JP4714328B2 - Method for controlling the diameter of graphite nanofibers - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラファイトナノファイバーの径の制御方法に関し、特に、熱CVD法によりグラファイトナノファイバー薄膜を形成する際に、特定の厚さの金属薄膜を下地層として有する基板を用いて、グラファイトナノファイバーの径を制御する方法に関する。この方法は、平面ディスプレー(電界放出型ディスプレー)やCRTの電子管球の代りに使用される電子発光素子を製作するために利用され得る。
【0002】
【従来の技術】
従来から、加熱することなしに電子を放出させる電子放出源である冷陰極源として、円錐状の陰極チップ(W、Mo、Si等からなるチップ)を電極基板上に形成したものが提案されている。この陰極チップの場合、例えば、Moチップを用いて作製したエミッタであってディスプレイ用途のものは、現在100V/μmの電界で駆動し得るに過ぎない。
【0003】
上記したように、陰極材料として、SiやMo等が検討されてきたが、近年、カーボンナノチューブを陰極材料に用いることが検討されている。カーボンナノチューブは、炭素6員環を主構造としたらせん構造で形成された内部が空洞の円筒形状をもち、極めて微細な、同心円状に円筒が配置された多重構造の黒鉛繊維である。このカーボンナノチューブの性能は、電子放出特性、耐熱性、化学的安定性等の性能において、他の金属材料よりも優れている。カーボンナノチューブは、通常、アーク放電法、レーザー蒸発法、プラズマCVD法等により作製されている。
【0004】
本発明者らは、高電子放出密度、低電界電子放出性能を有する陰極材料について、鋭意研究・開発を進めてきたが、炭素含有ガスと水素ガスとを用いて熱CVD法により成膜せしめる過程で、従来報告されていない構造を有するグラファイトナノファイバーを見出し、このグラファイトナノファイバーに優れた電子放出特性があることから、平成12年2月4日付及び12年3月28日付で、それぞれ、特願2000−28001号及び2000−89468号として特許出願した。このグラファイトナノファイバーは、上記カーボンナノチューブと違って、グラフェンシートが小さな断片に切れて積層した中実であり、例えば、截頭円錐形状を有する結晶が積層されてなる円柱状構造を有し、その中心に貫通空隙が存在し、この空隙は中空であるか又はアモルファスカーボンで充填されているものである。得られたグラファイトナノファイバーは、直径が10nm〜600nmであり、直径が10nm未満であるものは、今のところ合成できておらず、また、600nmを超えるものは電子放出性能が劣る。このようなグラファイトナノファイバーは、高電子放出特性、低電界電子放出性能等のような優れた電子放出特性を有する陰極材料として有用である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような従来のカーボンナノチューブを冷陰極源(電子放出源)として利用しようとする場合、カーボンナノチューブからの電子放出がその先端又は欠陥箇所から生じるために、CRT用電子源のように高い電流密度が要求される電子放出源としては、今のところ応用できないという問題がある。
【0006】
本発明者らは、上記したような熱CVD法によるグラファイトナノファイバー薄膜の形成に関する技術では、被処理基板上の所定の箇所に効率よくグラファイトナノファイバー薄膜を形成せしめることが困難であることから、グラファイトナノファイバー薄膜を所定の箇所に選択的に形成させ得る方法を見出したが、この形成方法を実施する場合、成膜されたグラファイトナノファイバーの径を制御することが困難であるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点を解消するものであり、高電子放出密度、低電界電子放出性能を達成することのできる陰極材料として、炭素系電子放出源となり得るグラファイトナノファイバー薄膜を軽視得する際に、得られるグラファイトナノファイバーの径を制御する方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のグラファイトナノファイバー径の制御方法は、ガラス基板又はSi基板上に、下地層として、Fe、Co又はこれらの金属の少なくとも1種を含んだ合金の触媒金属薄膜を10〜50nmの厚さで所定のパターンに形成せしめた基板を被処理基板とし、該被処理基板を真空下熱処理した後、熱CVD法により、炭素含有ガス及び水素ガスを用いて、該被処理基板上のパターン部分のみにグラファイトナノファイバーを均一に成長せしめ、成長したグラファイトナノファイバーの径を制御することからなり、触媒金属薄膜の厚さを上記範囲内で適宜変えることにより、所望の径を有するグラファイトナノファイバーを作製することができる。触媒金属とは、その金属の上にグラファイトナノファイバー薄膜を形成することができる金属を意味する。触媒金属薄膜の膜厚が10nm未満であると、作製されるグラファイトナノファイバーの径は細くなるが、成長速度が遅すぎるので実用的ではなく、また、膜厚が50nmを超えると、作製されるグラファイトナノファイバーのなかにはφ100nm程度又はそれよりも太いものも観測されると共に、触媒金属薄膜が剥がれやすくなる傾向があるため好ましくない。
【0009】
また、本発明のグラファイトナノファイバー径の制御方法は、ガラス基板又はSi基板上に、下地層として、Fe、Co又はこれらの金属の少なくとも1種を含んだ合金の触媒金属薄膜を10〜50nmの厚さで所定のパターンに形成せしめた基板を被処理基板として用い、真空排気した真空チャンバー内に載置された該被処理基板を赤外線ランプで加熱して該被処理基板を真空下熱処理し、次いで、炭素含有ガス及び水素ガスを真空チャンバー内へ導入し、真空チャンバー内の圧力をほぼ1気圧に維持して、該被処理基板上のパターン部分のみに熱CVD法によりグラファイトナノファイバーを均一に成長せしめ、成長したグラファイトナノファイバーの径を制御することからなる。
