JP4749470B2 - 画像合成の方法、コンピュータグラフィックシステム及びコンピュータプログラム - Google Patents

画像合成の方法、コンピュータグラフィックシステム及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、一般的には、デジタルコンピューティングシステムにおける、およびそれによる、動画および他のコンピュータグラフィックアプリケーションなど、画像合成のための方法およびシステムに関する。また、本発明は、特に、リアリスティックな画像の効率的な合成のための方法、システム、装置、およびコンピュータソフトウェアに関し、積分値を求めるためのシステムおよびコンピュータを用いた方法にも関する。そして、本発明は、準モンテカルロ法を使用して積分値を求めるシステムおよびコンピュータを用いた方法を提供し、特定の実施形態においては、スクランブルされたHalton列と、根基逆元による層化と、Halton列からの層化サンプルと、決定性スクランブリングと、ランダム化による偏り消去と、適応および決定性アンチエイリアシングと、ランク−1格子によるアンチエイリアシングと、依存サンプリングとランク−1格子により誘導されるドメイン層化による軌道分割を含む技術と連係しての、適応準モンテカルロ積分および適応積分近似を使用する。
合成画像の使用は、動画および他の商用および科学的アプリケーションにおいて、ますます重要になり普及してきている。合成画像は、画像素子またはピクセルと称されるデジタル値の二次元アレイを表現し、このため、二次元関数とみなされる。その場合、画像合成は、シーンから合成画像を作り出す工程である。
一般的な事項であるが、デジタル画像は、ラスター化(下記に、および本明細書に引用された参照文献により詳細に記載され、その参考文献は、ここで、その全体において記載されたかのように、参考文献としてここに組み込まれる)により、または、三次元シーンのフォトリアリスティックな画像の場合は、レイトレーシング(これもまた、下記に、およびここで引用された参考文献においてより詳細に記載される)により生成される。両者のアプローチは、各ピクセルの適切な色を、原関数をピクセル基底に射影することにより決定することを目標としている。原関数の離散表現により、下記に記載されるように、エイリアシングの問題が発生する。
画像合成は、おそらくは、コンピュータグラフィックの最も可視的な部分である。一方では、それは物理的に正確な画像合成に関し、光源とカメラを結ぶ光路を特定し、その貢献度を合計するように意図されている。他方では、それはまた、ペンストロークまたは水性カラーのシミュレーションのような、非フォトリアリスティックレンダリングも備える。
画像合成の基盤となる数学的作業は、強度I(k,l,t,λ)を決定することであり、ここで(k,l)は、表示媒体上のピクセルの位置である。単一ピクセルの強度を計算することは、ピクセル領域全体にわたる積分関数を必要とする。この積分は、下記に検討するように、しばしば非常に複雑であり、解析的には解けず、解を得るためには、モンテカルロおよび準モンテカルロ法を含む、数値解析法を必要とする。特に、画像合成は、解析解は、例外的な場合においてのみ可能な、積分近似問題である。従って、数値解析法を適用する必要がある。標準的なグラフィックテキストブックは、依然として古典モンテカルロ積分の要素を推奨しているが、映画産業における視覚効果の大半は、準モンテカルロ技術を使用して生成されている。
しかし、そのようなアプリケーションにおいて使用される典型的数値解析法は、それ自身の限界と付随する問題を抱えている。従って、リアリスティックな画像を効率よくレンダリングできる、画像合成のための改善された方法とシステムを提供することが望まれている。
コンピュータグラフィックにおいては、コンピュータは、例えば、三次元シーンにおいて、1つまたは2つ以上の光源により照明されている対象物の表面の、二次元画像平面への射影を表現するデジタルデータを生成し、例えばカメラによる、シーンの記録をシミュレートするために使用される。カメラはシーンの画像の画像平面への射影のためのレンズを含んでもよいし、またはピンホールカメラを含んでもよい。なお、その場合は、レンズは使用されない。二次元画像は、「pixels」または「pels」と称される画像要素のアレイの形状であり、各ピクセルに対して生成されたデジタルデータは、画像平面におけるそれぞれのピクセルの点において画像平面に射影されるようなシーンの色と輝度を表現している。対象物の表面は、形状、色、鏡面性、テクスチャなどの、任意の数の特性を有してもよく、それらは好ましくは、リアリスティックに見える画像を提供するために、可能な限り画像に近いようにレンダリングされる。
一般的には、シーンにおける種々の点から反射された光の、特別なピクセルの色と強度を表現するピクセル値への貢献度は、相対的に複雑な関数の1つまたは2つ以上の積分の形状で表現される。コンピュータグラフィックにおいて使用される積分は一般的には、閉じた形式の解を有していないので、それらの値を求めて、それによりピクセル値を生成するためには、数値解析法を使用しなければならない。典型的には、従来の「モンテカルロ」法が、積分を数値的に求めるためにコンピュータグラフィックにおいて使用されている。一般的には、モンテカルロ法においては、積分
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を求める。ここにおいて、f(x)はs次元単位立方体[0,1)S上の実関数、つまり、その次元は「ゼロ」を含み、「1」を含まないs次元立方体である。上記積分値を求めるためには、まず、統計的に独立な、ランダムに位置するN個の点xi、i=1,...,Nが、積分ドメイン全体に対して生成される。ランダム点xiは、関数f(x)に対して生成されるサンプル値f(xi)に対するサンプル点として使用され、積分に対する推定値
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は、
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のように生成される。
サンプル点f(xi)の生成に使用されるランダム点の数が増加すると、推定値
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の値は積分<f>の実際の値に向けて収束する。一般的に、Nの種々の値に対して、つまり、サンプル点の種々の数に対して生成される推計値の分布は、サンプル値f(xi)を生成するために使用される点xiが統計的に独立していれば、つまり、点xiが積分ドメインにおいて真にランダムに位置していれば
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により推定できる標準偏差σを有する、実際の値の周りの正規分布である。
一般的に、モンテカルロ法のようなランダム法は、モアレパターンおよびエイリアシングのような、シーンには存在しない、望ましくないアーティファクトが、生成画像内に生成されないようにすることを確実にするためには必要であると信じられている。しかし、コンピュータグラフィックにおいてモンテカルロ法を使用するといくつかの問題が生じる。第1に、モンテカルロ法で使用されるサンプル点xiはランダムに分布しているので、積分値を求めるドメイン上の種々の領域で凝集することがある。従って、生成された点の集合に依存して、ドメインの重要な点に対するモンテカルロ法においては、サンプル値f(xi)が生成されるサンプル点xiがないこともある。その場合は、誤差は非常に大きなものになり得る。コンピュータグラフィックにおいてピクセル値を生成する状況においては、モンテカルロ法を使用して実際に生成されたピクセル値は、サンプル点xiがドメイン上でより均一に分布していることが保証されていれば反映されたであろう、いくつかの要素を反映できないことになる。この問題は、ドメインをいくつかのサブドメインに分割することにより多少は緩和できるが、ドメインをいくつのサブドメインに分割するかを先験的に決定するのは一般的に困難であり、更に、コンピュータグラフィックのレンダリング作業において実際に使用される多次元積分領域においては、積分ドメインを、好ましくは等しいサイズのサブドメインに分割することは非常に複雑な場合もある。
更に、この方法は、乱数を利用するので、|x|が値xの絶対値を表現する、推定値
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と実際の値<f>の間の誤差
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は確率的なものであり、Nの種々の大きな値に対する誤差値は、実際の値<f>の周りの正規分布に近く、生成される推定値
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の68%のみが、実際の値<f>の1標準偏差内に存在することが保証される。
更に、方程式(1.3)から明らかなように、標準偏差σは、サンプル点の数Nが増加すると減少し、Nの平方根の逆数、つまり
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に比例する。このように、統計誤差を1/2に低減したいと所望するのであれば、サンプル点の数Nを4倍に増やすことが必要であり、その結果、画像中の非常に多数のピクセルそれぞれに対して、ピクセル値を生成するために必要な計算負荷を増やすことになる。
更に、モンテカルロ法は、積分ドメインにおけるそれぞれのサンプル点xiの座標を定義するために乱数を必要とするので、乱数を生成する効率的な機構が必要になる。一般的に、デジタルコンピュータは、ほぼランダムな数の集合を生成するように処理できるコンピュータプログラムである、いわゆる「乱数ジェネレータ」が設けられている。乱数ジェネレータは決定性技術を使用しているので、生成される数は真の乱数ではない。しかし、乱数ジェネレータからの後続の乱数は統計的に独立しているという特性は、コンピュータ上の擬似乱数の決定性実践により維持されなければならない。
Grabensteinは、サンプル点を生成する厳密に決定性の方法を使用して、画像内のピクセルに対してピクセル値を生成するコンピュータグラフィックシステムおよび方法を記載しており、それは、上記のモンテカルロ法に関する問題を回避する。Grabensteinに記載された厳密に決定性の方法は、超一様分布サンプル点列を提供し、それは、サンプル点が、個々の積分値を求めている領域上全体に、より均一に分布されることを先験的に確実にする。1つの実施形態においては、使用されるサンプル点は、Halton列に基づいている。
基数bの数に対して生成されたHalton列において、基底bは選択された素数であり、Hb kにより表現される、列のk番目の値は、
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により一般的に定義される「根基逆」関数Φbを使用して生成され、ここにおいて、
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は、整数基底bにおけるiの表現である。一般的には、値kの根基逆元は、下記のステップ(1)−(3)を含む技術により生成される。
(1)値kを、選択された基底bにおける値の数値表現として書くことであり、それによりその値に対する表現を、DMM-1D...D21として提供し、ここにおいて、Dm(m=1,2,....,M)は表現の桁である。
(2)基底10に書かれた数に対する小数点に対応する基数点を、ステップ(1)において書かれた表現DMM-1D...D21の最小端に置くこと。
(3)基数点の周りの桁を反映して、Hb kに対応する、0.DMM-1D...D21を提供すること。
表現に選択された基底bに拘わらず、基底bで書かれた、任意の値の級数1、2、...k,に対して、表現の最小桁は、最大桁よりも速い率で変化するということは理解されよう。その結果、Halton列Hb 1,Hb 2,...Hb k,においては、最大桁は、より速い率で変化し、列におけるそれより前の値が、ゼロと1の間の区間上において一般的に広く分布され、列におけるそれより後ろの値は、列におけるそれより前の値の間の隙間を埋める。上述したモンテカルロ法で使用される乱数または擬似乱数と異なり、Halton列の値は統計的に独立ではなく、逆に、Halton列の値は、厳密に確定的であり、区間上においてお互いに「最も効果的に回避」し、そのため凝集することはないが、モンテカルロ法で使用される乱数または擬似乱数は凝集することがある。
上述したように、Halton列は、単一の次元に沿って、その両端を含むゼロから1の区間上で値の列を提供する。多次元Halton列は、同様な方法で生成できるが、各次元に対して異なる基底を使用し、基底は相対的に素数である。
一般化Halton列は、そのうちの上記のHalton列は特別な場合であるが、次のように生成される。両端を含むゼロから1の数値区間に沿う各開始点に対して、異なるHalton列が生成される。両端を含むゼロから1の区間上で、任意のxとyに対して、その2つよりも大きな値を有する任意の整数Pに対して、擬似合計
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を定義し、擬似合計は、xとyを表現する桁を、最大桁から最小桁に向けて、逆の順序で加算し、各加算に対して、次に大きな桁の後継から生成される繰上げ数を加算することにより形成される。このように、基底bにおけるxが0.X12...XM-1M,と表現され、ここにおいて各Xmは基底bにおける桁であり、基底bにおけるyが0.Y12...YN-1N,と表現され、ここにおいて各Ynは基底bにおける桁であり、Mは基底bにおけるxの表現の桁数であり、Nが基底bにおけるyの表現の桁数であり、MとNが異なってもよいとすると、擬似合計zは、0.Z12...ZL-1L,と表現され、ここにおいて各Zlは、Zl=(Xl+Yl+Cl)mod bで与えられる基底bにおける桁であり、modは、モジュロ関数を表現し、
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はClがゼロに設定された、1−1番目の桁の位置からの繰り上げ値である。
上記のように擬似合計関数を使用することにより、Grabensteinに記載されたシステムにおいて使用される一般化Halton列は、下記のように生成される。bが整数で、x0は、両端を含むゼロから1の区間上の任意の値であるとすると、Neumann-Kakutaniのp進変換Tb(x)は、
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で与えられ、一般化Halton列x0,x1,x2,...は,再帰的に、
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として定義される。方程式(1.5)及び方程式(1.6)から、bのいかなる値に対しても、一般化Halton列は、異なる列が、xの、つまり、各x0の各開始値に対して生成されるということを提供できるということは明らかである。上記のHalton列Hb kは、x0=0に対する方程式(1.5)及び方程式(1.6)における一般化Halton列の特別なケースであるということは理解されよう。
Halton列または一般化Halton列のような、厳密に決定性の超一様分布列を使用することにより、モンテカルロ技術と連係して使用される乱数または擬似乱数に対して、多数の利点を提供することができる。モンテカルロ技術と連係して使用される乱数とは異なり、超一様分布列は、サンプル点がそれぞれの領域または時間区間上で、より均一に分布されることを確実にし、それにより、モンテカルロ技術では起こり得たように、そのようなサンプル点の凝集に起因する、画像における誤差を低減できる。これにより、モンテカルロ技術と同じ計算コストにおいて同数のサンプル点を使用するときに、改善された品質の画像の生成を容易にすることができる。
スクランブルされたHalton列と、根基逆元による層化と、Halton列からの層化サンプルと、決定性スクランブリングと、ランダム化による偏り消去と、適応および決定性アンチエイリアシングと、ランク−1格子によるアンチエイリアシングと、依存サンプリングとランク−1格子により誘導されるドメイン層化による軌道分割を含む技術と連係しての、適応準モンテカルロ積分および適応積分近似により画像合成を提供する方法とシステムを提供することもまた望ましい。
本発明の1つの形態は、動画における表示、または他の動的表示のような、画像の生成および合成に関する。本発明は、画像合成に対する改善された方法およびシステムを提供し、強度を決定するための効率的な方法も含み、それにより、リアリスティック画像が、利用可能なコンピュータのプラットフォームの制限内で効率的にレンダリングされる。
より具体的には、本発明は、準モンテカルロ法を使用して積分値を求めるための、コンピュータにより実践される新しい、改善されたシステムを提供する。特定の実施形態においては、スクランブルされたHalton列と、根基逆元による層化と、Halton列からの層化サンプルと、決定性スクランブリングと、ランダム化による偏り消去と、適応および決定性アンチエイリアシングと、ランク−1格子によるアンチエイリアシングと、依存サンプリングとランク−1格子により誘導されるドメイン層化による軌道分割を含む技術と連係しての、適応準モンテカルロ積分および適応積分近似を使用する。
簡便にまとめると、本発明は画像内のピクセルに対するピクセル値を生成するコンピュータグラフィックシステムを提供し、ピクセル値は、シミュレートされたカメラの画像平面上に記録される、シーンにおける点の表現であり、コンピュータグラフィックシステムは、サンプル点ジェネレータと関数値算出器を備える。サンプル点ジェネレータは、サンプル点の集合を生成するように構成され、少なくとも1つの点は、少なくとも1つの依存サンプルを使用して生成され、少なくとも1つの依存サンプルは、別の超一様分布列の少なくとも1つの要素によりオフセットされた超一様分布列の少なくとも1つの要素を備える。関数値算出器は、サンプル点ジェネレータにより生成されたサンプル点の1つにおいて、選択された関数の値の算出を表現する少なくとも1つの値を生成するように構成され、関数値算出器により生成された値は、ピクセル値に対応する。
本発明の別の形態は、コンピュータグラフィックシステムにおいて使用され、表示装置を介して表示可能な画像において、ピクセルに対する、シーンにおける点の表現であるピクセル値を、コンピュータグラフィックシステムが生成可能とするコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品はコンピュータ読取可能媒体を備えており、その媒体には、
A.少なくとも1つのサンプル点は少なくとも1つのサンプルを使用して生成され、前記少なくとも1つのサンプルは、超一様分布列の少なくとも1つの要素を備える、サンプル点の集合であって、超一様的な準モンテカルロ点を備える、サンプル点の集合を前記コンピュータグラフィックシステムが生成することを可能にするための実行可能なコンピュータ読取可能プログラム命令と、
B.前記サンプル点の1つにおいて選択された関数の値を求めて、表示制御電子的出力を生成するために使用できるピクセル値に対応する値を、前記コンピュータグラフィックシステムが生成することを可能にするための実行可能なコンピュータ読取可能プログラム命令と、がコード化されている。
・関連出願の相互参照および参考文献としての引用
本特許出願は、共有されている、2005年8月18日付けで出願された、米国仮出願第60/709,173号明細書(「画像合成の方法およびシステム」(弁理士審理予定表MNTL-104-PR))の優先権の利益を主張するものであり、また、共有されている、2002年11月19日付けで出願された、米国出願第10/299,958号(「サンプル点が、超一様分布列を使用して生成された依存サンプルを表現する、準モンテカルロ法を使用して積分の値を求めるためのシステムおよびコンピュータにより実践される方法」(弁理士審理予定表MENT-072、発明者:Alexander Keller))の一部継続出願であり、両者は、参照によって本明細書に引用したものとする。
また、共有されている、Rolf HerkenとMartin Grabensteinにより1997年6月23日付けで出願された米国出願第08/880,418号で、米国特許第6,529,193号(「サンプル点を生成するための厳密に決定性の(strictly deterministic)方法を使用して画像におけるピクセルに対してピクセル値を生成するシステムおよび方法」(弁理士審理予定表MENT-002))もここに参考文献として組み込み、以降は「Grabenstein」と称される。
本発明は、動画における表示、または他の動的表示のための画像の生成および合成に関する。ここで記載される技術は、コンピュータグラフィックシステムの一部として実行され、ピクセル値は画像における各ピクセルに対して生成される。ピクセル値は、シミュレートされたカメラの画像平面上に記録されるようなシーンにおける点を表現している。コンピュータグラフィックシステムは、選択された方法を使用して画像に対してピクセル値を生成するように構成される。
下記の検討においては、これらの技術に従う方法、構造、システム、および表示技術を記述する。当業者は、記述される方法およびシステムが、ソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェアとハードウェアの組合せにより、Microsoft Windows、Linux、またはUnixのような従来のオペレーティングシステムに従うパーソナルコンピュータ(PC)または同等の装置のような従来のコンピュータ装置を使用して、スタンドアロン構成またはネットワークを介して実践できるということは理解されよう。従って、下記に記述され、請求項で列挙される種々の処理手段および計算手段は、適切に構成されたデジタル処理装置または装置のネットワークのソフトウェアおよび/またはハードウェア要素において実践できる。処理は、連続的に、または並列に実行でき、特別な目的の、または再構成可能なハードウェアを使用して実践できる。
ここに添付された図1は、そのような厳密に決定性の方法を利用している、例としてのコンピュータシステム10を示している。図1を参照すると、1つの実施形態におけるコンピュータシステム10は、プロセッサモジュール11と、キーボード12Aおよび/またはマウス12B(まとめてオペレータ入力要素12としている)のようなオペレータ入力構成要素を備えるオペレータインタフェース要素と、ビデオ表示装置13のようなオペレータ出力要素を含む。例示されているコンピュータシステム10は、従来の格納プログラムコンピュータアーキテクチャ型である。プロセッサモジュール11は、例えば、1つまたは2つ以上のプロセッサと、メモリと、提供されたデジタルデータに関連する処理および格納作業を行なう、ディスクおよび/またはテープ格納要素のような大容量ストレージ(別々には図示していない)を含む。オペレータ入力要素12は、オペレータが処理のための情報を入力するために設けられる。ビデオ表示装置13は、処理中に生成された情報と共に、オペレータが処理のために入力できるデータと、オペレータが処理を制御するために入力できる情報を含む、プロセッサモジュール11により生成された出力情報を、オペレータに対して画面14上で表示するために設けられる。プロセッサモジュール11は、種々の「ウィンドウ」を使用して、種々のアプリケーションプログラムに対する情報が表示される、いわゆる「グラフィックユーザーインタフェース」(「GUI」)を使用して、ビデオ表示装置13による表示のための情報を生成する。コンピュータシステム10は、オペレータから入力情報を受け取るためのキーボード12Aとマウス12Bや、オペレータへの出力情報を表示するためのビデオ表示装置13のような特別な構成要素を備えて示されているが、コンピュータシステム10は、図1に示されているそれらに追加して、またはそれらの代わりに、種々の構成要素を含むことができるということは理解されよう。
更に、プロセッサモジュール11は、まとめて参照番号14で特定されている、1つまたは2つ以上ネットワークポートを含み、これらのネットワークポートは、コンピュータネットワーク内で、コンピュータシステム10に接続する通信リンクに接続されている。ネットワークポートにより、コンピュータシステム10は、ネットワーク内の他のコンピュータシステムおよび他の装置へ、またはそれらから情報を送信または受信できる。例えば、クライアント−サーバパラダイムに従って構成された典型的なネットワークにおいては、ネットワーク内のあるコンピュータシステムはサーバとして設計され、他のクライアントコンピュータシステムによる処理のためのデータおよびプログラム(まとめて、「情報」)を格納し、それにより、クライアントコンピュータシステムが便利に情報を共有することができる。特別なサーバにより維持されている情報へアクセスする必要のあるクライアントコンピュータシステムは、サーバが情報を、ネットワークを介してダウンロードすることを可能にする。データの処理後は、クライアントコンピュータシステムは、処理されたデータを格納のためにサーバに戻す。コンピュータシステム(上記のサーバおよびクライアントを含む)に加えて、ネットワークはまた、例えば、プリンタおよびファクシミリ装置、デジタルオーディオまたはビデオ格納および配布装置などを含むことができ、それらの装置は、ネットワーク内で接続された種々のコンピュータシステム間で共有できる。コンピュータシステムを相互接続する、ネットワーク内の通信リンクは、従来のように、ワイヤ、光ファイバー、またはコンピュータシステム間で信号を搬送するたの媒体を含む、任意の便利な情報搬送媒体を備えることができる。コンピュータシステムは、通信リンクを介して送信されるメッセージにより、ネットワークを介して情報を送信し、各メッセージは、情報および、そのメッセージを受信する装置を識別する識別子を含んでいる。
図2は、本発明によるコンピュータグラフィックシステム10とプロセッサモジュール11の形態を処理する、サンプル点ジェネレータ20と、関数値算出器22と、シミュレートされたレイ24と、シミュレートされたレンズ26を示している図を示す。
図2Aは、下記に記述する、本発明の更なる形態によるコンピューティングシステム10の追加構成要素を示している図を示す。図2Aに示されているように、コンピューティングシステム10は、サンプル点の集合を生成するためのサンプル点ジェネレータ30を更に含み、少なくとも1つのサンプル点は、少なくとも1つのサンプルを使用して生成され、少なくとも1つのサンプルは、列の少なくとも1つの要素を備え、サンプル点の集合は、準モンテカルロ点を備える。コンピューティングシステム10はまた、サンプル点の1つにおいて選択された関数値を算出して、ピクセル値に対応する値を生成するサンプル点ジェネレータ30と連絡状態にある関数値算出器32も含む。ピクセル値は、表示13を制御する電子的出力を生成するために使用できる。
図1および2に示されているコンピュータシステム10に加えて、本発明による方法、装置、またはソフトウェア製品は、従来のPC102、ラップトップ104、ハンドヘルドまたは携帯コンピュータ106を含む、スタンドアロンであろうが、ネットワークで接続されていようが、ポータブル型または固定型であろうが、または、インターネット、またはその結果としてサーバ110とストレージ112を含むことができる他のネットワーク108を介してであろうが、図3に例として示されているような(例えば、ネットワークシステム100)、広い範囲の従来のコンピューティング装置およびシステムのいずれにおいても作動できる。
従来のコンピュータソフトウェアおよびハードウェアの方法に従って、本発明に従って構成されたソフトウェアアプリケーションは、例えば、図4に示されているようなPC102内で作動でき、プログラム命令はCD ROM116、磁気ディスク、または他のストレージ120から読み出すことができ、CPU118による実行のために、RAM114にロードされる。データは、従来のキーボード、スキャナ、マウス、または他の要素103を含む、任意の既知の装置または手段を介してシステムに入力できる。
当業者は、下記に記述する本発明の方法形態が、ASIC製造業者には知られているASIC構成技術を使用して、ここで記述される工程を実行するために特別に構成された特定用途向け集積回路(ASIC)のようなハードウェア要素において実行できることは理解されよう。ASICの種々の形態が、多数の製造業者から提供されているが、現在利用可能なASICは、この特許出願において記述される機能は提供しない。そのような製造業者には、共にカリフォルニアのSanta Claraにある、Intel CorporationとNVIDIA Corporationがある。そのようなASICの実際の半導体要素および等価集積回路は、本発明の一部ではないので、ここでは詳細には検討しない。
当業者は、本発明の方法形態が、ワークステーションおよびパーソナルコンピュータ(PC)のような、ワークステーションまたはPCオペレーティングシステムおよび本発明に従って構成されたコンピュータプログラム製品のコマンド群のもとで作動する、市場で入手可能なデジタル処理システム内で実行できることも理解されよう。「コンピュータプログラム製品」という用語は、コンピュータ読取可能媒体上でコード化されたコンピュータ読取可能プログラム命令の任意の集合を含むことができる。コンピュータ読取可能媒体は、それに制限されるわけではないが、コンピュータハードディスク、コンピュータフロッピーディスク、コンピュータ読取可能フラッシュドライブ、コンピュータ読取可能RAMまたはROM要素、または、デジタル情報をコード化、格納、または提供する任意の他の既知の手段を、ワークステーション、PC、または他のデジタル処理装置またはシステムに局在する、またはそれらから離れているかに拘わらず、コンピュータ読取可能媒体の任意の形態を含むことができる。コンピュータ読取要素および媒体の種々の形態は、コンピューティング技術においてはよく知られているので、その選択は、実践する者に任される。いずれにせよ、本発明は、コンピュータシステムがピクセル値を計算できるように作動可能であり、このピクセル値は、グラフィックカードまたは表示コントローラのような従来の要素であってよいコンピュータシステム内のハードウェア要素により使用されて、表示制御電子的出力を生成できる。従来のグラフィックカードおよび表示コントローラは、コンピューティング技術においてよく知られており、必ずしも、本発明の一部ではないので、その選択は実践する者に任される。
特に、図1〜図4に示されているシステムは、下記の本発明の記述された形態に従って使用でき、スクランブルされたHalton列と、根基逆元による層化と、Halton列からの層化サンプルと、決定性スクランブリングと、ランダム化による偏り消去と、適応および決定性アンチエイリアシングと、ランク−1格子によるアンチエイリアシングと、依存サンプリングとランク−1格子により誘導されるドメイン層化による軌道分割を含む技術と連係しての、適応準モンテカルロ積分および適応積分近似を含むことができる、準モンテカルロ法を使用して積分値を算出するコンピュータグラフィックシステムを実践する。
本発明による種々の形態、例、特徴、実施形態、および方法が、次の節から構成されている、本発明を実施するための最良の形態で詳細に説明される。
I.サンプル点が、超一様分布列を使用して生成される依存サンプルを表現する、準モンテカルロ法の序章、概観、および説明
II.適応準モンテカルロ積分による画像合成
III.準モンテカルロ積分に関する追加例および点
IV.一般的な方法
本出願は、共有されている、2002年11月19日付けで出願された、米国出願第10/299,958号(「サンプル点が、超一様分布列を使用して生成された依存サンプルを表現する、準モンテカルロ法を使用して積分の値を求めるためのシステムおよびコンピュータにより実践される方法」(弁理士審理予定表MENT-072、発明者:Alexander Keller))の一部継続出願であり、本発明の詳細な記述は、この出願の顕著な点の説明から始める。
I.サンプル点が、超一様分布列を使用して生成される依存サンプルを表現する、準モンテカルロ法の序章、概観、および説明
本発明の形態は、シーンの画像におけるピクセルに対してピクセル値を生成するコンピュータグラフィックシステムおよび方法を提供し、過去において使用されてきたランダムまたは擬似ランダムモンテカルロ法ではなく、例えば、積分値を求めるため、または、シーンにおける種々の点から反射された光の、それぞれのピクセル値への貢献度を表現する関数の積分値を求めるためのサンプル値を生成するときに使用される、サンプル点を生成するための依存サンプリングによる軌道分割を含む、種々の副技術と連係して、厳密に決定性の準モンテカルロ法を利用する。厳密に決定性の方法は、サンプル点が一般的には、積分値が超一様分布の方法で算出される区間または領域上で、より均一に分布されることを先験的に保証する。
最初に、画像を生成する際に、コンピュータグラフィックシステムにより実行される操作についてのいくつかの背景を提供することは有益であろう。一般的に、コンピュータグラフィックシステムは、カメラで生成できる、シーンの画像をシミュレートする目的の画像を生成する。カメラは、時刻t0において開始し、所定の時間Tだけ開くシャッターを含み、それにより、シーンからの光は画像平面に導かれる。カメラはまた、レンズまたはレンズモデル(まとめて「レンズ」)を含み、それは、シーンからの光の焦点を、画像平面上に合わせる。カメラの記録媒体の平面を表現する、画像平面P上での、位置(m、n)におけるピクセルを介しての平均ラジアンス束Lm,nは、
Figure 0004749470
により決定され、ここにおいて、Apはピクセルの領域、ALは、場面からの光のレイがそこを介してピクセルに到達するレンズの位置の領域であり、fm,nは、ピクセルに関連するフィルタ処理カーネルを表現している。方程式(1.7)における積分を調べると、積分変数x、y、およびtに対して、変数yは、レンズ領域AL上の積分を、変数tは、時間(t0からt0+Tの時間区間)における積分を、そして変数xは、ピクセル領域Ap上での積分のことであることが分かる。
方程式(1.7)における積分の値は、Np個のサンプル点xiをピクセル領域で特定し、各サンプル点に対して、NT本のレイを、シーンへの焦点を介して、t0からt0+Tの時間区間における時刻ti,jにおいて当て、各レイが、レンズ領域AL上のNL個のサンプル点yi,j,kを横切ることにより、準モンテカルロ法により近似される。サブピクセルジッター位置xi、時刻ti,jにおける点、およびレンズyi,j,k上の位置が決定される様子は、下記に記載される。これらの3つのパラメータは、レイ方向ω(xi,ti,j,yi,j,k)の、h(xi,ti,j,yi,j,k)におけるシーン形状に当たる一次レイを決定する。この方法では、方程式(1.7)における積分の値は、
Figure 0004749470
のように近似でき、ここにおいて、Nはピクセルに導かれるレイ合計数である。
シーンから画像平面に向けて導かれるレイは、シーンにおける対象物の表面で反射されたレイと共に、シーンにおける1つまたは2つ以上の光源からの直接のレイも含むことができるということは理解されよう。更に、表面で反射されたレイは、光源から直接表面に導かれることもあり、または別の表面で反射されたレイであることもあるということも理解されよう。光のレイを反射する表面に対しては、反射演算子Tfrは、拡散部Tfdと、光沢部Tfgと、鏡面部Tfsを含んで、すなわち
Figure 0004749470
のように定義される。この場合、光の輸送を管理するFredholm積分方程式L=Le+TfrLは、
Figure 0004749470
と表現でき、ここにおいて、簡略化のために透明度は無視する。透明度は類似の方法で処理される。方程式(1.10)における個々の項は、次の通りである。
(i)Leは光源による光束を表現する。
(ii)Tfr-fse(ここでTfr-fs−Tfr=−Tfs)は、直接照明、つまり、光源により直接そこに提供された、表面から反射した光束を表現し、反射演算子の鏡面部Tfsに関連する鏡面成分は、それがδ分布を使用してモデル化されているので、別に処理される。
(iii)Tfg(L−Le)は、光沢照明を表現し、それは、再帰分布レイトレーシングにより扱われ、再帰においては、光源照明は、直接照明(上記の項目(ii))により既に説明されている。
(iv)TfsLは、鏡面成分を表現し、それは、反射レイに対するLを再帰的に使用す
ることにより扱われる。
(v)Tfdfg+fsL(ここでTfg+fs=Tfg+Tfs)は、火線成分を表現し、それは
、拡散表面(Tfd演算子参照)に当たる前に、光沢または鏡面表面(Tfg+fs演算子参照)により反射されたレイである。この貢献は、高解像度火線フォトンマップにより近似できる。
(vi)TfdfdLは、周囲光を表現し、それは非常に滑らかであり、従って、低解像
度グローバルフォトンマップを使用して近似される。
