JP4907596B2 - 屈折性投影対物レンズ - Google Patents

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本発明は、投影対物レンズの物体平面に配置されるパターンを投影対物レンズの像面に投影する屈折性投影対物レンズに関する。
フォトリソグラフィー用投影対物レンズは、数十年にわたって、半導体構造素子およびその他の微細構造素子の製造に用いられてきた。これらのレンズは、以下ではマスクまたはレチクルとも呼ばれるフォトマスクまたはレチクルのパターンを、感光層により被覆された物体上に非常に高い解像度で縮小投影するという目的に供せられる。
並行して進められている3つの開発は、主として約100nm以下の大きさのさらに一層微細な構造を製造するのに寄与する。第1に、投影対物レンズの像側の開口数(NA)を現在通例の値より大きくしてNA=0.8以上の範囲にする試みがなされている。第2に、さらに一層短い波長、好ましくは260nm未満、たとえば248nm、193nmまたは157nm未満の波長の紫外光が用いられている。最後に、さらに他の方策、たとえば位相シフトマスクおよび/または斜め照明を用いて解像度が高められている。
加えて、高い屈折率の浸液媒体を投影対物レンズの最後の光学素子と基板との間における空間内に導入することによって達成可能な解像度を高める手法がすでに存在する。この技術は、本明細書において、液浸リソグラフィーとして示される。この目的に適する投影対物レンズは、液浸対物レンズまたは液浸系として示される。浸液媒体を導入することによって、λeff=λ/nの有効波長が得られ、ここで、λは、真空動作波長であり、nは、浸液媒体の屈折率である。これによって、R=k(λeff/NA)の解像度と、DOF=±k(λeff/NA )の焦点深度(DOF)とが得られ、ここで、NA=sinθは、「乾燥系」開口数であり、θは、対物レンズの開口半角である。経験的定数kおよびkは、工程に依存する。
液浸リソグラフィーの理論上の利点は、有効動作波長が減じられることと、以って解像度が向上することとにある。これは、変化しない真空波長と併せて達成され得、したがって光の生成、光学材料の選択、被覆技術等の確立された技術が、大体において、適切な波長に関して変更なしに採用されうる。しかしながら、NA=1以上の領域の非常に高い開口数を有する投影対物レンズを得る方策が必要とされる。さらにまた、適切な浸液媒体が入手可能でなければならない。
n1≒1.43の超純水は、193nm用の適切な浸液媒体であることが明らかになっている。
M.スウィッケス(M. Switkes)およびM.ロスチャイルド(M. Rothschild)の「157nmでの液浸リソグラフィー(Immersion Lithography at 157 nm)」と題する論文、J. Vac. Sci. Technol. 第19巻(6)、2001年11月/12月、p.1以降に、157nmの動作波長に関して十分な透明度を有するとともに、マイクロリソグラフィーにおいて現在用いられているいくつかのフォトレジスト材料との適合性を有するパーフルオロポリエーテル(PFPE)を基剤とする浸液が示されている。試験されたひとつの浸液は、157nmにおいてn=1.37の屈折率を有する。前記出版物において、さらにまた、NA=0.86の開口数とともに60nm以下の構造の投影を可能にすることを意図される、フッ化カルシウム素子とシリコン鏡とを用いて動作する液浸干渉リソグラフィー用のレンズを含まない光学系が説明されている。この光学系は、半導体等の連続生産に使用するのには適さない。
米国特許第4,480,910号および米国特許第5,610,683号(欧州特許第0 605 103号に対応)には、液浸リソグラフィー用に提供される、浸液を投影対物レンズと基板との間に導入する装置を有する投影露光装置が説明されている。投影光学系に関してはいかなる設計も特定されていない。
液浸リソグラフィーに適するいくつかの投影対物レンズが、最近、知られるようになった。本出願人の国際特許出願第03/077036A1号および第03/077037A1号(米国特許出願第2003/0174408号に対応)により周知の純粋に屈折性の投影対物レンズは、物体側胴部と像側胴部と前記胴部間に位置するウェスト部、すなわち光束直径の収縮部とを有するいわゆる単一ウェスト形システムまたは2胴形システムとして設計される。この場合は、NA=1.1までの像側開口数が達成された。
開口数が大きくなると最大レンズ直径が劇的に増加し、そのために投影対物レンズの製作が複雑化して該レンズがより高価になってしまうため、さらに一層高い開口数を達成しようとする試みは困難になる。加えて、色収差、ここでは特に横色収差が憂慮すべき値をとる。横色収差(CHV)は、色倍率収差とも呼ばれ、部分的な像が異なる波長において異なる大きさで結像せしめられる効果を有する。その結果として、横色収差は、光軸上において起こるのではなしに、像フィールドのエッジの方向により一層強さを増して認められる(フィールド依存性)。
