JP4768146B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光導電膜にセレンを主体とする非晶質半導体を用いるアバランシェ増倍方式撮像装置に関し、特に常温以上の温度で長期間連続動作させた場合や長期間放置した場合に起こる光導電膜の変形の発生を抑制しつつ、撮像装置の性能劣化を抑制する撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空中に、透光性ターゲット電極と光導電膜を含むターゲット部と、このターゲット部に対向して設けられた電子ビーム発生部とを備える光導電型撮像装置(以下、単に撮像装置と呼ぶ。)において、撮像感度の向上を図るために、ターゲット部を阻止型構造(光導電膜への電荷の注入を抑止した構造)を使用し、光導電膜内で電荷のアバランシェ増倍が生じるほどの高い電圧をターゲット電極に印加して撮像感度を向上させる方法が開示されている。
【0003】
この方法を使用した撮像装置は、ターゲット電極に印加する電圧(以下、単にターゲット電圧と呼ぶ。)を高く設定して使用するので、電極反射像、さざ波現象、画像の極性反転現象などの画像不良現象が生じることが知られている。
【0004】
これらの画像不良現象は、画像を読み取るために走査する電子ビームや、撮像装置内で発生する2次電子や散乱電子が、ターゲット部内の電子ビーム非走査領域の表面電位の変動に影響されて、ベンディングする(曲がる)ためであると考えられている。
【0005】
すなわち、光導電膜内の電子ビーム走査領域内の電位は、定常状態においてカソード電極の電位とほぼ同電位になっている。これに対し、光導電膜の電子ビーム非走査領域では、電子ビームによる走査を受けないため、ターゲット部に入射する光によって生じた正孔が蓄積され続け、ほぼターゲット電圧に等しい電圧まで上昇する。したがって、光導電膜内の電子ビーム走査領域と電子ビーム非走査領域の電位差が極めて大きくなることが原因であると考えられている。
【0006】
これらの画像不良現象の発生を抑制する手段として、ターゲット部内の光導電膜の電子ビーム非走査領域上に、正孔捕獲層とSeを主体とする光導電層を層状に設ける方法が開示されている(特開平7−29507)。
【0007】
上記構造からなるターゲット部の表面側(電子ビームを走査する側)に電子の注入を阻止する電子注入阻止層を設けた従来構造の撮像装置では、撮像動作時に電子ビームを走査しない電子ビーム非走査領域の正孔捕獲層内の正孔捕獲準位に捕らえられた正孔による空間電荷効果により、ターゲット電極と正孔捕獲層間に生じる電界が緩和され、ほぼゼロになる。
【0008】
この結果、光導電膜の電子ビーム非走査領域では、入射光による電荷(キャリア)の発生やターゲット電極からのキャリア注入による暗電流を無くすことができる。
【0009】
また、光導電膜表面に付着した散乱電子や2次電子が光導電膜内に流入することもないため、光導電膜の非走査領域の表面電位は、ターゲット部に入射する光に影響されることなく、常時ほぼ、カソード電位に保たれる。したがって、上述した不良現象を顕著に改善することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の撮像装置を常温以上、例えば40℃以上の温度で長時間連続使用した場合や50℃以上の温度で長時間保管する場合、光導電膜が波状に変形するという問題点があった。
【0011】
また、光導電膜の電子ビーム走査領域と電子ビーム非走査領域の境界部に沿って白線状の画像欠陥が生じる等の問題点があった。
【0012】
本発明は上記した従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、撮像装置のアバランシェ増倍特性に基づく高感度、高解像度、高S/N等の性能を劣化させることなく、撮像装置の温度上昇による光導電膜の変形及び画像欠陥を防止することができる撮像装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る撮像装置は、電子ビームを発生する電子ビーム発生部と、上記電子ビーム発生部で発生した電子ビームにより走査される走査領域と走査されない非走査領域とを有する第1の非晶質光導電膜であって、セレンを主体とする第1の非晶質光導電膜と、上記第1の非晶質光導電膜の電子ビーム走査側の非走査領域上に設けられた第2の非晶質光導電膜とを備える撮像装置において、上記第2の非晶質光導電膜は、上記第1の非晶質光導電膜と接する部分に第1の耐熱強化層を備え、上記第1の耐熱強化層は、セレンを主体とする層であって、As、Ge、Gaのうち少なくとも一以上の成分を総量で10重量パーセント以上40重量パーセント以下含有する層であることを特徴とする。
