JP4771036B2 - Small DC brushless motor - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に医療機器や精密測定装置などに利用される小径小型のDCブラシレスモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インナーロータマグネット型の小型モータは、バックヨークを兼ねたハウジングケースとして、SUM、SPCC、SPCE、SK材等の鉄鋼材料を切削加工、又はプレス加工等により形成した単一鋼塊の略円筒状のパーツ部品を用いるのが一般的であった。
【0003】
例えば、図3に示すように、円筒状マグネット5とその中心を貫通するシャフト6からなるインナーロータ部21を、円筒状ハウジングケース2の両端開口部に位置するフランジ3及びエンドフランジ16の軸中心位置でベアリング8及びベアリング9により回転自在に軸支し、これをハウジングケース2の内周面2aに固定された界磁コイル4に転流通電することにより発生する回転磁界によりインナーロータ部21を回転駆動させるDCブラシレスの小型モータ11がある。
【0004】
図3に示した小型モータ11の向かって右端側(エンドフランジ16側)には、リード線24を介してドライバ出力電流を界磁コイル4に供給する基板12が設置されている。この基板12は、界磁コイル4の端末処理作業を容易にしたり、線材の断線を防止したりする為に、ハウジングケース2に確実に固定されることが必要となる。
【0005】
その為、環状をした例えばステンレス製の押さえリング13を用い、内径部に圧入嵌合させ、基板12をハウジングケース2に固定していた。この際、図4にその拡大部を示すとおり、基板12と押さえリング13とは絶縁させる必要がある。そこで、押さえリング13と接触する部分の基板12にはパターンを配置しないようにしたり、基板12と押さえリング13の間に、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)のシートからなる絶縁部材15を挿入したりしている。
【0006】
また、基板12、押さえリング13の後部側には、ハウジングケース2の開口部を覆うようにエンドフランジ16が嵌めこまれ、カシメ部27で固定される。この際、ハウジングケース2、押さえリング13及びエンドフランジ16は金属製であり、弾性が無いことから、例えば間挿する各部材の寸法公差によっては、エンドフランジ16がハウジングケース2に寸法通り正確に嵌らない場合がある。そこで、この各部材の寸法の公差を吸収するために押さえリング13とエンドフランジ16の間にスペースSを設けている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記図3に示すようなインナーロータマグネット型の小型モータ11は、モータ動作時におけるインナーロータ部21の回転中に、ロータ部マグネット5の磁束が、磁性材料からなるハウジングケース2を横切るため、ハウジングケース2中にうず電流が流れ、鉄損(うず電流損)が発生するという問題が以前から指摘されていた。つまり従来の小型モータ11の構成の場合、ハウジングケース2が一体の単一鋼塊であるために電気抵抗が小さく、うず電流が流れやすいことから、結果的にうず電流損の増大や発熱の促進を招いていた。
【0008】
これらの問題点を改善するため、非磁性材料からなるハウジングケース内に、例えば厚み0.5mm程度の鋼板を軸方向に積層して収めることにより、うず電流を流れにくくする手段が提案されているが、積層鋼板を内包するハウジングケースの厚み分、モータ外径寸法が増大してしまうため小径化することは難しく、特に外径ψ12mm以下の小径モータには適用が困難であった。
【0009】
また、上述のように基板12と押さえリング13の間に絶縁部材15を挟むと、部品数が多くなると共にコストが大きくなるという問題があった。さらに、押さえリング13とエンドフランジ16の間に、各部材の寸法公差を吸収するためのスペースSを設けている為、その分小型モータ11全体の軸方向の寸法が長くなってしまうというだけでなく、押さえリング13がはずれてスペース内で遊んでしまい、基板12がズレることにより結果的に界磁コイル端末の断線を招くなどの問題があった。
【0010】
本発明の課題は、うず電流損を低減し、高効率で発熱の少ない小型モータを低コストで提供すると共に、基板が確実に固定される取り付け構造の小型モータを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明においては、回転軸に円筒マグネットを備えたインナーロータとその周囲に配置されたステータ界磁コイルとを有する外径φ12mm以下のインナーロータマグネット型の小型モータにおいて、前記インナーロータ及び界磁コイルを内包し収めるとともに、前記界磁コイルの外周部に位置し、モータの外装部品となるハウジングケースが、軟磁性材材料であるパーマロイ素材により形成され、かつ組み込まれており、前記ハウジングケースが筒状とされ、該ハウジングケースの筒内一端の後部側には、前記界磁コイルへの電力供給を行うための配線を有する基板が配置され、さらに該ハウジングケース内の前記基板の取り付け配置位置には、該基板のケース内前側方向への移動を規制する規制段部が設けられ、かつ前記基板の後側には絶縁性の弾性体からなる略環状の押さえ部材が隣接し配置され、これに前記ハウジングケースの後端部に蓋体が嵌合されるとともに、該蓋体が前記押さえ部材を前側に押しつぶす状態に嵌合配置されることにより、前記押さえ部材の弾性力により前記基板を前記規制部側に押圧して、前記基板を配置固定している小型DCブラシレスモータとした。
