JP4706390B2 - Roller clutch - Google Patents
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Description
本発明は、例えば、釣具用のリールや、プリンタ、複写機等の事務機に組み込んで使用されるローラクラッチの改良に関する。 The present invention relates to an improvement in a roller clutch that is used by being incorporated in, for example, a reel for fishing gear, a business machine such as a printer or a copying machine.
例えば、特許文献1〜2に記載されている様に、釣具用のリールにローラクラッチを組み込む事が従来から行なわれている。即ち、ローラクラッチを、端部に釣り糸を巻き取る為のハンドルを固定したハンドル軸と、リールのカバーの一部との間に設け、所定方向の回転のみを許容する構造が、従来から知られ、実施されている。具体的には、釣り糸を巻き取るべくハンドルを回転させた時に、ローラクラッチを空転(オーバラン)させて、釣り糸の巻取りを可能とする。これに対して、魚の引き等により釣り糸が繰り出される傾向となった時に、上記ローラクラッチをロックさせ、釣り糸が繰り出されるのを防止する。
For example, as described in
又、例えば特許文献3に記載されている様に、プリンタにローラクラッチ等の一方向クラッチを組み込む構造も従来から知られている。この特許文献3に記載されている構造の場合、トナーを紙に定着させる為のローラに上記一方向クラッチを組み込んで、このローラに回転力が伝達されにくい状態となっても、このローラを駆動して排紙可能としている。この様なプリンタ等の事務機や、上述の様な釣具用のリールに組み込んで使用されるローラクラッチの基本的構造に就いて、図5により説明する。 Further, as described in Patent Document 3, for example, a structure in which a one-way clutch such as a roller clutch is incorporated in a printer is also known. In the case of the structure described in Patent Document 3, the above-described one-way clutch is incorporated in a roller for fixing toner to paper, and this roller is driven even when the rotational force is hardly transmitted to this roller. The paper can be discharged. And office machines such as such printers, concerning the basic structure of the roller clutches used incorporated into a reel for such as the aforementioned fishing tackle, will be described with reference to FIG.
ローラクラッチ1は、特許請求の範囲に記載した内輪相当部材に相当する内輪2と、同じく外輪相当部材に相当する外輪3と、複数本のローラ4と、保持器5と、複数のばね6、6とから成る。このうちの内輪2及び外輪3は、それぞれ軸受鋼やSCM415の如き浸炭鋼の硬質金属製の板材により全体を円筒状に形成している。そして、例えば、上記内輪2はリールのハンドル軸の外周面に、上記外輪3はこのリールのカバーの一部内周面に、それぞれ嵌合固定される。又、上記内輪2の外周面のうち、少なくとも上記各ローラ4と当接する軸方向中間部を、円筒面7としている。これと共に、上記外輪3の内周面をカム面8としている。即ち、この外輪3の内周面に、それぞれがランプ部と呼ばれる複数の凹部9を、円周方向に関し等間隔に形成して、この外輪3の内周面を上記カム面8としている。
The roller clutch 1 includes an
そして、このカム面8と上記円筒面7との間の円筒状空間に、上記保持器5と、上記複数個ずつのローラ4及びばね6、6とを設けている。このうちの保持器5は、合成樹脂(例えば、ポリアミド46等の合成樹脂にガラス繊維を20%程度混入したもの)により籠型円筒状に一体形成したもので、それぞれが円環状である1対のリム部10と、これら両リム部10の内側面同士を連結する柱部11、11とを備える。この様な保持器5は、上記両リム部10の外周面に形成した各係合凸部12を上記カム面8を構成する上記各凹部9に係合させる事により、上記外輪3に対する回転を不能としている。
In the cylindrical space between the cam surface 8 and the cylindrical surface 7, the cage 5 and the plurality of rollers 4 and springs 6 and 6 are provided. Of these, the cage 5 is formed integrally with a bowl-shaped cylindrical shape using a synthetic resin (for example, a synthetic resin such as polyamide 46 mixed with about 20% glass fiber), and each pair is an annular shape. Rim
