JP4923780B2 - 通信装置、通信システム、および通信方法 - Google Patents

通信装置、通信システム、および通信方法 Download PDF

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Description

本発明は、基本となるパケットを結合して無線パケット通信を行う通信装置、通信システム、および通信方法に関し、特に、通信効率の向上を目的として、パケットの結合および分離を行う技術に関する。
パケット通信では、端末が、固定または可変の長さに区切られたデータをデータパケットに含めて送受信する。データパケットのフォーマットは、図12に示すように、宛先101と、データ102と、CRC(Cyclic Redundancy Check)103とを含む。CRC103は、受信側で、データパケットの受信が成功したか否かを判定するために用いられる。
特に、無線を介して行うパケット通信を、無線パケット通信と呼ぶ。
無線パケット通信は、無線を介しているため、有線を介して行う有線パケット通信と比較して、通信中にデータを誤る確率が高い。
このため、例えば、IEEE802.11規格のアクセス制御方法を用いた無線パケット通信では、受信側が、データパケットの受信に成功した場合はAckパケットを送信側に送り返すことで、通信の信頼度を高めている。
無線パケット通信には大きく分けて2通りの方式がある。図13に示すように、通信相手の端末と直接通信する方式と、図14に示すように、通信相手の端末とアクセスポイントを介して通信する方式である。
図13において、端末Aが別の端末Bにデータパケットを送信したとき、端末Bはそのデータパケットの正常な受信が確認できると、端末AにAckパケットを送り返す。
図14において、端末Aおよび端末Bがアクセスポイントを介して通信する場合、アクセスポイントが端末B宛てのデータパケットを正常に受信すると、まず、端末Aに対してAckパケットを送信し、その後、端末Bに対してそのデータパケットを転送する。データパケットを端末Bが正常に受信すると、端末BがAckパケットをアクセスポイントに対して送信する。
しかし、図13および図14に示した無線パケット通信では、受信側は、1つのデータパケットに対して、必ず1つのAckパケットを送信しなければならないため、Ackパケットを使用しない有線パケット通信と比べて通信効率が悪くなる。
そこで、Ackパケットを送受信する時間を減らし、データパケットを効率よく通信する方法として、図15に示すように、複数のデータパケットを結合(アグリゲーション)し、1つの大きいアグリゲーションパケット(結合パケット)を通信する方法が提案されている。この方法の一例が、非特許文献1に開示されている。
図16に、非特許文献1に開示されているアグリゲーションパケットのフォーマットを示す。図16に示すように、アグリゲーションパケットは、データパケット同士を、データパケットの区切れ目を示す制御データ(デリミタ)を挟んで結合した構成になっている。
図17に、図16におけるデリミタの内部構成を示す。デリミタは、直後のデータパケットのパケット長を示す長さ情報と、この長さ情報の信頼性を判定するためのCRCと、固定のユニークパターン(同期パターン)とを含む。
フォーマットの中のデータパケットおよびデリミタのデータ領域のことをフィールドと呼ぶ。例えば、図17には、CRCのフィールド、長さ情報のフィールド、ユニークパターンのフィールド、リザーブのフィールドが存在する。
さらに、非特許文献1では、アグリゲーションパケット内の複数のデータパケットの各々に対する複数のAckパケットを個々に送信するのではなく、図18に示すように、複数のAckパケットを1つにまとめたBlockAckパケットを送信する方法が提案されている。この方法により、さらに通信効率を向上できる。
Ackパケットでは、図19(a)に示すように、データパケットの受信側が、Ackパケットの送信または非送信によって、データパケットの受信成功の可否を送信元に伝える。
これに対して、BlockAckパケットでは、図19(b)に示すように、データパケットの受信側が、BlockAckパケット内のビットマップ(BlockAckビットマップ)を用いて、データパケットの受信成功の可否を送信元に伝える。BlockAckビットマップは、例えば、受信成功の場合はビットを1、受信失敗の場合はビットを0として、データパケットのシーケンス番号順に1ビットずつ並べたもののことである。
図20に、パケットアグリゲーションを行う端末の一般的な内部構成を示す。図20に示すように、パケットアグリゲーションを行う端末901は、リンク層の処理を実行する処理部902と、MAC層の処理を実行する処理部903と、物理層の処理を実行する処理部904とを含む。また、処理部903は、アグリゲーション処理部903−1を含み、アグリゲーション処理部903−1は、デリミタ処理部903−11と、BlockAckパケット生成部903−12とを含む。
アグリゲーション処理部903−1は、複数のデータパケットとデリミタとを結合し、不図示のアグリゲーションパケット用送信キューに入れて送信する。
デリミタ処理部903−11は、結合すべき個々のデータパケット毎に、そのデータパケットのパケット長を基にCRCを計算し、パケット長の長さ情報と計算したCRCとを含むように、デリミタを生成する。
BlockAckパケット生成部903−12は、受信したアグリゲーションパケットの個々のデータパケットのシーケンス番号、優先度、受信成功の可否に関する情報をまとめて、BlockAckパケットを生成する。BlockAckパケットのフォーマットは、例えば図21のようになっている。
また、図22に示すように、個々のデータパケットに割り当てる優先度が複数定義されていて、優先度毎にシーケンス番号が割り当てられている場合、優先度毎のBlockAckビットマップをまとめて送る形式も提案されている。
図23に、アクセスポイントが、3つの端末に対してアグリゲーションパケットを送信する通信システムの構成を示す。アクセスポイントは、各端末宛のデータパケットを、デリミタを挟んで、結合して送信する。
図23における各端末A,B,Cがアクセスポイントからアグリゲーションパケットを受信した時の処理方法は、次の2通りある。
・処理方法(1)
処理方法(1)は、図24に示すように、デリミタに格納されている各データパケットの長さ情報をみて、次のデリミタの位置を決定していく方法である。
詳細には、各端末は、まず、先頭のデリミタを読み込み、そのデリミタに格納されているパケット長の長さ情報に対するCRCを計算して、その長さ情報が正しいか否かを判定する。長さ情報が正しいと判定された場合、各端末は、デリミタに格納されている長さ情報のパケット長分のパケットをデータパケットとして抽出し、そのデータパケットに書いてある宛先をチェックする。各端末は、データパケットの宛先が自分宛であれば、そのデータパケットの抽出処理を行い、データパケットの宛先が自分宛でなければ、そのデータパケットの廃棄処理を行う。次に、各端末は、上記で抽出処理または廃棄処理したデータパケットの直後にあるデリミタを同様に処理する。各端末は、アグリゲーションパケット全体の処理が終わったら、そのアグリゲーションパケットの処理を終了する。
処理方法(2)
処理方法(2)は、図25に示すように、デリミタに書いてあるユニークパターン(同期パターン)を用いて、アグリゲーションパケットの中のパターン検出を行って、デリミタの位置を決定していく方法である。
