JP4935361B2 - 熱発電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、熱電効果を利用して発電を行う熱発電装置に関する。
従来、熱電素子材料で構成された発電モジュールに温度差を生じさせて発電を行う自動車用排熱発電装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この排熱発電装置は、エンジンからの排気を導出する排気管の外表面に一側面が接触するように取付けられる発電モジュールと、当該発電モジュールの他側面に接触するように取付けられる冷却部とによって構成されている。そして、この発電モジュールにおいて、排気管と接触する高温端と冷却部と接触する低温端との間に温度差を生じさせることによって、排温エネルギーを電気エネルギーとして回収している。
しかしながら、エンジンの出力変化などによって排ガスの流量や温度は大きく変動するため、構造的な改良を行って熱電モジュールに温度差を与えて発電する上述の従来技術のままでは、そのような出力変化の対応には限界があり、その出力変化の態様によっては熱の回収効率が低下することが考えられ得る。
そこで、熱電モジュールに流れる電流を積極的に調整制御することによって、熱エネルギーの回収効率を向上させる技術の開発が進んでいる。例えば、熱電モジュールにはその発電電力が最大となる最適電流が存在するため、その最適電流になるように熱電モジュールに流す電流を熱電モジュール毎に調整制御する技術がある。このような調整制御を行うことによって、複数の熱電モジュール全体として発電できる総発電電力の最大値が得られるものと考えられ得る。
特開2001−12240号公報
しかしながら、実際には熱電モジュールに電流を流すと、ペルチェ効果で熱の流れが発生することで熱電素子の熱抵抗が変化するため、発電電力が最大となる電流値と熱電素子の熱抵抗が最適となる電流値は一致しなくなる。すなわち、熱電モジュールに電流を流したことによるペルチェ効果によって熱電素子の熱抵抗が変化して熱電素子の温度差が小さくなるので、熱電モジュールに同じ電流を流したままだと実際に得られる発電電力は少なくなる。したがって、各熱電モジュールに流れる電流を適切に制御しなければ、実際に得られた熱電モジュール全体としての総発電電力が想定より少ない場合がある。
また、熱エネルギーを持った排ガス等の流体に沿って複数の熱電モジュールを多段に配置している場合、流体の上流側に配置された前段熱電モジュールで熱エネルギーが回収されることによって流体の下流側になるほど回収可能な熱エネルギーは減る。そのため、流体の下流側に配置された後段熱電モジュールでの高温端と低温端との温度差は必然的に小さくなることによって、後段熱電モジュール単体での発電電力は減少するとともにその発電効率も低下することになる。したがって、各熱電モジュールに流れる電流を適切に制御しなければ、実際に得られた熱電モジュール全体としての総発電電力が想定より少ない場合がある。
そこで、本発明は、多段に配置された熱電モジュール全体としての総発電電力の取得量を増大させることができる、熱発電装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の熱発電装置は、
熱エネルギーを持った流体の流れに沿って配置される複数の熱電モジュールと、
前記熱電モジュールに流れる発電電流をそれぞれ制御する発電電流制御手段とを備え、
御手段とを備え、
前記発電電流制御手段は、
流体の流れの上流側に配置された前段熱電モジュールに流れる発電電流の目標値を前記複数の熱電モジュールのそれぞれが発電した発電電力を合計した総発電電力が最大となるように設定し、
前段熱電モジュールより下流側に配置された後段熱電モジュールに流れる発電電流の目標値を後段熱電モジュール自体の発電電力が最大となるように設定する、ことを特徴としている。これにより、前段熱電モジュール単体の発電電力を最大にするのではなく前後段合わせた熱電モジュール全体の総発電電力を最大にするように設定された発電電流が前段熱電モジュールに流れるので、前段熱電モジュールに吸収されずに後段熱電モジュールに到達する熱エネルギーを増やしつつ、前後段合わせた熱電モジュール全体で得られる総発電電力を増大させることができる。そして、後段熱電モジュール単体の発電電力を最大にするように設定された発電電流が後段熱電モジュールに流れるので、後段熱電モジュール単体で得られる発電電力も増大させることができる。すなわち、多段に配置された熱電モジュール全体としての総発電電力の取得量を増大させることができる。
また、前記発電電流手段は、前記熱電モジュールに流れる発電電流の流通に伴って当該発電電流を減少させることが好ましい。このように発電電流の一定のままではなく発電電流を減少させることによって、ペルチェ効果で熱電素子の温度差が小さくなることによって実際に得られる発電電力が減ることを抑えることができる。
また、前記発電電流制御手段は、前段熱電モジュールの発電電流の流通/非流通を所定周期で繰り返すようにしてもよい。このように流通/非流通を繰り返せば、常時流通する場合よりも、前段熱電モジュールに吸収されずに後段熱電モジュールに到達する熱エネルギーを増やすことができる。なお、前記所定周期のうち流通期間の比率は、例えば、前段熱電モジュールの前記複数の熱電モジュール全体としての発電電力を最大にする発電電流を前段熱電モジュールのそれ自体の発電電力を最大にする発電電流で除算した値であるとする。また、前記発電電流手段は、前段熱電モジュールの発電電流の流通期間における平均電流値を前段熱電モジュールのそれ自体の発電電力を最大にする発電電流値に設定し、前段熱電モジュールの前記所定周期期間における平均電流値が前段熱電モジュールの前記複数の熱電モジュール全体としての発電電力を最大にする発電電流値となるように制御してもよい。
