JP4917594B2 - 流体調節システムを備えた流体消費電池 - Google Patents

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Description

本発明は、流体消費電極を備えた電気化学電池及びセルに出入りする気体のような流体の進入速度を制御するための流体調節システム、及びこのような流体調節システムを用いる電池及びセル、特に、空気減極、空気補助、及び燃料セル及び電池に関する。
空気減極、空気補助、及び燃料セル電池セルのような、電気エネルギを生成するための活物質としてセルの外側の酸素及び他の気体のような流体を用いる電気化学電池セルを用いて、様々な携帯用電子装置に電力供給することができる。例えば、空気は、空気減極又は空気補助セルに入り、そこで、正極活物質として用いるか又はそれを再充電することができる。酸素還元電極は、酸素とセル電解質との反応を促進し、最終的には、負極活物質の酸素との酸化を促進する。酸素と電解質との反応を促進する酸素還元電極内の材料は、触媒と呼ばれることが多い。しかし、酸素還元電極内に用いられる一部の材料は、特に比較的高速放電の期間中に少なくとも部分的に減少する可能性があるために、真の触媒ではない。
空気減極セルの種類の1つは、亜鉛/空気セルである。この種類のセルは、負極活物質として亜鉛を用い、水性アルカリ(例えば、KOH)電解質を有する。亜鉛/空気セルの空気電極に用いることができる酸化マンガンは、特に酸素が空気電極内に拡散する速度が不十分な場合に、負極活物質の酸化と協調して電気化学的に還元することができる。これらの酸化マンガンは、次に、低速放電又は休止の期間中に酸素により再酸化することができる。
空気補助セルは、消費可能な正極及び負極活物質、並びに酸素還元電極を収容する混成セルである。正極は、相当な期間にわたって高放電速度を維持することができるが、酸素還元電極を通して、酸素は、特に低放電速度又は無放電の期間中に正極を部分的に再充電することができ、従って、酸素は、総セル放電容量の実質的な部分に用いることができる。これは、セルに入れる正極活物質の量を低減することができ、負極活物質の量を増大させて総セル容量を増大させることができることを意味する。空気補助セルの例は、米国特許第6,383,674号及び米国特許第5,079,106号に開示されている。
空気減極、空気補助、及び燃料セルの利点は、電極のうちの少なくとも1つの活物質の少なくとも一部分がセル外部からの流体(例えば、気体)由来であるか又はそれによって再生されるので、それらのエネルギ密度が高いことである。
これらのセルの欠点は、それらが可能な最大放電速度が、酸素が酸素還元電極に入ることができる速度により制限される可能性があることである。過去には、酸素還元電極に入る酸素進入速度を増大させ、及び/又は無駄な反応を引き起こす可能性がある二酸化炭素のような望ましくない気体の進入速度、並びに増大した容積の放電反応生成物を収容するか又はセルを乾燥させることをそれぞれ意図したセルの空隙空間を充填することができる水の進入又は損失の速度(セルの外部及び内部の相対水蒸気分圧に依存する)を制御するための努力が為されてきた。これらの手法の例は、米国特許第6,558,828号、米国特許第6,492,046号、米国特許第5,795,667号、米国特許第5,733,676号、米国特許公開第2002/0150814号、及び国際特許公開番号WO02/35641に見出すことができる。しかし、これらの気体の1つの拡散速度を変化させると、一般的に、他のものにも影響が及ぶ。高速の酸素拡散及び低速のCO2及び水拡散の必要性の均衡を取る努力が為された場合でさえも、限定的な成功しか得られなかった。
高放電速度では、十分な酸素を酸素還元電極内に取り込むことがより重要であるが、低放電速度の期間及びセルが使用されていない期間中では、CO2及び水の拡散を最小にすることの重要性が増大する。高速放電の期間にのみセル内への空気の流れを増大させるために、ファンを用いてセル内に空気が強制的に送られてきたが(例えば、米国特許第6,500,575号)、ファン及びその制御により製造の費用及び複雑性が増す可能性があり、ファンは、たとえマイクロファンであっても、個々のセル、複数のセル電池パック、及び装置内の貴重な容積を占める可能性がある。
提案されている別の手法は、バルブを用いてセルに入る空気の量を制御することであるが(例えば、米国特許第6,641,947号及び米国特許公開第2003/0186099号)、バルブを作動するのに、ファン及び/又は比較的複雑な電子機器のような外部手段が必要である可能性がある。
更に別の手法は、例えば電池が放電している時の酸素の消費からもたらされる空気圧の差により開閉することができるフラップを有する水不透過性膜を酸素還元電極と外部環境の間に用いることである(例えば、米国特許公開第2003/0049508号)。しかし、圧力差は、小さいことがあり、電池の外側の大気条件により影響される可能性がある。
上記を考慮すると、本発明の目的は、低速放電及び無放電の期間中に容量の損失を最小にしながらセルが高速放電することを可能にする流体調節システムを有する流体消費電極(酸素還元電極など)を備えた少なくとも1つのセルを有する電池を提供することである。
本発明の別の目的は、様々な速度のセル放電を支持するための流体の相対的必要性に応答する気体調節システムを有する流体消費電極を備えたセルを有する電池を提供することである。
本発明の更に別の目的は、流体調節システムを作動するのに殆ど又は全く電池放電容量を消費しない流体消費電極を備えた電池のための流体調節システムを提供することである。
本発明の更に別の目的は、製造することが経済的で、セル又は電池に殆ど又は全く付加的な容積を必要としない流体調節システムを備えたセル及び電池を提供することである。
米国特許第6,383,674号 米国特許第5,079,106号 米国特許第6,558,828号 米国特許第6,492,046号 米国特許第5,795,667号 米国特許第5,733,676号 米国特許公開第2002/0150814号 国際特許公開番号WO02/35641 米国特許第6,500,575号 米国特許第6,641,947号 米国特許公開第2003/0186099号 米国特許公開第2003/0049508号 米国特許出願公開第2002/0050454号 Baughman他著「カーボンナノチューブアクチュエータ」、Science、第284巻、第21号、1999年5月、1340〜1344頁 Bar−Cohen著「人工筋肉機能、可能性、及び挑戦としての電気活性ポリマー」、「バイオメトリクスに関するハンドブック」、Yoshihito Osada(編集長)、第11節、第8章、論文番号134、「NTS Inc.」、2000年8月
流体が流体消費電極に到達することができる速度を調節する流体調節システムを電池に用いることにより、上述の目的は満たされ、従来技術の上述の欠点は克服される。調節システムは、セル電位の変化に応答する。電位は、アクチュエータ構成要素にわたって印加され、これは、不均一な容積変化を受けることができ、セル電位の変化に従ってバルブを開閉させる。
従って、本発明の1つの態様は、流体調節システム及び少なくとも1つの流体消費セルを有する電池である。セルは、第1の流体消費電極、第2の電極、及び流体がセル内に流入するための1つ又はそれよりも多くの流体進入ポートを備えたセルハウジングを含む。流体調節システムは、流体が流体消費電極に入る速度を調節するための少なくとも1つのバルブと、バルブを作動させるための少なくとも1つのアクチュエータを含む。アクチュエータは、その構成要素にわたって印加される電位が変化する時の構成要素内の電荷分布の変化による不均一な寸法的変化が可能な構成要素を有する。
本発明の第2の態様は、流体調節システム及び少なくとも1つの流体消費セルを有する電池である。セルは、第1の流体消費電極、第2の電極、及び流体がセル内に流入するための1つ又はそれよりも多くの流体進入ポートを備えたセルハウジングを含む。流体調節システムは、流体が流体消費電極に入る速度を調節するための少なくとも1つのバルブと、バルブを作動させるための少なくとも1つのアクチュエータとを含む。アクチュエータは、その構成要素にわたって印加した電位が変化する時の構成要素内の電荷分布の変化による不均一な寸法的変化が可能な構成要素を有する。バルブは、対向する主要表面を有する2つのプレートを含み、これらのプレートは、一方のプレートの主要表面が他方のプレートの主要表面に面して互いに隣接するように配置される。バルブは、閉鎖位置及び開放位置を有し、バルブプレートは、バルブが少なくとも閉鎖位置にある時に磁力により互いに対して保持されている。
本発明のこれら及び他の特徴、利点、及び目的は、以下の明細書、特許請求の範囲、及び添付の図面を参照すると、当業者に更に理解され、かつ認められるであろう。
特に定めなければ、本明細書では、以下の定義及び方法が用いられる。