一方、上記保持器5と上記各ローラ4との間には、これら各ローラ4を上記各凹部9の浅い側に向け、円周方向に関して同方向(図5の左方向)に押圧する為の、上記各ばね6、6を設けている。これら各ばね6、6は、SUS304等のステンレス鋼製の板材(弾性金属板)に折り曲げ加工を施す事等により形成している。そして、この様な各ばね6、6を、上記保持器5の各柱部11、11にそれぞれ係止した状態で、これら各ばね6、6を構成する押圧片13を、それぞれ上記各ローラ4の転動面に弾性的に当接させる。これにより、上記各ローラ4を、前記円筒面7とカム面8との間の円筒状空間の径方向に関する幅の狭い部分に向け、円周方向に関して同方向に弾性的に押圧自在となる。この結果、次述する様に、運転時に、上記ローラクラッチ1のロック状態とオーバラン状態との切り換えを行なえる。
On the other hand, between the cage 5 and the rollers 4, the rollers 4 are directed toward the shallow side of the
上述の様に構成するローラクラッチ1の作用は、次の通りである。先ず、前記外輪3に対して前記内輪2が、上記各ばね6、6による上記各ローラ4の押圧方向と同方向に回転する場合には、上記円筒面7及びカム面8から上記各ローラ4に、上記押圧方向と同方向の力が作用する。この結果、上記各ローラ4が上記円筒状空間の径方向に関する幅の狭い部分に向け変位し、当該部分にくさび状に食い込む。この結果、上記外輪3と上記内輪2との間でロック状態となり、この内輪2がこの外輪3に対して回転不能となる。
The operation of the roller clutch 1 configured as described above is as follows. First, when the
これに対し、上記外輪3に対して上記内輪2が上記押圧方向と反対方向に回転する場合には、上記円筒面7から上記各ローラ4に、上記押圧方向と反対方向の力が作用する。この結果、上記各ローラ4が上記円筒状空間の径方向に関する幅の広い部分に向け変位する傾向となる。又、この際に上記各ローラ4は、上記各ばね6、6を構成する押圧片13を撓ませる。そして、上述の様に幅の広い部分に向け変位した各ローラ4は、当該部分で転動並びに若干の変位自在となる。この結果、上記外輪3と上記内輪2との間でオーバラン状態となり、この内輪2がこの外輪3に対して回転可能となる。
On the other hand, when the
前記ローラクラッチ1の保持器5は、前述した様に、上記外輪3に対する回転を不能(凹部9と係合凸部12との係合部に存在する隙間により、若干の相対回転は可能)としているのに対して、上記内輪2に対する回転は可能としている。この為に、上記保持器5の内周面とこの内輪2の円筒面7との間には隙間を設けている。又、上記ローラクラッチ1を、例えば釣具用のリールに組み込む場合、一般的には、図6に示す様に、内輪2をリールのハンドル軸14に外嵌する。但し、これら内輪2とハンドル軸14との嵌合部にがたつき(隙間)が存在する場合には、次の様な理由により、ローラクラッチ1がオーバラン状態からロック状態に移行する際にタイムラグが生じる可能性がある。
As described above, the cage 5 of the roller clutch 1 cannot be rotated with respect to the outer ring 3 (some relative rotation is possible due to a gap existing in the engaging portion between the
即ち、オーバラン時には、前記各ローラ4が前記各凹部9の奥部に入り込み、これら各ローラ4の内接円の直径が大きくなる。従って、上記内輪2とハンドル軸14との嵌合部にがたつきが存在すると、オーバラン時に、この内輪2がこのハンドル軸14に対して径方向に移動可能となる。一方、上記外輪3は、リールを構成するカバーの一部内周面に内嵌固定され、上記ハンドル軸14は、このカバーの内周面に対して同心に配置される。この為、上記外輪3とこのハンドル軸14とは同心に配置され、この外輪3に支持される上記保持器5とこのハンドル軸14とは、ほぼ同心となる。従って、上記内輪2とハンドル軸14との嵌合部にがたつきが存在する場合には、オーバラン時にこの内輪2が、上記ハンドル軸14及び保持器5に対して径方向に移動可能となる。
That is, at the time of overrun, each roller 4 enters the inner part of each
上記ローラクラッチ1が、オーバラン状態からロック状態に移行する際には、前述した様に、各ローラ4が、上記外輪3の内周面と内輪2の外周面との間に存在する円筒状空間の径方向に関する幅の狭い部分に向け変位する。そして、当該部分にくさび状に食い込む事により、上記外輪3と上記内輪2とがロック状態(相対回転不能)となる。ロック状態となる為には、上記円筒状空間の円周方向複数個所に存在する各ローラ4総てが、この円筒状空間の径方向の幅が狭い部分にくさび状に食い込む必要がある。そして、この為には、上記各ローラ4の内接円の中心軸と上記内輪2の中心軸とが一致している必要がある。前述した様に、内輪2は、ハンドル軸14とのがたつきにより、オーバラン時に、このハンドル軸14及び上記保持器5に対して径方向に移動可能となる。この為、オーバラン状態で、上記内輪2に径方向の振れが生じる。この結果、オーバラン時に、上記保持器5に保持される上記各ローラ4の内接円の中心軸と上記内輪2の中心軸とは一致しにくくなる。オーバラン状態からロック状態への移行は、上記各ローラ4の内接円の中心軸と上記内輪2の中心軸とが一致してから行なわれる為、これら中心軸同士のずれが大きいと、これら中心軸同士を一致させるまでの時間分、上記オーバラン状態からロック状態への移行にかかる時間が長くなる(タイムラグが生じる)。