色収差は、一般に、投影対物レンズの内部において異なって分散する少なくとも2個の光学材料を用いることにより減じられる。しかしながら、200nm未満の動作波長における遠紫外(DUV)の波長領域においては、十分に低い吸収性を有する少数の透明な光学材料のみが利用可能である。193nmでの用途においては、主に主要な材料として合成石英ガラス(溶融石英)(SiO)が、そして第2の種類の材料としてフッ化カルシウム(CaF)またはフッ化バリウム(BaF)等のフッ化物結晶材料が利用される。通常的に、157nmにおいては、主要な材料としてフッ化カルシウムが、第2の材料としてフッ化バリウムが用いられる。しかしながら、前記フッ化物結晶材料は、限られた程度しか入手することができず、しかも高価かつ加工困難である。したがって、1種類の材料、特に合成石英ガラスのみで済む光学設計を得ることが望ましい。いかなる場合も、色収差を最小限に抑えて、色収差によって引き起こされるコントラスト損失が、適切な狭帯域の放射線源を利用すると、許容範囲内に維持されるようにしなければならない。ここで、横色収差は、フィールドの関数であるコントラスト損失を生じしめるため、横色収差の補正が特に重要である。
M.スウィッケス(M. Switkes)およびM.ロスチャイルド(M. Rothschild)の「157nmでの液浸リソグラフィー(Immersion Lithography at 157 nm)」と題する論文、J. Vac. Sci. Technol. 第19巻(6)、2001年11月/12月、p.1以降 米国特許第4,480,910号 米国特許第5,610,683号 欧州特許第0 605 103号 国際特許出願第03/077036A1号 国際特許出願第03/077037A1号 米国特許出願第2003/0174408号
本発明の目的は、全体としての大きさが小型であることから特に液浸リソグラフィーに適するとともに、許容可能な材料使用量により製造され得、かつ色収差、特に横色収差に関して良好な補正状態を有する屈折性投影対物レンズを提供することにある。
この目的は、請求項1に記載の特徴を有する投影対物レンズによって達成される。有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。全ての請求項の語句表現は、参照により本明細書に含まれる。
発明を実施する形態
本発明の1つの態様によれば、投影対物レンズの物体平面に配置されるパターンを投影対物レンズの像面に投影する屈折性の投影対物レンズであって:
物体平面に続く、負の屈折力を有する第1のレンズ群(LG1)と;
第1のレンズ群に続く、正の屈折力を有する第2のレンズ群(LG2)と;
第2のレンズ群に続く、負の屈折力を有する第3のレンズ群(LG3)と;
第3のレンズ群に続く、正の屈折力を有する第4のレンズ群(LG4)と;
第4のレンズ群に続く、正の屈折力を有する第5のレンズ群(LG5)と;
第4のレンズ群から第5のレンズ群への遷移領域内において配置されるシステム開口(5)とを有し、
物体側胴部(6)と像側胴部(8)と、物体側胴部と像側胴部との間において配置されるとともにビームが最も狭く収縮する収縮部(X)を持つウェスト部(7)とを有する単一ウェスト形システムを形成するようになっており、
ウェスト距離ATが、物体平面と収縮部との間において形成され、条件AT/L≦0.4が、ウェスト距離ATと投影対物レンズの物像距離Lとの間における距離比AT/Lに関して成り立っており、
第5のレンズ群(LG5)が、平凸レンズ(29)として形成された最後の光学素子を有し、この平凸レンズ(29)が(球面状に又は球面状である)湾曲した入射面と実質的に平面状の出射面とを有する。
個別のレンズ群全体にわたる前記屈折力の分布により、2個の胴部と該胴部間のウェスト部とを有する投影対物レンズが得られ、その結果としてフィールド湾曲の良好な補正(ペッツヴァルの補正)がもたらされる。この場合は、物体側胴部は、全長(物像距離)Lに対して、周知の2胴形システムの場合より実質的に短い。距離比AT/Lは、特に0.38未満または0.36未満または0.34未満となりうる。したがって、ウェスト部が投影対物レンズの物体付近の前側領域内において非常に遠くに配置されることが好ましい。
横色収差は、各レンズにおける周縁ビーム高さと主ビーム高さと屈折力との関数である。ここで、周縁ビーム高さは、光軸からの周縁ビームの垂直距離であり、周縁ビームは、物体フィールドの中央から、使用される開口数を決定するシステム開口の開口エッジへと至る。主ビーム高さは、光軸からの主ビームの垂直距離である一方で、本出願の意味の範囲内においては、主ビームは、光軸に対して平行または鋭角をなす物体フィールドの外縁点から進むとともに、システム開口の領域において光軸と交差するビームである。
2胴形システム(単一ウェスト形システム)において、主ビーム高さは、物体側胴部において最大となる。周縁ビーム高さもまた、ここでは相当な値を有する。主ビームの高さは、屈折力を適切に選択することによって、物体側胴部において小さく維持されなければならない。同時に満たされなければならない要件の良好な折衷は、ウェスト部がシステムの物体平面付近の前側領域において遠く離れて配置される場合に達成されうる。代案または追加として、特に、システムの胴部の直径の好適な比を設定することは、横色収差の補正に有利である。ひとつの開発形態において、物体側胴部は、第1の直径D1を有し、像側胴部は、第2の直径D3を有し、胴部直径比D3/D1に関してD3/D1>1.5が成り立つ。胴部直径比が1.6を超える場合または1.7を超える場合が、特に有利である。物体側胴部における小さい胴部直径は、横色収差の主な誘因がもたらされる物体側胴部における小さい周縁ビーム高さとさらにまた小さい主ビーム高さとに対応する。
ひとつの開発形態によれば、ウェスト部は、収縮部においてウェスト直径D2を有し、像側胴部の直径とウェスト直径との間における直径比D3/D2に関してD3/D2≧3が成り立つ。したがって、ウェスト部は、像側の第2の胴部に比べて非常に細く、かつ適度の周縁ビーム高さを有する。これにより、とりわけフィールド湾曲の効果的な補正が達成される。