上述したように、方程式(1.7)における積分の値は、サンプル点xi,ti,j,およびyi,j,kを利用して、方程式(1.8)を解くことにより近似され、ここでxiは、画像平面における位置(m、n)におけるそれぞれのピクセルの領域AL内のサンプル点、ti,jは、シャッターが開いている時間区間t0からt0+T内のサンプル点、そして、yi,j,kは、レンズAL上のサンプル点である。本発明の1つの形態によれば、サンプル点xiは、二次元Hammersley点を備え、次のように定義される。
Figure 0004749470
ここにおいて、0≦i<Nであり、Φ2(i)は基底2におけるiの根基逆元である。一般的に、s次元Hammersley点集合は、次のように定義される。
Figure 0004749470
ここにおいて、Isはs次元単位立方体[0,1)S(つまり、それぞれの次元がゼロを含み、1を含まないs次元立方体)であり、集合内の点の数Nは固定され、b1...,bs-1は基底である。基底は、素数である必要はないが、好ましくは、お互いに素数で均一な分布を提供する。根基逆関数Φbは、その結果、次のように一般的に定義される。
Figure 0004749470
ここにおいて、
Figure 0004749470
は整数基底bにおけるiの表現である。N=(2n2においては、二次元Hammersley点は、基底2における(0,2n,2)−族であり、2nx2n格子上とラテン超立方体上で同時に層化される。格子をサブピクセルと考えると、画像平面の基盤となっている完全なサブピクセル格子は、単に格子の複製をお互いに隣接するだけで充填することができる。
整数サブピクセル座標(sx,sy)が与えられれば、画像平面における、サンプル点xiに対するインスタンスiと座標(x,y)は、次のように決定できる。
まず、
Figure 0004749470
を調べると、次のことが観測される。
(a)層化パターンにおける各線は、別の線のシフトした複製であり、
(b)パターンは、線y=xに関して対称、つまり、各列は、別の列のシフトした複製である。
従って、整数順列σ(k):=2nΦ2(k)(0≦k<2nに対して)が与えられると、サブピクセル座標(sx,sy)は層座標(j,k):=(sxmod2n,symod2n)上にマップされ、インスタンス数iは次のように計算される。
Figure 0004749470
ジッター化されたサブピクセルサンプル点の位置は、
Figure 0004749470
により決定される。
ジッター化されたサブピクセルサンプル点xiの位置を生成するための効率的なアルゴリズムは、コードセグメント1と関連して下記に提供される。その位置が、方程式(1.13)及び方程式(1.14)と関連して上述したように決定されるサンプル点のパターンは、Grabensteinに記載されるように、Halton列またはウィンドウ化されたHalton列を使用して決定されたパターン上で、非常に縮小した非一様分布を有しているという利点があり、従って、方程式(1.8)に関連して上述した近似は、一般的に、方程式(1.7)に関連して上述した積分の値に対してより良好な推定を与える。更に、Nが十分に大きければ、隣接するピクセルのサンプル点は、異なるパターンを有し、望ましくないアーティファクトが画像内に生成される可能性を削減する。
「レイツリー」は、シミュレートされたカメラの画像平面上の点からシーンにトレースされた光のレイの経路の集合体である。コンピュータグラフィックシステム10は、送信、それに続く反射、および軌道分割を使用するシャドウレイに再帰的に追従することによりレイツリーを生成する。本発明の別の形態によれば、経路は、グローバルに一般化された、スクランブルされたHammersley点集合の1つのベクトルの成分により決定される。一般的に、スクランブルされたHammersley点集合は、根基逆関数Φbが、典型的には、1/bだけ離れたb−1個の等間隔の値のサブ列を有しているので、より高次元の超一様分布列に関連して起こり得る問題を削減または消去する。これらの相関パターンは、全s次元空間において単に認識できるが、それらはエイリアシングの傾向があるので望ましくない。コンピュータグラフィックシステム10は、置換を、根基逆元において使用されるb引数表現の桁へ適用することに対応するスクランブリングによりその効果を減少できる。対称群sbから、整数0,...,b−1,への対称置換σに対して、スクランブルされた根基逆元は、
Figure 0004749470
のように定義される。
対称置換σが恒等式の場合は、スクランブルされた根基逆元は、スクランブルされていない根基逆元に対応する。1つの実施形態において、コンピュータグラフィックシステム10は、次のように再帰的に対称置換aを生成する。基底b=2に対する置換σ2=(0,1)から開始して、置換の列は次のように定義される。
(i)基底bが偶数であると、置換σbは、2σb/2の値の最初を取り、次の値
Figure 0004749470
を加えることにより生成され、
(ii)基底bが奇数であると、置換σbはσb-1の値を取り、各値を、
Figure 0004749470
以上の各値を1だけ増加し、
Figure 0004749470
の値を中間に挿入することで生成される。
この再帰的手順は、
Figure 0004749470
という結果になる。
コンピュータグラフィックシステム10は、一般化された超一様分布点集合を次のように生成できる。任意の有理数s次元の点xを、開始点として取ることにより超一様分布列を取得して、対応する増分根基逆関数をxの成分に適用することにより、その後に続く点を決定できることがよくある。その結果は、一般化超一様分布点集合と称される。これは、Halton列とHammersley列の両者に適用できる。一般化Halton列の場合は、これは、
Figure 0004749470
として公式化でき、ここにおいて、整数ベクトル(i1,i2,...,is)は、成分当たりのオフセットを表現し、一般化列に対して予め固定されている。整数ベクトルは、根基逆の逆関数を開始点xに適用することにより決定できる。一般化Hammersley列は、類似の方法で生成できる。
軌道分割に戻ると、一般的に、軌道分割は、局所積分の値を求めることであり、その次元は小さく、実際の被積分関数をより滑らかにし、全体の収束を改善する。反復を適用して、超一様分布サンプル点の位置が決定され、それは、局所積分の値を求めるときに使用できる。超一様分布サンプル点は、グローバルな、スクランブルされたHammersley点集合の対応する要素によりシフトされる。軌道分割は、レイツリーにおいて同じレベルで複数回起こり得るので、レイツリーの分岐は、アーティファクトを回避するために相関がないようにされ、このように相関をなくすことは、グローバルな、スクランブルされたHammersley点集合を一般化することにより達成される。
レイツリーを生成する効率的なアルゴリズムが、コードセグメント2と関連して下記に提供される。一般的に、そのアルゴリズムにおいては、方程式(1.13)と関連して上記に決定されたように、超一様分布ベクトルのインスタンス数iと、現在の積分次元に対応する、使用された成分の数dは、レイツリーにおけるそれぞれのレイに対して維持されるデータ構造に追加される。サブピクセルサンプルのレイツリーは、インスタンス数iにより完全に指定される。次元が、次に使用されるグローバルHammersley点集合の成分を決定する「2」に設定された後、一次レイは、そのレイツリー全体に及ぶようにシーンに投じられる。超一様分布サンプル点の成分による決定性分割を決定する際に、コンピュータグラフィックシステム10は、最初に次元Δdの必要な数を割り当てる。例えば、光沢散乱をシミュレートする際に、必要な次元数は「2」に対応する。その後、コンピュータグラフィックシステム10は、方程式(1.17)を生成する、スクランブルされた根基逆
Figure 0004749470
Figure 0004749470
により与えられるオフセットから散乱方向を生成する。方程式(1.17)において、「
Figure 0004749470
」は「法1による加法」のことである。M回反復されたレイの各方向はyi,jにより決定され、超一様分布ベクトルの次の要素を使用するために新しい積分次元として、d’:=d+Δdとして、そして続く軌跡の相関をなくすためにi’=i+jとしてレイツリーの次のレベルに入る。超一様分布サンプル点の無限列を使用すると、ヒューリスティック反復は、適応的で、整合性のあるサンプリング配列になる。つまり、コンピュータグラフィックシステム10は、サンプリング率ΔMを固定でき、現在と以前の推定値をΔMサンプルごとに比較でき、推定値が、所定の閾値値より小さな量だけ異なっている場合は、サンプリングを終了できる。その結果、コンピュータグラフィックシステム10は、局所積分がグローバル積分にどの程度貢献しているかという、重要度情報により閾値を決定できる。
上述したように、方程式(1.7)との関連において記述した積分は、シミュレートされたカメラのシャッターが開いている、t0からt0+Tの間の有限時間Tにおいてである。この時間Tの間、シーンにおける対象物が動くと、動いている対象物は好ましくは、対象物の動きと時間間隔t0+Tの関数であるブレの範囲で、ブレた画像として表現される。一般的に、画像が記録される時間の間の動きは、運動ベクトルにより線形に近似され、その場合は、方程式(1.7)における被積分関数は、シャッターが開いている時間において相対的に滑らかであり、相関サンプリングに適している。レイインスタンスiに対しては、サブピクセル位置xiにおいて開始され、時間間隔へのオフセットΦ3(i)は一般化され、NT−1の後続の、法1によるサンプル
Figure 0004749470
は0<j<NTに対して生成される、つまり、
Figure 0004749470
となる。
Tの値は「1」として選択でき、その場合は、レイインスタンスiに対しては後続のサンプルはないということは理解されよう。この方法でサンプル点を決定すると、サンプリング空間が充填され、方程式(1.7)における積分の値へのより速い収束という結果になる。後続の軌道分割に対しては、レイはインスタンスをi’=i+jと設定することにより相関はなくされる。
ジッター化サブピクセルサンプル点xiの位置を決定すること、および、時間に対するサンプル点ti,jに従ってカメラおよびシーンを調整することに加えて、コンピュータグラフィックシステムは、被写界深度もシミュレートする。被写界深度をシミュレートする際は、シミュレートされるカメラは、既知の光学特性を有するレンズが設けられていると仮定され、幾何学的光学機器を使用して、サブピクセルサンプル点xiは、レンズを介して写像され、写像された点xi’が生成される。レンズは依存サンプル
Figure 0004749470
を、複数の既知の変換のうち、適切な1つを使用してレンズ領域AL上に写像することによりサンプリングされる。NTと同様に、NLの値も「1」として選択できる。その後、レイは、yi,j,kにより指定されるレンズ上のサンプル点から、点xi’を介してシーンに発せられる。方程式(1.19)におけるオフセット
Figure 0004749470
は、一般化され、スクランブルされたHammersley点集合から取られた次の成分を備え、それは、軌道分割に対して、二次元Hammersley点集合の要素
Figure 0004749470
だけ変位される。サンプル点yi,j,kからのレイのインスタンスは、レイツリーの相関をなくし、更に分割するためにi+j+kに設定される。方程式(1.19)においては、スクランブルされたサンプル(Φ5(i+j,σ5),Φ7(i+j,σ7)が、(Φ5(i+j),Φ7(i+j)のスクランブルされていないサンプルの代わりに使用されるが、これは、基底5と7においては、最大5つのスクランブルされていないサンプルが直線上に並び、これはスクランブルされたサンプルに対してはないことによる。
直接照明(上記のTfr-fse)に対する値を決定することに関連して、直接照明は、シーンδVの表面上の積分として表現され、その積分は、それぞれが、シーンにおけるLの単一領域光源の1つに対してである積分の合計に分解される。その結果、個々の積分は、依存サンプリング、つまり、
Figure 0004749470
によりその値が求められ、ここにおいてsuppLe,kはそれぞれ、k番目の光源の表面を意味している。k番目の光源に対する積分の推定値を計算する際に、Mk番目の質問レイに対して、シャドウレイは、領域光源の可視性の分数を決定するが、これは点の可視性は、滑らかなシャドウ効果よりもはるかに変化することによる。各光源に対して、放射Leは、可視性を含む幾何学項Gにより減衰され、表面特性は、双方向分布関数fr−fsにより与えられる。これらの積分は、レイツリーにおける局所積分であり、レイツリーにおける1つのノードの値を生成し、依存サンプリングを使用して効率的に値を求めることができる。依存サンプリングにおいては、質問レイが次の自由積分次元dとインスタンスiを伴って入射し、そこから依存サンプルが、
Figure 0004749470
に従って決定される。オフセット
Figure 0004749470
が、対応する一般化され、スクランブルされたHammersley点集合から再び取られ、それは、二次元Hammersley点集合
Figure 0004749470
を光源上でシフトする。サンプル率Mk=2nkを2の冪乗として選択すると、光源を完全に層化するHammersley点集合の非一様分布に対して極小値が得られる。または、光源は、下記の反復規則
Figure 0004749470
を使用するサンプル点の、任意に選択された数Mkを使用してサンプリングできる。上記のようなサンプル点の位置の陰的層化のため、局所収束は非常に滑らかとなる。
光沢貢献度
Figure 0004749470
は、光沢散乱をシミュレートするために使用されたモデルfgが、双方向分布関数frの代わりに使用されることを除いて、領域光源(方程式(1.20)及び方程式(1.21))に関連して上述した方法と類似の方法で決定される。光沢貢献度を決定するときは、固定分割率Mと、入射レイの次元フィールドdにより与えられる現在のレイツリー深度から取られるオフセット
Figure 0004749470
だけシフトされた法「1」に対して二次元Hammersley点が生成される。散乱方向に横切るレイツリーは、上述した動きによるブレと被写界深度のシミュレーションに対してなされた方法と類似の方法で、インスタンスフィールドにi’=i+jを割り当てることにより相関がなくされる。すべてのレイに対して生成された推定値は、分割率Mにより平均されて、レイツリーを上方に伝播される。
それぞれのレイに沿って、その起源から、シーンにおける最も近い表面の点までの線積分を行なうことにより、体積効果が典型的に提供される。体積効果を提供するときは、コンピュータグラフィックシステム10は、レイデータから、対応するオフセットΦbd(i)を生成し、それを使用して、一次元トーラスのように見える単位区間上のM個の等距離のサンプルをシフトする。そうすることにより、相関性のないジッタリング法を使用する場合と比較して、レンダリング時間が短縮される。更に、そのような、等距離のシフトされた点は、典型的には、一次元において、最良で、可能な超一様分布を得る。
グローバル照明は、間接照明、拡散および光沢相互反射、火線およびカラー混合のような光学効果のクラスを含み、それを、コンピュータグラフィックシステム10は、シーンにおいて対象物の画像を生成するときにシミュレートする。グローバル照明のシミュレーションは、典型的には、レンダリング方程式の値を求めることを含む。グローバル照明のシミュレーションにおいて有益な例としてのレンダリング方程式の一般形式、つまり、
Figure 0004749470
に対して、シーンにおける特別な点
Figure 0004749470
において放射された光は、一般的には、2つの成分、つまり、もしあるならば、その点から放射された光の量と、もしあるならば、他の点に起源を有し、点
Figure 0004749470
で反射または散乱された光の量の合計であることが認識される。方程式(1.22)において、
Figure 0004749470
は、方向
Figure 0004749470
(ここでθは、点
Figure 0004749470
を含むシーンにおける対象物の表面と直交する方向に関する方向角
Figure 0004749470
を、φは、点
Figure 0004749470
に接する平面における方向
Figure 0004749470
の成分の角度を表現している)における点
Figure 0004749470
のラジアンスを表現している。同様に、積分における
Figure 0004749470
は、方向
Figure 0004749470
(ここでθ’は、点
Figure 0004749470
を含むシーンにける対象物の表面と直交する方向に関する方向角
Figure 0004749470
を、φ’は、点
Figure 0004749470
に接する平面における方向
Figure 0004749470
の成分の角度を表現している)における点
Figure 0004749470
のラジアンスを表現し、もしあれば、点
Figure 0004749470
から放射され、点
Figure 0004749470
から反射または散乱された可能性のある光を表現している。
方程式(1.22)について更に説明すると、
Figure 0004749470
は合計の第1成分、つまり、方向
Figure 0004749470
における点
Figure 0004749470
からの放射によるラジアンスを意味し、球面S’上の積分は、第2成分、つまり、点
Figure 0004749470
における光の散乱によるラジアンスを意味している。
Figure 0004749470
は双方向散乱分布関数であり、方向
Figure 0004749470
から入射する光のどれくらいの量が、方向
Figure 0004749470
に反射、屈折、または散乱されるかを記述し、一般的には、拡散成分、光沢成分、および鏡面成分の合計である。方程式(1.22)において、関数
Figure 0004749470
は、幾何学項
Figure 0004749470
であり、ここでθとθ’は、点
Figure 0004749470

Figure 0004749470
それぞれにおける、それぞれの表面の法線に関する角度である。更に方程式(1.22)において、
Figure 0004749470
は、可視性関数であり、点
Figure 0004749470
が点
Figure 0004749470
から見える場合は値1に等しく、点
Figure 0004749470
が点
Figure 0004749470
から見えないときはゼロである。
コンピュータグラフィックシステム10は、拡散成分
Figure 0004749470
と火線成分
Figure 0004749470
の決定と特に関連して、フォトンマップ技術を使用して、グローバル照明を利用する。一般的には、フォトンマップは、シーンにおける光源によるフォトンの放射をシミュレートし、フォトンのそれぞれの経路をトレースすることにより構築される。シーンにおける対象物の表面に当たる各シミュレートされたフォトンに対して、シミュレートされたフォトンに関する情報が、フォトンマップと称されるデータ構造に格納されており、例えば、シミュレートされたフォトンの色、位置、および方向角を含む。その後、ロシアンルーレット操作が行われ、フォトンの状態、つまり、シミュレートされたフォトンが、表面により吸収されたか、または反射されたと見なされるかが決定される。シミュレートされたフォトンが表面により反射されたと見なされる場合は、シミュレートされたフォトンの方向は、例えば、双方向反射率分布関数(「BRDF」)を使用して決定される。反射された、シミュレートされたフォトンが別の表面に当たると、これらの操作が繰り返される(Grabenstein参照)。種々のシミュレートされたフォトンの情報が格納されているデータ構造は、任意の便利な形態であってよく、典型的には、整数kに対するk次元ツリーが使用される。フォトンマップが生成された後は、それは、画像のそれぞれの成分のレンダリングに使用できる。
フォトンマップを生成するときは、コンピュータグラフィックシステム10は、フォトンの軌道をシミュレートし、それにより、基盤となっている積分方程式の核を打ち切る必要性を回避する。フォトンのシーンとの相互作用は、上述したように、格納され、密度推定のために使用される。コンピュータグラフィックシステム10は、スクランブルされたHalton列のような、スクランブルされた超一様分布の、厳密に決定性の列を利用し、それは、スクランブルされていない列よりも、より高次元において、より良好な非一様分布を有する。スクランブルされた列は、ランダム列に対して、近似誤差がより滑らかに減少し、それにより、積分の推定値の生成の間に、適応停止方式(adaptive termination scheme)の使用が可能になるという利点を有する。更に、スクランブルされた列は、厳密に確定的で、推定値の生成は、超一様分布列のあるセグメントを、計算部上で、独立および並列して作動できる複数のプロセッサに割り当てることにより、容易に並列化できる。普通は、フォトンが方向を選択することにより発せられる空間は、フォトンが最初に発せられた光源の領域よりもはるかに大きいので、より非一様分布が小さい成分、例えば、Φ2またはΦ3(ここで、上記のように、Φbは基底bに対する根基逆関数を意味する)を、フォトンが発せられた角度に関連して使用し、より非一様分布の大きい成分、例えば、スクランブルされたΦ5またはΦ7を、それぞれの光源の領域のサンプリングに関連しての使用に利用することは利点があり、それにより、空間をより均一に充填することが容易になる。
コンピュータグラフィックシステム10は、フォトンからのラジアンスを、
Figure 0004749470
に従って推定し、ここにおいて方程式(1.24)では、Φiは、それぞれi番目のフォトンのエネルギーを表現し、ωiは、i番目のフォトンの入射方向であり、Bk(x)は点xの周りの最も近いk個のフォトンの集合を表現し、Aは、集合Bk(x)におけるフォトンを含む点xの周りの領域を表現している。フォトンのエネルギーは、その波長の関数なので、方程式(1.24)におけるΦiはまた、それぞれi番目のフォトンの色を表現している。コンピュータグラフィックシステム10は、下記のように決定される、方程式(1.24)における使用のための領域Aに対して、不偏の、しかし整合性ある推定量を利用する。質問球、つまり、点xに中心があり、その半径r(Bk(x))は、Bk(x)の集合全体を含むために必要な最小半径である球が与えられると、点x上に中心がある半径r(Bk(x))の接線ディスクDは、M個の同じサイズのサブドメインDi、つまり、
Figure 0004749470
に分割される。
集合
Figure 0004749470
は、ディスク上の点xiDを含むすべてのサブドメインDiを含み、それは、その入射方向ωiに沿ってディスクDにより定義された平面上に投影されたi番目のフォトンの位置である。好ましくは、サブドメインの数Mは、√kのオーダーであり、角度のサブ分割は、幾何学的境界を捕捉するために、半径方向のサブ分割よりも細かくなる。そして、実際の領域Aは、
Figure 0004749470
により決定される。
フォトンによるディスクDの実際のカバー領域を決定することは、標準推定値πr2(Bk(x))により取得される領域が小さすぎる場合、つまり、隅における場合と、大きすぎる場合、つまり境界における場合の、隅および境界における方程式(1.24)のラジアンス推定値を大幅に改善する。火線とシャドウの鮮明な輪郭のブレを回避するために、コンピュータグラフィックシステム10は、点xに接触するすべてのドメインDiがフォトンをまったく含んでいない場合は、ラジアンス推定値Lを黒に設定する。
フォトン密度の高い領域においては、k個の最近接フォトンは、ほぼゼロの半径r(Bk(x))という結果になり、それは、推定値の過度の変調の原因となる。過度の変調は、r(Bk(x))がrmin未満のときに使用される最小半径rminを選択することにより回避できる。その場合、方程式(1.24)の代わりに、推定値は、次の方程式
Figure 0004749470
に従って生成され、各フォトンは、合計束Φの1/Nで開始されると仮定されている。方程式(1.28)における推定量は、r(Bk(x))<rminならば、k個のフォトンの平均束に対する推定値を提供する。
グローバルフォトンマップは、一般的には粗く、その結果、サブピクセルサンプルは、同一フォトンマップ質問という結果になる。その結果として、グローバルフォトンマップの直接視覚化は、ブレがあり、それと関連して平滑化操作を行なうことは利点がある。そのような操作を行なうときは、コンピュータグラフィックシステム10は、直接視覚化のアーティファクトを除去する局所経路積分を行なう。従って、コンピュータグラフィックシステム10は、拡散照明項TfdfdLに対する近似値を、
Figure 0004749470
として生成し、積分は、重要度サンプリングを使用して値を求められているxにおける表面法線に整列した入射方向の半球S2(x)にわたる。コンピュータグラフィックシステム10は、Hammersley列による依存軌道分割を適用することにより、二次元格子上のサンプル点を層化し、その後、放射内挿を適用する。それぞれのフォトンの入射束Φiを格納する代わりに、コンピュータグラフィックシステム10は、フォトンマップにおけるそれぞれのフォトンの反射拡散パワーfd(xi)Φiを格納し、それにより、最終ギャザーレイが当たった点における拡散BRDFをサンプリングするだけにより得られるよりも、もっと正確な近似が可能となる。更に、BRDFによる数値の計算は、フォトン当たり1回しか必要でなく、最終ギャザリングの間の数値計算を省力化する。格子全体をサンプリングする代わりに、コンピュータグラフィックシステム10は、適応サンプリングを使用し、そこにおいては、コントラスト、射影された立体角をより均一にサンプリングするために最終ギャザーレイが辿った距離、および射影された半球の部分から入射したフォトン数により、改良がトリガーされる。コンピュータグラフィックシステム10は、内挿によってサンプリングされていない格子内の位置を充填する。結果としての射影半球の画像マトリックスは、弱い特異点を除去するために中央値によりフィルタ処理され、その後、近似値が生成される。コンピュータグラフィックシステム10は、例えば、半球天空照明、球面高度ダイナミックレンジ環境マップ、または他の任意の環境光源と関連して同じ操作を行なう。
コンピュータグラフィックシステム10は、平面ガラス窓のような、火線の原因とならない対象物に当たる最終ギャザーレイを、再帰的レイトレーシングにより処理する。最終ギャザーレイが当たった点が、その原点に、所定の閾値よりも近い場合は、コンピュータグラフィックシステム10は再帰的レイトレーシングを再び行なう。これにより、近接したヒット点に対しては、同じフォトンが集積されるので起こり得、それにより、グローバルフォトンマップのブレのある構造を間接的に露出できる、ブレのあるアーティファクトが隅に現れるという可能性は減少する。
一般的に、フォトンマップは、ある時点におけるスナップショットとして見なされてきており、動きによるブレのレンダリングに関しては不適切であった。複数のフォトンマップの結果を平均することは、複数のフォトンマップのすべてから、フォトンマップの合計について1つのフォトンマップに質問することと一般的に類似しているという観測に従って、コンピュータグラフィックシステム10は、NT個のフォトンマップを生成し、ここにおいて、NTは時点
Figure 0004749470
において、上記のように決定され、ここにおいては、0≦b<NTである。上述したように、NTは「1」に等しくてもよく、その場合は、N個のフォトンマップが使用され、Nは、上述したように選択される。その場合、
Figure 0004749470
であって、ti,j=ti,0、つまり、NT=1に対してtiである。一般的な場合(方程式(1.30))においては、レンダリング中に、コンピュータグラフィックシステム10は、時間サンプル点ti,jに対するレンダリングと関連する、最小時間差|ti,j−tb|のフォトンマップを使用する。
本発明は、多数の利点を提供する。特に、本発明は、シーンにおける画像のレンダリングに関連する超一様分布サンプリングと、依存軌道分割に基づく厳密に決定性の分布レイトレーシングを利用するコンピュータグラフィックシステムを提供する。一般的に、決定性の超一様分布サンプリングと、依存軌道分割に基づく厳密に決定性の分布レイトレーシングは、乱数または擬似乱数に基づく実践に比べて、より簡単に実践できる。根基逆関数の特性により、サンプル点の層化は本質的で、サンプル点の位置の生成と独立して考慮する必要はない。更に、方法は厳密に決定性なので、画像を複数のタスクに分割することにより容易に並列処理が可能になり、並列して複数のプロセッサにより実行できるようになる。一般的には、乱数または擬似乱数に基づく方法が、並列処理に実践された場合は必要な、サンプル点の位置が相関を有していないことを確認する工程は不要である。
更に、この方法は、グラフィックアクセラレータのようなハードウェアにおいても容易に実践でき、特に、Hammersley点集合が使用された場合は、固定指標iを有するすべての点は、正則格子を生成するので、特に容易に実践できる。グラフィックアクセラレータは、これらの正則格子に対応する複数の部分画像を、多数の並列タスクにおいてレンダリングでき、部分画像を累積バッファにインターリーブすることにより、最終画像を提供する。この方法による操作は、すべてのタスクが、ほぼ同じ画像のレンダリングを行なうので、並列タスクにおいて非常に良好な負荷バランスを提供する。
更に、この方法は、動画のレンダリングを容易にするように容易に拡張できる。一般的に、アニメーションは一連のフレームから構成され、各フレームは画像を備えている。種々のフレームの相関をなくすために、各フレームに対するレイインスタンスの識別子として使用される整数フィールドをiで初期化する代わりに、i+ifが使用でき、ここでifはフレーム数である。これは、ifによるiのオフセットのように機能し、それは、Hammersley点の単純な一般化である。ユーザーは、各フレームに対して、整数フィールドをiにより初期化することを選択でき、その場合は、フレームは相関を有しない。その場合は、滑らかな動きに起因するアンダーサンプリングによるアーティファクトは、局所に留まり、滑らかに変化するだけである。または、ユーザーは、各フレームに対して、整数フィールドをi+ifにより初期化することを選択でき、その場合は、アーティファクトは局所に留まらず、最終アニメーションにおいて、ノイズまたはフィルムグレインフリッカとして現れる。後者は、芸術的理由または、実際のフィルムグレインに整合するために、結果としてのアニメーションに対する所望の特徴である場合もある。別の変形は、ifを直接kに追加し、結果を2nで切り取ることである(下記のコードセグメント1を参照)。その場合は、ピクセルサンプリングパターンは、フレームごとに異なり、フレーム数ifは、合成の目的のためにピクセルサンプリングパターンを再構築するための後製造工程において知られている必要がある。
一般的には、サンプル点の決定に、決定性の超一様分布サンプリングを利用するコンピュータグラフィックシステムは、ランダムまたは擬似ランダムサンプリングを利用するコンピュータグラフィックシステムよりも良好に機能するが、その性能は、より高次元においては、ランダムまたは擬似ランダムサンプリングを利用するシステムの性能より劣化することもある。コンピュータグラフィックシステムは、反復により依存分割を行なうと規定することにより、低次元の超一様分布サンプリングの良好な収束を有効に利用でき、全体の被積分関数がより滑らかになり、層化ランダムまたは擬似ランダムサンプリングよりも良好な収束という効果がもたらされる。コンピュータグラフィックシステムはまた、無限超一様分布列による依存軌道サンプリングも利用するので、例えば、光源の整合適応サンプリングもまた実行される。
更に、コンピュータグラフィックシステムは、一般化され、スクランブルされた、および/またはスクランブルされていないHammersleyおよびHalton列を使用して生成されたサンプル点を利用すると記述されてきたが、一般的には、任意のネット(t,m,s)−族または(t,s)−列を使用できるということは理解されよう。
より一般的なレベルでは、本発明は、s次元単位立方体[0,1)S上の関数fの積分値を求めるための、改善された準モンテカルロ法を提供する。従来の方法における、依存分割による軌道分割と称されるこの方法と対照的に、関数に対するサンプル値が生成されたサンプル値に対する積分ドメインにおけるサンプル点は、各次元に沿って、同じ数の座標サンプルを提供することにより決定された。しかし、ある被積分関数のある次元に対しては、関数fが、他の次元に対するよりも、より高い分散を呈示することもよくある。本発明は、臨界領域における依存サンプルによる軌道分割を利用することにより、これを利用する。
部分積分
Figure 0004749470
(xとyはs次元の互いに素な集合を備え、x∪yはすべての次元の集合を備える)において、N2は次元の集合yに対して選択されたサンプル数を特定し、単位立方体(0,1]S2により定義される積分ドメインの部分上で定義でき、その結果、集合s2次元に関連する積分ドメインの部分に対応する。方程式(1.32)を使用して関数g(x)の値を求めることは、集合yに関連するs2次元における関数fの平滑化に影響する。
方程式(1.32)を適用することにより生成された結果は、全積分
Figure 0004749470
の値を求めるために使用でき、ここにおいて、N1は、次元の集合x、つまり、集合xに関連するs1次元に関連する積分ドメインの残りの次元上に対して選択されたサンプル数を特定する。次元分割x,yが、関数fが積分ドメインの集合y上の相対的に高い分散と、集合x上の相対的に低い分散を呈示するように選択されると、関数に対して、サンプル値を、N1×N2回生成する必要はなくなる。その場合は、積分ドメイン上で、サンプルをN2回だけ生成すれば十分である。値を求める関数の値の間の相関の程度を示し、(xi,yi)=(ξ,η)においてはf(ξ,η)であり、b(xi,yi)=(ξ,η´)においてはf(ξ,η´)である、f(ξ,η)とf(ξ,η´)の相関係数が相対的に高い場合は、関数
Figure 0004749470
の値を求めるために必要な時間計算量は減少する。
被積分関数の滑らかさは、相関サンプリングと称される方法を使用して利用できる。一般的には、つまり、積分値を求めるときに相関サンプリングが使用されなければ、各次元はそれぞれの列に関連する。しかし、相関サンプリングにおいては、同じ列が、積分ドメイン上のすべての次元に対して使用できる。つまり、
Figure 0004749470
である。
依存サンプリングによる軌道分割の方法は、方程式(1.32)及び方程式(1.33)に関連して上述した軌道分割技術と、方程式(1.34)に関連して記述した相関サンプリング法の組合せを利用する。
積分は、zj∈IS2に対するトロイド移動のもとでは不変、つまり、
Figure 0004749470
であり、積分の値もまた変わらない。このように、方程式(1.33)において、内部積分がM回反復されると、
Figure 0004749470
となる。
指標jに対して、関数f(xi,Sj(yi))は相関付けられ、上記の方程式(1.19)(レンズサンプリング)と、方程式(1.20)および方程式(1.21)(領域光源)と、方程式(1.29)(拡散照明項に対する近似)とに関連して示されたように、利用されるyにより表現されるそれらの次元において、被積分関数の滑らかさを可能にする。反復を使用して値を求めることは、ランダムオフセット値yiだけシフトされた局所求積法則
Figure 0004749470
の繰返しの適用である。この方法で従属変数を使用すると、特に、1つまたは2つ以上の次元に沿う被積分関数においてある滑らかさがあるときは効果がある。分割は、再帰的に適用でき、それにより履歴ツリーがもたらされ、そこにおいては、それぞれの履歴ツリーを介する経路は、フォトンのような粒子の軌道を表現している。
依存サンプリングによる軌道分割の準モンテカルロ法は、決定性の超一様分布サンプル点の集合を、グローバル求積法則
Figure 0004749470
つまり、積分ドメイン全体を備えるすべての次元s1+s2上の積分と、局所求積法則
Figure 0004749470
つまり、積分ドメインの次元s2上の積分の両者に対して利用する。この方法は、超一様分布サンプリングの層化特性を利用して、分割と依存サンプリングを統合する。従って、被積分関数が高いレベルの分散を呈示する次元に沿ってより多くのサンプルを、被積分関数が低いレベルの分散を呈示する次元に沿っては、より少ないサンプルを集中することが可能であり、関数の値を求める必要のあるサンプル点の数が削減される。この方法が複数回、再帰的に適用されると、一般的には、集合UM,s2を備えることになる一連の値Zjを計算することに価値が出てくる。更に、この方法は重要度サンプリングと共に、また、Uが無限列の場合は、適応サンプリングと共に使用することができる。適応サンプリングに関連して、適応はサンプリング率とは独立して反復において適用され、それによりアルゴリズムは整合性を保てる。超一様分布サンプル点集合UN,s1+s2とUM,s2は任意に選択できる。例えば、サンプル点集合UM,s2は、サンプル点集合UN,s1+s2の射影であってよい。軌道分割が再帰的に適用されて軌道ツリーを構築するときに、後続の分岐に対して点集合UN,s1+s2を生成することは、それぞれのツリーの分離部分の相関をなくすために使用できる。