詳細には、各端末は、まず、受信したアグリゲーションパケット全体を走査して、あらかじめ送信側と受信側で既知のユニークパターンを検出する。各端末は、ユニークパターンが検出された部分をデリミタと見なす。次に、各端末は、デリミタに格納されているパケット長の長さ情報に関するCRCを計算して、その長さ情報が正しいか否かを判定する。長さ情報が正しいと判定された場合、各端末は、その長さ情報が格納されているデリミタと同期を取り、そのデリミタに関連づけられたデータパケットをアグリゲーションパケットから抽出する。次に、各端末は、デリミタに基づき抽出したデータパケットに書いてある宛先をチェックする。各端末は、データパケットの宛先が自分宛であれば、そのデータパケットの抽出処理を行い、データパケットの宛先が自分宛でなければ、そのデータパケットの廃棄処理を行う。次に、各端末は、上記で抽出処理または廃棄処理したデータパケットの直後にあるデリミタを同様に処理する。各端末は、アグリゲーションパケット全体の処理が終わったら、そのアグリゲーションパケットの処理を終了する。
なお、処理方法(1)および(2)は併用して使用することもできる。
図26に、アグリゲーションパケットを受信した端末が、上記の処理方法(1)を用いて受信処理を行ったときに、複数の優先度を含むBlockAckパケットを生成する方法について示す。
図26に示すように、端末は、アグリゲーションパケットの先頭から順にデータパケットを抽出する。その際、端末は、抽出したデータパケットのシーケンス番号、優先度、CRC判定結果によるパケット受信成功の可否の情報を格納しながら抽出処理を行う。図26では、端末は、始めに、シーケンス番号100、優先度[1](以後、(#100、[1])と示す)のデータパケットを抽出し、その後も同様に、(#101、[1])、(#98、[1])、(#102、[1])、(#102、[1])、(#99、[1])と先頭から順にデータパケットを抽出していき、最終的には、(#353、[3])のデータパケットまで抽出する。
次に、端末は、格納してあるアグリゲーションパケット内のデータパケットの情報から、優先度[1]のデータパケットの情報のみを抽出し、優先度[1]の個々のデータパケットのシーケンス番号とパケット受信成功の可否に関する情報とを対にして、それらをシーケンス番号が昇順になるように並べ替える。次に、端末は、優先度[1]の個々のデータパケットのパケット受信成功の可否に応じたビットを、シーケンス番号の昇順に並べることでBlockAckビットマップを生成する。その後、端末は、生成したBlockAckビットマップに、優先度情報と開始シーケンス番号とを付加する
端末は、同様の処理を、優先度[2]および優先度[3]のデータパケットについても行い、優先度[2]および優先度[3]のデータパケットに対するBlockAckビットマップを生成する。
端末は、アグリゲーションパケット内の全ての優先度[1]〜優先度[3]のデータパケットに対するBlockAckビットマップを生成したら、それらを接続して、BlockAckパケットを作成する。
なお、アグリゲーションパケットを構成するデータパケットの順番は任意である。すなわち、送信側では、必ずしも、シーケンス番号順や優先度順にデータパケットを並べてアグリゲーションパケットを構成する必要はない。そのため、受信側では、通常、そのことを考慮した処理が必要である。例えば、BlockAckビットマップは、通常、アグリゲーションパケットの最後まで処理を行わなければ確定しない。
Adrian Stephens著、「HT MAC Specification」、[online]、2006年1月6日、p52、Enhanced Wireless Consortium、インターネット<URL http://www.enhancedwirelessconsortium.org/home/EWC#MAC#spec#V124.pdf>
しかしながら、上記の処理方法(1)および(2)のどちらかの方法においても、アグリゲーションパケット内のデリミタの位置を決定してからでないと、デリミタで区切られているデータパケットの処理に移ることができない。
そのため、受信側では、アグリゲーションパケットを処理する時に、データパケットの宛先や優先度に関係なく、すべてのデリミタの位置を決定し、すべてのデータパケットを先頭から最後まで順番に処理をしなければならない。
例えば、BlockAckパケットの生成に際しては、アグリゲーションパケット全体を処理してからでないと、BlockAckパケット内のビットマップを生成することができない。そのため、BlockAckパケットの生成により時間がかかる。
また、上記の処理方法(2)においては、ユニークパターン検出時に、デリミタであるかどうかに拘わらず、CRCの計算をしなければならない。そのため、CRCの計算結果により誤りがあると判定された場合は、そのCRCの計算処理は不要な受信処理となる。このような不要な受信処理は、不要な電力を消費するため、特に、無線パケット通信を行う端末にはバッテリーの稼働時間の観点で都合が悪い。
そこで、本発明の目的は、アグリゲーションパケットの受信処理の高速化および省電力化を図ることができる通信装置、通信システム、および通信方法を提供することにある。
本発明は、複数のパケットから構成されたアグリゲーションパケットの無線パケット通信を行う通信装置に適用される。
本発明の通信装置の送信側には、
前記アグリゲーションパケットを構成する複数のパケットの各々の属性情報を格納し、所定の宛先アドレスを設定した拡張パケットを生成する拡張パケット生成手段と、
前記拡張パケット生成手段により生成された前記拡張パケットを前記アグリゲーションパケットに結合するパケット連結手段と、
前記パケット連結手段により前記拡張パケットが結合された前記アグリゲーションパケットを送信する送信手段と、が設けられている。
また、本発明の通信装置の受信側には、
前記アグリゲーションパケットを受信する受信手段と、
前記受信手段にて受信された前記アグリゲーションパケットを構成するパケットの中に前記所定の宛先アドレスが設定されたパケットがある場合、当該パケットを前記拡張パケットと判断する拡張パケット有無判断手段と、
前記拡張パケット有無判断手段により前記拡張パケットと判断されたパケットに格納された属性情報に基づいて、前記アグリゲーションパケットから前記パケットを順次抽出するパケット抽出手段と、
前記パケット抽出手段により抽出された後に、該抽出されたパケットの受信成功の可否を判定する検査手段と、
前記検査手段による判定結果に基づいて、前記アグリゲーションパケットに対する応答パケットを生成する手段と、が設けられている。
なお、前記属性情報としては、前記複数のパケットの各々のシーケンス番号の情報、優先度の情報、アグリゲーションパケット内での位置の情報、長さの情報、変調方式の情報、宛先となる通信装置のアドレスを含めることができる。
上記の構成によれば、アグリゲーションパケットを送信する通信装置は、アグリゲーションパケットを構成する個々のパケットの属性情報を格納した拡張パケットを結合する。そのため、アグリゲーションパケットを受信した通信装置は、アグリゲーションパケット全体の処理が終了するのを待たずに、そのアグリゲーションパケットに含まれる個々のパケットの属性情報を得ることが可能となる。
