JP4744764B2 - ローション耐性の接着剤を有する吸収性物品 - Google Patents

Description

【０００１】
（技術分野）
本発明は、おむつ、訓練用パンツ、成人の失禁用装置、生理用ナプキン、女性用衣類のような伸縮性脚カフスを包含するカフスを有する吸収性物品に関する。さらに詳しくは、本発明は、普通の接触及び／若しくは着用者の動き、並びに／又は体熱によって着用者の皮膚に移ることが可能であるカフス、又はカフスとトップシート上に配置されたスキンケア組成物を有する吸収性物品及びスキンケア組成物の油脂性成分に耐性であるかかる吸収性物品を組みたてる手段に関する。
【０００２】
（発明の背景）
使い捨てのおむつ及び尿失禁用ブリーフ又は下着のような吸収性物品の主な機能は、身体排泄物を吸収し、含有することである。従って、このような物品は着用者と接触する衣料や寝具等の他の物品が、身体排泄物で汚れたり、濡れたり、又は汚損する事を防止する事を意図している。かかる製品の最も一般的な失敗の形態は、身体排泄物が物品と衣類に隣り合った着用者の脚又は胴との隙間から漏れ出すときに生じるが、これは、排泄物が物品に直ちに吸収されない、及び吸収性物品が良好な密着を持続することができずに物品から排泄物を漏らす隙間ができるためである。
【０００３】
例えば、尿は噴出してトップシート上に沈着する傾向があり、尿は物品と着用者の間の隙間に移動し、そこで、衣類又はその他の物品と接触し、これらの物品によって吸収される。加えて、吸収性物品によって吸収されにくいゆるい糞便物は、身体接触面に「浮く」傾向があり、物品と着用者の脚又は胴との隙間から流れ出る傾向がある。
【０００４】
最新の使い捨てのおむつは、トップシート、バックシート、吸収性コア、及び着用者の脚部並びに／又は胴部に接して位置する１以上のカフス、通常、伸縮性カフスを有する。伸縮性カフスがおむつの縁と接触する衣類の間に障壁を備えていると言う点で、これらの伸縮性カフスは、おむつの縁に接触する衣類へおむつに含まれた流体が逃げること及び流れ出すことを防ぐために一般に有効であることが判っており、一般にさらに、脚部若しくは胴部の周囲の密閉を維持するために、脚部又は胴部の周囲にガスケット作用を提供し、隙間をできるだけ抑える。しかしながら、伸縮性部材によって生じる力は狭い領域に沿って集中し、高い局所の圧を生じるので、かかる伸縮性カフスは着用者の皮膚をへこませ、跡をつける傾向が多くなる。これらの皮膚への影響は、皮膚が柔らかく且つ軽い圧又は摩擦作用にさえも敏感であるために、幼児及び尿失禁の高齢者が着用する製品に関して深刻である。
【０００５】
これらの皮膚への影響は、かかる製品によって引き起こされる皮膚との閉塞によってもさらに強調される。おむつによる皮膚との閉塞は、皮膚の過水和を招く可能性がある。その結果、過水和された皮膚は、着用者の普通の動き及び伸縮性カフスとの接触によって生じる擦れによる摩擦からの損傷にさらに敏感である。過水和された皮膚は、おむつかぶれ、紅斑、あせも、擦り傷、圧力によるかぶれ、及び皮膚のバリア喪失を含む皮膚の損傷にさらに敏感であることも一般に知られている。擦りむけて、過水和した皮膚のバリア有効性が低下することはさらにおむつかぶれを増やす可能性がある。（２１ＣＦＲ§３３３．５０３は、おむつかぶれを「１以上の次の因子：湿気、閉塞、擦り切れ、尿又は糞便若しくはその両者との連続した接触、若しくは機械的又は化学的な刺激により引き起こされるおむつ部位（会陰、臀部、下腹部及び内股）における炎症性の皮膚症状」として定義している。
【０００６】
おむつ及びその他の吸収性物品を着用することに付随する皮膚の損傷の懸念に対処するために、介護人若しくは着用者は、吸収性物品を着用者に着ける前に、臀部、生殖器、肛門及び／若しくはその他の部位に、皮膚保護剤並びに／又は治療用製品を適用することが多い。この処置には、介護人が皮膚保護用製品を手に適用し、次いで着用者の皮膚上でそれを拭うことが関与する。この無駄な、面倒な、時間のかかる、且つ忘れ易い処置を除くために、物品のトップシートの上にスキンケア物質を含有する吸収性物品を調製する試みがある。
【０００７】
当該技術は、特に使用中カフに接触する皮膚部位において改善されたスキンケア利益を提供するために、カフス上に配置されたスキンケア組成物とともにカフスを有する吸収性物品を提供することによって、カフスを用いるために生じる皮膚への不利な影響にさらに対応してきた。かかるスキンケア組成物は、これらの皮膚への利益を提供するために着用者の皮膚に移ることが可能である。特に有用なスキンケア組成物及びかかるスキンケア組成物をカフス上に配置した吸収性物品は、米国特許出願番号第０８／９６２，３１０号（シュルト（Schulte）らの名のもとに１９９７年１０月３１日出願）に記載されており、参考として本明細書に組み入れる。
【０００８】
しかしながら、かかるスキンケア組成物及び吸収性物品が実質的なスキンケア利益を提供する一方で、さらなる改善が必要である。例えば、スキンケア組成物は吸収性物品におけるカフの機能性を損なわないことが重要である。スキンケア組成物の油脂性成分はカフの身体面上から内側表面に拡散することができ、そこでかかる成分が、カフを組み立てるのに用いられた構造接着剤に接触することができる。かかる接触が生じれば、油脂性成分は、接着剤を可塑化し、そこにおける引張応力の低下又は粘着強度の喪失を生じる。連続した応力のもとで、これはクリープを生じることができる。本明細書で使用されるとき、「クリープ」は、カフ内部における接着力の緩やかな減少又は伸縮性部材の緩やかな弛緩出をいう。かかるクリープは最終的には、カフ材及び伸縮性部材の分離を生じることができ、結果として収縮力の喪失並びにカフ周囲における漏出の増加を招く。
【０００９】
前述の米国特許出願番号第０８／９６２，３１０号まで、当該技術は吸収性物品におけるカフスにスキンケア組成物を適用することの価値を認識することができなかった。当該技術は、吸収性物品構成接着剤と局所に適用されるローション及び軟膏との間の相互作用を認識することができなかった。
【００１０】
例えば、ブロックコポリマー化学（例えば、以後「ＳＩＳ」というスチレン−イソプレン−スチレン）に基づいた先行技術の接着剤のような先行技術の接着剤で組み立てられたカフスにスキンケア組成物を適用することの欠点の１つは、伸縮性部材がクリープする傾向であった。
【００１１】
米国特許第６，０１０，９７２号（２０００年１月４日発行、ザチャリアス（Zacharias）ら）は、望ましい耐油性及び加工特性を有すると称している接着剤を用いて組み立てられた伸縮性複合物を開示している。ザチャリアス（Zacharias）ら’９７２は、接着剤が２７５°Ｆにて約４０，０００センチポアズ未満の粘度値を示すのが望ましいことを教示することを主張している。ザチャリアス（Zacharias）ら’９７２は、２７５°Ｆにて約４０，０００センチポアズより高い粘度を有する接着剤は基材への乏しい粘着性接着を生じる傾向があることを教示することをさらに主張している。
【００１２】
先行技術の欠点には、接着剤が典型的な加工装置を介して加工されることができ、基材に効果的に適用されることができるのに十分低い粘度を有する必要性が挙げられる。接着剤の粘度が高ければ高いほど、接着剤を加工するのはなおさら困難になる。さらに、粘度は、有効な粘着性接着を形成するのを妨げるほど低くすることはできない。
【００１３】
従って、油脂性スキンケア組成物の存在下で一体性を維持する伸縮性成分を含む吸収性物品を有することが極めて望ましい。さらに高い粘度にて加工することができ、効果的に粘着性に接着することができる吸収性物品を有することが極めて望ましい。
【００１４】
先行技術の観点からは、ブロックコポリマーのホットメルト接着剤を含む本発明の吸収性物品がローションの存在下でクリープ耐性を示すことを見い出したのは極めて驚くべきであり、意外である。その上、本発明の接着剤が先行技術よりも高い粘度で効果的に加工することができ、吸収性物品の成分に適用することができるのを見い出したのは驚くべきことである。
【００１５】
（発明の概要）
本発明は、カフの身体面上に配置された（適用された又はそれに移動可能な）スキンケア組成物を伴う１以上のカフスを有する、使い捨ておむつのような吸収性物品に関する。特に、本発明は、かかるスキンケア組成物を製剤化するのに用いられる油脂性成分に耐性である接着剤を用いて組み立てられる吸収性物品、特にそのカフスに関する。
【００１６】
本明細書で使用されるとき、「カフ」という用語には、バリアカフス、ガスケットカフス、その組み合わせ及び変形を含む脚部カフス；横断バリア及びポケット／スペーサー；側面パネル及び耳積層体；並びに、ウエストフラップ、ウエストベルト、ウエストキャップ、及び一体型ウエストキャップ／ウエストベルトを含む腰部カフス；並びにそれらのカフスすべて又は一部の組み合せが挙げられる。
【００１７】
本発明はまた、着用者によって皮膚に隣接して着用されるべき吸収性物品に関するものであって、該吸収性物品は：
基台と、
バックシートに接合された液体透過性トップシートを含む外側のカバー層；及び
トップシートとバックシートの間に位置する吸収材コアを含む；
並びに
基台に接合されるカフを含み、カフスはそれぞれ第１の表面及び第１の表面とは反対に配置される第２の表面を有する。該カフは、カフ部材及び伸縮性部材を含み、その際、伸縮性部材は向き合った伸縮性末端部を有し、耐油性接着剤を用いてカフ部材に接合される。接着剤は、１７７℃の温度にて約２０，０００センチポアズ未満の、及び１３５℃の温度にて約１００，０００センチポアズ未満の見かけの粘度及び約５ジュール／グラム未満の融解熱を示す。有効量のスキンケア組成物をカフの上に配置する。前記スキンケア組成物は２０℃にて半固体又は固体であり、接触、着用者の普通の動き及び／又は体熱によって少なくとも部分的に着用者の皮膚に移ることが可能である。
【００１８】
本発明はさらに、皮膚に隣接して着用者によって着用されるべき吸収性物品の製造方法に関するものであり、方法は：
基台を提供し、その際該基台は
バックシート；
及び
バックシートに接合された液体透過性トップシートを含む外側のカバー層；並びに
トップシートとバックシートの間に位置する吸収材コアを含む。カフが提供され、それによってカフはそれぞれ基台に接合される。カフはそれぞれ第１の表面及び第１の表面とは反対に配置する第２の表面を有する。該カフは、カフ部材及び伸縮性部材を含み、その際、伸縮性部材は向き合った伸縮性末端部を有し、伸縮性部材は耐油性接着剤を用いてカフ部材に接合される。耐油性の接着剤は、１７７℃の温度にて約２０，０００センチポアズ未満の、及び１３５℃の温度にて約１００，０００センチポアズ未満の見かけの粘度並びに約５ジュール／グラム未満の融解熱を示す。有効量のスキンケア組成物をカフの上に配置する。前記スキンケア組成物は２０℃にて半固体若しくは固体であり、接触、着用者の普通の動き及び／又は体熱によって少なくとも部分的に着用者の皮膚に移ることが可能である。
【００１９】
（発明の詳細な説明）
本明細書で使用する「含む」という用語は、本発明を実施する際、多様な構成要素、成分又は工程を連合して使用できることを意味する。それ故に、「含む」という用語は、より限定的な用語「本質的に〜からなる」及び「〜からなる」を包含する。
【００２０】
本明細書で使用されるとき、「スキンケア組成物」という用語は、物品から着用者の皮膚に移されたとき、治療的な及び／又は保護的な皮膚の利益を提供する１以上の不動化剤を含むいかなる組成物もいう。代表的な物質は以下で詳細に議論される。
【００２１】
本明細書で使用する全ての百分率、比、比率は、他に指定がなければ、重量基準である。
【００２２】
Ａ．吸収性物品
本明細書で使用されるとき、「吸収性物品」という用語は、身体排泄物を吸収する及び含有する装置をいい、さらに具体的には、身体から排出される種々の排泄物を吸収し、含有するための着用者の皮膚に対して置く装置をいう。「使い捨ての」という用語は、本明細書では１回使用した後で、洗濯する、さもなければ吸収性物品として復元する又は再利用することを意図しない吸収性物品を記載するのに用いられる。使い捨ての吸収性物品の例には、生理用パンティ、生理用ナプキン、及びパンティライナのような女性用衛生製品；おむつ；ブリーフや下着のような失禁用製品；おむつホルダー；おむつ挿入物；プルオンのおむつ並びに訓練用パンツ；その他が挙げられる。本発明の好適な吸収性物品は、米国特許出願番号第０８／８１６，１０６号（クロ（Curro）らの名において１９９７年３月１４日出願）；同第６０／０８３，９１３号（シーハン（Sheehan）らの名において１９９８年５月１日出願）；及び同第０８／９６２，３１０号（シュルテ（Schulte）らの名において１９９７年１０月３１日出願）に基づいて製造してもよく、その開示を参考として本明細書に組み入れる。
【００２３】
使い捨ての吸収性物品は典型的に、液体透過性トップシート及びトップシートに接合する液体不透性バックシートを含む外側のカバー層、並びに外側のカバー層の中の、好ましくはトップシートとバックシートの間に位置する吸収材コアを含む基台からなる。トップシート、バックシート、吸収材コア、及びそのような成分の個々の層を含む、使い捨ての吸収性物品並びにその成分は、一般に身体面と衣類面を示す２つの主な表面（第１の表面及び第２の表面）を有する。本明細書で使用されるとき、「身体面」（身体接触面又は皮膚接触面ともいう）は、着用されることが意図された物品又は成分の表面が着用者の身体に向かって又は隣接していることを意味し、一方、「衣類面」は、使い捨ての吸収性物品を着用したとき、着用者から離れている反対側にあり、着用者の衣類の方を向いていることを意味する。
【００２４】
以下の説明は一般に、使い捨ての吸収性物品で有用である吸収材コア、トップシート、及びバックシートの材料を議論する。このような一般的記載は、一般に本明細書で記載されるその他の使い捨ての吸収性物品に加えて、図１〜４に示される具体的な吸収性物品のこれらの成分に適用されることが理解されるべきであり、さらに以下に記載されている。
【００２５】
一般に、吸収材コアは、液体（例えば、経血、尿、及び／又はその他の身体排泄物）を吸収する又は保持することが可能である。吸収材コアは好ましくは圧縮可能であり、心地よく、且つ着用者の皮膚に非刺激性である。吸収材コアは多種多様のサイズ及び形状（例えば、方形、卵形、砂時計形、「Ｔ」形状、イヌの骨型、対称形、非対称形など）に製造してもよい。本発明の吸収性複合材に加えて、吸収材コアは、一般的にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプのような吸収性物品で一般に用いられている多種多様の液体吸収性素材を包含してもよい。吸収材コアで使用するのに好適なその他の吸収性素材の例には、縮みセルロース詰め物；コフォームを包含するメルトブロウンポリマー；化学的に剛化、変性、または架橋されたセルロースファイバー；織縮ポリエステルファイバーなどの合成繊維；ピートモス；ティッシュラップ及びティッシュラミネートを包含するティッシュ；吸収性フォーム；吸収性スポンジ；超吸収性ポリマー；吸収性ゲル素材；若しくはあらゆる同等の素材又はその組み合わせ又はこれらの混合物が挙げられる。
【００２６】
吸収材コアの外形及び構造もまた変化してもよい（例えば、吸収材コアは、変化するキャリパゾーンを有してもよく及び／若しくは中心がさらに厚くなるような特性；親水性の勾配；吸収性複合体の勾配、例えば、超吸収体勾配；さらに低い平均密度並びにさらに低い坪量帯、例えば、獲得帯を有してもよく；又は１以上の層又は構造を含んでもよい）。しかしながら、吸収材コアの吸収総容量は、吸収性物品の設計負荷及び使用の意図に適合すべきである。さらに、吸収材コアのサイズ及び吸収容量は、おむつ、失禁用パッド、訓練用パンツ、パンティライナ、通常の生理用ナプキン、及び夜間用の生理用ナプキンのような様々な用途に適応させるために、並びに幼児から成人に至る着用者に適応させるために変化してもよい。
【００２７】
吸収材コアは、吸収性物品に頻繁に用いられているその他の吸収性成分、例えば、ダスティング層（dustinglayer）、ウィッキング（wicking）または捕捉層（サージ電圧管理層）、又は着用者の快適さを高めるための副次的なトップシートを包含することができる。
【００２８】
トップシートは好ましくは迎合的で、柔らかい感触であり、且つ着用者の皮膚に非刺激性である。さらに、トップシートは、少なくとも特定の領域において液体透過性であり、液体（例えば、経血及び／又は尿）がその厚さを容易に貫通することができる。好適なトップシートは、孔あき不織布を含む織布及び不織布材（例えば、繊維の不織布ウエブ）；孔あき形成熱可塑性フイルム、孔あき塑性体フイルム、及び水流形成熱可塑性フイルムのようなポリマー材料；多孔性泡状物；網状泡状物；網状熱可塑性フイルム；並びに熱可塑性スクリムのような広範囲の材料により製造されてもよい。好適な織布材及び不織布材は、天然繊維（例えば、木または綿繊維）、合成繊維（例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン繊維等の高分子繊維）、二成分繊維又は天然繊維並びに合成繊維の組合せを含むことができる。トップシートが不織布ウエブを含む場合、多数の既知の技法によってウエブを製造してもよい。例えば、ウエブはスパンボンドされてもよいし、カード法によってもよいし、湿式重ね合わせされてもよいし、メルトブロウンされてもよいし、水流絡合、水流成形、水流孔あけされてもよいし、上記などを組み合わせてもよい。
【００２９】
バックシートは、好ましくは少なくとも吸収性物品の股部領域では液体（例えば、経血及び／又は尿）不透過性であり、その他の可撓性の液体不透過性素材も用いてもよいが、好ましくは薄い塑性体フイルムから製造される。本明細書で「可撓性」という用語は、順応性があって、ヒトの身体の一般的な形や輪郭に容易に沿うことができる材料について言っている。バックシートは、吸収材コアに吸収され、含有された排泄物が吸収性物品に接触する物品（ベッドシーツ、パンツ、パジャマ及び下着など）を濡らすのを防ぐ。従ってバックシートは、織布若しくは不織布材、ポリエチレン若しくはポリプロピレンの熱可塑性フィルム等のポリマーフィルム、又は被覆不織布材若しくはフィルム被覆不織布材等の複合材料を包んでもよい。好適なバックシートは約０．０１２ｍｍ（０．５ｍｉｌ）から約０．０５１ｍｍ（２．０ｍｉｌ）までの厚みを有するポリエチレンフィルムである。代表的なポリエチレンフィルムは、Ｐ−１８−１４０１の名称で、クロペイ社（Clopay Corp.）（米国オハイオ州シンシナティ）により、及びＸＰ−３９３８５の名称で、トレデガーフィルムプロダクツ（Tredegar Film Products）（米国インデアナ州テレホート）により製造されている。バックシートは好ましくは、より布地様の外観を持つようにエンボス加工及び／又は梨地仕上げを施されていてよい。さらに、バックシートは、排出物が該バックシートを通過するのを防ぐ一方、吸収材コアから蒸気を逃がすことが可能であってよい（即ち、バックシートは通気性である）。（本明細書に用いるのに好適な通気性のバックシートの例は米国特許第５，５７１，０９６号（１９９６年１１月５日ドブリン、デービス、及びウエイリッチ（Dobrin、Davis and Weirich）に発行）に開示されており、参考としてその特許を本明細書に組み入れる。）バックシートのサイズは、吸収材コアのサイズ及び選択される正確な吸収性物品の設計によって決定される。
【００３０】
バックシート及びトップシートはそれぞれ、吸収材コアの衣類面並びに身体面に隣接して位置付けられる。吸収材コアは好ましくは、当該技術分野において周知のもののような結合部材として知られるいかなる方法においてトップシート、バックシート、又は両方と接合される。しかしながら、本発明の実施形態は、吸収材コア全体の一部がトップシート、バックシート、又はその両方のいずれかと結合していない場合も想定される。
【００３１】
バックシート及び／若しくはトップシートは、例えば、接着剤の均一な連続層、接着剤のパターン化した層、又は接着剤の別個のライン、螺旋若しくは点によって吸収材コア又は互いに固定されてもよい。油脂性物質にさらされる吸収材コアにトップシート又はバックシートを接合することのような適用に基準を満たしていると見い出されている接着剤は極めて少なく、ＨＬ−１３５８の名称のもとでミネソタ州セントポールのＨ．Ｂ．フラーカンパニー（Fuller Company）により製造されている。好適な耐油性の接着剤は以下のパートＣにて詳細に議論する。取り付け部材は、好ましくは米国特許第４，５７３，９８６号（１９８６年３月４日ミネトラ（Minetola）らに発行）に記載されているような接着剤のフィラメントの開放型網状組織を含み、それは参考として本明細書に組み入れられる。フィラメントの開放型網状組織の代表的な取り付け手段は、米国特許第３，９１１，１７３号（１９７５年１０月７日スプラーグ（Sprague）Ｊｒに発行）；米国特許第４，７８５，９９６号（１９７８年１１月２２日ゼイカー（Zwieker）らに発行）；及び米国特許第４，８４２，６６６号（１９８９年６月２７日ウエネニック（Werenicz）に発行）で示される装置並びに方法によって説明されるような螺旋型に渦巻いた数本の接着剤フィラメントを含む。これら特許のそれぞれは、参考として本明細書に組み入れる。あるいは、取付け手段には、熱接着、圧力接着、超音波接着、動的機械的接着、又は当業界周知の他のいずれかの適切な接着手段若しくはこれら接着手段の組合せを含むことができる。
【００３２】
本発明の「処理されたカフ」（「処理されたカフ」はカフ上に配置された１以上のスキンケア組成物を有するカフを表記するのに用いられる）を用いてもよい好ましい使い捨ての吸収性物品はおむつである。本発明で使用する「おむつ」という用語は、一般に幼児及び失禁者が着用する吸収性物品を指し、着用者の胴体下部周りに着用される。言いかえれば、「おむつ」という用語には、幼児用おむつ、訓練用パンツ、成人の失禁用道具などが含まれる。本発明はまた、カフスを含有する生理用ナプキン及びパンティライナーのようなその他の種類の使い捨ての製品にも適用可能である。
【００３３】
図１は、本発明の一実施形態としてのおむつ２０の平らに伸ばして収縮していない状態の（すなわち、伸縮性により生じる収縮をすべて引き伸ばした）平面図であり、おむつ２０の着用者に面する部分（身体面上）を手前に向け、構造の一部を切り欠いておむつ２０の構造をより明瞭に示している。おむつ２０は図１において前腰部領域２２、後腰部領域２４、股部領域２６、及び長手方向縁を３０と表記し、末端縁を３２と表記するおむつの外側の縁で画定される周辺部を有することが示されている。おむつ２０はさらに３４と表記される横方向のセンターライン及び３６と表記される長手方向のセンターラインを有する。おむつ２０は、（ｉ）液体透過性トップシート３８及び液体不透性バックシート４２を含む外側カバー層、並びに（ｉｉ）側面縁４６；好ましくは一対のテープで止めるファスナー５４及び保定部材５５を含む止めシステム；それぞれ側面フラップ５８及びフラップ伸縮性部材６０を含むガスケットカフ５６；近位縁６４、遠位縁６６、及び末端部７４を有するバリアカフ部材６３を含むバリアカフ６２；並びにトップシートから離れた遠位縁６６の間隔設定のための間隔設定用伸縮性部材７６のような間隔設定手段を有する吸収材コア４４を含む基台を含む。おむつ２０はさらに各バリアカフ６２の末端部７４を閉じて固定するための閉鎖部材７８を含む。おむつの構成成分は周知の種々の外形において組み立ててもよいが、好ましいおむつの外形は、一般に米国特許第４，６９５，２７８号（１９８７年９月２２日ローソン（Lawson）に発行）に記載されており、参考としてその特許を本明細書に組み入れる。
