JP5032097B2 - 快適感評価システム - Google Patents
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Description
質問作成手段(1):快適感を評価する際の回答形式を選択する回答形式選択手段(1-a)と、質問語を決定する質問語決定手段(1-b)を有する、質問を作成する手段。
感情語データベース(2):質問語決定の際に利用する快適感に関連する感情語を記録したデータベース。
回答入出力手段(3):質問を回答者に呈示する質問出力手段(3-a)と、回答者の回答入力手段(3-b)と、回答を取り込む回答収集手段(3-c)を有する、回答を入出力する手段。
演算手段(4):回答結果から快適感の質と大きさを快適感の下位概念としての複数の快適感因子に分けて得点を算出する手段。
結果出力手段(5):結果を出力する手段。
(a) 測定者が快適感評価に使用する回答形式を選択する回答形式選択ステップ。
(b) ステップ(a)にて選ばれた回答形式に適した教示文を選択する教示文決定ステップ。
(c) 必要に応じ、感情語データベースを参照して、ステップ(a)にて選ばれた回答形式に適した感情語を選択する感情語抽出ステップ。
(d) 教示文、又は教示文と感情語との組み合わせからなる質問を回答者に呈示する質問出力ステップ。
(e) 回答者が回答を入力する回答入力ステップ。
(f) 回答者が入力した回答をシステムにデータとして取り込む回答収集ステップ。
(g) 回答者からの回答を基に、快適感をその下位概念としての複数の快適感因子に分けて得点化する演算ステップ。
(h) 回答者の回答とステップ(g)で算出した快適感の得点情報を記録する回答・演算結果記録ステップ。
(i) 算出された快適感を表示する結果出力ステップ。
快適感得点取込手段(6):前記の快適感評価システムにおける演算手段(4)によって算出された、複数の快適感因子の個々の得点をシステムに取り込む手段。
快適感グループの得点算出手段(7):快適感得点取込手段(6)によって取り込んだ複数の快適感因子の個々の得点を、2つの快適感グループに分類し、各グループの総合得点を算出する手段。
不快感推定手段(8):快適感グループの得点算出手段(7)によって算出された2つの快適感グループの総合得点を用いて、複数の不快感因子から構成される2つの不快感グループのうち、いずれのグループに属する不快感が回答者に経験されていた可能性が高いかを推定する不快感グループの保有確率推定手段(8-a)を有する、不快感を推定する手段。
感情語データベース(9):不快感に関連する感情語を、各語の所属する不快感因子の情報と共に保有するデータベース。
推定結果出力手段(10):推定結果を出力する手段。
図1は、本発明に係る快適感評価システムの構成要素を示したブロック図である。図1において、(1)は質問作成手段であり、回答形式選択手段(1-a)、質問語決定手段(1-b)を有している。(2)は感情語データベースである。(3)は回答入出力手段であり、質問出力手段(3-a)、回答入力手段(3-b)、回答収集手段(3-c)を有している。(4)は演算手段である。そして、(5)は結果出力手段である。
質問作成手段(1)は、後述のステップ(a)、(b)及び(c)に対応する。
質問作成手段(1)における回答形式選択手段(1-a)では、測定者により、快適感評価に使用される回答形式が選択される。回答形式としては、例えば、感情語データベース(2)に含まれる感情語を回答者に呈示して、それらの言葉の表す感情を感じている程度を回答させるリッカート法や、呈示された感情語の中から、感じている感情語を一つあるいは複数個選択させる強制選択法、自然文で回答させる自由回答法などが挙げられる。回答形式は、マグニチュード推定法や、「はい・いいえ・どちらでもない」に類する選択肢を用いた強制選択法、線分に対して感情強度を評定するビジュアル・アナログ・スケールによる回答方法を含めてもよい。
感情語データベース(2)は、快適感に係る多くの感情語を、快適感を構成する質の異なる複数の主観的側面の、どの因子に属するかという情報と共に保有している。感情語データベース(2)に含まれる感情語として、快適感を表現する16種類の因子(「熱中・興味」、「対人的好感情」、「強さ」、「やる気・前向き」、「豪華さ」、「ときめき」、「自信」、「感動」、「安静・リラックス」、「満足・幸福」、「爽快・リフレッシュ」、「親和・愛情」、「活気・陽気」、「気楽・気軽」、「開放感」、「達成感」)に属する感情語が例示される。感情語抽出手段(1-b-2)により抽出される感情語は、上記16種類の因子に属する2個以上の組み合わせであることが好ましい。
