JP5061726B2 - Electric motor - Google Patents
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Description
本発明は、インバータ制御により運転周波数が変化する電動機に関し、特に、固定子および可動子を構成する磁性体における鉄損を低減させる技術に関する。 The present invention relates to an electric motor whose operating frequency is changed by inverter control, and more particularly to a technique for reducing iron loss in a magnetic body constituting a stator and a mover.
電動機の鉄損は、固定子や可動子を構成する磁性体(コア材)を磁化したときに失われる電気エネルギであり、巻線の抵抗によって失われるエネルギ(銅損)と合わせて、電動機の効率低下の要因となることが知られている。鉄損は、ヒステリシス損失と渦電流損失の和として表されるが、特に渦電流損失は磁性体を通過する磁束の周波数が高くなるほど損失の比率が大きくなる。また、鉄損は磁性体の熱エネルギとして消費されるため、鉄損が大きくなると磁性体の発熱量が大きくなり、例えば永久磁石を備えた電動機では永久磁石の減磁による性能低下につながる。 The iron loss of an electric motor is the electric energy lost when magnetizing a magnetic body (core material) that constitutes a stator or mover, and together with the energy lost by the resistance of the winding (copper loss), It is known to cause a decrease in efficiency. Iron loss is expressed as the sum of hysteresis loss and eddy current loss. In particular, eddy current loss has a higher loss ratio as the frequency of magnetic flux passing through the magnetic body increases. Further, since iron loss is consumed as heat energy of the magnetic material, when the iron loss increases, the amount of heat generated by the magnetic material increases. For example, in an electric motor equipped with a permanent magnet, the performance deteriorates due to demagnetization of the permanent magnet.
そこで、磁性体を通過する磁束の高調波成分による鉄損を低減させる技術が種々検討されており、例えば特許文献1においては、集中巻の巻線を備えた回転電機において、固定子の突極部(ステータティース)の半径方向に沿って、例えばギャップを介在させる、或いは透磁率の低い部材を設置するなどの手法で磁気抵抗障壁を設けることで、ひとつの突極内で短絡してトルクに寄与しない磁束成分を低減させ、鉄損を低減させるという技術が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載されている技術では、磁気抵抗を増大させる磁気抵抗障壁を磁路中に設けるようにしているため、磁路を通過する磁束のトルクに寄与する基本波磁束成分までも低下させてしまい、トルクの低下を招くという問題点があった。
However, in the technique described in
本発明は、以上のような従来の実情に鑑みて創案されたものであって、トルクの低下を招くことなく、磁性体を通過する周波数の高い磁束の高調波成分による鉄損を効果的に低減させることができる電動機を提供することを目的としている。 The present invention was devised in view of the conventional situation as described above, and effectively eliminates iron loss due to harmonic components of high-frequency magnetic flux passing through a magnetic body without causing a reduction in torque. It aims at providing the electric motor which can be reduced.
本発明に係る電動機は、固定子や回転子などの磁性体を通過する磁束と鎖交し、磁性体の一部を内包するように巻回された磁束フィルタ用巻線を有する磁束フィルタ回路を設ける。そして磁束フィルタ回路の遮断周波数を電動機の運転状態に応じて可変としている。この磁束フィルタ回路により遮断周波数以上の磁束の高調波成分を減衰させることによって前記課題を解決する。このような磁束フィルタ回路を備える電動機では、磁性体を通過する磁束の高調波成分のエネルギが磁束フィルタ用巻線に蓄えられ、その一部は磁束フィルタ用巻線のジュール損失として消費される。 An electric motor according to the present invention includes a magnetic flux filter circuit having a magnetic flux filter winding wound so as to interlink with a magnetic flux passing through a magnetic body such as a stator and a rotor and to include a part of the magnetic body. provided Ru. The cutoff frequency of the magnetic flux filter circuit is variable according to the operating state of the motor. This problem is solved by attenuating the harmonic component of the magnetic flux above the cutoff frequency by this magnetic flux filter circuit. In an electric motor provided with such a magnetic flux filter circuit, the energy of harmonic components of the magnetic flux passing through the magnetic material is stored in the magnetic flux filter winding, and part of it is consumed as Joule loss in the magnetic flux filter winding.