【００３４】
図１は、トップシート３８及びバックシート４２が同一の広がりを持ち、長さ寸法並びに幅寸法は一般に吸収材コア４４のそれらよりも大きいおむつ２０の実施形態を示す。トップシート３８はバックシート４２に接合して上に重ねられ、それによっておむつ２０の周辺部を形成する。
【００３５】
おむつ２０は、それぞれ、周辺部の末端縁３２からおむつ２０の横方向センターライン３４に広がる前腰部領域２２及び後腰部領域２４を有する。腰部領域は、着用したとき着用者の腰部を取り囲むおむつ２０の部分を含む。股部２６は、腰部領域の間のおむつ２０の部分であり、着用したとき着用者の脚の間に位置するおむつ２０の部分を含み、着用者の下腹部を覆う。
【００３６】
図１に示されるように、スキンケア組成物７２は各バリアカフ６２の上に配置される。スキンケア組成物７２は好ましくは、使用中スキンケア組成物が容易に着用者の皮膚に移ってもよいようにバリアカフの身体面上に配置する。示される実施形態では、スキンケア組成物７２は、遠位縁６６に隣接して、好ましくは少なくとも股部領域２６の中に配置される。さらに好ましくは、スキンケア組成物７２は、遠位縁６６の上に配置される。バリアカフ６２は最も好ましくは、その上に配置された１以上の縞状のスキンケア組成物７２を含む。示される実施形態では、スキンケア組成物７２はバリアカフ６２のたった１つの断片上にのみ配置される。ある種のスキンケア組成物については、スキンケア組成物及び接着剤との相互作用の結果生じる伸縮性クリープがないことを確実にするために間隔設定用伸縮性部材の末端部に隣接したバリアカフの部分にスキンケア組成物を適用するのは避けることが好ましい。図１に示されるように、好ましい実施形態では、スキンケア組成物７２は、前腰部領域における間隔設定用伸縮性部材７６の末端部に隣接しては配置されない（代替的に後腰部領域における末端部に隣接して配置されなくてもよいが）。本明細書で議論するように、スキンケア組成物は代替的に、バリアカフの衣類面に適用してバリアカフスの疎水性を高めることができるように身体面に移ることができるようにしてもよいし、同様に身体面に配置してスキンケア利益を提供してもよい。さらに、スキンケア組成物は、バリアカフのその他の部分、バリアカフ全体、間隔設定用伸縮性部材、又はバリアカフのいかなる構成成分に適用してもよい。スキンケア組成物は、不連続型又は連続型を包含するいかなる型、又は本明細書で以後議論するいかなる量において配置されてもよい。
【００３７】
図２に示されるおむつ２０は、衣類面８６及び衣類面８６と向き合った身体面８４を有する。おむつ２０の身体面８４は、使用中、着用者の身体に隣接して位置するおむつ２０の部分を含む（すなわち、身体面８４は一般にトップシート３８の一部及びトップシート３８に接合してもよいものを含むその他の構成成分によって形成される）。衣類面８６は、使用中、着用者の身体から離れて位置するおむつの部分を含む（すなわち、衣類面８６は一般に少なくともバックシート４２の一部及びバックシート４２に接合してもよいものを含むその他の構成成分によって形成される）。
【００３８】
図２は図１の２−−２に沿った線で切り取った断面図であり、おむつ２０の後腰部領域２４におけるおむつの構造を表現している。（前腰部領域２２におけるおむつの構造は実質的に後腰部領域２４の構造と同一であることを理解すべきである）吸収材コアは、ティッシュ層５０及び５２によって完全に包まれていることが示される吸収層４８を含む吸収材コア４４は、トップシート３８及びバックシート４２との間に配置され；トップシート３８並びにバックシート４２の双方は、吸収性コア４４の側面縁４６を越えて延び、側面フラップ５８を画定する。トップシート３８及びバックシート４２の並列した領域は、好ましくは、接着剤のようなフラップ取り付け部材８８によって一緒に固定される。好ましい実施形態では、フラップ伸縮性部材は、この領域でガスケットカフが形成されないように、後腰部領域２４まで延びない。バリアカフ６２は、別々の要素、トップシート３８に固定されたバリアカフ部材６３；近位固定部材９２によってバリアカフ部材６３をトップシート３８に固定することにより形成される近位縁６４を含むとして示される。バリアカフ６２の衣類面６８（バリアカフの内向き面ともいわれる）は閉鎖部材７８により身体面４０に固定される。従って、遠位縁６６は閉鎖される。（すなわち、それは身体面４０からさほど間隔が空かない。）遠位縁６６は、腰部領域において身体面４０から間隔を空けて離れるようには設計されないので、この領域には間隔設定用伸縮性部材は配置されないことに注目すべきである。従って、バリアカフ６２は、この領域では開放されていないし、身体排泄物の流れを容易には制約しない。この特定の実施形態では、スキンケア組成物も好ましくは後腰部領域のバリアカフ上には配置されない。
【００３９】
図３は、図１の３‐３の線に沿って切り取った断面図であり、着用者に適用する前に形作られるときの股部領域２６におけるおむつの構造を表現する（すなわち、おむつ２０は伸縮性収縮の対象となっている）。吸収材コア４４は、ティッシュ層５０及び５２によって完全に包まれていることが示されている吸収層４８を含む。吸収材コア４４は、トップシート３８及びバックシート４２との間に配置され；トップシート３８並びにバックシート４２の双方は、吸収材コア４４の側面縁４６を越えて延び、側面フラップ５８を画定する。トップシート３８及びバックシート４２の並列した領域は、好ましくは、接着剤のようなフラップ取り付け部材８８によって一緒に固定される。トップシート３８及びバックシート４２は、長手方向縁３０に隣接するフラップ伸縮性部材６０をも囲みこむ。フラップ伸縮性部材６０は、トップシート−バックシートが形成する側面フラップ５８の中で好ましくは伸縮性取り付け部材９０によって固定される。それによって伸縮的に収縮可能なガスケットカフ５６が側面フラップ５８及びフラップ伸縮性部材６０により形成される。ガスケットカフは、おむつが着用されたとき着用者の皮膚に面する身体面５７及び身体面５７とは反対の衣類面５９を有する。バリアカフ６２は、好ましくはフラップ伸縮性部材６０及び吸収材コア４４の側面縁４６との間でトップシート３８に別の要素、バリアカフ部材６３を固定することによって形成されるとして示される。近位固定部材９２によりバリアカフ部材６３をトップシート３８に固定することによってバリアカフ６２の近位縁６４を形成する。間隔設定伸縮性部材７６は、バリアカフ部材の末端部６３がそれ自体の上で折り曲げられるとき形成されるトンネルに囲み込まれ；間隔設定伸縮性部材７６は、間隔設定伸縮性取り付け部材９４によってトンネル内に固定される。バリアカフの遠位縁６６は、間隔設定伸縮性部材７６の伸縮性ヒダ寄せ作用によって身体面４０から離れて間隔を空けられる。おむつ２０が着用者から外されるまで、バリアカフ６２は身体排泄物を制止し、含有し保持する準備ができているとして示される。図３でスキンケア組成物７２は、スキンケア組成物７２が使用中、着用者の皮膚に移ってもよいようにバリアカフ６２の身体面７０（バリアカフ要素６３）の上に配置されるとして示される。
【００４０】
本発明のおむつは、本発明に適用するその吸収材コアを伴った多数の周知の外形を有してもよい。代表的な外形は、一般に米国特許第３，８６０，００３号（１９７５年１月１４日ブエル（Buell）に発行）；米国特許第５，１５１，０９２号（１９９２年９月２９日ブエル（Buell）らに発行）；米国特許第５，５８０，４１１号（１９９６年１２月３日ニース（Nease）らに発行）；米国特許第５，５６９，２３２号（１９９６年１０月２９日ロー（Roe）らに発行）；及び米国特許第５，５６９，２３４号（１９９６年１０月２９日ブエル（Buell）らに発行）に記載されている。これら特許のそれぞれは参考として本明細書に組み入れる。
【００４１】
おむつの基台は、おむつの本体部分（封じこめ組み立て）を含むとして図面に示される。基台は、少なくとも吸収材コア及び、好ましくはトップシート並びにバックシートを含む外側カバー層を含む。吸収性物品が別々のホルダーと裏地を含む場合、基台は一般にホルダーと裏地を含む（すなわち、基台は、ホルダーを画定する１以上の素材を含む一方で、裏地は、トップシート、バックシート、及び吸収材コアのような吸収性複合材を含む。）一体型吸収性物品については、基台は、複合おむつ構造を形成するために加えられるその他の特徴とともにおむつの主要構造を含み；従って、おむつの基台は、トップシート、バックシート、及び吸収材コアを含む。
【００４２】
おむつ２０で使用するのに特に好適であるトップシート３８は、織物技術における当業者に周知の手段でカードされ、熱結合される。本発明で基準を満たすトップシートは、約２．２デニールを有する短繊維（ステープル）のポリプロピレン繊維を含む。本明細書で使用されるとき、「短繊維」という用語は少なくとも約１５．９ｍｍ（０．６２５インチ）の長さを有する繊維をいう。好ましくは、トップシートは、約１４〜約２５グラム／平方メータの坪量を有する。好適なトップシートは、Ｐ−８の名称のもと、マサチューセッツ州、インターナショナルペーパーカンパニーの一ディビジョンであるウォルポールのベラテック社（Veratec、Inc.）によって製造されている。別の好ましいトップシートは、９６９４の名称のもと、サウスカロライナ州、シンプソンビルのファイバーウエブノースアメリカ社（Fiberweb North America、Inc.）から入手可能な２２グラム／平方メートルの坪量のスパンボンドの不織布ウエブである。
【００４３】
おむつ２０のトップシート３８は好ましくは親水性素材で構成され、トップシートを介した液体（例えば、尿）の迅速な移動を促進する。トップシートが疎水性素材で構成されれば、好ましくは少なくともトップシートの身体面又はその部分は、液体がトップシートを介してさらに迅速に移動するように親水性に処理される。これによって、身体排泄物がトップシートを介して引き取られ、吸収材コアにより吸収されるのではなくむしろ、トップシートから流れ落ちる可能性を低下させる。界面活性剤で処理することによってトップシートを親水性にすることができる。界面活性剤でトップシートを処理する好適な方法には、トップシートの材料に界面活性剤を噴霧すること、並びにその材料を界面活性剤中に浸漬することが含まれる。そのような処理及び親水性のより詳細な議論は、米国特許第４，９８８，３４４号（１９９１年１月２９日レイジング（Reising）らに発行）、及び米国特許第４，９８８，３４５号（１９９１年１月２９日レイジング（Reising）に発行）に含有されており、それぞれ参考として本明細書に組み入れる。
【００４４】
本明細書で記載される特に好ましい実施形態では、吸収性物品のトップシートはその上に配置されるスキンケア組成物も有する。代表的な処理されたトップシートは、米国特許５，６４３，５８８号（１９９７年７月１日ロー、ベイクス、及びワーナー（Roe、Bakes、and Warner）に発行）；並びに米国特許第５，６３５，１９１号（１９９７年６月３日ロー及びマッキー（Roe and Mackey）に発行）に記載されており、それぞれ参考として本明細書に組み入れる。そのように処理されたトップシートを有する吸収性物品の反復した使用を介してスキンケア組成物を送達する方法は、米国特許出願番号第０８／９２６，５３２号（１９９７年９月１０日エルダー（Elder）らにより出願）；米国特許出願番号第０８／９２６，９２６、５３３号（１９９７年９月１０日バンリジウイジック（Van Rijswijck）らにより出願）；及び米国特許出願番号第０８／９０８，８５２号（１９９７年８月８日ロー（Roe）らにより出願）に開示されており、それぞれを参考として本明細書に組み入れる。本明細書で議論されるように、カフス及びトップシートの両方に配置されるスキンケア組成物は、カフスの処理のみに比べて、表面積という点で大量の皮膚へのスキンケア組成物の移動を促進する。その上、両方の構成成分への適用によってさらに大量のスキンケア組成物が、着用者の所定の領域へ送達されてもよいし、及び／又は異なった皮膚の利益のための異なった配合のスキンケア組成物が送達されてもよい。
【００４５】
本明細書で記載されるおむつの好ましい実施形態では、バックシート４２は、おむつ全体の周辺部の周りの吸収材コアを越えて延びる変型砂時計形状を有する。バックシートは好ましくは、選択的に孔をあけたポリマーの成形フイルム及び不織布ウエブを含む柔らかい、衣類のようなウエブ積層物である。かかる通気性のバックシートは、米国特許第５，５７１，０９６号（１９９６年１１月５日ドブリン（Dobrin）らに発行）にさらに完全に記載されており、その特許を参考として本明細書に組み入れる。
【００４６】
吸収材コア４４は、おむつ２０に適合するいかなるサイズ又は形状を呈してもよい。おむつ２０の好ましい実施形態の１つは、第１の腰部領域に耳を有するが、一般に第２の腰部領域では方形形状である、非対称の変形Ｔ字型の吸収材コア４４を有する。広く受け入れられて商業的成功を収めた、本発明の吸収材コアとして使用される代表的な吸収構造は、米国特許第４，６１０，６７８号（１９８６年９月９日Ｗｅｉｓｍａｎらに発行）、米国特許第４，６７３，４０２号（１９８７年６月１６日Ｗｅｉｓｍａｎに発行）、米国特許第４，８８８，２３１号（１９８９年１２月１９日Ａｎｇｓａｄｔに発行）、欧州特許出願第６４０，３３０号（１９９５年３月１日公開、プロクター＆ギャンブルカンパニー）及び米国特許第４，８３４，７３５号（１９８９年５月３０日Ａｌｅｍａｎｙらに発行）に記載されている。吸収材コアは、吸収貯蔵層コアの上に配置された化学剛化繊維の受入／分配コアを含有する二重コアシステムをさらに含んでもよく、これは、米国特許第５，２３４，４２３号（１９９３年８月１０日アレメニー（Alemany）らに発行）；及び米国特許第５，１４７，３４５号（１９９２年９月１５日ヤング、ラボン及びテイラー（Young、LaVon and Taylor）に発行）に詳説されている。これら特許の全てを参考として、本明細書に組入れる。
【００４７】
好ましい実施形態では、おむつ２０は、液体及びその他の身体排泄物の改善された封じ込めを提供するためのバリアカフ６２並びに／又はガスケットカフ５６を含む脚部カフをそれぞれ有するカフスを含む。カフスは、液体及びその他の身体排泄物の改善された封じ込めを提供し、多数の異なった外形で構成することができる。おむつ２０はまた、おむつ２０のさらに輪郭に沿った適合及びさらに効果的な適用を提供するために伸縮性の腰部の特徴（示さず）並びに／又は伸縮性の側面パネル（示さず）を含むカフスも含む。かかるカフスもスキンケア組成物で処理されてもよい。
【００４８】
脚部カフはそれぞれ、脚部領域において身体排泄物の漏出を減らすために数種の異なった実施形態を含んでもよい。（脚部カフは、脚部バンド、側面フラップ、バリアカフス、伸縮性脚部カフス、ガスケットカフス、又は伸縮性カフスであることができ、またそう呼ばれることもある）参考として本明細書に組み入れられる米国特許第３，８６０，００３号は、側面フラップ及び伸縮性脚部カフ（ガスケットカフ）を提供するための１以上の伸縮性部材を有する収縮可能な脚部開口部を提供する使い捨てのおむつを記載している。参考として本明細書に組み入れられる米国特許第４，９０９，８０３号（１９９０年３月２０日アジズ（Aziz）らに発行）は、脚部領域の封じ込めを改善するための「立っている」伸縮性を持たせたフラップ（バリアカフス）を有する使い捨てのおむつを記載している。参考として本明細書に組み入れられる米国特許第４，６９５，２７８号（１９８７年９月２２日ローソン（Lawson）に発行）は、ガスケットカフ及びバリアカフを含む二重カフスを有する使い捨てのおむつを記載している。脚部カフは、それぞれ、脚部バンド、サイドフラップ、バリアカフスあるいは上記説明の伸縮性カフと類似のものとなるように構成してもよいが、脚部カフは、それぞれ以下で詳細に記載するようなバリアカフ６２及びガスケットカフ５６を含むことが好ましい。
【００４９】
バリアカフ６２はそれぞれ、近位縁６４、遠位縁６６、衣類面６８（内向き面ともいう）及び身体面７０（外向き面ともいう）を有する可撓性部材である。衣類面６８は、おむつの内側方向を向き、身体面７０はおむつを着用したとき着用者の皮膚の方を向く。バリアカフ６２は、ポリプロピレン、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、発泡体、不織布、塑性体フイルム、成形フイルム、及び伸縮性フイルム又は発泡体のような多種多様な素材から製造してもよい。バリアカフを製造するのに多数の製造技法を用いてもよい。例えば、バリアカフ６２は、織布、不織布、スパンボンド、スパンボンド−メルトブロウン−スパンボンド、カード法、被覆、積層などであってもよい。好ましいバリアカフ６２は、それを液体不透過性にする仕上げ又は界面活性剤を含有しないポリプロピレン素材を含む。代表的なポリプロピレン繊維の不織布材はセレストラ（CELESTRA）としてクラウンゼラーバック社（Crown Zellerbach Company）により製造される。特に好ましい不織布材は、６７７００の名称のもとでニュージャージー州ランディスビルのＰＧＩから入手可能なカード法不織布ウエブである。別の方法では、素材はＭＤ３００Ａの名称のもと、ドイツのパイネのコロビン社（Corovin GmbH）により供給される不織布ウエブであってもよい。さらに、本発明で使用される疎水性のスキンケア組成物のために、バリアカフは、親水性素材から作ってもよく、その上に疎水性のスキンケア組成物を配置してバリア特性を強化してもよい。
【００５０】
図１及び図３に示されるように、バリアカフ６２、特に詳しくは近位縁６４は、長手方向縁３０の内向きに、ガスケットカフ５６に隣接して、好ましくはその内向きに配置される。「内向き」という用語は、おむつのセンターライン（それぞれ３４又は３６）に向いた方向として定義され、それに沿って特定のガスケットカフが配置されるおむつのそれぞれの縁と平行である。バリアカフ６２は、ガスケットカフ５６に隣接して配置され、身体排泄物の流れに対してさらに有効な二重の制止を提供する。バリアカフ６２は好ましくはガスケットカフ５６の内向きに配置され、排泄物、特に吸収されにくく身体面４０に沿って浮く傾向があるゆるい糞便が、ガスケットカフ５６に接触しうる前にバリアカフ６２に接触するようにする。バリアカフ６２はさらに好ましくはガスケットカフ５６のフラップ伸縮性部材６０及びおむつ２０の長手方向センターライン３６の間に配置される。最も好ましくは、バリアカフ６２は、おむつ２０の股部領域２６におけるフラップ伸縮性部材６０と吸収材コア４４のサイド縁４６との間に配置される。
【００５１】
近位縁６４及び遠位縁６６は、互いに間隔を空けた関係にあり、バリアカフ６２の幅を規定する。近位縁６４及び遠位縁６６はそれぞれ、平行、非平行、直線関係、又は曲線関係にあってもよい。さらに、バリアカフ６２は、円形、四角形、方形又は図３に示されるようないかなるその他の形状を包含する様々な断面領域を有してもよい。好ましくは、近位縁６４は、平行且つ直線関係にて遠位縁６６から間隔を空け、均一な幅を有するバリアカフ６２を提供する。
【００５２】
図２及び３に示されるおむつ２０の好ましい実施形態は、トップシート３８に接合されたバリアカフ６２と共に提供される。「接合される」という用語には、バリアカフ６２をおむつ２０にくっつけるいかなる手段も包含され、バリアカフ６２が、直接又は間接的にトップシートに取り付けられた近位縁６４を有する分離要素である実施形態（すなわち、統合型）、又は近位縁６４がトップシートと連続しておりトップシートの分割されない要素であるようにバリアカフ６２がトップシート３８と同じ要素又は素材からできている実施形態（すなわち、一体型）が包含される。バリアカフ６２は、別の方法としてはサイドフラップ５８、バックシート４２、吸収材コア４４、トップシート３８又はおむつ２０のこれらの又はその他の要素のいかなる組み合わせとも接合されてもよい。好ましいおむつ２０では、バリアカフ６２はトップシート３８と一体である。一体のバリアカフ６２は好ましくは短冊状の素材、バリアカフ部材６３により形成され、それは、近位固定部材９２によってトップシートに固定され、遠位縁６６はバリアカフ部材６３の末端部をそれ自体の上で後に折り曲げることによって形成される。
【００５３】
遠位縁６６は好ましくは近位縁６４の内向きに配置され、排泄物の流れに対してさらに有効なバリアを提示する。遠位縁６６は、それらの反転を未然に防ぐことができるように閉鎖部材７８によって近位縁６４の内向きに保持される。遠位縁６６は別の方法として近位縁６４との関係でその他の位置に配置されてもよいが、かかる位置は好ましくない。
【００５４】
遠位縁６６は好ましくは、それがトップシート３８の身体面４０から間隔を空けてもよいように、おむつ２０の少なくとも股部領域２６ではその他のいかなる要素にも固定されない。遠位縁６６は好ましくは、物品の封じ込めを強化するために身体面４０から離れて間隔を空ける。本明細書で使用されるとき、「間隔を空ける」は、時には、トップシート３８の身体面４０に隣接する位置を占めることを含めて遠位縁６６がトップシート３８の身体面４０に対して１又はそれより多くの位置を占めてもよい実施形態を包含する。遠位縁６６からトップシート３８の身体面４０までの距離は、遠位縁６６ができるだけトップシートから離れて間隔を空けているように位置する場合（すなわち、伸縮性に収縮した位置）、遠位縁６６からトップシート３８の最も近接した部分に引いた線に沿って測定される。
【００５５】
バリアカフに加えて、本発明の脚部カフスは好ましくはガスケットカフ５６をさらに含む。ガスケットカフ５６は、ガスケットカフ５６が着用者の脚部に対しておむつ２０を引っ張り、保持する傾向を持つように、おむつ２０の周辺部に隣接して、好ましくは各長手方向縁３０に沿って配置される。ガスケットカフ５６は、おむつ業界で周知のいくつかの手段のいかなるものを含んでもよいが、可撓性のサイドフラップ５８及びフラップ伸縮性部材６０を含む特に好ましいガスケットカフ構造は、米国特許第３，８６０，００３号（１９７５年１月１４ブエル（Buell）に発行）に詳しく記載されており、参考として本明細書に組み入れる。さらに、伸縮性ガスケットカフ５６を有する使い捨てのおむつを製造するのに好適な方法及び装置は、米国特許第４，０８１，３０１号（１９７８年３月２８日ブエル（Buell）に発行）に記載されており、この特許は参考として本明細書に組み入れる。
