JP4807543B2 - Dental curable composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オルガノポリシロキサン系硬化性組成物からなる歯科用硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
オルガノポリシロキサン系硬化性組成物は、安定した弾性を有し、生体為害性が極めて少なく、材料の経時安定性等にも優れる硬化体が得られるため、近年になって義歯床用裏装材、印象材、適合試験材などの歯科用材料として汎用されている。
【0003】
これらの歯科用硬化性組成物(以下、単に硬化性組成物とも称する)を、意図した形通りに硬化させるためには、ペーストの塗布や盛り付け時において垂れを防止することが重要である。特に、歯科用粘膜調整材や軟質裏装材等の義歯床用裏装材として用いる場合には、下記説明する如くに該性状の改善は極めて重要である。
【0004】
即ち、義歯を長期間使用すると、歯槽堤の吸収等により義歯との適合が次第に悪くなり、維持、安定が不良になってくる。そして、不適合になった義歯をそのまま使用し続けると、義歯床下粘膜に不均一な圧力が加わるため、該粘膜に潰瘍や炎症が発生したり、咬合圧による疼痛が引き起こされたりする。上記のような不適合が起こった場合には、義歯の修理や新義歯の作製を行ったり、使用中の義歯を軟質材料で裏装して義歯の粘膜に対する適合性を回復させる必要があり、一般に入手可能なアクリレート系、あるいはオルガノポリシロキサン系の硬化性組成物からなる歯科用粘膜調整材や軟質裏装材が使用されている。
【0005】
ここで、歯科用粘膜調整材は、義歯修理の前段階で口腔粘膜の治療用として使用するものであり、その目的からして高い柔軟性を必要とする。その使用期間は口腔粘膜が健全な状態に回復するまでの1週間〜数週間の比較的短期間であるため、除去しやすい材料が望まれる。現状では義歯との接着性を重視して、アクリレート系ポリマー、可塑剤およびアルコールからなるタイプが多いが、治療後の義歯床からの除去が難しいという欠点がある。一方、オルガノポリシロキサン系硬化性組成物からなるタイプは、上記義歯床からの除去性には優れるものの、後述するように柔軟性と垂れにくいペースト性状を両立することが難しいため粘膜調整材として広く普及するには至っていない。
【0006】
また、軟質裏装材は、義歯を修理するための材料であり、修理後長期間に渡って変形しない硬さと強度が必要とされる材料である。本材料は粘膜調整材よりも比較的硬いため、オルガノポリシロキサン系硬化性組成物が主に用いられ、硬化体の架橋の程度や充填材の含有量を調整することで上記性能を満足するように設計されている。
【0007】
一般に、オルガノポリシロキサン系硬化性組成物の調製法としては、ペーストまたは液状の硬化触媒を含む部材(甲材)と硬化触媒を含まない部材(乙材)の二材を別々に保存しておき、使用直前に両者を混練することにより行われる。硬化性組成物は、混練の操作性、特に練和性の観点からその粘度は低いことが望ましく、機械的強度の向上等の観点から配合される充填材成分の含有量を少なくして、該目的を達成することが必要になる。また、前記したように硬化体にとりわけ高い柔軟性が求められる歯科用粘膜調整材にあっては、該性状を満足するためにも、上記充填材成分の使用量は極力低く抑える必要がある。
【0008】
しかしながら、これら義歯床用裏装材に使用されるオルガノポリシロキサン系硬化性組成物、特に、上記理由から粘度を低くした組成物は、混練した両材の混合物が垂れ易くなり、義歯へ盛りつけ難くなるという問題があった。また、混合物が垂れ易くなると、盛り付けた硬化性組成物を患者の口腔内で硬化させる時に、義歯床縁に盛り付けた混合物が流失してしまい、形成される裏装材の形状が義歯の口腔内への強固な吸着に必要な丸みを帯びたものにならなくなる。
【0009】
以上の観点から、オルガノポリシロキサン系硬化性組成物からなる歯科用硬化性組成物、特に、軟質裏装材や歯科用粘膜調整材において、粘度を低く抑えたままペーストの垂れを防止し、義歯等の塗布面に対して辺縁部まで均一に盛り付けることが容易である組成物を提供することが大きな課題であった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討した結果、オルガノポリシロキサン系硬化性組成物からなる歯科用硬化性組成物において、(I)シリコーン樹脂系充填材及び/又はシリカ系充填材、並びに(II)液状のポリエーテルを含んでなることを特徴とする歯科用硬化性組成物を用いることにより、上記課題を克服できることを見い出し本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、本発明は、下記(I)、(II)、(A)、(C)成分を含む甲材
(I)シリコーン樹脂系充填材及び/又はシリカ系充填材、
(II)液状のポリエーテル、
(A)末端に炭素−炭素不飽和結合を持つ有機基を分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、及び
(C)ヒドロシリル化触媒
並びに、下記(I)、(II)、(A)、(B1)成分を含む乙材
(I)シリコーン樹脂系充填材及び/又はシリカ系充填材、
(II)液状のポリエーテル、
(A)末端に炭素−炭素不飽和結合を持つ有機基を分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、及び
(B1)ケイ素原子に直接結合している水素原子が分子中に少なくとも3個存在するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
とにより構成されてなり、使用直前に甲材と乙材を混練することにより使用されることを特徴とする歯科用硬化性組成物である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、オルガノポリシロキサン系硬化性組成物からなる公知の歯科用硬化性組成物に対して何ら制限なく適用できる。ペーストに垂れが発生し易く、本発明の効果が顕著に発揮されることから、混練時における25℃の粘度が10〜3000ポイズの硬化性組成物であるのが好ましい。軟質裏装材は、該粘度が、通常、300〜1500ポイズであり、本発明が好適に適用できる。さらに、歯科用粘膜調整材は、該粘度が100〜1000ポイズと特に低いため、本発明が特に好適に適用できる。
【0013】
本発明における、オルガノポリシロキサン系硬化性組成物とは、シロキサン結合を主鎖とする化合物が重合して硬化するタイプの硬化性組成物である。硬化体は、通常、シリコーゴムと称される、安定した弾性を有するものになる。
【0014】
硬化させるための重合様式としては、熱加硫型、縮合型、付加型、紫外線硬化型等が挙げられるが、硬化性組成物が前記義歯床用裏装材である場合には、患者の口腔内で直接硬化させることが出来、しかも副生成物が発生しないことから常温付加重合型が好ましい。
【0015】
常温付加重合型のオルガノポリシロキサン系硬化性組成物としては、ヒドロシリル化反応により硬化する公知の組成物が何ら制限なく使用できるが、通常は、硬化成分として、(A)末端に炭素−炭素不飽和結合を持つ有機基を分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、(B1)ケイ素原子に直接結合している水素原子が分子中に少なくとも3個存在するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び(C)ヒドロシリル化触媒を含むものが使用される。
【0016】
ここで、成分(A)の末端に炭素−炭素不飽和結合を持つ有機基を分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンは、成分(B1)のケイ素原子に直接結合している水素原子が分子中に少なくとも3個存在するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを架橋させる架橋材として働き、成分(C)のヒドロシリル化触媒は架橋反応であるヒドロシリル化反応の触媒として働く。
