JP4849636B2 - 光符号通信システムにおける復号器 - Google Patents

光符号通信システムにおける復号器 Download PDF

Info

Publication number
JP4849636B2
JP4849636B2 JP2007215178A JP2007215178A JP4849636B2 JP 4849636 B2 JP4849636 B2 JP 4849636B2 JP 2007215178 A JP2007215178 A JP 2007215178A JP 2007215178 A JP2007215178 A JP 2007215178A JP 4849636 B2 JP4849636 B2 JP 4849636B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical frequency
propagation
optical
intensity
frequency chip
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007215178A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009049799A (ja
Inventor
學 吉野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2007215178A priority Critical patent/JP4849636B2/ja
Publication of JP2009049799A publication Critical patent/JP2009049799A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4849636B2 publication Critical patent/JP4849636B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Communication System (AREA)

Description

本発明は、光通信の技術分野に関わり、少なくとも光周波数領域で符号化を行う光符号を用いた光符号通信システムにおける復号器に関するものである。
従来の技術
サービス提供中の既設光ファイバを用いて、既存サービスに影響を与えずに、追加サービスを提供する方法として、光符号分割多重(optical code division multiplexing;OCDM)がある。特に、インコヒーレント光を光周波数領域で光強度符号化し、直交符号を用いる直交SAC(spectral amplitude coding;周波数領域振幅符号化)OCDMが安価で簡易な構成から期待されている。このような直交SAC OCDMは、送信パルスを周波数スペクトルに分割し、各ユーザに割り当てられた拡散符号に従って、送信データ1ビット当り、複数の周波数スペクトルを同時間に送信する方式であり、例えば非特許文献1に示されている。
直交SAC OCDMの符号器では、符号語が“1”と“0”の光周波数チップをそれぞれ導通/遮断することで符号化する。対応する復号器では、符号語が“1”と“0”の光周波数チップを光検波して、それぞれ加算/減算することで復号する。電気的な減算で“−1”の値を実現し、直交符号を用いることで、符号間の多元接続干渉(multiple access interference;MAI)を抑止する。復号器は、“1”と“0”の光周波数チップを分離するフィルタで構成される。このフィルタとしては、低コスト化が期待できるブラッググレーティング(Bragg grating;BG)を多段接続したFBG(fiber Bragg grating)が有望である。
FBGを用いた光符号通信システムには、“1”と“0”のいずれかの光周波数チップを反射する一組のFBGを利用し、反射と透過で分離するタイプ(図1(a)、(b))と、“1”と“0”のそれぞれの光周波数チップを反射する二組のFBGで分離するタイプ(図1(c)、(d))とがある。図1(a)〜(d)において、10は符号器、20は復号器である。そして、11,12,21,22はFBG、13,14,23,24はサーキュレータ、25は遅延線、26は光減衰用の減衰器、27は差動光検波器、28は光カプラである。
ここで、図1(b)の復号器20の2段目のFBG22は、1段目のFBG21で反射した光周波数チップの到着時間を同一にするために用いる。図1(a)、(b)の構成のFBG21,22は、“1”の光周波数チップに対応するBGのみでよい。さらに、この構成は、他符復号器と光周波数チップの遅延時間を揃える必要がない。逆に、BGの縦列配置に起因するビット拡がりによる符号間干渉が無視できない場合、符号光の光周波数チップの到着時間を等しくするために、図1(c)、(d)で示す復号器20では、全符復号器で各光周波数チップのFBG上の配置位置を揃える必要があり、全体のFBG長も長くなる。そのため、図1(a)、(b)の構成は、“1”の光周波数チップのBGを最小間隔で配置できるために、BG数とFBG全長が最小となる。これは、“1”の数が少ないMQC(modified quadratic conguruence)符号等の符号系列に適した構成である。MQC符号は、例えば非特許文献2に示されている。