When the roller clutch 1 shifts from the overrun state to the locked state, the cylindrical space in which each roller 4 exists between the inner peripheral surface of the outer ring 3 and the outer peripheral surface of the
上述の様に、オーバラン状態からロック状態に移行するまでにタイムラグが生じると、例えば、ローラクラッチ1を釣具用のリールに組み込んだ場合に、このリールを操作する者に違和感を与える為、好ましくない。この様な問題を解消する為に、上記各ローラ4を保持する保持器5の内周面と上記内輪2の外周面を構成する円筒面7との隙間を小さくする事が考えられる。即ち、この保持器5の内径を小さくして、この保持器5の内周面と上記円筒面7とを全周に亙って近接させる。そして、上記内輪2の、オーバラン状態での径方向に移動可能な距離(径方向の遊び)を、この内輪2とハンドル軸14との嵌合部の最大隙間、言い換えれば、このハンドル軸14に対してこの内輪2のみを組み合わせた場合の、この内輪2がこのハンドル軸14に対して径方向に移動可能である距離よりも小さくする。この様に構成すれば、これら内輪2とハンドル軸14とのがたつきに拘らず、オーバラン時にこの内輪2の径方向の振れを抑えて、上記保持器5に保持される各ローラ4の内接円の中心軸とこの内輪2の中心軸とのずれを小さくできる。この結果、上記タイムラグを小さくできる。
As described above, if there is a time lag before shifting from the overrun state to the locked state, for example, when the roller clutch 1 is incorporated in a reel for fishing gear, it may be uncomfortable for a person operating this reel. . In order to solve such a problem, it is conceivable to reduce the gap between the inner peripheral surface of the cage 5 that holds the rollers 4 and the cylindrical surface 7 that constitutes the outer peripheral surface of the
しかし、この様に、保持器5の内周面と円筒面7とを全周に亙って近接させた場合、これら各面同士の間に潤滑油が行き渡りにくくなる。この為、内輪2が上記保持器5に対して相対回転する場合の摩擦トルクが増大する可能性がある。この結果、上記内輪2がオーバラン時に上記保持器5及び前記外輪3に対して相対回転する際の、オーバラントルクが増大する事となり、好ましくない。
However, when the inner peripheral surface of the cage 5 and the cylindrical surface 7 are brought close to each other over the entire periphery in this way, the lubricating oil is difficult to spread between these surfaces. For this reason, there is a possibility that the friction torque when the
一方、ローラクラッチ1がオーバラン状態となる場合に、保持器5は、各ローラ4と各柱部11、11との間に存在するばね6、6の弾性力により、所定方向に回転する傾向となる。即ち、オーバラン状態に移行する際には、上記各ローラ4がローラクラッチ1の円筒状空間の径方向の幅が広い部分(図示の例では右方)に向け移動する。そして、この移動により上記各ばね6、6が撓み、これら各ばね6、6の弾性復元力に基づき上記各柱部11、11に上記各ローラ4の移動方向と同方向の力が作用する。この結果、上記保持器5がこれら各ローラ4の移動方向と同方向に回転する傾向となる。但し、この保持器5の両リム部10の外周面に形成した各係合凸部12と外輪3の内周面に形成した各凹部9との係合により、上記保持器5が上記外輪3に対して、これら各係合凸部12と各凹部9との円周方向の隙間以上相対回転する事はない。
On the other hand, when the roller clutch 1 is in an overrun state, the cage 5 tends to rotate in a predetermined direction due to the elastic force of the springs 6 and 6 existing between the rollers 4 and the
