JP4798924B2 - ヒドロキシカルボニル−ハロゲノアルキル側鎖を有する化合物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、経口投与によると活性が低い化合物、抗腫瘍活性化合物、エストロゲン活性化合物、あるいはアンチ−エストロゲン活性化合物の経口活性を著しく向上させ得るヒドロキシカルボニル−ハロゲノアルキル誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
エストロゲンのような特定の性ステロイドホルモンに起因する組織異常成長(abnormal tissue growth)によって惹起された疾患の治療には、この性ステロイドホルモンによって誘導される効果を顕著に抑制したり、さらに望ましくは完全に除去することが極めて重要である。このような目的を達成するためには、性ステロイドホルモン受容体部位(receptor site)で作用し得るホルモンのレベルを減少せしめることが望ましく、例えば代替療法や併用療法として、エストロゲンの産生を受容体部位の活性化に必要な量未満に制限するようアンチ−エストロゲン薬物を投与する方法が用いられる。しかしながら、エストロゲンの生成を遮断するためのこの従来技術の方法はエストロゲン受容体を通じて誘導される作用を充分に抑制することはできなかった。実際に、エストロゲンの全くない場合にも、一部の受容体は活性化され得る。従って、エストロゲンアンタンゴニストは性ステロイドホルモンの生成だけを遮断する方法に比較して、より良好な治療結果を提供することができると考えられた。これにより、種々のエストロゲンアンタゴニストが開発されてきた。例えばアメリカ合衆国特許第4,760,061号公報、同4,732,912号公報、同4,904,661号公報、同5,395,842号公報及びWO 96/22092号公報などを含む多くの特許文献には、種々のアンチーエストロゲン化合物が開示されている。しかし、従来技術のアンタゴニストは一部の場合には、それ自体がアゴニストとしても作用し得るため、受容体を遮断するというよりむしろ活性化させることもあり得る。例えばタモキシフェン(Tamoxifen)はアンチ−エストロゲン薬物として最も広く用いられているが、一部の器官ではエストロゲン活性を示すなどの問題点がある(参照:M. Harper and A. Walpole, J. Reprod. Fertil., 1967, 13, 101)。
【0003】
その他の非ステロイド性アンチ−エストロゲン化合物として、WO93/10741号公報にはアミノエトキシフェニル置換基を有するベンゾピラン誘導体が開示されており(Endorecherche)、このような誘導体の代表的な化合物としては次の構造を有するEM-343などがあるが、これら化合物もアゴニスト効果を有している。したがって、アゴニスト効果を実質的に、もしくは全く有せず、そしてエストロゲン受容体を効果的に遮断し得るアンチ−エストロゲン化合物の開発が望まれている。
【0004】
【化13】
【0005】
アゴニスト作用のない、ステロイド性アンチ−エストロゲン剤としては、エストラジオールの7α−置換誘導体、たとえば7α-(CH2)10CONMeBu誘導体、がアンチ−エストロゲン作用を示すことが知られている(参照:欧州特許出願公開第0138504号公報, アメリカ合衆国特許第4,659,516号公報)。さらに、エストラジオールの7α−置換誘導体として、7α-(CH2)9SOC5H6F5誘導体も開示されている(参照:Wakeling et al., Cancer Res., 1991, 51, 3867)。
【0006】
アゴニスト効果のない非ステロイド性アンチ−エストロゲン薬物は、1987年にワクリング(Wakeling)らによって最初に報告された(参照:A. Wakeling and Bowler, J. Endocrinol., 1987, 112, R7)。一方、アメリカ合衆国特許第4,904,661号公報には、アンチ−エストロゲン活性を有するフェノール誘導体が開示されている。このフェノール誘導体は一般にナフタレン骨格を有しており、代表的な化合物としては次の化合物がある。
【0007】
【化14】
【0008】
さらに、クロマン誘導体、チオクロマン誘導体についてもアゴニスト作用のないアンチ−エストロゲン化合物が知られ、WO98/25916号公報に開示されている。ところで、これまでに公知となったアゴニスト作用のないアンチ−エストロゲン化合物は、静脈内に直接あるいは皮下に投与した場合はかなりの治療効果が期待されるものの、経口投与では静脈内投与あるいは皮下投与の場合と比べ生物学的利用率が低く、治療効果が大きく減弱することが問題であった。そこで、薬物を処方する際の利便性を考慮した場合、経口投与においても十分に強い効果をしめすアゴニスト作用のないアンチ−エストロゲン化合物の開発が望ましい。また、一般的にも、経口投与で十分に強い効果を示す薬物の開発が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、経口投与によると活性が低い化合物、抗腫瘍活性化合物、エストロゲン活性化合物、あるいはアンチ−エストロゲン活性化合物の経口活性を、腸管吸収や代謝安定性を向上させることにより著しく向上させ得るヒドロキシカルボニル−ハロゲノアルキル誘導体を提供することである。
【0010】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、一般式(1)で表される側鎖を、エストロゲン活性を有する化合物の母核に付与することにより、著しく経口活性が向上することを見出し、本発明を完成させた。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、経口活性の低い化合物もしくはその母核を有する基と、一般式(1)
【0012】
【化15】
【0013】
(式中、R1は、水素原子、または塩を形成する金属を表す。
R2は、炭素数1〜7の直鎖もしくは分枝鎖状のハロゲノアルキル基を表す。
mは、2〜14の整数を表す。
nは、2〜7の整数を表す。)で示される基が、化学的結合により結合している化合物、その光学異性体またはこれらの水和物または薬学的に許容し得る塩(ただし、経口活性の低い化合物もしくはその母核を有する基が、下記式(3)、(4)、(17)、(18)、(19)、(20)、(25)、(26)
【0014】
【化16】
【0015】
【0016】
である場合を除く)を提供するものである。
また、本発明は、抗腫瘍活性化合物もしくはその母核を有する基と、一般式(1)
【0017】
【化17】
【0018】
(式中、R1は、水素原子、または塩を形成する金属を表す。
R2は、炭素数1〜7の直鎖もしくは分枝鎖状のハロゲノアルキル基を表す。
mは、2〜14の整数を表す。
nは、2〜7の整数を表す。)で示される基が、化学的結合により結合している化合物、その光学異性体またはこれらの水和物または薬学的に許容し得る塩(ただし、抗腫瘍活性化合物もしくはその母核を有する基が、下記式(3)、(4)、(17)、(18)、(19)、(20)、(25)、(26)
【0019】
【化18】
【0020】
【0021】
である場合を除く)も提供する。
また、本発明は、エストロゲン活性化合物もしくはその母核を有する基またはアンチ−エストロゲン活性化合物もしくはその母核を有する基と、一般式(1)
【0022】
【化19】
【0023】
(式中、R1は、水素原子、または塩を形成する金属を表す。
R2は、炭素数1〜7の直鎖もしくは分枝鎖状のハロゲノアルキル基を表す。
mは、2〜14の整数を表す。
nは、2〜7の整数を表す。)で示される基が、化学的結合により結合している化合物、その光学異性体、またはこれらの水和物もしくは薬学的に許容し得る塩(ただし、エストロゲン活性化合物もしくはその母核を有する基またはアンチ−エストロゲン活性化合物もしくはその母核を有する基が、下記式(3)、(4)、(17)、(18)、(19)、(20)、(25)、(26)
【0024】
【化20】
【0025】
【0026】
である場合を除く)も提供する。
また、本発明は、 一般式(2)
【0027】
【化21】
【0028】
(式中、R1は、水素原子、または塩を形成する金属を表す。
R2は、炭素数1〜7の直鎖もしくは分枝鎖状のハロゲノアルキル基を表す。
mは、2〜14の整数を表す。
nは、2〜7の整数を表す。
Aは、下記式(5)〜(8)、(10)〜(16)および(21)〜(24)、
【0029】
【化22】
【0030】
【化23】
【0031】
【化24】
【0032】
【化25】
【0033】
から選択される基を表す。ここで、式(6)、(7)、(14)および(24)において、R3およびR6は、炭素数1〜5の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基を表す。式(10)、(11)および(12)において、Z10は、水素原子もしくはアシル基を表す。式(13)、(21)および(22)において、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、または炭素数1〜5の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基を表す。式(15)において、R7は、水素原子、炭素数1〜5の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基を表す。式(16)において、Z7、Z8、Z9は、それぞれ独立して、水素原子または水酸基を表す。式(23)において、R21、R22、R23、R24は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜5の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基、炭素数1〜7の直鎖もしくは分枝鎖状のハロゲノアルキル基、ハロゲンまたはアシル基を表す。)で示される化合物、その光学異性体、またはこれらの水和物もしくは薬学的に許容し得る塩も提供する。
【0034】
また、本発明は、一般式(2)で示される化合物を有効成分として含有する医薬を提供する。さらに、本発明は、上記化合物を有効成分として含有するアンチ−エストロゲン活性を有する薬剤組成物を提供する。また、本発明は一般式(2)で示される化合物を有効成分とする乳がん治療剤を提供する。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明において、「母核」とは、同じもしくは類似の薬理効果または物理化学的性質を示す化合物群が共通して保有する部分構造をいう。かかる母核には、ステロイド、インドール、ナフタレン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾピラン、ベンゾオキサジン、3,4−ジフェニル−[4.3.0]ノナン、4−(1,2−ジフェニル−1−ブテニル)フェノール、フラボン、エリスロマイシン、アルカロイド、セファロスポリン、β−ラクタムなど、あるいは、これらから誘導される構造などが含まれる。
【0036】
経口活性の低い化合物とは、腸管吸収性が低かったり、体内での代謝が速いために経口投与によっては所望の薬理作用について十分な活性を得られない化合物をいい、かかる化合物には、ある種の抗腫瘍活性化合物、エストラジオールなどのある種のエストロゲン活性化合物、アンチ−エストロゲン活性化合物などが含まれる。
【0037】
抗腫瘍活性化合物には、腫瘍増殖を抑制し得る化合物全般が含まれ、経口活性の低い化合物については、特に本発明による効果が期待できる。
エストロゲン活性化合物とは、エストロゲンレセプターに親和性を有し、エストロゲンレセプターを介したシグナルを亢進させる化合物をいい、例えば、エストラジオールなどがあげられる。
【0038】
アンチ−エストロゲン活性化合物とは、エストロゲンの薬理作用に拮抗する作用を有する化合物をいい、例えば、前述の従来技術において紹介されるような化合物があげられる。
【0039】
また、本発明は、経口活性の低い化合物、抗腫瘍活性化合物、エストロゲン活性化合物、またはアンチ−エストロゲン活性化合物を有する基、あるいは、これら化合物の母核を有する基と一般式(1)で示される基が化学的結合により結合している化合物を提供するものであるが、ここでいう「化学的結合」には、共有結合などが含まれ、具体的には、C−C結合、C−O結合、C−N結合などがあげられ、これら結合が可能な限り、上記化合物もしくはその母核を有する基の構造上の制約はない。代謝安定性を向上させて経口活性を向上させるにはC−C結合が好ましい。
【0040】
R1における、塩を形成する金属としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、セリウム、サマリウムなどの希土類金属、その他、亜鉛、スズなどが挙げられ、アルカリ金属、アルカリ土類金属が好ましい。
【0041】
R1としては、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属が好ましい。
R2における、炭素数1〜7の直鎖もしくは分枝鎖状のハロゲノアルキル基におけるハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられるが、フッ素が好ましい。また、ハロゲン原子の数は1以上であればよい。2以上のハロゲン原子を有している場合には、それらが同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましく、特にパーハロゲノアルキルであることが好ましい。また、ここでいう炭素数1〜7の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキルとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、 n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチルなどが挙げられ、炭素数1〜4の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル、即ち、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチルが好ましい。
【0042】
R2における、炭素数1〜7の直鎖もしくは分枝鎖状のパーハロゲノアルキル基としては、パーハロゲン化された上記の炭素数1〜7の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基が挙げられ、なかでも、パーフルオロ化されたものが好ましい。また、パーハロゲン化された炭素数1〜5の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基が好ましく、また、一般式(9)
【0043】
【化26】
【0044】
(式中、R4およびR5は、同一または異なって、炭素数1〜3の直鎖もしくは分枝鎖状のパーハロゲノアルキル基を表す。)も好ましい。なかでも、パーフルオロ化されたものが好ましい。具体的には、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基が特に好ましい。
【0045】
一般式(2)において、R2が一般式(9)で示される基を表す場合、R4およびR5の炭素数1〜3の直鎖もしくは分枝鎖状のパーハロゲノアルキル基としては、パーハロゲン化された上記の炭素数1〜3の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基が挙げられ、なかでもパーフルオロ化されたものが好ましい。また、パーハロゲン化された炭素数1のアルキル基が好ましく、なかでも、パーフルオロ化されたものが好ましい。具体的にはパーフルオロメチル基が好ましい。
【0046】
一般式(2)において、R2が一般式(9)で表される基である場合、 R2としては、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル基が好ましい。
R2は以上のような定義を有するが、R2としては、パーフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル基が好ましい。
【0047】
本発明における、炭素数1〜5の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基としてはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、 n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピルなどがあげられる。
【0048】
本発明における、炭素数2〜5の直鎖もしくは分枝鎖状のアルケキル基としてはビニル、アリル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニルなどがあげられる。
【0049】
本発明における、炭素数2〜5の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキニル基としてはエチニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニルなどがあげられる。
【0050】
本発明におけるアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、カプロイル基、フェニルアセチル基などのアルキルカルボニル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基などのアルケニルカルボニル基、ベンゾイル基などのアリールカルボニル基などが挙げられる。
【0051】
また、R21、R22、R23及びR24における炭素数1〜7の直鎖もしくは分枝鎖状のハロゲノアルキル基としては、上記R2において例示したものと同様なものが挙げられる。
【0052】
Aとしては式(5)〜(8)、(10)〜(16)および(21)〜(24)で示される基のいずれも好ましく、特に、式(5)〜(6)及び(23)で示される基が好まい。
【0053】
mは4〜10の整数が好ましい。
nは2〜7のいずれも好ましい。
本発明の化合物を構成する基の一方である一般式(1)で示される基には不斉点が存在する。また他方には不斉点が存在する場合がある。さらに、本発明の一般式(2)で示される化合物には、一般式(1)で示される基の不斉点に加え、さらに基Aに不斉点が存在する場合がある。そのため、これら本発明化合物には光学異性体が存在するが、それぞれの光学異性体、およびそれらの混合物は全て本発明に含まれる。また、一般式(1)または(2)におけるカルボン酸もしくはカルボン酸金属塩の結合する炭素についてRまたはS配置である化合物はいずれも好ましい。
【0054】
一般式(2)で示される化合物としては、R1が水素原子、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属であり;R2が、パーフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、または1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル基であり;mが4〜10の整数であり;nが2〜6の整数である化合物が好ましい。
【0055】
本発明の化合物は水和物として得ることもできる。
薬学的に許容しうる塩としては、前記の金属塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などがあげられる。
【0056】
本発明に包含される化合物は、1種もしくはそれ以上の薬学的に許容し得る希釈剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、補助剤、防腐剤、緩衝剤、結合剤、安定剤等を含む薬学的組成物として、目的とする投与経路に応じ、適当な任意の形態にして投与することができる。投与経路は非経口的経路であっても経口的経路であってもよい。
【0057】
本発明化合物の投与量は、患者の体型、年齢、体調、疾患の度合い、発症後の経過時間等により、適宜選択することができるが、著しく優れた経口活性が期待できるので、例えば、経口投与の場合には、一般に0.1〜500mg/day/personの用量で使用され、非経口投与(静注、筋注、皮下注)の場合には、一般に0.1〜1000mg/day/personから0.1〜1000mg/month/personの用量で使用される
一般式(1)で示される化合物、なかでも、一般式(2)で示される化合物は、下記反応図式A〜Kおよび1〜19のいずれかに図示されている方法によって製造することができる。なお、反応図式A〜Kおよび1〜19(方法A〜Kおよび1〜19)において、R2、R3、R6、R7、Z1、 Z2、 Z3、 Z4、 Z5、 Z6、Z7、Z8、Z9、 Z10、m、nは一般式(1)または(2)に定義したとおりであり;R11、R12、R13 、R16は保護基を示し;R33は、直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基を示し; Y1、 Y2、 Y3、 Y4、 Y5、 Y6は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基(例えば炭素数1〜5の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基)またはOR11を示し;L1、L2は脱離基を示し;Xはハロゲンを示し;m1はm−2である;R8は炭素数1〜5の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基、炭素数2〜5の直鎖もしくは分枝鎖状のアルケニル基または炭素数2〜5の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキニル基を表す。
【0058】
また、本発明化合物は不斉炭素原子を有するので、種々の立体異性体が存在する。ある立体異性体を単一に得るためには、立体異性体の混合物をキラルカラムを用いて分割する方法および不斉合成による方法がある。キラルカラムを用いる方法は、例えば、CHIRALPAK−OT(+),OP(+),AD,CHIRALCEL−OA,OB,OJ,OK,OC,OD,OF,OG等(商品名:ダイセル社製)を用いて行なわれる。不斉合成の例として、本発明化合物の側鎖カルボキシル基が結合した炭素原子についての不斉合成例を方法14〜16において説明する。
反応図式A(方法A)
【0059】
【化27】
【0060】
(注)化合物(I)は、J.Org.Chem.,60(1995)5316−5318に記載された方法により合成することができる。
反応図式B(方法B)
【0061】
【化28】
【0062】
反応図式C(方法C)
【0063】
【化29】
【0064】
反応図式D(方法D)
【0065】
【化30】
【0066】
反応図式E(方法E)
【0067】
【化31】
【0068】
(注)化合物(XXI)は、DE4218743A1に記載された方法により合成することができる。
反応図式F(方法F)
【0069】
【化32】
【0070】
反応図式G(方法G)
【0071】
【化33】
【0072】
反応図式H(方法H)
【0073】
【化34】
【0074】
反応図式I(方法I)
【0075】
【化35】
【0076】
反応図式J(方法J)
【0077】
【化36】
【0078】
反応図式K(方法K)
【0079】
【化37】
【0080】
反応図式1(方法1)
反応図式2(方法2)
【0081】
【化38】
【0082】
反応図式3(方法3)
【0083】
【化39】
【0084】
反応図式4(方法4)
【0085】
【化40】
【0086】
反応図式5(方法5)
【0087】
【化41】
【0088】
反応図式6(方法6)
反応図式6
【0089】
【化42】
【0090】
反応図式7(方法7)
反応図式7
【0091】
【化43】
【0092】
反応図式8(方法8)
反応図式8
【0093】
【化44】
【0094】
反応図式9(方法9)
反応図式9(方法9)
【0095】
【化45】
【0096】
R8は、炭素数1〜5の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基、炭素数2〜5の直鎖もしくは分枝鎖状のアルケニル基または炭素数2〜5の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキニル基を表す。Mは金属を表す。
反応図式10(方法10)
反応図式10(方法10)
【0097】
【化46】
【0098】
R8は、炭素数1〜5の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基、炭素数2〜5の直鎖もしくは分枝鎖状のアルケニル基または炭素数2〜5の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキニル基を表す。Mは金属を表す。
反応図式11(方法11)
反応図式11(方法11)
【0099】
【化47】
【0100】
反応図式12(方法12)
【0101】
【化48】
【0102】
Y1、 Y2、 Y3は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基(例えば炭素数1〜5の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基)またはOR11を示し、Z1、Z2、Z3はそれぞれ独立して、水素原子、水酸基、または炭素数1〜5の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基を表す。
反応図式13(方法13)
【0103】
【化49】
【0104】
Y1、 Y2、 Y3 、Y4、 Y5、 Y6は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基(例えば炭素数1〜5の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基)またはOR11を示し、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6はそれぞれ独立して、水素原子、水酸基、または炭素数1〜5の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基を表す。
反応図式14(方法14)
【0105】
【化50】
【0106】
反応図式15(方法15)
【0107】
【化51】
【0108】
上記反応図式14(方法14)および反応図式15(方法15)において、 R2 R11、 R12、X、m、n、X、L1、L2はすでに定義したとおりであり、;R*は不斉補助基; mおよびm3は、m= m3+3の関係を満たす整数を示す。
反応図式16(方法16)
【0109】
【化52】
【0110】
反応図式17(方法17)
【0111】
【化53】
【0112】
反応図式18(方法18)
【0113】
【化54】
【0114】
反応図式19(方法19)
【0115】
【化55】
【0116】
[方法A]
方法Aにおいては、式(I)によって表される化合物を出発物質として式(VI)によって表される化合物を合成する方法を説明する。なお、化合物(I)は、J.Org.Chem.,60(1995)5316−5318に記載された方法により合成することができる。
工程1:化合物(III)の製造
ベンジリデン−ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロルテニウムのような触媒の存在下、溶媒(例えば、メチレンクロリド、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシドまたはジメチルホルムアミド)中で、−78℃および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは反応混合物の沸点で、式(I)によって表される化合物を式(II)によって表される化合物と反応させて、式(III)によって表される化合物を得る。
工程2:化合物(IV)の製造
当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、メタノール、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムまたはベンゼン)中で、室温および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは反応混合物の沸点で、触媒(例えば、活性炭上のパラジウム、水酸化パラジウム、酸化白金またはウィルキンソン触媒)を用いて式(III)によって表される化合物を水素化し、式(IV)によって表される化合物を得る。
工程3:化合物(V)の製造
R11が例えばメチル基の場合、−78℃および反応混合物の沸点の間の温度で、式(IV)によって表される化合物を酸(例えば、塩化水素、硫酸、臭化水素、ピリジン塩酸塩または三臭化ホウ素)で処理し、式(V)によって表される化合物を得る。
工程4:化合物(VI)の製造
溶媒(例えば、水、エタノール、メタノール、水−エタノールの混合物または水−メタノールの混合物)中で、室温および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは反応混合物の沸点で、式(V)によって表される化合物を水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムで処理して、式(VI)によって表される化合物を得る。