【0014】
このように構成することにより、撮像装置のアバランシェ増倍特性に基づく高感度、高解像度、高S/N等の性能を劣化させることなく、撮像装置の温度上昇による光導電膜の変形及び画像欠陥を防止することができる。
【0015】
また、電子ビームを発生する電子ビーム発生部と、上記電子ビーム発生部で発生した電子ビームにより走査される走査領域と走査されない非走査領域とを有する第1の非晶質光導電膜であって、セレンを主体とする第1の非晶質光導電膜と、上記第1の非晶質光導電膜の電子ビーム走査側の非走査領域上に設けられた第2の非晶質光導電膜とを備える撮像装置において、上記第2の非晶質光導電膜は、上記第1の非晶質光導電膜と接する部分に第1の耐熱強化層を備え、上記第1の耐熱強化層は、Sbの硫化物を主体とする層であることを特徴とする。
【0016】
このように構成することにより、撮像装置のアバランシェ増倍特性に基づく高感度、高解像度、高S/N等の性能を劣化させることなく、撮像装置の温度上昇による光導電膜の変形及び画像欠陥を防止することができる。
【0017】
また、上記第1の耐熱強化層の厚さは、0.5μm以上5μm以下であることを特徴とする。
【0018】
また、上記第1の非晶質光導電膜は、セレンを主体とする第1の非晶質光導電層と、上記第1の非晶質光導電層の電子ビーム走査側に設けられた第2の耐熱強化層とを備え、上記第2の耐熱強化層は、セレンを主体とする層であって、As、Ge、Gaのうち少なくとも一以上の成分を総量で10重量パーセント以上40重量パーセント以下含有する層であることを特徴とする。
【0019】
また、上記第1の非晶質光導電膜は、セレンを主体とする第1の非晶質光導電層と、上記第1の非晶質光導電層の電子ビーム走査側に設けられた第2の耐熱強化層とを備え、上記第2の耐熱強化層は、Sbの硫化物を主体とする層であることを特徴とする。
【0020】
また、上記第2の耐熱強化層の厚さが、上記第1の非晶質光導電層の厚さの1%以上5%以下の厚さであることを特徴とする。
【0021】
また、上記撮像装置は、さらに上記第1の非晶質光導電膜に電圧を印加するターゲット電極を備え、上記ターゲット電極に、第1の非晶質光導電膜の電子ビーム走査領域内で電荷のアバランシェ増倍が生じる電圧を印加することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
先に述べたような問題の膜欠陥である波状変形(膜しわ)ならびに白線状の画像欠陥の原因を調査した結果、温度が高くなるとSeを主体とする非晶質光導電膜が熱的応力や高電界下での静電的応力に抗しきれなくなって起こることが判明した。
【0023】
非晶質Seは、熱膨張係数が比較的大きく、またガラス転移温度や結晶化温度が低いため、熱的変化を起こし易い性質がある。
【0024】
非晶質Seが熱的変化を起こし易いという点は、非晶質Se(セレン)にAs(ヒ素)やGe(ゲルマニウム)などの不純物を添加することで改善される。
【0025】
したがって、Seを主体とするアバランシェ増倍型光導電膜の全域に渡って上記したAsやGeなどの不純物を添加すると、非晶質Seの熱的性質は、大幅に改善される。しかしながら、光導電膜の電気的特性が劣化して、アバランシェ増倍現象が不安定になるため、撮像装置の高感度、高解像度、高S/N等の性能を維持しながら、非晶質Seを主成分とする光導電膜の熱的特性を改善することは困難であった。
【0026】
そこで、上述したAs、Geなどの不純物を非晶質Seに添加する添加濃度、及び不純物を添加する位置に関して詳細に調査した結果、以下に述べる構成をとることで、撮像装置の高感度、高解像度、高S/N等の性能を維持しながら、非晶質Seを主成分とする光導電膜の熱的特性を改善できることが判明した。
【0027】
すなわち、透光性面板と、透光性ターゲット電極と、セレンを主体とする非晶質光導電膜からなるターゲット部と、入射光に応じて、このターゲット部に生成・蓄積される電荷パターンを読み取るための電子ビーム発生部とを具備する撮像装置において、上記非晶質光導電膜を、電子ビームで走査されるべき領域と非走査領域の両方に渡って形成された第1の非晶質光導電膜と、第1の非晶質光導電膜の非走査領域上に設けられた第2の非晶質光導電膜より構成する。そして、この第2の非晶質光導電膜が第1の非晶質光導電膜と接する部分、ないしは第1の非晶質光導電膜の電子ビームで走査される側に、As、Ge、Ga(ガリウム)のうち少なくとも一成分を総量で10重量%以上40重量%以下含有するセレン系非晶質層を含むように構成する。
【0028】
ここで、上述した重量%は、主体となるセレンと添加した物質(As、Ge、Gaのうち一以上の成分)を加えた重量に対する添加した物質(As、Ge、Gaのうち一以上の成分)の重量の割合を示したものである。
【0029】
また、第2の非晶質光導電膜が第1の非晶質光導電膜と接する部分、ないしは第1の非晶質光導電膜の電子ビームで走査される側に、Sb(アンチモン)の硫化物を主体とする蒸着膜を含むように構成してもよい。
【0030】
このように構成することにより、非晶質光導電膜のアバランシェ増倍特性の劣化を抑制しつつ、非晶質光導電膜の熱的特性を改善できることを見出した。
【0031】
以下に、本発明に係る撮像装置の一実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0032】
図1は、実施の形態1における撮像装置内のターゲット部の概略構成を示した図である。図1(a)は、ターゲット部を電子ビーム走査側から見た平面図であり、図1(b)は、ターゲット部の概略断面図である。
【0033】
図1(b)において、実施の形態1における撮像装置内のターゲット部1は、透光性面板11、ターゲット電極12、正孔注入阻止層13、第1の非晶質光導電膜14、第2の非晶質光導電膜15より構成されている。
【0034】
ここで、本明細書では、「膜」と、「層」という言葉を使い分け、「膜」という場合には、その膜には複数の層を含んでいる。言い換えれば、複数の層をまとめて膜と呼ぶ。
【0035】
撮像対象から発された光は、図1(b)の透光性面板11の下側より入射される。
【0036】
ターゲット電極12は、第1の非晶質光導電膜14に電圧を印加するために設けられている。
【0037】
正孔注入阻止層13は、ターゲット電極12より第1の非晶質膜14に正孔が注入することを阻止するために設けられている。
【0038】
次に、図1(a)において、境界線20は、電子ビームにより走査する走査領域と走査しない非走査領域の境界を示した線であり、内側が走査領域4、外側が非走査領域5である。
【0039】
図1(b)において、第1の非晶質光導電膜14は、透光性面板11側より入射した光より電子・正孔対を生成・蓄積することができるように構成されており、セレンを主成分として構成されている。この第1の非晶質光導電膜14は、電子ビーム走査領域と電子ビーム非走査領域に渡って設けられている。
【0040】
また、第1の非晶質光導電膜14は、第1の非晶質光導電層141、第2の耐熱強化層142、ビームランディング層143より構成されている。
【0041】
第1の非晶質光導電層141は、Seを主体として構成されている。ビームランディング層143は、電子ビームにより走査される層であり、また、第1の非晶質光導電層141への電子の注入を阻止する電子注入阻止層の役割も有している。
【0042】
第2の耐熱強化層142は、本発明の特徴とする層であり、SeにAs、Ge、Gaのうち少なくとも一成分以上を添加した非晶質層から構成されている。また、本発明の特徴である第2の耐熱強化層142は、Sbの硫化物を主体とする蒸着層から構成してもよい。
【0043】
