JP4865941B2 - Polyolefin-based composite material and method for producing the same - Google Patents
Polyolefin-based composite material and method for producing the same Download PDFInfo
- Publication number
- JP4865941B2 JP4865941B2 JP2000245115A JP2000245115A JP4865941B2 JP 4865941 B2 JP4865941 B2 JP 4865941B2 JP 2000245115 A JP2000245115 A JP 2000245115A JP 2000245115 A JP2000245115 A JP 2000245115A JP 4865941 B2 JP4865941 B2 JP 4865941B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyolefin
- layered silicate
- composite material
- weight
- nucleating agent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン系樹脂を改質するために層状珪酸塩が複合化されているポリオレフィン系複合材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂の機械的物性、熱的特性またはガスバリヤー性等の性質を改善するために、層状珪酸塩を熱可塑性樹脂中に分散させる方法が知られている。粘土鉱物を構成している層状珪酸塩では、極めて微細な薄片状結晶がイオン結合により凝集されている。この凝集構造を化学的または物理的な手段により離砕し、熱可塑性樹脂中に薄片状結晶を均一に分散させることにより、上記熱可塑性樹脂の特性が改善される。
【0003】
例えば特公平8−22946号公報には、アミノカルボン酸を層状珪酸塩にインターカレートすることで層間の間隔を予め拡げておき、次いでポリアミドモノマーであるε−カプロラクタムを層間に挿入させると同時に重縮合させることによって、ポリアミド樹脂中に層状珪酸塩の薄片を均一に分散させた構造を形成することができることが開示されている。
【0004】
しかし、ポリアミドのようにモノマーを層状珪酸塩の層間に挿入できるもの以外のポリマーでは、層状珪酸塩をマトリックス中に均一分散させることは一般に極めて困難である。この問題を解決するために、種々の試みがなされている。
【0005】
例えば特開平9−183910号公報には、有機化層状珪酸塩を膨潤分散させた有機分散液とビニル系高分子化合物とを溶解状態で混合することによって、層状珪酸塩をポリマー中に分散する方法が開示されている。特開平10−182892号公報には、有機化層状珪酸塩と、水素結合性官能基を含有するポリオレフィンオリゴマーと、ポリオレフィンポリマーとを溶融混練することによって、層状珪酸塩の層間がポリマー中で無限膨潤しているポリオレフィン系樹脂複合材料を調製し得ることが開示されている。
これらの方法によれば、層状珪酸塩をポリマー中に分散させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平9−183910号公報及び特開平10−182892号公報に記載の方法では、得られた複合材料をポリマーの融点以上の温度にしばらく保持すると、層状珪酸塩の薄片状結晶の著しい凝集が生じることがわかった。図5は、特開平10−182892号公報に記載の方法により得られた複合材料の常温における光学顕微鏡写真の模式図である。図6は、この複合材料を200℃の温度で再溶融し、さらに5分間保持した後の状態を示す光学顕微鏡写真の模式図である。なお、図5及び図6においては、図中の番号が凝集部分を示す。
【0007】
図5に示されているように、溶融前には大きな凝集物が観測されないのに対し、溶融した後の状態を示す図6では、巨大な凝集粒子が多数存在している。この凝集粒子の大きさは、長径が3〜50μm程度であり、層状珪酸塩の薄片状結晶の凝集により生じたものである。
【0008】
上記のように、従来の層状珪酸塩含有複合材料では、使用されているポリマーの融点以上の温度にさらされると、層状珪酸塩の薄片状結晶の凝集が生じ、該薄片状結晶の分散により得られる効果が著しく損なわれる。すなわち、複合材料の機械的物性、熱的特性及びガスバリヤ性等の特性が溶融処理後に著しく損なわれる。
【0009】
一般の工業プロセスにおいては、マスターバッチとして利用したり、あるいは材料を再利用したりするために、いったん得られた成形品を再度溶融成形して用いるケースが非常に多い。ところが、上記複合材料では、再度溶融すると、層状珪酸塩の分散性が著しく低下し、再度層状珪酸塩が分散された複合材料としての特性を発現させることが困難となる。
【0010】
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、使用されているポリマーの融点以上の温度に保持されたとしても、層状珪酸塩の分散状態が安定に保持される層状珪酸塩含有ポリオフィレン系複合材料及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願の第1の発明は、ポリオレフィン系樹脂100重量部及び有機化層状珪酸塩0.1〜50重量部からなるポリオレフィン系複合材料であって、結晶核剤を0.5〜10重量部さらに含み、前記ポリオレフィン系樹脂の融点+40℃以上の温度に前記ポリオレフィン系複合材料を保持した後に、X線回折測定により検出される有機化層状珪酸塩の平均層間距離が6nm以上であることを特徴とする。
【0012】
第2の発明は、ポリオレフィン系樹脂100重量部及び有機化層状珪酸塩0.1〜50重量部からなるポリオレフィン系複合材料であって、結晶核剤を0.5〜10重量部さらに含み、前記ポリオレフィン系樹脂の融点+40℃以上の温度に前記ポリオレフィン系複合材料を保持した後に、長径が3μm以上の粒子数の保持前後での増大割合が50%以下であることを特徴とする。
【0013】
第1,第2の発明では、結晶核剤0.5〜10重量部がさらに含有されており、それによってポリオレフィンの結晶の析出が抑制され、有機化層状珪酸塩の分散性が良好に維持される。好ましくは、上記結晶核剤として、ロジン系結晶核剤またはソルビトール系結晶核剤が用いられ、有機化層状珪酸塩の分散状態がより一層良好に保持される。
【0016】
第1,第2の発明に係るポリオレフィン系複合材料において、上記有機化層状珪酸塩を構成するための層状珪酸塩としては、好ましくは膨潤性スメクタイト系粘度鉱物/または膨潤性雲母が用いられる。
【0017】
また、上記ポリオレフィン系樹脂としては、好ましくは、エチレン単独重合体、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン単独重合体、及びプロピレンとα−オレフィンとの共重合体のうち少なくとも一種が用いられる。
【0018】
本発明に係るポリオレフィン系複合材料は、たとえば以下のような製造方法により得ることができる。
本発明に係るポリオレフィン系複合材料の製造方法のある局面では、上記ポリオレフィン系樹脂100重量、有機化層状珪酸塩0.1〜50重量部と、結晶核剤0.5〜10重量部と溶融練することによりポリオレフィン系複合材料が得られる。
【0019】
また、本発明の製造方法のさらに他の局面では、ポリオレフィン系樹脂の融点以下の温度にて、有機化層状珪酸塩がポリオレフィン系樹脂に化学結合される。
【0020】
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明において、上記層状珪酸塩とは、多数の微細な薄片状結晶からなる複数の層を有し、層間に被交換性陽イオンを有する珪酸塩鉱物を意味する。この薄片状結晶は、通常、厚さが約1nmであり、その長径と厚みの比(以下、アスペクト比とする)が約20〜200程度である。層状珪酸塩では、これらの微細な薄片状結晶がイオン結合により凝集されている。
【0021】
上記層間に被交換性陽イオンを有する層状珪酸塩の種類は特に限定されず、例えば、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト等のスメクタイト系粘土鉱物;バーミキュライト、ハロイサイト等の天然雲母;または膨潤性雲母(膨潤性マイカ)等の合成雲母を挙げることができ、天然物であってもよく合成されたものであってもよい。好ましくは、膨潤性スメクタイト系粘土鉱物または膨潤性雲母が用いられる。
【0022】
上記層状珪酸塩は2種以上併用されてもよい。
また、層状珪酸塩は、その薄片状結晶が隔壁として作用し、複合材料のガスバリヤ性を高める作用を有する。従って、層状珪酸塩の薄片状結晶のアスペクト比が高いほど、ガスバリヤ性が高くなる。よって、アスペクト比が100程度の値を有するモンモリロナイト、アスペクト比が約150程度の値を有する膨潤性雲母が、ガスバリヤ性が求められる用途では好ましく用いられる。
【0023】
層状珪酸塩の結晶薄片の構造を図1に略図的に示す。また、図2は、図1に示した立方体部分Xを拡大したモンモリロナイトの結晶構造の模式図である。層状珪酸塩では、層間に存在する交換性陽イオンを有する。この交換性陽イオンは、一般に結晶表面(B)上のナトリウムイオンやカルシウムイオンなどである。これらのイオンは、カチオン性物質とのイオン交換性を有するので、カチオン性を有する種々の物質を層間に挿入することができる。
【0024】
