JP4857932B2 - Heat storage device - Google Patents
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Description
この発明は、過冷却状態で外部からの刺激によって固相の核を生じて凝固を開始する蓄熱材を備えた蓄熱装置に関し、特に冷媒などの媒体の有する熱(もしくは冷熱)を一時的に蓄える蓄熱装置に関するものである。 The present invention relates to a heat storage device including a heat storage material that starts solidification by generating solid-phase nuclei by external stimulation in a supercooled state, and particularly temporarily stores heat (or cold heat) of a medium such as a refrigerant. The present invention relates to a heat storage device.
従来、車両の走行などに伴って生じる余剰の熱やエネルギーを回収して蓄熱し、その熱エネルギーを暖機や冷房などに使用するように構成した蓄熱器が知られている。その一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された装置では、酢酸ナトリウム3水塩や硫酸ナトリウム10水塩などの過冷却度の大きい潜熱蓄熱材が熱媒体と熱交換可能に設けられるとともに、その潜熱蓄熱材の内部に熱電素子が配置されている。その潜熱蓄熱材が過冷却状態になっている場合に、熱電素子に電圧を印加することにより、潜熱蓄熱材が局部的に冷却され、その結果、発核が生じて凝固が開始され、それに伴う潜熱が放出されることにより、熱媒体を加熱するようになっている。
2. Description of the Related Art Conventionally, there is known a heat accumulator configured to collect and store surplus heat and energy generated when a vehicle travels, and to use the heat energy for warming up or cooling. One example thereof is described in
また、特許文献2には、車両の走行時のうち高速走行時には長時間に亘り停車状態に移行しないとみなして、蒸発器の冷却温度を高くして凝縮水蓄冷量を減少させる通常冷房モードを作動させ、また低速走行時には頻繁に停車を余儀なくされる市街地走行であるとみなして、蒸発器の冷却温度を低くして凝縮水蓄冷量を増加させる蓄冷モードを作動させると共に、車両の現在位置、進行方向、速度等の走行状態の情報と信号機の位置等の信号機情報とに基づいて必要な蓄冷量を制御する車両用空調装置が提案されている。
Further,
上記の特許文献1に記載されているように、蓄熱材を凝固させれば、潜熱として蓄冷量を多くすることができる。また、このような蓄熱材を使用すれば、冷熱の需要の変動に即した熱エネルギーを供給することができる。しかしながら、蓄熱材による蓄熱容量を増大させるべく相変化を生じさせる場合、前述した過冷却度の大きい蓄熱材を使用すると、過冷却状態のままにとどまって適時に凝固しない場合があり、その場合には蓄熱材に刺激を与えて凝固を開始させることになる。このような操作あるいは固相の発生が発核であって、従来、一例として、電気的な刺激や機械的刺激による発核が知られている。発核は、外部からの刺激によって固相を生じさせる操作であるから、そのための手段もしくは機構を動作させることになるので、エネルギーの消費を伴う。したがって、蓄熱のための熱量の供給が不安定な場合、発核させるために要するエネルギーが、発核に伴って増大する蓄熱量を上回る場合があるが、従来ではこのような事態に対応して効率良く蓄熱する技術がなく、新たな技術の開発が必要であった。
As described in
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、蓄熱材に対する入熱あるいは蓄熱材からの放熱を考慮して発核させることにより、蓄熱効率を向上させることのできる蓄熱装置を提供することを目的とするものである。 The present invention has been made paying attention to the above technical problem, and a heat storage device capable of improving the heat storage efficiency by nucleating in consideration of heat input to the heat storage material or heat radiation from the heat storage material. It is intended to provide.
上記目的を達成するため請求項1の発明は、相変化を伴う潜熱を冷熱として蓄える蓄熱材を備えた蓄熱装置において、過冷却状態の前記蓄熱材に外部からエネルギ−を与えて前記蓄熱材に固相の核を生じさせる発核手段と、前記発核手段により前記蓄熱材に前記固相の核を生じさせた場合に増大する前記蓄熱材での蓄熱量を、前記蓄熱材の複数箇所に設けられた温度センサで得られた温度から推定される温度分布と固相に凝固する前記蓄熱材の量と前記蓄熱材の潜熱とに基づいて算出する第一算出手段と、発核のために前記発核手段により消費される熱量を算出する第二算出手段と、前記第一算出手段で算出された蓄熱量と前記第二算出手段で算出された熱量との比較結果に基づいて前記発核手段による発核の実行・不実行を判断する判断手段とを備えていることを特徴とする蓄熱装置である。
The invention of
請求項2の発明は、相変化を伴う潜熱を冷熱として蓄える蓄熱材を備えた蓄熱装置において、過冷却状態の前記蓄熱材に外部からエネルギ−を与えて前記蓄熱材に固相の核を生じさせる発核手段と、前記発核手段によって前記蓄熱材に固相を生じさせるために必要とする熱量を算出する熱量算出手段と、前記熱量算出手段による算出結果に基づいて前記発核手段による発核の実行・不実行を判断する判断手段と、前記蓄熱材の複数箇所に設けられた温度センサで検出した温度に基づいて前記蓄熱材の温度分布を推定する手段とを備え、前記判断手段は、前記熱量算出手段による算出結果と蓄熱材の内部における推定された温度分布とに基づいて前記発核手段による発核の実行・不実行を判断する手段を含むことを特徴とする蓄熱装置である。
According to a second aspect of the present invention, there is provided a heat storage device including a heat storage material that stores latent heat accompanying phase change as cold energy, and energy is supplied from the outside to the supercooled heat storage material to generate a solid phase nucleus in the heat storage material. Nucleating means for generating, a calorific value calculating means for calculating the amount of heat required for generating a solid phase in the heat storage material by the nucleating means, and a nucleating means by the nucleating means based on a calculation result by the calorific value calculating means. e Bei determination means for determining the execution and non-execution of the nucleus, and means for estimating the temperature distribution of the heat storage material based on the temperature detected by the temperature sensor provided at a plurality of positions of the heat storage material, said determining means the heat storage device according to claim it to contain means for determining the execution and non-execution of nucleation by said nucleating means based on the estimated temperature distribution inside the calculation result and the heat storage material according to the heat calculating means It is.
