JP5038563B2 - Shift control device for continuously variable transmission - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無段変速機の変速制御装置に関し、特に、車両が降坂路を走行する際における車両の走行性を向上するようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車などの車両に用いられる無段変速機としては、ベルト式やトロイダル式がある。ベルト式無段変速機は、入力軸に設けられる入力側のプライマリプーリと、出力軸に設けられる出力側のセカンダリプーリと、これらのプーリに掛け渡されるベルトやチェーンなどの動力伝達要素とを有し、それぞれのプーリの溝幅を変化させて動力伝達要素の巻き付け径を変化させることによって、変速比を無段階に変化させて入力軸の回転を出力軸に伝達することができる。
【0003】
このような無段変速機にあっては、スロットル開度と車速あるいはエンジン回転数などの運転状態を示すパラメータに基づいて変速比を自動的に制御している。つまり、このパラメータに基づいて基本変速特性マップを参照して目標プライマリプーリ回転数を設定し、この目標プライマリ回転数に実プライマリプーリ回転数が収束するように変速比を設定するようにしている。基本変速特性マップによると、スロットル開度が小さいほど変速比は高速側に設定されている。このため、下り坂走行時つまり降坂路走行時に運転者がアクセルペダルを離すとスロットル開度は小さくなり、変速比は高速側に設定されて目標入力回転数が低下するので、エンジンブレーキは効かない方向に制御されることになる。
【0004】
そこで、アクセルペダルを離して惰性走行つまり慣性走行する場合であって、車両が平坦路ではなく降坂路を走行しているときには、変速比を低速側にダウンシフトしてエンジン回転数またはプライマリ回転数を高めるように補正することによってエンジンブレーキを効かすように変速比を制御するようにしている。たとえば、特開平8-21500号公報に開示される無段変速機にあっては、加減速度を検出して所定の加減速度に収束するように、変速比を増減してエンジンプレーキを補正制御するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように慣性走行時には所定の加減速度以上となった場合に慣性走行用の目標プライマリ回転数の下限値を制御することによりエンジンブレーキ力を得るようにした変速制御装置にあっては、慣性走行用の回転数下限値を所定の変化率で増加したり減少するので、その変化率以上では回転数を変動させることができない。このため、慣性走行時にブレーキ踏込みによって急減速が行われた場合には、設定された目標回転数のテーブル値に向けて速やかに変速比を追従させることができなくなる。特に、アクセル開放時の回転数変化率を小さく設定してエンジンブレーキの効きを調整しているので、上述のような現象が発生することになり、急減速時などにダウンシフトやアップシフトする変速操作が遅れることになる。
【0006】
エンジン回転数やプライマリプーリの回転数の降下が遅れると、急減速時にもこれらの回転が高い回転のままとなってしまい、本来の慣性走行用回転数下限値目標値よりも大きく出力してしまうことになり、低車速領域で過大なエンジンブレーキを発生させることになる。一方、減速により変速比が低速段側となって変速動作が停止したときに、高い回転数を保っていると、ショックが発生することがある。このような現象が発生すると、運転者は違和感をもつことになる。
【0007】
本発明の目的は、降坂路を慣性走行する際における走行性能を向上することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の無段変速機の変速制御装置は、入力側回転体の回転を動力伝達要素を介して無段階に変化させて出力側回転体に伝達する無段変速機の変速制御装置であって、車両の走行速度を検出する車速検出手段と、スロットルの開度を検出するスロットルセンサと、車両が降坂路を慣性走行していることを検出する慣性走行検出手段と、車両に発生する減速度を検出する減速度検出手段と、ブレーキペダルが踏み込まれたことを検出するブレーキセンサと、前記慣性走行検出手段により車両が降坂路を慣性走行していることを検出した状態のもとで、前記入力回転体の慣性走行用目標回転数の下限値を設定する下限値設定手段と、前記入力側回転体の慣性走行用目標回転数の下限値の変化率を制限する下限値変化率制限手段と、前記ブレーキペダルが踏み込まれ、かつ所定の減速度以上の状態が所定時間継続したときには、前記下限値変化率制限手段による前記変化率の制限を禁止する変速制御手段とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明の無段変速機の変速制御装置は、前記変化率制限の禁止を車両が所定の車速以下のときに行うことを特徴とする。
【0010】
本発明の無段変速機の変速制御装置は、慣性走行時の下限値回転数出力指示値または実際の回転数が目標下限値回転数に収束したときには前記変化率制限を禁止することを特徴とする。
【0011】
本発明の無段変速機の変速制御装置は、慣性走行用目標回転数の下限値を変速比下限値とし、前記変化率を変速比変化率としたことを特徴とする。
【0012】
本発明の無段変速機の変速制御装置にあっては、降坂路においてエンジンブレーキを効かせるように慣性走行となっている状態のもとで、ブレーキが踏み込まれて所定の減速度となったときには、慣性走行用回転数下限値の変化率の制限を行わない。これにより、急減速となったときにはダウンシフトやアップシフトの操作が速やかに行われる。
【0013】
また、慣性走行用回転数の下限値についての変化率制限処理を、慣性走行用回転数の下限値目標値が切り換わったときのみに行い、慣性走行用回転数下限値出力値または実際の回転数が所定の目標下限値回転数値に収束しているときには処理を禁止することによって、入力側回転体の回転数またはエンジン回転数の降下を速やかに行うことができる。これにより、低車速領域で過大なエンジンブレーキが発生するのを防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は無段変速機の一例としてのベルト式の無段変速機の駆動系を示す概略図であり、この無段変速機はエンジン1により駆動されるクランク軸2の回転がトルクコンバータ3と前後進切換装置4を介して伝達される駆動側のプライマリ軸5と、これと平行となった被駆動側のセカンダリ軸6とを有している。
【0015】
プライマリ軸5にはプライマリプーリ7が設けられており、このプライマリプーリ7はプライマリ軸5に一体となった固定プーリ7aと、これに対向してプライマリ軸5にボールスプラインなどにより軸方向に摺動自在に装着される可動プーリ7bとを有し、プーリのコーン面間隔つまりプーリ溝幅が可変となっている。セカンダリ軸6にはセカンダリプーリ8が設けられており、このセカンダリプーリ8はセカンダリ軸6に一体となった固定プーリ8aと、これに対向してセカンダリ軸6に可動プーリ7bと同様にして軸方向に摺動自在に装着される可動プーリ8bとを有し、プーリ溝幅が可変となっている。
【0016】
プライマリプーリ7とセカンダリプーリ8との間には動力伝達要素としてのベルト9が掛け渡されており、両方のプーリ7,8の溝幅を変化させてそれぞれのプーリに対するベルト9の巻き付け径の比率を変化させることにより、プライマリ軸5の回転がセカンダリ軸6に無段階に変速されて伝達されることになる。駆動ベルト9のプライマリプーリ7に対する巻き付け径をRpとし、セカンダリプーリ8に対する巻き付け径をRsとすると、変速比つまりプーリ比iはi=Rs/Rpとなる。
【0017】
セカンダリ軸6の回転は減速歯車およびディファレンシャル装置11を有する歯車列を介して駆動輪12a,12bに伝達されるようになっており、前輪駆動の場合には駆動輪12a,12bは前輪となる。
【0018】
プライマリプーリ7の溝幅を変化させるために、プライマリ軸5にはプランジャ13が固定され、このプランジャ13の外周面に摺動自在に接触するプライマリシリンダ14が可動プーリ7bに固定されており、プランジャ13とプライマリシリンダ14とにより駆動油室15が形成されている。一方、セカンダリプーリ8の溝幅を変化させるために、セカンダリ軸6にはプランジャ16が固定され、このプランジャ16の外周面に摺動自在に接触するセカンダリシリンダ17が可動プーリ8bに固定されており、プランジャ16とセカンダリシリンダ17とにより駆動油室18が形成されている。それぞれの溝幅は、プライマリ側の駆動油室15に導入されるプライマリ圧Ppと、セカンダリ側の駆動油室18に導入されるセカンダリ圧Psとを調整することにより設定される。
【0019】
それぞれの駆動油室15,18に対しては、エンジンあるいは電動モータにより駆動されるオイルポンプ21によってオイルパン20内の作動油が供給されるようになっており、オイルポンプ21の吐出口に接続されたセカンダリ圧路22は、駆動油室18に連通されるとともにセカンダリ圧調整弁23のセカンダリ圧ポートに連通されている。このセカンダリ圧調整弁23によって駆動油室18に供給されるセカンダリ圧Psは、ベルト9に必要な伝達容量に見合った圧力に調整される。
【0020】
セカンダリ圧路22はプライマリ圧調整弁24のセカンダリ圧ポートに連通油路25を介して接続されており、このプライマリ圧調整弁24のプライマリ圧ポートはプライマリ圧路26を介してプライマリ側の駆動油室15に連通されている。このプライマリ圧調整弁24によってプライマリ圧Ppは、目標変速比、車速などに応じた値に調整され、プライマリプーリ7の溝幅が変化して変速比が制御される。セカンダリ圧調整弁23およびプライマリ圧調整弁24は、それぞれ比例ソレノイド弁であり、変速制御装置30からそれぞれのソレノイドコイル23a,24aに供給される電流値を制御することによってセカンダリ圧Psとプライマリ圧Ppが調整される。
【0021】
トルクコンバータ3はクランク軸2に連結されたポンプ側シェル3aと、トルクコンバータ出力軸19に連結されたタービンランナー3bとを有し、トルクコンバータ出力軸19にはポンプ側シェル3aに固定されたフロントカバー27に押圧してエンジントルクを伝達するロックアップクラッチ28が取り付けられている。ロックアップクラッチ28の一方側にはロックアップクラッチ28をフロントカバー27に押圧して係合するための制御油圧が供給されるアプライ室28aが形成され、他方側には係合状態を開放するリリース室28bが形成されている。リリース室28bに供給した油圧をアプライ室28aを介して循環させることによりロックアップクラッチ28が開放されてトルクコンバータ3は作動状態になる。一方、リリース室28bに供給する油圧を調圧することにより、ロックアップクラッチは半クラッチ状態つまりスリップ状態となる。
【0022】