・内部セル構成要素(例えば、空気電極又はセパレータ)の空気側又は表面は、セル内の空気分布空間の方向に向く側又は表面である。
・物体の寸法的変化は、物体の長さ、幅、深さ、形状、及び容積の少なくとも1つの変化を含む。
・流体消費電極は、活物質としてセルハウジングの外側からの流体を用いる電極である。
・非流動誘起バルブは、流体をセル内に強制的に入れるのに用いられるファン又はポンプのような装置の構成要素でないバルブである。
本明細書に特に定めなければ、全ての開示する特性及び範囲は、室温(20〜25℃)で判断される時のものである。
本発明の実施形態は、電極の1つに対する活物質としてセルの外側の流体を(例えば、酸素又は別の気体)用いる電気化学電池セルである。セルは、酸素還元電極のような流体消費電極を有する。例えば、セルは、空気減極セル、空気補助セル、又は燃料セルとすることができる。セルは、流体が流体消費電極(例えば、空気減極及び空気補助セルの空気電極)まで流れる速度を調節して、セルが高速又は高電力で放電するのに十分な量の流体をセルの外側から供給し、同時に、流体消費電極内への流体の進入と、低速放電又は無放電の期間中にセルに入る水の獲得又はセルからの水の損失とを最小にするための流体調節システムを有する。
理想的な流体調節システムは、セル電位の変化への高速応答、長いサイクル寿命、放電時にセル電圧範囲に良好に適合する低作動電圧、及び高効率を有することになる。更に、理想的な調節システムは、閉鎖位置に管理されている流体に対する低透過性を有し、セル内の活性流体の必要性に比例して開閉し、非常に少量の総セル放電容量しか必要とせず、容積が小さく、製造及びセルへの組込みが容易で廉価であることになる。
本発明は、酸素還元電極を備える空気減極セルによって以下に例示するが、本発明は、セル電極の一方又は両方の活物質としてセルハウジングの外側からの様々な気体を用いることができる燃料セルのような他の種類の流体消費電極を備えるセルにも用いることができる。
空気減極セルでは、空気調節システムは、酸素還元電極の空気側(すなわち、セル外部からの空気が進入可能な酸素還元電極の表面上又はその一部)に配置される。空気調節システムは、バルブ及びアクチュエータを含み、一部の実施形態では、単一の構成要素が、バルブ及びアクチュエータの両方として働くことができる。セル電位は、アクチュエータにわたって印加され、セル電位(すなわち、セルの負及び正の活物質の間で測定される電圧)の変化により、電位の変化が減少するか又は増大するかに応じてアクチュエータが移動し、バルブを開いたり閉じたりすることを可能にする。従って、セル電圧が低ければ(及び、酸素が放電速度又は電力要件を支持する必要性が大きければ)、バルブは、より多く開いて酸素が酸素還元電極に入る速度が増大することになる。逆に、セル電圧が高ければ(及び、酸素の必要性が低ければ)、バルブは、より多く閉鎖し、酸素の進入速度が減少するだけでなく、望ましくない気体(例えば、二酸化炭素)の進入速度及び水の浸入又は損失の速度も減少することになる(セルの内部対外部からの空気の水の相対分圧に依存)。
アクチュエータは、内部応力又は歪みの結果として変形してバルブを作動するのに十分な力を与えることができる可撓性材料から作られる。内部応力及び歪みは、不均一な容積変化のようなアクチュエータ内の物理的変化により、又はアクチュエータ内又は表面上の電荷の分布の変化によりもたらすことができる。アクチュエータの変形は、例えば、曲げ、直線化、伸長、又は短縮とすることができる。可撓性部材は、シート、バー、又はロッドの形態とすることができる。
アクチュエータ内の不均一な容積変化の例は、容積が片側で増大し、他方の側で減少する場合、又は両側で容積が増大するが片側の方が他方の側よりも大きく増大する場合のようなアクチュエータの片側の容積の他方の側の容積に対する相対的増加である。このような場合、アクチュエータは、大きく容積増大した側から曲がって離れることができる。
容積が不均一に変化するのは、アクチュエータにわたって印加される電位の変化により誘発される時にアクチュエータ内のイオンが動く結果であるとすることができる。例えば、容積の不均一な変化は、1つの大きさの比較的高濃度のイオンがアクチュエータの領域の1つに生成され、比較的高濃度の異なる大きさのイオンが別の領域に生成される場合に起こる可能性がある。高イオン濃度の領域は、いくつかの方法で生成し、変化させることができる。
アクチュエータ内のイオンを生成してその濃度を変化させる1つの方法は、容量性の変化を用いることによるものであり、この場合、比較的薄く平坦なアクチュエータの表面の1つ(その上又はその付近)の電荷が変化する。この種類のアクチュエータは、容量性アクチュエータとして下に説明する。図1A、図1B、及び図1Cに示すような容量性アクチュエータ10の例では、アクチュエータ10は、これらの表面にわたって電位が印加されると、アクチュエータ内で殆ど又は全くファラデー反応を起こさずに対向する表面、電極層102、104上の電荷が変化する2層コンデンサとして振舞う。図1Aでは、容量性アクチュエータ10は、全く又は殆ど電位が印加されず、図1Bでは、電位は、1つの方向に印加され、図1Cでは、電位は、反対方向に印加される。正電荷が、溶解塩を含むイオン伝導性材料の表面の1つに印加され、負電荷が別の表面に印加される場合には、負イオンは、印加した正電荷に隣接する領域に移行してそこで濃縮され、正イオンは、印加した負電荷に隣接する領域に移行してそこで濃縮することができる。従って、アクチュエータの2つの側の間の電位が変化すると、逆に荷電したイオンの濃度の程度を変化させ、負及び正イオンの相対的な大きさに応じてこれらの各領域の濃度をこれに対応して大幅に変化させることができ、曲げ量は、セル電位の変化に比例することができる。
アクチュエータ10のセパレータ層106は、電気的に非伝導性でイオン的に伝導性であり、従って、塩イオンは、セパレータを通って流れることができる。電気化学電池セル及びコンデンサのセパレータ材料には、公知の材料を用いることができる。例としては、織及び不織布、微孔性膜、及びポリマー電解質材料が含まれる。
容量性アクチュエータ10の電極層102、104は、いくつかの種類の材料で作ることができる。容量性アクチュエータのための電極の種類の例には、化学的又は電気化学的刺激(例えば、ポリアクリレートを含むヒドロゲル)に応答して容積が変化することを伴う相転移を受けるヒドロゲル、電圧がフィルム(例えば、シリコーン又はアクリルで作られるもの)にわたって印加される時に変形される誘電性ポリマー、及び電気化学的に誘発された表面電荷に応じて結合伸長及び短縮を受けるカーボンナノチューブが含まれる。カーボンナノチューブを用いる実施形態では、反対の電荷及び異なるイオン半径のイオンは、電極の伝導性ナノチューブの間を移動することができ、アクチュエータの反対の側の電極内に異なる容積の変化が起こることになる。必要に応じて、電解質層の導電性は、高伝導性材料の粒子を加えるか、又は例えば金属蒸着により高伝導性材料の薄いコーティングを電極の外面に付加することによって改善することができる。更に、電極層は、粒子状電極材料を共に保持し、電極層をセパレータ層に付着させるための結合剤を含むことができる。
電解質には、アクチュエータのセパレータ及び電極材料と相溶性の溶媒が含まれる。塩は、溶媒に可溶性であり、アクチュエータ内の塩濃度で、アクチュエータに望ましい曲げ、直線化、延長、及び短縮を引き起こすのに必要な電解質層の容積の変化をもたらすことになる大きさが十分に異なる陰イオン及び陽イオンを供給する。
カーボンナノチューブを含むアクチュエータの例は、Baughman他著「カーボンナノチューブアクチュエータ」、Science、第284巻、第21号、1999年5月、1340〜1344頁に開示されている。この種類のアクチュエータは、電極として電解質充填カーボン壁ナノチューブシートを用いている。シートは、交絡ナノチューブ又はナノチューブ束のようなナノ繊維のアレイを収容する。2つのナノチューブ繊維シートは、イオン的に伝導性で電気的に非伝導性の材料のシートの反対の表面に接着されている。直流電位がアクチュエータ電極に印加され、アクチュエータシートが水性NaCl電解質浴に沈められると、アクチュエータは曲がる。曲げの量及び方向は、対向するアクチュエータ電極の電気的に誘発された膨張の差に依存し、曲げは、可逆的である。アクチュエータの応答は、−0.4と+0.1ボルトの間では印加した電圧にほぼ直線的である。更に、アクチュエータは、H2SO4水溶液、LiClO4のアセトニトリル又はプロピレンカーボネート溶液、及び水性KOHのような他の電解質溶液中でも作動することになる。
