JP4877944B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
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Description
送信信号及び受信信号は1本の信号線を共用するので、受信回路には高電圧の送信信号が流入する。従って、受信回路のプリアンプを送信信号から保護する必要がある。
また、スイッチを備える保護回路では、送信モードと受信モードを切り替えるための切替信号が必要になるという問題点がある。受信時には、保護回路はベース接地型増幅器として動作して入力インピーダンスが小さくなる。従って、受信信号を十分通すには時定数を大きくするべく大容量のコンデンサが必要であるという問題点がある。送信時には、スイッチや出力端子に高電圧がかかる。従って、高耐圧素子が必要であるという問題点がある。
超音波の受信時には、受信信号は、コンデンサと抵抗で構成されるハイパスフィルタを通り、プリアンプに入力されて増幅される。
また、入力抵抗回路に、スイッチング素子を設け、超音波の送信時にはスイッチング素子をオンし超音波の受信時にはスイッチング素子をオフするので、抵抗値が大きい抵抗をオンチップすることが困難な場合であっても抵抗に代えて電界効果トランジスタ等のスイッチング素子を用いることによりIC化等の小型化を図ることができる。
尚、送信信号は振幅が大きい信号でありダイオードの順方向動作電圧Vf(0.6V〜0.8V)以上になるのでクランプされる。受信信号は振幅が小さい信号でありダイオードの順方向動作電圧Vfを超えないのでクランプされない。
これにより、グランド中心あるいは第2電源中心の振幅の受信信号をプリアンプに入力することができる。
これにより、プリアンプの高入力インピーダンス性を確保し、コンデンサの容量及びサイズを十分小さくして回路規模を小さくすることができる。
これにより、送信回路の送信アンプの負荷を抑制することができる。
また、入力抵抗回路の抵抗値は、コンデンサの容量と入力抵抗回路の抵抗値とにより決定されるカットオフ周波数が送信信号の周波数より小さくなる抵抗値であることが望ましい。
これにより、受信信号の損失及びノイズを抑制することができる。
最初に、図1及び図2を参照しながら、本発明の第1の実施の形態に係る超音波診断装置1について説明する。
図1は、超音波診断装置1の構成図である。
超音波診断装置1は、超音波探触子2、送信回路3、受信回路4、送受分離回路5、制御部6、画像処理部7、画像表示部8から構成される。
図2は、送受分離保護回路10の構成図である。
送受分離保護回路10は、送信回路3と受信回路4との接続点に設けられる。送受分離保護回路10は、コンデンサC1、ダイオードD1及びダイオードD2、抵抗R1等から構成される。送受分離保護回路10は、図1の送受分離回路5の機能を備える。
送信回路3の接続点と受信回路4のプリアンプ11との間には、コンデンサC1が直列に接続され、ダイオードD1及びダイオードD2及び抵抗R1が並列に接続される。
ダイオードD1のアノード及びダイオードD2のカソードは、コンデンサC1及び抵抗R1及びプリアンプ11に接続される。ダイオードD1のカソードは、電源Vddに接続される。ダイオードD2のアノードは、接地される。抵抗R1は、バイアス電源Vrefに接続される。
プリアンプ11は、FET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)入力の低ノイズアンプ(LNA:Low Noise Amp)である。
(1−3−1.超音波送信時の動作)
送信回路3は、超音波探触子2に送信信号を送る。送信回路3の送信アンプは、高電圧の送信信号(例えば、100Vpp、2〜10MHz)を出力する。送信信号は、コンデンサC1に流入する。コンデンサC1に流入した送信信号は、コンデンサC1によりカップリングされて直流成分が遮断され、ダイオードD1及びダイオードD2によりクランプされて所定電圧となり、プリアンプ11に出力される。
例えば、電源Vddの電圧値が5Vである場合、送信信号がプリアンプ11に入力する際の電圧は、−0.6V〜+5.6V程度に制限される。従って、後段のプリアンプ11のFETは、損傷を受けない。
超音波探触子2からの受信信号は、非常に小さい。従って、受信信号は、ダイオードD1及びダイオードD2にクランプされない。受信信号は、コンデンサC1と抵抗R1で構成されるハイパスフィルタを通り、受信回路4のプリアンプ11に入力される。受信信号は、プリアンプ11により増幅され受信処理部12により信号処理される。
例えば、コンデンサC1の容量が10pFであり抵抗R1の抵抗値が100kΩである場合には、時定数τは1μsecとなる。そして、これらのコンデンサC1及び抵抗R1により構成されるハイパスフィルタの遮断周波数(カットオフ周波数)fcは、fc=1/(2π・C1・R1)≒160kHz、となる。超音波診断装置における送信信号及び受信信号の周波数は2〜10MHzであるので、遮断周波数は100kHz〜1MHz程度が適当である。従って、コンデンサC1の容量が10pFである場合には抵抗R1の抵抗値を100kΩ以上とすることが望ましい。
以上説明したように、第1の実施の形態では、送信回路の接続点と受信回路のプリアンプとの間にコンデンサが直列に設けられ、相補ダイオード及びバイアス電源に接続する抵抗が並列に設けられる。送信信号の電圧はコンデンサの両端にかかるので、相補ダイオードは高耐圧である必要はない。また、送信信号はコンデンサを通過後に相補ダイオードによりクランプされるので、受信回路のプリアンプが保護される。
さらに、超音波探触子の容量と比較してコンデンサの容量を十分小さくすることができるので、送信回路の送信アンプの負荷が増大することもない。
次に、図3を参照しながら、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図3は、送受分離保護回路10aの構成図である。
第2の実施の形態の送受分離保護回路10aは、第1の実施の形態の送受分離保護回路10のダイオードD1及びダイオードD2に代えて、ダイオードD3及びダイオードD4を用いたものである。