【0012】
この請求項1に記載の発明によれば、インナロータ及び界磁コイルを収めるハウジングケース全体は、軟磁性材料であるパーマロイにより形成されている。パーマロイは、後記の表1に示すように、鋳鉄に対し電気抵抗が高いため、うず電流が流れにくく、従って、うず電流損が抑制され、発熱を抑えることができるので、エネルギー損失の少ない、効率のよい小型モータを提供できる。
【0014】
そして、基板の押さえ部材は絶縁性の弾性体であり、押さえ部材自身が絶縁性を有するので、基板の押さえ部材と接触する部分にも通電パターンを配置できる。また、押さえ部材そのものが絶縁体であることから、基板と押さえ部材の間に特に絶縁部材を挟む必要が無いので、部品数が少なくて済み、絶縁不良もない。つまり、コスト削減と不良問題解決につながる。
【0015】
さらに、弾性体である押さえ部材を蓋体が組み込んだときに押しつぶすように設定配置されており、この挟まれた押さえ部の弾性力により基板が規制段部に常に押し付けられて、ハウジングケース内に固定されることとなる。
【0016】
つまり、従来取り付け構造の小型モータだと押さえ部材が金属製である為、金属(押さえ部材)と金属(蓋体)同士を組み付けることになり、各部材の寸法の公差を考慮しないと蓋体が完全に嵌合できない等の問題が生じる場合があったので、各部材の間に隙間を設けていたが、しかし本発明における小型モータでは、弾性体(押さえ部材)と金属(蓋体)とを構造的に組み付けるので、弾性体である押さえ部材が各部材の寸法の公差を吸収する為に上述のようなスペースの問題を考慮する必要が無く、押さえ部材と蓋体の間に隙間を設ける必要がなくなり、従って、基板を確実に固定しつつ小型モータ全体の寸法をより小さくすることが可能である。
【0017】
また、ハウジングケースを形成するパーマロイは、他の鉄系材料に比べて柔らかいので、基板を固定するのに従来タイプの金属製押さえリングを用いた場合、押さえリングの外径を圧入嵌合の設定でハウジングケースの内径に合わせると、ハウジングケースに押さえリングを押し込こんだ際に、薄肉部分のハウジングケース部分が変形してしまう可能性が大きい。このようにハウジングケースが変形してしまうと、蓋体をハウジングケース中心位置に嵌合させることが困難になるだけでなく、回転軸の芯ズレ、位置ズレや、基板の固定力が不足する場合がある。さらに蓋体の抜去力も極端に低下する。
【0018】
それに対して本発明は、押さえ部材が弾性体から成るため、ハウジングケースの内径にほぼ等しい外径を有する押さえ部材を配置する場合でも、ハウジングケースが圧入などにより変形することはないので、蓋体を設計嵌合公差内で常に正確に嵌合できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1、図2、及び図5、図6に基づいて詳細に説明する。
なお、小型モータ1は、ハウジングケース22、Oリング20(押さえ部材)以外は図3に示す従来の小型モータ11と同様であるので、同じ構成要素については同一符号を付す。また、小型モータ1は、例えば輸液ポンプ又は透析用ポンプ、或いは精密測定装置、小型携帯電子機器類等に用いられる外径ψ12mm以下のインナーロータマグネット型の小型モータである。
【0020】
図2は、本発明を適用したインナーロータ型の小型モータ1の側断面図であり、図1は図2の右端部分のエンドフランジ側のモータ構造を示す拡大図で、さらにその構造の一部を拡大したのが図6である。また、図5は、図2の小型モータ1をエンドフランジ側から見た時の外観概略図である。
【0021】
インナーロータ型の小型モータ1は、大別して、外部から供給される電流により回転磁界を発生させるステータ界磁コイル4と、回転磁界に基づいて回転するロータ部インナロータ23と、これらの各部材が収められるステータ部ハウジングケース22等とから概略構成される。
【0022】
インナーロータ23部分は、希土類永久磁石からなる円筒型のマグネット5とシャフト6からなり、フランジ3及びエンドフランジ16中心に配置した軸受8及び軸受9により二点間で回転自在に軸支されている。またマグネット5は、回転磁界に基づいて回転する小型モータ1の駆動部分となるロータとしての役割を果たすものであり、マグネット5の中央には長手方向に沿ってシャフト6が貫通している。さらにハウジングケース22は、Fe−Ni系材料である軟磁性材料のパーマロイPB(Fe−45%Ni)からなる円筒状で両端が開口した形状で、前記インナーロータ23が内部に収められている。
【0023】
また、ハウジングケース22の左端には、ハウジングケース22の開口部を覆うようにフランジ3が設けられ、フランジ3の小型モータ1内部側の中心位置に設けられた凹部には、インナーロータ23のシャフト6を支持する為のベアリング8が嵌めこまれており、シャフト6は、このベアリング8を介してフランジ3の中心を貫いている。
【0024】
ベアリング8とマグネット5の間には、例えばポリエチレンテレフタレートからなる環状の二枚のライナー14、14が挿入されている。同ライナー14、14は、ライナー間ですべり摺動することにより、インナーロータをスムーズに回転させるものであり、中央に設けられた穴にはシャフトが貫通している。