【0010】
前記被処理基板として、ガラス基板又はSi基板上に、非触媒金属の薄膜を所定のパターンに形成せしめた後、該非触媒金属パターンの上にFe、Co又はこれらの金属の少なくとも1種を含んだ合金の触媒金属薄膜を10〜50nmの厚さで所定のパターンに形成せしめた2層構造の下地層を有する基板を用いてもよい。非触媒金属とは、その金属の上にグラファイトナノファイバー薄膜を形成することができないような金属を意味する。
【0011】
前記熱処理を行う温度は400℃以上、基板の耐熱温度以下であることが好ましい。熱処理温度が400℃未満だと、グラファイトナノファイバーの径を制御することはできても、下地層の基板への密着性が悪いので実用的でなく、また、2層構造の下地層では触媒金属と非触媒金属との界面での合金化が起こらないので両層の密着性は悪く、実用的でない。また、基板の耐熱温度を超えると基板が変形してしまうという問題がある。
【0012】
前記炭素含有ガスと水素ガスとの混合比は、容量基準で、炭素含有ガス/水素ガス=0.1〜10であることが好ましい。混合比が0.1未満であると、グラファイトナノファイバーを効率よく成長することが難しく、また、10を超えると、炭素含有ガス濃度が濃すぎてグラファイトナノファイバー薄膜の形成プロセスを制御することが実質的に難しいという問題がある。なお、水素ガスは、気相反応における希釈及び触媒作用のために使用されるものである。
【0013】
前記熱CVD法を実施する温度は450〜650℃であることが好ましい。450℃未満であると、原料ガスとしての炭素含有ガスがほとんど分解されないので、グラファイトナノファイバーの成長速度が極めて遅くなり経済的でないという問題がある。また、温度が高いほど成長速度は速くなるが、650℃を超えるとグラファイトナノファイバー薄膜の形成プロセスを制御することが実質的に難しくなるという問題がある。
【0014】
前記炭素含有ガスとしては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、又はメタンのような低級炭化水素等の炭素含有ガスを用いることができ、一酸化炭素又は二酸化炭素が好ましい。
【0015】
また、前記下地層金属薄膜を所定のパターンに形成せしめ、真空下熱処理を行った後、該下地層の触媒金属薄膜の表面をウエットエッチング法等によりエッチングして、その表面状態を粗くし、次いで、熱CVD法を行うことが好ましく、これによりグラファイトナノファイバーの成長が極めて良好になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の制御方法によれば、上記したように、下地層として、Fe、Co、又はこれらの金属の少なくとも1種を含んだ合金の触媒金属薄膜を10〜50nmの厚さで所定のパターンに形成せしめたガラス基板若しくはSi基板を用いるか、又は、下地層として、好ましくはNi、Cu等のような非触媒金属の薄膜を所定のパターンに形成せしめ、次いで、該非触媒金属パターンの上にFe、Co、又はこれらの金属の少なくとも1種を含んだ合金の触媒金属薄膜を10〜50nmの厚さで所定のパターンに形成せしめたガラス基板又はSi基板を用い、これを所定の温度で真空下熱処理し、次いで、熱CVD法により、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素等のような炭素含有ガス及び水素ガスを用いて、該下地層の触媒金属薄膜パターン上にのみグラファイトナノファイバーを成長せしめることによって、径の制御されたグラファイトナノファイバーを作製することができる。下地層の触媒金属薄膜を特定の厚さとすることにより、グラファイトナノファイバーの径を制御することができると共に、下地層と基板との間や、触媒金属薄膜と非触媒金属薄膜との間の密着性も向上する。
【0017】
上記下地層を有するガラス基板又はSi基板の代わりに、下地層を設けず、Feのような触媒金属製の基板を用いて本発明の方法を実施すると、得られるグラファイトナノファイバーの径は100nm程度のものだけであり、この基板の厚さを変えても同程度の径のものしか得られない。
【0018】
被処理基板上への金属薄膜パターン下地層の形成法は特に制限されないが、例えば、スパッタ法、CVD法、蒸着法(例えば、EB蒸着法)等を用いて、通常の条件下で、基板上の所定の箇所にパターンを形成・付着せしめることにより行われ得る。あるいはまた、基板表面上に公知の感光性樹脂液を塗布して行うフォトリソグラフ工程によって、印刷工程によって、又はメッキ工程等によって、基板表面の所定の箇所に前記金属薄膜パターンが施された基板を得、この金属薄膜が施された箇所に上記のようにして熱CVD法によりグラファイトナノファイバーを均一に成長させてもよい。前記パターンの形状は特に制限されるわけではなく、直線でも、曲線でも、点線でも、又はその他の任意形状のものでもよい。
【0019】
本発明のグラファイトナノファイバーの径の制御方法では、まず、上記したような下地層パターンを備えた被処理基板を装着した基板ホルダーを、赤外線ランプを備えた熱CVD装置の真空チャンバー内に配設した支柱上に載置し、該チャンバー内を、通常、0.1〜0.01Torrになるまで真空排気を行う。その状態で、真空チャンバーの上方部分に、被処理基板に対向して設けられた赤外線ランプを付勢して400℃以上、基板の耐熱温度以下の温度で1〜30分間熱処理する。その後、炭素含有ガスと水素ガスとの混合ガスを、所定の容量比で、好ましくは炭素含有ガス/水素ガス=0.1〜10で該チャンバー内に導入し、ガス置換を行う。その際、上記赤外線ランプを用いて該基板を加熱し、好ましくは450℃〜650℃の温度で、該基板上の触媒金属パターン上にのみグラファイトナノファイバーを均一に成長せしめて、グラファイトナノファイバー薄膜を形成する。このようにして、グラファイトナノファイバーの直径を、下地層の触媒金属薄膜の膜厚に応じて、例えば、25nm程度以下に制御することができる。該混合ガスは、真空チャンバー内への導入前に予め加熱しておけば、短時間で成膜温度まで上昇することができると共に、このような加熱手段を設けることにより、成膜速度を調節することもできる。