変速制御装置30には、プライマリプーリ7の回転数を検出するプーリ回転数センサ31、車両の走行速度を検出する車速センサ32、運転者がセレクトレバーを操作することにより選択されたDレンジやRレンジなどの走行レンジを検出するレンジ検出センサ33、エンジン1のスロットルバルブの開度を検出するスロットルセンサ34、ブレーキペダルが操作されたか否かを検出するブレーキスイッチ35、ロックアップクラッチ28の作動状態を検出するロックアップ作動状態検出手段36、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ37、およびABS(アンチロックブレーキシステム)の作業状態を検出するABSセンサ38などからの検出信号が送られるようになっている。ABSは急制動時や雪道などの滑り易い路面での制動時に起こる車輪のロックを防止する装置である。
【0023】
なお、スロットル開度を検出するためには、スロットルセンサ34に代えて、アクセルペダルの開度を検出するアクセルセンサあるいはエンジンがアイドリング状態となったことを検出するアイドリングセンサを使用するようにしても良い。また、車速センサ32としては、セカンダリプーリの回転数を検出するセンサを使用して、その回転数から車速を演算するようにしても良い。
【0024】
この無段変速機は、走行状態に応じて自動的に変速機が設定される自動変速モードと、手動操作によって変速比を設定するようにしたマニュアルモードとを有しており、運転者の選択によりオートマチックモードとマニュアルモードとを切り換えることができるようになっている。
【0025】
変速制御装置30は、それぞれのセンサなどからの信号に基づいてソレノイドコイル23a,24aに対する電流値を演算するマイクロプロセッサと、制御プログラムおよび演算式やマップデータが格納されたメモリとを有している。
【0026】
この無段変速機はスロットル開度などの運転状態を示すパラメータに基づいて変速比やエンジン回転数またはプライマリプーリの回転数を制御する基本変速特性マップに加えて、運転者がアクセルペダルを離した状態で車両が降坂路を走行している惰性走行つまり慣性走行の状態となると、エンジンブレーキを効かすための慣性走行モードに設定する変速特性マップを有している。この変速走行モードでは、変速比をダウンシフトするためにプライマリプーリの目標回転数を高めるように目標回転数の下限値が高められた状態となる。
【0027】
車両が慣性走行モードで走行している状態のもとでは、前述のように、目標回転数の下限値が高められるように補正されるが、この状態のもとでアクセルペダルが踏み込まれたら、通常走行時の基本変速特性マップにおける下限値の回転数に変化させることなく、スロットル開度と車速とに基づいて慣性走行時の目標回転数の下限値を補正するようにしている。
【0028】
図2はトルクコンバータ3のロックアップクラッチ28が締結された状態と開放された状態とにおける慣性走行時の目標回転数Npの下限値を示す変速特性線図である。エンジンブレーキの効きはロックアップクラッチ28が締結されたときと開放されたときとでは相違することになるが、ロックアップクラッチ28が開放されたときには締結されたときよりも目標回転数Npを高い回転数とすることにより、ロックアップクラッチ28が開放されたときにも確実にエンジンブレーキを効かせることができる。
【0029】
図3(A1),(A2)はロックアップクラッチ28が締結されたときにおける回転数の変化率下限値および変化率上限値と車速Vとの関係を示す変速特性線図であり、図3(B1),(B2)はそれぞれ半クラッチ時の変化率下限値と変化率上限値を示す変速特性線図であり、さらに図3(C1),(C2)はロックアップクラッチ28が開放されたときにおける変化率下限値おび変化率上限値の変化を示す変速特性線図である。
【0030】
図示するように、ロックアップクラッチ28がスリップしている半クラッチ状態のときには、回転数を大きく変化させないようにしてロックアップクラッチ28の制御性を保持するようにしている。そして、ロックアップクラッチ28が開放されているときには、締結されているときよりも、変化率を大きくして迅速にダウンシフト側に変速するようにしている。
【0031】
慣性走行時における図2および図3に示す変速特性線図に対応するマップデータは変速制御装置30のメモリに格納されており、走行状態に応じてマップデータを検索することにより、それぞれの変速特性が設定される。
【0032】
次に、本発明の変速機における変速制御についてフローチャートを参照しつつ説明する。
【0033】
図4はプライマリプーリの回転数および変速比を設定するためのメインルーチンを示すフローチャートであり、所定周期毎に実行される。先ず、周知のように、アクセル開度と車速あるいはエンジン回転数などのパラメータに基づいて基本変速特性マップを参照して目標プライマリ回転数NpがステップS1で設定される。そして、ステップS2では慣性走行判定処理が実行され、ステップS3では目標回転数Npの上限値が設定され、ステップS4では目標回転数Npの下限値が設定され、ステップS5では目標回転数変化量の上限値が設定され、ステップS6では目標回転数変化量の下限値が設定される。
【0034】
ステップS7では目標回転数Npの上限リミッター処理が実行され、ステップS8では目標回転数Npの下限リミッター処理が実行され、ステップS9では目標回転数変化量の上限リミッター処理が実行され、ステップS10では目標回転数変化量の下限リミッター処理が実行される。その後、ステップS11からS16が実行されて、車両の走行状態に応じて最適な目標回転数および変速比が設定される。
【0035】
図5は図4のステップS2における慣性走行判定処理のサブルーチンを示すフローチャートであり、ステップS21では慣性走行判定禁止フラグが立っているか否かを判断する。慣性走行判定禁止フラグがオンされていれば、ステップS22において慣性走行判定フラグをオフに設定し、慣性走行判定禁止フラグがオフであれば、ステップS23の慣性走行解除とステップS24の慣性走行判定の処理が実行される。
【0036】
[慣性走行モード判定条件]
降坂路走行時においてエンジンブレーキを効かせるための慣性走行モードは、以下の条件を全て充足したときに設定される。その条件は、第1にパーキングレンジP、ニュートラルレンジNおよびリバースレンジR以外の走行レンジで車両が走行していること、第2に車速が所定の範囲内であること、第3に以下の3つの条件が所定時間以上連続して成立していることである。その3つの条件とは、ロックアップ開放時には実プライマリ回転数Npiがエンジン回転数Neよりも大きいこと、加減速度が所定値以上となったこと、アクセルペダルが離されてエンジン回転数がアイドリング状態であることである。これらの条件が充足したときには、慣性走行モードが設定される。
【0037】
図6は図5における慣性走行判定のサブルーチンを示すフローチャートであり、ステップS31で慣性走行判定フラグがオンでないと判断されたときには、ステップS32で走行レンジDであるか否かが判断され、ステップS33では車速が所定の範囲内であるか否かが判断され、ステップS34では加減速度判定1のフラグがオンされているか否かが判断される。これらのステップS32〜34でYESと判断されたときには、ステップS35で慣性走行判定フラグがオンされる。ステップS31でYESと判断された場合およびステップS32〜S34でNOと判断されたならばそのままルーチンを抜ける。
【0038】
図7は加減速判定1のフラグをオンオフさるサブルーチンであり、ステップS41では慣性走行判定フラグがオンであるかが判断され、慣性走行判定フラグがオンでなければ、ステップS42においてトルクコンバータ3のロックアップクラッチ28が締結しているか否かが判断され、締結状態でないときにはステップS43で実プライマリプーリ回転数Npiがエンジン回転数Neよりも所定値Ns以上高いか否かが判断される。さらに、ステップS44で車両の加減速度が所定値αよりも大きいか否かが判断され、ステップS45ではアクセルが開放されているか否かが判断される。
【0039】
ステップS46ではタイマーT1が所定時間Taを経過したか否かが判断され、所定時間が経過していないと判断された場合にはステップS48で単位時間が増加され、所定時間が経過していると判断された場合にはステップS47で加減速判定1のフラグをオンさせる。一方、ステップS41で慣性走行判定フラグがオンであると判断された場合、およびそれぞれのステップS43〜S45でNOと判断された場合には、ステップS49でタイマーT1がリセットされ、ステップS50では慣性走行判定フラグをオフする。
【0040】
したがって、図6および図7のルーチンを実行することによって、前述した慣性走行モードを実行するか否かが判断される。
【0041】
[慣性走行モード解除条件]
慣性走行モードは、以下の条件のうちいずれかが成立したときに解除される。
その条件の1つは走行レンジD以外のレンジ、たとえば、パーキングレンジP、ニュートラルレンジNおよびリバースレンジRのいずれかのレンジに運転者がセレクトレバーを操作したことである。その条件の他の1つはアクセルペダルが踏み込まれてアイドリング状態がオフされたことであり、その条件によって慣性走行モードを解除する場合には、解除直後に目標回転数を元の回転数にリセットして変化量制限処理を行わない。その条件の他の1つは車速が所定の範囲外となったことである。さらにその条件の他の1つは、以下の4つの条件が所定時間以上連続して成立していることであり、第1の条件はロックアップ開放中ではプライマリ回転数Npからエンジン回転数Neを引いた値が所定値よりも大きいとき、第2の条件はアイドリングであるとき、第3はブレーキが開放されているとき、第4は加減速度が所定値未満の状態であるときであり、これらの全ての状態が所定時間連続した場合には、慣性走行モードは解除される。
【0042】
図8は図5のステップS23に示した慣性走行解除を示すサブルーチンであり、ステップS51では前述した慣性走行判定フラグがオンであるか否かが判断される。判定フラグがオンであればステップS52で走行レンジが選択されているか否かを判断し、ステップS53では車速が所定の範囲外であるか否かを判断し、ステップS54ではアクセルが踏み込まれているか否かを判断し、ステップS55では目標プライマリ回転数Npが慣性走行用プライマリ回転数下限値Npdよりも大きいか否かを判断する。
【0043】
ステップS52でNO、あるいはステップS53でYESと判断した場合には、ステップS61が実行されて慣性走行判定フラグがオフされる。ステップS54でNOと判断した場合、あるいはステップS55でNOと判断した場合にはステップS59でタイマーT2をリセットする。ステップS56ではタイマーT2が所定値Tb以上となったか否かを判断し、所定値以上である場合にはステップS57でリミッタ不要フラグをオンして上述のステップS61を経てルーチンを抜け、所定時間経過していなければ、ステップS58においてタイマーT2を単位時間増加し、ステップS60において加減速度判定2がオンとなっているか否かを判断する。
【0044】
図9は加減速度判定2のサブルーチンを示すフローチャートであり、ステップS71では慣性走行判定フラグがオンであるか否かを判断し、ステップS72でロックアップクラッチ28が締結状態であるか否かを判断し、締結中のときはステップS74へジャンプし、ロックアップクラッチ28が非締結のときは、ステップS73で実プライマリ回転数Npiからエンジン回転数Neを引いた値が所定値Ns2以上となっているか否かを判断し、ステップS74では加減速度が所定値以下であるか否かを判断し、ステップS75ではアクセルが開放されているか否かを判断し、ステップS76ではブレーキが開放されているか否かを判断する。