本発明では、有機化層状珪酸塩が用いられる。有機化層状珪酸塩とは、疎水性基を有する化学種により層状珪酸塩の層間がイオン交換されているものをいう。有機化層状珪酸塩では、層間が疎水化されているので、非極性樹脂であるポリオレフィン系樹脂に対して高い親和性を有する。
【0025】
層間の疎水化は、層状珪酸塩の層間に存在する被交換性陽イオンをカチオン系界面活性剤によりイオン交換することにより行われる。
一般に層状珪酸塩の層間(すなわち薄片状結晶表面)に存在する被交換性陽イオンは、通常、ナトリウムやカルシウムなどのイオンであり、これらのイオンは、カチオン系界面活性剤の交換性陽イオンとイオン交換性を有する。従って、交換性陽イオンを有する種々のカチオン系界面活性剤を層間に挿入することができる。
【0026】
よって、極性の低いカチオン系界面活性剤を用いて、上記被交換性陽イオンをカチオン系界面活性剤の交換性イオンとイオン交換することにより、層状珪酸塩の結晶表面が非極性化または低極性化され、非極性樹脂中における層状珪酸塩の分散性を高めることができる。
【0027】
上記被交換性陽イオンは、上述したように、通常、ナトリウムやカルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属のイオンであり、上記交換性陽イオンとしては、上記被交換性陽イオンよりも卑または同等のイオンが用いられる。
【0028】
なお、被交換性陽イオンと同等のイオンを用いる場合には、交換性陽イオンの濃度は、被交換性陽イオンの濃度よりも高ければよい。
上記カチオン系界面活性剤としては特に限定されず、通常用いられるカチオン系界面活性剤が用いられ、例えば、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等を主体成分とするものが挙げられ、好ましくは、炭素数8以上のアルキル鎖を有する4級アンモニウム塩が用いられる。炭素数が8以上のアルキル鎖を含有しない場合には、アルキル基アンモニウムイオンの親水性が強く、層状珪酸塩の層間を十分に非極性または低極性化することが困難となる。
【0029】
上記4級アンモニウム塩としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、トリオクチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。
【0030】
上記層状珪酸塩の陽イオン交換容量は特に限定されないが、少なすぎると結晶層間にイオン交換によりインターカレートされるカチオン系界面活性剤の量が少ないために、層間が十分に疎水化されない場合があり、多すぎると層状珪酸塩の層間の結合力が強固となり、結晶薄片をデラミネート(層間剥離)することが困難な場合があるので、50〜200ミリ当量/100gであることが好ましい。
【0031】
また、本発明に係るポリオレフィン系複合材料では、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、有機化層状珪酸塩は0.1〜50重量部の範囲で用いられる。0.1重量部未満では、有機化層状珪酸塩を分散させた効果が得られず、50重量部を超えると、物性上、硬くて脆くなる傾向が強くなり、成形性・外観がそこなわれる。
【0032】
本発明において用いられるポリオレフィン系樹脂については、特に限定されず、エチレン、プロピレンまたはα−オレフィンの単独重合体;エチレンとプロピレンの共重合体、エチレンとα−オレフィンの共重合体、プロピレンとα−オレフィンの共重合体、2種以上のα−オレフィンの共重合体等が挙げられる。上記α−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる。
【0033】
また、これらのポリオレフィン系樹脂は単独で用いられてもよいし、2種以上混合されて用いられてもよい。
また、上記ポリオレフィン系樹脂の分子量及び分子量分布は特に限定されるものではなく、重量平均分子量は、好ましくは、5,000〜5,000,000、より好ましくは20,000〜300,000であり、分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、好ましくは、2〜80、より好ましくは3〜40とされる。
【0034】
上記ポリオレフィン系樹脂には適宜、他種の高分子化合物がアロイ化またはブレンドされていても構わない。例えば、マレイン酸等のカルボン酸をグラフトした高分子化合物を少量添加しておき、予めポリオレフィン系樹脂と層状珪酸塩との親和性を高めておいてもよい。
【0035】
本発明に係るポリオレフィン系複合材料中の有機化層状珪酸塩のX線回折測定によって検出される平均層間距離は、6nm以上であることが好ましい。一般に、無機物によるポリマーの強化は、そのポリマー/無機界面の面積が大きければ大きいほど、効率的に為される。従って、層状珪酸塩がイオン結合力によりお互いに凝集した状態、即ち1〜2nm程度の層間距離にて存在する場合には、層状珪酸塩の添加による改質効果は非常に小さい。層状珪酸塩の薄片状結晶をポリマー中に分散することが出来て初めて、複合材料の機械強度、耐熱特性、さらにはガスバリヤー性等の性質を著しく改善することが可能となる。一般に層状珪酸塩の層間引力は、その層間が6nm以上に引き剥がされたときに極めて小さくなる為、平均層間距離を6nm以上とすることが重要である。
【0036】
本発明において定義される層間距離とは、層状珪酸塩の薄片状結晶の001面の面間隔、すなわち図1における2枚の薄片状結晶の中心間距離のことを指す。また本発明において定義される平均層間距離は、薄片状結晶間距離及びその薄片状結晶間距離にある珪酸塩の量を、X線回折により求めることによって算出される。以下に典型的な2つの例を示す。図3は平均層間距離が6nm以上の場合、図4は平均層間距離が6nm未満の場合のX線回折プロファイルである。即ち、図3においては、層間距離2nmの位置に小さい回折ピークが観測されるものの、層間距離の大部分は、6nm以上のブロードな回折線により確認することが出来る。
【0037】
上記のように、層状珪酸塩の薄片状結晶が複合材料中において十分に分散されていたとしても、該複合材料を再度ポリオレフィン系樹脂の融点以上の温度に保持し、さらに固化した場合、前述したように層状珪酸塩の薄片状結晶の凝集による凝集粒子が生じる。
【0038】
本発明に係るポリオレフィン系複合材料では、このように再溶融処理をした場合においても層状珪酸塩の薄片状結晶の分散状態を良好に保持し、上記凝集粒子の発生を効果的に抑制することができる。
これを以下においてより詳細に説明する。上記のような熱処理に際し、層状珪酸塩の分散性が損なわれる理由は、以下の通りと考えられる。
【0039】
(1)ポリオレフィンは元来疎水性が非常に高く、層状珪酸塩のように親水性の表面を有する物質と本質的になじまない。本発明では、層状珪酸塩を有機化することにより、ポリオレフィンとの親和性が高められているが、なお、層状珪酸塩は局所的に親水性表面を残しているので、層状珪酸塩同士で凝集しようとする傾向がある。
【0040】
(2)ポリオレフィンを冷却すると、冷却条件によっては、数10μm径にも及ぶ球晶あるいは結晶が析出、層状珪酸塩がこの結晶成長により排除され、結晶界面において凝集する。
【0041】
本願発明者らは、そこで、結晶核剤を添加すれば、巨大結晶の析出を抑制することができ、それによって層状珪酸塩の分散状態を良好に保持し得ることを見いだした。
【0042】
上記結晶核剤は特に限定されるわけではないが、ロジン酸部分金属塩などのロジン系結晶核剤や、ジベンジリデンソルビトール化合物に代表される結晶核剤などの、溶解型結晶核剤が好ましく用いることが可能である。
【0043】
ジベンジリデンソルビトール化合物としては、ジベンジリデンソルビトール、ビス(ジメチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(ジエチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(ジプロピルベンジリデン)ソルビトール、ビス(ジブチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(ヘキシルベンジリデン)ソルビトール、ビス(ジクロルベンジリデン)ソルビトール等が挙げられ、これらは単独で用いられても良いし併用されても良い。
【0044】
入手可能な市販の結晶核剤として、KM1500、KM1300(荒川化学社製)のようなロジン系結晶核剤、EC1、EC1−55、EC−4(イーシー化学社製)、ゲルオールMD、ゲルオールD、ゲルオールMD−R、ゲルオールDH、ゲルオールT(新日本理化社製)のようなジベンジリデンソルビトール系結晶核剤等が挙げられる。
【0045】
中でも、ロジン系結晶核剤は、その構造中の金属や親水基が、層状珪酸塩の局所的な親水部と強い親和性を有するため、層状珪酸塩表面にポリマーの結晶核を与えやすい。すなわち、層状珪酸塩表面において優先的にポリマーの結晶成長が進行することになり、結晶成長による層状珪酸塩の排除及び結晶界面における凝集が抑制される。従って、溶融された複合材料を再度固化した際にも、層状珪酸塩の薄片状結晶の分散状態が良好に維持される。
【0057】
【実施例】
次に、実施例、比較例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
以下の実施例、比較例で用いた原材料について説明する。
A:用いた原材料
【0058】
(1)層状珪酸塩
層状珪酸塩として、以下に示す鉱物を用いた。
・モンモリロナイト:豊順鉱業製モンモリロナイト(商品名;ベンゲルA)
・膨潤性マイカ:コープケミカル製膨潤製マイカ(商品名;ME−100)
【0059】
(2)有機化層状珪酸塩
有機化層状珪酸塩として、層間にカチオン系界面活性剤を含有する以下に示す市販品を用いた。
・DSDM変性モンモリロナイト:
豊順鉱業製DSDM変性モンモリロナイト(商品名;ニューエスベンD=ジステリアルジメチルアンモニウムクロライドにてモンモリロナイト層間のナトリウムイオンを全量イオン交換した有機化モンモリロナイト)
・DSDM変性膨潤性マイカ:
コープケミカル製DSDM変性膨潤性マイカ(商品名;MAE=ジステアリルジメチルアンモニウムクロライドにてモンモリロナイト層間のナトリウムイオンを全量イオン交換した有機化膨潤性マイカ)
【0060】
(3)ビニルトリメトキシシラン処理モンモリロナイト
豊順鉱業製DSDM変性モンモリロナイトをヘンシェルミキサー中で攪拌しながら、ビニルトリメトキシシラン(和光純薬製)を前記固形分に対し2重量%滴下した。
【0061】
(4)ポリオレフィン系樹脂
ポリオレフィン系樹脂として以下の市販品を用いた。
・ポリプロピレン:
(日本ポリケム、商品名;EA9、密度0.91、MFR=0.5)
・ポリエチレン:
(日本ポリケム、商品名;HB530、密度0.96、MFR=0.5)
・シラン変性ポリエチレン
(日本ポリケム、商品名;リンクロン、密度0.94、MFR=2.1)
【0062】
(5)酸変性ポリオレフィン樹脂
ポリオレフィン系樹脂と層状珪酸塩の親和性を高める為に用いる為に以下の市販品を用いた。
・無水マレイン酸変性ポリプロピレンオリゴマー:
(三洋化成製 商品名;ユーメックス1001、官能基含有量=0.23m mol/g)
・無水マレイン酸変性ポリエチレンオリゴマー:
(三洋化成製 商品名;ユーメックス2000、官能基含有量=0.92mmol/g)
【0063】
(6)結晶核剤
結晶核剤として、以下の市販品を用いた。
・ロジン系結晶核剤
(荒川化学製 商品名;KM1500)
・ソルビトール系結晶核剤
(新日本理化製 商品名;ゲルオールMD)
【0064】
(7)ポリエチレン重合用試剤
ポリエチレンを重合する為の試剤として、以下の市販品を用いた。
・ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロライド(アルドリッチ社)
・メチルアルモノキサン(アルドリッチ社)
【0065】
(8)架橋助剤
架橋助剤として、以下の市販品を用いた。
・トリメチルペンタトリアクリレート
(日本油脂製 商品名;ライトエステル TPMTA)
B:層状珪酸塩分散手法
層状珪酸塩の分散は、以下の(1)〜(3)の手法により行った。なお、(1)の方法は、特開平10−182892号公報に記載の方法と同様である。
【0066】
(1)(実施例1〜5、11及び比較例1〜4、比較例9)
東洋精機製ラボプラストミル中に、ポリプロピレン樹脂(日本ポリケム、商品名;EA9、密度0.91、MFR=0.5)、ポリエチレン樹脂(日本ポリケム、商品名;HB530、密度0.96、MFR=0.5)、シラン変性ポリエチレン樹脂(日本ポリケム、商品名;リンクロン、密度0.94、MFR=2.1)、ポリエチレン樹脂またはシラン変性ポリエチレン樹脂と、無水マレイン酸変性ポリプロピレンオリゴマー(三洋化成製 商品名;ユーメックス1001、官能基含有量=0.23mmol/g)、または無水マレイン酸変性ポリエチレンオリゴマー(三洋化成製 商品名;ユーメックス2000、官能基含有量=0.92mmol/g)と、コープケミカル性DSDM変性膨性マイカ(商品名;MAE)または豊順鉱業製OSDM変性モンモリロナイト(商品名;ニューエスベンD)とを、下記の表1に示すように、重量比で80/5/10の割合で供給した。また必要に応じて、下記の表1に示すように、所望の結晶核剤を下記の表1に示す量を供給した。設定温度200℃にてN2 ガス雰囲気下、10分間溶融混練した。得られた複合材料組成物を溶融状態にて取り出し、金型内に速やかに仕込み、100kg/cm2 にて1分間金型内容物を押圧するとともに、室温まで金型を急速に冷却することにより1mm厚さのシート状物を成形した。
【0067】
(2)(実施例6及び比較例5、7、8、10)
東洋精機製ラボプラストミル中に、下記の表1に示すポリオレフィン系樹脂と有機化層状珪酸塩を重量比率で95/5の比率にてフィードし、設定温度200℃にて10分間溶融混練した。
【0068】
得られた複合組成物を溶融プレスにて200℃で5分間予熱し、1分間100kg/cm2 にて押圧することにより、1mm厚さのシート状物を成形した。1mm厚さのシート状物を3cm角に切り出し、オートクレーブ中に密閉し、ポリオレフィン系樹脂の融点またはガラス転移温度より10℃高い温度にオートクレーブの内部温度を設定した。次いで、炭酸ガスまたは窒素ガスをオートクレーブに高圧にて注入し、オートクレーブ内の内圧が170kg/cm2 である状態にて30分間保持した。さらにオートクレーブ内の温度を、ポリオレフィン系樹脂の融点またはガラス転移温度より10℃低い温度に設定し、この状態で一気にオートクレーブ内のガスを抜き、内圧を常圧にまで戻し、発砲体を得た。
【0069】
(3)(実施例7、比較例6)
500mlの4つのロフラスコ中に蒸留済のトルエンを300ml導入し、有機化層状珪酸塩を、0.5g添加した。1時間常温にて攪拌し、混合スラリーの透明化を確認した後に、該スラリーの回りを窒素置換し、外気との接触を遮断した。さらに該混合スラリーに対して、メチルアンモノキサンを0.05g添加し、15分間攪拌を行った。予め100mlのトルエンに対して0.02gのジシクロペンタジエニルジクロライドを溶解させておいた溶液を、前記スラリーに加え、直ちにエチレンガスをフィードした。
【0070】
3時間反応を続けた後に、フラスコの内容物を取り出し、メタノールで再沈、洗浄を繰り返したのちに、濾過により固形物を取り出した。
C:架橋方法
上記のようにして得たサンプルの内、表1に示すように比較例7については必要に応じて下記の架橋処理を行った。
【0071】
(1)電子線架橋
電子線架橋、電子線照射に供するサンプルを、1mmの厚さに切り出し、日新ハイボルテージ製の電子照射装置により、1Mradの電子線を照射した。
【0072】
(2)熱水架橋
熱水架橋に供するサンプルを、1mmの厚さに切り出し、100℃に温度調節された恒温槽内に設置した。次いで恒温槽内に100℃の水蒸気を導入し、恒温槽内の圧力を1.2気圧に設定した。該処理を5時間行ったのちに、サンプルを取り出した。
D:評価方法
以上のようにして得たサンプル及び後処理が施されたサンプルについて下記の要領で評価した。結果を表2に示す。
【0075】
(2)熱処理による凝集状態の変化
上記手法により得られたサンプルをマイクロトームにより30μmの厚さに切り出し、光学顕微鏡により、3mm角の視野における、長片が3μm以上の粒子の数を数えた。また、同光学顕微鏡の試料台上に設置したホットステージにより、サンプルを同サンプルの融点+40℃の温度にて5分間保持し、このときの3mm角の視野における、長片が3μm以上の粒子の数を数えた。
【0076】
(3)曲げ弾性率
上記手法により得られたサンプル1mm厚の板状物から試験片を切り出し、ポリオレフィン系樹脂の融点+40℃の温度に5分間維持した後、再度固化させてから、JISK7207に規定される方法にて、テンシロン試験機を用いて曲げ弾性率を測定した。
【0077】
層状珪酸塩分散手法が(2)の方法により得られたサンプル(実施例6及び比較例5,7,8,10)については、サンプルが発砲体形状を有する為、本評価を行わなかった。
【0078】
(4)酸素透過性
上記手法により得られたサンプル100μm厚の板状物から試験片を切り出し、ポリオレフィン系樹脂の融点+40℃の温度に5分間維持した後、再度固化させてから、酸素透過性試験機(モダンコントロール社製:装置名Oxtran−Twin)にて酸素ガスの透過速度を測定した。
【0079】
層状珪酸塩分散手法が(2)の方法により得られたサンプル(実施例6及び比較例5,7,8,10)については、サンプルが発砲体形状を有する為、本評価を行わなかった。
【0080】
(5)層状珪酸塩の層間距離
ポリオレフィン系樹脂の融点+40℃の温度に5分間維持した後、再度固化させてから、X線回折測定装置(リガク製;RINT1100)により複合物中の層状珪酸塩の積層面の回折より得られる(100)面の2θを測定し、ブラックの回折式(3)を用いて該層状珪酸塩の面間隔を算出した。
【0081】
λ=2dsinθ・・・・(3)
(λ=1.54、d;層状珪酸塩の面間隔、θ;回折角)
(3)式より得られたdを平均層間距離と称することとした。
E:評価結果
表1、表2に、実施例、及び比較例の配合の詳細及び評価結果を示す。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
(1)結晶核剤添加の効果
実施例1〜7及び、比較例1,2,4,5の比較により、いずれの結晶核剤も、熱処理による複合材料中の凝集物の発生を抑制するのに著しい効果を有することがわかる。表2に示されているように、いずれのポリマー、有機化層状珪酸塩、添加物、分散方法を用いた場合にも、結晶核剤を0.1〜10重量部添加した場合においては長径3μm以上の粒子の増大が50%以下であるのに対し、結晶核剤を添加しなかった場合においては凝集粒子の著しい増大が確認された。凝集粒子の増大に伴う曲げ弾性率及び酸素透過性の低下は、表2から明らかである。
また比較例3に示すように、結晶核剤を11重量%と過剰に加えると、弾性率や酸素透過性の改質効果が低下する。
【0087】
【発明の効果】