【0117】
[方法B]
上記方法Aにおいて製造される式(VI)によって表される化合物は、以下に記載するように、式(I)によって表される化合物を出発物質として以下に記載する方法によっても製造することができる。
工程1:化合物(VIII)の製造
ベンジリデン−ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロルテニウムのような触媒の存在下、溶媒(例えば、メチレンクロリド、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシドまたはジメチルホルムアミド)中で、−78℃および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは反応混合物の沸点で、式(I)によって表される化合物を式(VII)によって表される化合物と反応させて、式(VIII)によって表される化合物を得る。
工程2:化合物(IX)の製造
当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、メタノール、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムまたはベンゼン)中で、室温および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは反応混合物の沸点で、触媒(例えば、活性炭上のパラジウム、水酸化パラジウム、酸化白金またはウィルキンソン触媒)を用いて式(VIII)によって表される化合物を水素化し、式(IX)によって表される化合物を得る。
工程3:化合物(X)の製造
溶媒(例えば、水、エタノール、メタノール、水−エタノールの混合物または水−メタノールの混合物)中で、室温および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは反応混合物の沸点で、式(IX)によって表される化合物を水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムで処理して、式(X)によって表される化合物を得る。
工程4:化合物(XI)の製造
溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサンまたはテトラヒドロフラン)中で、必要ならば、酸(例えば、塩化水素、硫酸またはp−トルエンスルホン酸)の存在下で、式(X)によって表される化合物を50℃〜反応混合物の沸点に加熱し、式(XI)によって表される化合物を得る。
工程5:化合物(VI)の製造
R11が例えばメチル基の場合、−78℃および反応混合物の沸点の間の温度で、式(XI)によって表される化合物を酸(例えば、塩化水素、硫酸、臭化水素、ピリジン塩酸塩または三臭化ホウ素)で処理し、式(VI)によって表される化合物を得る。
【0118】
[方法C]
上記方法A,Bにおいて製造される式(VI)によって表される化合物は、以下に記載するように、式(XII)によって表される化合物を出発物質として以下に記載する方法によっても製造することができる。
工程1:化合物(XIV)の製造
ベンジリデン−ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロルテニウムのような触媒の存在下、溶媒(例えば、メチレンクロリド、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシドまたはジメチルホルムアミド)中で、−78℃および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは反応混合物の沸点で、式(XII)によって表される化合物を式(XIII)によって表される化合物と反応させて、式(XIV)によって表される化合物を得る。
工程2:化合物(IV)の製造
当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、メタノール、エタノール)中で、室温および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは50℃で酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、臭化水素酸/酢酸)を用いて式(XIV)によって表される化合物を脱水し、さらに方法Aと同様に水素添加反応を行い、式(IV)によって表される化合物を得る。
工程3:化合物(VI)の製造
式(IV)によって表される化合物を方法AまたはBと同様な方法で加水分解、脱保護反応に付し、式(VI)によって表される化合物を得る。
【0119】
[方法D]
上記方法A,B、Cにおいて製造される式(VI)によって表される化合物は、以下に記載するように、式(XII)によって表される化合物を出発物質として以下に記載する方法によっても製造することができる。
工程1:化合物(XVI)の製造
ベンジリデン−ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロルテニウムのような触媒の存在下、溶媒(例えば、メチレンクロリド、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシドまたはジメチルホルムアミド)中で、−78℃および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは反応混合物の沸点で、式(XII)によって表される化合物を式(XV)によって表される化合物と反応させて、式(XVI)によって表される化合物を得る。
工程2:化合物(XVII)の製造
当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、メタノール、エタノール)中で、室温および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは50℃で酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、臭化水素酸/酢酸)を用いて式(XVI)によって表される化合物を脱水し、さらに方法Aと同様に水素添加反応を行い、式(XVII)によって表される化合物を得る。
工程3:化合物(VI)の製造
式(XVII)によって表される化合物を方法AまたはBと同様な方法で加水分解、脱炭酸、脱保護に付し、式(VI)によって表される化合物を得る。
なお、方法CおよびDにおいて、出発物質である式(XII)によって表される化合物はTetrahedron.,30(1977) 609-616頁に記載された方法に従って製造することができる。
【0120】
[方法E]
方法Eにおいては、式(XXI)によって表される化合物を出発物質として式(XXIX)によって表される化合物を合成する方法を説明する。
工程1:化合物(XXII)の製造
有機塩基(例えば、トリエチルアミンまたはピリジン)の存在下、当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタンまたはクロロホルム、好ましくは、ジクロロメタン)中で、室温および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは室温で、式(XXI)によって表される化合物を酸クロリド(例えば、メタンスルホニルクロリドまたはp−トルエンスルホニルクロリド)で処理し、式(XXI)の化合物の基(CH2)mOHを(CH2)m−L1(式中、L1は、例えば、−O−SO2CH3または−O−SO2−C6H4−p−CH3)に変換する。次いで、このようにして得られた化合物を、当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタンまたはクロロホルム、好ましくは、アセトン)中で、室温および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは反応混合物の沸点で、金属ハライド(例えば、ヨウ化ナトリウムまたはヨウ化カリウム)で処理して、式(XXII)によって表される化合物を得る。
工程2:化合物(XXIV)の製造
塩基(例えば、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウムまたはカリウムt−ブトキシド)の存在下、当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタンまたはクロロホルム、好ましくは、テトラヒドロフラン)中で、室温および反応混合物の沸点の間の温度で、式(XXII)によって表される化合物を式(XXIII)で表されるマロン酸エステル(例えば、マロン酸ジエチルまたはマロン酸ジメチル)と反応させて、式(XXIV)によって表される化合物を得る。
工程3:化合物(XXVI)の製造
塩基(例えば、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウムまたはカリウムt−ブトキシド)の存在下、当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタンまたはクロロホルム、好ましくは、テトラヒドロフラン)中で、室温および反応混合物の沸点の間の温度で、式(XXIV)によって表される化合物を式(XXV)(式中、L2はハロゲン原子を示す)で表されるアルキルハライドと反応させて、式(XXVI)によって表される化合物を得る。
工程4:化合物(XXVII)の製造
溶媒(例えば、水、エタノール、メタノール、水−エタノールの混合物または水−メタノールの混合物)中で、室温および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは反応混合物の沸点で、式(XXVI)によって表される化合物を水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムで処理し、式(XXVII)によって表される化合物を得る。
工程5:化合物(XXVIII)の製造
溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサンまたはテトラヒドロフラン)中で、必要ならば、酸(例えば、塩化水素、硫酸またはp−トルエンスルホン酸)の存在下で、式(XXVII)によって表される化合物を50℃〜反応混合物の沸点に加熱し、式(XXVIII)によって表される化合物を得る。
工程6:化合物(XXIX)の製造
R11が例えばメチル基の場合、−78℃および反応混合物の沸点の間の温度で、式(XXVIII)によって表される化合物を酸(例えば、塩化水素、硫酸、臭化水素、ピリジン塩酸塩または三臭化ホウ素)で処理し、式(XXIX)によって表される化合物を得る。
なお、方法Eにおいて、出発物質である式(XXI)によって表される化合物はDE4218743A1に記載された方法に従って製造することができる。
【0121】
[方法F]
上記方法Eにおける式(XXIX)によって表される化合物は、上記式(XXII)によって表される化合物から以下に記載する工程によっても製造することができる。
工程1:化合物(XXXI)の製造
塩基(例えば、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウムまたはカリウムt−ブトキシド)の存在下、当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタンまたはクロロホルム、好ましくは、テトラヒドロフラン)中で、−78℃および反応混合物の沸点の間の温度で、式(XXII)によって表される化合物を式(XXX)によって表される化合物と反応させ、式(XXXI)によって表される化合物を得る。
工程2:化合物(XXIX)の製造
式(XXXI)で表される化合物を、方法Eと同様な方法で式(XXIX)で表される化合物に導く。
【0122】
[方法G]
方法Gにおいては、式(ILI)によって表される化合物を出発物質として式(ILVIII)によって表される化合物を合成する方法を説明する。
工程1:化合物(ILIII)の製造
塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化リチウム、水素化ナトリウム、好ましくは炭酸カリウム)の存在下に、当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、好ましくは、アセトン)中で、−78℃および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは室温で、式(ILI)によって表される化合物を式(ILII)の化合物と反応させ、式(ILIII)によって表される化合物を得る。
工程2:クライゼン転位による化合物(ILIV)の製造
当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ニトロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジブロモベンゼン、好ましくは、N,N−ジメチルアニリン)に式(ILIII)によって表される化合物を溶解し、180℃から反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは180℃から200℃の間の温度で、加熱して式(ILIV)によって表される化合物を得る。
工程3:化合物(ILV)の製造
塩基(例えば、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、ピリジン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、好ましくは、ピリジン)の存在下に、当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、好ましくは、ジクロロメタン)中で、0℃および室温の間の温度で、式(ILIV)によって表される化合物をTf2O(無水トリフルオロメタンスルホン酸)と反応させ、式(ILV)によって表される化合物を得る。
工程4:化合物(ILVII)の製造
パラジウムあるいはニッケル触媒の存在下に、当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、水、好ましくは、ジオキサン)中で、室温および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは反応混合物の沸点で、式(ILV)によって表される化合物を式(ILVI)の化合物と反応させ、式(ILVII)によって表される化合物を得る。
工程5:化合物(ILVIII)の製造
式(ILVII)によって表される化合物を方法A、B、C、Dと同様な方法で式(ILVIII)によって表される化合物に導く。
【0123】
[方法H]
方法Hにおいては、文献記載の方法(アメリカ合衆国特許第4,904,661号公報)で合成した、式(LI)によって表される化合物を出発物質として式(LIV)によって表される化合物を合成する方法を説明する。
工程1:化合物(LII)の製造
当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル)中で、0℃および反応混合物の沸点の間、好ましくは0℃から50℃の間の温度で、式(LI)によって表される化合物を還元剤(例えば、水素化リチウムアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、水素化ホウ素ナトリウム)と反応させ、式(LII)によって表される化合物を得る。
工程2:化合物(LIII)の製造
式(LII)によって表される化合物を当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム)中で、0℃および反応混合物の沸点の間、好ましくは0℃から50℃の間の温度で、適当な酸(例えば、よう化亜鉛、三ふっ化ほう素)の存在下、アリルトリメチルシランと反応させ、式(LIII)によって表される化合物を得る。
工程3:化合物(LIV)の製造
式(LIII)によって表される化合物を方法A、B、C、Dと同様な方法、すなわちメタセシス、還元、加水分解、脱炭酸、脱保護などを行い、式(LIV)によって表される化合物を得る。
【0124】
[方法I]
式(LIV)によって表される化合物は、式(LI)によって表される化合物を出発物質として次のような方法によっても合成することができる。
工程1:化合物(LVI)の製造
塩基(例えば、水素化ナトリウム、n-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、カリウム-tert-ブトキシド)の存在下に、当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル)中で、-78℃および反応混合物の沸点の間、好ましくは-78℃から0℃の間の温度で、式(LI)によって表される化合物を式(LV)の化合物と反応させ、式(LVI)によって表される化合物を得る。
工程2:化合物(LVII)の製造
式(LVI)によって表される化合物を当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム)中で、0℃および反応混合物の沸点の間、好ましくは0℃から50℃の間の温度で、適当な酸(例えば、よう化亜鉛、三ふっ化ほう素)の存在下、水素化シアノホウ素ナトリウムと反応させ、式(LVII)によって表される化合物を得る。
工程3:化合物(LVIII)の製造
当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、メタノール、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、好ましくは、テトラヒドロフラン、酢酸エチル)中で、室温および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは室温で、式(LVII)によって表される化合物を触媒(例えば、活性炭上のパラジウム、水酸化パラジウム、酸化白金)を用いて水素化し、式(LVIII)によって表される化合物を得る。また、式(LVIII)によって表される化合物は、当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、メタノール、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、好ましくは、テトラヒドロフラン、酢酸エチル)中で、室温および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは室温で、触媒(例えば、活性炭上のパラジウム、水酸化パラジウムまたは酸化白金)を用いる水素化反応により直接的に式(LVI)によって表される化合物からも得られる。
工程4:化合物(LIV)の製造
式(LVIII)によって表される化合物を方法E,Fと同様な方法で反応を行い、式(LIV)によって表される化合物を得る。
【0125】
[方法J]
方法Jにおいては、式(LIX)によって表される化合物を出発物質として式(LXII)によって表される化合物を合成する方法を説明する。
工程1:化合物(LXI)の製造
塩基(例えば、水素化ナトリウム、n-ブチルリチウム、カリウム-tert-ブトキシド)の存在下に、当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド)中で、0℃および反応混合物の沸点の間、好ましくは0℃から50℃の間の温度で、式(LIX)によって表される化合物を式(LX)の化合物と反応させ、式(LXI)によって表される化合物を得る。
工程2:化合物(LXII)の製造
式(LXI)によって表される化合物を方法A、B、C、Dと同様な方法でメタセシス、還元、加水分解および脱保護に付し、式(LXII)によって表される化合物を得る。
【0126】
[方法K]
式(LXII)によって表される化合物は、式(LIX)によって表される化合物を出発物質として次のような方法によっても合成することができる。
工程1:化合物(LXIV)の製造
塩基(例えば、水素化ナトリウム、n-ブチルリチウム、カリウム-tert-ブトキシド)の存在下に、当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド)中で、0℃および反応混合物の沸点の間、好ましくは0℃から50℃の間の温度で、式(LIX)によって表される化合物を式(LXIII)の化合物と反応させ、式(LXIV)によって表される化合物を得る。
工程2:化合物(LXII)の製造
式(LXIV)によって表される化合物を方法E,Fと同様な方法で反応させ、式(LXII)によって表される化合物を得る。
一般式(2)において、基Aが式(8)によって表される基である化合物は、例えば、実施例6〜10に記載の方法に従ってもしくは準じて製造することができる。
【0127】
[方法1]
式1によって表される化合物を出発物質として方法Eと同様な方法で式2によって表される化合物を得る。なお、出発物質である式1によって表される化合物はWO99/64393に記載された方法に従って製造することができる。
【0128】
[方法2]
式3によって表される化合物を出発物質として方法Eと同様な方法で式4によって表される化合物を得る。また式5によって表される化合物はWO99/64393に記載された方法に従って式4によって表される化合物を酸化して得ることができる。なお、出発物質である式3によって表される化合物はWO99/64393に記載された方法に従って製造することができる。
【0129】
[方法3]
方法3においては、式6によって表される化合物を出発物質として式9によって表される化合物を合成する方法を説明する。なお、出発物質である式6によって表される化合物は、J.Org.Chem.,50(1985)2121−2123とJ.Org.Chem.,61(1996)3890−3893に記載された方法等により合成することができる。
工程1:式8で表される化合物の製造
塩基(例えば、水素化ナトリウム、n-ブチルリチウム、カリウム-tert-ブトキシド)の存在下に、当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド)中で、0℃および反応混合物の沸点の間、好ましくは0℃から50℃の間の温度で、式6によって表される化合物を式7の化合物と反応させ、式8によって表される化合物を得る。
工程2:式9で表される化合物の製造
式8によって表される化合物を方法Eと同様な方法で反応させ、式9によって表される化合物を得る。
【0130】
[方法4]
方法4においては、式10によって表される化合物を出発物質として式20によって表される化合物を合成する方法を説明する。
工程1:式11によって表される化合物の製造
硫酸のような酸触媒の存在下、アルコール(例えば、メタノール、エタノール)中で、−78℃および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは反応混合物の沸点で加熱し、式11によって表される化合物を得る。
工程2:式12によって表される化合物の製造
工程1で得られた式11によって表される化合物のアミノ基および水酸基を保護し、式12によって表される化合物を得る。
工程3:式13によって表される化合物の製造
式12によって表される化合物を溶媒(例えば、メタノール、エタノールまたはエタノール−テトラヒドロフラン)中で、−78℃および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは室温で、還元剤(例えば、水素化ほう素リチウム等)処理し、式13によって表される化合物を得る。
工程4:式15によって表される化合物の製造
式13によって表される化合物を式14によって表される化合物と光延反応させ、式15によって表される化合物を得る。
工程5:式16によって表される化合物の製造
式15によって表される化合物のアミノ基の脱保護反応を行い、式16によって表される化合物を得る。
工程6:式17によって表される化合物の製造
式16によって表される化合物を炭酸カリウム、カリウム t−ブトキシド、ナトリウム t−ブトキシド等の塩基存在下、パラジウム等の金属触媒およびジフェニルホスフィノフェロセン、2,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル等の配位子を加え、好ましくはトリスジベンジリデンアセトン−ジパラジウム触媒および2,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルを加え、当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサンまたはテトラヒドロフラン)中で、−78℃および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは100℃で反応させて、式17によって表される化合物を得る。
工程7:式19によって表される化合物の製造
塩基(例えば、水素化ナトリウム、n-ブチルリチウム、カリウム-tert-ブトキシド、炭酸カリウム)の存在下、必要ならばヨウ化ナトリウム等の試薬を加え、当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、アセトン)中で、0℃および反応混合物の沸点の間、好ましくは反応混合物の沸点で、式17によって表される化合物を式18の化合物と反応させ、式19によって表される化合物を得る。
工程8:式20によって表される化合物の製造
式19によって表される化合物を方法Aまたは方法Bと同様な方法で反応させ、式20によって表される化合物を得る。
【0131】
[方法5]
方法5においては、式21によって表される化合物を出発物質として式27によって表される化合物を合成する方法を説明する。
工程1:式23によって表される化合物の製造
式21によって表される化合物をTBS保護した後、式22のアルデヒドと反応させ、続いてアミノ基の保護を行い、式23によって表される化合物を得る。
工程2:式25によって表される化合物の製造
工程1で得られた式23によって表される化合物を式24で表される化合物でアルキル化し、式25によって表される化合物を得る。
工程3:式26によって表される化合物の製造
式25によって表される化合物のアミノ基の脱保護反応を行い、続いて溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、エーテル)中で、−78℃および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは室温で、還元剤(例えば、水素化リチウムアルミニウム等)処理し、式26によって表される化合物を得る。
工程4:式27によって表される化合物の製造
式26によって表される化合物を方法4と同様な方法で反応させ、式27によって表される化合物を得る。
【0132】
[方法6]
方法6においては、式28によって表される化合物を出発物質として式35によって表される化合物を合成する方法を説明する。
式35によって表される化合物は、式28によって表される化合物を出発物質として次のような方法によって合成することができる。
工程1:化合物29の製造
式29によって表される化合物はSynthesis,12(1995)1493-1495記載の方法またはこれに準ずる方法により式28によって表される化合物から得る。
工程2:化合物32の製造
塩基(例えば、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、水素化ナトリウム、n-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、カリウム-tert-ブトキシド、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液)の存在下に、当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、tブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、 N,N-ジメチルアセトアミド、トルエン)中で、−78℃および反応混合物の沸点の間、好ましくは−78℃から0℃の間の温度で、式29によって表される化合物を式30または式31の化合物と反応させ、式32によって表される化合物を得る。
工程3:化合物33の製造
式32によって表される化合物を塩基性条件下(例えば、テトラブチルアンモニウムフルオリド/テトラヒドロフラン、ナトリウムメトキシド/メタノール、ナトリウムエトキシド/エタノール、カリウムメトキシド/メタノール、ナトリウムメトキシド/プロパノール、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液)異性化させ、続いてR12の脱保護および再結晶精製により式33によって表される単一の異性体を得る。例えばR12がt-ブチルジメチルシリル基の場合、 テトラブチルアンモニウムフルオリドで処理することで異性化と脱TBSを同時に行い、さらに再結晶精製で式33によって表される単一の異性体を得る。
工程4:化合物34の製造
式33によって表される化合物を当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム、 tブチルメチルエーテル、トルエン)中で、0℃および反応混合物の沸点の間、好ましくは0℃から室間の温度で、適当な酸(例えば、トリフルオロ酢酸、三ふっ化ほう素エーテル錯体、四塩化チタン、塩化アルミニウム、トリフルオロメタンスルホン酸、塩酸、硫酸)の存在下、トリエチルシランと反応させ、式34によって表される化合物を得る。
