置からフィードバック信号を受信することは、浸透圧ポンプ装置の浸透室内の相互作用領域における材料の化学的物質の濃度または化学的活性を現す信号を受信することを含んで良い。信号は、例えば浸透圧生成材料の濃度または化学的活性を表して良い。この方法は一つ以上の制御パラメータの使用者入力を受信すること、および一つ以上の制御パラメータに少なくとも部分的に基づいて、浸透圧ポンプ装置の所望のポンプ流量を作ることが期待される信号特性を有する電磁制御信号を生成すること、を含んで良い。この方法は、加熱および冷却を行うための磁気的または電気的に応答する制御要素を活性化することを含んで良く、ここで加熱または冷却は、浸透圧ポンプ装置の相互作用領域における相互作用を修正し、該相互作用は浸透圧ポンプ装置内の浸透圧を修正し、または電気的または化学的に応答する制御要素の構成を変化させるべく電気的または化学的に応答する制御要素を活性化することを含んで良く、ここで該構成の変化は浸透圧ポンプ装置の相互作用領域における相互作用を修正し、該相互作用は浸透圧ポンプ装置内の浸透圧を修正する。このような構成の変化は、磁気的または電気的に応答する制御要素の膨張または縮小を含んで良い。膨張は相互作用領域での相互作用サイトの露出をもたらし、または相互作用領域での相互作用サイトの密度を変化させて良い。磁気的または電気的に応答する制御要素がポリマーを含む場合には、磁気的または電気的に応答する制御要素の膨張はポリマーにおける細孔を開かせる。構成の変化は、磁気的または電気的に応答する制御要素の形状の変化を含んで良い。
いくつかの実施形態では、電磁制御信号を生成するステップと、電磁制御信号を浸透圧ポンプ装置へ遠隔送信するステップは、ソフトウエア、ハードウエアまたはファームウエアの形で供給される指示に従って行われて良い。浸透圧ポンプ装置を制御するためのソフトウエアは、例えば環境における浸透圧ポンプ装置の磁気的または電気的に応答する制御要素によって吸収可能な周波数成分、を含む電磁制御信号を生成する指示、および環境における浸透圧ポンプ装置へ電磁制御信号を、浸透圧ポンプ装置のポンプ流量を制御するために浸透圧ポンプ装置における磁気的または電気的に応答する制御要素の、機械的、熱的、化学的活性化の少なくとも一つ、を行うのに十分な信号特性によって遠隔送信する指示、を含んで良い。電磁信号を生成する指示は、モデルに基づいて電磁制御信号を計算するための、および/またはデータ格納場所に格納されたパターンに基づいて電磁制御信号を生成するための、指示を含んで良い。
このソフトウエアはまた、環境からフィードバック信号を受信するための指示、および受信したフィードバック信号に少なくとも部分的に基づいて、所望のフィードバック信号を作ることが期待される信号特性を有する電磁制御信号を生成するための指示、を含んで良い。いくつかのソフトウエア実施形態では、ソフトウエアはまた、浸透圧ポンプ装置からのフィードバック信号を受信するための、および受信したフィードバック信号に少なくとも部分的に基づいた、所望のフィードバック信号を作ることが期待される周波数成分と振幅を有する電磁制御信号を生成するための、指示も含んで良い。このソフトウエアは、一つ以上の制御パラメータの使用者入力を受信するための指示、および一つ以上の制御パラメータに少なくとも部分的に基づいた電磁制御信号を生成するための指示、を含んで良い。
遠隔制御装置は、定義された磁界強度または定義された電界強度の一つまたは両方を有する電磁信号を作ってよい。一般的には、界(field)の強さという用語は磁界または電界のどちらかに使われているように、界の振幅、方形振幅、または時間平均方形振幅、に当てはめてよい。電磁信号は、遠隔活性化可能制御要素の大きさの変化、遠隔活性化可能制御要素の温度変化、遠隔活性化可能制御要素の構成の変化、または遠隔活性化可能制御要素の方向性または位置の変化、を作るのに十分な信号特性を有して良い。いくつかの実施形態では、電磁信号生成装置は、電磁気的または電気的分極可能要素、または少なくとも一つの永久磁石またはエレクトレット、を含んで良い。電磁信号は予めプログラムされたパターンに、少なくとも部分的に従って作られて良い。電磁信号は遠隔活性化可能制御要素における大きさの変化をもたらすのに十分な信号特性を有してよく、この大きさの変化は浸透圧ポンプ装置の浸透室内における浸透圧生成材料濃度の変化を惹起する。それは遠隔活性化可能制御要素の温度変化を作るのに十分な信号特性を有して良く、この温度変化は浸透圧ポンプ装置の浸透室内における浸透圧生成材料濃度の変化を惹起する。いくつかの実施形態では、それは、遠隔活性化可能制御要素の形状、容積、表面面積または構成の一つ以上における変化をもたらすのに十分な信号特性を有してよく、遠隔活性化可能制御要素の形状、容積、表面面積または構成の一つ以上における変化は浸透圧ポンプ装置の浸透室内における浸透圧生成材料濃度の変化を惹起する。電磁信号は、形状記憶材料、バイメタル構造、または重合材料を含んだ遠隔活性化可能制御要素における形状変化、を作るのに十分な信号特性を有してよい。電磁信号は、定義された磁界強度または空間方向性、または定義された電界強度または空間方向性を有してよい。
電磁制御信号は、所定の活性化パターンに少なくとも部分的に基づいて作られて良い。図29に示されているように、所定の活性化パターンはメモリー位置1400に格納された値f(t1)、f(t2)、f(t3)、f(t4)、・・・f(tN)、を有する一連の記憶データ1402a、1402b、1402c、1402d、・・・1402e、を含んで良い。電磁信号が基づいている活性化パターンは図29の作図1404に示されている。作図1404において、時間tnは軸1406上に示されており、tnの関数である信号振幅f(tn)は軸1408上に示されている。時間経過に伴う電磁信号の値は、線1410によって表現されている。データ1402a、1402b、1402c、1402d、・・・1402eによって表現された所定の活性化パターンは計算、測定、あるいは遠隔活性化可能制御要素を活性化するための適切な活性化パターンを作るべく使用されて良い他の方法、に基づいて良い。メモリー1400は、遠隔制御装置における記憶位置で良い。例として、簡単な遠隔制御装置はメモリー内に格納された活性化パターンを含んで良く、またフィードバック情報または使用者データのどちらからのさらなる入力なしに、プリセットされた時間の間またはプリセットされた間隔におけるパターンに従った電磁制御信号を生成するべく構成された電気回路を含んで良い。より複合的な実施形態では、所定の活性化パターンはある種のフィードバックまたは使用者入力条件に応答して生成されてよい。