【0025】
またハウジングケース22の右端には、ハウジングケース22の開口部を覆うようにエンドフランジ16(蓋体)が設けられ、カシメ部27により固定されている。これもフランジ3同様に、エンドフランジ16の小型モータ1内部側の中心に設けられた凹部には、インナーロータ部23のシャフト6を受けるベアリング9が嵌めこまれており、シャフト6は、このベアリング9を介してエンドフランジ16の中心に位置している。ベアリング9とマグネット5の間には、後述する基板12を設置するための空間を確保するスペーサ10が設けられている。またスペーサ10とベアリング9の間には、前述のライナー14、14と同一のライナー17、17が挿入されている。
【0026】
ハウジングケース22の内周面22aには、回転磁界を発生させる円筒状の界磁コイル4が固定されており、この界磁コイル4の内方側に、間隙を介して上述のインナーロータ23が回転可能に収められている。またハウジングケース22のエンドフランジ側開口部内径部分には、円筒肉厚方向に段差部を設けるため、界磁コイル4が収められる部分の内径R1よりも、エンドフランジ16が嵌めこまれる部分の内径R2の方が大きくなるように設計されている(図1参照)。
【0027】
この段差からなる固定部25(規制部)に押し付けられるように、配線パターンが施された基板12が配置され設けられている。基板12には、図示していない外部ドライバからの出力電流をリード線24を介して界磁コイル4に供給するための導通パターンが設けられている。
【0028】
またエンドフランジ16には、界磁コイル4に電流を供給するためのリード線24、24・・を通す長円形状の貫通孔16a(図5参照)が設けられており、リード線24、24・・の端部は外部の駆動用ドライバに接続されている。そしてリード線、モータ内部の基板12を介して界磁コイル4へと接続されている。
【0029】
この時、界磁コイル4がスター結線の場合、U・V・W・COM4本の内COM1本は中性点で、デルタ結線の場合は、U・V・W3本である。小型モータはスペース的にセンサレスが一般的であるが、センサレス駆動方式の場合、前者はDCブラシレス駆動又は同期モータ駆動として用い、後者は同期モータ駆動として基本的に用いられることが多い。
【0030】
また図6に示すように、基板12とエンドフランジ16の間には、絶縁性のゴム状弾性体からなる、環状で断面が略円形状のOリング20が挟み込まれている。Oリング20の外径はハウジングケース22の内径R2とほぼ等しくなっており、基板12は、Oリング20を介してエンドフランジ16により固定部25(規制部)の段差に弾性体の反発力(図中の矢印)により、双方押し付けられることによって、ハウジングケース22に押圧固定される。
【0031】
Oリング20の材質としては、例えば天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、ブチルゴム(IIR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、アクリルゴム(ACM、ANM)、エピクロロヒドリンゴム(CO、ECO)、ウレタンゴム(U)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM)、多硫化ゴム(T)などがある。
【0032】
なお、上記カッコ内の略号は、米国における工業材料およびその試験法の標準化機関である米国材料試験協会(American Society for Testing and Materials)による標記表示のものである。
【0033】
次に上記構成の小型モータ1の動作について説明する。
まず、リード線24、24・・を通じてドライバから供給量や供給タイミングを制御された駆動電流が供給される。次に、基板12に配置された導通パターンを介して同電流が界磁コイル4に供給される。
【0034】
界磁コイル4は、この電流に基づいて回転磁界を発生させ、ロータとしてのマグネット5を有するインナーロータ23部は、前記回転磁界に基づいて回転駆動する。このとき、シャフト6の両端にはライナー14、14、17、17及びベアリング8、9が設けられているため、インナーロータ部はスムーズに回転する。
【0035】
以上、前記小型モータ1によれば、ハウジングケース22に電気抵抗の大きいパーマロイPBを使用している為、うず電流が流れにくくなり、鉄損や発熱を抑えることができ、モータの損失を低減すことができる。
【0036】
実際に、ハウジングケースの材質にパーマロイPBを用いた本発明の実施と、従来例との損失比率の比較値を、表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
両者はハウジングケース材質が異なる以外、寸法・その他構成部品などを含め、全く同一仕様のモータ仕様であり、またモータ駆動電圧は共にDC5Vとした。このとき損失比率ηLOSS (%)は、無負荷電流Io (mA)および起動電流Is (mA)を実測し、損失比率ηLOSS (%)=[無負荷電流Io (mA)/起動電流Is (mA)]×100の計算式により算出した。
【0039】
前記表1の平均値を比較すると、従来例の損失比率が40.2%であるのに対し、本発明の実施例の損失比率は18.5%であり、明らかに材料の差の効果が定量的に確認できる。このパーマロイPBは軟磁性材料であり、表1に示すようにFe(SUM)が抵抗率11μΩ・cm であるのに対し、パーマロイPBは抵抗率45μΩ・cm であり、パーマロイPBの方が電気抵抗が高く、よって、うず電流損が抑制できるという結果が確認できた。
