JP4749380B2 - インストール管理方法とインストール管理プログラムとインストール管理装置 - Google Patents

インストール管理方法とインストール管理プログラムとインストール管理装置 Download PDF

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本発明は、スタンドアローン型のコンピュータやネットワーク接続されたコンピュータ(端末)へのプログラムのインストールを管理するインストール管理技術に関する。
コンピュータにワープロや表計算など種々の機能を実現させるためには、プログラム、特にアプリケーションプログラムをインストールする必要がある。しかしながら、個々のコンピュータに与えられている、実装CPUの能力、実装メモリ容量、実現可能のネットワーク通信速度などのハードウエア資源や、実装されているOSの種類やバージョンによって大きく異なるソフトウエア資源は千差万別であり、このことから、各コンピュータ(端末)にインストールするプログラムは慎重に選択しなければならない。さもないと、インストールしたプログラムが全く動作しない、あるいは動作しても不安定であるといった問題が生じる。最悪の場合は、インストールさえ出来ないといった不都合も生じうる。
このような事情から、インストールするアプリケーションがインストール先のコンピュータに実装されているOSに適合しているかチェックし、不適合の場合そのアプリケーションのインストールを禁止する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、サーバクライアントシステムにおいてクライアント端末にアプリケーションプログラムをインストールする際、CPUやOSのシリアル番号やMACアドレスといった端末の固有情報を用いて正当な使用権を有するユーザかどうかを判定してから、アプリケーションをインストールするといった技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。さらに、プログラムのインストール先である組み込み機器のハードウエア資源をチェックしてインストールを実行する技術として、アプリケーションプログラムの実行モジュール情報と組み込み機器のシステム情報(RAM容量、ハードディスク容量、ネットワーク環境、実行可能スレッド数など)とを比較して、アプリケーションが正常に動作できるかどうかを判定して、正常に動作しないと判定した場合エラーを通知するものがある(例えば、特許文献3参照)。
特開平11−175322号公報(段落番号0002−0006) 特開2002−182768号公報(段落番号0010−0023、図2) 特開2004−005419号公報(段落番号0008−0011、図2)
上述したようにプログラムインストールの管理に関する従来の技術では、OSの種類、メモリ容量、ハードディスク容量といった、コンピュータにおけるソフトウエア資源やハードウエア資源に関する静的な仕様データに基づいてプログラムのインストール可否を決定するものであった。しかしながら、実際にコンピュータにインストールされたプログラムが快適に動作するための条件としては、OSの種類、メモリ容量、ハードディスク容量といった静的なハードウエア資源やソフトウエア資源に規定されるものだけではなく、常駐しているプログラムや同時に稼働する他のプログラムによるメモリ使用やCPU動作負担と言った、いわゆる動的に変動するハードウエア資源やソフトウエア資源に規定されるものも重要となる。しかしながら、従来のプログラムインストール管理技術では、動的に変動するハードウエア資源やソフトウエア資源が考慮されていなかった。
上記実状に鑑み、本発明の課題は、スタンドアローン型のコンピュータやネットワーク接続されたコンピュータ(端末)へのプログラムのインストールを管理するインストール管理技術において、動的に変動するハードウエア資源やソフトウエア資源が考慮された技術を提供することである。
端末へのプログラムのインストールを管理するインストール管理方法において、上記課題を解決するため、本発明の方法では、リソース消費状態決定部が、前記端末が所有する固有リソース量と前記端末における経時的なリソース消費量とに基づいて前記端末の前記固有リソース量の消費状態を示すリソース消費状態を決定するステップと、推定リソース消費量算定部が、前記端末にインストールされようとするプログラムの推定リソース消費量を算定するステップと、仮想実行評価部が、前記リソース消費状態と前記推定リソース消費量とに基づいて、前記端末にインストールされようとするプログラムが当該端末において実行される際に当該プログラムに割り当て可能な前記固有リソース量が多いほど高くなる実行快適度を推定するステップと、インストール判定部が、前記実行快適度に基づいて前記端末に対する当該プログラムのインストール可否を決定するステップと、を備え、リソース消費状態決定部が、前記端末にインストール済みのプログラムのうちで前記インストールされようとするプログラムと同時に実行される可能性の低い非同時実行プログラムを決定し、前記非同時実行プログラムのリソース消費量を除外して前記リソース消費状態を決定する。