本発明によれば、磁性体を通過する磁束のトルクに寄与する基本波成分を低下させることなく高調波成分のみを低下させることができるので、トルクの低下を招くことなく磁性体における鉄損を効果的に低減させることができる。また、磁束の高調波成分によるエネルギが磁束フィルタ用巻線に蓄えられるので、磁性体の発熱を磁束フィルタ用巻線の発熱として集約することができ、磁性体の熱を放熱するための機構を簡素化することが可能となり、また、永久磁石を備えた電動機では永久磁石の減磁抑制の効果が期待できる。 According to the present invention, since only the harmonic component can be reduced without reducing the fundamental wave component that contributes to the torque of the magnetic flux passing through the magnetic body, the iron loss in the magnetic body can be reduced without causing a reduction in torque. It can be effectively reduced. In addition, since the energy due to the harmonic component of the magnetic flux is stored in the magnetic flux filter winding, the heat generation of the magnetic body can be concentrated as the heat generation of the magnetic flux filter winding, and a mechanism for radiating the heat of the magnetic body is provided. In addition, the electric motor including the permanent magnet can be expected to suppress the demagnetization of the permanent magnet.
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、ここでは永久磁石型同期電動機に本発明を適用した例について説明するが、本発明は、永久磁石型同期電動機に限らず、巻線と、磁性体で構成される固定子および可動子とを備え、巻線の電流がインバータにより制御される構成のあらゆるタイプの電動機に対して広く適用可能である。 Hereinafter, specific embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. In addition, although the example which applied this invention to the permanent magnet type | mold synchronous motor is demonstrated here, this invention is not restricted to a permanent magnet type | mold synchronous motor, A winding, the stator and movable element which are comprised with a magnetic body, And is widely applicable to all types of electric motors having a configuration in which the winding current is controlled by an inverter.
[第1の実施形態]
図1は、本発明を適用した永久磁石型同期電動機の一例を示す図であり、同永久磁石型同期電動機の回転軸方向に対して垂直な方向の断面図である。
[First Embodiment]
FIG. 1 is a diagram illustrating an example of a permanent magnet type synchronous motor to which the present invention is applied, and is a cross-sectional view in a direction perpendicular to the rotation axis direction of the permanent magnet type synchronous motor.
この図1に示す永久磁石型同期電動機1は、磁性体の電磁鋼板を積層して構成された固定子2と、固定子2を格納するケース3と、磁性体の電磁鋼板を積層して内部に永久磁石5を埋め込んで構成された回転子4と、固定子2の回転子4側に突出する複数の突極部(ステータティース)2aに各々巻回され、インバータ制御により通電して磁束を発生させる固定子巻線6とを備える。そして、特に本発明を適用した永久磁石型同期電動機1に特徴的な構成として、固定子2の複数の突極部2aをその基端側で連結するバックヨーク部2bに、図2に示す磁束フィルタ回路7を構成する磁束フィルタ用巻線8が巻回されている。
A permanent magnet type
磁束フィルタ回路7は、磁気回路を形成する固定子2や回転子4の磁性体を通過する磁束の高調波成分を減衰させるためのものであり、図2に示すように、固定子2のバックヨーク部2bに巻回された磁束フィルタ用巻線8と、この磁束フィルタ用巻線8を含む回路全体の導体抵抗9とから構成されている。
The magnetic
図3は、固定子2や回転子4の磁性体により形成される磁気回路と磁束フィルタ回路7との関係を模式的に示す図である。以下、この図3を用いて、磁束フィルタ回路7の作用を説明する。
FIG. 3 is a diagram schematically showing the relationship between the magnetic circuit formed by the magnetic bodies of the
固定子巻線6及び永久磁石5によって発生した磁束をΦeとし、固定子2内の磁束の変化によって磁束フィルタ用巻線8に発生した誘起電圧に基づいて生じた磁束をΦLとすると、固定子2内を通過する磁束Φは、下記式(1)により表される。
Φ=Φe−ΦL ・・・(1)
また、各パラメータは下記式(2)〜(4)で表される。
ΦL=Li ・・・(2)
(L:磁束フィルタ用巻線8のインダクタンス、i:磁束フィルタ用回路7の電流)
vL=dΦ/dt ・・・(3)
vL=Ri ・・・(4)
(vL:磁束フィルタ用巻線8の誘起電圧、R:導体抵抗9)
The magnetic flux generated by the
Φ = Φ e −Φ L (1)
Each parameter is expressed by the following formulas (2) to (4).
