JP4921115B2 - Movement control apparatus for moving body, movement control method for moving body, and movement control apparatus for machine tool - Google Patents
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Description
この発明は、例えば、刃物台に複数の工具が並設された旋盤等の工作機械において、移動体としての刃物台を直交する2軸方向に早送りによりオーバーラップして移動させるようにした移動体の移動制御装置、その移動制御方法及び工作機械の移動制御方法に関するものである。 The present invention, for example, in a machine tool such as a lathe in which a plurality of tools are arranged in parallel on a tool post, a moving body that moves the tool rest as a moving body by overlapping in two orthogonal directions by rapid feed The present invention relates to a movement control apparatus, a movement control method thereof, and a movement control method of a machine tool.
従来、前記のような旋盤等の工作機械において、加工に使用される工具を切替える場合には、例えば図16及び図17に示すような工具切替方法が採られていた。すなわち、このような工作機械では、複数のバイト等の工具62A,62B,62Cを並設した刃物台61がワークWに対応して、工具62A〜62Cの進退方向であるX軸方向及び工具62A〜62Cの並設方向であるY軸方向に沿って移動可能である。そして、例えば工具62AによるワークWの加工終了後に、刃先が突出している工具62Bをスキップして工具62Cに切替える場合には、まず、図16(a)に示すように、刃物台61は工具62Aの刃先がワークWの外周面に対して所定の隙間Cを有する第1位置P1に位置決めされる。
Conventionally, in a machine tool such as a lathe as described above, when a tool used for machining is switched, a tool switching method as shown in FIGS. 16 and 17, for example, has been adopted. That is, in such a machine tool, the
その後、図16(b)に示すように、刃物台61がX軸方向に移動されて、スキップされる工具62Bの刃先がワークWの外周面に対して所定の隙間Cを有する第2位置P2に位置決めされる。この第2位置P2は、刃物台61をY軸方向に移動させた場合に、最も突出した工具62BとワークWとの干渉を回避できる経由位置である。続いて、図16(c)に示すように、刃物台61が工具62BをスキップしながらY軸方向に移動されて、工具62Cの刃先がワークWの中心を通るX軸方向の延長線上となる第3位置P3に位置決めされる。さらに、図16(d)に示すように、刃物台61がX軸方向に前進移動されて、工具62Cの刃先がワークWの外周面に対して所定の隙間Cを有する第4位置P4に位置決めされる。
After that, as shown in FIG. 16B, the
しかしながら、従来の移動制御方法では、刃物台61が第2位置P2及び第3位置P3において、X軸方向とY軸方向との間で停止をともないながら移動方向を転換されるため、工具切替動作における刃物台61の移動時間が長くかかるという問題があった。すなわち、図17及び図18に示すように、第1位置P1と第2位置P2との間の移動時間をt1、第2位置P2と第3位置P3との間での間の移動時間をt2、第3位置P3と第4位置P4との間の移動時間をt3とすると、工具交換のための移動時間t0は、最短であっても、t1+t2+t3となる。
However, in the conventional movement control method, the tool switching operation is changed between the X-axis direction and the Y-axis direction while stopping the
一方、特許文献1には、工具を所定の時間帯において2軸方向にオーバーラップして移動させることにより、移動時間を短縮するようにした工具の移動制御方法が記載されている。また、特許文献2には、工具の交換に際して、工具を現在位置から工具交換位置に移動する間に、他の部材との干渉を回避して通過させるためのアプローチ位置を設定し、そのアプローチ位置において2方向の早送り移動を停止させることなくオーバーラップして行わせて、移動時間を短縮するようにした工具の移動制御方法が記載されている。さらに、特許文献3には、他の部材との干渉を回避するための方向転換点まで第1軸駆動装置により移動体を早送り速度で移動させ、その移動体が方向転換点に達したときから同移動体を第2軸駆動装置の移動時間内で、第1軸駆動装置の最大加減速度以下の加減速度で緩やかに移動させて、移動時間を短縮するようにした移動体の移動制御方法が記載されている。
ところが、これらの従来の移動制御方法においては、次のような問題があった。
すなわち、特許文献1には、工具を2軸方向でオーバーラップして同時に移動させる方法は記載されているが、工具をワーク等の他の部材と干渉しない移動経路を設定して移動させる方法については開示されていない。そのため、この特許文献1に記載の方法を図16に示す工具切替に応用した場合、工具の選択移動時に工具とワーク等の他の部材とが干渉するおそれがある。
However, these conventional movement control methods have the following problems.
That is,
また、特許文献2に記載の方法では、実際に2方向の早送り移動をオーバーラップさせた場合、移動経路がアプローチ位置付近で湾曲して、工具がアプローチ位置を正確に通過しなくなる。工具を他の部材と干渉しないように、アプローチ位置を正確に通過させるためには、アプローチ位置において2方向の早送り移動を一旦停止させて転換させる必要があって、結果として移動時間を短縮させることができなくなる。
In the method described in
さらに、特許文献3に記載の方法では、移動体が同時に2軸方向において移動されるが、その移動体は直線状移動経路の外側領域で円弧状軌跡を描いて膨らむように遠回りして移動されるようになっているため、移動体の移動ストロークが増大し、広い移動スペースが必要になる。
Further, in the method described in
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、移動体を他の部材との干渉のおそれのない短い移動経路に沿って短時間で移動させることができる移動体の移動制御装置、その制御方法及び工作機械の移動制御装置を提供することにある。 The present invention has been made paying attention to such problems existing in the prior art. The object is to provide a movement control device for a moving body, a control method thereof, and a movement control device for a machine tool capable of moving the moving body in a short time along a short movement path with no risk of interference with other members. There is to do.