【００５６】
サイドフラップ５８は極めて可撓性とすべきであり、従ってフラップ伸縮性部材６０がサイドフラップ５８にヒダを寄せて着用者の脚部又は腰部の辺りにガスケットカフ５６を提供してもよいように収縮可能である。サイドフラップ５８は好ましくは吸収材コア４４の周辺部と縁との間にあるおむつ２０の部分である。従って、図１に示されるように本発明の好ましい実施形態では、サイドフラップ５８は、少なくとも股部２６におけるおむつ２０の吸収材コア４４の側面縁４６から、それに沿ってバックシート４２及びトップシート３８を延長することから形成される。別の方法では、米国特許第３，８６０，００３号に記載されるように、サイドフラップは基台（トップシート、バックシート、及び／又は吸収材コア）に接合する別の部材であってもよく、又はサイドフラップの構成成分の１つが別の部材であってもよい。
【００５７】
フラップ伸縮性部材６０は好ましくは、通常の制止していない外形において、フラップ伸縮性部材６０が有効にサイドフラップ５８を収縮し、又はヒダを寄せるように、弾性的に収縮可能な状態でサイドフラップ５８に作動上接合（固定）されている。少なくとも２つの方法で、弾性的に収縮可能な状態でサイドフラップ５８にフラップ伸縮性部材６０を固定することができる。例えば、サイドフラップ５８を収縮していない状態にしたまま、フラップ伸縮性部材６０を引き伸ばしてサイドフラップ５８に固定してもよい。別の方法としては、例えばヒダをつけることによってサイドフラップ５８を収縮させ、フラップ伸縮性部材６０を緩めない又は引っ張らない状態にしたままでフラップ伸縮性部材６０を収縮したサイドフラップ５８に固定してもよい。別の方法ではガスケットカフスは、伸縮性不織布ウエブ又は発泡体；参考として本明細書に組み入れる米国特許第５，１５１，０９２号（１９９２年９月２９日ブエル（Buell）らに発行）に記載されているような伸張性積層物；及び参考として本明細書に組み入れる米国特許第５，５１８，８０１号（１９９６年５月２１日チャペル（Chappell）らに発行）に記載されているような構造性伸縮様フィルム（ＳＥＬＦ）ウエブのような弾性的に伸長可能な多数の種々の構造を含んでもよい。
【００５８】
図１で説明される実施形態では、フラップ伸縮性部材６０は、おむつ２０の股部領域２６において、実質的にサイドフラップ５８の全長に延びる。別の方法では、伸縮性部材６０はおむつ２０の全長に延びてもよいし、ガスケットカフを提供するのに好適ないかなるその他の長さに延びてもよい。フラップ伸縮性部材６０の長さはおむつの設計によって決定される。
【００５９】
好適であることが判明しているフラップ伸縮性部材６０の１つは、商標Ｌ−１９００ラバー化合物のもとでバージニア州ステワートのイーストハンプトンラバースレッドカンパニー（Easthampton Rubber Thread Company）から入手可能な天然ゴムからできた伸縮性ストランドである。その他の好適なフラップ伸縮性部材６０は、商標フルフレックス（Fulflex）９２１１のもとでノースカロライナ州スコットランドのフルフレックスカンパニーから伸縮テープとして販売されている天然ゴムから作ることができる。代表的な伸縮部材は、リクラ（Lycra）−ＸＡ Ｔ−１５１の名称のもと、バージニア州ワイネスボロのデュポン社から入手可能であるようなリクラのストランドである。フラップ伸縮性部材６０はまた当該技術分野において周知であるような熱収縮性の伸縮性材を含んでもよい。その他の好適なフラップ伸縮性部材６０は、エラストマーフイルム、リクラフイルム又はストランド、ポリウレタンフイルム、エラストマー発泡体、及び形成された伸縮性スクリムを含む当該技術で周知であるような多種多様な素材を含んでもよい。
【００６０】
さらに、フラップ伸縮性部材６０は多数の外形を取ってもよい。例えば、フラップ伸縮性部材６０の幅は約０．２５ｍｍ（０．０１インチ）〜約２５ｍｍ（１．０インチ）以上で変化してもよく；フラップ伸縮性部材６０は、単一ストランドの伸縮性材を含んでもよく、又は数個の平行ストランド又は非平行ストランドの伸縮性材を含んでもよく；若しくはフラップ伸縮性部材６０は直線又は曲線であってもよい。さらにその上、フラップ伸縮性部材６０は、当該技術分野で周知であるいかなる数種の方法のでおむつ２０に貼り付けられてもよい。例えば、フラップ伸縮性部材６０は、種々の接着パターンを用いておむつ２０の中に超音波で接着されてもよいし、熱／圧でシールされてもよいし、又はフラップ伸縮性部材６０は単に糊でおむつ２０の留められてもよい。
【００６１】
図３のおむつ２０では、フラップ伸縮性部材６０は、伸縮性取り付け部材９０を用いてサイドフラップ５８に固定することによりサイドフラップ５８と一体化されている。伸縮性取り付け部材９０は可撓性であり、伸ばした状態でフラップ伸縮性部材を支えるのに十分に粘着性であるべきである。本明細書では伸縮性取り付け部材９０は、好ましくはホットメルト解接着剤のグルービーズ又は螺旋である。フラップ伸縮性部材６０がおむつ２０に位置してもよい、且つ固定されてもよい様態のさらに詳細な説明は、米国特許第４，２５３，４６１号（１９８１年３月３日ストリックランド及びビッシャー（StricklandandVisscher）に発行、並びに米国特許第４，０８１，３０１号（１９７８年３月２８日ブエル（Buell）に発行）に見い出すことができ、参考として双方とも本明細書に組み入れる。
【００６２】
同様に、バリアカフ６２は、別の要素、バリアカフ部材６３を、トップシート３８に、好ましくはフラップ伸縮性部材６０及び吸収材コア４４のサイド縁４６との間に固定することによって形成されてもよい。近位固定部材９２によりバリアカフ部材６３をトップシート３８に固定することによってバリアカフ６２の近位縁６４を形成する。間隔設定伸縮性部材７６は、バリアカフ部材の末端部６３がそれ自体の上で折り曲げられる時に形成されるトンネルに囲み込まれ；間隔設定伸縮性部材７６は、間隔設定伸縮性取り付け部材９４によってトンネル内に固定される。
【００６３】
フラップ取り付け部材８８、伸縮性取り付け部材９０、近位固定部材９２、又は間隔設定伸縮性取り付け部材９４のいずれか又はそのすべてに好適な耐油性接着剤材料は以下のＣ項で詳細に議論する。
【００６４】
サイドフラップ５８及びバリアカフ６２に関して上記で議論された同じ考慮事項がおむつ２０のその他の構成成分にも適用可能であることを当業者は認識するであろう。代表的な構成成分（図１〜４には示されていない）には：伸縮性の腰部形態、伸縮性のサイドパネル、排出物を受け取る及び含有するためのポケット、排出物のための空間を提供するための隔板、並びに物品において排出物の動きを制限するバリアが挙げられるが、これに限定されない。かかる構成成分も本発明の目的ではカフスであると考慮すべきである。これらの種々の構成成分は、前述の米国特許出願番号第０８／９６２，３１０号にさらに詳細に議論されており、その開示を参考として本明細書に組み入れる。
【００６５】
代表的な締着装置５４は、米国特許第４，８４６，８１５号（１９８９年７月１１日スクリップス（Scripps）に発行）；米国特許第４，８９４，０６０号（１９９０年１月１６日ネステガード（Nestegard）に発行）；米国特許第４，９４６，５２７号（１９９０年８月７日バトレル（Battrell）に発行）；米国特許第３，８４８，５９４号（１９７４年１１月１９日ブエル（Buell）に発行）；米国特許第４，９６３，１４０号（１９９０年１０月１６日ロバートソン（Robertson）らに発行）；米国特許第Ｂ１ ４，６６２，８７５号（１９８７年５月５日ヒロツ（Hirotsu）らに発行）；及び米国特許第５，１５１，０９２号（１９９２年９月２９日ブエル（Buell）らに発行）に開示されており；それぞれ参考として本明細書に組み入れる。締着装置の１以上の構成成分の上にスキンケア組成物を沈着して皮膚の健康をさらに強化してもよい。例えば、本明細書で記載するようなスキンケア組成物をテープタブに沈着して、テープタブが皮膚を擦る影響を和らげてもよい。
【００６６】
図４は、着用者に当てる前の弾性的に縮んだ位置におけるおむつ２０の透視図である。トップシート３８は、おむつ２０の身体面の部分として示され、バックシート４２は着用者の身体から離れて配置される。ガスケットカフ５６は、フラップ伸縮性部材（図４では示されず）によってヒダを寄せられて又は縮めて示される。おむつ２０は、ガスケットカフ５６に隣接して且つその内向きに延びる２つのバリアカフ６２を有するように示される。近位縁６６は、股部領域において間隔設定伸縮性部材（示さず）によってヒダを寄せられ且つ縮めて示される。さらに、バリアカフ６２の末端部７４は、着用者に心地よさを提供することができるように、バリアカフの反転を未然に防ぐために、且つおむつの適用を容易にするために、閉じて固定される。スキンケア組成物７２は、本明細書で議論する皮膚利益を提供することができるように皮膚に転移するように各バリアカフ６２の身体面上（身体面上に適用する又は身体面上に浸出可能であるように適用する）に配置される。
【００６７】
後腰部領域２４を着用者の背部に位置させ、前腰部領域２２が本人の前部に横切って位置するように、着用者の脚の間でおむつ２０の残り部分を引き寄せることによっておむつ２０を着用者に適用する。テ−プ状ひも締結具の末端部５４を次いで好ましくは、ランディング部材５５に固定しておむつ２０を閉める。このような様態では、バリアカフ６２は着用者の股部領域に配置されるべきであり、上文で記載された性質及び機能を提供すべきである。いったん適用すると、バリアカフ６２の近位縁６６は、そけい部を介して延び、着用者の臀部の両側に沿って上に広がる。バリアカフ６２はいずれも着用者の大腿を取り囲まない。しかしながら、ガスケットカフ５６は大腿を取り囲み、大腿に対してガスケットの作用を創り出す。バリアカフ６２は着用者の皮膚に接触し、スキンケア組成物７２をそれに転移させて本明細書で記載される利益の一部又はすべてを提供する。
【００６８】
本発明の処理されたカフスは訓練用パンツ又はプルオンのおむつにも有用である。本明細書で使用されるとき、「訓練用パンツ」という用語は、固定されたサイドを有する使い捨ての衣類であって、それによって固定された腰部開口部及び脚部開口部を画定するものをいう。訓練用パンツは、脚部開口部に着用者の脚を挿入し、着用者の下腹部にあたる位置に訓練用パンツを滑らすことによって着用者に着用させる。好適な訓練用パンツは、米国特許第５，２４６，４３３号（１９９３年９月２１日ハセ（Hasse）らに発行）；米国特許第４，９４０，４６４号（１９９０年７月１０日バンゴンペル（Van Gompel）らに発行）；及び米国特許５，０９２，８６１号（１９９２年３月３日ノムラ（Nomura）らに発行）に開示されており、それぞれを参考として本明細書に組み入れる。本発明の処理されたカフスは、米国特許第５，５６９，２３４号（１９９６年１０月２９日ブエル及びカーリン（Buell and Carlin）に発行）に記載されるような訓練用パンツ及びおむつ（プルオンおむつ）の組み合わせ又は「ハイブリッド」である吸収性物品にも適用可能であり、参考として本明細書に組み入れられる。
【００６９】
本発明の処理されたカフスが有用であるもう１つの使い捨ての吸収性物品は、失禁用物品である。「失禁用物品」という用語は、それらが成人又はその他の失禁者によって着用されるかどうかにかかわりなく、パッド、下着（ベルトなどのようなある種の吊り下げ装置によって所定の位置に保持されるパッド））、吸収性物品のための挿入物、吸収性物品のための能力促進剤、ブリーフ、ベッドパッド、などをいう。好適な失禁用物品としては米国特許第４，２５３，４６１号（１９８１年３月３日ストリックランド（Strickland）らに発行）；米国特許第４，５９７，７６０号及び第４，５９７，７６１号（ブエル（Buell）に発行）；上述の米国特許第４，７０４，１１５号；米国特許第４，９０９，８０２号（アール（Ahr）らに発行）；第４，９６４，８６０号（１９９０年１０月２３日ギプソン（Gipson）らに発行）；及びＰＣＴ公開番号ＷＯ９２／１１８３０号（１９９２年７月２３日公開、プロクター＆ギャンブルカンパニー）に開示されており；それぞれを参考として本明細書に組み入れる。
【００７０】
本発明のもう１つの使い捨ての吸収性物品は、生理用ナプキンのような女性用衛生物品である。好適な女性用衛生物品は、米国特許第４，５５６，１４６号（１９８５年１２月３日スワンソン（Swanson）らに発行）、米国特許第４，５８９，８７６号（１９９３年４月２７日ヴァン・ティルバーグ（Van Tilberg）に発行）、米国特許第４，６８７，４７８号（１９９７年８月１８日ヴァン・ティルバーグに発行）、米国特許第４，９５０，２６４号（１９９０年８月２１日オズボーン（Osborn）ＩＩＩに発行）、米国特許第５，００９，６５３号（１９９１年４月２３日オズボーンＩＩＩに発行）、米国特許第５，２６７，９９２号（１９９３年１２月７日ヴァン・ティルバーグに発行）、米国特許第５．３８９．０９４号（１９９５年２月１４日ラバッシュ（Lavash）らに発行）；米国特許第５，４１３，５６８号（１９９５年５月９日ロード（Road）らに発行）、米国特許５，４６０，６２３号（１９９５年１０月２４日エメネーカー（Emenaker）らに発行）、米国特許第５，４８９，２８３号（１９９６年２月６日ヴァン・ティルバーグに発行）、米国特許第５，５６９，２３１号（１９９６年１０月２９日エメネーカーらに発行）、及び米国特許第５，６２０，４３０号（１９９７年４月１５日バンバー（Bamber）に発行）に開示されており、それぞれ参考として本明細書に組み入れる。
【００７１】
Ｂ．スキンケア組成物
本発明に従って送達される具体的なスキンケア組成物（本明細書では「スキンケア組成物」及び「組成物」という）は望ましい皮膚への効果を送達するのに重要な因子である一方で、スキンケア組成物は、皮膚の過剰な水和及び身体排泄物に含有される物質への皮膚の暴露を回避するための保護的、非閉塞的機能（例えば、相対的に液体不透過性であるが蒸気透過性のバリアである）を提供し；カフスが着用者の皮膚に接触する場所での皮膚への刺激を軽減するための摩擦をできるだけ抑える機能を提供し；又はスキンケアの利益を直接的に又は間接的に送達する不動化剤を含有すべきであることが好ましい。例えば、間接的な利益には、糞便や尿のような皮膚の刺激物の改善された除去が挙げられる。組成物は、エマルション、ローション、クリーム、軟膏、膏薬、粉末、懸濁液、カプセル封入剤、ゲル、などを含むがこれに限定されない種々の形態であってもよい。好適なスキンケア組成物には、米国特許出願番号第０８／９６２，３１０号（１９９７年１０月３１日シュルト（Schulte）らの名で出願）で開示されているものが挙げられ、それは参考として本明細書に組み入れられる
本明細書で使用されるとき、「スキンケア組成物の有効量」という用語は、カフの身体面上に適用された又は浸出された（「上に配置される」）とき、カフが着用者の皮膚と接触する領域でカフと皮膚との間の摩擦を軽減し、カフを介して送達したとき、保護的バリアを提供する及び／若しくはスキンケア利益を送達する、並びに／又は皮膚へのＢＭの接着を軽減するという点で有効である特定の組成物の量をいう。特に指示がない限り、カフス上のスキンケア組成物の性質に関する記載は、かかる好ましい実施形態におけるトップシート上に配置される組成物に適用可能である。当然、カフ上に配置される組成物の有効量は、使用される特定のスキンケア組成物に大部分依存する。それにもかかわらず、カフの身体面上の少なくとも一部分に配置されるスキンケア組成物の量は好ましくは、約０．０５ｍｇ／ｉｎ^２（０．００７８ｍｇ／ｃｍ^２）〜約８０ｍｇ／ｉｎ^２（１２ｍｇ／ｃｍ^２）、さらに好ましくは約１ｍｇ／ｉｎ^２（０．１６ｍｇ／ｃｍ^２）〜約４０ｍｇ／ｉｎ^２（６ｍｇ／ｃｍ^２）、一層さらに好ましくは約４ｍｇ／ｉｎ^２（０．６ｍｇ／ｃｍ^２）〜約２６ｍｇ／ｉｎ^２（４ｍｇ／ｃｍ^２）の範囲である。これらの範囲は単に説明によるものであり、当業者は組成物の性質が所望の皮膚の利益を達成するためにその上に配置しなければならないレベルを決定し、かかるレベルが本開示の観点からの日常的な実験によって確認可能であることを認識するであろう。
【００７２】
カフス上に配置されたスキンケア組成物のレベルが本発明の重要な態様である一方で、１以上の処理されたカフスの使用中に着用者の皮膚に移動する組成物の量はさらに重要である。所望の皮膚利益を提供するために皮膚に送達されるのに必要なレベルは用いられる組成物の性質にある程度依存するが、出願者らは依然として所望の皮膚への効果を提供しつつ、相対的に低いレベルを送達してもよいことを見い出している。このことは、実施例で記載されるような好ましい組成物については特に事実である。
【００７３】
本発明のもう１つの利益は、低いが、必要とされる組成物の有効なレベルを送達するためのスキンケア組成物の制御された適用である。これは、介護人／着用者が必要とされるよりも有意に大きなレベルを頻繁に適用する散発的な手によるスキンケア剤の適用と典型的には対照的である。手によって添加される過剰な物質は、皮膚から物品への移動の結果、吸収性物品の流体を扱う特性に有害に影響を及ぼす可能性がある。実際、ワセリンのような特定の物質については、手によって適用されるレベルは現実に閉塞効果を生じ、それによって皮膚に障害を及ぼす。本発明の利益は、皮膚の閉塞を回避する（すなわち、皮膚の通気性を維持する）一方で表面の水分にバリアを提供することである。従って、本発明は、最適なレベルの組成物を皮膚に移動させ、皮膚の健康を維持し、及び／又は改善する。
【００７４】
約３時間（通常の日中の着用時間）の間、１つの処理された吸収性物品の使用中、着用者に転移されるスキンケア組成物の量に関しては、特に実施例１に記載されるような好ましいスキンケア組成物については、少なくとも約０．０１ｍｇ／ｉｎ^２（０．００１６ｍｇ／ｃｍ^２）、さらに好ましくは少なくとも約０．０５ｍｇ／ｉｎ^２（０．００７８ｍｇ／ｃｍ^２）、一層さらに好ましくは少なくとも約０．１ｍｇ／ｉｎ^２（０．０１６ｍｇ／ｃｍ^２）の組成物が３時間の着用時間にわたって移動されることが好ましい。通常、１つの処理された物品によって送達される組成物の量は、３時間の着用時間にわたって約０．０１ｍｇ／ｉｎ^２（０．００１６ｍｇ／ｃｍ^２）〜約８ｍｇ／ｉｎ^２（１．２４ｍｇ／ｃｍ^２）、さらに好ましくは約０．０５ｍｇ／ｉｎ^２（０．００７８ｍｇ／ｃｍ^２）〜約６ｍｇ／ｉｎ^２（０．９３ｍｇ／ｃｍ^２）、一層さらに好ましくは約０．１ｍｇ／ｉｎ^２（０．０１６ｍｇ／ｃｍ^２）〜約５ｍｇ／ｉｎ^２（０．７８ｍｇ／ｃｍ^２）である。
【００７５】
本発明に基づいて皮膚に送達されるスキンケア組成物において有用な多数の物質のうち、安全且つ有効なスキンケア剤であると思われるものは本明細書で用いるための論理上の材料であることが認識されるであろう。かかる材料には、米国連邦食品医薬品局（ＦＤＡ）の、店頭販売での人による使用のための皮膚保護薬製品に関する仮の最終モノグラフ（２１ＣＦＲ§３４７）によって定義されるカテゴリーＩの有効成分が挙げられ、現在：アラントイン、水酸化アルミニウムゲル、カラミン、ココアバター、ジメチコーン、タラの肝油（併用で）、グリセリン、カオリン、ワセリン、ラノリン、鉱油、サメの肝油、白色ワセリン、タルク、局所用スターチ、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、などが包含されている。その他の潜在的に有用な材料は、米国連邦食品医薬品局（ＦＤＡ）の、店頭販売での人による使用のための皮膚保護薬製品に関する仮の最終モノグラフ（２１ＣＦＲ§３４７）によって定義されるカテゴリーＩＩＩの有効成分であり、現在：生酵母細胞誘導体、アルジオキサ、酢酸アルミニウム、微多孔性セルロース、コレカルシフェロール、コロイド状オートミール、システイン塩酸塩、デクスパンタノール、ペルーのバルサム油、タンパク質加水分解物、ラセミメチオニン、重炭酸ナトリウム、ビタミンＡなどが包含されている。本明細書で記載されるようなその他の成分と併用して１以上のこのような任意の材料を用いてもよいことが認識されるであろう。
【００７６】
今後本明細書で議論するように、本発明で有用なスキンケア組成物は好ましくは、必然的ではないが、それらが相対的に非可動性であり、室温にてカフの着用者が接触する表面（身体面上）に局在するように、少なくとも組成物の一部が体温にて着用者に移動可能であるような、且つさらに極端な保存条件下で完全な液体ではないような融解特性を有する。好ましくは、組成物は通常の接触、着用者の動き、及び／又は体熱によって容易に皮膚に移動可能である。組成物は好ましくは、カフの着用者が接触する表面に実質的に不動化されるので、所望のスキンケア利益を付与するには相対的に低いレベルのスキンケア組成物が必要とされる。さらに、本発明で有用な物品を包装するのに特別のバリア材料又は包装材料は不必要であってよい。
【００７７】
好ましい実施形態では、本明細書で有用なスキンケア組成物は、２０℃、すなわち室温にて固体であり、又はさらに頻繁には半固体である。「半固体」によって組成物が擬塑性体又は塑性流体の典型的なレオロジーを有することを意味する。剪断力が適用されないとき、組成物の外観は半固体であり得るが、剪断速度が増加された時に流動性となり得る。これは、組成物が主として固体の構成成分を含有する一方で、一部副次的に液体成分も含むという事実による。
【００７８】
好ましくは、本発明の組成物は約１．０×１０^６センチポアズと約１．０×１０^８の間のゼロ剪断力の粘度を有する。さらに好ましくは、ゼロ剪断力の粘度は約５．０×１０^６センチポアズと約５．０×１０^７センチポアズの間である。本明細書で使用されるとき、「ゼロ剪断力の粘度」という用語は極めて低い剪断速度（例えば、１．０秒^−１）にてプレートとコーンの粘度計（好適な装置はモデル番号ＣＳＬ１００としてデラウエア州ニューキャッスルのＴＡインスツルメンツから入手可能である）を用いて測定される粘度をいう。当業者は、高融点構成成分（以下で議論されるような）以外の手段を用いてゼロ剪断力の粘度を提供することができることを認識するであろう。代表的な手段には、当該技術分野において既知である粘土又は燻蒸シリカのような成分を用いた降伏値を有する構造を確立することが挙げられる。ゼロ剪断力の粘度は、約２０℃の温度での剪断速度に対する粘度のプロットをゼロの剪断速度外挿することによるかかる代替的な手段を含むかかる組成物について測定することができる。
【００７９】
好ましい組成物は室温にて少なくとも半固体であり、組成物の浸出をできるだけ抑える。さらに、組成物は好ましくは、４５℃（例えば、アリゾナの倉庫、フロリダでの車のトランク）より高くなりうる「ストレスの多い」可能性がある保存条件を超える最終融点（１００％液体）を有する。具体的に、好ましい組成物は以下の融解特性を有する：
【表１】