1.熱中・興味: 熱中した、面白い、興味を感じる
2.対人的好感情: 良心的な、親切な、共感した
3.強さ: 強い、力強い、勇敢な
4.やる気・前向き: やる気に満ちた、はりきった、前向きな
5.豪華さ: 豪勢な、豪華な、ぜいたくな
6.ときめき: わくわくした、どきどきした、興奮した
7.自信: 自信がある、誇らしい、得意な
8.感動: 感動した、感銘した、賞賛した
9.安静・リラックス: リラックスした、落ち着いた、おだやかな
10.満足・幸福: 幸せな、うれしい、満足な
11.爽快・リフレッシュ: すっきりした、さっぱりした、すがすがしい
12.親和・愛情: 愛しい、かわいい、愛らしい
13.活気・陽気: 活発な、活気のある、楽しい
14.気楽・気軽: 気楽な、気軽な、のんきな
15.開放感: 解き放たれた、自由な、開放感
16.達成感: 達成感、がんばった、やりとげた
回答入出力手段(3)は、後述のステップ(d)、(e)及び(f)に対応する。
回答入出力手段(3)は、質問出力手段(3-a)、回答入力手段(3-b)、回答収集手段(3-c)を有している。質問出力手段(3-a)では、質問作成手段(1)で作成され、カスタマイズ情報入力手段(6)によって最終的な質問内容として承認を受けた質問内容が回答者に呈示される。質問内容には教示文と回答欄があり、回答欄はステップ(a)において決定された回答形式に従った形態で出力される。質問内容は、パーソナル・コンピュータの画面や評定用紙によって文字情報として出力されるほか、音声によって出力されてもよい。また、携帯電話やPDAを含む情報端末に出力することもできる。
演算手段(4)は、後述のステップ(g)に対応する。
演算手段(4)では、回答入出力手段(3-b)、回答収集手段(3-c)を経てシステムに取り込まれた回答情報を基に快適感についての得点が算出される。
更に、質問に用いた因子が2種類であった場合は、棒グラフでの表記もできる。
評価結果出力手段(5)は、後述のステップ(i)に対応する。
評価結果出力手段(5)において、得点情報が、パーソナル・コンピュータの画面や紙面に出力され、回答者、測定者、及び第三者がその内容を把握することができる。
本発明に係る快適感評価方法について、図2に示したフローチャートに従って説明する。
図2におけるステップ(a)は快適感評価に使用する回答形式を選択する回答形式選択ステップである。ステップ(a)において、図1における回答形式選択手段(1-a)によって、快適感評価に使用される回答形式が選択される。回答形式選択手段(1-a)では、感情語データベース(2)に含まれる感情語を回答者に呈示して、それらの言葉の表す感情を感じている程度を回答させるリッカート法や、感じている感情語を一つあるいは複数個選択させる強制選択法、及び自然文で回答させる自由回答法といった複数の回答形式が測定者に提案される。回答形式は、マグニチュード推定法や、「はい・いいえ・どちらでもない」に類する選択肢を用いた強制選択法、線分に対して感情強度を評定するビジュアル・アナログ・スケールによる回答方法を含めてもよい。提案された回答形式の中から、測定者が使用したい回答形式を一つ選択し、選択情報をシステムに入力する。回答形式の選択情報は、次のステップ(b)に送られる。
ステップ(b)は、ステップ(a)にて選ばれた回答形式に適した教示文を選択する教示文決定ステップである。図1における質問語決定手段(1-b)は、教示文データベース(1-b-1)が持つ教示文情報の中から、ステップ(a)で選ばれた回答形式に最も相応しい教示文を選択し、選択した情報の内容は、測定者による承認と調整が行われるステップ(j)を経た後、回答入出力手段(3)の質問出力手段(3-a)へと送られる。
次にステップ(c)は、ステップ(a)で選ばれた回答形式に適し、かつ、刺激、商品、状況を含む測定対象に適した感情語を選択する感情語抽出ステップである。ステップ(a)で選ばれた回答形式が、自由記述(OA)法など、感情語の呈示を行わない形式である場合には、ステップ(c)は省略される。ステップ(a)で選ばれた回答形式が、リッカート法、強制選択法など、感情語の呈示を伴うものである場合には、質問語決定手段(1-b)の持つ、測定対象となる商品や場面に最適な快適感因子の組み合わせ情報を参照して、感情語データベース(2)より必要な感情語を抽出する。ステップ(c)における感情語抽出の際には、自動選択された感情語のみを質問語に採用する場合と、全ての因子の感情語を利用する場合が選択できる。
次にステップ(j)において、ステップ(b)で決定された教示文と、ステップ(c)で決定された感情語の情報は組み合わせられ、最終的な質問内容が決定される。この決定の際、測定者はカスタマイズ情報入力手段(1-c)を利用することで、感情語と教示文の取捨選択や、追加、修正などの調整を行うことができる。ステップ(j)によって最終的に決定された、快適感評価に使用される教示文と感情語は、次のステップ(d)へと送られる。
ステップ(d)は、質問出力ステップであり、ステップ(b)と(c)で作成され、ステップ(j)によって最終的な質問内容として承認を受けた質問内容が回答者に呈示される。質問は、回答形式が、自由記述(OA)法など、感情語の呈示を行わない形式である場合には、教示文からなり、回答形式が、リッカート法、強制選択法など、感情語の呈示を伴うものである場合には教示文と感情語との組み合わせからなる。ステップ(d)は、図1における回答入出力手段(3)に属する質問出力手段(3-a)において実行される。質問内容には教示文と回答欄があり、回答欄はステップ(a)において決定された回答形式に従った形態で出力される。
次にステップ(e)は、ステップ(d)にて回答出力手段(3)により出力された快適感についての質問内容に対し、回答者が回答を行う回答入力ステップであり、回答入力手段(3-b)において実行される。回答者は、呈示された質問内容に対して、対象となる刺激や商品から感じた主観的な快適感や、期待する快適感を、与えられた回答形式に従って回答する。
ステップ(f)は、ステップ(e)において回答された情報を、快適感評価システムに取り込み、演算処理が行われるステップ(g)へと送る回答収集ステップであり、図1における回答収集手段(3-c)において実行される。
次にステップ(g)は、図1における演算手段(4)において実行される、快適感についての得点を算出するものである。ステップ(f)より送られてきた回答情報は、ステップ(a)において選ばれた回答形式に対応する解析手段へと送られ、図1における感情語データベース(2)を参照して、快適感についての得点が算出される。快適感についての得点は、快適感を構成する質の異なる複数の主観的側面のそれぞれに対して算出されるため、複数個の得点が算出される。
本発明の快適感評価方法は、ステップ(g)で算出された快適感の得点にしたがって、回答者の感じている快適感を複数の快適感パターンの中から特定する快適感タイプの判定ステップ(l)を含むことが、システムから出力される評価結果の理解を容易にするという観点より好ましい。
ステップ(k)は、図1におけるグラフ作成手段で実行される。解析手段から送られた得点情報は、複数の快適感の主観的側面のそれぞれについて、複数個の得点が算出されているので、これを用いてレーダーチャートを含むグラフ化を行う。
次にステップ(h)において、ステップ(e)にて回答者が答えた回答データと、ステップ(g)にて算出された快適感得点、ステップ(k)にて作成されたグラフ、及びステップ(l)にて判定された快適感パターンについての情報を記録保存する。ステップ(h)は、図1における演算手段(4)内の記録手段において実行される。
また、快適感評価方法において、ステップ(a)で測定者が快適感評価の回答形式を選択し、ステップ(b)及びステップ(c)で質問用の教示文及び/又は感情語が選択された後、測定者の希望によって、質問に用いる教示文及び/又は感情語を調整できる測定者によるカスタマイズステップ(j)を有することが、質問内容の最適化と、測定者が特に注目する快適感の側面を評価に反映させるという観点より好ましい。
最後にステップ(i)において、快適感得点と、判定された快適感タイプ、及びグラフを、パーソナル・コンピュータの画面や紙面に出力し、回答者、測定者、及び第三者がその内容を把握する。
本発明者らは、社外の成人男女878名を対象としたインターネット調査の結果から、ある不快感の解決後に、ある快適感が生じやすい傾向があることを見出した。この快適感と不快感の関連性に従えば、現在、ある快適感を経験している人が、直前に特定の不快感を経験していた、あるいは、その不快感に過敏に反応する人である可能性は高い。従って、前述の快適感の評価結果を元にして、ある商品によって快適感を経験した人の潜在的な不快感を推定し、商品のターゲットとなる消費者の理解を深め、次回の商品開発に役立てることが可能となる。