これにより、アグリゲーションパケットに対する応答パケットを生成するに際し、アグリゲーションパケットを先頭のパケットから順に処理することなく、拡張パケットに格納された情報を基に、例えば、シーケンス番号順に処理を行うことができるため、応答パケットを高速に生成することができる。
また、アグリゲーションパケットに複数の優先度のパケットが含まれる場合に、同じ優先度のパケットを一括して抽出することができるため、複数の優先度を含む応答パケットも高速に生成することができる。
また、デリミタに関係なく、拡張パケットに格納された情報を基にしてパケットの抽出処理を行うため、デリミタ内のCRCを計算する必要がない。
以上のことから、従来技術と比較して、アグリゲーションパケットの受信処理の高速化を図ることができる。
また、上述のように、デリミタ内のCRCを計算する必要がないため、不要なCRC計算を行わずに済むため、従来技術と比較して、アグリゲーションパケットの受信処理の省電力化を図ることができる。
また、上述のように、デリミタによらず個々のパケットの位置に関する情報を得ることができるため、従来技術と比較して、パケットの送受信で起きるデータ誤りをより少なくした無線パケット通信を行うことができる。
上記のように構成された本発明によれば、通信装置は、アグリゲーションパケットを送信する場合、アグリゲーションパケットを構成する個々のパケットの属性情報を格納した拡張パケットを結合する。
したがって、通信装置は、アグリゲーションパケットを受信した場合、アグリゲーションパケット全体の処理が終了するのを待たずに、そのアグリゲーションパケットに含まれる個々のパケットの属性情報を取得することができる。そのため、従来技術と比較して、アグリゲーションパケットの受信処理の高速化を図ることができるという効果が得られる。
また、パケットの区切れ目のデリミタに関係なく、拡張パケットに格納された属性情報を基にしてパケットを抽出するため、デリミタ内の不要なCRC計算を行わずに済む。そのため、従来技術と比較して、アグリゲーションパケットの受信処理の省電力化を図ることができるという効果が得られる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1および図2は、本発明の第1の実施形態に係る通信システムの構成を示す図である。
本発明は、図1に示すように、アクセスポイント1601が存在する通信システムと、図2に示すように、アクセスポイントが存在しない通信システムの双方に対応している。
図1に示す通信システムにおいては、端末1602〜1604間でアクセスポイント1601を介して通信を行う。
図2に示す通信システムにおいては、アクセスポイントを介さず、端末1602〜1604間で直接通信を行う。
本発明の通信装置は、図1および図2におけるアクセスポイント1601および端末1602〜1604の双方を指す。
図1および図2において、端末1602〜1604は、複数のパケットを結合してアグリゲーションパケットを生成し、アクセスポイント1601を介してもしくは直接通信相手に送信する。
図1において、アクセスポイント1601は、有線ネットワークに接続されており、端末1602〜1604からのアグリゲーションパケットを単に中継する他、有線側からきた複数のパケットを結合してアグリゲーションパケットを生成し、無線側の端末1602〜1604に送信することも行う。
なお、本実施形態では、アグリゲーションパケットのデータパケットの宛先には、図23等に示したように複数の宛先が含まれず、単一の宛先のみが含まれているものとする。
図3は、図1に示した端末1602〜1604の概略構成を示すブロック図である。
図3に示すように、端末1602〜1604は、無線リンクを介して他の端末と通信する端末であり、リンク層の処理を実行する処理部1702と、MAC層の処理を実行する処理部1703と、物理層の処理を実行する処理部1704とを含む。また、処理部1703は、アグリゲーション処理部1703−1を含み、アグリゲーション処理部1703−1は、デリミタ処理部1703−12と、BlockAckパケット生成部1703−13と、本発明で新規に追加する拡張パケット処理部1703−11とを含む。
図4は、図1に示したアクセスポイント1601および図2に示した端末1602〜1604の概略構成を示すブロック図である。
図4に示すように、図1に示したアクセスポイント1601および図2に示した端末1602〜1604は、図3と比較して、ビーコンを生成するビーコン生成部1703−2を含んでいる点が異なる。
図1においては、アクセスポイント1601は、常に、配下の全端末1602〜1604にビーコンを送信する。
図2においては、端末1602〜1604のいずれかがビーコンを送信する。各端末1602〜1604はビーコン送信時刻毎に乱数を生成するが、このうち最小の乱数を生成した端末がビーコンを送信することになる。
ところで、拡張パケットは、アグリゲーションパケットの先頭に結合されるものである。拡張パケットのフォーマットは、図5に示すように、宛先1801と、送信元1802と、パケット位置情報列1803と、CRC1804とを含む。
パケット位置情報列1803は、アグリゲーションパケットに含まれる優先度毎に、その優先度が割り当てられた個々のデータパケットのシーケンス番号範囲と、その個々のデータパケットのアグリゲーションパケット内での位置に関する情報とを含む。すなわち、パケット位置情報列1803は、優先度[1]〜優先度[3]毎のパケット位置情報列1803−1〜1803−3を含む。図6では、データパケットの位置に関する情報として、アグリゲーションパケットの先頭からのByte数であるOFFSETを用いている。拡張パケットの長さは、アグリゲーションパケットの長さに依存し、アグリゲーションパケットが長くなるほど長くなるものとする。
宛先1801は、拡張パケット対応の本発明のアクセスポイント1601および端末1602〜1604のみが認識できる値とする。例えば、アクセスポイント1601および端末1602〜1604が通信できる無線ネットワークには存在しないアドレス、アグリゲーションパケットを送信する端末1602〜1604のアドレス、または、アグリゲーションパケットを送信するアクセスポイント1601の有線側もしくは無線側のアドレスとすることができる。したがって、従来の端末は、拡張パケットを受信した場合、宛先が自分宛ではないとして、この拡張パケットを破棄するため、従来の端末の標準機能に不具合を与えることはない。なお、アグリゲーションパケットの拡張パケット以外のデータパケットの宛先には、本来の宛先が格納される。
拡張パケットには、個々のデータパケットのパケット長の情報を含めても良い。このように、アグリゲーションパケット内でのデータパケットの位置以外にパケット長の情報も格納することにより、アグリゲーションパケットの受信処理のさらなる高速化を図ることができる。
また、拡張パケットには、個々のデータパケットの変調方式の情報を含めても良い。このように、データパケットの変調方式の情報も格納することによって、変調方式毎にデータパケットを結合することが可能となる。
図6は、図1および図2に示したアクセスポイント1601および端末1602〜1604の送信ブロックの詳細な構成を示すブロック図である。
図6に示すように、アクセスポイント1601および端末1602〜1604の送信ブロックは、宛先情報生成・付加部1901と、CRC生成・付加部1902と、送信キュー1903と、図3に示したデリミタ処理部1703−12と、パケット連結部1905と、図3に示した拡張パケット処理部1703−11と、アグリゲーションパケット用送信キュー1908と、拡張パケット対応・非対応情報管理部1909とを含む。なお、デリミタ処理部1703−12は、デリミタ生成部1904を含み、また、拡張パケット処理部1703−11は、パケット属性情報管理部1906と、拡張パケット生成部1907とを含む。