室温にて固体又は半固体であることによって、好ましい組成物は、有意な程度で吸収性物品の望ましくない位置に流れていく及び浸出する傾向を有さない。このことは、望ましい治療的、保護的及び／又はコンディショニング的利益を付与するのにさらに少ないスキンケア組成物を必要とすることを意味する。
【００８０】
好ましい組成物の不動性を高めるために、配合される組成物の粘度は、カフからおむつの中で望ましくない位置に流れるのを防ぐのにできるだけ高くすべきである。残念なことに、一部の例では、さらに高い粘度は組成物の着用者の皮膚への移動を抑える可能性があり、又は圧迫の問題なしで適用することが難しい可能性がある。従って、粘度はカフの身体面上に位置する組成物を保持するのに十分高いが、着用者の皮膚への移動を妨げるほど高くないように均衡を達成すべきである。組成物に関する好適な粘度は通常、６０℃にて回転粘度計（好適な粘度計は、モデル４５３７としてイリノイ州メルローズパークのラボラインインスツルメンツ社（Lab Line Instruments、Inc.）から入手可能である）を用いて測定して約１〜約５０００センチポアズ、好ましくは約５〜約３００センチポアズ、さらに好ましくは約５〜約１００センチポアズの範囲である。ナンバー２のスピンドルを用いて６０ｒｐｍにて粘度計を操作する。
【００８１】
スキンケア利益を提供するために設計された組成物については、これらの組成物における有用な有効成分は、１以上の皮膚保護剤又は皮膚軟化剤である。本明細書で使用する時、「皮膚軟化剤」という用語は湿気又は刺激に対して保護する、軟化する、沈静化する、柔軟にする、コーティングする、滑らかにする、潤いを与える、保護する及び／又は皮膚を洗浄する物質である。（上記で列記されたモノグラフの有効成分のいくつかは、用語が本明細書で用いられるとき、「皮膚軟化剤」であることが認識されるであろう。）好ましい実施形態では、これらの皮膚軟化剤は、室温、すなわち、２０℃にて塑性体又は液体のいずれかの粘りを有する。
【００８２】
本発明で有用な代表的な皮膚軟化剤には、石油系皮膚軟化剤；脂肪酸スクロースエステル；ポリエチレングリコール及びその誘導体；保湿剤；脂肪酸エステル型；アルキルエトキシレート型；脂肪酸エステルエトキシレート類；脂肪族アルコール型；ポリシロキサン型；プロピレングリコール及びその誘導体；グリセリド、アセトグリセリド類、及びＣ_１２〜Ｃ_２８の脂肪酸のエトキシ化グリセリド類を包含するグリセリン及びその誘導体；トリエチレングリコール及びその誘導体；鯨蝋又はその他の蝋類；脂肪酸；特に、ステアリン酸のような１２〜２８の炭素原子を脂肪鎖に有する脂肪族アルコールエーテル類；プロポキシ化脂肪族アルコール；ポリヒドロキシアルコールのその他の脂肪エステル；ラノリン及びその誘導体；カオリン及びその誘導体；上記に列記されたモノグラフのスキンケア剤のいかなるもの；又はこれらの皮膚軟化剤の混合物が挙げられるが、これに限定されない。
【００８３】
好適な石油系の皮膚軟化剤には１６〜３２の炭素原子の鎖長を有する炭化水素類、又は炭化水素類の混合物が挙げられる。これらの鎖長を有する石油系炭化水素には、鉱油（「液状ワセリン」としても知られる）及びワセリン（「鉱物ワックス」、「石油ゼリー」及び「鉱物ゼリー」としても知られる）が挙げられる。鉱油は通常１６〜２０個の炭素原子を有する炭化水素の粘性の低い混合物を指す。ワセリンは通常１６〜３２個の炭素原子を有する炭化水素のさらに粘調な混合物をいう。ワセリン及び鉱油は本発明の組成物にとって特に好ましい皮膚軟化剤である。
【００８４】
好適な脂肪酸エステル型の皮膚軟化剤には、Ｃ_１２〜Ｃ_２８の脂肪酸、好ましくはＣ_１６〜Ｃ_２２の飽和脂肪酸及び短鎖（Ｃ_１〜Ｃ_８、好ましくはＣ_１〜Ｃ_３）の一価アルコール類に由来するものが挙げられる。そのようなエステルの代表的な例としてはメチルパルミテート、メチルステアレート、イソプロピルラウレート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、エチルへキシルパルミテート及びこれらの混合物が挙げられる。好適な脂肪酸エステルの皮膚軟化剤は、さらに長鎖の脂肪族アルコール（Ｃ_１２〜Ｃ_２８、好ましくはＣ_１２〜Ｃ_１６）及びさらに短鎖の脂肪酸、例えば、乳酸エステル、例えばラウリルラクテート並びにセチルラクテートのようなエステルに由来することができる。
【００８５】
好適なアルキルエトキシレート型皮膚軟化剤には約２〜約３０の平均エトキシ化度を有するＣ_１２〜Ｃ_２２の脂肪族アルコールエトキシレートが挙げられる。好ましくは、脂肪族アルコールエトキシレート皮膚軟化剤は、約２〜約２３の範囲の平均エトキシ化度を有するラウリルエトキシレート類、セチルエトキシレート類、及びステアリルエトキシレート類、並びにそれらの混合物から成る群から選択される。かかるアルキルエトキシレート類の代表例には、ラウレス−３（３の平均エトキシル化度を有するラウリルエトキシレート）、ラウレス−２３（２３の平均エトキシル化度を有するラウリルエトキシレート）、セテス−１０（１０の平均エトキシル化度を有するセチルアルコールエトキシレート）及びステアレス−１０（１０の平均エトキシル化度を有するステアリルアルコールエトキシレート）が挙げられる。用いる場合、これらのアルキルエトキシレート皮膚軟化剤は典型的に、ワセリンのような石油系皮膚軟化剤と組み合わせて用いられ、アルキルエトキシレート皮膚軟化剤対石油系皮膚軟化剤の重量比は、約１：１〜約１：５、好ましくは約１：２〜約１：４である。
【００８６】
好適な脂肪族アルコール型皮膚軟化剤には、Ｃ_１２〜Ｃ_２２の脂肪族アルコール、好ましくはＣ_１６〜Ｃ_１８の脂肪族アルコールが挙げられる。代表的な例には、セチルアルコール及びステアリルアルコール、並びにそれらの混合物が挙げられる。用いる場合、これらの脂肪族アルコール皮膚軟化剤は典型的に、ワセリンのような石油系皮膚軟化剤と組み合わせて用いられ、脂肪族アルコール皮膚軟化剤対石油系皮膚軟化剤の重量比は、約１：１〜約１：５、好ましくは約１：１〜約１：２である。
【００８７】
本明細書で使用するのに好適なその他の種類の皮膚軟化剤にはポリシロキサン化合物が挙げられる。一般に、本発明で使用するのに好適なポリシロキサンには、以下の構造のモノマーシロキサン単位を有するものが挙げられる：
【化１】

式中、Ｒ^１及びＲ^２は、それぞれ独立したシロキサンモノマー単位について、それぞれ独立して水素若しくは、アルキル、アリール、アルケニル、アルカリル、アラキル、シクロアルキル、ハロゲン化炭化水素、又はその他の基であることができる。いずれのそのような基も置換型又は非置換型であり得る。いずれかの特定の単量体単位のＲ^１及びＲ^２基は次に結合する単量体単位の相当する官能基と異ってもよい。加えて、ポリシロキサンは直鎖状、分枝状又は環状構造のいずれかであり得る。Ｒ^１及びＲ^２基は付加的に、独立して、シロキサン、ポリシロキサン、シラン、並びにポリシランなどのシラン官能基であり得るが、これに限定されるものではない。Ｒ^１及びＲ^２基は例えばアルコール、カルボン酸、フェニル、並びにアミン官能基を含めた多様な有機官能基のいずれかを含有してもよい。
【００８８】
代表的なアルキル基はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、オクタデシル等である。代表的なアルケニル基はビニル、アリル等である。代表的なアリール基はフェニル、ジフェニル、ナフチル等である。代表的なアルカリール基はトイル、キシリル、エチルフェニル等である。代表的なアラルキル基はベンジル、α−フェニルエチル、β−フェニルエチル、α−フェニルブチル等である。代表的なシクロアルキル基はシクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル等である。代表的なハロゲン化炭化水素基はクロロメチル、ブロモエチル、テトラフルオロエチル、フルオロエチル、トリフルオロエチル、トリフルオロトロイル、ヘキサフルオロキシリル等である。
【００８９】
有用なポリシロキサンの粘度は、ポリシロキサンが流動性又は吸収性物品への適用において流動性になりうる限り、ポリシロキサン粘度の一般的な変化と同様に広範囲に変化してもよい。これには、５センチストークス（ガラス粘度計により３７℃で測定）の低い粘度から〜約２０，０００，０００センチストークスの粘度が挙げられるが、これに限定されるものではない。好ましくは、ポリシロキサンは３７℃で約５〜約５，０００センチストークス、より好ましくは約５〜約２，０００センチストークス、最も好ましくは約１００〜約１０００センチストークスの粘度を有する。高粘度ポリシロキサンはそれ自体は流動に対して抵抗力があり、例えば界面活性剤中でのポリシロキサンの乳化又は代表的な目的のみについて記載されているヘキサンなどの溶媒の補助によって溶液中にポリシロキサンを提供するなどの方法で、吸収性物品上に効果的に沈着させることができる。ポリシロキサン皮膚軟化剤を吸収性物品に適用する特定の方法がより詳細に以下に記述されている。
【００９０】
本発明の使用に好ましいポリシロキサン化合物は米国特許第５，０５９，２８２号（１９９１年１０月２２日アンパルスキー（Ampulski）らに発行）に開示されていて、これは参考として本明細書に組み入れる。本発明の組成物において皮膚軟化剤として使用するのに特に好ましいポリシロキサン化合物には、フェニル−官能基のポリメチルシロキサン化合物（例えば、ダウ・コーニング５５６コスメチック・グレード液：ポリフェニルメチルシロキサン）及びそれぞれダウ２５０２並びにダウ２５０３のポリシロキサン液であるようなセチル又はステアリル官能基のジメチコーンが挙げられる。フェニル−官能基又はアルキル基によるかかる置換に加えて、有効な置換はアミノ、カルボキシル、ヒドロキシル、エーテル、ポリエーテル、アルデヒド、ケトン、酸アミド、エステル、及びチオールの基により行ってもよい。これらの効果的な置換基において、フェニル、アミノ、アルキル、カルボキシル、及びヒドロキシル基を含む基の族が他のものより好ましく；及びフェニル官能基が最も好ましい。
【００９１】
好適な保湿剤には、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、トリヒドロキシステアリンなどが挙げられる。
【００９２】
存在する場合、組成物に包含されることができる皮膚軟化剤の量は、関与する特定の皮膚軟化剤、所望の皮膚利益、組成物におけるその他の構成成分などを含む種々の因子に依存する。組成物は、総重量基準で０〜約１００％の皮膚軟化剤を含む。好ましくは、組成物は、約１０重量％〜約９５重量％、さらに好ましくは約２０重量％〜約８０重量％、及び最も好ましくは約４０重量％〜約７５重量％の皮膚軟化剤を含む。
【００９３】
本発明で有用な特定のスキンケア組成物のもう１つの任意の、しかし特に鍵となる構成成分は、組成物（好ましい皮膚軟化剤及び／又はその他のスキンコンディショニング剤／保護剤を含む）を処理されたカフの中の又は上の所望の位置に不動化することが可能な不動化剤である組成物における特定の好ましい皮膚軟化剤は、２０℃にて塑性体又は液体の粘稠性を有するので、中程度の剪断の対象としたときでさえそれらは流れる又は浸出する傾向がある。特に溶けた又は融解された状態で身体面上又はカフのその他の位置に適用したとき、皮膚軟化剤は主として処理された領域の中に又は上に残らない。代わりに、皮膚軟化剤は吸収性物品の望ましくない領域に浸出し、流れる傾向がある。
【００９４】
具体的に、皮膚軟化剤が物品の内部に浸出すれば、多数の皮膚軟化剤及び本発明で有用な組成物に用いられるその他のスキンコンディショニング剤の疎水性の特徴のために吸収材コアの吸収力に望ましくない影響を引き起こす可能性がある。それは、所望の利益を得るためにはさらに多くの皮膚軟化剤がカフに適用されなければならないことも意味する。皮膚軟化剤のレベルを高くすることは、コストを高めるだけではなく、コアの吸収力に対する望ましくない影響及び処理されたカフの作用中／変換中における組成物の望ましくない移動を激化させる。
【００９５】
不動化剤は、組成物が適用されるカフの表面又は領域に本来位置する皮膚軟化剤を保つことによって皮膚軟化剤が浸出したり、流れたりする傾向に歯止めをかける。これは、部分的には不動化剤が組成物の融点及び／又は粘度を皮膚軟化剤のそれより高めるという事実によると考えられている。不動化剤は好ましくは皮膚軟化剤と混和性（又は適当な乳化剤の助けを借りて皮膚軟化剤に可溶化される、又はそれに分散される）であるので、それは、着用者が接触するカフ面の表面上又は適用される領域中で皮膚軟化剤を捕捉する。
【００９６】
着用者が接触するカフ面上又は適用されるカフの領域の中に不動化剤を「固定する」ことも有利である。このことは、カフに適用する際に急速に作動する（すなわち、固化する）不動化剤を用いることによって達成することができる。加えて送風機、扇風機、冷間圧などを介して処理したカフの外部からの冷却も不動化剤の結晶化を早めることができる。
【００９７】
皮膚軟化剤と混和性（又はその中に可溶化される）であることに加えて、不動化剤は好ましくは、室温にて固体又は半固体である組成物を提供する融解特性を有する。この点に関して、好ましい不動化剤は、少なくとも約３５℃の融点を有する。このことは従って、不動化剤それ自体は浸出する又は流れる傾向を有さない。好ましい不動化剤は、少なくとも約４０℃の融点を有する。典型的に、不動化剤は約５０℃〜約１５０℃の範囲の融点を有する。
【００９８】
利用される場合、本明細書で有用な不動化剤は、スキンケア組成物の好ましい特性が本明細書に記載される皮膚の利益を提供する限り、多数の不動化剤のいかなるものからも選択することができる。好ましい不動化剤は、Ｃ_１４〜Ｃ_２２の脂肪族アルコール類、Ｃ_１２〜Ｃ_２２の脂肪酸、及び２〜約３０の範囲の平均エトキシ化度を有するＣ_１２〜Ｃ_２２の脂肪族アルコールエトキシレート類、及びそれらの混合物から成る群から選択される部材を含む。好ましい不動化剤には、Ｃ_１６〜Ｃ_１８の脂肪族アルコールが挙げられ、最も好ましくはセチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びそれらの混合物から成る群から選択される結晶性の高融点物質が挙げられる。（これらの物質の線形構造は、処理されたカフ上での固化を早めることができる。）セチルアルコールとステアリルアルコールの混合物が特に好ましい。その他の好ましい不動化剤には、Ｃ_１６〜Ｃ_１８の脂肪酸が挙げられ、最も好ましくはパルミチン酸、ステアリン酸、及びそれらの混合物から成る群から選択される。パルミチン酸及びステアリン酸の混合物が特に好ましい。さらにその他の好ましい不動化剤には、約５〜約２０の範囲の平均エトキシ化度を有するＣ_１６〜Ｃ_１８の脂肪族アルコールエトキシレート類が挙げられる。好ましくは、脂肪族アルコール類、脂肪酸及び脂肪族アルコール類は線状である。重要なことに、Ｃ_１６〜Ｃ_１８の脂肪族アルコール類のようなこれらの好ましい不動化剤は、組成物の結晶化速度を高め、基材の表面上で急速に結晶化する組成物を生じる。
【００９９】
本明細書で使用してもよいその他の種類の不動化剤には、ポリヒドロキシ脂肪酸エステル類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド類、及びそれらの混合物が挙げられる。好ましいエステル類及び酸アミド類はポリヒドロキシ部分に３以上の遊離のヒドロキシ基を有し、特徴において典型的に非イオン性である。組成物が適用されるカフスを用いることの皮膚への感受性の可能性のために、これらのエステル類及び酸アミド類は皮膚に対して相対的に穏かであり、且つ非刺激性である。
【０１００】
発明で用いるのに好適なポリヒド本ロキシ脂肪酸エステル類は次式を有し：
【化２】

式中、Ｒは、Ｃ_５〜Ｃ_３１のヒドロカルビル基であり、好ましくは直鎖のＣ_７〜Ｃ_１９のアルキル又はアルケニルであり、さらに好ましくは直鎖のＣ_９〜Ｃ_１７アルキル又はアルケニルであり、最も好ましくは直鎖のＣ_１１〜Ｃ_１７のアルキル又はアルケニル又はそれらの混合物であり；Ｙは、鎖に直接接合する少なくとも２つの遊離のヒドロキシルを持つヒドロカルビル鎖を有するポリヒドロキシヒドロカルビル部分であり；ｎは少なくとも１である。好適なＹ基は、グリセロール、ペンタエリスリトールのようなポリオール類；ラフィノース、マルトデキストロース、ガラクトース、スクロース、グルコース、キシロース、フルクトース、マルトース、ラクトース、マンノース及びエリスロースのような糖類；エリスリトール、キシリトール、マリトール、マニトール及びソルビトールのような糖アルコール類；並びにソルビタンのような糖アルコール類の無水物に由来することができる。
【０１０１】
本発明で使用するのに好適なポリヒドロキシ脂肪酸エステル類の１つの部類には、ある種のソルビタンエステル類が含まれ、好ましくはＣ_１６〜Ｃ_２２の飽和脂肪酸のソルビタンエステル類が含まれる。それらが典型的に製造される方法のために、これらのソルビタンエステルは通常、モノ−、ジ−、トリ−などのエステルの混合物を含む。好適なソルビタンエステル類の代表的な例には、ソルビタンパルミテート類（例えば、ＳＰＡＮ４０）、ソルビタンステアレート類（例えば、ＳＰＡＮ６０）、及びソルビタンベヘネート類が挙げられ、それらは、ソルビタンエステルの１以上のモノ−、ジ−並びにトリ−エステル型、例えば、ソルビタンモノ−、ジ−及びトリ−パルミテート、ソルビタンモノ−、ジ−及びトリ−ステアレート、ソルビタンモノ−、ジ−及びトリ−ベヘネート−を含み、並びに混合されたタロー脂肪酸ソルビタンモノ−、ジ−及びトリ−エステル類を含む。ソルビタンステアレート類とのソルビタンパルミテート類のような異なったソルビタンエステル類の混合物も用いることができる。特に好ましいソルビタンエステル類は、ＳＰＡＮ６０のような、典型的にモノ−、ジ−及びトリ−エステル（一部テトラエステルを加えて）の混合物としてのソルビタンステアレート類であり、商品名グリコムル（GLYCOMUL）−Ｓのもとでロンザ社（Lonza、Inc.）から販売されているソルビタンステアレート類である。これらのソルビタンエステル類は通常、モノ−、ジ−及びトリ−エステル、一部テトラエステルを加えた混合物を含有するが、これらの混合物では普通、モノ−及びジ−エステル類が優勢な種である。
【０１０２】
本発明で使用するのに好適なポリヒドロキシ脂肪酸エステル類のもう１つの部類は、ある種のグリセリルモノエルテル類を含み、好ましくは、モノステアリン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、及びモノベヘン酸グリセリルのようなＣ_１６〜Ｃ_２２の飽和脂肪酸のグリセリルモノエルテル類である。再び、ソルビタンエステル類のように、グリセリルモノエステル混合物は典型的に、いくらかのジ−及びトリ−エステルを含有する。しかしながら、かかる混合物は、本発明で有用であるグリセリルモノエステル種を優勢に含有すべきである。
【０１０３】
本発明で使用するのに好適なポリヒドロキシ脂肪酸エステル類のもう１つの部類は、ある種のスクロース脂肪酸エステルを含み、好ましくはスクロースのＣ_１２〜Ｃ_２２の飽和脂肪酸エステルを含む。スクロースモノエルテル類及びジエステル類は特に好ましく、スクロースモノ−及びジステアレート及びスクロースモノ−並びにジ−ラウレートが挙げられる。
【０１０４】
本発明で使用するのに好適なポリヒドロキシ脂肪酸アミドは次式を有する：
【化３】

式中、Ｒ^１は、Ｈ、Ｃ_１〜Ｃ_４のヒドロカルビル、２−ヒドロキシエチル、２−ヒドロキシプロピル、メトキシエチル、メトキシプロピル又はそれらの混合物であり、好ましくはＣ_１〜Ｃ_４のアルキル、メトキシエチル又はメトキシプロピルであり、さらに好ましくはＣ_１又はＣ_２のアルキル又はメトキシプロピルであり、最も好ましくはＣ_１のアルキル（すなわち、メチル）又はメトキシプロピルであり；Ｒ^２は、Ｃ_５〜Ｃ_３１のヒドロカルビル基であり、好ましくは直鎖のＣ_７〜Ｃ_１９のアルキル又はアルケニルであり、さらに好ましくは直鎖のＣ_９〜Ｃ_１７のアルキル又はアルケニルであり、最も好ましくは直鎖のＣ_１１〜Ｃ_１７のアルキル又はアルケニル又はそれらの混合物であり；Ｚは、鎖に直接接合する少なくとも３つのヒドロキシルを伴う線状ヒドロカルビル鎖を有するポリヒドロキシヒドロカルビル部分である。これらのポリヒドロキシ脂肪酸アミド及びそれらの調製を開示している（参考として本明細書に組み入れられた）米国特許第５，１７４，９２７号（１９９２年１２月２９日ホンサ（Honsa）に発行）を参照のこと。
【０１０５】
Ｚ部分は好ましくは還元アミノ化反応における還元糖に由来し；最も好ましくはグリシチルである。好適な還元糖としては、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノース、及びキシロースが挙げられる。上記で列記された個々の糖と同様に、デキストロースの多いコーンシロップ、フルクトースの多いコーンシロップ、及びマルトースの多いコーンシロップも利用することができる。これらのコーンシロップはＺ部分について糖成分の混合物をもたらすことができる。
【０１０６】
Ｚ部分は好ましくは：
−ＣＨ_２−（ＣＨＯＨ）_ｎ−ＣＨ_２ＯＨ、−ＣＨ（ＣＨ_２ＯＨ）−［（ＣＨＯＨ）_ｎ−１］−ＣＨ_２ＯＨ、−ＣＨ_２ＯＨ−ＣＨ_２−（ＣＨＯＨ）_２（ＣＨＯＲ^３）（ＣＨＯＨ）−ＣＨ_２ＯＨから成る群から選択され、その際、ｎは３〜５の整数であり、Ｒ^３は、Ｈ又は環状又は脂肪族の単糖類である。最も好ましいのは、ｎが４であり、特に−ＣＨ_２−（ＣＨＯＨ）_４−ＣＨ_２ＯＨであるグリシチルである。
【０１０７】
上記式において、Ｒ^１は、例えば、Ｎ−メチル、Ｎ−エチル、Ｎ−プロピル、Ｎ−イソプロピル、Ｎ−ブチル、Ｎ−２−ヒドロキシエチル、Ｎ−メトキシプロピル又はＮ−２−ヒドロキシプロピルであることができる。Ｒ^２は、例えば、コカミド類、ステアラミド類、オレアミド類、ラウロアミド類、ミリスタミド類、カプリカミド類、パルミトアミド類、タロウアミド類などを提供するように選択することができる。Ｚ部分は
１−デオキシグルシチル、２−デオキシフルクチチル、１−デオキシマルチチル、１−デオキシラクチチル、１−デオキシガラクチチル、１−デオキシマンニチル、１−デオキシマルトトリオチチルなどであることができる。
【０１０８】
最も好ましいポリヒドロキシ脂肪酸アミドは次の一般式を有する：
【化４】

式中、Ｒ^１は、メチル又はメトキシプロピルであり；Ｒ^２はＣ_１１〜Ｃ_１７の直鎖アルキル基又はアルケニル基である。これらには、Ｎ−ラウリル−Ｎ−メチルグルカミド、Ｎ−ラウリル−Ｎ−メトキシプロピルグルカミド、Ｎ−ココイル−Ｎ−メチルグルカミド、Ｎ−ココイル−Ｎ−メトキシプロピルグルカミド、Ｎ−パルミチル−Ｎ−メトキシプロピルグルカミド、Ｎ−タロウイル−Ｎ−メチルグルカミド、又はＮ−タロウイル−Ｎ−メトキシプロピルグルカミドが挙げられる。
【０１０９】
前に述べたように、一部の不動化剤は皮膚軟化剤に可溶化するために乳化剤を必要としてもよい。これは特に、少なくとも約７のＨＬＢ値を有するＮ−アルキル−Ｎ−メトキシプロピルグルカミドのようなある種のグルカミドの場合である。好適な乳化剤には典型的に、約７より低いＨＬＢ値を有するものが挙げられる。この点で、約４．９以下のＨＬＢ値を有するソルビタンステアレート類のような、前に記載されたソルビタンエステル類は、ワセリンにおいてこれらのグルカミド不動化剤を可溶化するのに有用であることが見い出されている。その他の好適な乳化剤には、ステアレス−２（式中、ｎが２の平均値を有する式ＣＨ_３（ＣＨ_２）_１７（ＯＣＨ_２ＣＨ_２）_ｎＯＨに従うステアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテル類）、ソルビタントリステアレート、イソソルビドラウレート、及びモノステアリン酸グリセリルが挙げられる。実質的には均一な混合物が得られるように、皮膚軟化剤中で不動化剤を可溶化するのに十分な量で乳化剤を包含することができる。例えば、普通単一相の混合物に融解しないＮ−ココイル−Ｎ−メチルグルカミド及びワセリンのおよそ１：１の混合物は、ステアレス−２及びソルビタントリステアレートの１：１混合物を乳化剤として２０％添加すると、単一相の混合物に融解する。
【０１１０】
単独で又は上述の不動化剤と組み合わせて不動化剤として用いることができる成分のその他の種類には、カルナウバ蝋、地蝋、密蝋、キャンデリア蝋、パラフィン、セレシン蝋、エスパルト蝋、オウリクリ（ouricuri）蝋、レゾワックス（rezowax）、イソパラフィンのようなワックス、及びその他の既知の採掘したワックス並びに鉱物ワックスが挙げられる。これらの物質の高い融点は、組成物をカフ上の所望の表面又は位置に不動化するのに役立つことができる。加えて、微晶性ワックスは有効な不動化剤である。微晶性ワックスは、スキンケア組成物の中で低分子量の炭化水素を「閉じ込める」のに役立つことができる。好ましいワックスはパラフィンワックスである。特に好ましい代わりの不動化剤の例は、ニューヨーク州ウエストバビロンのストラールアンドピッシェ社（Strahland Pitsch Inc.）のパラフィンＳ．Ｐ．４３４のようなパラフィンワックスである。
【０１１１】
組成物に包含されることができる任意の不動化剤の量は、含まれる活性物質（例えば、皮膚軟化剤）、含まれる特定の不動化剤、もしあれば組成物におけるその他の構成成分、その他の構成成分に不動化剤を可溶化するのに乳化剤が必要かどうか、などの要因を包含する様々な要因に依存する。存在する場合、組成物は典型的に、約５〜約９０％の不動化剤を含む。好ましくは、組成物は約５〜約５０％、最も好ましくは約１０〜約４０％の不動化剤を含む。
【０１１２】
組成物は典型的に、この種のエマルション、クリーム、軟膏、ローション、粉末、懸濁液などに存在するその他の成分を含むことができる。これらの成分には、水、粘度修正剤、香料、消毒殺菌剤、抗菌剤、ビタミン、医薬活性物質、皮膜形成剤、アロエベラ、防臭剤、乳白剤、収れん剤、溶媒、防腐剤などが挙げられる。さらに、セルロース誘導体、タンパク質及びレシチンのような組成物の貯蔵寿命を伸ばすために安定剤を加えることができる。これらの物質はすべてかかる製剤の添加物として当該技術で周知であり、本明細書で使用するために組成物における適当な量にて用いることができる。
【０１１３】
水が基剤であるスキンケア組成物を用いるのであれば、防腐剤が必要である。好適な防腐剤には、プロピルパラベン、メチルパラベン、ベンジルアルコール、ベンジルコニウム、三塩基リン酸カルシウム、ＢＨＴ、又はクエン酸、酒石酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、安息香酸、サリチル酸などのような酸が挙げられる。好適な粘度増強剤には、有効な不動化剤として記載された不動化剤の一部が挙げられる。その他の好適な粘度増強剤には、アルキルガラクトマンナン、シリカ、タルク、珪酸マグネシウム、ソルビトール、コロイド状のシリコーンジオキシド、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ウールワックスアルコール、ソルビトン、セスキオレエート、セチルヒドロキシエチルセルロース及びその他の変性セルロースが挙げられる。好適な溶媒には、プロピレングリコール、グリセリン、シクロメチコン、ポリエチレングリコール、ヘキサレングリコール、ジオール及び多ヒドロキシ基を基にした溶媒が挙げられる。好適なビタミン類には、Ａ、Ｄ−３、Ｅ、Ｂ−５及びＥアセテートが挙げられる。
【０１１４】
Ｃ．油性物質に耐性の接着剤
一般的必要事項
上で議論したように、本発明に基づいた吸収性物品の組み立てに使用するのに好適な物質は本明細書で議論されるスキンケア組成物の油脂性成分に耐性であり、同時に、物質の選択又は加工の自由度のいずれかを過度には限定しない。例えば、間隔設定伸縮性取り付け部材９４として使用するのに好適な物質は、油脂性成分にさらされてさえもバリアカフ部材６３と固定された関係で間隔設定伸縮性部材７６を支えなければならない（すなわち好適な物質は必然的に耐油性である）。好適な材料はまた：１）材料の適用温度は、吸収性物品を組み立てるのに使用するその他の材料の選択を限定するほど高くない（すなわち接着剤は材料に優しい）、２）材料を融解するのに必要なエネルギーは、材料が使用するのに好適に低い粘度を有する迄過度な時間量を必要とするほど大きくない（すなわち、適用温度に達するのに必要な時間は許容不能に長くすべきではない）、及び３）融解した材料の使用中の特性は、材料が適用過程の信頼性問題を生じないようにすべきであるような粘度−温度特性を有するべきである。
【０１１５】
油性物質に耐性である接着剤には、米国特許出願番号第６０／０８３，９１３号（１９９８年５月１日シーハン（Sheehan）らの名で出願）に開示されているものが挙げられ、その開示を参考として本明細書に組み入れる。本発明で使用するのに好適である、油性物質耐性の好ましい接着剤は、ＨＬ−１７１９として市販され、ミネソタ州セントポールのＨ．Ｂ．フラーカンパニー（Fuller Company）によって製造されているブロックコポリマー系の接着剤のようなホットメルト接着剤である。本発明に好適な物質の基準を以下の段落で詳しく議論する。
【０１１６】
耐油性
おむつ２０において間隔設定伸縮性取り付け部材９４として使用するためのような、本発明の吸収性物品を組み立てるのに使用する接着剤物質の好適性に関する鍵となる基準は、吸収性物品の組み立て、輸送、保存、又は使用の間に接着剤が露出される可能性のある液体に対する耐性である。代表的な液体には、水、尿のような水性の身体排泄物、経血又は糞便のようなその他の身体排泄物、及び、鉱油、ワセリン、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、脂肪酸、シリコーン化合物のようなスキンケア組成物の油性成分、並びに本発明の上記のスキンケア組成物の説明に列記されてもよいその他の物質が挙げられる。
【０１１７】
上で列記したあらゆる種類の液体への耐性は重要ではあるが、おむつに適用したとき、望ましい皮膚の健康を提供することが判明しているスキンケア組成物の構成成分のような油性物質に耐性を提供することに当該技術は特に困難さを有してきた。出願者らは、本明細書で記載されるようなスキンケア組成物で処理されたカフスにとって、約０．３５インチ（８．９ｍｍ）未満のクリープ値が極めて望ましいことを見い出した。具体的には、以下の試験方法の項で記載される方法に従ってクリープについて少なくとも約２５のカフスの試料を評価するとき、約１０パーセント未満の末端部が約０．３５インチ（８．９ｍｍ）より大きいクリープ値を有するべきである。好ましくは、約７．５パーセント未満の末端部が、さらに好ましくは５パーセント未満の末端部が、約０．３５インチ（８．９ｍｍ）より大きいクリープ値を有するべきである。
【０１１８】
実施例３の表３には、スキンケア組成物で処理され、本発明の接着剤（すなわち；ＨＬ−１７１９として市販されている耐油性ブロックコポリマー）を用いて組み立てられるバリアカフス６２及びスキンケア組成物で処理され、ポリブチレン系の接着剤により組み立てられるバリアカフス６２についての平均クリープ値並びに約０．３５インチ（８．９ｍｍ）より大きいクリープ値を有する伸縮性末端部の百分率が列記されている。実施例１及び２は、かかるカフスによるおむつの組立て及び処理を説明している。
【０１１９】
次いで、以下の試験方法の項に記載される方法に従ってクリープについてカフスを評価した。見て判るように、スキンケア組成物で処理され、本発明の接着剤で組み立てられたおむつのクリープは、スキンケア組成物で処理し、ポリブチレン系接着剤で組み立てられたカフのクリープと実質的に同じである。歴史的に、おむつをスキンケア組成物で処理し、非耐油性の接着剤で組み立てたときクリープは実質的に増加する。
【０１２０】
耐油性を有することが判明しているポリブチレンを含む接着剤組成物には、米国特許出願番号第６０／０８３，９１３号（１９９８年５月１日シーハン（Sheehan）らの名で出願）に開示されているものが挙げられ、その開示を参考として本明細書に組み入れる。
【０１２１】
ＨＬ−１７１９のようなブロックコポリマーを含む接着剤組成物は、特に望ましい耐油性を有することが見出されている。かかる接着剤は、当該技術分野に既知のその他のポリマー又はコポリマー、粘着性樹脂、ワックス、安定剤などをさらに含んでもよい。この種の接着剤組成物はホットメルト接着剤としても既知である。理論によって限定されることは望まないが、かかる耐油性は、軟化する前に十分量の油を吸収することができる配合のためであると考えられている。
【０１２２】
材料への優しさ
本発明に基づいた好適性に関するもう１つの重要な基準は、「材料への優しさ」である。本明細書で使用されるとき、吸収性物品の組み立てに接着剤を使用する場合、接着剤が吸収性物品の構成成分として使用するのに利用可能な材料の種類に過度の制限を生じなければ、接着剤は「材料に優しい」。例えば、約３７５°Ｆ（１９１℃）の接着剤の適用温度は、吸収性物品のバックシートとして頻繁に使用される低い坪量のフィルムに穴を開けることが判明している。この温度感受性によって好適なホットメルト接着剤に関する適用温度には効果的に上限が設定されている。
【０１２３】
工程への優しさ
本発明に好適な接着剤はまた工程に対しても優しい。本明細書で使用されるとき、接着剤が適用及び使用工程において不必要な制約を与えなければ、それは「工程に優しい」。工程に優しい特性の具体例には、製造雰囲気において固体接着剤を迅速に融解する低熱の溶解、適用ノズルを介して接着剤を流すのに必要な圧をできるだけ抑えるための低い使用中粘度、及び加工ロールへの流れ出しを起こす可能性があるような意図しない接着剤の流れをできるだけ抑えるための冷却における迅速な始動が挙げられる。これら接着剤の特性のそれぞれを以下でさらに詳しく議論する。
【０１２４】
接着剤を使用直前の状態にもたらすのに必要な時間は、工程を操作する者に注意力を要求する要因の１つであるため、迅速な融解は有益である。短い融解時間は、空になった接着剤融解タンクを再び満たした後に必要とされる操作者の注意が少ないことを意味する。
【０１２５】
上述のように、工程条件での低い粘度は、吸収性物品を組み立てるとき材料を接合するのに接着剤を用いる場合、適用ノズルを介して接着剤を流すのに必要な圧をできるだけ抑えるために重要である。当業者が認識するように、上昇した使用温度にて接着剤を適用することにより低い使用中粘度を達成することができる。しかしながら、低い使用中粘度を達成するかかるアプローチは追加の問題点を生じる。例えば、接着剤が材料に優しいことに求められるのよりも高い温度に接着剤を加熱することが必要となる可能性がある。上昇した温度のもう１つの問題点は「ポットライフ」である。ホットメルト接着剤は有機物質を含む組成物なので、あまりに長い時間、高い温度に保たれると物質は分解し始める可能性がある。「ポットライフ」は、物質特性が受け入れられなくなる（例えば；分子量分解のせいで臭い、色、及び粘度の喪失すること）前に接着剤を融解状態に保つことができる時間である。再び、より低い適用温度で基準を満たした粘度を達成することができれば、ポットライフを延ばすことができる。
【０１２６】
吸収性物品の製造では、工程の衛生性も重要である。始動時間が長すぎると、流動性の接着剤が材料（例えば不織布カフ構成成分）に浸透し、下にあるロールを汚染するので、この背景では、接着剤の始動時間が重要である。いったん接着剤材料でロールが汚染されると、ロールで運ばれるいかなるウエブもロールに付着できるようになり、ロールを包んでウエブに破れを生じる。
【０１２７】
接着剤材料の特性
材料への優しさ及び工程への優しさに関する上記で確認された質的基準は、本発明の接着剤に関する重要性のいくつかの材料特性を確認するのに役立つ。特に：
１）粘度／温度の関係（粘度温度特性）は適用温度を規定し、且つ
２）接着剤をその適用温度まで高めるのに必要とされるエネルギーの量は融解の容易さを規定する。
【０１２８】
これらの特性のそれぞれを以下で詳しく議論する。
【０１２９】
粘度温度特性は以下を考慮することによって定義することができる：
・本発明に従って材料に優しいと考慮されるためには、接着剤は約３５０°Ｆ（１７７℃）以下の適用温度を有するべきである。さもなければ、ある種の有用なウェブ材料に目にみえる欠損が現れはじめる可能性がある。好ましくは、適用温度は約３３５°Ｆ（１６２℃）未満である。
【０１３０】
・約２０，０００センチポアズ以下、好ましくは約１６，０００センチポアズ以下又は同等、さらに好ましくは約１２，０００センチポアズ以下又は同等の見かけの粘度を有する、約１７７℃における本発明に基づいた材料は、適用ノズルを通過するのに基準を満たした流れを有するであろう。見かけの粘度はマサチューセッツ州ストートンのブルックフィールドエンジニアリングラボラトリーズ社（Brookfield Engineering Laboratories, Inc.）から入手可能なブルックフィールドモデルＤＶＩ又はモデルＤＶＩＩ及びナンバー２７のスピンドルサイズを利用するＡＳＴＭ標準法Ｄ３２３６−８８に従って測定することができる。
【０１３１】
・接着剤は、迅速な始動を有して多孔性ウェブを介した浸透が許容可能に低いことを保証すべきである。
【０１３２】
下の表は、本発明の接着剤（ＨＬ−１７１９として市販されているブロックコポリマー）の見かけの粘度をポリブチレン系の接着剤（Ｈ９２６８として市販され、ウィスコンシン州ミルウォーキーのアトフィンドレイ（AtoFindley）から入手可能）と比較している。
【０１３３】
【表２】

見て判るように、本発明の接着剤は、測定された温度範囲すべてにわたってポリブチレン系の接着剤よりも高い見かけの粘度を有する。そうであっても、本発明の接着剤は依然として工程及び材料に優しい。
【０１３４】
本発明の接着剤の低熱融解は、始動時間が許容可能に短いことが可能である一方で、同時に上記の望ましい粘度／温度関係を維持することを意味すると考えられている。周知のように、流体が所定の圧力差に対してある種の距離を流れるには時間が必要であり、粘度の高い流体は粘度の低い流体よりも多くの時間を必要とする。さらに周知のように、ある物質からの熱転移は、その物質及びそれを取り囲む環境との温度差、環境にさらされている物質の領域、物質の熱容量、並びに結晶化の熱に依存する。
【０１３５】
本発明の接着剤は、非常に低熱の融解／結晶化を有し、それによって同じ冷却条件下にて従来技術の接着剤よりもさらに迅速に温度を下げることができる。理論によって限定されることは望まないが、本発明の接着剤のさらに低い適用温度及び温度のさらに迅速な温度喪失を組み合わせることは、本発明の接着剤が短時間で固化することを意味すると考えられている。
【０１３６】
出願者らは、加熱特性における差異は、種々の接着剤組成物の融解熱によって説明することができると考えている。本明細書で使用されるとき、「融解熱」という用語は、材料の結晶融解に必要とされるエネルギーの量である。以下の試験方法の項で記載されるような示差走査熱量計法を用いて融解熱を測定することができる。本発明の接着剤として使用するのに好適であるためには、接着剤組成物の融解熱は、グラム当り約５ジュール未満とすべきであり、好ましくは、融解熱はグラム当り約２ジュール未満である。
【０１３７】
Ｄ．カフの組み立て及び取り付け
上述のように、耐油性の接着剤物質は、フラップ取り付け部材８８、伸縮性取り付け部材９０、近位固定部材９２、又は間隔設定伸縮性取り付け部材９４のいかなるもの又はその全てとして使用するのに有用である。以下は、バリアカフ６２を形成するための間隔設定伸縮性取り付け部材９４として使用するために本発明の接着剤を適用する手段の１つを議論する。当業者は、おむつ２０のその他の要素のために本発明の接着剤物質を用いるための類似の方法を認識するであろう。
【０１３８】
図３において最もはっきり判るように、間隔設定伸縮性部材７６は、バリアカフ部材６３の末端部がそれ自体の上で後に折り曲げられるときに形成されるトンネルの中に包まれ、間隔設定伸縮性部材７６は間隔設定伸縮性取り付け部材９４によってトンネルの中に固定される。バリアカフの遠位縁６６は、間隔設定伸縮性部材７６の伸縮性ヒダ寄せ作用によって身体面４０から離れて間隔を空けられる。１）このトンネルを形成し、２）間隔設定伸縮性部材７６を取り付け、及び３）ヒダ寄せ作用を提供するために、以下の工程が好適であることが判明している。
【０１３９】
・第１に、間隔設定伸縮性部材７６を提供する。いかなる弾性的に収縮可能な物質も間隔設定伸縮性部材７６として使用するのに好適である。特定の物質は、前述の米国特許第４，６９５，２７８号に記載されている。
【０１４０】
・第２に、好適な間隔設定伸縮性取り付け部材９４を提供する。上記のように、本発明の接着剤組成物が特に好ましい。
【０１４１】
・第３に、当該技術分野に既知の手段を用いて間隔設定伸縮性部材７６及び間隔設定伸縮性取り付け部材９４を結合する。好適な手段には、間隔設定伸縮性取り付け部材９４の間隔設定伸縮性部材７６上へのスロット押し出し及び間隔設定伸縮性取り付け部材９４の間隔設定伸縮性部材７６上への噴霧が挙げられるが、これに限定されない。特に好ましいのは当該技術分野に既知のような螺旋パターンを用いた間隔設定伸縮性取り付け部材９４の間隔設定伸縮性部材７６上への噴霧であり、それによって、螺旋の幅は間隔設定伸縮性取り付け部材９４が間隔設定伸縮性部材７６の全表面に接触するよう間隔設定伸縮部材の周囲に塗布する。すなわち、間隔設定伸縮性部材７６が間隔設定伸縮性取り付け部材９４によって包まれる。
【０１４２】
・第４に、バリアカフ部材６３を形成するのに好適な物質のウエブを提供する。かかる物質は、バリアカフ６２を形成するのに好適であるとして前述の米国特許第４，６９５，２７８号に記載されている。
【０１４３】
・第５に、包まれた間隔設定伸縮性部材７６の周囲のバリアカフ部材６３の部分を折り曲げ、当該技術分野に既知の手段を用いてバリアカフ部材６３と包まれた間隔設定伸縮性部材７６を重ね合わせることによって、バリアカフ部材６３（バリアカフ６２を形成する）を包まれた間隔設定伸縮性取り付け部材７６に結合する。バリアカフ閉鎖手段９６、例えば一般にけん縮として知られる熱と圧の組み合わせ、接着手段又は当該技術分野に既知であってもよいその他の手段を用いて、間隔設定伸縮性部材の部分の長手方向縁も間隔設定伸縮性部材の残りと結合することができる。
【０１４４】
Ｅ．スキンケア組成物のカフ（又はその他のウェブ）への適用
本発明に基づいた処理されたカフ製品の製造の際、スキンケア組成物は好ましくはカフの身体面上（すなわち、着用者が接触する面）に適用する。しかしながら、本明細書で開示される特定のスキンケア組成物は、本明細書で開示されるカフ材料の一部を介して浸透する又は移動することができるので、スキンケア組成物は別の方法としてはカフの衣類面上に適用して十分量のスキンケア組成物が身体面上に配置されるようにしてもよい。実際、一部の状況では、適用するのは一面だけであるが、完全に処理されたカフ（すなわち、両面が処理されている）の利益を達成するにはこれは好ましいアプローチである。
【０１４５】
カフスにスキンケア組成物を適用するには、融解した又は液状の粘稠性を有する潤滑性の物質を分配する種々の適用方法のいかなるものも用いることができる。好適な適用方法には、コーティング（例えば、グラビアコーティング又はスロットコーティング）、噴霧、印刷（例えば、フレキソ印刷）、押し出し、又はこれらの組み合わせ並びにその他の適用技術（例えば、カレンダーロールのような回転面上でスキンケア組成物を噴霧し、次いでおむつカフスの身体面上にスキンケア組成物を接触コーティングすることによって転移させる）が挙げられる。所望であれば、カフスの両面にスキンケア組成物を適用することもできる。
【０１４６】
スキンケア組成物をカフスに適用する様式は、スキンケア組成物でカフスが飽和しすぎないようにすべきである。カフスが過剰量のスキンケア組成物で処理されると、物品の望ましくない位置、例えば、にスキンケア組成物が、下にある吸収材コアの吸収性に有害な影響を有し得る物品の内側の中移動する可能性がさらに大きくなる。また、治療的な及び／又は保護的なスキンケア組成物の利益を得るのにカフスの飽和は必要ない。
【０１４７】
カフに適用されるべきスキンケア組成物の最低レベルは、紅斑、おむつかぶれ、発赤、皮膚への刺激又はその他の有害な皮膚の症状を軽減するのに有効な最小量である。（組成物はまた、着用者の皮膚へのＢＭの付着を軽減するのにも有効であり得る。）当然、スキンケア組成物の有効量は、用いられる特定のスキンケア組成物に大きく依存する。皮膚軟化剤は、カフの身体面上に実質的に不動化されるので、所望のスキンケア利益を付与するにはさらに少ないスキンケア組成物が必要である。かかる相対的に低いレベルのスキンケア組成物が、カフに対して所望の治療的な及び／又は保護的なスキンケア組成物の利益を付与するのに適当である。
【０１４８】
スキンケア組成物はカフの一方の面若しくは両面又はその一部に均等に且つ一様に適用してもよい。スキンケア組成物はあるパターン（すなわち、縞状、箱状、点状、らせん状など）で適用してもよい。好ましくは、スキンケア組成物は使用中、着用者に最もよく接触するカフの領域に合わせる。最も好ましくは、以下の実施例で記載されるように、スキンケア組成物は、カフの別個の部分に縞で、例えば、カフの身体面上の股部分に一般に配置される幅１．４インチ（おむつの横方向、カフの遠位縁が覆われるように）及び長さ１１．７５インチ（おむつの長手方向）のパッチで適用される。
【０１４９】
スキンケア組成物はカフの一方の面又は両面に不均一に適用することもできる。「不均一」によって、スキンケア組成物の量、分配のパターンなどがカフ表面上で変化しうることを意味する。例えば、カフの処理された面の一部分は、その上にいかなるスキンケア組成物も有さない表面の部分も含めて、さらに多い量又はさらに少ない量のスキンケア組成物を有することができる。
【０１５０】
スキンケア組成物は、カフ又は組み立て中いかなる時点でもカフの一部を形成するウエブに対して適用することができる。例えば、スキンケア組成物は包装する前の仕上り製品のカフに適用することができる。スキンケア組成物は、その他の原料を組み合わせて仕上り製品を形成する前、その他の物品構成成分の組み合わせ前での部位の変換に際して、又は事前処理するストック物質としてのいずれかでカフまたはウエブに適用することもできる。
【０１５１】
スキンケア組成物は典型的に、その融解生成物からカフに適用する。スキンケア組成物は、室温よりも有意に高い温度で融解するので、通常加熱コーティングとしてカフに適用される。典型的に、スキンケア組成物は、カフに適用するのに先立って約３５℃〜約１００℃、好ましくは４０℃〜約９０℃の範囲の温度に加熱される。いったん融解したスキンケア組成物をカフに適用すると、それは冷却し、固化させてカフの表面上に配置された固化したコーティング又はフィルムを形成する。好ましくは、適用工程は、組成物の冷却／配置を助けるように設計される。
【０１５２】
本発明のスキンケア組成物のカフへの適用においては、スロットコーティング、押し出し被覆、グラビアコーティング、及び噴霧の方法が好ましい。図５は、変換操作中のおむつのバリアカフ上にスキンケア組成物の連続又は断続的な接触スロットコーティングが関与する好ましい方法を説明している。図５を参照すると、搬送ベルト１は、旋回ロール３及び４の上で矢印によって示される方向に進み、戻り搬送ベルト２になる。搬送ベルト１は、ローションが施されていないおむつ５を接触スロットコーティング台６に運び、そこでバリアカフ部材７が加熱して、融解された（例えば、６５℃）スキンケア組成物で被覆される。スロットコーティング台６から離れた後、おむつ５は、処理されたバリアカフスを有するおむつ８になる。バリアカフ部材７に移動するスキンケア組成物の量は：（１）接触スロットコーティング台６から適用される融解したスキンケア組成物の速度；及び／若しくは（２）搬送ベルト１がスロットコーティング台６の下を通る速度；並びに／又は（３）接触スロットコーティング台の位置決めによって制御される。（所望であれば、カフ及びトップシートの両方がその上に配置されたスキンケア組成物を有するように、バリアカフ部材７並びに一部のトップシート３８を被覆できるようにコーティング台の位置を決めてもよい。）
本発明による処理されたおむつカフ及びトップシートの調製の具体的な説明
以下は、本発明に従ってスキンケア組成物でカフ及び／若しくはトップシート又はウェブを処理する具体的な方法である：
（実施例）
（実施例１）
本実施例は、本発明の耐油性接着剤を用いて組み立てられたカフスを有するおむつの調製及びスキンケア組成物によるカフスの処理を明示することを意図する。
【０１５３】
Ａ．スキンケア組成物の調製
スキンケア組成物（組成物Ａ）は、以下の融解生成物（すなわち、液体）構成成分を一緒に混合することによって製造される：ワセリン（パーフェクタ（Perfecta）（登録商標）としてコネチカット州グリーンウィッチのウィトココーポ（Witco Corp.）から入手可能）、ステアリルアルコール（ＣＯ１８９７としてオハイオ州シンシナティのプロクター＆ギャンブルから入手可能）及びアロエ抽出物（カイドール（Kaydol）中ベラゲルリポイド（Veragel Lipoid）としてニュージャージー州サウスハッケンサックのメディスボタニカルズ社（Madis Botanicals、Inc.）から入手可能）。これらの構成成分の重量百分率を以下の表２に示す：
【表３】

Ｂ．ホットメルトコーティングにより処理されたおむつ脚部カフの調製
カフスを組み立てるために、前に本明細書で議論したように、ＨＬ−１７１９として市販されているブロックコポリマーのような本発明による接着剤によってバリアカフ部材に間隔設定伸縮性部材を動作可能なように接合する（すなわち、接着剤を伸縮性部材に適用し、接着剤処理した伸縮性部材のあたりでバリアカフ部材を折り曲げ、組み立て品を組み合わせることにより）。次いで、当該技術分野に既知の手段を用いてカフをトップシートに接合し、組み立てを完成する。
【０１５４】
組み立て品は次いで、スキンケア組成物Ａにより処理される。融解するために１７０°Ｆの温度で作動している加熱タンクに組成物を入れる。続いて、接触アプリケータによって（例えば、１７０°Ｆの温度で作動するメルテックス（Meltex）ＥＰ４５ホットメルト接着剤アプリケータ先端部）、各間隔設定伸縮性部材の一方の末端部又は両方の末端部がスキンケア組成物で被覆されるように長手方向における基台部の中心にパッチをおき、おむつのバリアカフスの身体面上幅１．４インチ（おむつの側面方向、バリアカフの遠位縁が覆われるように）及び長さ１１．７５インチ（おむつの長手方向）の領域に融解した組成物を直接適用する。アドオンレベルは約１８．０ｇ／ｍ^２である。このように処理したおむつを実施例３ではおむつ１と特定する。
【０１５５】
（実施例２）
本実施例は、従来技術の接着剤を用いて組み立てられたカフスを有するおむつの調製及びスキンケア組成物によるカフスの処理を記載することを意図する。
【０１５６】
ポリブチレン系耐油性接着剤（ウィスコンシン州ミルウォーキーのアトフィンドレイ（AtoFindley）のＨ９２６８）を用い、実質的に実施例１に記載されたのと同じ方法にて組み立てられたカフスを一組のおむつに提供する。続いて実施例１に記載されるのと実質的に同じ方法において組成物を融解し、融解した組成物を幅１．４インチ（おむつの横方向、バリアカフの遠位縁が覆われるように）の縞で各バリアカフ及びバリアカフの延びている全長にてバリアカフスの身体面上に適用することによって、おむつはすべて実質的にスキンケア組成物Ａ（実施例１の手順により調製された）で処理する。アドオンレベルは約１８．０ｇ／ｍ^２である。この実施例の製品は以下のように特定する：おむつ２−ポリブチレン系耐油性接着剤、スキンケア組成物による処理
（実施例３）
本実施例は、従来技術の典型的な接着剤と比較して、本発明の接着剤及び従来技術のある種の接着剤の耐油性を明示することを意図する。
【０１５７】
実施例１及び２に従って調製されたカフスをおむつから取り外し、試験方法の項で記載される方法に従ってクリープについて評価する。表３はこの評価の結果を示す。
【０１５８】
【表４】

見て判るように、どちらの耐油性接着剤を用いて処理されたカフスも同等のクリープ値を有する。さらにこれらのクリープ値は、非耐油性の従来技術の接着剤を用いて組み立てられた未処理のカフスの歴史的なクリープ値と同等である。
【０１５９】
（実施例４）
本実施例は、本発明の接着剤の工程への優しさの態様の１つを明示することを意図する。
【０１６０】
実施例は、２つの接着剤の融解熱を比較することにより２つの接着剤の融解の挙動を比較する：
・ポリブチレン系接着剤（Ｈ９２６８）；及び
・本発明のブロックコポリマー（ＨＬ−１７１９）：
以下の試験方法の項に記載される示差走査熱量計法に従って各接着剤について融解熱を測定した。これらの測定結果を表５に示す。
【０１６１】
【表５】

周知のように、加熱曲線のベースラインより上にある種々のピークの下部分面積を合計して融解熱（第２の加熱）を決定してもよい。
【０１６２】
試験方法
伸縮性クリープ
概説
１００°Ｆで２時間、カフスを張力（約１００％伸長）のもとに置いたのち、カフ伸縮性部材の末端部の位置ずれを測定する。
【０１６３】
装置
インキュベータ：１００±１°Ｆの温度を維持することが可能好適なインキュベータは、ペンシルベニア州ウエストチェスターのＶＷＲサイエンティフィックからモデル２０２０として入手可能である。
【０１６４】
試料基材：８インチ（２０ｃｍ）の内径及び０．３７５インチ（９．５ｍｍ）の壁厚を有する環状の円筒好適な基材は、ウェブ基材を巻くとき使用されるような上記寸法を持つ厚紙の芯である。かかる芯はサウスカロライナ州ハーツビルのソノコ（Sonoco）から入手可能である。．
試料の調製
１）慎重に、タック止めにした接合材をすべて破断する及び／又は切断し、おむつからカフを分離する。
【０１６５】
２）カフを取り外す前に、ヒダが寄り始める（ヒダあり／ヒダなし）ところにて両末端上で各伸縮性のストランドに印を付ける。（注記：ヒダが寄り始める場所を決めるのが難しければ、カフを取り外し、軽い台紙の上に置き、伸縮性のヒダ寄せに単に印を付ける）。伸縮性の接着部分がタック止めの接合材と重なっていたら、最長のタック止め接合材にてフットプリントを付ける。各カフは、各伸縮性部材について一対の印を有する。
【０１６６】
操作
１）試料片を基材に取り付け、張力のもとに置く。以下の方法が好適であることが判明している。
【０１６７】
ａ）衣類面を上にした試料基材の上に試料片を置き、伸縮性部材の接着されていない末端部について完全に自由な動きを保証する基材に試料片の一方の末端部を取り付ける。上で議論した厚紙基材については、基材にホッチキスで止めることによって試料片を取り付けてもよい。
【０１６８】
ｂ）全てのヒダを除くように（約１００％の伸長）試料片を引っ張る。引っ張る長さは典型的に、試料のカフが外されたおむつの末端縁間の距離と同じである。
【０１６９】
ｃ）張力を維持する一方で、工程ａのように試料片の自由な末端を基材に取り付ける。
【０１７０】
２）ドアを開けている時間量をできるだけ少なくするように注意して、引っ張った組み立て品をインキュベータ（インキュベータの設定点１００°Ｆ）に入れる（ドアを３０秒間開けたままにするとインキュベータが元に戻るのに５〜１０分かかり、これは試験結果に有意な影響を及ぼす）。組み立て品をインキュベータに入れた時間を記録する。
【０１７１】
３）２時間のインキュベートの後、組み立て品を取り出す。組み立て品をインキュベータから取り出した時間を記録する。測定を行う前に試料を再び室温に平衡化させる（約５分間）。
【０１７２】
測定及び計算
１）各伸縮性末端部について、末端部が最初の印に比べて動いたかどうかを確定する。いかなる動きも０１インチ（２ｍｍ）まで測定し、記録する。動きのないものは０を記録する。
【０１７３】
２）各末端部について、位置付け及び取り出し時間に基づいて経過時間を確定することによってインキュベータにおける時間（分）を計算する。
【０１７４】
各カフ試料についてクリープの総インチ（ミリメートル）を合計する。例えば、３つの伸縮性部材を有するカフは、合計６つの伸縮性末端部を有する。
【０１７５】
４）各カフ試料について、以下の方程式に従って伸縮性末端部当りの平均クリープを計算する：
【数１】

５）条件当り少なくとも２５のカフスについて、工程１〜４を繰り返す。
【０１７６】
６）クリープの平均インチ／伸縮性末端部を報告する。
【０１７７】
示差走査熱量計
ＡＳＴＭ標準法Ｄ３４１７−８３に記載された方法が好適である。以下の明示はさらに詳細を提供する。
【０１７８】
１）好適な示差走査熱量計装置は、コネチカット州ノーウォークのパーキンエルマー（PerkinElmer）からモデルＤＳＣ−７として入手可能である。この装置は、標準法の第１１項に記載される面積計法ではなく曲線面積の自動計算を提供する。
【０１７９】
２）標準法の第８項に記載される最終試料を切断する前に、加熱ナイフ（コネチカット州ダービーのシール社（Seal、Inc.）からセレクタカスタムアイロン（Selector Custom Iron）として入手可能）を用いて接着剤ブロックの原体から中間体試料を除いてもよい。
【０１８０】
３）装置の較正はすべて２０℃／分ではなくて１０℃／分の速度で加熱して行う（標準法の第９項は、較正及び試料の評価について同じ加熱速度を用いることを推奨している）。
【０１８１】
４）試料すべてには、以下の方式に従った同一の加熱歴が提供される：
ａ）２０℃／分の速度で０℃から２００℃まで各試料を加熱する。
【０１８２】
ｂ）２０℃／分の速度で２００℃から０℃まで各試料を冷却する。
【０１８３】
ｃ）２０℃／分の速度で０℃から２００℃まで各試料を加熱する。
【０１８４】
融解測定の熱は第２の加熱で作られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 下にある構造を示すために切り取った部分を有する、本発明の使い捨ておむつの実施形態の平面図である。
【図２】 図１の２−２の線に沿って切り取った断片の断面図である。
【図３】 図１の３−３の線に沿って切り取った断片の断面図である。
【図４】 本発明に基づいた使い捨ておむつの形態における吸収性物品の透視図である。
【図５】 本発明の組成物をおむつのバリアカフに適用する工程を説明する模式図である。

Claims (10)

1. 着用者が皮膚に接して着用すべき吸収性物品であって、吸収物品は、
   基台と、
   基台は、バックシートと
   前記バックシートに接合する液体透過性トップシートを含む外側のカバー層；及び
   前記トップシートと前記バックシートの間に位置する吸収材コアを含む；
   並びに
   前記基台に接合するカフを含み、前記カフはそれぞれ第１の表面及び前記第１の表面とは反対に位置する第２の表面を有し、前記カフはカフ部材と伸縮性部材を含み、前記伸縮性部材は向かい合った伸縮性末端部を有し、耐油性の接着剤を用いて前記カフ部材に接合し、その際、前記接着剤は、
   １７７℃の温度にて約２０，０００センチポアズ（０．２Ｐａｓ）未満の、及び１３５℃の温度にて約１００，０００センチポアズ（１．０Ｐａｓ）未満の見かけの粘度及び約５ジュール／グラム未満の融解熱を示し、前記接着剤はブロックコポリマーであり、好ましくは前記接着剤はスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーであり；及び
   前記カフ上に有効量のスキンケア組成物が配置され、前記スキンケア組成物は２０℃にて半固体又は固体であり、接触、着用者の普通の動き及び／又は体熱によって少なくとも部分的に着用者の皮膚に移ることが可能である吸収性物品。
2. 伸縮性クリープ法に従って前記カフを評価すると、前記伸縮性末端部の約１０パーセント未満が約０．３５インチ（８．９ｍｍ）より大きいクリープ値を示す、請求項１の吸収性物品。
3. 前記カフ上の前記スキンケア組成物の量が、約０．０５ｍｇ／ｉｎ^２（０．００７８ｍｇ／ｃｍ^２）〜約８０ｍｇ／ｉｎ^２（１２．４ｍｇ／ｃｍ^２）の範囲である、請求項１又は２のいずれか一項に記載の吸収性物品。
4. 前記スキンケア組成物が、
   （ｉ）２０℃にて塑性体又は流体粘りを有する約１０％〜約９５％の皮膚軟化剤を含み、好ましくはその際前記皮膚軟化剤がワセリン系皮膚軟化剤、脂肪酸エステル皮膚軟化剤、ポリシロキサン皮膚軟化剤、脂肪酸スクロースエステル、アルキルエトキシレート皮膚軟化剤及びそれらの混合物から成る群から選択される成分を含み；及び
   （ｉｉ）約５％〜約９０％の、前記皮膚軟化剤を前記カフ上に不動化することが可能である不動化剤を含み、好ましくはその際前記不動化剤は、ポリヒドロキシ脂肪酸エステル類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド類、Ｃ_１４〜Ｃ_２２の脂肪族アルコール類、Ｃ_１２〜Ｃ_２２の脂肪酸、Ｃ_１２〜Ｃ_２２の脂肪族アルコー
   ルエトキシレート類、及びそれらの混合物から成る群から選択される請求項１〜３のいずれか一項に記載の吸収性物品。
5. 前記皮膚軟化剤が、約５％以下の水を含有し、且つ鉱油、ワセリン、及びそれらの混合物から成る群から選択されるワセリン系皮膚軟化剤を含む、請求項１〜４のいずれか一項に記載の吸収性物品。
6. 着用者が皮膚に接触して着用すべき吸収性物品であって、吸収性物品は、
   縁を有する基台と、
   前記基台は、外側のカバー層と
   前記外側のカバー層に入れられた吸収材コアを含む、
   前記基台に接合するバリアカフを含み、前記バリアカフは、近位縁及び前記近位縁に空間を空けた関係にある遠位縁を有する別個のバリアカフ部材であって、前記近位縁は前記外側のカバー層に接合され、前記遠位縁の一部は吸収性物品に固定されていない、及び前記バリアカフ要素が前記外側のカバー層から上向きに立つことを可能にするための前記遠位縁に有効に結合する間隔設定用伸縮性部材を含み、その際前記伸縮性部材は向き合った伸縮性末端部を有し、好ましくは、前記伸縮性末端部の約１０パーセント未満が伸縮性クリープ法に従って前記カフを評価すると、約０．３５インチ（８．９ｍｍ）より大きいクリープ値を示し、且つその際、前記伸縮性部材は、耐油性接着剤を用いて前記カフ部材と接合し、前記接着剤はブロックコポリマー、好ましくはスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーであり、かつ約１７７℃の温度にて約２０，０００センチポアズ（０．２Ｐａｓ）未満の、及び約１３５℃の温度にて約１００，０００センチポアズ（１．０Ｐａｓ）未満の見かけの粘度及び約５ジュール／グラム未満の融解熱を示し、；及び
   前記バリアカフ部材上に有効量のスキンケア組成物が配置され、前記スキンケア組成物は２０℃にて半固体又は固体であり、少なくとも部分的に着用者の皮膚に移ることが可能である、吸収性物品。
7. 前記バリア脚部カフに隣接して位置するガスケットカフを追加的に含む、請求項６の吸収性物品。
8. 吸収性物品がおむつである、請求項１〜７のいずれか一項に記載の吸収性物品。
9. 吸収性物品が生理用ナプキンである、請求項１〜８のいずれかに記載の吸収性物品。
10. 着用者が皮膚に隣接して着用すべき吸収性物品の製造方法であって、前記方法は次の段階：
    バックシートと
    バックシートに接合する液体透過性トップシートを含む外側のカバー層、及び
    前記トップシートと前記バックシートの間に位置する吸収材コアを含む基台を提供すること；
    カフを提供すること
    を含み、その際前記カフは前記基台に接合し、前記カフはそれぞれ第１の表面及び前記第１の表面とは反対に位置する第２の表面を有し、前記カフはカフ部材及び伸縮性部材を含み、その際前記伸縮性部材は向き合った伸縮性末端部を有し；前記伸縮性部材は、耐油性の接着剤を用いて前記カフ部材と接合し、前記接着剤は、ブロックコポリマー、好ましくはスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーであり、かつ１７７℃の温度にて約２０，０００センチポアズ（０．２Ｐａｓ）未満の、及び１３５℃の温度にて約１００，０００センチポアズ（１．０Ｐａｓ）未満の見かけの粘度及び約５ジュール／グラム未満の融解熱を示し、；及び
    前記カフ上に有効量のスキンケア組成物を配置し、前記スキンケア組成物は２０℃にて半固体又は固体であり、接触、着用者の普通の動き及び／又は体熱によって少なくとも部分的に着用者の皮膚に移ることが可能である、方法。

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