工程5:化合物35の製造
式34によって表される化合物を方法A,Bと同様な方法で反応を行い、式35によって表される化合物を得る。
【0133】
[方法7]
方法7においては、式36によって表される化合物を出発物質として式38によって表される化合物を合成する方法を説明する。
式38によって表される化合物は式37によって表される化合物を出発物質とし方法3と同様な方法により合成することができる。なお、出発物質である式36または式37によって表される化合物は、 J.Med.Chem.,40(1997)2117-2122 および J.Med.Chem.,33(1990)3222-3229に記載された方法あるいはこれに準じて合成することができる。
【0134】
[方法8]
方法8においては、式39によって表される化合物を出発物質として式40によって表される化合物を合成する方法を説明する。
式40によって表される化合物は、式39によって表される化合物を出発物質し方法3と同様な方法により合成することができる。なお、出発物質である式39によって表される化合物は、EP0826670A1 および J.Org.Chem.,60(1995)739-741に記載された方法等により合成することができる。
【0135】
[方法9]
式(42)または式(43)によって表される化合物は以下の方法で合成することができる。式(41)によって表される化合物を出発物質としJones酸化、PCC酸化、Swern酸化、ルテニウム酸化(TPAP等)などで17位の水酸基を酸化することで式(42)によって表される化合物を合成することができる。また式(42)によって表される化合物を当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、エーテル、ジメチルホルムアミド)中で、−78℃および反応混合物の沸点の間、好ましくは0℃から室温の間の温度で、R8-M(R8は低級アルキル基または低級アルケニル基または低級アルキニル基を示す。Mはリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の金属を表す。)と反応させ、式(43)によって表される化合物を得る。
なお、出発物質である式(41)によって表される化合物は方法E, 方法Fあるいは方法6により合成することができる。
【0136】
[方法10]
式(45)または式(46)によって表される化合物は以下の方法で合成することができる。式(44)によって表される化合物を出発物質としJones酸化、PCC酸化、Swern酸化、ルテニウム酸化(TPAP等)などで17位の水酸基を酸化することで式(45)によって表される化合物を合成することができる。また式(45)によって表される化合物を当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、エーテル、ジメチルホルムアミド)中で、−78℃および反応混合物の沸点の間、好ましくは0℃から室温の間の温度で、R8-M(R8は低級アルキル基または低級アルケニル基または低級アルキニル基を示す。Mはリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の金属を表す。)と反応させ、式(46)によって表される化合物を得る。
なお、出発物質である式(44)によって表される化合物は方法A,方法B,方法C,あるいは方法Dにより合成することができる。
【0137】
[方法11]
式(53)によって表される化合物は以下の方法で合成することができる。
式(47)によって表される化合物の水酸基を保護した後、DDQ(2,3-Dichloro-5,6-dicyanobenzoquinone)等により9位-11位を酸化し式(48)によって表される化合物を得る。
式(48)によって表される化合物をJ.Org.Chem.1995,60,5316-5318に記載された方法により式(49)によって表される化合物に導く。
式(49)によって表される化合物をSwern酸化、Jones酸化、PCC酸化、ルテニウム酸化(TPAP等)などに付し式(50)によって表される化合物を得る。
式(50)によって表される化合物を当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、エーテル)中で、−78℃および反応混合物の沸点の間、好ましくは−48℃から室温の間の温度で有機金属試薬(例えばallylmagnesium halide)と反応させ式(51)によって表される化合物を得る。
式(51)によって表される化合物の水酸基を塩化チオニル-ピリジン等で脱水させ式(52)によって表される化合物を得る。
式(52)によって表される化合物を方法A, 方法B,方法C,あるいは方法Dにより式(53)によって表される化合物に導くことができる。
【0138】
[方法12]
式(55)によって表される化合物は式(54)によって表される化合物を方法3と同様な反応に付すことで合成できる。なお、式(54)によって表される化合物は文献記載の方法(Drugs Future 1978,3,211-215、J.Med.Chem.1967,10,78-84、 J.Med.Chem.1998,41,2928-2931)に準じて合成できる。
【0139】
[方法13]
式(56)によって表される化合物を、1) X-Mg-(CH2)mOR12との1,2-付加反応、2)脱水、3)還元、4)脱保護(R12)により式(57)によって表される化合物に変換しその後、図式Eと同様な反応に付すことで式(58)によって表される化合物を合成できる。
【0140】
[方法14]
ベンジリデン−ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロルテニウムのような触媒の存在下、溶媒(例えば、メチレンクロリド、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシドまたはジメチルホルムアミド)中で、−78℃および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは反応混合物の沸点で、式(59)によって表される化合物を式(60)によって表されるキラルオレフィンと反応させ、式(61)によって表される化合物を得る。式(61)によって表される化合物を(a)還元、脱保護、加水分解の順序、または(b)還元、加水分解、脱保護の順序で各反応に付すことにより式(62)によって表される化合物を得る。
(a)還元、脱保護、加水分解
1)還元
触媒(例えば、活性炭上のパラジウム、水酸化パラジウム、酸化白金またはウィルキンソン触媒)存在下で、当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、メタノール、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはベンゼン)中で、0℃および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは室温で、式(61)によって表される化合物を水素添加し還元体を得る。
2)脱保護
つづいてフェノール性水酸基の脱保護を行い、脱保護体を得る。
3)加水分解
さらに、例えばR*が式(63)である場合、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン/水混合溶媒、ジエチルエーテル/水混合溶媒、ジオキサン/水混合溶媒、ジメトキシエタン/水混合溶媒、メタノール/水混合溶媒、エタノール/水混合溶媒)中で、室温および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは室温で、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム+過酸化水素、水酸化ナトリウム+過酸化水素、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド+過酸化水素で処理し、式(62)によって表される化合物を得る。
(b)還元、加水分解,脱保護
1)還元
触媒(例えば、活性炭上のパラジウム、水酸化パラジウム、酸化白金またはウィルキンソン触媒)存在下で、当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、メタノール、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはベンゼン)中で、0℃および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは室温で、式(61)によって表される化合物を水素添加し還元体を得る。
2)加水分解
さらに、例えばR*が式(63)である場合、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン/水混合溶媒、ジエチルエーテル/水混合溶媒、ジオキサン/水混合溶媒、ジメトキシエタン/水混合溶媒、メタノール/水混合溶媒、エタノール/水混合溶媒)中で、室温および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは室温で、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム+過酸化水素、水酸化ナトリウム+過酸化水素、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド+過酸化水素で処理し、カルボン酸を得る。
3)脱保護
つづいてフェノール性水酸基の脱保護を行い、式(62)によって表わされる化合物を得る。
なお、上記方法において使用した式(60)によって表されるキラルオレフィンは反応図式15に示したようにして合成される。
【0141】
[方法15]
[キラルオレフィンの合成]
塩基(例えば、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、ブチルリチウム)およびHMPAの存在下に、当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、トルエン、ジエチルエーテル、ヘキサン、好ましくは、テトラヒドロフラン)中で、-78℃および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは-30℃〜室温で、式(67)によって表される化合物を式R2(CH2)n− L1の化合物と反応させ、式(60)によって表される化合物を得る。
またキラルオレフィン(60)は以下の方法でも合成することができる。
塩基(例えば、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、ブチルリチウム)およびHMPAの存在下に、当該反応に対して不活性な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、トルエン、ジエチルエーテル、ヘキサン、好ましくは、テトラヒドロフラン)中で、−78℃および反応混合物の沸点の間の温度、好ましくは−30℃〜室温で、式(68)によって表される化合物を式(69)によって表される化合物と反応させ、式(60)によって表される化合物を得る。
【0142】
[方法16]
式(70)によって表される化合物を方法14と同様な方法により式(73)
【0143】
[方法17]
ベンゼン環上にR21 、R22 、R23 、R24の置換基を有する式(75)によって表される化合物を用い方法Gと同様な方法により式(77)によって表される化合物に導くことができる。ただしR21 、R22 、R23 、R24はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜7の直鎖もしくは分岐鎖状のハロゲノアルキル基、ハロゲンまたはアシル基を表す。
【0144】
[方法18]
式(78)により表される化合物を式(79)により表される化合物と塩基存在下反応させ式(80)により表される化合物が得られる。式(81)により表される化合物は式(80)により表される化合物から方法3および方法Kに準じて合成できる。
【0145】
[方法19]
文献記載の方法(J.Med.Chem.1057(1984))に準じて合成した式(82)により表される化合物を式(83)により表される化合物とFriedel-Craft反応させ、続いて方法3に準じて合成できる。
【0146】
【実施例】
以下、本発明の製造について実施例に基づき、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、本発明化合物の有用性を説明するために、本発明化合物の代表的化合物のアンチ−エストロゲン作用等に関する試験結果を試験例に示す。表1に本発明に含まれる実施例化合物の化学構造式を示す。
【0147】
【表1】
【0148】
【0149】
【0150】
【0151】
【0152】
実施例1
6-Methoxy -2-(4-methoxyphenyl)-1-(2-propenyl) naphthaleneの合成
(第一工程)
【0153】
【化56】
【0154】
6-Methoxy-2-naphthol (22.1g, 127.0mmol)をアセトン(200ml)に溶解させ、炭酸カリウム(70.2g, 508.0mmol)と臭化アリル(16.5ml, 191.0mmol)を加え室温にて2日間攪拌した。反応液をろ過した後、有機溶媒を減圧下留去した。残査に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。再び有機溶媒を留去し粗生成物として6-Methoxy -2-(2-propenyloxy) naphthalene 24.9g(91%)を得た。
1H-NMR(270MHz, CDCl3) : δ7.66-7.60 (m, 2H, Ar-H), 7.18-7.10 (m, 4H, Ar-H), 6.20-6.05 (m, 1H, CH2=CHCH2-), 5.45 (dd, J=18.8, 1.3Hz, 1H, CH 2 =CHCH2-), 5.31 (dd, J=10.5, 1.3Hz, 1H, CH 2 =CHCH2-), 4.62 (d, J=5.3Hz, 2H, CH2=CHCH 2 -), 3.90 (s, 3H, -OCH3).
(第二工程)
【0155】
【化57】
【0156】
6-Methoxy -2-(2-propenyloxy) naphthalene(24.9g, 116.2mmol)をN,N-ジメチルアニリン(100ml)に溶解し15時間加熱還流した。有機溶媒を減圧下留去し、残査に2N塩酸水溶液を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒留去後、残査をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、 酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製した。さらに酢酸エチル−ヘキサンにて再結晶を行い、6-Methoxy -1-(2-propenyl)-2- naphthol 20.3g(82%)を得た。
1H-NMR(270MHz, CDCl3) : δ7.80 (d, J=9.3Hz, 1H, Ar-H), 7.56 (d, J=8.9Hz, 1H, Ar-H), 7.16 (dd, J=9.3, 2.7Hz, 1H, Ar-H), 7.11 (d, J=2.7Hz, 1H, Ar-H), 7.07 (d, J=8.9Hz, 1H, Ar-H), 6.13-5.98 (m, 1H, CH2=CHCH2-), 5.10 (dd, J=10.0, 1.3Hz, 1H, CH 2 =CHCH2-), 5.04 (dd, J=17.5, 1.3Hz, 1H, CH 2 =CHCH2-), 4.93 (s, 1H, -OH), 3.90 (s, 3H, -OCH3), 3.79 (d, J=5.9Hz, 2H, CH2=CHCH 2 -).
(第三工程)
【0157】
【化58】
【0158】
6-Methoxy -1-(2-propenyl)-2- naphthol(18.77g, 87.6mmol)をジクロロメタン(300ml)に溶解させ0℃にてピリジン(21.3ml, 262.8mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(22.1ml, 131.4mmol)を滴下し、30分攪拌した。反応終了後、0℃にて水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を希塩酸、飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒留去後、残さをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、 酢酸エチル:ヘキサン=1:9)で精製して6-Methoxy -1-(2-propenyl)-2- naphthyl trifluoromethanesulfonate 30.8g(100%) を得た。.
1H-NMR(270MHz, CDCl3) : δ7.95 (d, J=9.3Hz, 1H, Ar-H), 7.69 (d, J=8.9Hz, 1H, Ar-H), 7.35 (d, J=8.9Hz, 1H, Ar-H), 7.25 (dd, J=9.3, 2.7Hz, 1H, Ar-H), 7.17 (d, J=2.7Hz, 1H, Ar-H), 6.07-5.94 (m, 1H, CH2=CHCH2-), 5.10 (dd, J=10.0, 1.3Hz, 1H, CH 2 =CHCH2-), 5.02 (dd, J=17.2, 1.3Hz, 1H, CH 2 =CHCH2-), 3.93 (s, 3H, -OCH3), 3.89 (d, J=5.6Hz, 2H, CH2=CHCH 2 -).
(第四工程)
【0159】
【化59】
【0160】
6-Methoxy -1-(2-propenyl)-2- naphthyl trifluoromethanesulfonate(19.3g, 55.66mmol)のジオキサン溶液(300ml)に4-Methoxyphenylboronic acid(10.15g, 66.8mmol)、りん酸三カリウム水和物(77.6g, 278.3mmol)、Tetrakis(triphenylphosphine) palladium(0)(1.93g, 1.67mmol, 3mol%)を加えアルゴン雰囲気下8時間加熱還流した。これに水を加え酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残さをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、 酢酸エチル:ヘキサン=1:9)で精製したのち、ヘキサンより再結晶し6-Methoxy -2-(4-methoxyphenyl)-1-(2-propenyl)naphthalene 12.65g(75%)を得た。
1H-NMR(270MHz, CDCl3) : δ7.95 (d, J=9.8Hz, 1H, Ar-H), 7.65 (d, J=8.5Hz, 1H, Ar-H), 7.35 (d, J=8.9Hz, 1H, Ar-H), 7.34-7.16 (m, 4H, Ar-H), 6.96 (d, J=8.6Hz, 2H, Ar-H), 6.16-6.02(m, 1H, CH2=CHCH2-), 5.06 (dd, J=10.2, 1.6Hz, 1H, CH 2 =CHCH2-), 4.83 (dd, J=17.2, 1.6Hz, 1H, CH 2 =CHCH2-), 3.94 (s, 3H, -OCH3), 3.87 (s, 3H, -OCH3), 3.73 (d, J=5.3Hz, 2H, CH2=CHCH 2 -).
実施例2
Diethyl 2-(5-hexenyl)-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)malonateの合成
【0161】
【化60】
【0162】
Diethyl 2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)malonate(4.0g, 12.5mmol)のジメチルスルホキシド(30ml)溶液を10 oCに冷却し、これに60% 水素化ナトリウム(600mg, 15mmol)を加え室温で1時間攪拌した。反応液に6-Bromo-1-hexene (2.5ml, 18.75mmol)をゆっくり滴下し室温で3時間攪拌した。反応液に水を加え酢酸エチルで抽出し有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残さをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン=1:9)で精製してDiethyl 2-(5-hexenyl)-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl) malonate 3.86g(77%)を得た。
1H-NMR(270MHz, CDCl3): δ5.82-5.72 (m, 1H, -CH=CH2), 5.02-4.92 (m, 2H, -CH=CH 2 ), 4.19 (q, J=7.3Hz, 4H, -CO2CH 2 CH3), 2.10-1.86 (m, 8H), 1.53-1.34 (m, 6H), 1.26 (t, J=7.3Hz, 6H, -CO2CH2CH 3 ).
実施例3
9-[6-Hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)naphth-1-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)nonanoic Acidの合成
(第一工程)
【0163】
【化61】
【0164】
6-Methoxy -2-(4-methoxyphenyl)-1-(2-propenyl)naphthalene (692 mg, 2.28 mmol)のジクロロメタン溶液 (10 ml)に実施例2で合成したDiethyl 2-(5-hexenyl)-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl) malonate (1.83 g, 4.55 mmol)とbenzylidene -bis(tricyclohexylphosphine)dichlororuthenium (94 mg, 0.11 mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、20時間加熱還流した。溶媒を減圧留去し、残さをシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により精製し、目的のオレフィンをシス及びトランス、さらには側鎖の2量体の混合物 (1.8 g)として得た。この混合物を酢酸エチル (20 ml)に溶解し、10% パラジウム炭素 (236 mg)を加え、水素雰囲気下、室温で2時間攪拌した。触媒をろ過し、溶媒を減圧留去した。残さをシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=4:1)により精製し、 Diethyl 2-[7-[6-methoxy-2-(4-methoxyphenyl)napht-1-yl]heptyl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)malonate (1.05 g, 68%)を得た。
1H-NMR (270 MHz, CDCl3) δ: 7.96 (d, J= 9.3 Hz, 1H, Ar-H), 7.59 (d, J= 8.2 Hz, 1H, Ar-H), 7.30-7.21 (m, 4H, Ar-H), 7.18-7.15 (m, 1H, Ar-H), 6.97 (d, J= 8.6Hz, 2H, Ar-H), 4.18 (q, J= 7.0 Hz, 4H, -CO2CH 2CH3), 3.94 (s, 3H, -OCH3), 3.88 (s, 3H, -OCH3), 2.97-2.91 (m, 2H, naphtyl-CH2-), 2.09-2.03 (m, 2H, -CH 2CF2), 1.99-1.82 (m, 4H, alkyl-H), 1.55-1.45(m, 6H, alkyl-H), 1.23(t, J=7.0Hz, 6H, -CO2CH2CH 3 ), 1.10-1.04(m, 6H, alkyl-H).
(第二工程)
【0165】
【化62】
【0166】
Diethyl 2-[7-[6-methoxy-2-(4-methoxyphenyl)napht-1-yl]heptyl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)malonate(1.02g, 1.5mmol)をエタノール(10ml)に溶解し、水酸化ナトリウム(1.2g, 30mmol)および水(1ml)を加え、3時間加熱還流した。反応液に希塩酸を加え酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒留去して2-[7-[6-methoxy-2-(4-methoxyphenyl)napht-1-yl]heptyl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl) malonic acid (1.0g)を得た。
続けて、得られた 2-[7-[6-methoxy-2-(4-methoxyphenyl)napht-1-yl]heptyl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)malonic acid(1.0g)をジメチルスルホキシド(10ml)に溶解し、120℃にて4時間加熱した。反応液に水を加え酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒留去後、残さをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製して9-[6-Methoxy-2-(4-methoxyphenyl)naphth-1-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)nonanoic acid(820mg, 94%)を得た。
1H-NMR(270MHz, CDCl3): δ7.97 (d, J= 8.9Hz, 1H, Ar-H), 7.59 (d, J= 8.2 Hz, 1H, Ar-H), 7.30-7.21 (m, 4H, Ar-H), 7.18-7.15 (m, 1H, Ar-H), 6.97 (d, J= 8.6Hz, 2H, Ar-H), 3.94 (s, 3H, OCH3), 3.88 (s, 3H, -OCH3), 2.97-2.91 (m, 2H, naphtyl-CH2-), 2.38-2.35(m, 1H, -CHCO2), 2.09-1.94 (m, 2H, -CH 2CF2), 1.73-1.41(m, 8H, alkyl-H), 1.29-1.18(m, 8H, alkyl-H).
(第三工程)
【0167】
【化63】
【0168】
9-[6-Methoxy-2-(4-methoxyphenyl)naphth-1-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl) nonanoic acid(820 mg, 1.41mmol)のジクロロメタン溶液 (20 ml)にアルゴン雰囲気下、-78 oCで三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液 (1.0 M, 8.5 ml, 8.47 mmol)を滴下した。反応液を攪拌しながら温度を5時間かけて0 oCまで上げた。水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。溶媒を留去後、残さをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン=3:2)で精製した。さらに、再びカラムクロマトグラフィー (逆相シリカゲルRP−18、アセトニトリル(トリフルオロ酢酸0.1%含む):水=3:2)により精製し、 9-[6-Hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)naphth-1-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)nonanoic acid(633mg, 81%)を得た。
1H-NMR(270MHz, CD3OD) : δ7.93 (d, J= 9.9Hz, 1H, Ar-H), 7.47 (d, J= 8.2 Hz, 1H, Ar-H), 7.18-7.11 (m, 5H, Ar-H), 6.85 (d, J= 9.3Hz, 2H, Ar-H), 2.97-2.91 (m, 2H, naphtyl-CH2-), 2.34-2.29 (m, 1H, -CHCO2), 2.20-1.99 (m, 2H, -CH 2CF2), 1.62-1.41 (m, 6H, alkyl-H), 1.27-1.18 (m, 10H, alkyl-H).