このようなカーボンナノチューブアクチュエータは、水性懸濁液として米国テキサス州ヒューストン所在の「Rice University」製「Tubes@Rice」から入手可能な単一壁のナノチューブを用いて作ることができる。ナノチューブ懸濁液は、(例えば、5μm孔を備えるPTFEフィルタを通して真空濾過することによって)濾過すると、空のロート領域にわたって高度に交絡したナノチューブ束のシートが残る。シートは、脱イオン水で、次にメタノールで洗い、残留NaOH及び界面活性剤を除去する。連続的な真空パージ下で乾燥した後、シートは、フィルタから剥がす。ナノチューブシートのストリップを切断し、イオン的に伝導性のセパレータ層(例えば、ポリビニルクロリドフィルム)の両表面に接着し、適切な電解質塩溶液をアクチュエータシートに加える。セパレータ層、電解質溶媒、及び塩の組成は、アクチュエータが用いられることになっているセルの種類により選択することができる。ナノフラスコのような他のカーボンナノ粒子をナノチューブの代わりにすることができるであろう。
また、容量性アクチュエータは、Raguse他著「ナノ粒子アクチュエータ」、「Advanced Materials」、第15巻、第11号、2003年6月5日、922〜926頁に開示されているように金ナノ粒子フィルムで作ることができる。アクチュエータは、平均直径が約16nmの金ナノ粒子を塩酸シスタミンのような短い二官能性分子で架橋することによって形成される。塩酸シスタミンを付加すると形成される金ナノ粒子の凝集塊は、200nmの公称孔径のナノ多孔性ポリカーボネート・トラックエッチ(PCTE)膜上に真空濾過され、PCTE膜上にナノ粒子フィルム層を形成する。アクチュエータストリップは、複合材料から切断する。水性LiClO4浴で、+0.6ボルト電位をナノ粒子フィルムに印加すると、正電荷が生じ、これは、Cl-陰イオンが流入することによって均衡が取られ、従って、二重層キャパシタンスを充電し、ナノ粒子フィルムを膨潤させる。膨潤すると、アクチュエータが曲がることになる。この種類のアクチュエータは、有機及び水性電解質溶液で作動することができる。
アクチュエータ電極の容積を生成して変化させる別の方法は、ファラデー反応を用いることによるものであり、この場合、電圧電位を印加するか又は変化させることによってアクチュエータ内に電気化学的反応が誘発される。これには、セルの放電容量の一部を用いて、セルからアクチュエータを通って一部の電流が流れる必要があることがある。この種類のアクチュエータは、以下、ファラデーアクチュエータと呼ぶ。反応物質の容積と異なる容積を有する反応性生物が、アクチュエータの少なくとも一方の側に生成される。反応物質及び反応性生物の相対濃度が変化することにより、それが含まれるアクチュエータのその部分にアクチュエータ容積に対応する変化が引き起こされる。
ファラデーアクチュエータの一例は、セパレータの両側の2つの電極層を有する複合膜で作られた湾曲可能シートであり、各々電気化学的活物質を含む。この種類のアクチュエータは、以下では2電極ファラデーアクチュエータと呼ぶ。セル電位が膜にわたって印加されると、ファラデー(例えば、酸化還元)反応が起こる。アクチュエータ電極の片側又は両側の反応物質及び反応性生物の容積に差があるために、アクチュエータ電極の容積比が変化し、アクチュエータが曲がることになる。ファラデー反応が可逆的である場合には、アクチュエータは、可逆的に曲がることができる。2つの電極の組成は、同じとすることができ又は異なるものとすることができる。組成が異なる場合には、電極に含まれる酸化可能及び還元可能材料は、アクチュエータが、セルが望ましい高電圧を有する場合に閉鎖位置(例えば、直線状)、セル電圧が選択したレベルよりも低い場合に開放位置(例えば、曲げ)になるように選択することができる。しかし、電極組成が同じ場合には、コントローラ回路を用いて、セルが望ましい高電圧の時にアクチュエータに電位を印加しない(すなわち、0ボルト電位を印加する)ようにする。
2電極ファラデーアクチュエータ20の例は、図2A及び図2Bに示されている。図2Aでは、アクチュエータ20は直線であり、図2Bでは、アクチュエータ20にわたって電位を印加すると、アクチュエータ20の一方の電極202の容積が増大し、他方の電極204の容積が減少する結果として曲がる。代替的に、一方の電極202の容積は、他方の電極204の容積を変化させずに増大させることができ、又は一方の電極204の容積は、他方の電極202の容積を変化させずに低減することができる。
2電極ファラデーアクチュエータ20では、電極202、204は、可逆的な酸化及び還元を受けることができるポリアニリンフィルムのような電気的に伝導性のポリマーフィルムと、電極202、204の間を電解質で含浸したセパレータ206とを含むことができる。
別の種類のファラデーアクチュエータは、1電極ファラデーアクチュエータである。この種類のアクチュエータは、可撓性で本質的に不活性な基体の片側のコーティングに含まれる可逆的に酸化又は還元することができる材料を含む湾曲可能なシートである。コーティング内の材料が酸化及び還元されると、容積が変化することになり、アクチュエータが曲げられることになる。
1電極ファラデーアクチュエータの一実施形態では、アクチュエータコーティングは、セル内の酸素還元電極として機能することができる。アクチュエータは、セル内の単独の酸素還元電極とすることができ、又は別の酸素還元電極の一部とすることも又はそれと組み合わせることもできる。可逆的に還元可能な材料は、活性負極材料と直接反応し、セルに入る空気中の酸素により再酸化することができる材料である。このようなアクチュエータを備える空気調節システムでは、アクチュエータは、下に説明するようにバルブの一部として機能することができる。
この種類の1電極ファラデーアクチュエータの例では、粒子状の可逆的還元可能材料は、共に保持され、結合剤により基体に接着される。更に、電極層には伝導性材料も含んでその導電性を改善することができる。空気調節システムがセル内に存在する場合には、アクチュエータ電極層は、基体の空気側にあり、セルの負極とイオン的に連通する。セルの負極は、アクチュエータの1つの電極として機能するために、第2のアクチュエータ電極層は、基体に付加されない。
セルがアルカリ亜鉛/空気セルである場合には、可逆的に還元可能な材料は、アクチュエータが、亜鉛/空気セルの通常の電圧範囲(例えば、0.9〜1.4ボルト)で作動することになるように、1次アルカリ亜鉛/MnO2セルの正極に通常用いられることになる酸化マンガン、好ましくは、亜鉛に対してEMD又はCMDより低電位であるものとすることができる。酸化銅のような他の金属酸化物、及びポリアニリンのような伝導性ポリマーは、可逆的還元可能材料の例である。
更に別の種類のアクチュエータは、静電アクチュエータである。静電アクチュエータは、アクチュエータの2つの部分間の静電引力の変化により移動する。静電アクチュエータは、電流を殆ど又は全く流すことなくアクチュエータにわたる電位の変化に迅速に応答することができる。
一実施形態では、静電アクチュエータには、薄い絶縁層により分離された2つの電気的に伝導性の層が含まれる。伝導性層の少なくとも1つは、薄くて湾曲可能であり、最初は、製造中に生じる応力勾配により湾曲形状に偏向している。この第1の伝導性層の一部は、絶縁層及び第2の伝導性層に接触して配置されており、第1の伝導性層の別の一部は、フラップ又は蓋として機能するように曲がって離れている。第2の伝導性層及び絶縁層は、第1の伝導性層の湾曲部分の下に位置決めされた開口を含む。伝導性層にわたって電位を印加すると、その間の静電力になり、第1の伝導性層のフラップ部分は、第2の伝導性層に向って引っ張られ、開口を閉じる。セル電圧が大きくなると、印加される電位が大きくなり、より多くフラップが閉じる。
別の実施形態では、静電アクチュエータは、2つの導電層に挟まれた誘電エラストマーフィルムの層を含む。アクチュエータにわたって電位を印加すると、伝導性層の一方に正電荷が、他方の層に負電荷が誘発される。正及び負の層の間の引力により、中間のエラストマー層が圧搾され、それが引力と垂直に膨張される。このような静電アクチュエータの例は、Bar−Cohen著「人工筋肉機能、可能性、及び挑戦としての電気活性ポリマー」、「バイオメトリクスに関するハンドブック」、Yoshihito Osada(編集長)、第11節、第8章、論文番号134、「NTS Inc.」、2000年8月に開示されている。アクチュエータがバーの形態の場合には、2つの伝導性層の間の引力のそれぞれ増大及び減少によるエラストマー層の膨張及び収縮により、対応するバーの延長及び短縮が引き起こされる可能性がある。
材料、構造、及び製造方法を含む半導体アクチュエータの例は、Shahinpoor他により、2002年5月2日に公開された米国特許出願公開第2002/0050454号に開示され、その全開示内容は、引用により組み込まれている。
また、アクチュエータは、異なる種類のアクチュエータの特徴が組み合わされた複合アクチュエータとすることができる。例えば、2つのアクチュエータ電極は、一方の電極は容量性、他方はファラデーを用い、異なる材料で作ることができる。複合アクチュエータは、本発明によれば、他の構成要素と組み合わせて、1つ又はそれよりも多くの構成要素を含むことができる。他の種類の構成要素の例は、バルブを一方向に偏向させる(例えば、開放又は閉鎖)のに用いることができるバネ及びバネ状構成要素を含む。