次に、第2の非晶質光導電膜15は、図1(b)に示すように第1の非晶質光導電膜14の電子ビーム非走査領域上に形成された膜であり、動作中における第1の非晶質光導電膜14の電子ビーム走査領域と電子ビーム非走査領域の電位差を無くす役割を有するものである。
【0044】
この第2の非晶質光導電膜15は、第2の非晶質光導電層151、第1の耐熱強化層152、表面層153、正孔捕獲層154から構成されている。
【0045】
第2の非晶質光導電層151は、Seを主体として構成されている。第1の耐熱強化層152は、本発明の特徴であり、Seを主体とし、As、Ge、Gaのうち少なくとも一成分以上を添加した非晶質層より構成されている。
【0046】
また、この第2の非晶質光導電層151は、Sbの硫化物を主体とする蒸着層より構成してもよい。
【0047】
上記のように構成されたターゲット部を有する撮像装置では、常温より高温で動作中に生じる第1の非晶質光導電膜14の膜しわが主として第2の耐熱強化層142により抑制される。
【0048】
また、第2の非晶質光導電膜15と第1の非晶質光導電膜14との境界(電子ビーム走査領域と電子ビーム非走査領域との境界線20)に沿って発生する白線状の画像欠陥は、第1の耐熱強化層152、第2の耐熱強化層142によって抑制される。
【0049】
ここで、第1の耐熱強化層152の厚さは、0.5μm以上5μm以下の厚さを有するが、特に耐熱強化を効果的に図る観点からは、1μm以上3μm以下の厚さであることが望ましい。
【0050】
層の厚さが薄すぎると耐熱強化の効果が得られず、また層の厚さが厚すぎてもある一定以上の効果が得られないからである。
【0051】
第2の耐熱強化層142の厚さは、Seを主体とする第1の非晶質光導電層141の1%以上5%以下の厚さとすることが望ましい。
【0052】
薄すぎると、言うまでも無く、耐熱強化の効果が得られず、逆に厚すぎると高輝度光の被写体を含む映像を撮像した後に被写体の虚像が焼きついて残るなどの新たな問題が生じるからである。
【0053】
上述した第1の耐熱強化層152、第2の耐熱強化層142に添加するAs、Ge、Gaの添加量は、総量で10重量%以上40重量%以下であることが望ましい。少なすぎると耐熱強化の効果が無く、逆に多すぎると添加物が遊離して新たな白点状の画像欠陥を誘発するおそれが生じるからである。
【0054】
なお、第1の非晶質光導電膜14の電子ビーム非走査領域上に設けられた第2の非晶質光導電膜15の役割は、撮像装置の動作中に、電子ビーム非走査領域の表面電位を常に安定に保持することにある。
【0055】
すなわち、電子ビーム非走査領域では、入射した光によって生成された正孔が正孔捕獲層154の正孔捕獲準位に捕獲され、この捕獲された正孔の空間電荷効果により、ターゲット電圧の大部分が第2の非晶質光導電膜15に印加され、第1の非晶質光導電膜14内の電界が大幅に緩和されることになる。
【0056】
したがって、第2の非晶質光導電層151の厚さを第1の非晶質光導電層141の厚さより厚くしておけば、第1の非晶質光導電膜14内で電荷のアバランシェ増倍が生じる電圧を印加しても、第2の非晶質光導電膜15内でアバランシェ増倍を生じさせないことができる。
【0057】
つまり、第1の非晶質光導電膜14の電子ビーム非走査領域では、入射光による電荷の生成や暗電流成分が無視できるほど少なくなり、電子ビーム非走査領域の表面電位の変動が抑制される。
【0058】
このようにして、実施の形態における撮像装置によれば、撮像装置の高感度、高解像度、高S/N等の性能を劣化させることなく、撮像装置の温度上昇による光導電膜の変形及び画像欠陥を防止することができる。
【0059】
なお、実施の形態における撮像装置では、図1(b)に示したように、第1の耐熱強化層152および第2の耐熱強化層142を設けているが、いずれか一方でも耐熱強化の効果を奏する。
【0060】
また、図1においては、第1の耐熱強化層152を電子ビーム非走査領域全域に渡って設けたが、電子ビーム走査領域に近い電子ビーム非走査領域に限定して第1の耐熱強化層152を設けても良い。上述したような場合であっても、電子ビーム非走査領域における表面電位の安定化を損なうことはない。
【0061】
以下に具体的実施例について述べる。