一方、前記発電電流制御手段は、流体の熱容量に応じて、前段熱電モジュールに流れる発電電流の目標値を変化させると好適である。つまり、熱電モジュールの能力に対して、流量と流体の比熱の積が大きいか小さいかによって変化させる。例えば、前記発電電流制御手段は、流体の熱容量が少なくなるにつれて、前段熱電モジュールに流れる発電電流の目標値を前段熱電モジュール自体の発電電力を最大にする電流値よりも前段熱電モジュール自体の発電効率を最大にする電流値に近づくように変化させてもよいし、流体の熱容量が多くなるにつれて、前段熱電モジュールに流れる発電電流の目標値を前段熱電モジュール自体の発電効率を最大にする電流値よりも前段熱電モジュール自体の発電電力を最大にする電流値に近づくように変化させてもよい。このように変化させることにより、前段熱電モジュールに流れる発電電流の目標値を前後段合わせた熱電モジュール全体の総発電電力を最大にする電流値に近づけることができる。
本発明によれば、多段に配置された熱電モジュール全体としての総発電電力の取得量を増大させることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。図1は、本実施形態の熱発電装置に用いる複数の熱電モジュールの配置関係を示した図である。熱電モジュール4は、その一側面がエンジン(図示せず)からの排ガスを導出する排気管2の外側に接触して取付けられ、その一側面と異なる他側面が冷却水を流す冷却装置5の外側に接触して取付けられている。図1の場合、排気管2の外側に沿って5個の熱電モジュール4a〜4eが配置されている。排気管2の所定の基準位置に対してエンジン側に配置された(すなわち、排ガスの上流側に配置された)熱電モジュールを前段熱電モジュールといい、前段熱モジュール以外の熱電モジュールであって排気管2の所定の基準位置に対して外気への排気口側に配置された(すなわち、排ガスの下流側に配置された)熱電モジュールを後段熱電モジュールという。例えば、熱電モジュール4a,4b,4cを前段熱電モジュールといい、熱電モジュール4d,4eを後段熱電モジュールという。詳細は後述するが、前段熱電モジュールと後段熱電モジュールでは、熱電モジュールに流れる出力電流の調整制御の方法が異なる。
熱電モジュール4は、熱電半導体等の熱電素子を構成する。熱電素子は、熱エネルギーから電気エネルギーへの変換効率ができるだけ高いほうがよい。また、単位変化温度当たりに発生する起電力を表すゼーベック係数Sは、できるだけ大きいほうがよい。さらに、電流が流れたときに電気抵抗が大きいと、ジュール熱によってエネルギーが失われるので、熱電素子の電気抵抗は、できるだけ小さいほうがよい。
図2は、熱電モジュール4に生ずる温度差△Tを説明するための図である。熱電モジュール4の排気管2との接触面(高温端)と熱電モジュール4の冷却装置5との接触面(低温端)の間に温度差△Tが生ずることにより熱電モジュール4に電圧が発生することを利用して(ゼーベック効果)、排気管2を流れる排ガスの熱エネルギーを電気エネルギーに変換して回収することができる。そして、排気管2に沿って配置された熱電モジュール4a〜4eのそれぞれが、排気管2を流れる排ガスの熱エネルギーを電気エネルギーに変換して回収する。
図3は、本実施形態の熱発電装置の基本構成を示した図である。コンピュータ14は、排ガス流量などの情報に基づいて熱電モジュール4全体としての発電効率を最適化する制御プログラムやその制御データを記憶するROM、制御プログラムの処理データなどを一時的に記憶するRAM、制御プログラムを処理するCPU、外部と情報をやり取りするための入出力インターフェースなど、複数の回路要素によって構成されたものである。また、コンピュータ14は一つの電子制御ユニットとは限らず、制御が分担されるように複数の電子制御ユニットで構成されてもよい。
コンピュータ14は、熱電モジュール4の熱特性に関する情報(例えば、ゼーベック係数、電気抵抗、性能指数など)を外部から取得したり、予め有していたりする。コンピュータ14は、エンジンを制御するエンジンコンピュータなどの他のコンピュータや計測センサから、排気管2を流れる排ガスの流量や温度などの情報や、冷却装置5の冷却水の温度などの情報を取得する。コンピュータ14は、それらの取得情報に基づいて前段熱電モジュールの出力電流If及び後段熱電モジュールの出力電流Irの最適値などを演算し、その演算結果になるように電力変換器12に対して指令する。
電力変換器12は、シリーズレギュレータやスイッチングレギュレータなどの内部回路を備える、入出力間の電力を変換する変換手段である。電力変換器12の入力側に熱電モジュール4の出力電流If,Irが入力され、電力変換器12の出力側からその内部回路によって電力変換された電流Ioutが出力される。したがって、電力変換器12がコンピュータ14の指令信号に従って熱電モジュール4の出力電流If,Irを調整することによって、電力変換器12の出力側から所望の電力を取り出すことができる。例えば、電力変換器12から取り出せる電力が最大となる出力電流If,Irなどの演算値がコンピュータ14によって指令されるによって、電力変換器12の出力側から最大電力を取り出すことができる。