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において前記発核手段は熱電素子を用いる手段であることを特徴とする蓄熱装置である。
A third aspect of the present invention is the heat storage device according to the first or second aspect of the present invention, wherein the nucleation means is a means using a thermoelectric element.
請求項1の発明によれば、発核させることにより増大する冷熱としての蓄熱量が、発核させるために消費される熱量と比較して大きい場合は、蓄熱装置の蓄熱量がより増大するように発核させて、エンジンやモータ・ジェネレータなどの動力源から発生する熱量を有効に蓄えることができる。また、発核させることにより増大する冷熱としての蓄熱量が発核させることに消費される熱量と比較して小さい場合は、発核させる制御をしないことにより、発核に用いられるエネルギー消費を防ぐことができる。
According to the invention of
請求項2の発明によれば、蓄熱材に固相を生じさせるために必要とする熱量の算出結果に応じて発核させるので、不必要に発核させて熱量を失うことを防止または抑制し、蓄熱効率を向上させることができる。
According to the invention of
また、前記入熱算出手段による算出結果と蓄熱材内部の温度分布に基づいて発核させた方が前記入熱算出手段により算出される熱量を効率よく冷熱として蓄えることができると判断した場合は、蓄熱材内部の温度分布から蓄熱量がより増大するように発核させることにより、エンジンやモータ・ジェネレータなどの動力源におけるエネルギーの効率が向上する。また、発核させない方がエネルギー効率が良いと判断した場合は、発核させないことにより発核に用いられるエネルギー消費を防ぐことができる。
In addition, when it is determined that the amount of heat calculated by the heat input calculation unit can be efficiently stored as cold heat by nucleating based on the calculation result by the heat input calculation unit and the temperature distribution inside the heat storage material The energy efficiency in the power source such as the engine or the motor / generator is improved by causing the nucleation so that the heat storage amount is further increased from the temperature distribution inside the heat storage material. In addition, when it is determined that energy efficiency is better without nucleation, energy consumption used for nucleation can be prevented by not nucleating.
請求項3の発明によれば、熱電素子に電流を流すことにより蓄熱材と接触している熱電素子の面がペルティエ効果により冷却される。
According to invention of
つぎにこの発明をより具体的に説明する。この発明の蓄熱装置は、エネルギーを増大させる正の熱の蓄熱と、エネルギーを低下させる負の熱の蓄熱とのいずれも可能である。 Next, the present invention will be described more specifically. The heat storage device of the present invention is capable of both positive heat storage for increasing energy and negative heat storage for reducing energy.
図1に示す例は、蓄熱材1に対して、熱搬入媒体としての冷媒2が冷熱を搬入し、かつ蓄熱材1の有する冷熱を、熱搬出媒体としてのブライン3が搬出するように構成した例である。その蓄熱材1は、水やエチルグリコール水溶液、塩化アンモニウム水溶液など融点が低く、融解熱が比較的大きい潜熱蓄熱材であって、所定の容器の内部に封入されている。その蓄熱材1の周囲には、蓄熱材1を取り囲んだ状態で複数の熱電素子(熱電モジュール)4A,4B,…4Pが、隙間なく、もしくは間隔をあけて並んで配置されている。これらの熱電素子4A,4B,…4Pは、蓄熱材1を局部的に冷却して発核させるためのものであり、蓄熱材1に接する面とこれとは反対側の外気に接する面とに接点を有し、これらの接点の間に電圧を印加することにより、蓄熱材1に接する接点で吸熱が生じるように構成されている。
The example shown in FIG. 1 is configured such that the
また、冷媒2を流通させる入熱用配管5と、ブライン3を流通させる出熱用配管6が、蓄熱材1の内部を貫通した状態で配置されている。これらの配管5,6は蓄熱材1の内部で所定の間隔をあけて配置され、かつこれらの配管5,6の間を蓄熱材1が満たしており、したがって各配管5,6の間、すなわち冷媒2とブライン3との間では蓄熱材1を介した熱伝達が生じるように構成されている。
Further, a
そして、各配管5,6の蓄熱材1に埋まっている部分では、冷媒2と蓄熱材1、ブライン3と蓄熱材1との熱交換が生じるので、これらの部分が熱交換部となっており、特に入熱用配管5はこの発明の熱搬入部となっており、また出熱用配管6はこの発明の熱搬出部となっている。さらに、図1に示す例では、ブライン3が下から上に向けて流れるように構成されており、したがって出熱用配管6の図1での下側の部分が入口部7Aとなり、上側の部分が出口部8Aとなっている。そして、蓄熱材1の内部の複数箇所には、温度センサ9A,9B,…9Eが配置され、それぞれの部分の温度を検出するようになっている。なお、配置位置は、例えば入熱用配管5の入口部7Bの近傍およびその出口部8Bの近傍、出熱用配管6の入口部7Aの近傍およびその出口部8Aの近傍、ならびに蓄熱材1の中央部である。
And since the heat exchange with the refrigerant |
なおここで、上記の冷媒2を循環させる冷凍サイクル10について簡単に説明すると、車両のエンジンなどの動力源(図示せず)によって駆動されるコンプレッサ11を備えており、その吐出側にコンデンサー12およびレシーバータンク13ならびに膨張弁14が順に接続されている。そして、その膨張弁14の吐出側に前述した入熱用配管5が接続され、さらにその入熱用配管5がコンプレッサ11の吸入側に接続されている。したがってこの発明の熱搬入部を構成している入熱用配管5が冷凍サイクル10のエバポレータとなっている。他方、前記出熱用配管6は、車室側熱交換器などの熱交換器15との間で循環路を形成するように構成され、その循環路の途中にポンプ16が介装されている。
The
なお、図1におけるコンデンサー12は、大気中に熱を放散させる構造であってもよく、あるいはこれに代えて放出した熱を蓄える蓄熱材を用いた蓄熱器として構成しても良い。これにより、コンデンサー12を用いるときと同様に冷凍サイクル10内を循環させている冷媒を冷却させて、蓄熱材1に搬入熱を溜めることが可能である。また、図1に用いられている冷媒2の代わりにエンジンやATFーOILの冷却液を用いることにより、廃熱を溜めることができる。
The
上記の熱電素子4A,4B,…4Pの制御を行うためのコントローラ(ECU)17が設けられている。このコントローラ17は、一例としてマイクロコンピュータを主体として構成されており、入力されたデータおよび予め記憶しているデータとプログラムとを利用して、動作させるべき熱電素子4A,4B,…4Pの選択およびオン・オフの制御を行うように構成されている。その制御のために入力されているデータは、各温度センサ9A,9B,…9Eで検出された温度、外気温度、冷媒2の流量、ブライン3の流量などである。
A controller (ECU) 17 for controlling the
蓄熱材1は、融点以上の温度の状態および過冷却の状態では液相をなしており、その状態では、凝固した後の固相に比較して比熱が大きく、したがって伝導可能な熱量が多い半面、その伝導速度が遅い。固相の状態では、これとは反対の特性を示す。この発明の制御装置は、蓄熱材1のこのような特性を利用して蓄熱を効率良く行うために、蓄熱材1の発核あるいは凝固を選択的に生じさせるように構成されている。
The
蓄熱材1が過冷却の状態である時に蓄熱材1の外部から熱等の刺激を与えると、蓄熱材1は刺激を受けた近傍において凝固する。蓄熱材1に刺激を与える具体例としては、蓄熱材1の周囲に熱電素子4A,4B,…4Pを配設し、通電させることにより刺激が与えられるようにしたものが挙げられる。凝固された蓄熱材1は潜熱による蓄冷が行われるため、過冷却の状態と比べて蓄熱量が増大(増加)する。したがって、蓄熱材1は外部から刺激を与えることにより蓄熱量が増大(増加)する。