【0020】
上記したようにして得られた径の制御されたグラファイトナノファイバーの場合、炭素系電子放出源からの電界電子放出特性について、高性能化することが可能になる。すなわち、従来のカーボンナノチューブと同程度の低印加電圧で、CRT用電子源に使用できる程度まで十分な高電流密度の電子放出が可能になる。
【0021】
本発明のグラファイトナノファイバーの径の制御方法を実施するための熱CVD装置としては、特に制限されるわけではないが、例えば、添付図面の図1及び2に示すような構成を有する装置を使用することができる。
【0022】
本発明の方法を実施するために用いられる熱CVD装置の一つの例は、特願2000−89468号に記載された装置である。この装置は、図1に示すように、成膜室を構成するステンレス製の真空チャンバー1内に水素ガスと共に原料ガスを導入し、基板ホルダー2に装着した被処理基板3上にグラファイトナノファイバーの薄膜を形成するための装置であって、基板ホルダー2に対向する真空チャンバー1の上部壁面に石英のような耐熱性ガラスからなる赤外線透過窓4を設け、この赤外線透過窓4の外側に、基板加熱用の赤外線ヒーター5を設け、赤外線ヒーター5により基板3を加熱した状態で、グラファイトナノファイバー薄膜を基板上に形成することができるように構成されている。薄膜形成の際の真空チャンバー内の圧力は、ほぼ1気圧に維持される。また、下地層の金属薄膜パターンが形成された被処理基板3の熱処理は、前記真空チャンバー1内で真空下で行われ得る。
【0023】
真空チャンバー1は、バルブ6を介して真空ポンプ7に接続され、真空チャンバー1内を排気できるようになっており、真空チャンバー1には、真空計8が取り付けられ、チャンバー内の圧力をモニターできるようになっている。
【0024】
真空チャンバー1にはまた、ガス供給系9が接続されている。このガス供給系9は、バルブ10aからガス流量調節器10b及び圧力調整器10cを介して、一酸化炭素ガス等の原料ガスボンベ10dにガス配管にて直列に連なっている原料ガス供給系と、バルブ11aからガス流量調節器11b及び圧力調整器11cを介して、水素ガスボンベ11dにガス配管にて直列に連なっている水素ガス供給系とを並列に備え、原料ガス供給系と水素ガス供給系とはバルブ10a、11aと真空チャンバー1との間で合流し、真空チャンバー内に炭素含有ガス及び水素ガスの混合ガスが供給されるようになっている。なお、混合ガスは赤外線ヒーター5で加熱されることなく被処理基板3上に到達されるようにする。
【0025】
上記真空チャンバー1の外側には真空チャンバーを冷却する冷却手段12が設けられ、真空チャンバー1の内壁は絶縁体13で被覆され、赤外線透過窓4は耐熱ガラスで構成され、また、基板ホルダー2には抵抗加熱式ヒーター14が設けられていてもよい。
【0026】
また、本発明の方法を実施するために用いられる別の熱CVD装置は、図2に示すように、成膜室を構成するステンレス等の金属製の真空チャンバー21とロードロック室22とを備えたものである。この真空チャンバー21内には被処理基板23の装着された基板ホルダー24を載置するための支柱25が任意の数で設けられ、ロードロック室22内には、搬送ロボット26が設けられている。また、該ロードロック室22には、真空ポンプ27が接続され、さらに、真空計29が取り付けられて、室内の真空度を測定し、モニターできるようになっている。被処理基板23の装着された基板ホルダー24は、搬送ロボット26によって基板貯蔵室からロードロック室22に搬送される。次いで、ロードロック室22内を所定の真空度(0.01Torr程度)になるまで真空排気した後、ゲートバルブ30を開けて、所定の真空度に真空排気された真空チャンバー21内に被処理基板23の装着された基板ホルダー24を搬送し、支柱25上に載置する。そして、搬送ロボット26がロードロック室22へ戻されると、ゲートバルブ30を閉じる。上記では被処理基板23の装着された基板ホルダー24を搬送する基板ホルダー搬送であったが、被処理基板23を搬送して、真空チャンバー21内の支柱25上に固定して設けられている基板ホルダー24上に該基板を載置する基板搬送でもよい。
【0027】
真空チャンバー21の上方壁面には、被処理基板23と対向して、石英のような耐熱ガラスからなる赤外線透過窓31が設けられ、この窓の外側に所定の配列を有してなる複数の赤外線ランプ32が取り付けられ、被処理基板23を均一に加熱できるように構成されている。
【0028】
真空チャンバー21には、バルブ33を介して真空ポンプ34が接続され、真空チャンバー内を真空排気できるように構成されている。また、真空ポンプ34をバイパスする配管28がバルブ39を介在させて設けられている。更に、真空チャンバー21には、任意の箇所に真空計35が取り付けられ、真空チャンバー内の真空度を測定し、モニターできるようになっている。真空計35は、このような排気系の任意の箇所に接続されていてもよい。なお、下地層の金属薄膜のパターンが形成された被処理基板23の真空下熱処理は、前記真空チャンバー21内で行われ得る。
【0029】
また、真空チャンバー21にはガス供給系36が接続されている。このガス供給系36は、バルブ37aからガス流量調節器37b、圧力調整器37c及びバルブ37dを介して、一酸化炭素等の原料ガスボンベ37eにガス配管にて直列に連なっている原料ガス供給系と、バルブ38aからガス流量調節器38b、圧力調整器38c及びバルブ38dを介して、水素ガスボンベ38eにガス配管にて直列に連なっている水素ガス供給系とを並列に備えている。原料ガス供給系と水素ガス供給系とは、バルブ37a、38aと真空チャンバー21との間で合流し、真空チャンバー21内に炭素含有ガス及び水素ガスの混合ガスを供給するように構成されている。混合ガスの導入は、被処理基板23又は基板ホルダー24の載置位置よりも下方であって、該基板をその外側の近傍で囲繞するように設けられたガス噴射ノズル手段を介して行われる。ガス供給系36に接続された該ガス噴射ノズル手段は、内部にガス流路を備えると共に、その上面に、該内部ガス流路に連通する複数のガス噴射口が列設されているものであって、真空チャンバー内に、ガスを均一に噴射し得るものであれば、その形状は問わない。このガス噴射ノズル手段は、真空チャンバー21内の底壁及び/又は側壁面に面接触して配設されていることが好ましい。該ガス噴射ノズル手段の冷却のためである。このようなガス噴射ノズル手段を設けることにより、混合ガスは、複数のガス噴射口から上方に向かって噴射されると、被処理基板23の上方全体にわたって均一に拡散し、次いで、下方に向かって均等に降下し、被処理基板全体にわたって一様に到達する。かくして均一な膜厚分布が達成できる。なお、真空チャンバー21内に配設されているガス噴射ノズル手段は、Cu等のような熱伝導率の高い金属製であることが好ましい。
【0030】
さらに、真空チャンバー21の内壁は、鏡面研磨仕上げされていてもよく、また、内壁にアルミナ等の絶縁体が溶射により被覆されていてもよい。これは、生成するグラファイトナノファイバーが壁面に付着しないようにするためである。また、真空チャンバー壁面へのグラファイトナノファイバーの付着を防止するために、壁面を冷却する手段として、チャンバー外周に、冷却媒体、例えば冷却水を流す冷却管等を設けてもよい。さらに、真空チャンバー21内に導入される混合ガスを予め加熱するための加熱機構を設けてもよい。
【0031】
【実施例】
上記構成を有する熱CVD装置のうち、図2に示す装置を用いて行うグラファイトナノファイバーの径の制御方法について、以下、実施例により説明する。
(実施例1)
EB蒸着法により、ガラス基板上の所定の箇所(所定形状のパターン部分)のみにNiを100nmの厚さで蒸着し、このNi薄膜パターン上にFeを10、20、50、100nmの4種類の厚さで蒸着した。次いで、Ni薄膜及びFe薄膜からなる2層がパターン蒸着された基板23を基板ホルダー24上に装着したものを、基板貯蔵室から搬送ロボット26により、熱CVD装置の真空チャンバー21内の基板ホルダー用支柱25上に載置した。真空ポンプ34を作動すると共に、バルブ33a、33bを開状態にし、真空チャンバー内の圧力を真空計35で測定しながら、0.05Torr程度になるまで真空排気を行った。赤外線ランプ32を付勢して基板温度を500℃にし、この温度で5分間にわたって真空下熱処理を行った。その後、一酸化炭素ガスボンベ37eと水素ガスボンベ38eとの元栓を開き、圧力調整器37c、38cにより約1気圧(絶対圧力)に調整し、そしてバルブ37a、38aを開き、ガス流量調節器37b、38bにより、一酸化炭素ガスと水素ガスとの混合ガス(容量比で、CO:H2=30:70)を約1000sccm程度に調整して、真空チャンバー21内に、被処理基板ホルダー24の下方から、ガス噴射ノズル手段を介して導入し、ガス置換を行った。この時、バルブ33a、33bを閉状態にし、真空ポンプ34を停止してバイパス配管28のバルブ39を開状態としておき、真空チャンバー21内がほぼ大気圧(760Torr)となるようにした。この場合、赤外線ランプ32を付勢して被処理基板23を500℃に加熱した状態で混合ガスを導入した。
【0032】
本実施例では、真空チャンバー21内の圧力が大気圧になった後、赤外線ランプ32を付勢して被処理基板23を500℃に加熱し、この温度で20分間にわたって、熱CVD法により該基板上でグラファイトナノファイバーの成長反応を行った。一酸化炭素ガスが被処理基板23上に達すると、一酸化炭素が解離し、被処理基板上に蒸着されたFe薄膜パターンの上にのみグラファイトナノファイバー薄膜が形成した。成長反応の終了した基板を真空チャンバー21から取り出して、Fe薄膜パターンの膜厚が10、20、50nmの3種類の場合に得られたグラファイトナノファイバー薄膜について、走査型電子顕微鏡(SEM、×40000)により成膜状態を観測したところ、膜厚10nmの場合はφ20〜50nm程度の細いグラファイトナノファイバーが成長し(図3)、膜厚20nmの場合はφ20〜50nm程度の細いグラファイトナノファイバーが成長し(図4)、また、膜厚50nmの場合はφ20〜50nm程度の細いグラファイトナノファイバーが成長しているが、φ100〜200nm程度の太いグラファイトナノファイバーもやや成長している(図5)ことが分かる。また、膜厚100nmの場合は、φ100nm程度の太いグラファイトナノファイバーを成長せしめることが可能であるが、このFe薄膜パターンは基板から剥がれてしまった。以上のことから、下地層の触媒金属薄膜パターンの膜厚を10〜50nmとすることにより、成膜されたグラファイトナノファイバーの径をφ50nm程度以下に制御することが可能であると共に、下地層の剥がれは生じなかった。
【0033】
また、上記下地層を有する被処理基板の代わりに、厚さ125μmのFe板を基板をそのまま用い、上記と同様に真空下熱処理した後、熱CVD法を行った。このFe板上に形成されたグラファイトナノファイバーについて、上記と同様にSEMにより観測したところ、φ100nm程度の太いものしか得られなかった(図6)。このFe基板の厚さを変えても同様な結果が得られた。
【0034】
このようにして得られたグラファイトナノファイバー薄膜からなる電子放出源の特性を測定した。その結果、印加電界が1V/μmに達したところで電子放出の開始が確認され、その後印加電界を大きくするに従って電子放出量が増加し、5V/μmで、約100mA/cm2に達した。
(実施例2)
実施例1のEB蒸着法をスパッタ法に変えて、下地層を形成し、実施例1と同様の手順に従ってグラファイトナノファイバー薄膜を形成した。成長反応の終了した基板について、得られたグラファイトナノファイバー薄膜を実施例1の場合と同様に観測したところ、同様の結果が得られた。
(実施例3)
実施例1で用いた基板の代わりに、ガラス基板上の所定の箇所のみにFeを10、20、50、100nmの4種類の厚さでパターン蒸着してなる1層の下地層を有する基板を用いて、実施例1と同様の手順に従ってグラファイトナノファイバー薄膜を形成した。成長反応の終了した基板について、得られたグラファイトナノファイバー薄膜を実施例1の場合と同様に観測したところ、同様の結果が得られた。
【0035】
上記実施例では、ガラス基板上に、Ni薄膜及び特定の膜厚を有するFe薄膜からなる2層構造の下地層パターン、又は、特定の膜厚を有するFe薄膜からなる1層構造の下地層パターンを形成し、該パターン部分のみにグラファイトナノファイバー薄膜を形成し、その径を検討した例について説明したが、Ni以外のCu等の非触媒金属の薄膜パターン、Fe以外の触媒金属の特定の膜厚を有する薄膜パターンの場合も、さらには、Si基板上に下地層の金属薄膜をパターン形成した場合も、同様の結果が得られた。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、10〜50nmの厚さの触媒金属薄膜パターンの1層構造からなる下地層を有するガラス基板若しくはSi基板、又は、非触媒金属薄膜パターンと10〜50nmの厚さの触媒金属薄膜パターンとの2層構造からなる下地層を有するガラス基板若しくはSi基板を用いて、これを真空下熱処理し、次いで、熱CVD法を行うことによって、作製されたグラファイトナノファイバーの径を適宜に制御することが可能である。その際、下地層と基板との間の密着性や、触媒金属と非触媒金属との界面での合金化による両者間の密着性も向上する。そのため、この方法を利用することにより、高電子放出密度、低電界電子放出性能の達成を可能にする炭素系電子放出源(冷陰極源)を作製し、提供することができ、さらに、この炭素系電子放出源を有する、発光体の所望部分の発光を可能とする表示素子を提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法を実施するための成膜装置の一例を示す概略構成図。
【図2】 本発明の方法を実施するための成膜装置の別の例を示す概略構成図。
【図3】 本発明の方法で得られたグラファイトナノファイバーに(Fe薄膜の厚さ:10nm)対するSEMによる顕微鏡写真(×40000)。
【図4】 本発明の方法で得られたグラファイトナノファイバー(Fe薄膜の厚さ:20nm)に対するSEMによる顕微鏡写真(×40000)。
【図5】 本発明の方法で得られたグラファイトナノファイバー(Fe薄膜の厚さ:50nm)に対するSEMによる顕微鏡写真(×40000)。
【図6】 Fe板(厚さ:125μm)を基板として用いて成膜したグラファイトナノファイバーに対するSEMによる顕微鏡写真(×40000)。
【符号の説明】
1 真空チャンバー 2 基板ホルダー
3 被処理基板 4 赤外線透過窓
5 赤外線ヒーター 6 バルブ
7 真空ポンプ 8 真空計
9 ガス供給系 10a、11a バルブ
10b、11b ガス流量調節器 10c、11c 圧力調整器
10d、11d ガスボンベ 12 冷却手段
13 絶縁体 14 抵抗加熱式ヒーター
21 真空チャンバー 22 ロードロック室
23 被処理基板 24 基板ホルダー
25 支柱 26 搬送ロボット
27 真空ポンプ 29 真空計
30 ゲートバルブ 31 赤外線透過窓
32 赤外線ランプ 33a、33b バルブ
34 真空ポンプ 35 バルブ
36 ガス供給系 37a、38a バルブ
37b、38b ガス流量調節器 37c、38c 圧力調整器
37d、38d バルブ 37e、38e ガスボンベ
39 バルブ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for controlling the diameter of graphite nanofibers, and in particular, when a graphite nanofiber thin film is formed by a thermal CVD method, a graphite nanofiber is used by using a substrate having a metal thin film having a specific thickness as an underlayer. The present invention relates to a method for controlling the diameter. This method can be used to fabricate an electroluminescent device used in place of a flat display (field emission display) or a CRT electron tube.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a cold cathode source, which is an electron emission source that emits electrons without heating, has been proposed in which a conical cathode tip (a tip made of W, Mo, Si, etc.) is formed on an electrode substrate. Yes. In the case of this cathode chip, for example, an emitter manufactured using a Mo chip and used for a display can only be driven by an electric field of 100 V / μm at present.
[0003]
As described above, Si, Mo, and the like have been studied as cathode materials, but in recent years, the use of carbon nanotubes as cathode materials has been studied. The carbon nanotube is a graphite fiber having a multi-structured structure in which the inside of a spiral structure having a carbon 6-membered ring as a main structure has a hollow cylindrical shape and the cylinders are arranged in an extremely fine concentric shape. The performance of the carbon nanotube is superior to other metal materials in performance such as electron emission characteristics, heat resistance, and chemical stability. Carbon nanotubes are usually produced by an arc discharge method, a laser evaporation method, a plasma CVD method, or the like.
[0004]
The inventors of the present invention have made extensive research and development on cathode materials having high electron emission density and low field electron emission performance. The process of forming a film by a thermal CVD method using a carbon-containing gas and hydrogen gas. Thus, a graphite nanofiber having a structure that has not been reported so far has been found, and since this graphite nanofiber has excellent electron emission characteristics, on February 4, 2000 and March 28, 2000, respectively, Patent applications were filed as Application Nos. 2000-28001 and 2000-89468. Unlike the carbon nanotube, the graphite nanofiber is a solid in which graphene sheets are cut into small pieces and laminated, for example, has a cylindrical structure in which crystals having a frustoconical shape are laminated, There is a through gap in the center, which is hollow or filled with amorphous carbon. The obtained graphite nanofiber has a diameter of 10 nm to 600 nm. Those having a diameter of less than 10 nm have not been synthesized so far, and those having a diameter of more than 600 nm have poor electron emission performance. Such graphite nanofibers are useful as cathode materials having excellent electron emission characteristics such as high electron emission characteristics and low field electron emission performance.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, when the conventional carbon nanotubes as described above are to be used as a cold cathode source (electron emission source), the electron emission from the carbon nanotubes occurs from the tip or the defect portion, so that it is like a CRT electron source. As an electron emission source that requires a high current density, there is a problem that it cannot be applied so far.
[0006]
The inventors of the present invention have a technique related to the formation of a graphite nanofiber thin film by a thermal CVD method as described above, because it is difficult to efficiently form a graphite nanofiber thin film at a predetermined location on a substrate to be processed. Although a method for selectively forming a graphite nanofiber thin film at a predetermined position has been found, there is a problem that it is difficult to control the diameter of the formed graphite nanofiber when this forming method is performed. .
[0007]
The present invention solves the above-mentioned problems, and as a cathode material capable of achieving high electron emission density and low field electron emission performance, when a graphite nanofiber thin film that can be a carbon-based electron emission source is neglected. Another object of the present invention is to provide a method for controlling the diameter of the obtained graphite nanofiber.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The method for controlling the diameter of the graphite nanofiber according to the present invention is a method in which a catalytic metal thin film of Fe, Co or an alloy containing at least one of these metals is formed on a glass substrate or Si substrate as an underlayer to a thickness of 10 to 50 nm. The substrate formed into a predetermined pattern in
[0009]
Moreover, the method for controlling the diameter of the graphite nanofiber according to the present invention comprises forming a catalytic metal thin film of Fe, Co or an alloy containing at least one of these metals as a base layer on a glass substrate or Si substrate to a thickness of 10 to 50 nm. A substrate formed in a predetermined pattern with a thickness is used as a substrate to be processed, and the substrate to be processed placed in a vacuum chamber evacuated is heated with an infrared lamp to heat-treat the substrate to be processed under vacuum. Next, a carbon-containing gas and a hydrogen gas are introduced into the vacuum chamber, and the pressure in the vacuum chamber is maintained at approximately 1 atm, and graphite nanofibers are uniformly applied only to the pattern portion on the substrate to be processed by the thermal CVD method. It consists of growing and controlling the diameter of the grown graphite nanofibers.
[0010]
A non-catalytic metal thin film was formed in a predetermined pattern on a glass substrate or Si substrate as the substrate to be processed, and then Fe, Co, or at least one of these metals was included on the non-catalytic metal pattern. A substrate having a base layer of a two-layer structure in which a catalytic metal thin film of an alloy is formed in a predetermined pattern with a thickness of 10 to 50 nm may be used. A non-catalytic metal means a metal that cannot form a graphite nanofiber thin film on the metal.
[0011]
The temperature at which the heat treatment is performed is preferably 400 ° C. or higher and lower than the heat resistant temperature of the substrate. If the heat treatment temperature is less than 400 ° C., the diameter of the graphite nanofibers can be controlled, but the adhesion of the underlayer to the substrate is poor, so it is not practical. Since no alloying occurs at the interface between the catalyst and the non-catalytic metal, the adhesion between the two layers is poor and impractical. Further, there is a problem that the substrate is deformed when the heat resistance temperature of the substrate is exceeded.
[0012]
The mixing ratio of the carbon-containing gas and the hydrogen gas is preferably carbon-containing gas / hydrogen gas = 0.1 to 10 on a volume basis. When the mixing ratio is less than 0.1, it is difficult to efficiently grow graphite nanofibers. When the mixing ratio exceeds 10, the concentration of carbon-containing gas is too high to control the formation process of the graphite nanofiber thin film. There is a problem that it is practically difficult. Hydrogen gas is used for dilution and catalysis in a gas phase reaction.
[0013]
The temperature at which the thermal CVD method is performed is preferably 450 to 650 ° C. If it is lower than 450 ° C., the carbon-containing gas as the raw material gas is hardly decomposed, so that there is a problem that the growth rate of the graphite nanofiber becomes extremely slow and is not economical. Also, the higher the temperature, the faster the growth rate. However, when the temperature exceeds 650 ° C., there is a problem that it is substantially difficult to control the formation process of the graphite nanofiber thin film.
[0014]
As the carbon-containing gas, for example, a carbon-containing gas such as carbon monoxide, carbon dioxide, or a lower hydrocarbon such as methane can be used, and carbon monoxide or carbon dioxide is preferable.
[0015]
Further, after forming the underlayer metal thin film in a predetermined pattern and performing heat treatment under vacuum, the surface of the catalyst metal thin film of the underlayer is etched by a wet etching method or the like to roughen the surface state, Preferably, a thermal CVD method is performed, which makes the growth of graphite nanofibers extremely good.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
According to the control method of the present invention, as described above, a catalytic metal thin film of Fe, Co, or an alloy containing at least one of these metals is formed into a predetermined pattern with a thickness of 10 to 50 nm as the underlayer. A formed glass substrate or Si substrate is used, or a non-catalytic metal thin film such as Ni, Cu or the like is preferably formed as a base layer in a predetermined pattern, and then Fe film is formed on the non-catalytic metal pattern. A glass substrate or Si substrate on which a catalytic metal thin film of an alloy containing at least one of these metals, Co, or an alloy containing these metals is formed in a predetermined pattern with a thickness of 10 to 50 nm is used under vacuum at a predetermined temperature. Heat treatment is then performed on the catalytic metal thin film pattern of the underlayer using, for example, a carbon-containing gas such as carbon monoxide or carbon dioxide and hydrogen gas by a thermal CVD method. By allowed to grow only graphite nanofibers, it is possible to produce a controlled graphite nanofiber diameter. By setting the catalyst metal thin film of the underlayer to a specific thickness, the diameter of the graphite nanofiber can be controlled, and adhesion between the underlayer and the substrate, or between the catalytic metal thin film and the non-catalytic metal thin film Also improves.
[0017]
When the method of the present invention is carried out using a substrate made of a catalytic metal such as Fe without providing a base layer instead of the glass substrate or Si substrate having the base layer, the diameter of the obtained graphite nanofiber is about 100 nm. Even if the thickness of the substrate is changed, only a substrate having the same diameter can be obtained.
[0018]
The method for forming the metal thin film pattern underlayer on the substrate to be processed is not particularly limited. For example, the sputtering method, the CVD method, the vapor deposition method (for example, the EB vapor deposition method) or the like is used. This can be done by forming and adhering a pattern to a predetermined location. Alternatively, a substrate in which the metal thin film pattern is applied to a predetermined portion of the substrate surface by a photolithography process performed by applying a known photosensitive resin liquid on the substrate surface, by a printing process, or by a plating process or the like. As a result, graphite nanofibers may be uniformly grown by thermal CVD as described above at locations where this metal thin film has been applied. The shape of the pattern is not particularly limited, and may be a straight line, a curve, a dotted line, or any other arbitrary shape.
[0019]
In the method for controlling the diameter of graphite nanofibers according to the present invention, first, a substrate holder equipped with a substrate to be processed having an underlayer pattern as described above is disposed in a vacuum chamber of a thermal CVD apparatus equipped with an infrared lamp. The vacuum chamber is evacuated until it reaches 0.1 to 0.01 Torr. In this state, an infrared lamp provided opposite to the substrate to be processed is energized in the upper part of the vacuum chamber, and heat treatment is performed at a temperature of 400 ° C. or higher and lower than the heat resistant temperature of the substrate for 1 to 30 minutes. Thereafter, a mixed gas of carbon-containing gas and hydrogen gas is introduced into the chamber at a predetermined volume ratio, preferably carbon-containing gas / hydrogen gas = 0.1 to 10, and gas replacement is performed. In this case, the substrate is heated using the infrared lamp, and a graphite nanofiber thin film is formed by uniformly growing graphite nanofibers only on the catalytic metal pattern on the substrate, preferably at a temperature of 450 ° C. to 650 ° C. Form. In this way, the diameter of the graphite nanofiber can be controlled to, for example, about 25 nm or less according to the thickness of the catalyst metal thin film of the underlayer. If the mixed gas is preheated before being introduced into the vacuum chamber, the temperature can be raised to the film forming temperature in a short time, and the film forming speed is adjusted by providing such a heating means. You can also.