ところが、熱電モジュール4に流す電流を変えることによって、熱電モジュール4から取り出せる電力が変わるとともに、熱電モジュール4の発電効率も変わってしまう。発電効率とは、熱電モジュール4において、吸収された熱エネルギーに対して発電できた電力の比率である。図11は、熱電モジュール4の出力電流Iと発電電力P又は発電効率ηとの関係を示した図である。図11に示されるように、それらの関係は或る出力電流Iで極大点を有する放物線のような特性を有している。また、熱電モジュール4の発電電力を最大にする出力電流と熱電モジュール4の発電効率を最大にする出力電流は異なり、最大発電効率になる出力電流は最大発電電力になる出力電流より小さい。
電力を取り出すために熱電モジュール4に電流を流すと、ペルチェ効果で熱の流れが発生することで熱電モジュール4内の熱電素子の熱抵抗が変化するため、電力が最大になる出力電流値と熱電素子の熱抵抗が最適となる電流値が一致せず、発電効率は低下してしまる。すなわち、図11に示されるように、熱電モジュール4の発電電力が最大となる出力電流Ioに設定したとしても(点A)、ペルチェ効果により熱が吸収されることにより熱電素子の温度差が小さくなるため、出力電流Ioのままでは発電電力は減少してしまう(点C)とともに発電効率も低下してしまう(点D)。したがって、各熱電モジュールに流れる電流を適切に制御しなければ、実際に得られた熱電モジュール全体としての総発電電力が想定より少ない場合がある。
また、エンジンの出力が低い場合など排ガスの熱エネルギーが小さい場合には、排ガスが通る排気管2に沿って配置された熱電モジュール4を通過する熱量が小さくなるため、熱電モジュール4に生ずる温度差が不十分となりその発電量は低下する。とりわけ、複数の熱電モジュール4を排気管2に沿って多段に並べている場合、排気管2の上流側に配置された前段熱電モジュールで熱エネルギーが回収されることによって排気管2の下流側になるほど回収可能な熱エネルギーは減る。そのため、排気管2の下流側に配置された後段熱電モジュールでの高温端と低温端との温度差は必然的に小さくなることによって、後段熱電モジュール単体での発電電力は減少するとともにその発電効率も低下することになる。したがって、各熱電モジュールに流れる電流を適切に制御しなければ、実際に得られた熱電モジュール全体としての総発電電力が想定より少ない場合がある。
図4は、排ガスの熱エネルギーと回収エネルギーとの関係を示した模式図である。図4(a)のように、エンジンの出力が大きいこと等により集熱フィン3を介して得られる排ガスの熱量が大きい場合には、排気管2に沿って多段に配置された各熱電モジュール4の発電量が最大となるようにそれらの出力電流をそれぞれ設定したとしても、下流側の熱電モジュール(例えば、4e)からでも十分な発電量を得ることができる。しかしながら、図4(b)のように、エンジンの出力が小さいこと等により集熱フィン3を介して得られる排ガスの熱量が小さい場合には、各熱電モジュール4の発電量が最大となるようにそれらの出力電流をそれぞれ設定すると、上流側の前段熱電モジュール(例えば4a)単独で熱がほとんど奪われ、その下流側に配置された後段熱電モジュールの熱の取り分が少なくなる。その結果、発電量が最大となるように出力電流を設定したとしてもそのときの発電効率は必ずしも最適ではないため、発電モジュール全体としての発電効率は低下し、取り出せるべき総発電量も減っていることになる。
そこで、コンピュータ14は、熱電モジュール全体としての総発電電力の取得量を増大させるために、以下の各実施例に記載の理論計算に基づいて導出された出力電流If,Ir等の算出式に従って、熱電モジュール4の出力電流If,Irを電力変換器15によって制御する。なお、計算の簡単化のため、図5に示されるように、熱電モジュール4が前段と後段の2段から構成されている場合について考える。
実施例1では、熱電モジュール全体としての総発電電力の取得量を増大させるために、コンピュータ14は、前段熱電モジュール4Aと後段熱電モジュール4Bを合わせた総発電電力が最大となるように前段熱電モジュール4Aの出力電流Ifをデューティ比Dでオン/オフ制御し、後段熱電モジュール4B自体の発電電力が最大となるように後段熱電モジュール4Bの出力電流Irを制御する。さらに、コンピュータ14は、エンジンの出力が小さいこと等により集熱フィン3Aを介して得られる排ガスの熱量や温度が低下するにつれて、前段熱電モジュール4Aの出力電流Ifをオフする時間を長くするように制御する。このように制御することで、前段熱電モジュール4Aで回収される排ガスの熱量を減らすとともに後段熱電モジュール4Bで回収される排ガスの熱量を増やすことができるので、前段熱電モジュール4Aと後段熱電モジュール4Bを合わせた全体としての最大の発電電力を取り出すことができる。
図6は、実施例1における、前段熱電モジュール4Aの出力電流が間欠に流れているときの電流波形である。前段熱電モジュール4Aの出力電圧Vfと後段熱電モジュール4Bの出力電圧Vrは、熱電モジュールに電流が流れることによる電圧降下を考慮して、式(1),(2)によって表すことができる。なお、Sは熱電モジュールのゼーベック係数(定数)、Rは熱電モジュールの電気抵抗(定数)、ΔTfは前段熱電モジュール4Aにおける温度差、Ifは前段熱電モジュール4Aの出力電流、ΔTrは後段熱電モジュール4Bにおける温度差、Irは後段熱電モジュール4Bの出力電流である。また、実施例1内の演算式中のIf,Vfのそれぞれは、図6に示されるように、前段発電モジュール4Aの出力電流がオンしている状態での(通電状態での)電流値と電圧値として定義する。