When a stimulus such as heat is applied from the outside of the
図2はその制御の一例を説明するためのフローチャートである。先ず、蓄熱材の外側及び内側に設けられている温度センサ9A,9B,…9Eによる検出値は、ステップS21においてコントローラ17に読み込まれる。そして、前記検出値に基づいて、蓄熱材1の内部の温度分布が推定される(ステップS22)。前述した温度センサ9A,9B,…9Eは、限られた場所に配置されているため、蓄熱材1の全ての箇所の温度を知ることはできないが、前記各配管5,6の位置やこれらの配管5,6を含む全体としての構造が判っているので、温度センサ9A,9B,…9Eが配置されていない箇所の温度を実験データやシミュレーションなどに基づいて推定することができる。
FIG. 2 is a flowchart for explaining an example of the control. First, detected values by the
この温度分布の推定結果に基づいて過冷却部があるか否かが判断される(ステップS23)。蓄冷している過程で凝固点以上の箇所と凝固し始めた箇所とが併存すると、凝固し始めた箇所は、潜熱を放出するために凝固点の温度を維持する。これに対して凝固せずに過冷却の部分が併存すると、凝固点以上の部分と過冷却部との間では、温度が連続的に変化する状態になる。このように、凝固が始まっていて過冷却部が存在しない場合もしくは部分と、過冷却部が併存する部分とでは、温度が異なっているので、温度分布から過冷却部の有無を検出することができる。 It is determined whether or not there is a supercooling portion based on the estimation result of the temperature distribution (step S23). If a location above the freezing point coexists with a location that has started to solidify during the cold storage process, the location that has started to solidify maintains the temperature of the freezing point in order to release latent heat. On the other hand, when a supercooled portion coexists without solidifying, the temperature continuously changes between the portion above the freezing point and the supercooled portion. In this way, when the solidification has started and there is no supercooling part or the part and the part where the supercooling part coexist, the temperature is different, so the presence or absence of the supercooling part can be detected from the temperature distribution. it can.
過冷却部が存在しないことが検出もしくは判断されてステップS23で否定的に判断された場合には、発核のための前提条件が成立していないので、特に制御を行うことなくこのルーチンを一旦終了する。これに対して過冷却部が存在することが検出もしくは判断されてステップS23で肯定的な判断が成立した場合には、発核させるべき位置すなわち発核させるべく動作させる熱電素子4A,4B,…4Pが選択される(ステップS24)。この熱電素子4A,4B,…4Pに電圧を掛けてそのペルティエ効果によって蓄熱材1を局部的に冷却する。したがって、上記の蓄熱装置においては、蓄熱材1に過冷却部が存在していることが検出もしくは判断された場合には、蓄熱材1に入力される冷熱量が、蓄熱材1から放出される冷熱量より多いことになり、このような状態をステップS23で判断している。そして、その判断結果に基づく局部的な発核操作を行うので、発核に消費する熱量(エネルギー量)が、発核に伴って増大(増加)する蓄熱量より少なく、その結果、効率良く蓄熱を行うことができる。言い換えれば、蓄熱量が増大(増加)する過冷却状態もしくは温度分布の状態で熱電素子が選択されて動作し、発核が行われる。
If it is detected or determined that there is no supercooling section and a negative determination is made in step S23, the precondition for nucleation is not satisfied, so this routine is temporarily executed without performing any control. finish. On the other hand, if it is detected or determined that the supercooling portion exists and a positive determination is made in step S23, the position to be nucleated, that is, the
蓄熱材1の他の例を示す概略を図3に示す。本実施例においては、蓄熱材の内部温度を測定する温度センサ9の他に、蓄熱器19の周辺部の温度を測定する温度センサ18が設けられている。熱電素子4A,4B,…4P、温度センサ9A,9B,…9Eについては、図1の例と同様に設けられているが、熱電素子4、温度センサ9として簡略化して表示する。また、他の構造は、図1と同一であるため、図3に図1と同様の符号を付して、その説明を省略する。
The outline which shows the other example of the
図4は図3に示す蓄熱装置を対象とする制御例を説明するためのフローチャートである。ステップS41からステップS43は、前述したステップS21からステップS23までと同一であるため、説明を省略する。過冷却部が存在しないことが検出もしくは判断されたことによりステップS43で否定的に判断された場合には、発核のための前提条件が成立していないので、特に制御を行うことなくこのルーチンを一旦終了する。これに対して過冷却部が存在することが検出もしくは判断されてステップS43で肯定的な判断が成立した場合には、発核作用により増大(増加)する蓄熱量(以下、増加蓄熱量と記す)(β1)は、推定された温度分布から算出される(ステップS44)。すなわち、蓄熱材1内の過冷却部の量や凝固する量ならびにその潜熱などから増加蓄熱量を求めることができる。
FIG. 4 is a flowchart for explaining a control example for the heat storage device shown in FIG. Steps S41 to S43 are the same as steps S21 to S23 described above, and a description thereof will be omitted. If it is negatively determined in step S43 that it has been detected or determined that there is no supercooling section, the preconditions for nucleation are not satisfied, so this routine is not performed without particular control. Is temporarily terminated. On the other hand, if it is detected or determined that a supercooling portion exists and a positive determination is made in step S43, the amount of heat storage that increases (increases) due to nucleation (hereinafter referred to as an increased amount of heat storage). ) (Β1) is calculated from the estimated temperature distribution (step S44). That is, the increased heat storage amount can be obtained from the amount of the supercooling portion in the