【0045】
以上の条件が全て満足するとき、ステップS77においてタイマーT3が所定値Tc以上となっていると判断された場合には、ステップS78で加減速度判定2のフラグをオンに設定し、所定値となっていない場合にはステップS79でタイマーT3を単位時間増加する。一方、ステップS71,S73〜S76の条件非成立時は、ステップS80でタイマーT3をクリアし、ステップS81で加減速度判定2のフラグをオフに設定する。
【0046】
[慣性走行判定の禁止]
慣性走行モードは上述した条件が充足したときに実行されるが、以下のように、慣性走行の判定を誤判定する可能性がある場合には、慣性走行の判定を禁止し、慣性走行用回転数の下限値の算出が禁止されることになる。これにより、制御誤動作による不要なダウンシフトの発生を回避し、違和感なく走行することが可能となり、車両の走行性能を向上することができる。
【0047】
図10は慣性走行判定の禁止のサブルーチンを示すフローチャートであり、ステップS91、S92ではそれぞれ禁止急減速判定および禁止急加速判定のフラグがそれぞれオンされているか否かを判断し、ステップS93ではシフトホールドが作動中であるか否かと、非作動となってから所定時間内であるかを判断し、ステップS94ではABSが作動中であるか否と、ABSが非作動となってから所定時間以内であるか否かを判断し、ステップS95では車速センサ32が故障しているか否かと、OKとなってから所定時間以内であるか否かを判断し、ステップS96ではマニュアルモードが設定されているか否かと、マニュアルモードが解除されてから所定時間以内であるか否かを判断する。ステップS91〜S96までの何れかにおいてYESと判断された場合には、ステップS97において慣性走行判定禁止フラグがオンされ、ステップS91〜S96の全てにおいてNOと判断された場合には、ステップS98において慣性走行判定禁止フラグをオフする。ここで、ステップS95の車速センサの故障はセカンダリ回転数センサによって車速を検出する場合にはセカンダリ回転数センサの故障を検出することになる。
【0048】
図11は禁止急減速判定のサブルーチンを示すフローチャートであり、ステップS101では加減速度が判定加減速度DECL以下であるか否かを判断し、以下であればステップS102においてタイマーT4が所定の判定時間を経過したか否かを判断する。所定の判定時間を経過していれば、ステップS103で禁止急減速判定フラグをオンしてステップS104でタイマーT5をリセットする。一方、所定の判定時間が経過していなければタイマーT4をステップS105で単位時間増加する。
【0049】
ステップS101でNOと判断された場合には、ステップS106で加減速度が判定加速度DECH以上であるか否かを判断し、以上であればステップS107でタイマーT5が解除時間を経過しているか否かを判断する。所定の解除時間経過していれば、ステップS108で禁止急減速判定フラグをオフし、ステップS109でタイマーT4をリセットする。一方、所定の解除時間経過していなければ、タイマーT5をステップS111で単位時間増加する。ステップS106でNOと判断されたときには、ステップS110でタイマーT5をリセットする。
【0050】
図12は禁止急加速判定のサブルーチンを示すフローチャートであり、ステップS121では加減速度が所定の判定加減速度INCH以上であるか否かを判断し、以上であればステップS122においてタイマーT6が判定ディレー時間を経過したか否かを判断する。所定の判定ディレー時間を経過していれば、ステップS123で禁止急加速判定フラグをオンしてステップS124でタイマーT7をリセットする。一方、所定の判定ディレー時間が経過していなければタイマーT6をステップS125で単位時間増加する。
【0051】
ステップS121でNOと判断された場合には、ステップS126で加減速度が所定の判定加減速度INCL以下であるか否かを判断し、以下であればステップS127でタイマーT7が解除ディレー時間を経過しているか否かを判断する。解除ディレー時間経過していれば、ステップS128で禁止急加速判定フラグをオフし、ステップS129でタイマーT6をリセットする。一方、所定の解除ディレー時間経過していなければ、タイマーT7をステップS131で単位時間増加する。ステップS126でNOと判断されたときには、ステップS130でタイマーT7をリセットする。
【0052】
[慣性走行時の目標下限値の設定]
図13は図4のステップS4に示した目標回転数Npの下限値設定のサブルーチンを示すフローチャートであり、ステップS141で通常時の目標回転数下限値NPMINNORMを算出し、ステップS142で慣性走行判定禁止であるか否かを判断する。禁止されていなければ、ステップS143では既にステップS141で設定された通常時の目標回転数下限値NPMINNORMが慣性走行用目標回転数下限値Npdよりも大きいか否かを判断する。ここで、通常時の目標回転数下限値NPMINNORMは、OD(オーバードライブ)ラインや車速線マップの最低変速ラインで決定される。このステップS143でYESと判断されたら、ステップS144で目標回転数下限値を通常時の目標回転数下限値NPMINNORMに設定する。一方、ステップS143でNOと判断されたら、ステップS146で目標回転数下限値を慣性走行用目標下限値Npdに設定する。また、ステップS142で慣性走行判定禁止であると判断されれば、ステップS145で慣性走行用目標回転数下限値Npd、および慣性走行時下限値NPMINDAKOU0を通常時目標回転数下限値NPMINNORMに設定する。
【0053】
このようにして、車両が降坂路を慣性走行している状態のもとで、車両の所定の加減速度以上のときに、プライマリプーリの慣性走行用目標回転数の下限値が設定されて、エンジンブレーキ力を得ることができる。
【0054】
このように、慣性走行時にアクセルペダルが踏み込まれたときには、スロットル開度と車速とに基づいて下限値が補正されるので、アクセルが僅かに踏み込まれた状態から再度アクセルが開放されたときには、速やかに元の必要なエンジンブレーキを得ることができる。
【0055】
図14は慣性走行時の下限値NPMINDAKOU0の算出のサブルーチンを示すフローチャートであり、ステップS151で慣性走行判定フラグがオンされていれば、ステップS153でロックアップクラッチが締結されているか否かを判断する。ロックアップクラッチ28が締結されていれば、ステップS154でロックアップクラッチ締結時の図2に示すマップを検索シテ下限値を算出し、締結されていなければ、ステップS155でロックアップ開放時の図2に示すマップを検索して下限値を算出する。なお、慣性走行判定フラグがオフのときには、ステップS152で通常時の目標回転数下限値NPMINNORによって慣性走行時下限値NPMINDAKOU0を設定する。
【0056】
[変化率の設定]
慣性走行時にアクセルペダルが踏み込まれたときには、慣性走行用目標回転数の下限値を図3に示すように変化率下限値と変化率上限値とを車速に基づいて補正する。このように、車速で定められた回転数変化率制限値を適用することにより、慣性走行制御とこれを解除したときにおける回転数変動を防ぐとともに、低車速から高車速に至るまで違和感なく、フップシフトおよびダウンシフトのフィーリングを得ることができる。
【0057】
図15は図4に示したステップS5およびS6の変化量リミッタ算出のサブルーチンを示すフローチャートであり、ステップS161ではロックアップクラッチ28が締結されているか否かを判断し、締結中である場合にステップS162においてロックアップクラッチのスリップ量が所定範囲内であるか否かを判断する。ステップS162でロックアップクラッチが締結状態であると判断された場合には、ステップS163で締結時の変化率下限値を図3(A1)に示すマップデータを検索することにより算出し、ステップS164では締結時の変化率上限値を図3(A2)に示すマップデータを検索することにより算出する。一方、ロックアップクラッチ28のスリップ量が所定以上であり、半クラッチであるときはステップS162からステップS165に進み、半クラッチ時の変化率下限値を図3(B1)に示すマップデータを検索することにより算出し、ステップS166では半クラッチ時の変化率上限値を図3(B2)に示すマップデータを検索することにより算出する。さらに、ステップS161によりロックアップクラッチが開放されていると判断した場合には、ステップS167で開放時の変化率下限値を図3(C1)に示すマップデータを検索することにより算出し、ステップS168で開放時の変化率上限値を図3(C2)に示すマップデータを検索することにより算出する。
【0058】
図16は変化率リミッタにより慣性走行時の変化率を設定した後における慣性走行時の下限値Npd算出のサブルーチンを示すフローチャートであり、ステップS171ではリミッタ不要フラグがオンされているか否かを判断し、オンされていると判断された場合にはステップS177においてリミッタ不要フラグをオフにしてステップS178で慣性走行時の下限値NpdをNPMINDAKOU0に設定し、ステップS176へ進む。一方、ステップS171でリミッタ不要フラグがオフされていると判断された場合には、ステップS172において前回のルーチンで算出した慣性走行用目標回転数下限値NpdすなわちNpd-1が慣性走行目標回転数下限値NPMINDAKOU0と一致しているか否かを判断する。
【0059】
ステップS173では減速度により禁止判定がオンされているか否かを判断し、ステップS174では収束により禁止判定がオンされているか否かを判断し、これらのステップにおいて禁止判定がオフされていれば、ステップS175の変化量リミッタ処理2が実行されるとともに、ステップS176の変化率制限処理禁止フラグの設定が実行される。また、ステップS172〜S174のいずれかが成立したときには、上述のステップS178,S176を経てルーチンを抜ける。
【0060】
図17は図16のステップS175で示した変化量リミッタ処理2のサブルーチンを示すフローチャートであり、ステップS181では前回の目標回転数の下限値Npd-1がNPMINDAKOU0よりも大きくなっているか否かを判断し、このステップでYESと判断されれば、ステップS182において目標回転数下限値NpdをNpdn-1に変化率下限値を加えた値に設定し、NOと判断されればステップS185においてNpdn-1に変化率上限値を加えた値にNpdを設定する。ステップS183ではNpdn-1がNPMINDAKOU0よりも小さいか否かを判断し、小さい場合にはステップS184でNPMINDAKOU0を慣性走行用目標回転数下限値Npdに設定する。ステップS186ではNpdがNPMINDAKOU0よりも大きいか否かを判断し、大きい場合にはステップS187で、NPMINDAKOU0を慣性走行用目標回転数下限値Npdに設定する。
【0061】
[急減速時の制御]
降坂路において慣性走行モードが実行されている状態のもとで、ブレーキの踏込みによって急減速が行われたときには、慣性走行用の目標回転数を下限値に設定するための変化率の制限を禁止するようにしている。これにより、急減速がなされた場合には、変速比の制御を迅速に行うことができ、目標変速比に追従させることができる。これにより、低車速で急減速が行われた場合でも、高い回転数が保持されて過大なエンジンブレーキがかかることを防止できる。この変化率の制限の禁止は、変化量リミッタ前の回転数下限値へリミッタ後の下限値が収束したときなどにおいても実行するようにしている。
【0062】
図18は減速度による変化率制限禁止判定のサブルーチンを示すフローチャートであり、ステップS191ではブレーキが踏み込まれたか否かを判断し、ステップS192では車速が所定値以下であるか否かを判断し、ステップS193では加減速度が所定値A以下であるか否かを判断する。これらの全ての条件が成立し、ステップS194でタイマーT8が所定値Td以上であると判断された場合には、ステップS195で減速度による禁止判定のフラグをオンし、ステップS196でタイマーT9をリセットする。一方、所定値Td以下であると判断された場合にはステップS197においてタイマーT8を増加させる。
【0063】
ステップS193で加減速度が所定値Aを越えたときは、ステップS198へ進み、加減速度が所定値B以上であるか否かを判断し、ステップS199でタイマーT9が所定値Te以上か否かを判断し、各条件の成立時、ステップS200で減速度による禁止判定のフラグをオフし、ステップS201ではタイマーT8をリセットする。一方、所定値Te以下であると判断された場合にステップS202でタイマーT9を増加させる。また、ステップS198で加減速度が所定値B以下であると判断された場合には、ステップS203でタイマーT9をリセットする。
【0064】
一方、上述のステップS191でブレーキが踏み込まれたとき、あるいはステップS192で車速が所定値を越えるときは、上述のステップS200,S201を経てルーチンを抜ける。
【0065】
図19は収束による変化率制御処理禁止フラグを設定するサブルーチンを示すフローチャートであり、ステップS210ではNpdとNPDMINDAKOU0とが一致したか否かを判断し、一致していると判断した場合には、ステップS211で収束による判定禁止フラグをセットする。ステップS212では慣性走行判定フラグの変化を検出したか否か、つまりフラグがオンからオフに切り換えられたかあるいはオンからオフに切り換えられたかを判断し、ステップS213でロックアップクラッチから開放から締結に切り換えられたかあるいは締結から開放に切り換えられたかを判断する。ステップS210でNpdとNPMINDAKOU0とが一致していないとき、あるいはステップS212,S213のいずれかでYESと判断された場合には、ステップS214が実行されて収束による禁止判定をオフにする。
【0066】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0067】
たとえば、前述した目標回転数および慣性走行回転数は、無段変速機の入力側回転体つまりプライマリプーリの回転数としているが、それぞれの回転数をエンジン回転数としても良い。また、前述した変速制御では、慣性走行用回転数および下限値変化率を制御するようにしているが、慣性走行用回転数を慣性走行用変速比とし、慣性走行用回転数下限値変化率を慣性走行用変速比変化率としても良い。また、図示する無段変速機はベルト式変速機であるが、トロイダル式変速機としても良い。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、降坂路においてエンジンブレーキを効かせるように慣性走行となっている状態のもとで、ブレーキが踏み込まれて所定の減速度となったときには、慣性走行用回転数下限値の変化率を制限を行わない。これにより、急減速となったときにはダウンシフトやアップシフトの操作が速やかに行われる。
【0069】
また、慣性走行用回転数の下限値についての変化率制限処理を、慣性走行用回転数の下限値目標値が切り換わったときのみに行い、慣性走行用回転数下限値出力値が所定の目標下限値回転数値に収束しているときには処理を禁止することによって、入力側回転体の回転数またはエンジン回転数の降下を速やかに行うことができる。これにより、低車速領域で過大なエンジンブレーキが発生するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無段変速機の一例であるベルト式無段変速機の駆動系を示す概略図である。
【図2】トルクコンバータのロックアップクラッチが締結された状態と開放された状態とにおける慣性走行時の目標回転数の下限値を示す変速特性線図である。
【図3】(A1),(A2)はロックアップクラッチが締結されたときにおける回転数の変化率下限値および変化率上限値と車速との関係を示す変速特性線図であり、(B1),(B2)はロックアップクラッチが半クラッチとなったときにおける回転数の変化率下限値および変化率上限値と車速との関係を示す変速特性線図であり、(C1),(C2)はロックアップクラッチが開放されたときにおける回転数の変化率下限値および変化率上限値と車速との関係を示す変速特性線図である。
【図4】変速制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図5】慣性走行判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】慣性走行判定のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】加減速度判定1のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】慣性走行解除のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】加減速度判定2のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】慣性走行判定の禁止のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】禁止急減速判定のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】禁止急加速判定のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】目標回転数下限値設定のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図14】慣性走行時の下限値算出のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図15】変化量リミッタ算出のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図16】慣性走行時の下限値算出のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図17】変化量リミッタ処理2のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図18】減速度による変化率制限禁止判定のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図19】変化率制限処理禁止フラグ設定のサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
3 トルクコンバータ
5 プライマリ軸
6 セカンダリ軸
7 プライマリプーリ
8 セカンダリプーリ
9 ベルト(動力伝達要素)
21 オイルポンプ
23 セカンダリ圧調整弁
24 プライマリ圧調整弁
30 制御装置
31 プーリ回転数センサ
32 車速センサ
33 レンジ検出センサ
34 スロットルセンサ
35 ブレーキセンサ
36 ロックアップクラッチ作動状態検出手段
37 エンジン回転数センサ
38 ABSセンサ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a transmission control device for a continuously variable transmission, and more particularly, to improve the traveling performance of a vehicle when the vehicle travels on a downhill road.
[0002]
[Prior art]
As a continuously variable transmission used for a vehicle such as an automobile, there are a belt type and a toroidal type. A belt-type continuously variable transmission has an input-side primary pulley provided on an input shaft, an output-side secondary pulley provided on an output shaft, and a power transmission element such as a belt or a chain spanned between these pulleys. Then, by changing the groove width of each pulley to change the winding diameter of the power transmission element, it is possible to change the transmission ratio steplessly and transmit the rotation of the input shaft to the output shaft.
[0003]
In such a continuously variable transmission, the gear ratio is automatically controlled based on parameters indicating the operating state such as the throttle opening and the vehicle speed or the engine speed. In other words, the target primary pulley rotation speed is set with reference to the basic shift characteristic map based on this parameter, and the gear ratio is set so that the actual primary pulley rotation speed converges to the target primary rotation speed. According to the basic transmission characteristic map, the smaller the throttle opening, the higher the transmission ratio is set. For this reason, when the driver releases the accelerator pedal when traveling downhill, that is, when traveling downhill, the throttle opening becomes small, the gear ratio is set to the high speed side, and the target input speed decreases, so engine braking does not work. Will be controlled in the direction.