Figure 0004935361
ここで、出力電流Ifが零のときの前段熱電モジュール4Aの温度差をΔTfoと定義するとともに、ペルチェ効果で熱電モジュールに生ずる温度差が減少する係数をαと定義するならば、前段熱電モジュール4Aに発生する温度差ΔTfは、式(3)によってモデル化することができる。また、前段の出力電流If及び後段の出力電流Irが零のときの後段熱電モジュールの温度差をΔTroと定義するとともに、前段熱電モジュール4Aの出力電流Ifによるペルチェ効果で後段熱電モジュール4Bに生ずる温度差が減少する係数をβと定義するならば、後段熱電モジュール4Bに発生する温度差ΔTrは、式(4)によってモデル化することができる。
Figure 0004935361
ここで、式(4)の第3項『β・If・D』の意味は、前段の出力電流Ifを流すとペルチェ効果によって排ガス温度が低下して後段熱電モジュール4Bに発生する温度差△Trが小さくなるということを示している。そして、βの設定値を大きくするにつれて後段熱電モジュール4Bに発生する温度差△Trが小さくなりやすいモデルとなり、βの設定値を小さくするにつれて後段熱電モジュール4Bに発生する温度差△Trが大きくなりやすいモデルとなる。したがって、βの設定値を変更することによって後段熱電モジュール4Bに発生する温度差△Trを大きくするか小さくするかの優先度合いを決めることができる。
△Tfo,△Tro,α,βは、例えば排ガスの温度と流量によって決まる定数とする。排ガスの温度や流量が上昇すると排ガスの熱容量が増えるので、βを排ガスの温度や流量が上昇するにつれて小さくなるような可変値に設定することによって、排ガスの温度が高かったり流量が多かったりするときには前段の出力電流Ifを流しても後段熱電モジュール4Bに発生する温度差△Trは小さくなりにくいという現象をモデル式(4)に反映させることができる。αについても同様の考えの下、αを排ガスの温度や流量が上昇するにつれて小さくなるような可変値に設定することによって、排ガスの温度が高かったり流量が多かったりするときには前段の出力電流Ifを流しても前段熱電モジュール4Aに発生する温度差△Tfは小さくなりにくいという現象や後段の出力電流Irを流しても後段熱電モジュール4Bに発生する温度差△Trは小さくなりにくいという現象をモデル式(4)(5)に反映させることができる。
一方、前段熱電モジュール4Aから取り出せる電力をPfとし、後段熱電モジュール4Bからの取り出せる電力をPrとすると、前後段合わせた熱電モジュール全体から取り出せる総電力Pは、式(5)で表せる。式(5)に式(1)〜(4)を代入すると、総電力Pは式(6)のように変形することができる。
Figure 0004935361
電力変換器12A,Bは、出力電流If,Irを調整することによって、総電力Pが最大となるように制御する。総電力Pを最大にする前段熱電モジュール4Aの出力電流Ifmaxは、総電力PをIfについて偏微分した偏微分方程式(7)を満たすIfに相当する。したがって、総電力Pを最大にする前段熱電モジュール4Aの出力電流Ifmaxは、式(8)と導出することができる。
Figure 0004935361
また、総電力Pを最大にするデューティ比Dmaxは、総電力Pを最大にする前段熱電モジュール4Aの出力電流Ifmaxと同様に、総電力PをDについて偏微分した偏微分方程式(9)を満たすDに相当する。したがって、総電力Pを最大にするデューティ比Dmaxは、式(10)と導出することができる。
Figure 0004935361
また、後段熱電モジュール4B自体の発電電力が最大となる後段熱電モジュール4Bの出力電流Irmaxは、図11に示されるように、検出された排ガスの温度や流量のときの後段熱電モジュール4Bの発電電力を最大にする出力電流に設定される。後段熱電モジュール4B自体の発電電力が最大となる後段熱電モジュール4Bの出力電流Irmaxについては、排ガスの温度や流量及び冷却水の温度などに応じて変化する。そこで、予めシミュレーション等によって、排ガスの温度や流量及び冷却水の温度と後段熱電モジュール4B自体の発電電力が最大となる後段熱電モジュール4Bの出力電流Irmaxとの関係をメモリに記憶させておく。計測センサ等によって実際に計測された排ガスの温度や流量及び冷却水の温度に基づいて、そのメモリに記憶された対応関係を用いて、後段熱電モジュール4Bの発電電力を最大にする出力電流を設定する。
したがって、式(8)と式(10)の連立解が求められることによって、コンピュータ14(電力変換器12A)が制御すべき前段熱電モジュール4Aの出力電流Ifと前段熱電モジュール4Aのデューティ比Dが決定される。すなわち、コンピュータ14は、式(8)と式(10)に従って、前段熱電モジュール4Aの出力電流Ifと前段熱電モジュール4Aのデューティ比Dを制御するとともに、上述のIrmaxに従って後段熱電モジュール4Bの出力電流Irを制御する。ただし、デューティ比Dmaxの計算値が1を超える場合にはデューティ比Dを1に固定する。また、式(8)と式(10)内の未知変数については、シミュレーション等によって適当な値を予め算出しておく。
そして、エンジンの出力が小さいこと等により排ガスの温度や流量が低下するにつれてα,βは大きくなるように連続的に変化するので、コンピュータ14によって制御される前段熱電モジュール4Aの出力電流Ifとそのデューティ比Dは、式(8)(10)に従いながら、排ガスの温度や流量が低下するにつれて小さくなるように補正される。その結果、前段熱電モジュール4Aにおける熱エネルギーの取り分を減らして、後段熱電モジュール4Bにおける熱エネルギーの取り分を増やすことができる。
したがって、前段熱電モジュール4Aに吸収されずに後段熱電モジュール4Bに到達する熱エネルギーを増やしつつ、前後段合わせた熱電モジュール全体で得られる総発電電力を増大させることができる。そして、後段熱電モジュール4B単体の発電電力を最大にするように設定された発電電流が後段熱電モジュール4Bに流れるので、後段熱電モジュール4B単体で得られる発電電力も増大させることができる。すなわち、多段に配置された熱電モジュール全体としての総発電電力の取得量を増大させることができる。
実施例2では、実施例1と同様に、熱電モジュール全体としての総発電電力の取得量を増大させるために、コンピュータ14は、前段熱電モジュール4Aと後段熱電モジュール4Bを合わせた発電電力が最大となるように前段熱電モジュール4Aの出力電流Ifをデューティ比Dでオン/オフ制御し、後段熱電モジュール4B自体の発電電力が最大となるように後段熱電モジュール4Bの出力電流Irを制御する。さらに、コンピュータ14は、エンジンの出力が小さいこと等により集熱フィン3Aを介して得られる排ガスの熱量や温度が低下するにつれて、前段熱電モジュール4Aの出力電流Ifをオフする時間を長くするように制御する。実施例2では、実施例1と異なる導出方法で、総電力Pを最大にする前段熱電モジュール4Aの出力電流Ifmax及びデューティ比Dmaxを導出する。
図7は、実施例2における、前段熱電モジュール4Aの出力電流が間欠に流れているときの電流波形である。前段熱電モジュール4Aの出力電圧Vfと後段熱電モジュール4Bの出力電圧Vrは、熱電モジュールに電流が流れることによる電圧降下を考慮して、式(11),(12)によって表すことができる。なお、Sは熱電モジュールのゼーベック係数(定数)、Rは熱電モジュールの電気抵抗(定数)、ΔTfは前段熱電モジュール4Aにおける温度差、Ifは前段熱電モジュール4Aの出力電流、ΔTrは後段熱電モジュール4Bにおける温度差、Irは後段熱伝モジュール4Bの出力電流である。
Figure 0004935361
ここで、出力電流Ifが零のときの前段熱電モジュール4Aの温度差をΔTfoと定義するとともに、ペルチェ効果で熱電モジュールに生ずる温度差が減少する係数をαと定義するならば、前段熱電モジュール4Aに発生する温度差ΔTfは、式(13)によってモデル化することができる。また、前段の出力電流If及び後段の出力電流Irが零のときの後段熱電モジュールの温度差をΔTroと定義するとともに、前段熱電モジュール4Aの出力電流Ifによるペルチェ効果で後段熱電モジュール4Bに生ずる温度差が減少する係数をβと定義するならば、後段熱電モジュール4Bに発生する温度差ΔTrは、式(14)によってモデル化することができる。
Figure 0004935361
ここで、△Tfo,△Tro,α,βは、排ガスの温度と流量によって決まる定数とする。実施例1と同様の考えの下、α,βは排ガスの温度や流量が増加するにつれて小さくなるような可変値に設定する。
一方、前段熱電モジュール4Aから取り出せる電力をPfとし、後段熱電モジュール4Bからの取り出せる電力をPrとすると、前後段合わせた熱電モジュール全体から取り出せる総電力Pは、式(15)で表せる。式(15)に式(11)〜(14)を代入すると、総電力Pは式(16)のように変形することができる。
Figure 0004935361
電力変換器12A,Bは、出力電流If,Irを調整することによって、総電力Pが最大となるように制御する。総電力Pを最大にする前段熱電モジュール4Aの出力電流Ifmax0は、総電力PのIfについて偏微分した偏微分方程式(17)を満たすIfに相当する。したがって、総電力Pを最大にする前段熱電モジュール4Aの出力電流Ifmax0は、式(18)として導出することができる。
Figure 0004935361
また、前段熱電モジュール4Aから取り出せる電力Pfを最大にする前段熱電モジュールの出力電流Ifmax1は、式(18)においてβを零にした場合に相当するので、式(19)として導出することができる。
Figure 0004935361
そこで、前段熱電モジュール4Aの出力電流のオン期間における平均電流値をIfmax1に設定し、オフ期間も含めた平均電流値がIfmax0となるようにオン/オフ制御を行えば、総電力Pが最大となるようにしつつ前段熱電モジュール4Aの電力Pfが最大となるような最大の発電効率が得られることになる。このときのオン/オフ制御におけるオン期間tonと周期tpの比(デューティ比Dmaxに相当)は、式(20)として導出することができる。
Figure 0004935361
また、後段熱電モジュール4B自体の発電電力が最大となる後段熱電モジュール4Bの出力電流Irmaxは、実施例1と同様に、検出された排ガスの温度や流量のときの後段熱電モジュール4Bの発電電力を最大にする出力電流に設定される。
したがって、式(18)と式(20)の連立解が求められることによって、コンピュータ14(電力変換器12A)が制御すべき前段熱電モジュール4Aの出力電流Ifと前段熱電モジュール4Aのデューティ比Dが決定される。すなわち、コンピュータ14は、式(18)と式(20)に従って、前段熱電モジュール4Aの出力電流Ifと前段熱電モジュール4Aのデューティ比Dを制御するとともに、上述のIrmaxに従って後段熱電モジュール4Bの出力電流Irを制御する。ただし、デューティ比Dmaxの計算値が1を超える場合にはデューティ比Dを1に固定する。また、式(18)と式(20)内の未知変数については、シミュレーション等によって適当な値を予め算出しておく。
そして、エンジンの出力が小さいこと等により排ガスの温度や流量が低下するにつれてα,βは大きくなるように連続的に変化するので、コンピュータ14によって制御される前段熱電モジュール4Aの出力電流Ifとそのデューティ比Dは、式(8)(10)に従いながら、排ガスの温度や流量が低下するにつれて小さくなるように補正される。その結果、前段熱電モジュール4Aにおける熱エネルギーの取り分を減らして、後段熱電モジュール4Bにおける熱エネルギーの取り分を増やすことができる。
したがって、前段熱電モジュール4Aに吸収されずに後段熱電モジュール4Bに到達する熱エネルギーを増やしつつ、前後段合わせた熱電モジュール全体で得られる総発電電力を増大させることができる。そして、後段熱電モジュール4B単体の発電電力を最大にするように設定された発電電流が後段熱電モジュール4Bに流れるので、後段熱電モジュール4B単体で得られる発電電力も増大させることができる。すなわち、多段に配置された熱電モジュール全体としての総発電電力の取得量を増大させることができる。
このように、上述の実施例1,2によると、出力電流がオフ期間のときは電力を取り出していないので、熱電モジュール全体としての総発電電力は電流をオンし続けた場合より小さくなるように思われる。しかしながら、実際には、エンジンの出力が小さい場合には排ガスの熱量が小さく、後段の熱電モジュールでは著しく出力電力が小さくなっている。そこで、出力電流を間欠的に制御することによって前段から取り出される熱エネルギーが小さくなるため、後段の熱電モジュール部分での排ガス温度が出力電流のオンを継続した場合よりも高くなり、後段の熱電モジュールで取り出せる電力は向上する。一方、前段の熱電モジュールでは熱電素子の温度差ΔTを高く保っていることで発電効率が高く保たれる。したがって、前後段合わせた発電モジュール全体としての総発電電力を一層増大させることができる。
なお、上述の実施例1,2において、前段熱電モジュール4Aの出力電流がオン期間のとき、その電流が流れることによってペルチェ効果が生じ、熱電モジュールにおける温度差ΔTは減少する。△Tの減少につれて最大電力が得られる電流値も減少してしまう。そこで、コンピュータ14は、図8に示されるように、最大電力が得られるように、前段熱電モジュール4Aの出力電流のオン期間における電流値を徐々に減少させる補正制御を行う。
図9は、熱電モジュール4の出力電圧と出力電流の関係を示した図である。直線1は温度差ΔTが大きい場合の電流−電圧特性であり、直線Bは温度差ΔTが直線1の条件より小さい場合の電流−電圧特性である。これらの電流−電圧特性は、熱電モジュール4内の熱電材料の電気抵抗によって決まる。図9のA点〜D点は、図8のA点〜D点にそれぞれ対応する。A点は直線1のD点とE点の中点であり、B点は直線2のC点とF点の中点である。すなわち、A点、B点は各温度差△Tにおいて得られるべき最大電力点である。
出力電流をオンした直後では温度差ΔTは大きいので電流−電圧特性は直線1上にあり、この状態での最大電力点に電流を制御するとA点に到達する。そして、ペルチェ効果によって温度差ΔTが徐々に減少するので、この間に最大電力が得られるように電流を制御することで、A点からB点に徐々に移動させる。次に、温度差ΔTの減少を抑えるために電流をオフすることでC点に到達する。ペルチェ効果が無くなったことで温度差ΔTが高い値に回復してD点に到達する。再び、電流をオンしてA点に到達する。以上を繰り返す。以上の繰り返し周期は数秒程度以下の時間周期で行うことが望ましい。
なお、A点からB点までの間に最大電力が得られるように電流をA点からB点に徐々に移動させているが、出力電流を多少変化させてA点からB点までの間の最大電力点を探索しながらA点からB点まで移動させると望ましい。図10は、最大電力点を探索した場合の電流変化を示した図である。図7と図10に示される出力電流のデューティ比は同じでよい。
このような最大電力点の探索方法は、山登り法などが知られている。図12は、出力電流Iを変化させることによって最大電力点を探索する山登り法を表現した図である。具体的には、現状の動作点で得られる電力と移動させた動作点で得られる電力の増減により動作点への方向判断を行い、この2点間の各動作点での電力増減判定操作を繰り返し行うことにより、最適点へと追従させる方法である。例えば、動作点を△I移動させた時に電力が増加している場合には、△I移動させた方向と同じ方向に次回の動作点を移動させ、動作点を△I移動させた時に電力が減少している場合には、最適点は今回動作させた逆方向にあるとして、その逆方向に次回の動作点を移動させ、この2点間の各動作点での電力増減判定操作を繰り返し行うことにより最適点へと追従させることができる。
実施例3では、熱電モジュール全体としての総発電電力の取得量を増大させるために、コンピュータ14は、エンジンの出力が小さくなること等により排ガスの熱エネルギーが少なくなるにつれて(例えば、排ガスの流量が少なくなるにつれて)、前段熱電モジュール4Aの出力電流が前段熱電モジュール4A自体の発電電力を最大にする電流よりも前段熱電モジュール4A自体の効率を最大にする電流に近づくように制御する。そして、コンピュータ14は、エンジンの出力が大きくなること等により排ガスの熱エネルギーが多くなるにつれて(例えば、排ガスの流量が多くなるにつれて)、前段熱電モジュール4Aの出力電流が前段熱電モジュール4A自体の効率を最大にする電流よりも前段熱電モジュール4A自体の発電電力を最大にする電流に近づくように制御する。
実施例2と同様の導出方法によって、総電力Pを最大にする前段熱電モジュール4Aの出力電流Ifmaxは、式(18)として導出することができる。
式(18)によって表されるIfmaxを演算するため、式(18)内のαとβを算出する必要がある。αとβの算出にあたり、まず、出力電流Ifが零のときの前段熱電モジュール4Aの温度差ΔTfoを算出する。前段熱電モジュール4Aと排気管2との接触部の排ガス温度をTgf、冷却装置5の冷却水の温度をTw、熱電モジュール4の熱抵抗をγbと定義すると、△Tfoは式(21)によって表すことができる。
また、前段熱電モジュール4AでQ[W]の熱が取られるとすると、排ガス流量をGa[kg/sec]と定義するとともに、排ガスの比熱をCg[J/(kg℃)]と定義するならば、後段熱電モジュール4Bと排気管2との接触部の排ガス温度Tgrは、式(22)によって表すことができる。
また、前段熱電モジュール4Aで取られる熱Qは、ペルチェ効果と熱伝導によって、式(23)のように表すことができる。式(23)の第1項がペルチェ効果を表し、式(23)の第2項が熱伝導を表す。ここで、Tは前段熱電モジュール4Aの代表温度とし、tmは前段熱電モジュール4Aの厚さ、λmは前段熱電モジュール4Aの熱伝導率、Aは前段熱電モジュール4Aの断面積である。
Figure 0004935361
式(22),(23)より、後段熱電モジュール4Bと排気管2との接触部の排ガス温度Tgrは式(24)によって表すことができ、後段熱電モジュール4Bに発生する温度差△Trは式(25)によって表すことができる。なお、Kは式(26)とする。
Figure 0004935361
したがって、熱電モジュールの熱流れの考察より、熱電モジュールの発電性能を示す性能指数をZTとすると、αは式(27)によって表すことができるとともに、式(25)により、βは式(28)によって表すことができる。また、前段の出力電流If及び後段の出力電流Irが零のときの後段熱電モジュールの温度差△Troは式(29)によって表すことができる。
Figure 0004935361
よって、式(18)に示される、総電力Pを最大にする前段熱電モジュール4Aの出力電流Ifmaxは、式(30)のように算出することができる。
Figure 0004935361
さらに、後段熱電モジュール4Bの出力電流Irを最適化する。すなわち、上述と同様に式(16)で示される総電力PをIrについての偏微分が零である偏微分方程式を解くことによって、総電力Pを最大にする後段熱電モジュール4Bの出力電流Irmaxが式(31)(32)のように導出することができる。
Figure 0004935361
したがって、式(30)内のIrに式(32)のIrmaxを代入することによって、最終的な前段熱電モジュールの出力電流の解Ifを求めると、式(33)のように表すことができる。
Figure 0004935361
また、後段熱電モジュール4B自体の発電電力が最大となる後段熱電モジュール4Bの出力電流Irmaxは、実施例1と同様に、検出された排ガスの温度や流量のときの後段熱電モジュール4Bの発電電力を最大にする出力電流に設定される。
したがって、コンピュータ14は、式(33)に示されるIfmaxと上述のIrmaxに従って、前段熱電モジュール4Aの出力電流Ifと後段熱電モジュール4Bの出力電流Irを制御する。また、式(33)内の未知変数については、シミュレーション等によって適当な値を予め算出しておく。
したがって、前段熱電モジュール4Aに吸収されずに後段熱電モジュール4Bに到達する熱エネルギーを増やしつつ、前後段合わせた熱電モジュール全体で得られる総発電電力を増大させることができる。そして、後段熱電モジュール4B単体の発電電力を最大にするように設定された発電電流が後段熱電モジュール4Bに流れるので、後段熱電モジュール4B単体で得られる発電電力も増大させることができる。すなわち、多段に配置された熱電モジュール全体としての総発電電力の取得量を増大させることができる。
そして、式(33)内の変数Gaの位置からわかるように、排ガスの流量Gaが小さくなるにつれて電流最適値Ifmaxを小さな値に補正することができ、排ガスの流量Gaが大きくなるにつれて電流最適値Ifmaxを大きな値に補正することができる。
図13(a)は、排ガス流量が少ない場合(Ga=0.02[kg/sec])における、前段発電モジュール4Aの出力電流と前段発電モジュール4Aの又は前後段合わせた発電モジュール全体としての発電電力との関係、並びに前段発電モジュール4Aの出力電流と前段発電モジュール4A自体の効率との関係を、上述のモデル計算に従って得られた結果を示した図である。図13(b)は、排ガス流量が多い場合(Ga=0.06[kg/sec])における、それらの関係を上述のモデル計算に従って得られた結果を示した図である。モデル計算時の各パラメータは、図13に記載の数値とする。
図13において、前後段合わせた熱電モジュール全体としての総発電電力を最大にする前段の出力電流は、前段熱電モジュール自身の発電電力を最大にする前段の出力電流より少ないことがわかる。これは、前段で奪う熱エネルギーを少なくする電流値であって後段の発電電力を電力が多く取り出せる電流値に設定されることによって、前後段合わせた熱電モジュール全体としての総発電電力を最大にしていることにほかならない。
また、図13(b)の排ガス流量Gaが多い場合における前後段合わせた熱電モジュール全体としての総発電電力を最大にする電流値は、図13(a)の排ガス流量Gaが少ない場合における前後段合わせた熱電モジュール全体としての総発電電力を最大にする電流値に比べ、前段熱電モジュール自身の発電電力を最大にする電流値に近くなっている。これは、排ガスの熱エネルギーに余裕があるため前段で奪う熱エネルギーの後段への影響が小さいためである。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述の実施形態は、熱電モジュール4が前段と後段の2段から構成されている場合であるか、熱電モジュール4が3段以上配置された場合でも上記同様の観点で考えればよい。
本実施形態の熱発電装置に用いる複数の熱電モジュールの配置関係を示した図である。 熱電モジュール4に生ずる温度差△Tを説明するための図である。 本実施形態の熱発電装置の基本構成を示した図である。 排ガスの熱エネルギーと回収エネルギーとの関係を示した模式図である。 熱電モジュール4を2段とする計算モデルを示した図である。 前段の発電モジュールの出力電流Ifについての電流波形である。 前段の発電モジュールの出力電流Ifについての電流波形である。 発電モジュール4の出力電流と温度差との関係を示した図である。 熱電モジュール4の出力電圧と出力電流の関係を示した図である。 最大電力点を探索した場合の電流変化を示した図である。 熱電モジュール4の出力電流Iと発電電力P又は発電効率ηとの関係を示した図である。 出力電流Iを変化させることによって最大電力点を探索する山登り法を表現した図である。 前段発電モジュール4Aの出力電流と前段発電モジュール4Aの又は前後段合わせた発電モジュール全体としての発電電力との関係、並びに前段発電モジュール4Aの出力電流と前段発電モジュール4A自体の効率との関係を、本発明に係るモデル計算に従って得られた結果を示した図である。
符号の説明
2 排気管
3 集熱フィン
4 熱電モジュール
5 冷却装置
12 電力変換器
14 コンピュータ

Claims (8)

  1. 熱エネルギーを持った流体の流れに沿って配置される複数の熱電モジュールと、
    前記熱電モジュールに流れる発電電流をそれぞれ制御する発電電流制御手段とを備え、
    前記発電電流制御手段は、
    流体の流れの上流側に配置された前段熱電モジュールに流れる発電電流の目標値を前記複数の熱電モジュールのそれぞれが発電した発電電力を合計した総発電電力が最大となるように設定し、
    前段熱電モジュールより下流側に配置された後段熱電モジュールに流れる発電電流の目標値を後段熱電モジュール自体の発電電力が最大となるように設定する、ことを特徴とする熱発電装置。
  2. 前記発電電流手段は、前記熱電モジュールに流れる発電電流の流通に伴って当該発電電流を減少させる、請求項1に記載の熱発電装置。
  3. 前記発電電流制御手段は、前段熱電モジュールの発電電流の流通/非流通を所定周期で繰り返す、請求項1又は2に記載の熱発電装置。
  4. 前記所定周期のうち流通期間の比率は、前段熱電モジュールの前記複数の熱電モジュール全体としての発電電力を最大にする発電電流を前段熱電モジュールのそれ自体の発電電力を最大にする発電電流で除算した値であるとした、請求項3に記載の熱発電装置。
  5. 前記発電電流手段は、前段熱電モジュールの発電電流の流通期間における平均電流値を前段熱電モジュールのそれ自体の発電電力を最大にする発電電流値に設定し、前段熱電モジュールの前記所定周期期間における平均電流値が前段熱電モジュールの前記複数の熱電モジュール全体としての発電電力を最大にする発電電流値となるように制御する、請求項3又は4に記載の熱発電装置。
  6. 前記発電電流制御手段は、流体の熱容量に応じて、前段熱電モジュールに流れる発電電流の目標値を変化させる、請求項1から5のいずれかに記載の熱発電装置。
  7. 前記発電電流制御手段は、流体の熱容量が少なくなるにつれて、前段熱電モジュールに流れる発電電流の目標値を前段熱電モジュール自体の発電電力を最大にする電流値よりも前段熱電モジュール自体の発電効率を最大にする電流値に近づくように変化させる、請求項6に記載の熱発電装置。
  8. 前記発電電流制御手段は、流体の熱容量が多くなるにつれて、前段熱電モジュールに流れる発電電流の目標値を前段熱電モジュール自体の発電効率を最大にする電流値よりも前段熱電モジュール自体の発電電力を最大にする電流値に近づくように変化させる、請求項6に記載の熱発電装置。
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