その後、蓄熱器19の周辺に設けられた温度センサ18により蓄熱器19の周辺温度が測定され、コントローラ17に読み込まれる(ステップS45)。ステップS41で読み込んだ温度とステップS45で読み込んだ周囲温度との温度差から熱電素子4を作動させる際に消費される熱量(エネルギー量)である熱電素子作動電力量(β2)が算出される。蓄熱材の温度(α1)と周囲温度(α2)との温度差が大きく、かつ周囲温度(α2)が高い場合には、蓄熱材1を発核させるためにより大きなエネルギーが必要となる。一方、蓄熱材の温度(α1)と周囲温度(α2)との温度差が小さい場合には、蓄熱材1を発核させるための熱量(エネルギー量)は少なくて良い。これについて実験データの蓄積に基づいて作成されたのが、図5に示す作動電力量算出マップであり、熱電素子作動電力量(β2)の算出は、前記作動電力量算出マップから求められる(ステップS46)。
Thereafter, the ambient temperature of the
ステップS44において算出された増加蓄熱量(β1)とステップS46において算出された熱電素子作動電力量(β2)との関係から、エネルギー効率を表す図6の判定マップに基づいて発核作用の可否が判断される(ステップS47)。このステップS47の判断は、図6に記載してある判定マップに基づいて行うことができる。この判定マップは、横軸に熱電素子作動電力量(β2)を取り、縦軸に増加蓄熱量(β1)を取った二次元マップであって、図6に曲線で示す境界線Lによって、A領域とB領域とに区分されている。この境界線Lは、増加蓄熱量(β1)に対する熱電素子作動電力量(β2)の比が1となる線(図6では45度の線)に対して若干図6の上側に位置する曲線として設定された境界線である。増加蓄熱量(β1)が熱電素子作動電力量(β2)より幾分多くなる領域をB領域とし、増加蓄熱量(β1)が熱電素子作動電力量(β2)よりさらに多くなる領域をA領域としてある。図6の判定マップが曲線となっているのは、熱電素子作動電力量(β2)が増加すると蓄熱材の温度(α1)と周囲温度(α2)との温度差が大きい、もしくは、周囲温度(α2)が高いかで、熱電素子と蓄熱材とが接触する面の温度を蓄熱材を過冷却させる温度まで下げるために必要なエネルギー量が多くなり効率が悪くなることによるものである。したがって、上記のステップS44で算出された増加蓄熱量(β1)と上記のステップS46で算出された熱電素子作動電力量(β2)との関係が図6に基づいて判断される。したがって、ステップS47では、その時点の動作状況がA領域か否かの判断が行われ、否定的に判断された場合には熱電素子4を動作させることなく本制御ルーチンを一旦終了する。また、肯定的に判断された場合は、発核させるべき位置すなわち発核させるべく動作させる熱電素子4が選択される(ステップS48)。
Based on the relationship between the increased heat storage amount (β1) calculated in step S44 and the thermoelectric element operating power amount (β2) calculated in step S46, whether or not the nucleation action is possible based on the determination map of FIG. Determination is made (step S47). The determination in step S47 can be made based on the determination map described in FIG. This determination map is a two-dimensional map in which the horizontal axis represents the thermoelectric element operating energy (β2) and the vertical axis represents the increased heat storage amount (β1), and the boundary line L indicated by a curve in FIG. It is divided into an area and a B area. This boundary line L is a curve located slightly on the upper side of FIG. 6 with respect to a line (45 degree line in FIG. 6) in which the ratio of the thermoelectric element operating power amount (β2) to the increased heat storage amount (β1) is 1. It is a set boundary line. A region where the increased heat storage amount (β1) is somewhat larger than the thermoelectric element operating power amount (β2) is defined as B region, and a region where the increased heat storage amount (β1) is further greater than the thermoelectric element operating power amount (β2) is defined as the A region. is there. The judgment map of FIG. 6 is a curve because the temperature difference between the temperature (α1) of the heat storage material and the ambient temperature (α2) increases as the thermoelectric element operating power (β2) increases, or the ambient temperature ( This is because the amount of energy necessary for lowering the temperature of the surface where the thermoelectric element and the heat storage material are contacted to a temperature at which the heat storage material is supercooled increases and the efficiency is deteriorated. Therefore, the relationship between the increased heat storage amount (β1) calculated in step S44 and the thermoelectric element operating power amount (β2) calculated in step S46 is determined based on FIG. Therefore, in step S47, it is determined whether or not the current operation state is the A region. If the determination is negative, the present control routine is temporarily terminated without operating the
蓄熱装置の他の例を図7に概略的に示す。本実施例は、構造は図1と同一であるが、発核制御に用いられている情報としてアクセル開度、エンジン回転数、車速情報、変速比、ブレーキ情報等の走行状態と、外気温の走行環境が読み込まれている点で図1に示される例と異なっている。なお、熱電素子4A,4B,…4P、温度センサ9A,9B,…9Eについては、図1の例と同様に設けられているが、熱電素子4、温度センサ9として簡略化して表示する。また、他の構造は図1と同一であるため、図7に図1と同様の符号を付してその説明を省略する。
Another example of the heat storage device is schematically shown in FIG. In this embodiment, the structure is the same as that shown in FIG. 1, but as information used for the nucleation control, the travel state such as the accelerator opening, the engine speed, the vehicle speed information, the gear ratio, the brake information, etc. 1 is different from the example shown in FIG. 1 in that the driving environment is read. The
