JP4813206B2 - 環境要因の評価方法、評価装置及び評価プログラム - Google Patents

環境要因の評価方法、評価装置及び評価プログラム Download PDF

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本発明は、環境要因の環境への影響を評価する環境要因の評価方法、評価装置及び評価プログラムに関する。
従来から、生物の生長等に影響を及ぼす環境要因(例えば、化学物質)の影響の程度を評価する方法として、植物や藻類等の植物性の細胞の生長を用いて評価する化学物質生態リスク評価手法がある。この評価方法としては、化学物質生態リスク評価のためのバイオアッセイである藻類生長阻害試験が最も一般的である。藻類生長阻害試験は、経済協力開発機構(OECD)のガイドラインに沿って進められている。藻類生長阻害試験は、化学物質を曝露した状態で藻類を72時間培養し、生長阻害を測定することにより化学物質の有害性を評価するものである。
上記の藻類生長阻害試験は、生物の増殖能を試験対象とするため操作が煩雑になるとともに試験結果を得るまで72時間という長時間を要する。これに対して、例えば特許文献1に記載されているように、藻類から発せられる遅延発光を計測することにより、化学物質の環境への影響を評価する方法がある。遅延発光とは、光合成機能を有する生物に対して光を照射した際に、当該光によるエネルギーにより光合成色素から蛍光発光が生じる現象である。この方法によれば、短時間で化学物質の環境への評価を行うことができる。
国際公開第2005/062027号パンフレット
特許文献1に記載された方法では、藻類等の光合成機能を有する植物性サンプルを化学物質に曝露して、当該植物性サンプルから発生する遅延発光の発光量の時間変化を計測する。その減衰曲線の形状及び特徴点に注目し、化学物質の曝露による変化を評価することで化学物質の環境への評価を行う。この評価方法の場合、(検査者による)減衰曲線の変化の特徴点の設定が重要であるが、特徴点の設定は任意のため無限の可能性がある。特徴点の設定が十分でない場合や適切でない場合には、その変化を検出することができなかった。また、特徴点を増やせば評価要素が多くなり、解析が煩雑になっていた。そこで、より適切かつ簡易に化学物質の環境への影響を評価できる方法が求められていた。
本発明は、以上の問題点を解決するために、適切かつ簡易に環境要因の環境への影響を評価することができる環境要因の評価方法、評価装置及び評価プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る環境要因の評価方法は、環境要因の環境への影響を評価する環境要因の評価方法であって、環境要因に曝露された光合成機能を有する植物性サンプルから発生する遅延発光の発光量の経時データの入力を受け付ける受付ステップと、受付ステップにおいて入力が受け付けられた経時データが、予め設定された複数の関数の和としてフィッティングするように、当該複数の関数の係数値を決定するフィッティングステップと、フィッティングステップにおいて決定された係数値に基づいて、影響を評価する評価ステップと、評価ステップにおける評価の情報を出力する出力ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係る環境要因の評価方法では、予め設定された複数の関数の和が遅延発光の発光量の経時データにフィッティングするように決定された、当該関数の係数値に基づいて評価が行われる。従って、上記の関数に従った客観的かつ機械的な評価が可能となる。また、遅延発光の発光量の経時データを、複数の関数の和にフィッティングさせているので、遅延発光のメカニズムに基づいた評価が可能である。即ち、本発明に係る環境要因の評価方法によれば、適切かつ簡易に環境要因の環境への影響の評価を行うことができる。
環境要因の評価方法は、環境要因に曝露された光合成機能を有する植物性サンプルから発生する遅延発光の経時的な発光量を計測して、当該計測データを受付ステップにおける経時データの入力とする計測ステップを更に含むことが望ましい。この構成によれば、実測データから評価を行うことができ、より適切な評価を行うことができる。
評価ステップは、フィッティングステップにおいて決定された係数値から影響を評価するための評価値を算出する評価値算出ステップと、影響を評価するために、評価値算出ステップにおいて算出された評価値と当該評価値の基準データとを比較する比較ステップと、を含むことが望ましい。この構成によれば、評価に適した評価値を設定して、それを基準データと比較することにより、より明確に評価を行うことができる。
環境要因の評価方法は、環境要因に曝露されていない光合成機能を有する植物性サンプルから発生する遅延発光の経時的な発光量を計測して、当該計測データから比較ステップにおける基準データを導出する基準データ生成ステップを更に含むことが望ましい。この構成によれば、基準データに関しても実測データから評価を行うことができ、更に適切な評価を行うことができる。
評価値算出ステップにおいて算出される評価値が、複数の関数のうち少なくとも1つの関数の係数値に基づいて算出される面積値であることが望ましい。この構成によれば、より簡易に評価を行うことができる。
関数が、山型の関数であることが望ましい。この構成によれば、更に遅延発光のメカニズムに近いフィッティングが可能となるので、更に適切な評価を行うことができる。
関数が、ローレンツ関数であることが望ましい。この構成によれば、当該具体的な評価基準で確実に評価を行うことができる。
,b,c(i=1,2,3)を複数の関数の係数値、tを基準時刻からの経過時間を示す変数としたときに、複数の関数が、それぞれ、

であることが望ましい。この構成によれば、当該具体的な評価基準で確実に評価を行うことができる。
評価値算出ステップおいて算出される評価値が、複数の関数うち少なくとも2以上の関数の係数を含む演算式に基づいて算出されることが望ましい。この構成によれば、遅延発光のメカニズムを考慮した評価を行うことができる。
,b,c(i=1,2,3)を複数の関数の係数値、tを基準時刻からの経過時間を示す変数とし、b<b<bとしたときに、複数の関数が、それぞれ、

であり、
(j=1〜9)を定数としたとき、評価値が、演算式

により算出されることが望ましい。この構成によれば、当該具体的な評価基準で確実に評価を行うことができる。
環境要因が、植物性細胞の生長阻害物質であることが望ましい。この構成によれば、植物性細胞の生長阻害物質に対して、生長の阻害度合等の有害度を評価することができる。
ところで、本発明は、上記のように環境要因の評価方法の発明として記述できる他に、以下のように評価システム及び評価プログラムの発明としても記述することができる。これはカテゴリ等が異なるだけで、実質的に同一の発明であり、同様の作用及び効果を奏する。
即ち、本発明に係る環境要因の評価システムは、環境要因の環境への影響を評価する環境要因の評価システムであって、環境要因に曝露された光合成機能を有する植物性サンプルから発生する遅延発光の発光量の経時データの入力を受け付ける受付手段と、受付手段により入力が受け付けられた経時データが、予め設定された複数の関数の和としてフィッティングするように、当該複数の関数の係数値を決定するフィッティング手段と、フィッティングステップにおいて決定された係数値に基づいて、影響を評価する評価手段と、評価手段による評価の情報を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
環境要因の評価システムは、環境要因に曝露された光合成機能を有する植物性サンプルから発生する遅延発光の経時的な発光量を計測して、当該計測データを受付手段への経時データの入力とする計測手段を更に含むことが望ましい。
また、本発明に係る環境要因の評価プログラムは、コンピュータに、環境要因の環境への影響を評価させる環境要因の評価プログラムであって、環境要因に曝露された光合成機能を有する植物性サンプルから発生する遅延発光の発光量の経時データの入力を受け付ける受付処理と、受付処理により入力が受け付けられた経時データが、予め設定された複数の関数の和としてフィッティングするように、当該複数の関数の係数値を決定するフィッティング処理と、フィッティング処理により決定された係数値に基づいて、影響を評価する評価処理と、評価処理による評価の情報を出力する出力処理と、を実行させることを特徴とする。
本発明では、関数に従った客観的かつ機械的な評価が可能となる。また、遅延発光の発光量の経時データを、複数の関数の和にフィッティングさせているので、遅延発光のメカニズムに基づいた評価が可能である。即ち、本発明によれば、適切かつ簡易に環境要因の環境への影響の評価を行うことができる。
以下、図面とともに本発明に係る環境要因の評価方法、評価システム及び評価プログラムの好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
本発明は、評価対象の環境要因に曝露された光合成機能を有する植物性サンプルから発生する遅延発光の発光量の経時データに基づいて、環境要因の環境への影響を評価するものである。環境要因としては、主に、生物の生育に対して影響を与え得る物質を評価対象とする。例えば、評価対象物質を含むと推定される河川水、井戸水、工場排出物などが挙げられる。遅延発光は以下のようにして生じる。つまり、光合成機能を有する生物に対して光を照射した際の反応において、同化色素(光合成色素)に吸収された光エネルギーが電子伝達経路により化学的エネルギーとして生物反応中に伝達される。その伝達過程で、化学エネルギーの一部が逆反応を起こし、光合成色素がその化学エネルギーにより再励起される。このようにして再励起された光合成色素から蛍光発光が生じる。この蛍光発光が遅延発光とされる。なお、遅延発光は、遅延蛍光と呼ばれることもあり以下総称して遅延発光とする。
まず、本発明に係る環境要因の評価方法の理論的背景について説明する。なお、以下に示す理論的背景は、本願発明者の鋭意研究により得られたものであり、本願において初めて開示されるものである。
環境要因の1つである化学物質を曝露した藻類の遅延発光の発光量の時間変化を解析した結果、遅延発光は、異なるエネルギーに由来するフォトンが、異なるタイミングで重複して発光しているという結果が得られた。更に、これらの異なるエネルギー源は、藻類の代謝における化学反応の影響によりその関係が変化することが判った。異なるエネルギー源は、藻類の代謝における化学反応の中心(光化学系、プラストキノンプール等の電子貯蔵部)であると推測される。
このことを、遅延発光のメカニズムを示す図1を用いて説明する。藻類は、光を受けて光合成代謝を行い、細胞を生長させる。光合成反応では、光合成色素により吸収された光エネルギーが、複数の化学反応により伝達され細胞生長に必要なエネルギーに変換される。その過程で、図1に示すように酵素発生、光−化学エネルギー変換、及びCO吸収等の遅延発光のエネルギー源となる反応が順次発生する。これらによるフォトンの発光が異なるタイミングで発生し、それらの発光の和が藻類全体の遅延発光として、計測される。
これらのフォトンの発光各々を関数として表し、遅延発光(全体)の発光量の時間変化をそれらの関数の和としてフィッティングできることが判った。フィッティングは、後述するように係数値を変数とした関数を予め設定しておき、係数値を決定することにより行う。このことにより、一見複雑な遅延発光の計測結果を、フィッティングした関数の係数値として簡略化して表現することが可能になる。フィッティングには複数の関数の和となるものを用いる。関数の数を増やすほど正確にフィッティングすることができる。
また、フィッティングするための関数としては、山型の関数を用いることが好ましい。山型の関数とは、形状が山型になる関数のことで、所定の変数値において関数値が最大値となり、当該所定の変数値以下の変数値では単調非減少、当該所定の変数値以上の変数値では単調非増加な関数である。具体的には、ローレンツ関数(コーシー分布)、二次関数、正規分布関数等により構成することができる。図1に示すように、各々のエネルギー源に対応した遅延発光の発光量の時間変化が山型になっており、それに対応し、より正確なフィッティングが可能になるからである。より正確なフィッティングは、より正確な評価を可能にする。なお、山型の関数の頂点が、時間軸において0以下になる場合、指数関数や対数関数等の単調非増加な関数で代替することとしてもよい。本実施形態では、このような関数も山型の関数に含まれる(最大値をとる変数値が−∞の山型の関数と解釈できる)。
遅延発光の発光量の時間変化をフィッティングするために必要な複数の関数は、最大値の現れる順に左から1番目、2番目…と識別することができる。図1にもあるように、最大値の現れる順が遅くなる(時間軸上の値が大きくなる)につれ、そのフォトン成分は細胞から放出されるタイミングが遅くなっていることを表し、細胞中でより進んだ代謝反応に由来すると考えられる。
有害な環境要因が藻類に作用すると細胞内の代謝が変化し、遅延発光の発光量の時間変化が、環境要因が作用しない場合と比較して異なるものとなる。植物性サンプルに有害な環境要因を曝露しない場合とした場合の遅延発光の発光量の変化を、図2に示す。図2(a)、(b)は、それぞれ環境要因として無機水銀及び除草剤を用いた場合の遅延発光の時間変化を示したグラフである。これらに示すように、環境要因は遅延発光に影響を及ぼし、また、環境要因ごとに遅延発光に対する影響は異なる。
図2(a)及び(b)にそれぞれ対応する、模式的なグラフを図2(c)及び(d)に示す。図2(c)及び(d)に示すグラフでは、発光量をエネルギー源ごとに表している(グラフにおける一つの山が一つのエネルギー源に対応している)。これらに示すように、環境要因の影響は、エネルギー源それぞれに異なって及ぼされる。その発光量の変化としてフィッティングした各関数の係数値が変化する。このうち、環境要因により藻類の生長が阻害される場合は、主として2番目以降の関数の係数値に変化が現れる。このことから、細胞生長は代謝の中でもより進んだ反応に関連するため、最大値の現れる順が遅い関数に注目することにより、評価することができると考えられる。
遅延発光に含まれるフォトンは、図1に示すようにその発生源に相互作用があるため、異なる関数の関係を評価することにより、より正確に代謝の状態を知ることができる。この為、異なる関数の係数値を演算した演算値を用いると、細胞内の情報を評価する上で役に立つ。詳細には後述する。
なお、遅延発光の発光量を関数にフィッティングする方法は、例えば、Journal of Photochemistry and Photobiology B: Biology 78 (2005)235-244 Further analysis of delayed luminescence of plantsにも記載されている。しかしながら、この文献に記載された方法は、本発明のように複数の関数にフィッティングさせるものではなく、一つの関数にフィッティングさせるものである。一つの関数では、図1に示すような複数のエネルギー源が存在するような、遅延発光の発光量の時間変化を正確にフィッティングすることができない。即ち、上記の従来技術の方法では、正確な評価を行うことが難しい。以上が、本発明の理論的背景である。
引き続き、本実施形態に係る環境要因の評価方法及び評価システムを説明する。図3に、本実施形態に係る当該評価システム1の構成を示す。図3に示すように、本実施形態に係る環境要因の評価システム1は、計測装置10と、評価装置12と、制御装置14とを備えて構成される。計測装置10と評価装置12とは、ケーブルにより接続されており互いに情報の送受信を行うことが可能になっている。評価装置12と制御装置14とは、ケーブルにより接続されており互いに情報の送受信を行うことが可能になっている。また、計測装置10と制御装置14とは、評価装置12を介して、互いに情報の送受信を行うことが可能になっている。
計測装置10は、光合成機能を有する植物性サンプルから発生する遅延発光の経時的な発光量を計測する装置である。ここで、植物性サンプルには、評価対象の環境要因に曝露されたものを含む。計測装置10は、計測した遅延発光の発光量の経時データを評価装置12に入力する。なお、図3に示す計測装置10は、計測装置10の断面を示したものである。計測装置10の具体的な構成については後述する。
評価装置12は、計測装置10からの遅延発光の発光量の経時データの入力を受け付けて、当該経時データに基づいて環境要因の環境への影響を評価するものである。ここで、環境への影響は、具体的には例えば、藻類の生長に対する阻害の影響等である。評価装置12は、具体的にはPC(Personal Computer)等が相当し、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等のハードウェアにより構成されている。評価装置12は、これらのハードウェアの構成要素がプログラム等により動作することにより、後述する各機能が発揮される。なお、図3に示す評価装置12は、評価装置12の機能を示したものである。
制御装置14は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等のハードウェアを備えており、計測装置10に対して制御信号を送信して計測装置10の動作の制御を行う。続いて、計測装置10と評価装置12とをより詳細に説明する。
図3に示すように、計測装置10は、設置部16と、光源18と、光検出器20と、フィルタ22と、集光光学系24と、シャッタ26とを備えている。また、計測装置10は、筐体28を有しており、当該筐体28内に上記の各構成要素が配置されている。筐体28は、内部に光が入り込まないように、それ自体が光を遮断する遮光部材で形成されているか、光を遮断する塗料等を塗布した部材で形成される。筐体28は、その一端に導入口30が形成された本体部32と、当該導入口30を閉塞することが可能な蓋部34とからなる。蓋部34の開閉は、制御装置14により監視・制御されており、シャッタ26が開いた状況にあっては、光センサ20に筐体28の外部からの光が入射しないように、蓋部34は開閉できないようにロックされる。
設置部16は、計測対象の環境要因及び植物性サンプル(例えば、化学物質及び植物性サンプルが含まれる溶液)を入れた容器を設置するためのものである。設置部16は、上記の導入口30から容器を設置することができる位置に設けられる。設置部16は、例えば、容器固定用の固定爪を有し、この固定爪で容器を固定する。
光源18は、遅延発光を発生させるために、設置部16に設置された容器中の植物性サンプルに所定波長の光を照射するものであり、植物性サンプルに対し光が照射できる位置及び方向に設けられる。光源18から照射される光の波長は、280nm〜800nmである。ここで、光源は、単色光源であっても、複数の光源を組み合わせたものであってもよい。光源18からの光の照射は、任意の所定時間連続させてもよいし、任意のパターンでパルス点灯させてもよい。また、同一又は異なる波長特性を有する複数の光源を順番に発光させたり、複数の光源を同時に発光させたりしてもよい。光源18による光の照射は、制御装置14により制御される。
光検出器20は、光源18から光が照射されたことにより、植物性サンプルから発生する遅延発光の発光量を計測するものである。光検出器20は、遅延発光を検知する光センサ20aと、光センサ20aが検知して出力する信号に基づいて遅延発光の発光量を算出して出力する遅延発光量算出部20bとを有している。光検出器20は、遅延発光が検出することができる位置及び方向に設けられる。光検出器20は、具体的には、光電子増倍管やフォトンカウンタ等により構成される。遅延発光量算出部20bから逐次、出力される発光量の情報は経時データとして、評価装置12に入力される。
フィルタ22と、集光光学系24と、シャッタ26とは、設置部16と光検出器20との間に、設置部16側から順番に設けられている。フィルタ22は、筐体28の内壁面に接するように設けられ遅延発光を透過するものである。集光光学系24は、微弱な遅延発光を集光、反射及び透過して、光検出器20に入力させるものである。シャッタ26は、開閉自在にされており、閉じているときには遅延発光を遮断するようになっている。必要なときのみ、光検出器20により遅延発光が検出されるようにするためである。シャッタ26の開閉は、制御装置14により制御される。以上が、計測装置10の構成である。
図3に示すように、評価装置12は、受付部36と、フィッティング部38と、評価部40と、出力部42とを備えている。受付部36は、植物性サンプルから発生する遅延発光の発光量の経時データの入力を受け付ける受付手段である。当該入力は、計測装置10(の遅延発光量算出部20b)からの入力である。ここで、発光量の経時データは、植物性サンプルが評価対象の環境要因に曝露されたもの(評価対象の化学物質が溶液に含まれるもの)と曝露されていないもの(評価対象の化学物質が溶液に含まれていないもの)との両方のデータが入力される。受け付けられたデータは、フィッティング部38に送信される。
フィッティング部38は、受付部36により入力が受け付けられた経時データが、予め設定された複数の関数の和としてフィッティングするように、当該複数の関数の係数値を決定するフィッティング手段である。フィッティング部38には、関数の情報を予め記憶させておく。関数としては、上述したように山型の関数を用いることが好ましい。複数の関数としては、具体的には例えば、a,b,c(i=1,2,3)を複数の関数の係数値、tを基準時刻からの経過時間(励起後時間)を示す変数としたときに、それぞれ

のようなローレンツ関数(コーシー分布)を用いることが好ましい。フィッティングに用いる複数の関数の和としては、

となる。ここで、tの基準時刻としては例えば、光源18からの光の照射が終了した時刻から予め設定した所定の時間が経過した時刻とする。図4に示したように、上記の各関数における、aは時間方向への広がり、bは発光量が最大値を取るt(励起後時間)、cは最大値の極大値に影響する。なお、式(1)において右辺の第1項、第2項、第3項を、それぞれ時間軸上で最大値の現れる順番で、第1関数、第2関数、第3関数というように表す。即ち、複数の関数の係数において、b<b<bの関係が成立する。上記のように3つの関数の和とするのは、図1等に示すように、異なる3つのフォトンのエネルギー源となる反応が存在すると考えられるからである。なお、フォトンのエネルギー源となる反応が3つ以外になるような場合は、それに合わせた数にするのがよい。また、フィッティングに用いる複数の関数は、上記の関数以外でも、二次関数、正規分布関数等の山型の関数を用いてもよい。
但し、山型の関数を用いなくても、よくフィッティングする関数であれば、その関数を用いることとしてもよい。例えば式(1)の関数に更に係数d(i=1,2,3)を加えた、以下の式で表される関数を用いてもよい。

このように係数を増加させることにより、フィッティングの自由度を広げることができる。
また、フィッティング部38には、フィッティングを行うためのアルゴリズムについても予め記憶させておく。フィッティングのアルゴリズムとしては、具体的には、非線形解析法の一種であるシンプレックス法や、Gauss-Newton法、Davidon Fletcher Powell法、Brent法等、モンテカルロ法及びシミュレーテッド・アニーリング法等を用いることができる。なお、フィッティングの条件は、植物性サンプルの種類や計測条件に合わせて設定することもできる。フィッティング部38で決定された係数値は、評価部40に送信される。
評価部40は、フィッティング部38により決定された係数値に基づいて、環境要因の環境への影響を評価する評価手段である。ここでの評価は、具体的には影響の度合(有害性)を数値化したり、当該数値化された値を用いて有害か無害かの判定を行ったりすることである。
図3に示すように、評価部40は、上記の評価を行うために評価値算出部44と、比較部46とを含む。評価値算出部44は、フィッティング部38により決定された係数値から影響を評価するための評価値を算出する評価値算出手段である。評価値の算出は、例えば、評価値算出部44が予め記憶している評価値を算出するための式に基づいて行われる。
上述したように、遅延発光の原因となるフォトンは、その発生源が複数でありそれらの間に相互作用があるため、異なる関数の関係を評価することにより、より正確に代謝の状態を知ることができる。このため、異なる関数の係数値から算出した評価値を用いると、細胞内の情報を評価する上で役に立つ。評価値は、具体的には、演算式

に基づいて導出されることが好ましい。ここでm(j=1〜9)は、予めあるいは評価処理において適宜、設定される定数である。図5に示すように、フォトンのエネルギー源の相互作用を表現したものであるからである。このように、算出される評価値は、複数の関数うち少なくとも2以上の関数の係数を含む演算式に基づいて算出されることが好ましい。関数により表される、フォトンのエネルギー源の相互作用を考慮した評価が可能となるからである。なお、評価値は必ずしも演算式に基づいて演算されたものでなくてもよく、係数値そのものを評価値とすることとしてもよい。
比較部46は、評価値算出部44により算出された評価値と当該評価値の基準データとを比較する比較手段である。ここで、基準データとは、例えば、評価対象の環境要因に曝露されていない植物性サンプルからの遅延発光に基づいて、上記の各処理により導出されたデータである。評価部40は、比較部46による比較結果に基づいて、評価を行う。具体的には後述する。評価結果の情報は出力部42に送信される。
出力部42は、評価部40による評価の情報を出力する出力手段である。具体的には、例えば、評価装置12が備えるディスプレイへの出力を行う。出力部42による出力により、ユーザは評価内容を確認することができる。出力部42による出力は、上記のような画面出力に限られず、例えば別の装置への出力であってもよい。
引き続いて、図6及び7のフローチャートを用いて、本実施形態に係る環境要因の評価方法(環境要因の評価システム1において実行される処理)を、環境要因の1つである化学物質を例示しながら説明する。
まず、評価対象の化学物質と、遅延発光を発生させるための植物性サンプルとを含む溶液である試料(以下、曝露試料と呼ぶ)を調製する(S01、試料調製ステップ)。調製は具体的には、以下のように行われる。
植物性サンプルを用意する(S01a)。植物性サンプルとしては、例えば、藍藻Spirulina platensisや緑藻Psudokircheneriella subcapitata等の藻類を用いることが好ましい。吸光度を調整するため、植物性サンプルは、685nmの波長の光の吸光度(OD685)を1にしておく等、予め定めた吸光度にした懸濁液にしておく。また、評価対象の化学物質を用意する(S01b)。評価対象となる化学物質としては、例えば、除草剤シマジン(CAT)や無機水銀等の植物性細胞の生長阻害物質を用いる。これらの化学物質は、試料を調製しやすいように、藻類培養液体培地(C培地)に含ませておく。これら用意した植物性サンプルと化学物質とを混合させ、試料を調製する(S01c)。例えば、上記の懸濁液0.5mlに対して、化学物質が含まれる藻類培養液体培地2mlを混合することにより、OD685=0.2の曝露試料を得ることができる。なお、試料の調製には、必ずしも本実施形態に係る化学物質の評価システム1を用いる必要はないが、上記の処理を行う機構を評価システム1に備えさせておき自動的に行わせてもよい。
続いて、調整された曝露試料に遅延発光を発生させ、化学物質の評価システム1の計測装置10を用いて当該遅延発光の経時的な発光量を計測する(S02、計測ステップ)。計測は具体的には、以下のように行われる。
調整された曝露試料を、計測装置10の中又は外において、光条件及び温度が所定の条件に管理された環境で一定時間待機させる(S02a)。この待機は、化学物質を植物性サンプルに作用させるため、また、植物性サンプルと化学物質とを混合することによる条件の変化、例えば光環境や細胞密度の変化などに植物性サンプルを適応させるためである。待機の条件としては、具体的には例えば、光量5μmol・m−2・s−1の白色蛍光灯下で15分間等であることが好ましい。
続いて、待機させた曝露試料を、計測装置10の中の設置部16に配置して、光源18からの光の照射を行う(S02b)。上述したように当該光の照射は、植物性サンプルに光合成を行わせるための光であり、植物性サンプルが光合成可能なスペクトルを含む必要がある。具体的には、例えば、約300μmol・m−2・s−1の赤色光(波長:660nm)を10秒照射する。なお、光を照射する時間は、予め設定しておく。また、光の照射を行っている間は、計測装置10の蓋部34及びシャッタ26を閉じた状態にして、外部からの光が入り込まないようにしておく。
予め設定された照射する時間が経過したら、光源18による発光を停止させ(S02c)、シャッタ26を開く(S02d)。光が照射された曝露試料からは遅延発光が発生する。集光光学系24は、曝露試料から様々な方向に放出される遅延発光を、集光、反射及び透過により光検出器20に入射するように導く。光検出器20は、集光光学系24により入射された遅延発光の発光量を計測する(S02e)。計測は、予め設定された時間の間連続的に行われ、経時的な発光量が計測される。具体的には、例えば、0.1秒間隔で50秒間、発光量が計測される。なお、光検出器20は、光源18から光が照射されている間は、シャッタ26及び筐体28により外部から光が入射しないように保護されている。
予め設定された計測する時間が経過したら、シャッタ26が閉じられ(S02f)、光検出器20による計測が終了する。計測装置10(に備えられる光検出器20の遅延発光量算出部20b)から、遅延発光の計測データを評価装置12に入力する(S02g)。入力される評価データは、例えば、励起後時間の情報と発光量の情報とが対応付けられたものである。グラフに表すと、例えば、図10に示すようなものとなる。
遅延発光の発光量の経時データである計測データが入力された評価装置12では、受付部36が当該入力を受け付ける(S03(S03a)、受付ステップ)。入力された遅延発光の発光量の経時データは、フィッティング部38に送信される。
続いて、評価装置12では、フィッティング部38が、入力された遅延発光の発光量の経時データが、複数の関数の和としてフィッティングするように、当該複数の関数の係数値を決定する(S04、フィッティングステップ)。フィッティングは具体的には、以下のように行われる。
まず、フィッティング部38は、フィッティングの条件を設定する(S04a)。フィッティングの条件の設定とは具体的には、例えば、フィッティングに用いる関数の種類を決定すること、関数の係数値の一部を予め設定した固定値に設定(固定されていない係数値は、フィッティングステップにおいて決定される)すること、後述するフィッティング終了条件で用いる誤差の許容範囲を設定すること等である。この設定は、計測に用いた植物性サンプルの種類や計測条件に合わせて行われることが好ましい。条件の設定は、ユーザにより予め入力された情報に基づいて行われてもよいし、予めフィッティング部38が保持しているルールに基づいて行われてもよい。
続いて、フィッティング部38は、フィッティングを行う(S04b)。フィッティングは、関数の変数値が励起後時間に、関数値が発光量にそれぞれ対応するように行われる。また、フィッティングは、フィッティング部38が予め記憶しているアルゴリズムに基づいて行われる。このフィッティングにより、各関数の係数値が決定される。例えば、上記の式(1)で表される関数を用いた場合は、a,b,c(i=1,2,3)のそれぞれの値が決定される。
続いて、フィッティング部38は、フィッティング結果がフィッティング終了条件を満たしているか否かの判定を行う(S04c)。フィッティング終了条件としては、例えば、フィッティング結果と計測結果との間の誤差が所定の許容範囲内にあること、係数値及び係数値同士の関係が所定の許容範囲内にあること等である。フィッティング終了条件を満たしていた場合、フィッティングを終了し、決定した関数値を含むフィッティングに関する情報が評価部40に送信される。フィッティング終了条件を満たしていない場合は、改めてフィッティングの条件を設定して(S04a)、再度フィッティングを実行する(S04b)。
続いて、評価装置12では、評価部40に含まれる評価値算出部44が、フィッティング部38により決定された係数値から、化学物質の環境への影響を評価するための評価値を算出する(S05、評価値算出ステップ、評価ステップ)。評価値には、係数値の一部又は全部を評価値として使用するものと、係数値を所定の演算式に基づいて演算することにより得られるものと、係数値に基づいて算出された、関数の面積値を評価値として使用するものとの少なくとも1つを含む。ここで、関数の面積値とは、関数のグラフにおいて、関数値と例えば変数の軸(本実施形態においては時間軸)等の基準軸とにより囲まれる領域(変数の範囲が設定されていてもよい)の面積値である。本実施形態においては、関数値は発光量であり、変数の軸は時間軸である。なお、どのような値を評価値として用いるかは、予め設定されている。
係数値を評価値として使用する場合は、係数値が評価値として記録される(S05a)。一方、演算値を評価値として使用する場合は、評価値算出部44は、まず、演算条件の設定を行う(S05b)。演算条件は、例えば、演算に用いる演算式等である。演算条件の設定は、計測に用いた植物性サンプルの種類や計測条件に基づいて行われることが好ましい。続いて、評価値算出部44は、設定された演算条件に基づいて演算を行い、演算値を算出する(S05c)。演算値は評価値として、評価値算出部44により記録される(S05d)。
また、面積値を評価値して使用する場合は、まず面積値を算出する関数及び面積値を算出する時間(t)の範囲を設定する(S05b’)。ここで、面積値はフィッティングに用いる関数の全ての関数について算出しても良いし、少なくとも1つの関数を選択して算出しても良い。関数の選択は、計測に用いた植物性サンプルの種類や計測条件に基づいて行われることが好ましい。より具体的には、面積値を算出する関数は、時間軸上で最大値の現れる順番に基づいて選択されても良いし、また発光量に基づいて関数を選択するようにしても良い。例えば、時間軸上で最大値の現れる順番に基づいて関数を選択する場合、順番が最も遅いものが好ましい。また、別の選択方法として、下記する基準データと比較して、係数値、評価値等の変化量が最も大きくなる関数を選択しても良い。面積を算出する時間(t)の範囲の設定については、計測に用いた植物性サンプルの種類や計測条件に基づいて行われることが好ましい。より具体的には、時間(t)の範囲は、遅延発光の計測時間の全範囲であることが好ましい。また、計測時間の全範囲から一部の時間範囲を選択する場合には、その関数の最大値からその半値幅に相当する時間範囲を選択することができる。さらに、計測時間の範囲内にその関数の最大値からの半値幅に相当する時間範囲が含まれていない場合、つまり、計測時間を超える範囲を選択する場合には、例えば、フィッティングした関数から半値幅に相当する時間範囲を推定し、その時間範囲を選択することができる。続いて、評価値算出部44は、選択された関数について、その関数に関連付けられる係数値及び選択された時間(t)の範囲に基づいて、その面積値を区分求積等により算出する(S05c’)。具体的には、式(1)における第3関数に係数値a3,b3,c3の値を代入して、選択された時間(t)の範囲について区分求積を行う。面積値は評価値として、評価値算出部44により記録される(S05d’)。面積値による評価は、単に関数に係る面積値を算出するだけであるので、より簡易な評価を可能にする。
続いて、評価装置12では、評価部40に含まれる比較部46が、化学物質の環境への影響を評価するために、評価値算出部44において算出された評価値と当該評価値の基準データとを比較する(S06、比較ステップ、評価ステップ)。基準データとは、化学物質の環境への評価を行うために上述のように算出された評価値の比較対象となりうるデータである。具体的には例えば、化学物質を含まない溶液に混入された光合成サンプルから発生する遅延発光の経時的な発光量を計測して、当該計測データから導出されるデータである。
このステップまでに、別途、予め基準データを導出しておく(S10、基準データ生成ステップ)。基準データの生成は、上述したS01〜S05までのステップと同様に行われる。但し、S01における試料の生成においては、評価対象の化学物質を試料に含まずに行う。なお、各ステップで設定される条件等は、評価対象の化学物質を含む場合に導出したものと同じものを用いる。
評価値の比較は、以下のように行われる。比較部46が、比較値の算出条件を設定する(S06a)。比較値とは、比較結果として算出される値のことであり、化学物質の環境への影響の評価に用いられる。比較値の算出条件は、例えば、算出に用いる演算式等である。算出式としては、例えば、基準データの評価値に対する曝露試料の計測データから算出された評価値の比率や差分を求めるもの等を用いることができる。比較値の算出条件の設定は、計測に用いた植物性サンプルの種類や計測条件に基づいて行われることが好ましい。
続いて、比較部46は、評価値算出部44により記録された各評価値を読み出して、設定した条件に従い比較値を算出する(S06b)。算出された比較値は、比較部46により記録される(S06c)。
続いて、評価装置12では、評価部40が、上記の比較値に基づいて化学物質の環境への影響を評価する(S07、評価ステップ)。評価は具体的には、以下のように行われる。評価部40は、評価条件を設定する(S07a)。評価条件は、具体的には評価に用いるルール等であり、計測に用いた植物性サンプルの種類や計測条件に基づいて行われることが好ましい。評価に用いるルールは、予め評価部40が記憶している。
続いて、評価部40が、比較部46により記録された比較値を読み出して、設定した条件に従い評価を行う(S07b)。評価は、具体的には例えば、予め用意された比較値を環境への影響に対応させた評価用のテーブルに比較値を照らし合わせて、環境への影響を、例えば生長阻害度等の数値として算出する等により行われる。また、予め閾値を設けておき、比較値が閾値を超えているか否かにより、化学物質の有害性を有害か無害かという二値的な評価をしてもよい。評価により得られた情報は出力部42に送信される。
出力部42は、評価部40における評価の情報を出力する(S08(S08a)、出力ステップ)。出力は、上述したようにディスプレイ等により画面表示をすること等により行われる。出力は、例えば評価に係る数値を表にして出力してもよいし、有害の場合は○(マル)を表示し無害の場合は×(バツ)を表示することとしてもよい。また、数値をグラフ化したものを表示することとしてもよい。出力された評価の情報は、ユーザに適宜、参照される。
上述したように本実施形態によれば、上記の関数に従った客観的かつ機械的な評価が可能となる。また、遅延発光の発光量の経時データを、複数の関数の和にフィッティングさせているので、遅延発光のメカニズムに基づいた評価が可能である。即ち、本実施形態に係る環境要因の評価方法によれば、適切かつ簡易に環境要因の環境への影響の評価を行うことができる。
また、本実施形態のように、遅延発光を計測することとすれば、実測データに基づいて評価を行うことができるので、より適切な評価を行うことができる。但し、実測データが予め用意できている場合等は、必ずしも遅延発光を計測する必要はなく、遅延発光の発光量の経時データの入力から行うこととしてもよい。
また、本実施形態のように、評価値を設定してそれらを基準データと比較して評価することとすれば、評価に適した評価値を設定することにより、より明確に評価を行うことができる。
また、本実施形態では触れてはいないが、特許文献1に記載されたように溶液の吸光度を測定して、吸光度を考慮した評価を行ってもよい。
本実施形態においては、測定対象物として溶液中の化学物質を例示したが、河川水や井戸水、工場排出物(汚水、土壌、ガスなど)であっても良い。本発明で評価可能なその他の環境要因としては、光要因、温度要因、酸素要因、炭酸ガス要因、塩分要因など種々の環境要因が挙げられる。例えば、工場排出ガスの環境に及ぼす影響を評価する場合には、植物性サンプルが収容される空間内にパイプ等により工場排出ガスを導入すれば良い。また、植物性サンプルに及ぼす温度要因の影響を評価する場合には、植物性サンプルが収容される空間内に温調装置を設ければ良い。
引き続いて、上述した一連の環境要因の評価を行う処理をコンピュータに実行させるための環境要因の評価プログラムを説明する。図8に示すように、環境要因の評価プログラム52は、コンピュータが備える記録媒体50に形成されたプログラム格納領域50a内に格納されている。
環境要因の評価プログラム52は、環境要因の評価処理を統括的に制御するメインモジュール52aと、環境要因に曝露された光合成機能を有する植物性サンプルから発生する遅延発光の発光量の経時データの入力を受け付ける受付モジュール52bと、入力が受け付けられた経時データが、予め設定された複数の関数の和としてフィッティングするように、当該複数の関数の係数値を決定するフィッティングモジュール52cと、決定された係数値に基づいて、環境要因の環境への影響を評価する評価モジュール52dと、評価の情報を出力する出力モジュール52eとを備えて構成される。受付モジュール52b、フィッティングモジュール52c、評価モジュール52d及び出力モジュール52eを実行させることにより実現される機能は、上述した評価装置12の受付部36、フィッティング部38、評価部40及び出力部42の機能とそれぞれ同様である。
なお、環境要因の評価プログラム52は、その一部若しくは全部が、通信回線等の伝送媒体を介して伝送され、他の機器により受信されて記録(インストールを含む)される構成としてもよい。
上述した実施形態の実施例を以下に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
下記実施例では植物性サンプルとして藻類を用いているが、これに限定されるものではなく、光合成機能を有し、遅延発光を放射可能なものであればよく、例えば植物性プランクトン、シアノバクテリア、光合成細菌、植物体や葉や又はその細片、カルスなどの植物性培養細胞、植物から抽出された光合成小器官やチラコイド膜、さらには人工的に合成された光合成様機能を持つ膜・タンパク複合体などが挙げられる。好適には、例えば、藍藻類であるSpirulina、緑藻類であるSelenastrumや、黄色藻類であるIsochrysis、また、ホウレンソウなどから抽出されたチラコイド膜などが利用できる。
(実施例1)
実施例1では、評価対象の環境要因として除草剤シマジン(CAT)を用いた。遅延発光を発生する植物性サンプルとしては、藻類Spirulina platensis(藍藻)を用いた。シマジンは、S. platensisに対して有害物質となる環境要因である。図9に、シマジンを、濃度を変えて曝露した場合のS. platensisの生長曲線下面積の変化を示す。図9のグラフにおいて横軸はシマジンの濃度、縦軸は生長曲線下面積を示している。
生長曲線下面積は、従来の藻類に対する化学物質影響の評価指標である細胞生長を示すもので、一般的な藻類に対する化学物質の影響評価法(OECDテストガイドライン201)に準じて算出される。即ち、生長曲線下面積は、750nm吸光度を0.03に調製したS. platensis細胞懸濁液6mLに対し、化学物質曝露後72時間にわたり白色蛍光灯(50μmol・m−2・s−1)で培養を行い、24時間毎に細胞密度を750nm吸光度として計測することにより得られる生長曲線の下面積である。図9に示すように、シマジンの曝露濃度に応じて曝露から72時間後のS. platensisの細胞生長が阻害されているのがわかる。
本実施例における遅延発光の計測は、以下のように行った。一般的な10×10mmの分光計測用のセル内で、660nm吸光度を0.05に調製したS. platensis細胞懸濁液2.5mLに対し、シマジンを、濃度を変えて曝露し、光量5μmol・m−2・s−1の白色蛍光灯下で15分放置する。その後、計測装置10の内部で、遅延発光を発生させるための励起光として光源18から約300μmol・m−2・s−1の赤色光(660nm)を10秒照射し、励起光消灯後に発光する遅延発光を0.1秒間隔で50秒間記録した。
図10に、シマジン曝露15分後のS. platensisから発生した遅延発光の発光量の50秒間の変化を計測した結果を示す。図10のグラフにおいて横軸は計測を開始してからの時間(励起後時間)、縦軸は発光量(カウントされたフォトンの数)を示している。図中の「曝露なし」はシマジンを曝露していない状態で藻類から得られる遅延発光の変化を、「曝露あり」はシマジンを曝露した状態の藻類から得られる遅延発光の変化をそれぞれ示している。「曝露なし」の計測結果は、上述した実施形態における基準データを生成するためのものである。「曝露あり」「曝露なし」の違いは、シマジンによる影響の有無だけである。シマジンの影響により「曝露あり」では、励起後時間の早い時間帯(0秒付近)では発光量が増加し、遅い時間帯(5秒以降)では発光量が減少していることがわかる。
S. platensisの遅延発光の発光量は、励起後15秒付近まで減少した後に、再び20秒付近で再増加し、その後更に減少する。この20秒付近の発光量の増加は、本実施例の計測条件における、S. platensisの細胞内での化学反応によるエネルギーの貯蓄及び再放出によるものである。このように、本実施例の計測条件では、S. platensisは、励起後の時間経過の遅い時間帯の遅延発光に影響する光合成の後期の段階に多くのエネルギーを貯蓄していることを示している。
本実施例においては、フィッティングには上述した式(1)を用いた。フィッティング結果の説明の一例として、「曝露なし」の計測結果を図11(a)に、及び当該計測データに対してフィッティングした結果のグラフを図11(b)にそれぞれ示す。図11(b)において、f1(t)、f2(t)、f3(t)は、それぞれ式(1)における第1関数、第2関数、第3関数である。図11から、遅延発光の計測データは、複数の山型の関数により、フィッティングできることがわかる。
フィッティングにより、関数の係数であるa,b,c(i=1,2,3)が決定される。その結果を以下の表に示す。

実施例1では、係数値を評価値として用いる。
評価ステップの一例として、上記の表に示した係数のうち、第3関数f3(t)の係数の一つであるcを用いた場合について説明する。第3関数は、式(1)において、発光量の最大値をとる時間が最も大きくなる関数であり、本実施例における第1〜第3関数の中では、最も長い間細胞内に蓄えられているエネルギーを反映すると考えられる。その中でも、係数値cは、山型の関数の高さに関係する値であり、第3関数の表すフォトン成分の発光量と最も関連の深い値である。
シマジンの曝露濃度によるcの値の変化を図12に示す。図12のグラフにおいて、横軸はシマジンの曝露濃度を、縦軸はcの値をそれぞれ示している。図12に示すように、S. platensisの遅延発光の発光量の経時データに対する評価値は、シマジンの曝露濃度に従い減少し、その減少は図9に示した72時間後の細胞生長と相関することがわかる。従って、この比較結果を評価結果とすることができる。
このように、S. platensisを植物性サンプルとして用いた場合、フィッティングの結果得られる係数値を用いることにより、環境要因の環境への影響を評価することができる。この実施例において、環境要因の環境への影響とは、シマジンの影響により引き起こされる藻類の生長の阻害である。
(実施例2)
実施例2でも、評価対象の環境要因として除草剤シマジン(CAT)を用いた。遅延発光を発生する植物性サンプルとしては、藻類Pseudokirchneriella subcapitata(緑藻)を用いた。シマジンは、P. subcapitataに対して有害物質となる環境要因である。図13に、シマジンを、濃度を変えて曝露した場合のP. subcapitataの生長曲線下面積の変化を示す。図13のグラフにおいて横軸はシマジンの濃度、縦軸は生長曲線下面積を示している。
本実施形態において、生長曲線下面積は、750nm吸光度を0.01に調製したP. subcapitata細胞懸濁液6mLに対し、化学物質曝露後72時間にわたり白色蛍光灯(50μmol・m−2・s−1)で培養を行い、24時間毎に細胞密度を750nm吸光度として計測することにより得られる生長曲線の下面積である。図13に示すように、シマジンの曝露濃度に応じて曝露から72時間後のP. subcapitataの細胞生長が阻害されているのがわかる。
本実施例における遅延発光の計測は、以下のように行った。一般的な10×10mmの分光計測用のセル内で、660nm吸光度を0.2に調製したP. subcapitata細胞懸濁液2.5mLに対し、シマジンを、濃度を変えて曝露し、光量5μmol・m−2・s−1の白色蛍光灯下で15分放置する。その後、計測装置10の内部で、遅延発光を発生させるための励起光として光源18から約300μmol・m−2・s−1の赤色光(660nm)を10秒照射し、励起光消灯後に発光する遅延発光を0.1秒間隔で50秒間記録した。
図14に、シマジン曝露15分後のP. subcapitataから発生した遅延発光の発光量の50秒間の変化を計測した結果を示す。図14のグラフにおいて横軸は計測を開始してからの時間(励起後時間)、縦軸は発光量(カウントされたフォトンの数)を示している。シマジンの影響により「曝露あり」では、励起後時間の早い時間帯(0秒付近)では発光量が増加し、遅い時間帯(5秒以降)では発光量が減少していることがわかる。
本実施例においては、フィッティングには上述した式(1)を用いた。フィッティング結果の説明の一例として、「曝露なし」の計測結果を図15(a)に、及び当該計測データに対してフィッティングした結果のグラフを図15(b)にそれぞれ示す。図15(b)において、f1(t)、f2(t)、f3(t)は、それぞれ式(1)における第1関数、第2関数、第3関数である。図15から、遅延発光の計測データは、複数の山型の関数により、フィッティングできることがわかる。
フィッティングにより、関数の係数であるa,b,c(i=1,2,3)が決定される。その結果を以下の表に示す。

実施例1では、係数値及び係数値から算出される演算値を評価値として用いる。
評価ステップの一例として、上記の表に示した係数のうち、第3関数f3(t)の係数の一つであるcを用いた場合について説明する。第3関数は、式(1)において、発光量の最大値をとる時間が最も大きくなる関数であり、本実施例における第1〜第3関数の中では、最も長い間細胞内に蓄えられているエネルギーを反映すると考えられる。その中でも、係数値cは、山型の関数の高さに関係する値であり、第3関数の表すフォトン成分の発光量と最も関連の深い値である。
シマジンの曝露濃度によるcの値の変化を図16に示す。図16のグラフにおいて、横軸はシマジンの曝露濃度を、縦軸はcの値をそれぞれ示している。図16に示すように、P. subcapitataの遅延発光の発光量の経時データに対する評価値は、シマジンの曝露濃度に従い減少し、その減少は図13に示した72時間後の細胞生長と相関することがわかる。従って、この比較結果を評価結果とすることができる。
このように、P. subcapitataを植物性サンプルとして用いた場合でも、フィッティングの結果得られる係数値を用いることにより、環境要因の環境への影響を評価することができる。この実施例において、環境要因の環境への影響とは、シマジンの影響により引き起こされる藻類の生長の阻害である。
続いて、評価ステップの別の例として、演算式に基づいて算出された評価値により評価をする場合について説明する。評価値を、決定された係数値であるa,b,c(i=1,2,3)から、上述した式(2)に基づいて評価値Eを算出する。ここで、設定される定数m(j=1〜9)は、例えば、m=1/a,m=1,m=1,m=1/a,m=1/b,m=1/c,m=1,m=1/a,m=1/cとする。なお、定数mは、計測条件や藻類種により適切なものを設定することができる。上記のようにすべての係数値を使用せずに、その一部のみを使用する場合には、無視する係数値については対応するm(j=1〜9)に1/aなど係数値の逆数を設定する。
この演算式により求められた評価値を以下の表及び図17に示す。

図17のグラフにおいて、横軸はシマジンの曝露濃度を、縦軸は演算値Eの値をそれぞれ示している。図17に示すように、P. subcapitataの遅延発光の発光量の経時データに対する評価値は、シマジンの曝露濃度に従い減少し、その減少は図12に示した72時間後の細胞生長と相関することがわかる。従って、この比較結果を評価結果とすることができる。
続いて、評価ステップの別の例として、関数の係数値に基づいて算出された面積値により評価をする場合について説明する。面積値は、上述したように、関数のグラフにおいて、関数値を示す線と当該関数値を示す線の下側に位置する時間軸の線とにより囲まれる領域の面積値である。関数の面積値は、それぞれの関数が表すフォトン成分の発光量と関連の深い値である。本実施例では、表2に示したP. subcapitataに対するシマジン曝露結果から得られる係数値をもとに、式(1)における第3関数f3(t)について、t=0〜90の範囲で、tの間隔Δt=0.1として区分求積を行い、面積値を求めた。
このようにして求めた面積値を以下の表及び図18に示す。

図18のグラフにおいて、横軸はシマジンの曝露濃度を、縦軸は面積値をそれぞれ示している。図18に示すようにP. subcapitataの遅延発光の発光量の経時データに対する面積値は、シマジンの曝露濃度に従い減少し、その減少は図12に示した72時間後の細胞生長と相関することがわかる。従って、この比較結果を評価結果とすることができる。
遅延発光のメカニズムを示す図である。 遅延発光の発光量に対する環境要因の影響を示すグラフである。 実施形態に係る環境要因の評価システムの構成を示す図である。 フィッティングを行う関数のグラフと当該関数の係数値の影響とを示した図である。 評価値を求めるための評価式と遅延発光のプロセスとの関連を示した図である。 本発明の実施形態に係る環境要因の評価方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る環境要因の評価方法を示すフローチャートである。 本発明に係る環境要因の評価プログラムの構成を示す図である。 シマジンを、濃度を変えて曝露した場合のS. platensisの生長曲線下面積を示すグラフである。 実施例1における、S. platensis(植物性サンプル)から発生する遅延発光の発光量のグラフである。 実施例1における、フィッティング結果の一例を示すグラフである。 実施例1における、シマジンの曝露濃度とフィッティングにより決定した係数値であるcの値との関係を示すグラフである。 シマジンを、濃度を変えて曝露した場合のP. subcapitataの生長曲線下面積を示すグラフである。 実施例2における、P. subcapitata(植物性サンプル)から発生する遅延発光の発光量のグラフである。 実施例2における、フィッティング結果の一例を示すグラフである。 実施例2における、シマジンの曝露濃度とフィッティングにより決定した係数値であるcの値との関係を示すグラフである。 実施例2における、シマジンの曝露濃度と評価値Eの値との関係を示すグラフである。 実施例2における、シマジンの曝露濃度と面積値との関係を示すグラフである。
符号の説明
1…環境要因の評価システム、10…計測装置、12…評価装置、14…制御装置、16…設置部、18…光源、20…光検出器、20a…光センサ、20b…遅延発光量算出部、22…フィルタ、24…集光光学系、26…シャッタ、28…筐体、30…導入口、32…本体部、34…蓋部、36…受付部、38…フィッティング部、40…評価部、42…出力部、44…評価値算出部、46…比較部、50…記録媒体、50a…プログラム格納領域、52…評価プログラム、52a…メインモジュール、52b…受付モジュール、52c…フィッティングモジュール、52d…評価モジュール、52e…出力モジュール。

Claims (14)

  1. 環境要因の環境への影響を評価する環境要因の評価方法であって、
    前記環境要因に曝露された光合成機能を有する植物性サンプルから発生する遅延発光の発光量の経時データの入力を受け付ける受付ステップと、
    前記受付ステップにおいて入力が受け付けられた経時データが、予め設定された複数の関数の和としてフィッティングするように、当該複数の関数の係数値を決定するフィッティングステップと、
    前記フィッティングステップにおいて決定された係数値に基づいて、前記影響を評価する評価ステップと、
    前記評価ステップにおける評価の情報を出力する出力ステップと、
    を含む環境要因の評価方法。
  2. 前記環境要因に曝露された光合成機能を有する植物性サンプルから発生する遅延発光の経時的な発光量を計測して、当該計測データを前記受付ステップにおける前記経時データの入力とする計測ステップを更に含む請求項1に記載の環境要因の評価方法。
  3. 前記評価ステップは、
    前記フィッティングステップにおいて決定された係数値から前記影響を評価するための評価値を算出する評価値算出ステップと、
    前記影響を評価するために、前記評価値算出ステップにおいて算出された評価値と当該評価値の基準データとを比較する比較ステップと、
    を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の環境要因の評価方法。
  4. 前記環境要因に曝露されていない光合成機能を有する植物性サンプルから発生する遅延発光の経時的な発光量を計測して、当該計測データから前記比較ステップにおける基準データを導出する基準データ生成ステップを更に含む請求項3に記載の環境要因の評価方法。
  5. 前記評価値算出ステップにおいて算出される評価値が、前記複数の関数のうち少なくとも1つの関数の係数値に基づいて算出される面積値であることを特徴とする請求項3に記載の環境要因の評価方法。
  6. 前記関数が、山型の関数であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の環境要因の評価方法。
  7. 前記関数が、ローレンツ関数であることを特徴とする請求項6に記載の環境要因の評価方法。
  8. ,b,c(i=1,2,3)を前記複数の関数の係数値、tを基準時刻からの経過時間を示す変数としたときに、前記複数の関数が、それぞれ、

    であることを特徴とする請求項7に記載の環境要因の評価方法。
  9. 前記評価値算出ステップおいて算出される評価値が、前記複数の関数うち少なくとも2以上の関数の係数を含む演算式に基づいて算出されることを特徴とする請求項3に記載の環境要因の評価方法。
  10. ,b,c(i=1,2,3)を前記複数の関数の係数値、tを基準時刻からの経過時間を示す変数とし、b<b<bとしたときに、前記複数の関数が、それぞれ、

    であり、
    (j=1〜9)を定数としたとき、前記評価値が、演算式

    により算出されることを特徴とする請求項9に記載の環境要因の評価方法。
  11. 前記環境要因が、植物性細胞の生長阻害物質であることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の環境要因の評価方法。
  12. 環境要因の環境への影響を評価する環境要因の評価システムであって、
    前記環境要因に曝露された光合成機能を有する植物性サンプルから発生する遅延発光の発光量の経時データの入力を受け付ける受付手段と、
    前記受付手段により入力が受け付けられた経時データが、予め設定された複数の関数の和としてフィッティングするように、当該複数の関数の係数値を決定するフィッティング手段と、
    前記フィッティングステップにおいて決定された係数値に基づいて、前記影響を評価する評価手段と、
    前記評価手段による評価の情報を出力する出力手段と、
    を備える環境要因の評価システム。
  13. 前記環境要因に曝露された光合成機能を有する植物性サンプルから発生する遅延発光の経時的な発光量を計測して、当該計測データを前記受付手段への前記経時データの入力とする計測手段を更に含む請求項12に記載の環境要因の評価システム。
  14. コンピュータに、環境要因の環境への影響を評価させる環境要因の評価プログラムであって、
    前記環境要因に曝露された光合成機能を有する植物性サンプルから発生する遅延発光の発光量の経時データの入力を受け付ける受付処理と、
    前記受付処理により入力が受け付けられた経時データが、予め設定された複数の関数の和としてフィッティングするように、当該複数の関数の係数値を決定するフィッティング処理と、
    前記フィッティング処理により決定された係数値に基づいて、前記影響を評価する評価処理と、
    前記評価処理による評価の情報を出力する出力処理と、
    を実行させる環境要因の評価プログラム。
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