以上の目的を達成するために、移動体の移動制御装置に係る請求項1の発明においては、移動体を第1軸上及びその第1軸に交差する第2軸上において早送りによって移動させるとともに、その両軸方向への早送り移動をオーバーラップさせることにより、同移動体が所定領域の周囲を周回移動されるようにした駆動手段と、前記第1軸及び第2軸に内接する基準円弧を設定する基準円弧設定手段と、移動体の前記第1軸上から第2軸上への移行に際して、前記基準円弧に基づいて移動体の早送りのオーバーラップ移動開始タイミングを設定するタイミング設定手段と、そのタイミング設定手段によって設定されたタイミングで移動体を移動させるために、前記駆動手段の動作を制御する制御手段と、前記基準円弧に対する複数の接線と、隣り合う接線同士の交点とを算出する第1算出手段と、前記移動体の移動開始から、前記交点を通る前記第1軸と平行な第1軸方向線及び第2軸と平行な第2軸方向線にそれぞれ達するまでの第2時間及び第1時間を算出する第2算出手段とを備え、前記タイミング設定手段は、前記第2時間が第1時間より短い場合は、少なくとも両時間が等しくなるように前記移動体のオーバーラップ移動開始タイミングを遅延させることを特徴とする。
In order to achieve the above object, in the invention of
従って、この発明によれば、移動体の第1軸の方向に沿う移動中において、その移動体が設定された移動開始タイミングに従って第2軸の方向に移動されて、基準円弧に基づいた近似円弧軌跡を描きながら早送りされる。よって、移動体を他の部材との干渉のおそれのない移動経路に沿って早送りにより短時間で移動させることができる。このため、この発明を工作機械に適用した場合には、工作機械における刃物台等の移動体をワークと干渉することなく早送りにて所定の位置へ短時間に移動位置決めすることができて、工作機械の生産性を向上させることができる。 Therefore, according to the present invention, during the movement of the moving body along the direction of the first axis, the moving body is moved in the direction of the second axis according to the set movement start timing, and the approximate arc based on the reference arc. Fast forward while drawing the trajectory. Therefore, it is possible to move the moving body in a short time by fast-forwarding along a moving path that does not cause interference with other members. For this reason, when the present invention is applied to a machine tool, a moving body such as a tool post in the machine tool can be moved and positioned to a predetermined position in a short time without rapid interference with the workpiece. The productivity of the machine can be improved.
なお、この発明において、移動体の移動は、移動体が単独で移動する場合を含むだけではなく、移動体の固定状態において、移動体に対して相対移動可能な別の移動体が単独で移動したり、あるいは、両移動体が同時に移動したりする場合も含み、要するに、移動体が他の部材に対して相対移動することを指すものとする。また、この発明において、オーバーラップは、移動体が第1軸及び第2軸の両方向へ同時に移動されることを指すものとする。 In the present invention, the movement of the moving body includes not only the case where the moving body moves alone, but also another moving body that can move relative to the moving body alone when the moving body is fixed. In other words, it includes cases where both moving bodies move at the same time. In short, it means that the moving body moves relative to other members. In the present invention, the overlap means that the moving body is simultaneously moved in both directions of the first axis and the second axis.
また、移動体のオーバーラップ移動開始タイミングを設定することにより、第1,第2算出手段の算出結果に基づいて、移動体の移動軌跡が基準円弧の外側に位置する交点の内側を通過するか否かを判断でき、交点の内側を通過する場合には、タイミング設定手段により、その移動軌跡が交点の外側となるように修正される。以上のように、オーバーラップ移動開始タイミングを設定すれば、早送りの速度や加減速の速度に関わらず、オーバーラップ移動開始タイミングが適切に設定される。このため、早送りの速度や加減速の速度が異なる装置であっても、柔軟に対応できる。 In addition, by setting the overlap movement start timing of the moving body, based on the calculation results of the first and second calculation means, whether the moving track of the moving body passes inside the intersection located outside the reference arc If it passes through the inside of the intersection, the timing setting means corrects the movement trajectory to be outside the intersection. As described above, if the overlap movement start timing is set, the overlap movement start timing is appropriately set regardless of the fast-forward speed and the acceleration / deceleration speed. For this reason, even devices with different fast-forwarding speeds and acceleration / deceleration speeds can be flexibly accommodated.
請求項2の発明においては、請求項1の発明において、前記複数の接線は等角度間隔に設定されることを特徴とする。
従って、基準円弧と複数の各交点との間の間隔を等しくすることができる。
According to a second aspect of the present invention, in the first aspect of the invention, the plurality of tangents are set at equiangular intervals.
Therefore, the distance between the reference arc and the plurality of intersections can be made equal.
移動体の移動制御方法に係る請求項3の発明においては、移動体を第1軸上及びその第1軸に交差する第2軸上において早送りによって移動させるとともに、その両軸方向への早送り移動をオーバーラップさせることにより、同移動体を所定領域の周囲を周回移動させ、前記第1軸及び第2軸に内接する基準円弧を設定し、移動体の前記第1軸上から第2軸上への移行に際して、前記基準円弧に基づいて移動体の早送りのオーバーラップ移動開始タイミングを設定し、前記基準円弧に対する複数の接線と、隣り合う接線同士の交点とを算出し、前記移動体の移動開始から、前記交点を通る前記第1軸と平行な第1軸方向線及び第2軸と平行な第2軸方向線にそれぞれ達するまでの第2時間及び第1時間を算出し、前記第2時間が第1時間より短い場合は、少なくとも両時間が等しくなるように前記移動体のオーバーラップ移動開始タイミングを遅延させることを特徴とした。
In the invention of
従って、前記請求項1と同様な作用を得ることができる。
工作機械の移動制御装置に係る請求項4の発明においては、複数の工具が並設された刃物台と、その刃物台とワークとの間に第1軸の方向及びその第1軸に交差する第2軸の方向において早送りによる相対移動を生じさせるとともに、その両軸方向への早送りをオーバーラップさせることにより刃物台をワークの周囲において相対的に周回移動させるようにした駆動手段とを備え、前記工具の切替が前記駆動手段の動作によって実行されるようにした工作機械において、請求項1又は2に記載の構成を備えるとともに、その構成における移動体が前記刃物台であることを特徴とする。
Therefore, the same effect as that of the first aspect can be obtained.
In the invention of
従って、工作機械において、請求項1と同様な作用を得ることができる。 Therefore, in the machine tool, the same effect as that of the first aspect can be obtained.
以上のように、この発明によれば、移動体を他の部材との干渉のおそれのない経路に沿って早送りで移動させることができて、生産性を向上させることができるという効果を発揮する。 As described above, according to the present invention, it is possible to move the moving body in a fast-forward manner along a path that does not cause interference with other members, and it is possible to improve productivity. .
以下、この発明を具体化した実施形態を説明する。
(第1実施形態)
はじめに、図1〜図9に基づいて第1実施形態について説明する。
Hereinafter, embodiments embodying the present invention will be described.
(First embodiment)
First, a first embodiment will be described based on FIGS.
図1に示すように、この第1実施形態の工作機械では、フレーム21に主軸台22がZ軸方向へ移動可能に設置され、その主軸台22にはZ軸方向に延びる主軸23が回転可能に支持されている。主軸台22に対向して位置するように、フレーム21には背面主軸台24がZ軸方向へ移動可能に設置され、その背面主軸台24にはZ軸方向に延びる背面主軸25が回転可能に支持されている。そして、主軸23及び背面主軸25にはワークWを把持可能なコレット23a(背面主軸25側のコレットは図示されていない)が取り付けられている。
As shown in FIG. 1, in the machine tool according to the first embodiment, a
図1に示すように、前記主軸台22と背面主軸台24との間において、機械フレーム21には移動体としての刃物台26が主軸台22の移動方向であるZ軸方向と直交するX軸方向及びY軸方向へ移動可能に設置されている。刃物台26には、主軸23上のワークWに対してその外周側から切削加工を施すようにしたX軸方向に延びる複数のバイトよりなる工具27がY軸方向に所定間隔をおいて並設されている。
As shown in FIG. 1, between the
次に、前記のような構成の工作機械の動作を制御するための制御装置35等の構成について説明する。
図2に示すように、この制御装置35は、CPU36、ROM37、RAM38、入力部39、表示部40、主軸回転制御回路41、主軸送り制御回路42、駆動部を構成する工具送り制御回路43、背面主軸回転制御回路44及び背面主軸送り制御回路45を備えている。この実施形態においては、前記CPU36、ROM37、RAM38により基準円弧設定手段,タイミング設定手段,第1算出手段,第2算出手段及び制御手段が構成されている。
Next, the configuration of the
As shown in FIG. 2, the
入力部39は数値キー等を有するキーボードから構成され、ワークWの種類や寸法のデータ等の加工に関する各種のデータやコマンド等を手動入力するものである。表示部40は液晶ディスプレイ等の表示装置からなる。
The
前記CPU36は、主軸回転制御回路41、主軸送り制御回路42、工具送り制御回路43、背面主軸回転制御回路44及び背面主軸送り制御回路45に作動指令を出力することにより、駆動用モータ等よりなる主軸回転駆動装置46、主軸送り駆動装置47、工具送り駆動装置48、背面主軸回転駆動装置49及び背面主軸送り駆動装置50を介して、前記主軸23、主軸台22、刃物台26、背面主軸25及び背面主軸台24等を作動させる。
The
前記工具送り駆動装置48は、ワークWに対する刃物台26上の工具27の後述する切替動作に際して、同刃物台26をX軸方向またはY軸方向へ移動させることにより、刃物台26をワークWに対する工具27の進退方向と工具27の並設方向との2軸方向に沿って移動させるようになっている。従って、工具送り駆動装置48は、刃物台26がX軸及びY軸方向に移動されるように駆動するための駆動手段を構成している。
The tool
前記ROM37には、ワークWに加工を施すための各種の制御プログラムが格納されている。そして、CPU36は、ROM37に記憶されたプログラムの進行を制御する。前記RAM38には、加工プログラムや、手動入力されたり、CPU36の演算により算出されたりした各種のデータ等が一時的に記憶される。例えば、RAM38には、各種工具27に関する工具ピッチ等の各種のデータが記憶される。すなわち、工具が図5(a)〜(d)に示すバイトよりなる工具27A〜27Cの場合は、各工具27A〜27C間の工具ピッチ、各工具27A〜27Cのシャンク幅、各工具27A〜27C間の離間距離D1,配列ピッチD3、各工具27A〜27Cの刃先間の高低差を示す距離D2,D4、刃先の位置等の各種の加工に関するデータが手動入力されたり、演算されたりしてRAM38の所定の領域に記憶される。
The
また、RAM38の別の領域には、X,Y,Zの各軸方向における刃物台26の早送り,切削送り等の送り移動速度ごとの最高速度データ及び加速度(減速度を含む)データが記憶されている。
Further, in another area of the
さらに、RAM38には、後述の図6に示すプログラムにおける演算結果を一時的に保存するための一時保存領域と、演算結果を刃物台26の動作の制御のために利用できるように保存しておくためのワーキング領域とを有している。
Further, the
次に、前記のような構成の工作機械において、ワークWの加工に用いられるバイトよりなる固定工具27を切替える場合の動作について説明する。この切替動作は、早送りで行われる。そして、後述するが、例えば図3,図5及び図7に示すように、コーナ部C1,C2において所定領域を形成するワークWから離隔するとともに、ワークWの周囲をまわる半径D1〜D4の基準円弧E1が設定される。工具27A〜27Cの刃先(先端)は、刃物台26の移動により、ひとつのコーナ部C1において、前記基準円弧E1の外側をその基準円弧E1に基づいて設定されたオーバーラップ移動開始タイミングに従ってオーバーラップ(X軸とY軸の同時)移動を行い、図4に示す円弧状の軌跡(以下、近似円弧または近似円弧軌跡という)E2を描きながら移動し、次いで直線軌跡を描きながら移動し、さらに他のコーナ部C2において、基準円弧E1の外側を基準円弧E1に基づいた近似円弧軌跡E2を描きながら移動する。なお、図5において、ワークWの外側の基準円弧E1に沿って移動するのは工具27Bの刃先(先端)であるが、以降においては、この刃先(先端)の移動を刃物台26の移動ということにして説明する。
Next, in the machine tool having the above-described configuration, an operation when the fixed
ここで、図4に示す刃物台26の近似円弧軌跡E2は、X,Y軸方向への早送りの移動をオーバーラップさせた結果である。すなわち、前記基準円弧E1に従う刃物台26の近似円弧移動は、刃物台26がX軸方向またはY軸方向に移動している所定のタイミングにおいて、それぞれ他方向であるY軸方向またはX軸方向への移動をオーバーラップさせることにより得ることができる。例えば、図4に示すように、先行して移動を開始したX軸方向への移動が所定のタイミングに達したところで、Y軸方向への移動を開始させることによって、X,Y両軸方向への移動がオーバーラップされて近似円弧軌跡E2を描く移動が行われる。近似円弧軌跡E2が形成される理由は以下の通りである。すなわち、X,Y軸方向への刃物台26の移動において、その刃物台26が瞬間的にトップスピードに達してその速度が維持されるのであれば、図4において近似円弧軌跡E2は形成されず、傾斜した直線軌跡が形成される。しかし、実際には、速度域の両端に加速域及び減速域が形成されるために、近似円弧軌跡E2が形成される。そして、図4から明らかなように、オーバーラップ移動開始タイミングKが早いほどオーバーラップ時間が長くなって、近似円弧軌跡E2の曲率半径が大きくなり、オーバーラップ移動開始タイミングKが遅いほど近似円弧軌跡E2の曲率半径が小さくなる。
