JP4790000B2 - 超電導装置用真空容器および超電導装置 - Google Patents

超電導装置用真空容器および超電導装置 Download PDF

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Description


本発明は超電導装置用真空容器および超電導装置に関する。
従来、超電導コイルへの給電により磁束を発生させる超電導装置が提供されている。更に、超電導コイルを収容する真空断熱室を形成する真空容器が提供されている(特許文献1)。この真空容器は、超電導コイルの磁束が透過する。この場合、磁束が変化するとき、磁束の変化を妨げる方向に電磁誘導により渦電流が真空容器に流れ、真空容器が発熱するおそれがある。これを抑えるべく、電気抵抗が高い樹脂、ガラス繊維等の補強材で補強した複合化樹脂、アルミナ等のセラミックス等の非金属材料で真空容器は形成されている。
特開2007−89345号公報
上記した超電導装置用の真空容器によれば、渦電流による発熱が抑えられるものの、真空容器の母材は、電気抵抗が高い樹脂、ガラス繊維等の補強材で補強した複合化樹脂、セラミックス等の非金属材料で形成されている。このため熱輻射による熱侵入の不具合が発生していた。その理由としては、ガラス繊維等の補強材で補強した複合化樹脂、樹脂、セラミックス等の非金属材料については、電磁波が可視光波長領域の場合には、放射率および吸収率は、金属と大差がないものの、電磁波が赤外線光波長領域の場合には、熱輻射の放射率および吸収率は、金属の場合よりもかなり大きくなるためである。
殊に、超電導コイルを収容する真空容器の場合には、放射側となる高温側と吸収側となる低温側との温度差がかなり大きい。ここで、一般的には、放射率および吸収率は基本的には絶対温度の4乗の差に比例すると言われている。このことから、熱輻射の放射や吸収の影響により超電導コイルが昇温する傾向が見られる。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、真空容器の母材として非金属材料を用いつつも、熱輻射に起因する熱侵入を抑え、且つ、渦電流による発熱、渦電流損失を抑えるのにも有利な超電導装置用真空容器および超電導装置を提供するにある。
(1)様相1に係る超電導装置用真空容器は、磁場を発生させる超電導体を覆う真空断熱室を形成するように互いに対向すると共に前記超電導体からの磁束が透過する第1壁体および第2壁体を備える超電導装置用真空容器であって、第1壁体は、第2壁体よりも相対的に高温となり、熱輻射の放射を行う放射面を備えており、且つ、第2壁体は、第1壁体よりも相対的に低温となり、熱輻射の吸収を行う吸収面を備えており、第1壁体の放射面および第2壁体の前記吸収面のうちの少なくとも一方は、非金属材料を母材とし、表面に露出すると共に一端部から他端部にかけて渦巻き状に延設され且つ前記一端部および前記他端部が互いに非接触とされている複数の金属層を備えると共に、複数の金属層同士の間に非金属材料を露出させつつ複数の金属層を間隔を隔てて配置して形成されている金属層群を具備することを特徴とする。
(2)様相2に係る超電導装置は、磁束を発生させる超電導体と超電導体で発生した磁束を透過させる透磁コアとを有する磁場発生部と、超電導体を覆う真空断熱室を形成するように互いに対向すると共に超電導体で発生した磁束が透過する第1壁体および第2壁体を備える真空容器とを具備する超電導装置であって、第1壁体は、第2壁体よりも相対的に高温となり、熱輻射の放射を行う放射面を備えており、且つ、第2壁体は、第1壁体よりも相対的に低温となり、熱輻射の吸収を行う吸収面を備えており、第1壁体の放射面および第2壁体の吸収面のうちの少なくとも一方は、非金属材料を母材とし、表面に露出すると共に一端部から他端部にかけて渦巻き状に延設され且つ前記一端部および前記他端部が互いに非接触とされている複数の金属層を備えると共に、複数の金属層同士の間に非金属材料を露出させつつ複数の金属層を間隔を隔てて配置して形成されている金属層群を具備することを特徴とする。
(3)真空容器は、磁束を発生させる超電導体を覆う真空断熱室を形成する。真空容器は、真空断熱室を形成するように互いに対向する第1壁体および第2壁体を備える。真空とは大気圧よりも断熱が得られる減圧状態または真空状態をいい、例えば10−1Pa以下,10−2Pa以下程度であれば良く、更に高真空でも良い。ここで、第1壁体は、第2壁体よりも相対的に高温となり、熱輻射の放射を行う放射面を備えている。且つ、第2壁体は、第1壁体よりも相対的に低温となり、熱輻射の吸収を行う吸収面を備えている。
超電導体は磁束を発生させる。第1壁体および第2壁体は、超電導体からの磁束が透過する。この場合、磁束が変化すると、超電導体を収容する真空容器を構成する第1壁体および第2壁体の母材の全体が金属である場合には、磁束の変化に基づいて電磁誘導に基づいて渦電流のループが第1壁体および第2壁体において発生するおそれがある。渦電流のループは、磁束と直交する面方向に発生する。ここで、渦電流のジュール熱による発熱が第1壁体および第2壁体において発生するおそれがある。この場合、超電導体を昇温させる要因となり、超電導体の超電導状態を得るには、好ましくない。
そこで、本発明によれば、超電導コイル等の超電導体を収容する真空容器を構成する第1壁体および第2壁体の母材を非金属材料としている。しかしこの場合には、熱輻射の放射率および吸収率が増加する。このため、実際の使用環境において、超電導体に対する熱輻射が増加し、超電導体の極低温状態(超電導状態)を良好に得るには好ましくない。前述したように、ガラス繊維、セラミックス繊維等の無機繊維、炭素繊維等の補強材で補強した複合化樹脂、樹脂、セラミックス等の非金属材料については、赤外線波長領域の放射率および吸収率は、金属の場合よりもかなり大きいためである。
そこで様相1の本発明によれば、第1壁体の放射面および第2壁体の吸収面のうちの少なくとも一方は、非金属材料を母材とし、表面に露出すると共に一端部から他端部にかけて渦巻き状に延設され且つ前記一端部および前記他端部が互いに非接触とされている複数の金属層を備えると共に、複数の金属層同士の間に非金属材料を露出させつつ複数の金属層を間隔を隔てて配置して形成されている金属層群を備えている。このため、第1壁体の放射面および第2壁体の吸収面のうちの少なくとも一方において、非金属材料が露出する面積比率が低下すると共に、金属層が露出する面積比率が向上する。この結果、熱輻射において、放射面における放射率、吸収面における吸収率が低下する。従って放射面における放射および/または吸収面における吸収が低減される。この結果、超電導体に対する熱輻射が抑えられ、超電導体の昇温が抑制される。非金属材料は第1壁体および第2壁体の母材が基本的には非金属であるという意味であり、全部が非金属材料で形成することができるが、第1壁体および第2壁体の基本的性能に影響を与えない範囲内の少量であれば、例えば5質量%以内,3質量%以内であれば、樹脂、ガラス、セラミックス等に金属が配合されている形態でも良い。
一方、超電導体により磁束が発生する。磁束の変化に基づいて渦電流のループが金属層群に発生するとしても、金属層群を構成する各金属層は渦巻き状に延設された形状をなしており、互いに非金属材料で分断されており、各金属層の連続性が低下している。この結果、各金属層を構成する金属部分の露出面積は、真空容器全体が金属で形成されている場合に比較して、小さくされている。このため磁束の変化に基づいて渦電流のループが金属層群に発生するとしても、真空容器全体が金属で形成されている場合に比較して、渦電流のループは制約され、渦電流に基づくジュール熱が抑制される。この結果、渦電流に基づくジュール熱に起因する超電導体の昇温が抑制される。
本発明によれば、超電導コイル等の超電導体を覆う真空断熱室を形成する真空容器の第1壁体および第2壁体の母材として、熱輻射における放射率および吸収率が高い非金属材料を用いつつも、熱輻射に起因する熱侵入を抑えることができる。更に、磁束が変化するときであっても、真空容器全体が金属で形成されている場合に比較して、渦電流のループは分断されるためループの大きさが制約され、渦電流による発熱、渦電流損失を抑えるのにも有利となる。
本発明によれば、金属層群を構成する各金属層は渦巻き状に延設された形状をなしており、互いに非金属材料で分断されており、各金属層の連続性が低下している。この結果、各金属層を構成する金属部分の露出面積は、真空容器全体が金属で形成されている場合に比較して、小さくされている。このため磁束の変化に基づいて渦電流のループが金属層群に発生するとしても、真空容器全体が金属で形成されている場合に比較して、渦電流のループは分断されてループが制約され、渦電流に基づくジュール熱が抑制される。この結果、渦電流に基づくジュール熱に起因する超電導体の昇温が抑制される。
真空容器は、超電導体を覆う真空断熱室を形成するように互いに対向する第1壁体および第2壁体をもつ。真空断熱室は高真空状態(減圧状態)であり、例えば、10−2Pa以下、殊に10−5Pa以下が例示されるが、これに限定されるものではない。真空断熱室は真空ポンプで常時吸引することなく、真空状態に維持されている方式でも良いし、あるいは、真空ポンプにより吸引されて真空状態が維持されている方式でも良い。超電導体は、給電により磁場を発生する超電導コイルでも良いし、給電せずとも磁場を発生する超電導バルク磁石でも良い。超電導バルク磁石は、溶融凝固法により作製され、その主成分がRE−Ba−Cu−O(REはY,La,Nd,Sm,Eu,Gd,Er,Yb,Dy,Hoのうちの1種または2種以上)のセラミックスであらわされることが好ましい。この場合、超電導を示す母相に絶縁相が微細に分散した組織を有する。絶縁相がピン止め点として働くため、捕捉磁場が大きい超電導が得られる。
本発明によれば、第1壁体および第2壁体の母材は、非金属材料である。非金属材料としては、ガラス繊維やセラミックス繊維等の無機繊維、炭素繊維等の補強材で補強した複合化樹脂、電気抵抗が高い樹脂、セラミックス等が例示される。これにより第1壁体および第2壁体において渦電流の発生が抑えられる。本発明の一視点によれば、金属層は、金属薄膜、金属箔、金属テープ、金属フィルム、金属片、金属粒、パンチングメタル、金属網状体のうちの少なくとも一つで形成されていることが好ましい(請求項2)。更に本発明の一視点によれば、放射面および/または吸収面において、第1壁体または第2壁体の母材は、隣設する金属層間において格子状または網目状に露出されていることが好ましい(請求項3)。この場合、渦巻き状の金属層同士の分断性が高まり、渦電流のループを制約させるのに貢献できる。金属層の孤立性が高い方が好ましいが、パンチングメタル、金属網状体等のように、金属層の一部同士が繋がっていても、電気抵抗が高くなるため、渦電流が抑制される。
本発明の一視点によれば、金属層群は、複数の子金属層同士の間に非金属材料を露出させつつ複数の子金属層を間隔を隔てて配置して形成されており、子金属層は、複数の孫金属層同士の間に非金属材料を露出させつつ複数の孫金属層を間隔を隔てて配置して形成されることが好ましい。この場合、孫金属層同士の分断性が高まり、渦電流のループを制約させるのに貢献できる。
本発明の一視点によれば、磁場発生部は、固定子と固定子に対して移動可能な可動子とを有する超電導モータを構成すると共に、超電導体は、コイル状をなしており、固定子および可動子のうちの少なくとも一方に設けられていることが好ましい(請求項6)。可動子は回転するタイプが好ましいが、往復直動するタイプでも良い。超電導モータの場合には、超電導コイルは固定子および可動子のうちの少なくとも一方に設けられている。更に、超電導体の超電導状態を維持するために超電導体をこれの臨界温度以下に維持する極低温発生部を具備することが好ましい(請求項7)。極低温発生部は、超電導体の超電導状態を維持するために超電導体を極低温に維持するものである。極低温とは、超電導体の超電導状態を維持できる温度域をいう。従って超電導体の臨界温度または組成によって、極低温の温度域は相違する。極低温とは、実用的には、窒素ガスの液化温度(77K)以下であることが好ましい。但し、超電導体の組成によっては100K以下、150K以下でよい場合がある。極低温発生部は冷凍機を含む構造であっても良いし、あるいは、冷凍機からの低温を超電導モータ側に伝熱させる伝熱機構でも良いし、あるいは、冷凍機を搭載せずに、極低温の冷媒を断熱保持する機構でも良い。
[参考例1]
図1および図2は本発明の参考例1の概念を示す。図1に示すように、本参考例に係る超電導装置用の真空容器4は、外側から内側にかけて、第1容器43と、第1容器43で覆われた第2容器44と、第2容器44で覆われた第3容器45(第2壁体)と、第3容器45で覆われた第4容器46(第1壁体)とを同軸的に有する。第2容器44と第3容器45とで区画される室には、超電導装置20Aが収容されている。超電導装置20Aは、透磁率が高い材料(例えば鉄系材料)で形成された筒形状をなすヨークとして機能する透磁コア21Aと、透磁コア21Aに巻回された超電導材料で形成された超電導コイル22とを有する。透磁コア21Aは径方向に突出する複数のティース部210をもつ。超電導コイル22はティース部210に巻回されている。超電導コイル22のうちティース部210を挟む位置に設けられているコイル22xと22yは、互い反対方向に電流を流す。第1容器43の内周面43iと第2容器44の外周面44pとは、外側真空断熱室41を形成する。
図1に示すように、第3容器45の内周面である吸収面45iと第4容器46の外周面である放射面46pとは、内側真空断熱室42を形成する。外側真空断熱室41および内側真空断熱室42は超電導コイル22の断熱性を高めている。第3容器45(第2壁体)および第4容器46(第1壁体)は、樹脂、複合化樹脂、セラミックス等の非金属材料を母材として形成されており、渦電流損失を低減させている。樹脂は熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂が採用される。樹脂は、エポキシ、フェノール、ポリスチレン、飽和ポリエステル、エポキシ、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネイト、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリサルホォン、ポリイミド等の公知の樹脂が例示される。複合化樹脂は補強材強化樹脂が挙げられる。補強材はガラス、セラミックス、炭素が例示され、繊維、粒体等が例示される。セラミックスは酸化物系、窒化物系、硼化物系が挙げられる。具体的には、アルミナ、シリカ、チタニア、マグネシア、ジルコニア、窒化硅素、炭化硅素、ムライト、窒化硼素、チタン酸アルミ等が例示される。
第4容器46の内周面46iで形成される空間47は、大気に連通する。このため第4容器46(高温側の第1壁体)は第3容器45よりも高温側とされる。第3容器45(低温側の第2壁体)は、極低温に維持される超電導コイル22を収容するため、低温側とされる。高温側の第4容器46の放射面46pは、熱輻射の放射側とされている。第3容器45の吸収面45iに内側真空断熱室42を介して対面する。第3容器45の吸収面45iは、熱輻射の吸収側とされており、第4容器46の放射面46pに内側真空断熱室42を介して対面する。ここで、超電導コイル22の低温を維持するためには、高温側の第4容器46から低温側の第3容器45に向かう熱輻射をできるだけ遮断させることが好ましい。
図2は、第4容器46(高温側の第1壁体)の外周面である放射面46pを展開した展開図を模式的に示す。矢印LWは第4容器46の周方向を示す。図2に示すように、第4容器46の放射面46pは、磁束が透過する磁束透過領域4mを有する。第4容器46の放射面46pにおいて、磁束透過領域4mには金属層群301が積層されている。図2に示すように、金属層群301は、第4容器46の放射面46pの磁束透過流域4mにおいて、四角形状をなす複数の金属層300を分断させつつ間隔を隔てて縦横に並設して表面に積層されている。隣設する金属層300は、互いに孤立しており、金属層300同士は互いに非接触である。具体的には、金属層群301を構成する複数の金属層300は、放射面46pの母材部分46mにより分断されつつ、碁盤の目状に並設されており、表面に露出されている。すなわち、第4容器46の放射面46pの磁束透過流域4mにおいて、金属層300は、X方向(第4容器46の周方向)およびY方向(第4容器46の高さ方向)に細かく分断されつつ、碁盤の目状に並設されている。第4容器46を構成する非金属材料の母材は、母材部分46mとして、放射面46pにおいて網目状(格子状)を成しており、隣接する金属層300同士の間において露出されている。図3は、第3容器45(低温側の第2壁体)の吸収面45iを展開した展開図を模式的に示す。矢印LWは第3容器45の周方向を示す。図3に示すように、第3容器45の熱輻射の吸収面45iは、磁束が透過する磁束透過流域4mを有する。第3容器45の吸収面45iにおいて、磁束透過流域4mには金属層群301が積層されている。
図3に示すように、金属層群301は、第3容器45の吸収面45iにおいて、複数の金属層300を分断させつつ間隔を隔てて並設して表面に積層されている。具体的には、金属層群301を構成する複数の金属層300は、吸収面45iの母材部分45mで細かく分断されつつ、碁盤の目状に並設されており、表面に露出されている。すなわち、第3容器45の吸収面45iの磁束透過流域4mにおいて、金属層300は、X方向(第3容器45の周方向)およびY方向(第3容器45の高さ方向)に分断されつつ、碁盤の目状に並設されている。従って、第3容器45を構成する非金属材料の母材は、母材部分45mとして、吸収面45iにおいて網目状(格子状)を成しており、隣接する金属層300同士の間において露出されている。なお金属層300の投影形状は四角であるが、これに限定されず、菱形、三角、互角、等の多角形状、円、楕円、リング等の円形状、文字形状、数字形状、記号形状等でも良い。
上記した金属層群301を構成する一つの金属層300は、金属薄膜、金属箔、金属テープ、金属フィルム、金属片のうちの少なくとも一つで形成されていることが好ましい。金属薄膜は物理的な成膜法または化学的な成膜法で形成できる。物理的に成膜法としては、金属層300同士の間隔等にもよるが、圧延法、圧着法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法が挙げられ、金属成膜後のドライエッチング法(例えばプラズマエッチング、反応性イオンエッチング、スパッタエッチング)等が挙げられる。化学的な成膜法としてはCVD法、スクリーン印刷などの印刷法、金属成膜後のウェットエッチング法等が挙げられる。この場合、開口を有するマスキング部材で放射面46pおよび吸収面45iを適宜覆うことができる。開口を通過した金属が放射面46p,吸収面45iに成膜され、金属層300が形成される。マスキング材で覆われた部分については、放射面46p,吸収面45iに金属が成膜されないため、金属層300が成膜されないため、母材45m,46mが露出されている。
金属箔、金属テープ、金属フィルム、金属片の場合には、接着剤、圧着等で放射面46p,吸収面45iに接合しても良い。ここで、第3容器45を形成する母材の厚みをt3(図3参照)とし、第3容器45に積層された金属層300の厚みtmとするとき、tm/t3としては、0.0001〜0.1の範囲内、0.001〜0.1の範囲内、0.01〜0.1の範囲内で設定できる。また第4容器46を形成する母材の厚みをt4(図2参照)とし、第4容器46に積層された金属層300の厚みtmとするとき、tm/t4としては、0.0001〜0.1の範囲内、0.001〜0.1の範囲内、0.01〜0.1の範囲内で設定できる。なお、tmの値としては、真空容器のサイズ、厚み、用途、金属層300の製造方法などによっても相違するが、0.1マイクロメートル〜5ミリメートルの範囲、0.3マイクロメートル〜1000マイクロメートルの範囲、1〜500マイクロメートルの範囲、2〜200マイクロメートルの範囲等が例示される。但し、これらに限定されるものではない。
金属層300の厚みが薄い場合には、電気抵抗が高くなり、渦電流が流れにくくなる傾向がある。金属テープ、金属フィルムおよび金属片としては、圧延化されたシートでも良い。透磁率を高めたアモルファス金属シートでも良い。金属層300を形成する金属としては、電気抵抗が高い材料、透磁率が高い材料が好ましい。金属としては、遷移金属、その合金が挙げられる。例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、銀、銀合金、金、金合金、亜鉛、亜鉛合金、スズ、スズ合金、チタン、チタン合金、マグネシウム、マグネシウム合金等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、渦電流を低減させるためには、電気抵抗が高い金属を採用することが好ましい。金属層300における磁束の透過性を確保するためには、透磁率が高い金属を採用することが好ましい。
超電導コイル22は、給電により磁束を発生させる。磁束の大きさが変化すると、仮に、第4容器46(高温側の第1壁体)および第3容器45(低温側の第2壁体)の母材の全体が金属である場合には、磁束の変化に基づく渦電流のループが大きくなる。このため渦電流のジュール熱により発熱が第4容器46および第3容器45においてかなり発生するおそれがある。この場合、超電導コイル22を昇温させる要因となり、超電導コイル22の超電導状態を得るには、好ましくない。そこで、第4容器46および第3容器45の母材を、上記した非金属材料としている。しかしこの場合、熱輻射の放射率および吸収率が増加するため、超電導コイル22の極低温状態を得るには好ましくない。前述したように、ガラス繊維等の補強材で補強した複合化樹脂、樹脂、セラミックス等の非金属材料の赤外線の輻射率は、金属よりもかなり大きいためである。例えば、文献によれば、輻射率は金属では0.1以下であるが、非金属材料では0.6〜1.0とされている。このため高温側の第4容器46の放射面46pにおける放射を抑えることが好ましい。同様に、低温側の第3容器45の吸収面45iにおける熱輻射の吸収を抑えることも好ましい。
そこで、上記したように第4容器46の放射面46pの磁束透過領域4mにおいては、複数の金属層300を散点状に分断させつつ間隔を隔てて並設して形成された金属層群301が形成されている。このため、放射面46pにおいて、熱輻射の放射率が高い非金属材料が占める面積比率が低下すると共に、熱輻射の放射率が非金属材料よりも相対的に低い金属層300が占める面積比率が向上する。この結果、放射面46pにおける放射率が低下する。従って放射面46pにおいて熱輻射の放射が低減される。この結果、超電導装置の超電導コイル22に熱影響を与えることが低減される。
同様に、上記したように第3容器45の吸収面45iの磁束透過領域4mにおいては、複数の金属層300を散点状に分断させつつ間隔を隔てて並設して形成された金属層群301が形成されている。このため、第3容器45の吸収面45iにおいて、熱輻射の吸収率が高い非金属材料が占める面積比率が低下すると共に、熱輻射の吸収率が非金属材料よりも相対的に低い金属層300が占める面積比率が向上する。この結果、吸収面45iにおける吸収率が低下する。従って第3容器45の吸収面45iにおいて熱輻射の吸収が低減される。この結果、第4容器46が高温となるときであっても、超電導装置の超電導コイル22に熱影響を与えることが低減される。従って超電導コイル22を極低温に維持するのに貢献できる。
さて、超電導コイル22への給電により磁場が発生するが、磁束の変化に基づいて渦電流のループが金属層群301に発生するとしても、金属層群301を構成する各金属層300は散点状とされ、互いに細かく分断されている。すなわち、隣設する金属層300同士の間には、第3容器45および第4容器46を構成する母材である非金属材料が、母材部分45m,46mとして露出されている。この結果、各金属層300を構成する金属部分の露出面積は、かなり小さくされている。このため磁束の変化に基づいて渦電流のループが金属層群301に発生するとしても、第3容器45および第4容器46の全体が金属で形成されている場合に比較して、渦電流のループは制約される。よって渦電流に基づくジュール熱が抑制される。従って第3容器45および第4容器46の昇温化が抑制される。この意味においても、超電導コイル22を極低温に維持するのに貢献できる。更に渦電流損失も低減され、超電導コイル22の出力を高めるのに有利となる。金属層300を渦巻き状とすることもできる。
[参考例2]
参考例2は参考例1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有するため、図1を準用する。上記したように第4容器46の放射面46pにおいては、複数の金属層300を分断させつつ間隔を隔てて並設して形成された金属層群301が形成されている。しかしながら、上記した低温側の第3容器45の吸収面45iにおいては金属層群301が形成されておらず、第3容器45の母材である非金属材料が露出されている。この場合、熱輻射の吸収抑制効果は低減されるものの、第3容器45における渦電流損失は抑えられる。金属層300を渦巻き状とすることもできる。
[参考例3]
参考例3は参考例1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有するため、図1を準用する。上記したように第3容器45の吸収面45iにおいては、複数の金属層300を分断させつつ間隔を隔てて並設して形成された金属層群301が形成されている。しかしながら、上記した高温側の第4容器46の放射面46pにおいては金属層群301が形成されておらず、第4容器46の母材である非金属材料が露出されている。この場合、熱輻射の放射抑制効果は低減されるものの、第4容器46における渦電流損失は抑えられる。金属層300を渦巻き状とすることもできる。
[参考例4]
図4および図5は参考例4を示す。本参考例は参考例1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。図4は、第4容器46の放射面46pの展開図を模式的に示す。第4容器46の放射面46pの磁束透過領域4mにおいては、複数の金属層300を分断させつつ間隔を隔てて縦横に碁盤の目状に並設して形成された金属層群301が露出されて形成されている。従って、第4容器46の放射面46pの母材部分46mは、磁束透過流域4mにおいて、網目状(格子状)に露出されている。
図4に示すように、第4容器46は、磁束が実質的に透過しない磁束非透過領域4nを有する。磁束非透過領域4nにおいては、磁束の変化に基づく渦電流の発生が抑制されている。このため磁束非透過領域4nにおいては、熱輻射の放射をできるだけ抑えるために、母材の露出を防止すべく、連続性が高い連続金属層303が積層されている。この結果、磁束非透過領域4nにおける熱輻射の放射が抑えられている。図5は、第3容器45の吸収面45iの展開図を模式的に示す。第3容器45の吸収面45iの磁束透過領域4mにおいては、複数の金属層300を分断させつつ間隔を隔てて縦横に碁盤の目状に並設して形成された金属層群301が露出されて形成されている。従って、第3容器45の吸収面45iの母材部分45mは、磁束透過流域4mにおいて、表面において網目状(格子状)を成しており、露出されている。図5に示すように、第3容器45は、磁束が実質的に透過しない磁束非透過領域4nを有する。磁束非透過領域4nにおいては、磁束の変化に基づく渦電流の発生が抑制されている。このため磁束非透過領域4nにおいては、熱輻射の吸収をできるだけ抑えるために、母材の露出を防止すべく、連続性が高い連続金属層303が積層されている。この結果、磁束非透過領域4nにおける熱輻射の吸収が抑えられている。金属層300を渦巻き状とすることもできる。
[参考例5]
図6は参考例5を示す。図6は放射面46pを展開した展開図を模式的に示す。図6に示すように、金属層群301は、放射面46pに積層された複数の子金属層300Bを間隔を隔てて並設して形成されている。隣設する子金属層300B同士の間には、第4容器46を構成する非金属材料の母材部分46m(樹脂、繊維強化樹脂、セラミックス等)が格子状に露出されている。更に、一つ単位の子金属層300Bは、複数の孫金属層300Cを間隔を隔てて縦横に並設して形成されている。隣設する子金属層300B間には、第4容器46を構成する非金属材料の母材部分46ms(樹脂、繊維強化樹脂、セラミックス等)が格子状に露出されている。
参考例によれば、超電導コイル22への給電により磁場が発生する。ここで、磁束の変化に基づいて渦電流のループが金属層群301に発生するとしても、金属層群301を構成する子金属層300Bは、表面に露出する非金属材料の母材部分46mにより互いに細かく分断されており、メッシュ構造を採用している。更に、一の子金属層300には、母材部分46msを表面に露出させつつ孫金属層300Cが分断されつつ縦横に並設されている。なお、母材部分46msの幅W2は、母材部分46mの幅W1よりも小さい。母材部分46m,46msは格子状に限らず、放射状でも良く、すだれ状でも良い。子金属層300Bは縦横に配置されているが、千鳥配列でも良い。孫金属層300Cは縦横に配置されているが、千鳥配列でも良い。このような本実施例によれば、一つの孫金属層300Cを構成する金属部分が占める露出面積は、第4容器46全体が金属で形成されている場合に比較して、遙かに小さくされている。このため磁束の変化に基づいて渦電流のループが金属層群301に発生するとしても、渦電流のループは制約され、渦電流に基づくジュール熱、渦電流損失が抑制される。第3容器45の吸収面45iについても、図6に示すメッシュ構造が採用されていても良い。金属層300を渦巻き状とすることもできる。
[参考例6]
図7は参考例6を示す。本参考例は参考例1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。図7は、第4容器46の放射面46pおよび/または第3容器45の吸収面45iの展開図を模式的に示す。図7に示すように、金属層群301は、孤立した複数の金属層300を間隔を隔てて千鳥配列で並設して形成されている。隣設する子金属層300同士の間には、非金属材料の母材部分45m,46mが露出されている。金属層300をこれの垂直方向から投影した投影形態は、円形状とされている。金属層300を渦巻き状とすることもできる。
[参考例7]
図8は参考例7を示す。図8は、放射面46pおよび/または吸収面45iの展開図を模式的に示す。図8に示すように、金属層群301は、孤立した複数の金属層300を間隔を隔てて並設して形成されている。隣設する子金属層300同士の間には、非金属材料の母材部分45m,46mが表面において露出されている。金属層300の投影形態は六角形状とされている。この場合、放射面46pおよび吸収面45iの単位面積において、金属層300が占める面積割合が高くなる。
[参考例8]
図9は参考例8を示す。図9は、放射面46pおよび/または吸収面45iの展開図を模式的に示す。金属層群301を構成する互いに孤立する金属層300の投影形態は長円形状とされている。
[参考例9]
図10は参考例9を示す。図10は、放射面46pおよび/または吸収面45iの展開図を模式的に示す。図10に示すように、金属層群301は、複数の金属粒子305(金属層)を溶射、接着、半田付け等により接合させることにより形成されている。金属粒子305は、互いに結合している部分も存在するが、基本的には、渦電流のループを制約させるように互いに間隔を隔てて独立して離間している孤立度が高い。
[参考例10]
図11は参考例10を示す。図11に示すように、非金属材料で形成されている放射面46pおよび/または吸収面45iには、凸状の係合部490が形成されている。金属層群301を構成する金属層300は係合部490に機械的に係合している。係合部490は金属層300の全周に連続的にまたは断続的に設けられていることが好ましい。万一、磁束および渦電流に基づいて大きめの電磁力が金属層300に作用するときであっても、金属層300の脱落は係合部490により抑えられる。金属層300を渦巻き状とすることもできる。
[実施例1]
図12は実施例1を示す。本実施例は参考例1〜10と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有するため、図1を準用できる。図12は、放射面46pおよび/または吸収面45iの展開図を模式的に示す。図12に示すように、金属層群301を構成する金属層300の1単位は、一端部300fから他端部300eにかけて細長く延設されており、角形状に渦巻き形をなしている。すなわち、1単位は、長く延びる金属層300が複数箇所で複数方向に曲成されている形状をなす。一端部300fと他端部300eとは非接触であり、電気的に非導通である。この場合、渦電流のループ低減効果が確保される。更に、放射面46pおよび吸収面45iにおいて非金属材料の母材部分46m,45mが占める面積が低下するため、放射率または吸収率が低減される。
[実施例2]
図13は実施例2を示す。本実施例は参考例1〜10と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有するため、図1を準用できる。図13は、放射面46pおよび/または吸収面45iの展開図を模式的に示す。図13に示すように、金属層群301を構成する金属層300の1単位は、一端部300fから他端部300eにかけて細長く延設されており、円弧形状に渦巻き形をなしている。一端部300fと他端部300eとは非接触である。この場合、渦電流のループ低減効果が確保される。更に、放射面46pおよび吸収面45iにおいて非金属材料の母材部分46m,45mが占める面積が低下するため、放射率または吸収率が低減される。
[参考例11]
図14は参考例11を示す。図14は、放射面46pおよび/または吸収面45iの展開図を模式的に示す。図14に示すように、金属層群301は、細長く延びる線状に延設された金属層300を網形状に配置して形成されている。この場合においても、放射面46p,吸収面45iにおいて、金属層300が露出されているため、非金属材料の母材部分46m,45mが占める面積が低下し、熱輻射の放射率または吸収率が低減され、熱輻射の抑制に貢献できる。更に、放射面46pおよび/または吸収面45iにおいて、非金属材料である母材部分45m,46mが露出するため、金属層300の連続性が低下し、金属層群301の電気抵抗が高くなり、渦電流が抑制される。
線状に延設された金属層300同士の間隔DAは適宜選択でき、例えば、1マイクロメートル〜10ミリメートルの範囲、10マイクロメートル〜5ミリメートルの範囲で適宜設定できる。間隔DAが大きい場合には、通常の網製造工程で形成できる。間隔DAが小さい場合には、金属層群301は、ドライエッチングまたはウェットエッチング、ワイヤボンディング等を利用した微細加工プロセスで形成できる。間隔DAが赤外線波長領域よりも小さい場合には、赤外線が透過しにくなり、赤外線の輻射の遮断効果を高めることができる。なお赤外線波長領域は一般的には1〜1000マイクロメートルである。
[参考例12]
図15は参考例12を示す。図15は、放射面46pおよび/または吸収面45iの展開図を模式的に示す。図15に示すように、金属層群301は、パンチングで形成された複数の貫通穴308を区画する金属層300を有するシート状のパンチングメタルで形成されている。貫通穴308では非金属材料である母材部分45m,46mが露出するため、金属層300の連続性が低下する。つまり、金属層300同士は一部接続されているものの、金属層300の他の部分は貫通穴308により離間している。よって、金属層群301の電気抵抗が高くなり、渦電流が抑制される。更に、金属層300が露出されているため、放射面46pおよび吸収面45iにおいて、非金属材料の母材部分46m,45mが占める面積が低下し、熱輻射の放射率または吸収率が低減される。
[参考例13]
図16および図17は参考例13として適用例を示す。本例は、超電導装置の代表例である磁場発生装置の一例として超電導モータ装置に適用している。図16は、本例に係る超電導モータ装置1を示す。超電導モータ装置1は、車載用、定置用、産業用等に利用できるものであり、磁場発生部として機能する超電導モータ2と、極低温発生部3と、容器4と、電流導入端子5と、給電端子6とを有する。
ここで、超電導モータ2は、位相が120度ずつそれぞれ相違する三相の交流電流を給電するモータを形成する。超電導モータ2は、これの軸心P1の回りを1周する円筒形状をなす固定子20と、固定子20に対して回転可能な可動子として機能する回転子27とを有する。回転子27は、超電導モータ2の軸心P1の回りで回転可能に支持された回転軸28と、回転軸28の外周部にこれの周方向に間隔を隔てて配置された複数個の永久磁石部29とを有する。永久磁石部29は公知の永久磁石で形成できる。
固定子20は、透磁コアとして機能する透磁率が高い材料で形成された円筒形状をなす固定鉄心21と、固定鉄心21に巻回されて保持された超電導コイル22とを有する。超電導コイル22は三相の交流電流を通電できるように3個に分割されている。超電導コイル22は公知の超電導材料で形成されている。超電導コイル22は、固定鉄心21の内周部に形成されたスロットル溝21a内に配置されている。三相の交流電流が超電導コイル22に流れると、固定子20の回りつまり軸心P1の回りを回転する回転磁場が発生する。回転磁場により回転子27がこれの軸心P1の回りで回転し、モータ機能が得られる。
極低温発生部3は、超電導コイル22の超電導状態を維持するために超電導コイル22を極低温に維持するものである。極低温発生部3で得られる極低温の温度領域は、超電導コイル22を構成する超電導材料の材質に応じて選択されるが、ヘリウム液化温度以下または窒素液化温度以下にでき、例えば、例えば0〜150K、殊に1〜100K、1〜80Kとすることができる。但し、超電導材料の材質によってはこれらに限定されるものではない。極低温発生部3は、極低温をコールドヘッド32において発生させる冷凍機30と、冷凍機30のコールドヘッド32と超電導モータ2の固定子20の固定鉄心21とを伝熱可能に繋ぐ伝熱材料を基材とする伝熱部33とを有する。冷凍機30としては、パルス管冷凍機、スターリング冷凍機、ギホードマクマホン冷凍機、ソルベイ冷凍機、ヴィルマイヤー冷凍機等といった公知の冷凍機を例示できる。伝熱部33は、高い伝熱性を有する材料(例えば、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金)等で形成されている。
図16に示すように、容器4は容器状をなしており、超電導コイル22を断熱させる断熱室として機能する減圧断熱室として機能する真空断熱室40を形成する。容器4の真空断熱室40は、固定子20に巻回されて保持されている超電導コイル22の外周側(外側)を固定子20の外周側(外側)と共に包囲する外側真空断熱室41(温度:例えば70〜350K,圧力:例えば10−2Pa以下)と、超電導コイル22の内周側(内側)を固定子20の内周側(内側)と共に包囲する内側真空断熱室42(温度:例えば70〜350K,圧力:例えば10−2Pa以下)とを有する。なお、真空断熱室40は出荷時に高真空状態(大気圧よりも減圧されている状態)に維持されているが、メンテナンス等により長期にわたり高真空状態に維持されることが好ましい。
この場合、超電導コイル22は外側真空断熱室41と内側真空断熱室42とで包囲されているため、超電導コイル22は極低温状態に維持され、ひいては超電導状態が維持される。図1に示すように、外側真空断熱室41は、固定子20の外周部を包囲する第1断熱室部分41aと、伝熱部33およびコールドヘッド32の外側を包囲する第2断熱室部分41cとを有する。第2断熱室部分41cは、伝熱部33およびコールドヘッド32を包囲しており、これらの低温を維持する。
図16に示すように、容器4は、外側から内側にかけて、同軸的に配置された第1容器43、第2容器44、第3容器45、第4容器46を有する。第1容器43および第2容器44は、外側真空断熱室41を形成するように、固定鉄心21の径方向において互いに対面する。第3容器45および第4容器46は、内側真空断熱室42を形成するように、固定鉄心21の径方向において互いに対面する。
第4容器46で区画される円筒形状の空間47には、回転子27が回転可能に配置されている。空間47は大気に連通している。回転子27は回転作動体に連結されている。なお、超電導モータ装置1が自動車等の車両に搭載される場合には、回転作動体は走行用のホィール等が例示される。従って、回転子27が回転すると、ホィールが回転することができる。
図16に示すように、第1容器43は、超電導モータ2の外周部を包囲する筒状の第1包囲部431と、超電導コイル22に給電する3相用の電流導入線56を案内する案内室432を形成する筒状をなす案内部433と、コールドヘッド32および伝熱部33を覆うように第2包囲部434と、冷凍機30の冷媒ガスを圧縮させる圧縮機構30aのフランジ30cを取り付けるための取付フランジ部435とを有する。案内部433は、第1容器43のうち超電導モータ2を包囲する第1包囲部431から突設されている。なお、第1容器43の外側は大気開放とすることができるが、これに限定されるものではない。第1容器43の外側は断熱材で覆われていても良い。
第1容器43を構成する材料としては、漏れ磁束を透過させないか、あるいは、透過させにくいこと、強度を有することが好ましい。このような材料としては、透磁率が低い非磁性等の金属材料(例えばオーステナイト系等のステンレス鋼等の合金鋼)が例示される。第2容器44,第3容器45,第4容器46を構成する材料としては、磁束を透過させ得るが、磁束の変化に基づく渦電流を抑制すべく、電気抵抗が高い材料が好ましい。このような材料としては、樹脂、補強材強化樹脂、セラミックス等が例示される。補強材強化樹脂の補強材はガラス、セラミックス等の無機物が例示される。補強材は補強繊維が好ましく、ガラス繊維、セラミックス繊維等の無機繊維が例示される。樹脂は熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれでも良い。
図16に示すように、第1容器43に部分的に突設されている筒形状をなす案内部433の先端部には、第1保持部としての固定盤70が固定されている。前記した固定盤70は、電気的および熱的に絶縁性が高い材料、および/または、磁束を透過させにくい材料で形成されていることが好ましい。例えば、樹脂、繊維強化樹脂、セラミックスが例示される。場合によっては、透磁率が低い非磁性等の金属材料としても良い。この場合、電気絶縁構造を採用することが好ましい。案内室432は外側真空断熱室41に連通しているため、超電導モータ2の駆動時には真空断熱状態(減圧断熱状態)とされ、断熱機能を発揮することができる従って電流導入端子5はできるだけ低温に維持されやすい。図16に示すように、複数(3個)の電流導入端子5は、超電導コイル22に電流導入線56を介して電気的に接続されており、超電導コイル22に給電する導電材料を基材とする端子である。電流導入端子5は、第1容器43の案内部433の先端部の固定盤70に固定状態に保持されている。
電流導入端子5を固定盤70に固定する構造としては、特に限定されない。本実施例によれば、具体的には、固定盤70に形成された貫通孔に電流導入端子5がほぼ同軸的に挿通されている。貫通孔の内壁面と電流導入端子5の外壁面との間には、気密性を高めるシール材が介在している。これにより案内室432は、容器4の外側の大気に対してシールされており、案内室432の高真空状態(減圧状態)が維持される。なお、図16に示すように、案内室432は電流導入端子5の他端側を収容している。電流導入端子5の一端側は、案内室432から露出している。なお、電流導入端子5を形成する材料としては導電材料であれば特に限定されず、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、銀、銀合金等が例示されるが、これらに限定されるものではなく、要するに導電性を有するものであれば良い。
超電導モータ2が駆動されるときには、容器4の外部に配置されている図略の切替スイッチがオンされると、外部の電源に繋がる電流導入端子5に三相の交流が給電される。ひいては超電導コイル22に給電される。この結果、超電導モータ2において回転磁場が軸心P1の回りで発生し、回転子27が軸心P1の回りで回転する。これにより超電導モータ2が駆動される。ここで、磁束は第3容器45,内側真空断熱室42,第4容器46を透過し、回転子27の永久磁石部29に吸引および反発作用を発生させ、回転子27が回転する。
このように超電導モータ2が駆動されるとき、極低温発生部3が発生する極低温により超電導コイル22および固定鉄心21は、極低温状態に良好に維持される。故に、超電導コイル22が臨界温度以下に良好に維持され、超電導モータ2は良好に回転駆動する。なお、超電導コイル22の電気抵抗は0かあるいは著しく低いため、超電導モータ20の出力は高い。固定鉄心21の径内方向に指向するティース部210には超電導コイル22が巻回されている。 本実施例によれば、第4容器46の内周面で形成される空間47は、大気に連通する。このため第4容器46は第3容器45よりも高温側とされている。第3容器45は超電導コイル22を収容するため、低温側とされている。第4容器46の外周面である放射面46pは、熱輻射を放射する側とされており、第3容器45に内側真空断熱室42を介して対面する。第3容器45の内周面である吸収面45iは、熱輻射を吸収する側とされており、第4容器46の放射面46pに内側真空断熱室42を介して対面する。ここで、超電導コイル22の低温を維持するためには、高温側の第4容器46から低温側の第3容器45に向かう熱輻射をできるだけ遮断させることが好ましい。
そこで、図17に示すように、高温側の第4容器46の放射面46pにおいて、これの磁束透過流域4mには金属層群301が積層されている。低温側の第3容器45の吸収面45iにおいても、これの磁束透過流域4mには金属層群301が積層されている。この結果、高温側の第4容器46から内側真空断熱室42を介して低温側の第3容器45に向かう熱輻射の放射および吸収をできるだけ低減させることができる。
[参考例14]
参考例参考例13と基本的には同様の構成および作用効果を有するため、図16および図17を準用する。第1容器43の内周面43iは外気に接近しているため高温側とされている。内周面43iには金属層群301が積層されている。第2容器44の外周面44pは超電導コイル22に近いため、低温側とされている。外周面44pには金属層群301が積層されている。この結果、高温側の第1容器43の内周面43iから外側真空断熱室41を介して低温側の第2容器44の外周面44pに向かう熱輻射をできるだけ抑制させることができる。勿論、実施例15と同様に、第4容器46の放射面46pに金属層群301が積層されている。第3容器45の吸収面45iには金属層群301が積層されている。
[参考例15]
図18は参考例15を示す。本参考例参考例1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。図18に示すように、金属層群301は、放射面46pに積層された複数の子金属層300を間隔を隔てて縦横に並設して形成されている。千鳥配列としても良い。隣設する子金属層300同士の間には、第4容器46を構成する非金属材料の母材部分46m(樹脂、繊維強化樹脂、セラミックス等)が露出されている。更に、一つ単位の子金属層300は、長手方向に線状に延びる複数の孫金属層303Eを間隔を隔てて、孫金属層303Eの延びる方向と交差する方向に沿ってすだれ状に並設して形成されている。隣設する子金属層300間には、第4容器46を構成する非金属材料の母材部分46m(樹脂、繊維強化樹脂、セラミックス等)がすだれ状に露出されている。孫金属層303Eが延びる方向は、矢印Y方向でも良いし、矢印X方向でも良い。そして、すだれ状に隣設する孫金属層303E同士の間には、第4容器46を構成する非金属材料の母材部分46ms(樹脂、繊維強化樹脂、セラミックス等)が露出されている。孫金属層300E同士は、表面に露出する非金属材料の母材部分46msにより互いに細かく分断されており、すだれ構造を採用しており、渦電流のループを制約できる。第3容器45の吸収面45iについても同様の構造とされており、孫金属層300E同士は、表面に露出する非金属材料の母材部分45msにより互いに細かく分断されており、すだれ構造を採用している。なお渦電流は磁束に対して直交する方向にループ状に流れる性質をもつため、上記したすだれ構造は、ループを遮断させ易い。要するに、複数の孫金属層300Eは、どのような配置構造であっても、母材部分46ms,45msを露出させつつ、間隔を隔てて並設されていればよい。
[その他]
上記した適用例によれば、回転子27は、軸心の回りで回転可能に支持された回転軸28と、回転軸28の外周部にこれの周方向に間隔を隔てて配置された複数個の永久磁石部29とを有する。しかしこれに限らず、固定子20側に永久磁石部が設けられており、回転子27側に超電導コイル22が設けられていても良い。上記した適用例によれば、車載用の超電導モータ装置1に適用しているが、車載用に限らず、定置用でも良い。上記した実施例によれば、超電導モータ装置1は回転タイプであるため、可動子は回転子27とされているが、可動子を直動させる直動タイプのリニアモータでも良い。この場合、固定子20は一方向に延設された形状となり、可動子を直動させる可動磁場を発生させる。
上記した適用例によれば、回転子27が永久磁石部29を有し、固定子20は、固定鉄心21と、固定鉄心21に巻回されて保持された超電導コイル22とを有するが、これに限られるものではない。固定子が永久磁石部を有し、回転子が超電導コイルを有する構造でも良い。ティース部210は径内方向に突出していても良いし、超電導モータの種類によっては径外方向に突出していても良い。
更に、超電導装置としては、超電導モータ装置1に限定されるものではない。例えば透磁コア、超電導コイルおよび超電導コイルを冷却させる極低温発生部を有しており、磁場を発生させる磁場発生装置に適用することもできる。磁場発生装置としては、超電導スパッタリング装置、磁気共鳴画像装置(MRI)、核磁気共鳴装置(NMR)、磁気シールド装置等が例示される。要するに、超電導コイルおよび超電導コイルを冷却させる極低温発生部3を有するものであれば良い。ある実施例に特有の構造および機能は他の実施例にも適用できる。その他、本発明は上記した実施形態および実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。
本発明は例えば産業用、車載用、医療用の超電導装置に利用することができる。
参考例1に係り、超電導装置を示す断面図である。 参考例1に係り、放射面を展開した状態を模式的に示す展開図である。 参考例1に係り、吸収面を展開した状態を模式的に示す展開図である。 参考例4に係り、放射面を展開した状態を模式的に示す展開図である。 参考例4に係り、吸収面を展開した状態を模式的に示す展開図である。 参考例5に係り、放射面および吸収面を展開した状態を模式的に示す展開図である。 参考例6に係り、放射面および吸収面を展開した状態の一部を模式的に示す展開図である。 参考例7に係り、放射面および吸収面を展開した状態の一部を模式的に示す展開図である。 参考例8に係り、放射面および吸収面を展開した状態の一部を模式的に示す展開図である。 参考例9に係り、放射面および吸収面を展開した状態の一部を模式的に示す展開図である。 参考例10に係り、金属層が配置された放射面および吸収面付近を金属層の厚み方向に沿って切断した断面図である。 実施例1に係り、放射面および吸収面を展開した状態の一部を模式的に示す展開図である。 実施例2に係り、放射面および吸収面を展開した状態の一部を模式的に示す展開図である。 参考例11に係り、放射面および吸収面を展開した状態の一部を模式的に示す展開図である。 参考例12に係り、放射面および吸収面を展開した状態の一部を模式的に示す展開図である。 参考例13に係り、放射面および吸収面を展開した状態の一部を模式的に示す展開図である。 参考例13に係り、超電導モータ装置を示す部分断面図である。 参考例15に係り、放射面および吸収面を展開した状態の一部を模式的に示す展開図である。
1は超電導モータ装置(超電導装置)、2は超電導モータ(磁場発生部)、20は固定子、21は固定鉄心(透磁コア)、22は超電導コイル、27は回転子(可動子)、3は極低温発生部、30は冷凍機、32はコールドヘッド、33は伝熱部、4は容器、41は外側真空断熱室、42は内側真空断熱室、43は第1容器、44は第2容器、45は第3容器(低温側の第2壁体)、45iは吸収面、46は第4容器(高温側の第1壁体)、46pは放射面、432は案内室、41は外側真空断熱室、42は内側真空断熱室、5は電流導入端子、56は電流導入線、300は金属層、301は金属層群、303は連続金属層、300Bは子金属層、300Cは孫金属層を示す。

Claims (7)

  1. 磁場を発生させる超電導体を覆う真空断熱室を形成するように互いに対向すると共に前記超電導体からの磁束が透過する第1壁体および第2壁体を備える超電導装置用真空容器であって、
    前記第1壁体は、前記第2壁体よりも相対的に高温となり、熱輻射の放射を行う放射面を備えており、且つ、前記第2壁体は、前記第1壁体よりも相対的に低温となり、熱輻射の吸収を行う吸収面を備えており、
    前記第1壁体の前記放射面および前記第2壁体の前記吸収面のうちの少なくとも一方は、非金属材料を母材とし、表面に露出すると共に一端部から他端部にかけて渦巻き状に延設され且つ前記一端部および前記他端部が互いに非接触とされている複数の金属層を備えると共に、複数の前記金属層同士の間に非金属材料を露出させつつ複数の前記金属層を間隔を隔てて配置して形成されている金属層群を具備することを特徴とする超電導装置用真空容器。
  2. 請求項1において、前記金属層は、金属薄膜、金属箔、金属テープ、金属フィルム、金属片、金属粒、パンチングメタル、金属網状体のうちの少なくとも一つで形成されていることを特徴とする超電導装置用真空容器。
  3. 請求項1または2において、前記第1壁体の前記放射面および前記第2壁体の前記吸収面のうちの少なくとも一方において、前記第1壁体または第2壁体の母材は、隣設する前記金属層間において格子状または網目状に露出されていることを特徴とする超電導装置用真空容器。
  4. 請求項1〜3のうちの一項において、前記金属層群は、複数の子金属層同士の間に非金属材料を露出させつつ複数の子金属層を間隔を隔てて配置して形成されており、
    前記子金属層は、複数の孫金属層同士の間に非金属材料を露出させつつ複数の孫金属層を間隔を隔てて配置して形成されていることを特徴とする超電導装置用真空容器。
  5. 磁束を発生させる超電導体と前記超電導体からの磁束を透過させる透磁コアとを有する磁場発生部と、
    前記超電導体を覆う真空断熱室を形成するように互いに対向すると共に前記超電導体で発生した磁場が透過する第1壁体および第2壁体を備える真空容器とを具備する超電導装置であって、
    前記第1壁体は、前記第2壁体よりも相対的に高温となり、熱輻射の放射を行う放射面を備えており、且つ、前記第2壁体は、前記第1壁体よりも相対的に低温となり、熱輻射の吸収を行う吸収面を備えており、
    前記第1壁体の前記放射面および前記第2壁体の前記吸収面のうちの少なくとも一方は、非金属材料を母材とし、表面に露出すると共に一端部から他端部にかけて渦巻き状に延設され且つ前記一端部および前記他端部が互いに非接触とされている複数の金属層を備えると共に、複数の前記金属層同士の間に非金属材料を露出させつつ複数の前記金属層を間隔を隔てて配置して形成されている金属層群を具備することを特徴とする超電導装置。
  6. 請求項5において、前記磁場発生部は、固定子と前記固定子に対して移動可能な可動子とを有する超電導モータを構成すると共に、前記超電導体は、コイルを形成しており、前記固定子および前記可動子のうちの少なくとも一方に設けられていることを特徴とする超電導装置。
  7. 請求項5または6において、更に、前記超電導コイルの超電導状態を維持するために前記超電導コイルを極低温に維持する極低温発生部を具備することを特徴とする超電導装置。
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