JP4806876B2 - Method for producing N-hydroxy cyclic imide - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、環状酸無水物とヒドロキシルアミンまたはその塩を原料として、N−ヒドロキシ環状イミドを製造する方法に関する。N−ヒドロキシ環状イミドは、ペプチド合成用試薬や酸化触媒等に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
従来、N−ヒドロキシ環状イミドの製造方法の1つとして、対応する環状酸無水物とヒドロキシルアミンまたはその塩とを反応させる方法が知られている。例えば、インディアン・ジャーナル・オブ・ケミストリー(Indian Journal of Chemistry)第33B巻第1175〜1177頁(1994年)には、無水フタル酸とヒドロキシルアミン塩酸塩をピリジン中で加熱した後、無水酢酸を加えてさらに加熱することにより、N−ヒドロキシフタルイミドを得ることが記載されている。また、国際公開第95/25090号パンフレットには、水中の無水フタル酸にヒドロキシルアミン硫酸塩水溶液と水酸化ナトリウム水溶液を併注した後、加熱保持することにより、N−ヒドロキシフタルイミドを得ることが記載されている。また、特開2001−122859号公報には、各種環状酸無水物とヒドロキシルアミン燐酸塩を混合した後、水を加えて加熱することにより、各種N−ヒドロキシ環状イミドを得ることが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の方法では、得られるN−ヒドロキシ環状イミドの純度や収率が十分でなかったり、反応時や後処理時の操作性が十分でなかったりする等、必ずしも満足できるものでなかった。そこで、本発明の目的は、好純度のN−ヒドロキシ環状イミドを好収率で操作性良く製造することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討の結果、環状酸無水物とヒドロキシルアミンまたはその塩とを反応させる際、反応溶媒として水性溶媒を用い、かつ上記原料を併注することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、環状酸無水物とヒドロキシルアミンまたはその塩を、水性溶媒中に加えながら反応させることにより、N−ヒドロキシ環状イミドを製造する方法に係るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる環状酸無水物としては、5員環状のものや6員環状のものが好適に用いられるが、中でも下記一般式(1)
【化2】

Figure 0004806876
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を表し、あるいは、R1およびR2が一緒になって、それらが結合する炭素原子とともに芳香族性または非芳香族性の環を形成しており、点線と実線が平行している部分は一重結合または二重結合を表す。)
で示される化合物のような5員環状のものが好ましい。
【0006】
一般式(1)中、R1またはR2がアルキル基、アルコキシ基またはアルコキシカルボニル基である場合、該アルキル基、該アルコキシ基におけるアルキル基および該アルコキシカルボニル基におけるアルキル基としては、それぞれ例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基のような直鎖状または分岐状のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基のようなシクロアルキル基;アルキルシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基等が挙げられ、またこれらアルキル基の炭素数は通常1〜10、好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4である。
【0007】
一般式(1)中、R1またはR2がアリール基の場合、該アリール基としては、例えば、フェニル基、アルキル置換フェニル基、ナフチル基、ピリジル基等が挙げられ、R1またはR2がハロゲン原子の場合、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子、臭素原子であり、さらに好ましくは塩素原子である。
【0008】
また、一般式(1)中、R1またはR2がアシル基の場合、該アシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等が挙げられ、これらアシル基の炭素数は通常1〜10、好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4である。
【0009】
また、一般式(1)中、R1およびR2が互いに結合して、芳香族性または非芳香族性の環を形成している場合、環の員数は通常5〜12、好ましくは6〜10であり、環の種類としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環のような芳香族性の炭化水素環;シクロヘキサン環のようなシクロアルカン環;シクロヘキセン環のようなシクロアルケン環等が挙げられ、好ましくは芳香族性の炭化水素環である。環は置換基を有していてもよく、また複素環であってもよい。
【0010】
一般式(1)で示される化合物の例としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、1,2,3,4−シクロヘキサンテトラカルボン酸1,2−無水物、無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、無水ニトロフタル酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物等が挙げられ、中でも、無水コハク酸、無水フタル酸が好ましい。また、一般式(1)で示される化合物以外の環状酸無水物の例としては、無水ピロメリット酸、無水メリト酸等が挙げられ、これらを原料の環状酸無水物とすることもできる。