宛先情報生成・付加部1901は、上位層からの送信データに対して宛先情報を生成し付加する。CRC生成・付加部1902は、宛先情報生成・付加部1901で付加された宛先とデータに対してCRCを生成し、最後尾に付加する。これにより、図12に示したフォーマットのデータパケットが得られる。
送信キュー1903は、複数の優先度(図6では、[0]、[1]、[2]、[3]の4つとする)毎に分類された送信キューにより構成される。上位層からの送信データは、まず、宛先情報生成・付加部1901で宛先情報が付加され、次に、CRC生成・付加部1902でCRCが付加され、その後、送信キュー1903内部の優先度毎の送信キューに振り分けられて格納され、シーケンス番号および優先度が付加される。
デリミタ生成部1904は、データパケットのパケット長を計算するパケット長計算部1904−1と、そのパケット長を基にCRCを計算するCRC計算部1904−2とを含み、パケット長計算部1904−1で計算されたパケット長に関する情報とCRC計算部1904−2で計算されたCRCに関する情報とを基にデリミタを生成する。
拡張パケット対応・非対応情報管理部1909は、アグリゲーションパケットの送信先の端末が拡張パケットに対応・非対応のどちらであるかの情報を管理する。
パケット属性情報管理部1906は、パケットシーケンス番号管理部1906−1と、パケット優先度情報管理部1906−2と、パケット連結位置管理部1906−3とを含む。パケットシーケンス番号管理部1906−1は、さらに最大値管理部1906−11と、最小値管理部1906−12と、バッファサイズ管理部1906−13とを含む。
パケットシーケンス番号管理部1906−1は、送信キュー1903から取り出されてパケット連結部1905で結合される個々のパケットのシーケンス番号を取得し、格納する。さらに、パケットシーケンス番号管理部1906−1は、格納したシーケンス番号のリストを拡張パケット生成部1907に対して出力する。
最大値管理部1906−11は、アグリゲーションパケット内の個々のデータパケットのシーケンス番号の最大値を管理する。
最小値管理部1906−12は、アグリゲーションパケット内の個々のデータパケットのシーケンス番号の最小値を管理する。
バッファサイズ管理部1906−13は、受信ブロックで通信相手から受信したAckパケットまたはBlockAckパケットの情報を基に、Ackパケット以外で通信相手に対して一度に送れるパケット数と、ある時刻ですでに送信済みのパケット数と、そのうち送信が成功したパケット数とを、管理する。
パケット優先度情報管理部1906−2は、送信キュー1903から取り出されてパケット連結部1905で結合される個々のパケットの優先度情報を取得し、格納する。さらに、パケット優先度情報管理部1906−2は、格納した優先度情報のリストを拡張パケット生成部1907に対して出力する。
パケット連結位置管理部1906−3は、送信キュー1903から取り出されてパケット連結部1905で結合された個々のパケットのアグリゲーションパケット内での位置を取得し、格納する。さらに、パケット連結位置管理部1906−3は、格納した個々のパケットの位置情報を拡張パケット生成部1907に対して出力する。
拡張パケット生成部1907は、パケット属性情報管理部1906および拡張パケット対応・非対応情報管理部1909から得た情報を基に、図5に示すフォーマットの拡張パケットを生成し、パケット連結部1905に対して出力する。なお、拡張パケット生成部1907は、個々のデータパケットの位置以外にパケット長の情報も格調パケットに格納する場合、パケット長の情報をデリミタ生成部1904から取得する。
パケット連結部1905は、送信キュー1903の優先度毎の各送信キューからのデータパケットと、拡張パケット生成部1907からの拡張パケットとを、結合して、1つのアグリゲーションパケットを生成する。詳細には、パケット連結部1905は、アグリゲーションパケットの先頭に拡張パケットを配置し、その後にデータパケットを配置する。
アグリゲーションパケット用送信キュー1908は、パケット連結部1905で生成されたアグリゲーションパケットを格納する。
図7は、図1および図2に示したアクセスポイント1601および端末1602〜1604の受信ブロックの詳細な構成を示すブロック図である。
図7に示すように、アクセスポイント1601および端末1602〜1604の受信ブロックは、受信バッファ2001と、図3に示したデリミタ処理部1703−12と、パケット抽出部2003と、図3に示した拡張パケット処理部1703−11と、受信キュー2004と、上位層パケット抽出部2005と、図6に示したパケットシーケンス番号管理部1906−1と、図3に示したBlockAckパケット生成部1703−13と、CRC検査部2010とを含む。なお、拡張パケット処理部1703−11は、拡張パケット有無判断部2007と、拡張パケット内情報格納部2008と、抽出パケット位置決定部2009とを含み、また、優先度毎パケットシーケンス番号管理部1906−1は、シーケンス番号並べ替え部2006−1を含む。
受信バッファ2001は、無線上を送信されてきたアグリゲーションパケットを、処理部1704での物理層の処理が行われた後に格納するバッファである。
デリミタ処理部1703−12は、受信バッファ2001に格納されたアグリゲーションパケットからデリミタを抽出し処理する。図17に示したフォーマットのデリミタの場合、デリミタ処理部1703−12は、デリミタ内に格納されている、直後のデータパケットのパケット長の長さ情報に関するCRCを計算し、その長さ情報が正しいか否かに応じてデリミタが正常に受信できたか否かを判定する。デリミタが正常に受信できたと判定された場合、デリミタ処理部1703−12は、デリミタ内に格納されている、直後のデータパケットのパケット長の長さ情報をパケット抽出部2003へ出力する。
パケット抽出部2003は、デリミタ処理部1703−12から出力された個々のデータパケットのパケット長に関する情報、あるいは抽出パケット位置決定部2009から出力された個々のデータパケットの位置とパケット長に関する情報に基づき、受信バッファ2001に格納されているアグリゲーションパケットからデータパケットまたは拡張パケットを抽出して出力する。
CRC検査部2010は、パケット抽出部2003で抽出されたデータパケットに対するCRCを計算し、そのデータパケットの受信が成功か否かの情報をBlockAckパケット生成部1703−13およびパケット抽出部2003に対して出力する。
受信キュー2004は、複数の優先度(図7では、[0]、[1]、[2]、[3]の4つとする)毎に分類された受信キューにより構成される。受信キュー2004は、パケット抽出部2003で抽出されたデータパケットを、そのデータパケット内の優先度情報を基に優先度毎の受信キューに振り分けて格納する。
上位層パケット抽出部2005は、受信キュー2004の優先度毎の受信キューに格納されているデータパケットから、宛先、送信元等の情報を含むヘッダ部と最後部に挿入されているCRCとを除いたデータを抽出して、上位層に対して出力する。