【0017】
なお、説明の便宜のため、”末端に炭素−炭素不飽和結合を持つ有機基を分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン”及び”分子中にケイ素原子に直接結合している水素原子(SiH基に対応する)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン”をそれぞれ単に”不飽和結合含有シロキサン”及び”SiHシロキサン”ともいう。
【0018】
成分(A)は、末端に炭素−炭素不飽和結合を持つ有機基を分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンであればその構造は限定されず、直鎖状であっても分枝鎖状であってもよく、これらの混合物であってもよい。
【0019】
また、粘度は特に制限されないが、硬化前のペーストの性状、硬化後に得られる硬化体の性状等の点から、25℃において10〜3000ポイズ、特に、10〜1500ポイズであるのが好ましい。なお、成分(A)として数種類の不飽和結合含有シロキサンを混合して使用した場合には、上記粘度は混合物の粘度を意味する。
【0020】
成分(A)の不飽和結合含有シロキサンの分子中に存在する末端に炭素−炭素不飽和結合を持つ有機基としては、好ましくは、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、エチニル基等が例示される。これらのうち、合成、入手のしやすさからビニル基が最も好ましい。これらの末端に炭素−炭素不飽和結合を持つ有機基は、オルガノシロキサンの分子鎖の末端、または中間のいずれに存在しても、あるいはその両方に存在してもよい。硬化時の反応性、硬化後の硬化体が優れた物理的性質を有するためには、少なくとも1個は末端に存在していることが好ましい。
【0021】
成分(A)の不飽和結合含有シロキサンの分子中に存在する上記の”末端に炭素−炭素不飽和結合を持つ有機基”以外の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等のアルキル基、フェニル基のようなアリール基、クロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等の置換アルキル基等が例示される。これらのうち合成、入手が容易で且つ硬化後に良好な物理的性質を与えるという点から、メチル基が最も好ましい。
【0022】
本発明で使用できる成分(A)の代表的なものを一般式で示せば、
【0023】
【化1】
【0024】
(ただし、aは400〜1500の整数であり、bは0〜5の整数であり、R1〜R7は各々同種又は異種のアルキル基またはアリール基であり、R8は炭素−炭素不飽和結合を持つ有機基である。)
で示されるオルガノポリシロキサン等が挙げられる。具体的には、
【0025】
【化2】
【0026】
(ただし、Phはフェニル基を示す。)
等が挙げられる。
【0027】
なお、上記化合物及び後述する実施例、比較例に用いられる不飽和結合含有シロキサン中の各繰り返し構成単位の結合順序は全く任意であり、構造式中に示される繰り返し構成単位の数は各構成単位の総量を示すにすぎない。
【0028】
本発明において使用できる成分(B1)は、ケイ素原子に直接結合している水素原子が分子中に少なくとも3個存在するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。不飽和結合含有シロキサンと反応して架橋構造となるためには、ケイ素原子に直接結合している水素原子(すなわちSiH基)が分子中に少なくとも3個は必要である。好適には3〜50個有するのが好ましい。分子中に存在するSiH基の数が3個より少ないと架橋構造とはならずゴム弾性体を得ることができない。
【0029】
成分(B1)中のSiHシロキサン分子中に存在する有機基は、特に限定されず、例えば前述した成分(A)の不飽和結合含有シロキサンの分子中に存在する”末端に炭素−炭素不飽和結合を有する有機基”以外の有機基と同様のものが例示されるが、合成、入手が容易で且つ硬化後に良好な物理的性質を与えるという点から、メチル基が最も好ましい。かかるSiHシロキサンは、直鎖状、分枝状または環状のいずれであってもよく、これらの混合物であってもよい。
【0030】
本発明で使用できる成分(B1)の代表的なものを一般式で示せば、
【0031】
【化3】
【0032】
(ただし、cは1〜100の整数であり、dは3〜50の整数であり、R9〜R15は各々同種又は異種のアルキル基またはアリール基であり、R16はアルキル基、アリール基または水素原子であり、R17は水素原子である。)
で示されるSiHシロキサンが挙げられる。具体的には、
【0033】
【化4】
【0034】
(ただし、Phはフェニル基を示す。)
等が挙げられる。
【0035】
なお、上記SiHシロキサンおよび後述する実施例、比較例に用いられるSiHシロキサン中の各繰り返し構成単位の結合順序は全く任意であり、構造式中に示される繰り返し構成単位の数は各構成単位の総量を示すにすぎない。
【0036】
更に、上記常温付加型のオルガノポリシロキサン系硬化性組成物においては、さらに、(B2)ケイ素原子に直接結合している水素原子が分子中に1個又は2個存在するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを共存させて反応を行っても良い。この成分(B2)を配合すると、弾性率が小さくなる傾向があり、硬化体の粘弾性を調節しやすくなる。
【0037】
成分(B2)中のSiHシロキサン分子中に存在する有機基は、特に限定されず、例えば前述した成分(A)の不飽和結合含有シロキサンの分子中に存在する”末端に炭素−炭素不飽和結合を有する有機基”以外の有機基と同様のものが例示されるが、合成、入手が容易で且つ硬化後に良好な物理的性質を与えるという点から、メチル基が最も好ましい。ケイ素原子に直接結合している水素原子は、オルガノシロキサンの分子鎖の末端、または中間のいずれに存在しても、あるいは2個有する場合は、その両方に存在してもよい。硬化時の反応性、硬化後の硬化体が優れた物理的性質を有するためには、少なくとも1個は末端に存在していることが好ましい。かかるSiHシロキサンは、直鎖状、分枝状または環状のいずれであってもよく、これらの混合物であってもよい。
【0038】
本発明で使用できる成分(B2)の代表的なものを一般式で示せば、
【0039】
【化5】
【0040】
(ただし、eは1〜100の整数であり、R18〜R23は各々同種又は異種のアルキル基またはアリール基であり、R24はアルキル基、アリール基または水素原子であり、R25は水素原子である。)
で示されるSiHシロキサンが挙げられる。具体的には、
【0041】
【化6】
【0042】
(ただし、Phはフェニル基を示す。)
等が挙げられる。
【0043】
なお、上記SiHシロキサンおよび後述する実施例、比較例に用いられるSiHシロキサン中の各繰り返し構成単位の結合順序は全く任意であり、構造式中に示される繰り返し構成単位の数は各構成単位の総量を示すにすぎない。
【0044】
本発明の歯科用硬化性組成物において、反応させる成分(A)と成分(B1)との量比は、成分(A)の末端炭素−炭素不飽和結合の総数に対する成分(B1)のケイ素原子に結合している水素原子の総数の比で表して0.2〜3.0、特に0.3〜2.0となる量比であることが好適である。特に、硬化性組成物が歯科用粘膜調整材である場合には、この比は0.3〜1.0となる量比であるのが好適である。他方、硬化性組成物が軟質裏装材である場合には、この比は0.7〜2.0となる量比であるのが好適である。
【0045】
また、成分(B2)を共存させる組成物においては、反応させる成分(A)、成分(B1)、及び成分(B2)との量比は、成分(A)の末端炭素−炭素不飽和結合の総数に対する成分(B1)及び成分(B2)のケイ素原子に結合している水素原子の総数の比で表して0.5〜5.0、特に0.7〜5.0となる量比であることが好適である。特に、硬化性組成物が歯科用粘膜調整材である場合には、この比は0.7〜2.0となる量比であるのが好適である。他方、硬化性組成物が軟質裏装材である場合には、この比は1.5〜4.0となる量比であるのが好適である。
【0046】
本発明において使用できる成分(C)のヒドロシリル化触媒は、前記成分(A)と、成分(B1)及び更に必要に応じて添加される成分(B2)とを反応(具体的にはヒドロシリル化反応)させて、オルガノポリシロキサンの架橋体からなるマトリックスを形成するための触媒として作用するものである。成分(C)は、この様な触媒作用を有するものであれば、通常ヒドロシリル化反応触媒として使用されるものが制限なく使用できる。
【0047】
好適に使用できる成分(C)を具体的に例示すれば、塩化白金酸、そのアルコール変性物、白金のビニルシロキサン錯体等の白金系触媒、また同様のロジウム系触媒などを挙げることができる。これらの中でも入手の容易さ等の点から白金系触媒が好ましい。なお、保存安定性を高めるためには、白金のビニルシロキサン錯体のようなクロル分の少ないものを使用するのが好適である。
【0048】
成分(C)の配合量は、ヒドロシリル化反応は充分に進行させる量であれば特に制限されない。一般に、ある程度まではヒドロシリル化反応の速度は成分(C)の配合量の増加に伴い速くなるが、過剰量の使用は配合量に見合った効果が得られず、経済的に不利であるばかりでなく、逆に架橋反応の制御が難しくなったり、着色等の問題を引き起こす傾向がある。従って、成分(C)の配合量を決定するに当たっては、この様な点を考慮しつつ各系毎に適宜決定すればよい。因みに、成分(C)が白金系触媒の場合には、成分(C)の好適な配合量は、白金量として成分(A)、成分(B1)及び必要に応じて配合される成分(B2)の合計量に対して0.1〜1000ppmの範囲である。
【0049】
歯科用材料として使用される上記オルガノポリシロキサン系硬化性組成物には、通常、硬化体に機械的強度を付与するために充填材を配合するのが一般的である。本発明では、かかる充填材として(I)シリコーン樹脂系充填材及び/又はシリカ系充填材を用いる。これらの充填材成分は、該歯科用硬化性組成物を硬化させて得られる硬化体の機械的強度を補充するのみならず、後述する成分(II)液状のポリエーテルと共存することでペーストの垂れ性を低減する役割を持つ。
【0050】
本発明に用いられる成分(I)としては、オルガノポリシロキサンの硬化反応を阻害しないものであれば公知のものが何等制限なく使用できる。
【0051】
好適に使用されるシリコーン樹脂系充填材を具体的に例示すると、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリ(0.1〜99.9mol%メチル+0.1〜99.9mol%フェニル)シルセスキオキサン、ポリ(99〜99.9mol%メチル+0.1〜1mol%ハイドロジェン)シルセスキオキサン等が挙げられる。
【0052】
これらの中で、オルガノトリアルコキシシランまたはその加水分解、縮合物の一種又はそれ以上の混合物をアンモニアまたはアミン類の水溶液中で加水分解、縮合させて得られたものが、塩素原子、アルカリ土類金属、アルカリ金属などの不純物がほとんどなく、また球状であり好ましい。
【0053】
本発明で使用されるシリコーン樹脂系充填材の平均粒子径は0.1〜100μm、好ましくは0.1〜20μmのものが使用される。0.1μm未満のものは製造し難い上に、硬化性組成物として必要な量の充填が難しいという欠点があり、100μmを超えると、硬化体に必要な補強効果が得られ難くなる傾向にある。
【0054】
また、好適に使用されるシリカ系充填材を具体的に例示すると、粉砕石英、溶融シリカ粉末、湿式シリカ、乾式シリカ粉末等が挙げられる。
【0055】
さらに、これらシリカ系充填材は有機溶媒への分散性を高める為に、粒子表面をトリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル等の表面処理剤で疎水化処理したものを使用することが好ましい。
【0056】
本発明で使用されるシリカ系充填材の平均粒子径は10μm以下、好ましくは0.001〜1μmのものが使用される。10μmを超えると、シリコーンゴム硬化体に必要な補強効果が得られ難くなる傾向にある。
【0057】
本発明で使用される成分(I)の添加量は、硬化性組成物を硬化させて得られる硬化体に必要とされる物性(硬度、引張り強度及び引裂き強度等)に応じて随時調製すればよいが、硬化性組成物の全体量に対して1〜30重量%の範囲が好適である。特に、硬化性組成物が歯科用粘膜調整材である場合、硬化体をより柔軟にするために、該成分(I)の含有量は1〜20重量%に低く抑えられる。しかし、このように充填材の含有量が少なくなると、前記したようにペーストは極めて垂れ易くなり、本願発明の効果は特に顕著に発揮されるものになる。他方、硬化性組成物が軟質裏装材である場合、上記充填材成分(I)の含有量は、10〜30重量%が好適である。
【0058】
本発明の最大の特徴は、上記(I)シリコーン樹脂系充填材及び/又はシリカ系充填材を含有するオルガノポリシロキサン系硬化性組成物において、成分(II)液状のポリエーテルを含有させることにある。それにより、ペーストの粘度や硬化体の柔軟性はほとんど変化させることなく、ペーストの垂れを著しく抑制し、義歯床用裏装材にあっては操作性や口腔内への装着の確実性を大きく改善できる。
【0059】
上記成分(II)液状のポリエーテルとしては、25℃で液状の化合物であり、オルガノポリシロキサンの硬化反応を阻害しないものであれば公知のものが何等制限なく、単独あるいは2種類以上組み合わせて使用できる。なお、上記液状とは、前記温度下で流動性を保持している限り粘液状であっても良い。
【0060】
液状のポリエーテルとして好適に使用できるものは、ポリアルキレンオキシド単位を繰り返し単位として有するポリエーテルである。アルキレンオキシド基としては、炭素数2〜4の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基を有するものが好ましい。
【0061】
具体的には上記液状にある、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコール;グリセリンの水酸基に上記ポリアルキレングリコールがエーテル結合したポリエーテル等が挙げられる。
【0062】
このうち前記効果の高さおよび生体為害性等の観点からポリアルキレングリコールが好ましく、特に分子量が200〜600のポリエチレングリコール、分子量が400〜3500のポリプロピレングリコールが最も好ましい。
【0063】
本発明で使用される成分(II)の添加量は、硬化性組成物の全体量に対して0.01〜5重量%が好適であり、0.03〜3重量%が特に好適である。添加量を5重量%より多くしても添加量に見合った効果が得られず経済的にも不利であり、0.01重量%より少ないと効果が得られない。
【0064】
成分(II)の添加方法としては、他の成分と一緒に添加してもよいし、予め成分(I)と混ぜることで該充填材の表面に存在させてから添加しても良い。
【0065】
また、本発明の歯科用硬化性組成物において、硬化物の物性を損なわない範囲で、前記成分(I)以外の各種充填剤及び各種添加剤を添加してもよい。
【0066】
上記その他の充填剤としては、シリコーンゴム等に一般的に添加される充填剤が何等制限なく使用できる。この様な充填剤を例示すれば、ポリテトラフルオロエチレン粉末、ポリビニリデンフルオライド粉末等のフルオロカーボン樹脂系充填剤;その他ポリマー粉末;カーボンブラック;ガラス繊維;複合フィラー(無機酸化物とポリマーの複合体を粉砕したもの)等が挙げられる。
【0067】
さらに、上記各種添加剤とは、具体的には、黒色白金、微粒パラジウム等の水素ガス吸収剤;1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン等の反応抑制剤;二酸化チタン等の顔料;BHT等の酸化防止剤;キトサン等の抗菌剤;シリコーンオイル等の可塑剤;等である。
【0068】