電磁信号はまた、モデルベースの計算に基づいて作られて良い。図30に示されているように、活性化パターンf(tn)は時間tnだけでなく式1450によって示されているようにモデルパラメータP1,P2,・・・Pkの関数であって良い。値P1,P2,・・・Pkを有するデータ1452a、1452b、・・・1452cは、メモリー1454に格納されてよい。電磁制御信号は、格納されたモデルパラメータと時間情報からコンピュータ計算されてよい。例えば、作図1456に示されているように時間は軸1458上に示され、電磁制御信号の強さ即ち振幅は軸1460上に示され、線1461がf(tn)を表現する。メモリー1454は遠隔制御装置内の記憶位置であって良い。遠隔制御装置は格納された関数および対応するするパラメータに基づいて電磁制御信号を生成してよい。いくつかの実施形態では、電磁制御信号はまた一つ以上のフィードバック信号関数(例えば、浸透圧ポンプ装置または環境からの)またはデータまたは指示のいつくかの使用者入力の関数、であって良い。
図31は電磁波形の例を示している。作図1550において、時間は軸1552上にプロットされ、電磁界の強さは軸1554上にプロットされる。線1556は方形波の形を有し、ゼロ振幅と非ゼロ振幅Aの間を入れ替わっている。
図32は電磁波形のもう一つの例を示している。作図1600において、時間は軸1602上にプロットされ、電磁界の強さは軸1604上にプロットされる。線1606はバースト1608と1610を含み、その間では界の強さはAと−Aの間で選択された周波数で変化し、間隙1612では界の強さはゼロである。
図33は電磁波形のもう一つの例を示している。作図1650において、時間は軸1652上にプロットされ、電磁界の強さは軸1654上にプロットされる。線1656はバースト1658と1662を含み、その間では界の強さはAと−Aの間で第一の周波数で変化し、バースト1660では界の強さはBと−Bの間で第二の(より低い)周波数で変化する。異なった周波数は、複数の遠隔活性化可能制御要素を含む装置またはシステム内で、ある種の個別またはクラスの遠隔活性化可能制御要素によって選択的に受け取られて良い。電磁制御信号は、一つ以上の周波数、相、振幅、または分極によって特徴づけられて良い。電磁制御信号は、特徴的な時間的プロファイルおよび方向性、および特徴的な空間依存性、を有してよい。
遠隔制御装置によって作られる磁界または電界制御信号は、定義された磁界強度または定義された電界強度の一つまたは両方を有してよい。低い周波数においては、電磁界の電気的および磁気的成分は界が媒体に入ると、分離可能である。それ故、静的および準静的界の適用において電磁界制御信号は電界として、または磁界として考えてよい。準静的界は、ゆっくり変化する界であり、すなわち関係する物理的尺度に関しては長い波形、または目的物すなわち媒体の特徴的に応答する周波数に比べると低い周波数、に伴い;従って、界がそれ以上はもはや「準静的」とは考えられない周波数は、界によって影響される媒体または構造の電気力学的な特性の大きさに依存している。
図34は、図29および図30に関連して述べられたように、モデルベースの計算に用いられる予め決定されたデータ数値またはパラメータを格納できるメモリー1704を有する遠隔制御装置1700を示している。遠隔制御装置1700はまた、一般的に前に述べられたように、電気回路1702、信号生成装置1712、電磁制御信号1716を送信するための信号送信器1714も含んで良い。メモリー1704は格納された活性化パターンまたはモデルパラメータを収容するための記憶位置1706を含んで良く;メモリー1704の部分はまた、プロセッサ1702によって使用するためのオペレーティングシステム、プログラムコードなどを格納するために使用されて良い。制御装置1700はまた、アンテナ、光学要素、ミラー、変換器、または電磁シグナリングの制御に重要な影響を及ばす他の構造、などのビームディレクター1718、も含んで良い。
遠隔制御装置は、さまざまな種類の制御信号を生成することが出来る電磁信号生成装置を含んで良い。遠隔制御装置は、浸透室内の浸透圧生成材料の濃度を所望する方法で制御するために遠隔活性化可能制御要素を活性化するのに十分な、静的または準静的電界制御信号、または静的または準静的磁界制御信号、を生成するべく構成された電磁信号生成装置を含んで良い。代替的に遠隔制御装置は、浸透室内の浸透圧生成材料の濃度を所望する方法で制御するために遠隔活性化可能制御要素を活性化するのに十分な、無線周波数、マイクロウエーブ、赤外線、ミリメータウエーブ、光学または紫外線電磁信号、を生成するべく構成された電磁信号生成装置を含んで良い。
図35に例示されたさらなる実施形態では、浸透圧ポンプ装置1750は、環境1754内に配置されるように構成されているハウジング1752;送達流体1758を収容することの出来るデリバリーリザーバー1756、浸透室1760、浸透室1760内に収容される浸透圧生成材料1762、浸透室1760をデリバリーリザーバー1756から分離する圧力応答型移動バリヤ1764、この圧力応答型移動バリヤ1764は浸透圧生成材料1762に対して実質的に不浸透であり、また浸透室1760内の圧力変化に応答して移動して、デリバリーリザーバー1756の圧力または容積の少なくとも一つを変化をもたらすよう構成されている;浸透室1760を浸透圧流体源(この例では環境1754)から分離する、半透膜1766、この半透膜は浸透圧流体源からの流体にとっては実質的に浸透性であるが浸透圧生成材料1762に対しては実質的に不浸透性である;および時間で変化する電磁界制御信号に継続する様式で応答するデリバリーリザーバーからの材料のポンピングを調整するべく構成された少なくとも一つの遠隔制御可能弁1768、を含んで良い。図35に示されているように、遠隔制御可能弁1768は浸透圧流体源(前室1770を介して環境1754)と浸透室1760間に位置づけされて良く、浸透圧流体の浸透室1760への流れを調整する。代替的に、図36に示されているように、遠隔制御可能弁1772はデリバリーリザーバー1756の下流に位置づけされて良く、デリバリーリザーバーからの送達流体1758の流れを調整する。デリバリーリザーバーは、デリバリーリザーバーにおける圧力または容積の少なくとも一つにおける変化に応答して、送達流体がそこを通って環境へ移動する、放出口を含んで良い。