【0040】
また、パーマロイPBは、他の鉄系材料に比べて材質的に柔らかいが、基板12を押さえる手段としてゴム状のOリング20を用いている為、薄厚のハウジングケース22が変形することはなく、確実に基板固定ができ、さらに芯ズレすることもなく、エンドフランジ16を設計寸法公差内で確実に嵌めこむことができた。
【0041】
なお、本発明は上記実施の形態にのみに限定されることはない。例えば上記実施の形態におけるハウジングケース22は軟磁性材料のパーマロイPBにより作られているが、パーマロイPB以外のパーマロイでもよく、例えば同じFe−Ni系の軟磁性材料であるパーマロイPC(Fe−78%Ni−4.5%Mo−3.5%Cu)でもよい。また、上記実施の形態におけるOリング20は環状であるが、Cリング形状のものや一部が変形、又は切断されたリング状のものなどでもよい。
【0042】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、インナロータ及び界磁コイルを収めるハウジングケース素材は、軟磁性材料であるパーマロイにより形成されている。パーマロイは電気抵抗が大きい為、ロータ(マグネット)の回転に起因して生じるうず電流が流れにくく、従って、うず電流損が抑制でき、ハウジングケース部材の発熱を抑えることができるので、効率のよい小型モータを提供できる。
【0043】
また請求項2に記載の発明によれば、基板の押さえ部材は絶縁性弾性体であり、絶縁性を有するので、基板の押さえ部材と接触する部分にもパターンを配置できる。また、押さえ部材そのものが絶縁体であることから、従来のように絶縁部材を基板と押さえ部材の間に挟む必要が無く、従来と比較して部品数を減らすことができる。つまり、コスト削減につながる。
【0044】
さらに、弾性体である押さえ部材を、蓋体が押すように設定配置されており、この押さえ部材の弾性力により基板が規制部に押し付けられて、ハウジングケース内に確実に固定される。
【0045】
つまり、従来の小型モータの場合、押さえ部材が金属製である為、金属(押さえ部材)と金属(蓋体)同士を組み付けることになり、各部材の寸法公差によっては蓋体が完全に嵌合できない問題が生じる場合があったが、本発明における小型モータでは、弾性体(押さえ部材)と金属(蓋体)とを組み付けるので、弾性体である押さえ部材が各部材の寸法公差を吸収する為に上述のような問題を考慮する必要が無く、押さえ部材と蓋体の間に、前記公差を吸収する為の隙間を設ける必要がなく、従って、基板を確実に固定しつつ小型モータ全体の寸法をより小さくすることが可能である。
【0046】
加えて、ハウジングケースを形成するパーマロイは、他の鉄系材料に比べて変形しやすく柔らかいが、押さえ部材が弾性体から成るため、ハウジングケースの薄肉部内径に対し、挿入嵌合寸法を設けた蓋体を後に配置する場合でも、押さえ部材圧入嵌合の変形を受けることなく、蓋体が確実にハウジングケースの後端部中心位置に嵌合カシメ固定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る小型DCブラシレスモータのエンドフランジ側の構造を示す拡大側断面図。
【図2】本発明に係る小型DCブラシレスモータの側断面図。
【図3】従来の小型DCブラシレスモータの側断面図。
【図4】従来の小型DCブラシレスモータのエンドフランジ側の構造を示す拡大側断面図。
【図5】本発明の小型DCブラシレスモータをエンドフランジ側から見た時の外観概略図。
【図6】本発明に係る小型DCブラシレスモータのエンドフランジ側の構造を示す部分拡大側断面図。
【符号の説明】
1 小型モータ
3 フランジ
4 界磁コイル
5 マグネット
6 シャフト
12 基板
16 エンドフランジ(蓋体)
16a 貫通孔
20 Oリング(押さえ部材)
22 ハウジングケース
22a 内周面
23 インナーロータ(インナロータ部)
25 固定部(規制部)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a small-sized and small DC brushless motor mainly used for medical equipment, precision measuring devices, and the like.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a small motor of an inner rotor magnet type is an abbreviation of a single steel ingot formed by cutting or pressing steel materials such as SUM, SPCC, SPCE, and SK materials as a housing case that also serves as a back yoke. It was common to use cylindrical part parts.
[0003]
For example, as shown in FIG. 3, the
[0004]
On the right end side (
[0005]
For this reason, an
[0006]
Further, an
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The
[0008]
In order to improve these problems, there has been proposed means for making it difficult for eddy currents to flow by housing, for example, steel sheets having a thickness of about 0.5 mm stacked in a housing case made of a nonmagnetic material. The outer diameter of the motor increases by the thickness of the housing case that encloses the laminated steel sheets, so that it is difficult to reduce the diameter, and in particular, it is difficult to apply to a small diameter motor having an outer diameter of ψ12 mm or less.
[0009]
Further, when the
[0010]
An object of the present invention is to provide a small motor having a mounting structure in which a substrate is securely fixed, while reducing a eddy current loss, providing a small motor with high efficiency and low heat generation at low cost.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, in the invention described in
[0012]
According to the first aspect of the present invention, the entire housing case that houses the inner rotor and the field coil is formed of permalloy, which is a soft magnetic material. As shown in Table 1 below, permalloy has high electrical resistance with respect to cast iron, so it is difficult for eddy current to flow. Therefore, eddy current loss is suppressed and heat generation can be suppressed, so that energy loss is low. Can be provided.
[0014]
And since the pressing member of a board | substrate is an insulating elastic body and the pressing member itself has insulation, an electricity supply pattern can also be arrange | positioned also in the part which contacts the pressing member of a board | substrate. Further, since the pressing member itself is an insulator, it is not necessary to interpose an insulating member between the substrate and the pressing member, so that the number of components can be reduced and there is no insulation failure. In other words, it leads to cost reduction and defect problem resolution.
[0015]
Furthermore, it is set and arranged so that the pressing member, which is an elastic body, is crushed when the lid is assembled, and the substrate is always pressed against the regulation step portion by the elastic force of the sandwiched pressing portion, and is placed in the housing case. It will be fixed.