拡張パケット有無判断部2007は、パケット抽出部2003で抽出されたパケットの中に拡張パケットがあるかどうかを、パケットの宛先を検査し判断する。例えば、拡張パケット有無判断部2007は、アクセスポイントの有線側のアドレスや、アクセスポイントの無線側のアドレス、またはアクセスポイントが通信できる無線ネットワークに存在しないアドレスがあれば、そのアドレスが設定されたパケットが拡張パケットであると判断することができる。
拡張パケット内情報格納部2008は、拡張パケット有無判断部2007で拡張パケットがあると判断された場合、その拡張パケット内の情報を抽出して格納する。さらに、拡張パケット内情報格納部2008は、拡張パケット内の情報をBlockAckパケット生成部1703−13に対して出力する。これにより、BlockAckパケット生成部1703−13でのBlockAckパケットの生成が効率化される。
抽出パケット位置決定部2009は、拡張パケット内情報格納部2008に格納された拡張パケット内の情報に基づき、アグリゲーションパケット内の次に処理するべきデータパケットを決定して、そのデータパケットのアグリゲーションパケット内での位置とパケット長に関する情報を、パケット抽出部2003に対して出力する。
シーケンス番号並べ替え部2006−1は、パケット抽出部2003で抽出されたデータパケットのシーケンス番号を、優先度毎に並べ替えて格納する。
パケットシーケンス番号管理部1906−1は、シーケンス番号並べ替え部2006−1に格納されている、優先度毎のデータパケットのシーケンス番号を管理し、BlockAckパケット生成部1703−13に対して出力する。
BlockAckパケット生成部1703−13は、パケットシーケンス番号管理部1906−1、CRC検査部2010、パケット抽出部2003、および拡張パケット内情報格納部2008からの情報を基に、BlockAckパケットを生成する。
図8に、図6に示したアクセスポイント1601および端末1602〜1604の送信ブロックの動作を説明するフローチャートを示す。なお、図8のフローチャートは、上位層からの送信要求を受信した時点で開始される。
図8に示すように、まず、デリミタ生成部1904は、送信キュー1903にデータパケットがあるかどうかを判定する(ステップS1)。送信キュー1903にデータパケットが無かった場合(ステップS1のNO)、ステップS1に帰還し、送信キュー1903にデータパケットが格納されるまでステップS1の処理が繰り返される。
一方、ステップS1において、送信キュー1903にデータパケットがあった場合(ステップS1のYES)、デリミタ生成部1904は、送信キュー1903からデータパケットを抽出する(ステップS2)。次に、パケット長計算部1904−1は、送信キュー1903から抽出されたデータパケットのパケット長を計算し(ステップS3)、続いて、CRC計算部1904−2は、そのパケット長の長さ情報が格納されているデリミタ内の長さフィールドに対するCRCを計算する(ステップS4)。次に、デリミタ生成部1904は、パケット長計算部1904−1で計算されたパケット長に関する情報とCRC計算部1904−2で計算されたCRCの情報とを基にデリミタを生成し、パケット連結部1905は、送信キュー1903から抽出されたデータパケットの先頭に、デリミタ生成部1904で生成されたデリミタを付加する(ステップS5)。
デリミタ付加後に、パケット属性情報管理部1906は、拡張パケット対応・非対応情報管理部1909で管理されている情報を基に、上記データパケットの宛先端末が拡張パケット対応端末であるか否かを判定する(ステップS6)。宛先端末が拡張パケット対応端末である場合(ステップS6のYES)、パケット属性情報管理部1906は、上記データパケットの属性情報(シーケンス番号、優先度、アグリゲーションパケット内での連結位置)を、拡張パケット内に含めるべき情報として格納する(ステップS7)。
ステップS6において、上記データパケットの宛先端末が拡張パケット対応端末でない場合(ステップS6のNO)、または、ステップS7の処理が終了した場合、続いて、パケット属性情報管理部1906は、結合するべき他のデータパケットが送信キュー1903にあるかどうかを判定する(ステップS8)。結合するべき他のデータパケットが送信キュー1903にあった場合(ステップS8のYES)、ステップS2に帰還する。
一方、ステップS8において、結合するべき他のデータパケットが送信キュー1903に無かった場合(ステップS8のNO)、拡張パケット生成部1907は、拡張パケット対応・非対応情報管理部1909で管理されている情報を基に、パケット連結部1905で生成されるアグリゲーションパケットの宛先端末が拡張パケット対応端末であるか否かを判定する(ステップS9)。
ステップS9において、上記アグリゲーションパケットの宛先端末が拡張パケット対応端末である場合(ステップS9のYES)、拡張パケット生成部1907は、パケット属性情報管理部1906から得た属性情報を基に拡張パケットを生成し、パケット連結部1905に対して出力する(ステップS10)。
次に、パケット連結部1905は、上記アグリゲーションパケットの先頭に、拡張パケット生成部1907から出力された拡張パケットを結合する(ステップS11)。
その後、アグリゲーションパケット用送信キュー1908は、パケット連結部1905で生成されたアグリゲーションパケットを一時的に格納する(ステップS12)。アグリゲーションパケット用送信キュー1908に一時的に格納されたアグリゲーションパケットは、所定のタイミングで通信相手に送信される。
図9に、図7に示したアクセスポイント1601および端末1602〜1604の受信ブロックの動作を説明するフローチャートを示す。なお、図9のフローチャートは、デリミタ処理部1703−12が受信バッファ2001の状態をチェックした時点で開始される。
図9に示すように、まず、デリミタ処理部1703−12は、受信バッファ2001の状態をチェックする(ステップS101)。受信バッファ2001にアグリゲーションパケットが格納されている場合(ステップS101のYES)、デリミタ処理部1703−12は、アグリゲーションパケットの先頭のパケットの前に付加されたデリミタを抽出する(ステップS102)。
次に、デリミタ処理部1703−12は、上記で抽出したデリミタに格納されている、直後のパケットのパケット長に関する長さ情報に対してCRCを計算し、この長さ情報が正しいか否かを判定する(ステップS103)。
ステップS103において、パケットの長さ情報が誤っていると判定された場合(ステップS103のNG)、デリミタ処理部1703−12は、従来技術の処理方法(2)のように、アグリゲーションパケットの現在処理している部分以降の未処理部分からユニークパターンを検出する(ステップS111)。ユニークパターンが検出されなかった場合(ステップS111のYES)、後述のステップS120に進む。一方、ユニークパターンが検出された場合(ステップS111のYES)、デリミタ処理部1703−12は、ユニークパターンが検出された部分がデリミタであると見なして、そのデリミタから直後のパケットの長さ情報に関する部分を抽出し、その部分に対するCRCを計算する(ステップS112)。CRCの計算結果により長さ情報が誤っていると判定された場合(ステップS112のNG)、ステップS111に帰還し、正しいと判定された場合(ステップS112のOK)、ステップS102に帰還する。