遠隔制御可能弁(例えば図35および図36におけるそれぞれ1768、または1772)は、電磁気的に応答する制御要素を含んで良く、それはたとえば永久磁化可能材料、強磁性材料、フェリ磁性材料、第一鉄材料、第二鉄材料、誘電性または強磁性または圧電性材料、反磁性材料、常磁性材料、および反強磁性材料を含んで良い。電磁応答制御要素は、形状記憶材料、例えば形状記憶ポリマー、または形状記憶金属を含んで良い。いくつかの実施形態では、電磁応答制御要素は、バイメタル構造、ポリマー、セラミック、誘電体または金属、ヒドロゲル、強磁性ゲルまたは強誘電体を含んで良い。いくつかの実施形態では、電磁応答制御要素は合成構造で良く、また例えばポリマーおよび磁気的または電気的活性成分を含んで良い。いくつかの実施形態では、電磁応答制御要素は膨張要素を含んで良い。
浸透圧ポンプ装置は、遠隔活性化可能制御要素の少なくとも一つの大きさにおける変化に応答する弁を含んで良い。この弁はその全体が遠隔活性化可能制御要素によって形成されて良く、あるいは遠隔活性化可能制御要素が弁または弁の起動機構の一部のみを形成して良い。遠隔活性化可能制御要素は、少なくとも一つの大きさにおける変化により制御信号に応答してよく、また様々な材料、例えばポリマー、セラミック、誘電体または金属、を含んで良い。たとえば遠隔活性化可能制御要素は、形状記憶ポリマー、記憶泡、またはニチノール(チタンとニッケルの合金)または強磁性体形状記憶材料(たとえばNi2MnGa 合金)のような形状記憶合金、のような形状記憶材料を含んで良い。遠隔活性化可能制御要素は、バイメタル構造を含んで良い。
図35に示された浸透圧ポンプ装置の実施形態では、遠隔活性化可能弁/制御要素1768が形状記憶材料から形成される。遠隔活性化可能制御要素1768によって形成された弁の開の位置は、実線で示され、一方閉の位置は点線で示される。
図36の実施形態では、弁1772は、ヒドロゲルまたは強磁性ゲルのような膨張ゲル構造を含んで良い遠隔活性化可能制御要素である。遠隔活性化可能制御要素は浸透圧ポンプ装置1750への流体の流れを制御するための弁1772を形成し、開(収縮)形状は実線で示され、閉(膨張)形状は点線で示されている。生成された浸透圧は、浸透圧ポンプ装置からの流体の流れを制御するための弁1772を調整することによって修正が可能である。磁気的に制御されるヒドロゲル弁の例が、「温度感応型ヒドロゲルを用いた生物医学的適用のための温度制御マイクロ弁」Micro Total Analysis Systems Symposium, Nov. 3-7, Nara, Japan, 1:142-144 H.J. van der Linden, D.J. Beebe, and P. Bergveld (2002) に述べられており、参照によって本願明細書に引用したものとする。その他の弁に対して可能性のある材料と構造は、米国特許第6,682,521号, 第6,755,621号, 第6,720,402号, 第6,607,553号各明細書 に述べられているように可能であり、参照によって本願明細書に引用したものとする。
いくつかの実施形態では、浸透圧流体源は環境であって良く、一方他の実施形態では、浸透圧流体源は浸透圧ポンプ装置上のリザーバであって良い。図37は浸透圧ポンプ装置1950を示しており、送達流体1954を収容するデリバリーリザーバー1952、浸透圧生成材料1958を収容する浸透室1956、圧力応答型移動バリヤ1960、および半透性バリヤ1962、を含み、これらの機能は全てこれまでに述べられている。浸透圧ポンプ装置1950はまた、浸透圧流体1966を収容する折畳み可能リザーバ1964も含んで良い。折畳み可能リザーバ1964は、浸透圧流体1966が半透性バリヤ1962を通して抜取られると折畳まれるように設計される。デリバリーリザーバー1952からの流体の流れは遠隔活性化可能弁1968によって調整されて良い。
図38は、壁2004によって画成されるチャネル2002内の弁2000の実施形態を断面視したものであり、チャネル2002内に位置づけされる遠隔活性化可能弁要素2006を含む。弁要素2006は、たとえばフェロポリマー、または印加された磁界または電界または電磁界または放射能に応答する他の材料から形成される磁気的または電気的に応答する要素であって良い。弁要素は、第一の磁界または電界強度に露出した場合には実線で示された第一の形2006を有してよく、第二の磁界または電界強度に露出した場合には点線で示された第二の形2006'を有して良い。この種の弁は例えば、「温度感応型ヒドロゲルを用いた生物医学的適用のための温度制御マイクロ弁」Micro Total Analysis Systems Symposium, Nov. 3-7, Nara, Japan, 1:142-144, H.J. van der Linden, D.J. Beebe, and P. Bergveld (2002)、に開示されていて、参照によって本願明細書に引用したものとする。また、米国特許第5,643,246号, 第5,830,207号, および第6,755,621号各明細書もまた参照によって本願明細書に引用したものとする。第一の形2006では、弁要素2006はチャネル2002を妨害して弁2000を通しての流体の流れを妨げる。第二の形2006'においては弁要素2006はチャネル2002を妨害せず、弁2000を通しての流体の流れは妨げられない。
図39は弁2020の他の種類の実施形態を断面視したものであり、壁2024によって画成される流体チャネル2022は、遠隔活性化可能弁要素2026を含む。遠隔活性化可能弁要素2026は、たとえば磁界または電界または電磁界または放射能制御信号への露出によって作られる加熱の間に、第一構成から第二構成に変化するバイメタル細片から形成される。遠隔活性化可能弁要素2026の開放構成は参照番号2026'で示される。
いくつかの弁の実施形態では、弁の開または閉は磁界または電界または電磁界制御信号の遷移的な適用によって作られて良く、制御信号は弁要素を第一構成から第二構成へ切替を起こすべく機能し、一方制御信号の他の連続的な適用にあっては、弁要素は二つの構成の一つに維持されることが要求され、制御信号が除去されると弁要素はもう一方の構成へ戻る。このような弁要素は形状記憶金属、形状記憶ポリマー、またはたとえば熱膨張係数の異なった金属の積層された層から形成されたバイメタル細片、から形成されてよい。このような弁要素の製作は、たとえば関連する技術分野の当業者に知られている。
いくつかの実施形態では、図40に図示されているように、浸透圧ポンプシステム2050は下流の流体処理構造2052を含んで良く、デリバリーリザーバー1756と流体的連通をしていて、デリバリーリザーバー1756における圧力または容積の少なくとも一つの変化に応答して、デリバリーリザーバー1756から放出される送達流体1758を受け取るべく構成される。下流の流体処理構造2052は、チャネルまたは室の少なくとも一つを含んで良い。圧力応答型移動バリヤ1764は、たとえば図40に示されているように柔軟性のある膜、またはたとえば図5Aおよび図5Bに示されているようにピストンを含んで良い。浸透圧ポンプシステム2050はまた、たとえば図35および図36とのつながりで述べられたように、浸透圧生成材料1762、浸透室1760、および半透膜1766を含む。浸透圧生成材料はイオンの、および非イオンの親水性または吸水性材料、不揮発性水溶性種、塩、砂糖、多糖類、ポリマー、ヒドロゲル、オスモポリマー、親水性ポリマー、および吸収性ポリマー、を含んで良く、それらの例がここに開示される。
図35〜図37または図40に示された種類の浸透圧ポンプ装置は、図41に示されているように、浸透圧ポンプ装置2102、および浸透圧ポンプ装置2102の浸透室2110内の浸透圧生成材料2108の濃度を修正するのに十分な、経時変化する電磁界制御信号2106を生成することが出来る遠隔制御信号源2104、を含む浸透圧ポンプシステム2100の一部を形成して良い。前に述べたように、浸透圧ポンプ装置は、環境内に配置されるように構成されているハウジング2112;送達流体を収容することの出来るデリバリーリザーバー2114、浸透室2110、浸透室2110内に収容された浸透圧生成材料2108、浸透室をデリバリーリザーバー2114から分離する圧力応答型移動バリヤ2118、この圧力応答型移動バリヤは浸透圧生成材料2108に対して実質的に不浸透性であり、また浸透室2110内の圧力変化に応答して移動して、デリバリーリザーバーの圧力または容積の少なくとも一つを変化させ、浸透室を浸透圧流体源から分離するように構成されている、半透膜2120、この半透膜2120は浸透圧流体源(この例では環境2122)からの流体により実質的に浸透性であるが浸透圧生成材料2108に対しては実質的に不浸透性であり、および時間で変化する電磁界制御信号に継続する様式で応答するデリバリーリザーバー2114からの材料のポンプ吐出を調整するべく構成された少なくとも一つの遠隔制御可能弁2124、を含んで良い。遠隔制御信号源2104は、電気回路2125、信号生成装置2126、および信号送信器2128を含んで良く、それらは例えば図17における遠隔制御信号源754の部品と同じやり方で機能して良い。環境2122はたとえば有機体の体、水体または収容された流体容積から選択されてよい。
遠隔制御信号源2104は、ハードウエア、ファームウエア、または電磁気制御フィールド信号の生成を制御するべく構成されたソフトウエア、の少なくとも一つを含んで良い。遠隔制御可能弁2124は、電磁気的に応答する制御要素を含んで良く、これは永久磁化可能材料、強磁性材料、フェリ磁性材料、第一鉄材料、第二鉄材料、誘電性または強誘電性または圧電性材料、反磁性材料、常磁性材料、および反強磁性体材料、を含んで良い。電磁的に応答する制御要素は、形状記憶ポリマーまたは形状記憶金属のような形状記憶材料、またはバイメタル構造、を含んで良い。電磁的に応答する制御要素は、ポリマー、セラミック、誘電体または金属を含んで良い。電磁的に応答する制御要素は、ヒドロゲル、フェロゲルまたは強誘電体、またはポリマーと磁気的または電気的な活性成分との組合せ、を含んで良い。電磁的に応答する制御要素は膨張要素を含む。
遠隔制御信号源2104は、所望のやりかたでデリバリーリザーバーからの材料のポンプ吐出を制御するために遠隔制御可能弁を活性化するのに十分な静的または準静的電界制御信号、または所望のやりかたでデリバリーリザーバーからの材料のポンプ吐出を制御するために遠隔制御可能弁を活性化するのに十分な静的または準静的磁界制御信号、を生成するべく構成されて良い。いくつかの実施形態では、遠隔制御信号源は、所望のやりかたでデリバリーリザーバーからの材料のポンプ吐出を制御するために遠隔制御可能弁を活性化するのに十分な、無線周波数、マイクロウエーブ、赤外線、ミリメータウエーブ、光学的または紫外線電磁界制御信号を生成するべく構成されて良い。
浸透圧ポンプ装置のための遠隔制御装置は、ポンプのデリバリーリザーバーから環境への送達流体の、所望時間で変化し弁を通る流体の流速に依存するポンプ流量を生成するために、環境に置かれた浸透圧ポンプ装置内の遠隔制御可能弁を調整するのに十分な、時間で変化する電磁界制御信号を作ることが出来る電磁信号生成装置と、電磁信号を遠隔制御可能弁の電磁気的に応答する制御要素に送信することが出来る電磁信号送信器と、を含んで良い。
電磁信号生成装置は、電気回路および/またはマイクロプロセッサを含んで良い。電磁信号は予め定められた活性化パターンに少なくとも部分的に従って作られて良く、遠隔制御装置は予め定められた活性化パターンを格納することが出来るメモリーを含んで良い。追加的に、または代替的に電磁信号はモデルベースの計算に基づいて作られて良く、遠隔制御装置はモデルベースの計算に使用されたモデルパラメータを格納することが出来るメモリーを含んで良い。いくつかの実施形態では、電磁信号は環境から探知したフィードバック信号に少なくとも部分的に基づいて作られて良い。
電磁信号は定義された磁界強度または定義された電界強度を有してよい。遠隔制御装置のいくつかの実施形態では、電磁信号は遠隔制御可能弁の電磁気的に応答する制御要素における大きさの変化、をもたらすのに十分な信号特性を有してよい。たとえば電磁信号は、電磁的に応答する制御要素の少なくとも一つの大きさを縮小するのに十分な信号特性を有して良く、または電磁的に応答する制御要素の少なくとも一つの大きさを拡大するのに十分な信号特性を有して良い。いくつかの実施形態では、電磁信号は電磁的に応答する制御要素における温度、形状、容積、表面面積、または方向性における変化をもたらすのに十分な信号特性を有して良い。電磁信号は形状記憶材料を包含する電磁気的に応答する制御要素における形状変化をもたらすのに十分な信号特性を有して良く;形状記憶材料は形状記憶金属または形状記憶ポリマーで良い。代替的に電磁信号はバイメタル構造を含む電磁気的に応答する制御要素における形状変化をもたらすのに十分な信号特性を有して良い。電磁信号は重合体材料を含む電磁気的に応答する制御要素における形状変化をもたらすのに十分な信号特性を有して良い。