Here, the approximate arc locus E2 of the
さて、図5(a)(b)に示すように、工具27A〜27C(本図では単純化のため矩形で示されている)が例えばY軸方向に沿って並設されていて、そのY軸方向に沿って切替移動される際には、刃物台26は、最も突出している工具27(本図では27B)とワークWとの干渉を回避するために、工具27の取付誤差等を考慮して隙間Cが確保されるようにX軸方向に退避される。このときの工具27A〜27C及び刃物台26のX軸方向の位置を退避位置とし、その退避位置をX軸方向の移動範囲端とする。従って、最も突出している工具27Bの突出量に応じてX軸方向への移動量が決定される。また、切り替えようとする工具27間の距離に応じてY軸方向への移動量が決定される。
Now, as shown in FIGS. 5 (a) and 5 (b),
図5(a)(b)においては、刃物台26の左方移動により左側の工具27Aから右側の工具27Bまたは27Cに工具切替が行われる。ここで、工具27Aの刃先に対して移動方向後方側に最も突出した工具27Bが隣接する場合、工具27Aの刃先と前記工具27Bの外周面との間の離間距離D1と、退避移動開始位置から退避位置までの退避距離D2とに基づき、短い方の距離D1またはD2を半径とした基準円弧E1(図3の右側の基準円弧)が設定される。そして、刃物台26は基準円弧E1の外側を基準円弧E1に基づいた近似円弧軌跡E2を描きながら移動する。ただし、図5(b)に示すように、基準円弧E1の半径がD1の場合は、その半径D1が退避距離D2より短いため、まず刃物台26が離間距離D1と退避距離D2のほぼ差分だけX軸方向へ直線的に退避した後に基準円弧E1に従って移動する。
5 (a) and 5 (b), the tool is switched from the
次に、図5(c)(d)は、工具27がY軸方向に沿って工具切替する際、切替えられる工具27が退避位置からワークWに対して接近される動作を示す。
すなわち、刃物台26は退避位置に移動されている。そして、工具27A〜27Cの配列ピッチD3と、退避位置から刃先がワークWとの間に隙間Cが確保される位置までの接近距離D4とに基づいて、短い方の距離D3またはD4を半径とした基準円弧E1が設定される。そして、刃物台26は、基準円弧E1に基づいた近似円弧軌跡E2を描きながら基準円弧E1の外側を移動する。ただし、移動半径がD3の場合は、接近距離D4より移動半径が小さいため、まず刃物台26が基準円弧E1に従って近似円弧軌跡E2を描きながら接近した後に接近距離D4と配列ピッチD3とのほぼ差分だけX軸方向へ直線的に接近する。
Next, FIGS. 5C and 5D show an operation in which the
That is, the
以上のように、工具切替する際、離間距離D1と退避距離D2、配列ピッチD3と接近距離D4をそれぞれ比較して基準円弧E1を求め、工具27A〜27CをワークWと干渉することなく基準円弧E1の外側において早送りで移動せることができる。
As described above, when the tools are switched, the reference arc E1 is obtained by comparing the separation distance D1 and the retreat distance D2, the arrangement pitch D3 and the approach distance D4, and the
次に、工具27の切替動作の手順を説明する。図6は、オーバーラップ移動開始タイミングKの設定ルーチンを示すものであり、このルーチンは、図2のROM37に格納されたプログラムがCPU36の制御のもとに進行するものである。
Next, the procedure of the switching operation of the
すなわち、図2に示す入力部39において、工具切替のための所定の操作がなされると、図6に示すステップS1(以後、「ステップ」を省略する)において、基準円弧E1の半径D1〜D4が算出されて、その半径D1〜D4のデータがRAM38のワーキング領域に記憶される。この基準円弧E1は、刃物台26の移動経路である第1軸及び第2軸に内接するように設定される。基準円弧E1の設定が終了すると、次に、この基準円弧E1に従って基準円弧E1の外側に刃物台26の近似円弧軌跡E2が設定されるように、オーバーラップ移動開始タイミングの設定のための処理が実行される。
That is, when a predetermined operation for tool switching is performed in the
すなわち、S2においては、各コーナ部C1,C2において、刃物台26が先行して移動するX軸またはY軸を第1軸、後から移動するY軸またはX軸を第2軸として、第2軸方向への動作開始タイミングが決められた値に設定される。例えば、図3において、右側の第1コーナ部C1においては、X軸が第1軸,Y軸が第2軸、左側の第2コーナ部においては、Y軸が第1軸,X軸が第2軸となる。この第2軸の動作開始タイミングは、例えば第2軸の動作開始タイミングを第1軸の動作開始タイミングと一致させるか、第2軸の動作開始タイミングが第1軸の動作開始タイミングに対して若干遅延されるようにROM37に設定されている。要するに、この段階では第2軸の動作開始タイミングが第1軸の動作開始タイミングより先行していなければよい。なお、図4は、X軸が第1軸、Y軸が第2軸になっているため、図3の右側のコーナ部C1の例を示している。
That is, in S <b> 2, in each corner portion C <b> 1, C <b> 2, the X-axis or Y-axis that the
S3においては、図8(a)に示すように、基準円弧E1に対して所定の等間隔角度θごとに複数の接線L1が算出されるとともに、それらの接線L1の交点としての交点座標Fが算出される。このように、接線L1が等角度間隔であるため、各交点座標Fと基準円弧E1との間の各距離を等しくすることができる。図8(a)においては、接線L1は、第1軸であるX軸及び第2軸であるY軸を含めて4本であり、従って、その交点座標Fは3箇所に等間隔をおいて設定される。前記所定角度θは、手動入力等によってあらかじめ設定されたものであり、従って、接線L1の本数及び交点座標Fの数はあらかじめ設定される。 In S3, as shown in FIG. 8A, a plurality of tangent lines L1 are calculated at predetermined equal interval angles θ with respect to the reference arc E1, and intersection coordinates F as intersections of the tangent lines L1 are calculated. Calculated. Thus, since the tangent line L1 is equiangular, each distance between each intersection coordinate F and the reference | standard circular arc E1 can be made equal. In FIG. 8A, there are four tangent lines L1 including the X axis as the first axis and the Y axis as the second axis. Therefore, the intersection coordinates F are equally spaced at three locations. Is set. The predetermined angle θ is set in advance by manual input or the like. Accordingly, the number of tangents L1 and the number of intersection coordinates F are set in advance.
