図面を通じて、同じ参照記号を対応するかまたは類似の構成要素に使用することにする。本発明は、複数の、即ち少なくとも2つのデータキャリアにおいてデータブロックを送受信し、受信ユニットによるデータブロックの受信および検出に成功する確率を増すことに関係する。本発明の第1の態様は、複数のデータキャリアにおいて同時に送信したデータブロックを選択し、受信する方法およびユニットを提供する。本発明の第2の態様は、複数のデータキャリアにおいてデータブロックを同時に送信する方法、システムおよびネットワークノードに関係する。
図1は、本発明を使用する通信システム1の概略的概観図である。この説明のためのシステム1では、ネットワークノード、即ち基地局200−1の無線サービスエリア205−1に存在する、4つの移動端末、即ちユニット100−1乃至100−4が基地局200−1との通信セッションに関係する。通信セッションは、マルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)などの、ブロードキャストおよびマルチキャスト(ポイント・ツー・マルチポイント)サービスでありえよう。とはいえ、本発明はそれに限定せず、ユニキャスト(ポイント・ツー・ポイント)サービスを含む、任意の形式の通信サービス、特に複数の無線チャネルまたはリソースを恐らく必要とする速いビット速度のサービス、およびさらに確認のない、または限定された確認の可能性を有するサービスに一般に適用することができる。
図1の通信システム1では、基地局200−1は関連するか、または接続するMBMSサーバ600からMBMSデータを受信し、少なくとも2つの異なるデータキャリア310,320を使用してMBMSセッションに参加する移動端末100−1乃至100−4にポイント・ツー・マルチポイント様式のデータブロック、即ちパケットの形式でこのデータを送信する。
複数のデータキャリア310,320におけるデータブロックの送信を、2つの異なる送信器、例えば2つの基地局200−1、200−2により管理することができることに注意されたい。このような場合、第1の基地局200−1は第1のデータキャリア310においてデータブロックを送信することができ、次いで第2の基地局200−2は第2の異なるデータキャリア320においてデータブロックを同時に送信する。これら両基地局200−1、200−2の無線サービスエリア205−1、205−2に存在する移動端末100−3には、両データキャリア310,320においてデータブロックを受信することができる可能性がある。
さらなる例では、少なくとも第2の送信器は実際に移動端末100−5それ自体であることができ、この場合この端末は別の移動端末100−4に対する中継可能なユニットとして機能する。これについては以下でさらに詳細に説明することにする。
このように、本発明は通信システム1に適用することができ、通信システム1では1つの送信ユニット、即ちノード200−1または複数の送信ユニット200−1、200−2、100−5により少なくとも2つのデータキャリア310,320においてデータブロックを同時に送信する。
本発明は、特にGSM(移動通信のためのグローバルシステム)およびEDGE(GSMの発展のための速いデータ速度)通信システムに適用可能であるが、任意のFDMA(Frequency Division Multiple Access、周波数分割多元接続)システムにも等しく適用することができる。本発明は、複数キャリアのWCDMA(Wideband CDMA、広帯域CDMA)システムを含む、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex、直交周波数分割多重化)システムまたは複数キャリアのCDMA(Code Division Multiple Access、符号分割多元接続)システムなどの他の分割多重化技術を使用する通信システムにさらに適用することができる。さらに、本発明は衛星、移動および/または地上ブロードキャスト伝送および他のタイプの無線によるブロードキャストに使用するディジタルビデオ・ブロードキャスト(Digital Video Broadcast、DVB)にも適用することができる。
「データキャリア」は本発明によれば任意のキャリアであり、これは送信ユニットから受信ユニットへデータブロック、即ちパケットの形式でデータを搬送または送信するためのブロードキャストシステムを含む無線通信システムにおいて使用することができる。このようなデータキャリアの典型的に好ましい例は、周波数キャリアである。周波数ホッピングを使用する通信システムの場合、データキャリアを、周波数ホッピングパターンを含むように定義する、即ちこれら無線バーストの周波数キャリアが同じである必要がなくとも、データブロックの全ての無線バーストは、同じデータキャリアにおいて送信されたものとみなされる。OFDMまたはWCDMAシステムでは、データキャリアは利用可能な直交サブキャリアのサブセットでありうる。
図2は、本発明の実施形態によるデータブロックを受信する方法を説明するフローチャートである。この受信方法は、所与の通信セッションにおいてデータブロックを同時に搬送するデータキャリア間の選択に基づく。本方法はステップS1において始まり、受信ユニット例えば移動端末は、通信セッションにおいて送信ユニット、例えば基地局から第1のデータブロックを受信する。受信ユニットは受信データブロックを復号することを試行し、この第1のデータブロックの受信品質を表す品質示度を一般に提供する。
本発明の第1の実装では、この受信品質は、受信ユニットがデータブロックの全コンテンツを正しく復号することができたか否かを単に明らかにすることができよう。一方、本発明によれば、さらに精巧な品質表示を使用することもできよう。例えば、信号対雑音比(signal-to-noise ratio、SNR)はこのような受信品質示度を表すことができる。第1のデータブロックの受信品質を表すのに使用することができる、パラメータのさらなる例には、ブロック誤り確率(block error probability、BLEP)、ブロック誤り率(block error ratio、BLER)、ビット誤り確率(bit error probability、BEP)、ビット誤り率(bit error ratio、BER)、キャリア対干渉(carrier-to-interference、C/I)比、などが含まれる。このように本発明によれば、一般に受信ユニットによる、またはおける第1のデータブロックの受信品質を示す任意の表示を使用することができる。受信品質表示を、受信ユニットの復号装置、例えば巡回冗長性チェック(cyclic redundancy check、CRC)を動作させることによるか、または受信ユニットのある他の品質推定ユニットにより推定することができる。所与のデータブロックを送信し、例えば数回に亘って受信した場合には、本発明の品質表示は、好ましくはその特定ブロックの全(再)送信に関する総合品質を考慮する累積品質である。この原理を、2つのデータブロックが共通の情報に基づくが、互に他を再送信したものでない場合にも拡張することができる。このような場合、受信品質は2つのデータブロックの(個々の)受信品質に基づく累積品質でありうる。
次のステップS2で、受信ユニットは第1のデータブロックのこの受信品質に基づいて、少なくとも第1および第2のデータキャリアの中から聴取するデータキャリアを選択する。さらに、第1のデータキャリアは第2のデータブロックを搬送し、同時に第2のデータキャリアは第3のデータブロックを搬送するが、この第3のデータブロックおよび以前の第1のデータブロックは共通の情報に基づく。従って本発明の実装では、第3のデータブロックは第1のデータブロックのコピー、即ち変調され、および/または異なる符号化が為されている可能性はあるが、第1のデータブロックと同じ有料負荷情報を含みえよう。別の実装では、第3のデータブロックは第1のデータブロックの情報の一部を含む。例えば、第3のデータブロックは、第1のブロックの一部に含むのと同じ情報ビットを含む第1の部分および他の情報ビットを含む第2(残り)の部分を含みえよう。さらに別の実装では、第3のデータブロックは第1のデータブロックにおける情報に関係する冗長性の増分を含む。
換言すれば、受信品質に基づくこれら2つのデータキャリア間の選択により、受信ユニットは基本的に受信する第2または第3のデータブロックを選択する。第3のデータブロックは以前に受信した第1のデータブロックで搬送した情報に関係する情報を含むので、データキャリア間のこの選択もまた、第1のブロックの受信品質に基づく第1のデータブロックに関連するさらなる情報(例えば、第1のデータブロックのさらなる再送信)か、または新しい情報(第2のデータブロック)を受信するかの間の選択とみなしえよう。
本発明の典型的な実装では、受信ユニットが成功裡に第1のデータブロックを受信し、受信品質が表すように第1のデータを復号しなかったとすれば、誤って復号した情報に関係するデータビットをさらに受信するのは有利でありえよう。このような場合、受信ユニットは、好ましくはステップS2で第2のデータキャリアを選択し、第3のデータブロックを受信し、それにより第1のおよび第3のデータブロックにより搬送した情報を正しく復号し、解釈する機会を増加させることができる。一方、受信ユニットがステップS1で成功裡に第1のデータブロックを受信し、復号したとすれば、このデータブロックは既に成功裡に復号した情報に関係するビットを含むので、復号の観点から第3のデータブロックを受信するのは無駄であり、無意味であることが多い。このような場合、受信ユニットは、好ましくは第1のデータキャリアを選択し、第2のデータブロックおよびそれによりセッション内において送信される新しい情報を受信することができる。
