JP4914984B2 - 金属イオン検出方法 - Google Patents

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本発明は、溶液中の金属イオンの検出方法に関するものである。
銅(Cu)、亜鉛(Zn)は、鉛(Pb)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、カドミウム(Cd)等と並び、土壌や水質汚染の原因となる重金属である。
このため、土壌品質や水質検査においては、銅、亜鉛イオンの検出測定が必須となっており、そのための検査試薬や検査キットが市販されている。しかしながら従来市販されている土壌・水質検査用の銅、亜鉛検出キット等では微量イオンの検出には限界がある。
さらに、生体内において銅イオンはヘモグロビンや赤血球の形成、コレステロールの形成等に重要な役割を果たしており、その不足は心臓発作や児童の虚弱体質の原因となることが知られている。このため、健康状態の指標の一つとして、毛髪や体液を対象とする銅イオンの検出が行われている。
また、尿中の銅イオン測定によるウイルソン病の診断も提案されている。このような生体試料中の銅イオン検出は、例えば、4‐(3,5‐dibrome‐2‐pridylazo)‐N‐ethyl‐N‐sulfopropylanilineがラウリル硫酸の存在下で銅イオンと反応し、安定なキレート化合物を生成することを利用する方法等などによって行われている(例えば、非特許文献1、特許文献1〜3参照)。
しかし、これらは検出手順が煩雑であり、また少量の生体試料や微量銅イオンの検出のためには、さらに改良された銅イオン検出系が求められている。
そして、このような改良された銅イオン検出系として、微量比色定量法や原子吸光分析法が提案されている。
「新しいスクリーニングのあり方に関する研究」厚生省心身障害研究報告書(平成7年度)青木継稔 アメリカ合衆国特許第6074744号 欧州特許第0864373号 日本国特許第2952346号
しかしながら、これらを用いた従来の金属イオン検出方法では、微量の金属イオンを、迅速且つ簡便に検出するには、必ずしも十分なものとは言えない。
たとえば微量比色定量法は、反応前に煩雑な除蛋白操作をしなければならず、多数の検体を処理するスクリーニングテストには簡便性の点で難がある。また発色させるバソクプロインは測定感度が低いこと、銅以外の金属イオンにも作用することなど、操作性、特異性に問題がある。
また、原子吸光分析法は、銅イオンの特異性は高いものの特別な機器を必要として、且つ大量の試料を処理するには不適である。
本発明は、上述の課題を解決し、従来の手法に比べて簡便な検出手順で、少量の生体試料中や液体中の、低濃度の金属イオンの検出が可能な測定方法を実現することを目的とする。
本発明の金属イオン検出方法は、鎖脂肪酸からなる分子層と、長鎖アルキル基を持たないテトラチアフルバレン誘導体からなる分子層との積層構造を有するラングミュア・プロジェット膜を用い、該ラングミュア・プロジェット膜が反応する金属イオン種により特徴的な光吸収スペクトルを示すことを利用して金属イオンを検出することを特徴とする。
本発明の検出方法によれば、光吸収スペクトルを測定するだけなので、従来の手法に比べて簡便な検出手順で、少量の生体試料中や液体中の、低濃度の金属イオンの検出が可能となる。
本発明は、鎖脂肪酸からなる分子層と、長鎖アルキル基を持たないテトラチアフルバレン誘導体からなる分子層との積層構造を有するラングミュア・プロジェット膜(以下、LB膜)を用い、銅イオン等の金属イオンと反応させた前後の光吸収スペクトルを計測して比較することにより、金属イオンの検出を行う。
なお、本発明において液体とは、天然水、海水、廃液、研究用試料など、各種金属の塩を含む液体などに限らず、その他の液体、例えば血液、尿、髄液、血漿等の体液等をも包含するものである。
以下、実施例1の詳細を説明する。
本実施例では以下の試薬類を用いた。
下層液:蒸留水(純度100[%]、18.0[MΩ/cm]、和光純薬工業株式会社)。導電性LB膜原料:高純度のステアリン酸分子とBEDO‐TTF分子。
溶媒:クロロホルム(98[%]、純正化学株式会社、安定剤としてエチルアルコール約1[%]含有、紫外線吸収スペクトル用紙溶媒)。
使用機器の洗浄薬剤:洗浄用アセトン(99.5[%]、純正化学株式会社)、洗浄用塩酸(36[%]、関東化学株式会社、2[mg/ml]に希釈)。
検出用塩化金属:MCl2(M=Cd、Cu、Zn)(和光純薬工業株式会社)。
なお、上記試薬類は、他の同等品でも使用可能である。
LB膜の作成:
図1に示したステアリン酸(SA)分子とBEDO‐TTF(BO)分子は、1対1のモル組成比で水面上に展開してLB膜を作成することが知られている(例えば、特許文献1乃至3参照)。図2に示すように、これらSA分子とBO分子とを下層液3の水面上に展開してLB膜2を作成し、基板1上に通常のLangmuir‐Brodgett法(LB法)装置を用いて導電性LB膜からなるLB膜積層21を形成する。