S4においては、前記刃物台26が前記オーバーラップ移動開始タイミングにより作成される近似円弧軌跡E2で移動したものと仮定して、図8(b)及び図9(a)に示すように、その刃物台26が前記交点座標Fを通る第2軸方向線としてのY軸方向線L3及び第1軸方向線としてのX軸方向線L2にそれぞれ達する第1時間t1,第2時間t2が算出される。
In S4, it is assumed that the
次いで、S5においては、時間t1と時間t2とが比較される。t1=t2であれば、前記近似円弧軌跡E2はこの交点座標F上を通過することになる。t1<t2であれば、図8(b)に実線で示すように、近似円弧軌跡E2は基準円弧E1の外側で、かつ交点座標Fを介して基準円弧E1から離隔する外側に位置する。t1>t2であれば、図8(b)に2点鎖線で示すように、近似円弧軌跡E2は交点座標Fよりも基準円弧E1側に位置する。従って、t1≦t2が満足されれば、近似円弧軌跡E2が基準円弧E1の内側に入り込むことはないが、t1>t2の場合は、図8(c)に2点鎖線で示すように、刃物台26が基準円弧E1の内側を移動する可能性があり、工具27A〜27CがワークWと干渉するおそれがある。つまり、前記交点座標Fと基準円弧E1とは近接しているので、t1>t2であれば、交点座標F付近(交点座標Fの第1軸方向延長位置)で、近似円弧軌跡E2が基準円弧の内側に入り込んでいる可能性が高い。さらに、近似円弧軌跡E2が交点座標F付近で基準円弧E1よりも外側であっても、次の交点座標Fまでの間で基準円弧E1の内側に入り込んでいるおそれがある。これは、交点間の移動軌跡が直線状に近い場合は、一箇所の交点座標Fで内側に入っていれば、その前後の交点座標Fとの間の近似円弧軌跡E2が基準円弧E1の内側に入り込んでいる可能性が高いためである。なお、本実施形態の動作のように、第1軸が第2軸に対して先行もしくは同時に移動開始するとともに、二つの軸がオーバーラップ移動し、その後第1軸が第2軸に対して先行もしくは同時に停止するという条件のもとでは、移動軌跡は通常直線状または外側に膨らんだ円弧状の軌跡となり、内側に膨らんだ軌跡とはならない。このため、すべての交点座標Fにおいて移動軌跡が外側に存在すれば、すべての移動範囲で基準円弧E1の内側に入り込むことはない。
Next, in S5, time t1 and time t2 are compared. If t1 = t2, the approximate arc locus E2 passes on the intersection point coordinates F. If t1 <t2, as shown by the solid line in FIG. 8B, the approximate arc locus E2 is located outside the reference arc E1 and outside the reference arc E1 via the intersection coordinates F. If t1> t2, the approximate arc locus E2 is located on the side of the reference arc E1 with respect to the intersection coordinates F, as indicated by a two-dot chain line in FIG. Therefore, if t1 ≦ t2 is satisfied, the approximate arc locus E2 does not enter the inside of the reference arc E1, but if t1> t2, as shown by a two-dot chain line in FIG. There is a possibility that the base 26 moves inside the reference arc E1, and the
従って、t1>t2の場合は、S6において、図9(b)に示すように、t1=t2とするために、第2軸方向への動作開始タイミングが遅延される。
そして、t1=t2またはt1<t2を表すオーバーラップ移動開始タイミングKのデータがRAM38の一時保存領域に保存される。
Therefore, when t1> t2, in S6, as shown in FIG. 9B, the operation start timing in the second axis direction is delayed so that t1 = t2.
Then, the data of the overlap movement start timing K representing t1 = t2 or t1 <t2 is stored in the temporary storage area of the
t1=t2またはt1<t2が満足された場合は、S7へ移行される。
S7においては、すべての交点座標Fについて、S3〜S6の処理が終了しているか否かが判断され、終了していればプログラムがS8へ進行され、終了していなければ、S3へ戻る。
When t1 = t2 or t1 <t2 is satisfied, the process proceeds to S7.
In S7, it is determined whether or not the processing of S3 to S6 has been completed for all the intersection coordinates F. If completed, the program proceeds to S8, and if not completed, the process returns to S3.