複数の受信ユニットを含む、所与のブロードキャストセッション、例えばMBMSセッションでは、所与の時間インスタンスにおいて、幾つかの受信ユニットは第1のデータブロックを正しく受信するであろうが、他のユニットはこのデータブロックの全てのビットを正しく復号できないことが考えられる。正しく復号する受信ユニットは、次いで第1のブロックのそのそれぞれの(高い)受信品質に基づき第1のデータキャリアを典型的に選択し、第2のデータブロックに含まれる新しい情報を受信する。対照的に、正しく復号しない受信ユニットは、好ましくはそのそれぞれの(低い)受信品質に基づき第2のデータキャリアを選択し、第3のデータブロックを受信することにより第1のデータブロックの情報を復号する余分の機会を得る。第1のブロックに関連するその比較的高い受信品質に基づいて正しく復号する受信ユニットは、正しく復号しないユニットとは別のデータキャリアを聴取することを選択し、それにより新しい情報ビットを受信することができるので、正しく復号しない受信ユニットが情報を受信し、復号するこの余分の機会は、正しく復号する受信ユニットのスループットを減じるか、または遅延時間を犠牲にすることはない。
次いで、受信ユニットはステップS3で選択したデータキャリアにおいてデータブロック、即ち第2または第3のデータブロックを受信する。そこで、本方法は終了する。
本発明の受信方法を、以上に説明したように好ましくは通信セッションに参加する全ての受信ユニット、または少なくとも1以上のユニットにより使用する。図1のステップS1乃至S3を、好ましくはセッションにおいて送信する異なるデータブロックに対して通信セッションを通じて繰り返す。異なるデータキャリアにおける同じ通信セッションに関係するデータブロックのこの同時送信の結果、情報およびデータブロックを送信および再送信する可能性のある数は通信セッションのスループットを削減することなく増加する。
図2に関する以上の記述では、受信ユニットは、以前に受信したが、必ずしも正しく復号されなかったデータブロックの受信品質に基づいて、第1および第2のデータキャリア間の選択を行う。これは単に本発明の説明のための例と見るべきである。選択は、通信セッションに関係するデータブロックを同時に搬送する任意の数nの利用可能なデータキャリアの間で行うことができ、nは2以上の整数である。本発明を、またマルチキャリアが可能な受信ユニットにも適用することができることにさらに注意されたい。このような場合、受信ユニットは受信品質に基づいて、nの可能なキャリアの中からmのデータキャリアを同時に聴取することを選択し、ここで1≦m≦nであり、n≧2である。全ての利用可能なキャリアのサブセットのみをただ聴取することにより、ユニットは電力/バッテリーおよび/またはハードウエアの複雑さを節約し、省くことができるので、これにより、受信ユニットにさらなる利点をもたらす。
第1のデータブロックを、第1のデータキャリア、即ち第2のデータブロックと同じキャリアにおいて、第2のデータキャリア、即ち第3のデータブロックと同じキャリアにおいて、または第3のキャリアにおいて、受信ユニットに送信することができたであろう。第2および第3のデータブロックは、時間的に第1のデータブロックの直後に続くことができる、即ち第1のデータブロックの送信と第2および第3のデータブロックの同時送信との間に時間のギャップがありうる。このデータのギャップの間に、基地局はある他のタスクを実行する、または他のデータブロックを送信することができよう。
図3Aおよび3Bは、本発明によるデータキャリアの選択を可能にするデータブロックの送信に関する実施形態の説明である。データブロックの送信を説明するこれらの図および以降の図では、データキャリアを周波数キャリアにより表す。とはいえ、これは本発明による可能なデータキャリアの単に説明のためであり、限定するものでない例と見るべきである。
通信セッションでは、第1のデータブロック12をデータキャリアf1において関係する受信ユニット(単数または複数)に送信する。この第1のデータブロック12は必ずしもセッションにおいて送信する第1のデータブロックそのものである必要はなく、実際には任意の所与のデータブロックでありうることに注意されたい。受信ユニット(単数または複数)はデータブロック12を受信し、このデータブロック12の受信品質を表す品質示度を生成、または推定する。他の関係するデータブロックが以前に送信されていれば、この品質示度は累積品質でありえよう。
図3Aで、第1のデータブロック12以外に他の情報を含む第2のデータブロック16を、次いで同じデータキャリアf1において送信する。受信ユニット(単数または複数)は、好ましくは同様に第2のデータブロック16を受信し、このブロック16に対する受信品質示度を推定する。次いで、各受信ユニットはそのそれぞれの推定受信品質示度(単数または複数)に基づいて、利用可能なキャリアf1、f2の中で選択を行う。本発明の第1の実施形態では、第1のデータブロック12または第2のデータブロック16に関連する受信品質のみを選択処理において使用する。一方、本発明の好ましい実施形態では、これらデータブロック12,16の双方を表す受信品質示度を好ましくは選択に使用して、より多くの選択基盤を提供する。この後者の場合、2つのデータブロック12,16は共通の情報に基づいていないので、2つの異なる品質示度を使用し、累積品質を使用しない。
この説明のための例では、第3のデータブロック14を第1の12および第2の16のデータブロックと同じデータキャリアf1で送信し、第3のデータブロック14は第1のブロック12を再送信したものである。第2のデータブロック16を再送信したものである、第4のデータブロック22を同時に送信するのに、他のデータキャリアf2を使用する。
受信ユニットが第1の送信後、第1のデータブロック12の復号に失敗したが、第2のデータブロック16の第1の送信後、その復号に成功したと想定しよう。受信ユニットは、第1のブロック12の(低)受信品質および第2のブロック16の(高)受信品質に基づいて、第1のブロックを再送信する周波数f1を聴取する、即ち第1のデータブロック14を受信することを選択することができる。従って、第1の送信中に第1のデータブロック12の復号に成功するが、第2のデータブロック16の復号に成功しなかった受信ユニットは、受信品質指示情報に基づいて第4のデータブロック22(第2のブロック16を再送信したもの)を受信する、即ち他の周波数f2を聴取することを典型的に選択する。
データを送信するこの実施形態では、3送信機会のみに一度、第1の12および第2の16のデータブロック双方を送信および再送信する機会を提供する。これを、一つのデータキャリアを有し、4送信機会を要するであろう同時データブロックの送信を行わない対応する従来技術の状況と比較すべきである。
図3Bは、同じキャリアf1における第1の送信直後に、第1のブロック12の再送信14が続く幾らか異なるシナリオを説明する。第1の周波数f1において第3のデータブロック14を送信する場合、その場合第2のデータブロック22の第1の送信が他の周波数f2において同時に生じる。このデータブロック22の再送信16は次いで第1の周波数f1においてである。
第1の送信において第1のデータブロック12を正しく受信した受信ユニットは、次いで時間インスタンスt1において第2のデータブロック22を正しく受信することができる可能性のある他のキャリアf2を聴取することを選択することができる。第1のデータブロック12の第1の送信がその正しい復号を可能にするのに十分でなかったとすれば、受信ユニットは、好ましくはこのブロック12の再送信14の受信を可能にするために第1のキャリアf1を聴取することを続ける。このような受信ユニットは、次いで第2のブロック22を再送信したもの16を受信し、復号することにより、時間インスタンスt2において第1の12および第2の22のデータブロックの情報を次いで正しく受信した可能性がありうる。
一つのデータキャリアを有し、データブロックを同時送信しない従来技術の状況では、全ての受信ユニットは時間t2まで待つ必要があり、その後第1および第2のデータブロックに含まれる情報を受信することができるであろうが、本発明によれば、これは時間t1(t1<t2)において行うことができる。
これら簡単な信号通知図により説明したように、本発明により受信ユニットの総受信時間を増加させることなく、データブロックの再送信の導入を可能にする。
図3Bのデータブロック14に含まれる情報は、データブロック12の情報に同じであるか(または少なくともデータブロック12との共通の情報に基づき)、データブロック22の情報に同じであるか(または少なくともデータブロック22との共通の情報に基づき)、またはデータブロック12、22に無関係でありうることに注意されたい。同時データブロック14および22が共通の情報に基づく場合、2つのデータブロック14、22を異なるデータ速度で送信することができ、異なるように符号化し、および/または幾らか異なるが、なお関係する情報を含むことができよう。後者の場合、データブロック14は、例えば以前に送信したデータブロックを再送信したものでありうるが、データブロック22はこの以前のデータブロックに関係する冗長性の増分を含む。
受信品質に基づき、異なるデータブロックを同時に搬送する、少なくとも第1および第2のデータキャリア間の選択を参照して、本発明を以前に記述した。図4Aおよび図4Bは、本発明による「同時送信」または「同時に搬送する」ことの定義を説明する。