本発明に係るポリオレフィン系複合材料では、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し有機化層状珪酸塩0.1〜50重量部が配合されており、結晶核剤を0.5〜10重量部さらに含み、ポリオレフィン系樹脂の融点+40℃以上の温度に保持した後に、X線回折測定により検出される有機化層状珪酸塩の平均層間距離が6nm以上とされているため、あるいは長径3μm以上の粒子数の保持前後における増大割合が50%以下であるため、有機化層状珪酸塩における薄片状結晶の分散状態が再溶融した場合でも良好に維持されている。従って、本発明に係るポリオレフィン系複合材料及び該複合材料を製造する方法を利用することにより、層状珪酸塩によるポリオレフィン系樹脂の改質、すなわち弾性率の向上、耐熱変形温度の上昇、ガスバリア性の向上及び難燃性の向上等を図り得るだけでなく、本発明に係るポリオレフィン系複合材料は、マスターバッチとして用いたり、再利用する際に再溶融されたとしても、上記各種効果を良好に発現する。従って、ポリオレフィン系複合材料の工業的利用価値を著しく高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】層状珪酸塩の結晶薄片の構造を示す模式図。
【図2】図1に示した結晶構造の立方体部分Xを拡大して示す模式図。
【図3】平均層間距離が6nm以上である層状珪酸塩のX線回折プロファイルを示す図。
【図4】平均層間距離が6nm未満である層状珪酸塩のX線回折プロファイルを示す図。
【図5】従来のポリオレフィン系複合材料の熱処理前の光学顕微鏡写真の模式図。
【図6】従来のポリオレフィン系複合材料の熱処理後の光学顕微鏡写真の模式図。
【符号の説明】
1…層状珪酸塩
B…結晶表面[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a polyolefin-based composite material in which a layered silicate is combined to modify a polyolefin-based resin, and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
In order to improve the mechanical properties, thermal characteristics, gas barrier properties, etc. of the thermoplastic resin, a method of dispersing a layered silicate in the thermoplastic resin is known. In the layered silicate constituting the clay mineral, extremely fine flaky crystals are aggregated by ionic bonds. The aggregated structure is disintegrated by chemical or physical means, and the flaky crystals are uniformly dispersed in the thermoplastic resin, whereby the properties of the thermoplastic resin are improved.
[0003]
For example, Japanese Patent Publication No. 8-22946 discloses intercalating aminocarboxylic acid into a layered silicate to widen the gap between layers in advance, and then inserting ε-caprolactam, which is a polyamide monomer, between the layers. It is disclosed that a structure in which lamellar silicate flakes are uniformly dispersed in a polyamide resin can be formed by condensation.
[0004]
However, it is generally very difficult to uniformly disperse the layered silicate in the matrix for polymers other than those capable of inserting monomers between the layers of the layered silicate, such as polyamide. Various attempts have been made to solve this problem.
[0005]
For example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-183910 discloses a method of dispersing a layered silicate in a polymer by mixing an organic dispersion obtained by swelling and dispersing an organicated layered silicate and a vinyl polymer compound in a dissolved state. Is disclosed. JP-A-10-182892 discloses infinite swelling between layers of a layered silicate in a polymer by melt-kneading an organically modified layered silicate, a polyolefin oligomer containing a hydrogen bonding functional group, and a polyolefin polymer. It is disclosed that a polyolefin resin composite material can be prepared.
According to these methods, the layered silicate can be dispersed in the polymer.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the methods described in JP-A-9-183910 and JP-A-10-182892, when the obtained composite material is kept at a temperature equal to or higher than the melting point of the polymer for a while, significant aggregation of flaky crystals of layered silicate occurs. Was found to occur. FIG. 5 is a schematic view of an optical micrograph at room temperature of a composite material obtained by the method described in JP-A-10-182892. FIG. 6 is a schematic diagram of an optical micrograph showing a state after the composite material is remelted at a temperature of 200 ° C. and held for 5 minutes. In FIG. 5 and FIG. 6, the numbers in the drawings indicate the aggregated portions.
[0007]
As shown in FIG. 5, large aggregates are not observed before melting, whereas in FIG. 6 showing the state after melting, a large number of huge aggregated particles exist. The agglomerated particles have a major axis of about 3 to 50 μm and are produced by agglomeration of lamellar crystals of layered silicate.
[0008]
As described above, in the conventional layered silicate-containing composite material, when it is exposed to a temperature higher than the melting point of the polymer used, the flake crystals of the layered silicate aggregate and are obtained by dispersion of the flake crystals. The effect that is achieved is significantly impaired. That is, the properties of the composite material such as mechanical properties, thermal properties and gas barrier properties are significantly impaired after the melting treatment.
