JP5014383B2 - 人工椎間移植片 - Google Patents

Description

本発明は、人工椎間移植片に関する。
［関連出願の相互参照］

本出願は、２００４年２月２０日に出願された米国仮特許出願第６０／５４６，２３０号の出願日の利得を主張するものであり、この仮特許出願の開示は、参照することによってここに含まれるものとする。

成人脊柱の骨と結合組織は、１つの前方円板と２つの後方椎間関節から成る３継手複合体によって互いに連続的に連結された２０以上の分離した骨から構成されている。隣接骨の前方円板は、椎間板と呼ばれる軟骨スペーサによって、衝撃が緩和されるようになっている。これらの２０以上の骨は、４つの分類、すなわち、頚椎、胸椎、腰椎、又は仙椎の１つの部材として解剖学的に類別されている。頭蓋骨の基部に至る脊椎の上部を構成する脊椎の頚椎部分は、最初の７つの椎骨を備えている。中間の１２の骨は、胸椎であり、５つの腰椎から成る下側脊椎に接続している。脊椎の基部は、（尾骨を含む）仙骨から構成されている。頚椎の構成骨は、一般的に、胸椎の構成骨よりも小さく、胸椎の構成骨は、腰椎領域の構成骨よりも小さい。仙骨領域は、骨盤の側方に接続している。

脊柱は、互いに連結されたこれらの２０以上の骨を備え、無数の末梢神経とその近傍の循環体を有する神経システムの重大な要素を収容かつ保護する点において、極めて複雑である。これらの複雑さにもかかわらず、脊椎は、大きな屈曲性とほぼあらゆる方向における捩じれを可能にする極めて柔軟性のある構造である。

外科的介入を必要とする脊椎病変をもたらすいくつかの原因として、遺伝的又は発育的な異常、外傷、慢性ストレス、腫瘍、及び変性損耗が挙げられる。人工組立体を脊柱内又は脊柱上に移植することによって、隣接骨の固定化及び／又は融合を達成する種々のシステムが、当技術分野において開示されている。固定される必要のある背中の領域、並びに生体構造の個々の異なる箇所が、適切な外科プロトコルと移植組立体を決定することになる。椎間板の損傷に関して、体内融合ケージへの関心が高まっているが、その理由は、このケージが腹腔鏡を用いて脊椎の前部内に移植され、これによって、手術室時間、患者の回復時間、及び乱切を低減することができるからである。椎間体ケージの側斜視図と移植後の脊柱の前方斜視図がそれぞれ示されている図６ａ及び図６ｂを参照して、先行技術のこれらの装置をここでより詳しく説明する。これらのケージ１０１は、一般的に、外面ネジ１０３を有する管状金属体１０２を備えている。これらのケージは、脊椎１０４の軸を横切って、隣接椎体の接合部に予め形成された円筒孔内に挿入されている（図６ｂでは、１対のケージ１０１が、第５腰椎（Ｌ５）と仙椎（Ｓ１）の上部との間に挿入されている）。２つのケージ１０１は、一般的に、外面ネジ１０３を上側の椎骨（Ｌ５）の下面と下側の椎骨（Ｓ１）の上面内にねじ込み、並んで挿入される。ケージ１０１は、隣接骨が成長することになる孔１０５を備えている。ケージ内への骨の成長を刺激又は促進するために、付随的な材料、例えば、自家骨移植材料がケージ１０１の中空内部１０６内に挿入されてもよい。端末蓋（図示せず）を利用して、骨移植材料をケージ１０１内に保持することが多い。