図5は、ここでは「コードセグメント1」と称される、ジッター化されたサブピクセルサンプル点xiの位置を生成するためのC++プログラミング言語におけるコードフラグメント140を示している。図6は、ここでは「コードセグメント2」と称される、レイツリークラスRayを生成するためのC++プログラミング言語におけるコードフラグメント142を示している。
本発明に従うシステムは、その全体または部分を、特別用途のハードウェアまたは汎用コンピュータシステム、またはその部分が適切なプログラムにより制御できるそれらの任意の組合せにより構築できるということは理解されよう。任意のプログラムは、全体に、あるいは部分的に、従来の方法でシステムの一部を含む、またはシステム上に格納でき、またはその全体、あるいは部分的に、従来の方法で、ネットワークまたは情報を伝達する他の機構を介してシステムに提供できる。更に、システムは、オペレータが、システムに直接接続でき、または情報をシステムに、ネットワークまたは従来の方法で情報を伝達する他の機構を介して情報を伝達するオペレータ入力要素(図示せず)を使用して提供される情報により操作および/または制御できるということは理解されよう。
これらの点に留意して、次は、適応準モンテカルロ積分による画像合成を取り上げる。
II.適応準モンテカルロ積分による画像合成
画定的にスクランブルされたHalton列の陰的層化特性を解析すると、多数のレンダリングアルゴリズムを改善する、適応インターリーブされたサンプリング方式に到達する。相関のない適応ランダムサンプリング方式と比較すると、増加Halton列からの相関のある、高度に均一サンプル点は、より高速の収束およびはるかに強固な適応という結果になる。方式は確定的なので、並列化および再現性は些細なことになり、インターリービングは、エイリアシングを最も効果的に回避する。ここで記述するサンプリング方式は、例えば、産業経路トレーシング、分布レイトレーシング、および高度解像度合成を含む、多数のアプリケーションにおいて有益である。
上記に検討したように、画像合成の工程は、画像における各ピクセルの色を計算することを含む。ピクセルの色それ自体は、積分により決定される。被積分関数の次元が高いこと、および未知の不連続点により、この積分は、典型的には、モンテカルロ法のような数値解析技術を使用して近似しなければならない。画像合成工程の効率は、被積分関数の複雑さにおけるバラツキを考慮する適応方式を使用することで相当に改善できる。
コンピュータグラフィックのために開発された解析積分法は、小さな問題、つまり、低被積分関数次元またはテクスチャ化されていないシーンに対しては非常によく機能する。しかし、不連続点メッシングまたは近似解析積分のようなアプローチは、例えば、より高階のシャドウ効果に対しては、まったく機能しない。従って、高度レンダリングアルゴリズムは、サンプリングに依存する。
初期のコンピュータグラフィックから始まって、多数の適応サンプリング方式が、レンダリング効果を制御するために開発されてきた。これらの方式の多くは、積分ドメインを各軸に沿って分割することに依存している。低次元積分(例えば、ピクセルアンチエイリアシング)のみが関心対象である限りは、軸整列した再帰的改良の本質的な次元の呪いは認識できなかった(用語「次元の呪い」とは、計算コストが、問題の次元と共に典型的に指数関数的に増大するという既知の問題のことである)。これらの方式は今日でも依然として適用されている。しかし、次元の呪いのために、例えば、分布レイトレーシングおよびグローバル照明シミュレーションにおいて、これらの方式は、例えば、画像平面のように、被積分関数の最低次元にのみ適用される。
多くの適応方式は、改良を制御するために、単一のサンプルを比較することに依存している。例えば、エッジは、閾値に対するコントラストを比較することにより検出される。そのような方式は、2つの側面において不備である。コントラストによる改良が見られないときは、それにも拘わらず重要な画像への貢献が見落とされることもある。一方では、改良は度を過ぎることがある。これは、例えば、透視図における、無限白黒チェッカー盤をサンプリングするときに起こる。水平線では、改良は全深度に及ぶが、正確なピクセルの灰色は、既に1つの白黒サンプルにより取得されていることもある。
実際、サンプリングに基づく改良のパラダイムは、被積分関数それ自身の関数近似を行なうが、被積分関数の平均しか必要としない。これは、計算される関数の推定値の推定分散を考慮する、ピクセル選択的モンテカルロ方式により考慮される。しかし、モンテカルロ誤差推定は、独立したランダムサンプルを必要として、それは、サンプルの均一度を制限し、従って、収束速度を制限する。
適応サンプリングを画像処理と考えると、改良をトリガーするために、画像におけるノイズまたはエッジを、ピクセル間の導関数を計算することにより容易に特定できる。
画像合成を、独立したピクセル値のみの代わりに、同族汎関数を計算することと考えることにより、強力な適応サンプリング方式が開発されてきた。従って、サンプル点の層化列は、スクランブルされたHalton列から抽出される。これらの点は確定的であるが、エイリアシングは最も効果的に回避される。部分列の高度な均一性に加えて、ピクセル積分にトーンマッピングを組み込むことにより、良好かつ滑らかな収束がもたらされる。従って、適応は、簡単な画像処理演算子を、単一のサンプルにではなく、最終ピクセル値に適用することにより、強固に制御できる。すべてが確定的であるので、制作において要求される正確な再現性は些細な問題である。新しい技術の良好な性能は、種々のアプリケーションに関して下記に記述される。
スクランブルされたHalton列をここで記述する。ここでの検討の目的のため、フィルタ処理、トーンマッピング、および実際のラジアンス計算は、s次元単位立方体上で定義された被積分関数fに隠蔽される。従って、ピクセルの色は、積分
Figure 0004749470
により決定され、位置xj∈[0,1)Sにおいて、N個の関数サンプルを平均することにより数値的に近似される。
非適応準モンテカルロ積分は、コンピュータグラフィックにおいては非常に効率的であることが示されている。以前の、いわゆる準モンテカルロ点は超一様分布であり、それは、高い相関性のために、ランダムサンプルよりも、はるかに均一に分布できることを意味する。しかし、それらの決定性性質のために、サンプル自身からの不偏誤差推定は、モンテカルロ法とは反対に可能ではない。
準モンテカルロ積分の、はるかに速く、滑らかな収束を利用して、信頼のおける適応制御を得るために、スクランブルされたHalton列の重要な特性を下記の検討において記述する。決定性超一様分布点は、下記に検討するサンプルコードから分かるように、容易に構築できる。
「根基逆元による層化」をここで記述する。根基逆元
Figure 0004749470
は、指標iの表現を桁
Figure 0004749470
により、小数点において、整数基底
Figure 0004749470
において反映する。基底b=2においてとは、
Figure 0004749470
を意味する。この観測は一般化され、周期性という名称が与えられる。しかし、実際には、この特性は、(0,1)−列の定義により公式化されたように、層化により多大に関連する。従って、実際の層化特性を強調する、異なる派生例がここで提示される。指標iは、
Figure 0004749470
のように選択され、方程式(2.1)に代入され、(0,1)−列のクラスに属する根基逆元の加法性を利用して、
Figure 0004749470
がもたらされる。この結果の第1項はjに依存し、b-nにより明確に境界が定められており、一方、第2項は、kの根基逆元による一定オフセットである。
Figure 0004749470
なので、
Figure 0004749470
という結果になる。そして、
Figure 0004749470
に対するkにより、最初のn個の桁を固定することにより、区間
Figure 0004749470
においてのみ、根基逆元がもたらされる。
ここで、Halton列からの層化サンプルについて記述する。準モンテカルロ積分に対しては、多次元一様サンプルが必要である。しかし、方程式(2.2)から、根基逆元は、完全には一様には分布していない、つまり、乱数ジェネレータとは置き換えられないことが分かる。従って、多次元一様決定性サンプルが、例えば、Halton列
Figure 0004749470
により構築され、ここで、c番目の成分対して、bcはc番目の素数である。
上記の一次元における観測は、より高次元に一般化される。層化サンプリングは、陰的に埋め込まれる。これは、指標
Figure 0004749470
を選択して、
Figure 0004749470
を、方程式(2.3)に類似してもたらし、従って、方程式(2.4)により、指標iを選択したときの固定kおよび
Figure 0004749470
に対して、
Figure 0004749470
であることから分かる。kにより選択された、お互いに素な層
Figure 0004749470
は、お互いに素であり、単位立方体[0,1)Sの一部を形成することが分かる。しかし、この方式は、すべてのs次元を層化することは、層数の指数関数的な増加という結果になるので、次元の呪いの影響を受ける。これは、最初の4次元のみが層化された理由であり得る。
層化特性は図7(A)と図7(B)に示されており、それぞれ、0≦i<j・6+k<24・33=216に対する、Halton列の最初の2成分xi=(Φ2(i),Φ2(i))のプロット200と210を示している。強調された点の層は、k=1のすべての指標iを含む。層を正方形に拡大/縮小しても、つまり
Figure 0004749470
でも、分離した写像なので非一様分布には影響しない。
決定性スクランブリングについてここで記述する。Halton列は良好な一様特性、つまり、超一様分布および最小距離特性を呈示する。しかし、低次元射影は、相関パターンを呈示する。図8(A)と図8(B)は、低次元射影220と230の対を示している。図8(A)は、点
Figure 0004749470
に対するHalton列を示している。図8(B)は、点
Figure 0004749470
に対する、スクランブルされたHalton列を示している。図8(A)および図8(B)に示されているように、スクランブリングは、一様性をかなり改善する。
普通は認識されないが、この低次元相関は、低次元構造を有するコンピュータグラフィックにおける被積分関数と干渉することがよくある。例えば、相関は、経路トレーシングに使用されるような、二次元散乱事象の列における収束を減速することがある。
1つの解決策は、Halton列をスクランブルすることである。根基逆元はスクランブルされた根基逆
Figure 0004749470
と置き換えられ、スクランブルされたHalton列
Figure 0004749470
をもたらす。桁a1(i)に適用されるスクランブリング置換πbは、恒等式π2=(0,1)から開始する再帰法により決定される。bが奇数の場合は、πbはπb-1から、≧(b−1)/2の各値を増加して、中間に(b−1)/2を挿入することにより構築される。それ以外の場合は、πbは、
Figure 0004749470
と、
Figure 0004749470
を結合することによりπb-1から構築される。このアルゴリズムは、
Figure 0004749470
をもたらす。このスクランブリングは一様性を改善する。これは、図8(A)と図8(B)に示されているように、低次元射影に対して特に可視的である。更に、サンプルの最小距離が増加され、増加された一様性を示す。1つの実践を下記に記述する。
方程式(2.3)と、上記の検討からの観測とにより、単純な方法でスクランブルされたHalton列に遷移できる。これは、π2とπ3が恒等式であり、従って、
Figure 0004749470
および、
Figure 0004749470
であるので、二次元層化に対して見ることができる。
ここでランダム化による偏り消去に対する技術について記述する。構築により、根基逆元は、方程式(2.1)及び方程式(2.2)において記載したように、有理数
Figure 0004749470
のみを生成する。それにも拘わらず、準モンテカルロ積分は、Riemann積分可能関数に対して、偏りがあるが、整合性を有することを示すことができる。
必要であれば、偏りは、法1によるスクランブルされたHalton列の決定性点
Figure 0004749470
をランダムに移動することにより除去でき、ここにおいて、
Figure 0004749470
は、単位区間上の一様乱数の、独立した実現のベクトルである。結果としての最小にランダム化された推定量は解析され、
Figure 0004749470
の分散減少が、2乗積分可能関数に対して証明された。これの複数の実現と、他のランダム化技術により、積分誤差を制御するための分散の推定が可能になる。誤差は異なる方法で制御されるので、そのようなランダム化のインスタンスは、偏りを相殺するには十分である。しかし、実際には、ランダムに移動された点に比較しての、従ってランダム化に比較してのスクランブルされたHalton列の偏りは無視できるようになる。
ランダムスクランブリングを考慮することにより、第2の重要な観測が得られる。サンプルの一様性がしばしば改善される。しかし、ある実現はまた、例えば、相互最小距離を減少することにより点集合の一様性を低下させてしまう。我々の実験は、ランダムスクランブリングは、スクランブルされたHalton列の一様性をわずかにのみ変更することを示し、それ自身がランダムスクランブリングに対して利用できる置換の部分集合である決定性置換πbが、非常に良い選択であることを示している。更に、スクランブルされたHalton列を実践することは、下記に記述するように、ランダムスクランブリングよりも簡単である。
上記の観測から、ランダム化は、現在記述されているアプリケーションに対して不要であると結論することができる。決定性の、スクランブルされたHalton列の構造は、特別な実践に対して、下記に記述する。
画像合成の新しい技術をここで記述する。画像合成は、ピクセル色のマトリックスの計算
Figure 0004749470
を含む。位置(m、n)においてピクセルに対して積分される関数fm,nは、普通は不連続点を含み、高次元であり得る。効率的な一般解析解は得られないので、積分は数値解析により近似される。更に、被積分関数の複雑さは、適応積分が成果を上げるように変化する。
決定性アンチエイリアシングをここで記述する。図7(A)と図7(B)に示されるように、第1成分xi (1)はb1 n1により拡大/縮小され、第2成分xi (2)はb2 n2により拡大/縮小される。このように、b1 n1×b2 n2の層化サンプルパターンが得られ、それは、画像平面上で周期的にタイルのように並べられる。図9は、タイルのように並べられたサンプルパタ−ンのプロット240を示している。
各層をピクセルで特定することで、識別子kが、例えば、テーブルルックアップによりピクセル座標から決定され、そのピクセルに制限されたHalton列が、
Figure 0004749470
から得られる。
この制限とは、第1および第2成分の最初の少数第n1とn2位をそれぞれ固定することを意味し、Halton点の良好な一様性の特性を変えない。従って、決定性の超一様分布サンプリングの改善された滑らかな収束が保存される。収束は、実際に被積分関数の境界を定めるトーンマッピング技術を適用することにより実質的に更に改善される。そして、画像処理演算子によりトリガーされた適応は、非常に信頼できるものになる。層の数b1 n1xb2 n2は、n1とn2により決定され、それは十分大きく選択され、それにより、隣接するピクセル再構築フィルタにより覆われた層は繰返しパタ−ンを含まない。
モンテカルロ積分に対しては、サンプルから積分誤差を推定することにより適応を制御することは容易であるが、これは、準モンテカルロ積分の相関のあるサンプルに対しては可能ではない。
ピクセルは、改良基準が満たされればいつでも改良される。例としては、単純な基準は、閾値Tに対して画像勾配
Figure 0004749470
をチェックすることにより改良を示す。指数α∈[0.5,1.5]を、収束の速度に適合するために使用できる。Nm,nはピクセル(m,n)に対して使用されたサンプル数である。
音楽楽器から知られているように、信号を切り取ると歪が生じる。従って、切り取る代わりに、圧縮が使用され、それは、信号上の上界が、連続微分可能関数を使用して達成されることを意味する。更に、単一の信号は、混合される前に圧縮される。
本発明の1つの形態によれば、同じことが画像合成に対しても行われる。方程式(2.6)において、輝度Lは平均化の前に、
Figure 0004749470
により圧縮される。α∈[0,1]により、α=1で切り取られる線形移動と、α=0に対する圧縮の間で混合が可能である。x=0におけるx/(1+x)の導関数は1であり、写像Rαは連続的に微分可能である。出力媒体に依存して、例えば、ビデオ表示またはフィルム材料特性に対する標準RGB圧縮のような、多数の他の応答曲線写像Rαが可能である。
求積法において直接トーンマッピング、つまり、圧縮を行なうことは、例えば、反射または光源サンプルからの、過剰変調問題に対する解決策であり、従って、収束は、被積分関数がここでは境界が定められているので増大する。このように、勾配ドメイン法とは反対に、ノイズレベルは低減され、高度フィルタ核構築が不要になる。
上述した技術を画像合成に適用することにおいて、より多くのサンプルが使用されて、最終画像におけるある詳細を解像するために使用される。適応サンプルは、画面空間において、あるコントラスト基準により、最初の2つの次元におけるHalton列を改良することにより生成される。
上述した技術は、多数の異なるアプリケーションを有しており、高解像度合成、フレームレスレンダリング、および並列処理化が含まれる。
根基逆元の層化特性に基づいて、画像合成に対する新しい適応積分アルゴリズムが提示されている。インターリービングのために層化を使用して、エイリアスは効果的に抑えられ、一方、超一様分布列の滑らかな収束により、非常に効率的で強固な、適応のための終端基準の使用が可能になる。すべてのサンプル位置は確定的なので、サンプリングされた関数値を格納することにより、高解像度合成が可能になる。類似の方法で、収束は、例えば、Sobol列のような、(t,s)−列の微細構造を使用することにより改善できる。記述した技術は、2次元においてのみ層化による恩恵を受けるが、次元の呪いのために、一般高次元層化に対しては適切ではない。
図10は、本発明の更なる形態によるインターリーブされた適応スーパ−サンプリング技術を示すプロット250を示しており、全画面上にタイルのように並べられる。プロットされた点は、
Figure 0004749470
により表現される。
画像は(1,1.5)により拡大され、2×3層化が使用される。図10に示すように、層はオフセットによりアドレスされ、サブピクセル内に点列を生成する。点は、所望の層のオフセットOに、層数と点番号を乗算した数を加えたものにより列挙される。プロットの例として示されている部分において、点数は、
Figure 0004749470
である。
方程式i=6j+3において、jは、2×3層化なので、6により乗算される。また、i∈{0,1295}=24・34である。
示されたインターリービング技術を使用して、隣接するピクセルが異なるようにサンプリングされるが、厳密に確定的である。
III.準モンテカルロ積分に関する追加例および点
コンピュータグラフィックテクストブックは、決定性パタ−ンまたは格子を使用して画像をサンプリングすると、エイリアシングという結果になると教示している。エイリアシングは、ランダムな、つまり、画像の独立したサンプリングによってのみ回避できる。このように、テキストブックは、典型的に、ブルーノイズ特性を有するランダムサンプルを推奨する。しかし、サンプルのこれらのタイプは、その最大化された最小相互距離により、強く相関付けられている。テキストブックのアプローチとは反対に、ここで記述されるシステムおよび技術は、準モンテカルロ法によるパラメータ積分に基づいており、それらは厳密に確定的である。
画像合成は、コンピュータグラフィックの最も可視的な部分である。画像合成の1つの形態は、物理的に正確な画像の合成に関する。このように、1つの画像合成技術は、光源とカメラを結合する光路を特定し、そのそれぞれの貢献度を合計することを含む。画像合成の別の形態は、例えば、ペンストロークまたは水性カラーのシミュレーションを含む非フォトリアリスティックレンダリングに関する。
画像合成は、積分近似問題をもたらし、それに対しては、例外的な場合においてのみ、解析解が得られる。従って、数値解析技術を適用しなければならない。従来技術のアプローチは、典型的には、古典モンテカルロ積分の要素を使用し、そこにおいては、ランダム点が、画像積分に対する解を数値的に近似するために使用される。しかし、ここで記述したように、準モンテカルロ積分を使用するほうがはるかに効率的であり、そこにおいては、擬似乱数の列が使用されて、画像積分に対する解が計算される。ここで記述されているシステムと技術は、例えば、典型的には、極端に多数の高品質画像を必要とする動画においては有益である。
基盤となっている数学的作業は、強度I(k,l,t,λ)を決定することであり、ここにおいて、(k,l)は表示媒体上のピクセルの位置である。明確にするために、下記においてはピクセルの色成分の、時間tおよび波長λへの依存性は省略する。
単一ピクセルの強度I(k,l)を決定する、つまり、ピクセルを通る光束を測定するには、ラジアンス輸送積分方程式
Figure 0004749470
の解の汎関数を計算することが必要である。
第2種のFredholm積分方程式のように、点xにおける方向ωへのラジアンスLは、ソースラジアンスLeと、単位球S2上の積分である、反射され、伝達されたラジアンスTfLの合計である。xにおける表面法線と、入射方向ωiの間の角度θiの余弦は、fにより与えられる表面インタフェース特性により色が付けられる、直交入射ラジアンスのみを説明する。最終的に、hは、xから方向ωiへのレイの交差の最近点を決定する。ここではスペース不足のために省略するが、関連する媒体への拡張は、同じ構造を呈示する。
画像のすべてのピクセルを、
Figure 0004749470
のように同時に計算することは、積分近似問題である。写像Rαは、カメラと、ラジアンスLへのその応答の数学的記述を表現する。Rαは、ほとんどの表示媒体の制限あるダイナミックレンジを補償できるように、しばしば非線形である。
物理的に正確な設定においては、ノルム
Figure 0004749470
はエネルギー保存を保証するために1により境界を定めなければならない。そしてNeumann級数は収束し、ラジアンスの計算
Figure 0004749470
は、次元が増加するにつれて、積分値の無限合計に還元される。単一積分Ti feは、スタッキング輸送演算子から継承した繰返し低次元構造を有している。明確に、輸送演算子のより低い冪乗数は、より重要である可能性がある。現実世界の光源Leは、境界が定められており、従って、ラジアンスLは、一様に、あるb>0により境界が定められることができる。更に、現実世界のラジアンス
Figure 0004749470
は、有限エネルギーの信号であり、このように、二乗積分可能でなければならない。
しかし、例えば、鏡面反射のような、特異表面特性は、しばしば、Diracのδ分布を使用して、
Figure 0004749470
のようにモデル化され、ここにおいてω’≡ω’(ω)は、鏡面反射の方向である。そして、解演算子の演算子ノルムは、1にさえ到達でき、Neumann級数は発散できる。不十分な技術の追加的な問題は、ある輸送経路は効率的にサンプリングができず、火線をレンダリングするフォトン写像アルゴリズムのような偏りのある近似の必要性が強制されるために、
Figure 0004749470
により引き起こされる。
ラジアンスLと、強度Iの両者は、非負であり、区分的連続であり、不連続点は効率的には予測できない。強度I(k,l,t,λ)を表現し、実際に近似する関数クラスの実際の基底は、例えば、TFT表示の色成分に対するインターリーブされたボックス基底やJPEG圧縮画像の余弦のような表示媒体または画像格納フォーマットにより決定される。
効率的な解析解がないために、レンダリングアルゴリズムは、画像合成を、数値積分近似に還元する。アンチエイリアシング、動きのブレ、および被写界深度を有するカメラをシミュレートすることは、すでに強度Iの積分ドメインに対して5つの次元の貢献をしている。領域光源および反射の各レベルは、別の2つの次元に貢献する。従って、数学的問題は、高次元、不連続的であり、L2 bにおいてである。テンソル積技術は、次元性および連続性の欠如から利用できないので、モンテカルロおよび準モンテカルロ法は当然の選択である。
モンテカルロ法は、平均による積分の推定に、ランダムサンプリングを使用する。準モンテカルロ法は、モンテカルロ法と類似するが、それは被積分関数のサンプリングに決定性点を使用する。ランダムサンプルと対照的に、特別に設計された決定性点集合は、強く相関付けられており、それにより、より高度の一様性を可能にし、より高速な収束という結果になる。
単位区間上の実乱数は、独立性、予測不可性、および一様性により特徴付けられている。モンテカルロ積分に対しては、独立性が、誤差境界を実証するために要求され、一様性は収束のオーダーを実証するために要求される。実乱数は、生成するのが高価なため、普通は、効率決定性アルゴリズムを使用して擬似乱数をシミュレートし、それは、当然完全に予測可能であるが、見かけは独立的である。しかし、独立性は、サンプルを平均した後には観測できない。
準モンテカルロ積分は、これらの観測に基づいている。独立性と予測不可性を無視することにより、乱数サンプルよりも更に一様である、決定性点を構築できる。そのような決定性点集合Pn={x0,...,xn-1}⊂[0,1)sに対しては多数の構築があり、それらは、(1)根基逆元に基づく点集合と、(2)ランク−1格子点に基づいている。
(1)根基逆元に基づく点集合は、
Figure 0004749470
によりサンプルを決定し、ここにおいて、
Figure 0004749470
は、整数基底bにおける根基逆元である。桁aj(i)は基底bで表現される指標iのj番目の桁である。Hammersley点集合は、bcをc番目の素数として選択することにより得られる。これらの点の一様性は、逆関数を計算する前にaj(i)に置換を適用することにより改善された。置換
Figure 0004749470
が使用され、他の置換が開発され、これらの結果が一般化され、改善された。桁aj(i)に適用された写像の適切な集合と共にすべてのbc=bを選択することにより、(t,m,s)−族の構築および理論がもたらされる。どのようにして効率的に根基逆元を計算するかについて多くの研究がなされた。1つの方法は、最小T桁の合計を表にして、それらを、点
Figure 0004749470
を生成する間に再使用することである。この方法は、スクランブルされた根基逆元の状況において開発された。Grayコードを使用する代わりに、この方法は、点をその自然な順序で、ほぼ等しい速度で生成する。
(2)ランク−1格子点
Figure 0004749470
は、根基逆元に基づく点よりも速く生成される。その品質は、整数ジェネレータベクトル
Figure 0004749470
に依存する。しかし、良好なジェネレータベクトルの構築は簡単ではない。検索空間を縮小するために、ジェネレータベクトルは、gi=aiのたった1つのパラメータaにより決定されている。より高次のランク格子は、ランク−1格子の線形結合により構築できる。
両者の原理が一般化されて点列がもたらされ、それにより、以前に採取したサンプルを破棄することなく、適応サンプリングが可能になるが、一様性がわずかに損なわれる。つまり、Halton列とHammersley点に対応するその変形と、(t,m,s)−族を含む(t,s)−列、および格子を含む拡張可能格子規則である。
上記の構築により、単位区間における有理数がもたらされる。基底b=2とn=2mの点を使用することは、点が、二進数浮動小数点演算に対するANSI/IEEE 754-1985規格により定義されるように、実際のマシン数
Figure 0004749470
において正確に表現できるので特に興味深い。
前節における異なった構成は、実際には1つの共通する特徴がある。それらは、単位立方体の一様な部分を誘導する。この種の一様性は、次のように特徴付けられる。
定義1.(Χ,Β,μ)を任意の確率空間とし、ΜをΒの空でない部分集合とする。Χのn個の要素の点集合Pnは、
Figure 0004749470
であれば、(Μ,μ)−一様と称され、ここにおいて、xi∈ΜならばχΜ(Χi)=1であり、それ以外はゼロである。
(Μ,μ)−一様点集合の例は、デカルト積中点則および根基逆元に基づく点からの例である。更に、ランク−1格子もまた(Μ,μ)−一様である。格子のVoronoi図は、単位立方体を同一形状で、容積が1/nのn個の集合に分割する。これは、(Μ,μ)−一様に対しては、すべてのμ(Μ)は、同じ分母nを有しなければならないということを強調している。
コンピュータグラフィックの関数クラスは、Borel集合Βと、s次元Lebesgue測度λsを伴う確率空間
Figure 0004749470
を当然使用する。
点集合列は、その非一様分布が極限において消失し、そしてその場合のみ、一様に分布される。前節で概略を述べた決定性構成は、いわゆる超一様分布を得ることができ、それは、大雑把に述べれば、1/nで消失し、一方、独立ランダム点は、ほぼ1/√nを得ることができ、デカルト積中点則からの点は、わずか1/s√nしか得られない。
問題の原因となる非一様分布については、いくつかの事実がある。非一様分布は、その概念が軸整列ボックスに基づいているので、異方性測度である。従って、非一様分布は、点集合を回転することにより影響を受ける。デカルト積中点則からのサンプルは、良好でない非一様分布という結果になり、Fibonacci格子からの格子点は、そのいくつかは、単なる回転された方形格子であるが、超一様分布を有する。非一様分布は、点集合を単位トーラス上で移動することも非一様分布を変えることになるので、移動に対して不変でもない。
上記の定義1は、例えば、ランク−1格子のVoronoi図のように軸整列でない部分をサポートする。この意味での最大一様性は、Voronoi図の領域が、可能な限り球体を近似するように選択、つまり、Pnにおけるすべてのサンプル点における相互最小距離
Figure 0004749470
を最大化することにより得られる。
Figure 0004749470
は、単位トーラス上のユークリッド距離を表わすために使用されている。最小距離測度は等方性であり、移動により不変であるので、非一様分布のこれらの不都合な点をこのように克服する。
図11(A)〜図11(H)は、n=16(上側の列)とn=64(下側の列)に対する古典準モンテカルロ点を、それらの相互最小距離dminに沿って示している一連のプロット260〜330を示している。ランク−1格子は、その最小距離が最大になるように選択されている。より良好な非一様分布を有する構成もまた、Hammersley点、Sobol列、およびLarchere-Pillichshammer点に対して分かるように、より大きな最小距離を有していることを観測することは興味深い。置換により、Halton列の最小距離が、元のHalton列に比べて最大化されていることも観測できる。
図11(D)と図11(H)のランク−1格子は、Korobov格子であり、パラメータaは、最小距離を最大にするように選択されている。図11(D)におけるn=16の点におけるランク−1格子は、実際には、基底b=2における(t,4,2)−族として生成できる。これは、少なくとも2つの点がx軸に平行な1つの直線上に存在するので、品質パラメータt=0に対しては可能ではない。この場合、最良品質パラメータは、点が最大最小距離に到達することを防止する。
同様に、gcd(gi,n)=1を仮定することにより、格子のジェネレータベクトルに対する検索空間を、最大最小距離を有する格子を見つけることができないように制限する。ラテン超立方体の特性をt=0またはgcd(gi,n)=1によりそれぞれ強制することは、ある状況においては有益であるが、サンプル点が、最小距離という意味で単位トーラスを最適に覆うことが妨げられる。
より一様性の高い点集合を生成するために最小距離を最大化することは自然の原理である。例えば、網膜における感覚器官の分布は、このようにして成長する。アルゴリズム的には、この原理は「Lloyd緩和方式」として知られており、それによると、同じ電荷を有するサンプルを単位トーラス上に置くと、点は、ある平衡状態に到達するまで、お互いに反発するようになる。数学的観点からは、点は緩和の間、Voronoiセルの重心に移動される。この方式の収束は、二次的に改善された。ランク−1格子は、この種の緩和方式のもとでは不変であることに留意されたい。
Figure 0004749470
により誘導された単位トーラス上の相互ユークリッド距離を最大にすることで選択された点集合は、s次元空間を充填するために、シームレスにタイルのように並べることができるという利点を有している。この特性は格子に固有なものである。しかし、このことは、根基逆元に基づく点に関しては一般的には当てはまらない。LarcherとPillichshammerによる点は、シームレスにタイルのように並べられるが、Hammersley点はそうではない。実際には、ノルム
Figure 0004749470
は重み付きノルムであるべきで、それは、積分ドメインのサイズを含む。図12(A)〜図12(C)は、単位立方体(図12(A))、積分ドメインに寸法を合わされた単位立方体(図12(B))、そして積分ドメイン(図12(C))における最大最小距離による格子の選択を示している一連の線画340〜360を示している。積分ドメインの拡大/縮小を考慮することにより、より一様性のある点がもたらされる。特に、単位立方体上で最小距離を最大にすることは、積分のドメインを拡大/縮小するときに、良好な一様性を意味しないことが分かる。
準モンテカルロ積分は、多くのアプリケーションにおいてモンテカルロ積分よりも高い性能を示すということはよく知られている。しかし、古典誤差境界理論は、アプリケーションの関数クラスに適合しないことがよくある。
Koksma-Hlawka不等式は、積分誤差を、サンプル平均を決定するために使用されたサンプル点の非一様分布と、HardyとKrauseの意味における被積分関数の変分との積により確定的に境界を定める。変分は、誤差境界における因子として非一様分布を取得しようとした剰余として考えることができる。
境界を定められた変分の関数のクラスは、ある状況においては現実的でない。例えば、座標軸に整列していない不連続点は、すでに無限変分をもたらしている。誤差境界は、変分の境界が定められていない単位正方形におけるエッジ
Figure 0004749470
のような、コンピュータグラフィックの既に十分単純な設定においてはこのように役に立たないものになる。例えば、等方性非一様分布のような他の種類を使用すると、この場合に機能する誤差境界を見つけることができる。しかし、それはより高い次元においては、あまりにも悲観的になり過ぎる。
Koksma-Hlawka不等式に類似して、格子による積分に対する決定性誤差境界が存在する。使用された関数クラスは、周期性関数を必要とし、被積分関数のフーリエ係数にある制限を課し、それは、コンピュータグラフィックで使用されたように、不連続関数に対しては適用されない。
莫大な数の刊行物において、準モンテカルロ法が実際には、モンテカルロ法より高い性能を示すことが実験により数値的に証明されているが、それらの多くの場合において、古典理論は、観測された結果を説明できない。主な理由は、一般的な不連続点は、古典誤差境界では説明できないからである。
上述したように、画像合成は、L2 bにおける積分近似問題であり、準モンテカルロ積分近似は、コンピュータグラフィックにおいて使用され、良好な結果を残してきた。従って、下記の定理は、パラメータ積分という意味において一般化できる。
定理1.(Χ、Β、μ)を任意の確率空間とし、Μ={M1,...,Mk}を1≦j≦kに対して、Μj∈ΒのΧの一部とすると、任意の(Μ,μ)−一様点集合Ρ={Χ1,...,Χk}および、Χに境界を定められμ積分可能な、任意の有界関数fに対して、
Figure 0004749470
が任意の適切なノルム
Figure 0004749470
に対して得られる。
この定理は、次のように証明できる。すべてのy∈Yに対して、任意の層Mj∈Mを考える。すると、