[0009]
In general industrial processes, in order to use as a master batch or reuse materials, there are many cases in which a molded product once obtained is melt-molded again. However, when the above composite material is melted again, the dispersibility of the layered silicate is remarkably lowered, and it becomes difficult to develop the characteristics of the composite material in which the layered silicate is dispersed again.
[0010]
The object of the present invention is to eliminate the above-mentioned drawbacks of the prior art and to maintain a dispersion state of the layered silicate stably even if the temperature is maintained at a temperature higher than the melting point of the polymer used. It is to provide a fillene-based composite material and a method for producing the same.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
A first invention of the present application is a polyolefin-based composite material comprising 100 parts by weight of a polyolefin-based resin and 0.1 to 50 parts by weight of an organic layered silicate, Further containing 0.5 to 10 parts by weight of a crystal nucleating agent, An average interlayer distance of the organically modified layered silicate detected by X-ray diffraction measurement after holding the polyolefin composite material at a temperature of the melting point of the polyolefin resin + 40 ° C. or higher is 6 nm or more.
[0012]
A second invention is a polyolefin-based composite material comprising 100 parts by weight of a polyolefin-based resin and 0.1 to 50 parts by weight of an organically modified layered silicate, Further containing 0.5 to 10 parts by weight of a crystal nucleating agent, After the polyolefin composite material is held at a temperature equal to or higher than the melting point of the polyolefin resin + 40 ° C., the increase rate before and after holding the number of particles having a major axis of 3 μm or more is 50% or less.
[0013]
First and second departure In the light Further contains 0.5 to 10 parts by weight of a crystal nucleating agent, whereby the precipitation of polyolefin crystals is suppressed, and the dispersibility of the organically modified layered silicate is maintained well. Preferably, as the crystal nucleating agent, a rosin crystal nucleating agent or a sorbitol crystal nucleating agent is used, and the dispersion state of the organically modified layered silicate is more favorably maintained.
[0016]
In the polyolefin-based composite materials according to the first and second inventions, a swellable smectite-based viscosity mineral / or swellable mica is preferably used as the layered silicate for constituting the organically modified layered silicate.
[0017]
The polyolefin resin is preferably an ethylene homopolymer, a copolymer of ethylene and α-olefin, an ethylene-propylene copolymer, a propylene homopolymer, and a copolymer of propylene and α-olefin. At least one of the coalescence is used.
[0018]
The polyolefin-based composite material according to the present invention can be obtained, for example, by the following production method.
In one aspect of the method for producing a polyolefin-based composite material according to the present invention, the polyolefin resin is 100 weights, the organically modified layered silicate is 0.1 to 50 parts by weight, the crystal nucleating agent is 0.5 to 10 parts by weight, and the melt kneading. By doing so, a polyolefin-based composite material is obtained.
[0019]
Ma Book In still another aspect of the production method of the invention, the organically modified layered silicate is chemically bonded to the polyolefin resin at a temperature not higher than the melting point of the polyolefin resin.
[0020]
Details of the present invention will be described below.
In the present invention, the layered silicate means a silicate mineral having a plurality of layers composed of many fine flaky crystals and having exchangeable cations between the layers. The flaky crystal usually has a thickness of about 1 nm, and the ratio of the major axis to the thickness (hereinafter referred to as aspect ratio) is about 20 to 200. In the layered silicate, these fine flaky crystals are aggregated by ionic bonds.
[0021]
The type of layered silicate having an exchangeable cation between the layers is not particularly limited. For example, smectite clay minerals such as montmorillonite, saponite, hectorite, beidellite, stevensite, nontronite; vermiculite, halloysite, etc. Natural mica, or synthetic mica such as swellable mica (swelling mica), which may be natural or synthesized. Preferably, a swellable smectite clay mineral or swellable mica is used.
[0022]
Two or more of the above layered silicates may be used in combination.
In addition, the lamellar silicate has the function of increasing the gas barrier property of the composite material by the flaky crystals acting as partition walls. Therefore, the higher the aspect ratio of the lamellar crystal of the layered silicate, the higher the gas barrier property. Therefore, montmorillonite having an aspect ratio of about 100 and swellable mica having an aspect ratio of about 150 are preferably used in applications where gas barrier properties are required.
[0023]
The structure of the lamellar silicate crystal flakes is schematically shown in FIG. FIG. 2 is a schematic view of the crystal structure of montmorillonite in which the cubic portion X shown in FIG. 1 is enlarged. The layered silicate has exchangeable cations existing between layers. This exchangeable cation is generally sodium ion or calcium ion on the crystal surface (B). Since these ions have ion exchange properties with a cationic substance, various substances having a cationic property can be inserted between the layers.
[0024]
In the present invention, organic layered silicate is used. Organized layered silicate refers to those in which the layer of layered silicate is ion-exchanged by a chemical species having a hydrophobic group. The organic layered silicate has a high affinity for polyolefin resins, which are nonpolar resins, because the layers are hydrophobized.
[0025]
Hydrophobization between layers is performed by ion exchange of exchangeable cations existing between layers of the layered silicate with a cationic surfactant.
In general, the exchangeable cations existing between the layers of the layered silicate (that is, the flaky crystal surface) are usually ions such as sodium and calcium, and these ions are exchanged with the exchangeable cations of the cationic surfactant. It has ion exchange properties. Accordingly, various cationic surfactants having exchangeable cations can be inserted between the layers.
[0026]
Therefore, by using a cationic surfactant having a low polarity, the above-mentioned exchangeable cation is ion-exchanged with the exchangeable ion of the cationic surfactant, so that the crystal surface of the layered silicate becomes nonpolar or has a low polarity. The dispersibility of the layered silicate in the nonpolar resin can be enhanced.
[0027]
As described above, the exchangeable cation is usually an ion of an alkali metal or an alkaline earth metal such as sodium or calcium, and the exchangeable cation is lower than the exchangeable cation. Equivalent ions are used.
[0028]
In addition, when using ion equivalent to an exchangeable cation, the density | concentration of an exchangeable cation should just be higher than the density | concentration of an exchangeable cation.
The cationic surfactant is not particularly limited, and a commonly used cationic surfactant is used, and examples thereof include quaternary ammonium salts, quaternary phosphonium salts, and the like as main components. A quaternary ammonium salt having an alkyl chain having 8 or more carbon atoms is used. When the alkyl chain having 8 or more carbon atoms is not included, the alkyl group ammonium ion has strong hydrophilicity, and it becomes difficult to sufficiently non-polarize or lower the polarity of the layered silicate layer.
[0029]
Examples of the quaternary ammonium salt include lauryl trimethyl ammonium salt, stearyl trimethyl ammonium salt, trioctyl ammonium salt, distearyl dimethyl ammonium salt, di-cured tallow dimethyl ammonium salt, distearyl dibenzyl ammonium salt and the like.
[0030]
The cation exchange capacity of the layered silicate is not particularly limited. However, if the amount is too small, the amount of the cationic surfactant intercalated by the ion exchange between the crystal layers is small, so the layers may not be sufficiently hydrophobized. If the amount is too large, the bonding strength between the layers of the layered silicate becomes strong, and it may be difficult to delaminate the crystal flakes (delamination), and therefore it is preferably 50 to 200 meq / 100 g.
[0031]
Moreover, in the polyolefin-type composite material which concerns on this invention, an organic layered silicate is used in 0.1-50 weight part with respect to 100 weight part of polyolefin-type resin. If the amount is less than 0.1 part by weight, the effect of dispersing the organically modified layered silicate cannot be obtained. If the amount exceeds 50 parts by weight, the tendency to become hard and brittle is increased in physical properties, and the moldability and appearance are impaired. .
[0032]
The polyolefin resin used in the present invention is not particularly limited, and is a homopolymer of ethylene, propylene or α-olefin; a copolymer of ethylene and propylene, a copolymer of ethylene and α-olefin, propylene and α-olefin. Examples include olefin copolymers, copolymers of two or more α-olefins, and the like. Examples of the α-olefin include 1-butene, 1-pentene, 1-hexene, 4-methyl-1-pentene, 1-heptene, 1-octene and the like.
[0033]
Moreover, these polyolefin resin may be used independently and may be used in mixture of 2 or more types.
The molecular weight and molecular weight distribution of the polyolefin resin are not particularly limited, and the weight average molecular weight is preferably 5,000 to 5,000,000, more preferably 20,000 to 300,000. The molecular weight distribution (weight average molecular weight Mw / number average molecular weight Mn) is preferably 2 to 80, more preferably 3 to 40.
[0034]
The polyolefin resin may be appropriately alloyed or blended with other types of polymer compounds. For example, a small amount of a polymer compound grafted with carboxylic acid such as maleic acid may be added to increase the affinity between the polyolefin resin and the layered silicate in advance.
[0035]
The average interlayer distance detected by X-ray diffraction measurement of the organically modified layered silicate in the polyolefin-based composite material according to the present invention is preferably 6 nm or more. In general, the strengthening of a polymer by an inorganic material is performed more efficiently as the area of the polymer / inorganic interface is larger. Therefore, when the layered silicate is agglomerated with each other by ionic bonding force, that is, at an interlayer distance of about 1 to 2 nm, the modification effect by adding the layered silicate is very small. Only after the lamellar crystals of the layered silicate can be dispersed in the polymer can the properties of the composite material such as mechanical strength, heat resistance, and gas barrier properties be significantly improved. In general, the interlayer attractive force of the layered silicate becomes extremely small when the interlayer is peeled off to 6 nm or more, so it is important to set the average interlayer distance to 6 nm or more.
[0036]
The interlayer distance defined in the present invention refers to the distance between the 001 planes of the lamellar silicate flaky crystals, that is, the distance between the centers of the two flaky crystals in FIG. Further, the average interlayer distance defined in the present invention is calculated by obtaining the distance between flaky crystals and the amount of silicate in the distance between flaky crystals by X-ray diffraction. Two typical examples are shown below. FIG. 3 is an X-ray diffraction profile when the average interlayer distance is 6 nm or more, and FIG. 4 is an X-ray diffraction profile when the average interlayer distance is less than 6 nm. That is, in FIG. 3, a small diffraction peak is observed at an interlayer distance of 2 nm, but most of the interlayer distance can be confirmed by a broad diffraction line of 6 nm or more.
[0037]
As described above, even when the flaky crystals of the layered silicate are sufficiently dispersed in the composite material, the composite material is again maintained at a temperature equal to or higher than the melting point of the polyolefin resin and further solidified as described above. Thus, agglomerated particles are formed by agglomeration of lamellar crystals of layered silicate.
[0038]
In the polyolefin-based composite material according to the present invention, even when the remelting treatment is performed in this manner, the dispersion state of the lamellar crystals of the layered silicate is maintained well, and the generation of the aggregated particles can be effectively suppressed. it can.
This will be described in more detail below. The reason why the dispersibility of the layered silicate is impaired during the above heat treatment is considered as follows.
[0039]
(1) Polyolefins are inherently very hydrophobic and are essentially incompatible with substances having a hydrophilic surface, such as layered silicates. In the present invention, by making the layered silicate organic, the affinity with the polyolefin is enhanced. However, since the layered silicate locally leaves a hydrophilic surface, it is agglomerated between the layered silicates. There is a tendency to try.
[0040]
(2) When the polyolefin is cooled, depending on the cooling conditions, spherulites or crystals having a diameter of several tens of μm are precipitated, and the layered silicate is excluded by this crystal growth and aggregates at the crystal interface.
[0041]
Therefore, the inventors of the present application have found that if a crystal nucleating agent is added, the precipitation of giant crystals can be suppressed, and thereby the dispersion state of the layered silicate can be maintained well.
[0042]
The crystal nucleating agent is not particularly limited, but a soluble crystal nucleating agent such as a rosin crystal nucleating agent such as a rosin acid partial metal salt or a crystal nucleating agent represented by a dibenzylidene sorbitol compound is preferably used. It is possible.
[0043]
Dibenzylidene sorbitol compounds include dibenzylidene sorbitol, bis (dimethylbenzylidene) sorbitol, bis (diethylbenzylidene) sorbitol, bis (dipropylbenzylidene) sorbitol, bis (dibutylbenzylidene) sorbitol, bis (hexylbenzylidene) sorbitol, bis (di Chlorobenzylidene) sorbitol and the like, and these may be used alone or in combination.
[0044]
As commercially available crystal nucleating agents, rosin-based crystal nucleating agents such as KM1500 and KM1300 (manufactured by Arakawa Chemical Co., Ltd.), EC1, EC1-55, EC-4 (manufactured by EC Chemical Co., Ltd.), Gelall MD, Gelall D, Examples thereof include dibenzylidene sorbitol-based crystal nucleating agents such as gel all MD-R, gel all DH, gel all T (manufactured by Shin Nippon Rika)
[0045]
Among them, the rosin-based crystal nucleating agent tends to give a polymer crystal nucleus to the surface of the layered silicate because the metal or hydrophilic group in the structure has a strong affinity with the local hydrophilic portion of the layered silicate. That is, the crystal growth of the polymer proceeds preferentially on the surface of the layered silicate, and the elimination of the layered silicate and the aggregation at the crystal interface due to the crystal growth are suppressed. Therefore, even when the molten composite material is solidified again, the dispersion state of the lamellar crystals of the layered silicate is maintained well.
[0057]
【Example】
EXAMPLES Next, although an Example and a comparative example are given and this invention is demonstrated in detail, this invention is not limited only to these Examples.
The raw materials used in the following examples and comparative examples will be described.
A: Raw materials used
[0058]
(1) Layered silicate
The following minerals were used as the layered silicate.
・ Montmorillonite: Montmorillonite manufactured by Toyshun Mining Co., Ltd.
-Swellable mica: Swelled mica manufactured by Co-op Chemical (trade name; ME-100)
[0059]
(2) Organized layered silicate
As the organic layered silicate, the following commercially available product containing a cationic surfactant between layers was used.
・ DSDM-modified montmorillonite:
DSDM modified montmorillonite manufactured by Toyshun Mining Co., Ltd. (trade name; organic montmorillonite obtained by ion exchange of all sodium ions between montmorillonite layers with New Sven D = distereal dimethylammonium chloride)
・ DSDM-modified swelling mica:
DSDM modified swellable mica manufactured by Coop Chemical (trade name; MAE = organized swellable mica obtained by ion exchange of all sodium ions between montmorillonite layers with distearyldimethylammonium chloride)
[0060]
(3) Vinyltrimethoxysilane-treated montmorillonite
While stirring DSDM-modified montmorillonite manufactured by Toyshun Mining in a Henschel mixer, 2% by weight of vinyltrimethoxysilane (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) was added dropwise to the solid content.
[0061]
(4) Polyolefin resin
The following commercial products were used as polyolefin resins.
·polypropylene:
(Nippon Polychem, trade name; EA9, density 0.91, MFR = 0.5)
·polyethylene:
(Nippon Polychem, trade name; HB530, density 0.96, MFR = 0.5)
・ Silane modified polyethylene
(Nippon Polychem, trade name; Linkron, density 0.94, MFR = 2.1)
[0062]
(5) Acid-modified polyolefin resin
In order to increase the affinity between the polyolefin resin and the layered silicate, the following commercial products were used.
-Maleic anhydride modified polypropylene oligomer:
(Product name: Sanyo Chemicals Co., Ltd .; Umex 1001, Functional group content = 0.23 mmol / g)
-Maleic anhydride modified polyethylene oligomer:
(Trade name: Sanyo Chemical Co., Ltd .; Umex 2000, functional group content = 0.92 mmol / g)
[0063]
(6) Crystal nucleating agent
The following commercially available products were used as crystal nucleating agents.
