JP4894598B2 - ハイブリッドポリマー - Google Patents

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Description

本発明は、エラスチンの構成単位であるポリペプチドと、コラーゲンの構成単位であるポリペプチドとを含むハイブリッドポリマーに関する。
コラーゲンは、真皮、靱帯、腱、骨、軟骨などを構成するタンパク質の一つであり、多細胞動物の細胞外マトリクスの主成分である。また、エラスチンも、細胞外マトリクスの一つである。コラーゲン及びエラスチンは、食品や化粧品の原料として利用されている。また、生体適合性に優れることから、医療用として人工臓器や細胞培養基材への利用が提案されている(例えば、特許文献1から特許文献3)。
天然のコラーゲンは、トリペプチド配列が反復する一次構造を有する。具体的には、グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリンである。このトリペプチド配列が、例えばI型コラーゲンでは1014アミノ酸残基繰り返されてα鎖と称されるポリペプチド鎖(ポリマー)をなしている。このポリペプチド鎖の分子量は約10万程度である。コラーゲンの多くは、このポリペプチド鎖が3重らせん構造を形成してなる。また、このようなコラーゲン構造又は類似構造を有する合成ポリマーが検討されている(例えば、特許文献4)。
特開平8−33661号公報 特表2006−512154号公報 特表2006−506110号公報 特表2000−500467号公報
天然のコラーゲンは、工業的には牛や豚などを原料として製造される。しかし、狂牛病のように感染の恐れがある疾病に牛などが罹患している場合には、安全性確保のために原料の変更が必要な場合が生じるおそれがある。一方、合成コラーゲンでは、そのような懸念がない。
コラーゲンを培養基材などとして用いる場合には、適度な強度を有する形状に成形される必要がある。例えば、コラーゲンが水分を含むことによりゲル状になることが知られているが、培養基材のような用途を考慮すると、例えば合成樹脂シートの如く、一定形状を維持して容易に破断しないシート形状に成形できることが望まれる。しかし、ゲル状のコラーゲンから水分を蒸発させたとしても、その保湿性からコラーゲンは依然として水分を多く含んだ弾性体であり、表面が粘着質であって一定形状を維持することができず、また、容易に破断する。つまり、医療材料などに用いるにはハンドリングが悪いという問題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、シート形状などに成形してハンドリングのよい医療材料などに利用することができ、生体適合性に優れ、感染の恐れがないハイブリッドポリマー及び当該ハイブリッドポリマーを利用した種々のものを提供することを目的とする。
(1) 本発明にかかるハイブリッドポリマーは、式(1)で示される第1ペプチド成分の重合体である第1ポリマーと、式(2)で示される第2ペプチド成分の重合体である第2ポリマーとが直列に連結されてなる式(3)又は式(4)で示されるものであって、上記第1ポリマー及び第2ポリマーは、第1ペプチド成分又は第2ペプチド成分の8量体以上である。
式(1):H-Gly-Xaa-Gly-Val-Pro-OH(Xaaは、Val、Ile、Lys、Glu、Ala、Ser、Thr、Asn、Glnよりなる群から選ばれるいずれか1つである。)
式(2):H-Pro-Yaa-Gly-OH(Yaaは、Hyp、Pro、Gly、Ala、Leu、Ser、Thr、Asn、Glnよりなる群から選ばれるいずれか1つである。)
式(3):H-(Gly-Xaa-Gly-Val-Pro)m-(Pro-Yaa-Gly)n-OH(m,nは自然数である。)
式(4):H-(Pro-Yaa-Gly)m-(Gly-Xaa-Gly-Val-Pro)n-OH(m,nは自然数である。)
(2) 上記ハイブリッドポリマーとして、上記第1ポリマーに対して、上記第2ペプチド成分が重合されたものが考えられる。
(3) 上記ハイブリッドポリマーとして、上記第2ポリマーに対して、上記第1ペプチド成分が重合されたものが考えられる。
(4) 本発明にかかるポリマーゲルは、上記ハイブリッドポリマーを含む水溶液を、50〜90℃に加熱してゲル化することにより得られるものである。
(5) 本発明にかかるポリマーゲルの製造方法は、上記ハイブリッドポリマーを含む水溶液を、50〜90℃に加熱してゲル化する工程を含む。
(6) 本発明にかかるハイブリッドポリマーシートは、上記ハイブリッドポリマーを含む水溶液を50〜90℃に加熱して所望の形状にキャストし、4〜50℃で水分を蒸発させることによりシート形状に成形して得られるものである。
(7) 本発明に係るハイブリッドポリマーシートの製造方法は、上記ハイブリッドポリマーを含む水溶液を50〜90℃に加熱して所望の形状にキャストし、4〜50℃で水分を蒸発させることによりシート形状に成形する工程を含む。
(8) 上記ハイブリッドポリマーシートは、引張り強度が0.2kg/cm以上であることが好ましい。
(9) 本発明にかかるポリマー積層体は、上記ハイブリッドポリマーシートが、基材上に積層されたものである。
(10) 本発明にかかる薬剤内包ポリマーゲルは、上記ハイブリッドポリマー及び薬剤を含む水溶液を、50〜90℃に加熱してゲル化することにより得られる当該薬剤を内包するものである。
(11) 本発明にかかる薬剤内包ポリマーゲルの製造方法は、上記ハイブリッドポリマー及び薬剤を含む水溶液を、50〜90℃に加熱してゲル化して、当該薬剤をゲルに内包させる工程を含む。
本発明にかかるハイブリッドポリマーは、式(1)で示される第1ペプチド成分の重合体である第1ポリマーと、式(2)で示される第2ペプチド成分の重合体である第2ポリマーとが直列に連結されてなるので、コラーゲンの生体適合性などの特性とエラスチンの凝集特性とを併有する。これにより、シート形状などに成形することが容易であり、生体適合性に優れ、感染の恐れがないハイブリッドポリマーが得られる。
本発明にかかるポリマーゲルは、上記ハイブリッドポリマーを含む水溶液をゲル化して得られるので、上記ハイブリッドポリマーの特性を有する。このポリマーゲルは、薬剤を徐放する基材や、細胞を培養する基材などとして有用である。
本発明にかかるハイブリッドポリマーシートは、上記ハイブリッドポリマーがシート形状を保持するので、上記ハイブリッドポリマーの特性を有し、かつハンドリングに優れたものとなる。
本発明にかかるポリマー積層体は、上記ハイブリッドポリマーの特性を有し、基材の形状に合わせて3次元にゲル層を形成することができるので、ポリマーゲルで被覆された3次元構造体を形成することができる。
本発明にかかる薬剤内包ポリマーゲルは、上記ハイブリッドポリマーの特性を有し、薬剤の徐放を目的とするドラッグデリバリーシステムとして有用である。