図8は他の例における制御例を説明するためのフローチャートである。本実施例においては、アクセル開度、エンジン回転数、車速、変速比、ブレーキ等の走行状態が読み込まれ(ステップS81)、ついでエンジン負荷(要求トルク)量(γ1)が算出される(ステップS82)。その算出されたエンジン負荷(要求トルク)量(γ1)が判定基準負荷量(γ2)以下か否かが判定される(ステップS83)。エンジン負荷(要求トルク)量(γ1)が判定基準負荷量(γ2)よりも大きい場合には、エンジンやモータ・ジェネレータ等の動力源にかかる負荷が大きく、コンプレッサ11で発生できる熱量(エネルギー量)も少なくなるため、コンプレッサ11から冷媒2を通じて流入される熱量(エネルギー量)も少なくなる。このため、上記のエンジン負荷(要求トルク)量(γ1)が判定基準負荷量(γ2)よりも大きい場合は、発核作用を生じさせることなく上記の制御ルーチンを終了する。また、外気温が高い場合には、コンデンサー12からの放熱性が悪くなるため、不可避的に冷媒2を通じて流入される熱量が少なくなり、発核制御は行わない。
FIG. 8 is a flowchart for explaining a control example in another example. In this embodiment, the travel state such as the accelerator opening, the engine speed, the vehicle speed, the gear ratio, and the brake is read (step S81), and then the engine load (required torque) amount (γ1) is calculated (step S82). ). It is determined whether or not the calculated engine load (required torque) amount (γ1) is equal to or less than the determination reference load amount (γ2) (step S83). When the engine load (requested torque) amount (γ1) is larger than the determination reference load amount (γ2), the load applied to the power source such as the engine or the motor / generator is large, and the amount of heat (energy amount) that can be generated by the
エンジン負荷(要求トルク)量(γ1)が判定基準負荷量(γ2)以下であることにより、ステップS83で肯定的に判断された場合は、エンジンやモータ・ジェネレータ等の動力源の負荷が小さく、コンプレッサ11で発生できる熱量(エネルギー量)も多くなるため、コンプレッサ11から冷媒2を通じて蓄熱材1に流入する熱量が多くなる。したがって、発核作用を生じさせるか否かを検討するべくステップS84以降の制御ルーチンに進む。
If the engine load (required torque) amount (γ1) is equal to or less than the determination reference load amount (γ2), and if a positive determination is made in step S83, the load of the power source such as the engine or the motor / generator is small, Since the amount of heat (energy amount) that can be generated by the
エンジン負荷(要求トルク)量(γ1)が判定基準負荷量(γ2)よりも小さい場合は、温度センサ等により測定された外気温とエンジン負荷(要求トルク)量(γ1)とに基づいてコンプレッサ11で発生され、冷媒2を通じて蓄熱材1に流入される熱量が熱生成量(γ3)として算出される(ステップS84)。ここで、コンプレッサ11に可変容量コンプレッサが用いられる場合は、エンジン回転数が高く、エンジン負荷が大きくなるに従い、コンプレッサ11の容量が減少される。これにより、熱生成で消費される駆動力が減少され、車両にかかる駆動力が増大される。したがって、可変容量コンプレッサの場合は、エンジン回転数が低く、エンジン負荷が小さい場合に熱生成量(γ3)が多くなる。また、コンプレッサ11において定容量コンプレッサが用いられる場合は、エンジン回転数に比例して熱生成量(γ3)が増大する。なお、外気温が高い場合はコンデンサー12からの放熱性が悪くなるので算出される熱生成量(γ3)が少なくなり、発核制御をしない。
When the engine load (requested torque) amount (γ1) is smaller than the determination reference load amount (γ2), the
一方、温度センサ9の取り付け場所は、図1と同様に蓄熱材1の外側及び内側に設けられている。ステップS85,S86で記されている温度センサ9の読み込み、推定された内部の温度分布は、前述したステップS21,S22と同一であるため説明を省略する。ステップS87では、算出された熱生成量(γ3)と推定された温度分布とに基づいて発核制御の要否を判断している。温度分布の推定結果からは、蓄熱材1と冷媒2とブライン3との熱的特性が判断される。ここで、蓄熱材1の熱的特性には、蓄熱材1が凝固された状態を含む熱的特性と蓄熱材1が凝固されていない状態での熱的特性とが含まれる。発核を生じさせた方が熱生成した冷熱量(γ3)を効率よく蓄熱できると判断した場合は、蓄熱量、蓄熱速度を考慮して発核させるべき位置すなわち発核させるべく動作させる熱電素子4が選択される(ステップS88)。
On the other hand, the mounting location of the
蓄熱装置の他の例を図10に概略的に示す。本実施例においては、構造上は図1と同一であるが、発核制御に用いられている情報が、走行状態を示す情報とインフラ情報と三次元ナビゲーションシステムに備えられている情報と走行環境情報とである点で異なっている。走行状態を示す情報には、アクセル開度とエンジン回転数と車速と変速比とブレーキとが含まれている。また、インフラ情報には、渋滞、信号、気象情報などの外部から受け取ることのできる情報が含まれる。さらに、三次元ナビゲーションシステムに備えられている情報には、道路勾配、踏切、カーブ情報などが含まれる。なお、熱電素子4A,4B,…4P、温度センサ9A,9B,…9Eについては、図1の例と同様に設けられているが、熱電素子4、温度センサ9として簡略化して表示する。また、他の構造は、図1と同一であるため、説明を省略する。
Another example of the heat storage device is schematically shown in FIG. In this embodiment, the structure is the same as that in FIG. 1, but the information used for the nucleation control includes information indicating the driving state, infrastructure information, information provided in the three-dimensional navigation system, and driving environment. It is different from information. The information indicating the running state includes the accelerator opening, the engine speed, the vehicle speed, the gear ratio, and the brake. The infrastructure information includes information that can be received from the outside, such as traffic jams, signals, and weather information. Further, the information provided in the three-dimensional navigation system includes road gradient, railroad crossing, curve information, and the like. The