横色収差に対する主要な寄与は、物体側胴部に源を発するが、該物体側胴部の小さい直径によって小さく維持される。横色収差は、さらにまた、ウェスト部における屈折力の巧みな分散によって補正されうる。特に第3のレンズ群の出力側レンズまたはレンズ群が非常に強い補正作用を有することが明らかになった。前記出力側レンズまたはレンズ群は、第3のレンズ群の少なくとも1個の入力側負レンズより実質的に強い負の屈折力を有するべきである。特に、第3のレンズ群において、大きさVBKの前側の負の屈折力が前記収縮部の上流に配置されるとともに、大きさHBKの後側の負の屈折力が前記収縮部の下流に配置され、前記屈折力の大きさの比に関してHBK/VBK≧3が成り立つ場合が、有利でありうる。
前記第3のレンズ群が、後側の負レンズと該後側の負レンズの上流に配置される少なくとも1個の前側の負レンズとからなり、前記後側の負レンズの負の屈折力の大きさが前記第3のレンズ群の前記少なくとも1個の前側の負レンズの負の屈折力の大きさより少なくとも20%大きい場合が、特に有利である。したがって、第3のレンズ群の後側(最後)の負レンズは、このレンズ群のレンズの中でずば抜けて高い負の屈折力を有するべきである。いくつかの実施例において、第3のレンズ群の後側の負レンズの負の屈折力の大きさは、投影対物レンズの全屈折力の大きさより少なくとも20%大きい。ウェスト部の領域における負の屈折力は、これらの条件が遵守されると、横色収差に対して特に強い補正作用を発揮しうる。
単色収差の補正は、最小限の材料使用量という境界条件の下で非球面を用いることによって最適化されうる。
1つの実施例において、第1のレンズ群は、少なくとも1個の非球面を含み、好ましくは少なくとも2個の非球面が第1のレンズ群に設けられる。フィールド付近に位置するとともに、主ビーム高さが周縁ビーム高さより実質的に大きくなる領域における非球面構成を用いて、効果的に歪みを補正することができる。さらにまた、物体側におけるテレセントリックビーム路が少なくとも近似的に達成されうる。第1のレンズ群は、好ましくは、いずれの場合も1個の非球面を有する2個のレンズを含む。非球面を多数のレンズに分配することにより、大きい表面変形を防ぐことができるため、製造が簡単になる。
第2のレンズ群において、特に接線シェルおよびコマを効果的に補正するのに用いられうる少なくとも1個の非球面を配置することが好ましい。第2のレンズ群の最大主ビーム高さを有する表面に非球面を配置することが有利である。いくつかの実施例においては、この補正作用は、少なくとも1個の非球面を前記非球面の上流に、かつ少なくとも1個の非球面を前記非球面の下流に配置することによって支持される。
コマの補正は、少なくとも1個の凹面がそれぞれ第3のレンズ群および/または第4のレンズ群において非球面として構成される場合に高められうることが明らかになった。
少なくとも1個の非球面は、好ましくは、第4のレンズ群および第5のレンズ群にも設けられる。第4のレンズ群および第5のレンズ群における前記非球面は、主として、非球面収差の補正に寄与するとともに、コマ補正への実質的な寄与を示す。
したがって、少なくとも1個の非球面が各レンズ群において配置される場合が、特に有利である。
1つの開発形態において、物体平面の方へと凹状をなす少なくとも1個のメニスカスレンズが、第4のレンズ群において配置される。このレンズは、好ましくは、負のメニスカスレンズとして設計される。前記レンズは、システム開口のすぐ上流において、非常に大きい周縁ビーム高さの領域内に配置されうる。特に負の屈折力を有するこのようなメニスカスレンズは、具体的には強い過補正の効果により、球面収差の補正に実質的に寄与しうる。以って、システム開口の下流のレンズ、すなわち第5のレンズ群のレンズの補正を受ける球面収差の大部分が相殺されうる。
この補正作用のためには、前記メニスカスレンズの凹面側において大きい入射角の入射光を有することが有利である。システム全体における最大入射角が、この凹面において生じることが好ましい。好適な実施例において、大きい入射角は、一方では、少なくとも弱い発散性のビームが入射する表面の凹面形状によって支持される。強い正の屈折力を有する少なくとも1個のレンズ、特に両凸レンズが、好ましくは、前記メニスカスレンズのすぐ上流に設けられる。このレンズによって、後続の凹面における入射角は、さらに増大せしめられうる。したがって、好適な実施例においては、少なくとも1個の好ましくは両凸の正レンズと物体平面に対して凹状をなす1個のすぐ下流の負メニスカスレンズとを有する少なくとも1個のダブレットが、第4のレンズ群において配置される。
システム開口は、平面状のシステム開口とされ得、その場合、エッジは、光軸に対して垂直な平面内において設定される口径とは無関係に保たれる。開口誤差を有するシステムにおいては、システム開口が、口径を決定するとともに、投影対物レンズの光軸に対する軸方向位置が口径の関数として変動しうる開口エッジを有すると有利である。これにより、ビーム路に対して有効開口位置を口径の関数として最適に調節することが可能になる。システム開口は、たとえば、口径調節時に開口エッジを球面に沿って移動させることができる球面状開口として設計されうる。さらにまた、システム開口を、口径調節時に開口エッジを円錐の側面上において移動させることができる円錐状開口として設計することも可能である。これは、たとえば、軸方向に変位可能な平面開口によって達成されうる。
本発明にしたがった投影系は、幅広い範囲の適切な作動距離において用いられうる。この場合は、物体側の作動距離または物体空間における作動距離は、物体平面と対物レンズの入射面との間における(最小)軸方向距離となる一方で、像側の作動距離または像空間における作動距離は、対物レンズの出射面と像面との間における(最小)軸方向距離となる。乾燥系として用いられる場合にガスにより満たされる像空間における作動距離は、液浸系として用いられる場合には、動作時において浸液媒体によって満たされる。
液浸系の場合には、像空間における作動距離を固定するときに、特別な基準を考慮しなければならない。一方では、大きい作動距離は、浸液の透過率が一般により低い(ガスと比較して)ために放射損失を増大させるとともに、像面に当接する面により収差、特に球面収差を招きやすい。液浸系としての使用が考えられる場合は、像側の作動距離は、浸液の層流化を可能にする程度の大きさとされるべきである。さらにまた、それが適切である場合は、計器およびセンサのための余地を設けるべきである。液浸リソグラフィー用の好適な実施例において、像側の作動距離は、約1mm〜約15mmの範囲内、特に約1.5mm〜約5mmの範囲内である。
第1の胴部において周縁ビーム高さを小さく維持するひとつの手段は、物体側に関して可能な限り小さい開口数を選択することである。その結果として、物体側胴部における周縁ビーム高さが過大な値をとることはなくなる。小さい物体側開口数は、大きい像側開口数とともに適切な倍率βを選択することによって制御されうる。好適な実施例は、縮小対物レンズとして設計される。倍率の大きさ|β|は、好ましくは、特に5:1および4:1の縮小が可能になるように、1/6〜1/3の範囲内、特に1/5.5〜1/3.5の範囲内とされる。
いくつかの実施例において、投影対物レンズの全てのレンズは、同じ材料によって構成される。使用される材料は、たとえば193nmの動作波長用の合成石英ガラスおよび157nmの動作波長用のフッ化カルシウムでありうる。1種類のみの材料を使用することにより、製造がより容易になるとともに、対物レンズの設計をその他の波長に簡単に適合させることが可能になる。さらにまた、多数の種類の材料を組み合わせて、たとえば色収差の補正を助けることも可能である。BaF、NaF、LiF、SrFまたはMgF等のその他のUV透明材料を使用することも可能である。
本発明は、適切な浸液媒体を使用した場合に像側開口数がNA≧1.0となり、いくつかの実施例においては、さらにまた、NA>1.1、特にNA=1.2またはNA=1.3以上になりうる投影対物レンズの設計を可能にする。この投影対物レンズは、動作波長においてn>1.3の屈折率を有する浸液に適合せしめられうる。その結果として、有効動作波長は、浸液を用いないシステムと比較して約30%以上減じられうる。
好適な実施例の構造上の特徴により、前記投影対物レンズは、液浸対物レンズとして使用されうる。しかしながら、本発明によれば、投影対物レンズは、この用途に制限されるわけではない。光学的構造により、前記投影対物レンズは、非接触近接場投影リソグラフィーにも用いられうる。ここで、十分な光エネルギーは、十分に小さい像側作動距離が平均して経時的に維持されると、ガス充填間隙を介して露光対象の基板に結合されうる。この距離は、使用される動作波長の4倍未満、特に動作波長未満とされるべきである。作動距離が動作波長の2分の1未満、たとえば動作波長の3分の1、4分の1または5分の1未満である場合が、特に有利である。こうした短い作動距離を用いると、光学的近接場において投影が可能になり、その場合、投影系の最後の光学面のすぐ近傍に存在するエバネッセント場が投影に用いられる。
投影対物レンズを液浸リソグラフィーではなしに非接触近接場リソグラフィーに用いることが望まれる場合は、これは、若干の改変によって容易に行なわれうる。光学設計が適合せしめられる浸液媒体が対物レンズの最後の光学素子と本質的に同じ屈折率を有する場合は、固形体がより厚くなるように構成して、小さい像側作動距離が達成されるようにする。たとえば20〜50nmの範囲内の作動距離は、このようにして達成されうる。それが適切である場合には、たとえば1個以上のレンズ素子において該レンズ素子の空気間隔を調節するために適切なマニピュレータを利用して実施されうるその後の光学的補正が有利でありうる。
したがって、本発明は、出射面のすぐ近傍に位置する露出光のエバネッセント場がリソグラフィー工程に用いられるようにする非接触投影露光方法も含む。ここで、十分に小さい(有限)作動距離を仮定すると、投影対物レンズの最後の光学面における全反射の幾何学的条件にかかわりなく、リソグラフィーに用いられる光成分は、対物レンズの出射面から出力結合されるとともに、ある距離をおいて直接隣接する入力結合面に入力結合されうる。
非接触近接場投影リソグラフィー用の実施例は、好ましくは、動作波長以下の範囲内、たとえば約3nm〜約200nm、特に約5nm〜約100nmの範囲内の一般的な作動距離を有する。この作動距離は、平均して経時的に少なくとも10%の入力結合効率が達成されるように、投影系のその他の特性(出射面付近における投影対物レンズの特性、入力結合面付近における基板の特性)に適合せしめられるべきである。
このように、本発明の枠内において、半導体構造素子等を製造する方法が可能であり、その場合、有限作動距離が、投影対物レンズに設けられる露出光用出射面と基板に設けられる露出光用入力結合面との間において設定され、この作動距離は、露光時間間隔内において、少なくとも一時的に、前記出射面から出射する光の光学的近接場の最大範囲より小さい値に設定される。
また他の態様において、本発明にしたがった投影対物レンズは、従来式の投影リソグラフィー用の乾燥系としても用いられうる。この目的のためには、像側作動距離は、液浸系または近接場投影系として用いられる場合より明確に大きくされうる。よって、いくつかの状況においては、非常に高い像側開口数の全潜在力を使い切ることは不可能であるため、システム開口をより小さい口径に設定して、たとえば使用される開口数をNA=0.9またはNA=0.8以下程度の大きさに設定することができる。
前記およびその他の特徴は、特許請求の範囲から明らかになるだけでなく、詳細な説明と図面とからも明らかになり、個別の特徴は、単独で、または複数の特徴を部分的に組み合わせた形態で本発明の実施例およびその他の分野において実施されうるとともに、それら自体の真価に基づいて特許保護を受けうる有利な設計を構成しうる。
以下の好適な実施例の説明において、「光軸」という用語は、光学素子の曲率中心を通る直線を示す。方向および距離は、像面または該像面に配置される露光対象の基板の方向に向かう場合は像側または像方向として、光軸に対して物体の方へと向かう場合は物体側または物体方向として記述される。例において、物体は、集積回路のパターンを有するマスク(レチクル)であるが、また他のパターン、たとえば格子と関わりがあってもよい。例において、像は、基板としての役割を果たすとともにフォトレジスト層が設けられるウェーハ上に形成されるが、その他の基板、たとえば液晶表示装置用の素子または光学格子用の基板であってもよい。特定される焦点距離は、空気に対する焦点距離である。
本発明の純粋に屈折性の縮小対物レンズ1の実施例の一般的な設計は、図1を利用して示される。実質的に均質な浸液を仮定すると、前記レンズは、物体平面2内に配置されるレチクル等のパターンを像面3に縮小倍率、たとえば5:1(倍率β=0.2)の縮尺で投影する目的に供せられる。このレンズは、物体平面および像面に対して垂直をなす光軸4に沿って配置される5個の連続レンズ群を有する回転対称の単一ウェスト形システムまたは2胴形システムである。物体平面2の直後の第1のレンズ群LG1は、負の屈折力を有する。前記第1のレンズ群の直後の第2のレンズ群LG2は、正の屈折力を有する。前記第2のレンズ群の直後の第3のレンズ群LG3は、負の屈折力を有する。前記第3のレンズ群の直後の第4のレンズ群は、正の屈折力を有する。前記第4のレンズ群の直後の第5のレンズ群LG5は、正の屈折力を有する。像面は、前記第5のレンズ群の直後に配置されて、投影対物レンズが、第1〜第5のレンズ群とは別にいかなるその他のレンズまたはレンズ群も有さないようになっている。屈折力をこのように分配することにより、物体側の第1の胴部6と、像側の第2の胴部8と、最小ビーム束直径を有する収縮部Xが位置する、前記胴部間に配置されるウェスト部7とを有する2胴形システムが得られる。第4のレンズ群から第5のレンズ群へと至る遷移領域内において、システム開口5は、相対的に大きいビーム直径の領域内に位置する。
前記投影対物レンズを利用して行なうことができる投影は、その主ビームおよび周縁ビームの生じ方を特徴としうる。主ビームAとして、光軸に対して平行または鋭角をなす物体平面の外縁点から進むとともに、システム開口5の領域において光軸4と交差するビームが示されている。周縁ビームBは、物体フィールドの中央、すなわち軸方向のフィールド点から出て、一般にシステム開口5の位置または該開口のすぐ近傍に配置される開口絞りの開口エッジに至る。外縁点から出て開口絞りの反対側エッジに至るビームCは、ここではコマビームとして示される。これらのビームの光軸からの垂直距離により、対応するビーム高さh、hおよびhが与えられる。
第1のレンズ領域LB1は、物体平面2を起点とするとともに、周縁ビームBおよびコマビームCが第1のレンズ領域LB1において条件|h/h|<1を満たすように交差する平面を終点とする。主ビーム光は、このレンズ領域LB1においては周縁ビーム高さと比べて大きい。ここに配置されるレンズ面は、近接場として示される。第2のレンズ領域LB2は、物体平面2から、主ビーム高さおよび周縁ビーム高さが大きさにおいて略等しくなる領域に至るまで延在し、この場合は、特に|h/h|<1.2が成り立つ。本発明の投影系の一般的な変形態様において、第2のレンズ領域LB2の長さは、物体平面2と像面3との間における距離Lの4分の1より大かつ2分の1より小である。この物像距離は、さらにまた、投影対物レンズの全長として示される。
本発明の投影対物レンズの一般的な実施例において、第1のレンズ群LG1は、少なくとも2個の負レンズを、第2のレンズ群LG2は、少なくとも3個の正レンズを、第3のレンズ群LG3は、少なくとも2個の負レンズを、第4のレンズ群LG4は、少なくとも2個の正レンズを、第5のレンズ群LG5は、少なくとも3個の正レンズを有する。
物体平面2に続く第1のレンズ群LG1は、実質的に、光束を拡幅させて第1の物体側胴部6へと送り込む役割を果たす。前記レンズ群は、非球面状の入射面と球面状の出射面とを有する肉薄の両凹負レンズ11と、その後に配置される、非球面状の入射面と球面状の出射面とを有するさらに他の両凹負レンズ12とを有する。物体に最も近い前記レンズ11および12の入射面の、近接場に配置される前記非球面は、歪みと非点収差との良好な補正に効果的に寄与する。とりわけ、これらの非球面により、物体側において略テレセントリックなビーム路が確保される。本例のシステムの場合、単一のレンズ上に2個の非球面を設けることは、その他の実施例では可能であるが、製造上の理由により回避される。
第2のレンズ群LG2は、3個のレンズ13、14、15によって構成される。前記レンズ群は、非球面状の物体側凹面と球面状の出射面とを有する肉厚の正メニスカスレンズ13で始まる。前記レンズの直後の正レンズ14は、若干凸状の湾曲を有する非球面状入射面と球面状出射面とを有する。該レンズに続く正メニスカスレンズ15は、球面状の入射面と両側において凹状をなす非球面状の出射面とを有する。レンズ14の非球面状の入射面は、第2のレンズ群の最大主ビーム高さの領域内において配置されて、以って接線シェルおよびコマの補正に特に効果的である。前記レンズの上流に配置されるレンズ13および前記レンズの下流に配置されるレンズ15の非球面は、この補正を助ける。
第3のレンズ群LG3は、4個の負レンズ16、17、18、19によって構成される。像側の凹面を有する入射側の肉厚の両球面メニスカスレンズ16は、弱い負の屈折力を有する。弱い湾曲の球面状入射面と像側の凹状の非球面状出射面とを有する後続のメニスカスレンズ17は、ビーム束がウェスト領域において最小直径を有する収縮部Xの上流において光路内に配置される。レンズ16、17は、前側の負の屈折力VBKを提供する。前記レンズに続いて収縮部Xの下流に、両側において球面状であるとともに、物体側の凹面を有する負のメニスカスレンズ18が配置される。第3のレンズ群の最後の負レンズ19は、物体側において凹状をなす強い湾曲の球面状入射面と、弱い湾曲の非球面状出射面とを有する。これらの2個の後側の負レンズ18、19は共同で強い後側の負の屈折力HBKを提供する。レンズ17の凹状の非球面状出射面は、コマの補正に効果的に寄与することが明らかになった。
第4のレンズ群LG4は、6個のレンズによって構成される。入射側において、前記レンズ群は、物体平面に対して凹状をなすとともに、最初の2個のレンズが両球面である3個の正メニスカスレンズ20、21、22からなり、最大の直径を有する正メニスカスレンズ22は、物体平面に対して凹状をなす非球面状入射面を有する。これらの3個の正メニスカスレンズに続いて、弱い湾曲のレンズ面を有する両凸両球面正レンズ23が配置される。システム開口5のすぐ上流の大きいビーム直径の領域内において、強い正の屈折力を有する入射側両凸レンズ24と、システム開口のすぐ上流に配置されるとともに物体側の非球面状凹面を有する負メニスカスレンズ25とを有するダブレット24、25が配置される。互いに向かい合う非球面は、物体平面に対して凹状をなすとともに、正レンズの形状を有する空気レンズを外囲する。このダブレットは、球面収差に対して強い過補正の効果を有する。
システム開口5の下流に位置する第5のレンズ群LG5は、実質的に、高い開口数をもたらす役割を果たす。この目的のために、もっぱら集光レンズ、具体的には、いずれの場合も球面状の入射面と像面に対して凹状をなす非球面状の出射面とを有する3個の直接連続する正メニスカスレンズ26、27、28と、球面状の入射面と平面状の出射面とを有する最終の非半球状平凸レンズ29とが配設される。これらの正レンズは、球面状の強い不足補正作用と、コマに関しては、過補正作用とを発揮する。
この設計において、球面収差およびコマの補正は、大体において、システム開口のすぐ上流のダブレット24、25と第5レンズのレンズ26、27、28、29との間における均衡によって担われる。
前記システムは、32mmの物体側作動距離と、約36.6mmの物体後側焦点距離と、浸液10によって満たされうる約2mmの像側作動距離とを有する。このシステムは、脱イオン水(屈折率n≒1.435)または同等の屈折率を有するその他の適切な透明な液体が1.93nmにおいて浸液として用いられうるように設計される。
この設計の仕様は、表1において周知の方法で表形式にまとめられている。ここで、第1列には、屈折面の番号またはその他の方法による区別が明示され、第2列には、表面の半径r(mmを単位とする)が示され、第4列には、その表面の厚さとして示される、後続の表面からの距離d(mmを単位とする)が示され、第5列には、光学素子の材料が示されている。第6列には、材料の屈折率が示され、レンズの有効自由半径または自由直径の2分の1(mmを単位とする)が第7列に示されている。非球面は、第3列において、「AS」により示されている。
本実施例の場合は、13個の表面、具体的には表面1、3、5、7、10、14、18、23、28、29、33、35および37は、非球面である。表2に、対応する非球面データが示されており、非球面は、下式を用いて計算されている:
Figure 0004907596
ここで、半径の逆数(1/r)は、面の曲率を表し、hは、光軸から面点までの距離(すなわち、ビーム高さ)を表す。したがって、p(h)は、いわゆる矢、すなわち面頂点から面点までのz方向、すなわち光軸の方向における距離を表す。定数K、C1、C2、・・・は、表2において再現されている。
これらのデータを利用して再現されうる光学系1は、全てのレンズに用いられる合成石英ガラスが屈折率n=1.5603を有する約193nmの動作波長用に設計されている。像側開口数NAは、1.3である。物体側および像側テレセントリック系は、n=1.435の浸液の屈折率に適合せしめられる。この対物レンズは、約1078mmの全長L(像面と物体平面との間における距離)を有する。約29mmの光伝導性LLW(開口数と像寸法との積)が、22.4mmの像寸法において達成される。全体としてのシステムの焦点距離Fgは、約211mmである。
物体側の第1の胴部の最大直径D1は、232mmであり、ウェスト部の領域における最小ビーム直径の収縮部Xでの直径D2は、126mmであり、第2の像側胴部の最大直径D3は、400mmである。
さまざまなレンズ群および全体としてのシステムに関して、焦点距離f’の値と、屈折力F’と、パラメーターF’/Fg(対物レンズの全体としての屈折力Fgに対して正規化された屈折力)およびF’・LLWと軸方向長さとの値とが、表3に示されている。
さまざまなパラメーターの値は、第1列に示された、前記システムの個別のレンズに関して表4に示されている。ここで、f’は、焦点距離であり、F’は、屈折力(焦点距離の逆数)であり、LLWは、幾何学的光誘導値(エタンデュ)であり、CHVは、横色収差に対するレンズの寄与に関する値(CHV寄与度)であり、CHV/CHVmは、最大値CHVmに対して正規化された、個別のレンズの相対的なCHV寄与度である。
色倍率誤差CHVは、周縁ビーム高さと主ビーム高さと各レンズiの屈折力との関数である。各レンズの寄与度CHVは、周縁ビーム高さhと主ビーム高さhと屈折力F’とに比例するとともに、
Figure 0004907596
にしたがってアッベ数viに間接的に比例する。
関連値の分布の説明をわかりやすくするために、図2に、横色収差に対する個別のレンズの相対的な寄与度(レンズ4に関する最大値CHVmに対して正規化されたCHV寄与度)が図示され、図3に、レンズの全体としての屈折力に対して正規化された屈折力(F’/Fg)がレンズ番号の関数として図示されている。
表5には、第1列に示されたレンズ面に関して、入射角iの正弦値sin(i)と、度を単位とする対応する角度と、像側開口数NAに対するsin(i)値の比とが示されている。sin(i)値は、各面における入射角または反射角の正弦の最大値に対応する。したがって、これらの値は、常に空気中において特定される。
前記投影対物レンズの少数の際立った特徴を以下に説明する。前記対物レンズは、ビームの拡幅と歪みおよびテレセントリック性の補正との目的にかなう2個の非球面化された負レンズ11、12で始まる。NA=0.26という相対的に小さい像側開口数のために、前記投影対物レンズの入力領域における周縁ビーム高さは、適度に維持される。第1の胴部6内において、最大周縁ビーム高さは、正メニスカスレンズ15の領域内で達成されるとともに、前記領域内では、システム開口5の領域内で達成される最大周縁ビーム高さのわずか24.3%にすぎない。最大主ビーム高さは、周縁ビーム高さがまだその最大値に達していない第4のレンズ14の球面状の出射面の領域内において達成される。最大主ビーム高さは、最大開口半径に対応する最大周縁ビーム高さのわずか40.8%にすぎない。CHV寄与度は、周縁ビーム高さおよび主ビーム高さに比例するため、最大主ビーム高さを有する前記レンズ(レンズ14)の最大CHV寄与度が達成される(図2と比較)。
主として第1の胴部に源を発する、色倍率誤差CHVに対する寄与は、後続のレンズ群によって補償される。この目的のためには、正の屈折力の第4のレンズ群で始まる物体側胴部への入口のすぐ上流において強い負の屈折力を集中させることが特に効果的である。第3のレンズ群の出力部の前記領域における負の屈折力の強い補正作用は、ここで、一方では、周縁ビーム高さがすでに再び実質的な値をとること、他方では、主ビーム高さもまた依然として非常に大きい値を有して、強い補正作用が主ビームに対して発揮されるようになることによって部分的に説明されうる。
物体平面に対して凹状をなす3個の正メニスカスレンズ20、21、22は、負レンズ19の下流における最大拡大後におけるビーム束の再結合を誘導して、非常に低い入射角による緩やかなビーム誘導が達成される(表5)。下流の弱い正の両凸レンズ23とともに、球面状の不足補正が誘導される。システム開口のすぐ上流の負メニスカスレンズ25は、特に強い過補正という意味において、球面収差の補正に実質的に寄与する。これによって、システム開口5の下流における第5のレンズ群の正レンズ26〜29の球面状の不足補正の大部分が相殺される。さらにまた、メニスカスレンズ25の凹面状の入射面において入射角が非常に大きくなることも大きな意味を持つ。こうした入射角は、一方では前記凹面の強い湾曲により、他方では前記メニスカスレンズのすぐ上流にある両凸レンズの大きい正の屈折力により生じしめられる。全体としてのシステムにおける最大の入射角は、負メニスカスレンズ25の非球面状の入射面において生じる。入射角の最大正弦は、像側開口数NAの約99%である。
第5のレンズ群LG5の4個の連続する正レンズ26〜29は、高い像側開口数と併せて適度な入射角を生じしめるとともに、全体として球面状の強い不足補正を行なう態様およびコマに関して過補正を行なう態様に作用する。これにより、システム開口の上流にある第4のレンズ群のそれぞれの逆の寄与が補償されて、光束が薄い浸液層10を通過した後に像面3において優れた補正状態が得られるようになる。
本発明は、さらにまた、本発明にしたがった屈折性投影対物レンズを含むことにより区別されるマイクロリソグラフィー用投影露光装置に関する。この投影露光装置は、好ましくは、さらにまた、浸液媒体、たとえば適切な屈折率の液体を投影対物レンズの最後の光学面と露光対象の基板との間において導入および保持する装置を有する。本発明は、さらにまた、半導体構造素子およびその他の微細構造素子を製造する方法において、投影対物レンズの物体平面内に配置されるパターンの像が像面の領域において投影され、浸液媒体は、投影対物レンズと露光対象の基板との間に配置されるとともに、照射される動作波長の光に対して透明である方法を含む。
Figure 0004907596
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Figure 0004907596
Figure 0004907596
Figure 0004907596
193nmの動作波長用に設計される屈折性投影対物レンズの第1の実施例のレンズ断面図である。 横色収差に対する個別のレンズの相対的な寄与度を示す線図である。 個別のレンズの正規化された屈折力を示す線図である。
符号の説明
1 縮小対物レンズ
2 物体平面
3 像面
4 光軸
5 システム開口
6 第1の胴部
7 ウェスト部
8 第2の胴部
11、12 両凹負レンズ
13、14、15 レンズ
16、17、18、19 負レンズ
20、21、22 正メニスカスレンズ
LG1 第1のレンズ群
LG2 第2のレンズ群
LG3 第3のレンズ群
LG4 第4のレンズ群
LG5 第5のレンズ群

Claims (16)

  1. 投影対物レンズの物体平面に配置されるパターンを投影対物レンズの像面に投影するための屈折性投影対物レンズであって:
    物体平面に続く、負の屈折力を有する第1のレンズ群(LG1)と;
    第1のレンズ群に続く、正の屈折力を有する第2のレンズ群(LG2)と;
    第2のレンズ群に続く、負の屈折力を有する第3のレンズ群(LG3)と;
    第3のレンズ群に続く、正の屈折力を有する第4のレンズ群(LG4)と;
    第4のレンズ群に続く、正の屈折力を有する第5のレンズ群(LG5)と;
    第4のレンズ群から第5のレンズ群への遷移領域内において配置されるシステム開口(5)とを有し、
    物体側胴部(6)と像側胴部(8)と、物体側胴部と像側胴部との間において配置されるとともにビームが最も狭く収縮する収縮部(X)を持つウェスト部(7)とを有する単一ウェスト形システムを形成するようになっており、
    物体平面と収縮部との間のウェスト距離ATが、条件AT/L≦0.4が、ウェスト距離ATと投影対物レンズの物像距離Lとの間における距離比AT/Lに関して成り立っており、
    第5のレンズ群(LG5)が、平凸レンズ(29)として形成された最後の光学素子を有し、この平凸レンズ(29)が、(球面状に又は球面状である)湾曲した入射面と実質的に平面状の出射面とを有し、
    NA≧1.0の像側開口数を有する、屈折性投影対物レンズ。
  2. 平凸レンズ(29)が、非半球状の平凸レンズである、請求項1に記載の屈折性投影対物レンズ。
  3. 像面が、第5のレンズ群(LG5)の直後に配置されていて、屈折性投影対物レンズが第1レンズ群(LG1)、第2レンズ群(LG2)、第3レンズ群(LG3)、第4レンズ群(LG4)、及び第5レンズ群(LG5)以外のいかなるレンズも含まないようになっている、請求項1に記載の屈折性投影対物レンズ。
  4. 投影対物レンズが、投影対物レンズの最後の光学素子と像面との間に配置される浸液媒体を利用して、投影対物レンズの物体平面に配置されるパターンを投影対物レンズの像面上に投影する浸液対物レンズである、請求項1に記載の屈折性投影対物レンズ。
  5. 像側の作動距離が、約1mm及び15mmの間である、請求項1に記載の屈折性投影対物レンズ。
  6. 第4のレンズ群(LG4)が、少なくとも1個のメニスカスレンズを有し、この少なくとも1個のメニスカスレンズ、が物体平面(2)に対して凹状であり、かつ、正の屈折力を有し、かつ、第4のレンズ群(LG4)の物体側の入射領域に配置されている、請求項1に記載の屈折性投影対物レンズ。
  7. 前述の少なくとも1個のメニスカスレンズが、少なくとも2個のメニスカスレンズで構成されている、請求項6に記載の屈折性投影対物レンズ。
  8. 第4レンズ群(LG4)が、物体平面(2)に対して凹状の少なくとも1個のメニスカスレンズ(25)を含む、請求項1に記載の屈折性投影対物レンズ。
  9. 少なくとも1個のメニスカスレンズが、負のメニスカスレンズ(25)である、請求項8に記載の屈折性投影対物レンズ。
  10. メニスカスレンズ(25)が、大きい周縁ビーム高さの領域において、システム開口(5)のすぐ上流に配置されている、請求項8に記載の屈折性投影対物レンズ。
  11. 投影対物レンズの入射光の最大角度が、少なくとも1個のメニスカスレンズの凹面において生じる、請求項8に記載の屈折性投影対物レンズ。
  12. メニスカスレンズ(25)のすぐ上流に配置されていて正の屈折力を有する少なくとも1個のレンズ(24)を更に含む、請求項8に記載の屈折性投影対物レンズ。
  13. 正の屈折力を有する少なくとも1個のレンズ(24)が、両凸レンズである、請求項12に記載の屈折性投影対物レンズ。
  14. 第5のレンズ群(LG5)が、少なくとも1個のメニスカスレンズを有し、この少なくとも1個のメニスカスレンズが、正の屈折力を有し、かつ、像面に対して凹状のレンズ表面を有する、請求項1に記載の屈折性投影対物レンズ。
  15. 第5のレンズ群(LG5)が、少なくとも2個のメニスカスレンズを有し、この少なくとも2個のメニスカスレンズが、正の屈折力を有し、かつ、像面に対して凹状のレンズ表面を有する、請求項1に記載の屈折性投影対物レンズ。
  16. 第5のレンズ群(LG5)が、3個の連続するメニスカスレンズ(26、27、28)の群を有し、その各々が、正の屈折力を有し、かつ、像面に対して凹状のレンズ表面を有する、請求項1に記載の屈折性投影対物レンズ。
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