以下に、本発明の好ましい実施形態が説明される。なお、本実施形態は本発明の一実施態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様が変更されてもよいことは言うまでもない。
[ハイブリッドポリマー]
本発明において第1ペプチド成分と称されるものは以下の式(1)で示される構造を有する。
式(1):H-Gly-Xaa-Gly-Val-Pro-OH(Xaaは、Val、Ile、Lys、Glu、Ala、Ser、Thr、Asn、Glnよりなる群から選ばれるいずれか1つである。)
式(1)において、Glyはグリシン、Valはバリン、Proはプロリン、Ileはイソロイシン、Lysはリジン、Gluはグルタミン酸、Alaはアラニン、Serはセリン、Thrはトレオニン、Asnはアスパラギン、Glnはグルタミンを意味する。第1ペプチド成分は、前述された5つのアミノ酸からなるペンタペプチドであり、エラスチン由来の配列といえる。
本発明において第2ペプチド成分と称されるものは以下の式(2)で示される構造を有する。
式(2):H-Pro-Yaa-Gly-OH(Yaaは、Hyp、Pro、Gly、Ala、Leu、Ser、Thr、Asn、Glnよりなる群から選ばれるいずれか1つである。)
式(2)において、Proはプロリン、Glyはグリシン、Hypはヒドロキシプリン、Proはプロリン、Glyはグリシン、Alaはアラニン、Leuはロイシン、Serはセリン、Thrはトレオニン、Asnはアスパラギン、Glnはグルタミンを意味する。第2ペプチド成分は、前述された3つのアミノ酸からなるトリペプチドであり、コラーゲン由来の配列といえる。
第1ペプチド成分及び第2ペプチド成分は、化学合成法や酵素合成法などの既に確立されたペプチド合成法により生成することができる。また、自動ペプチド合成装置を用いて行うこともできる。ペプチド合成は、通常、C末端側からN末端側へ向かって進められ、未反応のアミノ基はFMOC基やBOC基などに代表される保護基によって保護される。また、アミドの反応収率を高くするためにブタノールやWSCI(水溶性DCC)などの保護基が用いられてもよい。ペプチド合成により得られた第1ペプチド成分及び第2ペプチド成分の構造確認は、例えば、質量分析装置(Applied Biosystems、商品名:Voyager)により行うことができる。また、第1ペプチド成分及び第2ペプチド成分のアミノ酸組成は、アミノ酸分析装置(株式会社日立製作所、商品名:L−8500)により行うことができる。
本発明にかかる第1ポリマーは、上記第1ペプチド成分が重合されてなる直鎖状のポリマーである。つまり、第1ペプチド成分がアミド結合により重合されたものであり、好ましくは第1ペプチド成分の8量体以上であり、より好ましくは、10量体以上、最も好ましくは、20量体以上である。第1ペプチド成分の重合度を上記範囲とすることにより、エラスチンの凝集特性がハイブリッドポリマーにおいて有効に発揮される。
本発明にかかる第2ポリマーは、上記第2ペプチド成分が重合されてなる直鎖状のポリマーである。つまり、第2ペプチド成分がアミド結合により重合されたものであり、好ましくは第2ペプチド成分の8量体以上であり、より好ましくは、10量体以上、最も好ましくは、20量体以上である。第2ペプチド成分の重合度を上記範囲とすることにより、コラーゲンの保水性や生体適合性などの特性がハイブリッドポリマーにおいて有効に発揮される。
なお、第1ポリマー及び第2ポリマーの重合は、化学合成法のように既に確立されたペプチド合成方法により行うことができる。また、第1ポリマー及び第2ポリマーの確認は、例えば、液体クロマトグラフ質量分析装置(Applied Biosystems、商品名:Marinaer)により行うことができる。
本発明にかかるハイブリッドポリマーは、上記第1ポリマーと上記第2ポリマーとが直列に連結されてなる。具体的には、上記第1ポリマーに対して、上記第2ペプチド成分を重合してハイブリッドポリマーとする方法、又は上記第2ポリマーに対して、上記第1ペプチド成分を重合してハイブリッドポリマーとする方法のいずれかを採用することができる。これにより得られるハイブリッドポリマーは、以下の式(3)又は式(4)で示される構造を有する。
式(3):H-(Gly-Xaa-Gly-Val-Pro)m-(Pro-Yaa-Gly)n-OH(m,nは自然数である。)
式(4):H-(Pro-Yaa-Gly)m-(Gly-Xaa-Gly-Val-Pro)n-OH(m,nは自然数である。)
第1ポリマー又は第2ポリマーに対して重合される第2ペプチド成分又は第1ペプチド成分は、DPPA(ジフェニルリン酸アジド)やDIEA(ジイソプロピルエチルアミン)などのペプチド合成溶剤の環境下で、既知のペプチド合成方法により行うことができる。また、未反応のアミノ基はFMOC基やBOC基などに代表される保護基によって保護される。また、ハイブリッドポリマーの確認は、例えば、質量分析及びアミノ酸分析により行うことができる。
上記ハイブリッドポリマーは、3重らせん構造を形成したものであってもよい。3重らせん構造は、上記ハイブリッドポリマーの保護体を、液中において室温付近で静置しておくことにより形成される。また、ハイブリッドポリマーは、糖鎖が付加されたものであってもよい。例えば、ハイブリッドポリマーがSer、Thr、Asn、Glnを有する場合に糖鎖を付加させることができる。
このように、本発明にかかるハイブリッドポリマーは、式(1)で示される第1ペプチド成分の重合体である第1ポリマーと、式(2)で示される第2ペプチド成分の重合体である第2ポリマーとが直列に連結されてなるので、コラーゲンの生体適合性などの特性とエラスチンの凝集特性とを併有する。これにより、シート形状などに成形することが容易であり、生体適合性に優れ、感染の恐れがないハイブリッドポリマーが得られる。
[ポリマーゲル]
本発明にかかるポリマーゲルは、前述されたハイブリッドポリマーを含む水溶液を、50〜90℃に加熱してゲル化することにより得られるものである。その製造方法は、上記ハイブリッドポリマーを純水やエタノール、メタノールなどに約1〜1000mg/mLで溶解してハイブリッドポリマー水溶液とする。ハイブリッドポリマーを溶解する溶媒は特に限定されないが、生体適合性の観点から純水が好ましい。また、ハイブリッドポリマーの濃度は、得られるポリマーゲルの均一性や強度を考慮して定められ、より好ましくは50〜500mg/mLである。ハイブリッドポリマーの濃度を上記範囲以内とすることにより、強度の高いポリマーゲルが得られる。ハイブリッドポリマーの濃度が上記範囲より低ければ、ポリマーゲルの強度が低くなり、高ければ均一なポリマーゲルが得られにくい傾向にある。
次いで、上記ハイブリッドポリマー水溶液を50〜90℃に加熱してゲル化する。加熱温度は、より好ましくは55〜75℃であり、特に好ましくは60〜70℃である。ハイブリッドポリマー水溶液が加熱されることにより、エラスチンの可逆的な凝集作用が生じる。一般に、エラスチンは、30〜60℃の範囲で凝集状態又は分散状態に可逆的に移行する。上記ハイブリッドポリマーは、エラスチン由来のアミノ酸配列とコラーゲン由来のアミノ酸配列とを有するものなので、加熱により凝集状態に移行した後、冷却された際に分散状態に移行する速度が遅い。具体的には、約50℃以上に加熱されると凝集状態に移行し始めるが、分散状態への移行は約40℃付近から緩やかに開始され、約30℃以下になれば分散状態への移行速度が速まる。このようなハイブリッドポリマーの特性を考慮すると、加熱温度を上記範囲内とすることが好ましい。
加熱されたハイブリッドポリマー水溶液は、50〜90℃に保持されて、1〜12時間放置されることによりゲル化される。これにより、本発明にかかるポリマーゲルが得られる。得られたポリマーゲルは、寒天状又はスポンジ状の形態となる。寒天状のポリマーゲルは、ハイブリッドポリマーを純粋に溶解して、前述された方法に基づいてゲル化することにより得られる。スポンジ状のポリマーゲルは、ハイブリッドポリマーを0.5M炭酸水素ナトリウム水溶液に溶解して、前述された方法に基づいてゲル化することにより得られる。寒天状のポリマーゲルは、透明であって強度が比較的高く、薬剤を徐放する基材に好適である。スポンジ状のポリマーゲルは、白濁しており強度が比較的弱い。スポンジ状のポリマーゲルは、細胞培養の基材に好適であり、その空隙内で細胞が培養される。
[ハイブリッドポリマーシート]
本発明にかかるハイブリッドポリマーシートは、上記ハイブリッドポリマーがシート形状に成形されたものである。その製造方法は、上記ハイブリッドポリマーを純水やエタノール、メタノールなどに約1〜10mg/mLで溶解してハイブリッドポリマー水溶液とする。ハイブリッドポリマーを溶解する溶媒は特に限定されないが、生体適合性の観点から純水が好ましい。また、ハイブリッドポリマーの濃度は、得られるハイブリッドポリマーシートの厚みや強度の観点から定められ、より好ましくは5〜10mg/mLである。ハイブリッドポリマーの濃度を上記範囲以内とすることにより、ホールなどの欠如部位のない完全なハイブリッドポリマーシートを形成することができ、ハイブリッドポリマーシートに医療用などの所望の用途に応じた適切な強度を付与することができる。また、ハイブリッドポリマーの濃度を上記範囲以内とすることにより、ハイブリッドポリマー溶液に沈殿が生じない。
次いで、上記ハイブリッドポリマー水溶液を50〜90℃に加熱して所望の形状にキャストする。加熱温度は、より好ましくは70〜90℃であり、特に好ましくは80〜90℃である。ハイブリッドポリマー水溶液が加熱されることにより、エラスチンの可逆的な凝集作用が生じる。一般に、エラスチンは、30〜60℃の範囲で凝集状態又は分散状態に可逆的に移行する。上記ハイブリッドポリマーは、エラスチン由来のアミノ酸配列とコラーゲン由来のアミノ酸配列とを有するものなので、加熱により凝集状態に移行した後、冷却された際に分散状態に移行する速度が遅い。具体的には、約50℃以上に加熱されると凝集状態に移行し始めるが、分散状態への移行は約40℃付近から緩やかに開始され、約30℃以下になれば分散状態への移行速度が速まる。このようなハイブリッドポリマーの特性を考慮すると、加熱温度を上記範囲内とすることが好ましい。
加熱されたハイブリッドポリマー水溶液は、適当な容器によりキャストされる。容器の形状によりハイブリッドポリマーシートの形状が決まるので、例えば、円形のハイブリッドポリマーシートを成形する場合には、内部空間が円柱形状の容器を用いればよい。容器の材質などは特に限定されず、加熱温度に対する耐性を有するものであればよく、例えば、ガラス製容器や樹脂製容器が想定される。ハイブリッドポリマー水溶液の加熱は、キャストを行う容器にハイブリッドポリマー水溶液を注入する前に行っても、キャストを行う容器内で加熱を行ってもいずれでもよい。
キャストされたハイブリッドポリマー水溶液は、4〜50℃に保持されて、約5〜24時間放置されることによりで水分が蒸発される。これにより、ハイブリッドポリマーシートが得られる。水分を蒸発させる際にハイブリッドポリマー水溶液を保持する温度は、ハイブリッドポリマーが分散状態に移行しない温度が好適であり、より好ましくは25〜50℃、特に好ましくは37〜50℃である。また、水分の蒸発は、自然蒸発であっても熱風環境下におかれて強制的に蒸発されてもよい。これにより、ハイブリッドポリマーが凝集された状態で、水分が蒸発されるので、得られたハイブリッドポリマーシートの水分含有量が低く、ゲル状でないハンドリングに優れたものとなる。
上記ハイブリッドポリマーシートは、引張り強度が0.2kg/cm以上であることが好ましく、より好ましくは0.3kg/cm以上である。ハイブリッドポリマーシートの引張り強度が上記数値範囲内であれば、取り扱い時に破損しにくく、ハンドリングに優れる。
[ポリマー積層体]
本発明にかかるポリマー積層体は、上記ハイブリッドポリマーシートが、基材上に積層されたものである。基材は、ハイブリッドポリマーとは異なる別のポリマーであって、例えばポリ乳酸などの剛性の高いポリマーを3次元に構築したものである。基材の形状として、例えば平板や直方体が採用されるが、基材の形状やポリマー積層体の用途に応じて変更することができる。例えば、ポリマー積層体を細胞培養に使用するのであれば、基材の表面を形成したい細胞塊の形状にすればよい。基材とハイブリッドポリマーとの結合は、例えば、吸着による結合や、ガンマ線を照射することにより基材とハイブリッドポリマーシートとの間に共有結合を形成する結合があげられる。
[薬剤内包ポリマーゲル]
本発明にかかる薬剤内包ポリマーゲルは、上記ハイブリッドポリマー及び薬剤を含む水溶液を、50〜90℃に加熱してゲル化することにより得られる当該薬剤を内包するものである。その製造方法は、上記ハイブリッドポリマーを純水やエタノール、メタノールなどに約1〜10mg/mLで溶解してハイブリッドポリマー水溶液とする。ハイブリッドポリマーを溶解する溶媒は特に限定されないが、生体適合性の観点から純水が好ましい。また、ハイブリッドポリマーの濃度は、得られるポリマーゲルの強度を考慮して定められ、より好ましくは5〜10mg/mLである。ハイブリッドポリマーの濃度を上記範囲以内とすることにより、薬剤を内包しても強度が保たれたポリマーゲルを作製することが容易である。
このハイブリッドポリマー水溶液に、内包させる薬剤を溶解する。薬剤としては、例えば、インスリンなどのタンパク性の薬剤があげられる。薬剤の濃度は、使用される薬剤により異なるが、例えば、薬剤自身の溶解度から定められ、好ましくは0.05〜1mg/mLである。薬剤の濃度を上記範囲以内とすることにより、薬剤の凝集による変性や徐放の際の不均一さが抑制される。
次いで、薬剤を含むハイブリッドポリマー水溶液を50〜90℃に加熱してゲル化する。加熱温度は、より好ましくは50〜60℃であり、特に好ましくは50〜55℃である。加熱されたハイブリッドポリマー水溶液は、40〜50℃に保持されて、1〜12時間放置されることによりゲル化される。これにより、本発明にかかる薬剤内包ポリマーゲルが得られる。この薬剤内包ポリマーゲルを乾燥させることにより、長期保管に好適な薬剤を内包したシート状構造体が得られる。
以下に、本発明の実施例が説明される。実施例は、本発明の一実施形態であり、本発明が実施例に記載されたものに限定されないことは言うまでもない。
(第1ペプチド成分の合成)
・カップリング1
C末端側がBzl化されたグリシン(H-Gly-OBzl・Tos-OH、MW=337.3、渡辺化学)30mmolをDMF(和光純薬)に溶解し、N末端側がBoc化されたバリン(Boc-Val-OH、MW=217.2、渡辺化学)30mmolを添加した。さらに、トリエチルアミン(東京化成工業)30mmol(140μL/1mmol換算で4.2mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・HO(渡辺化学、HOBt・HO)36mmolを加え、この溶液が入ったナスフラスコを氷冷した。十分に冷やした後、水溶性カルボジイミド(WSCI)・塩酸(MW=191.7、ペプチド研究所、WSCI・HCl))33mmolを加えて30分放置した後、室温に戻した。これを撹拌しながら室温で一晩放置した。
発生した結晶をDMFで洗浄しながらろ過を行って除去した後、エバポレータを用いて減圧濃縮を行った。この減圧濃縮残渣を酢酸エチル(和光純薬)に溶かして冷蔵庫内(設定温度4℃)で30分間放置した。発生した結晶を酢酸エチルで洗浄しながらろ過を行って除去した後、分液ロートにより、水に対して2回、0.5M炭酸水素ナトリウム水溶液に対して3回、水に対して1回、5%硫酸水素カリウム水溶液に対して3回、飽和食塩水に対して2回、洗浄を行った。その後、酢酸エチル層に硫酸ナトリウム(和光純薬、無水硫酸ナトリウム)3gを添加して一晩乾燥させた。
上記酢酸エチル層から硫酸ナトリウムをろ過により取り除き、エバポレータを用いて減圧濃縮を行った。減圧濃縮残渣にヘキサン(和光純薬、n−ヘキサン)30mLを加えて結晶化を行い、その結晶をろ過により採取してデシケータで減圧乾燥した。乾燥後のバリン・グリシンペプチド(Boc-Val-Gly-OBzl、C1928、MW=364.44)の秤量値は9.71g(88%)であった。
・脱Boc1
得られたBoc-Val-Gly-OBzl26.5mmolを4N塩酸/ジオキサン70mLに溶解させ、室温で2時間静置した。その後、エバポレータを用いて減圧濃縮を行い、ジエチルエーテルを加えて結晶化を行った。その結晶をろ過により採取した後、デシケータで減圧乾燥した。乾燥後の脱Bocされたバリン・グリシンペプチド(H-Val-Gly-OBzl・HCl)の秤量値は7.85g(98%)であった。
・カップリング2
カップリング1と同様にして、脱Bocされたバリン・グリシンペプチド(H-Val-Gly-OBzl・HCl)26mmolをDMFに溶解し、N末端側がBoc化されたグリシン(Boc-Gly-OH、MW=175.19、渡辺化学)26mmolを添加した。さらに、トリエチルアミン3.64mL、ブタノール・HO31.2mmolを加え、氷冷後、WSCl・HCl28.6mmolを加えてから室温に戻した。撹拌しながら一晩放置した後、カップリング1と同様に、結晶除去、減圧濃縮、減圧濃縮残渣の溶解、結晶除去、洗浄、乾燥、硫酸ナトリウムの除去、減圧濃縮、結晶化、減圧乾燥により、グリシン・バリン・グリシンペプチド(Boc-Gly-Val-Gly-OBzl、C2131、MW=421.49)を得た。秤量値は9.2g(83%)であった。
・脱Bzl1
得られたグリシン・バリン・グリシンペプチド(Boc-Gly-Val-Gly-OBzl)15mmol(6.3g)をMeOH溶液(和光純薬、メタノール)30mLに溶解し、5%パラジウム炭素(ナカライテスク)8gを加えた。この溶液にHCOONH(MW=63.06、和光純薬、ギ酸アンモニウム)60mmolを加えて、常温で1時間撹拌した後、ろ過によりパラジウム炭素を除去した。この溶液を濃縮して、NaHCO水溶液に溶解した。これをジエチルエーテル10mLで2回洗浄し、その水層に10%クエン酸溶液を加えて、容器のpHを3以下に調整した。これを酢酸エチル10mLで3回抽出を行い、酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄してから硫酸ナトリウムを加えて一晩放置した。
上記酢酸エチル層から硫酸ナトリウムをろ過により取り除き、エバポレータを用いて減圧濃縮を行った。減圧濃縮残渣にエーテル(和光純薬、ジエチルエーテル)30mLを加えて結晶化を行い、その結晶をろ過により採取してデシケータで減圧乾燥した。乾燥後の脱Bzlされたグリシン・バリン・グリシンペプチド(Boc-Gly-Val-Gly-OH、C1425、MW=331.36)の秤量値は3.1g(63%)であった。
・カップリング3
C末端側がBzl化されたプロリン(H-Pro-OBzl・HCl、MW=241.7、渡辺化学)30mmolをDMFに溶解し、N末端側がBoc化されたバリン30mmolを添加した。さらに、トリエチルアミン4.2mL、ブタノール・HO36mmolを加え、この溶液が入ったナスフラスコを氷冷した。十分に冷やした後、WSCl・HCl33mmolを加えて30分放置した後、室温に戻した。これを撹拌しながら室温で一晩放置した。
発生した結晶をDMFで洗浄しながらろ過を行って除去した後、エバポレータを用いて減圧濃縮を行った。この減圧濃縮残渣を酢酸エチルに溶かして冷蔵庫内(設定温度4℃)で30分間放置した。発生した結晶を酢酸エチルで洗浄しながらろ過を行って除去した後、カップリング1と同様に、分液ロートを用いて洗浄を行い、酢酸エチル層に硫酸ナトリウムを5gを添加して一晩乾燥させた。
上記酢酸エチル層から硫酸ナトリウムをろ過により取り除き、エバポレータを用いて減圧濃縮を行った。減圧濃縮残渣にヘキサン30mLを加えて結晶化を行い、その結晶をろ過により採取してデシケータで減圧乾燥した。乾燥後のバリン・プロリンペプチド(Boc-Val-Pro-OBzl、C2232、MW=404.50)の秤量値は9.7g(80%)であった。
・脱Boc2
得られたBoc-Val-Pro-OBzl13mmolを4N塩酸/ジオキサン35mLに溶解させ、室温で2時間静置した。その後、エバポレータを用いて減圧濃縮を行い、ジエチルエーテルを加えて結晶化を行った。その結晶をろ過により採取した後、デシケータで減圧乾燥した。乾燥後の脱Bocされたバリン・プロリンペプチド(H-Val-Pro-OBzl・HCl、C1724・HCl、MW=304.38+36.46)の秤量値は4.4g(99%)であった。