・ Rosin crystal nucleating agent
(Arakawa Chemicals product name: KM1500)
・ Sorbitol crystal nucleating agent
(New Nippon Rika product name: Gelall MD)
[0064]
(7) Polyethylene polymerization reagent
The following commercially available products were used as reagents for polymerizing polyethylene.
・ Dicyclopentadienyl titanium dichloride (Aldrich)
・ Methylalmonoxan (Aldrich)
[0065]
(8) Crosslinking aid
The following commercially available products were used as crosslinking aids.
・ Trimethylpentatriacrylate
(Product name made by Nippon Oil &Fats; Light Ester TPMTA)
B: Layered silicate dispersion method
The dispersion of the layered silicate was performed by the following methods (1) to (3). The method (1) is the same as the method described in JP-A-10-182892.
[0066]
(1) (Examples 1-5, 11 and Comparative Examples 1-4, Comparative Example 9)
In Laboplast mill manufactured by Toyo Seiki, polypropylene resin (Nippon Polychem, trade name: EA9, density 0.91, MFR = 0.5), polyethylene resin (Nippon Polychem, trade name: HB530, density 0.96, MFR = 0.5), silane-modified polyethylene resin (Nippon Polychem, trade name; Linkron, density 0.94, MFR = 2.1), polyethylene resin or silane-modified polyethylene resin, and maleic anhydride-modified polypropylene oligomer (manufactured by Sanyo Kasei) Trade name: Umex 1001, functional group content = 0.23 mmol / g), or maleic anhydride-modified polyethylene oligomer (trade name; Umex 2000, functional group content = 0.92 mmol / g) and Coop Chemical DSDM modified puffed mica (trade name: MAE) or Toyshun Mining OS M-modified montmorillonite (trade name: New S. Ben D) and, as shown in Table 1 below, was fed at a rate of 80/5/10 by weight. As required, as shown in Table 1 below, the desired crystal nucleating agent was supplied in the amount shown in Table 1 below. N at a set temperature of 200 ° C 2 It was melt-kneaded for 10 minutes in a gas atmosphere. The obtained composite material composition is taken out in a molten state and quickly charged into a mold, and 100 kg / cm 2 While pressing the mold contents for 1 minute, the mold was rapidly cooled to room temperature to form a 1 mm thick sheet.
[0067]
(2) (Example) 6 and And Comparative Examples 5, 7, 8, 10)
A polyolefin resin and an organically modified layered silicate shown in Table 1 below were fed at a ratio of 95/5 by weight in a Toyo Seiki Laboplast mill, and melt kneaded at a preset temperature of 200 ° C. for 10 minutes.
[0068]
The obtained composite composition was preheated at 200 ° C. for 5 minutes in a melt press, and 100 kg / cm for 1 minute. 2 Was pressed to form a 1 mm thick sheet. A 1 mm thick sheet was cut into a 3 cm square, sealed in an autoclave, and the internal temperature of the autoclave was set to a temperature 10 ° C. higher than the melting point or glass transition temperature of the polyolefin resin. Next, carbon dioxide or nitrogen gas is injected into the autoclave at a high pressure, and the internal pressure in the autoclave is 170 kg / cm. 2 Was held for 30 minutes. Furthermore, the temperature in the autoclave was set to a temperature lower by 10 ° C. than the melting point or glass transition temperature of the polyolefin resin, and in this state, the gas in the autoclave was exhausted at once, and the internal pressure was returned to normal pressure to obtain a foamed body.
[0069]
(3) (Example 7, Comparative Example 6)
300 ml of distilled toluene was introduced into four 500 ml flasks, and 0.5 g of organically modified layered silicate was added. After stirring at room temperature for 1 hour and confirming the transparency of the mixed slurry, the surroundings of the slurry were replaced with nitrogen to block contact with the outside air. Furthermore, 0.05 g of methylammonoxane was added to the mixed slurry, and the mixture was stirred for 15 minutes. A solution in which 0.02 g of dicyclopentadienyl dichloride was previously dissolved in 100 ml of toluene was added to the slurry, and ethylene gas was immediately fed.
[0070]
After the reaction was continued for 3 hours, the contents of the flask were taken out, reprecipitated with methanol and repeatedly washed, and then the solid matter was taken out by filtration.
C: Crosslinking method
Of the samples obtained as described above, as shown in Table 1. Compared to For Comparative Example 7, the following crosslinking treatment was performed as necessary.
[0071]
(1) Electron beam crosslinking
A sample subjected to electron beam crosslinking and electron beam irradiation was cut into a thickness of 1 mm, and irradiated with a 1 Mrad electron beam by an electron irradiation apparatus manufactured by Nissin High Voltage.
[0072]
(2) Hydrothermal crosslinking
A sample to be subjected to hot-water crosslinking was cut out to a thickness of 1 mm and placed in a thermostatic chamber whose temperature was adjusted to 100 ° C. Subsequently, 100 degreeC water vapor | steam was introduce | transduced in the thermostat, and the pressure in a thermostat was set to 1.2 atmospheres. After the treatment for 5 hours, a sample was taken out.
D: Evaluation method
The sample obtained as described above and the sample subjected to post-treatment were evaluated in the following manner. The results are shown in Table 2.
[0075]
(2) Change in aggregation state by heat treatment
The sample obtained by the above method was cut into a thickness of 30 μm by a microtome, and the number of particles having a long piece of 3 μm or more in a 3 mm square field of view was counted by an optical microscope. The sample is held for 5 minutes at a temperature of the melting point of the sample + 40 ° C. by a hot stage placed on the sample stage of the same optical microscope. At this time, particles having a long piece of 3 μm or more in a 3 mm square field of view. I counted the number.
[0076]
(3) Flexural modulus
A test piece was cut out from a 1 mm thick plate-like material obtained by the above method, maintained at a temperature of the melting point of the polyolefin resin + 40 ° C. for 5 minutes, solidified again, and then in a method defined in JISK7207, The flexural modulus was measured using a Tensilon tester.
[0077]
Sample obtained by layered silicate dispersion method (2) (Example) 6 and And Comparative Examples 5, 7, 8, and 10) were not evaluated because the sample had a foam shape.
[0078]
(4) Oxygen permeability
A test piece was cut out from the 100 μm thick plate obtained by the above method, maintained at a temperature of the melting point of the polyolefin resin + 40 ° C. for 5 minutes, and then solidified again, and then an oxygen permeability tester (Modern Control Co., Ltd.). The oxygen gas permeation rate was measured with the apparatus name “Oxtran-Twin”.
[0079]
Sample obtained by layered silicate dispersion method (2) (Example) 6 and And Comparative Examples 5, 7, 8, and 10) were not evaluated because the sample had a foam shape.
[0080]
(5) Layer distance of layered silicate
After maintaining for 5 minutes at the melting point of polyolefin resin + 40 ° C. and solidifying again, it is obtained from diffraction of the layered surface of the layered silicate in the composite by an X-ray diffraction measurement device (Rigaku; RINT1100) ( The 2θ of the (100) plane was measured, and the plane spacing of the layered silicate was calculated using the black diffraction formula (3).
[0081]
λ = 2 dsin θ (3)
(Λ = 1.54, d: interplanar spacing of layered silicate, θ: diffraction angle)
D obtained from the equation (3) is referred to as an average interlayer distance.
E: Evaluation result
Tables 1 and 2 show the details and evaluation results of the blends of Examples and Comparative Examples.
[0082]
[Table 1]
[0083]
[Table 2]
[0084]
(1) Effects of adding a crystal nucleating agent
From the comparison of Examples 1 to 7 and Comparative Examples 1, 2, 4, and 5, it can be seen that any of the crystal nucleating agents has a remarkable effect in suppressing the generation of aggregates in the composite material by heat treatment. As shown in Table 2, the major axis is 3 μm when 0.1 to 10 parts by weight of the crystal nucleating agent is added when any polymer, organic layered silicate, additive, or dispersion method is used. While the increase in the above particles was 50% or less, when the crystal nucleating agent was not added, a marked increase in aggregated particles was confirmed. The decrease in flexural modulus and oxygen permeability with increasing aggregated particles is evident from Table 2.