先行技術のこれらのケージは、融合を促進し、かつ適切な椎間板高さに著しく近づける点において、医学的な成功を得ている。しかし、隣接骨の融合は、疾患を治療せず、むしろ骨の安定した橋架けによって内在する病変を単純に覆うことになるので、この病変に対して不完全な解決策しかもたらさないことに注意することが重要である。この骨融合は、脊柱の全体的な柔軟性を制限し、患者の正常な運動を人工的に拘束している。この拘束は、融合された直後の継手によって通常生じる運動の付加的な応力がすぐ隣の脊椎関節と椎間板に伝達されるので、患者の脊椎に付随的な損傷をもたらすことがある。従って、融合を促進せず、むしろ自然の椎間軟骨の生体力学的な挙動を模倣し、これによって、正常な運動と応力分布の継続を可能とする移植組立体をもたらすことになれば、当技術分野において、著しい進展が得られるだろう。

米国特許出願第１０／２５６、１６０号明細書

従って、本発明の目的は、椎間空間の全体にわたって、骨融合を促進することなく、骨を安定化させる椎間スペーサを提供することにある。

本発明のさらに他の目的は、正常な運動を依然として可能としながら、脊椎を安定化させる移植装置を提供することにある。

本発明のさらに他の目的は、患者の脊椎への生体力学的な応力の異常な分布を促進することがない椎間空間に移植される装置を提供することにある。

本発明のさらに他の目的は、脊椎の軸を横切る基板の制限された回転をもたらす人工椎間板を提供することにある。

本発明のさらに他の目的は、椎間空間内の中央に位置する運動の重心に対する基板の制限された角運動をもたらす人工椎間板を提供することにある。

本発明のさらに他の目的は、圧縮負荷を支持する人工椎間板を提供することにある。

本発明のさらに他の目的は、基板が軸方向において互いに接離して浮遊することを可能
にする人工椎間板を提供することにある。

本発明のさらに他の目的は、張力負荷を支持する人工椎間板を提供することにある。

本発明のさらに他の目的は、基板の互いに対する横方向移動を阻止する人工椎間板を提供することにある。

本発明のさらに他の目的は、椎間空間内の中央に位置する運動の重心をもたらす人工椎間板を提供することにある。

本発明のさらに他の目的は、隣接椎体の凹面に適合する外向き面を有する人工椎間板の基板を提供することにある。

明示的には述べられていない本発明の他の目的は、以下に開示される好ましい実施形態の説明と関連して述べるが、これによってさらに明瞭に理解されるだろう。

前述の目的は、各々が外向き面を有する１対の支持部材（例えば、離間した基板）を有する人工椎間板又は椎間スペーサ装置である本発明によって、達成されるものである。本発明の人工椎間板は、隣接椎体の対向する終板間に配置されることになるので、基板は、外向き面が互いに外方を向いた実質的に平行な平面配向で（又は適切な前弯角に従って互いにいくらかずれて）配置されている。基板は、椎体に対して回転せず、むしろ脊椎分節がそれらの自然の運動を模倣する態様で互いに対して屈曲する（いくつかの実施形態では、互いに対して軸方向に圧縮する）ことを可能とすべく、椎体と嵌合するようになっている。この自然の運動は、固定された基板間に配置された球部材を用いるボール／ソケット式継手の動作によって可能とされ、椎骨への基板の固定は、各基板の外向き面に取り付けられた椎体接触要素の使用によって、達成されるとよい。

好ましくは、椎体接触要素は、制限はされないが、以下のもの、すなわち、特許文献１（米国特許出願第１０／２５６、１６０号）に開示されているような、凸状メッシュ、凸状中実ドーム、及び１つ以上のスパイクの１つ以上を含んでいる。この特許出願の開示は、参照することによってここに含まれるものとする。

本発明のボール／ソケット継手は、基板の１つと一体に形成された帯金を他の基板の溝内に捕捉することによって、２つの要素間の回転を可能とするものである。帯金は、好ましくは、２つの基板間に配置されたボールの湾曲と実質的に等しい湾曲を有する内面を有し、これによって、ボールの中心点の周りの帯金の回転と角運動を可能とするものである。これは、さらに１つの基板の他の基板に対する角運動と回転運動を可能とするものである。

