JP5061175B2 - 定常場高速解法、定常場高速解析プログラム、および記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、定常場の解析方法、定常場の解析プログラム、および定常場の解析プログラムを記録した記録媒体に関するものである。
従来の代表的な非線形磁場解析法として、有限要素法による解析法があり、ICCG法(不完全コレスキー分解前処理付き共役勾配法)による反復解法や透磁率を逐次修正するニュートン・ラフソン法を併用している方法もある。この方法は、例えば非特許文献1に示されている。
時間微分項をもつ過渡現象を取り扱う微分方程式を過渡解析して解を求める場合、時間減衰項の時定数が長い場合、目的の定常場を求めるのに、多くの時間ステップによる過渡解析を必要とする。この問題を解決するために、TP−EEC法(あるいは単にEEC法とも呼ばれる)という手法が開発された。この方法は、例えば非特許文献2や非特許文献3に示されている。
「電気工学の有限要素法」中田高義・高橋則雄著、森北出版、1986年 「2次元電磁界解析の有効利用に残された課題(その3)」徳増正・藤田真史・上田隆司、電気学会静止器・回転機合同研究会資料、SA−08−62/RM−08−69、2008年 「時間周期有限要素法とEEC法に基づく非線形過渡電磁場解析における時間積分の収束性改善」高橋康人、徳増正、藤田真史、若尾真治、岩下武史、金沢正憲、電気学会論文誌B、Vol.129(2009)No.6、pp.791−798
TP−EEC法は、時間に関する周期性を直接利用しており、半周期あるいは一周期の間の過渡解析を実施しないと、解析対象の物理量の補正ができない。補正は3回程度で完了するものの、補正完了までに、半周期境界条件を満たす場合は1.5周期程度、一周期境界条件を満たす場合は3周期程度の計算を必要とする。また、1回の補正計算において、行列方程式を解く必要があり、補正のためにかかる計算コスト(計算時間)が比較的大きいという課題がある。さらに、補正に1.5周期や3周期程度の計算が必要なため、基本周波数成分の周期が非常に長い場合には、補正のために長い計算時間が必要であることはもちろんのこと、その間に減衰場がある程度減衰して、本来のTP−EEC法による定常場を高速に求めるという効果が弱められるという課題がある。
本発明は、時間微分項を含む現象の過渡解析において、定常場を高速に求める方法を提供することを目的とする。
本発明による定常場高速解法は、演算装置により、複数のタイムステップにおける演算処理を行い、時間微分項を含む方程式に基づく過渡解析を行って解析対象の物理量を求める定常場高速解法であって、次のようなプロセスを有することを基本的な特徴とする。
前記演算装置が、前記物理量に関する時間平均処理を行うための時間平均幅、前記時間平均幅に対応する基本波の位相幅、または前記時間平均処理のための時間ステップ幅を記載した入力データと、前記解析対象の離散化データとを読み取るプロセスと、前記演算装置が、前記時間平均幅、前記基本波の位相幅、または前記時間ステップ幅を用いて前記物理量の時間平均量を求めるプロセスと、前記演算装置が、前記時間平均量を用いて、前記物理量に補正をかけて前記物理量の定常場を求めるプロセスとを有する。
また、次のようなプロセスを有することを基本的な特徴とする。
前記演算装置が、前記物理量に関する時間平均処理を行うための時間平均幅、前記時間平均幅に対応する基本波の位相幅、または前記時間平均処理のための時間ステップ幅を記載した入力データと、前記解析対象の離散化データとを読み取るプロセスと、前記演算装置が、前記時間平均幅、または前記時間ステップ幅を用いて前記物理量の時間平均量を求めるプロセスと、前記演算装置が、前記時間平均量を用いて、前記物理量に補正をかけて前記物理量の定常場を求めるプロセスとを有する。
さらに、本発明による定常場高速解法は、演算装置により、有限要素法を用いて且つ複数のタイムステップにおける演算処理を行って解析対象の非線形磁場の過渡解析を行う定常場高速解法であって、次のようなプロセスを有することを基本的な特徴とする。
前記演算装置が、磁場解析に用いる未知変数に関する時間平均処理を行うための時間平均幅、前記時間平均幅に対応する基本波の位相幅、または前記時間平均処理のための時間ステップ幅を記載した入力データと、前記解析対象の離散化データとを読み取るプロセスと、前記演算装置が、前記時間平均幅、前記基本波の位相幅、または前記時間ステップ幅を用いて前記過渡解析で得られた前記未知変数の値の時間平均量を求めるプロセスと、前記演算装置が、前記時間平均量を用いて、前記過渡解析で得られた前記未知変数の値に補正をかけて前記非線形磁場の定常場を求めるプロセスとを有する。