図11は他の例における制御例を説明するためのフローチャートである。本実施例においては、アクセル開度、エンジン回転数、車速、変速比、ブレーキ等の走行状態、渋滞、信号、気象情報などのインフラからの情報、道路勾配、踏切、カーブの三次元ナビゲーション情報などからの走行条件、外気温の走行環境情報の走行環境等の情報がコントローラ17に読み込まれている(ステップS111)。ここで、三次元ナビゲーションの情報には目的地の場所、現在位置からの距離、高低差等が含まれている。また、アクセル開度、エンジン回転数、車速、変速比、ブレーキについては、運転手の操作を制御装置にフィードバックすることにより入力情報としての精度を向上することができる。 FIG. 11 is a flowchart for explaining a control example in another example. In this embodiment, accelerator opening, engine speed, vehicle speed, gear ratio, driving conditions such as brakes, traffic information, traffic information, infrastructure information such as weather information, road gradient, railroad crossing, curve three-dimensional navigation information, etc. Information such as the driving conditions from the driving environment, the driving environment information of the driving environment information of the outside air temperature, etc. is read into the controller 17 (step S111). Here, the information of the three-dimensional navigation includes the location of the destination, the distance from the current position, the height difference, and the like. Further, with respect to the accelerator opening, the engine speed, the vehicle speed, the gear ratio, and the brake, the accuracy as input information can be improved by feeding back the driver's operation to the control device.
三次元ナビゲーションの情報により読み込まれた目的地と現在位置との走行距離、高低差等から、エンジンやモータ・ジェネレータ等の動力源の負荷を予測(推測)し、コンプレッサ11により、将来、発生される成熱量(δ1)が予測される(ステップS112)。また、三次元ナビゲーションの情報により読み込まれた目的地と現在位置との走行距離、高低差等から、蓄熱材1に蓄熱された将来の消費熱量(δ2)が予測される(ステップS113)。そして、上記の将来、発生される成熱量(δ1)と将来の消費熱量(δ2)とから将来の蓄熱量(δ3)を推定することができる(ステップS114)。
The load of the power source such as the engine or motor / generator is predicted (estimated) from the travel distance and height difference between the destination read by the information of the three-dimensional navigation and the current position, and is generated by the
ステップS115において蓄熱材1の外側及び内側の温度を温度センサによりコントローラ17に読み込み、ステップS116において温度分布の推定が行われ、これらは前述したステップS21,S22と同一であるため説明を省略する。
In step S115, the temperatures outside and inside the
ステップS116において推定された内部の温度分布とステップS114において推定される将来の蓄熱量(δ3)とに基づいて発核制御の可否が判断される。具体的には、推定された内部の温度分布から蓄熱材1の過冷却部があるか否かが判断され、将来の蓄熱量(δ3)が過冷却状態の蓄熱材1の蓄熱量を超えないと判断した場合には、発核制御をすることなく本ルーチンを抜ける。一方、将来の蓄熱量(δ3)が過冷却状態の蓄熱材1の蓄熱量を超えると判断した場合には、発核させるべき位置すなわち発核させるべく動作させる熱電素子4A,4B,…4Pが選択される(ステップS118)。この熱電素子4A,4B,…4Pに電圧を掛けてそのペルティエ効果によって蓄熱材1を局部的に冷却する。
Whether or not nucleation control is possible is determined based on the internal temperature distribution estimated in step S116 and the future heat storage amount (δ3) estimated in step S114. Specifically, it is determined whether or not there is a supercooling portion of the
本ルーチンにおける高低差(標高)に対する生成熱量累積(δ1)、消費熱量累積(δ2)、蓄熱量(δ3)、発核制御の有無を表すタイミングチャートを図12に記す。ここで、蓄熱量(δ3)は前記生成熱量累積(δ1)と前記消費熱量累積(δ2)との差を示している。また、図12に示すタイミングチャートは、高低差(標高)を要因とする生成熱量累積(δ1)、消費熱量累積(δ2)、蓄熱量(δ3)、発核制御の有無について示しており、他の走行状態、走行条件、走行環境の要因は考慮しないとする。高低差(標高)の情報は、三次元ナビゲーションから将来走行する予定の高低差がコントローラ17に読み込まれる。
FIG. 12 shows a timing chart representing the generated heat amount accumulation (δ1), the consumed heat amount accumulation (δ2), the heat storage amount (δ3), and the presence or absence of nucleation control with respect to the height difference (elevation) in this routine. Here, the heat storage amount (δ3) indicates a difference between the generated heat amount accumulation (δ1) and the consumed heat amount accumulation (δ2). In addition, the timing chart shown in FIG. 12 shows the generation heat amount accumulation (δ1), the consumption heat amount accumulation (δ2), the heat storage amount (δ3), and the presence / absence of nucleation control due to the height difference (altitude). The driving conditions, driving conditions, and driving environment factors are not considered. As the height difference (elevation) information, the height difference scheduled to travel in the future is read into the
車両の走行により冷凍サイクル10からエネルギーが出力されているため、生成熱量累積(δ1)は時間の経過と共に増加する。また、消費熱量累積(δ2)は、冷房によって蓄熱材1から消費される熱量の累積を示し、冷房の設定温度、送風量、使用時間等に伴い増加する。なお、図12に示すタイミングチャートは、高低差(標高)を要因とする消費熱量累積(δ2)について示されているため、冷房の設定温度、送風量、使用時間等の変動は考慮していない。
Since energy is output from the
図12におけるタイミングチャートにおいて、高低差(標高)の変動のない場合は、いわゆる平坦部を走行している。具体的には、図12における時刻t1までの状態があげられる。生成熱量累積(δ1)、消費熱量累積(δ2)は共に一定の割合で増加するため、生成熱量累積(δ1)、消費熱量累積(δ2)の差である蓄熱量(δ3)も一定の割合で増加する。 In the timing chart of FIG. 12, when there is no change in elevation (elevation), the vehicle is traveling on a so-called flat part. Specifically, the state up to time t1 in FIG. Since the generated heat amount accumulation (δ1) and the consumed heat amount accumulation (δ2) both increase at a constant rate, the stored heat amount (δ3), which is the difference between the generated heat amount accumulated (δ1) and the consumed heat amount accumulated (δ2), also increases at a constant rate. To increase.
また、高低差(標高)が時間の経過と共に低くなる場合は、いわゆる降坂路の走行に該当し、この場合は車両の位置エネルギーがコンプレッサ11により生成熱エネルギーに変換されているため、動力源から発生する熱エネルギーが増加し、走行に伴う生成熱量累積量が多くなり、発核制御をして蓄熱量(δ3)を増加させる。図12の例では、時刻t2から時刻t4の状態が該当する。この場合は、コンプレッサ11に使用できるエネルギーが増加し、生成熱量(δ1)の増加量が増大する。このとき、消費熱量(δ2)の増加量は高低差(標高)の変化にほとんど依存しないため、蓄熱量(δ3)の増加量は平坦部の走行時よりも増加する。
In addition, when the height difference (elevation) decreases with the passage of time, it corresponds to traveling on a so-called downhill road, and in this case, the potential energy of the vehicle is converted into generated heat energy by the
また、高低差(標高)が時間の経過と共に高くなる場合は、いわゆる登坂路の走行に該当し、この場合は車両の運動エネルギーが位置エネルギーに変換されているため、走行に伴うエンジンやモータ・ジェネレータ等の動力源の消費エネルギーが増大するので、発核制御をしないで消費エネルギーを減少させる。図12の例では、時刻t5から時刻t6の状態があげられる。この場合は、コンプレッサ11に使用できるエネルギーが減少し、生成熱量(δ1)が減少する。ここで、消費熱量(δ2)の増加量は高低差(標高)の変化にほとんど依存しないため、蓄熱量(δ3)が減少する。
In addition, when the height difference (elevation) increases with time, it corresponds to traveling on a so-called uphill road. In this case, the kinetic energy of the vehicle is converted into potential energy. Since the energy consumption of a power source such as a generator increases, the energy consumption is reduced without nucleation control. In the example of FIG. 12, there are states from time t5 to time t6. In this case, the energy that can be used for the
図12においては、時刻t1以降において降坂路が続くため、蓄熱量(δ3)の増加量は平坦部の走行時よりも増加する。蓄熱量(δ3)が増大し、今後も増大することが推定される場合には、蓄熱材1について発核制御を行い、発核させるべき位置すなわち発核させるべく動作させる熱電素子4A,4B,…4Pが選択される。このとき時刻t2から時刻t4まで発核制御を行っているが、蓄熱量(δ3)は時刻t5まで増加すると推定されているため、時刻t4から時刻t5の間では蓄熱量(δ3)が増加しているにも関わらず発核制御を行っていないことになる。しかし、時刻t5以降では高低差(標高)が時間の経過と共に高くなる、いわゆる登坂路における走行になると予測され、これに伴い蓄熱量(δ3)が減少すると推定されるため、時刻t5以降の蓄熱量(δ3)を考慮して時刻t4から時刻t7まで発核制御を行わない。また、時刻t7から時刻t8の間についても同様に発核制御が行われる。時刻t10以降においては、時刻t12まで降坂路を走行し、その後平坦部を走行するが、発核制御は降坂路を走行時の時刻t11と平坦部を走行時の時刻t12との間に行われている。これは、進行方向に渋滞などが予測されたり、もしくは、市街地となり蓄熱量を増加できる区間がない場合は、事前に積極的に発核制御を行い蓄熱量(δ3)を増やし、将来に備えるためである。
In FIG. 12, since the downhill road continues after time t1, the amount of increase in the heat storage amount (δ3) increases compared to when the flat portion travels. When the heat storage amount (δ3) increases and is estimated to increase in the future, the nucleation control is performed on the
なお、発核作用を促すエネルギーを与えることについては、要は蓄熱材にエネルギーを伝えられれば良く、熱電素子による熱エネルギーに限らず、マイクロ波、物理的な衝撃を与えても良い。また、熱搬入媒体を通じて流入される熱量(エネルギー量)は冷凍サイクル10からの熱量(エネルギー量)に限らず、太陽電池、廃熱から得られる熱量(エネルギー量)であれば良い。
It should be noted that the energy for promoting the nucleating action is not limited as long as the energy can be transmitted to the heat storage material, and not only the heat energy by the thermoelectric element but also a microwave or physical impact may be applied. Further, the amount of heat (energy amount) flowing through the heat carrying medium is not limited to the amount of heat (energy amount) from the
なお、蓄熱材1に対して、熱搬入媒体としての冷媒2が正の熱である暖熱を搬入し、かつ蓄熱材1の有する暖熱を、熱搬出媒体としてのブライン3が搬出するように構成した場合においても、蓄熱材1が過冷却の状態である時に蓄熱材1の外部から刺激を与えると、蓄熱材1は凝固する。蓄熱材1にエネルギーを与える刺激手段としては、熱搬入媒体としての冷媒2が冷熱を搬入し、蓄熱材1の有する冷熱を、熱搬入媒体としてのブライン3が搬出するように構成した場合と同様である。蓄熱材1は凝固する際に潜熱を放出するため、過冷却の状態から相変化することにより放熱量が増大(増加)する。したがって、蓄熱材1は外部から刺激を与えることにより放熱量が増大(増加)する。
In addition, the refrigerant |
また、蓄熱材1に対して、熱搬入媒体としての冷媒2が暖熱を搬入し、かつ蓄熱材1の有する暖熱を、熱搬出媒体としてのブライン3が搬出するように構成した場合は、蓄熱材1に入力される暖熱量が、蓄熱材1から放出される暖熱量より少ないことになり、このような状態を図2におけるステップS23で判断している。そして、その判断結果に基づく局部的な発核操作を行うので、発核に消費する熱量(エネルギー量)が、発核に伴って増大(増加)する放熱量より少なく、その結果、効率良く放熱を行うことができる。言い換えれば、放熱量が増大(増加)する過冷却状態もしくは温度分布の状態で熱電素子が選択されて動作し、発核が行われる。
In addition, when the refrigerant 2 as the heat carry-in medium carries warm heat into the
なお、蓄熱材1に対して、熱搬入媒体としての冷媒2が暖熱を搬入し、かつ蓄熱材1の有する暖熱を、熱搬出媒体としてのブライン3が搬出するように構成した場合において、過冷却部が存在することが検出もしくは判断されてステップS43で肯定的な判断が成立した場合には、発核作用により増大(増加)する放熱量(以下、増加放熱量と記す)は、推定された温度分布から算出される(ステップS44)。すなわち、増加放熱量は、蓄熱材1内の過冷却部の量や凝固する量ならびにその潜熱などから求められることができる。
In addition, in the case where the