なお、本実施例では基板1として、近紫外域で透明なCaF2(厚さ1mm)を用いる。
BO/SA展開溶液は、9.14×10-6[mg/ml]SAを0.3[ml]と、9.67×10-4[mg/ml]BOを0.28[ml]とを溶媒にとり混合してBO/SA展開溶液を作成する。
表1にLB膜作成条件の1例を示す。なお、本条件は室温20℃時のものである。表中の値は温度により最適値が変化するので、必要により、LB膜作成環境の温度に応じた最適条件を求めて作成条件を変更する必要がある。また、LB膜積層数(表中Dipping count値)は、計測に用いる吸光光度計の感度によって適宜増減させることができる。
Figure 0004914984
次に、このLB膜を用いた、金属イオン検出の原理を説明する。このLB膜は金属イオンと反応すると光吸収スペクトルが変化する性質を有しており、この性質を金属イオンの検出に利用する。
すなわち、作成したLB膜試料を塩化金属溶液等に浸して溶液中の金属イオンと反応させた場合に、このLB膜試料の反応前後の光吸収スペクトルを一般的な吸光光度計により測定すると、光吸収スペクトルの変化を検出することができる。
図3はこの測定系の構成を示した図であり、試料を透過させた光源からの光をプリズムや回折格子などからなる分光部で分光し、受光素子で受光する構成となっている。
図4は金属イオン反応前後の光吸収スペクトルの変化(金属イオンと反応後の光吸収スペクトルから反応前の光吸収スペクトルを減じたもの)を示す図である。図4において、横軸は波長、縦軸は吸光度である。
この図4から明らかなように、LB膜が反応する金属イオン種により特徴的に示される光吸収スペクトルが観測できる。すなわち、Cdでは270nm、310nm、400nm領域に、またCuでは260nm領域に、そしてZnでは300nm領域に、図中に●で示した特徴的な光吸収ピークが現れる。
この光吸収ピークの有無、位置により液体に含まれる金属種を同定することができる。
LB膜のこのような現象を利用することで、例えば、予め光吸収スペクトルを測定してあるLB膜試料を被測定溶液に浸し、図3の測定系と同様の構成で光吸収スペクトルを測定する。もしも260nm領域に新たな光吸収ピークが現れた場合には、被測定溶液にCuが含まれていることが検出できる。
そして、適当な校正を行うことで、光吸収ピーク強度(ピークの大きさ)により金属イオン濃度を求めることも可能である。
本実施例2は、実施例1が測定に分光光度計を用いたのに対して、図5に示すように、特定の金属イオン種に対応した吸光スペクトルの特徴的なピーク領域に発光波長を有する発光ダイオードやレーザ等の単色光源と、受光素子とから構成される。
原料の準備、LB膜の作成手順、及び被測定溶液の分析手順は、実施例1に準じており、説明を省略する。このような構成とすることで分光部を省略した簡易な構成となっている。
本実施例3は、実施例1が測定に分光光度計のみを用いているのに対して、導電性LB膜の電気抵抗を同時に測定するものである。図6に4端子法電気抵抗測定を行う場合のBL膜試料の例を示す。この図6に示したBL膜試料は、あらかじめ電極を設けた基板上にLB膜を積層して構成されている。
なお電極以外の、原料の準備、LB膜の作成手順、及び被測定溶液の分析手順は、実施例1に準じており、説明は省略する。
このような構成とすることにより、濃度の測定についてより正確な測定が可能となり、測定精度を向上させることが可能となる。
以上説明した各実施例は、主としてCuイオンを検出する場合について述べられているが、本発明はCuイオンの検出に限られるものではなく、各種の金属イオンにおいて同様の効果を期待することができる。
また、錯体等、イオン単体では存在していない金属イオンも、適当な前処理を施すことにより、同様効果を期待することができる。
テトラチアフルバレン誘導体およびステアリン酸の化学構造式を示した図である。 Langmuir−Brodgett法(LB法)の概説図である。 実施例1の測定系の構成を示した図である。 金属イオン反応前後の光吸収スペクトルの変化を示した図である。 実施例2の分光部を省略した測定系の構成を示した図である。 実施例3の4端子法電気抵抗測定を行う場合のBL膜試料の例を示した図である。

Claims (2)

  1. 鎖脂肪酸からなる分子層と、長鎖アルキル基を持たないテトラチアフルバレン誘導体からなる分子層との積層構造を有するラングミュア・プロジェット膜を用い、該ラングミュア・プロジェット膜が反応する金属イオン種により特徴的に示される光吸収スペクトルを計測することを特徴とする金属イオン検出方法。
  2. 前記特徴的に示される光吸収スペクトルは、金属イオン反応前後の光吸収スペクトルの変化における光吸収ピーク点の有無、光吸収ピーク点の波長位置、光吸収ピーク強度であることを特徴とする請求項1に記載の金属イオン検出方法。
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