また、本発明による定常場高速解析プログラムは、上記の定常場高速解法における一連のプロセスをコーディングしていることを特徴とする。
また、本発明による記録媒体は、上記の定常場高速解析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であることを特徴とする。
本発明による定常場高速解法によれば、従来のTP−EEC法よりも低コストの計算で、高速に定常場を求めることができる。
本発明による定常場高速解法を用いた解析のプロセスを示す図。 実施例2の数値計算例における理論解との誤差の時間変化を示す図。 実施例2の数値計算例におけるxとyの時間変化を示す図。 実施例1から5を実現する解析システムの一例を説明する図。
以下、本発明による定常場高速解法の実施例を詳述する。本発明による定常場高速解法は、複数のタイムステップにおける演算処理を行い、時間微分項を含む方程式に基づく過渡解析を行って解析対象の物理量を求めるものである。本発明による定常場高速解法は、演算装置である計算機で実行され、解析結果は、記憶装置に記憶されて表示装置に表示される。
図1を用いて、本発明による定常場高速解法の実施例1を説明する。図1は、本実施例による定常場高速解法を用いた解析のプロセスを示している。この解析のプロセスは、入力データ10を読み込むプロセス、解析プロセス20、および解析結果を記憶するプロセス31、表示するプロセス32からなる。以下、各プロセスについて説明する。
入力データ10を読み込むプロセスでは、入力データ10を計算機に読み込ませる。入力データ10は、微分方程式を数値的に解くための解析対象の離散化データ(メッシュデータ)11、および解析プロセスをコントロールするためのコントロールデータ12から構成され、データファイルに保存されている。コントロールデータ12には、解析対象の物理量に関する時間平均処理を行うための時間平均幅、時間平均幅に対応する基本波の位相幅、または時間平均処理のための時間ステップ幅と、補正回数と、時間刻み幅Δtと、基本波の周波数fとが含まれる。
時間ステップ幅mは、時間平均処理をするときに用いる時間ステップ数の幅(整数値)である。時間平均幅は、時間平均処理をするときに用いる時間幅であり、時間ステップ幅mと時間刻み幅Δtとを用いて、mΔtと表される。基本波の位相幅は、時間平均幅mΔtを基本波に関する位相幅に換算したものであり、ωmΔtと表される。ここで、ωは基本波の角周波であり、基本波の周波数fからω=2πfと算出できる。
なお、コントロールデータは、本実施例ではデータファイルに保存されており計算機に入力されるが、ユーザが計算機のGUI(グラフィック・ユーザ・インターフェース)などにより入力してもよい。
実施例1では、時間平均幅を用いて解析のプロセスを説明するが、基本波の位相幅や時間ステップ幅を用いても、同様に解析を行うことができる。時間ステップ幅mと時間平均幅mΔtと基本波の位相幅ωmΔtは、どれか1つの値が与えられれば、他の2つの値は時間刻み幅Δtと基本波の角周波ωとを用いて求められるからである。従って、コントロールデータ12には、時間ステップ幅mと時間平均幅mΔtと基本波の位相幅ωmΔtのうち、どれが含まれていてもよい。
解析プロセス20は、補正プロセス25と通常の過渡解析27とからなり、計算機で実行される。
補正プロセス25では、まず、入力データ10をもとに、解析対象の物理量を求める微分方程式を離散化した解析実行モジュールによる過渡解析21を実行する。この過渡解析21は従来の方法で実行する。
過渡解析21による解析結果は、解析結果の記憶22の実行により記憶される。解析結果の記憶22は、タイムステップ毎に解析対象の物理量の解析結果を計算機のメモリなどに記憶する。
次に、解析対象の物理量に対して時間平均量の算出23を実行する。時間平均量の算出23では、記憶した解析結果をもとに、コントロールデータ12に含まれる所定の時間平均幅における、解析対象の物理量の時間平均量が算出される。
算出した解析対象の物理量の時間平均量を用いて、解析対象の物理量の補正24を実行する。物理量の補正24については、以下の実施例で詳述する。
補正回数判定26では、以上の一連の補正プロセス25をコントロールデータ12に含まれる所定の補正回数だけ実行したかどうか判定する。