なお、本発明におけるリソースなる語句は、コンピュータに与えられているハードウエア資源又ソフトウエア資源あるいはその両方を意味するものである。また、実行快適度なる語句は、瞬時的な快適度、所定時間における平均快適度、持続性を有する実行快適度などを総括している。例えば、実行快適度を推定する際に、端末の稼働時間のうちのどのような時間帯長さで所定レベル以上の実行快適度が得られるかどうかという観点を導入することは、プログラムインストールの判定において重要なファクタとなりうる。
この方法では、特定のプログラムをインストールしようとする端末におけるこれまでのリソース消費状態と、この特定プログラムがインストールされて動作する際の推定リソース消費量とに基づいて、この端末において推定される特定プログラムの実行快適度からこの特定プログラムのインストール可否が決定される。従って、そのインストール可否の判定条件として、静的なハードウエア資源やソフトウエア資源のみならず、動的に変動するハードウエア資源やソフトウエア資源が考慮されることになり、インストール可否の判定結果の信頼性が向上する。また、インストールしようとするプログラムがフルインストールや最小インストールといったようにそれぞれ消費リソース量が異なる選択可能な複数のインストール形態でのインストールが可能な場合、プログラムインストール可否の判定結果として、それぞれのインストール形態でのプログラムインストール可否の判定結果を出力すると好都合である。また、この構成では、インストールしようとしているプログラムを同時に実行する可能性がほとんどないようなプログラムは動的に変動するハードウエア資源やソフトウエア資源の消費要素から除外されるため、これまでの端末におけるリソース消費状態を正確に求めることができる。前記非同時実行アプリケーションプログラムとして、インストールされようとするプログラムと同一カテゴリーの処理を行うプログラムを挙げることができる。例えば、特殊な形式の書類に対処するため別なワープロソフトをインストールする必要が生じた場合、これら2つのワープロソフトを同時に実行する必要性は少ないとみなして、この別なワープロソフトのインストール可否判定ために仮想的な実行快適度を推定する際には以前からあるワープロソフトのリソース消費量分を除外したリソース消費量が用いられる。また、前記インストールされようとするプログラムが既にインストールされているプログラムのバージョン違いの場合では、この2つのプログラムが同時実行される可能性はほとんどないとみなして、既存のプログラムのリソース消費量分を除外することも好適である。
また、このような本発明のインストール管理方法を採用するならば、あるグループにおいて新しいアプリケーションプログラムが必要になった場合、このグループ内に割り当てられている複数の端末のうちで、最も高いソフトウエアパフォーマンスが得られる端末に、このアプリケーションプログラムをインストールするといったインストール管理手法も実現する。そのため、本発明の方法では、端末へのプログラムのインストールを管理するインストール管理方法において、リソース消費状態決定部が、前記端末が所有する固有リソース量と前記端末における経時的なリソース消費量とに基づいて前記端末の前記固有リソース量の消費状態を示すリソース消費状態を決定するステップと、推定リソース消費量算定部が、前記端末にインストールされようとするプログラムの推定リソース消費量を算定するステップと、仮想実行評価部が、前記リソース消費状態と前記推定リソース消費量とに基づいて、前記端末にインストールされようとするプログラムが当該端末において実行される際に当該プログラムに割り当て可能な前記固有リソース量が多いほど高くなる実行快適度を推定するステップと、インストール判定部が、前記実行快適度に基づいて前記端末に対する当該プログラムのインストール可否を決定するステップと、を備え、前記インストールされようとするプログラムのインストール先として複数のインストール候補端末が存在しており、インストール判定部が、前記複数のインストール候補端末のうちで前記実行快適度が最も高い端末をインストール先端末として決定する。
本発明では、上述したインストール管理方法を実施するインストール管理装置も権利範囲としている。そのような本発明によるインストール管理装置は、前記端末が所有する固有リソース量と前記端末における経時的なリソース消費量とに基づいて前記端末の前記固有リソース量の消費状態を示すリソース消費状態を決定するリソース消費状態決定部と、前記端末にインストールされようとするプログラムの推定リソース消費量を算定する推定リソース消費量算定部と、前記リソース消費状態と前記推定リソース消費量とに基づいて、前記端末にインストールされようとするプログラムが当該端末において実行される際に当該プログラムに割り当て可能な前記固有リソース量が多いほど高くなる実行快適度を推定する仮想実行評価部と、前記実行快適度に基づいて前記端末に対する当該プログラムのインストール可否を決定するインストール判定部と、を備え、リソース消費状態決定部が、前記端末にインストール済みのプログラムのうちで前記インストールされようとするプログラムと同時に実行される可能性の低い非同時実行プログラムを決定し、前記非同時実行プログラムのリソース消費量を除外して前記リソース消費状態を決定することを特徴とする。このインストール管理装置でも、やはり、端末におけるこれまでのリソース消費状態と、インストールされるプログラムが動作する際の推定リソース消費量とに基づいて、推定される実行快適度からこの特定プログラムのインストール可否が決定されるので、動的に変動するハードウエア資源やソフトウエア資源が考慮されることになり、インストール可否の判定結果の信頼性が向上する。
さらに、本発明では、上述した全てのインストール管理方法をコンピュータに実現させるプログラムも権利範囲としている。
端末へのプログラムインストールの可否を判定する本発明によるインストール管理方法の基本原理を図1を用いて説明する。ここで取り扱うインストールプログラムとは、コンピュータにインストールすることでOSと協働して種々の動作を行うアプリケーションプログラムやデバイスドライバプログラムなどである。図1には、汎用的なノートパソコンやデスクトップパソコンである複数の端末1と、これらの端末1におけるプログラムの新規インストールを管理するためにコンピュータで構成されているインストール管理装置3がネットワーク(LANのような組織内のネットワークであってもよいし、インターネットのように開放された広域のネットワークであってもよい)2を通じて接続されているコンピュータシステムが示されている。
インストール管理装置3は、各端末1におけるCPUなどのハードウエア資源及びOSやアプリケーションプログラムなどのソフトウエア資源の状況を各端末1から受け取る固有リソース量管理ログとリソース消費量管理ログとから逐次把握可能である。固有リソース量管理ログには、各端末1の固有資源とも言うべきメモリ容量、ハードディスク容量、CPUタイプ、搭載OSタイプ、さらにはインストール済みのプログラム毎にその名称、バージョン、カテゴリー、プログラムサイズといった静的な仕様などがスクリプト化され、記述されている。リソース消費量管理ログには、プログラム別に、その名称とともにプログラム起動時における所定の稼働時間単位での占有メモリ容量やCPU占有率といった動的に変動する仕様もスクリプト化され、記述されている。このような固有リソース量管理ログとリソース消費量管理ログは、インストール管理装置3において、その記述内容が読み出し可能に格納される。従って、インストール管理装置3は、各端末1の固有リソース量やリソース消費量を考慮した上で各端末1にどのようなプログラムがインストールされるべきかどうかを判定することができる。このコンピュータシステムにおける、基本的なインストール管理の手順を説明する。
まず、メモリ増設やハードディスク増設などにより端末1における固有リソース量に変動が生じた場合、最新の固有リソース量を記述した固有リソース量管理ログが端末1からインストール管理装置3に送られる(#01)。さらに、端末1からは、起動させたプログラムの名称及びそのプログラムの占有メモリ(RAM)容量やCPU占有率を記述したリソース消費量を所定の稼働時刻毎又はログオフ毎に記述したリソース消費量管理ログがインストール管理装置3に送られる(#02)。インストール管理装置3は、各端末1から送られてくる固有リソース量管理ログとリソース消費量管理ログから必要なデータを取り出して、読み出し可能に格納する(#03)。
ある端末1において、あるプログラムをインストールしようとした場合(#04)、まず、インストールしようとするプログラムを識別できる識別情報を含むインストール可否判定要求が生成され、この端末(以後インストール端末を称する)1からインストール管理装置3に送られる(#05)。インストール可否判定要求を受け取ったインストール管理装置3では、インストール可否判定要求から特定されるプログラムに関する静的仕様や動的仕様を内部のデータベース又は外部のデータベースから入手する(#06)。さらに、このインストール端末1に関する固有リソース量やリソース消費量を読み出し、このインストール端末1における全体リソース消費状態と、必要に応じてプログラム別のリソース消費状態を算定する(#07)。この全体リソース消費状態とは、過去の一定期間のメモリ(RAM及びハードディスク)占有容量やCPU稼働率などを表す情報であり、これによりこのインストール端末1がインストールしようとするプログラムに対して割り与えることができるメモリ容量やCPU余力を判断することができる。プログラム別のリソース消費状態とは、各プログラムが起動した場合のメモリ(RAM)占有容量やCPU占有率などを表す情報であり、もしインストールしようとするプログラムと同時実行しないとみなせるプログラムでは、このプログラムのリソース消費分だけ、全体リソース消費状態から差し引くことができる。もちろん、全体リソース消費状態から判断して、インストールしようとするプログラムに対して十分にメモリ容量やCPU能力を割り与えることができる場合、プログラム別のリソース消費状態を考慮せずに、インストールしようとするプログラムのインストール端末1における実行快適度は高いと推定することができる。逆に、全体リソース消費状態から判断して、インストールしようとするプログラムに対して十分にはメモリ容量やCPU能力を割り与えることができない場合、さらにプログラム別のリソース消費状態を用いて、適正な実行快適度が得られるかどうかを細かく推定することになる。さらに、全体リソース消費状態に属しているプログラムが常駐プログラムかあるいは非常駐プログラムであるかを、例えば端末から送られてくる操作ログなどから判定し、不必要な常駐プログラムの使用を制限することで全体リソース消費状態から差し引く処理、時間的な使用制限や特定時間帯のみの使用限定といった使用限定処理などにより、全体リソース消費状態の精度を上げて、結果的に実行快適度の推定精度をあげるようにしてもよい。いずれにしても、本発明では、インストール端末1に関する固有リソース量やリソース消費量に基づいて、インストールしようとするプログラムがインストール端末1で実行される際の実行快適度を推定することになる(#08)。その際、インストールしようとするプログラムがフルインストールや最小インストールといったようにそれぞれ消費リソース量が異なる選択可能な複数のインストール形態でのインストールが可能な場合、それぞれのインストール形態での実行快適度が推定される。
なお、この実行快適度をより厳密に推定するためには、全体リソース消費状態とプログラム別のリソース消費割合とからこのインストール端末1のプログラム実行環境をモデル的に構築し(#08a)、このプログラム実行環境においてインストールしようとするプログラムが有する静的仕様や動的仕様でもって仮想的なプログラム実行を行い(#08b)、この仮想的なプログラム実行の結果に基づいて実行快適度を求めると良い。
実行快適度が求められると、これに基づいてインストール可否判定が行われ(#09)、その結果がインストール端末1に送られる(#10)。なお、前述したようにそれぞれ消費リソース量が異なる選択可能な複数のインストール形態でのインストールが可能なプログラムが処理対象となっている場合、それぞれのインストール形態でのインストール可否判定結果が送られる。このようなインストール可否判定結果に基づいてインストール端末側では自動的に適正なインストール形態でプログラムをインストールすることができる。また、単にインストール形態別の実行快適度を通知して、インストール端末側で自由にインストール形態を選択させるようにしてもよい。いずれにせよ、端末1に送られてきたインストール可否判定結果がインストール許可であれば、ステップ#04で要望されたプログラムのインストールは許可され、実際にプログラムのインストールが実行される(#11a)。逆に、端末1に送られてきたインストール可否判定結果がインストール不可であれば、ステップ#04で要望されたプログラムのインストールは中止される(#11b)。
上述した原理的なインストール管理システムを実際に構築する上で端末1とリスク管理装置3に要求される機能を示す機能ブロック図が図2に示されている。端末1は、ノート型パソコンやデスクトップ型パソコンなどの汎用パソコンであるが、それらのパソコンが作り出す機能の内、図2の機能ブロック図では、本発明に特に関係する機能を主に示している。
端末1は、液晶ディスプレイなどのモニタ51と、操作入力デバイス52としてのキーボードやマウスと、各種データを格納するハードディスク53といった外部機器を備えるとともに、ハードディスク53に格納されているプログラムをCPU10の管理制御の下で起動させることで種々の機能が作り出される。例えば、この端末1にインストールされているOSによって作り出されるGUI部11が仲介することにより、モニタ51に表示された操作画面を通じてユーザによって入力された種々の操作命令が実行されるが、ユーザ指示に基づいて、あるいは自動的に、プログラム管理部12の管理下で、相応のプログラムの起動を伴ってデータ処理が行われていく。
ハードディスク53の容量、モニタ51の可能解像度、CPU仕様やその他のデバイスの仕様といったハードウエア資源の状況、及び、プログラム管理部12で管理されている各種プログラムのハードディスク53における占有容量やプログラム起動時のRAMにおける占有容量、プログラム起動時のCPUの占有度、といったソフトウエア資源の状況は、リソース管理部13で管理されている。固有リソース量管理ログ作成部14は、リソース管理部13で管理されているリソースデータから主に静的なリソースデータを取り出して、前述したような固有リソース量管理ログを作成してインストール管理装置3に送る。この固有リソース量管理ログの送るタイミングとしては固有リソース量に関する大きな変動が生じた時にするとよい。リソース消費量管理ログ生成部15は、リソース管理部13で管理されているリソースデータから主にプログラム別や時刻別の動的なリソースデータを取り出して、前述したようなリソース消費量管理ログを作成してインストール管理装置3に送る。このリソース消費量管理ログはログオフ時など、定期的に送られる。図3に、固有リソース量管理ログ(図3の(a))とリソース消費量管理ログ(図3の(b))の一例が図示されている。
プログラム管理部12は、新しくプログラムをインストールする際の端末側のインストール管理を行う機能も有し、端末ユーザが何らかのプログラムをインストールしようとした際にこのインストール作業を一端中断し、インストール管理装置3にインストール可否判定要求を出し、これによってインストール管理装置3から送られてくるインストール可否判定結果に基づいて当該プログラムのインストールを実行させたり、中止させたりする。
インストール管理装置3も一般的には汎用コンピュータによって構成されているが、この実施形態では、端末1から送られてくるデータやそれ以外の外部のサーバから送られるてくるデータを格納するデータベース30も構築しているので、かなり大きな容量をもったハードディスク54が接続されている。このデータベース30には、端末情報を端末別に格納している端末情報格納部30aと、各種プログラムの仕様情報をプログラム別に格納しているプログラム仕様情報格納部30bとが含まれている。端末情報は、端末IDや端末名によって規定される端末1における、固有リソース量、経時的なリソース消費量、残りの使用可能リソースを示すことになるリソース消費状態、インストール済みプログラムなどである。プログラム仕様情報は、プログラム名、バーション、プログラム容量(プログラムサイズと起動時のメモリ占有量)、プログラム起動時のCPU最大負荷量、プログラム起動時のCPU平均負荷量、同時に動作するOSソースの使用量などである。端末情報管理部31は、端末1から送られてきた固有リソース量管理ログやリソース消費量管理ログからリソースデータを読み出して、端末情報格納部30aに格納するとともに、検索抽出要求に従って合致するリソースデータを読み出す機能を有する。プログラム仕様情報取得部32は、プログラム仕様情報格納部30bから指定されたプログラムに関する仕様情報を読み出すととともに、プログラム仕様情報格納部30bに格納されていない新規のプログラムの仕様情報に関しては外部のサーバから該当する仕様情報をダウンロードしてプログラム仕様情報格納部30bに格納する機能も有する。
インストール管理装置3における本発明に関する機能のほとんどは、このインストール管理装置3に実装されているインストール管理プログラムの実行に伴って作り出される。例えば、リソース消費状態決定部33は、インストール端末1に関するリソースデータを端末情報管理部31を介して端末情報格納部30aから読み出して、インストール端末1が所有する固有リソース量とインストール端末1における経時的なリソース消費量とを求め、これに基づいてインストール端末1のリソース消費状態を決定する。このリソース消費状態によって、このインストール端末1、特にそのCPU10やRAMがどの程度の稼働率になっているかどうか、つまり新規のプログラムを実行させるための余裕がどの程度あるかが表される。推定リソース消費量算定部34は、このインストール端末1にインストールされようとする特定のプログラムの推定リソース消費量を算定する。その際、推定リソース消費量算定部34は、特定のプログラムに関する仕様情報をプログラム仕様情報取得部32を介してプログラム仕様情報格納部30bから読み出し、その仕様情報を前記インストール端末1に当てはめて、このインストール端末1においてこのプログラムのインストールとその実行において推定されるリソース消費量を算定する。
仮想実行評価部35は、リソース消費状態決定部33で求められたリソース消費状態と推定リソース消費量算定34で算定された推定リソース消費量とに基づいてこのインストール端末1におけるインストールされようとするプログラムの仮想的な実行快適度を推定する。プログラムの実行は、時間の流れともに進行し、時間的な変動がある。このため、仮想実行評価部35における実行快適度の推定においても、時間的な流れが考慮される。このことを説明するため、非常に簡単化されたグラフの形で模式的に示された図4を用いる。図4の(a)で示されているグラフXは、リソース消費状態を示しており、図4の(b)で示されているグラフYは推定リソース消費量を示しており、横軸は時間経過である。つまり、グラフXで示されているプログラム実行環境において、新しいプログラムの実行によるグラフYで示されているリソース消費が加わった場合のプログラム実行シミュレート結果が図4の(c)においてグラフZで示されている。このグラフZは、グラフXとグラフYを所定時間間隔範囲内で時間軸をずらせながら、つまりグラフYを平行移動させながら、グラフXの各値に対してグラフYの各値を加算して得られるグラフであり、グラフYの横方向変位毎に得られるグラフZのうちで、その最大値が最も大きくなるもの、あるいは、所定以上の値の頻度値が最も高くなるものを、評価対象として選択し、そのグラフZから実行快適度を評価するとよい。これにより、ある程度の危険な使い方を行った場合での実行快適度が評価されることになる。グラフZの形状と実行快適度の関係は、グラフZがリソース消費割合の100%のレベルに近づくほど実行快適度が低いということになる。
実行快適度が低い場合、例えば、グラフZの50%レベル以上の領域の面積が所定値を超える場合、インストール端末1におけるインストール済みのプログラムのうちでインストールプログラムと同時に実行される可能性の低い非同時実行プログラムを決定して、その非同時実行プログラムのリソース消費割合をリソース消費状態(グラフX)から除外して、グラフXを低くする。非同時実行プログラムとしてはインストールプログラムと同一カテゴリーの処理を行うプログラムとインストールプログラムとバージョン違いの同一プログラムが第1の候補となるが、端末1毎や端末全体として、非同時実行プログラムとしてグループ化できるプログラムを予め決めておいてもよい。
仮想実行評価部35における実行快適度の推定をより数理学的な手法を用いて明確に行うために、インストールプログラムのための動作環境構築部35aとインストールプログラムのためのプログラム実行シミュレート部35bが付随している。動作環境構築部35aは、プログラム実行シミュレート部35bに対してリソース消費状態に基づいてインストール端末1のためのプログラム動作環境を構築する機能をもつ。プログラム実行シミュレート部35bは、推定リソース消費量に基づいてプログラムモデルを作成して、動作環境構築部35aによって構築されたプログラム動作環境でプログラムモデルを動作させ、その実行快適度を出力する。そのシミュレートアルゴリズムは前述したような評価法に基づいても良いし、ほぼ端末1と同一のプログラム動作環境を擬似的に作り出し、同一の又は類似のプログラムを実際に実行させて、その処理速度等を測定した上で評価することで、実行快適度を出力するようにしても良い。また、リソース消費状態決定部33は、端末1が所有する固有リソース量と端末1における過去の経時的なリソース消費量とからリソース消費状態を求めていたが、過去の経時的なリソース消費量から将来の経時的なリソース消費量を推定する将来予測部33aを付随させ、必要な場合、一定期間後におけるインストールプログラムの実行快適度を推定させるように構成することも可能である。また、この将来予測部33の機能を利用すると、特定端末1における満足すべき実行快適度が、プログラムイントール後、どの程度の期間保証されるといった情報を生成することも可能となる。
いずれにせよ、仮想実行評価部35から実行快適度が出力されると、インストール判定部36が、予め設定されている判定条件テーブルを参照して、インストール端末1におけるプログラムのインストールを許可するか中止させるかを示したインストール判定結果を生成し、インストール端末1に送り出す。
以上の端末1におけるプログラムのインストールの管理の全体的な制御は、インストール管理部37が行っている。このインストール管理部17には、アンインストールプログラム指定部37aが付随しており、このアンインストールプログラム指定部37aは、インストールしようするプログラムの推定実行快適度が十分でなく、インストールを許可できない場合、対象なっている端末1における1つ以上のどのプログラムをアンインストールすれば、要求されているプログラムのインストールが許可されるかを評価する機能を有している。つまり、アンインストールプログラム指定部37aは、順次指定したインストールプログラムのリソース消費量を減じた状態で、実行快適度を求める処理を繰り返させる。その際、端末1から、アンインストールしてもよいプログラム、例えば使用頻度の少ないプログラムを指示してもらうようにすると好都合である。あるいは、アンインストールプログラム指定部37aが、端末1において使用されていないか又は極端に使用頻度の少ないプログラムから順に指定して、アンインストールを実行し、所定レベル以上の実行快適度を得るようにしてもよい。
上述したインストール管理装置3の機能説明では、ある端末1のユーザが特定のプログラムのインストールを希望することから始まり、その端末1から送られてきたインストール可否判定要求に基づいて、インストール管理装置3が、そのプログラムのインストールを許可すべきかどうかを判定し、その判定結果を端末1に指示する仕組みとなっていた。しかしながら、ほぼ同一の機能を用いて、インストール管理装置3はこれ以外のインストール管理も可能である。例えば、端末1のユーザがプログラムのインストールを要求するのではなく、プログラムのインストールは全てインストール管理装置3側でその要求もその実行も行うものとする。つまり、ある特定のプログラムを複数の端末1の少なくとも1つにインストールしたい場合、上述したプログラムの実行快適度を全ての端末1に対して推定し、その高い実行快適度を持つ端末1を優先して、プログラムのインストールを行うという仕組みも、ネットワーク管理された端末1にとっては好都合である。
図5には、本発明の別の実施形態が示されている。先に説明した実施の形態では、多数の端末1で生成された固有リソース量管理ログとリソース消費量管理ログがネットワーク2を介してインストール管理装置3に送られ、管理され、特定の端末1から送られてきたインストール可否判定要求に応じて判定されたインストール可否判定結果をこの特定の端末1に送る。このインストール可否判定結果に基づいて、この端末1は希望のプログラムのインストールを実行したり、中止したりすることになる。しかしながら、このインストール管理装置3におけるインストール可否判定処理を実行するために必要な各機能部をモジュール化して端末1のコンピュータに実装すれば、そのコンピュータは単独で、本発明によるインストール管理機能を実現することができる。そのような形態における機能ブロック図が図5に示されている。これは、前述したネットワークタイプのインストール管理技術に較べ、特に図2と図5を比較すると良く理解できるが、端末管理部31が省略され、インストール管理装置3のデータバス54に構築されている端末情情報格納部30aとプログラム仕様情報格納部30bが端末1のハードディスク53に構築されていることで異なっている。そして、ネットワーク2を介しての固有リソース量管理ログとリソース消費量管理ログとインストール可否判定要求の伝送がコンピュータのデータバスに置き換わっていることに違いがあるが、実質的な技術内容は同じであるので、ここではその説明の繰り返しは省略する。
本発明によるインストール管理技術の基本原理を説明する模式図 本発明によるインストール管理技術を適用したコンピュータシステムの機能ブロック図 固有リソース量管理ログ(a)と、リソース消費量管理ログ(b)の説明図 リソース消費状態と推定リソース消費量とに基づくプログラム実行シミュレート結果を説明する模式図 本発明によるインストール管理技術をスタンドアローンタイプのコンピュータに適用した形態における機能ブロック図
符号の説明
1:端末
2:ネットワーク
3:インストール管理装置
12:プログラム管理部
13:リソース管理部
14:固有リソース量管理ログ生成部
15:リソース消費量管理ログ生成部
30a:端末情報格納部
30b:プログラム仕様情報格納部
31:端末情報管理部
32:プログラム仕様情報取得部
33:リソース消費状態決定部
33a:将来予測部
34:推定リソース消費量算定部
35:仮想実行評価部
35a:動作環境構築部
35b:シミュレート部
36:インストール判定部
37:インストール管理部
37a:アンインストールプログラム指定部

Claims (4)

  1. 端末へのプログラムのインストールを管理するインストール管理方法において、
    リソース消費状態決定部が、前記端末が所有する固有リソース量と前記端末における経時的なリソース消費量とに基づいて前記端末の前記固有リソース量の消費状態を示すリソース消費状態を決定するステップと、
    推定リソース消費量算定部が、前記端末にインストールされようとするプログラムの推定リソース消費量を算定するステップと、
    仮想実行評価部が、前記リソース消費状態と前記推定リソース消費量とに基づいて、前記端末にインストールされようとするプログラムが当該端末において実行される際に当該プログラムに割り当て可能な前記固有リソース量が多いほど高くなる実行快適度を推定するステップと、
    インストール判定部が、前記実行快適度に基づいて前記端末に対する当該プログラムのインストール可否を決定するステップと、を備え、
    リソース消費状態決定部が、前記端末にインストール済みのプログラムのうちで前記インストールされようとするプログラムと同時に実行される可能性の低い非同時実行プログラムを決定し、前記非同時実行プログラムのリソース消費量を除外して前記リソース消費状態を決定することを特徴とするインストール管理方法。
  2. 端末へのプログラムのインストールを管理するインストール管理方法において、
    リソース消費状態決定部が、前記端末が所有する固有リソース量と前記端末における経時的なリソース消費量とに基づいて前記端末の前記固有リソース量の消費状態を示すリソース消費状態を決定するステップと、
    推定リソース消費量算定部が、前記端末にインストールされようとするプログラムの推定リソース消費量を算定するステップと、
    仮想実行評価部が、前記リソース消費状態と前記推定リソース消費量とに基づいて、前記端末にインストールされようとするプログラムが当該端末において実行される際に当該プログラムに割り当て可能な前記固有リソース量が多いほど高くなる実行快適度を推定するステップと、
    インストール判定部が、前記実行快適度に基づいて前記端末に対する当該プログラムのインストール可否を決定するステップと、を備え、
    前記インストールされようとするプログラムのインストール先として複数のインストール候補端末が存在しており、インストール判定部が、前記複数のインストール候補端末のうちで前記実行快適度が最も高い端末をインストール先端末として決定することを特徴とするインストール管理方法。
  3. 端末へのプログラムのインストールを管理するインストール管理プログラムにおいて、
    前記端末が所有する固有リソース量と前記端末における経時的なリソース消費量とに基づいて前記端末の前記固有リソース量の消費状態を示すリソース消費状態を決定する機能と、前記端末にインストールされようとするプログラムの推定リソース消費量を算定する機能と、前記リソース消費状態と前記推定リソース消費量とに基づいて、前記端末にイン
    ストールされようとするプログラムが当該端末において実行される際に当該プログラムに割り当て可能な前記固有リソース量が多いほど高くなる実行快適度を推定する機能と、前記実行快適度に基づいて前記端末に対する当該プログラムのインストール可否を決定する機能とをコンピュータに実現させ
    前記リソース消費状態を決定する機能において、前記端末にインストール済みのプログラムのうちで前記インストールされようとするプログラムと同時に実行される可能性の低い非同時実行プログラムを決定し、前記非同時実行プログラムのリソース消費量を除外して前記リソース消費状態を決定することを特徴とするインストール管理プログラム。
  4. 端末へのプログラムのインストールを管理するインストール管理装置において、
    前記端末が所有する固有リソース量と前記端末における経時的なリソース消費量とに基づいて前記端末の前記固有リソース量の消費状態を示すリソース消費状態を決定するリソース消費状態決定部と、前記端末にインストールされようとするプログラムの推定リソース消費量を算定する推定リソース消費量算定部と、前記リソース消費状態と前記推定リソース消費量とに基づいて、前記端末にインストールされようとするプログラムが当該端末において実行される際に当該プログラムに割り当て可能な前記固有リソース量が多いほど高くなる実行快適度を推定する仮想実行評価部と、前記実行快適度に基づいて前記端末に対する当該プログラムのインストール可否を決定するインストール判定部とを備え
    リソース消費状態決定部が、前記端末にインストール済みのプログラムのうちで前記インストールされようとするプログラムと同時に実行される可能性の低い非同時実行プログラムを決定し、前記非同時実行プログラムのリソース消費量を除外して前記リソース消費状態を決定することを特徴とするインストール管理装置。
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