ステップS103において、パケットの長さ情報が正しいと判定された場合(ステップS103のYES)、デリミタ処理部1703−12は、パケットの長さ情報をパケット抽出部2003に対して出力する。
パケット抽出部2003は、デリミタ処理部1703−12から出力されたパケットの長さ情報を基に、そのパケットを受信バッファ2001に格納されているアグリゲーションパケットから抽出し、CRC検査部2010に対して出力する(ステップS104)。
次に、CRC検査部2010は、パケット抽出部2003で抽出されたパケットの最後部に挿入されているCRCを計算し、CRCの計算結果からパケットを正常に受信したか否かを判定する(ステップS105)。
ステップS105において、パケットが正しく受信できていると判定された場合(ステップS105のOK)、パケット抽出部2003は、そのパケットがアグリゲーションパケットの中で先頭のパケットであるかどうかを判定する(ステップS106)。
ステップS106において、上記パケットが先頭のパケットであると判定された場合(ステップS106のYES)、拡張パケット有無判断部2007は、上記パケットが拡張パケットであるかどうかを判定する(ステップS113)。
ステップS113において、上記パケットが拡張パケットではないと判定された場合(ステップS113のNO)、すなわちデータパケットであると判定された場合、受信キュー2004は、上記データパケットの優先度情報を基に、その優先度に対応した受信キューにパケットを格納する(ステップS107)。次に、シーケンス番号並べ替え部2006−1は、パケット抽出部2003で抽出されたデータパケットのシーケンス番号を、優先度毎に並べ替える(ステップS108)。
次に、デリミタ処理部1703−12は、受信バッファ2001に次に処理すべき他のパケットがあるかどうかを判定し(ステップS109)、処理すべき他のパケットがあると判定した場合(ステップS109のYES)、デリミタ内のパケット長に関する情報から次に処理すべきパケットを決定し(ステップS110)、ステップS102に帰還する。
ステップS113において、上記パケットが拡張パケットであると判定された場合(ステップS113のYES)、拡張パケット内情報格納部2008は、拡張パケット内の情報を格納し(ステップS114)、抽出パケット位置決定部2009は、拡張パケット内情報格納部2008に格納された情報から、次に処理すべきデータパケットを決定し、そのデータパケットのアグリゲーションパケットの先頭からの位置とパケット長を、パケット抽出部2003に対して出力する(ステップS115)。
パケット抽出部2003は、抽出パケット位置決定部2009から出力されたデータパケットの位置とパケット長に関する情報を基に、受信バッファ2001からデータパケットを抽出し、CRC検査部2010に対して出力する(ステップS116)。
次に、CRC検査部2010は、パケット抽出部2003で抽出されたデータパケットの最後部に挿入されているCRCを計算し、CRCの計算結果からデータパケットを正常に受信したか否かを判定し、受信成功の可否に関する情報をBlockAckパケット生成部1703−13に対して出力する(ステップS117)。
ステップS117において、上記データパケットが正常に受信できたと判定された場合(ステップS117のOK)、パケット抽出部2003は、上記データパケットを受信キュー2004に対して出力する。次に、受信キュー2004は、パケット抽出部2003から出力されたデータパケットの優先度情報を基に、その優先度に対応した受信キューにパケットを格納する(ステップS118)。
次に、抽出パケット位置決定部2009は、拡張パケット内情報格納部2008に格納された情報から、受信バッファ2001に次に処理すべき他のデータパケットがあるかどうかを判定する(ステップS119)。次に処理すべき他のデータパケットがあると判定された場合(ステップS119のYES)、ステップS115に帰還する。
一方、ステップS119において、次に処理すべき他のデータパケットがないと判定された場合(ステップS119のNO)、上位層パケット抽出部2005は、受信キュー2004からデータパケットを取り出し、そのデータパケットの前に付加されている、宛先情報を含むヘッダ部と受信成功・失敗を判断するために付加されているCRCとを取り除き、残りのデータを上位層に対して出力する(ステップS120)。
その後、BlockAckパケット生成部1703−13は、優先度毎に、拡張パケット内情報格納部2008から、個々のデータパケットのシーケンス番号に関する情報を得て、さらに、CRC検査部2010から、個々のデータパケットの受信に成功したか否かに関する情報を得て、BlockAckパケットを生成する(ステップS121)。BlockAckパケットのフォーマットは、例えば、図19に示すように、開始シーケンス番号と、シーケンス番号毎の受信成功の可否を1ビットで示すビットマップとから構成される。BlockAckパケット生成部1703−13で生成されたBlockAckパケットは、送信ブロックへと送られ、送信キューに格納される。
以下に、図1に示した通信システムにおける端末1602〜1604の具体的な動作について、図10を用いて説明する。なお、図10では、アクセスポイント1601が、拡張パケットに対応している端末に対して、複数の優先度を含むデータパケットを結合して送信するものとする。
図10において、アグリゲーションパケットの先頭に結合されているパケットは拡張パケットである。拡張パケットには、複数の優先度毎に、その優先度のデータパケットのシーケンス番号の範囲と、その優先度の個々のデータパケットのアグリゲーションパケット内での位置とが格納されている。
優先度[1]のデータパケットについては、拡張パケットの前半に、シーケンス番号#98からシーケンス番号#102の範囲であるという情報が格納される。さらに、拡張パケットの後半には、シーケンス番号#98〜#102までのデータパケットのアグリゲーションパケット内での位置が、シーケンス番号の昇順に格納される。
優先度[2]および優先度[3]のデータパケットについても、優先度[1]と同様の情報が、優先度[1]の情報の後に、拡張パケットに格納される。
アグリゲーションパケットを受信した端末は、アグリゲーションパケットに対するBlockAckを生成するに際し、優先度毎に、シーケンス番号の昇順に、パケット受信成功の可否を1ビットで示すBlockAckビットマップを生成する必要がある。
本実施形態では、アグリゲーションパケットには、上述したような拡張パケットが結合されている。そのため、端末は、拡張パケットに格納された属性情報に基づいて、優先度毎に、シーケンス番号範囲内のデータパケットを、シーケンス番号の昇順に処理していくことができ、それにより、受信処理を効率化することができる。
具体的には、端末は、まず、優先度[1]のデータパケットについて、シーケンス番号#98のデータパケットのアグリゲーションパケット内での位置に基づき、シーケンス番号#98のデータパケットを抽出し、CRC計算により受信成功の可否を判定し、その可否を示すビットを優先度[1]のBlockAckビットマップの先頭に配置する。同様の処理をシーケンス番号#99〜#102のデータパケットについても行い、受信成功の可否を示すビットを優先度[1]のBlockAckビットマップの最後尾に順次配置していく。以降、優先度[1]および優先度[2]のデータパケットについても同様の処理を行う。