上記した各種充填剤や各種添加剤は目的に応じて適宜添加されるものであり、各種充填剤及び各種添加剤を配合する場合には、架橋硬化反応を行なう前にこれら各成分を配合すればよい。
【0069】
本発明の歯科用硬化性組成物の調整方法は特に限定しないが、以下常温付加型のオルガノポリシロキサン系硬化性組成物を例に挙げて説明する。
【0070】
まず、成分(I)、成分(II)、成分(A)、成分(C)及び必要に応じて各種充填剤、各種添加剤の中から必要成分を適宜計量し、ニーダー、プラネタリー等の一般的な混練機、あるいは一般的な攪拌機によって均一になるまで混練、攪拌することにより、ペースト状あるいは液状の硬化性組成物(甲材)を得ることができる。
【0071】
続いて、成分(I)、成分(II)、成分(A)、成分(B1)及び必要に応じて成分(B2)、各種充填剤、各種添加剤の中から必要成分を適宜計量し、上記甲材と同様の作業を行なうことにより、ペースト状あるいは液状の硬化性組成物(乙材)を得ることができる。
【0072】
これらの甲材と乙材は、別々に保存しておき、使用直前に両者を混練することによりペースト状の混合物として使用に供される。
【0073】
【実施例】
本発明を更に具体的に説明するための実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0074】
以下の実施例及び比較例において、試験に供した各成分は以下に示すものである。
1)成分(A)
・ポリシロキサン1:下記式で表されるα,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(粘度100ポイズ;GE東芝シリコーン製XC86−A9609)
【0075】
【化7】
【0076】
・ポリシロキサン2:下記式で表されるα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン(粘度1ポイズ;東レダウコーニング社製PRX413)
【0077】
【化8】
【0078】
2)成分(B1)
・SiHシロキサン1:下記式で表される化合物
【0079】
【化9】
【0080】
3)成分(B2)
・SiHシロキサン2:下記式で表される化合物
【0081】
【化10】
【0082】
4)成分(C)
・白金触媒:白金のビニルシロキサン錯体
・スズ触媒:ビス(2−エチルヘキサノエート)スズの50%ポリジメチルシロキサン溶液
5)成分(I)
・充填材1(シリコーン樹脂系充填材):メチルトリメトキシシランを加水分解して得られるポリメチルシルセスキオキサン粉末(平均粒径3μm)
・充填材2(シリカ系充填材):煙霧質シリカ(平均粒径0.01μm;トクヤマ製レオロシールMT10)
6)成分(II)
・ポリエーテル1:分子量400のポリエチレングリコール(粘度1ポイズ;第一工業製薬社製PEG400)
・ポリエーテル2:分子量3000のポリプロピレングリコール(粘度6ポイズ;旭電化社製P3000)
7)その他の成分
・テトラエトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL8124)
・ポリエーテル3:分子量6000のポリエチレングリコール(フレーク状;第一工業製薬社製PEG6000)
また、以下の実施例及び比較例において、歯科用硬化性組成物の評価は下記の方法により測定した。
1)混和物の垂れ性の評価
甲材と乙材を1gずつ練和紙上に採取し、へらで30秒間練和した。その後、上記混合物をPPシート上に盛り付け、目盛りのついたガラス板に両面テープで貼りつけた。練和開始から55秒後に先端の目盛りを読み取り(A値)、その5秒後にガラス板を垂直に立てた。その状態で1分間保持し、練和開始から2分後の練和物の先端の目盛りを読み取った(B値)。垂れ性Dの値を以下の式より算出した。
D(mm)=B−A
2)粘度
25℃において、上記甲材と乙材を30秒間練和し、練和終了後直ちにこの混合物の粘度をCSレオメータ(キャリメ社製)にて、トルク30000dyne・cmの条件で測定した。
3)硬化体のショアA硬度
直径9mm、高さ12mmの硬化体を作製し、37℃水中に2時間保存した。
その後、23℃の室内に5分間静置し、スプリング式硬さ試験機(A型)によって9.8Nの荷重を加え、30秒経過した時の値をショアA硬度とした。なお、粘膜調整材として好適に使用できるのはショアA硬度が15以下であり、軟質裏装材として好適に使用できるのは20〜40の場合である。
【0083】
実施例1
下記甲材と乙材とからなる歯科用粘膜調整材を製造した。
【0084】
充填材1を10重量部、充填材2を5重量部、ポリエーテル1を1重量部、ポリシロキサン1を100重量部を計量し、2Lのプラネタリミキサ(井上製作所製)で30分間攪拌、混合した。その後、白金触媒を0.5重量部添加し、更に20分攪拌後、真空ポンプで10分間減圧にして脱泡を行なうことで甲材を調製した。
【0085】
また、充填材1を10重量部、充填材2を5重量部、ポリエーテル1を1重量部、ポリシロキサン1を100重量部を計量し、プラネタリミキサで30分間攪拌、混合した。その後、ポリシロキサン1を0.8重量部、ポリシロキサン2を3.3重量部添加し、更に20分攪拌後、真空ポンプで10分間減圧にして脱泡を行なうことで乙材を調製した。
【0086】
上記甲材と乙材を混練した混合物について垂れ性を測定した結果、4mmになった。また、粘度は550ポイズであった。さらに、硬化体のショアA硬度は10.9になった。
【0087】
実施例2〜4
実施例1において、甲材及び乙材を表1に示した組成とする以外は実施例1と同様に実施した。評価結果を表1に示す。
【0088】
比較例1
実施例1において、成分(I)であるシリコーン樹脂系充填材及びシリカ系充填材を含有させない以外は実施例1と同様に実施した。垂れ性(D)は25mmであり、成分(I)を添加しないと垂れ性を低下させる効果が得られなかった。
【0089】
比較例2
実施例1において、成分(II)液状のポリエーテルを含有させない以外は実施例1と同様に実施した。垂れ性(D)は14mmであり、成分(II)を添加しないと垂れ性を低下させる効果が少なかった。
【0090】
比較例3
実施例1において、成分(II)液状のポリエーテルに代えてフレーク状のポリエーテル3を含有させる以外は実施例1と同様に実施した。垂れ性(D)は23mmであり、フレーク状のポリエーテルでは垂れ性を低下させる効果が得られなかった。
【0091】
【表1】
【0092】
【発明の効果】
本発明によれば、歯科用硬化性組成物について、粘度をほとんど増加させることなく垂れ性を大きく改善できる。したがって、義歯床用裏装材に適用した際には、練和後、義歯への盛り付けの操作が容易であり、患者の口腔内で盛り付けた硬化性組成物を硬化させて義歯を装着させる時に、義歯床縁まで該裏装材を十分に存在させることができ、安定的な義歯の装着が可能になる。特に、歯科用粘膜調整材であるときには、上記効果は特に顕著に発揮され、操作性、柔軟性に優れ、口腔内に義歯を強固に吸着させることができる同材を提供できる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a dental curable composition comprising an organopolysiloxane-based curable composition.
[0002]
[Prior art]
Since the organopolysiloxane-based curable composition has a stable elasticity, has extremely low biological harm, and is excellent in material stability over time, a denture base lining material has recently been developed. It is widely used as dental materials such as impression materials and conformity test materials.
[0003]
In order to cure these dental curable compositions (hereinafter also simply referred to as curable compositions) according to the intended shape, it is important to prevent sagging during the application or placement of the paste. In particular, when used as a denture base lining material such as a dental mucosa adjusting material or a soft lining material, improvement of the properties is extremely important as described below.
[0004]
That is, if a denture is used for a long period of time, the fit with the denture gradually deteriorates due to the absorption of the alveolar ridge, and the maintenance and stability become poor. When the incompatible denture continues to be used as it is, nonuniform pressure is applied to the mucosa below the denture base, causing ulcers and inflammation in the mucosa and causing pain due to occlusal pressure. When such incompatibility occurs, it is necessary to repair the denture or prepare a new denture, or to restore the compatibility of the denture with the mucous membrane by backing the denture in use with a soft material. A dental mucosa-adjusting material or a soft lining material made of an available acrylate-based or organopolysiloxane-based curable composition is used.
[0005]
Here, the dental mucosa adjusting material is used for the treatment of the oral mucosa in the pre-stage of denture repair, and requires high flexibility for that purpose. Since the period of use is a relatively short period of one week to several weeks until the oral mucosa is restored to a healthy state, a material that is easy to remove is desired. At present, there are many types consisting of an acrylate polymer, a plasticizer and an alcohol with an emphasis on adhesiveness with a denture, but there is a drawback that it is difficult to remove from a denture base after treatment. On the other hand, the type composed of an organopolysiloxane-based curable composition is excellent in removability from the denture base, but is widely used as a mucous membrane adjusting material because it is difficult to achieve both flexibility and a paste property that does not sag as described later. It has not spread.
[0006]
Further, the soft lining material is a material for repairing the denture, and is a material that requires hardness and strength that does not deform for a long time after the repair. Since this material is relatively harder than the mucosa-adjusting material, organopolysiloxane-based curable compositions are mainly used, so that the above performance can be satisfied by adjusting the degree of crosslinking of the cured product and the content of the filler. Designed to.
[0007]
In general, as a method for preparing an organopolysiloxane-based curable composition, a material containing a paste or a liquid curing catalyst (back) and a member not containing a curing catalyst (second material) are stored separately. It is carried out by kneading both immediately before use. The curable composition preferably has a low viscosity from the viewpoint of kneading operability, particularly kneadability, and the content of the filler component to be blended from the viewpoint of improving mechanical strength is reduced. It is necessary to achieve the purpose. Further, as described above, in a dental mucosal preparation that requires particularly high flexibility in the cured product, the amount of the filler component used must be kept as low as possible in order to satisfy the properties.
[0008]
However, organopolysiloxane-based curable compositions used for these denture base lining materials, in particular, compositions having a low viscosity for the above reasons, are likely to cause the mixture of the two kneaded materials to sag and are difficult to serve on dentures. There was a problem of becoming. In addition, if the mixture tends to sag, the mixture placed on the denture base margin will be washed away when the curable composition soaked in the patient's oral cavity, and the shape of the lining material formed in the oral cavity of the denture It will not be rounded as necessary for strong adsorption.
[0009]
From the above viewpoints, dental curable compositions comprising organopolysiloxane-based curable compositions, in particular soft lining materials and dental mucosal conditioners, prevent paste dripping while keeping the viscosity low, dentures It was a big subject to provide the composition which is easy to apply | coat to a peripheral part uniformly with respect to an application surface, such as.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above-described problems of the prior art, the present inventors have found that (I) a silicone resin-based filler and / or silica in a dental curable composition comprising an organopolysiloxane-based curable composition. The present invention has been completed by finding that the above problems can be overcome by using a dental curable composition characterized by comprising a system filler and (II) liquid polyether.
[0011]
That is, the present inventionUpper material containing the following components (I), (II), (A), (C)
(I) Silicone resin filler and / or silica filler,
(II) liquid polyether,
(A) an organopolysiloxane having at least two organic groups having carbon-carbon unsaturated bonds at its ends in the molecule; and
(C) Hydrosilylation catalyst
And the second material containing the following (I), (II), (A), (B1) component
(I) Silicone resin filler and / or silica filler,
(II) liquid polyether,
(A) an organopolysiloxane having at least two organic groups having carbon-carbon unsaturated bonds at its ends in the molecule; and
(B1) Organohydrogenpolysiloxane having at least three hydrogen atoms directly bonded to silicon atoms in the molecule
And is used by kneading the upper and second materials immediately before use.The dental curable composition is characterized.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention can be applied to any known dental curable composition comprising an organopolysiloxane-based curable composition without any limitation. Since the paste is likely to sag and the effects of the present invention are remarkably exhibited, the curable composition preferably has a viscosity of 10 to 3000 poise at 25 ° C. during kneading. The soft lining material usually has a viscosity of 300 to 1500 poise, and the present invention can be suitably applied. Furthermore, since the viscosity of the dental mucosa adjusting material is particularly low at 100 to 1000 poise, the present invention can be particularly suitably applied.
[0013]
The organopolysiloxane-based curable composition in the present invention is a curable composition of a type in which a compound having a siloxane bond as a main chain is polymerized and cured. The cured body has a stable elasticity, usually referred to as silica rubber.
[0014]
Examples of the polymerization mode for curing include a heat vulcanization type, a condensation type, an addition type, and an ultraviolet curable type. When the curable composition is the denture base lining material, the oral cavity of the patient is used. The room temperature addition polymerization type is preferable because it can be directly cured in the inside and no by-product is generated.
[0015]
As the room temperature addition polymerization type organopolysiloxane-based curable composition, a known composition that cures by a hydrosilylation reaction can be used without any limitation. An organopolysiloxane having at least two organic groups having a saturated bond in the molecule, (B1) an organohydrogenpolysiloxane having at least three hydrogen atoms directly bonded to silicon atoms in the molecule, and (C) Those containing hydrosilylation catalysts are used.
[0016]
Here, in the organopolysiloxane having at least two organic groups having a carbon-carbon unsaturated bond at the terminal of the component (A), the hydrogen atom directly bonded to the silicon atom of the component (B1) is a molecule. The hydrosilylation catalyst of component (C) serves as a catalyst for a hydrosilylation reaction that is a crosslinking reaction.
[0017]
For convenience of explanation, “an organopolysiloxane having at least two organic groups having a carbon-carbon unsaturated bond at the terminal” and “a hydrogen atom directly bonded to a silicon atom in the molecule (SiH "Organohydrogenpolysiloxanes" corresponding to the groups) are also referred to simply as "unsaturated bond-containing siloxanes" and "SiH siloxanes", respectively.
[0018]
The structure of the component (A) is not limited as long as it is an organopolysiloxane having at least two organic groups having a carbon-carbon unsaturated bond at its end in the molecule. Or a mixture thereof.
[0019]
The viscosity is not particularly limited, but is preferably 10 to 3000 poise, particularly 10 to 1500 poise at 25 ° C., from the viewpoint of the properties of the paste before curing, the properties of the cured product obtained after curing, and the like. In addition, when several types of unsaturated bond containing siloxane is mixed and used as a component (A), the said viscosity means the viscosity of a mixture.
[0020]
Preferred examples of the organic group having a carbon-carbon unsaturated bond at the terminal existing in the molecule of the unsaturated bond-containing siloxane of component (A) include vinyl, allyl, 1-butenyl, and ethynyl groups. Is done. Of these, a vinyl group is most preferable from the viewpoint of synthesis and availability. These organic groups having a carbon-carbon unsaturated bond at the terminal may exist at the terminal of the molecular chain of the organosiloxane, at the middle, or both. In order for the reactivity at the time of curing and the cured product after curing to have excellent physical properties, at least one is preferably present at the end.