・カップリング4
カップリング1と同様にして、脱Bocされたバリン・プロリンペプチド(H-Val-Pro-OBzl・HCl)9mmolをDMFに溶解し、脱Bzlされたグリシン・バリン・グリシンペプチド(Boc-Gly-Val-Gly-OH)9mmolを添加した。さらに、トリエチルアミン1.26mL、ブタノール・HO10.8mmolを加え、氷冷後、WSCl・HCl9.9mmolを加えてから室温に戻した。撹拌しながら一晩放置した後、カップリング1と同様に、結晶除去、減圧濃縮、減圧濃縮残渣の溶解、結晶除去、洗浄、乾燥、硫酸ナトリウムの除去、減圧濃縮、結晶化、減圧乾燥により、グリシン・バリン・グリシン・バリン・プロリンペプチド(Boc-Gly-Val-Gly-Val-Pro-OBzl、C3147、MW=617.73)を得た。秤量値は3.25g(63%)であった。
(第2ペプチド成分の合成)
・カップリング1
C末端側がBzl化されたグリシン20mmolをDMFに溶解し、N末端側がBoc化されたヒドロキシプロリン(Boc-Hyp(Bzl)-OH、MW=321.36、渡辺化学)20mmolを添加した。さらに、トリエチルアミン2.8mL、ブタノール・HO24mmolを加え、この溶液が入ったナスフラスコを氷冷した。十分に冷やした後、WSCl・HCl22mmolを加えて30分放置した後、室温に戻した。これを撹拌しながら室温で一晩放置した。
発生した結晶をDMFで洗浄しながらろ過を行って除去した後、エバポレータを用いて減圧濃縮を行った。この減圧濃縮残渣を酢酸エチルに溶かして冷蔵庫内(設定温度4℃)で30分間放置した。発生した結晶を酢酸エチルで洗浄しながらろ過を行って除去した後、分液ロートにより、水に対して2回、0.5M炭酸水素ナトリウム水溶液に対して3回、水に対して1回、5%硫酸水素カリウム水溶液に対して3回、飽和食塩水に対して2回、洗浄を行った。その後、酢酸エチル層に硫酸ナトリウム5gを添加して一晩乾燥させた。
上記酢酸エチル層から硫酸ナトリウムをろ過により取り除き、エバポレータを用いて減圧濃縮を行った。減圧濃縮残渣にヘキサン40mLを加えて結晶化を行い、その結晶をろ過により採取してデシケータで減圧乾燥した。乾燥後のヒドロキシプロリン・グリシンペプチド(Boc-Hyp(Bzl)-Gly-OBzl、C2632、MW=468.53)の秤量値は7.12g(76%)であった。
・脱Boc1
得られたBoc-Hyp(Bzl)-Gly-OBzl15mmolを4N塩酸/ジオキサン40mLに溶解させ、室温で1時間静置した。その後、エバポレータを用いて減圧濃縮を行い、エーテルを加えて結晶化を行った。その結晶をろ過により採取した後、デシケータで減圧乾燥した。乾燥後の脱Bocされたヒドロキシプロリン・グリシンペプチド(H-Hyp(Bzl)-Gly-OBzl・HCl、C2124・HCl、MW=368.42+36.46)の秤量値は5.6g(92%)であった。
・カップリング2
カップリング1と同様にして、脱Bocされたヒドロキシプロリン・グリシンペプチド(H-Hyp(Bzl)-Gly-OBzl・HCl)13.5mmolをDMFに溶解し、N末端側がBoc化されたプロリン(Boc-Pro-OH、MW=215.25、渡辺化学)13.5mmolを添加した。さらに、トリエチルアミン1.9mL、ブタノール・HO16.2mmolを加え、氷冷後、WSCl・HCl14.9mmolを加えてから室温に戻した。撹拌しながら一晩放置した後、カップリング1と同様に、結晶除去、減圧濃縮、減圧濃縮残渣の溶解、結晶除去、洗浄、乾燥、硫酸ナトリウムの除去、減圧濃縮した。減圧濃縮残渣の結晶化を試みたが結晶化しなかった。減圧濃縮残渣を、クロロホルム:酢酸エチル=7:1の溶離液を用いてシリカゲルクロマトグラフィを行った。得られたプロリン・ヒドロキシプロリン・グリシンペプチド(Boc-Pro-Hyp(Bzl)-Gly-OBzl、C3139、MW=565.67)を得た。秤量値は7.64g(100%)であった。
・脱Bzl1
得られたプロリン・ヒドロキシプロリン・グリシンペプチド(Boc-Pro-Hyp(Bzl)-Gly-OBzl)8mmol(4.5g)をMeOH溶液20mLに溶解し、5%パラジウム炭素8gを加えた。この溶液にHCOONH32mmolを加えて、常温で2時間撹拌した後、ろ過によりパラジウム炭素を除去した。この溶液を濃縮して、NaHCO水溶液に溶解した。これをジエチルエーテル10mLで2回洗浄し、その水層に10%クエン酸溶液を加えて、容器のpHを3以下に調整した。これを酢酸エチル10mLで3回抽出を行い、酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄してから硫酸ナトリウムを加えて一晩放置した。
上記酢酸エチル層から硫酸ナトリウムをろ過により取り除き、エバポレータを用いて減圧濃縮を行った。減圧濃縮残渣にヘキサン35mLを加えて結晶化を行い、その結晶をろ過により採取してデシケータで減圧乾燥した。乾燥後の脱Bzlされたぷろりん・ヒドロキシプロリン・グリシンペプチド(Boc-Pro-Hyp(Bzl)-Gly-OH、C2433、MW=475.53)の秤量値は3.41g(84%)であった。
(実施例1)
上記第1ペプチド成分(H-Gly-Val-Gly-Val-Pro-OH)427mg (1mmol)を DMSO(和光純薬、ジメチルスルホキシド)4mLに溶解した。この溶液を氷冷し、トリエチルアミン140μL(1mmol)、ブタノールブタノール (183 mg; 1.2 mmol)、WSCI・塩酸210mg(1.1mmol)を順次加え、反応を開始した。30分経過後、溶液を室温に戻し、さらに反応させた。1週間経過後、純水36mLを加えて排除分子量3500の透析膜に移し0.5M炭酸水素アンモニウム水溶液(pH7.8)200mLに対して30分間、500mLに対して1時間、さらに1Lに対して終夜で透析した。得られた溶液を透析チューブから回収し、凍結乾燥を行って第1ポリマーの保護体を得た。第1ポリマーの収量は381mgであり、収率は89%であった。
第2ペプチド成分(H-Pro-Hyp(Bzl)-Gly-OH)375mg (1mmol)、ジフェニルリン酸アジド(DPPA)258μL(1.2mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)408μL(2.4mmol)のDMSO溶液1mLを氷冷下で調製し、15分経過後に上記第1ポリマー8.5mgのDMSO溶液1mLと混合させて、反応を開始した。4時間経過後に室温に戻し、さらに反応させた。6日間経過後、反応液を純水18mLに希釈して、0.5M炭酸水素アンモニウム水溶液(pH7.8)200mLで30分間、500mLに対して1時間、さらに1Lに対して終夜で透析した。得られた溶液を透析チューブから回収し、凍結乾燥を行ってハイブリッドポリマーの保護体を得た。ハイブリッドポリマーの収量は380mgであり、収率は99%であった。
上記ハイブリッドポリマー保護体380mgを氷冷下で1Mトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSOTf)のTFA溶液(5V/V%のm-Cresol含有)に溶かし、1時間後に、エーテルを加えて固化させた。固化物を0.5M炭酸水素アンモニウム水溶液(pH7.8)10mLに溶かし、0.5M炭酸水素アンモニウム水溶液(pH7.8)200mLに対して30分間、500mLに対して1時間、さらに1Lに対して終夜で透析した。得られた溶液を透析チューブから回収し、純水20mLで希釈した後、凍結乾燥を行ってハイブリッドポリマー(H-(Pro-Hyp-Gly)m-(Gly-Val-Gly-Val-Pro)n-OH)を360mg得た。得られたハイブリッドポリマーは60℃でコアセルベート(凝集)を形成した。
上記ハイブリッドポリマー360mgを10mg/mLの濃度で純水に溶かし、60℃に加熱した後、テフロン(登録商標)ケース内にキャストして、37℃で一晩放置することにより、15mm×25mmのハイブリッドポリマーシートを得た。このハイブリッドポリマーシートのSEM画像を図1に示す。
(実施例2)
第2ペプチド成分(H-Pro-Hyp(Bzl)-Gly-OH)375mg (1mmol)、DPPA258μL(1.2mmol)、DIEA408μL(2.4mmol)のDMSO溶液 1mLを氷冷下で調製し、反応を開始した。4時間後に室温に戻して、さらに反応させた。6日間後、反応液を純水18mLに希釈し、0.5M炭酸水素アンモニウム水溶液 (pH7.8)200mLに対して30分間、500mLに対して1時間、さらに1Lに対して終夜で透析した。得られた溶液を透析チューブから回収し、凍結乾燥を行って第2ポリマーの保護体を得た。第2ポリマーの収量は370mgであり、収率99%であった。
第1ペプチド成分(H-Gly-Val-Gly-Val-Pro-OH)427mg (1mol)、DPPA258μL (1.2mmol)、DIEA 408μL(2.4mmol)のDMSO溶液1mLを氷冷下で調製し、15分間経過後に上記第1ポリマー8.5mgのDMSO溶液1mLと混合させ、反応を開始した。4時間経過後に室温に戻し、さらに反応させた。6日間経過後、反応液を純水18mLに希釈し、排除分子量3500の透析膜に移し、0.5M炭酸水素アンモニウム水溶液(pH7.8)200mLに対して30分間、500mLに対して1時間、さらに1Lに対して終夜で透析した。得られた溶液を透析チューブから回収し、凍結乾燥を行ってハイブリッドポリマーの保護体を得た。ハイブリッドポリマー保護体の収量は430mgであり、収率は97%であった。
上記ハイブリッドポリマー保護体を氷冷下で1MTMSOTfのTFA溶液(5v/v%のm-Cresol含有)に溶かし、1時間経過後、エーテルを加え固化させた。固化物を0.5M炭酸水素アンモニウム水溶液(pH7.8)10mLに溶かし、0.5M炭酸水素アンモニウム水溶液 (pH7.8)200mLに対して30分間、500mLに対して1時間、さらに1Lに対して終夜で透析した。得られた溶液を透析チューブから回収し、純水20mLで希釈した。この溶液を凍結乾燥して、白色綿状のハイブリッドポリマー(H-(Gly-Val-Gly-Val-Pro)n-(Pro-Hyp-Gly)m-OH)430mgを得た。得られたハイブリッドポリマーは、55℃でコアセルベートを形成した。
上記ハイブリッドポリマー430mgを10mg/mLの濃度で純水にとかし、55℃に加熱した後、テフロン(登録商標)ケース内にキャストし、37℃で一晩放置することにより、20mm×27mmのハイブリッドポリマーシートを得た。このハイブリッドポリマーシートのSEM画像を図2に示す。
(実施例3)
第1ペプチド成分(H-Gly-Val-Gly-Val-Pro-OH)427mg (1mmol)を DMSO4mLに溶解した。この溶液を氷冷下で、トリエチルアミン140μL(1mmol)、ブタノール183mg(1.2mmol)、水溶性カルボジイミド・塩酸210mg (1.1mmol)を順次加え、反応を開始した。30分間経過後、室温に戻し、そのまま反応させた。1週間経過後、純水36mLを加えて排除分子量3500の透析膜に移した。これを0.5M炭酸水素アンモニウム水溶液(pH7.8)200mLに対して30分間、500mLに対して1時間、さらに1Lに対して終夜で透析した。得られた溶液を透析チューブから回収し、凍結乾燥を行って第1ポリマーの保護体を得た。第1ポリマーの収量は381mgであり、収率は89%であった。
第2ペプチド成分(Boc-Pro-Hyp(Bzl)-Gly-OH)961mg (2.5mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)345mg(3mmol)、水溶性カルボジイミド・塩酸575mg(3mmol)のDMF溶液5mLを氷冷下で調製し、15分経過後に室温に戻し、そのまま1時間攪拌した。その後、水を加えて固化させ、固化物をろ過により採取して、デシケーター中で一晩乾燥させた。これを氷冷下でトリフルオロ酢酸に溶解し、30分間経過後に濃縮し、ジエチルエーテルを加えて固化させたものをろ過により採取した。これをDMSO1mLに溶かし、ジイロプロピルアミン(DIEA)408μL(2.4mmol)を加えた後、第1ポリマー8.5mgと混合させ、反応を開始した。4時間経過後に室温に戻し、さらに反応させた。6日間経過後、反応液を純水18mLに希釈し、0.5M炭酸水素アンモニウム水溶液(pH7.8)200mLに対して30分間、500mLに対して1時間、さらに1Lに対して終夜で透析した。得られた溶液を透析チューブから回収し、凍結乾燥を行ってハイブリッドポリマーの保護体を得た。ハイブリッドポリマー保護体の収量は953mgであり、収率は98%であった。
上記ハイブリッドポリマー保護体953mgを氷冷下で1Mトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSOTf)のTFA溶液(5v/v%のm-Cresol含有)に溶かし、脱保護を行った。1時間経過後、エーテルを加えて固化させた。固化物を0.5M炭酸水素アンモニウム水溶液(pH7.8)10mLに溶かし、0.5M炭酸水素アンモニウム水溶液(pH7.8)200mLに対して30分間、500mLに対して1時間、さらに1Lに対して終夜で透析した。得られた溶液を透析チューブから回収し、純水20mLで希釈した後、凍結乾燥を行ってハイブリッドポリマー(H-(Pro-Hyp-Gly)m-(Gly-Val-Gly-Val-Pro)n-OH)950mgを得た。
(実施例4)
第2ペプチド成分(H-Pro-Hyp(Bzl)-Gly-OH)375mg (1mmol)、DPPA258μL(1.2mmol)、DIEA408μL(2.4mmol)のDMSO溶液 1mLを氷冷下で調製し、反応を開始した。4時間経過後に室温に戻し、さらに反応させた。6日間経過後、反応液を純水18mLに希釈し、0.5M炭酸水素アンモニウム水溶液 (pH7.8)200mLに対して30分間、500mLに対して1時間、さらに1Lに対して終夜で透析した。得られた溶液を透析チューブから回収し、凍結乾燥を行って第2ポリマーの保護体を得た。第2ポリマーの収量369mgであり、収率は99%であった。
第1ペプチド成分(Boc-Gly-Val-Gly-Val-Pro-OH)1g(2.5mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)345mg(3mmol)、水溶性カルボジイミド・塩酸575mg(3mmol)のDMF溶液5mLを氷冷下で調製し、15分間経過後に室温に戻し、そのまま1時間攪拌した。その後水を加えて固化させ、固化物をろ過により採取し、デシケーター中で一晩乾燥させた。これを氷冷下でトリフルオロ酢酸に溶解し、30分間経過後に濃縮し、ジエチルエーテルを加え固化させたものをろ過により採取した。これをDMSO1mLに溶かし、DIEA425μL(2.5mmol)を加えた後、上記第2ポリマー8.5mgのDMSO溶液1mLと混合させ、反応を開始した。4時間経過後に室温に戻し、さらに反応させた。6日間経過後、反応液を純水18mLに希釈し、排除分子量3500の透析膜に移し、0.5M炭酸水素アンモニウム水溶液(pH7.8)200mLに対して30分間、500mLに対して1時間、さらに1Lに対して終夜で透析した。得られた溶液を透析チューブから回収し、凍結乾燥を行ってハイブリッドポリマーの保護体を得た。ハイブリッドポリマー保護体の収量は350mgであり、収率は98%であった。
上記ハイブリッドポリマー保護体を氷冷下で1MTMSOTfのTFA溶液(5v/v%のm-Cresol含有)に溶かし、1時間経過後、エーテルを加え固化させた。固化物を0.5M炭酸水素アンモニウム水溶液(pH7.8)10mLに溶かし、0.5M炭酸水素アンモニウム水溶液 (pH7.8)200mLに対して30分間、500mLに対して1時間、さらに1Lに対して終夜で透析した。得られた溶液を透析チューブから回収し、純水20mLで希釈した。この溶液を凍結乾燥して、白色綿状のハイブリッドポリマー(H-(Gly-Val-Gly-Val-Pro)n-(Pro-Hyp-Gly)m-OH)339mgを得た。
(比較例1)
第2ペプチド成分(H-Pro-Hyp(Bzl)-Gly-OH)37mg (1mmol)、DPPA258μL(1.2mmol)、DIEA408μL(2.4mmol)のDMSO溶液1mLを氷冷下で調製し、反応を開始した。4時間経過後に室温に戻し、さらに反応させた。6日間経過後、反応液を純水18mLに希釈し、0.5M炭酸水素アンモニウム水溶液 (pH7.8)200mLに対して30分間、500mLに対して1時間、さらに1Lに対して終夜で透析した。得られた溶液を透析チューブから回収し、凍結乾燥を行って第2ポリマーの保護体を得た。第2ポリマーの収量は371mgであり、収率は99%であった。
上記第2ポリマーを氷冷下で1MTMSOTfのTFA溶液(5v/v%のm-Cresol含有)に溶かし、1時間後、エーテルを加えて固化させた。固化物を0.5Mの炭酸水素アンモニウム水溶液(pH7.8)10mLに溶かし、0.5M炭酸水素アンモニウム水溶液 (pH7.8)200mLに対して30分間、500mLに対して1時間、さらに1Lに対して終夜で透析した。得られた溶液を透析チューブから回収し、純水20mLで希釈した。この溶液を凍結乾燥して、白色綿状のコラーゲンポリマー368mgを得た。このコラーゲンポリマーは加熱してもコアセルベートを形成することはなかった。
上記コラーゲンポリマー368mgを10mg/mLの濃度で純水に溶かし、37℃で一晩放置することにより、10mm×10mmのコラーゲンシートを得た。コラーゲンシートのSEM画像を図3に示す。
(比較例2)
コラーゲン原料のトリペプチドと、エラスチン原料のトリペプチドとを、モル比で7:3となるように10mg/mLの濃度でDMSOに溶解させた。これに、水溶性カルボジイミド19mg、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール13mgを加えて、室温で撹拌して2日間重合させ、得られた溶液を水に対して12時間透析した(MWCO3000)。これにより、モル比7:3でランダム重合された平均分子量150,000のポリマーを得た。このポリマー溶液を実施例1と同様にしてポリマーシートとした。なお、このポリマーはゲル化することができなかった。
(評価試験)
実施例1及び実施例2で得られたハイブリッドポリマーシート、比較例で得られたコラーゲンシートについて、表面性、ハンドリング、加温によるゲル化、引張り強度、細胞接着性を評価した。これらの評価方法を以下に示す。また、評価結果を表1に示す。
(1)表面性
各シートの表面に凹凸があるか否かを目視により確認した。シートの厚みに明らかなムラが認められる場合に「×」とし、認められない場合に「○」と判断した。
(2)ハンドリング
各シートを手に持って基板上に拡げた際に、シートに割れや欠けが生じれば「×」と判断し、生じなければ「○」と判断した。
(3)加温によるゲル化
各シートを水中に浸し、ヒータ付きセルホルダを装着した紫外可視分光高度計(日本分光、商品名:UBest560)を用いて、温度を変えて400nmの濁度を測定することによりゲル化した温度を求めた。
(4)引張り強度
各シートから短冊状の試験片を採取し、該試験片の両端を一対のクリップで挟み、一方のクリップを固定し、他方のクリップにバネ計りを連結した。バネ計りを毎分1mmで移動させて試験片を引張り、試験片に亀裂が生じた際のバネ計りの目盛りを読み取った。この読取値に対して、比較例1のコラーゲンシートの引張り強度を1(実測値:0.1kg)として、実施例1及び実施例2のハイブリッドポリマーシートの引張り強度を比として算出した。また、比較例2のポリマーシートについても同様の引張り試験を行ったが、引張り強度が0.1kgに達する前に破断した。
(5)細胞接着性1
各シートを10mm×10mmに裁断してγ線滅菌を施してから、浮遊性細胞培養用のフラスコ(Nunc、25cm2型)に入れた。このフラスコに、10%FBS(大日本製薬)を含有するRPMI1640培地(シグマ)を5mL加えた。さらに、PC12細胞1×10個を加え、37℃に温度設定されたCOインキュベータ内に静置して培養を行った。1日経過後に細胞の有無を確認し、4日経過後にシートを取り出した。取り出したシートをトリプシン処理して細胞を剥離させて個数を計数した。