したがって、端末は、従来技術のように、アグリゲーションパケット全体の処理が終了するのを待たずに、BlockAckビットマップを高速に生成することができる。また、アグリゲーションパケット全体の処理が終了した後に、あらためてパケット受信成功の可否を示すビットを並べ替える処理が不要になるため、BlockAckビットマップを高速に生成することができる。以上のことから、アグリゲーションパケットの受信処理の高速化を図ることができる。
上述したように本実施形態においては、アグリゲーションパケットを送信する側は、アグリゲーションパケットの先頭に、そのアグリゲーションパケットに含まれる個々のデータパケットに関する属性情報(優先度、シーケンス番号、アグリゲーションパケット内での位置、パケット長など)を格納した拡張パケットを結合して送信する。
そのため、アグリゲーションパケットを受信する側は、アグリゲーションパケット全体の処理が終了するのを待たずに、そのアグリゲーションパケットに含まれる個々のデータパケットに関する情報を得ることが可能となる。
これにより、BlockAckパケットを生成するに際し、アグリゲーションパケットを先頭のデータパケットから順に処理することなく、拡張パケットに格納された情報を基に、例えば、シーケンス番号順に処理を行うことができるため、BlockAckパケットを高速に生成することができる。また、アグリゲーションパケットに複数の優先度のデータパケットが含まれる場合に、同じ優先度のデータパケットを一括して抽出することができるため、複数の優先度を含むBlockAckパケットも高速に生成することができる。また、デリミタに関係なく、拡張パケットに格納された情報を基にしてデータパケットの抽出処理を行うため、デリミタ内のCRCを計算する必要がない。以上のことから、従来技術と比較して、アグリゲーションパケットの受信処理の高速化を図ることができる。
また、上述のように、デリミタ内のCRCを計算する必要がないため、不要なCRC計算を行わずに済むため、従来技術と比較して、アグリゲーションパケットの受信処理の省電力化を図ることができる。
また、上述のように、デリミタによらず個々のデータパケットの位置に関する情報を得ることができるため、従来技術と比較して、データパケットの送受信で起きるデータ誤りに対して、より強い無線パケット通信を行うことができる。
(第2の実施形態)
図11を参照すると、本実施形態は、図10に示したようにアグリゲーションパケットの中にデータパケットの単一の宛先のみが含まれている第1の実施形態と比較して、複数の宛先が含まれている点が異なる。
図11において、端末Aおよび端末Bは拡張パケット対応の本発明の端末、端末Cは拡張パケット非対応の従来の端末である。
また、パケット2401は拡張パケットであり、パケット2402〜2407はデータパケットである。
拡張パケット2401は、大きく分けて2つの部分から構成されている。一方の部分には、各端末に関する情報(2407,2411)が格納されている。他方の部分には、各端末宛の個々のデータパケットのアグリゲーションパケット中での相対的な位置に関する情報(2408,2409,2410,2412,2413)が格納されている。
例えば、データパケット2402の宛先、シーケンス番号、優先度、位置に関する属性情報は、情報2408として格納されている。同様に、データパケット2403に関する属性情報は情報2409として、パケット2404に関する属性情報は情報2410として、データパケット2405に関する属性情報は情報2412として、データパケット2406に関する属性情報は情報2413として格納されている。
例えば、拡張パケット非対応の従来の端末Cが、図11に示したアグリゲーションパケットを受信した場合、アグリゲーションパケットの先頭に結合されている拡張パケットは自分宛でないと判断する。そのため、端末Cは、拡張パケットを破棄し、その後、従来技術の処理方法(1)または(2)を用いて、自分宛でないデータパケットも含めて、全て先頭から順にデータパケットを処理していく。したがって、端末Cは、アグリゲーションパケット全体の処理が終了するまで、常に電力を消費することになる。
これに対して、拡張パケット対応の本発明の端末Bが、図11に示したアグリゲーションパケットを受信した場合、アグリゲーションパケットの先頭に結合されている拡張パケットについて、その拡張パケットの特殊な宛先アドレスを見て自分宛であると判断し、拡張パケットに格納された属性情報に基づく処理を行う。
拡張パケットには、拡張パケット対応の本発明の端末A,B毎に、各端末A,B宛のデータパケットのアグリゲーションパケット内での位置の情報が、優先度およびシーケンス番号の情報とともに格納されている。そのため、端末Bは、拡張パケットに情報が格納されている自分宛のデータパケット2403,2406のみについて、その順に処理を行えば良い。したがって、端末Bは、拡張パケット2401およびデータパケット2403,2406を処理する時にのみ電力を消費することになるため、従来の端末Cと比較して、受信処理の省電力化を図ることができるとともに、受信処理を効率よく行うことができる。また、端末Bは、拡張パケット内のシーケンス番号順にデータパケットを処理するため、従来の端末Cと比較して、BlockAckビットマップおよびBlockAckパケットを高速に生成することができる。
本発明の第1の実施形態に係る通信システムの構成を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る通信システムの他の構成を示す模式図である。 図1に示した端末の概略構成を示すブロック図である。 図1に示したアクセスポイントおよび図2に示した端末の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る拡張パケットのフォーマットの一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係るアクセスポイントおよび端末の送信ブロックの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係るアクセスポイントおよび端末の受信ブロックの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係るアクセスポイントおよび端末の送信ブロックの動作を説明するフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係るアクセスポイントおよび端末の受信ブロックの動作を説明するフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係るアグリゲーションパケットのフォーマットの一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るアグリゲーションパケットのフォーマットの一例を示す図である。 無線パケット通信における、データパケットの標準的なフォーマットを示す図である。 無線パケット通信において、端末間でデータパケットとそれに対するAckパケットを送受信する様子を示す模式図である。 無線パケット通信において、端末間でアクセスポイントを介してデータパケットとそれに対するAckパケットを送受信する様子を示す模式図である。 無線パケット通信において、端末間でデータパケットとそれに対するAckパケットを送受信する様子を示す模式図である。 無線パケット通信における、アグリゲーションパケットの標準的なフォーマットを示す図である。 