補正プロセス25を所定の回数実行したら、従来の通常の過渡解析27を実行することにより、一周期の定常場が得られる。
得られた解析結果は、解析結果の記憶31の実行により、記憶装置に記憶される。また、解析結果は、解析結果の表示32の実行により、表示装置に表示される。
本発明によれば、所定の時間平均幅(または基本波の位相幅や時間ステップ幅)と同程度の解析ステップ数を経るだけで、過渡解析結果を補正し、より定常場に近い結果が得られるという効果がある。
本発明による定常場高速解法の実施例2として、実施例1で説明した解析対象の物理量の補正24の一実施例を示す。物理量の補正24は、時間平均量の算出23の実行により求めた、解析対象の物理量の時間平均量を用いて実行する。
なお、実施例1でも述べたように、時間ステップ幅mと時間平均幅mΔtと基本波の位相幅ωmΔtについては、どれか1つの値が与えられれば、他の2つの値は時間刻み幅Δtと基本波の角周波ωとを用いて求められる。
説明を簡単にするために、一変数場x(t)に関して述べる。tは時刻を表す。定常場が半周期性の場合、すなわち、周期をTとして、x(t+T/2)=−x(t)の条件を満足する場合、定常場は奇数次高調波のみで構成される。時定数τの減衰場を考慮して、x(t)は、例えば
Figure 0005061175
と書ける。ここで、aは減衰項の係数、a、bは基本波の係数、a、bは高調波の係数、ωは基本波の角周波数である。
また、定常場が半周期性を持たず、一周期性のみをもつ場合、すなわち、周期Tを用いて、周期境界条件x(t+T)=x(t)の条件を満足する場合、偶数次高調波も加わり、また、直流の定数成分の項aも加わり、例えば、
Figure 0005061175
と書ける。ここで、cは係数である。
定常場に近づけるためには、この過渡的な量から基本波成分を抽出すればよい。式(2)の右辺第1項は時刻0においてa(1−c)の値をもち、過渡的にaに推移する項であり、時定数τが長いと基本波の周期2π/ωにおいて近似的に定数とみなすことができる。このため、式(2)の右辺第4項の高調波成分が無視できるほど小さければ、
Figure 0005061175
となり、時間に関する二階微分によって、次のように近似的に基本波成分を抽出することができる。
Figure 0005061175
しかし、一般的には、式(2)の右辺第4項の高調波成分を無視することはできない。従って、時間に関する二階微分によって基本波成分を抽出する際に、高調波成分がノイズとして悪影響を与える。このため、まず、高調波成分の主要項の時間周期、あるいはそれに近い時間幅で時間平均をとる。
以下、時間平均について具体的に説明する。物理量x(t)の時系列量として、時刻tにおけるx(t)をxとおく。x(t)の時間平均を<x(t)>とおき、時間平均をとるための時間ステップ幅をmとおくと、
Figure 0005061175
と書ける。これにより、
Figure 0005061175
を得る。式(6)左辺の添え字n−(m/2)−1は、時間に関する二階微分値がとるべき時間ステップ番号を意味する。この時間ステップ番号は、mが偶数のとき、右辺の括弧内の第2項の総和に関する時間帯の中心点に相当する。また、mが奇数のときは、右辺の括弧内の第2項の総和に関する時間帯の中心点近傍に相当する。
平均化処理のための時間積分位相幅(時間平均幅に対応する基本波の位相幅)をφ(数式中のギリシア文字のファイと同義)とおく。θ=ωtとおき、現時刻tに対応する位相θを平均化積分の上端とすると、
Figure 0005061175
Figure 0005061175
となる。
以下便宜上、時刻tの代わりに位相θを用いる。x(θ)の基本波成分をx(θ)とおき、x(θ)の平均値を<x(θ)>と表すと、x(θ)=asinθ+bcosθだから、
Figure 0005061175
となる。式(9)を位相θで二階微分すれば、
Figure 0005061175
となる。従って、
Figure 0005061175
を得る。定常場はこの基本波成分x(θ)に近い値をもつため、補正前のxをxold、補正後のxをxnewとおくと、
Figure 0005061175
により、xは定常場に近づくことができる。ここで、式(6)を用いて、
Figure 0005061175
のように補正すれば良い。式(13)の右辺の(φ/2)/sin(φ/2)が補正係数となる。
なお、高調波が少ない場合、時間平均処理するための時間平均幅や基本波の位相幅は狭くてよい。この場合には、φ/2<<1となり、(φ/2)/sin(φ/2)は近似的に1となるので、補正係数を1とすることができる。