快適感評価システムの演算手段(4)によって、特定の生活場面や、特定の商品を利用したときの、回答者の快適感が得点化されている。この快適感は、例えば、快適感の下位概念である前述の16種類の快適感因子の各々について得点化されている。快適感得点取込手段(6)は、これら複数の快適感因子の個々の得点をシステムに取り込む手段である。
快適感グループの得点算出手段(7)では、快適感得点取込手段(6)によって取り込んだ複数の快適感因子の個々の得点を、2つの快適感グループに分類し、各グループの総合得点を算出する。
不快感推定手段(8)は、快適感得点算出手段(7)によって算出された、2つの快適感グループの総合得点を、不快感グループの保有確率推定手段(8-a)によって比較し、その大小関係を手がかりに、不快感グループの保有確率を示す対応表を参照して、回答者が潜在的に経験していた可能性の高い不快感グループを推定する。不快感グループは、内容の異なる複数の不快感の因子をまとめたものであり、前記の2つの快適感グループに対応する2つのグループがある。
感情語データベース(9)は、不快感に関連する感情語を、各語の所属する不快感因子の情報と共に保有している。感情語データベース(9)に含まれる感情語としては、例えば不快感を表現する8種類の因子(「怒り」、「疲労」、「嫌悪」、「倦怠」、「落胆」、「妬み」、「混乱」、「心配」)に属する、以下の感情語が例示される。
2.疲労:だるい、くたくたな、へとへとな
3.嫌悪:気持ち悪い、苦しい、逃げ出したい
4.倦怠:ひまな、退屈な、つまらない
5.落胆:落ち込んだ、くよくよした、がっかりした
6.妬み:嫉妬した、妬ましい、くやしい
7.混乱:あわてた、焦った、そわそわした
8.心配:心配な、うろたえた、気がかりな
推定結果出力手段(10)は、不快感グループの保有確率推定手段(8-a)による推定結果、すなわち回答者が潜在的に保有する確率の高い不快感グループの名前を、パソコンの画面への表示、印刷物への印字、電子ファイルへの出力といった、回答者や測定者とコミュニケーションできる媒体に出力する。ここで、推定結果は、推定された不快感グループに関連が深く、推定された不快感グループを測定する際における質問語として提案できる感情語と共に出力することができる。また、不快感推定システムが、不快感因子の保有確率推定手段(8-b)も有する場合は、その推定結果、すなわち回答者が保有する確率が高い不快感因子も合わせて出力される。更に、感情語データベース(9)を参照して、この不快感因子に関連する感情語を抽出し、併せて出力することができる。
図5におけるステップ(m)は、不快感推定において参照される快適感に係る得点を、不快感推定システムに取り込む快適感得点の取込ステップである。快適感の得点は、図2に示した快適感評価方法の演算ステップ(g)によって算出されたものである。ステップ(m)は、快適感評価方法のステップ(g)より、快適感の下位概念としての各因子について算出された、回答者が経験した快適感の得点を読み出し、これを次のステップ(n)へと引き渡す。
ステップ(n)は、ステップ(m)より渡された快適感の因子についての得点を材料として、複数の快適感因子より構成されたグループである快適感グループの得点を算出する。快適感グループは2つあり、快適感グループ得点は、それぞれを構成する快適感因子の総合得点として算出される。
ステップ(o)は、ステップ(n)において実施された快適感グループの得点比較の結果を基に、不快感グループの保有確率を示す対応表を参照して、回答者が潜在的に保有する確率の高い不快感グループを推定する。不快感グループは、内容の異なる複数の不快感の因子をまとめたものであり、前記の2つの快適感グループに対応する2つのグループがある。
ここで、更に以下のステップ(r)を行うことにより、不快感グループの推定にとどまらず、不快感の内容をより詳細に不快感の因子にまで細分化して推定を行うことができる。
ステップ(p)は、推定結果の記録ステップであり、ステップ(o)で推定された、回答者が保有している確率の高い不快感グループの名前と、その不快感グループを構成する不快感因子の名称を記録する。記録媒体は、例えば、ハードディスク、CD-R、CD-RW、DVD-R、DVD-RAM等のコンピュータ読み取りが可能な記録媒体が挙げられる。