[0016]
In other words, since the holding member is made of metal in a small motor having a conventional mounting structure, the metal (holding member) and the metal (lid body) are assembled together, and the lid body must be taken into consideration if the tolerance of the dimensions of each member is not taken into consideration. There were cases where problems such as incomplete fitting could occur, so a gap was provided between each member. However, in the small motor in the present invention, an elastic body (pressing member) and a metal (lid body) are connected. Because it is structurally assembled, the pressing member, which is an elastic body, absorbs the tolerance of the dimensions of each member, so there is no need to consider the above-mentioned space problem, and there is a need to provide a gap between the pressing member and the lid Accordingly, it is possible to further reduce the size of the entire small motor while securely fixing the substrate.
[0017]
In addition, the permalloy forming the housing case is softer than other ferrous materials, so when using a conventional metal retaining ring to fix the board, the outer diameter of the retaining ring is set to press fit. When the inner diameter of the housing case is adjusted, there is a high possibility that the housing case portion of the thin portion will be deformed when the pressing ring is pushed into the housing case. If the housing case is deformed in this way, it is difficult not only to fit the lid at the center position of the housing case, but also when the rotation axis is misaligned, the position is misaligned, or the fixing force of the board is insufficient. There is. Further, the removal force of the lid body is extremely reduced.
[0018]
On the other hand, in the present invention, since the pressing member is made of an elastic body, the housing case is not deformed by press fitting or the like even when a pressing member having an outer diameter substantially equal to the inner diameter of the housing case is arranged. Can always be fitted accurately within the design fitting tolerance.
[0019]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to FIGS. 1, 2, 5, and 6.
Since the
[0020]
FIG. 2 is a side sectional view of an inner rotor type
[0021]
The inner rotor type
[0022]
The
[0023]
Further, a
[0024]
Between the
[0025]
An end flange 16 (lid) is provided at the right end of the
[0026]
A
[0027]
A
[0028]
The
[0029]
At this time, when the
[0030]
Further, as shown in FIG. 6, an annular O-
[0031]
Examples of materials for the O-
[0032]
The abbreviations in parentheses are those indicated by the American Society for Testing and Materials, which is a standardization body for industrial materials and test methods in the United States.
[0033]
Next, the operation of the
First, a drive current whose supply amount and supply timing are controlled is supplied from a driver through
[0034]
The
[0035]
As described above, according to the
[0036]
Table 1 shows the comparison values of the loss ratio between the implementation of the present invention using Permalloy PB as the material of the housing case and the conventional example.
[0037]
[Table 1]
[0038]
The two motors have exactly the same motor specifications, including dimensions and other components, except for the housing case material, and the motor drive voltage is DC 5V. At this time, the loss ratio ηLOSS (%) is obtained by actually measuring the no-load current Io (mA) and the starting current Is (mA), and the loss ratio ηLOSS (%) = [no-load current Io (mA) / starting current Is (mA). ] Calculated by a formula of x100.
[0039]
Comparing the average values in Table 1 above, the loss ratio of the conventional example is 40.2%, whereas the loss ratio of the example of the present invention is 18.5%. it can. This permalloy PB is a soft magnetic material. As shown in Table 1, Fe (SUM) has a resistivity of 11 μΩ · cm, whereas permalloy PB has a resistivity of 45 μΩ · cm. Permalloy PB has a higher electrical resistance. Therefore, it was confirmed that the eddy current loss can be suppressed.
[0040]
Permalloy PB is softer than other iron-based materials, but because it uses a rubber-like O-
[0041]
In addition, this invention is not limited only to the said embodiment. For example, the
[0042]
【The invention's effect】
According to the first aspect of the present invention, the housing case material for housing the inner rotor and the field coil is formed of permalloy, which is a soft magnetic material. Permalloy has high electrical resistance, so eddy currents caused by the rotation of the rotor (magnet) are difficult to flow. Therefore, eddy current loss can be suppressed, and heat generation of the housing case member can be suppressed. A motor can be provided.