他の基板、すなわち、第２基板の溝は、帯金が少なくとも所望の角運動及び回転の範囲でボールの中心点の周りに自在に移動することを可能とするために、帯金よりも広い寸法を有している。加えて、溝は、第１基板とボールとの間の空間と関連して、まさに２つの基板の軸方向運動中において、溝の下面と接触する帯金の能力を制限するような深さを有している。

好ましい一実施形態において、溝の端は、帯金が溝内においてボールの中心点の周りに角運動及び回転するときに帯金と溝との間の磨耗と裂傷を低減させるように、互いに対して傾斜している。

本発明の一実施形態において、人工椎間板は、上面と、下面と、それらの間に延在する開口とを有する第１基板を備えている。第1基板は、上面と、下面と、第１端と、第２端とを有する帯金をさらに備えている。帯金の端は、互いに隔たって位置し、帯金の一部が開口の下に位置するように、第1基板の下面に取り付けられている。

また、本発明の人工椎間移植片は、上面と、下面と、上面に露出された空洞とを有する第２基板も備えている。空洞は、好ましくは、第1側壁と第２側壁とを有する溝を備え、これらの側壁は、互いに隔たっている。中心点を有する球面要素が、第1基板の開口内に配置され、帯金の上に位置している。球面要素は、好ましくは、帯金が溝内に配置され、その溝に捕捉されるように、第２基板の第1側壁と第２側壁に取り付けられ、これによって、第1基板と第２基板を、球面要素の中心点の周りに移動する帯金によって、角運動方向及び回転方向において互いに移動することを可能としている。

第1側壁と第２側壁は、各々、窪みを備え、球面要素が、それぞれの窪みにおいて、第1側壁と第２側壁に取り付けられているとよい。加えて、第１側壁と第２側壁は、第1基板又は第２基板の回転運動中に帯金が溝内における拡大された運動範囲を有するように、傾斜した複数の端を有しているとよい。

また、本発明の人工椎間移植片は、下面を有するカバーも備えているとよい。カバーは、好ましくは、カバーが球面要素上に位置するように開口内に少なくとも部分的に配置され、これによって、球面要素をカバーと帯金との間に捕捉するように、設計されている。

本発明のいくつかの実施形態において、カバーは、蓋と柱とを備え、第１基板の上面は、開口を中心として周方向に延在する凹部をさらに備え、カバーの柱が開口内に圧入され、カバーの蓋が凹部内に圧入されているとよい。

第２基板の溝は、下面を有しているとよく、球面要素は、頂点を有しているとよい。加えて、溝の下面と球面要素の頂点との間の距離は、好ましくは、カバーの下面と帯金の下面との間の距離よりも大きい。さらに好ましくは、帯金の上面とカバーの下面との間の距離は、球面要素の直径よりも大きい。従って、これら２つの組合せによって、第１基板と第２基板は、軸方向において、互いに移動することが可能となる。

本発明の好ましい一実施形態において、カバーの下面と帯金の上面は、第１基板が角運動方向と回転方向の両方において第２基板に対して移動するときに、帯金とカバーが球面要素の中心点の周りに枢動するように、球面要素の曲率半径と実質的に等しい曲率半径を有している。

本発明の一態様では、帯金の上面とカバーの下面との間の距離は、第１基板と第２基板が軸方向において互いに移動し得るように、関節要素の長さよりも大きくなっている。

カバーの下面と帯金の上面は、帯金とカバーが関節要素を中心として移動し得るように、関節要素の曲率半径と実質的に等しい曲率半径を有しているとよい。

本発明の他の態様において、開口は、帯金によって部分的に画成され、第1基板内に含まれないとよい。

本発明の他の態様において、関節要素は、第１要素に対して固定され、帯金は、関節要素と第1要素との間に捕捉されているとよい。

本発明による装置の分解斜視図である。 図１の装置の分解断面図である。 Ｙ軸に沿った図１の装置の組立断面図である。 Ｙ軸に沿った図１の装置の組立斜視断面図である。 Ｙ軸に沿った図１の装置の組立断面図である。 本発明に用いられる下側基板の平面図である。 人工椎間板の先行技術の実施形態を示す図である。 人工椎間板の先行技術の実施形態を示す図である。