MQC符号の場合、2以上の素数とPとすると、符号長がP2+P、重みがP+1、符号数がP2と表せる。FBGを構成するBG数については、図1(a)、(b)の構成の各FBG11,12,21,22はP+1、図1(c),(d)の符号器10と復号器20の一方のFBG11,21はP+1、復号器20の他方のFBG22はP2+P−(P+1)=P2−1である。BG間隔をLとすると、FBGの長さは、図1(a)、(b)の構成の各FBG11,12,21,22はPL、図1(c),(d)の構成の各FBG11,12,21,22は(P2+P)Lである。したがって、FBGの長さで比較すると、図1(a),(b)は、図1(c),(d)に比べて1/Pと短くなる。よって、同一のフィルタ(FBG)の透過と反射で分離する図1(a),(b)の復号器20が望ましい構成であると言える。
D.Zaccarin,et al.,"An Optical CDMA System Based on Spectral Encodig of LED",IEEE Photon.Technol.Lett.,vol.4,no.4,pp.479-482,1993. Z.Wei,et al.,"Modified Quadratic Congruence Codeds for Fiber Bragg-Grating-Based Spectral-Amplitude-Coding Optical CDMA Systems",J.Lightwave Techol.,vol.19,no.9,pp.1274-1281,2001.
ところが、望ましい構成である同一のフィルタの透過スペクトルと反射スペクトルを用いる復号器を実現するためには、以下の課題がある。
FBGを構成するBGの反射スペクトルは、通常矩形と想定され、理想的でない場合の影響が検討されていない。裾野が広がると、反射されない残滓が透過する。例えば、BGを矩形に焼きこむと、その反射スペクトルはガウシアンに近似できることが知られている。符号器で符号化するインコヒーレント光のスペクトルがフラットに近似できる場合、各光周波数チップに対応するガウシアンフィルタで符号化すると、ガウシアンのスペクトルの光を送出することになる。このガウシアンのスペクトルの光を、符号器で用いたのと同型のガウシアンフィルタで反射した場合、反射されない残滓が透過する。
全FBGが同型のスペクトルのガウシアンフィルタであると想定すると、図1(a)の構成は、符号器10と復号器20の合わせて2段目のFBG21の反射/透過で光周波数チップを分離する。したがって、本来反射されるべき光の約29%が透過することになる。図1(b)の構成は、符号器10と復号器20の合わせて3段目のFBG21の反射/透過で光周波数チップを分離する。したがって、本来反射されるべき光の約18%が透過することになる。ガウシアンフィルタにおいて、広帯域の光を反射する際の透過をなくすには、広帯域の光の光周波数幅が無視できる程度に広帯域なフィルタが必要となるが、そのようなガウシアンフィルタの想定は非現実的である。
図2に、図1(b)の構成において、対応するMQC符号が2符号(多重数が2)の場合の模式図を示す。ここでは、符号器10Aから送られる自符号(“1”の値の周波数光周波数チップがf01、f09、f14、f16、f20、f28)を、符号器10Bから送られる他符号(“1”の値の周波数光周波数チップがf00、f06、f14、f19、f21、f27)から分離して、復号器20で復号する場合について説明する。なお、15はインコヒーレント光源、16は変調器、40はスター光カプラである。
図2に示されるように、復号器20が、復号対象外の符号(他符号)を受信すると、復号対象の符号(自符号)であって“1”の値の光周波数チップ(f01、f09、f14、f16、f20、f28)と、復号対象外の符号を構成する“1”の値の光周波数チップのうちの復号対象の符号と同じ“1”の光周波数チップ(f14)のみが1段目のFBG23で反射される。
しかしながら、信号光を構成する光自体とFBGの反射するスペクトルが、共になだらかな裾野を有するために、反射されるべき光周波数チップの光強度のうちの一部(f14)がFBG21で反射されずに、透過している(MAIの原因1)。また、反射された光周波数チップは、光周波数チップを構成する全ての光強度が反射されないために、反射されずに透過した光周波数チップに比べて、光強度が減衰する(MAIの原因2)。さらに、反射された光周波数チップは、遅延時間を揃えるために再度FBG22で反射される。この際も、光周波数チップを構成する全ての光強度は反射されないために、さらに光強度が減衰する。
そのため、本来、他符号については、反射側(減衰器26のと反対側)に1つの光周波数チップ、透過側(減衰器26の側)に符号系列に対応する素数と等しい5つの光周波数チップに分離し、透過側の光強度が減衰器26で1/5にされることで、透過側と反射側で光強度が均衡し、MAIが抑止されるはずであったが、透過光強度増大と反射光強度減少により均衡が崩れ、MAIが発生する。
このとき、反射光の信号光強度は
R・Tr・ω
と表せる。また、MAIの値は、
R・Tr・λ−k・Tt・{(ω−λ)+(1−R)λ}
と表せる。ここで、
ω:“1”の光周波数チップの数(重み)
λ:異符号との間で同一の光周波数チップが共に“1”である数
R:FBG21の反射率
Tr:FBG21で分離した後の反射側の透過率
Tt:FBG21で分離した後の透過側の透過率
k:減衰器26の透過率
である。
MQC符号の場合、ωはP+1、λは1(Pは2以上の素数)である。また、アダマール符号の場合、ωは2m-1、λは2m-2(mは自然数)である。減衰器26の透過率kは、通常、λ/(ω−λ)であるので、MQC符号の場合は1/P、アダマール符号の場合は1となる。また、FBGを構成するBGの反射強度のスペクトルは中心周波数に対して同一形状、FBGの対応する光周波数チップの中心周波数は一致、その反射強度は同一、対応する光周波数チップと隣接する光周波数チップの当該BGでの反射は無視でき、減衰器26以外の損失はないとした。
図1(b)の構成において、MQC符号とアダマール符号の信号光強度に対するMAI強度の最悪値を図3(a),(b)に示した。図3の横軸は符号数(多重数)、縦軸は信号光に対するMAIの最悪値である。図3の印◆がMQC符号、印●がアダマール符号のそれぞれ従来方法による場合である。ここで、プロットは符号数2を除き、MQC符号では2以上の素数Pに対応する各符号系列の、アダマール符号では自然数mに対応する符号長2mの各符号系列の、それぞれ全符号が同時に1の値を送信する最悪値である。ここでは、FBGを構成するBGは同型のガウシアンスペクトルを反射するとした。したがって、R、Tr、Ttの値は、それぞれ0.82、0.86、1となる。
図3に示されるように、MQC符号の従来方法では、9多重でMAI強度が信号光強度と同程度に到達する程はなはだしい。透過側の出力を減衰器26で1/P乗ずるMQC符号と異なり、アダマール符号はMQC符号に比べて概ねP倍のMAIが発生し、復号対象外の符号の1符号当りの符号光強度の約33%のMAIとなり、影響はさらにはなはだしい。
以上のように、従来例では、“1”と“0”の光周波数チップを分離するフィルタとしてのFBGを構成するBGの反射対象とする光周波数チップに対する反射スペクトルが理想的な矩形ではなく不完全(ガウシアンスペクトル)であるために、MAIが発生する問題があった。
本発明は、上記した点に鑑みてなされたもので、その目的は、復号対象外の光符号の反射強度と透過強度、あるいは伝播の強度と非伝播の強度が等しくなる係数を乗じることで、理想的でないフィルタを用いるときに発生するMAIを簡易に抑止できる復号器を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明の復号器は、少なくとも光周波数領域で符号化した光符号を構成する所定の光周波数チップとそれ以外の光周波数チップとを、反射と透過又は複数の光導波路間の伝播と非伝播を用いて、反射側と透過側又は伝播側と非伝播側に光周波数ごとに分離し、該反射側又は該伝播側の光を光検波した反射又は伝播信号強度と、該透過側又は該非伝播側の光を光検波した透過又は非伝播信号強度とを、それぞれ加減算することで復号を行う復号器において、符復号器を構成するフィルタが理想的でなく、前記反射すべき光周波数チップの一部が透過しあるいは前記伝播すべき光周波数チップの一部が非伝播し、又は前記透過すべき光周波数チップの一部が反射しあるいは前記非伝播すべき光周波数チップの一部が伝播する際に、前記反射すべき光周波数チップの透過する強度の比又は前記伝播すべき光周波数チップの非伝播する強度の比に応じた係数を、又は、前記透過すべき周波数チップの反射する強度の比又は前記非伝播すべき光周波数チップの伝播する強度の比に応じた係数を、前記透過側又は非伝播側の光の強度と前記反射側又は伝播側の光の強度の少なくとも一方に乗じた後にそれぞれ前記光検波するか、前記透過又は非伝播信号強度と前記反射又は伝播信号強度の少なくとも一方に乗じた後に前記加減算を行うことを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の復号器において、前記透過側又は非伝播側の光の強度に対して、光検波前に係数k
k=R・Tr・λ/{Tt・(ω−R・λ)}
を乗算し、又は、前記反射側又は伝播側の光の強度に対して、光検波前に、係数1/kを乗算することを特徴とする復号器。ただし、
ω:“1”の光周波数チップの数(重み)
λ:異なる符号との間で同一の光周波数チップが共に“1”である数
R:“1”の光周波数チップの反射率又は伝播率
Tr:反射側又は伝播側での透過率
Tt:透過側又は非伝播側での透過率
請求項3にかかる発明は、請求項1に記載の復号器において、前記加減算する前の前記透過又は伝播信号強度に対して、光検波後に係数k1
k1=[R・Tr・λ/{Tt・(ω−R・λ)}]2
を乗算し、又は、前記加減算する前の前記反射又は非伝播信号強度に対して、光検波後に係数1/k1を乗算することを特徴とする復号器。ただし、
ω:“1”の光周波数チップの数(重み)
λ:異なる符号との間で同一の光周波数チップが共に“1”である数
R:“1”の光周波数チップの反射率又は伝播率
Tr:反射側又は伝播側での透過率
Tt:透過側又は非伝播側での透過率
本発明によれば、“1”と“0”の光周波数チップを、透過と反射を利用したフィルタで分離する復号器、又は伝播と非伝播を利用したフィルタで分離する復号器において、それらのフィルタのスペクトルが理想的でないときに発生するMAIを簡易に抑止できる。
反射の残滓が透過したことによる直交性の崩れは、異なる符号間で同じ光周波数チップでその値が同時に“1”となる数が同一であることを利用して、残滓による光強度の透過側の増大と反射側の減少に応じた両強度の調整により修復できる。そこで、本発明では、符号の直交性により、反射とその残滓を含む透過の強度比は全符号で一定であることを利用して、フィルタのスペクトルが理想的でないときに発生するMAIを抑止する。
本発明の実施例1の復号器の構成自体は、従来例の図1(a)又は(b)の構成と同様である。本実施例と従来例との違いは、減衰器26の透過率kの設定にある。本実施例の復号器は、復号対象の符号の“1”の光周波数チップを反射し、“0”の光周波数チップを透過するフィルタとしての分離部(図1(a),(b)の復号器20の1段目のFBG21)と、その分離部で得られた透過光を所定の透過率kで減衰させる減衰器26と、分離部で得られた反射光と減衰器26を経由した透過光とをそれぞれ差動光検波する差動光検波器27とを備える。
復号対象外の信号光を受信したとき、反射強度Prと透過強度Ptは次式で示せる。
Pr=R・Tr・λ
Pt=k・Tt{(ω−λ)+(1−R)λ}
ここで、
ω:“1”の光周波数チップの数(重み)
λ:異符号との間で同一の光周波数チップが共に“1”である数
R:FBG21の反射率
Tr:FBG21で分離した後の反射側の透過率
Tt:FBG21で分離した後の透過側の透過率
k:減衰器26の透過率
である。
また、FBGを構成するBGの反射スペクトルは、中心周波数に対して同一形状である。つまり、i番の光周波数チップおよびj番の光周波数チップの中心周波数を、それぞれfiおよびfj(i≠j)としたとき、i番の光周波数チップおよびj番の光周波数チップをそれぞれ反射するそれぞれのBGの周波数に対する反射強度特性を表す周波数−反射強度関数Fi(f)およびFj(f)について、Fi(f−fi)=Fj(f−fj)の関係が成り立つ。
また、FBGの対応する光周波数チップの中心周波数は一致する。すなわち、異なるFBGを構成するBGであって、対応する光周波数チップを反射するBG同士の中心周波数が一致する。例えば、図2では、各FBGを構成する、例えばf14の光周波数チップを反射する各BGの中心周波数が互いに一致している。
また、その強度は同一である。つまり全てのFBGを構成する全てのBGに対して、その反射の中心周波数に対する周波数−信号光強度が同一の入力光に対する反射強度(反射率)は同一である。
また、隣接する光周波数チップの反射は無視できるものとする。つまり、i番の光周波数チップに割り当てられた範囲の光周波数の光がi±1番の光周波数チップに対応するBGで反射されたときの反射強度が、i番の光周波数チップに割り当てられた範囲の光周波数の光がi番の光周波数チップに対応するBGで反射されたときの反射強度に比較して、無視でき、減衰器以外の損失はないものとした。
減衰器26の透過率kは、従来例では、λ/(ω−λ)であり、MQC符号の場合はk=1/P、アダマール符号の場合はk=1であった。PはMQC符号の符号系列に対応する2以上の素数である。
これに対して、本実施例では、復号対象外の符号の前記した反射強度Prと透過強度Ptが等しくなる次の値に、減衰器26の透過率kを設定する。
k=R・Tr・λ/{Tt・(ω−R・λ)}
以下、図1(a),(b)の構成に即して説明する。具体的には、図1(a)の構成であれば、
k=R・λ/(ω−R・λ)
となる。図1(b)の構成であれば、
k=R・Tr・λ/(ω−R・λ)
となる。ここで、分離部のFBG21,22以降に損失はないものとした。したがって、図1(a)では、Tr=1、Tt=1となり、上式となる。図1(b)では、透過側の光周波数チップに遅延時間を揃えるFBG22により、さらに3段目から4段目のガウシアンフィルタで発生する反射率R’で透過し減衰しているので、Tr=R’、Tt=1となり、上式となる。
上記のようにして減衰器26の透過率kを設定したとき、図1(b)の構成の場合におけるMQC符号とアダマール符号のMAIの最悪値を図3(a)、(b)に示す。図3の横軸は符号数(多重数)、縦軸は信号光に対するMAIの最悪値である。図3の印◇はMQC符号、印○はアダマール符号である。ここで、プロットは符号数2を除き、MQC符号では2以上の素数Pに対応する各符号系列の、アダマール符号では自然数mに対応する符号長2mの各符号系列の、それぞれの全符号が同時に“1”の値を送信する最悪値である。FBGを構成するBGは、同型のガウシアンスペクトルを反射するものとした。したがって、R、Tr、Ttは、それぞれ0.82、0.86、1となる。図3に示されるように、いずれも従来例の印◆のMQC符号、印●のアダマール符号と異なり、MAIは発生しない。
なお、FBGを構成するBGの反射スペクトルは中心周波数に対して同一形状で、FBGの対応する光周波数チップの中心周波数は一致し、その強度は同一としたが、同一でない分は、それに応じてR、Tr、Ttの値を変更することで対応できる。
すなわち、FBGを構成するi番のBGの周波数−強度関数Fi(f)を、
Fi(f)=A∫{EXP[-(f-fi)2/2σ2]}df
とすると、図1(a)の構成では、
R=AAΣ∫{EXP[-(f-fi)2/2σ2]EXP[-(f-fi)2/2σ2]}df
=A2Σ∫{EXP[-(f-fi)22]}df
となる。ここで、Aは周波数−強度関数Fi(f)の係数であり、Σは全てのBGに関する総和である。中心周波数が異なる場合、そのずれをΔfRとすると、
R=A2Σ∫{EXP[-(f-fi)2/2σ2]EXP[-(f-fi−ΔfR)2/2σ2]}df
として、変更すればよい。
また、図1(b)の構成では、符号器10の1段目のFBG11の中心周波数からの2段目のFBG12の中心周波数ずれをΔfc、復号器20の2段目の周波数ずれをΔftrとすると、
R=A3Σ∫{EXP[-(f-fi)2/2σ2]EXP[-(f-fi−Δfc)2/2σ2]EXP[-(f-fi− ΔfR)2/2σ2]}df
Tr=ΣA4∫{EXP[-(f-fi)2/2σ2]EXP[-(f-fi−Δfc)2/2σ2]EXP[-(f-fi −ΔfR)2/2σ2]EXP[-(f-fi−Δftr)2/2σ2]}df
と変更すればよい。
また、FBGを構成する各BGの中心周波数が同一で反射強度は同一でない場合、周波数−強度関数の係数Aを強度に応じて変更すればよい。図1(b)の構成において、符号器10および復号器20の各FBG11,12,21,22の係数が、A1,A2,A3,A4であるとすると、
R=A1・A2・A3・Σ∫{EXP[-3(f-fi)2/2σ2]df
Tr=A1・A2・A3・A4・Σ∫{EXP[-2(f-fi)22]}df
とすればよい。
また、減衰器26は透過側に挿入しているが、ωとλの値によっては反射側に挿入しても良い。また減衰器26の代りに、減衰すべき側の反対側に増幅器を挿入してもよいし、両側に増幅器又は減衰器又はその両方を挿入し、増幅率と減衰率を本実施例で示す透過率と同様の比にしても良い。
また、本実施例は、反射が不完全なフィルタを前提に説明を行ったが、透過が不完全で、透過すべき光周波数チップが一部反射し、それ以外の光周波数チップを反射する構成であっても、反射と透過を逆転させることで、同様に適用することが可能である。
また、本実施例では、全光周波数チップを、単一のFBGを用いて反射と透過で分離したが、複数のFBGの組合せで分離しても良い。また、単一の差動光検波器27で光検波および光検波後の信号の加減算を行ったが、複数の光検波器と加減算器の組み合せで構成しても良い。その際、光周波数チップを合波せずに、分岐した光周波数チップを光検波した後に符号に応じた加減算器により加減算してもよい。
また、フィルタとしてFBGを例示しているが、同様であれば、すなわち、加減算の一方(本例では反射側)から他方(本例では透過側)にのみ漏れがあり、逆方向に漏れがない分離部(本例ではFBG)を具備する場合、誘電体多層膜フィルタでも、多段にマッハツエンダー干渉計を縦列接続したラティスフィルタ等の他のフィルタでも、同様に適用可能である。
図4に他の共振器29を使用するフィルタを適用した例を示す。このフィルタは、光導波路間で共振器29により特定の光周波数チップを減衰器26側の光導波路から他方の光導波路に光周波数に対するエバネセント結合等の光周波数特性を利用して選択的に伝播させるか、させないかの伝播/非伝播により分離を行っている。このようなフィルタとしては例えば、文献(A.Agarwal,et al.,"Fully Programmable Ring-Resonator-Based Integrated Photonic Circuit for Phase Coherent Applications",J.Lightwave Technol.Vol.24,no.1,pp.77-87,2006.)に示されている。
このフィルタの光導波路間の共振器29を介した伝播が、本実施例の反射に対応する。また、その伝播は、光周波数チップ毎に行われるので、伝播率(反射率相当)R=ΣRi/ωとなる。Riは光周波数チップ毎の伝播率、Σは1からω(“1”の光周波数チップの数)までの総和である。しかし、光周波数チップ毎の伝播率Riの値が異なると、MAIが最小となる減衰器26の透過率kが符号によって異なることになるので、許容可能なRiの値のばらつきは、許容MAIによって定まる。Riのばらつきは、FBGを構成するBG毎の反射率のばらつきに相当するので、望ましくないのは同様である。その他のついては本実施例どおりである。
さらに、本実施例では、光周波数(又は波長)領域の符号について説明を行ったが、同様に直交符号を用い、かつ透過と反射により直交性を実現する復号器であれば、光周波数領域の符号ではなく、光周波数(又は波長)−時間領域の符号でも、光周波数(又は波長)−偏波領域等の光周波数領域の符号化を組み合わせた符号であれば、同様に適用することができる。
また、本実施例は、フィルタの光周波数幅と同程度の幅の光周波数幅の光周波数チップを用いるインコヒーレント光源を用いた際の復号器に関して述べているが、コヒーレント光源で変調による線幅の拡大も含めて、フィルタの幅に対して十分細い場合であっても、復号器又は光源全体の温度変動等により光源の光周波数が等間隔のまま、フィルタの中心周波数からずれて反射の残滓が発生する場合は、本例を同様に適用することができる。このとき、減衰器26の透過率kは、復号対象外の符号光によるMAIを最小とすることで設定しても良いし、復号対象の信号光強度の減少量に応じて設定してもよい。
減衰器26の透過率kを、復号対象の信号光強度の減少量に応じて設定する場合、例えば、図1(b)の構成において、FBG21,22が同一の周波数−反射光強度関数を有し、温度変化に対する反射周波数の変化が同一であり、同一温度変化をするガウシアンフィルタであると仮定すると、復号器における復号対象の信号光強度の減少量R・Trは、
R・Tr=EXP(−Δf2/σ2
とおける。ここで、Δfは中心周波数からの周波数ずれであり、σはガウシアンフィルタ(FBG21,22)の反射光強度が1/eとなる光周波数幅である。この値から、反射率Rは
R=EXP(−Δf2/2σ2
と求まる。
また、復号器20の2つのFBG21,22とも、同型で同一の周波数−反射強度関数の特性を有するガウシアンフィルタと仮定しているため、RとTrは同値となる。よって、透過率Trは、
Tr=EXP(−Δf2/2σ2
と求められる。ここで、復号器20側のずれの場合、両FBG21,22ともに温度変化に対する反射光周波数の変化が同一であることを想定している。なお、インコヒーレント光源の場合は、前述した通り、周波数−反射強度関数そのものではなく、周波数−反射強度関数の積分値が効いてくる。以上から、減衰器26の透過率kを、復号対象の信号光強度の減少量に応じて設定可能である。
以上示したように、本実施例は、重みの少ない直交符号に適した直交SAC OCDM用の復号器において、理想的でないスペクトルのFBGや共振器等のフィルタを用いるときに発生するMAIを抑止できる。
図5に実施例2の復号器の構成を示す。実施例1とは違いは、減衰器の配置にある。実施例1では、差動光検出器27の前に光減衰用の減衰器26を配置していた。図5(a)、(b)は、図1(a)、図1(b)に対応する構成を示す。本実施例では、光検出器30,31による光検波後において加減算器32で加減算する前に、透過側の信号を減衰器26Aにより減衰させる。加算器32が電流電圧変換したときの電圧で加減算する構成であれば、本発明の請求項1と同一の減衰比(透過率)kに等しいk1となる。電力で加減算する構成であれば、減衰比(透過率)k1は、
k1=[R・Tr・λ/{Tt・(ω−R・λ)}]2
となる。
なお、本実施例2も、実施例1と同様に反射側に増幅器を挿入する構成にしても良いし、透過側と反射側の両側に増幅器又は減衰器を挿入して、その増倍率又は減衰率を本実施例2で示す比k1となるように調整しても良い。また、その他も実施例1と同様である。
(a)〜(d)はFBGを用いて光周波数チップを反射/透過又は反射で分離する光符号通信システムの構成図である。 MQC符号2符号の場合の光符号通信システムの動作説明図である。 符号数(多重数)に対するMAI強度/信号強度比の特性図である。 共振器を用いて光周波数チップを伝播/非伝播で分離する光符号通信システムの復号器の構成図である。 (a)、(b)はFBGを用いて光周波数チップを反射/透過で分離する別の構成の光符号通信システムの復号器の構成図である。
符号の説明
10:符号器、11,12:FBG、13,14:サーキュレータ、15:インコヒーレント光源、16:変調器
20:復号器、21,22:FBG、23,24:サーキュレータ、25:遅延線、26,26A:減衰器、27:差動光検波器、28:光カプラ、29:共振器、30、31:光検出器、32:加減算器
40:スター光カプラ

Claims (3)

  1. 少なくとも光周波数領域で符号化した光符号を構成する所定の光周波数チップとそれ以外の光周波数チップとを、反射と透過又は複数の光導波路間の伝播と非伝播を用いて、反射側と透過側又は伝播側と非伝播側に光周波数ごとに分離し、該反射側又は該伝播側の光を光検波した反射又は伝播信号強度と、該透過側又は該非伝播側の光を光検波した透過又は非伝播信号強度とを、それぞれ加減算することで復号を行う復号器において、
    符復号器を構成するフィルタが理想的でなく、前記反射すべき光周波数チップの一部が透過しあるいは前記伝播すべき光周波数チップの一部が非伝播し、又は前記透過すべき光周波数チップの一部が反射しあるいは前記非伝播すべき光周波数チップの一部が伝播する際に、
    前記反射すべき光周波数チップの透過する強度の比又は前記伝播すべき光周波数チップの非伝播する強度の比に応じた係数を、又は、前記透過すべき周波数チップの反射する強度の比又は前記非伝播すべき光周波数チップの伝播する強度の比に応じた係数を、前記透過側又は非伝播側の光の強度と前記反射側又は伝播側の光の強度の少なくとも一方に乗じた後にそれぞれ前記光検波するか、前記透過又は非伝播信号強度と前記反射又は伝播信号強度の少なくとも一方に乗じた後に前記加減算を行うことを特徴とする復号器。
  2. 請求項1に記載の復号器において、
    前記透過側又は非伝播側の光の強度に対して、光検波前に係数k
    k=R・Tr・λ/{Tt・(ω−R・λ)}
    を乗算し、又は、前記反射側又は伝播側の光の強度に対して、光検波前に、係数1/kを乗算することを特徴とする復号器。ただし、
    ω:“1”の光周波数チップの数(重み)
    λ:異なる符号との間で同一の光周波数チップが共に“1”である数
    R:“1”の光周波数チップの反射率又は伝播率
    Tr:反射側又は伝播側での透過率
    Tt:透過側又は非伝播側での透過率
  3. 請求項1に記載の復号器において、
    前記加減算する前の前記透過又は伝播信号強度に対して、光検波後に係数k1
    k1=[R・Tr・λ/{Tt・(ω−R・λ)}]2
    を乗算し、又は、前記加減算する前の前記反射又は非伝播信号強度に対して、光検波後に係数1/k1を乗算することを特徴とする復号器。ただし、
    ω:“1”の光周波数チップの数(重み)
    λ:異なる符号との間で同一の光周波数チップが共に“1”である数
    R:“1”の光周波数チップの反射率又は伝播率
    Tr:反射側又は伝播側での透過率
    Tt:透過側又は非伝播側での透過率
JP2007215178A 2007-08-21 2007-08-21 光符号通信システムにおける復号器 Expired - Fee Related JP4849636B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007215178A JP4849636B2 (ja) 2007-08-21 2007-08-21 光符号通信システムにおける復号器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007215178A JP4849636B2 (ja) 2007-08-21 2007-08-21 光符号通信システムにおける復号器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009049799A JP2009049799A (ja) 2009-03-05
JP4849636B2 true JP4849636B2 (ja) 2012-01-11

