JP4962958B2 - 可視光応答型光触媒 - Google Patents

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Description

本発明は、有機光触媒と吸着材とを含む可視光応答型光触媒に関する。
光触媒とは、光エネルギーの投入により生じる酸化力・還元力を用いて化学反応を促進させる触媒であり、一般的には有害物質等を分解する機能を有することが知られている。この光触媒は、有毒な薬品や化石燃料を使用せず、光のエネルギーを利用するだけで、分解されにくい種々の化学物質を安全かつ容易に分解することができるため、環境にやさしい環境浄化材料として脚光を浴びている。
現在、光触媒材料として、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛、酸化タングステン等の無機化合物からなる光触媒が知られている。中でも酸化チタンは、その光触媒作用の大きさや安全性、また、資源的・コスト的な観点からも最も優れた材料であることから広く研究されており、実用化された製品も出されている(非特許文献1を参照)。
この酸化チタンは、紫外領域の光により光触媒活性が発現されるが、自然光のうちエネルギー密度3%相当の紫外光が利用されているにすぎない。そのため、太陽光エネルギー変換効率の観点からは、自然光エネルギー密度の約半分を占める可視光を有効に活用できる光触媒が望まれる。
ところで、有機化合物からなる光触媒については、ポリパラフェニレン及びその誘導体等が報告されている(非特許文献2を参照)。これらは、酸化条件で不安定な材料であり、酸素存在下や気(湿潤空気)相や水を含む液相での利用が困難である等の問題点を有している。
近年、フタロシアニン等のp型有機半導体と、ペリレン誘導体等のn型有機半導体からなる二層膜が、可視光応答型光触媒として働くことが報告されている(特許文献1)。しかしながら、実用的な条件ではその被処理物に対する分解効率は必ずしも高くないため、さらなる改善の余地があった。
国際公開第2006/115271号パンフレット 図解 光触媒のすべて(橋本和仁・藤嶋昭 監修)、工業調査会(2003) J. Chem. Soc. Faraday Trans., 93, 221 (1997)
本発明は、被処理物の分解効率が高い可視光応答型光触媒を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するため鋭意研究を行った結果、特許文献1に記載されるp型有機半導体とn型有機半導体とを含む有機光触媒に、所定の吸着材を組み合わせることにより、被処理物に対する分解効率が飛躍的に向上することを見いだした。本発明者は、かかる知見に基づき更に研究を行った結果本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の可視光応答型光触媒、その製法、及び該光触媒の使用方法を提供する。
項1. p型有機半導体とn型有機半導体と吸着材とを含有する可視光応答型光触媒。
項2. 前記p型有機半導体の表面の全部又は一部に前記吸着材が接触してなる項1に記載の可視光応答型光触媒。
項3. p型有機半導体層及びn型有機半導体層が積層した二層構造を有する項1又は2に記載の可視光応答型光触媒。
項4. p型有機半導体層の厚さが5〜500 nm程度である項1〜3のいずれかに記載の可視光応答型光触媒。
項5. 吸着材層上に、p型有機半導体層及びn型有機半導体層がこの順に積層した三層構造を有する項1〜4のいずれかに記載の可視光応答型光触媒。
項6. p型有機半導体の材料が、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、及びポルフィリン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種である項1〜5のいずれかに記載の可視光応答型光触媒。
項7. n型有機半導体の材料が、フラーレン類、カーボンナノチューブ類、電子供与体をドープした導電性高分子、ペリレン誘導体、及びナフタレン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種である項1〜6のいずれかに記載の可視光応答型光触媒。
項8. 前記吸着材が、活性炭、活性アルミナ、モレキュラーシーブ、シリカゲル、粘土、イオン交換樹脂、キトサン及び有機ゲルからなる群から選ばれる少なくとも1種である項1〜7のいずれかに記載の可視光応答型光触媒。
項9. p型有機半導体とn型有機半導体と吸着材とを含有する可視光応答型光触媒の製造方法であって、吸着材上にp型有機半導体及びn型有機半導体を積層することを特徴とする製造方法。
項10. 前記p型有機半導体及びn型有機半導体を吸着材上に真空蒸着法を用いて積層する項9に記載の製造方法。
項11. 気相又は水相中の有機物又は無機物を分解する方法であって、光照射下で項1〜8のいずれかに記載の可視光応答型光触媒を有機物又は無機物と接触させて分解する方法。
本発明のp型有機半導体とn型有機半導体と吸着材とからなる光触媒は、光照射により、被処理物に対して高い分解効率を有している。特に、可視光全域の光エネルギーを利用できるため、太陽光(自然光)を充分に利用できる点において非常に有効な光触媒である。
本発明の光触媒では、p型有機半導体とn型有機半導体とからなる有機光触媒及び吸着材が結合してなる。吸着材により触媒反応面の被処理物濃度を高めて、該有機光触媒上での反応速度が高められる。そのため、低濃度の汚染物質を効率的に吸着及び分解することができる。
通常、吸着材に対し、p型有機半導体とn型有機半導体とを積層させるだけで製造でき、成形加工が極めて容易であるため実用性が高い。
有機材料は一般に酸化分解しやすいが、本発明の有機光触媒は気相又は液相中において安定に機能する。もちろん、屋外だけでなく室内でも利用可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の可視光応答型光触媒は、p型有機半導体とn型有機半導体と吸着材とを含む。具体的には、p型有機半導体からなる部分(バルク層)とn型有機半導体からなる部分(バルク層)とが接し合う構造を有する有機光触媒及びその上に吸着材が結合乃至接触した構造を有している。
本発明の光触媒では、光照射によりp型有機半導体材料とn型有機半導体材料が接する界面で電子キャリアと正孔キャリアが生じ、単方向性の光誘起電子移動が起こる。この光照射下で生じたキャリアが被処理物(例えば、有機物、窒素、硫黄又はリンを含む無機物等)の分解に用いられる。しかも、吸着材により触媒反応面の被処理物濃度を高めることができるため、該有機光触媒上での反応効率が飛躍的に高められる。
p型有機半導体
p型有機半導体としては、大環状の配位子化合物又はその金属錯体が挙げられる。大環状の配位子化合物とは、不対電子を有する原子を環上に含み、金属の配位子となり得る環状化合物の意であり、また、その金属錯体とは、該大環状配位子と金属原子からなる金属化合物の意味である。不対電子を有する原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子が挙げられ、窒素原子が好ましい。金属原子としては、周期律表1〜15族の各金属元素が挙げられ、好ましくは4〜14族の金属元素である。また、金属錯体は、例えば、該金属原子と大環状の配位子化合物とが1:1、1:2又は2:1(モル比)からなり、平面4配位の錯体を形成するものであればよい。
大環状の配位子化合物又はその金属錯体の具体例としては、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体等が挙げられる。
フタロシアニン誘導体とは、フタロシアニンの基本骨格を有する化合物を意味する。具体的には、例えば、下記式(1A)又は(1B):
Figure 0004962958
(式中、M1は、周期律表4〜14族からなる群から選ばれる金属原子又はその金属原子を含む原子団を示し、点線は配位結合を示す。各ベンゼン環上には置換基を有していてもよい。)
で表されるフタロシアニン誘導体が挙げられる。
1で示される周期律表4〜14族の金属原子のうち好ましくは、4族(特に、Ti)、5族(特に、V)、6族(特に、Mo)、7族(特に、Mn)、8族(Fe, Ru, Os)、9族(Co, Rh, Ir)、10族(Ni, Pd, Pt)、11族(特に、Cu)、12族(特に、Zn)、13族(特に、Al)、14族(特に、Pb)が挙げられる。また、該金属原子を含む原子団としては、該金属に他の配位子(例えば、酸素、シアノ基)が配位したもの(例えば、Ti-O)を意味する。
ベンゼン環上の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基、それらの塩等が挙げられる。各ベンゼン環上には、上記置換基が1〜3個置換されていてもよい。
アルキル基としては、C1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられる。例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル等が挙げられる。
アルコキシ基としてはC1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基が挙げられる。例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等が挙げられる。
スルホン酸基又はカルボキシル基が塩を形成する場合、該塩としては、例えばアルカリ金属(例、ナトリウム、カリウム等)塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
アミノ基が塩を形成する場合、該塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、蟻酸塩、酢酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
上記のうち、式(1A)で表されるフタロシアニン、又は式(1B)においてM1がTi, Co, Pt, Os, Mn, Ir, Fe, Rh, Cu, Zn, Ni, Pd又はRuであるフタロシアニン誘導体が好ましく、特に有機物或いは窒素、硫黄又はリンを含む無機物の分解に対する光触媒活性の点から(1A)の無金属のフタロシアニンや(1B)の鉄フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、コバルトフタロシアニンが好ましい。これらの化合物は、いずれも市販されているか又は当業者が容易に製造することができる。
ナフタロシアニン誘導体とは、ナフタロシアニンの基本骨格を有する化合物を意味する。具体的には、例えば、下記式(2A)又は(2B):
Figure 0004962958
(式中、M2は、周期律表4〜14族からなる群から選ばれる金属原子又はその金属原子を含む原子団を示し、点線は配位結合を示す。各ナフタレン環上には置換基を有していてもよい。)
で表されるナフタロシアニン誘導体が挙げられる。
ナフタレン環上の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基、それらの塩等が挙げられる。各ナフタレン環上には、上記置換基が1〜3個置換されていてもよい。
アルキル基としては、C1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられる。例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル等が挙げられる。
アルコキシ基としてはC1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基が挙げられる。例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等が挙げられる。
スルホン酸基又はカルボキシル基が塩を形成する場合、該塩としては、例えばアルカリ金属(例、ナトリウム、カリウム等)塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
アミノ基が塩を形成する場合、該塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、蟻酸塩、酢酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
2で示される周期律表4〜14族の金属原子のうち好ましくは、4族(特に、Ti)、5族(特に、V)、6族(特に、Mo)、7族(特に、Mn)、8族(Fe, Ru, Os)、9族(Co, Rh, Ir)、10族(Ni, Pd, Pt)、11族(特に、Cu)、12族(特に、Zn)、13族(特に、Al)、14族(特に、Pb)が挙げられる。また、該金属原子を含む原子団としては、該金属に他の配位子(例えば、酸素、シアノ基)が配位したもの(例えば、Ti-O)を意味する。
上記のうち、式(2A)表されるナフタロシアニン、又は式(2B)においてM2がTi, Co, Pt, Os, Mn, Ir, Fe, Rh, Cu, Zn, Ni, Pd又はRuであるナフタロシアニン誘導体が好ましく、特に有機物或いは窒素、硫黄又はリンを含む無機物の分解に対する光触媒活性の点から(2A)の無金属のナフタロシアニンや(2B)の鉄ナフタロシアニン、亜鉛ナフタロシアニン、コバルトナフタロシアニンが好ましい。これらの化合物は、いずれも市販されているか又は当業者が容易に製造することができる。
ポルフィリン誘導体とは、ポルフィリンの基本骨格を有する化合物を意味する。具体的には、例えば、下記式(3A)又は(3B):
Figure 0004962958
(式中、R3は、水素原子、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基、又はヘテロアリール基、M3は、周期律表4〜14族からなる群から選ばれる金属原子又はその金属原子を含む原子団を示し、点線は配位結合を示す)
で表されるポルフィリン誘導体が挙げられる。
ここで、上記のR3で示されるアルキル基としては、C1−20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられ、好ましくはC1−10のアルキル基である。具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどが挙げられる。
また、上記のR3で示される置換基を有してもよいアリール基のアリール基としては、単環又は2環のアリール基が挙げられ、具体的にはフェニル、ナフチル等が挙げられる。該アリール基の置換基としては、カルボキシル基、スルホン酸基等が挙げられる。R3として好ましくは、p−カルボキシフェニル基、p−スルホフェニル基である。
また、上記のR3で示されるヘテロアリール基としては、ピリジル、ピラジニル等が挙げられる。
3で示される周期律表4〜14族の金属原子のうち好ましくは、4族(特に、Ti)、5族(特に、V)、6族(特に、Mo)、7族(特に、Mn)、8族(Fe, Ru, Os)、9族(Co, Rh, Ir)、10族(Ni, Pd, Pt)、11族(特に、Cu)、12族(特に、Zn)、13族(特に、Al)、14族(特に、Pb)が挙げられる。また、該金属原子を含む原子団としては、該金属に他の配位子(例えば、酸素、シアノ基)が配位したもの(例えば、Ti-O)を意味する。
上記のうち、式(3A)で表されるポルフィリン、又は式(3B)においてM3がTi, Co, Pt, Os, Mn, Ir, Fe, Rh, Cu, Zn, Ni, Pd又はRu、R3がフェニル又は水素原子であるポルフィリン誘導体が好ましく、特に有機物或いは窒素、硫黄又はリンを含む無機物の分解に対する光触媒活性の点から(3A)の無金属のポルフィリンや(3B)の鉄ポルフィリン、亜鉛ポルフィリン、コバルトポルフィリンが好ましい。これらの化合物は、いずれも市販されているか又は当業者が容易に製造することができる。
n型有機半導体
また、n型有機半導体としては、多環式芳香族化合物が挙げられる。該多環式芳香族化合物は、一部が飽和していても良い。多環式芳香族化合物とは、少なくとも2個以上の芳香環が縮環した構造を有する化合物、或いは複数の芳香環が不飽和結合(二重結合、三重結合等)を介して結合した構造を有する化合物等を意味する。芳香環としては、ベンゼン環等のほかに、ピロール環、イミダゾール環、ピリジン環、キノキサリン環等の複素芳香環も含まれる(いずれの環も一部が飽和していても良い)。
多環式芳香族化合物には、本発明に悪影響を与えない範囲で、種々の置換基を有していても良い。置換基としては、電子吸引基が挙げられ、具体的にはカルボニル基、スルホン基、スルホキシド基等が挙げられる。
多環式芳香族化合物の具体例としては、C60、C70、C76、C82、C84などのフラーレン類;カーボンナノチューブ類;電子供与体(フェニレンジアミン、テトラアミノエチレン、トリス(2,2-ビピリジン)ルテニウムなど)をドープした導電性高分子(ポリイミド、ポリフェニレンビニレン、ポリパラフェニレン、ポリピロール等);ペリレン誘導体;ナフタレン誘導体等が挙げられる。中でも、ペリレン誘導体、ナフタレン誘導体、フラーレン類(C60等)等が好ましく採用され、特にペリレン誘導体やフラーレン類(C60等)が好ましい。
ペリレン誘導体とは、ペリレンの基本骨格を有する化合物を意味する。具体的には、例えば、下記式(4A)〜(4C):
Figure 0004962958
(式中、R1は、アルキル基又はアリール基を示す)
で表されるペリレン誘導体が挙げられる。
ナフタレン誘導体とは、ナフタレンの基本骨格を有する化合物を意味する。具体的には、例えば、下記式(5A):
Figure 0004962958
(式中、R2は、アルキル基又はアリール基を示す)
で表されるナフタレン誘導体が挙げられる。
ここで、上記のR1又はRで示されるアルキル基としては、C1−20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられ、好ましくはC1−10のアルキル基である。具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、sec−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどが挙げられる。
また、上記のR1又はRで示されるアリール基としては、単環又は2環のアリール基が挙げられ、具体的にはフェニル、ナフチル等が挙げられる。
吸着材
本発明の可視光応答型光触媒で用いる吸着材としては特に限定はなく、例えば、活性炭、活性アルミナ、モレキュラーシーブ、シリカゲル、粘土などの吸着能が高い材料や、イオン交換樹脂、キトサン、ポリプロピレン、有機ゲルなどの薄膜化できる高分子材料等が挙げられる。このうち、被処理物がアミン類やカルボン酸類の吸着には、特にイオン交換樹脂が好適である。被処理物がアミン類の場合には陽イオン交換樹脂が好ましく、具体的には、パーフルオロスルホン酸又はその塩/PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の共重合体(例えばナフィオン(登録商標))や、パーフルオロカルボン酸又はその塩/PTFEの共重合体(例えばフレミオン(登録商標))等が挙げられる。被処理物がカルボン酸類の場合には陰イオン交換樹脂が好ましい。
吸着材の形態は特に限定はなく、基体として任意の形状であってもよいし、層状又は粉末であってもよい。また、吸着材自体を基材として用いてもよい。
可視光応答型光触媒
本発明の可視光応答型光触媒は、p−n接合したp型有機半導体とn型有機半導体のうちのp型有機半導体の表面の全部もしくは一部に吸着材が接触した形態を有しており、かかる接合形態であれば特に限定はない。なお、n型有機半導体及びp型有機半導体は前記したものを用いることができる。
該可視光応答型光触媒の具体的な態様としては、例えば、薄膜状の吸着材上に、p型有機半導体とn型有機半導体とが積層した積層(膜)構造が例示される。積層構造は、例えば、薄膜化した吸着材上に、p型有機半導体とn型有機半導体とが積層した三層構造が好ましい。
可視光応答型光触媒の吸着材層、p型有機半導体層及びn型有機半導体層の膜厚は、適宜設定することができる。吸着材の厚さは特に限定はないが、例えば、1〜200μm程度、好ましくは10〜100μm程度である。また、p型有機半導体層の厚さは5〜500 nm程度、好ましくは20〜200 nm程度、より好ましくは30〜90 nm程度である。n型有機半導体層の厚さは特に限定はないが、例えば、10〜800 nm程度、好ましくは50〜600 nm程度、より好ましくは100〜400 nm程度である。
本発明の可視光応答型光触媒の製造方法を以下に説明するが、これに限定されるものではない。該可視光応答型光触媒は、p−n接合したp型有機半導体とn型有機半導体のうちのp型有機半導体の表面の全部もしくは一部に吸着材が接触した形態を有し、かかる接合形態を形成できる製造方法であれば特に限定はない。吸着材の形態は特に限定はなく、基体として任意の形状であってもよいし、層状、粉末であってもよい。
例えば、薄膜化した吸着材上にp型有機半導体とn型有機半導体とが積層した三層フィルムである場合、吸着材膜上にp型有機半導体とn型有機半導体を順次積層させることにより製造できる。この場合、吸着材の材質として好ましくは、上記したパーフルオロスルホン酸又はその塩/PTFEの共重合体、特にナフィオン(登録商標)膜が好適である。得られた三層フィルムは、そのまま光触媒として用いることもできるが、必要に応じて三層フィルムに粘着剤層を設けて基材に貼着したり、粉砕・切断して粉末状にすることも可能である。
或いは、初めから特定の基体上に、直接吸着材とp型有機半導体とn型有機半導体とを積層して、基体上に多層の可視光応答型光触媒層を設けることもできる。この場合、基体の材質としては、本発明の可視光応答型光触媒を積層できるものであれば良く、例えば、セラミックス、金属、合金、木材、コンクリート、紙、繊維等が挙げられる。なお、基体の形状は、用途に応じたものであればよい。
n型有機半導体及びp型有機半導体を基体に積層する方法は、公知の方法を採用することができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、電気化学的被覆(電析)、塗布等の方法が挙げられる。ペリレン誘導体/フタロシアニン誘導体系を、均一に被覆するためには、真空蒸着法が好ましい。
より簡便には、基体に練り込んだり、塗布することもできる。この場合、フタロシアニンやペリレン誘導体に、アルキル基、スルホン酸基、カルボキシル基、アンモニウム基等を導入することが好ましい。
さらに、上記した基体上にp型有機半導体とn型有機半導体とを共蒸着して、共蒸着層を形成しても良い。共蒸着は公知の方法を用いて実施できる。
基体上に設ける各層の膜厚は、前述した範囲に適宜設定することができ、吸着材層の厚さは1〜200μm程度、好ましくは10〜100μm程度であり、p型有機半導体層の厚さは20〜200 nm程度、好ましくは30〜90 nm程度であり、n型有機半導体層の厚さは50〜600 nm程度、好ましくは100〜400 nm程度である。
p型有機半導体として典型的には、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体が挙げられる。より好ましくは、式(1A)、(1B)、(2A)、(2B)、(3A)、(3B)で表される化合物が挙げられる。さらに、式(1A)の無金属フタロシアニン又は鉄フタロシアニン又は亜鉛フタロシアニン又はコバルトフタロシアニンが好ましい。特に、式(1A)の無金属フタロシアニンが好ましい。
n型有機半導体は、上記のp型有機半導体との間において良好なp−n接合の関係を有しているものが用いられる。n型有機半導体としては典型的には、ペリレン誘導体、ナフタレン誘導体又はフラーレン類が挙げられる。より好ましくは、式(4A)、(4B)、(4C)、(5A)で表される化合物が挙げられる。特に、効率的なキャリア生成の点から、式(4A)で示されるペリレン誘導体(3,4,9,10−ペリレンテトラカルボキシル−ビスベンズイミダゾール)又はフラーレン類(C60等)が好適に用いられる。
最も好適な可視光応答型光触媒としては、ナフィオン膜、即ちパーフルオロスルホン酸又はその塩/PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の共重合体(1〜150μm程度)に、フタロシアニン(30〜90 nm程度)及びペリレン(100〜400nm程度)がこの順で積層されたものが挙げられる。
なお、本発明の可視光応答型光触媒には、光触媒の活性を上げるために、上記のn型有機半導体及びp型有機半導体以外に、必要に応じて銀、銅等を添加しても良い。
用途
本発明の可視光応答型光触媒は、光照射下、気相又は水相中に含まれる有機物或いは窒素、硫黄又はリンを含む無機物等の分解対象物と接触することにより、分解することができる。
本発明の有機光触媒で使用する光は、広範な波長を有する光(波長220〜1200nm程度)を用いることができる。その光源としては、例えば、自然光(太陽光)、蛍光灯、ハロゲンランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、ブラックライト、エキシマレーザ、重水素ランプ、キセノンランプ、Hg-Zn-Pbランプ等から選ばれる1種類の光源または波長域の異なる2種類の光源を用いることができる。とりわけ、本発明の有機光触媒は、自然光(波長300〜800nm)、特に可視光(波長が400nm以上、特に400〜750nm程度)を利用できる点で極めて実用的である。無機光触媒として用いられる酸化チタンでは、屋内では紫外光源が必要であったことを考慮すると、極めて有意義である。
また、本発明の可視光応答型光触媒は、光照射のみにより有機物或いは窒素、硫黄又はリンを含む無機物を効率的に分解することができる。この点において、電気化学的にバイアスを印加しながら、光触媒に光照射して有機物等を分解処理する方法(例えば、ChemPhysChem 2004, 5, 716-720)とは、一線を画すものである。光電気化学的な分解方法では、例えば、光照射下で触媒中に生じるマイナス電荷(電子)は電極を通して除かれるが、本発明の有機光触媒では、該電子は処理媒体中に存在する酸素により受容されて除去されると考えられる。そのため、気相又は液相(水相)中に酸素が高濃度に存在する場合に、より効率的に分解反応が進行する。例えば、気相中では酸素濃度が20体積%、さらに25体積%以上とすることが好ましい。また、液相(例えば、水)中では空気や酸素含有気体を供給(バブリング等)したり、液相を撹拌しながら反応させるのが好ましい。
気相中乃至水相中における分解対象物としては、悪臭原因物質、粉塵、微生物、ウィルス、シックハウス症候群の原因物質(ホルムアルデヒド等)、臭い成分(たばこ臭、ペット臭等)、有害物質(ダイオキシン、PCB等)、農薬、エチレンガス、窒素化合物(アンモニア、NOx等)、硫黄化合物(メルカプタン、スルフィド等)や、リン化合物(有機リン等)が挙げられる。
また、本発明の可視光応答型光触媒は、p型及びn型有機半導体、吸着材から構成されるため加工乃至成形性に優れている。無機光触媒の酸化チタンでは加工性乃至成形性に難があったが、本発明の可視光応答型光触媒では、この様な問題は解消される。そのため、酸化チタンの用途を越える極めて広範な用途に用いられる。プラスチック基材を吸着材と見立てても良い。これに積層微粒子を混ぜ込んだり、表面に塗布するのも良い。
本発明の可視光応答型光触媒は、上記気相中乃至水相中における分解対象物をろ過し分解する、各種フィルターの表面素材として用いることができる。本発明の可視光応答型光触媒をフィルター基体に固着する方法は、上記した真空蒸着法、スパッタリング法、電気化学的被覆(電析)、塗布等の方法を用いればよい。
また、本発明の可視光応答型光触媒は、有機物或いは窒素、硫黄又はリンを含む無機物を含む被処理水に分散させて、光照射による分解処理をおこない、さらに、処理後に該光触媒をろ過して分離回収し、再度水処理に供することができる。
また、本発明の可視光応答型光触媒は塗料に混入させて、光触媒活性を有する塗料組成物とすることができる。該塗料組成物では、塗料に対し該光触媒の親和性が高いため、均一な触媒の分散が可能となる。
本発明の可視光応答型光触媒は水に対しても安定であるため、上記分解対象物を含む水の処理も効率的に実施できる。例えば、該粉末を被処理水に分散させて光を照射して水を処理し、処理後は該粉末をろ過して処理水を得、該粉末は簡便に回収できる。なお、水相(被処理水)としては、例えば、工業用循環水、工業用排水、産業用排水、上水、下水、土壌及び地下水、池、プール、生活排水、農薬残存廃液、風呂、貯水タンク、湖水、ダムなどが挙げられる。これらの水相は、pH、硬度等は特に限定はなく、効率的に処理が可能である。特に、pH7〜11程度とするのが好ましい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1(可視光照射時における有機光触媒の活性評価)
(1)光触媒材料として、n型半導体である3,4,9,10−ペリレンテトラカルボキシル−ビスベンズイミダゾール(以下「PTCBI」と表記する)及びp型半導体である無金属フタロシアニン(以下「H2Pc」と表記する)を用いた。本発明においては、それぞれ昇華精製したものを用いた。
(2)光触媒として用いる三重層フィルムの作製は、市販のNafion膜(Nafion 117, 50 μm厚)に二種類の有機半導体を真空蒸着することにより行った。まず、3つのNafion膜上に、それぞれH2Pcを50nmの厚さで積層して二層フィルムを形成し、次いで、それぞれのH2Pc層上に厚さ50nm、100nm、及び200nmのPTCBI層を有する三層からなる光触媒吸着材複合体(a)、(b)及び(c)を得た。各光触媒吸着材複合体を必要な大きさ(例えば1cm2)に切断した。
(3)実験装置及び方法を図1に示した。円筒状の密閉可能なガラス瓶(容積542 mL)を反応容器とした。気体の漏洩及び混入の無いようにゴム製Oリングでフタを挟み、更にそのOリングにシリコーングリースを塗布した。有機物を容器内に投入するためにガスクロマトグラフィーインジェクション部用セプタムゴムで塞いだ注射針(内径1 mm)をフタに挟んだ。反応容器内に三重層フィルム片1cm2と、理研計器社製アミンセンサー(型番ES−23RV)を静置した。
(4)反応容器内を20.0±0.1oCに保つことにより蒸気圧を制御したトリメチルアミン(N(CH3)3)を0.1mL、上記セプタムゴム部より容器内に注入した。
(5)光触媒反応はハロゲンランプを光源として行った。この時、反応容器内の光触媒表面の照射強度は100 mWcm-2であった。上記ガスセンサーでトリメチルアミン濃度を測定し、その分解量を定量した。
(6)上記(4)の結果、図2の(a)、(b)及び(c)に示すように、投入直後にトリメチルアミンの濃度の増加が起こった。それと平行して(5)の結果、トリメチルアミンのNafion膜への吸着および光触媒膜による分解反応の進行により、トリメチルアミン濃度の減少が観察された。500-700秒後には投入量の10%にまで減少した。
(a) Nafion(50 μm)/H2Pc(50 nm)/PTCBI (50 nm)
(b) Nafion(50 μm)/H2Pc(50 nm)/PTCBI (100 nm)
(c) Nafion(50 μm)/H2Pc(50 nm)/PTCBI (200 nm)
なお、図2及び図3の(c)は同じサンプルである。
実施例2(可視光照射時における有機光触媒の活性評価)
(1)実施例1と同じ実験装置をもちいた。
(2)まず、実施例1のサンプル(a)を用いて、実施例1と同様にトリメチルアミンを投入した。トリメチルアミンの濃度が十分減少した20分後に、実施例1の(4)と全く同様の操作を行った。図4(B)のように再投入直後にトリメチルアミンの濃度の増加が起こった。それと平行して、トリメチルアミンのNafion膜への吸着および有機光触媒膜による分解反応の進行により、トリメチルアミン濃度の減少が観察された。再投入の1800秒後には投入量の10%にまで減少した。この操作を複数回繰り返した。毎回同様の結果が繰り返し観測された。図4(B)を参照。
(3)さらに、この操作を繰り返した結果を図5に示す。これによれば、長期に繰り返しトリメチルアミンを導入してもその蓄積はなく低濃度に維持されていることがわかる。
比較例1(可視光照射時における吸着材の実験評価)
(1)光触媒吸着材複合体に代えて、Nafion膜(1cm2、厚さ50μm)を試験片としてサンプル(d)を作成し、実施例1と同様の操作を行った。その結果を図2及び3の(d)に示す。
(d)ナフィオン膜のみ (50 μm)
(2)上記(1)で得られたサンプル(d)を用いて、実施例2(1)〜(2)と同様の操作を行った。その結果を図4(C)に示す。トリメチルアミンの再投入直後にトリメチルアミンの濃度の増加が起こった。再投入を繰り返すごとに減少しなくなった。
比較例2(可視光照射時における吸着材の無い有機光触媒実験評価)
光触媒吸着材複合体に代えて、ガラス片(1cm2)にPTCBIを200nmの厚さで、次いで、PTCBI上にH2Pcを50nmの厚さで積層してサンプル(e)を作成し、実施例1と同様の操作を行った。その結果を図2の(e)に示す。
た。
(e) H2Pc/PTCBI (200 nm)/ glass
比較例3(可視光照射時におけるブランク実験評価1)
光触媒吸着材複合体に代えて、1cm2のガラス片を加え、実施例1と同様の操作を行った。その結果を図2の(f)に示す。
(f) ガラス片のみ
比較例4(可視光照射時におけるブランク実験評価2)
光触媒吸着材複合体を加えずに、実施例1と同様の操作を行った。その結果を図2の(g)に示す。
(g) 光触媒吸着材複合体なし
図2より、Nafionを用いる(a)〜(d)では、トリメチルアミンの減少量は著しく大きくなる。その中でも光触媒吸着材複合体のある(a)〜(c)は減少量が大きく、特にPTCBIの厚い方でトリメチルアミンの減少量が大きいことが確認された。これに対し(e)〜(g)では、トリメチルアミンの減少はほとんど見られない。
比較例5(可視光照射時におけるH 2 Pcの実験評価)
光触媒吸着材複合体に代えて、Nafion膜(1cm2)にH2Pcを50nmの厚さで積層してサンプル(h)を作成し、実施例1と同様の操作を行った。その結果を図3の(h)に示す。
比較例6(可視光照射時におけるH 2 Pcの実験評価)
光触媒吸着材複合体に代えて、Nafion膜(1cm2)にH2Pcを50nmの厚さで積層した。引き続きH 2 Pcの蒸着されていない裏面にH2Pcを50nmの厚さで積層してサンプル(i)を作成し、実施例1と同様の操作を行った。その結果を図3の(i)に示す。
図3よりNafionにH2Pcを片面(h)、もしくは両面(i)被覆すると,Nafionの吸着能を下げるために、被覆面が増すにつれて、むしろトリメチルアミン濃度が初期に高くなってしまうことが分かる。つまり、(c)の有機光触媒被覆時は、分解反応の速度が非常に大きく, 吸着能の低下を上回っていることを示している。
比較例7(可視光照射しない場合における有機光触媒の活性評価)
可視光照射しないこと以外は、実施例2と同様の操作を行った。その結果を図4の(A)に示す。トリメチルアミンの再投入直後にトリメチルアミンの濃度の増加が起こった。再投入を繰り返すごとに減少しなくなった。
実施例1及び2の結果から、p−n接合有機半導体に吸着材を併用した光触媒では、可視光応答性を有する光触媒の性能が劣化することなく継続的に起こることが明らかとなった。
図2より、実施例1の(a)、(b)及び(c)の光触媒吸着材複合体サンプルでは、吸着材を用いない比較例2の(e)及び比較例3の(f)の場合に比べて、処理速度が著しく速い。
図4(C)のように、吸着材(ナフィオン)単独では、トリメチルアミンの繰り返し導入により徐々にトリメチルアミンが蓄積するが、図4(B)のように吸着材とp−n接合半導体からなる光触媒吸着材複合体では、光照射によりトリエチルアミンの蓄積がない。これは、トリメチルアミンが濃縮されたNafionに接している有機光触媒中のp型半導体面で該アミンの分解が起こることにより,Nafionの吸着能が再生しているためと考えられる。
実施例及び比較例で用いた実験装置の模式図である。 反応容器中におけるトリエチルアミン濃度の経時変化を示すグラフである。 反応容器中におけるトリエチルアミン濃度の経時変化を示すグラフである。 反応容器中におけるトリエチルアミンを繰り返し注入した場合のトリエチルアミン濃度の経時変化を示すグラフである。 実施例2(3)におけるトリエチルアミンを繰り返し注入した場合のトリエチルアミン濃度の経時変化を示すグラフである。

Claims (1)

  1. p型有機半導体とn型有機半導体と吸着材とを含有する可視光応答型光触媒であって、
    該吸着材層上に、該p型有機半導体層及び該n型有機半導体層がこの順に積層した三層構造を有し、
    該p型有機半導体の表面の全部又は一部に該吸着材が接触し、
    該p型有機半導体層の厚さが5〜500nm程度であり、
    該p型有機半導体の材料が、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、及びポルフィリン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
    該n型有機半導体の材料が、フラーレン類、カーボンナノチューブ類、電子供与体をドープした導電性高分子、ペリレン誘導体、及びナフタレン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
    該吸着材がイオン交換樹脂である
    可視光応答型光触媒
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