JP5026047B2 - 自己免疫疾患の発症に関わる自己応答性t細胞またはt細胞受容体の同定方法、およびその利用 - Google Patents

自己免疫疾患の発症に関わる自己応答性t細胞またはt細胞受容体の同定方法、およびその利用 Download PDF

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本発明は、自己免疫疾患の発症に関わる自己応答性T細胞またはT細胞受容体の同定方法、およびその利用に関するものであり、より具体的には、T細胞受容体のCDR3領域を指標とした、自己免疫疾患の発症に関わる自己応答性T細胞またはT細胞受容体の同定方法、およびその利用に関するものである。
生物は、外界から体内に侵入してくる抗原を予測することはできない。したがって、生物は、T細胞受容体(T cell receptor;TCR)レパトアの多様性を維持することによって、多種多様な抗原に対応している。この場合、免疫システムを正常に機能させるためには、抗原に晒されていない状態において、T細胞受容体レパトアの多様性を維持することが、非常に重要であるといえる。
T細胞受容体の多様性は、抗原提示されたポリペプチドを認識する部分であるCDR(complementarity determining region)の多様性に依存している。CDRは、CDR1、CDR2およびCDR3と呼ばれる3つの領域を含み、当該3つの領域において抗原に結合する。CDR3は、さらにCDR3−αおよびCDR3−βの2つの領域を含み、当該2つの領域が、ポリペプチドを認識する上で、中心的な機能を有する(例えば、非特許文献1参照)。
現在までに、上記CDR3は、イムノグロブリンと同様に複数の遺伝子領域の組み合わせによって形成されることが知られている。そして、その組み合わせによって、塩基配列およびアミノ酸配列において、多種多様な長さと配列とを有するCDR3が形成され得ることが知られている。(例えば、非特許文献2参照)。そして、当該CDR3の多様性こそが、T細胞受容体の多様性を生み出す要因であるともいえる。
ところで、上述した免疫システムは、本来外界からの有害な異物の侵入に対する生体の防御機構として存在するものである。しかし、時にはこの免疫系の働きが、結果的に生体に有害であることがある。これを一般的にアレルギーと呼んでいる。生体は、外界からの異物に対するのみならず、自己の成分に対しても一種のアレルギー反応・自己免疫応答を起こすことが知られている。これを自己免疫現象(autoimmunity)と称し、これをもとにある病態が生じた場合には、自己免疫疾患(autoimmune disease)と称する。
自己免疫疾患は、全身性の疾患であるが、臓器特異性のある疾患と、特異性のない疾患の2つに大別される。臓器特異的自己免疫疾患には、橋本甲状腺炎(慢性甲状腺炎)、原発性粘液水腫、甲状腺中毒症(甲状腺剤中毒症)、悪性貧血、グッドパスチャー症候群、急性進行性糸球体腎炎、重症筋無力症、尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡、インスリン抵抗性糖尿病、若年性糖尿病、アジソン病、萎縮性胃炎(自己免疫性萎縮性胃炎)、男性不妊症、早発性更年期、水晶体原性ぶどう膜炎、交感性脈炎、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎、原発性胆汁性肝硬変、慢性活動性肝炎、自己免疫性溶血性貧血、発作性血色素尿症(発作性ヘモグロビン尿症)、特発性血小板減少性紫斑病、シェーグレン症候群がある。臓器非特異的自己免疫疾患には、関節リウマチ(慢性関節リウマチ)、全身性エリテマトーデス、円板状エリテマトーデス、多発性筋炎、強(鞏)皮症、混合結合組織病がある。
近年、上記自己免疫疾患の一部および他の疾患における病態の進行過程で、上記CDR3が重要な役割を果たしているものがあることが示唆されている。
例えば、上記多発性硬化症に似た病体の発症モデルマウスを作製するにあたって、ラット(例えば、Lewis rat)にミエリン塩基性タンパク質(myelin basic protein;MBP)を投与する方法が用いられている。そして、当該方法によって引き起こされたモデル疾患を、実験的自己免疫脳脊髄炎(experimental autoimmune encephalomyelitis;EAE)と呼ぶ。そして、実験的自己免疫脳脊髄炎においては、病態の進行において、CDR3が多様性を有することが重要な意味を有することが示唆されている(例えば、非特許文献3参照)。さらに具体的には、上記非特許文献3では、T細胞受容体のβ鎖のうち、CDR3を含むVβ17およびVβ8.2が、疾患の初期段階において、塩基配列の長さ、およびアミノ酸配列において多様性を有することが示されている。さらに、上記非特許文献3においては、Vβ17の塩基配列の長さおよびアミノ酸配列は、疾患が悪化するに伴って更に多様性を増すが、Vβ8.2の塩基配列の長さおよびアミノ酸配列は、疾患の初期段階から変化しないことが示されている。また、実験的自己免疫脳脊髄炎において、CDR3中のAsp-Ala-Gly-Gly-Gly-Tyr(DAGGGY)配列が、病態の進行において重要な役割を担っていることも示唆されている(例えば、非特許文献4参照)。
また、例えば、上記シェーグレン症候群の発症モデルマウスを作製するにあたって、α-fodrin peptideをマウスに投与する方法が用いられている。そして、シューグレン症候群を発症するマウスのCDR3の塩基配列およびアミノ酸配列は、類似の塩基配列およびアミノ酸配列を有することが示唆されている(例えば、非特許文献5参照)。
また、例えば、大顆粒リンパ球性白血病(large granular lymphocyte leukemia)における細胞増殖が、自己免疫反応と関連していることが示されている(例えば、非特許文献6参照)。そして、上記非特許文献6では、増殖性の大顆粒リンパ球のCDR3には、塩基配列およびアミノ酸配列において類似した領域が存在することが示されている。
Janko Nikolich-Zugich et al.,The Many Important Factors of T-cell Repertoire Diversity,Nature reviews/immunology,Vol.4,123-132,Feb 2004 Christophe Pannetier et al.,The sizes of the CDR3 hypervariable regions of the murine T-cell receptor β chains vary as a function of the recombined germ-line segment,Proc. Natl. Acad. Sci. USA,Vol.90,4319-4323,May 1993 Giok Kim et al.,CDR3 Size Spectratyping and Sequencing of Spectratype-Derived TCR of Spinal Cord T Cells in Autoimmune Encephalomyelitis,J. Immunol.,1998,160:509-513 Jason G. Huang et al.,The central residues of a T cell receptor sequence motif are key determinants of autoantigen recognition in murine experimental autoimmune encephalomyelitis,Eur. J. Immunol.,2005,35;299-304 Rieko Arakaki et al.,Development of Autoimmune Exocrinopathy Resembling Sjogren’s Syndrome in Adoptively Transferred Mice With Autoreactive CD4+ T Cells,ARTHRITIS & RHEUMATISM,Vol.48,No.12,Dec 2003,3603-3609 Marcin W. Wlodarski et al.,Pathologic clonal cytotoxic T-cell responses:nonrandom nature of the T-cell-receptor restriction in large granular lymphocyte leukemia,Blood,15,Oct 2005,Vol.106,No.8,2769-2780
上述したように、自己免疫疾患には多種多様な疾患が含まれており、各疾患の発症機構も異なると考えられている。したがって、各自己免疫疾患ごとに、発症を客観的に診断する技術を確立する必要がある。
上記自己免疫疾患のなかでも、特に本発明者らは関節リウマチに着目して研究を進めている。関節リウマチ(rheumatoid arthritis、以下「RA」ともいう)は、多発するびらん性関節炎を主徴とするが、同時に多臓器を障害する原因不明の全身性炎症疾患である。RAは寛解と増悪とを繰り返しながら慢性に進行し、無治療で放置すると関節の破壊や変形を来し、やがて運動器の機能障害を呈してくる。時には生命をも脅かす。したがって、RA患者は身体的にも精神的にも大きな苦痛を生涯に亘って背負うことになる。
上述のように、いくつかの自己免疫疾患については積極的な研究成果が数多く報告されているが、自己免疫疾患の発症または発症可能性を客観的に診断する技術は未だ十分に確立されているとはいえない。
このため、自己免疫疾患の発症または発症可能性についての客観的かつ正確な診断に寄与できる、新たな技術の確立が強く望まれていた。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、自己免疫疾患の発症または発症可能性について、客観的かつ正確な診断を可能とするための、自己免疫疾患の発症に関わる自己応答性T細胞またはT細胞受容体の同定方法、およびその利用を提供することにある。
本願発明者らは、独自に検討した結果、スーパー抗原の一種であるstaphylococcal entrotoxin B(SEB)を繰り返しマウスに投与すると、SEB応答性T細胞のアネルギー破綻と同時に、リウマチ因子(RF)が上昇することを見出している。そして、本願発明者らは、さらに上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、SEBを繰り返し投与したマウスでは、TCR遺伝子の再構成によって、抹消のVβ8T細胞のレパトアに偏りが生じること、つまり、CDR3の塩基配列およびアミノ酸配列において、長さや配列に偏りが生じることを見出して、本願発明を完成させるに至った。
すなわち、本願発明は産業上有用な方法またはその利用として、以下の(1)〜(12)を含むものである。
(1)自己免疫疾患の発症に関わる自己応答性T細胞またはT細胞受容体の同定方法であって、T細胞群におけるレパトアの多様性の偏りを検出する多様性検出工程を含む同定方法。
(2)上記多様性検出工程では、TCR遺伝子またはTCRタンパク質中のCDR3領域の多様性の偏りが検出される同定方法。
(3)上記CDR3領域の多様性の偏りは、以下の1)および2)、つまり、
1)TCR遺伝子中のCDR3領域を構成するポリヌクレオチドの長さの多様性を検出するポリヌクレオチド長検出工程
2)TCRタンパク質中のCDR3領域を構成するポリペプチドの長さの多様性を検出するポリペプチド長検出工程
の少なくとも一つの工程によって検出される同定方法。