[0043]
According to the second aspect of the present invention, since the pressing member of the substrate is an insulating elastic body and has an insulating property, a pattern can also be arranged at a portion in contact with the pressing member of the substrate. Further, since the pressing member itself is an insulator, there is no need to sandwich the insulating member between the substrate and the pressing member as in the prior art, and the number of components can be reduced compared to the conventional case. In other words, it leads to cost reduction.
[0044]
Furthermore, the pressing member, which is an elastic body, is set and arranged so that the lid body presses, and the substrate is pressed against the restricting portion by the elastic force of the pressing member and is securely fixed in the housing case.
[0045]
In other words, in the case of a conventional small motor, since the holding member is made of metal, the metal (holding member) and the metal (lid body) are assembled together, and the lid body is completely fitted depending on the dimensional tolerance of each member. However, in the small motor according to the present invention, since the elastic body (pressing member) and the metal (lid body) are assembled, the pressing member, which is an elastic body, absorbs the dimensional tolerance of each member. It is not necessary to consider the above-mentioned problems, and it is not necessary to provide a gap for absorbing the tolerance between the pressing member and the lid body. Can be made smaller.
[0046]
In addition, the permalloy forming the housing case is softer and more easily deformable than other ferrous materials, but the holding member is made of an elastic material, so an insertion fitting dimension is provided for the inner diameter of the thin part of the housing case. Even when the lid is disposed later, the lid can be securely fitted and fixed at the center position of the rear end of the housing case without being subjected to the deformation of the press-fitting member press fitting.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an enlarged side sectional view showing a structure of an end flange side of a small DC brushless motor according to the present invention.
FIG. 2 is a side sectional view of a small DC brushless motor according to the present invention.
FIG. 3 is a side sectional view of a conventional small DC brushless motor.
FIG. 4 is an enlarged side sectional view showing a structure of an end flange side of a conventional small DC brushless motor.
FIG. 5 is a schematic external view of the small DC brushless motor of the present invention as viewed from the end flange side.
FIG. 6 is a partially enlarged side sectional view showing the structure of the end flange side of the small DC brushless motor according to the present invention.
[Explanation of symbols]
1
12 Board
16 End flange (lid)
16a Through hole
20 O-ring (holding member)
22 Housing case
22a Inner surface
23 Inner rotor (inner rotor part)
25 Fixed part (Regulatory part)
Claims (2)
前記インナーロータ及び界磁コイルを内包し収めるとともに、前記界磁コイルの外周部に位置し、モータの外装部品となるハウジングケースが、軟磁性材材料であるパーマロイ素材により形成され、かつ組み込まれており、
前記ハウジングケースが筒状とされ、該ハウジングケースの筒内一端の後部側には、前記界磁コイルへの電力供給を行うための配線を有する基板が配置され、
さらに該ハウジングケース内の前記基板の取り付け配置位置には、該基板のケース内前側方向への移動を規制する規制段部が設けられ、
かつ前記基板の後側には絶縁性の弾性体からなる略環状の押さえ部材が隣接し配置され、
これに前記ハウジングケースの後端部に蓋体が嵌合されるとともに、該蓋体が前記押さえ部材を前側に押しつぶす状態に嵌合配置されることにより、前記押さえ部材の弾性力により前記基板を前記規制部側に押圧して、前記基板を配置固定していることを特徴とする小型DCブラシレスモータ。In an inner rotor magnet type small motor having an outer diameter of φ12 mm or less having an inner rotor having a cylindrical magnet on a rotating shaft and a stator field coil arranged around the inner rotor,
A housing case, which encloses the inner rotor and the field coil, and is located on the outer periphery of the field coil and serves as an exterior part of the motor, is formed and incorporated with a permalloy material that is a soft magnetic material. And
The housing case is cylindrical, and a substrate having wiring for supplying electric power to the field coil is disposed on the rear side of one end in the cylinder of the housing case,
Furthermore, a regulation step for regulating the movement of the substrate in the front direction in the case is provided at the mounting arrangement position of the substrate in the housing case,
And on the rear side of the substrate, a substantially annular pressing member made of an insulating elastic body is disposed adjacently,
A lid body is fitted to the rear end of the housing case, and the lid body is fitted and arranged so as to crush the pressing member forward, whereby the substrate is held by the elastic force of the pressing member. A small DC brushless motor , wherein the substrate is disposed and fixed by pressing toward the regulating portion .
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