図42に示されているように、浸透圧ポンプシステムのいくつかの実施形態では、遠隔制御装置2150は、環境2122内のセンサー2162からのフィードバック信号2160を受信するのに適合した信号入力2151を含んで良く、電磁信号2152はフィードバック信号2160に少なくとも部分的に基づいて決定されている。フィードバック信号2160は、環境内の化学物質の濃度または化学的活性、または環境における浸透圧、ペーハー、温度、または圧力に応答して良い。遠隔制御装置2150は、たとえば電気回路2164、信号生成装置2166、信号送信器2168、およびメモリー2170、を含んで良い。センサー2162からのフィードバックはワイヤ接続上で送られて良く、あるいはいくつかの実施形態では無線で送信されて良い。
いくつかの実施形態では、図43に示されているように、遠隔制御装置2200は浸透圧ポンプ装置2204内のセンサー2210からのフィードバック信号2212を受信するのに適合した信号入力2208を含んで良い。図43の浸透圧ポンプシステム2201は、電磁制御信号2202を環境2122内の浸透圧ポンプ装置2204に送信する遠隔制御装置2200を含んで良い。浸透圧ポンプ装置からのフィードバック信号2212は、浸透圧ポンプ装置の内部または周囲の浸透圧またはペーハー、浸透圧ポンプ装置の内部または周囲の化学物質濃度または化学的活性、浸透圧ポンプ装置の内部または周囲の温度または圧力、浸透圧ポンプ装置のポンプ流量、または浸透圧ポンプ装置から探知された他のいくつかのパラメータ、に応答して良い。電磁制御信号2202は、フィードバック信号2212に少なくとも部分的に基づいて決定されて良い。センサーの例は米国特許第6,935,165号および米国特許出願第2004/0007051号に述べられており、両者とも参照によって本願明細書に引用したものとする。浸透圧ポンプ装置2204は遠隔活性化可能制御要素2124を含む。フードバック信号2212は遠隔制御装置2200に無線送信されて良い。遠隔制御装置2200は、電気回路2214、信号生成装置2216、信号送信器2218、およびメモリー2220、を含んで良い。信号生成装置2216は、静的または準静的磁界、静的または準静的電界、非イオン電磁放射、無線周波数電磁放射、マイクロウエーブ電磁放射、ミリメータウエーブ電磁放射、光学的電磁放射、または紫外線電磁放射、を含む電磁信号を生成可能であって良い。
図44に図示されているように、浸透圧ポンプシステムのいくつかの実施形態では、遠隔制御装置は制御パラメータの使用者入力を受信するべく構成されて良い。遠隔制御装置2250は、たとえばコマンド、変数、継続時間、振幅、周波数、波形、データ格納または検索指示、患者データなどの、使用者からの情報または指示の入力を受信するための入力2260、を含む。他の実施形態におけるように、遠隔制御装置2250は、電磁制御信号2252を環境2122内の浸透圧ポンプ装置2254へ送信し、そこで電磁制御信号は遠隔活性化可能制御要素2124を活性化する。入力2260は、キーボード、キーパッド、マイクロフォン、マウスなど、使用者から情報を直接入力するための一つ以上の入力装置を含んで良く、または入力2260は、ディスクドライバー、メモリー装置読取り器など、情報やデータをデジタルまたは電子的な形式で受信するためのデータ読取装置を含む、様々な種類のアナログまたはデジタルデータ入力またはポートのいずれかであって良い。入力2260を介して入ったデータまたは指示は、信号生成装置2264によって電磁制御信号2252を生成すること、および送信器2266によって制御信号2252を送信すること、を調整するべく、電気回路2262によって遠隔制御装置2250の動作を修正するために使用されて良い。
浸透圧ポンプ装置を制御する方法は図45に示されている。浸透圧ポンプ装置を制御する方法は、ステップ2302で、浸透圧ポンプ装置への、または装置からの、流体の流れを調整するべく構成されている遠隔制御可能弁の電磁気的に応答する制御要素によって、吸収可能な周波数成分を含む電磁制御信号を生成することと、およびステップ2304で、浸透圧ポンプ装置のポンプ流量を制御するために、浸透圧ポンプ装置の遠隔制御可能弁内の電磁気的に応答する制御要素の、機械的、熱的または化学的活性化を行うのに十分な信号特性によって、電磁制御信号を環境内の浸透圧ポンプ装置に遠隔送信すること、を含む。この方法は、遠隔制御信号源によって電磁制御信号を生成し、送信することを含んで良い。電磁制御信号は、モデルベースの計算から、または格納されたパターンから生成されて良い。
図46に示されているように、浸透圧ポンプ装置を制御する方法は、ステップ2322で、浸透圧ポンプ装置への、または装置からの、流体の流れを調整するべく構成されている遠隔制御可能弁の電磁気的に応答する制御要素によって吸収可能な周波数成分を含む電磁制御信号を生成することと、ステップ2324で、浸透圧ポンプ装置のポンプ流量を制御するために、浸透圧ポンプ装置の遠隔制御可能弁内の電磁気的に応答する制御要素の、機械的、熱的または化学的活性化を行うのに十分な信号特性によって、電磁制御信号を環境内の浸透圧ポンプ装置に遠隔送信することと、ステップ2326で、環境からフィードバック信号を受信すること、およびステップ2328で、フィードバック信号の少なくとも一部に基づいて、所望のフィードバック信号を作ることが期待される信号特性を有する電磁制御信号を生成することと、を含んで良い。終了すべき決定が判断ポイント2330においてなされるまで、プロセスは繰返されて良い。環境からフィードバック信号を受信することは、ステップ2334に示されているように浸透圧、ステップ2336に示されているようにペーハー、ステップ2338に示されているように温度、ステップ2340に示されているように圧力、またはステップ2342および2344にそれぞれ示されているように環境の少なくとも部分内での化学物質の濃度または化学的活性、の測定を受信することを含んで良い。