(4)上記ポリヌクレオチド長検出工程では、TCR遺伝子中のCDR3領域が、39個のヌクレオチドから構成されているT細胞の割合と、TCR遺伝子中のCDR3領域が、39個以外のヌクレオチドから構成されているT細胞の割合とが比較され、上記ポリペプチド長検出工程では、TCRタンパク質中のCDR3領域が、13個のアミノ酸から構成されているT細胞の割合と、TCRタンパク質中のCDR3領域が、13個以外のアミノ酸から構成されているT細胞の割合とが比較される同定方法。
(5)上記ポリヌクレオチド長検出工程は、T細胞におけるTCR遺伝子中のCDR3領域の長さが、39個のヌクレオチドを中心として、正規分布しているか否かを検出する工程を含み、上記ポリペプチド長検出工程は、T細胞におけるTCRタンパク質中のCDR3領域の長さが、13個のアミノ酸を中心として、正規分布しているか否かを検出する工程を含む同定方法。
(6)上記ポリヌクレオチド長検出工程は、T細胞におけるTCR遺伝子中のCDR3領域が、30〜48個のヌクレオチドから構成されるように分布しているか否かを検出する工程を含み、上記ポリペプチド長検出工程は、T細胞におけるTCRタンパク質中のCDR3領域が、10〜16個のアミノ酸から構成されるように分布しているか否かを検出する工程を含む同定方法。
(7)上記CDR3領域の多様性の偏りは、以下の1)および2)、つまり、
1)TCR遺伝子中のCDR3領域を構成するポリヌクレオチドの塩基配列の多様性を検出する塩基配列検出工程
2)TCRタンパク質中のCDR3領域を構成するポリペプチドのアミノ酸配列の多様性を検出するアミノ酸配列検出工程
の少なくとも一つの工程によって検出される同定方法。
(8)上記塩基配列検出工程では、TCR遺伝子中のCDR3領域が、グリシン(G)、セリン(S)、スレオニン(T)、アスパラギン(N)およびグルタミン(Q)からなる群より選択されるアミノ酸のうち、少なくとも1つのアミノ酸が連続して配置されることによって形成される、2つのアミノ酸からなる親水性領域をコードするT細胞の割合と、当該親水性領域をコードしないT細胞の割合とが比較され、上記アミノ酸配列検出工程では、TCRタンパク質中のCDR3領域が、グリシン(G)、セリン(S)、スレオニン(T)、アスパラギン(N)およびグルタミン(Q)からなる群より選択されるアミノ酸のうち、少なくとも1つのアミノ酸が連続して配置されることによって形成される、2つのアミノ酸からなる親水性領域を有するT細胞の割合と、当該親水性領域を有さないT細胞の割合とが比較される同定方法。
(9)上記親水性領域を形成する2つのアミノ酸は、少なくとも一方がグリシン(G)である同定方法。
(10)上記自己免疫疾患が、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎、原発性胆汁性肝硬変、慢性活動性肝炎、自己免疫性溶血性貧血、発作性血色素尿症、特発性血小板減少性紫斑病、シェーグレン症候群、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、円板状エリテマトーデス、多発性筋炎、強皮症または混合結合組織病である同定方法。
(11)生体から分離された生体サンプルを用いて自己免疫疾患の発症または発症可能性を判定する方法であって、上記同定方法のいずれかによって自己応答性T細胞またはT細胞受容体を検出する工程を含む判定方法。
(12)上記同定方法のいずれかを実施するための同定キットであって、TCR遺伝子中のCDR3領域を増幅可能なプライマー対を含む同定キット。
本発明によれば、自己免疫疾患の発症に寄与する自己応答性T細胞およびT細胞受容体を同定することができるとともに、自己免疫疾患の発症または発症可能性について、客観的かつ正確な診断を可能にするという効果を奏する。
以下に本発明の、自己免疫疾患の発症に関わる自己応答性T細胞またはT細胞受容体の同定方法、自己免疫疾患の発症または発症可能性を判定する方法、および同定キットについて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔自己免疫疾患の発症に関わる自己応答性T細胞またはT細胞受容体の同定方法〕
本実施の形態の同定方法は、自己免疫疾患に関わる自己応答性T細胞のレパトアの多様性に偏りを生じるという、本願発明者によって独自に見出された事実に基づいている。以下に、本実施の形態の同定方法について説明する。
本実施の形態の同定方法は、自己免疫疾患の発症に関わる自己応答性T細胞またはT細胞受容体の同定方法である。
上記自己免疫疾患としては特に限定されないが、橋本甲状腺炎(慢性甲状腺炎)、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎、原発性胆汁性肝硬変、慢性活動性肝炎、自己免疫性溶血性貧血、発作性血色素尿症(発作性ヘモグロビン尿症)、特発性血小板減少性紫斑病、シェーグレン症候群、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、円板状エリテマトーデス、多発性筋炎、強(鞏)皮症、または混合結合組織病であることが好ましい。
本願発明者らは、発明者らが独自に開発した自己免疫疾患モデルマウスから得た知見に基づいて、本願発明を完成させるに至った。上記自己免疫疾患モデルマウスは、広く自己免疫疾患に共通した症状を示すが、自己免疫疾患のなかでも、上記自己免疫疾患に近い症状を示す。したがって、本実施の形態の同定方法において、自己免疫疾患が上述したものであれば、より正確に、T細胞群におけるレパトアの多様性の偏りを検出することができる。
また、上記T細胞としては特に限定されないが、免疫応答の活性化(ヘルパーT細胞)、抑制(サプレッサーT細胞)など免疫応答の制御、および、ウイルスが感染した細胞および癌細胞の傷害(キラーT細胞)や遅延型アレルギーなどに関与するリンパ球亜群が含まれる。
また、本実施の形態の同定方法は、T細胞群におけるレパトアの多様性の偏りを検出する多様性検出工程を含む。なお、本明細書において「レパトアの多様性」とは、抗原認識の多様性が意図される。上記多様性検出工程にて、T細胞群におけるレパトアの多様性の偏りを検出することによって、自己免疫疾患の発症に関わる自己応答性T細胞またはT細胞受容体を同定することができる。
上記多様性検出工程は、T細胞群におけるレパトアの多様性の偏りを検出し得るものであればよく、特に限定されないが、TCR遺伝子またはTCRタンパク質中のCDR3領域の多様性の偏りを検出することができる工程であることが好ましい。上述したように、TCR遺伝子およびTCRタンパク質は、CDR1、CDR2およびCDR3と呼ばれる3つの領域を含み、当該3つの領域において抗原に結合する。そして、ポリペプチドを認識する上で、上記3つの領域の中でもCDR3領域が中心的な機能を果たす。したがって、上記多様性検出工程において、TCR遺伝子またはTCRタンパク質中のCDR3領域の多様性の偏りを検出すれば、より正確に、T細胞群におけるレパトアの多様性の偏りを検出することができる。
本実施の形態の同定方法では、CDR3領域の多様性を検出するための指標は特に限定されないが、当該指標としては、例えば、1)CDR3領域を構成するポリヌクレオチドの長さ、2)CDR3領域を構成するポリペプチドの長さ、3)CDR3領域を構成するポリヌクレオチドの塩基配列、4)CDR3領域を構成するポリペプチドのアミノ酸配列、であることが好ましい。つまり、本実施の形態の同定方法では、T細胞群において、上記1)〜4)にて示される指標に偏りがあるか否かを検出することが好ましい。上記構成によれば、より容易にT細胞群におけるレパトアの多様性の偏りを検出することができる。
なお、本明細書において「ポリヌクレオチド」とは、「遺伝子」、「核酸」または「核酸分子」と交換可能に使用され、ヌクレオチドの重合体が意図される。さらに具体的には、ゲノムDNAやmRNAなどが意図されるが、これらに限定されない。また、本明細書にて「ポリペプチド」とは、「ペプチド」または「タンパク質」と交換可能に使用され、アミノ酸の重合体が意図される。
本実施の形態の同定方法では、上記1)〜4)にて示される指標の偏りは、それぞれ、ポリヌクレオチド長検出工程、ポリペプチド長検出工程、塩基配列検出工程、アミノ酸配列検出工程によって検出される。以下に、各工程について説明する。
<ポリヌクレオチド長検出工程>
ポリヌクレオチド長検出工程は、TCR遺伝子中のCDR3領域を構成するポリヌクレオチドの長さの多様性を検出することができる工程であればよく、特に限定されない。当該ポリヌクレオチド長検出工程において、T細胞群におけるレパトアの多様性の偏りを、TCR遺伝子中のCDR3領域を構成するポリヌクレオチドの長さの多様性の偏りを指標として検出することによって、自己免疫疾患の発症に関わる自己免疫応答性T細胞およびT細胞受容体を容易に同定することができる。つまり、正常なT細胞群では、TCR遺伝子中のCDR3領域を構成するポリヌクレオチドの長さの多様性に偏りがないが、自己免疫応答性T細胞群では、TCR遺伝子中のCDR3領域を構成するポリヌクレオチドの長さの多様性に偏りを生じる場合がある。したがって、TCR遺伝子中のCDR3領域を構成するポリヌクレオチドの長さの多様性の偏りを検出することによって、自己免疫疾患の発症に関わる自己免疫応答性T細胞およびT細胞受容体を同定することが可能となる。
上述したように、自己免疫応答性T細胞群では、CDR3領域を構成するポリヌクレオチドが、ある特定の配列および長さを有するポリヌクレオチドに偏っている。このとき、偏って存在しているポリヌクレオチドの長さは特に限定されないが、例えば、39個のヌクレオチドからなるポリヌクレオチドである場合を一例として挙げることができる。なお、これは単なる一例であって、本願発明の本質は、「T細胞群におけるレパトアの多様性の偏りを検出する」ことにある。したがって、当該実施の形態は、単なる一例にすぎず、これによって、本願発明を狭義に解釈すべきではないことは明らかである。
この場合、上記ポリヌクレオチド長検出工程は、TCR遺伝子中のCDR3領域が、39個のヌクレオチドから構成されているT細胞の割合と、TCR遺伝子中のCDR3領域が、39個以外のヌクレオチドから構成されているT細胞の割合とを比較可能な工程であることが好ましい。
また、偏って存在しているポリヌクレオチドの、他のポリヌクレオチドに対する存在比率も特に限定されないが、T細胞群が、CDR3領域が特定の数のヌクレオチド(例えば、39個のヌクレオチド)から構成されているT細胞を中心として、偏って存在(例えば略正規分布)していれば、抗原認識において何らかの異常が生じていることが推定される。
また、39個以外のヌクレオチドから構成されているCDR3領域としては特に限定されないが、30〜38、40〜48個のヌクレオチドから構成されていることが好ましい。上記構成によれば、自己免疫疾患の発症に関わる自己応答性T細胞またはT細胞受容体を容易に同定することができる。
例えば、上記ポリヌクレオチド長検出工程は、PCR法によってCDR3領域を増幅するPCR増幅工程を有するものであることが好ましい。当該PCR増幅工程を用いれば、生体サンプルから、CDR3領域に相当するポリヌクレオチドを一度に増幅することができる。そして、上記ポリヌクレオチド長検出工程では、増幅されたポリヌクレオチドと、マーカー(例えば、化学合成によって作製された39個のポリヌクレオチドからなるDNA断片)とが同時に電気泳動され、電気泳動後のゲルが染色されることによって増幅された各ポリヌクレオチドの長さと、各ポリヌクレオチドの量比が検出される。
上記PCR増幅工程に用いるサンプルには、例えばT細胞のゲノムDNAまたはmRNAなどが含まれていればよい。上記サンプルにT細胞のゲノムDNAが含まれている場合には、CDR3領域を増幅可能なように適宜プライマーを設定した後、PCR反応を行い、当該PCR反応後の増幅されたポリヌクレオチドを電気泳動すればよい。なお、上記プライマーとしては、CDR3領域を増幅可能なものであればよく、特に限定されない。また、上記サンプルにT細胞のmRNAが含まれている場合には、公知の方法によってmRNAを分離し、当該mRNAからcDNAを合成してもよい。そして、上記プライマーと、鋳型として当該cDNAとを用いたPCR反応によって、CDR3領域を増幅する。そして、PCR反応後の増幅されたポリヌクレオチドを電気泳動すればよい。
以上のようにして、T細胞群におけるレパトアの多様性の偏りを検出することができ、それによって、自己免疫疾患の発症に関わる自己免疫応答性T細胞およびT細胞受容体を同定することが可能となる。
<ポリペプチド長検出工程>
ポリペプチド長検出工程は、TCRタンパク質中のCDR3領域を構成するポリペプチドの長さの多様性を検出することができる工程であればよく、特に限定されない。当該ポリペプチド長検出工程において、T細胞群におけるレパトアの多様性の偏りを、TCRタンパク質中のCDR3領域を構成するポリペプチドの長さの多様性の偏りを指標として検出することによって、自己免疫疾患の発症に関わる自己免疫応答性T細胞およびT細胞受容体を容易に同定することができる。つまり、正常なT細胞群では、TCRタンパク質中のCDR3領域を構成するポリペプチドの長さの多様性に偏りがないが、自己免疫応答性T細胞群では、TCRタンパク質中のCDR3領域を構成するポリペプチドの長さの多様性に偏りを生じる場合がある。したがって、TCRタンパク質中のCDR3領域を構成するポリペプチドの長さの多様性の偏りを検出することによって、自己免疫疾患の発症に関わる自己免疫応答性T細胞およびT細胞受容体を同定することが可能となる。
上述したように、自己免疫応答性T細胞群では、CDR3領域を構成するポリペプチドが、ある特定の配列および長さを有するポリペプチドに偏っている。このとき、偏って存在しているポリペプチドの長さは特に限定されないが、例えば、13個のアミノ酸からなるポリペプチドである場合を一例として挙げることができる。なお、これは単なる一例であって、本願発明の本質は、「T細胞群におけるレパトアの多様性の偏りを検出する」ことにある。したがって、当該実施の形態は、単なる一例にすぎず、これによって、本願発明を狭義に解釈すべきではないことは明らかである。
この場合、上記ポリペプチド長検出工程は、TCRタンパク質中のCDR3領域が、13個のアミノ酸から構成されているT細胞の割合と、TCRタンパク質中のCDR3領域が、13個以外のアミノ酸から構成されているT細胞の割合とを比較可能な工程であることが好ましい。
このとき、偏って存在しているポリペプチドの、他のポリペプチドに対する存在比率も特に限定されないが、T細胞群が、CDR3領域が特定の数のアミノ酸(例えば、13個のアミノ酸)から構成されているT細胞を中心として、偏って存在(例えば略正規分布)していれば、抗原認識において何らかの異常が生じていることが推定される。
また、13個以外のアミノ酸から構成されているCDR3領域としては特に限定されないが、10〜12、14〜16個のアミノ酸から構成されていることが好ましい。上記構成によれば、自己免疫疾患の発症に関わる自己応答性T細胞またはT細胞受容体を容易に同定することができる。
例えば、本実施の形態のポリペプチド長検出工程は、上記ポリヌクレオチド長検出工程を含むものであってもよい。この場合、ポリヌクレオチド長検出工程において検出されたCDR3領域を構成するポリヌクレオチドをアミノ酸に置き換えることによって、T細胞群におけるレパトアの多様性の偏りを検出することができる。そして、それによって、自己免疫疾患の発症に関わる自己免疫応答性T細胞およびT細胞受容体を同定することが可能となる。
<塩基配列検出工程>
塩基配列検出工程は、TCR遺伝子中のCDR3領域を構成するポリヌクレオチドの塩基配列の多様性を検出することができる工程であればよく、特に限定されない。当該塩基配列検出工程において、T細胞群におけるレパトアの多様性の偏りを、TCR遺伝子中のCDR3領域を構成するポリヌクレオチドの塩基配列の多様性の偏りを指標として検出することによって、自己免疫疾患の発症に関わる自己免疫応答性T細胞およびT細胞受容体を容易に同定することができる。つまり、正常なT細胞群では、TCR遺伝子中のCDR3領域を構成するポリヌクレオチドの塩基配列の多様性に偏りがないが、自己免疫応答性T細胞群では、TCR遺伝子中のCDR3領域を構成するポリヌクレオチドの塩基配列の多様性に偏りを生じる。したがって、TCR遺伝子中のCDR3領域を構成するポリヌクレオチドの塩基配列の多様性の偏りを検出することによって、自己免疫疾患の発症に関わる自己免疫応答性T細胞およびT細胞受容体を同定することが可能となる。
上述したように、自己免疫応答性T細胞群では、CDR3領域を構成するポリヌクレオチドが、ある特定の塩基配列を有するポリヌクレオチドに偏っている。このとき、偏って存在しているポリヌクレオチドの塩基配列は特に限定されないが、これらの塩基配列をアミノ酸に翻訳すると、例えば、当該塩基配列には、グリシン(G)、セリン(S)、スレオニン(T)、アスパラギン(N)およびグルタミン(Q)からなる群より選択されるアミノ酸のうち、少なくとも1つのアミノ酸が連続して配置されることによって形成される、2つのアミノ酸からなる親水性領域をコードする塩基配列が含まれている。
したがって、上記塩基配列検出工程は、TCR遺伝子中のCDR3領域が、グリシン(G)、セリン(S)、スレオニン(T)、アスパラギン(N)およびグルタミン(Q)からなる群より選択されるアミノ酸のうち、少なくとも1つのアミノ酸が連続して配置されることによって形成される、2つのアミノ酸からなる親水性領域を有するT細胞の割合と、当該親水性領域を有さないT細胞の割合とを比較することができる工程であることが好ましい。また、このとき、上記親水性領域が有する2つのアミノ酸は、少なくとも一方がグリシン(G)であることが更に好ましい。
上記親水性領域はCDR3領域中にあればよく、CDR3領域中の位置は特に限定されない。また、CDR3領域中の親水性領域の数も特に限定されない。