上述の様に、オーバラン時に、保持器5が外輪3に対して回転する傾向となるが、この保持器5の外周面とこの外輪3の内周面との間の隙間が大きいと、オーバラン状態からロック状態となる際の各ローラ4の追従性が悪くなったり、更にはロック不能となる可能性がある。即ち、図7に示す様に、上記保持器5の外周面(係合凸部12の外周面を含む)と上記外輪3の内周面との隙間が大きいと、ローラクラッチ1がオーバラン状態となった場合に、係合凸部12の回転方向(図示の例では右方)先端部が、外輪3の内周面で凹部9から外れた部分に食い込む可能性がある。
As described above, the cage 5 tends to rotate with respect to the outer ring 3 during overrun. However, if the clearance between the outer circumferential surface of the cage 5 and the inner circumferential surface of the outer ring 3 is large, the overrun state will occur. Therefore, there is a possibility that the followability of each roller 4 at the time of the locked state becomes worse, and further, it becomes impossible to lock. That is, as shown in FIG. 7 , if the clearance between the outer peripheral surface of the retainer 5 (including the outer peripheral surface of the engaging projection 12) and the inner peripheral surface of the outer ring 3 is large, the roller clutch 1 is in an overrun state. In this case, the leading end of the engaging
この様に、係合凸部12の一部が外輪3の内周面で凹部9から外れた部分に食い込んだ場合には、ロック状態となるべく各ローラ4が円筒状空間の径方向の幅が狭い部分(図示の例では左方)に向け移動する際に、上記保持器5の移動が遅れたり、上記各ローラ4が当該部分に食い込む以前に、この保持器5を構成する柱部11の側面と当接する可能性がある。前者の場合、上記各ローラ4が当該部分に食い込むまでに遅れ(タイムラグ)が生じる。更に、後者の場合には、上記各ローラ4がこの保持器5の柱部11と当接して上記円筒状空間の径方向の幅が狭い部分に食い込む事ができず、ロック不能となる可能性もある。尚、上記タイムラグ或はロック不能を防止すべく、単に円周方向に隣り合う柱部11、11同士の間隔を広げた場合には、ローラクラッチ1に組み込めるローラ4の数が減り、このローラクラッチ1の負荷容量が低下する事となる為、好ましくない。
As described above, when a part of the engaging
本発明のローラクラッチは、上述の様な事情に鑑み、オーバラン状態からロック状態に移行する際のタイムラグを小さくできる、或はロック不能となる事を防止できる構造を実現すべく発明したものである。 The roller clutch of the present invention has been invented to realize a structure capable of reducing the time lag when shifting from the overrun state to the locked state, or preventing the lock from becoming impossible. .
本発明のローラクラッチは、前述の図5に示した従来構造と同様に、外輪相当部材と、内輪相当部材と、カム面と、円筒面と、複数本のローラと、保持器と、複数のばねとを備える。
このうちの内輪相当部材は、上記外輪相当部材の内側に、この外輪相当部材と同心に配置されている。
又、上記カム面は、円周方向に亙る凹凸であり、上記外輪相当部材の内周面と内輪相当部材の外周面とのうちの一方の周面に形成されている。
又、上記円筒面は、上記外輪相当部材の内周面と内輪相当部材の外周面とのうちの他方の周面に形成されている。
又、上記各ローラは、上記カム面と円筒面との間の円筒状空間内に設けられている。
又、上記保持器は、略円筒状に形成されており、上記カム面を形成した部材に対する相対回転を阻止された状態で上記円筒状空間内に配置され、上記各ローラを転動並びに円周方向に関する若干の変位自在に保持するものである。
又、上記各ばねは、それぞれが上記保持器と上記各ローラとの間に設けられ、これら各ローラを上記円筒状空間の径方向の幅が狭い部分に向け、円周方向に関して同方向に押圧するものである。
As in the conventional structure shown in FIG. 5 , the roller clutch of the present invention includes an outer ring equivalent member, an inner ring equivalent member, a cam surface, a cylindrical surface, a plurality of rollers, a cage, and a plurality of rollers. And a spring.