上述のように、アクチュエータにわたる電位の変化に応答して動くアクチュエータの動きを用いて、セル内の空気調節システムのバルブ部分を作動(開放及び閉鎖)させることができる。バルブは、アクチュエータが動くことによって作動することができるあらゆる適切な形態とすることができる。
例えば、バルブは、比較的低度の酸素透過性の領域に囲まれ、高度酸素透過性領域を覆う比較的低度の酸素透過性の可動性覆いを有する少なくとも1つの比較的高度の酸素透過性の領域を備える要素とすることができる。覆いは、高度透過性領域の少なくとも一部が露出するように移動し、セルの外側の空気が進入することを可能にする。高度透過性領域に到達することができる空気が多くなると、バルブがより多く「開放」され、高度透過性領域に到達することができる空気が少なくなると、バルブがより多く「閉鎖」される。バルブがどのように開放又は閉鎖されるかは、高度透過性領域の露出表面積の大きさ及び空気が通過してその領域に到達するために生成された開口部の大きさの関数とすることができる。これらの因子の片方又は両方は、覆いを移動させることによって影響を受ける可能性がある。バルブは、各々低度透過性領域に囲まれた1つ又は複数の高度透過性領域を有することができる。両方の層の材料は、酸素、二酸化炭素、及び水透過性の望ましい組合せが得られるように選択することができる。
一実施形態では、1つ又は複数のいずれかの高度透過性領域と組み合わせて、単一の覆いを用いることができる。別の実施形態では、1つ又は複数のいずれかの高度透過性領域と組み合わせて、複数の覆いを用いることができる。更に別の実施形態では、単一の構成要素内に複数の覆いを形成することができ、各覆いは、単一の高度透過性領域の一部に付随するか、又は別々の高度透過性領域に付随する。
バルブ覆いの一例は、高度透過性表面から離れて、及び近づいて動くことができるフラップである。完全な閉鎖位置では、フラップは、高度透過性領域の全表面を覆うことができ、又は高度透過性領域の一部のみを覆い、例えば、十分に空気を進入させて望ましい最小セル電圧を維持することができる。フラップは、別々のアクチュエータの動きにより開閉することができ、又はフラップは、アクチュエータ自体の一部とすることができる。
フラップは、酸素還元電極の空気側に接触して配置することができる。この場合、フラップは、酸素還元電極から離れて曲がり、空気分布空間の一部に開放することによって高度透過性領域を更に露出することができる。代替的に、フラップは、空気進入ポートが配置されたハウジングのその部分の内面に接触して配置することができる。この場合、フラップは、アクチュエータと酸素還元電極の間の空気分布空間内に曲がることができる。フラップは、バルブの単一の高度透過性領域を覆って配置される可撓性シートとすることができ、又はフラップは、シートを通って定められる大きなシートの一部とし、そこにフラップがシートの周囲の低度透過性部分から離れて開くことができるヒンジを設けることができる。
シートは、一般的に、フラップが開くことができるあらゆる適切な方法で所定位置に保持することができる。例えば、大きなシートは、ボタン型空気セルの酸素還元電極の周囲部分と缶の内部底表面の間のような2つのセル構成要素の間の力又は圧力により保持することができる。シートの一部は、圧力結合、溶融結合、及び接着剤結合のような様々な手段により高度透過性領域を囲む低度透過性領域に固定することができる。
バルブの高度透過性領域は、1つの層とすることができ、低度透過性層は、複合構造の別の層とすることができる。例えば、高度透過性フィルムは、低度透過性材料で部分的に被覆し、露出される高度透過性フィルムの1つ又はそれよりも多くの領域を残すことができる。別の例では、高度透過性材料の固体シートを、切り抜きを有する低度透過性材料のシートに積層し、切り抜き領域内に不連続な高度透過性領域を露出させることができる。
別の実施形態では、バルブの高度透過性領域は、低度透過性材料のプレート又はシートの開口とすることができる。このような実施形態では、覆いは、バルブが閉鎖位置にある時には開口を覆って配置することができる。代替的に、低度透過性シートは、フラップ領域の周りのシートを部分的に切り抜くことによって1つ又はそれよりも多くのフラップがシートに形成されるシートとすることができ、開口は、フラップが開く時に生成される。この実施形態は、空気調節システムの構成部品の数を最小にするという利点を有する。
図3A及び図3B、図4A、図4B及び図4C、及び図5A、図5B及び図5Cには、1つ又はそれよりも多くのフラップを用いるバルブの例が示されている。
図3A及び図3Bには、比較的小さな低度透過性アクチュエータシート30は、1つ又はそれよりも多くの点308で開口312に近接する低度透過性シート310に固定される。アクチュエータシート30は、閉鎖位置(図3A)の時に開口312を覆い、開放位置(3B)まで曲がって開口312の少なくとも一部の覆いを外し、矢印314で示すように開口312を通して空気を流させるフラップの形態である。
図4A、図4B、及び図4Cでは、低度透過性アクチュエータシート40は、開口412に近接する低度透過性シート410に接着される。アクチュエータシート40は、開口412を完全に取り囲むパターン408で低度透過性シート410に接着される。フラップは、アクチュエータシート40が開口412を覆うアクチュエータシート40を、スリット416の形態で切り抜きすることによって形成される。閉鎖位置(図4A)では、アクチュエータシート40は、平坦であり、このスリット416には、殆ど又は全く開口部が存在せず、開放位置(図4B及び図4C)では、スリット416により、アクチュエータシート40は、スリット416の両側のアクチュエータシート40の一部がフラップとして機能して開口412を開放するように曲がることができる。
図5A、図5B、及び図5Cでは、比較的大きなアクチュエータシート50は、低度透過性プレート又はシート510の複数の開口512を覆っている。複数のフラップ518は、平面図(図5C)に示すように、1つのフラップ518が各開口512を覆うようにシート510に形成される。閉鎖位置(図5A)では、各フラップ518は、対向する開口512を覆い、開放位置(図5B及び図5C)では、各フラップ518は、曲がって対応する開口512の少なくとも一部の覆いが外れる。アクチュエータシート50は、選択した点、又はアクチュエータシート50とフラップ領域518の外側の高度透過性シート510とのほぼ界面のいずれかで低度透過性シート510に接着することができる。
少なくとも1つのフラップ(図示せず)を有するバルブの別の例では、アクチュエータシートは、複数の開口を覆う単一のフラップを有することができる。フラップが、完全に開放された位置に向って曲げを続けると、より多く開口の覆いが外れ、従って、空気が高度透過性シート又はプレートを通って流れることができる領域が増大する。
アクチュエータシートは、あらゆる適切な製造工程で作ることができる。高速印刷工程を用いて、アクチュエータフィルムシートを製造することができる。回転打ち抜きを用いてシートを切断し、フラップを形成することができる。
適切なバルブの別の例は、2つ又はそれよりも多くの隣接するプレートを含み、各プレートが、それを通る開口部の大きさを変化させるように様々な程度に整列させることができる1つ又はそれよりも多くの開口を有するバルブである。プレートは、一般的に、比較的硬質で、閉鎖位置で適切な閉鎖をもたらし、プレートの一方を他方プレートを横切って直線状に摺動させたり、プレートの1つを軸回転させたり、こう彩の形態に配列された複数のプレートを摺動させることなどにより、互いに関して移動可能である。このような実施形態では、バルブの高度透過性領域は、プレートの1つの表面に隣接するか又はそれに固定された1つ又はそれよりも多くの高度透過性フィルムの一部とすることができ、又は高度透過性領域は、単に、開口が整列した時に形成される隣接するプレートを通る開口部とすることができる。
隣接するプレートの対応する開口は、同じ大きさ及び形状とすることができ、又は異なるものとすることもできる。例えば、開口は、円形、角柱状、くさび形とすることができ、又はあらゆる他の従来の形状とすることもできる。
図6A、図6B、及び図6Cには、共通の軸線の回りを回転する2つのプレートを含むバルブの例が示されている。プレート610a、610bは、両方とも低度透過性である。上部及び下部プレート610a、610bは、開口612a、612bを含み、一方のプレート610aの開口612aの大きさ、形状、場所は、他方のプレート610bの開口612bと同じである。閉鎖位置(図6A)では、プレート610a、610bは、一方のプレート60aの開口612aが他方のプレート610bで完全に覆われるように整列され、開放位置(図6B及び図6C)では、一方のプレート610aの開口612aは、他方のプレート610bの開口612bと少なくとも部分的に整列され、両方のプレートを通る開口を生成する。この例では、各々が一端で中心軸620に固定され、他端が隣接する上部プレート610aからの突起622に接触するように配置された2つのアクチュエータ60が存在する。アクチュエータ60が曲がる時、それらは、突起622に押し付けられ、上部プレート610aを下部プレート610bに対して中心軸620の周りに回転させる。
その少なくとも1つが摺動可能な2つの隣接するプレートを含むバルブの別の例では、隣接するプレートの縁部は、一方のプレートが他方に対して摺ると開口部が生じ、摺動が継続すると開口部の大きさが変化することができるように角度を付けられるか又はそのような形状にされる。プレートの縁部は、直線であるが、互いに対して単に角度を付けることができ、又は縁部は、従来の方法でノッチを付けることができる。
隣接するプレートを備えるバルブの一部の実施形態では、プレートは、磁力により互いに保持することができる。それにより、隣接するプレートの接合表面の間のあらゆる間隙を最小にし、閉鎖位置にある時にプレートの間及びバルブを通る流体の流れを制限するのを助けることができる。磁気引力は、あらゆる適切な方法で達成することができる。例えば、磁気引力は、プレートの一方が磁性材料で作られ、他方が第二鉄材料(例えば、鋼鉄)で作られる時、又はプレートの両方が磁性材料で作られ、接合プレート表面が反対の磁極である時などには、2つのプレート自体の間に存在することができる。更に、磁気引力は、鉄含有バルブプレートと他のバルブプレートの対向する表面に接触するように配置された磁石の間に存在することができ、又は両バルブプレートの非接合表面に接触するように配置された2つの磁石の間に存在することができる。更に、磁気的反発力を用いてバルブプレートの1つを強制的に別のセル又は電池構成要素から離し、隣接するバルブプレートに押し付けることができる。
あらゆる適切な磁性材料を用いて、磁力を生じさせることができる。例えば、磁石は、強磁性体(例えば、バリウム/ストロンチウムフェライト)及びエラストマー材料のシートの形態の配合物とすることができる。好ましくは、磁石は、永久磁石であり、十分な磁力を維持するのにセル又は電池からエネルギを必要としない。
磁力で互いに保持されているバルブプレートは、一方のプレートを他方を横切って直線的又は回転的のいずれかで摺動させることによるか、又は一方のプレートが他方に向って及びそれから離れて移動することによって作動させることができる。
必要に応じて、他の材料の薄い層を隣接するバルブプレートの界面表面に付加し、閉鎖位置でのバルブ密封の有効性を改善することができる。改善は、プレート間の毛管引力(付加された材料が液体の場合)、又は界面の表面欠陥を覆うか又は充填する結果とすることができる。更に、材料のこのような層は、セル内の腐食性材料からバルブプレートを保護し、摺るプレート間の摩擦を低減することができる。これらの付加された層は、ポリマーコーティング又はフィルム(例えば、ポリテトラフルオロエチレン又はポリプロピレン)のような固体材料とすることができ、又は液体とすることができる。液体は、一般的に、比較的揮発性が小さい。好ましくは、適切な液体の蒸気圧は、約10-2〜約10-12トル、より好ましくは、約10-5〜約10-11トルとされることになる。シリコンベース油は、アルカリ亜鉛空気セルのバルブに用いるのに適する可能性がある液体の例である。選択される材料の量及び種類は、部分的には、バルブ作動(例えば、摺動バルブが適切に摺るか否か)の効果、並びに材料安定性及び閉鎖位置でのバルブを通る流体の透過度に依存することになる。
バルブの別の実施形態は、空気進入ポートが配置された容器壁の内面に押し付けられ、それによって空気進入ポートを遮断するプラグである。プラグは、酸素、二酸化炭素、及び水に対して低透過性の材料で作ることができる。更に、プラグは、バルブが閉鎖位置にある時に容器表面及び空気進入ポートの縁部に良好に適合してポートの密封をよくするためにエラストマー性とすることができる。テーパ付きのプラグを用いて、セル電圧に比例して空気進入ポートを開放及び閉鎖するのを良好に制御することができる。
空気調節システムは、空気調節システムが、内部セル環境で安定であり、望ましいセル作動特性に適合すべきであり、セルハウジング内に嵌め込むことができることを考慮して、アクチュエータ及び上述のバルブの適切な組合せを用いることができる。アクチュエータ及びバルブの様々な組合せの実施形態を以下に開示する。
アクチュエータ及びバルブの一部の組合せでは、アクチュエータ及びバルブは、空気調節システムの別々の構成要素であり、アクチュエータが動くとバルブが開放又は閉鎖する。
別々のアクチュエータ及びバルブ構成要素を備えた空気調節システムの一例は、酸素、二酸化炭素、及び水透過性が低いプラグの形態のバルブを有する装置である。プラグは、セルハウジングの空気進入ポート近くに配置される。アクチュエータは、セルハウジングの内面と逆の方向にプラグを移動して空気進入ポートを遮断することができ、又はプラグを離すように移動してポートを開放することができる。アクチュエータは、湾曲可能なシート又はバー、又は長さを変えることができるロッドのようなあらゆる適切な形態とすることができる。
別々のアクチュエータ及びバルブ構成要素を備えた空気調節システムの別の例は、バルブが低度透過性の複数の層を有するものであり、その少なくとも1つは、層の穴又は他の高度透過性領域のアラインメントを変化させてバルブを開閉させるように摺動可能である。アクチュエータは、曲げてかつ真っ直ぐにするか、又は伸長又は短縮することによって移動し、バルブ層の少なくとも1つを摺動させる。
アクチュエータ及びバルブの別の組合せでは、アクチュエータは、少なくともバルブの一部である。例えば、アクチュエータは、バルブでもある可撓性シートの形態の容量性アクチュエータとすることができる。シートは、比較的酸素透過性が低い材料で作られ、かつシートは、パターンに切り抜かれて1つ又はそれよりも多くのフラップを形成する。各フラップは、アクチュエータシートの残りに接続したままであり、接続領域がヒンジとして機能し、その回りで、フラップがシートの残りの平面内及びその外に曲がることができる。フラップが外側に移動する時、シートに開口部が生じ、開口部の大きさは、フラップがどれだけ遠くに移動するかに関連する。代替的に、アクチュエータシートは、低透過性材料で作られた第2のシートに対して位置決めされる(例えば、積層化により固定される)。フラップが第2のシートから外向きに離れて開く時にアクチュエータシートに生成される開口部は、第2の高度透過性シートの少なくとも一部を露出して、空気が流れることができる高度透過性通路を設ける。
別の例では、アクチュエータは、1つ又はそれよりも多くのフラップが切断された可撓性シートでもある。アクチュエータシートは、酸素透過性が高いシートに隣接し、この2つのシートは、互いに接着することができる。フラップが開放位置にある場合には、フラップの回りのアクチュエータシートの部分は、バルブの低透過性領域の周りの高透過性領域も定める。
本発明に用いることができるアクチュエータ及びバルブは、以下の実施例に示している。
試験するために1電極アクチュエータストリップを作った。
75重量パーセントのMnO2、20重量パーセントのグラファイト、及び5重量パーセントのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を組み合わせることによって電極混合物を作った。MnO2は、米国オクラホマ州のオクラホマシティー所在の「Kerr−McGee Chemical Corp.」から入手可能なアルカリ電池等級の「電解質二酸化マンガン(EMD)」であった。グラファイトは、米国オハイオ州のウェストレイク所在の「Timcal America」から入手可能なKS6等級の天然グラファイト粉末であった。PTFEは、米国イリノイ州シカゴ所在の「E.I.duPont de Nemours & Co.」から入手可能な「TFE 6C」等級の「TEFLON(登録商標)」であった。これらの成分は、乳鉢及び乳棒を用いて軽く混合した。