[0021]
Examples of the organic group other than the above-mentioned “organic group having a carbon-carbon unsaturated bond at the terminal” present in the molecule of the unsaturated bond-containing siloxane of component (A) include a methyl group, an ethyl group, a propyl group, and a butyl group. And an alkyl group such as an octyl group, an aryl group such as a phenyl group, a substituted alkyl group such as a chloromethyl group, and a 3,3,3-trifluoropropyl group. Of these, a methyl group is most preferred because it is easy to synthesize and obtain and gives good physical properties after curing.
[0022]
If the typical thing of the component (A) which can be used by this invention is shown by a general formula,
[0023]
[Chemical 1]
[0024]
(However, a is an integer of 400-1500, b is an integer of 0-5, R1-R7 is the same or different alkyl group or aryl group, respectively, and R8 has a carbon-carbon unsaturated bond. Organic group.)
The organopolysiloxane shown by these is mentioned. In particular,
[0025]
[Chemical 2]
[0026]
(However, Ph represents a phenyl group.)
Etc.
[0027]
In addition, the bonding order of each repeating structural unit in the unsaturated compound-containing siloxane used in the above-mentioned compounds and the examples and comparative examples described later is completely arbitrary, and the number of repeating structural units shown in the structural formula is the number of each structural unit. It only shows the total amount.
[0028]
Component (B1) that can be used in the present invention is an organohydrogenpolysiloxane in which at least three hydrogen atoms directly bonded to silicon atoms are present in the molecule. In order to react with the unsaturated bond-containing siloxane to form a crosslinked structure, at least three hydrogen atoms (that is, SiH groups) directly bonded to the silicon atom are required in the molecule. It is preferable to have 3 to 50. If the number of SiH groups present in the molecule is less than 3, a crosslinked structure cannot be obtained and a rubber elastic body cannot be obtained.
[0029]
The organic group present in the SiH siloxane molecule in the component (B1) is not particularly limited. For example, the “carbon-carbon unsaturated bond at the terminal” present in the unsaturated bond-containing siloxane molecule in the component (A) described above. Examples of the organic group other than the “organic group having a” are exemplified, but a methyl group is most preferable because it is easy to synthesize and obtain and gives good physical properties after curing. Such SiH siloxane may be linear, branched or cyclic, or a mixture thereof.
[0030]
If a typical thing of the component (B1) which can be used by this invention is shown by a general formula,
[0031]
[Chemical Formula 3]
[0032]
(However, c is an integer of 1-100, d is an integer of 3-50, R9-R15 is the same or different alkyl group or aryl group, respectively, and R16 is an alkyl group, an aryl group, or a hydrogen atom. And R17 is a hydrogen atom.)
The SiH siloxane shown by these is mentioned. In particular,
[0033]
[Formula 4]
[0034]
(However, Ph represents a phenyl group.)
Etc.
[0035]
In addition, the bonding order of each repeating structural unit in the SiH siloxane and the SiH siloxane used in Examples and Comparative Examples described later is completely arbitrary, and the number of repeating structural units shown in the structural formula is the total amount of each structural unit. It only shows.
[0036]
Further, in the above room temperature addition type organopolysiloxane curable composition, (B2) an organohydrogenpolysiloxane in which one or two hydrogen atoms directly bonded to silicon atoms are present in the molecule. You may react by coexisting. When this component (B2) is mix | blended, there exists a tendency for an elasticity modulus to become small, and it becomes easy to adjust the viscoelasticity of a hardening body.
[0037]
The organic group present in the SiH siloxane molecule in the component (B2) is not particularly limited. For example, the “carbon-carbon unsaturated bond at the terminal” present in the unsaturated bond-containing siloxane molecule in the component (A) described above. Examples of the organic group other than the “organic group having a” are exemplified, but a methyl group is most preferable because it is easy to synthesize and obtain and gives good physical properties after curing. The hydrogen atom directly bonded to the silicon atom may be present either at the end of the molecular chain of the organosiloxane or in the middle, or in the case of having two, both of them. In order for the reactivity at the time of curing and the cured product after curing to have excellent physical properties, at least one is preferably present at the end. Such SiH siloxane may be linear, branched or cyclic, or a mixture thereof.
[0038]
If a typical thing of the component (B2) which can be used by this invention is shown by a general formula,
[0039]
[Chemical formula 5]
[0040]
(However, e is an integer of 1-100, R18-R23 is respectively the same or different alkyl group or aryl group, R24 is an alkyl group, an aryl group, or a hydrogen atom, and R25 is a hydrogen atom. )
The SiH siloxane shown by these is mentioned. In particular,
[0041]
[Chemical 6]
[0042]
(However, Ph represents a phenyl group.)
Etc.
[0043]
In addition, the bonding order of each repeating structural unit in the SiH siloxane and the SiH siloxane used in Examples and Comparative Examples described later is completely arbitrary, and the number of repeating structural units shown in the structural formula is the total amount of each structural unit. It only shows.
[0044]
In the dental curable composition of the present invention, the quantity ratio of the component (A) and the component (B1) to be reacted is the silicon atom of the component (B1) with respect to the total number of terminal carbon-carbon unsaturated bonds of the component (A). It is preferable that the ratio is 0.2 to 3.0, particularly 0.3 to 2.0 in terms of the ratio of the total number of hydrogen atoms bonded to. In particular, when the curable composition is a dental mucosa-adjusting material, this ratio is preferably a quantitative ratio of 0.3 to 1.0. On the other hand, when the curable composition is a soft lining material, this ratio is preferably a quantitative ratio of 0.7 to 2.0.
[0045]
In the composition in which the component (B2) is allowed to coexist, the quantitative ratio of the component (A), the component (B1), and the component (B2) to be reacted is the terminal carbon-carbon unsaturated bond of the component (A). The quantity ratio is 0.5 to 5.0, particularly 0.7 to 5.0, expressed as a ratio of the total number of hydrogen atoms bonded to the silicon atoms of the component (B1) and the component (B2) with respect to the total number. Is preferred. In particular, when the curable composition is a dental mucosa-adjusting material, this ratio is preferably a quantitative ratio of 0.7 to 2.0. On the other hand, when the curable composition is a soft lining material, this ratio is preferably a quantitative ratio of 1.5 to 4.0.
[0046]
The component (C) hydrosilylation catalyst that can be used in the present invention is a reaction (specifically, hydrosilylation reaction) between the component (A), the component (B1), and the component (B2) that is added as necessary. ) To act as a catalyst for forming a matrix composed of a crosslinked organopolysiloxane. As the component (C), as long as it has such a catalytic action, those usually used as hydrosilylation reaction catalysts can be used without limitation.
[0047]
Specific examples of the component (C) that can be suitably used include chloroplatinic acid, alcohol-modified products thereof, platinum-based catalysts such as platinum vinylsiloxane complexes, and similar rhodium-based catalysts. Among these, platinum-based catalysts are preferable from the viewpoint of availability. In order to improve the storage stability, it is preferable to use a material having a small chloro content such as a platinum-vinylsiloxane complex.
[0048]
The blending amount of component (C) is not particularly limited as long as the hydrosilylation reaction proceeds sufficiently. In general, the hydrosilylation reaction speed increases to some extent with the increase in the amount of component (C). However, the use of an excess amount is not economically advantageous because the effect corresponding to the amount is not obtained. On the other hand, it tends to be difficult to control the crosslinking reaction or cause problems such as coloring. Therefore, when determining the blending amount of the component (C), it may be appropriately determined for each system in consideration of such points. Incidentally, when the component (C) is a platinum-based catalyst, the preferred blending amount of the component (C) is the component (A), the component (B1), and the component (B2) blended as necessary. It is the range of 0.1-1000 ppm with respect to the total amount.
[0049]
The organopolysiloxane-based curable composition used as a dental material is usually mixed with a filler in order to impart mechanical strength to the cured product. In the present invention, (I) a silicone resin filler and / or a silica filler is used as the filler. These filler components not only replenish the mechanical strength of the cured product obtained by curing the dental curable composition but also coexist with the component (II) liquid polyether to be described later. Has a role to reduce sagging.
[0050]
As the component (I) used in the present invention, known components can be used without any limitation as long as they do not inhibit the curing reaction of the organopolysiloxane.
[0051]
Specific examples of suitably used silicone resin fillers include polymethylsilsesquioxane, poly (0.1-99.9 mol% methyl + 0.1-99.9 mol% phenyl) silsesquioxane, Poly (99-99.9 mol% methyl + 0.1-1 mol% hydrogen) silsesquioxane, etc. are mentioned.
[0052]
Among these, a product obtained by hydrolyzing and condensing one or more mixtures of organotrialkoxysilane or its hydrolysis and condensate in an aqueous solution of ammonia or amines is a chlorine atom, an alkaline earth There are almost no impurities, such as a metal and an alkali metal, and it is spherical and preferable.
[0053]
The average particle diameter of the silicone resin filler used in the present invention is 0.1 to 100 μm, preferably 0.1 to 20 μm. Those having a thickness of less than 0.1 μm are difficult to produce and have the disadvantage that it is difficult to fill the amount required for the curable composition. If the thickness exceeds 100 μm, the reinforcing effect required for the cured product tends to be difficult to obtain. .
[0054]
Specific examples of silica-based fillers that can be suitably used include pulverized quartz, fused silica powder, wet silica, and dry silica powder.
[0055]
Furthermore, these silica-based fillers were hydrophobized with a surface treatment agent such as trimethylchlorosilane, dimethyldichlorosilane, methyltrichlorosilane, hexamethyldisilazane, or silicone oil in order to improve dispersibility in organic solvents. It is preferable to use one.
[0056]
The average particle diameter of the silica-based filler used in the present invention is 10 μm or less, preferably 0.001 to 1 μm. If it exceeds 10 μm, the reinforcing effect necessary for the cured silicone rubber tends to be difficult to obtain.
[0057]
The addition amount of component (I) used in the present invention can be adjusted as needed according to the physical properties (hardness, tensile strength, tear strength, etc.) required for the cured product obtained by curing the curable composition. Although it is good, the range of 1-30 weight% is suitable with respect to the whole quantity of curable composition. In particular, when the curable composition is a dental mucosa-adjusting material, the content of the component (I) is suppressed to 1 to 20% by weight in order to make the cured product more flexible. However, when the content of the filler is reduced as described above, the paste is very easy to sag as described above, and the effect of the present invention is particularly remarkably exhibited. On the other hand, when the curable composition is a soft lining material, the content of the filler component (I) is preferably 10 to 30% by weight.
[0058]
The greatest feature of the present invention is that the organopolysiloxane-based curable composition containing the above-mentioned (I) silicone resin-based filler and / or silica-based filler contains component (II) liquid polyether. is there. As a result, the viscosity of the paste and the flexibility of the hardened body are hardly changed, and dripping of the paste is remarkably suppressed. In the denture base lining material, the operability and the certainty of wearing in the oral cavity are greatly increased. Can improve.
[0059]
As said component (II) liquid polyether, it is a liquid compound at 25 degreeC, and if it does not inhibit the curing reaction of organopolysiloxane, a well-known thing will not be restricted at all, and it is used individually or in combination of 2 or more types it can. The liquid state may be a viscous liquid as long as fluidity is maintained at the temperature.
[0060]
What can be used suitably as a liquid polyether is a polyether which has a polyalkylene oxide unit as a repeating unit. As an alkylene oxide group, what has a C2-C4 linear or branched alkylene group is preferable.
[0061]
Specific examples include polyalkylene glycols such as polyethylene glycol, polypropylene glycol, and polybutylene glycol in the liquid form; polyethers in which the polyalkylene glycol is ether-bonded to the hydroxyl group of glycerin, and the like.
[0062]
Of these, polyalkylene glycols are preferable from the viewpoints of the above-mentioned high effects and biological harm, and particularly polyethylene glycol having a molecular weight of 200 to 600 and polypropylene glycol having a molecular weight of 400 to 3500 are most preferable.
[0063]
The amount of component (II) used in the present invention is preferably 0.01 to 5% by weight, particularly preferably 0.03 to 3% by weight, based on the total amount of the curable composition. Even if the addition amount is more than 5% by weight, an effect commensurate with the addition amount cannot be obtained and it is economically disadvantageous, and if it is less than 0.01% by weight, the effect cannot be obtained.
[0064]
As a method for adding the component (II), it may be added together with other components, or may be added after mixing with the component (I) in advance to be present on the surface of the filler.
[0065]
Moreover, in the dental curable composition of this invention, you may add various fillers and various additives other than the said component (I) in the range which does not impair the physical property of hardened | cured material.
[0066]
As said other filler, the filler generally added to silicone rubber etc. can be used without any limitation. Examples of such fillers include fluorocarbon resin fillers such as polytetrafluoroethylene powder and polyvinylidene fluoride powder; other polymer powders; carbon black; glass fibers; composite fillers (composites of inorganic oxide and polymer) And the like).
[0067]
Furthermore, the above various additives are specifically, hydrogen gas absorbents such as black platinum and fine palladium; reaction inhibitors such as 1,3-divinyltetramethyldisiloxane; pigments such as titanium dioxide; BHT and the like Antioxidants; antibacterial agents such as chitosan; plasticizers such as silicone oil;
[0068]
The above-mentioned various fillers and various additives are appropriately added according to the purpose. When blending various fillers and various additives, if these components are blended before the crosslinking and curing reaction is performed. Good.
[0069]
The method for preparing the dental curable composition of the present invention is not particularly limited, but will be described below by taking a room temperature addition type organopolysiloxane curable composition as an example.
[0070]
First, the necessary components are appropriately weighed from component (I), component (II), component (A), component (C) and various fillers and various additives as necessary. A paste-like or liquid curable composition (back material) can be obtained by kneading and stirring until uniform with a typical kneader or a general stirrer.
[0071]
Subsequently, the necessary components are appropriately weighed out of the component (I), the component (II), the component (A), the component (B1) and, if necessary, the component (B2), various fillers, various additives, and the above. By performing the same operation as the upper material, a paste-like or liquid curable composition (second material) can be obtained.
[0072]
These upper materials and second materials are stored separately and are used as a paste-like mixture by kneading them immediately before use.
[0073]
【Example】
Examples for more specifically explaining the present invention will be shown, but the present invention is not limited to these examples.
[0074]
In the following Examples and Comparative Examples, each component subjected to the test is shown below.
1) Component (A)
Polysiloxane 1: α, ω-divinylpolydimethylsiloxane represented by the following formula (viscosity 100 poise; GE Toshiba Silicone XC86-A9609)
[0075]
[Chemical 7]
[0076]
Polysiloxane 2: α, ω-dihydroxypolydimethylsiloxane represented by the following formula (viscosity 1 poise; PRX413 manufactured by Toray Dow Corning)
[0077]
[Chemical 8]
[0078]
2) Component (B1)
SiH siloxane 1: a compound represented by the following formula
[0079]
[Chemical 9]
[0080]
3) Component (B2)
SiH siloxane 2: a compound represented by the following formula
[0081]
[Chemical Formula 10]
[0082]
4) Component (C)
・ Platinum catalyst: Vinyl siloxane complex of platinum
Tin catalyst: 50% polydimethylsiloxane solution of bis (2-ethylhexanoate) tin
5) Component (I)
Filler 1 (silicone resin-based filler): polymethylsilsesquioxane powder (average particle size 3 μm) obtained by hydrolyzing methyltrimethoxysilane
Filler 2 (silica-based filler): fumed silica (average particle size 0.01 μm; Toroyama Leolo Seal MT10)
6) Component (II)
Polyether 1: Polyethylene glycol having a molecular weight of 400 (viscosity 1 poise; PEG400 manufactured by Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.)
Polyether 2: Polypropylene glycol having a molecular weight of 3000 (viscosity 6 poise; P3000 manufactured by Asahi Denka Co., Ltd.)
7) Other ingredients
・ Tetraethoxysilane (GE Toshiba Silicone TSL8124)
Polyether 3: polyethylene glycol having a molecular weight of 6000 (flakes; PEG 6000 manufactured by Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.)
In the following Examples and Comparative Examples, the evaluation of the dental curable composition was measured by the following method.
1) Evaluation of sagging properties of blend
1 g each of the upper and second materials was collected on a kneaded paper and kneaded with a spatula for 30 seconds. Thereafter, the mixture was placed on a PP sheet and attached to a graduated glass plate with a double-sided tape. The scale at the tip was read 55 seconds after the start of kneading (A value), and the glass plate was erected vertically after 5 seconds. The state was held for 1 minute, and the scale at the tip of the kneaded product after 2 minutes from the start of kneading was read (B value). The value of sag D was calculated from the following formula.
D (mm) = BA
2) Viscosity
At 25 ° C., the above-mentioned upper and second materials were kneaded for 30 seconds, and immediately after the kneading was completed, the viscosity of this mixture was measured with a CS rheometer (manufactured by Calime) under the condition of a torque of 30000 dyne · cm.
3) Shore A hardness of the cured product
A cured product having a diameter of 9 mm and a height of 12 mm was prepared and stored in 37 ° C. water for 2 hours.
Then, it left still in a 23 degreeC room | chamber interior for 5 minutes, the load of 9.8N was applied with the spring type hardness tester (A type), and the value when 30 second passed was made into the Shore A hardness. It should be noted that the Shore A hardness is 15 or less that can be suitably used as the mucosa-adjusting material, and 20 to 40 can be suitably used as the soft lining material.
[0083]
Example 1
A dental mucosa preparation material composed of the following upper and second materials was produced.
[0084]
10 parts by weight of filler 1, 5 parts by weight of filler 2, 1 part by weight of polyether 1 and 100 parts by weight of polysiloxane 1 are weighed and mixed with a 2 L planetary mixer (manufactured by Inoue Seisakusho) for 30 minutes. did. Thereafter, 0.5 parts by weight of platinum catalyst was added, and further stirred for 20 minutes, followed by defoaming by depressurization with a vacuum pump for 10 minutes to prepare an upper.
[0085]
Further, 10 parts by weight of filler 1, 5 parts by weight of filler 2, 1 part by weight of polyether 1, and 100 parts by weight of polysiloxane 1 were weighed and mixed with a planetary mixer for 30 minutes. Thereafter, 0.8 parts by weight of polysiloxane 1 and 3.3 parts by weight of polysiloxane 2 were added, and further stirred for 20 minutes, and then defoamed by depressurization with a vacuum pump for 10 minutes to prepare a second material.
[0086]
As a result of measuring the sagging property of the mixture obtained by kneading the above-mentioned upper and second materials, it was 4 mm. The viscosity was 550 poise. Furthermore, the Shore A hardness of the cured product was 10.9.
[0087]
Examples 2-4
In Example 1, it implemented similarly to Example 1 except having the composition shown in Table 1 for the upper and the second material. The evaluation results are shown in Table 1.
[0088]
Comparative Example 1
In Example 1, it implemented like Example 1 except not containing the silicone resin type filler and silica type filler which are component (I). The sagging property (D) was 25 mm, and the effect of lowering the sagging property could not be obtained unless component (I) was added.
[0089]
Comparative Example 2
In Example 1, it implemented like Example 1 except not containing a component (II) liquid polyether. The sagging property (D) was 14 mm, and the effect of lowering the sagging property was small unless component (II) was added.
[0090]
Comparative Example 3
In Example 1, it carried out similarly to Example 1 except having replaced with component (II) liquid polyether and containing the flaky polyether 3. FIG. The sagging property (D) was 23 mm, and the effect of lowering the sagging property was not obtained with the flaky polyether.
[0091]
[Table 1]
[0092]
【The invention's effect】
According to the present invention, sagging can be greatly improved without substantially increasing the viscosity of a dental curable composition. Therefore, when applied to a denture base lining material, after kneading, it is easy to place the denture, and when the curable composition placed in the patient's oral cavity is cured and the denture is mounted. The lining material can be sufficiently present up to the denture base margin, and stable denture can be mounted. In particular, when it is a dental mucosa preparation material, the above-described effects are particularly prominent, and it is possible to provide the same material that is excellent in operability and flexibility and can firmly adsorb dentures in the oral cavity.
Claims (5)
(I)シリコーン樹脂系充填材及び/又はシリカ系充填材、
(II)液状のポリエーテル、
(A)末端に炭素−炭素不飽和結合を持つ有機基を分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、及び
(C)ヒドロシリル化触媒
並びに、下記(I)、(II)、(A)、(B1)成分を含む乙材
(I)シリコーン樹脂系充填材及び/又はシリカ系充填材、
(II)液状のポリエーテル、
(A)末端に炭素−炭素不飽和結合を持つ有機基を分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、及び
(B1)ケイ素原子に直接結合している水素原子が分子中に少なくとも3個存在するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
とにより構成されてなり、使用直前に甲材と乙材を混練することにより使用されることを特徴とする歯科用硬化性組成物。 Upper material containing the following components (I), (II), (A), (C)
(I) Silicone resin filler and / or silica filler,
(II) liquid polyether,
(A) an organopolysiloxane having at least two organic groups having carbon-carbon unsaturated bonds at its ends in the molecule; and
(C) Hydrosilylation catalyst
And the second material containing the following (I), (II), (A), (B1) component
(I) Silicone resin filler and / or silica filler,
(II) liquid polyether,
(A) an organopolysiloxane having at least two organic groups having carbon-carbon unsaturated bonds at its ends in the molecule; and
(B1) Organohydrogenpolysiloxane having at least three hydrogen atoms directly bonded to silicon atoms in the molecule
And a dental curable composition characterized by being used by kneading an upper and a second material immediately before use .
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