(6)細胞接着性2
実施例1のハイブリッドポリマーを10mg/mLを純水に溶解した。この水溶液を50℃の加熱してゲル化した。得られたポリマーゲルを10mm×10mmのセラミック基板にスピンコートして37℃で乾燥し、ポリマーゲルで被膜されたセラミック基板を得た。このセラミック基板をガンマ線滅菌し、浮遊細胞培養用のフラスコ(Nunc、25cm型、商品名:Nunc浮遊細胞用フラスコ)に入れた。このフラスコに、10%FBS(大日本製薬)入りRPMI1640培地(シグマ)を5mL入れ、さらにPC12細胞1×10個を加えて、COインキュベータ内に静置して37℃で培養した。1日経過後に、目視によりポリマーゲルに細胞の接着が確認された。4日経過後に、セラミック基板をフラスコから取り出し、トリプシン処理によりポリマーゲルから細胞を剥離させて個数を計測した。その結果、8×10個の細胞が計測された。
(7)細胞接着性3
実施例1のハイブリッドポリマーを10mg/mLを純水に溶解した。この水溶液を50℃の加熱してゲル化した。得られたポリマーゲルを30mm×10mmのポリ乳酸基板にスピンコートして37℃で乾燥し、ポリマーゲルで被膜されたポリ乳酸基板を得た。このポリ乳酸基板をガンマ線滅菌し、浮遊細胞培養用のシャーレ(Nunc、90mm型、商品名:Nunc浮遊細胞用シャーレ)に入れた。このシャーレに、10%FBS(大日本製薬)入りRPMI1640培地(シグマ)を5mL入れ、さらにPC12細胞1×10個を加えて、COインキュベータ内に静置して37℃で培養した。1日経過後に、目視によりポリマーゲルに細胞の接着が確認された。4日経過後に、ポリ乳酸基板をフラスコから取り出し、トリプシン処理によりポリマーゲルから細胞を剥離させて個数を計測した。その結果、3×10個の細胞が計測された。
(8)徐放性試験
実施例1のハイブリッドポリマー10mg/mLを純水に溶解した。さらに、この水溶液に、インスリン100μgを加えて溶解し、60℃に加熱してゲル化させ、その後、徐々に乾燥させてインスリンを内包するハイブリッドポリマーシートを作製した。得られたインスリン内包ハイブリッドポリマーシートは、縦横が10mm×15mm、厚みが0.3mmであった。このインスリン内包ハイブリッドポリマーシートをリン酸緩衝液10mL中に浸潤させて、HPLCにより緩衝溶液中に放出されたインスリン量を測定した。
(1)表面性、(2)ハンドリング、(3)ゲル化温度、(4)引張り強度、(5)細胞接着性1、(6)細胞接着性2、(7)細胞接着性3の評価結果を表1に示す。また、(8)徐放性試験の評価結果を表2に示す。
表1に示されるように、実施例1及び実施例2のハイブリッドポリマーシートは、比較例1のコラーゲンシートに比べて表面性、ハンドリング、及び引張り強度に優れることが確認された。また、比較例1のコラーゲンシート及び比較例2のポリマーシートは60℃付近まで加温してもゲル化しないことが確認された。細胞接着性1においては、ハイブリッドポリマーシートは、コラーゲンシートと同様に細胞培養が可能であることが確認された。細胞接着性2及び細胞接着性3においては、ポリマーゲルが基材に積層されたポリマー積層体を用いて細胞培養が可能であることが確認された。徐放性試験においては、薬剤内包ポリマーゲルが乾燥されてなるハイブリッドポリマーシートを薬剤を徐放させる基材として使用できることが確認された。
図1は、実施例1のハイブリッドポリマーシートのSEM画像である。 図2は、実施例2のハイブリッドポリマーシートのSEM画像である。 図3は、比較例1のコラーゲンシートのSEM画像である。

Claims (11)

  1. 式(1)で示される第1ペプチド成分の重合体である第1ポリマーと、式(2)で示される第2ペプチド成分の重合体である第2ポリマーとが直列に連結されてなる式(3)又は式(4)で示されるハイブリッドポリマーであって、
    上記第1ポリマー及び第2ポリマーは、第1ペプチド成分又は第2ペプチド成分の8量体以上であるハイブリッドポリマー。
    式(1):H-Gly-Xaa-Gly-Val-Pro-OH(Xaaは、Val、Ile、Lys、Glu、Ala、Ser、Thr、Asn、Glnよりなる群から選ばれるいずれか1つである。)
    式(2):H-Pro-Yaa-Gly-OH(Yaaは、Hyp、Pro、Gly、Ala、Leu、Ser、Thr、Asn、Glnよりなる群から選ばれるいずれか1つである。)
    式(3):H-(Gly-Xaa-Gly-Val-Pro)m-(Pro-Yaa-Gly)n-OH(m,nは自然数である。)
    式(4):H-(Pro-Yaa-Gly)m-(Gly-Xaa-Gly-Val-Pro)n-OH(m,nは自然数である。)
  2. 上記第1ポリマーに対して、上記第2ペプチド成分が重合されたものである請求項1に記載のハイブリッドポリマー。
  3. 上記第2ポリマーに対して、上記第1ペプチド成分が重合されたものである請求項1に記載のハイブリッドポリマー。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のハイブリッドポリマーを含む水溶液を、50〜90℃に加熱してゲル化することにより得られるポリマーゲル。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載のハイブリッドポリマーを含む水溶液を、50〜90℃に加熱してゲル化するポリマーゲルの製造方法。
  6. 請求項1から3のいずれかに記載のハイブリッドポリマーを含む水溶液を50〜90℃に加熱して所望の形状にキャストし、4〜50℃で水分を蒸発させることによりシート形状に成形して得られるハイブリッドポリマーシート。
  7. 請求項1から3のいずれかに記載のハイブリッドポリマーを含む水溶液を50〜90℃に加熱して所望の形状にキャストし、4〜50℃で水分を蒸発させることによりシート形状に成形するハイブリッドポリマーシートの製造方法。
  8. 引張り強度が0.2kg/cm以上である請求項6に記載のハイブリッドポリマーシート。
  9. 請求項6又は8に記載のハイブリッドポリマーシートが、基材上に積層されたポリマー積層体。
  10. 請求項1から3のいずれかに記載のハイブリッドポリマー及び薬剤を含む水溶液を、50〜90℃に加熱してゲル化することにより得られる当該薬剤を内包する薬剤内包ポリマーゲル。
  11. 請求項1から3のいずれかに記載のハイブリッドポリマー及び薬剤を含む水溶液を、50〜90℃に加熱してゲル化して、当該薬剤をゲルに内包させる薬剤内包ポリマーゲルの製造方法。
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