実施例4
11-[6-Hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)naphth-1-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)undecanoic Acidの合成
【0169】
【化64】
【0170】
実施例1、2、および3と同様な方法で合成を行い11-[6-Hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)naphth-1-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)undecanoic Acidを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl3): δ7.98(d, 1H), 7.54(d, 1H), 7.33-7.03(m, 5H), 6.88(d, 2H), 2.93(t, 2H), 2.5(m, 1H), 2.2-1.0(m, 22H)
実施例5
10-[(1RS,2RS)-6-Hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)-2-methyl-1,2,3,4-tetrahydro-1-naphthyl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)decanoic Acidの合成
(第一工程)
【0171】
【化65】
【0172】
アルゴン雰囲気下、水素化リチウムアルミニウムの無水テトラヒドロフラン溶液(1M in THF, 2.6ml, 2.6mmol)に米国特許第4,904,661号公報に記載の方法により合成した6-Methoxy-2-(4-methoxyphenyl)-2-methyl-1,2,3,4-tetrahydro-naphthalen-1-one (1.5 g, 5.1 mmol)の無水テトラヒドロフラン溶液 (25 ml)を-78 oCで滴下し、1.5時間反応させた。その後ゆっくりと室温まで昇温し8時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥後、溶媒を留去した。得られた残さを1,2-ジクロロエタン(35ml)に溶解し、この溶液にアルゴン雰囲気下、0 oCでよう化亜鉛 (2.02 g, 6.31 mmol)、アリルトリメチルシラン (1.67 ml, 10.52 mmol)を加え室温にて12時間攪拌した。水を加え、ジクロロメタンで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。溶媒を留去後、残さをシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=60:1)により精製し、(1RS,2RS)-6-Methoxy-2-(4-methoxyphenyl)-2-methyl-1-(2-propenyl)-1,2,3,4-tetrahydronaphthalene (1.27 g, 78% )を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3): δ7.31(d, 2H, J=7.5Hz), 6.97(d, 1H, J=7.9Hz), 6.88(d, 2H, J=8.7Hz), 6.68-6.65(m, 2H), 5.53(m, 1H), 4.76-4.57(m, 2H), 3.81(s, 3H), 3.78(s, 3H), 2.99-2.78(m, 2H), 2.81(m, 1H), 2.28(m,1H), 1.98-1.92(m, 2H), 1.71(m, 1H), 1.17(s, 3H).
(第二工程)
【0173】
【化66】
【0174】
上記で 得られた(1RS,2RS)-6-Methoxy-2-(4-methoxyphenyl)-2-methyl-1-(2-propenyl)-1,2,3,4-tetrahydronaphthaleneを実施例3と同様な方法で10-[(1RS,2RS)-6-Hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)-2-methyl-1,2,3,4-tetrahydro-1-naphthyl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)decanoic Acidに変換した。
1H-NMR (300MHz, CDCl3): δ7.23(d, 2H, J=7.5Hz), 6.90(d, 1H, J=7.9Hz), 6.80(d, 2H, J=8.7Hz), 6.58(m, 2H), 2.90(m, 2H), 2.60(d, 1H, J=8.7Hz), 2.37(m, 1H), 2.22(m, 1H), 2.02(m, 2H), 1.87(m, 1H), 1.37-1.75(m, 6H), 0.86-1.26(m, 17H).
Mass(ESI): 585(M+1).
実施例6
2-[5-[4-[(6-Hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)benzo[b]thiophen-3-yl)carbonyl]phenoxy]pentyl]-6,6,7,7,7-pentafluoroheptanoic acid の合成
(第一工程)
【0175】
【化67】
【0176】
4-Methoxybenzoic acid(450mg, 2.96mmol), 塩化チオニル(3ml, 44.4mmol)及び無水ジメチルホルムアミド(1 drop)を無水クロロホルム(10ml)に加え、アルゴン雰囲気下で3時間還流し、室温に冷却した。反応液を減圧濃縮し、残さを無水ジクロロメタンに溶解し、文献記載の方法(J.Med.Chem.1057(1984))で合成した6-Methoxy-2-(4-methoxyphenyl)benzo[b]thiophene(760mg、2.8mmol)と塩化アルミニウム(2.37g, 17.76 mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。テトラヒドロフランと氷を加え、反応を終了させ酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒留去後、濾液を減圧し、残さをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、 ジクロロメタン:ヘキサン = 1:1)で精製して黄色の[6-Methoxy-2-(4-methoxyphenyl)benzo[b]thiophen-3-yl](4-methoxy-phenyl) methanone (405mg, 39%、oil状)を得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3) : δ7.80-7.75 (m, 2H), 7.52 (d, 1H, J=8.6Hz), 7.37-7.28 (m, 3H), 6.95 (dd, 1H, J1= 8.9Hz, J2=2.2Hz), 6.78-6.74 (m, 4H), 3.91 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.77 (s, 3H).
(第二工程)
【0177】
【化68】
【0178】
[6-Methoxy-2-(4-methoxyphenyl)benzo[b]thiophen-3-yl](4-methoxyphenyl) methanone (410mg, 1.02mmol)を無水ジメチルホルムアミド (15ml)に溶解し、sodium ethanethiolate(170mg, 2.04mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、90-100oCで 1.5時間攪拌した。室温に冷却し、水を加え酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒留去後、残さをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン = 1:1)で精製して黄色の(4-Hydroxyphenyl)[6-methoxy-2-(4-methoxyphenyl)benzo[b]thiophen-3-yl]methanone (323mg, 81.6%、oil状)を得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3) : δ7.70 (d, 2H, J=9.0), 7.51 (d, 1H, J=8.7), 7.33-7.26 (m, 3H), 6.95 (dd, 1H, J1= 8.9Hz, J2=2.6Hz), 6.75-6.65 (m, 4H), 3.87 (s, 3H), 3.72 (s, 3H).
(第三工程)
【0179】
【化69】
【0180】
Diethyl 2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)malonate (3g, 9.37mmol)を ジメチルスルホキシド(20ml)に溶解し、水素化ナトリウム(60%, 525mg, 13.11mmol)を室温で加え1時間攪拌した。反応液に5-Bromo-1-chloropentane(7.4ml, 56.2mmol)を加え室温で1.5時間攪拌した後、水で希釈して酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾液を減圧濃縮した残さをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ジクロロメタン:ヘキサン = 1:4)で精製して無色のDiethyl 2-(5-chloropentyl)-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)malonate (3.3g、 83%、oil状)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) : δ4.14 (q, 4H, J=7.1Hz), 3.46(t, 2H, J=6.7Hz), 2.06-1.64(m, 8H), 1.50-1.36(m, 4H), 1.24-1.10(m, 2H), 1.21(t, 6H, J=7.1Hz).
(第四工程)
【0181】
【化70】
【0182】
(4-Hydroxyphenyl)[6-methoxy-2-(4-methoxyphenyl)benzo[b]thiophen-3-yl] methanone (1g, 2.56mmol)をジメチルホルムアミド (15ml)に溶解し、水素化ナトリウム(60%, 143mg, 3.59mmol)を室温で加え、1時間攪拌した。
【0183】
反応液にDiethyl 2-(5-chloropentyl)-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)-malonate(1.85g, 4.35mmol), よう化ナトリウム(769mg, 5.13mmol)及び Tetrabutylammonium iodide(189mg, 0.51mmol) を加え、60℃で24時間攪拌した。反応液を室温に冷却して、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過した。 濾液を減圧濃縮した残さをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン = 1:9)で精製して黄色のDiethyl 2-[5-[4-[(6-methoxy-2-(4-methoxyphenyl)benzo[b]thiophen-3-yl)-carbonyl]phenoxy]pentyl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)malonate (1.4g、 70%、oil状)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) : δ7.73(d, 2H, J=9.1Hz), 7.48(d, 1H, J=8.5Hz), 7.32(d, 2H, J=8.6Hz), 7.27(d, 1H, J=2.3Hz), 6.91(dd, 1H, J1=8.8Hz, J2=2.3Hz), 6.74-6.67(m, 4H), 4.15(q, 4H, J=7.1Hz), 3.88(t, 2H, J=6.3Hz), 3.83(s, 3H), 3.70(s, 3H), 2.08-1.82(m, 6H), 1.75-1.71(m, 2H), 1.53-1.37(m, 6H), 1.21(t, 6H, J=7.1Hz).
(第五工程)
【0184】
【化71】
【0185】
Diethyl 2-[5-[4-[(6-methoxy-2-(4-methoxyphenyl)benzo[b]thiophen-3-yl)carbonyl]phenoxy]pentyl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)malonate (1.58g, 2.03mmol)をジクロロメタン(40ml)に溶解し、塩化アルミニウム(1.62g, 12.2mmol)次いで Ethanethiol(0.25ml, 10.15mmol)を加え室温で1.5時間攪拌した。反応液を0℃に冷却してテトラヒドロフラン(30ml)を徐々に加え、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧濃縮した残さをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン = 1: 2)で精製して褐色のDiethyl 2-[5-[4-[(6-hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)benzo[b]thiophen-3-yl)carbonyl]phenoxy]pentyl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)malonate (1.2g, 79%、foam状)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) : δ7.73(d, 2H, J=9.1Hz), 7.38(d, 1H, J=8.6Hz), 7.18(d, 1H, J=2.3Hz), 7.14(d, 2H, J=8.6Hz), 6.79(dd, 1H, J1=8.6Hz, J2=2.3H), 6.72(d, 2H, J=9.1Hz), 6.57(d, 2H, J=8.6Hz), 4.17(q, 4H, J=7.2Hz), 3.91(t, 2H, J=6.1Hz), 2.10-1.78(m, 6H), 1.74-1.68(m, 2H), 1.54-1.36(m, 4H), 1.26-1.13 (m, 2H), 1.21(t, 6H, J=7.2Hz).
(第六工程)
【0186】
【化72】
【0187】
Diethyl 2-[5-[4-[(6-hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)benzo[b]thiophen-3-yl)carbonyl]phenoxy]pentyl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)malonate (1.197g, 1.59mmol)をエタノール(20ml)に溶解し、水(10ml)に溶解した水酸化カリウム(3.58g, 63.8mmol)を加えた。反応液を80℃で24時間攪拌した。反応液を室温に冷却して減圧濃縮してエタノールを除去した後、3N-塩酸水溶液でpH 3に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、 濾過した。 濾液を減圧濃縮して渇色の2-[5-[4-[(6-Hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)benzo-[b]thiophen-3-yl)carbonyl]phenoxy]pentyl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl) -malonic acid (1.1g)を得た。 そのまま次の反応に用いた。
1H-NMR (300MHz, CD3OD) : δ7.68(d, 2H, J=9.0Hz), 7.38(d, 1H, J=9.0Hz), 7.24(d, 1H, J=2.0Hz), 7.18(d, 2H, J=8.6Hz), 6.85(dd, 1H, J1=9.0Hz, J2=2.0Hz), 6.80(d, 2H, J=8.6Hz), 6.63(d, 2H, J=8.6Hz), 3.95(t, 2H, J=6.0Hz), 2.21-1.80(m, 6H), 1.74-1.70(m, 2H), 1.58-1.21(m, 6H).
(第七工程)
【0188】
【化73】
【0189】
2-[5-[4-[(6-Hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)benzo[b]thiophen-3-yl)carbonyl]-phenoxy]pentyl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)malonic acid (1.1g, 1.58mmol)をジメチルスルホキシド(10ml)に溶解し、120℃で3時間攪拌した。反応液を室温に冷却して水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を 無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過した。 濾液を減圧濃縮した残さをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン = 1:1)で精製して黄色の2-[5-[4-[(6-Hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)benzo[b]thiophen-3-yl)carbonyl]phenoxy]pentyl] -6,6,7,7,7-pentafluoroheptanoic acid (732mg, 71%、固体状)を得た。
1H-NMR (300MHz, CD3OD) : δ7.68(d, 2H, J=8.8Hz), 7.38(d, 1H, J=8.8Hz), 7.25(d, 1H, J=2.3Hz), 7.18(d, 2H, J=8.6Hz), 6.85(dd, 1H, J1=8.8Hz, J2=2.3Hz), 6.79(d, 2H, J=8.9Hz), 6.63(d, 2H, J=8.6Hz), 3.95(t, 2H, J=6.5Hz), 2.85(m, 1H), 2.15-1.94(m, 2H), 1.78-1.29(m, 12H).
Mass(ESI) : 651(M+1).
実施例7
8-[4-[(6-Hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)benzo[b]thiophen-3-yl)carbonyl]phenoxy]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)octanoic acidの合成
【0190】
【化74】
【0191】
実施例1と同様に反応を行い8-[4-[(6-Hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)benzo[b]-thiophen-3-yl)carbonyl]phenoxy]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)octanoic acidを得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3) : δ7.68 (d, 2H, J=8.6Hz), 7.38 (d, 1H, J=8.7Hz), 7.24-7.16 (m, 3H), 6.86-6.78 (m, 3H), 6.62 (d, 2H, J=8.3Hz), 3.95 (t, 2H, J=6.4Hz), 2.35 (m, 1H), 2.15-1.95 (m, 2H), 1.77-1.25 (1m, 4H).
Mass(ESI) : 665 (M+1).
実施例8
2-[2-[4-[(6-Hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)benzo[b]thiophen-3-yl)carbonyl]-phenoxy]ethyl]-6,6,7,7,7-pentafluoroheptanoic Acid の合成
【0192】
【化75】
【0193】
実施例1と同様に反応を行い2-[2-[4-[(6-Hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)benzo[b] -thiophen-3-yl)carbonyl]phenoxy]ethyl]-6,6,7,7,7-pentafluoroheptanoic acidを得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3+CD3OD): δ7.70(d, 2H, J=8.9Hz), 7.50(d, 1H, J=8.8Hz), 7.26(d, 1H, J=2.2Hz ), 7.20(d, 2H, J=8.6Hz) 6.90 (dd, 1H, J1=8.8Hz, J2=2.2Hz), 6.70(d, 2H, J=8.9Hz), 6.65(d, 2H, J=8.6Hz), 4.10-3.90(m, 2H), 2.58(m, 1H), 2.18-1.84(m, 4H), 1.82-1.52(m, 4H).
実施例9
2-[3-[4-[(6-Hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)benzo[b]thiophen-3-yl)carbonyl]-phenoxy]propyl]-6,6,7,7,7-pentafluoroheptanoic Acid の合成
【0194】
【化76】
【0195】
実施例1と同様に反応を行い2-[3-[4-[(6-Hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)benzo-[b]thiophen-3-yl)carbonyl]phenoxy]propyl]-6,6,7,7,7-pentafluoroheptanoic acidを得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3): δ7.73(d, 2H, J=8.8Hz), 7.47(d, 1H, J=8.8Hz), 7.27(d, 1H, J=2.2Hz), 7.21(d, 2H, J=8.6Hz), 6.86(dd, 1H, J1=8.7Hz, J2=2.3Hz), 6.73(d, 2H, J=8.9Hz), 6.67(d, 2H, J=8.6Hz), 3.94(t, 2H, J=6.1Hz), 2.39(m, 1H), 2.10-1.97(m, 2H), 1.82-1.55(m, 8H).
Mass(ESI): 623 (M+1)
実施例10
2-[4-[4-[(6-Hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)benzo[b]thiophen-3-yl)carbonyl]phenoxy]butyl]-6,6,7,7,7-pentafluoroheptanoic Acid の合成
【0196】
【化77】
【0197】
実施例1と同様に反応を行い2-[4-[4-[(6-Hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)benzo-[b]thiophen-3-yl)carbonyl]phenoxy]butyl]-6,6,7,7,7-pentafluoroheptanoic acidを得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3): δ7.71(d, 2H, J = 8.8Hz), 7.54(d, 1H, J = 8.7Hz), 7.26(d, 1H, J = 2.3Hz), 7.19(d, 2H, J =8.6Hz), 6.88(dd, 1H, J1=8.8Hz, J2=2.3Hz), 6.69(d, 2H, J=8.8Hz), 6.64(d, 2H, J=8.6), 3.93(t, 2H, J = 6.1Hz), 2.38(m, 1H), 2.15-1.47(m, 12H).
Mass(ESI) : 637 (M+1).
実施例11
10-[(R)-7-Hydroxy-3-(4-hydroxyphenyl)-3,4-dihydro-2H-benzo[1,4]oxazine-4-yl]-2-(6,6,7,7,7-pentafluoroheptyl)decanoic Acid の合成
(第一工程)
【0198】
【化78】
【0199】
(R)-4-Hydroxyphenylglycine(1.00g, 5.98mmol)のメタノール(10ml)に塩化チオニル(0.65ml)を加え室温にて終夜攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残さに酢酸エチル(20ml)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)、Di-tert-butyl-dicarbonate(1.57g, 7.19mmol)を加え、室温にて4時間攪拌した。反応混合物を分液後、有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム上乾燥した。有機層を減圧下濃縮後、得られた固体を酢酸エチル−ヘキサンで洗浄し、(R)-N-(tert-Butoxycarbonyl)-4-hydroxyphenylglycine methyl ester(1.47g, 87%)を得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ: 7.18(2H, d, J=8.6Hz), 6.74(2H, d, H=8.6Hz), 5.71(1H, brs), 5.50-5.60(1H, m), 5.18-5.26(1H, m), 3.71(3H, s), 1.43(9H, s)
(第二工程)
【0200】
【化79】
【0201】
(R)-(N-tert-Butoxycarbonyl)-4-hydroxyphenylglycine methyl ester(1.42g, 5.05mmol)、炭酸カリウム(768mg, 5.56mmol)のアセトン(5ml)に臭化ベンジル(0.66ml, 5.55mmol)を加え、室温にて終夜攪拌後、一時間加熱還流した。反応混合物を冷却後、減圧下濃縮した。得られた残渣に酢酸エチルを加え水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウム上乾燥した。有機層を減圧下濃縮後、得られた固体を酢酸エチル−ヘキサンで洗浄し、(R)-N-(tert-Butoxycarbonyl)-4-benzyloxyphenylglycine methyl ester(1.67g, 89%)を得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ: 7.30-7.45(5H, m), 7.27(2H, d, J=8.6Hz), 6.95(2H, d, J=8.6Hz), 6.40-6.55(1H, m), 6.20-6.30(1H, m), 5.05(2H, s), 3.71(3H, s), 1.43(9H, s)
(第三工程)
【0202】
【化80】
【0203】
(R)-N-(tert-Butoxycarbonyl)-4-benzyloxyphenylglycine methyl ester(200mg, 0.538mmol)、テトラヒドロほう酸リチウム(23mg, 1.06mmol)のテトラヒドロフラン(2ml)にエタノール(4ml)を加え室温にて終夜攪拌した。反応混合物に10%クエン酸を加え酸性(pH=4)にし、減圧下濃縮した。得られた残渣に酢酸エチルを加え水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウム上乾燥した。有機層を減圧下濃縮し、(R)-2-(tert-Butoxycarbonyl)amino-2-(4-benzyloxyphenyl)ethanol(187mg, 100%)を得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ: 7.27-7.45(5H, m), 7.21(2H, d, J=8.6Hz), 6.96(2H, d, J=8.6Hz), 5.05-5.20(1H, m), 5.05(2H, s), 5.65-5.80(1H, m), 3.75-3.85(2H, m), 2.35(1H, brs), 1.43(9H,s)
(第四工程)
【0204】
【化81】
【0205】
(R)-2-(tert-Butoxycarbonyl)amino-2-(4-benzyloxyphenyl)ethanol(161mg, 0.469mmol)、5-Benzyloxy-2-bromophenol(131mg, 0.469mmol)トリフェニルホスフィン(160mg, 0.610mmol)のテトラヒドロフラン(3ml)に窒素気流下、Diisopropylazodicarboxylate(0.10ml, 0.603mmol)を加え室温にて5時間攪拌した。さらに、 Diisopropylazodicarboxylate(0.05ml, 0.302mmol)を加え室温にて3時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウム上乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,酢酸エチル:ヘキサン=1:4,v/v)で精製し(R)-N-(tert-butoxycarbonyl)-2-(5-Benzyloxy-2-bromophenoxy)-1-(4-benzyloxyphenyl)ethylamine(214mg, 75%)を得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ: 7.25-7.45(13H, m), 6.95(2H, d, J=8.6Hz), 6.40-6.55(2H, m), 5.35-5.50(1H, m), 5.05(2H, s), 5.00(2H, s), 4.95-5.05(1H, m), 4.05-4.25(2H, m), 1.42(9H, m)
(第五工程)
【0206】
【化82】
【0207】
(R)-N-(tert-butoxycarbonyl)-2-(5-Benzyloxy-2-bromophenoxy)-1-(4-benzyloxyphenyl)ethylamine(200mg, 0.331mmol)の塩化メチレン(1ml)にトリフルオロ酢酸(1ml)を加え室温にて1時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えアルカリ性とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム上乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,酢酸エチル:ヘキサン=2:1,v/v)で精製し(R)-2-(5-Benzyloxy-2-bromophenoxy)-1-(4-benzyloxyphenyl)ethylamine(127mg, 76%)を得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ: 7.25-7.45(13H, m), 6.97(2H, d, J=8.6Hz), 6.42-6.53(2H, m), 5.07(2H, s), 5.00(2H, s), 4.42(1H, dd, J=8.9, 3.6Hz), 4.07(1H, dd, J=8.9, 3.6Hz), 3.87(1H, dd, J=8.9, 8.9Hz), 1.77(2H, brs)
(第六工程)
【0208】
【化83】
【0209】
(R)-2-(5-Benzyloxy-2-bromophenoxy)-1-(4-benzyloxyphenyl)ethylamine(120mg, 0.238mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(11mg, 0.012mmol)、2,2'-Bis(diphenylphosphino)-1,1'-binaphthyl(15mg, 0.024mmol)、カリウム−t−ブトキシド(37mg, 0.330mmol)のトルエン(2.5ml)を窒素気流下、100℃にて3時間加熱攪拌した。反応混合物を冷却後、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム上乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,酢酸エチル:ヘキサン=1:5,v/v)で精製し(R)-7-Benzyloxy-3-(4-benzyloxy -phenyl)-3,4-dihydro-2H-benzo[1,4]oxazine(55.4mg, 55%)を得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ: 7.25-7.50(12H, m), 6.98(2H, d, J=8.6Hz), 6.58(1H, d, J=8.6Hz), 6.55(1H, d, J=2.6Hz), 6.48(1H, dd, J=8.6, 2.6Hz), 5.07(2H, s), 4.99(2H, s), 4.39(1H, dd, J=8.9, 2.6Hz), 4.22(1H, dd, J=10.6, 2.6Hz), 3.96(1H, dd, 10.6, 8.9Hz), 3.73(1H, brs)
(第七工程)
【0210】
【化84】
【0211】
(R)-7-Benzyloxy-3-(4-benzyloxyphenyl)-3,4-dihydro-2H-benzo[1,4]oxazine(47.6mg, 0.112mmol)、ヨウ化ナトリウム(67mg, 0.450mmol)、炭酸カリウム(31mg, 0.224mmol)、臭化アリル(0.04ml, 0.473mmol)のアセトン(1ml)を窒素気流下、50℃にて3時間加熱攪拌した後、7時間加熱還流した。反応混合物を冷却後、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム上乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,酢酸エチル:ヘキサン=1:5,v/v)で精製し(R)-4-Allyl-7-benzyloxy-3-(4-benzyloxyphenyl)-3,4-dihydro-2H-benzo[1,4]oxazine(44mg, 85%)を得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ: 7.25-7.45(10H, m), 7.20(2H, d, J=8.6Hz), 6.95(2H, d, J=8.6Hz), 6.74(1H, d, J=9.6Hz), 6.50-6.56(2H, m), 5.68-5.85(1H, m), 5.06-5.17(2H, m), 5.05(2H, s), 4.98(2H, s), 4.33(1H, d, J=6.9, 3.0Hz), 4.19(1H, dd, J=10.9, 3.0Hz), 4.11(1H, dd, J=10.9, 6.9Hz), 4.85-4.98(1H, m), 3.47(1H, dd, J=16.8, 6.3Hz)
(第八工程)
【0212】
【化85】
【0213】
1)(R)-4-Allyl-7-benzyloxy-3-(4-benzyloxyphenyl)-3,4-dihydro-2H-benzo-[1,4]oxazine(177mg, 0.382mmol)、2-(6,6,7,7,7-Pentafluoroheptyl)-non-8-enoic acid ethyl ester(285mg, 0.765mmol)、Benzylidene-bis(tricyclohexylphosphine)-dichlororuthenium(16mg, 0.019mmol)の塩化メチレン(2ml)溶液を窒素気流下、5時間加熱還流した。反応混合液にさらに2-(6,6,7,7,7-Pentafluoroheptyl)-non-8-enoic acid ethyl ester(71mg, 0.190mmol)とBenzylidene-bis(tricyclohexylphosphine)-dichlororuthenium(16mg, 0.019mmol)を加え、2時間加熱還流した。反応混合物を冷却後、減圧下濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,クロロホルム:ヘキサン=3:1,v/v)で精製し油状物質(197mg)を得た。
2) 上記1)で得られた油状物質、10% Pd-C(13mg, 0.012mmol)のエタノール−メタノール(1:1, 3ml)を水素気流下、室温にて13時間攪拌した。反応混合物をセライトを通し濾過した後、母液を減圧下濃縮した。得られた残渣をさらに2回上記と同様の還元反応に付した。さらに得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,酢酸エチル:ヘキサン=1:2〜1:1,v/v)で精製しEthyl 10-[(R)-7-hydroxy-3-(4-hydroxyphenyl)-3,4-dihydro-2H-benzo-[1,4]oxazine-4-yl]-2-(6,6,7,7,7-pentafluoroheptyl)decanoate(60.2mg, 26%)を得た。
1H-NMR (270MHz, CD3OD) δ: 7.13(2H, d, J=8.6Hz), 6.78(2H, d, J=8.6Hz), 6.65(1H, d, J=8.6Hz), 6.36(1H, dd, J=8.6, 2.6Hz), 6.29(1H, d, J=2.6Hz), 4.27(1H, dd, J=6.3, 3.0Hz), 4.00-4.20(4H, m), 3.20-3.35(1H, m), 2.80-2.95(1H, m), 2.30-2.45(1H, m), 2.00-2.23(2H, m), 1.15-1.70(25H, m)
(第九工程)
【0214】
【化86】
【0215】
Ethyl 10-[(R)-7-hydroxy-3-(4-hydroxyphenyl)-3,4-dihydro-2H-benzo[1,4]-oxazine-4-yl]-2-(6,6,7,7,7-pentafluoroheptyl)decanoate(56.8mg, 0.0902mmol)のエタノール(1ml)に窒素気流下、1規定水酸化ナトリウム水溶液(1ml)を加え、50度にて7時間加熱攪拌した。反応混合物を冷却後、1規定塩酸水溶液を加え酸性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウム上乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,酢酸エチル:ヘキサン=1:1,v/v)で精製し10-[(R)-7-Hydroxy-3-(4-hydroxyphenyl)-3,4-dihydro-2H -benzo[1,4]oxazine-4-yl]-2-(6,6,7,7,7-pentafluoroheptyl)decanoic Acid(41.4mg, 76%)を得た。
1H-NMR (270MHz, CD3OD) δ: 7.13(2H, d, J=8.6Hz), 6.78(2H, d, J=8.6Hz), 6.64(1H, d, J=8.6Hz), 6.37(1H, dd, J=8.6, 2.6Hz), 6.29(1H, d, J=2.6Hz), 4.21-4.35(1H, m), 4.12(1H, dd, J=10.6, 3.0Hz), 4.05(1H, dd, J=10.6, 6.6Hz), 3.20-3.35(1H, m), 2.82-2.95(1H, m), 2.25-2.38(1H, m), 2.00-2.21(2H, m), 1.10-1.70(22H, m)
実施例12
10-[3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien -11β-yl]-2-(6,6,7,7,7-pentafluoroheptyl) decanoic acidの合成
(第一工程)
【0216】
【化87】
【0217】
アルゴン雰囲気下、3,17β-Bis(benzyloxy)estra-1,3,5(10)-trien-11-one (148.8 mg, 0.318 mmol)の無水テトラヒドロフラン溶液 (2.5 ml)を-10℃に冷却し、allyl magnesium bromideの1.0M無水エーテル溶液(1.5 ml, 1.5mmol)を滴下し、室温で15時間攪拌した。反応液を0 oCに冷却し、水および飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。濾過、溶媒を留去後、残さをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)により精製し、3,17β-Bis(benzyloxy)-11α-(2-propenyl)estra-1,3,5(10)-trien-11β-ol(150.4mg, 93%)を得た。
1H-NMR (270 MHz, CDCl3) : δ 7.79 (d, J= 10 Hz, 1H, C1-H), 7.44-7.29 (m, 10H), 6.82-6.76 (m, 2H, C2 and C4-H), 6.00-5.85 (m, 1H, olefin-H), 5.20-5.12 (m, 2H, olefin-H), 5.04 (s, 2H, Ph-CH2), 4.55 (s, 2H, Ph-CH2), 3.44 (t, J= 8 Hz, 1H, C17-H), 2.88 (dd, J= 14, 8 Hz, 1H, allylic-CH2), 2.78-2.58 (m, 2H), 2.50 (dd, J= 14, 7 Hz, 1H, allylic-CH2), 2.23 (d, J= 11 Hz, 1H), 2.11 (d, J= 14 Hz, 1H), 2.08-1.95 (m, 1H), 1.90-1.15 (m, 9H), 1.07(s, 3H, C18-H).
(第二工程)
【0218】
【化88】
【0219】
3,17β-Bis(benzyloxy)-11α-(2-propenyl)estra-1,3,5(10)-trien-11β-ol (65.5 mg, 0.129 mmol)とEthyl 2-(6,6,7,7,7-Pentafluoroheptyl)-8-nonenoate(101.3 mg, 0.272 mmol)のジクロロメタン (0.5 ml)溶液に benzylidenebis(tricyclohexylphosphine)-dichlororuthenium (5.9 mg, 0.00717 mmol)を加えアルゴン雰囲気下2.5時間加熱還流した。放冷後、 Ethyl 2-(6,6,7,7,7-Pentafluoroheptyl)-8-nonenoate (100 mg, 0.269 mmol)およびbenzylidenebis(tricyclohexylphosphine)-dichlororuthenium (6 mg, 0.00729 mmol)を加えアルゴン雰囲気下3時間加熱還流した。放冷後、 Ethyl 2-(6,6,7,7,7-Pentafluoroheptyl)-8-nonenoate((100 mg, 0.269 mmol)およびbenzylidenebis(tricyclohexylphosphine)-dichlororuthenium (6 mg, 0.00729 mmol)を加えアルゴン雰囲気下6.5時間加熱還流した後、放冷した。また別に、 3,17β-Bis(benzyloxy)-11α-(2-propenyl)estra-1,3,5(10)-trien-11β-ol(84.5 mg, 0.166 mmol)とEthyl 2-(6,6,7,7,7-Pentafluoroheptyl)-8-nonenoate(124 mg, 0.333 mmol)のジクロロメタン (0.5 ml)溶液に benzylidenebis(tricyclohexylphosphine)-dichlororuthenium (6.8 mg, 0.00826 mmol)を加えアルゴン雰囲気下2.5時間加熱還流した。放冷後、 Ethyl 2-(6,6,7,7,7-Pentafluoroheptyl)-8-nonenoate(124 mg, 0.333 mmol)およびbenzylidenebis(tricyclohexylphosphine)-dichlororuthenium (6.8 mg, 0.00826 mmol)を加えアルゴン雰囲気下3時間加熱還流した。放冷後、 Ethyl 2-(6,6,7,7,7-Pentafluoroheptyl)-8-nonenoate(124 mg, 0.333 mmol)およびbenzylidenebis(tricyclohexylphosphine)-dichlororuthenium (6.8 mg, 0.00826 mmol)を加えアルゴン雰囲気下6.5時間加熱還流した後、放冷した。上記2つの反応液を混合して減圧濃縮し、残さをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 5:1)で精製して Ethyl 10-[3,17β-Bis(benzyloxy)-11β-hydroxyestra-1,3,5(10)-trien-11α-yl]-2-(6,6,7,7,7-pentafluoroheptyl) -8-decenoate(186.4 mg, 74%)を得た。
1H-NMR(270MHz, CDCl3): δ7.79(d, J= 10Hz, 1H), 7.45-7.25(m,10H), 6.82-6.72(m, 2H), 5.62-5.40(m, 2H, olefin-H), 5.04(s, 2H, Ph-CH2), 4.55(s, 2H, Ph-CH2), 4.13(q, J=7Hz, 2H, COO-CH2), 3.42(t, J= 8Hz, 1H), 2.95-1.14(m,40H), 1.07(s,3H).
(第三工程)
【0220】
【化89】
【0221】
Ethyl 10-[3,17β-Bis(benzyloxy)-11β-hydroxyestra-1,3,5(10)-trien-11α-yl]-2-(6,6,7,7,7-pentafluoroheptyl)-8-decenoate(155.4 mg, 0.182 mmol)のエタノール溶液 (8 mL)に30%HBr酢酸溶液(2 ml)を加え、50℃にて24時間攪拌した。放冷後、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にあけ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、減圧濃縮して得られた残さをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)により精製し、油状物質を得た。この油状物質をエタノール(5 ml)およびメタノール(5 ml)の混合溶媒に溶解し、10% palladium carbon(78.8 mg)を加え室温、水素雰囲気下で14時間攪拌した。窒素置換後、10% palladium carbon(74.0 mg)を加え室温、水素雰囲気下で15時間攪拌した。反応液を濾過、濃縮し、メタノール(10 ml)に溶解し、10% palladium carbon(80 mg)を加え室温、水素雰囲気下で2日間攪拌した。反応液を濾過、濃縮し、残さをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により精製し、油状物質を得た。これをさらにシリカゲルプレート(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により精製し、Ethyl 10-[3,17β-dihydroxyestra -1,3,5(10)-trien-11β-yl]-2-(6,6,7,7,7-pentafluoroheptyl)decanoate(14.6 mg,12%)を得た。
1H-NMR(270MHz, CDCl3) : δ7.00(d, J= 8.6 Hz, 1H), 6.62(dd, J= 8.6, 2.6 Hz, 1H), 6.55(d, J= 2.6 Hz, 1H), 5.28(bs, 1H, Ar-OH), 4.15(q, J= 7.3 Hz, 2H, COO-CH2), 3.70(t, J= 8.6 Hz, 1H), 2.90-1.10(m, 45H), 0.91(s, 3H).Rf値(シリカゲルプレート、展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=2:1):0.45.
(第四工程)
【0222】
【化90】
【0223】
Ethyl 10-[3,17β-dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-11β-yl]-2-(6,6,7,7,7-pentafluoroheptyl)decanoate(11.1 mg, 0.0168 mmol)をエタノール(0.5 ml)とテトラヒドロフラン(0.5 ml)の混合溶媒に溶解し、1N-NaOH水溶液(0.5 ml)を加え、5時間加熱還流した。放冷後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過、減圧濃縮して得られた残さをシリカゲルプレート(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)により精製し、10-[3,17β-dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-11β-yl]-2-(6,6,7,7,7-pentafluoroheptyl)decanoic acid(5.3 mg,50%)を得た。1H-NMR(270MHz, CDCl3): δ7.00(d, J= 8.3 Hz, 1H), 6.62(d, J= 8.3 Hz, 1H), 6.54(s, 1H), 3.73(t, J=8.1 Hz, 1H), 2.90-1.07(m, 42H), 0.92(s, 3H).
Mass (ESI) : 653(M+Na).
Rf値(シリカゲルプレート、展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=1:1):0.22.
実施例13
11-(3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-7α-yl)-2-(4,4,5,5,5-penta-fluoropentyl) undecanoic acidの合成
(第一工程)
【0224】
【化91】
【0225】
窒素雰囲気下、-70℃にてカリウムtert-ブトキシド(1Mテトラヒドロフラン溶液)(100 ml, 100 mmol)にn-ブチルリチウム(2.5Mヘキサン溶液)(40 ml, 100 mmol)を加え、続いてジイソプロピルアミン(19.1 g, 100 mmol)を同じ温度で加えた。10分攪拌後、文献記載(Tetrahedron Lett.,3223(1988))の方法により合成した17β-(t-Butyldimethylsiloxy)-3-methoxyestra-1,3,5(10)-triene(10g, 25 mmol)のテトラヒドロフラン溶液(40 ml)を-70℃にて10-15分間かけて滴下し、4時間攪拌した。ホウ酸トリメチル(15.6 g, 150 mmol)を加え、氷冷まで昇温し1時間攪拌した後、30%過酸化水素水(35 ml)を加えた。室温にて1時間攪拌した後、再び氷冷し、10% チオ硫酸ナトリウム水溶液(150 ml)にて反応を終了させた。エーテルにて抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。濾過、溶媒を留去後、残さをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1〜3:1)により精製し、17β-(t-Butyldimethylsiloxy)-3-methoxyestra-1,3,5(10)-trien-6-ol(8.38 g, 82%)を得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3): δ7.18 (d, J=8.5Hz, 1H, C1-CH), 7.11 (d, J=2.7Hz, 1H, C4-CH), 6.77 (dd, J=8.5, 2.7Hz, 1H, C2-CH), 4.8 (m, 1H), 3.78 (s, 3H, C3-OCH3), 3.62 (m, 1H), 2.3-2.2 (m, 3H), 2.0-1.8 (m, 2H), 1.7-1.1 (m, 8H), 0.87 (s, 9H), 0.71 (s, 3H, C18-CH3), 0.04 (s, 3H), 0.03 (s, 3H).
(第二工程)
【0226】
【化92】
【0227】
17β-(t-Butyldimethylsiloxy)-3-methoxyestra-1,3,5(10)-trien-6-ol(14.4 g, 34.5 mmol)をジクロロメタン(250 ml)に溶解し、二酸化マンガン(29g)とモリキュラーシーブス4A粉末(7.2 g)を室温にて加えた。1時間攪拌した後、反応液をセライトろ過し、減圧下濃縮した。残さをヘキサンより再結晶し、17β-(t-Butyldimethylsiloxy)-3-methoxyestra-1,3,5(10)-trien-6-one(11.36 g, 79%)を得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3): δ7.55 (d, J=3.0Hz, 1H, C4-CH), 7.34 (d, J=8.5Hz, 1H, C1-CH), 7.10 (dd, J =8.5, 3.0Hz, 1H, C2-CH), 3.84 (s, 3H, C3-OCH3), 3.66 (m, 1H), 2.74 (dd, J=16.8, 3.3Hz, 1H), 2.5-2.3 (m, 2H), 2.19 (dd, J= 16.8, 13.2Hz, 1H), 2.0-1.8 (m, 3H), 1.7-1.2 (m, 5H), 0.89 (s, 9H), 0.75 (s, 3H, C18-CH3), 0.04 (s, 3H), 0.03 (s, 3H).
mp. 159-160 ℃
(第三工程)
【0228】
【化93】
【0229】
窒素雰囲気下、17β-(t-Butyldimethylsiloxy)-3-methoxyestra-1,3,5(10)-trien-6-one(2.12 g, 5 mmol)の無水1,2-ジメトキシエタン溶液 (30 ml)を-70℃に冷却し、固体のPotassium hexamethyldisilazide(1.1 g, 5.5 mmol)を加え、-70℃のまま1時間攪拌した。その後、−70℃にて蒸留したヨウ化アリル(1.68 g, 10 mmol)をシリンジにて加え、1時間かけて反応液を0℃まで昇温した。1時間後、0℃にて反応液に水を加え、エーテルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。濾過、溶媒を留去後、残さをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1〜15:1)により精製し、17β-(t-Butyldimethylsiloxy)- 3-methoxy-7αβ-(2-propenyl)estra-1,3,5(10)-trien-6-one (2.0 g, 88%)を得た。(7α/7βの比:約1/6)上記混合物をナトリウムメトキシド溶液(0.1M)に溶解し、2時間加熱還流し、7α/7βの比が約7/1の混合物を得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3, 7α置換体のスペクトル): δ7.53 (d, 1H, J=2.8Hz, C4-CH), 7.32 (d, 1H, J=8.5Hz, C1-CH), 7.09 (dd, J=8.5, 2.8Hz, 1H, C2-CH), 5.87-5.72 (m, 1H), 5.02-4.9 (m, 2H), 3.84 (s, 3H, C3-OCH3), 3.68 (m, 1H), 2.77-2.64 (m, 1H), 2.6-2.54 (m, 1H), 2.4-2.3 (m, 2H), 2.22-2.06 (m, 2H), 2.0-1.85 (m, 2H), 1.65-1.2 (m, 6H), 0.9 (s, 9H), 0.75 (s, 3H, C18-CH3), 0.05 (s, 3H), 0.03 (s, 3H).
(第四工程)
【0230】
【化94】
【0231】
17β-(t-Butyldimethylsiloxy)- 3-methoxy-7αβ-(2-propenyl)estra-1,3,5(10)-trien-6-one (5.78 g, 12.7 mmol)をテトラヒドロフラン(30 ml)に溶解し、Tetra-n-butylammonium fluoride (1Mテトラヒドロフラン溶液)(60 ml)を加え、窒素雰囲気下4時間加熱還流した。放冷後、反応液に水を加え、エーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、濾過、減圧濃縮してジアステレオ混合物として17β-Hydroxy-3-methoxy-7αβ-(2-propenyl)estra-1,3,5(10)-trien-6-oneを得た。 ジイソプロピルエーテル(70 ml)から再結晶を行い、単一の異性体として17β-Hydroxy-3-methoxy-7α-(2-propenyl)estra-1,3,5(10)-trien-6-one(2.61 g,60%)を得た。
1H-NMR(270MHz, CDCl3): δ7.53(d, J=3.0Hz, 1H, C4-CH), 7.32(d, J=8.5Hz, 1H, C1-CH), 7.09(dd, J=8.5, 3.0Hz, 1H, C2-CH), 5.84-5.74(m, 1H), 5.01-4.92(m, 2H, olefin-H), 3.84(s, 3H, C3-OCH3), 3.84-3.75(m, 1H, C17-CH), 2.80-2.68(m, 1H, C9-CH), 2.63-2.52(m, 1H, C7-CH), 2.51-2.38(m, 2H, allyl-CH2 and C11-CH2), 2.24-2.05(m, 3H, allyl-CH2 and C8-CH and C16-CH2), 2.02-1.91(m, 1H, C11-CH2), 1.71-1.33(m, 7H), 0.79(s,3H, C18-CH3).
mp 122-123℃
(第五工程)
【0232】
【化95】
【0233】
17β-Hydroxy-3-methoxy-7α-(2-propenyl)estra-1,3,5(10)-trien-6-one(1.0 g, 2.9 mmol)のジクロロメタン溶液 (20 mL)に0 ℃にてトリエチルシラン(5 ml)およびボロントリフルオリドジエチルエーテル錯体(5 ml)を加えた。室温まで昇温し、18時間攪拌した。反応後、10%炭酸カリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、濾過、減圧濃縮して得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により精製し、3-Methoxy-7α-(2-propenyl)estra-1,3,5(10)-trien-17β-ol(935 mg,98%)を得た。
1H-NMR(270MHz, CDCl3): δ7.20(d, J=8.6Hz, C1-1H), 6.71(dd, J=8.6, 2.4Hz, C2-1H), 6.60(d, J=2.4Hz, C4-1H), 5.86-5.72(m, 1H), 5.00-4.90(m, 2H, olefin-H), 3.77(s, 3H, C3-OCH3), 3.77-3.71(m, 1H, C17-CH), 2.80-2.68(m, 1H, C9-CH), 2.63-2.52(m, 1H, C7-CH), 2.51-2.38(m, 2H, allyl-CH2 and C11-CH2), 2.24-2.05(m, 3H, allyl-CH2 and C8-CH and C16-CH2), 2.02-1.91(m, 1H, C11-CH2), 1.71-1.33(m, 7H), 0.79(s,3H, C18-CH3).
(第六工程)
【0234】
【化96】
【0235】
3-Methoxy-7α-(2-propenyl)estra-1,3,5(10)-trien-17β-ol (723 mg,2.21 mmol)とEthyl 2-(4,4,5,5,5-Pentafluoropentyl)-9-decenoate (1.59 g, 4.43 mmol) のジクロロメタン (20 ml)溶液に benzylidenebis(tricyclohexyl -phosphine)-dichlororuthenium (98 mg, 0.11 mmol)を加えアルゴン雰囲気下20時間加熱還流した。放冷後、反応液を減圧濃縮し、残さをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1)で精製してEthyl 11-[17β-Hydroxy-3-methoxyestra-1,3,5(10)-trien-7α-yl]-2-(4,4,5,5,5-penta-fluoropentyl) -9-undecenoate(973 mg, 67%)を得た。
1H-NMR(270MHz, CDCl3): δ7.20(d, J=8.6Hz, 1H, C1-CH), 6.76-6.69(m,1H, C2-CH), 6.63-6.58(m, 1H, C4-CH), 5.42-5.27(m, 2H, olefin-H), 4.15(q, J=7.1Hz, 2H, COO-CH2), 3.78-3.70(m, 4H, C17-CH and C3-OCH3), 2.90-2.63(m, 2H), 2.41-2.22(m, 3H), 2.20-1.16(m, 34H), 0.78(s,3H, C18-CH3).
(第七工程)
【0236】
【化97】
【0237】
Ethyl 11-[17β- Hydroxy-3-methoxyestra -1,3,5(10)-trien-7α-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl) -9-undecenoate(970 mg, 1.48 mmol)を酢酸エチル(30 ml)に溶解し、10% パラジウム−炭素(300 mg)を加え、水素雰囲気下、室温にて4時間攪拌した。反応液を濾過、濃縮し、油状物質としてEthyl 11-[17β-Hydroxy-3-methoxyestra-1,3,5(10)-trien-7α-yl]-2-(4,4,5,5,5-penta-fluoropentyl) undecanoate(946 mg,97%)を得た。
1H-NMR(270MHz, CDCl3): δ7.20(d, J=8.6Hz, 1H, C1-CH), 6.76-6.69(m,1H, C2-CH), 6.63-6.58(m, 1H, C4-CH), 4.14(q, J=7.1Hz, 2H, COO-CH2), 3.77(s, 3H, C3-OCH3), 3.74(t, J=8.4Hz, 1H, C17-CH), 2.94-2.70(m, 2H), 2.40-2.24(m, 3H), 2.20-1.84(m, 4H), 1.80-0.96(m, 34H), 0.78(s,3H, C18-CH3).
(第八工程)
【0238】
【化98】
【0239】
Ethyl 11-[17β- Hydroxy-3-methoxyestra -1,3,5(10)-trien-7α-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)undecanoate(946 mg, 1.43 mmol)をジクロロメタン(18 ml)に溶解し、-78 ℃にて三臭化ボラン1Mジクロロメタン溶液(4.3 ml, 4.3 mmol)を滴下した。徐々に昇温し0 ℃にて3時間攪拌した。水を加えて反応を終結し、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、濾過、減圧濃縮して得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により精製し、Ethyl 11-[3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-7α-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoro-pentyl)undecanoate(663 mg,72%)を得た。
1H-NMR(270MHz, CDCl3): δ7.14(d, J=8.4Hz, 1H, C1-CH), 6.66-6.59 (m,1H, C2-CH), 6.57-6.53(m, 1H, C4-CH), 5.10(brs, 1H, C3-OH), 4.15(q, J=7.1Hz, 2H, COO-CH2), 3.75(t, J=8.4Hz, 1H, C17-CH), 2.94-2.68(m, 2H), 2.40-2.22(m, 3H), 2.20-1.84(m, 4H), 1.80-0.96(m, 34H), 0.78(s, 3H, C18-CH3).
(第九工程)
【0240】
【化99】
【0241】
Ethyl 11-[3,17β-Dihydroxyestra -1,3,5(10)-trien-7α-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)undecanoate(660 mg, 1.03 mmol)をエタノール(10 ml)と水(2.0 ml)の混合溶媒に溶解し、NaOH(820 mg, 20.5 mmol)を加え、60 ℃にて4時間加熱した。放冷後、2N塩酸水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、濾過、減圧濃縮して得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)により精製し、11-[3,17β- Dihydroxyestra -1,3,5(10)-trien-7α-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)undecanoic acid(613 mg,97%)を得た。
1H-NMR(270MHz, CD3OD): δ7.07(d, J=8.4Hz, 1H, C1-CH), 6.54 (dd,J=8.4, 2.3Hz, 1H, C2-CH), 6.45(d, J=2.3Hz, 1H, C4-CH), 3.67(t, J=8.3Hz, 1H, C17-CH), 2.85-2.62(m, 2H), 2.39-1.84(m, 7H), 1.80-0.96(m, 33H), 0.78(s,3H, C18-CH3).
実施例14
10-[3,17β-Dihydroxyestra -1,3,5(10)-trien-7α-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)decanoic acidの合成
【0242】
【化100】
【0243】
実施例13で得られた3-Methoxy-7α-(2-propenyl)estra-1,3,5(10)-trien-17β-olと別途合成したEthyl 2-(4,4,5,5,5-Pentafluoropentyl)-8-nonenoateから実施例13と同様な方法で合成を行い10-[3,17β-Dihydroxyestra -1,3,5(10)-trien-7α-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)decanoic acidを得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3): δ7.16(d, J=8.4Hz, 1H, C1-CH), 6.63(dd, J=8.4Hz, J=2.7Hz, 1H, C2-CH), 6.55(s, 1H, C4-CH), 3.75(t, J=8.5Hz, 1H, C17-CH), 3.60-3.35(brs, 1H, C3-OH), 2.82-2.73(m, 2H), 2.45-2.23(m, 4H), 2.20-0.96(m, 31H), 0.78(s, 3H, C18-CH3).
実施例15
10-[3,17β- Dihydroxyestra -1,3,5(10)-trien-7α-yl]-2-(4,4,5,5,6,6,7,7,7-nonafluoroheptyl)decanoic acidの合成
【0244】
【化101】
【0245】
実施例13で得られた3-Methoxy-7α-(2-propenyl)estra-1,3,5(10)-trien-17β-olと別途合成したEthyl 2-(4,4,5,5,6,6,7,7,7-Nonafluoroheptyl)-8-nonenoateから実施例13と同様な方法で合成を行い10-[3,17β- Dihydroxyestra -1,3,5(10)-trien-7α-yl]-2-(4,4,5,5,6,6,7,7,7-nonafluoroheptyl)decanoic acidを得た。
1H-NMR (300MHz; CDCl3): δ7.12(d, J=8.4Hz, 1H), 6.68(dd, J=8.5, 2.4Hz, 1H), 6.53(d, J=2.6Hz, 1H), 3.68(t, J=8.5Hz, 1H), 2.95-2.60(m, 2H), 2.47-2.19(m, 4H), 2.18-1.03(m, 31H), 0.69(s, 3H).
実施例16
10-[3,17β- Dihydroxyestra -1,3,5(10)-trien-7α-yl]-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl)decanoic acidの合成
【0246】
【化102】
【0247】
実施例13で得られた3-Methoxy-7α-(2-propenyl)estra-1,3,5(10)-trien-17β-olと別途合成したEthyl 2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-Nonafluorohexyl)-8-nonenoateから実施例13と同様な方法で合成を行い10-[3,17β- Dihydroxyestra -1,3,5(10)-trien-7α-yl]-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl)decanoic acidを得た。
1H-NMR (300MHz; CDCl3): δ7.14(d, J=8.5Hz, 1H), 6.62(dd, J=8.2, 2.1Hz, 1H), 6.54(d, J=2.6Hz, 1H), 3.77(t, J=8.1Hz, 1H), 2.84-2.56(m, 2H), 2.44(m, 1H), 2.31(m, 2H), 2.18-1.02(m, 30H), 0.74(s, 3H).
実施例17
10-[3,17β-Dihydroxyestra -1,3,5(10)-trien-7α-yl]-2-(6,6,7,7,7-pentafluoroheptyl)decanoic acidの合成
【0248】
【化103】
【0249】
実施例13で得られた3-Methoxy-7α-(2-propenyl)estra-1,3,5(10)-trien-17β-olと別途合成したEthyl 2-(6,6,7,7,7-Pentafluoroheptyl)-8-nonenoateから実施例13と同様な方法で合成を行い10-[3,17β-Dihydroxyestra -1,3,5(10)-trien-7α-yl]-2-(6,6,7,7,7-pentafluoroheptyl)decanoic acidを得た。1H-NMR (300MHz; CDCl3): δ7.05(d, J=8.4Hz, 1H), 6.65(dd, J=8.6, 2.6Hz, 1H), 6.52(d, J=2.5Hz, 1H), 3.75(t, J=8.4Hz, 1H), 2.92-2.62(m, 2H), 2.33-2.12(m, 4H), 2.09-1.03(m, 35H), 0.75(s, 3H).
実施例18
11-[3,17β- Dihydroxyestra -1,3,5(10)-trien-7α-yl]-2-(4,4,5,5,6,6,7,7,7-nonafluoroheptyl)undecanoic acidの合成
【0250】
【化104】
【0251】
実施例13で得られた3-Methoxy-7α-(2-propenyl)estra-1,3,5(10)-trien-17β-olと別途合成したEthyl 2-(4,4,5,5,6,6,7,7,7-Nonafluoroheptyl)-9-decenoateから実施例13と同様な方法で合成を行い11-[3,17β- Dihydroxyestra -1,3,5(10)-trien-7α-yl]-2-(4,4,5,5,6,6,7,7,7-nonafluoroheptyl)undecanoic acidを得た。
1H-NMR(270MHz, CDCl3): δ7.13(d, J=8.4Hz, 1H, C1-CH), 6.62 (dd,J=8.4, 2.3Hz, 1H, C2-CH), 6.53(d, J=2.3Hz, 1H, C4-CH), 3.75(t, J=8.1 and 8.4Hz, 1H, C17-CH), 2.85 (dd, J-4.8 and 16.7Hz, 1H), 2.70(m, 1H), 2.39-1.88(m, 7H), 1.80-0.96(m, 33H), 0.78(s,3H, C18-CH3)
実施例19
11-[3,17β- Dihydroxyestra -1,3,5(10)-trien-7α-yl]-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl)undecanoic acidの合成
【0252】
【化105】
【0253】
実施例13で得られた3-Methoxy-7α-(2-propenyl)estra-1,3,5(10)-trien-17β-olと別途合成したEthyl 2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-Nonafluorohexyl)-9-decenoateから実施例13と同様な方法で合成を行い11-[3,17β- Dihydroxyestra -1,3,5(10)-trien-7α-yl]-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl)undecanoic acidを得た。
1H-NMR(270MHz, CD3OD): δ7.07(d, J=8.4Hz, 1H, C1-CH), 6.53 (dd,J=8.4, 2.2Hz, 1H, C2-CH), 6.45(d, J=2.2Hz, 1H, C4-CH), 3.67(t, J=8.1Hz, 1H, C17-CH), 2.87-2.62(m, 2H), 2.43-0.95(m, 35H), 0.78(s,3H, C18-CH3).
実施例20
11-(3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-11β-yl)-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl) undecanoic acidの合成
(第一工程)
【0254】
【化106】
【0255】
窒素雰囲気下にてβ-Estradiol (1.08 g, 4.0 mmol)にジメチルホルムアミド (11 ml) を加え、氷冷した。これに水素化ナトリウム (480 mg of 60% suspension)を加えて、10分間攪拌後、室温にて1時間攪拌した。再び氷冷後、臭化ベンジル (2.05 g, 12 mmol)を加え、10分間攪拌後、室温にて20時間攪拌した。氷冷水にてクエンチし、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水で洗浄後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過した。濾液をエバポレーターにて減圧濃縮し、残さをメタノールにてトリチュレートし、析出した固体を濾取した。真空乾燥後、3,17β−Bis(benzyloxy)estra-1,3,5(10)-triene (1.72g, 95%)を得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3): δ7.45- 7.20(m, 11H), 6.79(dd, J= 9.0 and 3.0Hz, 1H, C3-CH), 6.72(d, J=2.7Hz, 1H, C4-CH), 5.04(s, 2H), 4.56(s, 2H), 3.51(t, J= 8.1, 1H), 2.88- 2.83(m, 2H), 2.36- 1.15(m, 13H), 0.88(s, 3H, C18-CH3).
(第二工程)
【0256】
【化107】
【0257】
窒素雰囲気下、3,17β−Bis(benzyloxy)estra-1,3,5(10)-triene (45.2 mg, 0.1 mmol) にジクロロメタン (0.2 ml)、メタノール (0.1 ml)を加え、-78℃に冷却した。 2,3-Dichloro-5,6-dicyanobenzoquinone (22.7 mg, 0.1 mmol)を加え、-78℃にて10 分間攪拌後、室温にて3 時間攪拌した。 飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてクエンチし、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水で洗浄後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過した。濾液をエバポレーターにて減圧濃縮し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Merck Kieselgel 60, ヘキサン: 酢酸エチル =10: 1〜8: 1) にて精製し、目的化合物3,17β−Bis(benzyloxy)estra-1,3,5(10),9(11)-tetraene (35.7 mg, 80%)を得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3): δ7.54(d, J= 9.0Hz, 1H, C1-CH), 7.27- 7.45(m, 10H), 6.80(dd, J= 8.7 and 2.7Hz, 1H, C3-CH), 6.69(d, J=2.4Hz, 1H, C4-CH), 6.12(m, 1H), 5.05(s, 2H), 4.56(s, 2H), 4.22(m, 1H), 3.60(t, J=8.7Hz, 1H), 2.97- 2.70(m, 2H), 2.43- 1.09(m, 9H), 0.87(s,3H, C18-CH3).
(第三工程)
【0258】
【化108】
【0259】
窒素雰囲気下、 室温にて3,17β−Bis(benzyloxy)estra-1,3,5(10),9(11)-tetraene (27.17 g, 60.30 mmol)にcatecholborane (1.0Mテトラヒドロフラン溶液) (66.33 ml)溶液を加え、室温にて水素化ホウ素リチウム (1.31 g, 60.30 mmol)を加え、10 時間攪拌した。氷冷下でこの混合物を水酸化ナトリウム (24.12 g, 603.0 mmol) 、水 (70 ml) 、エタノール (150 ml) 、30% 過酸化水素水 (150 ml)の混合物に加え、氷冷下において1 時間 45 分間、室温にて3 時間攪拌した。
【0260】
エーテル、および水を加え、 エーテルにて抽出し、有機層を10% 水酸化ナトリウム水溶液、水で洗浄後、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Merck Kieselgel 60, ヘキサン: 酢酸エチル =6: 1〜5.5: 1)にて精製し、目的化合物3,17β−Bis(benzyloxy)estra-1,3,5(10)-trien-11α-ol (21.56 g, 76%)を得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3): δ7.87(d, J=8.4Hz, 1H, C1-CH), 7.27- 7.45(m, 10H), 6.81(dd, J= 8.7 and 2.7Hz, 1H, C3-CH), 6.74(d, J= 2.7Hz, 1H, C4-CH), 5.05(s, 2H), 4.58(s, 2H), 4.22(m, 1H), 3.53(t, J= 8.1, 1H), 2.82(m, 2H), 2.43(dd, J= 12.2 and 5.4Hz, 1H), 2.18-2.02(m, 2H), 1.91-1.84(m, 1H), 1.74-1.59(m, 2H), 1.49-1.27(m, 5H), 0.86(s, 3H, C18-CH3).
(第四工程)
【0261】
【化109】
【0262】
窒素雰囲気下、Oxalyl dichloride (3.54 ml, 40.59 mmol)にジクロロメタン (92.25 ml)を加えて-78℃に冷却した後、 ジクロロメタン (18.45 ml)で希釈したジメチルスルホキシド (5.76 ml, 81.18 mmol)溶液を滴下して加えた。-78℃において2 分間攪拌後、3,17β−Bis(benzyloxy)estra-1,3,5(10)-trien-11α-ol (17.29 g, 36.90 mmol)のジクロロメタン (36.90 ml)溶液を滴下して加え, -78℃において15 分間攪拌した。 トリエチルアミン (25.7 ml, 184.5 mmol)を滴下して加え、-78℃において5 分間攪拌後、室温まで昇温した。再び氷冷し、氷、および水を加えてクエンチしジクロロメタンにて抽出した。有機層を水で洗浄後、飽和食塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、濾液をエバポレーターにて減圧濃縮すると粗化合物3,17β−Bis(benzyloxy)estra-1,3,5(10)-trien-11-one (crude 18.76 g, quant from crude 1H-NMR)が得られた。
1H-NMR(300MHz, CDCl3): δ7.41- 7.20(m, 11H), 6.82(dd, J= 8.4 and 2.7Hz, 1H, C3-CH), 6.70(d, J= 2.7Hz, 1H, C4-CH), 5.03(s, 2H), 4.54(s, 2H), 3.72(t, J= 8.1Hz, 1H), 3.46(d, J= 10.2Hz, 1H), 2.84- 2.66(m, 3H), 2.47(d, J=11.4Hz, 1H), 2.23- 2.13(m, 1H), 1.96- 1.48(m, 8H), 0.86(s,3H, C18-CH3).
(第五工程)
【0263】
【化110】
【0264】
窒素雰囲気下、粗化合物3,17β−Bis(benzyloxy)estra-1,3,5(10)-trien-11-one(35.7g, 76.5 mmol)にテトラヒドロフラン (280 ml)を加え、-40℃に冷却した。Allylmagnesium chloride (2.0M in テトラヒドロフラン) (50.0 ml, 100 mmol)を滴下して加え、-40℃において10分間、室温で1時間攪拌した。再び氷冷し、氷、水および飽和塩化アンモニウム水溶液を加えてクエンチした。 酢酸エチルにて抽出し、有機層を水で洗浄後、飽和食塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、濾液をエバポレーターにて減圧濃縮し、残さにヘキサンを加えて固体を析出させた。析出した固体を濾取し、真空乾燥後、3,17β−Bis(benzyloxy) -11α-(2-propenyl)estra-1,3,5(10)-trien-11β-ol (35.81g, 90% from 3,17β−Bis(benzyloxy)estra-1,3,5(10)-trien-11α-ol)が得られた。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) : δ7.82 (d, J= 9.6Hz, 1H, C1-H), 7.44-7.33 (m, 10H), 6.83-6.79 (m, 2H, C2 and C4-H), 6.01-5.87 (m, 1H, olefin-H), 5.21-5.13 (m, 2H, olefin-H), 5.06 (s, 2H), 4.57 (s, 2H), 3.46 (t, J= 8.7Hz, 1H, C17-H), 2.90 (dd, J= 14.0 and 8.4Hz, 1H, allylic-CH2), 2.74-2.63 (m, 2H), 2.52 (dd, J= 14.1 and 7.0 Hz, 1H, allylic-CH2), 2.25 (d, J= 10.8 Hz, 1H), 2.13 (d, J= 14.1Hz, 1H), 2.06-1.98 (m, 1H), 1.88-1.14 (m, 9H), 1.09(s, 3H, C18-H).
(第六工程)
【0265】
【化111】
【0266】
窒素雰囲気下、3,17β−Bis(benzyloxy) -11α-(2-propenyl)estra-1,3,5(10)-trien-11β-ol (17.20 g, 33.80 mmol) のピリジン (135 ml)溶液を-40℃に冷却後、 塩化チオニル(3.7 ml, 50.7 mmol)を滴下して加え、-40℃において10 分間、氷冷下で1 時間攪拌した。氷、および水を加えてクエンチし、ヘキサンとt-ブチルメチルエーテルの混合溶媒(ヘキサン: t-ブチルメチルエーテル= 4: 1)にて抽出した。有機層を水で洗浄後、飽和食塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。濾過後、濾液をエバポレーターにて減圧濃縮し、残さをメタノールにてトリチュレートした。析出した固体を濾取し、真空乾燥後、3,17β−Bis(benzyloxy)-11-(2-propenyl)estra-1,3,5(10),9(11)-tetraene (14.92 g, 90%)が得られた。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) : δ7.46- 7.25 (m, 11H), 6.78-6.75 (m, 2H, C2 and C4-H), 6.01-5.89 (m, 1H, olefin-H), 5.18-5.09 (m, 2H, olefin-H), 5.06 (s, 2H), 4.58 (s, 2H), 3.58 (t, J= 8.4Hz, 1H, C17-H), 3.30 (dd, J= 15.8 and 5.1Hz, 1H, allylic-CH2), 2.81-2.72 (m, 3H), 2.48 (d, J= 17.4Hz, 1H, allylic-CH2), 2.16-1.36 (m, 9H), 0.90 (s, 3H, C18-H).
(第七工程)
【0267】
【化112】
【0268】
3, 17β-Bis(benzyloxy)- 11-(2-propenyl) estra-1,3,5(10),9(11)-tetraene (1.0 g, 2.0 mmol)とEthyl 2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-Nonafluorohexyl)-9-decenoate (1.81 g, 4.1 mmol) のジクロロメタン (20 ml)溶液に benzylidenebis(tricyclohexylphosphine)-dichlororuthenium (90 mg, 0.1 mmol)を加え窒素雰囲気下5時間加熱還流した。放冷後、反応液を減圧濃縮し、残さをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1)で精製してEthyl 11-[3, 17β- Bis(benzyloxy)estra -1,3,5(10),9(11)-tetraen-11-yl]-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl) -9-undecenoate(863 mg, 48%)を得た。
1H-NMR(270MHz, CDCl3): δ7.46-7.21(m, 11H), 6.78-6.73(m, 2H), 5.50-5.42(m, 2H), 5.05(s, 2H), 4.57(d, J=2.5Hz, 2H), 4.15(q, J=7.1Hz, 2H, COO-CH2), 3.60-3.52(m, 1H, C17-CH), 3.20-3.11(m, 1H), 2.82-2.68(m, 3H), 2.51-2.22(m, 2H), 2.20-1.16(m, 28H), 0.87(s,3H, C18-CH3).
(第八工程)
【0269】
【化113】
【0270】
Ethyl 11-[3, 17β- Bis(benzyloxy)estra -1,3,5(10),9(11)-tetraen-11-yl]-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl) -9-undecenoate(500 mg, 0.55 mmol)をメタノール(10 ml)とテトラヒドロフラン(1 ml)の混合溶媒に溶解し、水酸化パラジウム−炭素(150 mg)を室温にて加えた。水素置換した後、室温にて23時間攪拌した。反応液をろ過した後、溶媒を減圧下濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1〜3:1〜2:1)により精製し、Ethyl 11-(3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-11β-yl)-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl) undecanoate(287 mg, 71%)を得た。
1H-NMR(270MHz, CDCl3): δ7.00(d, J=8.6Hz, 1H, C1-CH), 6.62(d, J=8.5Hz, 1H, C2-CH), 6.54(d, J=2.3Hz, 1H, C4-CH), 5.03(brs, 1H, C3-OH), 4.17(q, J=7.1Hz, 2H, COO-CH2), 3.70(t, J=7.9Hz, 1H, C17-CH), 2.83-2.60(m, 2H), 2.58-2.30(m, 3H), 2.24-1.74(m, 7H), 1.74-1.11(m, 29H), 0.92(s, 3H, C18-CH3).
(第九工程)
【0271】
【化114】
【0272】
Ethyl 11-(3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-11β-yl)-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl) undecanoate(747 mg, 1.02 mmol)をエタノール(5 ml)と水(5 ml)の混合溶媒に溶解し、NaOH(82 mg, 2.04 mmol)を加え、60 ℃にて15時間加熱した。放冷後、2N塩酸水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、濾過、減圧濃縮して得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1〜3:1〜2:1)により精製し、11-(3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-11β-yl)-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl) undecanoic acid(600 mg,84%)を得た。
1H-NMR(270MHz, CD3OD): δ6.95(d, J=8.3Hz, 1H, C1-CH), 6.55(dd, J=8.3, 2.3Hz, 1H, C2-CH), 6.47(d, J=2.3Hz, 1H, C4-CH), 3.63(t, J=8.6Hz, 1H, C17-CH), 2.85-2.58(m, 2H), 2.55-2.34(m, 3H), 2.30-1.93(m, 2H), 1.91-1.75(m, 3H), 1.75-1.10(m, 26H), 0.92(s, 3H, C18-CH3).
実施例21
10-(3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-11β-yl)-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl) decanoic acidの合成
【0273】
【化115】
【0274】
実施例20で得られた3, 17β-Bis(benzyloxy)-11-(2-propenyl) estra-1,3,5(10),9(11)-tetraeneと別途合成したEthyl 2-(4,4,5,5,5-Pentafluoro-pentyl)-8-nonenoateから実施例20と同様な方法で合成を行い10-(3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-11β-yl)-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl) decanoic acidを得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3): δ6.99(d, J=8.7Hz, 1H, C1-CH), 6.62(d, J=8.2Hz, 1H, C2-CH), 6.55(d, J=2.3Hz, 1H, C4-CH), 4.87-3.82(brs, 1H, C3-OH), 3.73(t, J=7.4Hz, 1H, C17-CH), 2.84-2.65(m, 2H), 2.51(m, 1H), 2.39(m, 2H), 2.24-1.12(m, 32H), 0.91(s, 3H, C18-CH3).
実施例22
10-(3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-11β-yl)-2-(4,4,5,5,6,6,7,7,7-nonafluoroheptyl) decanoic acidの合成
【0275】
【化116】
【0276】
実施例20で得られた3, 17β-Bis(benzyloxy)-11-(2-propenyl) estra-1,3,5(10),9(11)-tetraeneと別途合成したEthyl 2-(4,4,5,5,6,6,7,7,7-Nonafluoroheptyl)-8-nonenoateから実施例20と同様な方法で合成を行い10-(3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-11β-yl)-2-(4,4,5,5,6,6,7,7,7-nonafluoroheptyl) decanoic acidを得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3): δ7.11(d, J=8.3Hz, 1H, C1-CH), 6.62(d, J=8.6Hz, 1H, C2-CH), 6.54(d, J=2.7Hz, 1H, C4-CH), 3.94-3.07(brs, 1H, C3-OH), 3.72(t, J=7.4Hz, 1H, C17-CH), 2.82-2.62(m, 2H), 2.52(m, 1H), 2.40(m, 2H), 2.23-1.11(m, 32H), 0.91(s, 3H, C18-CH3).
実施例23
10-(3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-11β-yl)-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl) decanoic acidの合成
【0277】
【化117】
【0278】
実施例20で得られた3, 17β-Bis(benzyloxy)-11-(2-propenyl) estra-1,3,5(10),9(11)-tetraeneと別途合成したEthyl 2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-Nonafluorohexyl)-8-nonenoateから実施例20と同様な方法で合成を行い10-(3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-11β-yl)-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl) decanoic acidを得た。
1H-NMR (300MHz; CDCl3): δ7.07(d, J=8.5Hz, 1H), 6.65(dd, J=8.2, 2.1Hz, 1H), 6.47(d, J=2.6Hz, 1H), 3.82(t, J=8.2Hz, 1H), 2.91-2.58(m, 2H), 2.53-2.23(m, 3H), 2.19-1.89(m, 4H), 1.85-1.02(m, 26H), 0.92(s, 3H).
実施例24
11-(3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-11β-yl)-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl) undecanoic acidの合成
【0279】
【化118】
【0280】
実施例20で得られた3, 17β-Bis(benzyloxy)-11-(2-propenyl) estra-1,3,5(10),9(11)-tetraeneと別途合成したEthyl 2-(4,4,5,5,5-Pentafluoro-pentyl)-9-decenoateから実施例20と同様な方法で合成を行い11-(3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-11β-yl)-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl) undecanoic acidを得た。
1H-NMR (270MHz; CDCl3): δ7.00(d, J=8.4Hz, 1H), 6.59(dd, J=8.7, 2.7Hz, 1H), 6.54(d, J=2.7Hz, 1H), 3.73-3.71(m, 1H), 2.88-2.82(m, 2H), 2.58-2.33(m, 3H), 2.24-1.18(m, 34H), 0.92(s, 3H).
実施例25
11-(3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-11β-yl)-2-(4,4,5,5,6,6,7,7,7-nonafluoroheptyl) undecanoic acidの合成
【0281】
【化119】
【0282】
実施例20で得られた3, 17β-Bis(benzyloxy)-11-(2-propenyl) estra-1,3,5(10),9(11)-tetraeneと別途合成したEthyl 2-(4,4,5,5,6,6,7,7,7-nonafluoroheptyl)-9-decenoateから実施例20と同様な方法で合成を行い11-(3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-11β-yl)-2-(4,4,5,5,6,6,7,7,7-nonafluoroheptyl) undecanoic acidを得た。
1H-NMR(270MHz, CD3OD): δ7.07(d, J=8.4Hz, 1H, C1-CH), 6.54 (dd,J=8.4, 2.3Hz, 1H, C2-CH), 6.45(d, J=2.3Hz, 1H, C4-CH), 3.67(t, J=8.3Hz, 1H, C17-CH), 2.85-2.62(m, 2H), 2.05-1.80(m, 7H), 1.80-0.96(m, 32H), 0.91(s,3H, C18-CH3)
実施例26
10-(3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-11β-yl)-2-(6,6,7,7,7-pentafluoroheptyl) decanoic acidの合成
【0283】
【化120】
【0284】
なお、実施例12で得られた10-(3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-11β-yl)-2-(6,6,7,7,7-pentafluoroheptyl) decanoic acidは3, 17β-Bis(benzyloxy)-11-(2-propenyl) estra-1,3,5(10),9(11)-tetraeneと別途合成したEthyl 2-(6,6,7,7,7-pentafluoroheptyl)-8-nonenoateから実施例20と同様な方法でも合成を行い得られた。
実施例27
12-[6-Hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)naphth-1-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)dodecanoic Acidの合成
【0285】
【化121】
【0286】
6-Methoxy-2-(4-methoxyphenyl)-1-(2-propenyl)naphthaleneと別途合成したDiethyl 2-(8-nonenyl)-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl) malonateから実施例1、2、および3と同様な方法で合成を行い12-[6-Hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)naphth-1-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)dodecanoic Acidを得た。
1H-NMR(270MHz, CDCl 3) : δ 7.98 (d, J= 9 Hz, 1H, Ar-H), 7.53 (d, J= 8 Hz, 1H, Ar-H), 7.28-7.12 (m, 5H, Ar-H), 6.89 (d, J= 9Hz, 2H, Ar-H), 2.96-2.90 (m, 2H, naphtyl-CH2-), 2.44-2.42 (m, 1H, -CHCO2), 2.18-1.18 (m, 24H, alkyl-H).
実施例28
11-[6-Hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)naphth-1-yl]-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl) undecanoic Acidをの合成
【0287】
【化122】
【0288】
6-Methoxy-2-(4-methoxyphenyl)-1-(2-propenyl)naphthaleneと別途合成したDiethyl 2-(7-octenyl)-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl) malonateから実施例1、2、および3と同様な方法で合成を行い11-[6-Hydroxy-2-(4-hydroxyphenyl)naphth-1-yl]-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl) undecanoic Acidを得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3): δ 7.98(d, J = 8.9Hz, 1H, Ar-H), 7.53(d, J = 8.4Hz, 1H, Ar-H), 7.13-7.28(m, 5H, Ar-H), 6.89(d, J = 8.5Hz, 2H, Ar-H), 2.92(t, J = 8.1Hz, 2H, naphthyl-CH2), 2.46-2.48(m, 1H, CHCO2H), 1.95-2.20(m, 2H, CH 2CF2), 1.18-2.11(m, 18H, alkyl-H).
Mass(ESI): 667(M+1)
実施例29
12-[6-Hydroxy-2-(4-hydroxy-2-methylphenyl)naphth-1-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)dodecanoic Acidの合成
【0289】
【化123】
【0290】
実施例1で得られた6-Methoxy 1-(2-propenyl)-2-naphthyl trifluoromethanesulfonateと別途合成した4-Methoxy-2-methylphenylboronic acidから実施例1、2、3と同様な方法で合成を行い12-[6-Hydroxy-2-(4-hydroxy-2-methylphenyl)naphth-1-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)dodecanoic Acidを得た。1H-NMR(270MHz, CDCl3): δ 7.97 (d, J=8.9Hz, 1H), 7.53 (d, J=8.4Hz, 1H), 7.19-7.10 (m, 3H), 7.02 (d, J=8.3Hz, 1H), 6.77 (d, J=2.1Hz, 1H), 6.70 (dd, J=8.3, 2.1Hz, 1H), 4.8 (br, 3H), 3.0-2.8 (m, 1H), 2.7-2.5 (m, 1H), 2.5-2.3 (m, 1H), 2.1-1.9 (m, 2H), 1.99 (s, 3H, CH3), 1.8-1.0 (m, 22H).
実施例30
12-[2-(2-Ethyl-4-hydroxyphenyl)-6-hydroxynaphth-1-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl) dodecanoic Acidの合成
【0291】
【化124】
【0292】
実施例1で得られた6-Methoxy 1-(2-propenyl)-2-naphthyl trifluoromethanesulfonateと別途合成した2-Ethyl-4-methoxyphenylboronic acidから実施例1、2、3と同様な方法で合成を行い12-[2-(2-Ethyl-4-hydroxyphenyl)-6-hydroxynaphth-1-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl) dodecanoic Acidを得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3): δ 7.97(d, J = 9.1Hz, 1H, Ar-H), 7.52(d, J = 8.4Hz, 1H, Ar-H), 7.06-7.23(m, 3H, Ar-H), 6.85(d, J = 8.2Hz, 1H, Ar-H), 6.79(d, J = 2.6Hz, 1H, Ar-H), 6.61(dd, J = 8.2, 2.6Hz, 1H, Ar-H), 2.81-2.93(m, 1H, naphthyl-CH2), 2.49-2.75(m, 1H, naphthyl-CH2), 2.39-2.50(m, 1H, CHCO2H), 2.18-2.29(m, 2H, ArCH 2CH3), 1.91-2.12(m, 2H, CH 2CF2), 0.95-1.72(m, 25H, alkyl-H)
Mass(ESI): 623(M+1)
実施例31
12-[2-(2-Fluoro-4-hydroxyphenyl)-6-hydroxynaphth-1-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)dodecanoic Acidの合成
【0293】
【化125】
【0294】
実施例1で得られた6-Methoxy 1-(2-propenyl)-2-naphthyl trifluoromethanesulfonateと別途合成した2-Fluoro-4-methoxyphenylboronic acidから実施例1、2、3と同様な方法で合成を行い12-[2-(2-Fluoro-4-hydroxyphenyl)-6-hydroxynaphth-1-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)dodecanoic Acidを得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3): δ 7.97(d, J = 9.1Hz, 1H, Ar-H), 7.52(d, J = 8.5 Hz, 1H, Ar-H), 7.06-7.25(m, 4H, Ar-H), 6.64-6.69(m, 2H, Ar-H), 2.81-2.90(m, 2H, naphthyl-CH2), 2.40-2.50(m, 1H, CHCO2H), 1.90-2.10(m, 2H, CH 2CF2), 1.05-1.75(m, 22H, alkyl-H)
Mass(ESI): 613(M+1)
実施例32
12-[6-Hydroxy-2-(4-hydroxy-2-trifluoromethylphenyl)naphth-1-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)dodecanoic Acidの合成
【0295】
【化126】
【0296】
実施例1で得られた6-Methoxy 1-(2-propenyl)-2-naphthyl trifluoromethanesulfonateと別途合成した4-Methoxy-2-trifluoromethylphenylboronic acidから実施例1、2、3と同様な方法で合成を行い12-[6-Hydroxy-2-(4-hydroxy-2-trifluoromethylphenyl)naphth-1-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)dodecanoic Acidを得た。
1H-NMR(270MHz, CDCl 3) : δ 7.96 (d, J= 9 Hz, 1H, Ar-H), 7.50 (d, J= 8 Hz, 1H, Ar-H), 7.24-7.01 (m, 6H, Ar-H), 2.89-2.84 (m, 1H), 2.51-2.42 (m, 2H), 2.11-1.15 (m, 24H, alkyl-H).
実施例33
12-[2-(3-Fluoro-4-hydroxyphenyl)-6-hydroxynaphth-1-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)dodecanoic Acidの合成
【0297】
【化127】
【0298】
実施例1で得られた6-Methoxy 1-(2-propenyl)-2-naphthyl trifluoromethanesulfonateと別途合成した3-Fluoro-4-methoxyphenylboronic acidから実施例1、2、3と同様な方法で合成を行い12-[2-(3-Fluoro-4-hydroxyphenyl)-6-hydroxynaphth-1-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)dodecanoic Acidを得た。
1H-NMR(270MHz, CDCl 3) : δ 7.96 (d, J= 9 Hz, 1H, Ar-H), 7.51 (d, J= 8 Hz, 1H, Ar-H), 7.24-6.95 (m, 6H, Ar-H), 2.94-2.88 (m, 2H, naphtyl-CH2-), 2.39 (m, 1H, -CHCO2), 2.16-1.18 (m, 24H, alkyl-H).
実施例34
12-[2-(3,5-Difluoro-4-hydroxyphenyl)-6-hydroxynaphth-1-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)dodecanoic Acidの合成
【0299】
【化128】
【0300】
実施例1で得られた6-Methoxy 1-(2-propenyl)-2-naphthyl trifluoromethanesulfonateと別途合成した3,5-Difluoro-4-methoxyphenylboronic acidから実施例1、2、3と同様な方法で合成を行い12-[2-(3,5-Difluoro-4-hydroxyphenyl)-6-hydroxynaphth-1-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)dodecanoic Acidを得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3): δ 7.98(d, J = 9.9Hz, 1H, Ar-H), 7.53(d, J = 8.5Hz, 1H, Ar-H), 7.14-7.26(m, 3H, Ar-H), 6.85-6.90(m, 2H, Ar-H), 2.88-2.94(m, 2H, naphthyl-CH2), 2.39-2.48(m, 1H, CHCO2H), 2.01-2.12(m, 2H,CH 2CF2), 1.24-1.88(m, 21H, alkyl-H).
Mass(ESI): 631(M+1)
実施例35
12-[2-(4-Fluorophenyl)-6-hydroxynaphth-1-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)dodecanoic acidの合成
【0301】
【化129】
【0302】
実施例1で得られた6-Methoxy 1-(2-propenyl)-2-naphthyl trifluoromethanesulfonateと別途合成した4- Fluorophenylboronic acidから実施例1、2、3と同様な方法で合成を行い12-[2-(4-Fluorophenyl)-6-hydroxynaphth-1-yl]-2-(4,4,5,5,5-pentafluoropentyl)dodecanoic acidを得た。
1H-NMR(270MHz, CDCl 3) : δ 7.98 (d, J= 9 Hz, 1H, Ar-H), 7.54 (d, J= 8 Hz, 1H, Ar-H), 7.31-7.07 (m, 7H, Ar-H), 2.93-2.87 (m, 2H, naphtyl-CH2-), 2.46-2.35 (m, 1H, -CHCO2), 2.15-1.14 (m, 24H, alkyl-H).
実施例36
(2R)-11-(3,17-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-7-yl)-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl)undecanoic acidの合成
(第一工程)
【0303】
【化130】
【0304】
窒素雰囲気下にて(4S,5R)-3,4-Dimethyl-1-(5,5,6,6,7,7,8,8,8-nonafluorooctanoyl)-5-phenylimidazolidin-2-one(1.20 g, 2.5 mmol)に無水テトラヒドロフラン (10 ml) を加え、-78℃に冷却した。これにリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(2.75 ml, 1.0Mテトラヒドロフラン溶液, 2.75 mmol)を加えて、1時間攪拌後、-78℃で8-ブロモ-1-オクテン(714 mg, 3.0 mmol)とHMPA(1.25 ml)を加え、攪拌しながら-50℃まで2時間かけて昇温し、0℃まで30分かけて昇温して、0℃で12時間攪拌した。氷冷水にて飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルとn-ヘキサンの(3:7)混合溶媒にて抽出した。有機層を飽和硫酸水素カリウム水溶液、飽和食塩水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過した。濾液をエバポレーターにて減圧濃縮し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(関東化学、シリカゲル60(球状、中性)、40 - 100 μm、酢酸エチル:n-ヘキサン = 1 : 5 〜 3 : 7)で精製し、(4S,5R)-3,4-Dimethyl-1-[(2R)-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl)-9-decenoyl]-5-phenylimidazolidin-2-oneを1.37 g(93%収率)得た。
【0305】
光学純度:HPLC(カラム:Daicel Chiralpack AD, φ 0.46 x 25 cm、溶媒:n-ヘキサン : イソプロパノール = 97 : 3、流速:0.5 ml/min、検出波長:206 nmの時の光学純度95.5 %de)
1H-NMR(270MHz, CDCl3): δ7.32 - 7.13 (m, 5H), 5.87 - 5.72 (m,1H), 5.34(d, J = 8.9 Hz, 1H), 5.02 - 4.91 (m, 2H), 4.10 - 3.86 (m, 2H), 2.84 (s, 3H), 2.19 - 1.08 (m, 16H), 0.82 (d, J = 6.5 Hz, 3H).
(第二工程)
【0306】
【化131】
【0307】
窒素雰囲気下、3-Methoxy-7α-(2-propenyl)estra-1,3,5(10)-trien-17β-ol (377 mg, 1.16 mmol)と(4S,5R)-3,4-Dimethyl-1-[(2R)-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl)-9-decenoyl]-5-phenylimidazolidin-2-one (1.36 g, 2.31 mmol)を無水ジクロロメタン (12 ml)に室温で溶かし、benzylidene-bis(tricyclohexylphosphine)dichlororuthenium (47.5 mg, 5.78 x 10-2 mmol)を加え、窒素雰囲気下5時間加熱還流した。放冷後、反応液をアルミナパッドで濾過して、濾液を減圧濃縮し、残さをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(関東化学、シリカゲル60(球状、中性)、40 - 100 μm、酢酸エチル:n-ヘキサン = 1 : 1)で精製し、(4S,5R)- 3,4-Dimethyl-1-[(2R,9E)-11-(17β-hydroxy-3-methoxyestra-1,3,5(10)-trien-7α-yl)-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl)-9-undecenoyl]-5-phenylimidazolidin-2-oneと(4S,5R)-3,4-Dimethyl-1-[(2R,9Z)-11-(17β-hydroxy-3-methoxyestra-1,3,5(10)-trien-7α-yl)-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl)-9-undecenoyl]-5-phenylimidazolidin-2-one の混合物 (579 mg, 57%)を得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3): δ7.33 - 7.12 (m, 6H), 6.73 - 6.69 (m, 1H), 6.61 - 6.56 (m,1H), 5.42 - 5.25 (m, 3H), 4.05 - 3.87 (m, 2H), 3.77 - 3.70 (m, 4H), 2.90 - 2.71 (m, 5H), 2.38 - 1.06 (m, 31H), 0.83 - 0.78 (m,6H).
(第三工程)
【0308】
【化132】
【0309】
(4S,5R)-3,4-Dimethyl-1-[(2R,9E)-11-(17β-hydroxy-3-methoxyestra-1,3,5(10)-trien-7α-yl)-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl)-9-undecenoyl]-5-phenylimidazolidin-2-oneと(4S,5R)- 3,4-Dimethyl-1-[(2R,9Z)-11-(17β-hydroxy-3-methoxyestra-1,3,5(10)-trien-7α-yl)-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl)-9-undecenoyl] -5-phenylimidazolidin-2-one の混合物 (579 mg, 653 mol)を酢酸エチル(14 ml)に溶解し、10%パラジウム−炭素(58 mg)を室温にて加えた。水素置換した後、室温にて19時間攪拌した。反応液をセライトでろ過した後、溶媒を減圧下濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(関東化学、シリカゲル60(球状、中性)、40 - 100 μm、酢酸エチル:n-ヘキサン = 1 : 1)で精製し、(4S,5R)-3,4-Dimethyl-1-[(2R)-11-(17β-hydroxy-3-methoxyestra-1,3,5(10)-trien-7α-yl)-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl)undecanoyl]-5-phenylimidazolidin-2-one (579 mg, 100%)を得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3): δ7.33 - 7.11 (m, 6H), 6.73 - 6.70 (m, 1H), 6.69 - 6.62 (m, 1H), 5.33 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 4.05 - 3.86 (m, 2H), 3.79 - 3.71 (m, 1H), 3.77 (s, 3H), 2.94 - 2.72 (m, 2H), 2.84 (s, 3H), 2.38 - 0.99 (m, 35H), 0.82 (d, J = 5.9 Hz, 3H), 0.78 (s, 3H).
(第四工程)
【0310】
【化133】
【0311】
窒素雰囲気下、(4S,5R)-3,4-Dimethyl-1-[(2R)-11-(17β-hydroxy-3-methoxyestra-1,3,5(10)-trien-7α-yl)-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl)undecanoyl]-5-phenylimidazolidin-2-one (445 mg, 0.50 mmol)を無水エチレングリコールジメチルエーテル (5 ml)に溶かし、0 ℃に冷却した。水酸化テトラ-n-ブチルアンモニウム溶液(40%w/w、649 mg、1.0 mmol)と過酸化水素水(30%w/w、113 mg、1.0 mmol)を加え、室温で1.5時間攪拌した。反応液を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、飽和硫酸水素カリウム水溶液を加えて酸性にした反応液を、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過した。濾液をエバポレーターにて減圧濃縮し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC-200、酢酸エチル:n-ヘキサン = 4 : 6 〜 8 : 2)で精製し、(2R)-11-(17β-Hydroxy-3-methoxyestra-1,3,5(10)-trien-7α-yl)-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl)undecanoic acid を360 mg(100%収率)と(4R,5S)-1,5-Dimethyl-4-phenylimidazolidin-2-oneを93 mg(98%収率)で得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3): δ7.21- 7.18 (m, 1H), 6.73 - 6.69 (m,1H), 6.62 - 6.61 (m,1H), 6.30 (bs, 1H), 3.79 - 3.71 (m, 1H), 3.77(s, 3H), 2.93-2.72 (m, 2H), 2.47 - 1.01 (m, 36H), 0.78 (s, 3H).
(第五工程)
【0312】
【化134】
【0313】
窒素雰囲気下、(2R)-11-(17β-Hydroxy-3-methoxyestra-1,3,5(10)-trien-7α-yl)-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl)undecanoic acid (358 mg, 0.50 mmol)に無水ジクロロメタン(10 ml)を加え、-78℃に冷却した。三臭化ホウ素 (1.0 Mテトラヒドロフラン溶液, 3.0 ml, 3.0 mmol)を滴下して加え、氷冷で2.5時間攪拌した。再び-78℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1時間かけてクエンチした。酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和硫酸水素カリウム水溶液、飽和食塩水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、濾液をエバポレーターにて減圧濃縮し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC-200、酢酸エチル:n-ヘキサン = 4 : 6)で精製し、(2R)-11-(3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-7α-yl)-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl)undecanoic acid を黄色いアモルファスとして231 mg(60%収率)得た。
【0314】
化学純度:HPLC(カラム:YMC-Pack ODS-A, A-312 φ 0.6 x 15 cm、溶媒:H2O : MeCN : TFA = 30 : 70 : 0.1、流速:1.0 ml/min、検出波長:280 nmの時の純度99.05 %、検出波長:219 nmの時の純度98.63 %)
光学純度:HPLC(カラム:Daicel Chiralpack AD, 0.46 x 25 cm、溶媒:n-ヘキサン :イソプロパノール : TFA = 90 : 10 : 0.1、流速:0.5 ml/min、検出波長:280 nmの時の光学純度96.3 %de)
1H-NMR(270MHz, CDCl3): δ7.16- 7.13 (m, 1H), 6.64 - 6.60 (m,1H), 6.55 - 6.54 (m,1H), 3.74 (t, J = 8.6 Hz, 1H), 2.91 - 2.67 (m, 2H), 2.50 - 1.01 (m, 36H), 0.78 (s, 3H).
実施例37
(2R)-10-(3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-7α-yl)-2-(4,4,5,5,6,6,7,7,7-nonafluoroheptyl)decanoic acidの合成
【0315】
【化135】
【0316】
3-Methoxy-7α-(2-propenyl)estra-1,3,5(10)-trien-17β-ol と実施例36と同様な方法で別途合成した(4S,5R)-3,4-Dimethyl-1-[(2R)-2-(4,4,5,5,6,6,7,7,7-nonafluoroheptyl)-8-nonenoyl]-5-phenylimidazolidin-2-one から実施例36と同様な方法で合成を行い(2R)-10-(3,17-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-7-yl)-2-(4,4,5,5,6,6,7,7,7-nonafluoroheptyl)decanoic acid を得た。
1H-NMR (300MHz; CDCl3): δ 7.12(d, J=8.4Hz, 1H), 6.68(dd, J=8.5, 2.4Hz, 1H), 6.53(d, J=2.6Hz, 1H), 3.68(t, J=8.5Hz, 1H), 2.95-2.60(m, 2H), 2.47-2.19(m, 4H), 2.18-1.03(m, 31H), 0.69(s, 3H).
実施例38
(2S)-10-(3,17-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-7-yl)-2-(4,4,5,5,6,6,7,7,7-nonafluoroheptyl)decanoic acidの合成
【0317】
【化136】
【0318】
3-Methoxy-7α-(2-propenyl)estra-1,3,5(10)-trien-17β-olと実施例36と同様な方法で別途合成した(4R,5S)-3,4-Dimethyl-1-[(2S)-2-(4,4,5,5,6,6,7,7,7-nonafluoroheptyl)-8-nonenoyl]-5-phenylimidazolidin-2-one から実施例36と同様な方法で合成を行い(2S)-10-(3,17-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-7-yl)-2-(4,4,5,5,6,6,7,7,7-nonafluoroheptyl)decanoic acid を得た。
1H-NMR (300MHz; CDCl3): δ 7.12(d, J=8.4Hz, 1H), 6.68(dd, J=8.5, 2.4Hz, 1H), 6.53(d, J=2.6Hz, 1H), 3.68(t, J=8.5Hz, 1H), 2.95-2.60(m, 2H), 2.47-2.19(m, 4H), 2.18-1.03(m, 31H), 0.69(s, 3H).
実施例39
(2R)-11-[3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-11β-yl]-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl)undecanic acidの合成
(第1工程)
【0319】
【化137】
【0320】
窒素雰囲気下、 3,17β-Bis(benzyloxy)-11-(2-propenyl)estra-1,3,5(10),9(11)-tetraene (491 mg, 1.00 mmol)と実施例36で合成した(4S,5R)-3,4-Dimethyl-1-[(2R)-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl) -9-decenoyl]-5-phenylimidazolidin-2-one (1.18 g, 2.00 mmol)を無水ジクロロメタン (10 ml)に室温で溶かし、benzylidenebis(tricyclohexylphosphine)-dichlororuthenium (41 mg, 0.05 mmol)を加え、窒素雰囲気下6時間加熱還流した。放冷後、反応液を減圧濃縮し、残さをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン = 3 : 7)で精製し、(4S,5R)-1-[(2R,9E)-11-[3,17β-Bis(benzyloxy)estra-1,3,5(10),9(11)-tetraen-11-yl]-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl) -9-undecenoyl]-3,4-dimethyl-5-phenylimidazolidin-2-oneと(4S,5R)-1-[(2R,9Z)-11-[3,17β-Bis(benzyloxy)estra-1,3,5(10),9(11)-tetraen-11-yl]-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl)-9-undecenoyl]-3,4-dimethyl-5-phenylimidazolidin-2-one の混合物 (664 mg, 63%)を得た。
1H-NMR(270MHz, CDCl3): δ7.45-7.10(m, 16H), 6.78-6.70(m, 2H), 5.58-5.40(m, 2H), 5.32(d, J=8.7Hz,1H), 5.04(s, 2H), 4.65-4.50(m, 2H), 4.10-3.80(m, 2H), 3.62-3.50(m, 1H), 3.22-3.05(m, 1H), 2.83(s, 3H), 2.80-2.60(m, 3H), 2.52-2.30(m, 1H), 2.20-1.0(m, 25H), 0.87(s, 3H, C18-CH3), 0.81(d, J=6.6Hz, 3H).
(第2工程)
【0321】
【化138】
【0322】
(4S,5R)-1-[(2R,9E)-11-[3,17β-Bis(benzyloxy)estra-1,3,5(10),9(11)-tetraen-11-yl]-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl) -9-undecenoyl]-3,4-dimethyl-5-phenylimidazolidin-2-oneと(4S,5R)-1-[(2R,9Z)-11-[3,17β-Bis(benzyloxy)estra-1,3,5(10),9(11)-tetraen-11-yl]-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl) -9-undecenoyl]-3,4-dimethyl-5-phenylimidazolidin-2-one の混合物 (283 mg, 0.27 mmol)をメタノール(12 ml)とテトラヒドロフラン(1.2 ml)の混合溶媒に溶解し、水酸化パラジウム−炭素(85 mg)を室温にて加えた。水素置換した後、室温にて1日攪拌した。反応液をろ過した後、溶媒を減圧下濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン = 3 : 7)で精製し(4S,5R)-1-[(2R)-11-[3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-11β-yl]-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl)undecanoyl]-3,4-dimethyl-5-phenylimidazolidin-2-one (164 mg, 70%)を得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3): δ7.36-7.12(m, 5H), 6.94-6.88(m, 1H), 6.56-6.52 (m, 1H), 6.44-6.36(m, 1H), 5.64(s, 1H), 5.35(d, J=8.7Hz, 1H), 5.70-5.15(m, 3H), 4.38(s, 3H), 4.40-2.60(m, 36H),2.43(s, 3H), 2.34(d, J=6.6Hz, 3H).
(第3工程)
【0323】
【化139】
【0324】
窒素雰囲気下、(4S,5R)-1-[(2R)-11-[3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-11β-yl]-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl)undecanoyl]-3,4-dimethyl-5-phenylimidazolidin-2-one (140 mg, 0.16 mmol)をDME (3 ml)に溶かし、水酸化テトラ-n-ブチルアンモニウム溶液(40%w/w、312 mg、0.48 mmol)と過酸化水素水(30%w/w、56 mg、0.48 mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応液を10%亜硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、2N塩酸を加えて酸性にした反応液を、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC-200、酢酸エチル:n-ヘキサン = 3 : 7)、さらに分取HPLC(YMC-ODS-5-B(φ3x25cm)、アセトニトリル:水:トリフルオロ酢酸 = 90 : 10 : 0.1、流速18mL/min)にて精製し、目的化合物 (2R)-11-[3,17β-Dihydroxyestra-1,3,5(10)-trien-11β-yl]-2-(3,3,4,4,5,5,6,6,6-nonafluorohexyl)undecanic acid を58 mg(52%)得た。
1H-NMR(300MHz, CDCl3): δ7.00(d, J=8.4Hz, 1H, C1-CH), 6.55(dd, J=8.4, 2.4Hz, 1H, C2-CH), 6.54(d, J=2.4Hz, 1H, C4-CH), 3.75(t, J=7.5Hz, 1H), 2.85-1.10(m, 38H), 0.92(s, 3H, C18-CH3).
化学純度:HPLC(カラム:YMC-Pack ODS-A, A-312 φ 0.6 x 15 cm、溶媒:H2O : MeCN : TFA = 30 : 70 : 0.1、流速:1.0 ml/min、検出波長:220 nmの時の純度98.4 %)
光学純度:HPLC(カラム:Daicel Chiralpack AD, φ 0.46 x 25 cm、溶媒:n-ヘキサン : i -プロパノール : TFA = 92 : 8 : 0.08、流速:0.5 ml/min、検出波長:280 nmの時の光学純度95.7 %de)
【0325】
【試験例】
試験例1:アンチ−エストロゲン活性試験(経口投与)
試験化合物のアンチ−エストロゲン経口活性を測定するため、次のような方法で試験を行なった。この試験では、試験化合物としては実施例5、実施例12、実施例14〜33、実施例37及び実施例38の化合物を用いた。対照化合物としては、それぞれ実施例化合物と母核の構造が同じである化合物、即ち、実施例5及び実施例27〜33に対しては、ZM189154を、実施例12、実施例14〜26、実施例37及び実施例38に対しては、ICI182780を用いた。
【0326】
アンチ−エストロゲン活性の測定は、卵巣除去手術を受けて2週間経過したマウス(ICR, 体重30±2g)に17β−エストラジオールベンゾアート(Sigma)をマウス当り0.1μgずつ3日間皮下注射し、子宮重量の増加を試験化合物が抑制する程度を測定することにより行なった。この試験で試験化合物及び対照化合物を5%アラビアゴム溶液に懸濁させ、3日間毎日1回ずつ経口投与した。最終投与24時間後に試験動物を屠殺し、子宮を摘出し、重量を測定した。測定結果は次の表2に記載した。
【0327】
【表2】
【0328】
【0329】
上記表2記載の結果からわかるように、一般式(1)で示される側鎖を有する本発明化合物は、同一母核ではあるが、該側鎖を有しないアンチ−エストロゲン活性化合物であるZM189154やICI182780に比して、かなり優れる程度に、エストラジオールによる子宮重量の増加を実質的に抑制することがわかる。
【0330】
【発明の効果】
本発明の化合物は、一般式(1)で示される側鎖を有する化合物であり、本側鎖を有しない経口活性が低い化合物、抗腫瘍性化合物、エストロゲン活性化合物、あるいはアンチエストロゲン活性化合物等に比較して、本側鎖を付与することにより、生物学的利用率が向上し、また、経口活性が著しく向上し得るので、医薬として有用である。
Claims (9)
- 一般式(2)
R2は、炭素数1〜7の直鎖もしくは分枝鎖状のハロゲノアルキル基を表し、
mは、2〜14の整数を表し、
nは、2〜7の整数を表し、
Aは、下記式(6)、(8)、(14)、および(23)
- ハロゲノアルキル基のハロゲン原子がフッ素原子である請求項1または2に記載の化合物、その光学異性体またはこれらの水和物または薬学的に許容し得る塩。
- mが4〜10の整数である請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物、その光学異性体またはこれらの水和物または薬学的に許容し得る塩。
- 一般式(2)における、−COOR1の結合する炭素原子についてRまたはS配置である請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物、その光学異性体またはこれらの水和物または薬学的に許容し得る塩。
- Aが、式(6)、(14)および(23)から選択される基を表す、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物、その光学異性体、またはこれらの水和物もしくは薬学的に許容し得る塩。
- 請求項6に記載の化合物を有効成分として含有する医薬。
- 請求項6に記載の化合物を有効成分として含有するアンチ−エストロゲン活性を有する薬剤組成物。
- 請求項6に記載の化合物を有効成分として含有する乳がん治療剤。
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