[0004]
Therefore, when the vehicle is traveling inertially, i.e., inertial with the accelerator pedal released, the gear ratio is downshifted to the low speed side when the vehicle is traveling on a downhill road instead of a flat road, and the engine speed or primary speed The gear ratio is controlled so that the engine brake is applied by correcting so as to increase the engine speed. For example, in the continuously variable transmission disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-21500, the engine brake is corrected and controlled by increasing / decreasing the gear ratio so that the acceleration / deceleration is detected and converged to a predetermined acceleration / deceleration. I am doing so.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
Thus, in the shift control device that obtains the engine braking force by controlling the lower limit value of the target primary rotational speed for inertia traveling when the acceleration / deceleration exceeds a predetermined acceleration / deceleration during inertia traveling, the inertia traveling Since the lower limit of the rotational speed is increased or decreased at a predetermined rate of change, the rotational speed cannot be varied above the rate of change. For this reason, when sudden deceleration is performed by depressing the brake during inertial traveling, it becomes impossible to promptly follow the gear ratio toward the set target rotational speed table value. In particular, the effect of engine braking is adjusted by setting the rate of change in engine speed when the accelerator is released to a small value. Operation will be delayed.
[0006]
If the engine speed and primary pulley speed drop are delayed, these speeds will remain high even during sudden deceleration, and output will be larger than the original target value for the lower limit value for inertial running speed. As a result, excessive engine braking is generated in the low vehicle speed range. On the other hand, when the speed change operation is stopped due to deceleration and the speed change operation is stopped, a shock may occur if a high rotational speed is maintained. When such a phenomenon occurs, the driver feels uncomfortable.
[0007]
An object of the present invention is to improve traveling performance when traveling downhill on an inertial road.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
A transmission control device for a continuously variable transmission according to the present invention is a transmission control device for a continuously variable transmission that changes the rotation of an input-side rotating body in a stepless manner via a power transmission element and transmits it to an output-side rotating body. A vehicle speed detecting means for detecting the traveling speed of the vehicle, a throttle sensor for detecting the opening of the throttle, an inertia traveling detecting means for detecting that the vehicle is traveling on a downhill road, and a deceleration generated in the vehicle a deceleration detecting means for detecting a brake sensor for detecting that the blanking Rekipedaru is depressed under the state detected that the inertial traveling vehicle downhill by the inertia running detecting means, wherein A lower limit value setting means for setting a lower limit value of the target rotational speed for inertial traveling of the input rotator, and a lower limit value change rate limiting means for limiting a change rate of the lower limit value of the target rotational speed for inertial traveling of the input side rotator; , the brake Bae Le is depressed, and when the predetermined deceleration or more states continues for a predetermined time, characterized by having a shift control means for inhibiting said change rate restriction by the lower limit change rate limiting means.
[0009]
The shift control device for a continuously variable transmission according to the present invention is characterized in that the change rate restriction is prohibited when the vehicle is below a predetermined vehicle speed.
[0010]
The transmission control device for a continuously variable transmission according to the present invention is characterized in that the change rate limitation is prohibited when the lower limit rotational speed output instruction value or the actual rotational speed during inertial traveling converges to a target lower limit rotational speed. To do.
[0011]
The speed change control apparatus for a continuously variable transmission according to the present invention is characterized in that the lower limit value of the target rotational speed for inertial traveling is set as a speed change ratio lower limit value, and the rate of change is set as a speed change rate.