【0062】
図2は、実施の形態における撮像装置の一例を示した図であり、ターゲット部と走査電子ビーム発生部とを組み合わせた撮像装置の概略構成を示した図である。
【0063】
図2において、撮像装置は、ターゲット部2、走査電子ビーム発生部26、ターゲット電圧印加用電源201、負荷抵抗202、信号出力端子203、レンズ204より構成されている。
【0064】
ターゲット部2は、透光性面板21、透光性ターゲット電極22、第1の非晶質光導電膜24、第2の非晶質光導電膜25より構成されており、レンズ204より入射光205が入射されるように構成されている。
【0065】
第1の非晶質光導電膜24は、本発明の特徴である第2の耐熱強化層242が含まれている。また、第2の非晶質光導電膜25には、第1の耐熱強化層252が含まれている。
【0066】
なお、図2においては、セレンを主体とする第1の非晶質光導電層、第2の非晶質光導電層、正孔注入阻止層、正孔捕獲層、電子注入阻止層、ビームランディング層、表面層は、それぞれの構成が図1と同じであるため省略してある。
【0067】
走査電子ビーム発生部26は、メッシュ電極261、カソード電極262、電極263、電子銃筐体265、インジウムリング266、金属リング267より構成されている。
【0068】
電極263は、カソード電極262より射出される電子ビーム264を偏向集束するために設けられたものである。
【0069】
図1、図2を使用して図2に示した撮像装置の形成方法を説明する。
【0070】
まず、はじめに3分の2吋サイズの透光性ガラスからなる透光性面板21の片面に高周波スパッタリング蒸着法を使用して、直径14mm、厚さ30nm、の酸化インジウムを主体とする透光性ターゲット電極22を形成する。
【0071】
次に、透光性ターゲット電極22上に真空蒸着法によって、直径14mm、厚さ20nmの酸化セリウムからなる正孔注入阻止層を形成する。そして、形成した正孔注入阻止層の上に、Seを主体とする非晶質半導体からなる厚さ15μmの第1の非晶質光導電層を形成する。
【0072】
続いて、耐熱強化層242として、厚さ0.4μmのAsSeで形成する。または、AsSe、GeSe、Ga、GaSeの少なくとも1つとSeとを別々のボードから同時蒸発させて、厚さ0.15μm〜0.75μm、As、Ge、Gaのうち一以上の成分を総量で10〜40重量%含むSe系非晶質層を耐熱強化層242として形成する。
【0073】
ここで、耐熱強化層242を形成する際、均一にAs、Ge、Gaのうち一以上の成分を10〜40重量%含むように形成する必要はない。例えば、耐熱強化層242の形成初期においては、含有率50重量%で形成し、その後、含有率10重量%で形成してもよい。すなわち、結果として形成された耐熱強化層242に含まれるAs、Ge、Gaのうち一以上の成分の総量が10重量%〜40重量%であればよい。
【0074】
次に、蒸着用マスクを装着して、図1(a)の斜線で示した領域に、真空蒸着法を使用し、耐熱強化層252として、厚さ2μmのAsSeで形成する。または、AsSe、GeSe、Ga、GaSeの少なくとも1つとSeとを別々のボードから同時蒸発させて、厚さ0.5μm〜5μm、As、Ge、Gaのうち一以上の成分を総量で10〜40重量%のSe系非晶質層を耐熱強化層252として形成する。
【0075】
ここで、耐熱強化層252を形成する際、均一にAs、Ge、Gaのうち一以上の成分を10〜40重量%含むように形成する必要はない。例えば、耐熱強化層252の形成初期においては、含有率50重量%で形成し、その後、含有率10重量%で形成してもよい。すなわち、結果として形成された耐熱強化層252に含まれるAs、Ge、Gaのうち一以上の成分の総量が10重量%〜40重量%であればよい。
【0076】
さらに、耐熱強化層252上にLiF含有量2000重量ppmの非晶質Seからなる厚さ50〜500nmの正孔捕獲層を形成し、続いて厚さ20μmのSeを主体とする非晶質半導体からなる第2の非晶質光導電層を形成する。
【0077】