さらにまた、蓄熱材1に対して、熱搬入媒体としての冷媒2が暖熱を搬入し、かつ蓄熱材1の有する暖熱を、熱搬出媒体としてのブライン3が搬出するように構成した場合においては、図4におけるステップS44において算出された増加放熱量(β1)と図4におけるステップS46において算出された熱電素子作動電力量(β2)との関係から、エネルギー効率を表す図6の判定マップに基づいて発核作用の可否が判断される(ステップS47)。このステップS47の判断は、図6に記載してある判定マップに基づいて行うことができる。この判定マップは、熱搬入媒体としての冷媒2が冷熱を搬入し、かつ蓄熱材1の有する冷熱を、熱搬出媒体としてのブライン3が搬出するように構成した場合と同様に構成される。したがって、上記のステップS44で算出された増加放熱量と上記のステップS46で算出された熱電素子作動電力量(β2)との関係が図6に基づいて判断される。また、ステップS47では、その時点の動作状況がA領域か否かの判断が行われ、否定的に判断された場合には熱電素子4を動作させることなく本制御ルーチンを一旦終了する。また、肯定的に判断された場合は、発核させるべき位置すなわち発核させるべく動作させる熱電素子4が選択される(ステップS48)。
Furthermore, in the case where the
1…蓄熱材、 2…冷媒、 3…ブライン、 4A,4B,〜4P…熱電素子、 5…入熱用配管、 6…出熱用配管、 7A,7B…入口部、 8A,8B…出口部、 9A,9B,…9E,18…温度センサ, 10…冷凍サイクル、 11…コンプレッサ、 12…コンデンサー、 13…レシーバータンク、 14…膨張弁、 15…熱交換器、 16…ポンプ、 17…コントローラ、 19…蓄熱器。
DESCRIPTION OF
Claims (3)
過冷却状態の前記蓄熱材に外部からエネルギ−を与えて前記蓄熱材に固相の核を生じさせる発核手段と、
前記発核手段により前記蓄熱材に前記固相の核を生じさせた場合に増大する前記蓄熱材での蓄熱量を、前記蓄熱材の複数箇所に設けられた温度センサで得られた温度から推定される温度分布と固相に凝固する前記蓄熱材の量と前記蓄熱材の潜熱とに基づいて算出する第一算出手段と、
発核のために前記発核手段により消費される熱量を算出する第二算出手段と、
前記第一算出手段で算出された蓄熱量と前記第二算出手段で算出された熱量との比較結果に基づいて前記発核手段による発核の実行・不実行を判断する判断手段と
を備えていることを特徴とする蓄熱装置。 In a heat storage device with a heat storage material that stores latent heat with phase change as cold energy,
Nucleation means for applying energy to the heat storage material in the supercooled state from the outside to generate solid phase nuclei in the heat storage material;
The amount of heat stored in the heat storage material, which increases when the solid phase nuclei are generated in the heat storage material by the nucleation means, is estimated from temperatures obtained by temperature sensors provided at a plurality of locations of the heat storage material. First calculation means for calculating based on the temperature distribution and the amount of the heat storage material solidified to a solid phase and the latent heat of the heat storage material;
Second calculating means for calculating the amount of heat consumed by the nucleating means for nucleation;
Determination means for determining execution / non-execution of nucleation by the nucleation means based on a comparison result between the heat storage amount calculated by the first calculation means and the heat amount calculated by the second calculation means. A heat storage device characterized by having
過冷却状態の前記蓄熱材に外部からエネルギ−を与えて前記蓄熱材に固相の核を生じさせる発核手段と、
前記発核手段によって前記蓄熱材に固相を生じさせるために必要とする熱量を算出する熱量算出手段と、
前記熱量算出手段による算出結果に基づいて前記発核手段による発核の実行・不実行を判断する判断手段と、
前記蓄熱材の複数箇所に設けられた温度センサで検出した温度に基づいて前記蓄熱材の温度分布を推定する手段と
を備え、
前記判断手段は、前記熱量算出手段による算出結果と蓄熱材の内部における推定された温度分布とに基づいて前記発核手段による発核の実行・不実行を判断する手段を含むことを特徴とする蓄熱装置。 In a heat storage device with a heat storage material that stores latent heat with phase change as cold energy,
Nucleation means for applying energy to the heat storage material in the supercooled state from the outside to generate solid phase nuclei in the heat storage material;
A calorific value calculating means for calculating a calorific value required for generating a solid phase in the heat storage material by the nucleation means;
A determination unit that determines execution / non-execution of nucleation by the nucleation unit based on a calculation result by the calorific value calculation unit ;
Means for estimating a temperature distribution of the heat storage material based on temperatures detected by temperature sensors provided at a plurality of locations of the heat storage material;
Bei to give a,
The determining means includes a feature that you includes means for determining the execution and non-execution of nucleation by said nucleating means based on the estimated temperature distribution inside the calculation result and the heat storage material according to the heat calculating means Heat storage device.
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