この場合、時刻tまで計算されたxの値を用いて、時刻tn−(m/2)−1における値が補正されるため、補正の際に時間に関して(m/2)+1ステップだけ過去に遡ることになる。なお、過去にさかのぼるステップ数が(m/2)+1とは異なっても、それなりの補正効果がでるので、過去にさかのぼるステップ数は(m/2)+1に限定されるものではない。
また、半周期境界条件を満たさず、一周期境界条件のみを満足する場合、場を励起するソース項の中の時間に関して一定な定数項による解xをあらかじめ求めておき、
Figure 0005061175
Figure 0005061175
なる補正により、高速に定常場に近づくことができる。ここでも、過去にさかのぼるステップ数は(m/2)+1に限定されるものではない。
具体的に補正の効果を示すために、2変数x、yに関する連立微分方程式を対象にしたサンプルモデルを考える。例として、ソース項に11次および13次の高調波が存在する連立微分方程式
Figure 0005061175
を取り上げる。これに関する定常理論解x、yは、
Figure 0005061175
Figure 0005061175
Figure 0005061175
Figure 0005061175
である。式(17)〜式(20)において、a=1、a=1/4、a=1/16とし、初期値をx=0.1、y=0.8とした場合の計算結果を図2、図3に示す。
図2は、補正なし、簡易TP−EEC法、TP−EEC法、および本発明による補正(各3回補正)をかけた場合の4ケースについて、式(21)で定義した定常理論解との誤差Δの時間変化を表している。
Figure 0005061175
図2より、簡易TP−EEC法やTP−EEC法に比べて、本発明による補正は、最も少ないステップ数で、すなわち最も速く定常場に近づくことができるのがわかる。
図3は、補正なし、TP−EEC法、および本発明による補正(各3回補正)をかけた場合の3ケースについて、x、yの時間変化を示している。図3からも、本発明による補正は、少ない時間ステップで早めに定常場が得られることがわかる。
本実施例によれば、時間ステップ幅mに2を加えた(m+2)ステップの過渡解析で補正が可能であり、この時間ステップ幅は高調波の主要項の周期と同程度の値になるため、早期に定常場への移行が可能であり、計算時間が短縮されて計算コストもほとんどかからないという効果がある。
本発明による定常場高速解法の実施例3は、実施例2に示した定常場高速解法において、時間微分の別の計算法を示す例である。
式(9)について位相θに関する1階微分をとると、
Figure 0005061175
となる。式(10)と式(22)より、xに関する次の2通りの式を得る。
Figure 0005061175
Figure 0005061175
これにより、次のような補正が可能である。
Figure 0005061175
Figure 0005061175
式(25)と式(26)を、時間軸を離散化した表現にすると、
Figure 0005061175
Figure 0005061175
となる。
式(27)の場合、時刻tまで計算されたxの値を用いて、時刻tn−1における値が補正されるため、補正の際に時間に関して1ステップだけ過去に遡ることになる。また、式(28)の場合、時刻tまで計算されたxの値を用いて、時刻tn−m−2における値が補正されるため、補正の際に時間に関してm+2ステップだけ過去に遡ることになる。なお、過去に遡るステップ数は、ここに示したステップ数だけに限定されるものではない。
本実施例で示した計算法は、実施例2に示した計算法よりも、場合によってはより強い補正効果を持ちえるという効果がある。
本発明による定常場高速解法の実施例4は、実施例2や実施例3に示した定常場高速解法において、時間微分の別の計算法を示す例である。
式(6)より、
Figure 0005061175
Figure 0005061175
だから、
Figure 0005061175
Figure 0005061175
となる。これにより、次の補正式が得られる。
Figure 0005061175
Figure 0005061175
基本波周期における時間分割数をNとおき、式(33)と式(34)を、時間軸を離散化した表現にすると、
Figure 0005061175
Figure 0005061175
を得る。