Family

ID=40501561

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007215178A Expired - Fee Related JP4849636B2 (ja) 2007-08-21 2007-08-21 光符号通信システムにおける復号器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4849636B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4141919B2 (ja) * 2003-08-22 2008-08-27 日本電信電話株式会社 光復号器
JP2006050470A (ja) * 2004-08-09 2006-02-16 Kddi Corp 光伝送システム及び光受信端局装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009049799A (ja) 2009-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5657406A (en) Efficient optical wavelength multiplexer/de-multiplexer
Eid et al. High-speed fiber system capacity with bidirectional Er-Yb CDFs based on differential phase shift keying (DPSK) modulation technique
US20220381990A1 (en) System and method for photonic computing
WO2004113998A1 (ja) 光変調装置
Saber et al. A CMOS compatible ultracompact silicon photonic optical add-drop multiplexer with misaligned sidewall Bragg gratings
Paloczi et al. Compact microring-based wavelength-selective inline optical reflector
US7039260B2 (en) Method and apparatus for generating carrier suppressed optical pulse train and grating device
EP1318579A1 (en) Multi-wavelength raman laser
FR2796164A1 (fr) Filtre optique a fibre a reseau de bragg avec une reponse temps de groupe constante dans la bande utile
Jeong Broadband 1× 8 channel silicon-nanowire-waveguide WDM filter based on point-symmetric Mach-Zehnder interferometric optical couplers in the O-band spectral regime
KR100488415B1 (ko) 양극성 데이터를 송신하는 파장영역 광 코드분할다중접속 송신장치 및 그 방법
Chen et al. Wavelength-encoding/temporal-spreading optical code division multiple-access system with in-fiber chirped moiré gratings
JP4849636B2 (ja) 光符号通信システムにおける復号器
WO2009104396A1 (ja) 光符号分割多重アクセスシステム
Chen et al. Complementary decoder based on polarization modulation for the SAC-OCDMA PON
Riziotis et al. Performance comparison of Bragg grating-based optical add–drop multiplexers in WDM transmission systems
Baños et al. Chromatic dispersion compensation and coherent Direct-Sequence OCDMA operation on a single super structured FBG
US20050244162A1 (en) All-optical signal regeneration
WO2008141442A1 (en) Transmitter and receiver for optical communication systems
JP3782402B2 (ja) 光送信装置および光通信システム
Ammar et al. Development of a new direct AND (D-AND) detection technique for SAC-OCDMA systems using flexible double weight (FDW) code
Castro et al. Compact OCDMA encoders based on the antisymmetric waveguide Bragg grating
JP2002244171A (ja) 高速波長変換装置
Weinert Optical filters in wavelength-division multiplex systems
JPH10173263A (ja) 光波長安定化装置および光伝送装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090715

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110510

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110705

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111012

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111014

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141028

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees