JP4806658B2 - 通信システム及び通信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数システムを同一周波数で運用する無線通信システムにおいて、優先権を持たない新規システム(Secondaryシステム)が、優先権を持つ従来システム(Primaryシステム)からの情報を効率的に把握しながら、通信を行っていない端末を、仮想的なアレーアンテナとして利用する通信システム及び通信方法に関する。
近年、携帯電話や、無線LANなどの普及により、限られた周波数帯域において、できるだけ高速な伝送を行うための技術が検討されている。限られた帯域において高速伝送を実現する手段としては、近年、MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術が注目を集めている。MIMOとは、送信側と受信側とに、それぞれアレーアンテナを用い、送信側においては、アンテナ毎に異なるデータを送信し、受信側においては、何らかの干渉除去技術・復号技術により、異なる信号を復元することで、単一アンテナ同士の送受信に比べ、同一周波数で著しく伝送速度を向上する技術である。既に、無線LANシステムなどにおいて導入されている。
しかしながら、MIMO技術においては、送受信のアンテナ数が高速伝送のキーとなる。したがって、非常に高い周波数利用効率を実現するためには、かなりのアンテナ素子数を必要とする。小型の端末を考えた場合、アンテナ素子数の増加は、ハードウエア規模の増大になるため、望ましくない。
このMIMO技術とは別の方法で、周波数の有効利用を図る手段として、コグニティブ(Cognitive)無線技術が注目されている(例えば、非特許文献1参照)。このコグニティブ無線技術とは、無線機が周囲の電波環境を認識し、適切な周波数帯域を選択して利用することにより、空いている周波数帯域を有効に活用する技術である。コグニティブ無線により、通常注目されていなかった周波数や、時間を有効に活用できるため、単位面積あたりの周波数を大幅に向上させることができる。
図8は、コグニティブ無線技術の概要を説明するための概念図である。図8において、1−1、1−2は、2つの優先システム(Primaryシステム)であり、2−1〜2−6は、複数のコグニティブシステム(Secondaryシステム)である。また、3は、Primaryシステムの通信可能領域である。4−1、4−2は、各々、Primaryシステム1−1、1−2のアンテナの指向性である。
コグニティブ無線では、元々、ある通信帯域を使用するPrimaryシステム1−1、1−2と、該Primaryシステム1−1、1−2が使用していない周波数、時間などを監視して、この情報を基に通信を行うSecondaryシステム2−1〜2−6とが存在する。基本的には、Primaryシステム1−1、1−2は、優先的に与えられた通信帯域を使用することが可能であり、Secondaryシステム2−1〜2−6は、自分自身の通信によって、Primaryシステム1−1、1−2に干渉を与えることにより、Primaryシステム1−1、1−2の効率を低下させることがあってはならない。また、通常、Primaryシステム1−1、1−2は、Secondaryシステム2−1〜2−6の存在を認識することはできない。
S. Haykin, "Cognitive radio: Brain-empowered wireless communications", vol.23, no.2, pp.201-220, Feb. 2005.
コグニティブ無線では、通常、以下の手段で通信を行う。
(手順1)Secondaryシステム2−1〜2−6は、Primaryシステム1−1、1−2が使用していない時間または周波数を検出する。
(手順2)Secondaryシステム2−1〜2−6は、自らが行う通信により、Primaryシステム1−1、1−2の受信機に干渉を与えないかどうかを確認する。
(手順3)Secondaryシステム2−1〜2−6は、上記手順2で問題がないと判断した場合、上記手順1で検出した周波数もしくは時間により通信を行う。
以上が、コグニティブ無線における通信手順である。しかしながら、まず、上記手順1を行う際に問題が生じる。例えば、TDD(Time Division Duplex)を考えてみる。TDDシステムにおいて、局は、あるタイミングで受信し、その間は送信しない。一方、送信している間は、信号を受信しない。ハードウエアとしては、送信装置と受信装置との間に、時間分割スイッチ(TDDスイッチ)が配置される。したがって、例えば、ある時間に、Primaryシステム1−1からの干渉を検出しなかったとしても、その時間で送信を行うと、Primaryシステム1−2へ干渉を与えることになる。
また、例えば、「ある周波数」、あるいは「ある時間」において、信号が到来していないと、Secondaryシステム2−1〜2−6の受信機が判断したとしても、時間的にその状態が変動する可能性や、隠れ端末の存在といった問題などにより、正しく信号を検出できない場合がある。したがって、コグニティブ無線では、非常に高い精度の信号検出が要求される。
これを改善する手段として、信号の周期定常性(Cyclostationary)を利用した検出方法が提案されている。これは、例えば、文献1(Cabric, D, et al., “Implementation issues in spectrum sensing for cognitive radios”, Conference Record of the Thirty-Eighth Asilomar Conference, vol.1, pp.772 - 776, 7-10 Nov. 2004.)に開示されている。このような方法を図9に示すように、Secondaryシステムの基地局に導入すれば、高機能なPrimaryシステム1−1、1−2の信号検出が可能となる。すなわち、Secondaryシステム2−1、2−2、…の基地局3に設けた通信内容把握部3−1によりPrimaryシステム1−1、1−2からの信号内容を把握し、干渉回避もしくは干渉キャンセル部3−2により干渉を回避もしくはキャンセルする。
この方法では、Primaryシステム1−1、1−2の搬送波周波数、もしくはシンボルレートと変調方式が事前に分かっていれば、非常に低いCNR(Carrier to Noise Ratio)においても、信号検出が可能となる。しかしながら、この方法は、検出に非常に多くの時間と信号のサンプル数とを必要とするため、Primaryシステム1−1、1−2の伝搬環境が変化する場合などの対応が困難となるといった問題が生じる。
もう1つの、Primaryシステム1−1、1−2からの干渉を回避する手段として、アレーアンテナを用いたアダプティブアレーが知られている。図10は、アダプティブアレーの基本構成を示すブロック図である。図10に示すように、アダプティブアレー5は、複数本のアンテナ6−1〜6−Nに入力される信号に、制御回路9により、乗算器7−1〜7−Nで適切な重み付けを行い、加算器8で合成することで、干渉波を除去する技術である。この重み付けの設定方法については、様々な方法が提案されており、詳しくは、例えば、文献2(菊間、アレーアンテナによる適応信号処理、科学技術出版社、1998)などに開示されている。
しかしながら、上記アダプティブアレー5を用いた技術により、図9に示すSecondaryシステム2−1、2−2、…の基地局3で、図10に示すようなアダプティブアレー構成を用いて、干渉を除去したとしても、コグニティブ無線では、端末4においても干渉波を除去しなければならない。PCカ−ドの中に搭載されるような端末で、複数のアレーアンテナを用いて干渉を除去することは、ハードウエア規模の削減、消費電力の観点から、端末4におけるアンテナ数は、できるだけ少ないことが望まれる。理想的には、アンテナ数が1であることが望まれる。すなわち、図10に示すような構成を、Secondaryシステムの端末で用いることは難しい。
この問題を解決する手法として、分散型アレーアンテナが提案されている。これは、例えば、文献3(Shidong Zhou,Ming Zhao,Xibin Xu,Jing Wang and Yan Yao,“Distributed wireless communication system:a new architecture for future public wireless access”,IEEE Communications Magazine,vol.41,no.3,pp.108--113、March 2003.」などに開示されている。
図11は、分散型アレーアンテナを適用した環境を示す概念図である。また、図12は、分散型アレーアンテナの構成を示す概念図である。図11に示すように、端末#1、#2のアンテナは1つである。図11では、アクセスポイント10が端末#1と通信を行う環境を想定している。その際に、Primaryシステム11より同一周波数の干渉が到来する。端末#2は通信を行っていない。分散型アレーの特徴は、図11に示す場合に、通信を行っていない端末#2(これをアイドル端末と呼ぶ)を利用して、その端末#2の情報を人手することで、仮想的なアレーアンテナを形成することにある。また、図11において、hは、それぞれ送信局と受信局との間のチャネル応答を表す。理想的には、図11の構成を用いてこれを実現できる。端末#1と端末#2で受信される信号x1、x2は、以下の数式(1)、(2)で与えられる。
Figure 0004806658
ここで、hS1は、Secondaryシステムのアクセスポイント10と端末#1との間のチャネル応答であり、Sは、アクセスポイント10が送信する信号である。hI1は、Primaryシステムの送信局11と端末#1との間のチャネル応答であり、iは、Primaryシステムの送信局11が送信する信号で、Secondaryシステムの端末にとっては干渉となる。また、n1は、熱雑音である。
Figure 0004806658
ここで、hS2は、Secondaryシステムのアクセスポイント10と端末#2との間のチャネル応答であり、Sは、アクセスポイント10が送信する信号である。hI2は、Primaryシステムの送信局11と端末#2との間のチャネル応答であり、iは、Primaryシステムの送信局11が送信する信号で、Secondaryシステムの端末にとっては干渉となる。また、n2は、熱雑音を表す。
ここで、端末#2から端末#1に送信される信号は、以下の数式(3)で与えることができる。
Figure 0004806658
数式(1)、(3)で与えられえる信号x1、x2は、図12で示す2つのアンテナに入力される受信信号にそれぞれに相当する。数式(1)、(3)は、それぞれ所望信号成分sと干渉信号成分iの関数として与えられる。この場合、例えば、以下の数式(4)で所望信号sは、復号することができることが知られている。
Figure 0004806658
上記数式(4)において、チルダ(〜)sは、所望信号の復号結果である。これは、Zero forcingというアルゴリズムとしてよく知られているが、数式(1)、(3)より所望信号を復号する方法としては、この方法の他に、MMSE(Minimum Mean Square)や、SIC(Successive Interference Cancellation)、MLD(Maximum Likelihood Detection)などの方法が知られている。
このように、分散アレーを用いれば、理想的には、1本の端末アンテナでも干渉キャンセルが可能である。しかし、連続的なプライマリシステムからの干渉波が到来する場合には、以下の問題が生じる。図13を用いて、この問題点について説明する。図12では、端末#2から端末#1に信号を送る時間を無視していたが、実際には、端末#2は、同一周波数を用いて受信と送信を同時に実現することはできない。すなわち、実際には、図13に示すように、端末#2は、時間t1を用いて信号を受信し、その情報を端末#1に時間t2を用いて送信するのである。ここで、連続的なPrimaryシステムからの干渉波を考えると、時間t2の間にも干渉波i’が到来しており、これを実際には考慮しなければならない。すなわち、x21は、より厳密には、以下の数式(5)で与えられる。
Figure 0004806658
ここで、数式(5)には、新たな干渉成分hI1i’が発生するため、数式(1)、(5)を用いて、所望信号を復号することができない。すなわち、連続的な干渉波を考慮した場合、従来の分散型アレーでは、所望信号を復号できないといった問題がある。
次に、上記手順2でも問題が発生する。先に述べたように、原則として、図8に示すPrimaryシステム1−1、1−2は、Secondaryシステム2−1〜2−6のことを認識することができない。例えば、Secondaryシステム2−1〜2−6が、ある周波数において、Primaryシステム1−1の送信機からの信号レベルが低いと判断し、この周波数が使えると判断したとしても、その周波数でそのまま送信を行うと、Primaryシステム1−2に干渉を与える可能性がある。したがって、Secondaryシステム2−1〜2−6が与える干渉は、Primaryシステム1−1、1−2の受信機が判断することが最も確実な方法である。
しかしながら、Primaryシステム1−1、1−2は、Secondaryシステム2−1〜2−6の存在を認識することができない。よって、これを実現するために、Primaryシステム1−1、1−2が発生するある信号をSecondaryシステム2−1〜2−6が定常的に観測し、Primaryシステム1−1、1−2の存在を把握する方法が考えられている。
これは、コグニティブ無線ではなくても、従来の無線システムにおけるキャリアセンスと同じ原理と考えることができる。キャリアセンスに関しては、例えば、文献4(守倉、久保田、”改訂版802.11高速無線LAN教科書”、第4章、インプレス社、2004年)に開示されている。Secondaryシステム2−1〜2−6がPrimaryシステム1−1、1−2の受信機に近づいた場合、Primaryシステム1−1、1−2から送信される信号を受信することで、Primaryシステム1−1、1−2の存在を把握し、この信号電力の大きさに基づいて、Secondaryシステム2−1〜2−6は、上記手順2を行うことができる。
しかしながら、コグニティブ無線を考えた場合、結局、Primaryシステム1−1、1−2が自分の存在を知らせるための意図的な信号を発生させるとすると、通常の通信以外の機構を設ける必要があり、これは、ハードウエアの複雑化につながる。また、この信号を送信するための周波数及び時間を新たに設ける必要がある。これは、Primaryシステム1−1、1−2の通信利用効率を低下させる要因となるという問題が生じる。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、連続したPrimaryシステムにおける干渉条件においても、Secondaryシステムの特性を劣化させず、かつ端末アンテナ素子数が例え1素子であっても、コグニティブ無線を実現することができる通信システム及び通信方法を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、連続的に他システムからの干渉波が到来する環境下で、基地局と少なくとも1台の第1の通信端末との間で通信を行う際、通信を行っていない第2の通信端末を分散型アレーアンテナとして用いる通信システムにおいて、前記基地局は、2本以上のアンテナ素子を具備し、前記第1の通信端末は、1本のアンテナ素子を具備し、前記第2の通信端末は、受信した前記干渉波を、前記他システムの通信局同士で既知である信号区間を用いて、前記第1の通信端末に送信することを特徴とする通信システムである。
また、上述した課題を解決するために、本発明は、連続的に他システムからの干渉波が到来する環境下で、基地局と第1の通信端末との間で通信を行う際、通信を行っていない第2の通信端末を分散型アレーアンテナとして用いる通信システムにおいて、前記他システムのトレーニング区間を利用し、前記基地局と前記第1の通信端末間、前記他システムの干渉波の送信局と前記第1の通信端末間、前記基地局と前記第2の通信端末間、及び前記他システムの干渉波の送信局と前記第2の通信端末間の伝達関数を推定する伝達関数推定手段と、前記他システムの通信区間で、前記基地局から前記第2の通信端末に対して受信信号がほぼゼロになるような指向性を用いて前記基地局から前記第1の通信端末に第1の信号を送信する第1の送信手段と、前記他システムの通信区間で、前記第2の通信端末における受信信号と前記伝達関数とに基づいて、前記他システムの通信区間に到来する前記他システムからの干渉波を推定する干渉波推定手段と、前記基地局からの送信を一旦停止し、前記第2の通信端末から前記第1の通信端末へ前記トレー二ング区間の後に到来する同一の信号系列を持つ信号区間を用いて第2の信号を送信する第2の送信手段と、前記第1の通信端末で受信された前記第2の信号と前記伝達関数とに基づいて、前記他システムの通信区間の干渉信号を推定する干渉信号推定手段と、前記干渉信号の推定値と前記第1の信号と前記伝達関数とに基づいて、所望信号を推定する所望信号推定手段とを更に具備することを特徴とする通信システムである。
本発明は、上記の発明において、前記干渉波推定手段により推定された干渉波の変調信号をより多くの多値数を持つ変調方式に変換する変調方式変換手段と、前記干渉信号推定手段により推定された干渉信号の推定値を、前記変調方式変換手段で変換する前の元の変調信号に逆変換し、前記干渉信号の推定値として前記所望信号推定手段に供給する逆変換手段とを更に具備することを特徴とする。
また、上述した課題を解決するために、本発明は、連続的に他システムからの干渉波が到来する環境下で、基地局と第1の通信端末との間で通信を行う際、通信を行っていない第2の通信端末を分散型アレーアンテナとして用いる通信方法において、前記基地局は、2本以上のアンテナ素子を具備し、前記第1の通信端末は、1本のアンテナ素子を具備し、前記第2の通信端末は、前記他のシステムから受信した前記干渉波を、前記他システムの通信局同士で既知となる信号区間を用いて前記第1の通信端末に送信することを特徴とする通信方法である。
また、上述した課題を解決するために、本発明は、連続的に他システムからの干渉波が到来する環境下で、基地局と第1の通信端末との間で通信を行う際、通信を行っていない第2の通信端末を分散型アレーアンテナとして用いる通信方法において、前記他システムのトレーニング区間を利用し、前記基地局と前記第1の通信端末間、前記他システムの干渉波の送信局と前記第1の通信端末間、前記基地局と前記第2の通信端末間、及び前記他システムの干渉波の送信局と前記第2の通信端末間の伝達関数を推定する伝達関数推定ステップと、前記他システムの通信区間で、前記基地局から前記第2の通信端末に対して受信信号がほぼゼロになるような指向性を用いて前記基地局から前記第1の通信端末に第1の信号を送信する第1の送信ステップと、前記他システムの通信区間で、前記第2の通信端末における受信信号と前記伝達関数とに基づいて、前記他システムの通信区間に到来する前記他システムからの干渉波を推定する干渉波推定ステップと、前記基地局からの送信を一旦停止し、前記第2の通信端末から前記第1の通信端末へ前記トレー二ング区間の後に到来する同一の信号系列を持つ信号区間を用いて第2の信号を送信する第2の送信ステップと、前記第1の通信端末で受信された前記第2の信号と前記伝達関数とに基づいて、前記他システムの通信区間の干渉信号を推定する干渉信号推定ステップと、前記干渉信号の推定値と前記第1の信号と前記伝達関数とに基づいて、所望信号を推定する所望信号推定ステップとを含むことを特徴とする通信制御方法である。