次に、蒸着用マスクを交換して、電子ビーム走査側表面の全域に、圧力0.3Torr(0.3×1.33322×10Pa)の不活性ガス雰囲気中で、三硫化アンチモンからなる直径14mm、厚さ0.2μmのビームランディング層、ならびに表面層を同時かつ同一工程で形成し、ターゲット部2を得る。
【0078】
このようにして得られたターゲット部2をインジウムリング266、金属リング267を使用して電子銃筐体265に装着し、内部を真空封止して撮像装置を得る。
【0079】
この撮像装置を、50℃雰囲気中で動作させた結果、電子ビーム走査領域と電子ビーム非走査領域の境界に沿った白線状の画像欠陥および膜しわの発生時間が従来の撮像装置と比較して6倍以上長くなった。
【0080】
なお、電子ビーム発生部としては、必ずしも図2に示した静電偏向・静電集束方式に限られるものではなく、電磁偏向・静電集束方式、静電偏向・電磁集束方式、電磁偏向・電磁集束方式などを使用したものであってもよい。
【0081】
以下に、他の具体的実施例を図3に示す。
図3は、実施の形態における撮像装置の他の一例を示した図であり、ターゲット部と電子放出板とを組み合わせた撮像装置の概略構成を示した図である。
【0082】
図3において、撮像装置は、ターゲット部3、電子ビーム発生部36、電源301、負荷抵抗302、信号出力端子303、レンズ304、電子放出板用電源306より構成されている。
【0083】
ターゲット部3は、ガラス面板31、透光性ターゲット電極32、第1の非晶質光導電膜34、第2の非晶質光導電膜35より構成されており、レンズ304より入射光305が入射されるように構成されている。
【0084】
第1の非晶質光導電膜34は、本発明の特徴である第2の耐熱強化層342が含まれている。また、第2の非晶質光導電膜35には、第1の耐熱強化層352が含まれている。
【0085】
なお、図3においては、セレンを主体とする第1の非晶質光導電層、第2の非晶質光導電層、正孔注入阻止層、正孔捕獲層、電子注入阻止層、ビームランディング層、表面層は、それぞれの構成が図1と同じであるため省略してある。
【0086】
電子ビーム発生部36は、メッシュ電極361、平面電子源362、平板状の電子放出板筐体365、インジウムリング366、金属リング367より構成されている。
【0087】
図3に示した撮像装置の製造方法について、図3を参照しながら簡単に述べる。
【0088】
透光性を有するガラス面板31上に、実施例1で説明したものと同じ材料を用いて、透光性ターゲット電極32からビームランディング層および表面層までを同一工程で形成し、図3に示すターゲット部3を得る。
【0089】
次に、インジウムリング366、金属リング367を使用してターゲット部3を平板状の電子放出板筐体365に装着する。そして、内部を真空封止して、図3に示す撮像装置を得る。
【0090】
実施例1、実施例2で説明した撮像装置を使用して、50℃雰囲気中で動作させた場合および60℃で放置保管した場合、耐熱強化層を設けていない従来の撮像装置に比べて非晶質光導電膜の膜しわや、白線状の画像欠陥の発生が大幅に抑制された。
【0091】
このように上述した発明をアバランシェ増倍効果を利用した超高感度または高感度の撮像装置に採用することで、信頼性、耐熱性を改善でき使用環境や利用分野が広まる。
【0092】
【発明の効果】
本発明に係る撮像装置によれば、撮像装置のアバランシェ増倍特性を劣化させることなく、撮像装置の温度上昇による光導電膜の変形及び画像欠陥を防止することができる。
【0093】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態における撮像装置のターゲット部の概略構成を示した図である。
【図2】 実施の形態における撮像装置の一例を示した部分断面図である。
【図3】 実施の形態における撮像装置の別の一例を示した部分断面図である。
【符号の説明】
1 ターゲット部
4 走査領域
5 非走査領域
11 透光性面板
12 ターゲット電極
13 正孔注入阻止層
14 第1の非晶質光導電膜
141 第1の非晶質光導電層
142 第2の耐熱強化層
143 ビームランディング層
15 第2の非晶質光導電膜
151 第2の非晶質光導電層
152 第1の耐熱強化層
153 表面層
154 正孔捕獲層
20 境界線
2 ターゲット部
201 ターゲット電圧印加用電源
202 負荷抵抗
203 信号出力端子
204 レンズ
205 入射光
21 透光性面板
22 透光性ターゲット電極
24 第1の非晶質光導電膜
242 第2の耐熱強化層
25 第2の非晶質光導電膜
252 第1の耐熱強化層
26 走査電子ビーム発生部
261 メッシュ電極
262 カソード電極
263 電極
264 電子ビーム
265 電子銃筐体
266 インジウムリング
267 金属リング
3 ターゲット部
301 電源
302 負荷抵抗
303 信号出力端子
304 レンズ
305 入射光
306 電子放出板用電源
31 ガラス面板
32 透光性ターゲット電極
34 第1の非晶質光導電膜
342 第2の耐熱強化層
35 第2の非晶質光導電膜
352 第1の耐熱強化層
36 電子ビーム発生部
361 メッシュ電極
362 平面電子源
364 電子ビーム
365 電子放出板筐体
366 インジウムリング
367 金属リング

Claims (7)

  1. 電子ビームを発生する電子ビーム発生部と、
    上記電子ビーム発生部で発生した電子ビームにより走査される走査領域と走査されない非走査領域とを有する第1の非晶質光導電膜であって、セレンを主体とする第1の非晶質光導電膜と、
    上記第1の非晶質光導電膜の電子ビーム走査側の非走査領域上に設けられた第2の非晶質光導電膜とを備える撮像装置において、
    上記第2の非晶質光導電膜は、上記第1の非晶質光導電膜と接する部分に第1の耐熱強化層を備え、
    上記第1の耐熱強化層は、セレンを主体とする層であって、As、Ge、Gaのうち少なくとも一以上の成分を総量で10重量パーセント以上40重量パーセント以下含有する層であることを特徴とする撮像装置。
  2. 電子ビームを発生する電子ビーム発生部と、
    上記電子ビーム発生部で発生した電子ビームにより走査される走査領域と走査されない非走査領域とを有する第1の非晶質光導電膜であって、セレンを主体とする第1の非晶質光導電膜と、
    上記第1の非晶質光導電膜の電子ビーム走査側の非走査領域上に設けられた第2の非晶質光導電膜とを備える撮像装置において、
    上記第2の非晶質光導電膜は、上記第1の非晶質光導電膜と接する部分に第1の耐熱強化層を備え、
    上記第1の耐熱強化層は、Sbの硫化物を主体とする層であることを特徴とする撮像装置。
  3. 上記第1の耐熱強化層の厚さは、0.5μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 上記第1の非晶質光導電膜は、セレンを主体とする第1の非晶質光導電層と、
    上記第1の非晶質光導電層の電子ビーム走査側に設けられた第2の耐熱強化層とを備え、
    上記第2の耐熱強化層は、セレンを主体とする層であって、As、Ge、Gaのうち少なくとも一以上の成分を総量で10重量パーセント以上40重量パーセント以下含有する層であることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  5. 上記第1の非晶質光導電膜は、セレンを主体とする第1の非晶質光導電層と、
    上記第1の非晶質光導電層の電子ビーム走査側に設けられた第2の耐熱強化層とを備え、
    上記第2の耐熱強化層は、Sbの硫化物を主体とする層であることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  6. 上記第2の耐熱強化層の厚さが、上記第1の非晶質光導電層の厚さの1%以上5%以下の厚さであることを特徴とする請求項4または5に記載の撮像装置。
  7. 上記撮像装置は、さらに上記第1の非晶質光導電膜に電圧を印加するターゲット電極を備え、
    上記ターゲット電極に、第1の非晶質光導電膜の電子ビーム走査領域内で電荷のアバランシェ増倍が生じる電圧を印加することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の撮像装置。
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