[0020]
In the case of the graphite nanofibers with controlled diameters obtained as described above, it is possible to improve the field electron emission characteristics from the carbon-based electron emission source. In other words, it is possible to emit electrons with a sufficiently high current density to the extent that it can be used for a CRT electron source with a low applied voltage similar to that of conventional carbon nanotubes.
[0021]
The thermal CVD apparatus for carrying out the method for controlling the diameter of the graphite nanofiber of the present invention is not particularly limited, but for example, an apparatus having a configuration as shown in FIGS. 1 and 2 of the attached drawings is used. can do.
[0022]
One example of a thermal CVD apparatus used for carrying out the method of the present invention is an apparatus described in Japanese Patent Application No. 2000-89468. As shown in FIG. 1, this apparatus introduces a raw material gas together with hydrogen gas into a stainless
[0023]
The
[0024]
A gas supply system 9 is also connected to the
[0025]
Cooling means 12 for cooling the vacuum chamber is provided outside the
[0026]
Further, another thermal CVD apparatus used for carrying out the method of the present invention includes a
[0027]
On the upper wall surface of the
[0028]
A
[0029]
A
[0030]
Further, the inner wall of the
[0031]
【Example】
A method for controlling the diameter of graphite nanofibers performed using the apparatus shown in FIG. 2 among the thermal CVD apparatuses having the above-described configuration will be described below with reference to examples.
Example 1
By EB vapor deposition, Ni is vapor-deposited at a thickness of 100 nm only on a predetermined portion (pattern portion of a predetermined shape) on a glass substrate, and Fe is deposited on this Ni thin film pattern in four types of 10, 20, 50, and 100 nm. Vapor deposited with thickness. Next, the
[0032]
In this embodiment, after the pressure in the
[0033]
Further, instead of the substrate to be processed having the base layer, an Fe plate having a thickness of 125 μm was used as it was, and after heat treatment under vacuum in the same manner as described above, a thermal CVD method was performed. When the graphite nanofibers formed on this Fe plate were observed by SEM in the same manner as described above, only thick ones with a diameter of about 100 nm were obtained (FIG. 6). Similar results were obtained even when the thickness of the Fe substrate was changed.
[0034]
The characteristics of the electron emission source comprising the graphite nanofiber thin film thus obtained were measured. As a result, the start of electron emission was confirmed when the applied electric field reached 1 V / μm, and the amount of electron emission increased as the applied electric field was increased thereafter, reaching about 100 mA / cm 2 at 5 V / μm.
(Example 2)
The underlayer was formed by changing the EB vapor deposition method of Example 1 to the sputtering method, and a graphite nanofiber thin film was formed according to the same procedure as in Example 1. When the obtained graphite nanofiber thin film was observed in the same manner as in Example 1 for the substrate on which the growth reaction had been completed, the same result was obtained.
(Example 3)
Instead of the substrate used in Example 1, a substrate having a single underlayer formed by pattern-depositing Fe in four types of thicknesses of 10, 20, 50, and 100 nm only at predetermined positions on a glass substrate. A graphite nanofiber thin film was formed using the same procedure as in Example 1. When the obtained graphite nanofiber thin film was observed in the same manner as in Example 1 for the substrate on which the growth reaction had been completed, the same result was obtained.
[0035]
In the above embodiment, an underlayer pattern having a two-layer structure made of an Ni thin film and an Fe thin film having a specific thickness on a glass substrate, or an underlayer pattern having a single layer structure made of an Fe thin film having a specific thickness. In this example, a graphite nanofiber thin film was formed only on the pattern portion, and the diameter was examined. A thin film pattern of a non-catalytic metal such as Cu other than Ni, a specific film of a catalytic metal other than Fe Similar results were obtained in the case of a thin film pattern having a thickness and also in the case of forming a metal thin film as a base layer on a Si substrate.
[0036]
【The invention's effect】
According to the present invention, a glass substrate or Si substrate having a base layer composed of a single layer structure of a catalytic metal thin film pattern having a thickness of 10 to 50 nm, or a non-catalytic metal thin film pattern and a catalytic metal having a thickness of 10 to 50 nm. Using a glass substrate or Si substrate having an underlayer composed of a two-layer structure with a thin film pattern, this is heat-treated under vacuum, and then the thermal CVD method is performed to appropriately adjust the diameter of the produced graphite nanofibers. It is possible to control. In that case, the adhesiveness between a base layer and a board | substrate and the adhesiveness between both by alloying in the interface of a catalyst metal and a non-catalyst metal also improve. Therefore, by utilizing this method, a carbon-based electron emission source (cold cathode source) that can achieve high electron emission density and low field electron emission performance can be produced and provided. It is also possible to provide a display element that has a system electron emission source and enables light emission of a desired portion of a light emitter.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram showing an example of a film forming apparatus for carrying out a method of the present invention.
FIG. 2 is a schematic configuration diagram showing another example of a film forming apparatus for carrying out the method of the present invention.
FIG. 3 is an SEM micrograph (× 40000) of graphite nanofibers obtained by the method of the present invention (Fe thin film thickness: 10 nm).
FIG. 4 is a SEM micrograph (× 40000) of graphite nanofibers (Fe thin film thickness: 20 nm) obtained by the method of the present invention.
FIG. 5 is a SEM micrograph (× 40000) of graphite nanofibers (Fe thin film thickness: 50 nm) obtained by the method of the present invention.
FIG. 6 is an SEM micrograph (× 40000) of graphite nanofibers formed using an Fe plate (thickness: 125 μm) as a substrate.
[Explanation of symbols]
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