いくつかの実施形態では、図47に示されているように、浸透圧ポンプ装置を制御する方法は、ステップ2352で、浸透圧ポンプ装置への、または装置からの、流体の流れを調整するべく構成されている遠隔制御可能弁の電磁気的に応答する制御要素によって吸収可能な周波数成分を含む電磁制御信号を生成することと、およびステップ2354で、浸透圧ポンプ装置のポンプ流量を制御するために、浸透圧ポンプ装置の遠隔制御可能弁内の電磁気的に応答する制御要素の、機械的、熱的または化学的活性化を行うのに十分な信号特性によって、電磁制御信号を環境内の浸透圧ポンプ装置に遠隔送信することと、を含んで良い。この方法はまた、ステップ2356で浸透圧ポンプ装置からフィードバック信号を受信することと、およびステップ2358で、少なくとも部分的にフィードバック信号に基づいて、所望のフィードバック信号を作ることが期待される信号特性を有する電磁制御信号を生成することと、を含んで良い。終了すべき決定が判断ポイント2360においてなされるまで、プロセスは繰返されて良い。浸透圧ポンプ装置からフィードバック信号を受信することは、浸透圧ポンプ装置内の浸透圧流体における浸透圧生成材料の濃度を表現する信号、を受信することを含んで良い。
いくつかの実施形態では、図48に示されているように、浸透圧ポンプ装置を制御する方法は、ステップ2372で一つ以上の制御パラメータの使用者入力を受信することを含んで良い。ステップ2374は、少なくとも部分的に一つ以上の制御パラメータに基づいて、遠隔制御可能弁の電磁気的に応答する制御要素によって吸収可能な周波数成分を含む電磁制御信号を生成すること、を含み、この弁は浸透圧ポンプ装置への、または装置からの、流体の流れを調整するべく構成されており、またこの電磁制御信号は浸透圧ポンプ装置による所望のポンプ流量を生成することが期待される信号特性を有する。ステップ2376は、浸透圧ポンプ装置のポンプ流量を制御するために、浸透圧ポンプ装置の遠隔制御可能弁内の電磁気的に応答する制御要素の、機械的、熱的または化学的活性化を行うのに十分な信号特性によって、電磁制御信号を環境内の浸透圧ポンプ装置に遠隔送信すること、を含む。
いずれかの、または全ての実施形態においてこの方法は、遠隔制御可能弁を通る流体の流速を修正する加熱または冷却を行うために電磁気的に応答する制御要素を活性化すること、または電磁気的に応答する制御要素の構成の変更;遠隔制御可能弁を通る流体の流速を修正する構成の変更、を行うために、電磁気的に応答する制御要素活性化すること、を含んで良い。
電磁制御信号を生成するステップ、および電磁制御信号を浸透圧ポンプ装置へ遠隔送信するステップは、ソフトウエア、ハードウエア、またはファームウエアの形式で与えられる指示により実行されてよい。浸透圧ポンプ装置を制御するためのソフトウエアは、浸透圧ポンプ装置への、または装置からの、流体の流れを調整するべく構成されている遠隔制御可能弁の電磁気的に応答する制御要素によって吸収可能な周波数成分を含む電磁制御信号を生成することに対する指示と、浸透圧ポンプ装置のポンプ流量を制御するために、浸透圧ポンプ装置の遠隔制御可能弁内の電磁気的に応答する制御要素の、機械的、熱的または化学的活性化を行うのに十分な信号特性によって、電磁制御信号を環境内の浸透圧ポンプ装置に遠隔送信することに対する指示と、を含んで良い。
電磁制御信号を生成することに対するソフトウエア指示はモデルに基づく電磁制御信号を計算することに対する指示、またはデータ記憶位置に格納されたパターンに基づいて電磁制御信号を生成することに対する指示、を含んで良い。このソフトウエアは、環境からのフィードバック信号を受信するための指示、および少なくとも部分的に受信されたフィードバック信号に基づいて電磁制御信号を生成するための指示、を含んで良く、この電磁制御信号は所望のフィードバック信号を作ることが期待される信号特性を有する。代替的に、または追加して、このソフトウエアは浸透圧ポンプ装置からフィードバック信号を受信するための指示、および少なくとも部分的に受信されたフィードバック信号に基づいて電磁制御信号を生成するための指示、を含んで良く、この電磁制御信号は所望のフィードバック信号を作ることが期待される周波数成分と振幅を有する。いくつかの実施形態では、このソフトウエアは一つ以上の制御パラメータの使用者入力を受信するための指示、および少なくとも部分的に一つ以上の制御パラメータに基づいて電磁制御信号を生成するための指示、を含んで良い。
ここで述べられた浸透圧ポンプ装置は、一つまたは複数の遠隔活性化可能制御要素を含んで良い。複数の遠隔活性化可能制御要素を含んだ装置においては、複数の遠隔活性化可能制御要素は、全て同じ種類か、または異なった種類であって良い。複数の遠隔活性化可能制御要素は、図49において例示されているように並列で活性化または制御されて良く、または図50に例示されているように直列であっても良い。図49では、浸透圧ポンプ装置2400は、第一の浸透圧ポンプ2402および第二の浸透圧ポンプ2404を含む。浸透圧ポンプ2402および2404は、遠隔活性化可能制御要素2406および2408によってそれぞれ調整される。浸透圧ポンプ2402および2404は、並列で作動されて良く、二つの反応流体を室2410へポンプ圧送し、室2410は反応流体が環境へ放出される前に反応を行う反応室である。
図50では、浸透圧ポンプ装置2450は、第一の遠隔活性化可能制御要素2454によって制御される第一の浸透圧ポンプ2452、および第二の遠隔活性化可能制御要素2458によって制御される第二の浸透圧ポンプ2456を含む。第一の浸透圧ポンプ2452は、たとえば反応室2460内に既に存在する反応物と反応するべく、流体を反応室2460にポンプ圧送して良く、引続き、室2462に行き、そこで第二の浸透圧ポンプ2456によって室2462にポンプ圧送された流体と反応してよい。図49および図50に示された浸透圧ポンプシステムは、遠隔活性化可能ポンプを含んで構築が可能な広い多様性の中の単なる例示にすぎない。