ステップ(q)は、推定結果の出力ステップである。ステップ(q)では、ステップ(o)において推定された、回答者が保有している確率の高い不快感グループの名前と、その不快感グループを構成する不快感因子の名前を、パーソナル・コンピュータの画面、印刷物、電子ファイルといった、回答者や測定者とコミュニケーションができる媒体に出力する。ここで、ステップ(q)は、不快感に関する感情語を保存している感情語データベース(9)を参照することにより、推定された不快感グループと関連が深い感情語を選択し、不快感測定のための質問語として出力して提案することもできる。また、不快感グループからさらに細分化して、不快感因子の推定が行われた場合は、その推定結果を出力することもできる。
日常生活の中で経験される快適感について、快適感評価システムを用いた測定を行った。20代〜30代の女性72名に対し、入浴場面での快適感と、テレビでスポーツ観戦をしていて、応援しているチームが勝った時の快適感を想定させて、快適感評価システムを用いて回答させた。回答形式はリッカート法を採用し、質問語の示す感情を全く感じない場合を0点、はっきり感じる場合を3点とする4件法を用いた。
快適感評価システムの感情語データベースから、16因子の各因子に対して3語の質問語を抽出し、合計48語をランダムな呈示順序で、パーソナル・コンピュータの画面上に呈示した。キーボードを用いて回答された回答者の反応を元に、16因子の快適感得点が算出され、図3のようにグラフ化された。
グラフ及び素点の特徴から、入浴時の快適感は、安静・リラックス得点が最高点となり、活性的特徴を持つ因子の得点が低いことから、やすらぎ・癒し型と判定された。また、テレビによるスポーツ観戦は、安静・リラックス得点は低得点となり、熱中・興味得点、活気・陽気得点、ときめき得点といった活性的特徴を示す因子での得点が高くなったことから、娯楽・エネルギー型と判定された。この調査によって、日常生活において経験される快適感が、定量的に測定でき、その感情的な特徴の違いをグラフ化して示せることが確認された。
日常生活における快適な場面について想像し、快適感を評定したデータから回答者が潜在的に有している不快感を推測した場合について例示する。
生活場面「朝に、誰にも邪魔されずにゆっくり眠れたとき」について、快適感評価システムによって評価された快適感の得点が、次のようであったとする。
第2の処理として、快適感グループの得点算出手段(7)によって、16種類の快適感因子を、AとBの2つの快適感グループに分け、それぞれの総合得点を算出する。
各快適感グループの総合得点は、各快適感グループの中で、得点が0点ではない快適感因子の得点の平均値に重み係数をかけて算出される。
グループAの平均値は1.30、グループBの平均値は0.51となり、さらにグループBの値に重み係数2.0をかけてグループの得点を算出する。この結果、グループAの総合得点は1.30、グループBの総合得点は1.02となる。
第3の処理として、不快感推定手段(8)は、得点算出手段(7)によって算出された、グループA(1.30)とグループB(1.02)の総合得点を、不快感グループの保有確率推定手段(8-a)によって比較する。この場合、グループAの総合得点がグループBの総合得点よりも大きいため、不快感グループC(怒り、疲労、嫌悪、倦怠)の保有確率が高いと推定される。
最後に、推定結果出力手段(10)は、不快感グループの保有確率推定手段(8-a)による推定結果を、パソコンの画面への表示、印刷物への印字、電子ファイルへの出力といった、回答者や測定者とコミュニケーションできる媒体に出力する。
(1-a) 回答形式選択手段
(1-b) 質問語決定手段
(1-b-1) 教示文データベース
(1-b-2) 感情語抽出手段
(1-c) ユーザーによるカスタマイズ情報入力手段
(2) 感情語データベース
(3) 回答入出力手段
(3-a) 質問出力手段
(3-b) 回答入力手段
(3-c) 回答収集手段
(4) 演算手段
(5) 評価結果出力手段
(6) 快適感得点取込手段
(7) 快適感グループの得点算出手段
(8) 不快感推定手段
(9) 感情語データベース
(10) 推定結果出力手段
(a) 回答形式の選択ステップ
(b) 教示文決定ステップ
(c) 感情語抽出ステップ
(d) 質問出力ステップ
(e) 回答入力ステップ