各アクチュエータに対して、混合物が凝集ボールを形成することができるまで十分なミネラルスピリットを5グラムの混合物に加えた。電極混合物のボールは、Swestミルを用いて転がし、約0.020インチ(0.508mm)厚み、2インチ(5.08cm)長さ、及び3/8インチ(0.953cm)幅の電極ストリップを形成した。電極ストリップは、2つの黄銅プレートの間に配置し、24,000ポンド(10,872kg)の負荷を与えて、厚み約0.012インチ(0.0305mm)まで圧迫し、それから約1と1/4インチ(3.175cm)長さ×3/8インチ(0.953cm)幅に切断した。切断した電極ストリップの重量は、約0.251グラムであった。ほぼ3と3/16インチ(8.096cm)長さ、3/8インチ(0.953cm)幅、及び0.0094インチ(0.239mm)厚みで、重量がほぼ0.246グラムのニッケルスクリーンのストリップを、10,000ポンド(4,530kg)の力で、切断した電極ストリップの表面の1つに押し付け、一端からニッケルスクリーンが延びるアクチュエータストリップを形成した。アクチュエータストリップの最終的な寸法は、ほぼ1と1/4インチ(3.175cm)長さ×3/8インチ(0.953cm)幅×0.0146インチ(0.371mm)厚みであり、スクリーン埋め込み工程中にミネラルスピリットが少量失われるために、総重量は、ほぼ0.487グラムであった。
各々例1に説明されているように作られた2つのアクチュエータストリップを試験し、電位を印加した時にそれらが可逆的に曲がりかつ直線化するか否かを判断した。
試験のためにアクチュエータストリップを準備した。ニッケルスクリーン側が互いに離れるようにストリップを並列に配置した。延びているスクリーンは、互いにしっかり固定し、2つのアクチュエータストリップが、試験中に単一の作動電極として機能することになるようにした。アクチュエータストリップは、亜鉛基準電極及びPt対電極と共に水性KOH電解質溶液を含むビーカーに沈めた。
アクチュエータは、交互に放電し、その後、両方とも約0.01278アンペアの定電流で合計4放電/充電サイクルにわたって充電した。第1の放電の継続時間は、約70分間であった。次の放電時間及び全ての充電時間は、各々約80分であった。アクチュエータストリップを観察した。放電中には、両方のストリップが曲がって自由端が互いに離れて動き、その後、充電中には、真っ直ぐになって自由端が互いに向って移動した。
実施例2の2つのアクチュエータストリップを試験した後、ストリップには、付加的な放電及び充電サイクルを行うが、各々、様々な電圧でポテンショスタットを用いて行い、どの放電電圧でストリップが離れて動くか又は動かないか、及びどの充電電圧でストリップが共に動くか又は動かないかを判断した。結果は、表1にまとめている。
(表1)
Figure 0004917594
空気調節システムは、セルハウジング内に配置することができる。それによって空気調節システムは、損傷を受けないように保護される。空気調節システム装置は、酸素還元電極への空気の流れを有効に制御するために酸素還元電極の空気側に配置されることになる。空気調節システムは、酸素還元電極の空気側にある限りは、セルハウジング内のあらゆる適切な部位に配置することができる。例えば、空気調節システムは、ハウジングの1つ又はそれよりも多くの空気進入ポートが存在する部分の内面に接触するか又はそうでなければ隣接させ、酸素還元電極に接触するか又はそうでなければ隣接させ、又は酸素還元電極の空気側表面の気体透過性シートのような別のセル構成要素に隣接させてその空気側に位置決めすることができる。代替的に、それは、バルブがその空気側にある限り、酸素還元電極自体の少なくとも一部とすることができる。
空気調節システムは、セル電位の変化に応答してバルブが開閉することができるように位置決めされることになる。例えば、バルブが1つ又はそれよりも多くのフラップを含む場合には、他のセル構成要素は、フラップが開閉することを防止しないことになる。これは、フラップがハウジングの空気進入ポートと酸素還元電極の間の空気分布領域に開放されるように空気調節システムを位置決めすることによって達成することができる。一部の実施形態では、空気分布領域は、空気調節システムの空気側とすることができ、一部の実施形態では、空気分布領域は、別の側(すなわち、酸素還元電極側)とすることができ、更に別の実施形態では、空気調節システムの両側に空気分布領域が存在することができる。
空気調節システムは、セル電位が空気調節システムにわたって印加されるようにセルの少なくとも正極に電気的に接続されることになる。空気調節システムが1電極アクチュエータを含む場合には、単一の電極が、セルの正極だけに電気的に接続することになるが、セルの負極にもイオン的に接続することになる。空気調節システムが2電極アクチュエータを含む場合には、一方の電極が、セルの正端子に電気的に接続することになり、他方の電極は、セルの正端子に電気的に接続することになる。
アクチュエータ電極とセル電極の間の電気的接続は、信頼することができる接続を提供し、セル正極と負極の間の完全な電気的経路(例えば、内部短路)とならないあらゆる適切な方法で完成させることができる。
例えば、1つのアクチュエータ電極は、酸素還元電極に直接物理的及び電気的に接触することができ、これは、セルの正端子であるか又はそれに電気的に接続する。別の例では、アクチュエータ電極は、正極と電気的に接触するセルハウジングの導電性部分に直接接触することができる。更に別の例では、導線を用いて正極と電気的に接触させることができる。
セルの負極に電気的に接続するアクチュエータ電極には、導線を接続させることができる。導線は、導線がそれから電気的に分離されている限り、酸素還元電極及び/又は正極を回るか又はそれを通ることができる。
例えば、アクチュエータ電極をセルの負極に接続する導線は、ワイヤ又は薄い金属ストリップの形態とすることができ、誘電体材料は、そうでなければ正極と電気的に接触する可能性がある(直接か、又はセルハウジングの伝導性部分、正極電流コレクタ又は正極電気接触導線、又はバネのような別のセル構成要素を通してのいずれかで)導線のあらゆる部分を被覆する。別の例では、負極への導線は、ガスケット、絶縁体、缶、覆い等の表面のような1つ又はそれよりも多くの他のセル構成要素の一部に印刷されるか又はそうでなければ堆積された金属の1つ又はそれよりも多くの薄い層の形態とすることができる。誘電体材料の層は、金属層を覆って及び/又はその下に被覆され、正極からの必要な絶縁をもたらすことができる。
空気調節システム及びバルブを作動させるためにアクチュエータに印加された電位は、セル内にその源を発することができる。例えば、アクチュエータに印加される電位は、上述のようなセル電位とすることができる。更に、セル電位は、変化させることができる。十分にアクチュエータの寸法を変化させるための高電圧が必要な場合、セル電位は、上向きに調節することができる。セル電位を調節すると、アクチュエータに異なる種類の材料を用いることができる。セル電位の増大は、例えば、セル電圧を増大させてアクチュエータを変形させてバルブを作動させる制御回路により達成することができる。
制御回路は、酸素の必要性をモニタし、その後、アクチュエータに電位を印加し、バルブを開放又は閉鎖する他の方法で用いることができる。例えば、制御回路は、セル内の酸素レベルをモニタする酸素センサを含むことができ、セル電圧をモニタするのに用いることができ、かつ別々の基準電極に対する酸素還元電極の電位をモニタするのに用いることができる。アクチュエータにわたって印加される電位は、セル内を起源とすることができ(例えば、正極と負極の間の電位)、必要に応じて上向き又は下向きに調節することができ、又は電位は、セルの外側の起源とすることができる(例えば、電池の別のセル又は他の適切な電源)。制御回路は、セル又は電池構成要素に印刷又は他の方法で付加することができ、電子機器チップに含まれることができ、又はあらゆる他の適切な構成を用いることができる。
本発明によりセルの内部容積を最大に利用するために、従来のセル構成要素は、アクチュエータ及び/又はバルブとして機能するように修正することができる。例としては、1電極アクチュエータを用いてバルブを開閉するボタンの大きさのアルカリ亜鉛/空気セルがある。セルは、缶、カップ、及び缶とカップの間に密封を生じさせるガスケットを含むハウジングを有する。セルは、活物質として亜鉛を含む負極と、水酸化カリウムの水性溶液を含む電解質とを有する。セルは、正極として空気電極を有し、空気電極は、空気調節システムとしても機能する。亜鉛は、カップ内に配置され、これは、セルの負の接触端子として働く。空気電極は、缶内に配置され、これは、セルの正の接触端子として働く。亜鉛電極と空気電極の間には、電気的に分離されたイオン的に伝導性のセパレータを配置する。缶の底面には、それを通してセルの外部から空気が入ることができる空気進入ポートとして働く開口がある。
空気電極は、負極の亜鉛を酸化することができるように、セル外部からの酸素と電解質との反応を促進する可逆的に還元可能な材料として酸化マンガンを含む。更に、空気電極は、結合剤としてグラファイト及びPTFEも含む。金属スクリーン電流コレクタは、空気電極の空気側の表面に押し付けられ、缶との電気的接触が良好になるようになっている。酸素透過性の疎水性膜を空気電極の空気側に積層し、液体電解質が負極から空気電極を通ってセルの外部に通過しないようにする。疎水性膜と缶底部の内面の間には、それを通って空気が疎水性膜の広い領域にわたって分散する空気分布空間が存在する。
空気電極の電流コレクタとして働くことに加えて、金属スクリーンは、空気調節システムのアクチュエータの可撓性基体としても働く。酸化マンガンを含有する空気電極混合物は、アクチュエータ電極として働く。空気/アクチュエータ電極の空気側には、エラストマー材料で作られたプラグが固定される。プラグは、空気分布空間内に位置し、空気進入ポートと整列している。
セルが高電圧を有し、十分な酸素が利用可能である場合には、空気/アクチュエータ電極の酸化マンガンは、通常の高レベルの酸化状態であり、プラグが缶底部に接触して配置され、空気進入ポートを閉鎖する。セル電圧が低くて付加的な酸素が必要な場合、金属酸化物が亜鉛により直接還元される。還元状態の金属酸化物は、容積が大きくなり、電極材料を膨潤させる。これは、次に、空気/アクチュエータ電極を内向きに曲げ、セパレータに押し付け、空気進入ポートからプラグを引き抜く。それによって空気(及び酸素)は、空気分布空間に入り、空気電極の疎水性層を更に迅速に浸透することができ、セル放電反応に更に多くの酸素を用いることができる。酸素への要求が低下すると、還元された酸化マンガンは再酸化される。再酸化されると、空気/アクチュエータ電極容積が減少し、空気電極/アクチュエータがその高電圧位置に向って戻り、プラグが空気進入ポートに向って戻る。セル電圧が十分に高いレベルに達すると、プラグは、空気進入ポートに押し付けられてそれを閉鎖する。従って、空気進入ポートの大きさは、このような空気調節システムを備えないセルに比較して実質的に増大し、特に極度に湿潤状態では、CO2移入又は水獲得又は損失による容量損失を増大させることなく、高速放電に必要な条件を更に良好に満たすことができる。
空気調節システムは、空気調節システム、セル、及び電池の種類及び設計に応じて様々な方法で電池に組み込むことができる。本発明は、バルブ、アクチュエータ、及び制御回路が、例えば、セルハウジングと酸素還元電極の間のそうでなければ空の空間であるセルハウジングに収容された電池に関して上に説明した。しかし、バルブ、アクチュエータ、制御回路、又はそのあらゆる組合せをセルハウジングの外面と電池ジャケット又はケースとの間のようなセルの外部に配置することができる本発明の他の実施形態が考えられている。バルブ及びアクチュエータに最小限の容積しか必要でないことにより、セルとジャケット又はケースとの間に利用可能な空間が殆どない電池でのこのような実施形態が可能になる。
上述の磁気バルブに用いることができる材料で作られた2つのプレートの間の磁力の効果を比較する試験が行われた。平坦な磁気プレートを平坦な鋼鉄プレートから引き離すのに必要な力及び平坦な鋼鉄プレートの表面を横切って平坦な磁気プレートを摺動させるのに必要な力の両方を測定した。
0.160mm(0.0063インチ)厚みの鋼鉄の57.15mm×57.15mm(2.25インチ×2.25インチ)部分で作られた鋼鉄プレート及び0.38mm(0.015インチ)厚みの紙で積層した0.20mm(0.008インチ)厚みの磁気複合体(米国モンタナ州のインディペンデンス所在の「Advertising Store,Inc.」から入手される8ミルの「光沢インクジェット印刷可能な磁気シート」)のシートから作られた磁気プレートを57.15mm×57.15mm(2.25インチ×2.25インチ)正方形に切断したものに対して、鋼鉄プレートから磁気プレートを引き離すのに必要な力を判断した。
鋼鉄プレートは、定置黄銅ブロック57.15mm×57.15mm(2.25インチ×2.25インチ)正方形の上面に両面テープで確実に固定した。磁気プレートは、両面テープで非伝導性の可動ブロック57.15mm×57.15mm(2.25インチ×2.25インチ)正方形に固定した。可動ブロックの反対側の表面は、ゴムバンドで電動式引張試験機に取り付けた。試験は、鋼鉄プレート上に磁気プレートの中心を置き、2.54センチメートル(1インチ)/分の速度に設定したモータで磁気プレートを持ち上げることによって行い、磁気プレートが鋼鉄プレートから持ち上げられて離れるまで2つのプレートの表面に垂直な力を測定した。ゴムバンドを用いて磁気プレートの応答時間を鈍らせ、最大力を更に容易に判断することを可能にした。
試験は、3つの条件、すなわち、磁気プレートを鋼鉄シートの上に直接置いた条件、磁気及び鋼鉄プレートの間にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルムの0.10mm(0.004インチ)厚みのシートを設けた条件、及びプレート間にシリコン油(DOW CORNING(登録商標)705拡散ポンプ流体)のフィルムを設けた条件で行った。結果(ニュートン、及び界面表面積のcm2あたりのニュートンの単位で)は、以下の表2にまとめている。
鋼鉄プレートを横切って磁気プレートを摺動させるのに必要な力は、上の試験に用いられる同じ種類の磁気及び鋼鉄シートで作られた異なる大きさのプレートを用いて判断した。鋼鉄プレートは、2.54cm(1.0インチ)×2.54mm(1.0インチ)であり、磁気プレートは、1.27cm(0.5インチ)幅×約7.6〜10.2cm(3〜4インチ)長さであった。
鋼鉄プレートは、水平で垂直な所定の位置にクランプで留めた。磁気プレートは、1.27cm(0.5インチ)幅の縁部を上部にして鋼鉄プレートとほぼ平行な平面のモータ駆動引張試験機から吊り下げた。
試験は、磁気プレートの上部縁を鋼鉄プレートの上部縁よりも僅かに高くして開始した。プレートは、試験開始時には一緒ではないが、磁気プレートが約2.54センチメートル(1.0インチ)/分の速度で上昇し、磁気プレートが鋼鉄プレートに対して所定の位置に水平に移動するまで徐々に互いに近づいて移動した。最初に接触した時から磁気プレートの下部縁が鋼鉄プレートの下部縁と同じ高さになるまで、動いている磁気プレートで力を測定した。
試験は、3つの条件、すなわち、磁気プレートを鋼鉄シートの上に直接置いた条件、磁気及び鋼鉄プレートの間にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルムのシートを設けた条件、及びプレート間にシリコン油のフィルムを設けた条件で行った。平均力(ニュートン、及びプレート間の界面表面積のcm2あたりのニュートン単位で)及び摩擦係数(直線運動の速度2.54センチメートル(1インチ)/分)を計算し、結果は、以下の表2にまとめている。試験は、ロット4にも繰返し、表2には、この両方の結果が含まれている。
(表2)
Figure 0004917594
表2の結果は、PTFEフィルム及びシリコン油の両方がプレート間の摩擦を低減することにより、アクチュエータは、プレートの1つを摺動させるのと同じ大きさの力を働かせる必要はないことになる。更に、PTFEフィルムは、プレート間の引力も低減し、それによってプレート間の密封の有効性を低減する可能性があると考えられる。シリコン油は、強い垂直力により反映されるように、プレート間の引力を増大させるが、これは、プレートがそれぞれ離れる場合及び一緒になる場合に開閉するバルブに対して最も重要とされることになる。プレート間にシリコン油を備える場合の垂直力値の増大及びこの試験の結果は、バルブが静止状態の時の垂直力及び従ってプレート間の密封の相対的有効性が、シリコン油を加えることによって改善されると考えられることを必ずしも意味しない。
磁気プレートと鋼鉄プレートの間の密封の有効性も、約37℃、相対湿度約20%のチャンバ内である一定の期間にわたって容器からの水の損失が測定される重量損失試験を用いて、異なるバルブ設計に対して比較された。
用いた容器は、各々内径が約4.45cm(1.75インチ)、内部高さが約4.45cm(1.75インチ)の開口端を有する中空鋼鉄円筒形であった。上部近くのシリンダ壁内部の溝にO−リングを挿入し、取外し可能鋼鉄蓋のシールとして働かせる。蓋は、内径が約38cm(1.5インチ)の浅いフランジカップの形状であり、シリンダ内に約0.492cm(0.194インチ)延びることができるものであった。カップの底部は、約1.98mm(0.078インチ)離間させた約0.787mm(0.031インチ)直径の30穴のアレイを備えた0.152mm(0.006インチ)厚みのプレートであった。
重量損失試験は、水(例えば、各々45〜50グラム)を収容する蓋付きのいくつかの容器を用いて行った。ロット1は、上述のような蓋を有し、ロット2〜4は、修正した蓋を有した。ロット2では、下部プレートを覆う上部プレートを加えた。上部プレートは、下部プレートと同じ材料で作られ、下部プレートと同じ数、大きさ、及び間隔の穴のアレイを有していた。上部プレートは、下部プレートからオフセットされ、従って、穴は、下部プレートの穴からほぼ等距離に配置された。ロット3は、シリコンベース油のフィルムが上部及び下部プレートの間に配置されることを除き、ロット2と同様であった。ロット4は、上部プレートが実施例4で用いられたのと同じ種類の磁気シートで作られたことを除き、ロット2と同様であった。
容器は、温度を約37℃に維持し、相対湿度を約20パーセントに維持したチャンバに入れた。シリンダを取り出し、周期的に重量を測定して水の損失を求め、水損失率を計算した。結果は、表3にまとめている。水損失率は、ロット1に対して正規化した(各ロットの水損失率をロット1の水損失率で割った)。
(表3)
Figure 0004917594
表3に示すように、金属上部と下部プレートの間にシリコン油を加えると(ロット3)、油なしの2つの金属プレート(ロット2)よりも良好な密封(水損失が減少)が得られ、金属上部プレートの代わりに磁気上部プレート(ロット4)を用いると、プレート間に油を備えない金属上部プレート(ロット2)又はシリコン油を備える2つの金属プレート(ロット3)のいずれよりも良好な密封が得られた。
本発明には、その開示された概念の精神から逸脱することなく様々な修正及び改善を行うことができることは、本発明を実施する者及び当業者によって理解されるであろう。与えられる保護の範囲は、特許請求の範囲により及び法により認められる解釈の幅により判断されるものとする。
流体調節システムに用いることができる容量性アクチュエータの実施形態の断面側面図である。 アクチュエータにわたって電位が印加された図1Aに示すアクチュエータの断面側面図である。 図1Bと反対の方向にアクチュエータにわたって電位が印加された図1Aに示すアクチュエータの断面側面図である。 2電極ファラデーアクチュエータの実施形態の断面図である。 アクチュエータにわたって電位が印加された図2Aに示すアクチュエータの断面側面図である。 フラップが閉鎖位置にあるバルブの実施形態の断面側面図である。 フラップが開放位置にある図3Aに示すバルブの断面側面図である。 スリットを含むフラップが閉鎖位置にあるバルブの実施形態の断面側面図である。 フラップが開放位置にある図4Aに示すバルブの断面側面図である。 フラップが開放位置にある図4Bに示すバルブの上面図である。 複数の開口及び対応するフラップが閉鎖位置にあるバルブの実施形態の断面側面図である。 フラップが開放位置にある図5Aに示すバルブの断面側面図である。 フラップが閉鎖位置にある図5Aに示すバルブの上面図である。 閉鎖位置のバルブと共通の軸線の周りに回転可能な2つのプレートを含むバルブの実施形態の上面図である。 バルブが開放位置にある図6Aに示すバルブの上面図である。 バルブが開放位置にある図6Bに示すバルブの断面側面図である。
符号の説明
10 容量性アクチュエータ
102、104 電極層

Claims (25)

  1. 流体調節システムと少なくとも1つの流体消費セルとを含み、該セルが、第1の流体消費電極と、第2の電極と、流体がセル内に流入するための1つ又はそれよりも多くの流体進入ポートを含むセルハウジングとを含む電池であって、
    流体調節システムが、
    流体が流体消費電極内に流入する速度を調節するための少なくとも1つのバルブと、
    構成要素にわたって印加された電位が変化する時の該構成要素内の電荷分布の変化による不均一な寸法的変化が可能な構成要素を含む、前記バルブを作動させるための少なくとも1つのアクチュエータと、
    を含
    前記少なくとも1つのバルブは、対向する第1及び第2の主要表面を各々が有する第1及び第2のプレートを含み、該プレートは、該第1のプレートの該第1の主要表面が該第2のプレートの該第1の主要表面に面した状態で互いに隣接して配置されており、
    前記バルブは、閉鎖位置及び開放位置を有し、
    前記第1及び第2のバルブのプレートは、該バルブが少なくとも前記閉鎖位置にある時に磁力によって互いに対して保持される、
    ことを特徴とする電池。
  2. 流体調節システムと少なくとも1つの流体消費セルとを含み、該セルが、第1の流体消費電極と、第2の電極と、流体がセル内に流入するための1つ又はそれよりも多くの流体進入ポートを含むセルハウジングとを含む電池であって、
    流体調節システムが、
    流体が流体消費電極内に流入する速度を調節するための少なくとも1つのバルブと、
    構成要素にわたって印加された電位が変化する時の該構成要素内の電荷分布の変化による不均一な寸法的変化が可能な構成要素を含む、前記バルブを作動させるための少なくとも1つのアクチュエータと、
    を含み
    前記少なくとも1つのアクチュエータは、容量性アクチュエータ、ファラデーアクチュエータ、及び静電アクチュエータから成る群から選択された部材であることを特徴とする電池。
  3. 前記少なくとも1つのアクチュエータは、容量性アクチュエータであることを特徴とする請求項2に記載の電池。
  4. 前記少なくとも1つのアクチュエータは、ファラデーアクチュエータであることを特徴とする請求項2に記載の電池。
  5. 前記流体調節システムは、前記アクチュエータ構成要素にわたって印加された前記電位を制御するためのコントローラを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の電池。
  6. 2つ又はそれよりも多くの流体消費セルを含むことを特徴とする請求項1に記載の電池。
  7. 各バルブ及び各アクチュエータが、前記セルの1つだけに付随していることを特徴とする請求項6に記載の電池。
  8. 前記流体調節システムは、前記アクチュエータ構成要素にわたって印加された前記電位を制御するための少なくとも1つのコントローラを更に含むことを特徴とする請求項7に記載の電池。
  9. 各コントローラが、前記セルの1つだけに付随していることを特徴とする請求項7に記載の電池。
  10. 前記各アクチュエータ構成要素にわたって印加された前記電位は、そのセルの電位に等しいことを特徴とする請求項7に記載の電池。
  11. 各バルブを作動させるための電源は、内部にそのバルブが付随しているセルであることを特徴とする請求項7に記載の電池。
  12. 前記第1及び第2のプレートの少なくとも一方は、前記アクチュエータにより前記閉鎖及び開放位置の間で摺動可能に移動可能であり、該第1及び第2のプレートの各々は、前記対向する主要表面の間で該プレートを通る少なくとも第1の流体通路を有し、該閉鎖バルブ位置においては、該プレートの該第1の流体通路によって該プレートの該第2の主要表面の間で該第1及び第2のプレートを通る開放流体通路が形成されないように、該第1のプレートの該第1の流体通路は、該第2のプレートの該第1の流体通路に整列しておらず、該開放バルブ位置においては、該プレートの該第1の流体通路によって該プレートの該第2の主要表面の間で該第1及び第2のプレートを通って開放通路が形成されるように、該第1のプレートの該第1の流体通路は、該第2のプレートの該第1の流体通路と少なくとも部分的に整列していることを特徴とする請求項1に記載の電池。
  13. 前記第1及び第2のバルブプレートの少なくとも一方は、その第1及び第2の主要表面の間で該プレートを通る2つ又はそれよりも多くの流体通路を含むことを特徴とする請求項12に記載の電池。
  14. 前記第1及び第2のバルブプレートの前記少なくとも一方を通る前記2つ又はそれよりも多くの流体通路は、全て、前記バルブが開放位置にある時に該第1及び第2のバルブプレートの他方の通路と少なくとも部分的に整列していることを特徴とする請求項13に記載の電池。
  15. 前記移動可能プレートは、直線的に摺動可能であることを特徴とする請求項12に記載の電池。
  16. 前記移動可能プレートは、回転により摺動可能であることを特徴とする請求項12に記載の電池。
  17. 前記第1及び第2のバルブプレートを通る前記開放通路は、少なくとも予め選択したセル電位範囲の前記セル電位に比例する大きさを有することを特徴とする請求項に記載の電池。
  18. 2つ又はそれよりも多くのセルを含むことを特徴とする請求項11に記載の電池。
  19. 前記セルのうちの1つよりも多くは、単一のバルブ及びアクチュエータに付随していることを特徴とする請求項18に記載の電池。
  20. 前記バルブ及びアクチュエータの各々は、前記セルの1つのみに付随していることを特徴とする請求項18に記載の電池。
  21. 前記セルハウジングの少なくとも1つは、前記第1及び第2のバルブプレートの一方を含むことを特徴とする請求項18に記載の電池。
  22. 前記バルブの少なくとも1つ及び前記アクチュエータの少なくとも1つは、前記セルハウジングの少なくとも1つの内部に配置されていることを特徴とする請求項18に記載の電池。
  23. 液体が、前記第1及び第2のプレートの間に配置されていることを特徴とする請求項に記載の電池。
  24. 前記液体の蒸気圧は、1.33から1.33・10-10Pa(10-2から10-12トル)であることを特徴とする請求項23に記載の電池。
  25. 前記液体は、シリコンベースの材料を含むことを特徴とする請求項24に記載の電池。
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