[0012]
In the continuously variable transmission control device according to the present invention, the brake is depressed to achieve a predetermined deceleration under the state of inertia traveling so that the engine brake is applied on the downhill road. In some cases, the rate of change of the inertia traveling speed lower limit value is not limited. As a result, when the vehicle is suddenly decelerated, the downshift and upshift operations are promptly performed.
[0013]
In addition, the change rate limiting process for the lower limit value of the inertia traveling speed is performed only when the lower limit target value of the inertia traveling speed is switched, and the inertia traveling speed lower limit output value or the actual speed is changed. By prohibiting the process when the number has converged to a predetermined target lower limit value, the rotational speed of the input side rotating body or the engine rotational speed can be quickly lowered. As a result, it is possible to prevent excessive engine braking from occurring in the low vehicle speed region.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. FIG. 1 is a schematic diagram showing a drive system of a belt-type continuously variable transmission as an example of a continuously variable transmission. In this continuously variable transmission, the rotation of a crankshaft 2 driven by an
[0015]
The
[0016]
A
[0017]
The rotation of the secondary shaft 6 is transmitted to the
[0018]
In order to change the groove width of the primary pulley 7, a
[0019]
The hydraulic oil in the
[0020]
The
[0021]
The torque converter 3 has a pump-side shell 3 a connected to the crankshaft 2 and a
[0022]
The speed
[0023]
In order to detect the throttle opening, an accelerator sensor that detects the opening of the accelerator pedal or an idling sensor that detects that the engine is in an idling state may be used in place of the
[0024]
This continuously variable transmission has an automatic transmission mode in which the transmission is automatically set according to the driving state and a manual mode in which the gear ratio is set by manual operation. Can switch between automatic mode and manual mode.
[0025]
The speed
[0026]
This continuously variable transmission has a basic shift characteristics map that controls the gear ratio, engine speed, or primary pulley speed based on parameters such as throttle opening, and the driver releases the accelerator pedal. In this state, the vehicle has a speed change characteristic map that is set to an inertial traveling mode for applying engine braking when the vehicle is in an inertial traveling state where the vehicle is traveling on a downhill road, that is, an inertial traveling state. In this speed change mode, the lower limit value of the target rotational speed is increased so as to increase the target rotational speed of the primary pulley in order to downshift the speed ratio.
[0027]
Under the state where the vehicle is traveling in the inertial traveling mode, as described above, the correction is made so that the lower limit value of the target rotational speed is increased, but if the accelerator pedal is depressed under this state, The lower limit value of the target rotational speed during inertia traveling is corrected based on the throttle opening and the vehicle speed without changing the rotational speed to the lower limit value in the basic shift characteristic map during normal traveling.
[0028]
FIG. 2 is a speed change characteristic diagram showing a lower limit value of the target rotational speed Np during inertia traveling in a state where the lock-up
[0029]
FIGS. 3A1 and 3A2 are speed change characteristic diagrams showing the change rate lower limit value and the change rate upper limit value of the rotation speed when the
[0030]
As shown in the figure, when the lock-up clutch 28 is in the slipping half-clutch state, the controllability of the lock-up clutch 28 is maintained by not changing the rotation speed greatly. When the
[0031]
Map data corresponding to the speed change characteristic diagrams shown in FIGS. 2 and 3 during inertial running are stored in the memory of the speed
[0032]
Next, shift control in the transmission of the present invention will be described with reference to a flowchart.
[0033]
FIG. 4 is a flowchart showing a main routine for setting the rotation speed and the gear ratio of the primary pulley, and is executed at predetermined intervals. First, as is well known, the target primary rotational speed Np is set in step S1 with reference to the basic shift characteristic map based on parameters such as the accelerator opening and the vehicle speed or the engine rotational speed. In step S2, an inertia traveling determination process is executed. In step S3, an upper limit value of the target rotational speed Np is set. In step S4, a lower limit value of the target rotational speed Np is set. In step S5, the target rotational speed change amount is set. An upper limit value is set, and in step S6, a lower limit value of the target rotational speed change amount is set.
[0034]
In step S7, an upper limiter process for the target rotational speed Np is executed, in step S8, a lower limiter process for the target rotational speed Np is executed, in step S9, an upper limiter process for the target rotational speed change amount is executed, and in step S10, the target upper limiter process is executed. A lower limiter process for the rotational speed change amount is executed. Thereafter, steps S11 to S16 are executed, and the optimum target rotational speed and gear ratio are set according to the traveling state of the vehicle.
[0035]
FIG. 5 is a flowchart showing a subroutine of the inertia traveling determination process in step S2 of FIG. 4. In step S21, it is determined whether or not an inertia traveling determination prohibition flag is set. If the inertial travel determination prohibition flag is on, the inertial travel determination flag is set to off in step S22. If the inertial travel determination prohibition flag is off, the inertial travel determination in step S23 and the inertial travel determination in step S24 are performed. Processing is executed.
[0036]
[Inertia driving mode judgment condition]
The inertia traveling mode for applying the engine brake when traveling downhill is set when all of the following conditions are satisfied. The conditions are as follows: first, the vehicle is traveling in a travel range other than the parking range P, neutral range N, and reverse range R; second, the vehicle speed is within a predetermined range; One condition is satisfied continuously for a predetermined time or more. The three conditions are that when the lockup is released, the actual primary engine speed Npi is greater than the engine engine speed Ne, the acceleration / deceleration exceeds a predetermined value, the accelerator pedal is released and the engine engine speed is idling. That is. When these conditions are satisfied, the inertia traveling mode is set.
[0037]
FIG. 6 is a flowchart showing the inertial travel determination subroutine in FIG. 5. When it is determined in step S31 that the inertial travel determination flag is not on , it is determined in step S32 whether or not the travel range D is present, and step S33. In step S34, it is determined whether or not the vehicle speed is within a predetermined range. In step S34, it is determined whether or not the acceleration /
[0038]
FIG. 7 is a subroutine for turning on / off the acceleration /
[0039]
In step S46, it is determined whether or not the timer T1 has passed the predetermined time Ta. If it is determined that the predetermined time has not elapsed, the unit time is increased in step S48, and the predetermined time has elapsed. If it is determined, the acceleration /
[0040]
Therefore, by executing the routines of FIGS. 6 and 7, it is determined whether or not to execute the inertial running mode described above.
[0041]
[Inertia drive mode release conditions]
The inertial running mode is canceled when any of the following conditions is satisfied.
One of the conditions is that the driver operates the select lever in a range other than the travel range D, for example, any one of the parking range P, the neutral range N, and the reverse range R. The other one of the conditions is that the idling state is turned off by depressing the accelerator pedal, and when the inertia traveling mode is canceled according to the condition, the target rotational speed is reset to the original rotational speed immediately after the cancellation. Therefore, the change amount limiting process is not performed. Another one of the conditions is that the vehicle speed is out of a predetermined range. Furthermore, another one of the conditions is that the following four conditions are continuously satisfied for a predetermined time or more. The first condition is that the engine speed Ne is changed from the primary speed Np during the lock-up release. When the subtracted value is larger than the predetermined value, the second condition is idling, the third is when the brake is released, and the fourth is when the acceleration / deceleration is less than the predetermined value. In the case where all of these states continue for a predetermined time, the inertial running mode is canceled.
[0042]
FIG. 8 is a subroutine showing the inertia traveling cancellation shown in step S23 of FIG. 5. In step S51, it is determined whether or not the inertia traveling determination flag described above is ON . If the determination flag is on, it is determined in step S52 whether or not a travel range is selected. In step S53, it is determined whether or not the vehicle speed is outside a predetermined range. In step S54, whether the accelerator is depressed. In step S55, it is determined whether or not the target primary rotational speed Np is larger than the inertia traveling primary rotational speed lower limit Npd.
[0043]
If NO in step S52 or YES in step S53, step S61 is executed and the inertia traveling determination flag is turned off. If NO is determined in step S54 or NO is determined in step S55, the timer T2 is reset in step S59. In step S56, it is determined whether or not the timer T2 is equal to or greater than a predetermined value Tb. If the timer T2 is equal to or greater than the predetermined value, the limiter unnecessary flag is turned on in step S57 and the routine is exited through the above-described step S61. If not, the timer T2 is increased by unit time in step S58, and it is determined in step S60 whether acceleration / deceleration determination 2 is on.
