JP4848650B2 - 歯列矯正支援システム並びにこれに用いられる指標部材及び配設装置 - Google Patents

歯列矯正支援システム並びにこれに用いられる指標部材及び配設装置 Download PDF

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Description

本発明は、画面に表示される二次元的又は三次元的な歯列画像に含まれる歯牙画像の表示位置を調節することにより、歯列矯正の段階的な矯正計画等を支援する歯列矯正支援システム並びにこれに用いられる指標部材及び配設装置に関する。
特開2004−267790号公報
例えば特許文献1においては、患者の歯列矯正前における歯から型取りして作製した石膏製の矯正前歯列模型を、レーザー等の走査機器を用いて撮像して矯正前歯列画像データを生成し、生成した矯正前歯列画像データに基づく矯正前歯列画像をコンピュータ(CPU、メモリ、モニタ等を含む)を用いて視認することができるように提示し、提示した矯正前歯列画像に含まれる個々の歯牙画像を歯科医師による処方箋等を参照しながらコンピュータ上で再配置して歯列矯正後における仮定的な矯正後予測歯列画像を作成する歯列矯正支援システムが提案されている。斯かる歯列矯正支援システムにより作成された三次元的な各画像は、歯列矯正の段階的な矯正計画や歯列矯正用のマウスピースの作製等に供される。
ところで、斯かる歯列矯正支援システムでは、コンピュータ上で矯正前歯列画像に含まれる歯牙画像を再配置して矯正後予測歯列画像を作成するようになっているために、コンピュータ上においては矯正前歯列画像のみに基づいて矯正後予測歯列画像に含まれる歯牙画像が夫々配置される結果、所望の矯正後予測歯列画像を正確に作成することが困難である。また、歯列矯正前における矯正前歯列模型と歯列矯正後における矯正後予測歯列模型とを夫々作製し、撮像して矯正前歯列画像及び矯正後予測歯列画像を生成しても、矯正前歯列画像及び矯正後予測歯列画像の相互の位置合わせが困難である。
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、所望の矯正後予測歯列画像を正確に作成することができ、しかも、矯正前歯列画像及び矯正後予測歯列画像の相互の位置合わせを簡単に且つ正確に行い得る歯列矯正支援システム並びにこれに用いられる指標部材及び配設装置を提供することにある。
本発明の歯列矯正支援システムは、歯列矯正前における歯列形状を有した矯正前歯列模型及び歯列矯正後における予測歯列形状を有した矯正後予測歯列模型の夫々の基準位置を示す指標部材と、指標部材に前記基準位置を夫々指標させるべく当該指標部材を矯正前歯列模型及び矯正後予測歯列模型に夫々配設する配設装置と、配設装置により指標部材が夫々配設された矯正前歯列模型及び矯正後予測歯列模型を夫々撮像して、矯正前歯列模型に配設された指標部材に基づく第一の指標画像データを含む矯正前歯列画像データと矯正後予測歯列模型に配設された指標部材に基づく第二の指標画像データを含む矯正後予測歯列画像データとを生成する画像データ生成手段と、画像データ生成手段により生成された矯正前歯列画像データ及び矯正後予測歯列画像データの夫々に基づく矯正前歯列画像及び矯正後予測歯列画像を画面表示する画面表示手段と、画面表示手段により画面表示される矯正前歯列画像及び矯正後予測歯列画像の相互の表示位置を第一及び第二の指標画像データに基づいて調節する位置調節手段と、矯正前歯列画像データから歯牙画像データを抽出すると共に抽出した歯牙画像データに基づく歯牙画像の矯正後予測歯列画像に対する表示位置を調節する歯牙位置調節手段とを具備している。
本発明の歯列矯正支援システムによれば、歯列矯正前における歯列形状を有した矯正前歯列模型及び歯列矯正後における予測歯列形状を有した矯正後予測歯列模型の夫々の基準位置を示す指標部材と、指標部材に前記基準位置を夫々指標させるべく当該指標部材を矯正前歯列模型及び矯正後予測歯列模型に夫々配設する配設装置と、配設装置により指標部材が夫々配設された矯正前歯列模型及び矯正後予測歯列模型を夫々撮像して、矯正前歯列模型に配設された指標部材に基づく第一の指標画像データを含む矯正前歯列画像データと矯正後予測歯列模型に配設された指標部材に基づく第二の指標画像データを含む矯正後予測歯列画像データとを生成する画像データ生成手段と、画像データ生成手段により生成された矯正前歯列画像データ及び矯正後予測歯列画像データの夫々に基づく矯正前歯列画像及び矯正後予測歯列画像を画面表示する画面表示手段と、画面表示手段により画面表示される矯正前歯列画像及び矯正後予測歯列画像の相互の表示位置を第一及び第二の指標画像データに基づいて調節する位置調節手段と、矯正前歯列画像データから歯牙画像データを抽出すると共に抽出した歯牙画像データに基づく歯牙画像の矯正後予測歯列画像に対する表示位置を調節する歯牙位置調節手段とを具備しているために、矯正後予測歯列模型に基づいて所望の矯正後予測歯列画像を正確に作成することができ、しかも、第一及び第二の指標画像データに基づいて矯正前歯列画像及び矯正後予測歯列画像の相互の位置合わせを簡単に且つ正確に行い得る。
本発明の歯列矯正支援システムの好ましい例では、指標部材は、板状体と、この板状体に設けられた突部とを具備しており、斯かる指標部材の突部は、更に好ましくは、半球形状である。このような好ましい例によれば、指標部材を矯正前歯列模型及び矯正後予測歯列模型に設けることで、当該矯正前歯列模型及び矯正後予測歯列模型が撮像されてコンピュータ等に用いられる画像データとされた場合に、撮像された指標部材の夫々に基づいて、矯正後予測歯列模型に基づく矯正前歯列画像の基準位置を明確に示す第一の指標画像データと矯正後予測歯列模型に基づく矯正後予測歯列画像の基準位置を明確に示す第二の指標画像データとを得ることができ、而して、矯正前歯列模型に基づく矯正前歯列画像と矯正後予測歯列模型に基づく矯正後予測歯列画像との相互の表示位置の位置合わせを簡単に且つ正確に行い得る。
本発明の歯列矯正支援システムの好ましい例では、配設装置は、指標部材を保持する保持手段と、この保持手段を支持すると共に矯正前歯列模型及び矯正後予測歯列模型の夫々の模型歯牙上に設置される支持手段と、保持手段の矯正前歯列模型及び矯正後予測歯列模型の夫々に対する位置を調節する位置調節機構とを具備している。このような好ましい例によれば、特に支持手段が模型歯牙上に設置されるために、指標部材を矯正前歯列模型及び矯正後予測歯列模型に対する任意の基準位置に正確に配することができ、しかも、位置調節機構により保持手段の位置を矯正前歯列模型及び矯正後予測歯列模型の夫々に対して同様に調節することにより矯正前歯列模型に対する指標部材の位置と矯正後予測歯列模型に対する指標部材の位置とを正確に一致させることができ、而して、矯正前歯列画像及び矯正後予測歯列画像の相互の表示位置をより正確に一致させ得る。
本発明の歯列矯正システムの好ましい例では、支持手段は、尖端を夫々有していると共に当該尖端で複数の模型歯牙の咬合面における窪み部に夫々当接して当該複数の模型歯牙上に立設される複数の立設ピンを具備している。このような好ましい例によれば、矯正前歯列模型及び矯正後予測歯列模型の夫々の模型歯牙上に支持手段を簡単に且つ正確に設置することができる。
本発明の歯列矯正支援システムの好ましい例では、矯正前歯列画像データ、矯正後予測歯列画像データ、歯牙画像データ並びに位置調節手段及び歯牙位置調節手段の夫々による位置調節の結果を示すデータを夫々記憶する記憶手段を更に具備している。このような好ましい例によれば、歯列矯正支援システムにより上述の各種データを一旦作成すれば、当該各種データを事後的に参照することができ、而して、歯列矯正の段階的な矯正計画や斯かる段階的な矯正計画に対応した種々の形状を有した歯列矯正用のマウスピースの作製等を好適に支援し得る。
本発明によれば、所望の矯正後予測歯列画像を正確に作成することができ、しかも、矯正前歯列画像及び矯正後予測歯列画像の相互の位置合わせを簡単に且つ正確に行い得る歯列矯正支援システム及びこれに用いられる指標部材及び配設装置を提供し得る。
次に、本発明の実施の形態の例を、図に示す例に基づいて更に詳細に説明する。尚、本発明はこれらの例に何等限定されないのである。
図1から図10において、本例の歯列矯正支援システム1は、歯列矯正前における歯列形状を有した矯正前歯列模型2及び歯列矯正後における予測歯列形状を有した矯正後予測歯列模型3の夫々の全体の基準位置を示す指標部材4及び5と、指標部材4及び5に前記基準位置を夫々指標させるべく当該指標部材4及び5を矯正前歯列模型2及び矯正後予測歯列模型3に夫々配設する配設装置6と、配設装置6により指標部材4及び5が夫々配設された矯正前歯列模型2及び矯正後予測歯列模型3を夫々撮像して、矯正前歯列模型2に配設された指標部材4に基づく図7に示す指標画像データ7を含む矯正前歯列画像データ9と矯正後予測歯列模型3に配設された指標部材5に基づく図7に示す指標画像データ8を含む矯正後予測歯列画像データ10とを生成する画像データ生成手段11と、画像データ生成手段11により生成された矯正前歯列画像データ9及び矯正後予測歯列画像データ10の夫々に基づく図8から図10に示す矯正前歯列画像12及び矯正後予測歯列画像13を画面表示する画面表示手段14と、画面表示手段14により画面表示される矯正前歯列画像12及び矯正後予測歯列画像13の相互の全体の表示位置を指標画像データ7及び8に基づいて調節する全体の位置調節手段15と、矯正前歯列画像データ9から歯牙画像データ16及び125を抽出すると共に抽出した歯牙画像データ16及び125に基づく歯牙画像17及び127の矯正後予測歯列画像13に対する表示位置を調節する歯牙位置調節手段18と、矯正前歯列画像データ9、矯正後予測歯列画像データ10、歯牙画像データ16及び125並びに全体の位置調節手段15及び歯牙位置調節手段18の夫々による位置調節の結果を示すデータを夫々記憶する記憶手段19とを具備している。
矯正前歯列模型2は、歯列矯正前における患者の歯から型取りされて作製されており、石膏等であってもよい。矯正後予測歯列模型3では、矯正前歯列模型2と同歯列に沿って並んだ模型歯牙21が夫々互いに切り離され、互いに切り離された模型歯牙21の夫々がワックス等からなる熱軟化性(熱可塑性)の模型歯肉22を介して再び連結されている。矯正後予測歯列模型3は、模型歯肉22を加熱して軟化させることにより各模型歯牙21の位置を調節することができるようになっている。矯正前歯列模型2及び矯正後予測歯列模型3は、台座20上に設けられている。矯正後予測歯列模型3は、模型歯牙21の位置が調節されることにより、最終的な歯列矯正後における歯列形状を予測した仮定的な予測歯列形状を有することとなる。尚、矯正後予測歯列模型3は、歯列矯正用のマウスピース等の作製における基礎型として用いられ得る。また、矯正後予測歯列模型3は、歯列矯正後における予測歯列形状を有した状態の歯列模型を意味し、しかも、前記予測歯列形状となるように模型歯牙21の位置が調節されるための歯列模型であって矯正前歯列模型2と同歯列形状を有した状態のものをも意味するが、画像データ生成手段11により撮像される際には、歯列矯正後における予測歯列形状を有した状態とされている。
指標部材4及び5は、夫々互いに同様に形成されているので、以下、指標部材4について詳細に説明し、指標部材5については、図に適宜同符号を付してその詳細な説明を省略する。
指標部材4は、特に図1から図3並びに図5の(a)及び(b)に示すように、矯正前歯列模型2に固定される矩形状の板状体25と、板状体25の長手方向に一列に並んで一体的に設けられた三個の半球形状の突部26とを具備している。突部26は、本例では三個であるが、一個、二個又は四個以上であってもよく、突部26が板状体25に複数設けられている場合には、斯かる突部26は、二列以上に並んでいてもよく、千鳥格子状に列をなすように並んでいてもよい。また、突部26は、好ましくは当該突部26の全体又は一部が半球形状(縦断面半楕円状、横断面楕円状等を含む)であるが、板状体25から突出していればよく、例えば円柱状(断面楕円形状等を含む)、角柱状(三角柱状、四角柱状(立方体状、直方体状を含む)、多角柱状等を含む)、円筒状(断面中空楕円状等を含む)、角筒状(中空立方体状、中空直方体状、中空多角体状等を含む)、円錐状(断面楕円状等を含む)、角錐状(三角錐状、四角錐状、多角錐状等を含む)、截頭円錐状(断面楕円状等を含む)、截頭角錐状(截頭三角錐状、截頭四角錐状、截頭多角錐状等を含む)であってもよい。斯かる指標部材4は、配設装置6によって矯正前歯列模型2に配設されると矯正前歯列模型2の全体の基準位置を示す部材として機能する。尚、矯正前歯列模型2の全体に対する基準位置は配設装置6の操作者により任意に設定され、例えば矯正前歯列模型2の正中線30上に設定されてもよい。
配設装置6は、図1から図5の(a)及び(b)に示すように、指標部材4及び5を保持する保持手段31と、保持手段31を支持すると共に矯正前歯列模型2及び矯正後予測歯列模型3の夫々の模型歯牙21上に設置される支持手段32と、保持手段31の矯正前歯列模型2及び矯正後予測歯列模型3の夫々に対する位置を調節する位置調節機構33とを具備している。
保持手段31は、特に図1から図3並びに図5の(a)及び(b)に示すように、互いに協働して板状体25を掴むことができるように十字状に配された四本の掴みアーム41a、41b、41c及び41dと、掴みアーム41a、41b、41c及び41dの夫々に連結されていると共に掴みアーム41a、41b、41c及び41dを夫々互いに接近及び離反させる接近及び離反機構42とを具備しており、接近及び離反機構42により掴みアーム41a、41b、41c及び41dを夫々互いに接近させることで図5の(a)に示すように板状体25を掴んで保持する一方、当該掴みアーム41a、41b、41c及び41dを夫々互いに離反させることで図5の(b)に示すように板状体25の保持状態を解除するようになっている。尚、保持手段31は、掴みアーム41a、41b、41c及び41dに代えて、例えば、T字状に配された三本の掴みアーム(図示せず)を具備し、当該三本の掴みアームを接近及び離反機構42により夫々互いに接近させることによって板状体25を掴んで保持する一方、三本の掴みアームを夫々互いに離反させることによって板状体25の保持状態を解除するようになっていてもよい。
X方向で互いに対向する掴みアーム41a及び41bは、夫々互いに同様に形成されている。X方向に直交するY方向で互いに対向する掴みアーム41c及び41dは、夫々互いに同様に形成されている。掴みアーム41a、41b、41c及び41dの夫々の指標部材4及び5に当接する部位には、ゴム(天然ゴム、シリコンゴム等の合成ゴムを含む)等からなる弾性体(図示せず)が装着されている。
接近及び離反機構42は、X方向及びY方向に直交するZ方向の移動により掴みアーム41a及び41bをX方向において互いに接近及び離反させると共に掴みアーム41c及び41dをY方向において互いに接近及び離反させるように、掴みアーム41a、41b、41c及び41dの夫々の一端に連結された掴み操作部材43と、掴みアーム41a、41b、41c及び41dが夫々互いに接近するように掴み操作部材43を付勢するコイルばね等からなる付勢部材44、掴み操作部材43及び付勢部材44を収容しているハウジング45とを具備している。尚、掴み操作部材43の一端は、ハウジング45の上面から突出している。
斯かる保持手段31は、掴み操作部材43がZ方向において付勢部材44による付勢力に抗して操作されることにより掴みアーム41a、41b、41c及び41dを夫々互いに離反させ、夫々互いに離反された掴みアーム41a及び41b間であって掴みアーム41c及び41d間に配される指標部材4又は5を、掴み操作部材43の付勢部材44による付勢力に抗した操作を解除することにより掴みアーム41a、41b、41c及び41dを夫々互いに接近させることで掴み、このように掴むことによって指標部材4又は5を保持するようになっている。
支持手段32は、正中線30よりも一方側で矯正前歯列模型2又は矯正後予測歯列模型3の模型歯牙21に尖った先端(以下、尖端と称する)51で当接することによって当該模型歯牙21上に夫々立設される立設ピン52及び53と、正中線30よりも他方側で矯正前歯列模型2又は矯正後予測歯列模型3の模型歯牙21に尖端51で当接することによって当該模型歯牙21上に夫々立設される立設ピン54及び55と、立設ピン52及び53の夫々を橋絡する橋絡アーム56と、立設ピン54及び55の夫々を橋絡する橋絡アーム57と、立設ピン52及び53間並びに立設ピン54及び55間に配されていると共に橋絡アーム56及び57に連結されているX方向に伸びたX方向軸58と、橋絡アーム56及び57間に配されていると共にX方向軸58に連結されているZ方向に伸びたZ方向軸59とを具備しており、Z方向軸59の下端部には、保持手段31のハウジング45が装着されている。立設ピン52から55の夫々は、模型歯牙21の咬合面21aの窪み部に尖端51を当接させることによって模型歯牙21上に簡単に立設させ得る。尚、支持手段32は、立設ピン52、53、54及び55のうちの少なくとも一つに代えて、矯正前歯列模型2又は矯正後予測歯列模型3の模型歯牙21の咬合面21aを型取りする型取り部が先端に設けられた立設ピン(図示せず)を具備していてもよく、斯かる立設ピンによれば、咬合面21aに対して相補的な形状の型取り部を当該咬合面21aに面接触させることで、配設装置6を模型歯牙21上に正確に且つ簡単に設置することができる。前記型取り部は、シリコン、ゴム、粘土、コンパウンド、アルジネート、ワックス、石膏等の材料から形成されていてもよい。
立設ピン52及び53の夫々の上端には、ピン連結体65にR2方向に回動自在に連結された連結部60が設けられている。立設ピン54及び55の夫々の上端にも、立設ピン52及び53と同様にピン連結体66にR2方向に回動自在に連結された連結部60が設けられている。橋絡アーム56及び57並びにX方向軸58は、夫々円柱状である。Z方向軸59は、円柱状部61と、円柱状部61の下端に一体的に設けられたL字状部62とを具備しており、L字状部62の下端部にハウジング45が固着されている。橋絡アーム56及び57は、X方向に交差する方向(Y方向を含む)に伸びている。
斯かる支持手段32は、正中線30よりも一方側においては、矯正前歯列模型2又は矯正後予測歯列模型3の一方側の模型歯牙21上に立設された立設ピン52及び53に橋絡アーム56、X方向軸58及びZ方向軸59を介して保持手段31を支持しており、正中線30よりも他方側においては、矯正前歯列模型2又は矯正後予測歯列模型3の他方側の模型歯牙21上に立設された立設ピン54及び55に橋絡アーム57、X方向軸58及びZ方向軸59を介して保持手段31を支持している。
位置調節機構33は、正中線30よりも一方側において、立設ピン52及び53を、橋絡アーム56に対して、橋絡アーム56の長手方向に沿って移動自在に且つR1及びR2方向に回動自在に、橋絡アーム56に夫々連結するピン連結体65と、正中線30よりも他方側において、立設ピン54及び55をピン連結体65と同様にして移動及び回動自在に橋絡アーム57に夫々連結するピン連結体66と、正中線30よりも一方側において、橋絡アーム56を、X方向軸58に対して橋絡アーム56の長手方向に沿って移動自在に、X方向軸58の長手方向に沿って移動自在に且つR1、R3及びR4方向に回動自在に、X方向軸58に連結するアーム連結体67と、正中線30よりも他方側において、橋絡アーム57をアーム連結体67と同様にして移動及び回動自在にX方向軸58に連結するアーム連結体68と、Z方向軸59を、X方向軸58に対して、X方向軸58の長手方向に沿って移動自在に、Z方向に移動自在に且つR4及びR5方向に回動自在に、X方向軸58に連結する軸連結体69と、立設ピン52から55、橋絡アーム56及び57、X方向軸58並びにZ方向軸59の上記移動及び回動を夫々解除自在に禁止する止めねじ等からなる禁止部材70(禁止部材70aから70fを含む)とを具備している。
ピン連結体65及び66並びにアーム連結体67及び68は、夫々互いに同様に構成されているので、以下、ピン連結体65及びアーム連結体67について詳細に説明し、ピン連結体66及びアーム連結体68については、図に適宜同符号を付してこれらの詳細な説明を省略する。
立設ピン52側のピン連結体65は、連結本体75と、連結本体75に設けられていると共に円柱状の橋絡アーム56が挿入された貫通孔76と、連結本体75に設けられていると共に立設ピン52の連結部60にピン77を介して連結する連結部78とを具備している。連結本体75は、当該連結本体75を介して橋絡アーム56に圧接している禁止部材70aにより橋絡アーム56に対する移動及び橋絡アーム56の軸心を中心としたR1方向の回動が禁止されているが、当該禁止部材70aによる禁止が解除された際には、立設ピン52と共に橋絡アーム56に対して当該橋絡アーム56の長手方向に沿って移動させ且つR1方向に回動させることができるようになっている。また、立設ピン52は、連結部60及び78を互いに圧接させている禁止部材70bによりピン連結体65に対するピン77の軸心を中心としたR2方向の回動が禁止されているが、当該禁止部材70bによる禁止が解除された際には、R2方向に回動させることができるようになっている。尚、立設ピン53側のピン連結体65は、立設ピン52側のピン連結体65と同様に構成されているので、以下、立設ピン53側のピン連結体65については、図に適宜同符号を付してその詳細な説明を省略する。
アーム連結体67は、Z方向に伸びた軸心を中心としてR3方向に互いに回動自在に連結された一対の連結部材81及び82と、連結部材81に設けられていると共に円柱状の橋絡アーム56が挿入された貫通孔83と、連結部材82に設けられていると共に円柱状のX方向軸58が挿入された貫通孔84とを具備している。連結部材81は、当該連結部材81を介して橋絡アーム56に圧接している禁止部材70cにより橋絡アーム56に対する当該橋絡アーム56の長手方向に沿った移動及びR1方向の回動が禁止されているが、当該禁止部材70cによる禁止が解除された際には、橋絡アーム56の長手方向に沿って移動させ且つR1方向に回動させることができるようになっている。連結部材82は、当該連結部材82を介してX方向軸58に圧接している禁止部材70dによりX方向軸58に対する当該X方向軸58に沿った移動及びX方向軸58の軸心を中心としたR4方向の回動が禁止されているが、当該禁止部材70dによる禁止が解除された際には、X方向軸58に沿って移動させ且つR4方向に回動させることができるようになっている。尚、橋絡アーム56は、連結部材81の連結部材82に対するR3方向の回動によりR3方向に回動されるようになっている。
軸連結体69は、連結本体91と、連結本体91に設けられていると共に円柱状のX方向軸58が挿入された貫通孔92と、連結本体91に設けられていると共にZ方向軸59の円柱状部61が挿入された貫通孔93とを具備している。連結本体91は、当該連結本体91を介してX方向軸58に圧接している禁止部材70eによりX方向軸58に対する当該X方向軸58に沿った移動及びR4方向の回動が禁止されているが、当該禁止部材70eによる禁止が解除された際には、Z方向軸59と共にX方向軸58に沿って移動させ且つR4方向に回動させることができるようになっている。また、連結本体91は、当該連結本体91を介して円柱状部61に圧接している禁止部材70fによりZ方向軸59に対する当該Z方向軸59に沿った移動及びZ方向軸59の軸心を中心としたR5方向の回動が禁止されているが、当該禁止部材70fによる禁止が解除された際には、Z方向軸59に沿って移動させ且つR5方向に回動させることができるようになっている。
斯かる配設装置6によれば、矯正前歯列模型2及び矯正後予測歯列模型3の夫々の全体に対して互いに同等の基準位置に指標部材4及び5を夫々配設することができる。尚、配設装置6は、例えば図2に示すように、矯正すべき歯に対応する模型歯牙21以外の模型歯牙21上に立設される。
画像データ生成手段11は、矯正前歯列模型2及び矯正後予測歯列模型3を夫々互いに同一条件下で撮像する一つ又は二つ以上の撮像装置101を具備しており、撮像装置101による撮像によって矯正前歯列模型2に基づく矯正前歯列画像データ9及び矯正後予測歯列模型3に基づく矯正後予測歯列画像データ10を生成するようになっている。撮像装置101は、CCD、レーザー、X線、CT、CAT、MRI等を用いて矯正前歯列模型2及び矯正後予測歯列模型3を撮像するようになっていてもよい。尚、矯正前歯列画像データ9及び矯正後予測歯列画像データ10は、本例では信号線102を介して記憶手段19に送信される。画像データ生成手段11により生成された矯正前歯列画像データ9には、歯牙画像データ16及び指標画像データ7が含まれている。画像データ生成手段11により生成された矯正後予測歯列画像データ10には、歯列矯正後における歯列形状を構成している歯牙画像データと指標画像データ8とが含まれている。画像データ生成手段11により生成された矯正前歯列画像データ9及び矯正後予測歯列画像データ10は、三次元的な画像データからなる。撮像装置101は、突部26との関係においては、レーザー走査機器からなるのが好ましい。
画面表示手段14、全体の位置調節手段15、歯牙位置調節手段18及び記憶手段19は、例えば、CPU等の演算装置、メモリ等の記憶装置、CRT、TFT等を有したモニタ、キーボード、マウス等の操作装置を有したコンピュータ並びに当該コンピュータに格納されたプログラムによって具体化される。
画面表示手段14は、特に図8から図10に示すように、画像データ生成手段11から記憶手段19を介して供給される矯正前歯列画像データ9及び矯正後予測歯列画像データ10に基づく三次元的な矯正前歯列画像12及び矯正後予測歯列画像13を画面表示する表示画面111を具備しており、上述及び後述のような画面表示を行うようになっている。表示画面111には、図8及び図9に示すように、矯正前歯列画像12及び矯正後予測歯列画像13を重ね合わせたように画面表示させてもよく、また、図10に示すように、矯正前歯列画像12及び矯正後予測歯列画像13を並べて画面表示させてもよい。画面表示手段14は、画面表示する矯正前歯列画像12及び矯正後予測歯列画像13が三次元的に作成されている場合には、キーボード、マウス等の操作装置の操作に基づいて矯正前歯列画像12及び矯正後予測歯列画像13を画面表示する角度を変更することができるようになっている。
位置調節手段15は、図6に示すように、表示画面111に画面表示される矯正前歯列画像12及び矯正後予測歯列画像13の夫々の全体の表示位置を指標画像データ7及び8に基づいて設定する全体の位置設定プログラム115と、全体の位置設定プログラム115により設定した位置において画面表示された矯正前歯列画像12の矯正後予測歯列画像13に対する全体の表示位置を変更する全体の位置変更プログラム116とを具備している。全体の位置設定プログラム115は、キーボード、マウス等の操作装置の操作に基づいて実行されるように又は記憶手段19による矯正前歯列画像データ9及び矯正後予測歯列画像データ10の記憶に応じて自動的に実行されるように記憶手段19に記憶されている。全体の位置変更プログラム116は、キーボード、マウス等の操作装置の操作に基づいて実行されるように記憶手段19に記憶されている。
全体の位置設定プログラム115は、記憶手段19から矯正前歯列画像データ9及び矯正後予測歯列画像データ10を読み出し、読み出した矯正前歯列画像データ9に含まれる指標画像データ7に基づいて表示画面111に画面表示されるべき指標画像117の表示位置を基準位置として矯正前歯列画像12のX軸、Y軸及びZ軸(図示せず)を有した座標系における全体の表示位置を設定すると共に、読み出した矯正後予測歯列画像データ10に含まれる指標画像データ8に基づいて表示画面111に画面表示されるべき指標画像118の表示位置を基準位置として矯正後予測歯列画像13のX軸、Y軸及びZ軸(図示せず)を有した座標系における全体の表示位置を設定する。全体の位置設定プログラム115は、矯正前歯列画像12及び矯正後予測歯列画像13の指標画像117及び118の座標系における表示位置を互いに一致させるようになっていてもよく、斯かる場合には、矯正前歯列画像12及び矯正後予測歯列画像13の夫々の全体の表示位置(矯正されるべき歯に対応する歯牙画像に相当する部分を除く)はコンピュータ内において自動的に一致されることとなる。全体の位置設定プログラム115は、全体の表示位置の設定後に矯正前歯列画像12及び矯正後予測歯列画像13の座標位置に関する全体の位置設定データ121を生成する。全体の位置設定データ121は、記憶手段19に記憶される。
全体の位置変更プログラム116は、キーボード、マウス等の操作装置の操作に基づいて、表示画面111上の矯正前歯列画像12又は矯正後予測歯列画像13を選択し、選択した矯正前歯列画像12の矯正後予測歯列画像13に対する座標系における全体の表示位置又は選択した矯正後予測歯列画像13の矯正前歯列画像12に対する座標系における全体の表示位置を変更する。全体の位置変更プログラム116は、全体の表示位置の変更後に矯正前歯列画像12及び矯正後予測歯列画像13の座標位置に関する全体の位置変更データ122を生成する。全体の位置変更データ122は、記憶手段19に記憶される。
歯牙位置調節手段18は、図6に示すように、歯列矯正において移動させるべき歯牙に対応する歯牙画像データ16及び歯列矯正において前記歯牙の移動に関連して移動させるべき歯牙に対応する歯牙画像データ125を矯正前歯列画像データ9から抽出する抽出手段としての抽出プログラム126と、抽出プログラム126により抽出された歯牙画像データ16及び125に基づく歯牙画像17及び127が表示画面111に画面表示されるべき位置を矯正前歯列画像12の表示位置を基準として設定する歯牙位置設定プログラム128と、歯牙位置設定プログラム128により設定した位置に表示画面111上で画面表示された歯牙画像17及び127の矯正後予測歯列画像13に対する表示位置を変更する歯牙位置変更プログラム129とを具備している。
抽出プログラム126は、記憶手段19から矯正前歯列画像データ9を読み出し、読み出した矯正前歯列画像データ9に含まれる主に歯列形状のデータに基づいて三次元的な歯牙画像データ16及び125を抽出する。抽出した歯牙画像データ16及び125は記憶手段19に記憶される。
歯牙位置設定プログラム128は、記憶手段19から歯牙画像データ16及び125を夫々読み出し、読み出した歯牙画像データ16及び125の夫々に基づく歯牙画像17及び127の夫々の表示位置を矯正前歯列画像12に含まれる主に歯列形状に沿って設定する。歯牙位置設定プログラム128は、表示位置の設定後に歯牙画像17及び127の夫々の座標位置に関する歯牙位置設定データ130を生成する。歯牙位置設定データ130は、記憶手段19に記憶される。
歯牙位置変更プログラム129は、キーボード、マウス等の操作装置の操作に基づいて、表示画面111上の歯牙画像17及び127のうちの少なくともいずれか一個を選択し、選択した歯牙画像17及び127のうちの少なくともいずれか一個の矯正後予測歯列画像13に対する座標系における表示位置を変更する。歯牙位置変更プログラム129は、表示位置の変更後に歯牙画像17及び127の夫々の座標位置に関する歯牙位置変更データ131を生成する。歯牙位置変更データ131は、記憶手段19に記憶される。
メモリ(HDD等を含む)等によって具体化される記憶手段19は、特に図6及び図7に示す全体の位置設定プログラム115、全体の位置変更プログラム116、抽出プログラム126、歯牙位置設定プログラム128、歯牙位置変更プログラム129、矯正前歯列画像データ9、矯正後予測歯列画像データ10、歯牙画像データ16及び125、全体の位置設定データ121、全体の位置変更データ122、歯牙位置設定データ130並びに歯牙位置変更データ131を夫々読み出し自在に記憶する記憶領域を有している。
以上の歯列矯正支援システム1を用いる場合には、まず、患者の歯列矯正前における歯列形状に基づいて作製された矯正前歯列模型2と、歯科医師、歯科技師等の専門家により作製された歯列矯正後における仮定的な予測歯列形状を有した矯正後予測歯列模型3と、指標部材4及び5と、配設装置6とを準備する。
次に、位置調節機構33により立設ピン52から55の夫々が矯正前歯列模型2の模型歯牙21上に配されるように当該立設ピン52から55の夫々の矯正前歯列模型2に対する位置を調節し、その後、立設ピン52から55の夫々を矯正前歯列模型2の模型歯牙21上に立設させ、而して、配設装置6を図2から図4に示すように矯正前歯列模型2上に設置する。次に、矯正前歯列模型2上に設置した配設装置6の保持手段31により指標部材4を保持し、保持した指標部材4の矯正前歯列模型2に対する位置を位置調節機構33により調節し、このようにして指標部材4を矯正前歯列模型2に対して配設する。配設装置6により配設された指標部材4の板状体25は、ワックス等を介して矯正前歯列模型2に固着される。指標部材4の固着後、保持手段31による指標部材4の保持を解除すると共に配設装置6を矯正前歯列模型2上から取り除く。立設ピン52及び53が立設される模型歯牙21間並びに立設ピン54及び55が立設される模型歯牙21間には、特に図2に示すように一つ又は複数の模型歯牙21が介在される。次に、矯正前歯列模型2に指標部材4を配設した際における位置調節機構33による調節状態のままの配設装置6を矯正後予測歯列模型3上に設置し、設置後、保持手段31により指標部材5を保持し、このようにして、指標部材5の矯正後予測歯列模型3に対する位置が指標部材4の矯正前歯列模型2に対する位置と同等となるように当該指標部材5を矯正後予測歯列模型3に配設する。配設装置6により配設された指標部材5の板状体25は、ワックス等を介して矯正後予測歯列模型3に固着される。指標部材5の固着後、保持手段31による指標部材5の保持を解除すると共に配設装置6を矯正後予測歯列模型3上から取り除く。配設装置6により矯正前歯列模型2及び矯正後予測歯列模型3に夫々配設された指標部材4及び5は、矯正前歯列模型2及び矯正後予測歯列模型3の夫々の全体の基準位置を示す。尚、配設装置6による指標部材5の矯正後予測歯列模型3への配設を指標部材4の矯正前歯列模型2への配設よりも先に行ってもよい。また、配設装置6は、模型歯牙21が夫々互いに切り離されていない状態であって、矯正前歯列模型2と同歯列形状を有した状態の矯正後予測歯列模型3に対して、指標部材5を配設してもよい。
次に、画像データ生成手段11により指標部材4及び5が設けられた矯正前歯列模型2及び矯正後予測歯列模型3を夫々撮像して三次元的な矯正前歯列画像データ9及び矯正後予測歯列画像データ10を生成する。生成した矯正前歯列画像データ9及び矯正後予測歯列画像データ10は、記憶手段19によって記憶される。
次に、全体の位置設定プログラム115の実行により表示画面111に画面表示されるべき矯正前歯列画像12及び矯正後予測歯列画像13の夫々の全体の表示位置を設定する。全体の位置設定プログラム115の実行後、画面表示手段14により矯正前歯列画像12及び矯正後予測歯列画像13が表示画面111に画面表示される。次に、コンピュータの操作者の判断による全体の位置変更プログラム116の実行により全体の位置設定プログラム115により設定した位置において画面表示された矯正前歯列画像12の矯正後予測歯列画像13に対する全体の表示位置を変更する。
次に、抽出プログラム126の実行により歯列矯正において移動させるべき歯牙に対応する歯牙画像データ16及び歯列矯正において前記歯牙の移動に関連して移動させるべき歯牙に対応する歯牙画像データ125を矯正前歯列画像データ9から抽出し、抽出した歯牙画像データ16及び125に基づく歯牙画像17及び127が表示画面111に画面表示されるべき位置を歯牙位置設定プログラム128の実行により矯正前歯列画像12の表示位置を基準として設定する。歯牙位置設定プログラム128の実行後、画面表示手段14により歯牙画像17及び127が表示画面111に画面表示される。
次に、コンピュータの操作者の判断に基づく歯牙位置変更プログラム129の実行により、歯牙位置設定プログラム128によって設定した位置において画面表示された歯牙画像17の矯正後予測歯列画像13に対する表示位置を当該歯牙画像17が矯正後予測歯列画像13に含まれる歯牙画像137に向かって接近するように段階的に変更する。このように段階的に変更された歯牙画像17の歯牙位置変更データ131の夫々は記憶手段19に記憶される。歯牙画像127の夫々も歯牙画像17の表示位置を変更させる場合と同様に表示位置を変更させることができる。尚、抽出プログラム126は、全体の位置設定プログラム115よりも先に実行されてもよい。
以上のように歯列矯正支援システム1を用いれば、上述の各種データを生成することができる。このように生成された上述の各種データは、歯列矯正を段階的に計画したり、歯列の矯正段階に応じた歯列形状の歯列模型や当該歯列模型から型取りされる歯列矯正用のマウスピースを作製する上で便宜である。
本例の歯列矯正支援システム1によれば、歯列矯正前における歯列形状を有した矯正前歯列模型2及び歯列矯正後における予測歯列形状を有した矯正後予測歯列模型3の夫々の全体の基準位置を示す指標部材4及び5と、指標部材4及び5に前記基準位置を夫々指標させるべく当該指標部材4及び5を矯正前歯列模型2及び矯正後予測歯列模型3に夫々配設する配設装置6と、配設装置6により指標部材4及び5が夫々配設された矯正前歯列模型2及び矯正後予測歯列模型3を夫々撮像して、矯正前歯列模型2に配設された指標部材4に基づく指標画像データ7を含む矯正前歯列画像データ9と矯正後予測歯列模型3に配設された指標部材5に基づく指標画像データ8を含む矯正後予測歯列画像データ10とを生成する画像データ生成手段11と、画像データ生成手段11により生成された矯正前歯列画像データ9及び矯正後予測歯列画像データ10の夫々に基づく矯正前歯列画像12及び矯正後予測歯列画像13を画面表示する画面表示手段14と、画面表示手段14により画面表示される矯正前歯列画像12及び矯正後予測歯列画像13の相互の全体の表示位置を指標画像データ7及び8に基づいて調節する全体の位置調節手段15と、矯正前歯列画像データ9から歯牙画像データ16及び125を抽出すると共に抽出した歯牙画像データ16及び125に基づく歯牙画像17及び127の矯正後予測歯列画像13に対する表示位置を調節する歯牙位置調節手段18とを具備しているために、矯正後予測歯列模型3に基づいて所望の矯正後予測歯列画像13を正確に作成することができ、しかも、指標画像データ7及び8に基づいて矯正前歯列画像12及び矯正後予測歯列画像13の相互の位置合わせを簡単に且つ正確に行い得る。
歯列矯正支援システム1によれば、指標部材4及び5は、板状体25と、板状体25に設けられた突部26とを具備しているために、当該指標部材4及び5を矯正前歯列模型2及び矯正後予測歯列模型3に設けることで、矯正前歯列模型2及び矯正後予測歯列模型3が撮像されてコンピュータ等に用いられる画像データとされた場合に、撮像された指標部材4及び5の夫々に基づいて、矯正前歯列模型2に基づく矯正前歯列画像12の基準位置を明確に示す指標画像データ7と矯正後予測歯列模型3に基づく矯正後予測歯列画像13の基準位置を明確に示す指標画像データ8とを得ることができ、而して、矯正前歯列模型2に基づく矯正前歯列画像12と矯正後予測歯列模型3に基づく矯正後予測歯列画像13との相互の全体の表示位置の位置合わせを簡単に且つ正確に行い得る。また、歯列矯正支援システム1によれば、指標部材4及び5の突部26は、半球形状であるために、矯正前歯列画像12と矯正後予測歯列画像13との相互の全体の表示位置を更により簡単に一致させることができる。
歯列矯正支援システム1によれば、配設装置6は、指標部材4及び5を保持する保持手段31と、保持手段31を支持すると共に矯正前歯列模型2及び矯正後予測歯列模型3の夫々の模型歯牙21上に設置される支持手段32と、保持手段31の矯正前歯列模型2及び矯正後予測歯列模型3の夫々に対する位置を調節する位置調節機構33とを具備しているために、指標部材4及び5を矯正前歯列模型2及び矯正後予測歯列模型3に対する任意の基準位置に正確に配することができ、しかも、位置調節機構33により保持手段31の位置を矯正前歯列模型2及び矯正後予測歯列模型3の夫々に対して同様に調節することにより矯正前歯列模型2の全体に対する指標部材4の位置と矯正後予測歯列模型3の全体に対する指標部材5の位置とを正確に一致させることができ、而して、矯正前歯列画像12及び矯正後予測歯列画像13の相互の全体の表示位置をより正確に一致させ得る。
歯列矯正システム1によれば、支持手段32は、尖端51を夫々有していると共に当該尖端51で複数の模型歯牙21の咬合面21aにおける窪み部に夫々当接して当該複数の模型歯牙21上に立設される複数の立設ピン52から55を具備しているために、矯正前歯列模型2及び矯正後予測歯列模型3の夫々の模型歯牙21上に支持手段32を簡単に且つ正確に設置することができる。
歯列矯正支援システム1によれば、矯正前歯列画像データ9、矯正後予測歯列画像データ10、歯牙画像データ16並びに全体の位置調節手段15及び歯牙位置調節手段18の夫々による位置調節の結果を示すデータを夫々記憶する記憶手段19を更に具備しているために、歯列矯正支援システム1により上述の各種データを一旦作成すれば、当該各種データを事後的に参照することができ、而して、歯列矯正の段階的な矯正計画や斯かる段階的な矯正計画に対応した種々の形状を有した歯列矯正用のマウスピースの作製等を好適に支援し得る。
尚、配設装置6は、橋絡アーム56及び57、X方向軸58並びにZ方向軸59に代えて、伸縮自在な入れ子式の橋絡アーム、X方向軸及びZ方向軸を具備していてもよい。
歯列矯正支援システム1は、指標部材4及び5に代えて、例えば図11の(a)に示すように、環状の板状体201と、板状体201に設けられていると共に上からみて半円状である突部202とを有した指標部材203を具備していてもよい。図11の(a)に示される環状の板状体201は、三角環状であるが、例えば四角環状、多角環状、円環状等であってもよい。図11の(a)に示される三角環状の板状体201の三つの屈曲部204には、突部202が夫々設けられているが、突部202に代えて突部26が設けられていてもよい。また、歯列矯正支援システム1は、指標部材4及び5に代えて、例えば図11の(b)に示すように、T字状の板状体205と、板状体205の三つの端部206に夫々設けられていると共に上からみて円状である突部207とを有した指標部材208を具備していてもよい。図11の(b)に示される板状体205は、T字状であるが、例えば十字状であってもよく、斯かる場合には、四個の突部207が設けられていてもよい。図11の(b)に示される板状体205には、突部207が夫々設けられているが、突部207に代えて突部26又は突部202が設けられていてもよい。
本発明の実施の形態の例の概念説明図である。 図1に示す例の主に配設装置の平面説明図である。 図1に示す例の主に配設装置の正面説明図である。 図1に示す例の主に配設装置の側面説明図である。 (a)及び(b)は、図1に示す例の主に保持手段及び指標部材の説明図である。 図1に示す例の主に記憶手段に記憶されたプログラムに関する概念説明図である。 図1に示す例の主に記憶手段に記憶されたデータに関する概念説明図である。 図1に示す例の主に画面表示手段による歯列画像の画面表示に関する説明図である。 図1に示す例の主に画面表示手段による歯列画像の画面表示に関する説明図である。 図1に示す例の主に他の画面表示手段による歯列画像の画面表示に関する説明図である。 (a)は、図1に示す例の他の指標部材の平面説明図であり、(b)は、図1に示す更に他の指標部材の平面説明図である。
符号の説明
1 歯列矯正支援システム
2 矯正前歯列模型
3 矯正後予測歯列模型
4、5、203、208 指標部材
6 配設装置
7、8 指標画像データ
9 矯正前歯列画像データ
10 矯正後予測歯列画像データ
11 画像データ生成手段
12 矯正前歯列画像
13 矯正後予測歯列画像
14 画面表示手段
15 位置調節手段
16、125 歯牙画像データ
17、127、137 歯牙画像
18 歯牙位置調節手段
19 記憶手段

Claims (7)

  1. 歯列矯正前における歯列形状を有した矯正前歯列模型及び歯列矯正後における予測歯列形状を有した矯正後予測歯列模型の夫々の基準位置を示す指標部材と、指標部材に前記基準位置を夫々指標させるべく当該指標部材を矯正前歯列模型及び矯正後予測歯列模型に夫々配設する配設装置と、配設装置により指標部材が夫々配設された矯正前歯列模型及び矯正後予測歯列模型を夫々撮像して、矯正前歯列模型に配設された指標部材に基づく第一の指標画像データを含む矯正前歯列画像データと矯正後予測歯列模型に配設された指標部材に基づく第二の指標画像データを含む矯正後予測歯列画像データとを生成する画像データ生成手段と、画像データ生成手段により生成された矯正前歯列画像データ及び矯正後予測歯列画像データの夫々に基づく矯正前歯列画像及び矯正後予測歯列画像を画面表示する画面表示手段と、画面表示手段により画面表示される矯正前歯列画像及び矯正後予測歯列画像の相互の表示位置を第一及び第二の指標画像データに基づいて調節する位置調節手段と、矯正前歯列画像データから歯牙画像データを抽出すると共に抽出した歯牙画像データに基づく歯牙画像の矯正後予測歯列画像に対する表示位置を調節する歯牙位置調節手段とを具備しており、配設装置は、指標部材を保持する保持手段と、この保持手段を支持すると共に矯正前歯列模型及び矯正後予測歯列模型の夫々の複数の模型歯牙の咬合面における窪み部に夫々当接して当該複数の模型歯牙上に設置される支持手段と、保持手段の矯正前歯列模型及び矯正後予測歯列模型の夫々に対する位置を調節する位置調節機構とを具備している歯列矯正支援システム。
  2. 指標部材は、板状体と、この板状体に設けられた突部とを具備している請求項1に記載の歯列矯正支援システム。
  3. 指標部材の突部は、半球形状である請求項2に記載の歯列矯正支援システム。
  4. 支持手段は、尖端を夫々有していると共に当該尖端で複数の模型歯牙の咬合面における窪み部に夫々当接して当該複数の模型歯牙上に立設される複数の立設ピンを具備している請求項1から3のいずれか一項に記載の歯列矯正支援システム。
  5. 矯正前歯列画像データ、矯正後予測歯列画像データ、歯牙画像データ並びに位置調節手段及び歯牙位置調節手段の夫々による位置調節の結果を示すデータを夫々記憶する記憶手段を更に具備している請求項1から4のいずれか一項に記載の歯列矯正支援システム。
  6. 請求項2又は3に記載の歯列矯正支援システムに用いられる指標部材。
  7. 請求項1から5のいずれか一項に記載の歯列矯正支援システムに用いられる配設装置。
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