以下、添付の図面に基づいて、本発明を説明する。ここに記載される実施形態は、本発明を例示するためのもので、本発明を制限すると決して考えられるべきではない。

図１に示されるように、本発明による人工椎間移植片（人工椎間板）１は、好ましくは、上側基板１０と、下側基板１２と、ボール１４と、カバー１６とを備えている。上側基板１０には、上面２０と下面２２とが設けられている。上面２０の境界線内に配置されているのは、凹部２４である。凹部２４は、円形スカート２６を備え、この円形スカート２６は、上面２０に隣接して配置され、凹部２４の外側境界線を画成している。凹部２４は、その凹部の下限を画成する肩２８をさらに備えている。開口３０が、肩２８に隣接して配置され、その肩から上側基板１０の下面２２に延在している。

図２に最も良好に示されるように、開口３０は、肩２８と下面２２に隣接してそれらの間に延在する周壁３２によって、画成されている。また、図２に示されるように、上側基板１０は、帯金３４を備えている。帯金３４は、好ましくは、実質的に半球状の内面３６と実質的に半球状の外面３８とを備えている。内面３６と外面３８は、それらの２つの面間に延在して帯金３４の隔たった２つの側面を画成する縁４０，４０’を介して、互いに繋がっている。内面３６と外面３８は、互いに隔たった端を有し、好ましくは、第１面取り端４２と第２面取り端４４とを有している。面取り端４２，４４は、上側基板１０の下面２２から下側基板１２に向かって下方に延在し、帯金３４を上側基板１０に接続している。帯金３４は、上側基板１０と一体であってもよい。以下に説明するように、帯金３４の半球状内面３６のみならず開口３０も、好ましくは、ボール１４の半径よりも少なくともわずかに大きい半径を有している。

図１及び図２に例示されるように、下側基板１２は、好ましくは、上面５０と下面５２とを備えている。上面５０は、好ましくは、下側基板１２の中心部の近くに露出した空洞５４を備えている。空洞５４は、好ましくは、溝５６と、溝５６の周囲に位置する対向側壁６０，６１に配置された１対の窪み５８，５９とを備えている。溝５６は、好ましくは、方向Ｘから見たとき、略半円形状を有し、対向側壁６０，６１は、窪み５８、５９に隣接して位置し、Ｙ方向に延在している。溝５６は、好ましくは、帯金３４よりも大きい寸法を有し、これによって、人工椎間板１が組み込まれ、帯金が溝５６の境界内に配置されたとき、以下に述べるように、帯金３４は、溝５６の底又は側壁６０，６１と接触することがない。溝５６は、方向Ｘから見たとき、半円形状を有するとして示されているが、溝５６の形状は、それが充分に大きく、人工椎間板１が組み込まれた時に帯金３４が溝５６の底に接触しない限り、本発明にとって不可欠なものではない。説明を明確にすると、以下に述べるように、帯金３４と溝５６の寸法と形状は、ボール１４が下側基板１２に固定されたとき、帯金３４が溝５６の側壁６０，６１間の空間内でボール１４を中心として自在に移動可能であるように決められることが、理解されるべきである。すでにそれとなく指摘したように、窪み５８，５９は、それぞれ、対向側壁６０，６１に配置され、好ましくは、以下に述べるように、ボール１４を相補的に支持するような半球状の形状を有している。

ボール１４は、開口３０内に嵌入され、かつ帯金３４に支持されることが可能であるように、寸法決めされている。組立の方法において、ボール１４は、上面２０の凹部２４を通して、開口３０内に配置されることになる。

図１及び図２に最も良好に示されるように、カバー１６は、好ましくは、上面６６と下面６８とを備えている。カバー１６は、上面６６と下面６８との間に延在する周縁７０をさらに備えている。上面６６、下面６８及び縁７０は、カバー１６の蓋部７２を画成している。カバー１６は、下面６８に隣接してそこから下方に延在する周スカート７６を有する円筒柱７４をさらに備えている。柱７４は、好ましくは、凹状の下面７８をさらに備え、その凹面は、カバー１６の蓋部７２内に延在しているとよい。（図２において最も良好に示されている）凹状の下面７８の曲率半径は、好ましくは、ボール１４の湾曲と近似するように構成されている。好ましい実施形態において、円筒柱７４は、上側基板１０内に延在する開口３０の直径よりもわずかに小さい直径を有している。

組立の方法において、ボール１４は、上側基板１０の帯金３４によって支持されるように、開口３０内に配置される。続いて、カバー１６が、上側基板１０の凹部２４内に配置され、好ましくは、円筒柱７４が開口３０内に圧入されるか又は係止される。加えて、好ましい実施形態では、蓋部７２が、カバー１６の縁７０を上側基板のスカート２６に係合させることによって、上側基板１０に圧入されてもよい。

図４Ａ及び図４Ｂに良好に示されるように、帯金３４は、好ましくは、側壁６０及び６１によって画成される溝５６の幅よりも小さい縁４０から縁４０’に延在する幅を有している。この構成によって、帯金３４と上側基板１０は、軸Ｚ（図１）と平行の軸を中心としてボール１４の中心点の周りに回転（角運動及び回転運動）することが可能となっている。このような横断面における相対的な回転は、溝５６の側壁６０及び６１と帯金３４の縁４０及び４０’間の制限された空間によって、ある程度制限されている。

図５に示されるような好ましい一実施形態において、溝５６の側壁６０及び６１は、側壁６０及び６１に対する帯金３４の縁４０及び４０’によって生じる過剰な磨耗又は線接触を招くことなく、所望の回転及び角運動範囲に適合し、及び／又は回転を所望の角度範囲内に制限するために、それぞれの端８０，８１，８２，８３において、互いに傾斜している。すなわち、もし側壁６０及び６１が傾斜していない場合、縁４０及び４０’は、側壁内に食い込み、装置の多数回の関節運動の間に望ましくない磨耗特性を引き起こすことになるだろう。しかし、もし側壁６０及び６１が、目的とする最大の軸方向回転範囲において帯金３４の縁４０及び４０’と一直線に並ぶように傾斜している場合、縁４０及び４０’は、側壁６０及び６１と同一平面上で衝突し、これによって、磨耗片を最小限に抑制し、装置の磨耗特性を改善することになる。

軸Ｚと直交する軸を中心とする上側基板１０の回転（又は関節運動）、すなわち、下側基板２０に対する（横方向曲げ関節運動及び屈曲−伸張関節運動）は、上側基板１０の下面２２と下側基板１２の上面５０との間の距離によって、制限されるようにすることが可能である。換言すれば、このような関節運動は、２つの面２２及び５０が互いに接触するとき、停止されることになる。この距離は、以下にさらに述べるように、下側基板２０における側壁６０及び６１のそれぞれの窪み５８及び５９の位置（深さ）と下側基板の溝５６の寸法に加えて、ボール１４の大きさを適切に設計することによって、決定されるようにすることができる。

上側基板１０の上面２０と下側基板２０の下面５２は、好ましくは、隣接する椎骨の終板の凹形状に適合するような凸形状を有するように、設計されている。同様に、カバー１６の上面６６は、好ましくは、凸状に設計され、図１及び図３に最も良好に示されるように、上側基板１０の上面２０の滑らかな延長部になっている。

本発明の人工椎間板１を組み立てるには、すでに述べたように、ボール１４が、上側基板１０の凹部２４を通して帯金３４によって支持されるように、開口３０内に配置される。ボール１４が帯金３４の半球状の内面３６上に置かれているので、帯金は、図４Ａ及び図４Ｂに最も良好に例示されているように、ボール１４の部分１４Ａ及び１４Ｂがそれぞれの窪み５８及び５９と接触して、下側基板１２の溝５６内に配置されることになる。次いで、ボール１４の部分１４Ａ及び１４Ｂは、例えば、溶接又は接着剤によって、それぞれの窪み５８及び５９に固定され、これによって、ボールは、下側基板１２に固定され、帯金３４は、ボール１４によって溝５６内に保持される。これは、上側基板１０が下側基板１２から離脱するのを防ぐことにもなる。次に、カバー１６が、上側基板１０の凹部２４内に配置される。好ましくは、カバー１６は、圧縮係止、ねじ込み、接着剤などによって、上側基板１０に固定されるとよい。

組立が終了した後、人工椎間板１は、椎骨の隣接終板間に移植されるようにすることが可能である。帯金３４、従って、上側基板１０は、下側基板１２に対するあらゆる方向において、ボール１４の中心の周りに関節運動及び回転することが可能となる。上側基板１０と下側基板１２との間の距離は、軸Ｚと直交する軸を中心とする関節運動を制限するものである。さらに、上側基板１０は、（軸Ｚに沿って）下側基板１２に接離して移動することができ、このような平行移動は、ボール１４と溝５６の下面との間の距離と共にカバー１６とボール１４との間の空間によって、制限される。角運動と回転（軸Ｚと直交する軸を中心とする回転）は、帯金３４の幅と溝５６の幅との間の差異によって制限され、好ましくは、溝５６の対向壁６０及び６１は、側壁６０及び６１に対する縁４０及び４０’の過剰な磨耗及び線接触を招くことなく、所望の運動範囲に適合し、及び／又は運動を所望の角度範囲内に制限するために、互いに対して、傾斜している。

代替的に、図面に示されていないが、帯金３４の縁４０及び４０’及び／又は溝５６の側壁６０及び６１は、必ずしも平らである必要はなく、湾曲（凹状／凸状）の形状であってもよく、これによって、帯金と溝との間のより滑らかな接触が得られることになる。

具体的な実施形態に基づいて、本発明を説明したが、これらの実施形態は、本発明の原理と応用の単なる例示にすぎないことが、理解されるべきである。従って、例示された実施形態に対して多くの修正がなされてもよいこと、及び添付の請求項によって定義される本発明の精神と範囲から逸脱することなく、他の構成が考案されてもよいことが理解されるべきである。

１ 人工椎間移植片
１０ 上側基板（第１基板）
１２ 下側基板（第１要素、第２基板）
１４ ボール（関節要素）
２０ 上面
２２ 下面
３０ 開口
３４ 帯金

Claims (3)

1. 上面と、下面と、前記上面から前記下面に延在する開口と、第１端及び第２端を有する帯金とを有する第１基板であって、前記帯金の前記第１端及び前記第２端は、互いに隔たって位置し、前記第１基板の前記下面に取り付けられ、前記帯金において前記第１端から前記第２端まで延在する部分が、前記開口の下に位置するような第１基板と、
   前記第１基板と並列に配置された第２基板であって、上面と、下面と、前記第２基板の前記上面に露出された空洞とを有し、前記空洞は、溝と、該溝の周囲に位置する１対の対向壁に配置された１対の窪みを有する第２基板と、
   前記帯金によって少なくとも部分的に画成された前記開口内に配置され、前記帯金の底部分の上に位置する関節要素であって、前記関節要素は、前記第２基板の前記１対の対向側壁に固定され、前記関節要素は、前記関節要素の半径よりも少なくともわずかに大きい半径を有している前記帯金の半球状内面上に置かれ、前記帯金は、前記関節要素の中心点回りに回転することが可能になっており、前記帯金の前記底部分は、前記関節要素と前記第２基板との間で角運動することが可能である、関節要素と、
   を備えた人工椎間移植片。
2. 前記帯金は、連続的であることを特徴とする、請求項１に記載の人工椎間移植片。
3. 前記開口は、前記帯金から前記第１基板の前記上面に延在していることを特徴とする、請求項１に記載の人工椎間移植片。

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