式(35)は、N/4−m/2だけ時刻を進めた時点での補正であり、式(36)はN/4+m/2だけ過去に遡った時点での補正になっている。なお、ここに示した時刻の移動量を表すステップ数は、ここに示したステップ数だけに限定されるものではない。
本実施例で示した計算法は、実施例2や実施例3に示した計算法よりも、場合によってはより強い補正効果を持ちえるという効果がある。
実施例5は、実施例1〜実施例4に示した定常場高速解法を磁場解析に適用した例である。
代表的な解法として、磁気ベクトルポテンシャルを用いた有限要素法解析について説明する。節点要素有限要素法では、メッシュ分割された解析空間の各節点に、ベクトル3成分の未知変数(Ax,Ay,Az)が配置される。また、辺要素有限要素法では、メッシュ分割された解析空間の各要素の辺に、未知変数aが配置される。辺要素有限要素法での未知変数aは、各要素の辺上への磁気ベクトルポテンシャルの射影成分の、辺上における線積分量である。
これらの物理量の未知変数に対して、実施例2の物理量xと同様な補正を実施する。すなわち、過渡解析結果を用い、式(13)、(27)、(28)、(35)、(36)のいずれかの式に示した補正を各未知変数について実施する。この補正は1回、あるいは複数回実施する。一連の補正には、上記のうちいずれか1つの式を用いてもよく、異なる式を組み合わせて用いることも可能である。
回転機(モータ、発電機)の場合、固定子では、発生する電磁場は磁場の向きが正負に反転する交流場であるため、半周期境界条件が成立する。一方、回転子には、磁石や直流電流が流れる励磁コイルがついている場合があり、この場合、磁場の直流成分が存在する。回転子の回転による磁気回路の変動により、回転子の磁場の直流成分に、固定子の複数の歯と歯の間のスロットの回転移動によって発生するスロット高調波が存在する。この場合、回転子では、直流成分に交流成分が重畳した磁場が発生し、半周期境界条件は成立せず、一周期境界条件のみが成立する。
従って、このような回転機に対する磁場解析では、固定子には半周期境界条件に対応した補正を、回転子には一周期境界条件に対応した補正をかけると、定常磁場が高速に求まる。なお、回転子の磁場にのるスロット高調波は小さな変動にすぎないので、回転子に関しては補正をかけず、固定子のみに補正をかけても十分高速に定常場を求めることができる。
また、渦電流による回転駆動を利用した誘導電動機では、回転子は回転磁場に対して遅い回転周波数で回転する。この周波数の差をすべり周波数と言うが、誘導電動機で定常場を高速に求めるためには、すべり周波数成分を基本波周波数として補正をかける。
本実施例に示した、本発明による定常場高速解法の磁場解析への適用例では、定常場に近い磁場分布が求められ、定常場への収束のための計算時間が大幅に短縮されるという効果がある。補正は、時間平均量の時間に関する二階微分値等を用いて容易に実行できるため、計算コストがほとんどかからないという効果もある。
ここで、本発明の実施例1から5を実現する解析システムの一例を図4に示す。本解析システムは、計算機1、表示装置2、記憶装置3、および入力装置4から構成される。図4では、記憶装置3は、明示するために計算機1の外に出しているが、計算機1の内部に設置してもよい。
計算機1には、実施例1から5で示した定常場高速解法のうち、少なくともいずれか1つの一連のプロセスをコーディングした定常場高速解析プログラムが格納されているものとする。この定常場高速解析プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することが可能である。計算機1は、定常場高速解析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を介して、定常場高速解析プログラムを格納することができる。入力装置4は、例えばキーボードやマウスであり、解析に必要な入力データの計算機1への入力、入力データを保存したデータファイルの読み書きの指定、計算の実行などに使用する。
入力データが入力されると、計算機1は、格納されている定常場高速解析プログラムに従い、入力データの読み取りや定常場計算などの演算処理を実行する。計算結果は、表示装置2に表示するとともに、データファイルとして記憶装置3に記憶する。得られた計算結果の一部を表示したり記憶したりしてもよい。