S8においては、例えば図3に示す経路のすべてコーナ部C1,C2に対してS2〜S7の処理が終了しているか否かが判断され、終了していれば、つまり、すべてのコーナについてオーバーラップ移動開始タイミングKの設定が終了していれば、プログラムがS9へ移行する。終了していなければS2へ戻り、次のコーナ部に対するオーバーラップ移動開始タイミングKの処理に移行する。 In S8, for example, it is determined whether or not the processing of S2 to S7 has been completed for all the corner portions C1 and C2 of the route shown in FIG. 3, and if completed, that is, all corners overlap. If the movement start timing K has been set, the program proceeds to S9. If not completed, the process returns to S2, and the process proceeds to the overlap movement start timing K for the next corner.
このようにして、工具27A〜27Cが基準円弧E1の外側を移動するルート,言い換えればワークWと干渉しない近似円弧軌跡E2を表すオーバーラップ移動開始タイミングKが算出され、S9において、そのオーバーラップ移動開始タイミングKのデータがRAM38の一時保存領域からワーキング領域に転送されて記憶される。
In this way, the overlap movement start timing K representing the route along which the
従って、その後は、工具切替の動作に際して刃物台26は基準円弧E1の外側を近似円弧軌跡E2を描きながら早送りで移動されるとともに、工具27A〜27CとワークWの外周面とが干渉することを防止できる。従って、工具27A〜27Cの切替を短時間で行うことができ、工作機械の稼働効率を向上させることができる。
Therefore, after that, during the tool switching operation, the
なお、図8(d)に示すように、等角度間隔に設定される接線L1の本数が多くなるほど、交点座標Fが基準円弧E1に接近するため、近似円弧軌跡E2を基準円弧E1により接近させることが可能になる。図8(a)(b)では説明を簡略化するため等間隔角度θの値を30度にした例を示したが、実際には1〜18度程度に設定されるため、交点座標Fは基準円弧E1にかなり近接した位置に存在することになる。従って、この場合には、近似円弧軌跡E2の経路を短くすることが可能になり、工具切替をさらに短縮することができる。 As shown in FIG. 8D, since the intersection coordinate F approaches the reference arc E1 as the number of tangents L1 set at equiangular intervals increases, the approximate arc locus E2 approaches the reference arc E1. It becomes possible. 8A and 8B show an example in which the value of the equally-spaced angle θ is set to 30 degrees to simplify the description. However, since the angle is actually set to about 1 to 18 degrees, the intersection coordinate F is It exists in the position considerably close to the reference arc E1. Therefore, in this case, the path of the approximate arc locus E2 can be shortened, and the tool switching can be further shortened.
この実施形態においては、以下の効果を得ることができる。
(1) 刃物台26が工具切替に際してX軸方向及びY軸方向への早送りによるオーバーラップ移動により基準円弧E1に基づいた近似円弧軌跡E2を描きながら移動される。このため、図16〜図18に示す従来の工具切替方法の場合と比較して、図18の2点鎖線から明らかなように、工具切替に要する時間t0を短縮することができる。従って、工作機械の生産性を向上させることができる。
In this embodiment, the following effects can be obtained.
(1) The
(2) 工具27A〜27CがワークWから所定距離離隔した基準円弧E1の外側を移動するため、工具27A〜27Cの選択移動時に同工具27A〜27CとワークWとの干渉を未然に防止できる。
(2) Since the
(3) 刃物台26のオーバーラップ移動開始タイミングKを設定すればよいだけであるので、メモリの負担を少なくすることができる。
(4) 刃物台26は、コーナ部C1及びC2において、X軸とY軸とにより区画された領域内を近似円弧軌跡E2を描きながら移動され、その領域外に出ることがないため、刃物台26及び工具27A〜27Cの移動経路を短くすることができ、移動時間短縮によって生産性向上を図ることができる。
(3) Since it is only necessary to set the overlap movement start timing K of the
(4) The
(5) 刃物台26のオーバーラップ移動開始タイミングKを設定することにより、刃物台26の近似円弧軌跡E2が基準円弧E1の外側に位置する交点座標Fの内側を通過するか否かが算出される。近似円弧軌跡E2が交点座標Fの内側である場合には、その近似円弧軌跡E2が交点の外側となるようにオーバーラップ移動開始タイミングKが遅延される。従って、早送りの速度や加減速の速度等に関わらず、オーバーラップ移動開始タイミングKが適切に設定される。このため、早送りの速度や加減速の速度が異なる装置であっても、柔軟に対応できる。
(5) By setting the overlap movement start timing K of the
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を図1〜図7,図10〜図12に基づいて前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
(Second Embodiment)
Next, a second embodiment of the present invention will be described based on FIGS. 1 to 7 and FIGS.
この第2実施形態においては、図4及び図7に示すように、ワークWと干渉しない近似円弧軌跡E2を形成するためのオーバーラップ移動開始タイミングが演算によって設定されるのではなく、図10に示すプログラムに基づき、図11及び図12に示すテーブルに従って設定される。これらのテーブルは、あらかじめ刃物台26第1軸方向への移動量と基準円弧の半径との関係から算出したオーバーラップ開始タイミングのデータテーブルであって、コーナ部C1,C2にそれぞれ対応してRAM38の所定領域に設定される。図11は、図3及び図5(a)(b)に示す第1コーナ部C1におけるオーバーラップ移動開始タイミングを設定するものであり、図12は、図3及び図5(c)(d)に示す第2コーナ部C2におけるオーバーラップ移動開始タイミングKを設定するものである。
In the second embodiment, as shown in FIGS. 4 and 7, the overlap movement start timing for forming the approximate arc locus E2 that does not interfere with the workpiece W is not set by calculation, but in FIG. Based on the program shown, it is set according to the tables shown in FIGS. These tables are data tables of overlap start timings calculated in advance from the relationship between the amount of movement of the
そして、工具の選択動作時にはCPU36により、まず、図10のS101において前記第1実施形態と同様に基準円弧E1が算出される。次いで、S102において、図11に示すRAM38のデータテーブルから、第1コーナ部C1における刃物台26の第1軸方向への移動量,すなわちX軸方向への移動量と、基準円弧E1の半径との関係からからオーバーラップ開始タイミングが抽出されて、RAM38のワーキング領域に記憶される。例えば、刃物台26のX軸方向の移動量が10mmで基準円弧の半径が6mmである場合には、図11に示すデータテーブルから、オーバーラップ移動開始タイミングの4.1mmが求められる。そして、S103において、X軸方向の移動量が4.1mmのところからY軸方向へのオーバーラップ移動が開始されて、刃物台26が第1コーナ部C1において基準円弧E1の外側をワークWと干渉することなく、近似円弧軌跡E2を描きながら移動される。
Then, during the tool selection operation, the
また、第2コーナ部C2においては、S101における基準円弧E1の算出に続いて、S102において、図12に示すRAM38のデータテーブルから、第1軸であるY軸方向への刃物台26の移動量と基準円弧E1の半径とからオーバーラップ移動開始タイミングが抽出されて、RAM38のワーキング領域に記憶される。例えば、Y軸方向の移動量が40mmで基準円弧E1の半径が6mmである場合には、図12に示すテーブルから、オーバーラップ移動開始タイミングKの位置である34.1mmが求められる。そして、S103において、Y軸方向の移動量が34.1mmのところから第2コーナ部C2におけるX軸方向へのオーバーラップ移動が開始されて、刃物台26が基準円弧E1の外側を近似円弧軌跡E2を描きながら移動される。
In the second corner portion C2, following the calculation of the reference arc E1 in S101, the amount of movement of the
従って、この第2実施形態においては、以下の効果がある。
(6) オーバーラップ移動開始タイミングの設定に当たっては、テーブルからそのオーバーラップ移動開始タイミングのデータが抽出されるため、移動開始タイミングの設定を短時間で素早く行うことができる。
Therefore, the second embodiment has the following effects.
(6) When setting the overlap movement start timing, the overlap movement start timing data is extracted from the table, so that the movement start timing can be set quickly in a short time.
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態を図13〜図15に基づいて前記第2実施形態と異なる部分を中心に説明する。
(Third embodiment)
Next, a third embodiment of the present invention will be described based on FIGS. 13 to 15 with a focus on differences from the second embodiment.
この第3実施形態においては、図13(a)に示すように、基準円弧E1とワークWの外周面との間で、ワークWに接しない領域に許容円弧E3及び直線よりなる許容線E4を仮想により設定して、テーブルを作成したものである。許容線E4は許容円弧E3の端部に連続する。すなわち、この第3実施形態は、刃物台26の近似円弧軌跡E2の少なくとも両端部が許容円弧E3及び許容線E4と基準円弧E1との間に位置することを許容するものである。この許容円弧E3及び許容線E4は、図5に示す隙間Cを考慮して設定され、例えば、第1軸,第2軸及び基準円弧E1より内側に、基準円弧E1側から隙間Cの20%程度の位置に設定される。そして、この許容円弧E3及び許容線E4のデータは、ROM37にあらかじめ設けられるか、もしくは使用者が手動で入力部39から入力する。
In the third embodiment, as shown in FIG. 13A, an allowable arc E3 and an allowable line E4 made of a straight line are formed between the reference arc E1 and the outer peripheral surface of the workpiece W in a region not in contact with the workpiece W. A table is created by virtual setting. The tolerance line E4 continues to the end of the tolerance arc E3. That is, in the third embodiment, at least both ends of the approximate arc locus E2 of the
このため、図14及び図15から明らかなように、テーブルのデータは、オーバーラップ移動開始タイミングKが早められるものとなっている。
例えば、前記と同様に、第1コーナ部C1において、刃物台26のX軸方向の移動量が10mmで基準円弧の半径が6mmである場合には、図14に示すデータテーブルから、オーバーラップ移動開始タイミングKとして3.8mmが求められる。そして、S103において、X軸方向の移動量が3.8mmのところからY軸のオーバーラップ移動が開始されて、刃物台26が基準円弧の外側を近似円弧軌跡E2を描きながら移動される。
For this reason, as is apparent from FIGS. 14 and 15, the overlap movement start timing K is advanced in the table data.
For example, in the same manner as described above, in the first corner portion C1, when the movement amount of the
また、第2コーナ部において、Y軸方向の移動量が40mmで基準円弧E1の半径が6mmである場合には、図15に示すテーブルから、オーバーラップ移動開始タイミングKとして29.6mmが求められる。そして、S103において、Y軸方向の移動量が29.6mmのところからX軸のオーバーラップ移動が開始される。 Further, in the second corner portion, when the movement amount in the Y-axis direction is 40 mm and the radius of the reference arc E1 is 6 mm, 29.6 mm is obtained as the overlap movement start timing K from the table shown in FIG. . In S103, the overlap movement of the X axis is started when the movement amount in the Y axis direction is 29.6 mm.
また、この実施形態において、許容円弧E3を設定しないで許容線E4のみを採用することもできる。この場合は、図13(b)に示すように、許容線E4を基準円弧E1の位置まで延長している。従って、基準円弧E1と許容線E4とで仮想的にワークWに接しない領域を設定してテーブルが作成される。 In this embodiment, it is also possible to adopt only the tolerance line E4 without setting the tolerance arc E3. In this case, as shown in FIG. 13B, the allowable line E4 is extended to the position of the reference arc E1. Therefore, a table is created by setting an area that is virtually not in contact with the workpiece W by the reference arc E1 and the allowable line E4.
従って、この第3実施形態においては、以下の効果がある。
(7) 刃物台26を基準円弧E1の内側を移動させることができるため、刃物第26の移動経路を短くすることが可能となり、工具切替に要する時間を短縮できる。
Therefore, the third embodiment has the following effects.
(7) Since the
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記実施形態では、この発明を工作機械の工具切替動作における刃物台26の移動制御において具体化したが、例えばワーク等を把持して1つの位置から他の位置に搬送する搬送ロボット等の搬送装置の他の装置に具体化してもよい。
(Example of change)
In addition, this embodiment can also be changed and embodied as follows.
In the above-described embodiment, the present invention is embodied in the movement control of the
・ 前記実施形態においては、刃物台26のX軸上及びY軸上における位置データによりオーバーラップ移動開始タイミングを設定したが、刃物台26の移動開始からの時間データによりオーバーラップ移動開始タイミングを設定すること。
In the embodiment, the overlap movement start timing is set based on the position data of the
・ 前記実施形態では、第1軸と第2軸を直交させたが、両軸を斜交させた構成においてこの発明を具体化すること。
・ 前記実施形態では、バイトよりなる工具27の切替においてこの発明を具体化したが、回転工具等の他の工具の切替において具体化すること。
In the embodiment, the first axis and the second axis are orthogonal to each other, but the present invention is embodied in a configuration in which both axes are obliquely crossed.
In the above-described embodiment, the present invention is embodied in the switching of the
26…刃物台、27A〜27C…工具、35…制御装置、36…CPU、37…ROM、38…RAM、48…工具送り駆動装置、F…交点としての交点座標、L1…接線、W…ワーク、E1…基準円弧、E3…許容円弧、E4…許容線、K…オーバーラップ移動開始タイミング、t1…第1時間、t2…第2時間。 26 ... Tool post, 27A to 27C ... Tool, 35 ... Control device, 36 ... CPU, 37 ... ROM, 38 ... RAM, 48 ... Tool feed driving device, F ... Intersection coordinates as intersection, L1 ... Tangent, W ... Workpiece , E1 ... reference arc, E3 ... allowance arc, E4 ... allowance line, K ... overlap movement start timing, t1 ... first time, t2 ... second time.
Claims (4)
前記第1軸及び第2軸に内接する基準円弧を設定する基準円弧設定手段と、
移動体の前記第1軸上から第2軸上への移行に際して、前記基準円弧に基づいて移動体の早送りのオーバーラップ移動開始タイミングを設定するタイミング設定手段と、
そのタイミング設定手段によって設定されたタイミングで移動体を移動させるために、前記駆動手段の動作を制御する制御手段と、
前記基準円弧に対する複数の接線と、隣り合う接線同士の交点とを算出する第1算出手段と、
前記移動体の移動開始から、前記交点を通る前記第1軸と平行な第1軸方向線及び第2軸と平行な第2軸方向線にそれぞれ達するまでの第2時間及び第1時間を算出する第2算出手段とを備え、
前記タイミング設定手段は、前記第2時間が第1時間より短い場合は、少なくとも両時間が等しくなるように前記移動体のオーバーラップ移動開始タイミングを遅延させることを特徴とする移動体の移動制御装置。 By moving the moving body on the first axis and on the second axis intersecting the first axis by fast-forwarding, and overlapping the fast-forwarding movements in both axial directions, the moving body moves around the predetermined area. Drive means adapted to move around,
Reference arc setting means for setting a reference arc inscribed in the first axis and the second axis;
Upon transition from the first axis of the moving body on the second shaft, and timing setting means for setting the overlap movement start timing of the rapid traverse of the moving object based on the reference arc,
Control means for controlling the operation of the driving means to move the moving body at the timing set by the timing setting means ;
First calculation means for calculating a plurality of tangents to the reference arc and intersections of adjacent tangents;
Calculate the second time and the first time from the start of the movement of the moving body until reaching the first axis direction line parallel to the first axis and the second axis direction line parallel to the second axis passing through the intersection. and a second calculating means for,
When the second time is shorter than the first time, the timing setting means delays the overlap movement start timing of the moving body so that at least both times are equal to each other. .
前記第1軸及び第2軸に内接する基準円弧を設定し、
移動体の前記第1軸上から第2軸上への移行に際して、前記基準円弧に基づいて移動体の早送りのオーバーラップ移動開始タイミングを設定し、
前記基準円弧に対する複数の接線と、隣り合う接線同士の交点とを算出し、
前記移動体の移動開始から、前記交点を通る前記第1軸と平行な第1軸方向線及び第2軸と平行な第2軸方向線にそれぞれ達するまでの第2時間及び第1時間を算出し、
前記第2時間が第1時間より短い場合は、少なくとも両時間が等しくなるように前記移動体のオーバーラップ移動開始タイミングを遅延させることを特徴とした移動体の移動制御方法。 By moving the moving body on the first axis and on the second axis intersecting with the first axis by fast-forwarding, and overlapping the fast-forwarding movements in both axial directions, the moving body is moved around the predetermined area. Move around,
Setting a reference arc inscribed in the first axis and the second axis;
Upon transition from the first axis of the moving body on the second shaft, and set the overlap movement start timing of the rapid traverse of the moving object based on the reference arc,
Calculating a plurality of tangents to the reference arc and intersections between adjacent tangents;
Calculate the second time and the first time from the start of the movement of the moving body until reaching the first axis direction line parallel to the first axis and the second axis direction line parallel to the second axis passing through the intersection. And
When the second time is shorter than the first time, the overlap movement start timing of the moving body is delayed so that at least both times are equal .
その刃物台とワークとの間に第1軸の方向及びその第1軸に交差する第2軸の方向において早送りによる相対移動を生じさせるとともに、その両軸方向への早送りをオーバーラップさせることにより刃物台をワークの周囲において相対的に周回移動させるようにした駆動手段とを備え、
前記工具の切替が前記駆動手段の動作によって実行されるようにした工作機械において、
請求項1又は2に記載の構成を備えるとともに、その構成における移動体が前記刃物台であることを特徴とする工作機械の移動制御装置。 A turret with a plurality of tools arranged in parallel;
By causing relative movement by rapid feed between the tool post and the workpiece in the direction of the first axis and in the direction of the second axis intersecting the first axis, and by overlapping the rapid feed in both axial directions Drive means adapted to move the tool post relatively around the work,
In a machine tool in which the switching of the tool is performed by the operation of the driving means,
A machine tool movement control device comprising the configuration according to claim 1 or 2 , wherein the moving body in the configuration is the tool post.
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