当技術において良く知られるように、データまたは無線ブロックをGSM/EDGEシステムでは4つの連続するTDMAフレームにおける4つの無線バーストにより送信する。4つの連続するTDMAフレームにおけるこれら4つの無線バーストは、共に所謂タイムスロットを形成する。
図3Aまたは図3Bおよび図4Aを参照すると、表現「同時送信」は、同じTDMAフレーム30−1乃至30−4における対応する無線バースト/タイムスロットであるが、異なるキャリア周波数f1、f2におけるデータブロック14およびデータブロック22の送信を含む。例えば、キャリア周波数f1におけるタイムスロットTS1に関連する無線バーストをデータブロック14に使用し、タイムスロットTS1に関連するが、キャリア周波数f2における無線バーストをデータブロック22に使用する。一方、本発明による表現「同時送信」は、この説明のための例に限定されないが、またデータブロック14の少なくとも一部を、データブロック22の少なくとも一部を送信するのと同じ時間間隔内において送信することを意味する、複数の送信の時間において部分的な重複が存在する状況を含む。
図4Bは、送信において部分的な重複があるこの状況を説明する。データブロック14をタイムスロットTS1および4つの連続するTDMAフレーム30−1乃至30−4に関連する4つの無線バーストにおいて送信する。一方、データブロック22をタイムスロットTS1およびTDMAフレーム30−2乃至30−5の4つの無線バーストにおいて送信する。これは、データブロック22の送信を行わないTDMAフレーム30−1において、データブロック14の一部を送信することを意味する。TDMAフレーム30−2乃至30−5では、両データブロック14、22のデータを送信するが、周波数はf1、f2と異なる。最後に示すTDMAフレーム30−5では、データブロック22の一部のみを送信する。
従って、本発明により定義する場合、同時送信にはまた2つのデータブロックの送信において部分的な重複がある状況を含む。データブロック14に使用する無線バーストと同じ位置におけるTDMAフレーム内に位置する無線バーストを使用して、データブロック22を送信する必要は必ずしもないことにさらに注意されたい。図4Bを参照すると、TDMAフレーム30−1乃至30−4においてTS1で示す無線バーストにおいて、データブロック14を送信することができようが、例えばデータブロック22はTDMAフレーム30−2乃至30−5においてTS0で示す無線バーストにおいて送信することができよう。本発明による同時送信のさらなる例では、データブロック14の少なくとも一部をデータブロック22の少なくとも一部と同じTDMAフレーム内において送信する。
図5は、本発明を使用するGSM/EDGE通信システムの制御ブロックまたはフレームにおけるデータまたは無線ブロックの可能な構成を説明する。当業者には良く知られるように、受信ユニットに送信すべきデータまたは情報、例えばMBMSデータを、複数の情報ビットを含むLLC(Logical Link Control、論理リンク制御)ブロックまたはフレームに組織化する。このようなLLCフレームを次いで恐らく異なるサイズのRLC(Radio Link control、無線リンク制御)ブロックに分割する。RLCブロックを、固定の「そのままのビットサイズ」を有するであろう無線ブロック(radio blocks、RBs)に詰め込む。RLCブロックが有する可能性のある種々のサイズの結果、無線ブロックは1以上の、典型的には2までのブロックを含むことができる。無線ブロックを、次いでタイムスロット、即ち4つの連続するTDMAフレームにおける4つの無線バーストにより送信する。
GSM/EDGEシステムに適用する場合、本発明において定義するように、データブロックは所謂無線ブロックまたはRLCブロックでありうる。本発明によるデータキャリアの選択は、次いで以前に受信した無線ブロックの受信品質に基づいて無線ブロックベースで行うことができるか、または以前に受信したRLCブロックの受信品質に基づいてRLCブロックベースで行うことができる。RLCブロックサイズが無線ブロックサイズに等しい、即ち2つのブロックタイプの間に1対1の関係がある場合、これら2つの実施形態の間に一般的に相違はない。一方、無線ブロックが、無線ブロックの最初の2つの無線バーストにより挟まれたものと、残りの2つのバーストにより挟まれた他のものとの2つのRLCブロックを含む場合、データキャリアの選択はバースト対をベースに行うことができる。これは、特にMCS−8およびMCS−9などの高度な変調および符号化方式(modulation and coding scheme、MCS)には魅力的である。この場合、ブロックヘッダは2つのデータキャリアにおいて好ましくは同一であり、RLCブロックベースのデータキャリアの選択を簡単にする。
データキャリアの選択は、実際にはさらに細かな粒度、即ちバースト毎のベースで行うことができよう。例えば、受信ユニットは無線ブロックの4つのバーストの中から3つのみを受信することを選択し、その後復号を試行し、次いで別のデータキャリアに切り替えることができよう。このより細かな粒度により性能を改善するであろう。
本発明によるデータキャリアの選択は、1以上のデータブロックの受信品質に加えて、他の情報およびパラメータに基づくことができる。例えば、受信ユニットがデータブロック誤りの平均確率を最小化することのないデータキャリア選択方式を使用するのは時に有利であることがある。以上に記述し、図5で説明したように、データブロック(無線ブロックおよびRLCブロック)をLLCフレームに典型的に組織化する。例えばデータブロックの再送信は全て受信に成功することなく既に行われているので、受信ユニットがあるLLCフレームの1データブロックは永久に失われたと結論付けたとすれば、LLCフレームは永久に失われたとみなすことができる。このような場合、受信ユニットにLLCフレームの残りのデータブロックを受信する可能性が十分にあるであろうとしても、受信ユニットはそのLLCフレームの残りのデータブロックを完全に無視し、代わりに正しく受信する可能性の低いであろう他のデータブロック(他のLLCフレームに属す)に優先権を与えることができる。従って、ユニットがそのLLCフレームの全てのデータブロック、または少なくとも最少量のデータブロックを正しく受信したとすれば、その場合にのみLLCフレームを典型的に成功裡に受信し、意味があるので、受信ユニットが個々のLLCフレームの1以上のデータブロックを成功裡に受信することに失敗したとすれば、受信ユニットはそのLLCフレームの残りのデータブロックを受信し、復号を試行することから得るものがないことが多い。
図3Bで第1のデータブロック12が第1のLLCフレームに属し、第2のデータブロック22が第2のLLCフレームに属すと仮定しよう。さらに、受信ユニットが以前に、データブロックの再送信を含む、例えば第1のLLCフレームに属すデータブロックを正しく受信することに失敗していると仮定しよう。このような場合、第1のデータブロック12の受信品質が、このブロックが正しく受信されなかったことを明らかにするとしても、第1のブロックの受信品質および第1のLLCフレームの失敗したデータブロックの情報に基づいて、受信ユニットは第2の周波数キャリアf2を聴取することを選択し、別の失敗していないLLCフレームに属す第2のデータブロック22を受信することを試行することができる。
別の例で、以前のデータブロック、例えばブロックの再送信残存期待数と同じ情報に基づくデータブロックの残存期待数に関する情報を本発明によるデータキャリアの選択に使用することができる。例えば、受信ユニットが第1のデータブロックを正しく受信することに失敗し、この失敗ブロックの1回のみの再送信が第1のデータキャリアにおいて近々期待されることを知らされると仮定しよう。さらに、受信ユニットが目下非常に悪い無線品質に遭遇しており、データブロックの受信に成功する確率が低いと仮定しよう。このような場合、第1のデータブロックの最後の再送信を正しく受信し、データブロックの情報を復号する確率は非常に低いであろう故、受信ユニットが第1のデータキャリアを聴取するのは無駄であろう。その場合、第1のデータブロックを第1のデータキャリアにおいて送信するのと同時に第1のデータキャリアにおいて送信される新しいデータブロックの少なくとも幾らかの情報を受信することを試行するために、別のデータキャリアを聴取するのが典型的により好ましい。
別の状況で、失敗した第1のデータブロックの再送信期待数は第1のデータキャリアでは2以上でありうる。このような場合、第1のデータブロックの1つの再送信を第1のデータキャリアにおいて同時に行う場合、受信ユニットは失敗した第1のデータブロックの受信品質およびこのブロックの再送信数に関する情報に基づいて、別のデータキャリアを聴取することを選択することができる。これは、失敗した第1のデータブロックの受信品質が、このブロックの情報を復号するのに成功するためには、このブロックのもう1つのみの再送信を受信すれば十分であると期待されることを示したためでありうる。その場合、受信ユニットはこのブロックの全ての再送信を聴取する必要はなく、その代わりに1以上のこれらの再送信中に別のデータキャリアを聴取することを選択することができる。
本発明によるデータキャリアの選択は、また第1および/または第2のデータキャリアに関連するチャネル品質に部分的に基づきうる。例えば、第1のデータブロックを例えば第2のデータキャリアで送信する場合、復号誤りが生じ、第1のデータブロックの受信が不成功になるとしても、チャネル/キャリア品質は良好であると仮定しよう。推定チャネル品質データから、第2のデータキャリアの品質は劣化しているが、第1のキャリアのチャネル品質は良好であることが分かる。このような場合、第1のデータキャリアを聴取し、そこで送信されるデータブロックを受信するのがより有利でありえよう。
所与のデータキャリアの低いチャネル品質がそのデータキャリアにおいて送信するデータブロックの受信に成功しない確率を高め、従ってデータブロックの受信品質に典型的に(悪く)影響することに注意されたい。一方、データブロックの受信品質は、またチャネル品質以外のパラメータを考慮し、受信品質は低いが、チャネル品質は高い状況が起こりうる。
図6は、図2の選択するステップS2の実施形態をさらに詳細に説明するフローチャートである。本方法は図2のステップS1から続く。第1の選択可能なステップS10で、受信ユニットは以前に受信したデータブロックと同じ情報に基づくデータブロックの残存期待数に関する情報、例えばデータブロックの残存再送信数を提供する。あるいは、少なくとも2つのデータキャリアにおける次に続くデータブロックの再送信期待数に関する情報を使用することができる。この情報を受信ユニットと通信し、データブロックを受信ユニットに送信する送信器から受信することができる。別の実施形態では、受信ユニットは以前に受信したデータブロックに基づきこの数自体を判断する。例えば、個々の送信ユニットが使用する送信方式は、データブロックを合計で3回送信する、即ち最初の送信および2回の再送信であるようなものでありえよう。このような場合、受信ユニットは、データブロックを既に受信した回数に基づいて残存送信数を推論、即ち少なくとも推定することができる。本情報を、また送信器から間接的に受信することができ、その場合送信器は受信ユニットに現通信セッションに使用するであろう特定の送信方式を通知する。次に、受信ユニットはこの方式通知およびブロックを既に受信した回数に関する情報に基づいて残存再送信数を判断する。
次の選択可能なステップS11で、受信ユニットは、以前に失敗したデータブロックが属すLLCフレームに関する情報と共に以前に失敗したデータブロックと関連するブロック検出誤りデータを提供する。従って、受信ユニットは、好ましくはデータブロックの再送信、または少なくともそのLLCフレームに属すデータブロックの最少数を含む、データブロックを受信するのに失敗したために失敗したと見なすLLCフレームの通知を格納する。
ステップS12で、受信ユニットは第1のデータブロックの受信品質に基づき(図2のステップS1参照)、かつ再送信数およびブロック誤りデータまたは失敗LLCフレームデータに関する情報の少なくとも1つに基づきデータキャリアを選択する。第1の実施形態では、受信品質および再送信数のみを選択処理に使用する。第2の実施形態では、受信品質およびブロック誤りデータ/失敗LLCフレームデータを使用するが、第3の実施形態では、受信品質、再送信数およびブロック誤りデータ/失敗LLCフレームデータを使用する。次いで、本方法は図2のステップS3に続く。
本発明のさらなる実施形態では、図6の選択ステップS12は、受信品質および選択可能な再送信数および/またはブロック誤りデータと共に、第1および/または第2のデータキャリアのキャリア品質に基づきうる。
図7は、本発明により受信品質に基づきデータキャリアの選択を可能にする複数のデータキャリアでデータブロックを同時に送信する別の方法を説明する。この図7は、第2の周波数キャリアf2を使用して複数のデータブロックを有する第2のストリーム20を送信すると同時に、複数のデータブロックを有する第1のストリーム10を搬送する第1の周波数キャリアf1を示す。
第1のデータストリーム10は複数のデータブロックを有する第1のセット15を含み、第2のデータストリーム20は同様に複数のデータブロックを有する第2のセット25を含む。さらに、第2のセット25における各データブロックは第1のセット15のデータブロックと同じ情報に基づく。本発明の好ましい実施形態では、第2のセット25における各データブロックは第1のセット15のデータブロックにおける情報の少なくとも一部を含み、より好ましくは、第2のセット25における各データブロックは第1のセット15のデータブロックの再送信である。
第1のデータストリーム10内の第1のセット15のデータブロックの位置は第2のデータストリーム20内の第2のセット25の対応する位置と一致することがある。このような場合、第1のセット15の最初から最後までのデータブロックを第1の周波数f1において送信し、同時に第2のセット25の最初から最後までのデータブロックを第2の周波数f2において送信する。一方、本発明の好ましい実施形態では、第2のセット25が有するデータブロックの送信は、図7に示すように第1のセット15の対応するデータブロックに対して時間的に遅れる。これは、第1のセット15の第1のデータブロック12を第1のキャリアf1で送信する場合、第2のセット25に属さないデータブロックを第2の周波数f2で同時に送信することを意味する。2つのセット15、25の送信において部分的重複が存在しえるので、第1のセット15のデータブロック14の少なくとも1つを第1の周波数f1で送信する場合、第2のセット25のデータブロック22を第2のセット25において同時に送信する。別の実装では、2つのセット15、25のデータブロックの重複のない送信を使用することができ、従って第2のセット25の第1のデータブロック22を送信すべき場合、第1のセット15の最後のデータブロック14を既に送信している。
図に示すように、第2のセット25は第1のセット15を時間的に遅らせたものでありえよう。あるいは、第2のセット25は第1のセット15を再シャッフルしたものでありえ、従って第2のセット25が有するデータブロックの相対的順序は第1のセット15の対応するデータブロックの相対的順序とは異なる。さらに、第2のセット25は第1のセット15を再シャッフルしたものでありえ、また第1のセットに対して遅れる(送信において部分的重複があるか、または重複はない)。
図7から分かりうるように、周波数キャリアの個々の選択に応じて、受信ユニットはデータブロックの3回までの再送信の受信、即ち合計で4回の受信試行を行う可能性がありうる。これは、対応する1つの周波数キャリアのみ、例えばf1を有する状況と比較すべきであり、その場合受信ユニットは最大で1回の再送信を受信することができよう。大部分の実際の通信システムでは、さもなければスループットが低くなりすぎるので、同じデータキャリアでは平均でただ1回、または最大2回までの再送信が可能であることに留意されたい。従って、本発明はさらに可能性のある受信試行を行い、この試行では残存データブロックの誤り率を大きく減じるが、スループットの低下はない。
所与の受信ユニットが、例えば時間インスタンスt1まで第1の周波数キャリアf1を聴取していたと仮定しよう。その場合、受信ユニットにはこの時間インスタンスt1において、第1のセット15の最後のデータブロック14を受信するために第1の周波数f1を聴取することを続けるか、または第2のセット25の最初のデータブロック22を受信するために第2の周波数f2にキャリアを変更するかの選択肢がある。この周波数の選択は好ましくは少なくとも部分的にデータブロックDB2、19、12の受信機会の総合品質を表す累積品質に基づく。従って、この選択処理においてパラメータをさらに使用せず、データブロックDB2の2つの可能性のある受信機会が、情報を正しく復号するのに十分でなければ、受信ユニットは好ましくは累積品質を反映した第2の周波数f2を選択する。その他の場合、受信ユニットは好ましくは第1の周波数f1を聴取することを続ける。
図8は、図2の受信方法の追加工程を説明するフローチャートである。本方法はステップS20において始まり、ここで受信ユニットは第1のデータブロックのセットおよび/または第2のデータブロックのセットに関連する方式情報を提供する。このように、この方式情報は受信ユニットが第1および/または第2のセットにおけるデータブロックの相対的順序を推論するのを可能にする。この方式情報は、さらに全てのデータキャリアにおけるデータブロックの送信順序、例えば第1および/または第2のデータストリームにおけるデータブロックの相対的順序に関する情報を提供することができよう。
送信ユニットが常に特定の(標準化)送信方式を使用し、受信ユニットが事前に(固定した)データブロックの順序を知ることは可能でありえよう。このような場合、方式情報の提供は勿論不要であり、ステップS20を省略することができる。一方、送信ユニットが選択することができる、幾つかの事前に定義された利用可能な送信方式が存在しえよう。これら種々の方式は、例えばそれぞれ高い中の低い無線品質、種々のデータタイプ、送信ユニットにおける利用可能なハードウエアなど、種々の無線条件に対して適応することができよう。このような場合、送信ユニットは好ましくは現通信セッションにおいて使用する特定の選択する方式の通知をステップS20で受信ユニットに送信する。この方式の通知はセッション設定手順の一部であるか、または後に送信することができよう。利用可能な標準方式が存在しなければ、送信ユニットは好ましくは、例えばセッション設定中に種々のキャリアにおける後続するデータブロックの送信をステップS20で受信ユニットに通知する。このような通知により、例えば各データブロックを第1のキャリアにおいて一度まず送信し、同じキャリアにおいて第1の再送信が続くことを知らせることができよう。第2および第3の再送信はその後、事前に規定された間隔で続くが、データキャリアは別である。
ステップS20の別の実装では、受信ユニットは別のセットまたは別のデータキャリアにおけるデータブロックの相対的順序に基づいて、少なくとも1つのセットまたは少なくとも1つのデータキャリアにおけるデータブロックの相対的順序を判断する。例えば、幾つかのデータブロックはキャリアの1つにおいて第1または第2のセットまたはストリームに先行することができる(図7のデータブロックDB1、DB1およびDB2)。その場合、受信ユニットはこれら先行するデータブロックの相対的順序に基づいて、データブロックの後続の順序を判断することができる。この手順は拡張することができ、受信ユニットは恐らく種々のデータキャリアにおいてそれまでに受信したデータブロックの順序を使用して、少なくとも1つのデータキャリアにおける後続のデータブロックに関して期待する相対的順序をステップS20において判断する。
データブロックの相対的順序、即ち送信方式を固定することができ、これは1つの、同じ送信方式を、通信セッションを通じて使用することを意味する。他の実装では、適応的、即ち可変方式を使用することができ、送信方式をセッション中に変更し、更新する。その場合、受信ユニットが自ら方式の変更を推論することができない限り、送信ユニットは好ましくは受信ユニットにこの方式変更を通知する。
特定の送信方式は、所与のデータキャリアにおけるデータブロックの相対的順序が、別のデータキャリアにおけるデータブロックの相対的順序と同じである必要があることを必ずしも意味する必要がないことに注意されたい。
次のステップS21で、受信ユニットは本発明によりデータブロックを同時に送信するのに使用されるであろう、少なくとも1つのデータキャリアを指定するキャリア情報を提供する。この提供ステップS21を、送信ユニットが使用するデータキャリアまたは少なくとも1つのデータキャリアの特定情報を、例えばセッション設定時に送信することにより実現できよう。後者の場合、受信ユニットは好ましくは通知されたキャリアの特定情報に基づき他のデータキャリア(単数または複数)を特定する。
同じデータキャリアを、通信セッションを通じて使用することができよう。一方、本発明は、またキャリア変更を使用する通信システムにも適用可能である。このような場合、送信ユニットまたはシステムにおけるある他のネットワークノードは好ましくは新しいデータキャリア(単数または複数)または周波数ホップvを受信ユニットに通知する。後者の場合、受信ユニットはf1+v、f2+vにより新しい周波数キャリアを計算することができる。また、異なる周波数キャリアに異なる周波数ホップv1、v2を使用することも可能でありえよう。
使用するデータキャリアの数はセッション中に変化することがありうることに注意されたい。例えば、元から2つのデータキャリアを有する場合、第3のデータキャリアをセッション中に追加することができ、セッションにおいてデータブロックを同時に送信するのに合計3つのデータキャリアを使用する。また、反対もありうる、即ちデータキャリアを除去し、セッションを通じて最早使用しないことが可能である。データブロックを同時に送信するのに使用することができる、少なくとも2つの残りのデータキャリアがある限りこれで申し分ない。
次いで、本方法は図2のステップS1に続く。
図9は、本発明によるデータブロックを送信する実施形態を説明するフローチャートである。本方法はステップS30において始まり、ここで送信ユニット、例えば基地局は、送信ユニットとの通信セッションに参加する少なくとも1台の受信ユニットに送信する複数のデータブロックを含む第1のデータブロックのセットを提供する。データブロックのこの第1のセットを送信ユニットにおけるアプリケーションから提供することができるか、または別の送信ユニット、ネットワークノードまたはサービスプロバイダ、例えばMBMSサーバから以前に受信している。
次のステップS31で、第1のセットが有する複数のデータブロックの相対的順序を再シャッフルし、複数のデータブロックを有する第2のセットを生成する。従って、第2のセットが有するデータブロックの相対的順序は第1のセットが有するデータブロックの対応する順序とは異なる。第2のセットが有するデータブロックは、さらに第1のブロックのデータブロックと同じ情報を含む。
第1のデータブロックのセットを含む複数のデータブロックを有する第1のストリームを次いで第1のデータキャリアにおいてステップS32で送信し、同時に第2のデータブロックのセットを含む複数のデータブロックを有する第2のストリームを第2のデータキャリアにおいて送信する。
本発明の個々の実施形態で、第1および第2のストリームは構成上第1および第2のデータブロックのセットをそれぞれ含む。これは、基本的に第1のセットのデータブロックを第1のデータキャリアにおいて送信する場合、第2のセットのデータブロックを第2のキャリアにおいて同時に送信することを意味する。他の実施形態では、第1および第2のストリームは第1および第2のデータブロックのセットの他にさらなるデータブロックをそれぞれ含む。これらの場合、第2のセットのデータブロックの送信は、第1のデータブロックのセットの送信と同時に生じたり、第1のブロックのセットの送信と部分的に重複したり、または第1のセットの送信と時間的に分離し、2つのセットのデータブロックの送信に重複がないことがありうる。
この手順は、勿論3以上のデータキャリアおよびデータブロックのセットに拡張することができる。例えば、第1のデータブロックのセットをまず第1のデータキャリアにおいて送信し、第2のデータブロックのセットを第2のデータキャリアにおいて(同時に、重複して、または重複しないで)送信し、第1のブロックのセットおよび第2のブロックのセットを再シャッフルしたものである第3のデータブロックのセットを第3のデータキャリアにおいて(同時に、重複して、または重複しないで)送信する。あるいは、第1または第2のブロックのセットを遅延させたものを、その後第3のデータキャリアにおいて(重複して、または重複しないで)送信することができよう。
そこで、本方法は終了する。
図10は、図9の送信方法の追加工程を説明するフローチャートである。本方法は図9のステップS31から続く。次のステップS40で、第1および/または第2のセットおよび/または第1および/または第2のストリームに使用する送信方式を受信ユニットに通信する。このようにして、ブロックセットまたはブロックストリームの少なくとも1つのデータブロックの相対的順序をこのステップS40で送信する。標準化、または事前定義された、利用可能な送信方式の場合、少なくとも1つのこのような方式を使用する特定情報を送信することができる。それ以外の場合、さらに詳細なブロック順序の情報を好ましくは送信する。
次のステップS41で、使用するデータキャリアの情報を通信する。この情報は使用する全てのデータキャリアまたは1つのみ若しくはその部分の特定情報を含むことができよう。後者の場合、受信ユニットは好ましくは送信された特定情報(単数または複数)に基づき、自ら通知されないキャリア(単数または複数)を判断することができる。
方式情報およびキャリア情報の通信は、例えばセッション設定中または通信セッション中のあるその他の時間に共にまたは分離して送信することができる。静的方式および/またはデータキャリアを使用することができよう。一方、あるアプリケーションでは、使用する送信方式および/またはデータキャリアを適応させるか、または変更することができることが好ましいことがありえよう。このような場合、新しい方式および/またはデータキャリア(単数または複数)の情報を好ましくは関係する受信ユニットに通信する。
図11は、本発明の実施形態によるデータブロックの送信を説明する信号図である。この図で、複数のデータブロックを有する第1のセット15を含む第1のブロックストリーム10を第1のデータキャリアf1において送信し、同時に複数のデータブロックを有する第2のセット25を含む第2のブロックストリーム20を第2のキャリアf2において送信する。図で分かるように、第1のセット15の各ブロックは第2のセット25において対応するもの(再送信したもの)を有するが、ブロックの相対的順序は2つのセット15、25で異なる。
本発明の好ましい実施形態では、第1のセット15は第1のデータブロック11を含み、これに第1のデータブロック11と同じ情報に基づく、例えば第1のブロック11を再送信したものである第2のデータブロック13が(直後に)続く。この第2のデータブロック13に次に少なくとも1データブロックを含む第1のブロックシーケンス17が続く。対応して、第2のセット25は好ましくは第1のデータブロック11を再送信したもの21を含み、これに少なくとも1データブロックを含む第2のブロックシーケンス27が続く。その後、第2のデータブロック13を再送信したもの23が続く。換言すれば、第1のセット15において、第1のデータブロック11とその第1の再送信したもの(第2のデータブロック)13との間の相対的「ブロック距離」は、好ましくは第2のセット25における第1のブロック21と第2のブロック23との間の対応する「ブロック距離」より短い。この理由は、高速チャネル符号化によるデータブロックに対する2回のみの送信試行(データブロック11,13の送信)の後のダイバシティにより不利でありうるが、第3(データブロック21)および同じか、または関係する情報の後続(データブロック23)の送信試行に対するダイバシティによる利点があるからある。これは、ブロックの第1の送信およびその第1の再送信は、好ましくは比較的短い時間の間に行われるが、その後の再送信はダイバシティを行うために好ましくは時間的に広がることを意味する。
異なるデータキャリアにおいて異なるブロック距離を使用する別の理由は、多くのデータキャリアにおいて非同期手法で送信する多くの送信ユニットを有する構成において、あるデータブロックを受信する多くの可能性を受信ユニットに与える確率を増すためでありえよう。異なる送信ユニットが同じ順序でデータブロックを送信し、異なる時間のずれのみがあるのであれば、同じデータブロックを常に同時に送信する2台の送信ユニットを有する確率はかなり高いであろう。その場合、これは2台の送信ユニットが受信ユニットに所与のデータブロックを受信するのに1台の送信器を超える機会を提供しないであろうことを意味する。一方、データブロックを異なる送信ユニットにより異なる順序で送信すれば、自由度が劇的に増加し、2台の送信ユニットが同じデータブロックをしばしば同時に送信しているであろうことはあまりありそうに無い。
伝播遅延が本質的であれば、類似の議論は同期ネットワークにおいても適用できる。送信ユニットが同時に同じデータブロックを送信しないことを保証するとしても、異なる伝播遅延の故に、1つの同じデータブロックがなお異なる送信器から受信ユニットに同時に到着することがありうる。
異なるデータキャリアにおける異なるブロック距離を有する先に説明した状況は、データブロック11の再送信13、21、23と比較して、特にデータブロック11の第1の送信に異なるデータ速度または符号速度を使用する場合に適合する。従って、第1の送信11は好ましくは高速データ速度を有し、ダイバシティを避けるために1つのデータキャリアf1において受信することができようが、再送信13、21、23は実際上より遅いデータ速度をもたらし、ダイバシティを増やすために異なるキャリアf1、f2において受信することができよう。このような場合、データブロック11を送信する場合は毎回、第1のデータ速度により送信する。このブロック11の再送信13、21、23を少なくとも第1の速度より好ましくは遅い第2のデータ速度により送信する。これら再送信13、21、23の全てを第2の速度において行う、即ち遅い速度を各再送信13、21、23に使用することができよう。
さらに拡張する場合、第1の送信11を全ての無線バーストに対して1つの周波数f1を使用して送信するが、再送信は各バーストで異なる周波数において送信し、最大のダイバシティをもたらすことができよう。
図11の第2のストリーム20において示したように、送信ユニットは1つのデータキャリアf2における送信を一時的に中断することがある。このような送信の中断には種々の理由が存在しうる。データキャリアは一時的に非常に低い無線品質レベルまたは高い干渉レベルに遭遇することがありえ、従ってその点では基本的にデータブロックを送信することに意味がない。あるいは、このキャリアf2を使用する他のセッションに関係するデータを送信することを含む他のタスクを実行することに、送信ユニットが一時的に多忙でありうる。
図11に示すスケジューリング方式を使用して、シミュレーションを実行した。これらのシミュレーションでは、データブロックはMCS−6RLCブロックであった。まずは簡単さのため、1タイムスロットのみを考慮し、10kビット/秒の望ましいビット速度を想定した。この数字はMBMSサービスに大いに関係する、というのは凡そ40kビット/秒がMBMSによるビデオストリーミングに必要であり、MBMSにおけるタイムスロットの最大数は4であると考えられ「1」、タイムスロット当りの目標ビット速度として10kビット/秒を与えるからである。さらに、500バイトのLLCフレームサイズを使用し、それ故LLCは7RLCブロックを構成上含む。1%のLLC損失率はこれらのシミュレーションでは容認できると考えられる。
1つのデータキャリア(周波数)のみを有する従来技術の解決策によれば、MCS−6に対する30kビット/秒の公称速度は、各RLCブロックの3回の送信、即ち2回の再送信が(10=30/(1+2))となりうることを意味する。この従来技術の解決策に対して得られるLLC損失率を、図12において「3TX]曲線により示す。明らかに、損失率が1%を超える場合、サービスは11乃至12dBに劣化する。
2周波数、即ち本発明によれば、各RLCブロックを6回、即ち各周波数において3回送信することができ、一方なお30kビット/秒の公称速度(10=2x30/(1+5))に達する。図11に示す送信方式を使用して、図12の「各2周波数における3TX」曲線を獲得した。図12において見ることができるように、1%の損失率を約4dB低いC/Iにおいて獲得する。EFR(Enhance Full Rate)通話は良好に動作するには少なくとも10dBを幾らか下回ることが必要であるので、通信ネットワークをこのC/Iレベルを提供することができるように構築することが多い。これは、本発明から得る4dBの利得がGSMの通話のために計画された通信ネットワークにおけるセルの境界において受容可能なMBMSの品質を持つか、持たないかの差でありうることを意味する。
比較のために、1周波数を有するが、RLCブロックを3および4回再送信する従来技術の状況を、またそれぞれ「4TX]および「5TX]曲線により図に示す。図12に示すように、1%の損失率において図11のスケジューリング方式および本発明によるスケジューリング方式は各RLCブロックの4回の再送信による従来技術の状況よりもさらに良好でさえある。さらに、4回の再送信によるこの従来技術の状況と比較して、図11のスケジューリング方式のスループットは極めて大きい。
本発明の利得を、例えば使用するデータキャリアの数を増やすことによりさらに改善することができる。使用するデータキャリアの数が大きくなると、セッションに参加する受信ユニットの数がキャリアの数よりもっと大きくても、通信システムの性能は1つの受信ユニットに対する承認/非承認(acknowledgement/non-acknowledgement、ACK/NACK)のフィードバックを有する専用の一時的ブロックフロー(dedicated temporary block flow、TBF)の性能に近づく。
当技術において良く知られるように、幾つかの通信サービスおよびシステムに対して、ACK/NACKの形式におけるトラフィックのフィードバックを使用することができる。このようなフィードバックでは、データブロックの受信に成功しなかった受信ユニットは基地局にそのことを通報し、ブロックの再送信を要求することができる。一方、このようなACK/NACKのフィードバックを(同時に)行うことができるセル内の受信ユニットの数は限定される(典型的には16)ので、このようなフィードバックによる解決策はMBMSおよびその他のブロードキャストおよびマルチキャストサービスには余り使用しないか、または使用しないが、ブロードキャスト/マルチキャストセッションに同時に参加する受信ユニットの平均数はフィードバックが可能なユニットの最大数よりさらに多い(恐らく数十の移動ユニット)と予想される。それ故、ACK/NACKのフィードバックはないが、比較的類似の性能を提供することが可能であることにより、本発明はこのようなマルチキャストおよびブロードキャストの導入をさらに可能にする。
図12に示す結果を1つのタイムスロットにより得た。複数のタイムスロットがある場合、複雑性がある。典型的に、受信ユニットはあるタイムスロットから次へデータキャリア(周波数)を切り替えることはできない。これは、例えば4タイムスロットがある場合、受信ユニットは無線ブロック毎に対する代わりに、4無線ブロックのグループに対してのみデータキャリアを選択することができる。一方、同じTDMAフレームにおける隣接タイムスロットは通常非常に似たフェーディング状態に遭遇し、図13に示すようにTDMAフレームの全タイムスロットに同じデータキャリアを使用する必要がある制約により、性能に極めて大きな影響を持つには及ばない。
図11の送信方式を再び使用したが、4タイムスロットに4並列データストリームを適用した、即ち各RLCブロックを元の送信と同じタイムスロットにおいて全て送信した。TDMAフレームの全ての4タイムスロットには同じC/Iを与え、理想的周波数ホッピングをTDMAフレーム間で使用した。2,500ブロックをタイムスロット当りにシミュレーションした。受信器周波数方式は非常に簡単であった、即ちこれまで正しく受信していないRLCブロックを、第2の周波数f2の少なくとも1タイムスロットにおいて送信しているのであれば、第2の周波数f2で受信し、その他の場合であれば第1の周波数f1で受信する。
図13で、「1周波数」の曲線は1周波数のみを持つ従来技術の状況を示し、「2周波数、4TS」の曲線は以上で記述した4タイムスロットを持つ状況を表し、「2周波数、1TS]の曲線は対応するが、1タイムスロットのみをもつ状況を表す(図12のシミュレーションと比較されたい)。図13において見ることができるように、1タイムスロットによる利得の大部分は4タイムスロットにより保有することができる。MBMSに対する典型的な動作点は10−3の大きさの残存RLCBLERであろうことにまた注意されたい。
図13の評価を多くの周波数による周波数ホッピングを仮定して行った。周波数ホッピングがない場合、より良いC/Iを有する周波数で受信することにより、フェーディングの落ち込みを避けることができる可能性のあるさらなる利点があるであろう。
図13で使用した受信器選択方式は極めて簡単であり、選択における受信品質よりさらに多くのデータを使用する以前に説明した選択方式の1つを例えば使用することにより、容易に改善することができよう。
4つの連続TDMAフレームによる代わりに1TDMAフレーム内の4つの連続タイムスロットによる無線ブロックをスケジュールすることにより、データキャリア(周波数)をあるタイムスロットから次へ変更することができない問題を完全に回避することができることにまた注意されたい。
先に記述したように、本発明によるデータキャリアの選択を、好ましくは異なるLLCフレームに属すデータブロックを同時に送信するデータキャリア間で実行する。図14は、第1のデータストリーム10が第1のLLCフレームに属すデータブロックの第1のセット15を含む状況を説明する。この第1のセット15を第1のキャリアf1を使用して送信すると同時に、第2のLLCフレームに属すデータブロックの第3のセット28を送信するのに、第2のキャリアf2を使用する。第1のセット15を再シャッフルしたものであり、従って第1のLLCフレームに属すデータブロックを含む第2のセット25が、次いで第2のキャリアf2において続く。第2のセット25を第2のキャリアf2で送信すると同時に、第2のLLCフレームまたは第3のLLCフレームに属すデータブロックの第4のセット18を送信するのに、第1のキャリアf1を使用する。このように、本発明によるこの送信方式では、関係するデータキャリアf1、f2は異なるLLCフレームに属すデータブロックを同時に搬送し、それにより受信ユニットが、受信ユニットが既に失敗したと考えられるLLCフレームに属すデータブロックを目下送信する特定のキャリアを聴取することを控えることを可能にする。
図1に関係して以上で説明したように、異なるデータキャリアにおけるデータブロックを1つの、同じ送信ユニットにより送信する必要は必ずしもない。図1に示すように、第1のデータキャリア310を第1の基地局200−1により使用することができ、他のデータキャリア320を第2の基地局200−2により使用することができる。受信ユニット100−3がこれら基地局200−1、200−2の2つのセル205−1、205−2における送信を聴取できれば、結果は1台の送信ユニットを有する場合と同じである。この変形による利点は、余分の帯域幅が余分のデータキャリアに必要でないことである。本発明は低いC/Iを有する受信ユニットに特に有利であり、これらのユニット100−3は典型的にセル境界の近くにありそうであるので、関係するユニット100−3が別の基地局200−2を聴取できうることはありそうではない。最も一般的な場合、各基地局200−1、200−2はより多くのデータキャリアの中の1つを使用することができ、従って受信ユニット100−3は同じセルまたは異なるセル205−1、205−2から発生しうる3以上のデータキャリアの中で選択できる可能性がある。
本発明の別の実施形態では、送信ユニット200−1、例えば基地局は、データキャリアの少なくとも1つ320において送信を行うのに少なくとも1つの中継可能なユニット100−5を使用する。このような場合、基地局200−1は第1または第2のストリームのデータブロックを中継可能なユニット100−5に送信し325、1以上の受信ユニット100−4に所与のデータキャリア320においてストリームを転送することを中継可能なユニット100−5に指令する。この中継ユニット100−5がストリームの1つを転送すると同時に、基地局200−1は他のデータキャリア(単数または複数)310において他のストリーム(単数または複数)を送信する。
さらに代替の実施形態では、基地局200−1は第1のストリームのデータブロックを中継可能な移動ユニット100−5および受信ユニット100−4の双方に送信する325。好ましくは基地局からの再シャッフル指令、または他の場所の用意に基づいて、中継可能なユニット100−5はこの第1のストリームが有するデータブロックの順序を再シャッフルし、データブロックを第2のストリームとして受信ユニット100−4に送信する320。
中継可能なユニット100−5は、例えば中継機の形式でネットワーク構成の一部をなす固定または移動ノードでありえよう。代替の実装では、移動端末100−5またはあるその他のネットワーク通信ユニットをこのタスクに使用することができよう。複数の中継可能なユニットを有する実装もまた可能であり、例えば少なくとも3つのデータキャリアを有する場合が可能である。
図15は、中継可能なユニットを使用する場合の図9の送信する方法に関する追加工程を説明するフローチャートである。本方法は図9のステップS31から続く。次のステップS50で、基地局はデータブロックの第2(または第1)のストリームを中継可能なユニットに送信する。このデータブロックの送信と共に、または分離して、基地局は中継可能なユニットに送信したデータブロックを1以上の受信ユニットに転送するように指令する。このデータブロックを転送するのに使用するデータキャリアを基地局により指定し、指令に含めるか、または中継ユニット自体で恐らく選択することができよう。次いで、本方法は図9のステップS32に続き、そこで基地局は第1のデータキャリアにおいて第1(または第2)のデータストリームを送信し、同時に中継可能なユニットは第2のデータキャリアで第2(または第1)のデータストリームを転送する。
あるいは、基地局は中継可能なユニットに第1のストリームを送信し、中継可能なユニットにデータブロックの順序を再シャッフルし、第2のストリームを生成するように指令する。さらに、中継ユニットはまた指令を受けて、第1のストリームを受信するのに使用したのとは異なるデータキャリアでこの再シャッフルしたデータストリームを送信する。
図16は、移動端末またはユニットとして例示する本発明による受信ユニット100の概要ブロック図である。とはいえ、本発明は移動端末の形式の受信ユニット100に限定されず、送信ユニットとの通信セッション、例えばMBMSセッションに参加する任意の受信ユニットに適用することができ、セッションを通じてデータブロックを受信するようにする。
受信ユニット100は、データブロックを受信し、恐らく方式およびキャリア特定情報を受信する一般的な入力および出力(I/O)ユニット110を含む。ユニット100は、I/Oユニット110が受信するデータブロックを復調および復号するのに使用する復調器/復号器120をさらに備える。受信ユニット100におけるこの復調器/復号器120またはある他のユニットにより、また受信データブロックの受信品質を判断する。以上に記述したように、この受信品質はCRCチェックから得ることができ、簡単な復号/非復号通知、またはSNR、BLEP、BLER、BEP、BER、C/Iなどのあるより精巧な品質パラメータでありえよう。
復調器/復号器120により推定した受信品質に基づいて個々の時間インスタンスに聴取するデータキャリアを複数の利用可能なキャリアの中から選択するために、キャリア選択器130を受信ユニット120に実装する。この選択器130は少なくとも2つの可能なキャリアの中から1つのデータキャリアを、またはマルチキャリアの可能なユニット100の場合は、少なくとも3つの可能なキャリアの中から少なくとも2つのキャリアを選択するように構成することができる。これら可能なデータキャリアは、データブロックであって、その1つは、I/Oユニット110が以前に受信したデータブロックと同じ情報に基づき、復調器/復号器120が受信品質を推定するベースとした、データブロックをさらに同時に搬送する。
キャリア選択器130は、また複数の以前に受信したデータブロックに関連する受信品質、累積受信品質を使用する、および/または選択処理における1つ/複数の受信品質以外に他のデータを使用することができる。残存再送信データブロック数に関する情報、キャリア品質データおよび/または以前に失敗したLLCフレームに関する情報を、また受信品質と共に使用することができる。
種々のキャリアにおけるデータブロックの相対的期待順序および/または個々のデータブロックの残存再送信数をキャリア選択器130に通知するために、方式特定器140を好ましくは受信ユニット120に実装する。この方式特定器140は基本的に種々のキャリアにおけるデータブロックの相対的期待順序を判断する。この判断は、送信ユニットからI/Oユニット110が受信した方式特定情報に基づくことができるか、または方式特定器140が、データブロックをそれまでI/Oユニット110により受信した順序に基づき自ら判断する。
選択することが可能なデータキャリアを選択器130に通知するために、対応する任意選択のキャリア特定器150を好ましくは受信ユニット120に準備する。この特定器150は送信ユニットまたはある他の外部ユニットから発生する通知からこの情報を準備することができよう。あるいは、特定器150は、例えば他のキャリアに関する少なくとも1つの情報に基づいて、データキャリア自体の少なくとも1つを特定する。
受信ユニット100が有するユニット110乃至150をソフトウエア、ハードウエアまたはその組み合わせとして提供することができる。
図17は、本発明による送信システム400の実施形態の概要ブロック図である。送信システム400は、送信システム400との通信セッションに参加する受信ユニットを含む、外部ユニットと通信するためのI/Oユニット410を含む。このI/Oユニット410は、特に複数のデータキャリア310、320においてデータブロックを同時に送信するようにする。I/Oユニット410は、この同時ブロック送信に使用するアンテナまたは送信装置を含むことができるか、またはアンテナまたは送信装置に接続することができる。アンテナ装置は、次いで複数の個別アンテナを含むことができ、例えばこのような各アンテナは個々の周波数キャリアにおいてデータブロックを送信するようにする。