(f) 回答収集ステップ
(g) 演算ステップ
(h) 記録ステップ
(i) 結果出力ステップ
(j) 測定者によるカスタマイズステップ
(k) グラフ作成ステップ
(l) 快適感タイプ判定ステップ
(m) 快適感得点の取り込みステップ
(n) 快適感グループ得点の算出及び比較ステップ
(o) 不快感グループの保有確率推定ステップ
(p) 推定結果記録ステップ
(q) 推定結果出力ステップ
(r) 不快感因子の保有確率推定ステップ
Claims (16)
- 次の手段(1)、(3)〜(5)及びデータベース(2)を有する快適感評価システム。
質問作成手段(1):測定者が快適感を評価する際の回答形式を選択する回答形式選択手段(1-a)と、前記選択された回答形式に適した教示文を教示文データベースが持つ教示文情報の中から選択して、回答形式が感情語の呈示を行わない形式である場合には教示文からなる質問を決定し、また回答形式が感情語の呈示を伴う場合には更に測定者が感情語データベース(2)より感情語を抽出して教示文と感情語との組み合わせからなる質問を決定する、質問語決定手段(1-b)を有する、質問を作成する手段。
感情語データベース(2):快適感に関連する感情語、快適感を構成する質の異なる複数の因子のどの因子に前記感情語が属するかの所属因子情報、及び各因子の得点の高低によって特定される快適感パターンに関する情報を記録したデータベース。
回答入出力手段(3):質問を回答者に呈示する質問出力手段(3-a)と、回答者の回答入力手段(3-b)と、回答を取り込む回答収集手段(3-c)を有する、回答を入出力する手段。
演算手段(4):回答収集手段(3-c)によって取り込まれた回答結果から、感情語データベース(2)に含まれる所属因子情報を参照して、複数の快適感因子に分けて得点を算出すると共に、感情語データベース(2)に含まれる快適感パターンに関する情報を参照し、快適感パターンを特定する手段。
評価結果出力手段(5):演算手段(4)によって得られた評価結果を出力する手段。 - 回答形式選択手段(1-a)で選択された感情語の呈示を行わない回答形式が自由回答形式であって、演算手段(4)において、回答された自然文に対して感情語データベース(2)に含まれる感情語の出現頻度の計測を行い、感情語データベース(2)に含まれる所属因子情報を参照して、快適感因子ごとの得点を算出する、請求項1に記載の快適感評価システム。
- 回答形式選択手段(1-a)で選択された感情語の呈示を伴う回答形式がリッカート法であって、演算手段(4)において、回答者に呈示された各感情語に回答者が与えた評定点に基づき、感情語データベース(2)に含まれる所属因子情報を参照して、快適感因子ごとの得点を算出する、請求項1に記載の快適感評価システム。
- 回答形式選択手段(1-a)で選択された感情語の呈示を伴う回答形式が強制選択法であって、演算手段(4)において、回答者によって選択された感情語に対して得点を与え、感情語データベース(2)に含まれる所属因子情報を参照して、快適感因子ごとの得点を算出する、請求項1に記載の快適感評価システム。
- 演算手段(4)が、算出された快適感の得点情報を回答者の回答と共に記録する記録手段を有するものである、請求項1〜4のいずれかに記載の快適感評価システム。
- 演算手段(4)によって算出された快適感をグラフ化するグラフ作成手段を有するものである、請求項1〜5のいずれかに記載の快適感評価システム。
- 質問作成手段(1)における質問作成に際して、測定者が任意で教示文及び/若しくは感情語の取捨選択、並びに/又は追記を行うカスタマイズ情報入力手段(1-c)を有するものである、請求項1〜6のいずれかに記載の快適感評価システム。
- 感情語データベース(2)から抽出される感情語が、快適感の中での異なる質を表現する16種類の因子(「熱中・興味」、「対人的好感情」、「強さ」、「やる気・前向き」、「豪華さ」、「ときめき」、「自信」、「感動」、「安静・リラックス」、「満足・幸福」、「爽快・リフレッシュ」、「親和・愛情」、「活気・陽気」、「気楽・気軽」、「開放感」、「達成感」)に属する2個以上の感情語の組み合わせである、請求項1〜7のいずれかに記載の快適感評価システム。
- 下記の(e)〜(i)のステップを含む快適感評価方法。
(e) 回答入力手段が、快適感評価に関する質問に対する回答を回答者に入力させる回答入力ステップ。