遠隔活性化可能制御要素の選択的活性化または制御は、遠隔活性化可能制御要素を特定の信号特性を有する電磁制御信号によって活性化するべく構成することによって達成可能であり、例えば特定の周波数、相、振幅、一時的形状、分極、および/または方向特性、およびその空間的多様性を含んで良い。たとえば異なった制御要素は制御信号の異なった周波数成分に応答するものであって良く、それにより異なった制御要素の選択的活性化が可能となる。浸透圧ポンプ装置は、それぞれが特定の流体処理要素に関連付けされた複数の選択的活性化可能制御要素を含んで良く、それゆえに特定の筋道における複数の流体処理または反応段階を実行するべく制御され得る。浸透圧ポンプシステムは同種の、または異種の、複数の浸透圧ポンプ装置を含んで良いということもまた意図される。図51に示されているように、浸透圧ポンプシステム2500は、環境2504内の複数の位置で特定の化学的反応またはプロセスを実行するために環境全体に配送され、遠隔制御装置2506によって制御される、複数の同一の浸透圧ポンプ装置2502を含んで良い。代替的に浸透圧ポンプシステムは、それぞれが特定の場所に対して適合した制御または反応を実行する、複数の異なった浸透圧ポンプ装置を、環境内の異なった場所に含んで良い。ここに述べられた発明は、浸透圧ポンプ装置内の遠隔活性化可能制御要素の特定の数や構成、または浸透圧ポンプシステム内の浸透圧ポンプ装置または遠隔制御装置の特定の数または構成、を含む装置またはシステムに限定されない。システムの特別な適用に依存して、遠隔活性化可能制御要素および/または浸透圧ポンプ装置は、特別なパターンで制御されて環境内で送達材料の所望の配送を行って良い。このようなシステムの制御は、一つまたは複数の遠隔制御装置を介して適切なハードウエア、ファームウエア、ソフトウエア、を使用して実行されてよい。
本実施形態による浸透圧ポンプ装置およびシステムの制御に使用されるハードウエアおよび/またはソフトウエア、また特にそのようなシステムの検出、解析および制御の態様に関しては、業界における当業者は、システムの態様を実現するハードウエアとソフトウエアの間には、殆ど差異が無いところまで最新技術は進歩していることをはっきりと理解するであろう;ハードウエアまたはソフトウエアの使用は一般的に(ハードウエアとソフトウエア間の選択がある事情では重要な意義となる場合には、常にそうとは限らないが)、コスト対効率、または実現の至便さの折り合い、を象徴する設計上の選択である。業界における当業者は、ここに述べられたプロセスおよび/またはシステムが影響を受けることの出来る、様々な目的達成の手段がある(例えばハードウエア、ソフトウエア、および/またはファームウエア)、ということを理解するであろう。たとえば、もし開発者が速度と精密さが最重要であるということを決めれば、開発者はハードウエアおよび/またはファームウエア手段を選択してよい;代替的にもし柔軟性が最重要であれば、開発者はソフトウエアを単独に選択してよい;または、再び代替として、開発者はハードウエア、ソフトウエアおよび/またはファームウエアのいくつかの組合せを選択して良い。従ってここに述べられたプロセスが影響され得るいくつかの可能な手段があり、利用されるどの手段にしろ、その手段が展開される状況、および開発者の特定の関心事項(たとえば速度、柔軟性、または予見性)に基づいた選択であれば、そのいずれも他に対して実質的により優れているということはなく、いずれも変化してよい。
先の詳細な説明は、ブロックダイアグラム、フローチャート、および/または例、を使用することを介して装置および/またはプロセスの様々な実施形態を並べ示した。そのようなブロックダイアグラム、フローチャート、および/または例、が一つ以上の機能および/または動作を包含する範囲において、そのようなブロックダイアグラム、フローチャート、および/または例におけるおのおのの機能および/または動作は、広範囲のハードウエア、ソフトウエア、ファームウエアまたは事実上それらの組合せ、によって個別におよび/または集合的に実行が可能であることは、業界における当業者によって必然的に理解されるであろう。一つの実施形態では、ここに述べられた主題事項のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASICs), フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGAs), デジタル信号プロセッサ(DSPs)、または他の統合フォーマットを介して実行されてよい。しかしながら、業界における当業者は、一つ以上のコンピュータ上で一つ以上のプログラムが走っている(たとえば、一つ以上のコンピュータシステム上で一つ以上のプログラムが走っている)、一つ以上のプロセッサ上で一つ以上のプログラムが走っている(たとえば、一つ以上のマイクロプロセッサ上で一つ以上のプログラムが走っている)、ファームウエア、あるいはそれらの事実上いかなる組合せ、のようにここに述べられた実施形態のいくつかの態様は、全体においてまたは部分的に、標準的な集積回路において同等に実行され得ること、および回路の設計、および/またはソフトウエアおよび/またはファームウエアのためのコード記述が、本開示に照らして当業者の一人の十分な能力内であるであろうこと、を明快に理解するであろう。それに加えて、業界における当業者は、ここで述べられた主題事項のある種の機構が、様々な形式をとるプログラム製品として流通することが可能であること、およびここで述べられた主題事項の例証となる実施形態が、使用される信号搬送媒体が特殊な種類かどうかにかかわらず、流通を実際に実行することに等しく適用されること、を理解するであろう。信号搬送媒体の例としては、限定はされないが、以下が含まれる:フローッピーディスク、ハードディスク、CD ROM、デジタルテープ、およびコンピュータメモリーのような記録可能タイプの媒体;および通信リンクに基づいたTDMまたはIPを用いたデジタルおよびアナログ通信リンク(たとえばパケット化されたデータを運ぶリンク)のような伝送タイプの媒体。
一般的な意味において、業界の当業者は、ここで述べられた個別におよび/または集合的に、幅広い範囲のハードウエア、ソフトウエア、ファームウエア、またはそれらの任意の組合せによって実行することの出来る様々な態様が、「電気回路」の様々な種類によって構成されるものとして見ることが出来ることを理解するであろう。従ってここで使われる「電気回路」は、限定はされないが、少なくとも一つの分離した電気回路を有する電気回路、少なくとも一つの集積回路を有する電気回路、少なくとも一つの特定用途向け集積回路、コンピュータプログラムによって構成された汎用コンピューティング装置を形成する電気回路(たとえば、ここに述べられたプロセスおよび/または装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成された汎用コンピュータ、またはここに述べられたプロセスおよび/または装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)、メモリー装置を形成する電気回路(たとえば、ランダムアクセスメモリーの形式)、および/または通信装置を形成する電気回路(たとえば、モデム、通信スイッチ、または光学式電気機器)、を含む。