Of these, the inner ring equivalent member is disposed inside the outer ring equivalent member and concentrically with the outer ring equivalent member.
The cam surface is uneven in the circumferential direction, and is formed on one peripheral surface of the inner peripheral surface of the outer ring equivalent member and the outer peripheral surface of the inner ring equivalent member.
The cylindrical surface is formed on the other peripheral surface of the inner peripheral surface of the outer ring equivalent member and the outer peripheral surface of the inner ring equivalent member.
Each of the rollers is provided in a cylindrical space between the cam surface and the cylindrical surface.
The cage is formed in a substantially cylindrical shape, and is disposed in the cylindrical space in a state in which relative rotation with respect to the member forming the cam surface is prevented, and the rollers are rolled and circumferentially arranged. It is held so as to be slightly displaceable with respect to the direction.
Each of the springs is provided between the retainer and the rollers, and presses the rollers in the same direction with respect to the circumferential direction toward the narrow radial portion of the cylindrical space. To do.
特に、本発明のローラクラッチに於いては、上記保持器の内外両周面のうち、上記円筒面と対向する周面の円周方向複数個所に、この円筒面に向けて突出する凸部を形成している。そして、この円筒面を形成した部材の、オーバラン状態での径方向に移動可能な距離を、この円筒面を形成した部材とこの部材と嵌合する他の部材との嵌合部に存在し、これら両部材の径方向相対変位に結び付く隙間よりも小さくしている。 In particular, in the roller clutch of the present invention, convex portions projecting toward the cylindrical surface are provided at a plurality of locations in the circumferential direction of the circumferential surface opposite to the cylindrical surface, of the inner and outer circumferential surfaces of the cage. Forming. And the distance that can be moved in the radial direction of the member that formed this cylindrical surface is present in the fitting portion between the member that formed this cylindrical surface and the other member that fits this member, The gap between the two members is smaller than the gap associated with the radial relative displacement.
上述の様に構成する本発明のローラクラッチは、円筒面を形成した部材とこの部材と嵌合する部材との嵌合部のがたつきに拘らず、オーバラン時に、この円筒面を形成した部材の径方向の振れを抑えて、保持器に保持される各ローラの内接円或は外接円の中心軸とこの円筒面を形成した部材の中心軸とのずれを小さくできる。この結果、オーバラン状態からロック状態となる際のタイムラグを小さくできる。又、上記中心軸同士のずれを小さくする為に、上記保持器の周面に凸部を形成している為、この保持器の周面と上記円筒面との間に潤滑油を行き渡らせ易く、オーバラントルクの増大を抑えられる。 The roller clutch of the present invention configured as described above is a member that forms this cylindrical surface during overrun regardless of the backlash of the fitting portion between the member that forms the cylindrical surface and the member that fits this member. Thus, the deviation between the center axis of the inscribed circle or the circumscribed circle of each roller held by the cage and the center axis of the member forming the cylindrical surface can be reduced. As a result, the time lag when the overrun state changes to the locked state can be reduced. In addition, since a convex portion is formed on the peripheral surface of the cage in order to reduce the deviation between the central axes, it is easy to distribute the lubricating oil between the peripheral surface of the cage and the cylindrical surface. The increase in overrun torque can be suppressed.
本発明のローラクラッチを実施する為に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、各凸部の表面にそれぞれ油溝を形成する。この油溝としては、例えば、ローレット状の溝やディンプル等が採用可能である。更には、オーバラン方向に合わせて所定方向に傾斜した溝としても良い。
この様に構成すれば、各凸部と円筒面との間に潤滑油を取り込み易くでき、オーバラントルクの増大をより抑えられる。
或いは、請求項3に記載した発明の様に、上記油溝を構成する各溝を、内輪のオーバラン方向に向かう程径方向内方に向かう方向に傾斜させる事もできる。
この様に構成すれば、オーバラン時に、上記内輪の円筒面と上記油溝を構成する各溝とを滑らかに接触させる事ができ、これら各溝を損傷しにくくできる。
In order to implement the roller clutch of the present invention, preferably, an oil groove is formed on the surface of each convex portion as in the invention described in
If comprised in this way, it will become easy to take in lubricating oil between each convex part and a cylindrical surface, and the increase in overrun torque can be suppressed more.