Φ L = Li (2)
(L: inductance of the magnetic flux filter winding 8, i: current of the magnetic flux filter circuit 7)
v L = dΦ / dt (3)
v L = Ri (4)
(V L : induced voltage of magnetic flux filter winding 8, R: conductor resistance 9)
式(2)〜(4)より、固定子2内を通過する磁束Φは、下記式(5)のようになる。
式(5)より、磁束フィルタ回路7を設けた場合の、固定子巻線6及び永久磁石5によって発生した磁束をΦeに対する、固定子2内を通過する磁束Φのゲイン特性gは、下記式(6)のように表される。
ゲイン特性gの一例を図4に示す。このようにゲイン特性gは1次遅れ要素のゲイン特性となるため、遮断周波数ωc付近より高い周波数で磁束Φが減衰する。この特性を利用し、遮断周波数ωcが永久磁石型同期電動機1のトルクに寄与する基本周波数よりも高く、且つ、インバータのスイッチング周波数等の高周波より低くなるように、磁束フィルタ回路7によるゲイン特性gを設定する。これにより、トルクを維持したまま磁束Φの高調波成分のみを減衰させることができ、固定子2や回転子4の磁性体部分における鉄損を低減することが可能となる。また、永久磁石5を内蔵する回転子4での鉄損が低減すれば、この回転子4の発熱に伴う永久磁石5の温度上昇も抑制することができ、永久磁石5の温度上昇による減磁を抑制する効果も期待できる。
An example of the gain characteristic g is shown in FIG. Thus, since the gain characteristic g is a gain characteristic of a first-order lag element, the magnetic flux Φ is attenuated at a frequency higher than the vicinity of the cutoff frequency ωc. Using this characteristic, the gain characteristic g by the magnetic
磁束フィルタ回路7で吸収した磁束Φの高調波成分によるエネルギは、磁束フィルタ用巻線8に蓄えられ、一部は磁束フィルタ用巻線8のジュール損失として消費される。つまり、磁束フィルタ回路7は、これまで固定子2や回転子4の磁性体部分に分布していた鉄損による熱エネルギを磁束フィルタ用巻線8に集約する機能を有している。したがって、例えば図1に示すように、固定子2を格納するケース3に冷媒流路10を設け、この冷媒流路10内を流れる冷媒との熱交換により磁束フィルタ用巻線8の熱を放熱できるようにすれば、永久磁石型同期電動機1の運転に伴う熱を効率よく放熱することが可能となり、放熱機構の構造を簡素化することが可能となる。
Energy due to the harmonic component of the magnetic flux Φ absorbed by the magnetic
なお、図1に示した例では、磁束フィルタ回路7の磁束フィルタ用巻線8を固定子2のバックヨーク部2bに巻回しているが、磁束フィルタ用巻線8は、磁気回路を形成する固定子2や回転子4の磁性体を通過する磁束Φと鎖交し、磁性体の一部を内包するように巻回されていればよく、様々な配置のバリエーションが考えられる。例えば図5に示すように、固定子2の突極部2aの先端に磁束フィルタ用巻線8を巻回するようにしてもよいし、図6に示すように、固定子2の突極部2aとバックヨーク部2bとの境界部分に磁束フィルタ用巻線8を巻回するようにしてもよい。また、図7に示すように、回転子4側に磁束フィルタ用巻線8を巻回することもできる。これら図5乃至図7の例のように、磁性体を内包するように磁束フィルタ用巻線8を巻回することで、図1に示した例と同様に、磁束Φの高調波成分を減衰させて、磁性体部分における鉄損を低減させることができる。
In the example shown in FIG. 1, the magnetic flux filter winding 8 of the magnetic
また、図5や図6の例のように、固定子2側に磁束フィルタ用巻線8を巻回した場合には、磁束Φの高調波成分による熱エネルギが固定子2側の磁束フィルタ用巻線8に集約されるので、図1に示した例と同様、固定子2を格納するケース3に冷媒が流通する冷媒流路10を設けて磁束フィルタ用巻線8の熱を放熱できるようにすれば、永久磁石型同期電動機1の運転に伴う熱を効率よく放熱することが可能となり、放熱機構の構造を簡素化することが可能となる。
When the magnetic flux filter winding 8 is wound around the
一方、図7に示す例のように、回転子4側に磁束フィルタ用巻線8を巻回した場合には、磁束Φの高調波成分による熱エネルギが回転子4側の磁束フィルタ用巻線8に集約されるので、例えば、回転子4の中央に連結されたシャフト11内などに冷媒流路12を設けて、この冷媒流路12内を流れる冷媒との熱交換により磁束フィルタ用巻線8の熱を放熱できるようにすれば、上述した例と同様に、永久磁石型同期電動機1の運転に伴う熱を効率よく放熱することが可能となり、放熱機構の構造を簡素化することが可能となる。