[0044]
FIG. 9 is a flowchart showing the acceleration / deceleration determination 2 subroutine. In step S71, it is determined whether or not the inertia traveling determination flag is on . In step S72, it is determined whether or not the
[0045]
When all of the above conditions are satisfied, if it is determined in step S77 that the timer T3 is equal to or greater than the predetermined value Tc, the acceleration / deceleration determination 2 flag is set to ON in step S78 and becomes the predetermined value. If not, the timer T3 is increased by unit time in step S79. On the other hand, when the conditions in steps S71 and S73 to S76 are not satisfied, the timer T3 is cleared in step S80, and the acceleration / deceleration determination 2 flag is set to OFF in step S81.
[0046]
[Prohibition of inertial running judgment]
The inertial running mode is executed when the above-mentioned conditions are satisfied. However, if there is a possibility that the inertial running determination is erroneously determined as described below, the inertial running determination is prohibited and the inertial running rotation is performed. Calculation of the lower limit of the number is prohibited. As a result, it is possible to avoid unnecessary downshift due to a control malfunction, and to travel without a sense of incongruity, and to improve the traveling performance of the vehicle.
[0047]
FIG. 10 is a flowchart showing a subroutine for inertial inertia determination prohibition. In steps S91 and S92, it is determined whether the prohibition rapid deceleration determination flag and the prohibition rapid acceleration determination flag are turned on, respectively. In step S93, a shift hold is performed. It is determined whether or not is in operation and within a predetermined time since it has been inactive. In step S94, whether or not the ABS is in operation and within a predetermined time since the ABS has been inactive. In step S95, it is determined whether or not the
[0048]
FIG. 11 is a flowchart showing a subroutine of prohibition rapid deceleration determination. In step S101, it is determined whether or not the acceleration / deceleration is equal to or less than the determination acceleration / deceleration DECL. If so, the timer T4 sets a predetermined determination time in step S102. Judge whether or not it has passed. If the predetermined determination time has elapsed, the prohibition rapid deceleration determination flag is turned on in step S103, and the timer T5 is reset in step S104. On the other hand, if the predetermined determination time has not elapsed, the timer T4 is increased by unit time in step S105.
[0049]
If NO is determined in step S101, it is determined whether or not the acceleration / deceleration is greater than or equal to the determination acceleration DECH in step S106. If so, whether or not the timer T5 has passed the release time in step S107. Judging. If the predetermined release time has elapsed, the prohibition rapid deceleration determination flag is turned off in step S108, and the timer T4 is reset in step S109. On the other hand, if the predetermined release time has not elapsed, the timer T5 is increased by unit time in step S111. If NO is determined in step S106, the timer T5 is reset in step S110.
[0050]
FIG. 12 is a flowchart showing a prohibition rapid acceleration determination subroutine. In step S121, it is determined whether or not the acceleration / deceleration is equal to or greater than a predetermined determination acceleration / deceleration INCH. If it is equal to or greater, the timer T6 determines in step S122 the determination delay time. It is determined whether or not. If the predetermined determination delay time has elapsed, the prohibition rapid acceleration determination flag is turned on in step S123, and the timer T7 is reset in step S124. On the other hand, if the predetermined judgment delay time has not elapsed, the timer T6 is increased by unit time in step S125.
[0051]
If NO is determined in step S121, it is determined in step S126 whether or not the acceleration / deceleration is equal to or less than a predetermined determination acceleration / deceleration INCL. If so, the timer T7 has passed the release delay time in step S127. Judge whether or not. If the release delay time has elapsed, the prohibition rapid acceleration determination flag is turned off in step S128, and the timer T6 is reset in step S129. On the other hand, if the predetermined release delay time has not elapsed, the timer T7 is increased by unit time in step S131. If NO is determined in step S126, the timer T7 is reset in step S130.
[0052]
[Set target lower limit value for inertial driving]
FIG. 13 is a flowchart showing a subroutine for setting the lower limit value of the target rotational speed Np shown in step S4 of FIG. It is determined whether or not. If not prohibited, it is determined in step S143 whether or not the normal target rotational speed lower limit value NPMINNORM set in step S141 is larger than the inertia traveling target rotational speed lower limit value Npd. Here, the target rotational speed lower limit value NPMINNORM at the normal time is determined by the OD (overdrive) line or the minimum speed change line of the vehicle speed line map. If YES is determined in this step S143, the target rotational speed lower limit value is set to the normal target rotational speed lower limit value NPMINNORM in step S144. On the other hand, if NO is determined in step S143, the target rotational speed lower limit value is set to the inertial traveling target lower limit value Npd in step S146. If it is determined in step S142 that the inertia traveling determination is prohibited, the inertia traveling target revolution lower limit value Npd and the inertia traveling lower limit value NPMINDAKOU0 are set to the normal target rotational speed lower limit value NPMINNORM in step S145.
[0053]
In this way, when the vehicle is traveling on a downhill road in an inertial manner, the lower limit of the target rotational speed for inertial travel of the primary pulley is set when the vehicle exceeds a predetermined acceleration / deceleration, and the engine Brake force can be obtained.
[0054]
As described above, when the accelerator pedal is depressed during inertial traveling, the lower limit value is corrected based on the throttle opening and the vehicle speed. Therefore, when the accelerator is released again from a state where the accelerator is slightly depressed, You can get the original necessary engine brakes.
[0055]
Figure 14 is a flowchart showing a subroutine of calculation of the lower limit NPMINDAKOU0 during coasting, if it is turned on coasting-size TAFE lag in step S151, the whether the lock-up clutch in step S153 is engaged to decide. If the
[0056]
[Change rate setting]
When the accelerator pedal is depressed during inertial traveling, the lower limit value of the target rotational speed for inertial traveling is corrected based on the vehicle speed, as shown in FIG. In this way, by applying the rotational speed change rate limit value determined by the vehicle speed, it is possible to prevent inertial travel control and rotational speed fluctuations when this is canceled, and to make a shift without any discomfort from low to high vehicle speeds. And a downshift feeling can be obtained.
[0057]
FIG. 15 is a flowchart showing a change amount limiter calculation subroutine in steps S5 and S6 shown in FIG. 4. In step S161, it is determined whether or not the
[0058]
FIG. 16 is a flowchart showing a subroutine for calculating the lower limit value Npd during inertial travel after setting the rate of change during inertial travel using the rate of change limiter. In step S171, it is determined whether or not the limiter unnecessary flag is turned on. If it is determined that the limiter is not turned on, the limiter unnecessary flag is turned off in step S177, the lower limit value Npd for inertial running is set to NPMINDAKOU0 in step S178, and the process proceeds to step S176. On the other hand, if it is determined in step S171 that the limiter unnecessary flag is off, the inertial traveling target rotational speed lower limit value Npd calculated in the previous routine in step S172, that is, Npd-1 is the inertial traveling target rotational speed lower limit value. It is determined whether or not it matches the value NPMINDAKOU0.
[0059]
In step S173, it is determined whether or not prohibition determination is turned on by deceleration. In step S174, it is determined whether or not prohibition determination is turned on by convergence. If the prohibition determination is turned off in these steps, The change amount limiter process 2 in step S175 is executed, and the change rate restriction process prohibition flag is set in step S176. When any of steps S172 to S174 is established, the routine is exited through steps S178 and S176 described above.
[0060]
FIG. 17 is a flowchart showing a subroutine of change amount limiter processing 2 shown in step S175 of FIG. 16. In step S181, it is determined whether or not the previous lower limit value Npd-1 of the target rotational speed is larger than NPMINDAKOU0. If YES is determined in this step, the target rotational speed lower limit value Npd is set to Npdn−1 plus the change rate lower limit value in step S182. If NO is determined, Npdn−1 is determined in step S185. Npd is set to a value obtained by adding a change rate upper limit value to. In step S183, it is determined whether Npdn-1 is smaller than NPMNDAKOU0. If Npdn-1 is smaller, NPMNDAKOU0 is set to the inertial traveling target revolution lower limit Npd in step S184. In step S186, it is determined whether Npd is larger than NPMNDAKOU0. If it is larger, in step S187, NPMNDAKOU0 is set to the inertia traveling target revolution lower limit Npd.