Figure 0004749470
が成り立ち、これは、
Figure 0004749470
を暗に意味するが、それは、Ρが(Μ,μ)−一様点集合であることによる。同様に、
Figure 0004749470
が成り立つ。後半の2つの不等式から、
Figure 0004749470
が得られる。ΜはΧの一部なので、
Figure 0004749470
が成り立つ。
前出の不等式を使用して、ノルム
Figure 0004749470
を、結果の不等式の両辺に適用することにより、所望の境界がもたらされる。
yを省略することにより、ノルムは絶対値に還元され、しかしもとの定理のままであり、下記の定理2の証明でもある。
定理2.(Χ、Β、μ)を任意の確率空間とし、Μ={M1,...,Mk}を1≦j≦kに対して、Μj∈ΒのΧの一部とすると、任意の(Μ,μ)−一様点集合Ρ={Χ0,...,Χn-1}および、Χ上の任意の境界を定められたμ積分可能な関数fに対して、
Figure 0004749470
が得られる。
非一様分布の代わりに(Μ,μ)−一様点集合の概念を使用することにより、証明はより単純になり、結果は、以前のアプローチと比較してより一般化されている。(Χ、Β、μ)=([0,1)S,Β,λs)により両者の定理は、コンピュータグラフィックの設定において適用可能である。
例えば、決定性誤差Ο(n-1/2)境界は、k=nとして、(Μ,μ)−一様な点集合を選択することにより得ることができる。上限と下限の差は、分割のΟ(n-1/2)集合においては、1でしかあり得ず、不連続点がその間を横切り、それ以外は、それはゼロでなければならない。μ(Μj)=1/nにより境界が得られる。この議論は、決定性アルゴリズムに対して、確率的な議論を使用していないことが分かるであろう。
準モンテカルロ法は、それらが確定的であるために、偏りが加えられるが、右側解に漸近的に収束するので整合性を有する。これらのアルゴリズムをランダム化することにより、不偏推定量および不偏誤差推定量が可能になる。
依存テスト
Figure 0004749470
の方法をまず、結果に変化を与えない等価変換を適用し、次に、1つのランダムサンプルωを使用して不偏推定値を得るように考慮することは有益である。
この公式化は、依存テストの方法の効率を高める技術の広い範囲をカバーすることができる。例えば、任意の点のランダムサンプリング、単位トーラス上でのランダム平行移動、任意の点集合のランダムパディング、層化およびランク−1により誘導された層化、軌道分割、および更に多数の技術は、関連付けられた重みwiを有する反復Riの集合体から容易に公式化できる。
yを省略することにより、重さが同じという特別な場合
Figure 0004749470
であって、固定ωに対して、点の集合
Figure 0004749470
がランダム化準モンテカルロ積分として定義され、ここにおいて、(Ri(ω))n−1は超一様分布である。
独立実現を繰り返すことにより、不偏の方法で、近似の誤差を推定できるようになる。しかし、独立ランダムサンプルは、相関付けられたサンプルができるようには、一様に分布させることはできないので、ある収束は犠牲になる。これは、少数のサンプルを使用する、コンピュータグラフィックの設定において特に顕著である。
アンチエイリアシングは、コンピュータグラフィックにおいては中心的な問題である。図13は、チェッカー盤模様テクスチャを有する無限平面のコンピュータにより生成された画像370であり、種々の難題を示している。チェッカー盤の前部においては、フィールドは明確に区別されているが、水平線に近づくに従って、異質なパタ−ンが現れる。チェッカー盤のセルが明確に区別される限り、ピクセルの色を平均として計算することは簡単であるが、これは、1つのピクセルを介して、無限に多数のセルが見える水平線においては不可能である。常識により、水平線におけるピクセルは灰色、つまり、黒と白の平均の色になると予想できる。しかし、驚くべきことに、ピクセルを拡大すると、黒と白のタイルの領域は一般的には等しくないことが分かる。これは、どんな求積法を使用しても、水平線は灰色には見えず、いくらかパタ−ン化していることを意味する。
人間の眼のレンズは完全には透明ではないので、このように、光を、それが網膜に到達する前にわずかにブレさせる。ブレの量は、網膜における感覚器官の解像度に完全に整合する。コンピュータグラフィックにおける同様なトリックは、積分前のテクスチャをブレさせることであり、そこにおいては、ブレの強度は、眼からの距離に依存する。しかし、このブレを生じさせる技術は、数学的問題がテクスチャに起因しないときは役に立たない。別の妥協案は、結果の画像をフィルタ処理することである。しかし、フィルタ処理技術は、エイリアスだけでなく、以前は鮮明であった詳細をぼかしてしまう原因にもなる。
エイリアシングは、ランダムサンプリングによってのみ隠蔽できる。各ピクセル内部の1つの独立したランダムサンプルを取ることで、水平線は、相関のない黒と白のピクセル値として現れる。この構造的エイリアスは、このようにノイズに写像され、それは眼に対してより擾乱が少ない。しかし、ピクセル当たりもっと多くのランダムサンプルを取ると、結果的に求積法は収束し、ノイズの代わりにエイリアスが現れる。
前述したような状況は、適切なフィルタ処理により管理できると仮定して、ここでは、コンピュータグラフィックの別のサンプリングパタ−ンを検討する。これらのサンプリングパタ−ンは、図14(A)〜図14(C)に示されている。図14(A)は、層化サンプリング380を示し、図14(B)は、ラテン超立方体サンプリング390を示し、図14(C)は、ブルーノイズサンプリング400を示している。図15(A)〜図15(E)は、一連の線画410〜450を示し、準モンテカルロ点を使用したサンプリングを示している。
(a)に示される層化サンプリングは、少なくともランダムサンプリングと同程度には良好である。しかし、層化サンプリングは、積分ドメインの各軸は、少なくとも1回は分割されなければならないので、次元の呪いの影響を受ける。
(b)に示されるラテン超立方体は、ランダムサンプリングよりはるかに悪いはずはなく、如何なる次元およびサンプル数に対しても利用できる。保証はできないが、平均の観測された性能は良好である。
(c)に示されるPoissonディスクサンプリングは、人間の眼の感覚器官の分布をシミュレートする。点の相互最小距離は最大化され、それは、レンダリングされた画像におけるノイズの減少という結果になる。保証された最小距離、つまり、各サンプルの周囲の空のディスクに制限されてはいるが、サンプル点はランダムに置かれている。このように、表現可能な詳細は、最終画像において鮮明のままであり、エイリアスは効率的にノイズに写像される。しかし、Poissonディスクサンプリングパタ−ンは、典型的には、生成コストが高い。
サンプリングパタ−ンの特性は互いに素であるように見えるが、効率的に生成できる準モンテカルロ点が存在し、それは上記の特性を統合する。
ここで、アンチエイリアシング技術について、基底b=2における(0,2m,2)−族を使用して検討する。
累積バッファアルゴリズムにおけるHammersley点の使用は調べられてきている。相当に改善されたにも拘わらず、各ピクセルは、同じサンプルを使用しなければならず、それはエイリアスを回避するためにはより高いサンプリング率を必要とした。その問題に対する1つの解決策は、基底b=2における、(0,2m,2)−族の構造を利用することである。
図15(A)〜図15(E)は、基底b=2における(0,2m,2)−族が、コンピュータグラフィックにおける古典サンプリングパタ−ンの特性を統合することを示している。Hammersley点の最初の2つの次元
Figure 0004749470
は、そのような点集合の例であり、それは層化され、ラテン超単立方体サンプルであり、少なくとも1/(2m2の保証された最小距離を有している。
依存テストの方法は、画像平面を、(0,2m,2)−族の複製でタイルのように並べることで実現される。図16は、プロット460を示しており、ピクセルにおいてサンプルがどのように、Hammersley点集合のタイルのように並べられたインスタンスにより決定されるかを示している。実線は、16のHammersley点の1つの集合を含む単位正方形を示し、破線は、画面ピクセル境界を示している。スペースがないので、イラストでは、ピクセル当たり4つだけのサンプルを使用している。
エイリアシングアーティファクトを削減するためには、隣接するピクセルは、異なるサンプルを有しなければならない。これは、1つのHammersley点集合を、複数のピクセルを覆うようにすることで達成される。収束のおける改善は、同じ図において見ることができ、そこにおいて、層化ランダムサンプリングと、Hammersley点集合を使用することによるアンチエイリアシングを比較する。改善点は、例えば、PIXAR's RenderManソフトウェアに使用されているようなREYESアーキテクチャのような、他のレンダリングアルゴリズムに直接移転できる。
最大最小距離によりランク−1格子を選択することは、Lloyd緩和および極限へのPoissonディスクサンプリングの原理を採用することである。ランク−1格子は、任意の点数nに対して利用できるので、サンプリング率は自由に選択できる。軸整列層化サンプリングに対して要求されるnの素因数分解は不要である。各ピクセルにおけるエイリアシングを減衰するために、異なるランダム移動が格子点に対して加えられ、不偏推定値という結果になる。このようにして得られた画像は、最小のノイズとエイリアシングを示す。ランダムに移動された格子は、迅速に生成でき、観測された収束は、前節の根基逆元に基づく方法と比較して更に速い。この方法は移動を、例えば、前節において指摘した層化特性を使用して、Hammersley点から抽出することにより非ランダム化できる。
前節の原理は、全積分近似問題を近似するために拡張できる。Neumann級数を使用すれば、Lの計算は、導入部で概略を述べたように、積分の合計に還元される。広範囲にわたる調査が、準モンテカルロ法と関連する経路トレーシングアルゴリズムと、準モンテカルロ法のランダム化されたバージョンについて行われた。すべての実験は、コンピュータグラフィックの古典アルゴリズムに比べて、準モンテカルロ法を使用すると改善される結果となった。
上述のように、準モンテカルロ法をランダム化することにより、不偏推定量と不偏誤差推定値が可能になる。後者の不偏誤差推定値は、コンピュータグラフィックにおいて特別に興味深いわけではなく、それは、下記に検討するように、より良好な適応法が既に存在するからである。更に、結果の画像は、準モンテカルロまたはそのランダム化されたバージョンが使用されてもされなくても、同時にそして同じ品質で生成できる。
しかし、ランダム化方式の、最小距離への効果を見ることは興味深い。ランダム移動により点集合をランダム化することは、トーラス上の最大最小距離を変化させないが、ランダムスクランブリングは変化させる。
ランダムスクランブリングを、古典超一様分布点集合に適用すると、一様性はしばしば改善されるが、減少することはめったにないことが観測できる。これは非一様分布と最小距離の両者に当てはまる。実験によると、ランダムスクランブリングは、スクランブルされたHalton列の一様性をわずかにしか変化させないことが示され、これは、決定性置換が既に非常に良好な選択であることを示している。
Halton列の置換は、ランダムスクランブリングの実現であり、ランダムスクランブリングが導入されるかなり前から決定性スクランブリングと考えられていた。置換は、非一様分布を改善するために導入されたが、Halton点の最大最小距離も増大させる。スクランブルされたHalton列を実践することは、ランダムスクランブリングよりもはるかに簡単で、一様性が好ましくないように影響されることを回避する。
コンピュータグラフィックにおいては、積分近似問題の難しさは、ピクセルにより異なり、適応法は効果がある。改良のための可能な基準は、画像の勾配
Figure 0004749470
を閾値Tに対して比較することである。指数α∈[0.5,1.5]により、収束の速度に適応することができ、nk,lはピクセル(k,l)に対して使用されたサンプル数である。または、改良は、ラジアンスLの値を求めるルーチンにより示すこともでき、それは、これらのルーチンがレンダリングされるシーンのより多くの情報にアクセスできるからである。
下記の検討においては、Halton列の要素による適応アンチエイリアシングに対する技術が記述される。この方法は、ランダムスクランブリングに優るが、それは、Halton列の点が、より一様性が高く、視覚で理解できるように説明した通り、サンプリングドメインのサンプリングが行われていない最大のギャップに収まり、これにより滑らかな収束という結果になるからである。
方程式(3.1)における根基逆元は、小数点での整数基底
Figure 0004749470
における桁al(i)∈[0,...,b−1]による指標iの表現を反映している。基底b=2においては、これは、
Figure 0004749470
を意味する。
この観測は一般化され、周期性と称される。しかし、実際は、この特性は、(0,1)−列の定義により公式化されたように、層化により多く関連している。従って、実際の層化特性を強調する、別の派生型が提示される。指標iは、
Figure 0004749470
のように選択され、(1)に挿入され、
Figure 0004749470
が、(0,1)−列のクラスに属する根基逆元の加法性を利用することによりもたらされる。結果の第1項は、jに依存し、b-nにより明確に境界が区切られているが、一方、第2項は、kの根基逆元による一定オフセットである。kは、
Figure 0004749470
なので、
Figure 0004749470
となる。kにより最初のn個の桁を固定すると、
Figure 0004749470
に対して、根基逆元は、区間
Figure 0004749470
でのみもたらされる。
前節における一次元の観測は、より高い次元に一般化される。Halton列
Figure 0004749470
ここにおいて、c番目の成分に対して、bcはc番目の素数であるHalton列に対して、これは、指標
Figure 0004749470
を選択して、方程式(3.6)に類似する、
Figure 0004749470
をもたらし、従って、方程式(3.7)による指標iの選択による、固定されたkと
Figure 0004749470
に対して、
Figure 0004749470
であることから分かる。kにより選択された、
Figure 0004749470
の互いに素な層は、互いに素であり、単位立方体[0,1)Sの一部を形成する。しかし、すべてのs−次元を層化することは層数が指数関数的に増加するので、この方式は、次元の呪いの影響を受ける。増分
Figure 0004749470
は、最初の項以外、すべてbd>2なので、2sよりも更に速く増加する。
テンソル積のアプローチは、Halton列を使用するアプローチと比較されてきている。光源上で放射されて、2回の反射に対してトレースされるフォトンの経路空間の層化の例が構築されている。この問題は、8次元単位立方体からのサンプルを必要とする。サンプリングドメインは、同一測度の1288の層に層化された。そして、1つの層が選択され、8つのランダムなサンプルがそこから引き出されて、フォトンの軌道が決定された。Halton列による層化は、8つの経路を決定するために使用された。コンピュータの整数表現には適合できない非常に大きな増分にも拘わらず、軌道は第2回目の反射の後、発散を開始する。
テンソル積のアプローチと同じように良好な層化に対しては、
Figure 0004749470
という、コンピュータの整数表現には適合しないような大きな増分が要求される。更に、単位立方体における近接点は、経路空間において近接経路という結果となるという仮定は、より複雑なシーンに対しては、有効ではない。形状のどの部分に当たったかにより、フォトンは、それらの生成場所は、単位立方体においては近接していたとしても、シーンのまったく異なる部分に散乱される。軌道が長ければ長いほど、散乱はより発散的である。上記の観測は、基底bにおける(t,s)−列に容易に転換できる。
Halton列による層化は、高次元においては有益でないが、例えば、ピクセルアンチエイリアシングにおけるような、低次元においては、非常に有益であり得る。二次元における特性は、図17(A)と17(B)において示されており、それらは、単位立方体におけるHalton列からサンプルが、どのようにして、ピクセルラスターに適合するように拡大/縮小されるかを示すプロット470と480である。プロットはそれぞれ、0≦i<23・33=216に対するHalton列の最初の2つの成分xi=(Φ2(i),Φ3(i))を示している。塗りつぶした点は、k=1により選択された指標i≡ik(j)=21・31・j+kを有している。強調された点の層は、k=1の指標i≡ik(j)をすべて含む。正方形ピクセルに整合するために、座標は拡大/縮小される、つまり、
Figure 0004749470
である。
一般的に、第1成分xi (1)はb1 n1により拡大/縮小され、第2要素xi (2)はb2 n2により拡大/縮小される。このようにして、b1 n1×b2 n2の層化サンプルパタ−ンが得られ、それは、上述したように、画像平面上で、タイルのように周期的に並べることができる。各層をピクセルで特定することにより、識別子kは、ピクセル座標により容易に決定され(例えば、テーブルにより)、そのピクセルに制限されるHalton列は、
Figure 0004749470
から得られる。
例としての画像が、上述のように、経路トレーサーを使用してスクランブルされたHalton列により計算された。改良は勾配(4)によりトリガーされた。スクランブリングは、Φ2およびΦ3を変化させないことに留意されたい。従って、上記のアルゴリズムは、直接適用することができ、スクランブルされた列の改善された一様性の恩恵を受けることができる。
軌道分割は、レンダリングアルゴリズムにおける効率を増加させることができる。典型的な例は、ボリュームレンダリングである。ピクセルを介して1つのレイをトレースする間は、そのレイに沿う光源に複数のレイを送ることが有益である。すべて同じ量だけランダムに移動されたレイ上の等距離のサンプルを選ぶことは、ジッター化されたサンプリングを使用した元の方法よりもはるかに効率的であることが示されている。
軌道分割への一般的なアプローチは、被積分関数のいくつかの次元に対して、方程式(3.3)における反復を制限することである。準モンテカルロ法に対して、このアプローチは、ある実践において使用され、それに従って、分布レイトレーシングの厳密に決定性のバージョンが開発された。システマティックなアプローチが取られ、それに従って、ランダム化された準モンテカルロ法の分野からのランダム化技術がパラメータ化された。ランダムパラメータを使用する代わりに、決定性準モンテカルロ点が適用された。実用的な観点から見ると、軌道分割は、分割次元に関しての被積分関数の低域フィルタ処理であると考えることができる。
最も強力な方法は、ランク−1格子により誘導されたドメイン層化を使用して軌道を分割することである。問題のドメインの興味あるs−次元に対して、ランク−1格子が選択される。マトリックスBは、ランク−1格子のVoronoi図により特定されるような単位セルの全長におよぶベクトルを含む。そして、
Figure 0004749470
により、図18(B)に描かれ、下記に検討するように、点は、単位立方体からランク−1格子のi番目の層Aiに写像される。この方式は、再帰的に適用でき、再帰Korobovフィルタをもたらす。
n=5の点におけるFibonacci格子の特別な場合は、コンピュータグラフィックにおける適応サンプリングに対して再帰手順が使用された。格子
Figure 0004749470
から開始して、次の改良レベルは、図18(C)に示され、下記に検討するように、
Figure 0004749470
をアークタンジェント(1/2)だけ回転し、それを1/√5だけ縮小することにより見つけられる。結果としての格子は、これもまた方形格子であり、この手順は、再帰的に続けることができる。このようにして、構成は、ランク−1格子とはまったく関連しないものになる。
図18(A)〜図18(C)は、ランク−1格子による反復を示す、一連のプロット490〜510を示している。ランク−1格子のVoronoi図は、図18(A)に示す層化を誘導する。すべてのセルAiは同一測度であり、実際にランク−1格子は(Μ,μ)−一様である。セルAiは、i番目の格子点xiにおいて固定され、基底ベクトル(b1,b2)がその全長にわたる。これは、図18(B)に示す、再帰的Korobovフィルタに対して使用でき、格子セル内の点は、その格子セルに変換された格子点の別の集合により決定される。コンピュータグラフィックにおいては、この原理の1つの特別な場合(c)は、破線の長さが1/√5なので、1/√5サンプリングと名付けられており、図18(C)に示されている。それは、実際は、n=5の点におけるFibonacci格子からの点による再帰的Korobovフィルタである。
最大化された最小距離による、ランダムに移動されたランク−1格子を使用した分布レイトレーサーから、良好な結果が得られた。軌道分割もまた、最大化された最小距離による、ランク−1格子を使用して実現された。
1つのランダムベクトルが1ピクセル当たりに使用され、格子点を移動して、不偏推定量を取得し、近隣ピクセル間の相関をなくした。結果としての画像は最小ノイズを呈示したが、一方、エイリアシングアーティファクトは、ノイズとなった。以前のサンプリング方法と比較して、格子点の一様性が高かったため、収束は良好であった。
格子点は最大に相関付けられているので、これは、コンピュータグラフィックにおける相関付けられたサンプリングに対する好例である。このような背景おいては、格子点による準モンテカルロ積分近似は、Korobovフィルタ処理と考えることができる。
金融における準モンテカルロ積分の適用は、即座に多くの注目を集めたが、コンピュータグラフィックにおける開発はそのように華々しくはなかった。しかし、今日では、映画産業におけるレンダリングされた画像の約半分は、厳密に決定性の準モンテカルロ積分近似を使用して合成されている。2003年に、これらの技術は、米国映画芸術科学アカデミーによる技術功績賞(オスカー)を受賞した。学究的な世界とは対照的に、グラフィックハードウェアおよびソフトウェア産業は、早くから準モンテカルロ法の利点を認識していた。
決定性準モンテカルロ法は、それらが、擬似乱数ジェネレータを使用するときに遭遇するような相関を考慮する必要がなく、並列化ができるという利点を有している。それらの決定性性質により、結果は、並列化計算環境においても、正確な再現性がある。
コンピュータグラフィックの古典アルゴリズムと比較して、このアルゴリズムは、高い一様性はサンプル点に固有なものなので、より小さく、より効率的である。好例は、最大化最小距離を有するランク−1による軌道分割である。
コンピュータグラフィックにおいては、点集合の最小距離を最大化することは、収束速度を増すことが知られている。しかし、Lloydの緩和法のような、そのような点を作成するアルゴリズムは高価である。最大化された最小距離により選択される準モンテカルロ法によれば、効率的なアルゴリズムが利用でき、ランダムサンプリング法と比較して、同じ品質の画像に対する計算時間が最大30%省けることが観測できた。
コンピュータグラフィックの設定においては、準モンテカルロ法は、Lb 2における被積分関数の区分的連続性により恩恵を受ける。不連続な線の周りでは、その方法は、ランダムサンプリングよりも決して悪くない性能を示すが、連続領域においては、より良好な一様性が、より速い収束を保証する。観測された収束率は、Ο(n-1)とΟ(n-1/2)の間である。それは、(Μ,μ)−一様点により誘導された部分における集合数と、不連続点を含むこれらの集合数に依存する。次元数が増加するにつれて、被積分関数は、より多くの不連続点を含む傾向にあるので、最大の改善は、より低次元に対して観測される。
フォトリアリスティックな画像生成は、第2種のFredoholm積分方程式の解の汎関数を計算することによる光輸送のシミュレーションを含むので、コンピュータグラフィックに対して開発された準モンテカルロ法は、輸送理論の他の問題にも同様に適用される。
コンピュータグラフィックに使用されるような最大化最小距離の概念は、準モンテカルロ理論において使用されるような(Μ,μ)−一様性の概念に良好に適合する。最大化最小距離により選択されたランク−1格子は、両者の改良に理想的に適合し、コンピュータグラフィックにおいて優れた結果をもたらす。
IV.一般的な方法
図19〜図22は、本発明の更なる形態による、一般的な方法を示す一連のフローチャートである。
図19は、表示装置を介して表示可能な画像において、ピクセルに対するピクセル値を生成するためのコンピュータにより実践される方法600のフローチャートであって、ピクセル値は、シーンにおける点を表現している。この方法は、下記のステップを含む。
ステップ601:サンプル点の集合を生成することであって、少なくとも1つのサンプル点は少なくとも1つのサンプルを使用して生成され、少なくとも1つのサンプルは、列の少なくとも1つの要素を備え、サンプル点の集合は、準モンテカルロ点を備える。
ステップ602:サンプル点の1つにおいて選択された関数の値を求めて値を生成することであって、生成された値はピクセル値に対応し、ピクセル値は、表示制御電子的出力を生成するために使用できる。
図20は、表示装置を介して表示可能な画像において、ピクセルに対するピクセル値を生成するためのコンピュータにより実践される方法620のフローチャートを示し、ピクセル値は、シーンにおける点を表現している。この方法は、下記のステップを含む。
ステップ621:サンプル点の集合を生成することであって、少なくとも1つのサンプル点は少なくとも1つのサンプルを使用して生成され、少なくとも1つのサンプルは、超一様分布列の少なくとも1つの要素を備え、生成することは、決定性のスクランブルされたHalton列に基づく、適応的な、インターリーブされたサンプリング方式を使用してサンプル点の決定性超一様分布集合をもたらすことを含む。
ステップ622:サンプル点の1つにおいて選択された関数の値を求めて値を生成することであって、生成された値はピクセル値に対応し、ピクセル値は、表示制御電子的出力を生成するために使用できる。
図21は、表示装置を介して表示可能な画像において、ピクセルに対するピクセル値を生成するためのコンピュータにより実践される方法640のフローチャートを示し、ピクセル値は、シーンにおける点を表現している。この方法は、下記のステップを含む。
ステップ641:サンプル点の集合を生成することであって、少なくとも1つのサンプル点は少なくとも1つのサンプルを使用して生成され、少なくとも1つのサンプルは、列の少なくとも1つの要素を備え、サンプル点の集合は、準モンテカルロ点を備え、生成することは、根基逆元に基づく点を使用して適応的にサンプリングすることを含む。
ステップ642:サンプル点の1つにおいて選択された関数の値を求めて値を生成することであって、生成された値はピクセル値に対応し、ピクセル値は、表示制御電子的出力を生成するために使用できる。
図22は、表示装置を介して表示可能な画像において、ピクセルに対するピクセル値を生成するためのコンピュータにより実践される方法660のフローチャートを示し、ピクセル値は、シーンにおける点を表現している。この方法は、下記のステップを含む。
ステップ661:サンプル点の集合を生成することであって、少なくとも1つのサンプル点は、少なくとも1つのサンプルを使用して生成され、少なくとも1つのサンプルは、列の少なくとも1つの要素を備え、生成することは、ランク−1格子点を使用するサンプリングを含む。
ステップ662:サンプル点の1つにおいて選択された関数の値を求めて値を生成することであって、生成された値はピクセル値に対応し、ピクセル値は、表示制御電子的出力を生成するために使用できる。
前述されたものは、本発明の特別な実施形態に制限されてきた。しかし、種々の変形および修正が、本発明の利点のいくつかまたはすべてを達成することにより本発明になされ得るということは明白である。付随する請求項は、これらと、本発明の真の精神と範囲内にある他の変形と修正を含むことを目的としている。
本発明は、付随する請求項においてその特殊性が指摘される。本発明の上記のおよび更なる利点は、添付された図面と連係する式の記述を参照することにより更に良く理解されるであろう。
ここで記述される本発明の種々の形態の実践における使用に適切なコンピュータグラフィックシステムを示す図である。 図1に示されたコンピュータグラフィックシステムとプロセッサモジュールの構成要素を示す図である。 本発明の形態による計算システムの更なる構成要素を示す図である。 ここで記述される本発明の種々の形態の実践における使用に適切なネットワーク構成の図を示す図である。 図3に示されたネットワーク構成の構成要素を示す図である。 本発明の形態に従って撮像データを生成するためのコードフラグメントを示す図である。 本発明の形態に従って撮像データを生成するためのコードフラグメントを示す図である。 (A)及び(B)は、Halton列の最初の2つの成分のプロットを示す図である。 (A)及び(B)は、指定された点に対するHalton列とスクランブルされたHalton列を含む、低次元射影の対を示す図である。 画像平面全体上にタイルのように並べられたサンプルパタ−ンのプロットを示す図である。 本発明の更なる形態による、インターリーブされた適応スーパーサンプリングを示しているプロットを示す図である。 (A)〜(H)は、古典準モンテカルロ点を、その相互最小距離に沿って示している一連のプロットを示す図である。 (A)〜(C)は、最大最小距離による格子の選択を示している一連の線画を示す図である。 チェッカー盤テクスチャを有する無限平面の、コンピュータにより生成される画像を示す図である。 (A)〜(C)は、コンピュータグラフィックの一連のサンプリングパタ−ンを示す図である。 (A)〜(E)は、準モンテカルロ点を使用するサンプリングパタ−ンを示す図である。 Hammersley点集合のタイルのように並べられたインスタンスにより、画像においてサンプルがどのように決定されるかを示す図である。 (A)及び(B)は、単位列におけるHalton列から、サンプルがどのようにピクセルラスターに適合するように拡大/縮小されるかを示す図である。 (A)〜(C)は、ランク−1格子による反復を示す図である。 本発明の形態による、一般的方法の一連のフローチャートを示す図である。 本発明の形態による、一般的方法の一連のフローチャートを示す図である。 本発明の形態による、一般的方法の一連のフローチャートを示す図である。 本発明の形態による、一般的方法の一連のフローチャートを示す図である。

Claims (6)

  1. 示装置を介して表示可能な画像における画素ついて、ある光景の一画素を示す画素値をコンピュータが生成する方法において、
    準モンテカルロ点の集合を、根基逆元に基づく点を使用して適応的にサンプリングすることにより生成し、
    前記準モンテカルロ点の集合を用いた数値解析法により前記画素値を生成するための関数を推定し、前記推定された関数により、表示制御電子的出力を生成するために使用可能な前記画素値に対応する値を生成し、
    前記画像のグラデーションと所定の閾値Tとの比較を含み得る所定の条件が満たされた場合はいつでも前記画素値を見直すとともに、
    前記閾値Tに乗算的に適用されるサンプリング率に対する指数に対して、収束の速度への適応を可能にするための値を選択する、
    ことを特徴とする、方法。
  2. 表示装置を介して表示可能な画像における画素について、ある光景の一画素を示す画素値をコンピュータが生成する方法において、
    準モンテカルロ点の集合を、ランク−1格子点を使用してサンプリングすることにより生成し、
    前記準モンテカルロ点の集合を用いた数値解析法により前記画素値を生成するための関数を推定し、前記推定された関数により、表示制御電子的出力を生成するために使用可能な前記画素値に対応する値を生成し、
    異なるランダムシフトを前記ランク−1格子点に加えることにより、前記画素におけるエイリアシングを削減し、
    一画素当たりの移動量を、最大化された最小距離を有する、超一様分布点集合または決定性点集合の要素を用いて決定することにより、一画素当たりのランダム移動を非ランダム化し、前記画素に整合する層化を行ない、
    前記層化は、ランク−1格子のVoronoi図により誘導される、
    ことを特徴とする、方法。
  3. プロセッサと、表示装置と、ユーザ入力装置と、1以上のメモリ装置とをそなえ、前記表示装置を介して表示可能な画像における画素について、ある光景の一画素を示す画素値を生成可能なコンピュータグラフィックシステムにおいて、
    準モンテカルロ点の集合を、根基逆元に基づく点を使用して適応的にサンプリングすることにより生成する手段と、
    前記準モンテカルロ点の集合を用いた数値解析法により前記画素値を生成するための関数を推定し、前記推定された関数により、表示制御電子的出力を生成するために使用可能な前記画素値に対応する値を生成する手段と、
    前記画像のグラデーションと所定の閾値Tとの比較を含み得る所定の条件が満たされた場合はいつでも前記画素値を見直すとともに、前記閾値Tに乗算的に適用されるサンプリング率に対する指数に対して、収束の速度への適応を可能にするための値を選択する手段と、をそなえる、
    ことを特徴とする、コンピュータグラフィックシステム。
  4. 表示装置を介して表示可能な画像における画素について、ある光景の一画素を示す画素値を生成可能なコンピュータグラフィックシステムにおいて、前記画素値を生成する機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムであって、
    準モンテカルロ点の集合を、根基逆元に基づく点を使用して適応的にサンプリングすることにより生成する機能と、
    前記準モンテカルロ点の集合を用いた数値解析法により前記画素値を生成するための関数を推定し、前記推定された関数により、表示制御電子的出力を生成するために使用可能な前記画素値に対応する値を生成する機能と、
    前記画像のグラデーションと所定の閾値Tとの比較を含み得る所定の条件が満たされた場合はいつでも前記画素値を見直すとともに、前記閾値Tに乗算的に適用されるサンプリング率に対する指数に対して、収束の速度への適応を可能にするための値を選択する機能と、を前記コンピュータに実現させる、
    ことを特徴とする、コンピュータプログラム。
  5. プロセッサと、表示装置と、ユーザ入力装置と、1以上のメモリ装置とをそなえ、前記表示装置を介して表示可能な画像における画素について、ある光景の一画素を示す画素値を生成可能なコンピュータグラフィックシステムにおいて、
    準モンテカルロ点の集合を、ランク−1格子点を使用してサンプリングすることにより生成する手段と、
    前記準モンテカルロ点の集合を用いた数値解析法により前記画素値を生成するための関数を推定し、前記推定された関数により、表示制御電子的出力を生成するために使用可能な前記画素値に対応する値を生成する手段と、
    異なるランダムシフトを前記ランク−1格子点に加えることにより、前記画素におけるエイリアシングを削減する手段と、
    一画素当たりの移動量を、最大化された最小距離を有する、超一様分布点集合または決定性点集合の要素を用いて決定することにより、一画素当たりのランダム移動を非ランダム化し、前記画素に整合する層化を行なう手段と、をそなえ、
    前記層化は、ランク−1格子のVoronoi図により誘導される、
    ことを特徴とする、コンピュータグラフィックシステム。
  6. 表示装置を介して表示可能な画像における画素について、ある光景の一画素を示す画素値を生成可能なコンピュータグラフィックシステムにおいて、前記画素値を生成する機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムであって、
    準モンテカルロ点の集合を、ランク−1格子点を使用してサンプリングすることにより生成する機能と、
    前記準モンテカルロ点の集合を用いた数値解析法により前記画素値を生成するための関数を推定し、前記推定された関数により、表示制御電子的出力を生成するために使用可能な前記画素値に対応する値を生成する機能と、
    異なるランダムシフトを前記ランク−1格子点に加えることにより、前記画素におけるエイリアシングを削減する機能と、
    一画素当たりの移動量を、最大化された最小距離を有する、超一様分布点集合または決定性点集合の要素を用いて決定することにより、一画素当たりのランダム移動を非ランダム化し、前記画素に整合する層化を行なう機能と、を前記コンピュータに実現させ、
    前記層化は、ランク−1格子のVoronoi図により誘導される、
    ことを特徴とする、コンピュータプログラム。
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