On the other hand, when the magnetic flux filter winding 8 is wound on the
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図8は、本実施形態の磁束フィルタ回路7を示す簡易回路図であり、図9は、固定子2や回転子4の磁性体により形成される磁気回路と本実施形態の磁束フィルタ回路7との関係を模式的に示す図である。これら図8及び図9に示すように、本実施形態では、上述した第1の実施形態で説明した磁束フィルタ回路7に、抵抗値に温度依存性がある抵抗体20を追加して、回路全体の導体抵抗9を抵抗体20に置き換えている。なお、永久磁石型同期電動機1の基本構成は第1の実施形態で説明した構成(図1、図5乃至図7参照)と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
[Second Embodiment]
Next, a second embodiment of the present invention will be described. FIG. 8 is a simplified circuit diagram showing the magnetic
永久磁石型同期電動機1のトルクに寄与する基本周波数は、永久磁石型同期電動機1の運転状態(回転速度)に応じて変化するので、永久磁石型同期電動機1の広い運転範囲で磁束フィルタ回路7による鉄損低減の効果を適切に発揮させるためには、磁束フィルタ回路7によるゲイン特性gを永久磁石型同期電動機1の運転状態に合わせて変化させて、遮断周波数ωcを最適な値に設定できるようにすることが望ましい。
Since the fundamental frequency that contributes to the torque of the permanent magnet type
ここで、磁束フィルタ回路7のゲイン特性gを永久磁石型同期電動機1の運転状態に合わせて変化させるには、例えば磁束フィルタ用巻線8自体の抵抗値を変化させることで、磁束フィルタ用巻線8のインダクタンスLと抵抗値Rとの比率を調整してゲイン特性gを変化させることが考えられるが、磁束フィルタ用巻線8自体の抵抗値を変化させることは実際には困難である。そこで、本実施形態では、図8及び図9に示すように、温度によって抵抗値が変化する抵抗体20を磁束フィルタ回路7の磁束フィルタ用巻線8に直列に接続して、この抵抗体20の温度を温度調整機構によって調整することで抵抗値Rを変化させて、磁束フィルタ回路7によるゲイン特性gを永久磁石型同期電動機1の運転状態に合わせて変化させるようにしている。
Here, in order to change the gain characteristic g of the magnetic
図10(a)及び図10(b)は、抵抗体20の抵抗値Rに応じた磁束フィルタ回路7によるゲイン特性gの変化を示したものである。これら図10(a)と図10(b)とを対比すると分かるように、抵抗体20の抵抗値Rが大きいと遮断周波数ωcが高くなり、抵抗体20の抵抗値Rが小さくなれば遮断周波数ωcは低くなる。これを利用して、永久磁石型同期電動機1の運転状態に応じて抵抗体20の温度を調整し、低速回転時には抵抗体20の抵抗値Rを小さくして遮断周波数ωcを低く設定し、高速回転時には抵抗体20の抵抗値Rを大きくして遮断周波数ωcを高く設定することにより、トルクに寄与する基本周波数の磁束を維持したまま、広い運転範囲で磁性体内の高調波成分のみを減衰させることが可能となる。
FIGS. 10A and 10B show changes in the gain characteristic g due to the magnetic
図11は、抵抗体20を含む磁束フィルタ回路7の具体的な配置例を示す図であり、図12は、抵抗体20の温度調整を行うための温度調整機構を含む制御系のブロック図である。これら図11及び図12に示す例では、ケース3に設けられた冷媒流路10を流れる冷媒との熱交換により、抵抗体20の温度調整を行うようにしている。なお、抵抗体20の温度調整を行う機構は、これら図11及び図12に示す例に限らず、適宜変更が可能である。また、これら図11及び図12に示す例では、磁束フィルタ回路7の抵抗体20としてサーミスタを用いているが、抵抗体20としては、抵抗値が温度依存性を持つものであれば、サーミスタ以外のものも利用可能である。
FIG. 11 is a diagram illustrating a specific arrangement example of the magnetic
図11に示すように、ケース3には、冷媒流路10の近傍の位置にサーミスタ埋め込み用の溝21が設けられている。そして、磁束フィルタ回路7の配線がこのサーミスタ埋め込み用の溝21まで引き伸ばされて、この溝21内にサーミスタ(抵抗体)20が収容されている。この溝21内に収容されたサーミスタ(抵抗体)20の温度は随時モニタリングされ、図12に示すヒータ温度制御部22に入力される。