例えば、上記塩基配列検出工程は、上述したポリヌクレオチド長検出工程と同様に、PCR法によってCDR3領域を増幅するPCR増幅工程を有するものであることが好ましい。当該増幅工程を用いれば、T細胞群を含む生体サンプルから、CDR3領域に相当するポリヌクレオチドを一度に増幅することができる。なお、PCR増幅工程に用いるプライマーは特に限定されず、CDR3領域を増幅可能なように適宜設定すればよい。そして、増幅されたポリヌクレオチドをベクターに挿入して、当該ベクターに挿入されたポリヌクレオチドの配列を読むことによって、CDR3領域を構成するポリヌクレオチドの塩基配列を確認するとともに、TCR遺伝子中のCDR3領域を構成するポリヌクレオチドの塩基配列の多様性に偏りがあるか否かを確認することができる。そして、その結果、自己免疫疾患の発症に関わる自己免疫応答性T細胞およびT細胞受容体を容易に同定することができる。なお、上記ベクターとしては特に限定されず、適宜公知のベクターを用いることができる。また、ポリヌクレオチドの塩基配列は、適宜公知の方法によって確認することができる。
<アミノ酸配列検出工程>
アミノ酸配列検出工程は、TCRタンパク質中のCDR3領域を構成するポリペプチドのアミノ酸配列の多様性を検出することができる工程であればよく、特に限定されない。当該アミノ酸配列検出工程において、T細胞群におけるレパトアの多様性の偏りを、TCRタンパク質中のCDR3領域を構成するポリペプチドのアミノ酸配列の多様性の偏りを指標として検出することによって、自己免疫疾患の発症に関わる自己免疫応答性T細胞およびT細胞受容体を容易に同定することができる。つまり、正常なT細胞群では、TCRタンパク質中のCDR3領域を構成するポリペプチドのアミノ酸配列の多様性に偏りがないが、自己免疫応答性T細胞群では、TCRタンパク質中のCDR3領域を構成するポリペプチドのアミノ酸配列の多様性に偏りを生じる。したがって、TCRタンパク質中のCDR3領域を構成するポリペプチドのアミノ酸配列の多様性の偏りを検出することによって、自己免疫疾患の発症に関わる自己免疫応答性T細胞およびT細胞受容体を同定することが可能となる。
上述したように、自己免疫応答性T細胞群では、CDR3領域を構成するポリペプチドが、ある特定のアミノ酸配列を有するポリペプチドに偏っている。このとき、偏って存在しているポリペプチドのアミノ酸配列は特に限定されないが、例えば、当該アミノ酸配列には、グリシン(G)、セリン(S)、スレオニン(T)、アスパラギン(N)およびグルタミン(Q)からなる群より選択されるアミノ酸のうち、少なくとも1つのアミノ酸が連続して配置されることによって形成される、2つのアミノ酸からなる親水性領域が含まれている場合が多い。
したがって、上記アミノ酸配列検出工程は、TCRタンパク質中のCDR3領域が、グリシン(G)、セリン(S)、スレオニン(T)、アスパラギン(N)およびグルタミン(Q)からなる群より選択されるアミノ酸のうち、少なくとも1つのアミノ酸が連続して配置されることによって形成される、2つのアミノ酸からなる親水性領域を有するT細胞の割合と、当該親水性領域を有さないT細胞の割合とを比較することができる工程であることが好ましい。また、このとき、上記親水性領域が有する2つのアミノ酸は、少なくとも一方がグリシン(G)であることが更に好ましい。
上記親水性領域はCDR3領域中にあればよく、CDR3領域中の位置は特に限定されない。また、CDR3領域中の親水性領域の数も特に限定されない。
例えば、上記アミノ酸配列検出工程は、上述したポリヌクレオチド長検出工程と同様に、PCR法によってCDR3領域を増幅するPCR増幅工程を有するものであることが好ましい。当該増幅工程を用いれば、T細胞群を含む生体サンプルから、CDR3領域に相当するポリヌクレオチドを一度に増幅することができる。なお、PCR増幅工程に用いるプライマーは特に限定されず、CDR3領域を増幅可能なように適宜設定すればよい。そして、増幅されたポリヌクレオチドをベクターに挿入して、当該ベクターに挿入されたポリヌクレオチドの配列を読むことによって、CDR3領域を構成するポリペプチドのアミノ酸配列を確認するとともに、TCRタンパク質中のCDR3領域を構成するポリペプチドのアミノ酸配列の多様性に偏りがあるか否かを確認することができる。そして、その結果、自己免疫疾患の発症に関わる自己免疫応答性T細胞およびT細胞受容体を容易に同定することができる。なお、上記ベクターとしては特に限定されず、適宜公知のベクターを用いることができる。また、ポリヌクレオチドの塩基配列は、適宜公知の方法によって確認することができる。
〔自己免疫疾患の発症または発症可能性を判定する方法〕
本実施の形態の判定方法は、自己免疫疾患の発症または発症可能性を判定する方法であって、本願発明の自己免疫疾患の発症に関わる自己応答性T細胞およびT細胞受容体の同定方法の何れかを用いるものである。本願発明の同定方法については先に詳細に説明したので、ここでは説明を省略することにする。
本実施の形態の判定方法は、生体から分離された生体サンプルを用いるものである。上記生体サンプルはT細胞を含むものであればよく、特に限定されない。例えば、上記生体サンプルには、T細胞のポリヌクレオチドが含まれることが好ましい。生体サンプル中にT細胞群由来のポリヌクレオチドが含まれる場合には、本願発明の同定方法を用いることによって、自己免疫疾患の発症または発症可能性を簡便に判定することができる。
上記生体サンプルが由来する生体としても特に限定されない。例えば、上記生体としては、自己免疫疾患に罹患し得る生体であることが好ましい。具体的には、上記生体は、ヒト、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ウサギ、サル、チンパンジー等であることが好ましい。上記生体由来の生体サンプルを用いることによって、自己免疫疾患の発症または発症可能性を判定することができる。