Alternatively, as in the invention described in claim 3, each of the grooves constituting the oil groove can be inclined in the radially inward direction toward the overrun direction of the inner ring.
If configured in this manner, the cylindrical surface of the inner ring and each groove constituting the oil groove can be brought into smooth contact during overrun, and these grooves can be hardly damaged.
図1〜3は、請求項1〜2に対応する、本発明の実施例1を示している。尚、本実施例の特徴は、オーバラントルクが抑えられる構造で、オーバラン状態からロック状態に移行する際のタイムラグを小さくすべく、円筒面7(図5参照)と対向する、保持器5aの内周面複数個所に凸部15、15を形成する点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図5に示した従来構造と同様である為、重複する図示並びに説明を省略若しくは簡略にし、以下、本実施例の特徴部分を中心に説明する。
1 to 3 show Embodiment 1 of the present invention corresponding to
本実施例の場合、上記保持器5aの内周面の円周方向複数個所に、径方向内方に向かって突出する、上記各凸部15、15を形成している。これら各凸部15、15は、それぞれ断面円弧状に形成されており、それぞれの突出量は同じである。又、これら各凸部15、15の内接円の直径は、上記保持器5aの内周面と対向し内輪2(図5参照)の外周面を構成する、上記円筒面7の直径よりも僅かに大きくしている。又、上記各凸部15、15の内接円と上記円筒面7との直径の差は、例えば、本実施例のローラクラッチを釣具用のリールに組み込む場合、内輪2と、この内輪2と嵌合する部材である、ハンドル軸14(図6参照)との嵌合部に存在し、これら内輪2とハンドル軸14との径方向相対変位に結び付く隙間よりも小さくしている。この為、この内輪2の、オーバラン状態での径方向に移動可能な距離は、上記各凸部15、15の内接円と上記円筒面7との直径差により規制される。
In the case of the present embodiment, the
又、図示の例では、上記各凸部15、15を、上記保持器5aを構成するリム部10、10の内周面乃至柱部11、11の内周面にそれぞれ形成している。この為、上記各凸部15、15の数は、これら各柱部11、11の数と同じである。尚、これら各凸部15、15の数は、上記円筒面7との摺接面積等を考慮して設計的に定める。例えば、上記円筒面7との摺接面積を小さくする事を望むのであれば、上記各凸部15、15の数を少なくする。但し、本発明の効果を得る為には、これら各凸部15、15は、少なくとも円周方向3個所に等間隔に形成する必要があるが、これら各凸部15、15の数が少な過ぎると、オーバラン時に、上記内輪2の径方向の振れを十分に小さくできない可能性がある。従って、この点に就いても考慮して、上記各凸部15、15の数を定める。
In the illustrated example, the
又、上記各凸部15、15の断面形状は、円弧状に限らず、台形状等の他の形状とする事もできる。又、図示の様に土手状に長くする他、部分球面状の突起とする事もできる。このうち、上記円筒面7との摺接面積を小さくする観点から、図示の例の様な円弧状、或は球面突起状とする事が好ましい。更に、図示の例では、上記各凸部15、15を、上記保持器5aのリム部10、10の内周面乃至柱部11、11の内周面の軸方向全体にそれぞれ形成しているが、例えば、これら各柱部11、11の内周面に分割してそれぞれ形成しても良いし、上記保持器5aを構成するリム部10、10の内周面のみに形成しても良い。
Moreover, the cross-sectional shape of each said
又、本実施例の場合、上記各凸部15、15の表面にそれぞれ油溝16を形成している。この油溝16は、図示の例(図1の中央の凸部15にのみ記載)では、ローレット状としているがディンプル等の他の形状の溝としても良い。又、例えば、図4に示す様に、凸部15aの表面に形成する油溝16aを構成する各溝を、内輪2のオーバラン方向に合わせて傾斜させても良い。即ち、図4の時計方向(矢印方向)に上記内輪2がオーバランする場合、オーバラン方向に向かう程径方向内方に向かう方向に各溝を傾斜させる。この様に構成すれば、オーバラン時に、上記内輪2の円筒面7と上記油溝16aを構成する各溝とを滑らかに接触させる事ができ、これら各溝が損傷しにくくなる。尚、図示の例の場合、説明の為に上記各溝を誇張して示している。