As shown in FIG. 11, the
冷媒流路10の経路中には、図12に示すように、ヒータ23及びラジエータ24が配置されており、ヒータ23で加熱された冷媒でサーミスタ(抵抗体)20の温度を上昇させ、或いはラジエータ24で冷却された冷媒でサーミスタ(抵抗体)20の温度を低下させる構成となっている。
As shown in FIG. 12, a
永久磁石型同期電動機1は、モータ制御部25からのスイッチング素子駆動信号に応じて、インバータ26により電源27から固定子巻線6へと通電される通電電流が制御されることで、運転状態が制御される。モータ制御部25は、固定子巻線6の電流値や回転子角度検出部28で検出された回転子4の回転角度をモニタリングして、永久磁石型同期電動機1の運転状態を常時把握しており、所望の運転状態が維持されるようにフィードバック制御を行う。
The permanent magnet type
また、ヒータ温度制御部22は、モータ制御部25から回転子回転速度を示す信号及び巻線電流指令値を示す信号を入力し、これらの信号をもとに永久磁石型同期電動機1の運転状態を把握し、それに基づいてサーミスタ(抵抗体)20の温度を決定する。そして、ヒータ温度制御部22は、サーミスタ(抵抗体)20の温度をモニタリングしながら、決定した温度になるように、ヒータ電源29に対してヒータ電流指令値を出力し、ヒータ23による冷媒の加熱量を制御する。
In addition, the heater
以上のような温度調整機構を備えることで、永久磁石型同期電動機1の運転状態に応じて、磁束フィルタ回路7のサーミスタ(抵抗体)20の温度を調整して遮断周波数ωcを最適な値に設定することができ、永久磁石型同期電動機1の広い運転範囲で、トルクに寄与する基本周波数の磁束を維持したまま高調波成分のみを減衰させて、磁性体部分における鉄損を効果的に低減させることができる。また、本実施形態では、磁束フィルタ回路7の磁束フィルタ用巻線8で吸収した磁束の高調波成分によるエネルギがサーミスタ(抵抗体)20に伝達され、一部がサーミスタ(抵抗体)20においてジュール損失として消費されるので、上述した温度調整機構がそのまま放熱機構として機能することになり、永久磁石型同期電動機1の運転に伴う熱を効率よく放熱することが可能となる。
By providing the temperature adjusting mechanism as described above, the temperature of the thermistor (resistor) 20 of the magnetic
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図13は、本実施形態の磁束フィルタ回路7を示す簡易回路図であり、図14は、固定子2や回転子4の磁性体により形成される磁気回路と本実施形態の磁束フィルタ回路7との関係を模式的に示す図である。これら図13及び図14に示すように、本実施形態では、上述した第2の実施形態で説明した磁束フィルタ回路7に対して、磁束フィルタ用巻線8や抵抗体20と並列に接続されたコンデンサ素子30を追加している。なお、永久磁石型同期電動機1の基本構成は第1の実施形態で説明した構成(図1、図5乃至図7参照)と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
[Third Embodiment]
Next, a third embodiment of the present invention will be described. FIG. 13 is a simplified circuit diagram showing the magnetic
磁束フィルタ回路7に対してコンデンサ素子30を追加した場合のゲイン特性gを上述した第1の実施形態と同様の手法で算出したものを図15に示す。この図15に示すように、磁束フィルタ回路7によるゲイン特性gは、磁束フィルタ用巻線8や抵抗体20に対してコンデンサ素子30を並列接続することで2次遅れ系の周波数特性となるため、第1の実施形態で説明したゲイン特性g(図4参照)と比べて、遮断周波数ωcより高い周波数での減衰が強く、磁束の高調波成分の抑制により効果的であることが分かる。したがって、このような磁束フィルタ回路7を設けることによって、永久磁石型同期電動機1のトルクに寄与する基本周波数の磁束を維持したまま高調波成分のみをより効果的に減衰させて、固定子2や回転子4の磁性体部分における鉄損をさらに効果的に低減させることができる。
FIG. 15 shows the gain characteristic g obtained by adding the
また、磁束フィルタ回路7のコンデンサ素子30として、静電容量に温度依存性があるものを使用し、第2の実施形態で説明したような温度調整機構によってコンデンサ素子30の温度調整を行うようにすれば、抵抗体20の場合と同様に、永久磁石型同期電動機1の運転状態に応じて磁束フィルタ回路7によるゲイン特性gを最適な状態に可変させることもできる。
Further, as the