上記生体サンプルを分離する組織としても特に限定されず、T細胞を含む組織から適宜分離することができる。具体的には、上記生体サンプルは、抹消リンパ組織から分離することが好ましい。さらに、抹消リンパ組織としては、例えば、リンパ節、脾(臓)、抹消血、腸付属リンパ組織(gut‐associated lymphoid tissue(扁桃、Peyer板など))などを挙げることができる。抹消リンパ組織には多くのT細胞が含まれているので、抹消リンパ組織から生体サンプルを分離すれば、本実施の形態の自己免疫疾患の判定方法においてより多くのデータ(CDR3領域の長さやアミノ酸配列の多様性など)を収集することができる。その結果、より正確に自己免疫疾患の発症または発症可能性を判定することができる。
〔同定キット〕
本発明の同定キットは、本発明の自己免疫疾患の発症に関わる自己応答性T細胞またはT細胞受容体の同定方法を実施するためのものであればよく、これに含まれる具体的な構成、材料、機器等は、特に限定されるものではない。具体的には、上記同定方法の各工程を実施するための物が含まれていればよい。例えば、TCR遺伝子のCDR3領域を増幅するためのプライマーが含まれることが好ましい。
上記プライマーは、T細胞群が有する多様性に富んだCDR3領域を同時に増幅可能なものであればよく、その具体的な配列は特に限定されるものではない。
以下実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔方法〕
2匹のBALB/Cマウス(雌、7週齢)に対し、SEB(25μg)を5日毎に8回免疫した。最終免疫から9日後にサクリファイスを行い、B細胞およびCD8T細胞を除去した脾細胞から、Dyna beads(DYNAL社製)を用いてVβ8細胞を単離した。なお、Vβ8細胞の具体的な単離方法は、添付のプロトコールに従った。
得られたCD4・Vβ8細胞からtotal RNAを抽出した。そして、抽出したtotal RNAを用いて逆転写反応を行ってcDNAを作製した。
次いで、上記cDNAを鋳型としてPCR反応を行い、CDR3領域に対応するDNA断片を増幅した。なお、当該PCR反応には、Vβ8.3プライマーおよびCβプライマーを用い、反応条件は以下の条件であった。95℃にて12分間の前変性処理を行った後、94℃にて30秒間の変性反応、63℃にて40秒間のアニーリング反応(−1℃/cycle)、および72℃にて50秒間の伸長反応からなる反応サイクルを10回行った。その後、引き続いて、94℃にて30秒間の変性反応、54℃にて40秒間のアニーリング反応、および72℃にて50秒間の伸長反応からなる反応サイクルを25回行った。そして、最後に、72℃にて5分間の伸長反応を1回行った。
Vβ8.3プライマー:5’-TGCTGGCAACCTTCGAATAGGA-3’(配列番号1)
Cβプライマー :5’-CTTGGGTGGAGTCACATTTCTC-3’(配列番号2)
次いで、増幅されたDNA断片をTOPOベクター(Invitrogen社製)にクローニングし、当該ベクターを用いて大腸菌を形質転換した。なお、形質転換された大腸菌を、カナマイシンを含有するLB培地上で選択した。
大腸菌のコロニーを単離し、各コロニーを液体培養した。培養した大腸菌からプラスミドを抽出したあと、各プラスミドに挿入されているCDR3領域の塩基配列を確認した。
〔結果1〕
上述したように、上記実験は、2匹のBALB/Cマウス(以下、各々をNo.1個体、No.2個体と呼ぶ)に対して行った。上記実験の結果、No.1個体からは、21種類のCDR3領域の塩基配列が得られた。また、No.2個体からは、15種類のCDR3領域の塩基配列が得られた。
図1に、得られた塩基配列から換算した、CDR3領域のアミノ酸配列の長さと、その存在比率との関係を示した。図1から明らかなように、SEBを投与したBALB/Cマウスでは、CDR3領域は13アミノ酸であるものが最も多く存在し、13アミノ酸を境にして拡散するように偏って分布していた。つまり、SEBを投与したBALB/Cマウスでは、CDR3領域は、13アミノ酸に偏って存在していた。さらに具体的には、13アミノ酸配列からなるCDR3領域の割合は、No.1個体においては52.4%(11/21)であり、No.2個体においては33.3%(5/15)であった。
〔結果2〕
次いで、No.1個体由来の21種類のCDR3領域のアミノ酸配列、およびNo.2個体由来の15種類のCDR3領域のアミノ酸配列に共通した特徴的な配列が存在するか否かについて検討した。
表1には、No.1個体由来の21種類のCDR3領域のアミノ酸配列が、20アミノ酸表記と8アミノ酸表記との2種類の表記法にて示されている。また、表2には、N0.2個体由来の15種類のCDR3領域のアミノ酸配列が、20アミノ酸表記と8アミノ酸表記との2種類の表記法にて示されている。なお、20アミノ酸表記と8アミノ酸表記との対応関係を、表3に示す。
Figure 0005026047
Figure 0005026047
Figure 0005026047
表1および表2から明らかなように、SEBを投与したBALB/Cマウスでは、20アミノ酸表記においてGG(以下、Gly-Gly motifと呼ぶ)にて示される親水性アミノ酸配列を高頻度で含むことが明らかになった。さらに具体的には、Gly-Gly motifを含むCDR3領域の割合は、No.1個体においては38.1%(8/21)であって、No.2個体では33.3%(5/15)であった。
また、さらに詳細にCDR3領域のアミノ酸配列を検討した結果、表1および表2から明らかなように、SEBを投与したBALB/Cマウスでは、8アミノ酸表記においてDD、DE、EDまたはEEにて示される親水性アミノ酸配列を高頻度に含むことが明らかになった。さらに具体的には、上記4種類の親水性アミノ酸配列を含むCDR3領域の割合は、No.1個体においては71.4%(15/21)であって、No.2個体では80.0%(12/15)であった。
なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態や実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の定方法およびその利用は、関節リウマチをはじめとした自己免疫疾患の発症のメカニズムの解明に有効に利用することができると考えられる。また、本発明によれば、関節リウマチ等の自己免疫疾患の発症またはその発症可能性を高精度に簡便かつ確実に行うことができる。それゆえ、本発明は自己免疫疾患の予防および治療の分野において、高い利用可能性を有しているといえる。
本実施例において行ったCDR3領域を構成するポリペプチドの長さの多様性を解析した結果を示す図である。

Claims (8)

  1. 自己免疫疾患の発症に関わる自己応答性T細胞またはT細胞受容体の同定方法であって、
    T細胞群におけるレパトアの多様性の偏りを検出する多様性検出工程を含み、
    上記多様性検出工程では、TCR遺伝子またはTCRタンパク質中のCDR3領域の多様性の偏りが検出され、
    上記CDR3領域の多様性の偏りは、以下の1)および2)の少なくとも一つの工程によって検出されることを特徴とする同定方法。
    1)TCR遺伝子中のCDR3領域を構成するポリヌクレオチドの長さの多様性を検出するポリヌクレオチド長検出工程であって、TCR遺伝子中のCDR3領域が、39個のヌクレオチドから構成されているT細胞の割合と、TCR遺伝子中のCDR3領域が、39個以外のヌクレオチドから構成されているT細胞の割合とが比較される工程
    2)TCRタンパク質中のCDR3領域を構成するポリペプチドの長さの多様性を検出するポリペプチド長検出工程であって、TCRタンパク質中のCDR3領域が、13個のアミノ酸から構成されているT細胞の割合と、TCRタンパク質中のCDR3領域が、13個以外のアミノ酸から構成されているT細胞の割合とが比較される工程。
  2. 上記ポリヌクレオチド長検出工程は、T細胞におけるTCR遺伝子中のCDR3領域の長さが、39個のヌクレオチドを中心として、正規分布しているか否かを検出する工程を含み、
    上記ポリペプチド長検出工程は、T細胞におけるTCRタンパク質中のCDR3領域の長さが、13個のアミノ酸を中心として、正規分布しているか否かを検出する工程を含むことを特徴とする請求項に記載の同定方法。
  3. 上記ポリヌクレオチド長検出工程は、T細胞におけるTCR遺伝子中のCDR3領域が、30〜48個のヌクレオチドから構成されるように分布しているか否かを検出する工程を含み、
    上記ポリペプチド長検出工程は、T細胞におけるTCRタンパク質中のCDR3領域が、10〜16個のアミノ酸から構成されるように分布しているか否かを検出する工程を含むことを特徴とする請求項またはに記載の同定方法。
  4. 自己免疫疾患の発症に関わる自己応答性T細胞またはT細胞受容体の同定方法であって、
    T細胞群におけるレパトアの多様性の偏りを検出する多様性検出工程を含み、
    上記多様性検出工程では、TCR遺伝子またはTCRタンパク質中のCDR3領域の多様性の偏りが検出され、
    上記CDR3領域の多様性の偏りは、以下の1)および2)の少なくとも一つの工程によって検出されることを特徴とする同定方法。
    1)TCR遺伝子中のCDR3領域を構成するポリヌクレオチドの塩基配列の多様性を検出する塩基配列検出工程であって、TCR遺伝子中のCDR3領域が、グリシン(G)、セリン(S)、スレオニン(T)、アスパラギン(N)およびグルタミン(Q)からなる群より選択されるアミノ酸のうち、少なくとも1つのアミノ酸が連続して配置されることによって形成される、2つのアミノ酸からなる親水性領域をコードするT細胞の割合と、当該親水性領域をコードしないT細胞の割合とが比較される工程
    2)TCRタンパク質中のCDR3領域を構成するポリペプチドのアミノ酸配列の多様性を検出するアミノ酸配列検出工程であって、上記アミノ酸配列検出工程では、TCRタンパク質中のCDR3領域が、グリシン(G)、セリン(S)、スレオニン(T)、アスパラギン(N)およびグルタミン(Q)からなる群より選択されるアミノ酸のうち、少なくとも1つのアミノ酸が連続して配置されることによって形成される、2つのアミノ酸からなる親水性領域を有するT細胞の割合と、当該親水性領域を有さないT細胞の割合とが比較される工程
  5. 上記親水性領域を形成する2つのアミノ酸は、少なくとも一方がグリシン(G)であることを特徴とする請求項に記載の同定方法。
  6. 上記自己免疫疾患が、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎、原発性胆汁性肝硬変、慢性活動性肝炎、自己免疫性溶血性貧血、発作性血色素尿症、特発性血小板減少性紫斑病、シェーグレン症候群、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、円板状エリテマトーデス、多発性筋炎、強皮症または混合結合組織病であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の同定方法。
  7. 生体から分離された生体サンプルを用いて自己免疫疾患の発症または発症可能性を判定する方法であって、
    請求項1〜の何れか1項に記載の同定方法によって自己応答性T細胞またはT細胞受容体を検出する工程を含むことを特徴とする判定方法。
  8. 請求項1〜の何れか1項に記載の同定方法を実施するための同定キットであって、
    TCR遺伝子中のCDR3領域を増幅可能なプライマー対を含むことを特徴とする同定キット。
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