(f) 回答収集手段が、回答者が入力した回答をシステムにデータとして取り込む回答収集ステップ。
(g) 演算手段が、回答者からの回答を基に、感情語データベースに含まれる所属因子情報を参照して、回答に含まれる感情語を複数の快適感因子に分け、各因子に関する得点を算出し、感情語データベースに含まれる快適感パターンに関する情報を参照し、算出した得点から快適感パターンを特定する演算ステップ。
(h) 記録手段が、回答者の回答とステップ(g)で算出した快適感の得点情報を記録する回答・演算結果記録ステップ。
(i) 評価結果出力手段が、算出された快適感を表示する結果出力ステップ。 - ステップ(e)における質問の回答形式が自由回答形式であって、演算ステップ(g)において、回答された自然文に対して感情語データベースに含まれる感情語の出現頻度の計測を行い、感情語データベースに含まれる所属因子情報を参照して、快適感因子ごとの得点を算出する、請求項9に記載の快適感評価方法。
- ステップ(e)における質問の回答形式がリッカート法であって、演算ステップ(g)において、回答者に呈示された各感情語に回答者が与えた評定点に基づき、感情語データベースに含まれる所属因子情報を参照して、快適感因子ごとの得点を算出する、請求項9に記載の快適感評価方法。
- ステップ(e)における質問の回答形式が強制選択法であって、演算ステップ(g)において、回答者によって選択された感情語に対して得点を与え、感情語データベースに含まれる所属因子情報を参照して、快適感因子ごとの得点を算出する、請求項9に記載の快適感評価方法。
- ステップ(g)の処理結果から得られた快適感の得点をグラフ化するグラフ作成ステップ(k)を含む、請求項10〜12のいずれかに記載の快適感評価方法。
- 感情語が、快適感の中での異なる質を表現する16種類の因子(「熱中・興味」、「対人的好感情」、「強さ」、「やる気・前向き」、「豪華さ」、「ときめき」、「自信」、「感動」、「安静・リラックス」、「満足・幸福」、「爽快・リフレッシュ」、「親和・愛情」、「活気・陽気」、「気楽・気軽」、「開放感」、「達成感」)に属する2個以上の感情語の組み合わせである、請求項10〜13のいずれかに記載の快適感評価方法。
- 次の手段(6)〜(8)及び(10)を有する不快感推定システム。
快適感得点取込手段(6):請求項1〜8のいずれかに記載の快適感評価システムにおける演算手段(4)によって算出された、複数の快適感因子の個々の得点をシステムに取り込む手段。
快適感グループの得点算出手段(7):快適感得点取込手段(6)によって取り込んだ複数の快適感因子の個々の得点を、下記の快適感グループA及びBの2つに分類し、各グループの総合得点を算出する手段。
快適感グループA:「満足・幸福」、「安静・リラックス」、「爽快・リフレッシュ」、「気楽・気軽」及び「開放感」の5因子からなるグループ
快適感グループB:「熱中・興味」、「対人的好感情」、「強さ」、「やる気・前向き」、「豪華さ」、「ときめき」、「自信」、「感動」、「親和・愛情」、「活気・陽気」及び「達成感」の11因子からなるグループ
不快感推定手段(8):快適感グループの得点算出手段(7)によって算出された2つの快適感グループの総合得点を用いて、下記不快感グループC及びDのうち、いずれのグループに属する不快感が回答者に経験されていた可能性が高いかを、グループAの得点がグループBの得点よりも大きい場合はグループCの保有確率が高く、グループBの得点がグループAの得点よりも大きい場合はグループDの保有確率が高く、グループAとグループBの得点が同等である場合はグループCとグループDの保有確率が同等と推定する不快感グループの保有確率推定手段(8-a)を有する、不快感を推定する手段。
不快感グループC:「怒り」、「疲労」、「嫌悪」及び「倦怠」の4因子からなるグループ
不快感グループD:「落胆」、「妬み」、「混乱」及び「心配」の4因子からなるグループ
推定結果出力手段(10):推定結果を出力する手段。 - 不快感推定手段(8)が、快適感得点取込手段(6)によって取り込んだ複数の快適感因子の個々の得点から、最大の得点を持つ快適感因子を一つ決定し、対応表に照合して、個別の不快感因子の中から関連の深い上位3位までの不快感因子を推定する不快感因子の保有確率推定手段(8-b)を有するものである請求項15に記載の不快感推定システム。
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