業界の当業者は、検知または感知のための装置、信号プロセス、およびここに記述されたやり方での装置制御、を説明すること、およびその後そのような説明された装置および/またはプロセスを、ここの例示された浸透圧ポンプシステムに統合するための標準的な工学的実務、は業界では普通のことであるということははっきりと理解するであろう。すなわち、ここで説明された装置および/またはプロセスの少なくとも部分は、理に適った量の実験を介して浸透圧ポンプシステムへ統合できる。
業界における当業者は、ここで説明されたシステムは、揮発性および不揮発性メモリーのような一つ以上のメモリー、マイクロプロセッサおよびデジタル信号プロセッサのようなプロセッサ、オペレーティングシステム、ユーザーインターフェース、ドライバー、センサー、アクチュエータ、アプリケーションプログラム、のようなコンピュータ援助またはコンピュータ関連のエンティティ、データポート、フィードバックループおよび制御実行アクチュエータを含む制御システム(たとえば浸透圧、ペーハー、圧力、温度または化学物質濃度を探知するための装置、電磁制御信号用の信号生成装置)のような一つ以上の相互作用装置、を含んで良いということは理解するであろう。システムは、標準的な工学実務と結合した適切な利用可能な部品のどれでも利用して実行されてよい。
先に説明された態様は、異なった他の部品の内部に収容された異なった部品、または異なった他の部品に結合された異なった部品、を示している。そのような示されたアーキテクチャは単に例示的なものであること、および事実、同じ機能を達成する他の多くのアーキテクチャが実行可能であること、が理解されるべきである。概念的意味合いにおいては、同じ機能を達成する部品配列はどれでも、所望の機能が達成されるように効果的に「関連付け」される。従って、特別な機能を達成するべくここで結合されたどの二つの部品であっても、アーキテクチャまたは中間部品とは関係なく、所望の機能が達成されるように互いに「関連付けされた」と見なすことが可能である。同様にして、このように関連付けされたどの二つの部品も、所望の機能が達成されるようにそれぞれ互いに対して「実施可能に結合された」または「実施可能に連結された」ものとして見られることもまた可能である。
ここで述べられた主題事項の特別な態様が示され、説明されてきたが、業界における当業者によっては、ここでの教示に基づいてここで述べられた本主題事項から逸脱することなく変更および修正が成されて良く、より広い態様ならびに、その結果添付のクレームはそのような変更および修正は全て、ここで述べられた本主題事項の精神ならびに範囲の内にあるものとして、それらの範囲に包含されるべきものである。さらに、本発明は添付のクレームによって定義されることが理解されるべきである。ここで使われる用語、特に添付のクレームで使われる用語(たとえば添付のクレームの本体)は一般的に「オープン」な用語として言及されている(たとえば用語「含んでいる」は、「含んでいるが限定はされない」と解されるべきであり、用語「有する」は、「少なくとも有している」として解されるべきであり、用語「含む」は、「含むが限定はされず」と解されるべきである、など)、ということは業界内にいる人々には理解されるであろう。もし導入されたクレーム詳述の特定の数が言及されていれば、そのような言及はクレームで明確に説明されるであろうし、そのような説明が欠如していれば、そのような言及は存在しないということは業界内の人々によってさらにまた理解されるであろう。たとえば、理解の一助として引続く従属クレームは、「少なくとも一つの」および「一つ以上の」という導入句の使用を、クレーム詳述の導入のために含んで良い。しかしながらそのような句の使用は、不定冠詞「a」または「an」によってクレーム詳述の導入が、例え同じクレームが「一つ以上」または「少なくとも一つ」の導入句および「a」または「an」のような不定冠詞を含む場合でも(たとえば「a」および/または「an」は通常は「少なくとも一つ」および/または「一つ以上」を意味すると解釈するべきである)、そのようなクレーム詳述を含む特定のクレームが唯一つのそのような詳述を含む発明であると限定している、と意味するべく解釈するべきではない;クレーム詳述を導入するために使用される定冠詞の使用に対しても、同じことが正しい。これに加えて、たとえ導入されたクレーム詳述の特定な数が明解に説明される場合でも、業界の当業者は、そのような詳述は少なくとも詳述された数を意味するものと通常は解釈するべきであることを、明解に理解するであろう(たとえば、他の修飾句なしの「二つの詳述」というむき出しの説明は、通常は少なくとも二つの詳述、または二つ以上の詳述を意味する)。さらに、「少なくともA、B、およびCの少なくとも一つ」に類似の慣行が使われる場合には、業界における当業者が慣行と理解するであろう意味において、そのような構造が一般的に言及される(たとえば、「A、B、およびCの少なくとも一つを有するシステム」は、限定はされないが、A単独、B単独、C単独、AとBが一緒に、AとCが一緒に、BとCが一緒に、および/またはA、BおよびCが一緒に、を有するシステム、を含むであろう)。「少なくともA、B、またはCの少なくとも一つ」に類似の慣行が使われる場合には、業界における当業者が慣行と理解するであろう意味において、そのような構造が一般的に言及される(たとえば、「A、B、またはCの少なくとも一つを有するシステム」は、限定はされないが、A単独、B単独、C単独、AとBが一緒に、AとCが一緒に、BとCが一緒に、および/またはA、BおよびCが一緒に、を有するシステム、を含むであろう)。
方法、装置、システムおよび取組みが、確実な好ましい実施形態を参照してここでこれまで説明されてきたが、他の実施形態も可能である。前述の例によって図示されているように、遠隔制御装置、システム構成および浸透圧ポンプ装置、のさまざまな選択が本発明の範囲内であり得る。検討されて来たように、システム構成の選択は、システムの意図する用途、システムが使われる環境、コスト、個人的な好みまたは他の因子、に依存して良い。システム設計、製作、および制御プロセスは、使用環境の選択および意図された用途を考慮して修正されて良く、またそのような修正は、装置設計および製造業界の当業者に知られるように、本発明の範囲内であり得る。従って、本発明の全精神および範囲は添付のクレームによって定義され、ここで述べられた特定の実施形態に限定されるべきものではない。