Further, as shown in Comparative Example 3, when the crystal nucleating agent is added in an excessive amount of 11% by weight, the effect of modifying the elastic modulus and oxygen permeability is lowered.
[0087]
【Effect of the invention】
In the polyolefin-based composite material according to the present invention, 0.1 to 50 parts by weight of the organic layered silicate is blended with respect to 100 parts by weight of the polyolefin-based resin, Further containing 0.5 to 10 parts by weight of a crystal nucleating agent, Since the average interlayer distance of the organically modified layered silicate detected by X-ray diffraction measurement is 6 nm or more after holding at a temperature of the melting point of the polyolefin resin + 40 ° C. or higher, or the number of particles having a major axis of 3 μm or more is maintained. Since the increase ratio before and after is 50% or less, even when the dispersion state of the flaky crystals in the organic layered silicate is remelted, it is maintained well. Therefore, by using the polyolefin-based composite material according to the present invention and the method for producing the composite material, modification of the polyolefin-based resin with layered silicate, that is, improvement in elastic modulus, increase in heat distortion temperature, gas barrier property Not only can the improvement and improvement of flame retardancy, the polyolefin composite material according to the present invention exhibits the above various effects well even when used as a masterbatch or remelted when reused. To do. Therefore, the industrial utility value of the polyolefin-based composite material can be significantly increased.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing the structure of a lamellar silicate crystal flake.
2 is an enlarged schematic view showing a cubic portion X of the crystal structure shown in FIG. 1. FIG.
FIG. 3 is a view showing an X-ray diffraction profile of a layered silicate having an average interlayer distance of 6 nm or more.
FIG. 4 is an X-ray diffraction profile of a layered silicate having an average interlayer distance of less than 6 nm.
FIG. 5 is a schematic diagram of an optical micrograph before heat treatment of a conventional polyolefin-based composite material.
FIG. 6 is a schematic diagram of an optical micrograph after heat treatment of a conventional polyolefin-based composite material.
[Explanation of symbols]
1 ... Layered silicate
B ... Crystal surface
Claims (6)
結晶核剤を0.5〜10重量部さらに含み、
ポリオレフィン系樹脂の融点+40℃以上の温度に前記ポリオレフィン系複合材料を保持した後に、X線回折測定により検出される有機化層状珪酸塩の平均層間距離が6nm以上であることを特徴とする、ポリオレフィン系複合材料。A polyolefin composite material comprising 100 parts by weight of a polyolefin resin and 0.1 to 50 parts by weight of an organically modified layered silicate,
Further containing 0.5 to 10 parts by weight of a crystal nucleating agent,
A polyolefin having an average interlaminar distance of 6 nm or more of the organically modified layered silicate detected by X-ray diffraction measurement after holding the polyolefin composite material at a temperature of the melting point of the polyolefin resin + 40 ° C. or higher. Based composite materials.
結晶核剤を0.5〜10重量部さらに含み、
前記ポリオレフィン系樹脂の融点+40℃以上の温度に前記ポリオレフィン系複合材料を保持した後に、長径が3μm以上の粒子数の保持前後での増大割合が50%以下であることを特徴とする、ポリオレフィン系複合材料。A polyolefin composite material comprising 100 parts by weight of a polyolefin resin and 0.1 to 50 parts by weight of an organically modified layered silicate,
Further containing 0.5 to 10 parts by weight of a crystal nucleating agent,
The polyolefin-based resin is characterized in that, after the polyolefin-based composite material is held at a temperature of the melting point of the polyolefin-based resin + 40 ° C. or higher, the increasing ratio before and after holding the number of particles having a major axis of 3 μm or more is 50% or less. Composite material.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000245115A JP4865941B2 (en) | 2000-08-11 | 2000-08-11 | Polyolefin-based composite material and method for producing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000245115A JP4865941B2 (en) | 2000-08-11 | 2000-08-11 | Polyolefin-based composite material and method for producing the same |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002060555A JP2002060555A (en) | 2002-02-26 |
JP4865941B2 true JP4865941B2 (en) | 2012-02-01 |
Family
ID=18735692
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000245115A Expired - Fee Related JP4865941B2 (en) | 2000-08-11 | 2000-08-11 | Polyolefin-based composite material and method for producing the same |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4865941B2 (en) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004009697A1 (en) * | 2002-07-19 | 2004-01-29 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Polyolefin resin composition |
JP2012111883A (en) * | 2010-11-26 | 2012-06-14 | Shachihata Inc | Polyolefin resin composition and nucleating agent master batch for polyolefin resin |
JP7084346B2 (en) * | 2019-03-29 | 2022-06-14 | 古河電気工業株式会社 | Resin composition and wiring material using it |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3388070B2 (en) * | 1995-07-04 | 2003-03-17 | 三井化学株式会社 | Propylene polymer composition |
JP3034810B2 (en) * | 1995-11-02 | 2000-04-17 | 三菱化学株式会社 | Crystalline thermoplastic resin composition and method for producing the same |
JP3691172B2 (en) * | 1996-03-21 | 2005-08-31 | 花王株式会社 | Organically modified layered silicate and permanent antistatic resin composition |
JP3526364B2 (en) * | 1996-01-31 | 2004-05-10 | 花王株式会社 | Resin antistatic method and permanent antistatic resin composition |
JP3489411B2 (en) * | 1996-11-06 | 2004-01-19 | 株式会社豊田中央研究所 | Clay composite material and method for producing the same |
-
2000
- 2000-08-11 JP JP2000245115A patent/JP4865941B2/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002060555A (en) | 2002-02-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6117932A (en) | Resin composite | |
Park et al. | Preparation and properties of biodegradable thermoplastic starch/clay hybrids | |
US6632868B2 (en) | Intercalates formed with polypropylene/maleic anhydride-modified polypropylene intercalants | |
JP3356001B2 (en) | Resin composite material and method for producing the same | |
US6410142B1 (en) | sPS nanocomposite and processes for producing the same | |
CN1187406C (en) | Thermoplastic Olefin Nanocomposites | |
EP1276801A2 (en) | Composite materials comprising propylene graft copolymers | |
Mittal | Advances in polyolefin nanocomposites | |
KR20020002786A (en) | Polypropylene polymer composite comprising a organic layered clay and production process therefor | |
JP4865941B2 (en) | Polyolefin-based composite material and method for producing the same | |
Boucard et al. | Processing of polypropylene‐clay hybrids | |
KR100619642B1 (en) | Polyolefin Resin Composition | |
JPH1192677A (en) | Production of resin composite material | |
US20060155084A1 (en) | Polymer composition comprising nanofillers | |
Seyidoglu et al. | Use of purified and modified bentonites in linear low‐density polyethylene/organoclay/compatibilizer nanocomposites | |
KR100371232B1 (en) | Polypropylene polymer composite comprising an organic layered clay which has excellent fire resistance and production process therefor | |
KR20020050493A (en) | Method to prepare styrene type block copolymer nanocomposites | |
JP2002121397A (en) | Resin-phyllosilicate composite material and its manufacturing method | |
JP3714648B2 (en) | Method for producing thermoplastic resin composition | |
US20140377562A1 (en) | Natural nanoreinforcement that comprises a laminar silicate from volcanic sources useful to manufacture polymeric nanocomposites and manufacture process thereof | |
CA2523828A1 (en) | Preparation of organophyllosilicate nanocomposite compositions | |
EP1345989A2 (en) | Use of a nanofiller-containing polyolefin composition for the production of improved articles | |
Cárdenas et al. | EVA nanocomposites elaborated with bentonite organo‐modified by wet and semi‐wet methods | |
NIA et al. | Short Review on Bentonite Clays from Cubati (Brazil) | |
Ünal | Preparation and characterization of Sebs-Clay nanocomposites |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070419 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100126 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100203 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100330 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110105 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110207 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20111019 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20111111 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141118 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141118 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |