JP4717777B2 - 気液接触用充填要素、気液接触用充填材および気液接触用充填要素の製造方法 - Google Patents
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Description
その製法としては、金型による樹脂の射出成型による製造、金属片の折り曲げまたは切断、金属片のしわよせなどがある。
また、効率アップのために充填材の表面積を上げたことにより、下記のような不具合があった。
(2)複雑な形状となり、金属の場合、切断・折り曲げなどにより加工費が増大する。
(3)輸送時に空隙が多くなり体積が増大する(輸送費増)。
本発明は、斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、気液接触効率を向上させ、水溶性ガスの水への吸着率や水−空気などの熱交換率の高い安価な気液接触用充填要素、気液接触用充填材および気液接触用充填要素の製造方法を提供することにある。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の気液接触用充填要素において、前記気液接触用充填要素は、厚さ0.1mm〜0.3mm、長さ10mm〜100mm、および幅1mm〜2mmであることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項3の何れか1項記載の気液接触用充填要素の製造方法において、切込み(削り厚さ)0.3mm以下、送り(刃の移動速度)2.0mm/rev.でアルミニウム合金である金属材料を切削刃で切削することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項4記載の気液接触用充填要素の製造方法において、円筒状の地金を円盤ノコで切削することを特徴とする。
本発明に係る気液接触用充填要素は、切削加工時に微細な亀裂が端部に入るので、これにより表面積が増大し、気液接触効率を向上させることができる。
本発明に係る気液接触用充填材は、内部空隙を形成するらせん状や円筒形を形成しない形状が不均一なため水の通り道(みずみち)が不規則に発生し、気液の接触機会も増大し、気液接触効率を向上させることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る気液接触用充填要素10を示す。
本実施形態に係る気液接触用充填要素10は、金属材料を切削加工して作製された流れ形切りくず形状を為している。本発明において、流れ形切りくずとは、例えば、「機械工学便覧」(発行所 社団法人日本機械学会、1991年9月30日発行)の「第5章切削加工 5・切削加工の基礎」(B2−119)で記載されている「なめらかで一様な断面を持つ流れ形(flow type)」および「図285 切りくず形態の大別」(B2−119)で示されている「(a)流れ形」をいう。本実施形態に係る気液接触用充填材は、本実施形態に係る気液接触用充填要素10の集合物である。
本実施形態に係る気液接触用充填要素10は、例えば、次のようにして作製される。
ここで、切削条件は、例えば、クロムモリブデン鋼SCM435の場合、切込み(削り厚さ)0.3mm以下、送り(刃の移動速度)2.0mm/rev.、切削速度150m/min、チップTNMG160408とした。この条件は、「機械加工現場診断シリーズ1 旋削加工」(西 嶢祐著、日刊工業新聞社発行)の「図5・8 各条件での切りくずの状態」に準拠して決めた。
気体と液体を接触させ、温度を回収する湿式熱交換の場合、気体、液体の温度移動をスムーズにまた、空気中の水溶性ガスを水に吸着させるための装置における充填材においても、気体の水への溶け込みやすさは一般に温度が低いほど大きくなるので、噴霧した水を低温に冷却して噴霧する場合、この熱を効率よく気体に伝達できる高熱伝導率の充填材は有用である。材料別熱伝導率を表2に示す。
この作製工程では、金属材料を切削加工する際に、切りくずの形態としては、なめらかで一様な断面を持つ流れ形である。
そして、切りくずの長さL=10mm〜100mm、厚さH=0.1mm〜0.3mmおよび幅W=1mm〜2mmとする理由は、下記の通りである。
(2)切削加工の条件(切込み、送り)からあまり長いものはできない(100mm程度がMAX)。
(5)気液接触装置に設置する際、ほぐした状態で、上から降り積もらせる要領で、敷かれた網の上に乗せる(500mm×500mm×500mmで、6kg、48kg/m3の密度が好ましい)。装填は自在で、その作業性から1片は薄く、短尺のものが良い。
図3、図4は、水噴霧除去装置実験機20を示す。
表3に水噴霧除去装置実験機の仕様を示す。
槽24は、処理後の空気を排気する排気口38が配置され、ミストエリミネータ39、加熱コイル40が配置され、加熱コイル40の上方にはケミカルフィルタ41、排気ファン42を備えた排気装置43が配置される。加熱コイル40の下流側では、空気に顕熱のみ与えられ、湿潤ではない所定の温度の空気になるように制御される。加熱コイル40の上方に濃度測定点2が設定される。
仕切板25は、槽21の上部から充填槽32を通して水槽36との間に隙間ができるように配置され、仕切板26は、槽22の上部との間に隙間ができるように配置され、仕切板27は、槽24の上部から充填槽35を通して水槽36との間に隙間ができるように配置されている。これによって、槽21から導入された空気は、仕切板25,26,27によって蛇行する。
ノズル28,29,30,31を駆動して、水を噴霧し、#1〜#4の気液接触用充填材内に滴下し、流下してきた水を水槽36内に溜める。水槽36にはドレンパイプ48が設けられており、一定の水位が確保されている。水槽36の水を循環ポンプ45,46,47にて再度ノズル28,29,30へ水を圧送する。空気へ溶け込んだ分(加湿分)と水滴として風に乗っていた分を#4の気液接触用充填材内にノズル31から補給水として導入する。
図4に示すように、定量ポンプ49を用いて一定速度でホルマリン溶液(35%水溶液)をホットプレート50上に滴下し、その空気をフード51、ダクト52を介して取込口37から吸引し装置へ導入する。この速度を変えることによりホルマリンガスの濃度を制御する。
濃度測定点1を10分おきに計測し、濃度が安定していることを確認する。ここで、定量ポンプ49の滴下速度で濃度測定点1の濃度を定める。
同時に濃度測定点1および2にて濃度を測定する。
10分おきに4回測定しその平均値を除去率とした。
なお、濃度測定点1,2は、静圧(圧損)、風量、温度、湿度を測定する。
また、濃度測定点2では、湿度90%以上では濃度を測定できないため、加熱コイル40で加熱する(Δt=2℃)。
なお、本実施形態に係る気液接触用充填要素10で構成した気液接触用充填材の代わりに月島環境エンジニアリング株式会社の樹脂成型(テラレットS−O)を用い、充填材の評価を行った
結果を表4に示す。
これは、本実施形態に係る気液接触用充填要素10の形状が不均一なため、水の通り道(みずみち)が不規則に発生し、気液の接触機会が増大し、気液接触効率が向上したことによるものと思われる。これに対し、月島環境エンジニアリング株式会社の樹脂成型(テラレットS−O)では、複雑な形状と空隙により充填材の詰め具合により偏った水の通り道(みずみち)が発生し、気液の接触機会が低下し、気液接触効率が低下したことによるものと思われる。
A.形状不均一の効果
(1)形状が不均一なため水の通り道(みずみち)が不規則に発生し、気液の接触機会も増大し、気液接触効率を向上させることができる。
B.表面亀裂の効果
切削加工時に微細な亀裂が端部に入るので、これにより表面積が増大し、気液接触効率を向上させることができる。
円筒状の金属材料を円盤ノコで切断するだけで製造可能であるため、製造費が安価である。
これに対し、月島環境エンジニアリング株式会社の樹脂成型(テラレットS−O)を用いた気液接触用充填材では、下記の不具合があった。
(1)複雑な形状と空隙により充填材の詰め具合により偏った水の通り道(みずみち)が発生し、気液接触効率が低下した。
B.効率アップのために充填材の表面積を上げたことによる不具合
(1)複雑な形状となり、樹脂の場合、高価な金型が必要となる。
(3)輸送時に空隙が多くなり体積が増大する(輸送費増)。
なお、本実施形態では、水溶性ガスとしてホルムアルデヒドについて説明したが、アンモニア、亜硫酸ガスなどでも同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、水噴霧除去装置の充填材について説明したが、水と空気の接触による熱交換器(湿式熱交換器)の充填材としても適用することができる。
11 亀裂
Claims (5)
- 水と気体との接触装置内に用いられ、水の熱を効率よく気体に伝達する気液接触用充填要素であって、
アルミニウム合金である金属材料を切削加工して作製された、内部空隙を形成するらせん状や円筒形を形成しない形状不均一な流れ形切りくず形状を為し、表面に微細な亀裂を有する
ことを特徴とする気液接触用充填要素。 - 請求項1記載の気液接触用充填要素において、前記気液接触用充填要素は、厚さ0.1mm〜0.3mm、長さ10mm〜100mm、および幅1mm〜2mmであることを特徴とする気液接触用充填要素。
- 請求項1または請求項2に記載の気液接触用充填要素の集合物であることを特徴とする気液接触用充填材。
- 請求項1ないし請求項3の何れか1項記載の気液接触用充填要素の製造方法において、切込み(削り厚さ)0.3mm以下、送り(刃の移動速度)2.0mm/rev.でアルミニウム合金である金属材料を切削刃で切削することを特徴とする気液接触用充填要素の製造方法。
- 請求項4記載の気液接触用充填要素の製造方法において、円筒状の地金を円盤ノコで切削することを特徴とする気液接触用充填要素の製造方法。
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