【0011】
本発明では、上記環状酸無水物をヒドロキシルアミンまたはその塩と共に、水性溶媒中に併注することにより、反応を行う。ヒドロキシルアミンの塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、りん酸塩等が挙げられ、好ましくは塩酸塩、硫酸塩である。ヒドロキシルアミンまたはその塩の使用量は、環状酸無水物1モルに対して、通常0.1〜10モル、好ましくは0.3〜5モル、さらに好ましくは0.5〜2モルである。また、ヒドロキシルアミンまたはその塩としては、水溶液を用いるのが操作性の点から好ましい。
【0012】
上記水性溶媒としては、水単独または水50重量%以上と有機溶媒50重量%以下とからなる混合溶媒が用いられる。該有機溶媒としては、水混和性のものが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール類;ジオキサンのようなエーテル類;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドのような非プロトン性極性溶媒等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。水性溶媒の使用量は、環状酸無水物100重量部に対して、通常100〜10000重量部、好ましくは100〜3000重量部、さらに好ましくは200〜2000重量部である。
【0013】
上記併注の間は、収率および品質の観点から、反応液のpHを4〜6に調整するのが好ましく、さらに好ましくは4.5〜5.5である。このpH調整は、上記ヒドロキシルアミンまたはその塩として、ヒドロキシルアミンを用いた場合には、通常、酸を加えることにより行われ、ヒドロキシルアミンの塩を用いた場合には、塩基を加えることにより行われる。酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、りん酸等が挙げられ、また、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムのような金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウムのような金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのような金属炭酸水素塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウムのような金属酢酸塩等が挙げられる。塩基の中でも、金属水酸化物、金属酢酸塩が好ましく、さらに好ましくは水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウムである。
【0014】
併注の間の温度は、通常20〜70℃、好ましくは40〜60℃であり、また、併注に要する時間は、通常1〜40時間、好ましくは2〜10時間である。
【0015】
また、上記併注後は、反応液のpHを好ましくは2〜4、さらに好ましくは2.5〜3.5に調整して、保持するのがよく、これにより、併注の条件によっては反応混合物中に残存するアミドカルボン酸のような中間体を、N−ヒドロキシ環状イミドに変換することができる。この保持の間のpH調整は、前記と同様の酸や塩基を加えることにより、行うことができる。
【0016】
上記保持の間の温度は、通常20〜70℃、好ましくは40〜60℃であり、また、保持時間は、通常1〜40時間、好ましくは2〜10時間である。
【0017】
得られた反応混合物からN−ヒドロキシ環状イミドを取り出す方法としては、適宜選択することができ、例えば、反応混合物中にN−ヒドロキシ環状イミドが析出している場合には、必要に応じて濃縮や冷却を行った後、濾過やデカンテーション等によりN−ヒドロキシ環状イミドを分離してもよいし、反応混合物中にN−ヒドロキシ環状イミドが溶解している場合には、反応混合物を濃縮や冷却することにより、N−ヒドロキシ環状イミドを析出させ、濾過やデカンテーション等により分離してもよい。また、反応混合物から有機溶媒を用いてN−ヒドロキシ環状イミドを抽出してもよい。
【0018】
以上説明した本発明の製造方法により、環状酸無水物とヒドロキシルアミンまたはその塩から、対応するN−ヒドロキシ環状イミドを好収率、好純度で操作性良く製造することができる。例えば、環状酸無水物として、前記一般式(1)の化合物を用いた場合、下記一般式(2)
【化3】
Figure 0004806876
(式中、R1、R2および点線と実線が平行している部分は前記と同じ意味を表す。)
で示されるN−ヒドロキシ環状イミドを製造することができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0020】
実施例1
還流冷却管、粉体投入装置、温度計、pHメーターおよび滴下漏斗を装着した四つ口フラスコに水92.3gを加え、この中に、攪拌下、50℃にて、無水フタル酸32.6g(0.220モル)を粉体投入装置から1時間かけて加えると共に、ヒドロキシルアミン硫酸塩[(NH2OH)2・H2SO4]27.1g(0.165モル)を水198gに溶解した溶液を滴下漏斗から1時間かけて加えた。このフタル酸無水物とヒドロキシルアミン硫酸塩水溶液の併注の間、25重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えることにより、反応液のpHを5.0に調整した。要した25重量%水酸化ナトリウム水溶液は71.3g(0.445モル)であった。併注終了後、50℃にて5時間保持し、この保持の間、25重量%硫酸を加えることにより、反応液のpHを3.0に調整した。要した25重量%硫酸は46.4g(0.118モル)であった。得られた反応混合物(スラリー)を、30℃まで冷却した後、濾過した。次いで、濾残を水洗した後、乾燥することにより、N−ヒドロキシフタルイミド26.5g(純度96.6%、収率71.2%)を得た。なお、濾液および洗液中に含まれるN−ヒドロキシフタルイミドの収率は2.8%であった。
【0021】
実施例2
実施例1において、フタル酸無水物とヒドロキシルアミン硫酸塩水溶液の併注の間、計57.7g(0.360モル)の25重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えることにより、反応液のpHを4.0に調整し、かつ、併注後の保持の間、計31.1g(0.079モル)の25重量%硫酸を加えることにより、反応液のpHを3.0に調整した以外は、実施例1と同様の操作を行った。N−ヒドロキシフタルイミド25.4g(純度93.7%、収率66.2%)が得られた。なお、濾液および洗液中に含まれるN−ヒドロキシフタルイミドの収率は2.6%であった。
【0022】
実施例3
実施例1において、フタル酸無水物とヒドロキシルアミン硫酸塩水溶液の併注の間の温度および併注後の保持の間の温度を60℃とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。N−ヒドロキシフタルイミド22.8g(純度99%以上、収率63.4%)が得られた。なお、濾液および洗液中に含まれるN−ヒドロキシフタルイミドの収率は2.2%であった。
【0023】
比較例1
還流冷却管、粉体投入装置、温度計およびpHメーターを装着した四つ口フラスコに水198.4gおよびヒドロキシルアミン硫酸塩[(NH2OH)2・H2SO4]27.1g(0.165モル)を加えた後、25重量%水酸化ナトリウム水溶液7.2g(0.045モル)を加えて、pHを5.0に調整した。この中に、攪拌下、50℃にて、無水フタル酸32.6g(0.220モル)を粉体投入装置から1時間かけて加え、この間、25重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えることにより、反応液のpHを5.0に調整した。追加で要した25重量%水酸化ナトリウム水溶液は59.4g(0.371モル)であった。次いで、50℃にて5時間保持し、この保持の間、25重量%硫酸を加えることにより、反応液のpHを3.0に調整した。要した25重量%硫酸は48.4g(0.123モル)であった。得られた反応混合物(スラリー)を、30℃まで冷却した後、濾過した。次いで、濾残を水洗した後、乾燥することにより、N−ヒドロキシフタルイミド30.1g(純度72.6%、収率61.0%)を得た。なお、濾液および洗液中に含まれるN−ヒドロキシフタルイミドの収率は1.6%であった。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、環状酸無水物とヒドロキシルアミンまたはその塩を原料として、好純度のN−ヒドロキシ環状イミドを好収率で操作性良く製造することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing an N-hydroxy cyclic imide using a cyclic acid anhydride and hydroxylamine or a salt thereof as raw materials. N-hydroxy cyclic imide is used as a peptide synthesis reagent, an oxidation catalyst, or the like.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as one method for producing N-hydroxy cyclic imide, a method of reacting a corresponding cyclic acid anhydride with hydroxylamine or a salt thereof is known. For example, in Indian Journal of Chemistry, Vol. 33B, 1175-1177 (1994), after heating phthalic anhydride and hydroxylamine hydrochloride in pyridine, acetic anhydride is added. And further heating to obtain N-hydroxyphthalimide. In addition, International Publication No. 95/25090 pamphlet describes that N-hydroxyphthalimide is obtained by heating and holding after adding a hydroxylamine sulfate aqueous solution and a sodium hydroxide aqueous solution together with phthalic anhydride in water. Has been. Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-122859 describes that various N-hydroxy cyclic imides are obtained by mixing various cyclic acid anhydrides and hydroxylamine phosphate, and then adding water and heating. .
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, the conventional methods are not always satisfactory because the purity and yield of the obtained N-hydroxy cyclic imide are not sufficient, and the operability at the time of reaction and post-treatment is not sufficient. Therefore, an object of the present invention is to produce a highly pure N-hydroxy cyclic imide with good yield and good operability.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive investigations, the present inventors can achieve the above object by reacting a cyclic acid anhydride with hydroxylamine or a salt thereof using an aqueous solvent as a reaction solvent and co-injecting the above raw materials. As a result, the present invention has been completed. That is, the present invention relates to a method for producing an N-hydroxy cyclic imide by reacting a cyclic acid anhydride and hydroxylamine or a salt thereof while adding them to an aqueous solvent.
[0005]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
As the cyclic acid anhydride used in the present invention, a 5-membered ring or a 6-membered ring is preferably used. Among them, the following general formula (1)
[Chemical 2]
Figure 0004806876
(Wherein R 1 and R 2 each independently represents a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, a halogen atom, an alkoxy group, an alkoxycarbonyl group, an acyl group, a hydroxyl group or a carboxyl group, or R 1 and R 2 together forms an aromatic or non-aromatic ring with the carbon atom to which they are bonded, and the portion where the dotted line and the solid line are parallel represents a single bond or a double bond. )
A 5-membered cyclic compound such as the compound represented by
[0006]
In the general formula (1), when R 1 or R 2 is an alkyl group, an alkoxy group or an alkoxycarbonyl group, the alkyl group, the alkyl group in the alkoxy group and the alkyl group in the alkoxycarbonyl group are, for example, Methyl group, ethyl group, n-propyl group, isopropyl group, n-butyl group, isobutyl group, s-butyl group, t-butyl group, pentyl group, hexyl group, heptyl group, octyl group, nonyl group, decyl group Linear or branched alkyl groups such as these; cycloalkyl groups such as cyclopentyl, cyclohexyl, and cyclooctyl groups; alkylcycloalkyl groups, cycloalkylalkyl groups, and the like. Usually, it is 1-10, preferably 1-6, more preferably 1-4.
[0007]
In the general formula (1) in the case of R 1 or R 2 is an aryl group, as the aryl group include a phenyl group, an alkyl-substituted phenyl group, a naphthyl group, a pyridyl group and the like, R 1 or R 2 is In the case of a halogen atom, examples of the halogen atom include a fluorine atom, a chlorine atom, a bromine atom and an iodine atom, preferably a chlorine atom and a bromine atom, and more preferably a chlorine atom.
[0008]
In the general formula (1), when R 1 or R 2 is an acyl group, examples of the acyl group include a formyl group, acetyl group, propionyl group, butyryl group, isobutyryl group, valeryl group, isovaleryl group, and pivaloyl. Group, a benzoyl group, etc. are mentioned, Carbon number of these acyl groups is 1-10 normally, Preferably it is 1-6, More preferably, it is 1-4.
[0009]
In the general formula (1), when R 1 and R 2 are bonded to each other to form an aromatic or non-aromatic ring, the number of rings is usually 5 to 12, preferably 6 to The ring type includes, for example, an aromatic hydrocarbon ring such as a benzene ring and a naphthalene ring; a cycloalkane ring such as a cyclohexane ring; a cycloalkene ring such as a cyclohexene ring, and the like. An aromatic hydrocarbon ring is preferred. The ring may have a substituent and may be a heterocyclic ring.
[0010]
Examples of the compound represented by the general formula (1) include succinic anhydride, maleic anhydride, tetrahydrophthalic anhydride, hexahydrophthalic anhydride, 1,2,3,4-cyclohexanetetracarboxylic acid 1,2-anhydride. Phthalic anhydride, tetrabromophthalic anhydride, tetrachlorophthalic anhydride, nitrophthalic anhydride, trimellitic anhydride, methylcyclohexene carboxylic anhydride, etc. Among them, succinic anhydride and phthalic anhydride are preferable. Examples of the cyclic acid anhydride other than the compound represented by the general formula (1) include pyromellitic anhydride, melittic anhydride, and the like, and these can be used as a raw material cyclic acid anhydride.
[0011]
In the present invention, the reaction is carried out by pouring the cyclic acid anhydride together with hydroxylamine or a salt thereof into an aqueous solvent. Examples of the salt of hydroxylamine include hydrochloride, sulfate, nitrate, phosphate and the like, preferably hydrochloride and sulfate. The usage-amount of hydroxylamine or its salt is 0.1-10 mol normally with respect to 1 mol of cyclic acid anhydrides, Preferably it is 0.3-5 mol, More preferably, it is 0.5-2 mol. As hydroxylamine or a salt thereof, an aqueous solution is preferably used from the viewpoint of operability.
[0012]
As the aqueous solvent, water alone or a mixed solvent composed of 50% by weight or more of water and 50% by weight or less of organic solvent is used. The organic solvent is preferably water-miscible, for example, alcohols such as methanol, ethanol and isopropanol; ethers such as dioxane; aprotic polar solvents such as acetonitrile and N, N-dimethylformamide Etc., and two or more of them can be used as necessary. The usage-amount of an aqueous solvent is 100-10000 weight part normally with respect to 100 weight part of cyclic acid anhydrides, Preferably it is 100-3000 weight part, More preferably, it is 200-2000 weight part.
[0013]
During the co-injection, the pH of the reaction solution is preferably adjusted to 4 to 6, more preferably 4.5 to 5.5, from the viewpoint of yield and quality. This pH adjustment is usually performed by adding an acid when hydroxylamine is used as the hydroxylamine or a salt thereof, and by adding a base when a salt of hydroxylamine is used. . Examples of the acid include hydrochloric acid, sulfuric acid, nitric acid, phosphoric acid, and the like. Examples of the base include metal hydroxides such as sodium hydroxide, potassium hydroxide, magnesium hydroxide, and calcium hydroxide; Examples thereof include metal carbonates such as sodium carbonate, potassium carbonate and magnesium carbonate; metal hydrogen carbonates such as sodium hydrogen carbonate and potassium hydrogen carbonate; metal acetates such as sodium acetate and potassium acetate. Among the bases, metal hydroxides and metal acetates are preferable, and sodium hydroxide and sodium acetate are more preferable.
[0014]
The temperature during the co-injection is usually 20 to 70 ° C., preferably 40 to 60 ° C., and the time required for the co-injection is usually 1 to 40 hours, preferably 2 to 10 hours.
[0015]
In addition, after the above co-injection, the pH of the reaction solution is preferably adjusted to 2 to 4, more preferably 2.5 to 3.5, and is maintained. Intermediates such as amide carboxylic acids remaining in the mixture can be converted to N-hydroxy cyclic imides. The pH adjustment during this holding can be performed by adding the same acid or base as described above.
[0016]
The temperature during the holding is usually 20 to 70 ° C., preferably 40 to 60 ° C., and the holding time is usually 1 to 40 hours, preferably 2 to 10 hours.
[0017]
The method for taking out the N-hydroxy cyclic imide from the obtained reaction mixture can be selected as appropriate. For example, when N-hydroxy cyclic imide is precipitated in the reaction mixture, the N-hydroxy cyclic imide can be concentrated as necessary. After cooling, the N-hydroxy cyclic imide may be separated by filtration, decantation, or the like, and when the N-hydroxy cyclic imide is dissolved in the reaction mixture, the reaction mixture is concentrated or cooled. Thus, N-hydroxy cyclic imide may be precipitated and separated by filtration, decantation, or the like. Further, N-hydroxy cyclic imide may be extracted from the reaction mixture using an organic solvent.
[0018]
By the production method of the present invention described above, the corresponding N-hydroxy cyclic imide can be produced with good yield, good purity and good operability from cyclic acid anhydride and hydroxylamine or a salt thereof. For example, when the compound of the general formula (1) is used as the cyclic acid anhydride, the following general formula (2)
[Chemical 3]
Figure 0004806876
(In the formula, R 1 , R 2 and the portion where the dotted line and the solid line are parallel have the same meaning as described above.)
The N-hydroxy cyclic imide shown by these can be manufactured.
[0019]
【Example】
Examples of the present invention will be described below, but the present invention is not limited thereto.
[0020]
Example 1
92.3 g of water was added to a four-necked flask equipped with a reflux condenser, a powder charging device, a thermometer, a pH meter, and a dropping funnel, and 32.6 g of phthalic anhydride was added thereto at 50 ° C. with stirring. (0.220 mol) was added from the powder charging apparatus over 1 hour, and 27.1 g (0.165 mol) of hydroxylamine sulfate [(NH 2 OH) 2 .H 2 SO 4 ] was dissolved in 198 g of water. The solution was added from the addition funnel over 1 hour. During the co-injection of this phthalic anhydride and aqueous hydroxylamine sulfate solution, the pH of the reaction solution was adjusted to 5.0 by adding a 25 wt% aqueous sodium hydroxide solution. The required 25 wt% sodium hydroxide aqueous solution was 71.3 g (0.445 mol). After completion of the co-injection, the mixture was held at 50 ° C. for 5 hours, and during this holding, the pH of the reaction solution was adjusted to 3.0 by adding 25 wt% sulfuric acid. The required 25% by weight sulfuric acid was 46.4 g (0.118 mol). The resulting reaction mixture (slurry) was cooled to 30 ° C. and then filtered. Next, the filter residue was washed with water and dried to obtain 26.5 g of N-hydroxyphthalimide (purity 96.6%, yield 71.2%). The yield of N-hydroxyphthalimide contained in the filtrate and the washing solution was 2.8%.
[0021]
Example 2
In Example 1, during the co-injection of phthalic anhydride and aqueous hydroxylamine sulfate solution, a total of 57.7 g (0.360 mol) of 25 wt% aqueous sodium hydroxide solution was added to adjust the pH of the reaction solution to 4 0.03 and during the holding after the co-injection, except that the pH of the reaction solution was adjusted to 3.0 by adding 31.1 g (0.079 mol) of 25% by weight sulfuric acid, The same operation as in Example 1 was performed. 25.4 g of N-hydroxyphthalimide (purity 93.7%, yield 66.2%) was obtained. The yield of N-hydroxyphthalimide contained in the filtrate and the washing solution was 2.6%.
[0022]
Example 3
In Example 1, the same operation as in Example 1 was performed except that the temperature during the concurrent injection of the phthalic anhydride and the hydroxylamine sulfate aqueous solution and the temperature during the retention after the concurrent injection were set to 60 ° C. . 22.8 g (purity 99% or more, yield 63.4%) of N-hydroxyphthalimide was obtained. The yield of N-hydroxyphthalimide contained in the filtrate and the washing solution was 2.2%.
[0023]
Comparative Example 1
In a four-necked flask equipped with a reflux condenser, a powder charging device, a thermometer and a pH meter, 198.4 g of water and 27.1 g of hydroxylamine sulfate [(NH 2 OH) 2 .H 2 SO 4 ] (0. 165 mol) was added, and then 7.2 g (0.045 mol) of a 25 wt% aqueous sodium hydroxide solution was added to adjust the pH to 5.0. Into this, 32.6 g (0.220 mol) of phthalic anhydride was added from a powder charging apparatus over 1 hour at 50 ° C. with stirring, and during this time, a 25 wt% aqueous sodium hydroxide solution was added. The pH of the reaction solution was adjusted to 5.0. An additional 25% by weight aqueous sodium hydroxide solution was 59.4 g (0.371 mol). Subsequently, it hold | maintained at 50 degreeC for 5 hours, pH of the reaction liquid was adjusted to 3.0 by adding 25 weight% sulfuric acid during this holding | maintenance. The amount of sulfuric acid required was 48.4 g (0.123 mol). The resulting reaction mixture (slurry) was cooled to 30 ° C. and then filtered. Next, the filter residue was washed with water and dried to obtain 30.1 g of N-hydroxyphthalimide (purity: 72.6%, yield: 61.0%). The yield of N-hydroxyphthalimide contained in the filtrate and the washing solution was 1.6%.
[0024]
【The invention's effect】
According to the present invention, a highly pure N-hydroxy cyclic imide can be produced with good yield and good operability using a cyclic acid anhydride and hydroxylamine or a salt thereof as raw materials.

Claims (4)

環状酸無水物とヒドロキシルアミンまたはその塩を、水性溶媒中に加えながら反応させるN−ヒドロキシ環状イミドの製造方法であって、環状酸無水物とヒドロキシルアミンまたはその塩を加えた後、反応液のpHを2〜4に調整して20〜70℃で保持するN−ヒドロキシ環状イミドの製造方法The cyclic acid anhydride with hydroxylamine or a salt thereof, N Ru reacted while adding an aqueous solvent - A method of manufacturing a hydroxy cyclic imide, after adding a cyclic acid anhydride with hydroxylamine or a salt thereof, the reaction solution The manufacturing method of N-hydroxy cyclic imide which adjusts pH of 2 to 4 and hold | maintains at 20-70 degreeC . 環状酸無水物が下記一般式(1)
Figure 0004806876
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を表し、あるいは、R1およびR2が一緒になって、それらが結合する炭素原子とともに芳香族性または非芳香族性の環を形成しており、点線と実線が平行している部分は一重結合または二重結合を表す。)
で示される化合物である請求項1記載の製造方法。
The cyclic acid anhydride is represented by the following general formula (1)
Figure 0004806876
(Wherein R 1 and R 2 each independently represents a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, a halogen atom, an alkoxy group, an alkoxycarbonyl group, an acyl group, a hydroxyl group or a carboxyl group, or R 1 and R 2 together forms an aromatic or non-aromatic ring with the carbon atom to which they are bonded, and the portion where the dotted line and the solid line are parallel represents a single bond or a double bond. )
The production method according to claim 1, which is a compound represented by the formula:
環状酸無水物が無水コハク酸または無水フタル酸である請求項1記載の製造方法。  The process according to claim 1, wherein the cyclic acid anhydride is succinic anhydride or phthalic anhydride. 環状酸無水物とヒドロキシルアミンまたはその塩を加える間の温度が40〜60℃であり、かつ環状酸無水物とヒドロキシルアミンまたはその塩を加える間、反応液のpHを4〜6に調整する請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。 The temperature during addition of the cyclic acid anhydride and hydroxylamine or a salt thereof is 40 to 60 ° C., and the pH of the reaction solution is adjusted to 4 to 6 during the addition of the cyclic acid anhydride and hydroxylamine or a salt thereof. Item 4. The production method according to any one of Items 1 to 3.
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