無線パケット通信において、データパケットのアグリゲーションを行う時に用いられるデリミタのフォーマットを示す図である。 無線パケット通信において、端末間でアグリゲーションパケットとそれに対するBlockAckパケットを送受信する様子を示す模式図である。 無線パケット通信において、端末間の通信の様子を示す模式図であり、(a)はデータパケットとそれに対するAckパケットを送受信する様子を示す図、(b)はアグリゲーションパケットとそれに対するBlockAckパケットを送受信する様子を示す図である。 無線パケット通信における、データパケットのアグリゲーションを行う一般的な端末の概略構成を示すブロック図である。 無線パケット通信における、BlockAckパケットのフォーマットの一例を示す図である。 無線パケット通信における、複数の優先度に関する情報を含むBlockAckパケットのフォーマットの一例を示す図である。 無線パケット通信において、アクセスポイントが複数の端末へアグリゲーションパケットを送信する様子を示す模式図である。 無線パケット通信において、アグリゲーションパケットを受信した端末によるアグリゲーションパケットの処理方法(1)を説明する図である。 無線パケット通信において、アグリゲーションパケットを受信した端末によるアグリゲーションパケットの処理方法(2)を説明する図である。 無線パケット通信において、複数の優先度に関する情報を含むアグリゲーションパケットを受信した端末によるBlockAckパケットの生成処理を説明する図である。
符号の説明
1601 アクセスポイント
1602〜1604 端末
1702 処理部(リンク層)
1703 処理部(MAC層)
1704 処理部(物理層)
1703−1 アグリゲーション処理部
1703−2 ビーコン生成部
1703−11 拡張パケット処理部
1703−12 デリミタ処理部
1703−13 BlockAckパケット生成部

Claims (9)

  1. 複数のパケットから構成されたアグリゲーションパケットの無線パケット通信を行う通信装置であって、
    送信側に、
    前記アグリゲーションパケットを構成する複数のパケットの各々の属性情報を格納し、所定の宛先アドレスを設定した拡張パケットを生成する拡張パケット生成手段と、
    前記拡張パケット生成手段により生成された前記拡張パケットを前記アグリゲーションパケットに結合するパケット連結手段と、
    前記パケット連結手段により前記拡張パケットが結合された前記アグリゲーションパケットを送信する送信手段と、が設けられており、
    前記拡張パケットの前記所定の宛先アドレスとして、前記アグリゲーションパケットを送信する通信装置が通信可能な無線ネットワークには存在しないアドレスを用いる、通信装置。
  2. 受信側に、
    前記アグリゲーションパケットを受信する受信手段と、
    前記受信手段にて受信された前記アグリゲーションパケットを構成するパケットの中に前記所定の宛先アドレスが設定されたパケットがある場合、当該パケットを前記拡張パケットと判断する拡張パケット有無判断手段と、
    前記拡張パケット有無判断手段により前記拡張パケットと判断されたパケットに格納された属性情報に基づいて、前記アグリゲーションパケットから前記パケットを順次抽出するパケット抽出手段と、が設けられている請求項記載の通信装置。
  3. 受信側に、
    前記パケット抽出手段により抽出された後に、該抽出されたパケットの受信成功の可否を判定する検査手段と、
    前記検査手段による判定結果に基づいて、前記アグリゲーションパケットに対する応答パケットを生成する手段と、が設けられている請求項記載の通信装置。
  4. 複数のパケットから構成されたアグリゲーションパケットの無線パケット通信を行う複数の通信装置を有してなる通信システムであって、
    前記通信装置は、
    送信側に、
    前記アグリゲーションパケットを構成する複数のパケットの各々の属性情報を格納し、所定の宛先アドレスを設定した拡張パケットを生成する拡張パケット生成手段と、
    前記拡張パケット生成手段により生成された前記拡張パケットを前記アグリゲーションパケットに結合するパケット連結手段と、
    前記パケット連結手段により前記拡張パケットが結合された前記アグリゲーションパケットを送信する送信手段と、が設けられており、
    前記拡張パケットの前記所定の宛先アドレスとして、前記アグリゲーションパケットを送信する通信装置が通信可能な無線ネットワークには存在しないアドレスを用いる、通信システム。
  5. 前記通信装置は、
    受信側に、
    前記アグリゲーションパケットを受信する受信手段と、
    前記受信手段にて受信された前記アグリゲーションパケットを構成するパケットの中に前記所定の宛先アドレスが設定されたパケットがある場合、当該パケットを前記拡張パケットと判断する拡張パケット有無判断手段と、
    前記拡張パケット有無判断手段により前記拡張パケットと判断されたパケットに格納された属性情報に基づいて、前記アグリゲーションパケットから前記パケットを順次抽出するパケット抽出手段と、が設けられている請求項記載の通信システム。
  6. 前記通信装置は、
    受信側に、
    前記パケット抽出手段により抽出された後に、該抽出されたパケットの受信成功の可否を判定する検査手段と、
    前記検査手段による判定結果に基づいて、前記アグリゲーションパケットに対する応答パケットを生成する手段と、が設けられている請求項記載の通信システム。
  7. 複数のパケットから構成されたアグリゲーションパケットの無線パケット通信を行う第1および第2の通信装置による通信方法であって、
    前記第1の通信装置が、前記アグリゲーションパケットを構成する複数のパケットの各々の属性情報を格納し、所定の宛先アドレスを設定した拡張パケットを生成するステップと、
    前記第1の通信装置が、前記拡張パケットを前記アグリゲーションパケットに結合するステップと、
    前記第1の通信装置が、前記拡張パケットが結合された前記アグリゲーションパケットを前記第2の通信装置に送信するステップと、を有し、
    前記拡張パケットの前記所定の宛先アドレスとして、前記アグリゲーションパケットを送信する通信装置が通信可能な無線ネットワークには存在しないアドレスを用いる、通信方法。
  8. 前記第2の通信装置が、前記第1の通信装置からの前記アグリゲーションパケットを受信するステップと、
    前記第2の通信装置が、前記受信された前記アグリゲーションパケットを構成するパケットの中に前記所定の宛先アドレスが設定されたパケットがある場合、当該パケットを前記拡張パケットと判断するステップと、
    前記第2の通信装置が、前記拡張パケットと判断されたパケットに格納された属性情報
    に基づいて、前記アグリゲーションパケットから前記パケットを順次抽出するステップと、を有する請求項記載の通信方法。
  9. 前記第2の通信装置が、前記アグリゲーションパケットから抽出された後に、該抽出されたパケットの受信成功の可否を判定するステップと、
    前記第2の通信装置が、前記判定結果に基づいて、前記アグリゲーションパケットに対する応答パケットを生成するステップと、を有する請求項記載の通信方法。
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