In the case of the present embodiment,
上述の様に構成する保持器5aを、例えば、前述の図5に示したローラクラッチ1に組み込んだ場合、この保持器5aと上記内輪2とを同心に配置した状態で、この保持器5aの内周面に形成した上記各凸部15、15の先端部が、それぞれこの内輪2の円筒面7と近接対向する。そして、この内輪2の、オーバラン状態での径方向に移動可能な距離が、上記各凸部15、15の内接円と上記内輪2の円筒面7との直径差により規制され、この内輪2と前記ハンドル軸14との嵌合部に存在し、これら内輪2とハンドル軸14との径方向相対変位に結び付く隙間よりも小さくなる。この為、これら内輪2とハンドル軸14との嵌合部のがたつきに拘らず、オーバラン時に、この内輪2の径方向の振れを抑えて、上記保持器5aに保持される各ローラ4の内接円の中心軸と上記内輪2の中心軸とのずれを小さくできる。この結果、オーバラン状態からロック状態に移行する際に、上記各ローラ4の内接円の中心軸と上記内輪2の中心軸とを一致させるまでに要する時間を短くできる(タイムラグを小さくできる)。
When the
又、本実施例の場合、上記中心軸同士のずれを小さくする為に、上記保持器5aの内周面に凸部15、15を形成している。この為、この保持器5aの内周面と上記円筒面7との間に、ローラクラッチ1内に供給される(或は封入される)潤滑油を行き渡らせ易くできる。この結果、上記保持器5aの内周面全体とこの円筒面7との隙間を小さくする場合よりも、オーバラントルクの増大を抑えられる。更に、本実施例の場合、上記各凸部15、15に油溝16を形成している為、これら各凸部15、15の先端部と上記円筒面7との間に上記潤滑油を取り込み易くでき、オーバラントルクの増大をより抑えられる。
In the case of the present embodiment,
尚、本実施例の場合、保持器5aを外輪3に相対回転不能に支持した構造に就いて説明したが、本発明は、保持器を内輪に相対回転不能に支持する構造、即ち、この保持器のリム部内周面複数個所に係合凸部を形成し、これら各係合凸部を上記内輪の外周面に形成したカム面を構成する凹部に係合させる構造にも、適用可能である。即ち、外輪が、この外輪を内嵌固定する部材との嵌合部のがたつきにより、オーバラン時に径方向に移動可能となる構造の場合、この保持器の外周面複数個所に凸部を形成し、これら各凸部と上記外輪の内周面を構成する円筒面とを近接対向させる。そして、この外輪の、オーバラン状態での径方向に移動可能な距離を、この外輪と、この外輪と嵌合する部材との嵌合部の最大隙間よりも小さくする。この様に構成される構造の場合にも、上記嵌合部のがたつきに拘らず、オーバラン時に、上記外輪の径方向の振れを抑えて、上記保持器に保持される各ローラの外接円の中心軸と上記外輪の中心軸とのずれを小さくできる。この結果、オーバラン状態からロック状態に移行する際のタイムラグを小さくできる。又、上述の実施例1と同様に、オーバラントルクの増大を抑えられる。
In the present embodiment, the structure in which the
本発明のローラクラッチは、釣具用のリールや、プリンタ等の事務機以外にも、自動車用補機であるオルタネータやコンプレッサ、自動車の始動装置を構成するスタータモータ、アイドリングストップ車の補機駆動用モータ等の回転軸の端部に固定して使用するローラクラッチ内蔵型プーリ装置に組み込んで使用する事もできる。 The roller clutch according to the present invention is used for driving an auxiliary machine for an idling stop car, an alternator and a compressor for an automobile auxiliary machine, a starter motor constituting an automobile starting device, in addition to a reel for fishing gear and an office machine such as a printer. It can also be used by being incorporated in a roller clutch built-in pulley device that is used by being fixed to the end of a rotating shaft such as a motor.
1 ローラクラッチ
2 内輪
3 外輪
4 ローラ
5、5a、5b 保持器
6 ばね
7 円筒面
8、8a カム面
9、9a 凹部
10 リム部
11 柱部
12 係合凸部
13 押圧片
14 ハンドル軸
15、15a 凸部
16、16a 油溝
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1
12 engaging
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