以上、本発明の具体的な適用例として第1乃至第3の実施形態を例示したが、本発明の技術的範囲は、以上の各実施形態の説明で開示した内容に限定されるものではなく、これらの開示から容易に導き得る様々な代替技術も含まれることは勿論である。例えば、以上の各実施形態は永久磁石型同期電動機に対して本発明を適用した例であるが、本発明は様々なタイプの電動機に対して有効に適用可能であり、磁束フィルタ回路7の構成や磁束フィルタ用巻線8、抵抗体20の配置などの詳細については、適用対象となる電動機の構造の違いなどに応じて適宜変更することが可能である。
The first to third embodiments have been illustrated as specific application examples of the present invention, but the technical scope of the present invention is not limited to the contents disclosed in the description of each of the above embodiments. Of course, various alternative techniques that can be easily derived from these disclosures are also included. For example, each of the above embodiments is an example in which the present invention is applied to a permanent magnet type synchronous motor. However, the present invention can be effectively applied to various types of motors, and the configuration of the magnetic
1 永久磁石型同期電動機
2 固定子
3 ケース
4 回転子
5 永久磁石
6 固定子巻線
7 磁束フィルタ回路
8 磁束フィルタ用巻線
9 導体抵抗
10,12 冷媒流路
20 サーミスタ(抵抗体)
22 ヒータ制御部
23 ヒータ
30 コンデンサ素子
DESCRIPTION OF
22
Claims (5)
前記磁性体を通過する磁束と鎖交し、前記磁性体の一部を内包するように巻回された磁束フィルタ用巻線を有する磁束フィルタ回路を備え、当該磁束フィルタ回路は、前記遮断周波数が電動機の運転状態に応じて可変とされ、当該磁束フィルタ回路により、前記磁性体を通過する磁束のうち所定の遮断周波数以上の高調波成分を減衰させることを特徴とする電動機。 In an electric motor comprising a winding, a stator and a mover made of a magnetic material, and the current of the winding is controlled by an inverter,
A magnetic flux filter circuit having a magnetic flux filter winding that is interlaced with the magnetic flux passing through the magnetic material and wound so as to contain a part of the magnetic material, the magnetic flux filter circuit having the cutoff frequency An electric motor that is variable according to an operating state of the electric motor, and attenuates a harmonic component of a magnetic flux passing through the magnetic body at a predetermined cutoff frequency or higher by the magnetic flux filter circuit.
前記抵抗体の抵抗値が変化することにより、前記遮断周波数が可変とされていることを特徴とする請求項1に記載の電動機。 The magnetic flux filter circuit has a resistor connected in series with the filter winding,
The electric motor according to claim 1, the resistance value of the resistor by changing, characterized in that the cut-off frequency is variable.
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2007
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