システム400は、またデータ・ブロック・バッファ440を含み、バッファは(ユニキャスト、ブロードキャストまたはマルチキャスト)セッションにおいて送信するデータブロックを少なくとも一時的に格納する。データブロック自体は送信システム400の個々のアプリケーションにより生成済みでありうる。あるいは、データブロック自体は、サービスプロバイダ、例えばMBMSサーバまたはある他の通信ネットワークノードなどの外部ソースから受信する。
好ましくは関連するデータバッファ440から複数のデータブロックを有する第1のセットを提供するために、ブロック・セット・プロバイダ420を送信システム400に配備する。この第1のブロックのセットを、データキャリア310、320の1つを使用してI/Oユニット410およびアンテナ装置により送信する。第1のセットのデータブロック、または少なくともその特定情報をセットプロバイダ420によりブロックセット組替器430にもたらす。このセット組替器430は、第1のセットが有するデータブロックの相対的順序を再シャッフルし、少なくとも第2のデータブロックのセットを生成する。この第2のブロックのセットを、次いでデータキャリア310、320とは別のキャリアにおいてI/Oユニット410により送信する。組替器430は、典型的にバッファ440においてデータブロック自体を再シャッフルはせず、むしろ第1のセットが有するデータブロックの特定情報を再シャッフルする。データブロックを次いで特定情報が提供する順序でバッファ440から取り出す。
好ましい実施形態では、セット組替器430は、共通の情報に基づく2つのデータブロックの相対的位置が第1のセットのこれらデータブロックの相対的位置と比較して異なる、第2のセットを生成する。さらに、中間データブロックの数によるこれらデータブロック間の距離は、データブロックを送信する場合のダイバシティを増すために、好ましくは第2のセットでは第1のセットと比較してより長い。
セット組替器430により使用する個々の再シャッフル方式および恐らく第1のセットにおけるデータブロックの順序は選択可能な方式選択器450が提供する送信方式により規定することができる。この方式選択器450は、好ましくは送信システム400にか、または外部に配備する、複数の異なる事前定義された利用可能な方式を有する関連データベース460から使用方式を選択する。選択する個々の方式は、例えばその時の無線品質の状態、参加する受信ユニットの数、送信するデータの種類、送信システム400における利用可能なハードウエア、などの形式の入力情報に少なくとも部分的に基づきえよう。
代替実施形態では、データベース460には事前定義(標準化)方式は存在せず、方式選択器450が以上に特定した入力情報に基づいて適する方式を自ら生成する。
データベース460は、またキャリアデータを含むことができるか、またはこの形式のデータを専用データベースに準備することができよう。I/Oユニット410がセットプロバイダ420により定義するような第1のセットのデータブロックおよびセット組替器430により定義するような第2のセットのブロックを送信する場合、使用するデータキャリアの通知をデータベース460から取り出すことができる。また、データブロックを送信する場合、送信システム400は固定した限られた数のデータキャリアにのみアクセスし、これらをI/Oユニット410が常に使用し、従って適するデータキャリアの選択を行う必要がないことも可能でありえよう。あるいは、外部ユニットは送信システム400およびI/Oユニット410に使用するデータキャリアを通報することができる。
I/Oユニット410を、好ましくはまた方式選択器450が選択するような個々に使用する送信方式および/またはデータキャリアの特定情報に関する情報を通信セッションに参加する受信ユニット(単数または複数)に転送するように構成する。
その場合、I/Oユニット410は第1および第2のセットのデータブロックを、第1のデータキャリア310において第1のセットを含む第1のデータストリームの形式で、第2のデータキャリア320において第2のセットを含む第2のデータストリームの形式で送信する。この原理は3以上の利用可能なデータキャリアを有する場合に簡単に拡張される。第1および第2のストリームをI/Oユニット410により異なるデータキャリア310、320において同時に送信するとはいえ、第1および第2のセットのデータブロックの相対的位置は第1および第2のストリーム内においてそれぞれ異なりうるので、第1および第2のセットのデータブロックを同時に送信する必要は必ずしもないことに注意されたい。
I/Oユニット410は異なるデータブロックに異なるデータ速度を使用することができる。好ましい実装では、個々のデータブロックを初めて送信するときにそのブロックにより速いデータ速度を使用する。従って、このデータブロックの再送信を、第1のセットまたは第2のセットで起きようと、好ましくは比較的遅いデータ速度で行う。
送信システム400のユニット410、420、430および450をソフトウエア、ハードウエアまたはその組み合わせとして提供することができる。ユニット410乃至460を1台のネットワークノードの送信システム400、例えば基地局ノードに共に実装することができる。あるいは、また通信システムの種々のネットワークノードにおいて提供する幾つかのユニットと共に分散実装することも可能である。
図18は、専用通信ネットワークノード200−1、200−2およびデータブロック管理ノード500を持つ分散送信システム400の概要ブロック図である。この実装で、基地局コントローラ500またはある他のネットワークノード、例えば基地局はブロック・セット・プロバイダ520、ブロックセット組替器530、データバッファ540、方式選択器550および方式およびキャリアデータベース560を備える。これらのユニットの動作は図17に関して以上で記述するものに類似であり、ここでさらに説明をしない。一度ブロック・セット・プロバイダ520およびセット組替器530が、例えば選択器550により選択した送信方式に基づいて第1および第2のデータブロックのセットの定義を済ませると、関係するデータブロックをデータバッファ540から、図では基地局200−1、200−2により表す、関係する送信ユニットへ転送する。それぞれこのような基地局200−1、200−2は、次いでデータブロックのストリームおよびセットの1つの送信を管理するであろうし、対応するデータバッファまたはキャッシュ240−1、240−2を持ち、そこにデータブロックを一時的にバッファし、その後基地局200−1、200−2がI/Oユニット210−1、210−2を使用して送信する。例えば、データブロックを転送する順序から順序の通知が明確でない限り、基地局コントローラ500は、好ましくはデータブロックを送信すべき順序の通知と共に、第1の基地局200−1に第1のストリームのデータブロックを転送する。さらに、第1の基地局200−1が使用するデータキャリアに関する情報および恐らく送信を開始すべきタイムスタンスに関する情報を基地局200−1に送信することができる。第2の基地局200−2は、対応して好ましくは順序情報、キャリア情報および時間情報と共に第2のストリームのデータブロックを受信する。
第1の基地局200−1は、次いでその割り当てられたデータキャリア310において第1のストリームのデータブロックを送信し、同時に第2の基地局はその関連するデータキャリア320において第2のデータブロックのストリームを送信する。
図18で開示する送信システム400を異なるデータキャリア310,320を使用する3以上の専用送信ユニット200−1、200−2を含むように拡張することができる。
送信システム400のユニット210−1、210−2、510、520、530および550をソフトウエア、ハードウエアまたはその組み合わせとして提供することができる。データブロック管理機能を基地局コントローラ500以外の他のネットワークノード、例えば第3の基地局により実行することができる。
図19は、送信システム400の別の分散実装の概要ブロック図である。この実装で、第1の基地局200−1により表す、第1のネットワークノードは、ブロック・セット・プロバイダ220、ブロックセット組替器230、データバッファ240、方式選択器250および方式およびキャリアデータベース260を含む。これらのユニットの動作は図17の対応するユニットに類似であり、さらには説明をしない。加えて、第1の基地局200−1は、また少なくとも1つのデータキャリア310において同時に送信されたデータブロックのストリームの少なくとも1つを送信するようにする。
他のデータブロックのストリーム(単数または複数)を、この第1の基地局200−1のI/Oユニット210−1により図で第2の基地局200−2により表す、少なくとも1台の中継可能なユニットに転送する。この第2の基地局200−2は、次いで第1の基地局200−1が使用したのとは異なるデータキャリア320において転送されたデータブロックを送信するように指示を受ける。別の実装では、中継可能なユニット200−2は中継機ノード、移動中継機または実際に移動ユニットでありえよう。
送信システム400のユニット210−1、210−2、220、230および250をソフトウエア、ハードウエアまたはその組み合わせとして提供することができる。
添付する請求の範囲により定義する本発明の範囲から逸脱することなく、本発明に種々の修正および変更を為しうることを当業者は理解するであろう。