本発明は、上記の発明において、前記干渉波推定ステップと前記第2の送信ステップの間に、前記通信区間において推定した干渉波の変調信号をより多くの多値数を持つ変調方式に変換する変調方式変換ステップと、前記干渉信号推定ステップと前記所望信号推定ステップとの間に、前記推定した干渉信号の推定値を前記変調方式変換ステップで変換する前の元の変調信号に逆変換する逆変換ステップとを更に含むことを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記伝達関数推定ステップは、前記トレーニング区間において、前記トレーニング区間を前記第1の通信端末の数をL、前記第2の通信端末の数をMとしたとき、L+M+1個に分割し、前記分割したトレーニング区間の区間1〜区間Lを用いて、前記第2の通信端末への信号がほぼゼロになるように指向性を制御し、前記基地局から前記1番目からL番目の第1の通信端末に信号を送信する第1の区間送信ステップと、前記分割したトレーニング区間の区間L+1〜区間M+Lを用いて、前記1番目からL番目の第1の通信端末への信号がほぼゼロになるように指向性を制御し、前記基地局から前記第2の通信端末に信号を送信する第2の区間送信ステップと、区間M+L+1では、前記基地局の送信を止め、前記第2の通信端末から前記第1の通信端末へ信号を送信する第3の区間送信ステップとを含み、前記第1乃至第3の区間送信ステップにおける各区間での受信信号に基づいて、前記伝達関数を推定することを特徴とする。
この発明によれば、通信を行っていない第2の通信端末を分散アレーアンテナの片側の素子として用いるとともに、連続した他システムからの干渉波の中で既知であるトレーニング区間に、通信を行っていない第2の通信端末から通信中の第1の通信端末に干渉波情報を送信する。したがって、連続したPrimaryシステムにおける干渉条件においても、Secondaryシステムの特性を劣化させず、かつ端末アンテナ素子数が例え1素子であっても、コグニティブ無線を実現することができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、他システムのトレーニング区間を利用し、基地局と第1の通信端末間、他システムの干渉波の送信局と第1の通信端末間、基地局と第2の通信端末間、及び他システムの干渉波の送信局と第2の通信端末間の伝達関数を推定し、他システムの通信区間で、基地局から第2の通信端末に対して受信信号がほぼゼロになるような指向性を用いて基地局から第1の通信端末に第1の信号を送信し、他システムの通信区間で、第2の通信端末における受信信号と伝達関数とに基づいて、他システムの通信区間に到来する他システムからの干渉波を推定し、基地局からの送信を一旦停止し、第2の通信端末から第1の通信端末へトレー二ング区間の後に到来する同一の信号系列を持つ信号区間を用いて第2の信号を送信し、第1の通信端末で受信された第2の信号と伝達関数とに基づいて、他システムの通信区間の干渉信号を推定し、干渉信号の推定値と第1の信号と伝達関数とに基づいて、所望信号を推定する。したがって、連続したPrimaryシステムにおける干渉条件においても、Secondaryシステムの特性を劣化させず、かつ端末アンテナ素子数が例え1素子であっても、コグニティブ無線を実現することができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、推定された干渉波の変調信号をより多くの多値数を持つ変調方式に変換し、推定された干渉信号の推定値を、変換する前の元の変調信号に逆変換する。したがって、一般に、データ区間に比べ短いとされるPrimaryシステムのトレーニング区間内で干渉信号を第2の端末から第1の端末に転送することができ、より効果的に、コグニティブ無線を実現することができるという利点が得られる。
また、この発明によれば、トレーニング区間において、トレーニング区間を第1の通信端末の数をL、第2の通信端末の数をMとしたとき、L+M+1個に分割し、分割したトレーニング区間の区間1〜区間Lを用いて、第2の通信端末への信号がほぼゼロになるように指向性を制御し、基地局から第1の通信端末に信号を送信し、分割したトレーニング区間の区間L+1〜区間M+Lを用いて、第1の通信端末への信号がほぼゼロになるように指向性を制御し、基地局から第2の通信端末に信号を送信し、区間M+L+1では、基地局の送信を止め、第2の通信端末から第1の通信端末へ信号を送信し、第1乃至第3の区間送信ステップにおける各区間での受信信号に基づいて、伝達関数を推定する。したがって、したがって、連続したPrimaryシステムにおける干渉条件においても、Secondaryシステムの特性を劣化させず、かつ端末アンテナ素子数が例え1素子であっても、コグニティブ無線を実現することができるという利点が得られる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
A.第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態による通信方法を説明するためのフローチャートである。また、図2は、本第1実施形態における、Primaryシステムの通信信号のフレームフォーマットの一例を示す概念図である。
本発明では、Primaryシステムの通信信号のフレームフォーマットの性質を利用することが大きな特徴である。図2に示すフレームフォーマットの形式は、FDD(Frequency division Duplex)を用いる移動通信システムで広く用いられている。FDDシステムは、ある1つの通信を想定すると、第1の通信局が周波数f1で送信、周波数f2で受信する。反対に、第2の通信局は、周波数f1で受信し、周波数f2で送信する。また、信号は、基本的には、連続的して送信される。図2には、基地局の送信タイミングを示しており、基地局は、複数の端末と時間を分割して通信を行う。この際、各端末は、一定区間だけで信号を受信しないといけないので、基地局からのタイミングや、キャリアの同期を確保する必要がある。
図2に示すプリアンブルPRは、そのための情報として用いられる。なお、プリアンブルPRは、同期ワードとも呼ばれる。該プリアンブルPRは、一般に、Primaryシステムにおける端末と基地局との間だけで認識されているだけでなく、一般に公開されている。よって、Secondaryシステムが、あるPrimaryシステムがどの周波数を用いているかを事前に認識しておくことができるのと同様に、この信号パターンがどのような変調方式で、かつ、どのようなビットパターンであるかを、Secondaryシステムが事前に認識しておくことができる。また、該プリアンブルPRは、一般に、複数の端末で同じものが用いられ、かつ、その周期も同じである。したがって、Secondaryシステムは、該プリアンブルPRを事前に認識しておくことは容易である。
本発明では、前述した図13に示すような環境を想定した場合、アイドル端末にある端末#2が、時間T1で受信した干渉波の情報を、時間T1と異なる時間T2で送信せざるを得ないとしても、時間T2をトレーニング区間内に設定すれば、トレーニング区間における干渉情報は既知なので、端末#1にとって、時間T2に新たに到来する干渉波は未知の信号とならない。以下に、その制御フローを説明する。
図1において、まず、Primaryシステムのトレーニング区間(図2のPR1)を利用し、AP−端末間、干渉(Primaryシステム)−端末間のチャネル応答(以下、伝達関数と呼ぶ)を推定する(ステップSa1)。図3にその詳細な実現例を示す。図3に示すように、ここでは、アクセスポイントAP−Tx(以下、単にAPとする)と通信を行う1素子のアンテナ素子を持つ端末TS1−Rx(以下、単にTS1とする)と、通信を行っていない端末TS2−Rx(以下、単にTS2とする)とを考える。また、連続してPrimaryシステムの基地局P−Tx(以下、単にPとする)から干渉波が届いてくる環境を想定する。
図3に示すように、まず、プリアンブルPR1を3分割して区間#1、#2、#3とする。この例では、通信を行う端末TS1と通信を行わない端末TS2がそれぞれ1つずつであるので、分割数を3としているが、この分割数は、通信を行う端末数をL、通信を行わない端末数をMとすると、L+M+1個の分割数を必要とする。
前述したように、端末TS1、TS2は、3分割した信号を認識することができる。この3分割した信号をそれぞれ、iP1、iP2、iP3とする。また、この区間では、アクセスポイントAPから端末TS1、TS2へ既知の信号SPを送信するものとする。また、端末TS2から端末TS1へ既知の信号sPを送信するものとする。
図3において、区間#1では、端末TS2への信号が0になるように指向性を制御して信号sPを送信する。区間#2では、端末TS1への信号が0になるように指向性を制御して信号sPを送信する。また、区間#1と区間#2では、端末TS2は、受信モードであり、信号を送信しない。区間#3では、アクセスポイントAPが信号を送信するのを止め、端末TS2から端末TS1へ信号を送信する。以上の手順により、各区間#1、#2、#3で得られる受信信号は、以下の式で与えられる。
Figure 0004806658
Figure 0004806658
Figure 0004806658
Figure 0004806658
Figure 0004806658
上記数式(6)〜(10)より、まず、数式(8)は、iP2が既知であるため、受信信号x1,P2とiP2から、Primaryシステムからの干渉波−端末TS1の間の伝達関数hI1が求められる。この結果を数式(6)に代入すれば、数式(6)において、sP、iP1は既知なので、アクセスポイントAP−端末TS1の間の伝達関数hS1が求められる。同様に、数式(7)からPrimaryシステムからの干渉波−端末TS1の間の伝達関数hI2が求められ、この結果を数式(9)に代入して、アクセスポイントAP−端末TS1の間の伝達関数hS2が求められる。さらに、数式(10)では、hI1が求まっており、sP、iP3は既知なので、端末TS2−端末TS1の間の伝達関数h21を求めることができる。以上により、全ての送受信間の伝達関数を求めることができる。
次に、図1において、Primaryシステムのデータ区間において、アクセスポイントAPから端末TS1に信号を送信する(ステップSa2)。この区間における所望信号と干渉信号とは、それぞれ、sD、iDで与えられるとする。これら所望信号sDと干渉信号iDは、端末TS1と端末TS2で予め認識することができない。このとき、アクセスポイントAPは、端末TS2への受信信号が0になるように指向性を制御して信号を送信する。すなわち、図3における(区間#1)で示される指向性(斜線部分)を用いて送信を行う。この場合、端末TS1と端末TS2とで得られる受信信号は、以下の数式(11)、(12)で与えることができる。
Figure 0004806658
Figure 0004806658
ここで、数式(12)において、hI2は、既に求められているので、干渉信号iDは、端末TS2で、以下の数式(13)により推定することができる(ステップSa3)。
Figure 0004806658
チルダ(〜)iDは、推定されたデータ区間の干渉信号を表している。
次の手順として、図1に示すように、端末TS2から端末TS1へ次のトレーニング区間以降(図2のPR2以降)の区間を用いて信号を送信する(ステップSa4)。このとき、アクセスポイントAPからは信号を送信しない。これにより、端末TS1では、次式(14)で表わされる受信信号を得る。ここで、iPは、端末TS1で既知のトレーニング区間PR2以降の干渉信号である。
Figure 0004806658
上記数式(14)において、チルダ(〜)iD以外は、ステップSa1で推定もしくは既知であるので、チルダ(〜)iDを端末TS1でも推定できる(ステップSa5)。この推定値をチルダ(〜)iD’とすると、これは、数式(14)より以下の数式(15)で与えることができる。
Figure 0004806658
最後に、この結果をデータ区間で得られた端末TS1の受信信号の数式(11)に代入し、所望信号を推定する(ステップSa6)。数式(11)を変形すると、所望信号の推定値チルダ(〜)SDは、以下の数式(16)で与えることができる。
Figure 0004806658
上述したように、本第1実施形態では、FDD信号のような連続したPrimaryシステムからの干渉波が存在する環境であっても、Primaryシステムのトレーニング区間とアイドル端末を利用することで、所望信号を推定することができる。また、この場合、アクセスポイントAPだけでなく、1本の端末アンテナでも干渉波を低減できるので、FDDのようなシステムを想定した場合、Primaryシステムが送信する周波数を用いて干渉がキャンセルできるので、Secondaryシステムの送信時には、Primaryシステムヘは干渉を与えない。すなわち、従来の問題点で述べたPrimaryシステムヘの与干渉問題も回避できる。
ここまでの説明では、説明の簡単化のため、通信端末が1台だけ存在する場合の説明を行ったが、本発明は、通信端末が1台のみの場合に限定されるものではない。むしろ、通信端末が複数存在する場合、本発明の効果が特に有効となる。これは、通信端末が、同じ干渉信号を受けるため、非通信端末(TS2)から複数の通信端末への干渉信号の転送を同時に行うことができるため、アクセスポイントAPに通信端末が同時に接続されている場合、複数の端末に対し、1回の干渉波の転送で同時に複数の端末を救済できるという利点があるためである。
B.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
上述した第1実施形態による方法により、分散アレーを用いた連続的な干渉除去が可能となるが、実際には、図2に示すように、一般にPrimaryシステムのデータ区間は、トレーニング区間よりもかなり長い時間を用いている。基地局と端末間の同期確保のために、ある程度の長さのトレーニング区間は必要であるが、これをあまりに長くしすぎると、通信効率が低下するためである。例えば、移動通信システムの代表例であるGSM(Global System for Mobile Communications)では、データ区間とトレーニング区間との比が約4:1〜5:1程度となっている。すなわち、前述したように、トレーニング区間で端末TS2から端末TS1にデータを送信するためには、実際システムでは、何らかの工夫が必要となる。これを解決するための手段を以下に説明する。
図4(a)〜(c)は、本第2実施形態による通信方法での変調方式の再配置の例を示す概念図である。前述したように、Primaryシステムは、従来からサービスが開始されているシステムであり、それらのシステムが古くから運用されている場合、そこで用いられている変調方式は、一般に周波数利用効率の低い変調方式である。このようなシステムでは、GMSK(Gaussian filtered Minimum Shift Keying)や、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK(Quartered Phase Shift Keying)などの変調方式が採用されているが、これらは1回のデータ送信(1シンボル)あたりに送ることのできるデータは1〜2ビットである。
一方、近年開発された無線LAN(Local Area Network)などのシステムでは、BPSKといった効率の悪い変調方式だけでなく、16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation)、64QAMのような非常に周波数利用効率の高い変調方式も用いることができるようになっている。16QAMでは、1回のデータ送信当たりに送ることのできるデータは、4ビットであり、64QAMでは、1回のデータ送信当たりに送ることのできるデータは、6ビットとなる。すなわち、Secondaryシステムで、このような高機能な変調方式を用いた送信が実現できれば、データ区間より短いトレーニング区間でも、端末TS2から端末TS1へ信号を送ることができる。
図4に示す例は、図4(a)に示すBPSKから同図(b)に示す16QAMへの変調信号のリマッピングを示している。前述した図1のステップSa3で、端末TS2により得られた干渉信号がBSPKだったとすると、この信号を端末TS2で一旦別の変調方式に変更する。例えば、図4(c)に示すように、得られた信号パターンが4つの時刻t1〜t4において、1、−1、1、1というパターンであったとすると、新たに配置されるマッピングは、図4(c)に示す16QAMの位置に再配置され、時刻t1のみでこれらの情報を一度に伝送できる。
このように再配置した変調信号を端末TS2から端末TS1に送信する。前述した図1のステップSa5で、端末TS1により得られた干渉信号に対し、反対に先の手順と反対の操作を行う。すなわち、この例では、16QAMの信号をBSPKに再変換する。これらの操作により、このBPSK信号の干渉波は、一旦、16QAMに変換されるものの、最終的には、元のBPSK信号に戻り、図1のステップSa6は、問題なく実現できる。このデータの送信に要する短縮率であるが、例えば、BPSKや、GMSKの信号を16QAMに変換する場合で1/4に、64QAMへの変換で1/6となる。QPSKを64QAMに変換する場合で1/3となる。したがって、本第2実施形態による変調信号のリマッピングは、効率的にアイドル端末から通信端末へ干渉信号を送信するのに有効な役割を果たす。
図4(c)に示したように、データを多値変調化するなどして端未間で送受信できれば、短いトレーニング区間で干渉信号の情報のやりとりを行うことが可能であるが、実際には、端未間でどの程度の多値変調の値を用いるかは、端末間の距離、すなわち受信レベルに依存する。よって、多値変調の値の選択によっては、Secondaryシステムのデータ送信に、必ずしもPrimaryシステムの全部のデータ区間を用いることはできず、この区間を決める必要がある。
図5は、本第2実施形態による、データ区間を決定するための方法手順を説明するためのフローチャートである。端末間のおおよその受信レベルを推定する手段としては、図3で述べた伝達関数の推定区間において、端末TS2(非通信端末)から端末TS1(通信端末)に信号を送信した際の受信レベルを求めることで得られる(ステップSb1)。また、どの程度の多値変調を用いることができるかは、システムの受信レベルとの対応があり、この対応から、端末TS2(非通信端末)から端末TS1(通信端末)の送受信に用いる変調方式を決定する(ステップSb2)。
図6(a)、(b)は、IEEE802.11aにおける受信レベルと使用可能な変調方式との関係の一例を示す概念図である。図6(a)、(b)に示すように、受信レベルと使用可能な変調方式とには一定の関係がある。したがって、受信レベルに応じて、通信に用いる変調方式が選択できる。例えば、受信レベルが−82dBmであれば、変調方式としてBPSK(R=1/2)が選択でき、受信レベルが−79dBmであれば、変調方式としてQPSK(R=1/2)が選択できる。
ここで得られた受信レベルが、図4で示した再変調可能な変調多値数を決める。よって、端末TS2(非通信端末)から端末TS1(通信端末)に送られる信号の受信レベルとPrimaryシステムが用いている変調方式とトレーニング長とに応じて、アクセスポイントAPが実際にPrimaryシステムのデータ区間でどの程度の長さの信号を端末に送ることができるかを決定できる。具体的には、以下の数式(17)でSecondaryシステムのデータ区間長を決めることができる。
Figure 0004806658
以上より、端末TS2から端末TS1への伝達関数推定に応じて、SecondaryシステムのアクセスポイントAPから端末TS1へのデータ区間長を決めることができる。
次に、伝達関数の推定方法について説明する。
図3で説明した伝達関数の推定方法を用いれば、Primaryシステムのトレーニング区間を効果的に利用して伝達関数を推定できるが、実際には、できる限り、この区間は、通信を行っていない端末TS2から通信中への端末TS1へ干渉情報を送信する時間として用いたい。以下の方法は、この点を改善することを目的としており、この方法によりデータ区間において、伝達関数を推定することが可能となる。以下に、その方法を説明する。
端末TS2から端末TS1への通信時に、プライマリシステムの送信局と端末局TS1との間の伝達関数(時刻t’)、端末局TS2と端末局TS1との間の伝達関数(この推定は必要ないが、iDを推定するために必要)、端末局TS2から端末局TS1に送信されたiDは推定できる。その後、データ信号を端末局TS1で復号する際に、プライマリシステムの送信局と端末局TS1との間の伝達関数(時刻t、iDを利用して推定)を推定する。データ信号は、Secondaryシステムの送信局と端末局との間の伝達関数を同時推定する。
B.第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
上述した第1、第2実施形態では、PrimaryシステムがBPSKや、GMSKなどの周波数利用効率が低い変調方式の場合を想定していた。しかしながら、Primaryシステムが比較的新規のシステムである場合、QAMなどの多値変調も用いることが考えられる。また、Primaryシステムがディジタル信号ではなく、テレビ放送のようなアナログ信号であると考えられる。こういった環境では、データを量子化することで、図4と等価なデータ送信時間の短縮を実現する。
図7は、本第3実施形態による、アイドル端末の代わりに専用の分散アレーを用いる構成例を示す概念図である。前述したように、端未間で干渉信号の情報を送受信する場合、できるだけ短い時間で、そのやりとりが終了することが望ましいことから、その方法として多値変調を用いることが望ましい。こういった多値変調を用いることは、端末間の距離がかなり近いことが前提となる。具体的な例でいうと、無線LANの規格であるIEEE802.11aで、64QAM信号を伝送するための通信距離は、屋内環境で約23m程度であり、かなり短いといえる。
そこで、図7に示すように、通信端末2を分散アレーとして用いるのではなく、干渉受信専用の高い利得のアンテナ、もしくは、分散アレー用の複数のアンテナを用いる。水平面内のビーム幅を狭くせずにアンテナの利得を向上させる手法としては、コリニアアレーを用いて垂直面のビーム幅を狭くする方法などが用いられる。このようなアンテナを干渉波受信用のアンテナとすれば、通信端末2よりも、通信端末1に送信する信号への受信レベルを高くすることが可能となる。すなわち、多値変調で干渉信号の情報を送信できる可能性が高くなる。
上述した第1乃至第3実施形態によれば、通信を行っていない通信端末を分散アレーアンテナの片側の素子として用いるとともに、連続したPrimaryシステムからの干渉波の中で、すべての局で既知であるトレーニング区間を利用して、このトレーニング区間に、通信を行っていない通信端末から通信中の端末に干渉情報を送信することで、連続したPrimaryシステムにおける干渉条件においても、Secondaryシステムの特性を劣化させず、かつ端末アンテナ素子数が例え1素子であっても、コグニティブ無線を実現することができる。
本発明の第1実施形態による通信方法を説明するためのフローチャートである。 本第1実施形態における、Primaryシステムの通信信号のフレームフォーマットの一例を示す概念図である。 本第1実施形態における、伝達関数を推定する方法を説明するための概念図である。 本発明の第2実施形態による通信方法での変調方式の再配置の例を示す概念図である。 本第2実施形態による、データ区間を決定するための方法手順を説明するためのフローチャートである。 IEEE802.11aにおける受信レベルと使用可能な変調方式との関係の一例を示す概念図である。 本第3実施形態による、アイドル端末の代わりに専用の分散アレーを用いる構成例を示す概念図である。 コグニティブ無線技術の概要を説明するための概念図である。 信号の周期定常性(Cyclostationary)を利用した検出方法を説明するための概念図である。 アダプティブアレーの基本構成を示すブロック図である。 分散型アレーアンテナを適用した環境を示す概念図である。 分散型アレーアンテナの構成を示す概念図である。 分散型アレーアンテナを用いた場合の問題を説明するための概念図である。
符号の説明
AP アクセスポイント(基地局)
TS1 通信端末(第1の通信端末)
TS2 通信端末(第2の通信端末)
PR1〜PR3 プリアンブル区間(トレーニング区間)

Claims (5)

  1. 連続的に他システムからの信号が到来する環境下で、基地局と第1の通信端末との間で通信を行う際、通信を行っていない第2の通信端末を分散型アレーアンテナとして用いる通信システムであって
    前記基地局は、
    前記他システムの通信区間において、前記基地局から前記第2の通信端末に対する受信信号がほぼゼロになるような指向性を用いて前記基地局から前記第1の通信端末に対して所望信号を送信する第1の送信手段を備え、
    前記第1の通信端末は、
    前記他システムのトレーニング区間を利用し、前記基地局と前記第1の通信端末とのの第1の伝達関数及び前記他システムの送信局と前記第1の通信端末との間の第2の伝達関数を推定する第1の伝達関数推定手段と、
    前記第1の通信端末で受信された前記第2の通信端末により送信された第2の干渉信号と前記第1及び第2の伝達関数とに基づいて、前記他システムの通信区間の第1の干渉信号を推定する第1の干渉信号推定手段と、
    前記第1の干渉信号推定手段により推定された前記第1の干渉信号と前記基地局から受信した信号と、前記第1の伝達関数推定手段により推定された前記第1及び第2の伝達関数とに基づいて、前記所望信号を推定する所望信号推定手段とを備え、
    前記第2の通信端末は、
    前記他システムのトレーニング区間を利用し、前記他システムの送信局と前記第2の通信端末との間の第3の伝達関数を推定する第2の伝達関数推定手段と、
    前記他システムの通信区間において、前記第2の通信端末における受信信号と前記第3の伝達関数とに基づいて、当該他システムの通信区間に到来する前記他システムからの前記第2の干渉信号を推定する第2の干渉信号推定手段と、
    前記基地局送信一旦停止している区間であって、前記第2の通信端末から前記第1の通信端末に対して前記トレーング区間以降のトレーニング区間を用いて前記第2の干渉信号推定手段が推定した前記第2の干渉信号を送信する第2の送信手段とを備えた
    ことを特徴とする通信システム。
  2. 前記第2の通信端末は、
    前記第2の干渉信号推定手段により推定された前記第2の干渉信号の変調信号をより多くの多値数を持つ変調方式に変換する変調方式変換手段をさらに備え、
    前記第1の通信端末は、
    前記第1の干渉信号推定手段により推定された前記第1の干渉信号の推定値を、前記変調方式変換手段で変換する前の元の変調信号に逆変換し、前記干渉信号の推定値として前記所望信号推定手段に供給する逆変換手段をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項記載の通信システム。
  3. 連続的に他システムからの信号が到来する環境下で、基地局と第1の通信端末との間で通信を行う際、通信を行っていない第2の通信端末を分散型アレーアンテナとして用いる通信方法であって
    前記基地局は、
    前記他システムの通信区間において、前記基地局から前記第2の通信端末に対する受信信号がほぼゼロになるような指向性を用いて前記基地局から前記第1の通信端末に対して所望信号を送信する第1の送信ステップを有し、
    前記第1の通信端末は、
    前記他システムのトレーニング区間を利用し、前記基地局と前記第1の通信端末とのの第1の伝達関数及び前記他システムの送信局と前記第1の通信端末との間の第2の伝達関数を推定する第1の伝達関数推定ステップと、
    前記第1の通信端末で受信された前記第2の通信端末により送信された第2の干渉信号と前記第1及び第2の伝達関数とに基づいて、前記他システムの通信区間の第1の干渉信号を推定する第1の干渉信号推定ステップと、
    前記第1の干渉信号推定ステップにより推定された前記第1の干渉信号と前記基地局から受信した信号と、第1の伝達関数推定ステップにより推定された前記第1及び第2の伝達関数とに基づいて、前記所望信号を推定する所望信号推定ステップとを有し、
    前記第2の通信端末は、
    前記他システムのトレーニング区間を利用し、前記他システムの送信局と前記第2の通信端末との間の第3の伝達関数を推定する第2の伝達関数推定ステップと、
    前記他システムの通信区間において、前記第2の通信端末における受信信号と前記第3の伝達関数とに基づいて、当該他システムの通信区間に到来する前記他システムからの前記第2の干渉信号を推定する第2の干渉信号推定ステップと、
    前記基地局送信一旦停止している区間であって、前記第2の通信端末から前記第1の通信端末に対して前記トレーング区間以降のトレーニング区間を用いて前記第2の干渉信号推定ステップが推定した前記第2の干渉信号を送信する第2の送信ステップとを有する
    ことを特徴とする通信方法。
  4. 前記第2の通信端末は、
    前記第2の干渉信号推定ステップにより推定された前記第2の干渉信号の変調信号をより多くの多値数を持つ変調方式に変換する変調方式変換ステップをさらに有し、
    前記第1の通信端末は、
    前記第1の干渉信号推定ステップにより推定された前記第1の干渉信号の推定値を、前記変調方式変換ステップで変換する前の元の変調信号に逆変換し、前記干渉信号の推定値として前記所望信号推定ステップに供給する逆変換ステップをさらに有する
    ことを特徴とする請求項記載の通信方法。
  5. 前記基地局は、
    前記トレーニング区間において、前記トレーニング区間を前記第1の通信端末の数をL、前記第2の通信端末の数をMとしたとき、L+M+1個に分割し、前記分割したトレーニング区間の区間1〜区間Lを用いて、前記第2の通信端末への信号がほぼゼロになるように指向性を制御し、前記基地局から前記1番目からL番目の第1の通信端末に信号を送信する第1の区間送信ステップと、
    前記分割したトレーニング区間の区間L+1〜区間M+Lを用いて、前記1番目からL番目の第1の通信端末への信号がほぼゼロになるように指向性を制御し、前記基地局から前記第2の通信端末に信号を送信する第2の区間送信ステップとをさらに有し、
    前記第2の通信端末は、
    前記基地局の送信を止める前記区間M+L+1において、前記第2の通信端末から前記第1の通信端末へ信号を送信する第3の区間送信ステップをさらに有し、
    前記第1または第2の伝達関数推定ステップは、前記第1から第3の区間送信ステップにる各区間受信信号に基づいて、前記伝達関数を推定することを特徴とする請求項記載の通信方法。
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