第1の実施の形態のプリアンプ11は、所定の電圧値を中心とした入力電圧範囲について動作するアンプである。第2の実施の形態のプリアンプ11aは、グランド中心の入力電圧範囲について動作するアンプである。
送信信号の電圧は、コンデンサC1に印加されダイオードD1及びダイオードD2に出力される。コンデンサC1からの出力電圧の振幅が正である場合にはダイオードD4が動作し、プリアンプ11への出力電圧は、所定の正電圧でクランプされる。コンデンサC1からの出力電圧の振幅が負である場合にはダイオードD3が動作し、プリアンプ11への出力電圧は、所定の負電圧でクランプされる。従って、後段のプリアンプ11のFETは、損傷を受けない。
以上説明したように、第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、グランド中心の振幅の受信信号をプリアンプに入力することができる。
次に、図4を参照しながら、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図4は、送受分離保護回路10bの構成図である。
第3の実施の形態の送受分離保護回路10bは、第1の実施の形態の送受分離保護回路10の抵抗R1に代えて、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)Q1を用いたものである。制御部13は、電界効果トランジスタQ1のオン・オフを制御する装置である。
送信時には、制御部13は電界効果トランジスタQ1をオンし、プリアンプ11への出力電圧は、ダイオードD1及びダイオードD2によりクランプされる。また、受信時には、制御部13は電界効果トランジスタQ1をオフし、バイアス電源Vrefの電圧がプリアンプ11の入力端子に保持されると同時にプリアンプ11の高入力インピーダンス性が確保される。
以上説明したように、第3の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、抵抗値が大きい抵抗をオンチップすることが困難な場合であっても、抵抗に代えてFETを用いることにより、送受分離保護回路10b等のIC化を行うことができる。
近年、2次元超音波探触子のようにチャネル数が多い場合、チャネル毎に送受分離保護回路及び受信回路を設けるのは回路規模やケーブル本数の観点から困難である。プリアンプと超音波振動子との間のケーブル長も短い方が望ましい。従って、送受分離保護回路及び受信回路の少なくとも一部をIC化して超音波探触子部分に搭載することが望ましい。第1の実施の形態〜第3の実施の形態に係る送受分離保護回路は、高耐圧を必要としない相補ダイオードと小容量のコンデンサにより構成されるので、IC化に適している。
IC化の際には、回路基板16上の配線14と配線15との間に配線間容量C2を設けることが望ましい。サイズの小さい高耐圧チップコンデンサをIC外部に設けてもよい。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
2………超音波探触子
3………送信回路
4………受信回路
5………送受分離回路
6、13………制御部
7………画像処理部
8………画像表示部
9………超音波振動子
10、10a、10b………送受分離保護回路
11………プリアンプ
12………受信処理部
14、15………配線
16………回路基板
C1、C2………コンデンサ(容量素子)
R1………抵抗(抵抗素子)
D1、D2、D3、D4………ダイオード
Q1………トランジスタ
Vdd、Vref………電源
Claims (6)
- 被検体内に超音波を送受信する超音波振動子を備える超音波探触子と、前記超音波振動子に送信信号を供給する送信部と、前記超音波振動子からの受信信号を増幅するプリアンプを有する受信部と、前記受信部から出力される受信信号に基づいて超音波像を構成する画像処理部と、前記超音波像を表示する画像表示部と、を備える超音波診断装置であって、
前記送信部及び前記受信部の接続点と前記プリアンプの入力との間に直列に接続されるコンデンサと、
前記コンデンサからみた前記プリアンプの入力抵抗回路と、
前記コンデンサと前記プリアンプの入力との間に設けられるクランプ回路と、
を具備し、
前記入力抵抗回路は、前記プリアンプの入力とバイアス電源との間に設けられるスイッチング素子を含み、前記超音波の送信時には前記スイッチング素子をオンし前記超音波の受信時には前記スイッチング素子をオフすることを特徴とすることを特徴とする超音波診断装置。 - 前記クランプ回路は2つのダイオードを含み、一方のダイオードは前記プリアンプの入力と第1電源との間に順方向に接続され、他方のダイオードは前記プリアンプの入力とグランドまたは第2電源との間に逆方向に接続されることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
- 前記クランプ回路は2つのダイオードを含み、前記2つのダイオードはプリアンプ入力とグランドまたは第2電源との間に逆並列接続されることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
- 前記入力抵抗回路は、前記プリアンプの入力とバイアス電源との間に設けられる抵抗を含むことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
- 前記コンデンサの容量は、前記超音波振動子の等価容量と比較して小さく、前記入力抵抗回路の抵抗値は、前記コンデンサの容量と前記入力抵抗回路の抵抗値とにより決定されるカットオフ周波数が前記送信信号の周波数により小さくなる抵抗値であることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
- 前記コンデンサ、前記入力抵抗回路、及び前記クランプ回路のうち一部または全部がIC化されて前記超音波探触子に搭載されることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
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