[0061]
[Control during sudden deceleration]
When a sudden deceleration is performed by depressing the brake in a state where the inertia traveling mode is executed on the downhill road, it is prohibited to limit the rate of change to set the target rotational speed for inertia traveling to the lower limit value. Like to do. As a result, when sudden deceleration is performed, the gear ratio can be controlled quickly and the target gear ratio can be followed. As a result, even when sudden deceleration is performed at a low vehicle speed, it is possible to prevent a high engine speed from being maintained and excessive engine braking. This prohibition of the change rate restriction is executed even when the lower limit value after the limiter converges to the rotation speed lower limit value before the change amount limiter.
[0062]
FIG. 18 is a flowchart showing a subroutine for determining a change rate restriction prohibition due to deceleration. In step S191, it is determined whether the brake is depressed. In step S192, it is determined whether the vehicle speed is equal to or lower than a predetermined value. In step S193, it is determined whether the acceleration / deceleration is equal to or less than a predetermined value A. If all these conditions are met and it is determined in step S194 that the timer T8 is equal to or greater than the predetermined value Td, the flag for prohibition determination by deceleration is turned on in step S195, and the timer T9 is reset in step S196. To do. On the other hand, if it is determined that the value is equal to or less than the predetermined value Td, the timer T8 is increased in step S197.
[0063]
When the acceleration / deceleration exceeds the predetermined value A in step S193, the process proceeds to step S198, where it is determined whether or not the acceleration / deceleration is greater than or equal to the predetermined value B. In step S199, it is determined whether or not the timer T9 is greater than or equal to the predetermined value Te. If each condition is satisfied, the flag for prohibition determination by deceleration is turned off in step S200, and the timer T8 is reset in step S201. On the other hand, if it is determined that the value is equal to or less than the predetermined value Te, the timer T9 is increased in step S202. If it is determined in step S198 that the acceleration / deceleration is not more than the predetermined value B, the timer T9 is reset in step S203.
[0064]
On the other hand, when the brake is depressed in step S191 described above, or when the vehicle speed exceeds a predetermined value in step S192, the routine exits through steps S200 and S201 described above.
[0065]
FIG. 19 is a flowchart showing a subroutine for setting a change rate control process prohibition flag due to convergence. In step S210, it is determined whether Npd and NPDMINDAKOU0 match. In S211, a determination prohibition flag due to convergence is set. In step S212, it is determined whether or not a change in the inertia traveling determination flag has been detected, that is, whether the flag has been switched from on to off or from on to off. In step S213, the lockup clutch is switched from disengagement to engagement. It is determined whether it has been switched from fastening to opening. If Npd and NPMNDAKOU0 do not match in step S210, or if YES is determined in any of steps S212 and S213, step S214 is executed to turn off the prohibition determination due to convergence.
[0066]
The present invention is not limited to the above-described embodiment, and various modifications can be made without departing from the scope of the invention.
[0067]
For example, the target rotational speed and the inertial traveling rotational speed described above are the rotational speeds of the input side rotor of the continuously variable transmission, that is, the primary pulley, but the respective rotational speeds may be the engine rotational speed. In the shift control described above, the inertia traveling speed and the lower limit value change rate are controlled. However, the inertia traveling speed is set to the inertia traveling speed ratio, and the inertia traveling speed lower limit value change rate is set to It may be the inertia traveling speed ratio change rate. The continuously variable transmission shown in the figure is a belt-type transmission, but may be a toroidal transmission.
[0068]
【Effect of the invention】
According to the present invention, when the brake is depressed and a predetermined deceleration is obtained in a state where inertia is applied so that the engine brake is applied on a downhill road, Do not limit the rate of change. As a result, when the vehicle is suddenly decelerated, the downshift and upshift operations are promptly performed.
[0069]
Further, the change rate limiting process for the lower limit value of the inertia traveling speed is performed only when the lower limit value target value of the inertia traveling speed is switched, and the inertia traveling speed lower limit output value is set to a predetermined target value. By prohibiting the processing when the value has converged to the lower limit rotational speed value, the rotational speed of the input side rotating body or the engine rotational speed can be rapidly lowered. As a result, it is possible to prevent excessive engine braking from occurring in the low vehicle speed region.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing a drive system of a belt type continuously variable transmission which is an example of a continuously variable transmission.
FIG. 2 is a shift characteristic diagram showing a lower limit value of a target rotational speed during inertial traveling in a state where a lockup clutch of a torque converter is engaged and in a released state.
FIGS. 3 (A1) and (A2) are lower speed change rate lower limit values when the lockup clutch is engaged, and shift characteristics diagrams showing the relationship between the change rate upper limit value and the vehicle speed, and (B1). , (B2) are speed change characteristic lower limit values when the lockup clutch is a half clutch, and a shift characteristic diagram showing the relationship between the change rate upper limit value and the vehicle speed, and (C1), (C2) are FIG. 6 is a speed change characteristic diagram showing a change rate lower limit value and a change rate upper limit value of the rotation speed when the lockup clutch is released and a relationship between a vehicle speed and a vehicle speed.
FIG. 4 is a flowchart showing a main routine of shift control.
FIG. 5 is a flowchart showing a subroutine of inertia traveling determination processing.
FIG. 6 is a flowchart showing a subroutine for inertial running determination.
FIG. 7 is a flowchart showing a subroutine for acceleration /
FIG. 8 is a flowchart showing a subroutine for canceling inertial running.
FIG. 9 is a flowchart showing a subroutine for acceleration / deceleration determination 2;
FIG. 10 is a flowchart showing a subroutine for prohibiting inertial running determination;
FIG. 11 is a flowchart illustrating a subroutine for prohibition rapid deceleration determination.
FIG. 12 is a flowchart illustrating a subroutine for prohibition rapid acceleration determination;
FIG. 13 is a flowchart showing a subroutine for setting a target rotation speed lower limit value.
FIG. 14 is a flowchart showing a subroutine for calculating a lower limit value during inertial running.
FIG. 15 is a flowchart showing a subroutine for calculating a change amount limiter.
FIG. 16 is a flowchart showing a subroutine for calculating a lower limit value during inertial running.
FIG. 17 is a flowchart showing a subroutine of change amount limiter processing 2;
FIG. 18 is a flowchart showing a subroutine for determining change rate restriction prohibition due to deceleration.
FIG. 19 is a flowchart showing a subroutine for setting a change rate restriction process prohibition flag.
[Explanation of symbols]
1 Engine 3
21 Oil pump 23 Secondary pressure adjustment valve 24 Primary
Claims (4)
車両の走行速度を検出する車速検出手段と、
スロットルの開度を検出するスロットルセンサと、
車両が降坂路を慣性走行していることを検出する慣性走行検出手段と、
車両に発生する減速度を検出する減速度検出手段と、
ブレーキペダルが踏み込まれたことを検出するブレーキセンサと、
前記慣性走行検出手段により車両が降坂路を慣性走行していることを検出した状態のもとで、前記入力回転体の慣性走行用目標回転数の下限値を設定する下限値設定手段と、
前記入力側回転体の慣性走行用目標回転数の下限値の変化率を制限する下限値変化率制限手段と、
前記ブレーキペダルが踏み込まれ、かつ所定の減速度以上の状態が所定時間継続したときには、前記下限値変化率制限手段による前記変化率の制限を禁止する変速制御手段とを有することを特徴とする無段変速機の変速制御装置。A transmission control device for a continuously variable transmission that changes the rotation of an input-side rotator steplessly via a power transmission element and transmits it to an output-side rotator,
Vehicle speed detecting means for detecting the traveling speed of the vehicle;
A throttle sensor for detecting the throttle opening;
Inertia traveling detection means for detecting that the vehicle is traveling inertia on a downhill road;
Deceleration detection means for detecting deceleration generated in the vehicle;
A brake sensor for detecting that the blanking Rekipedaru is depressed,
Lower limit value setting means for setting a lower limit value of the target rotational speed for inertial travel of the input rotating body under a state where the inertial travel detection means detects that the vehicle is traveling inertially on a downhill road;
Lower limit value change rate limiting means for limiting the change rate of the lower limit value of the target rotational speed for inertial traveling of the input side rotating body;
Shift control means for prohibiting restriction of the change rate by the lower limit change rate limiting means when the brake pedal is depressed and a state of a predetermined deceleration or more continues for a predetermined time. A shift control device for a step transmission.
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