1…計算機、2…表示装置、3…記憶装置、4…入力装置、10…入力データ、11…離散化データ、12…コントロールデータ、20…解析プロセス、21…解析実行モジュールによる過渡解析、22…解析結果の記憶、23…時間平均量の算出、24…物理量の補正、25…補正プロセス、26…補正回数判定、27…通常の過渡解析、31…解析結果の記憶、32…解析結果の表示。

Claims (9)

  1. 演算装置により、複数のタイムステップにおける演算処理を行い、時間微分項を含む方程式に基づく過渡解析を行って解析対象の物理量を求める定常場高速解法であって、
    前記演算装置が、前記物理量に関する時間平均処理を行うための時間平均幅、前記時間平均幅に対応する基本波の位相幅、または前記時間平均処理のための時間ステップ幅を記載した入力データを読み取るプロセスと、
    前記演算装置が、前記過渡解析で得られた前記物理量を前記時間平均幅、前記基本波の位相幅、または前記時間ステップ幅で決められた時間幅にわたって時間平均して、前記過渡解析で得られた前記物理量の時間平均量を求めるプロセスと、
    前記演算装置が、前記時間平均量を用いて、前記過渡解析で得られた前記物理量に補正をかけて前記物理量の定常場を求めるプロセスとを有することを特徴とする定常場高速解法。
  2. 演算装置により、複数のタイムステップにおける演算処理を行い、時間微分項を含む方程式に基づく過渡解析を行って解析対象の物理量を求める定常場高速解法であって、
    前記演算装置が、前記物理量に関する時間平均処理を行うための時間平均幅、前記時間平均幅に対応する基本波の位相幅、または前記時間平均処理のための時間ステップ幅を記載した入力データを読み取るプロセスと、
    前記演算装置が、前記過渡解析で得られた前記物理量を前記時間平均幅、または前記時間ステップ幅で決められた時間幅にわたって時間平均して、前記過渡解析で得られた前記物理量の時間平均量を求めるプロセスと、
    前記演算装置が、前記時間平均量を用いて、前記過渡解析で得られた前記物理量に補正をかけて前記物理量の定常場を求めるプロセスとを有することを特徴とする定常場高速解法。
  3. 演算装置により、有限要素法を用いて且つ複数のタイムステップにおける演算処理を行って解析対象の非線形磁場の過渡解析を行う定常場高速解法であって、
    前記演算装置が、磁場解析に用いる未知変数に関する時間平均処理を行うための時間平均幅、前記時間平均幅に対応する基本波の位相幅、または前記時間平均処理のための時間ステップ幅を記載した入力データを読み取るプロセスと、
    前記演算装置が、前記過渡解析で得られた前記未知変数の値を前記時間平均幅、前記基本波の位相幅、または前記時間ステップ幅で決められた時間幅にわたって時間平均して、前記過渡解析で得られた前記未知変数の値の時間平均量を求めるプロセスと、
    前記演算装置が、前記時間平均量を用いて、前記過渡解析で得られた前記未知変数の値に補正をかけて前記非線形磁場の定常場を求めるプロセスとを有することを特徴とする定常場高速解法。
  4. 請求項3記載の定常場高速解法において、前記有限要素法として辺要素有限要素法を用いる定常場高速解法。
  5. 請求項1または2記載の定常場高速解法において、
    前記補正は、前記時間平均量の時間に関する二階微分を求め、この二階微分した値にマイナスをかけ、このマイナスをかけた値に補正係数をかけることで、前記物理量を変換するものであり、
    前記演算装置が、前記補正を1回、または複数回実行する定常場高速解法。
  6. 請求項3記載の定常場高速解法において、
    前記補正は、前記時間平均量の時間に関する二階微分を求め、この二階微分した値にマイナスをかけ、このマイナスをかけた値に補正係数をかけることで、前記過渡解析で得られた前記未知変数の値を変換するものであり、
    前記演算装置が、前記補正を1回、または複数回実行する定常場高速解法。
  7. 請求項5または6記載の定常場高速解法において、
    前記演算装置が、前記時間平均幅、前記基本波の位相幅、または前記時間ステップ幅から、前記基本波の位相幅の半分をφhとして求め、
    前記補正係数は、φ h/sinφhである定常場高速解法。
  8. 請求項1から7のいずれか1項記載の定常場高速解法における一連のプロセスをコーディングしていることを特徴とする定常場高速解析プログラム。
  9. 請求項8記載の定常場高速解析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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