JP4704630B2 - 超音波パノラマ画像形成装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波プローブを移動させたときの診断画像の画像フレームから、パノラマ画像を生成するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子走査型超音波プローブはビームの走査範囲が限られているため、診断範囲が広い場合には、ユーザがプローブを動かすことでその診断範囲をカバーしている。また、プローブを動かしたときに得られる超音波診断画像の動像フレームを合成してパノラマ画像を生成する技術も各種提案されている。
【0003】
例えば、位置センサを備えた機械式走査機構に電子走査型超音波プローブを取り付け、位置センサで得られた位置情報をもとに各時点での画像フレームを合成するものは古くから知られている。しかしながら、このタイプは装置構成が大規模になり、また被検体表面の曲面形状に沿って正確に超音波プローブを移動させることが困難であるという問題がある。
【0004】
そこで、近年では、画像処理により画像フレームを正しい位置関係でパノラマ合成する技術が研究されている。
【0005】
例えば特開2000−217815号には、動画像フレームの単一の特定領域の画像のフレーム間での移動量及び回転量を求め、これら移動量及び回転量に基づいて画像フレーム同士を位置合わせして合成している。この技術では、画像の移動量は、その特定領域の投影分布のフレーム間での相関から求めている。また回転量は、その特定領域を1軸方向に複数の部分領域に分割し、各部分領域ごとにその投影分布のフレーム間相関から移動量を求め、それら部分領域間の移動量の差から求めている。
【0006】
また同様の従来技術として、米国特許第5,575,286号“Method and apparatus for generating large compound ultrasound image”がある。この従来技術では、超音波画像フレームを複数の領域に分割し、各領域のフレーム間での移動をパターンマッチング等により求め、それら各領域の移動から画像全体のフレーム間の移動ベクトルを求める。そして、この画像全体の移動ベクトルに合わせて画像フレーム同士を合成する。ここで各領域ごとの移動は、各領域の画像に対応する対応領域を次の画像フレームからパターンマッチングで求めることにより算出している。ここで各領域の移動ベクトルには、フレーム間のパターンマッチングの度合いや、過去の移動履歴との整合性に基づいて、品質及び信頼度という評価値が与えられ、この評価値に応じてそれら各領域の移動ベクトルを重み付け平均することで全体の移動ベクトルを求めている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
画像処理を利用してフレーム間での画像の移動(画像フレーム同士の位置関係)を求めてパノラマ合成を実現する従来技術は、いずれも非常に計算量が多く、多大のコンピュータ能力や計算時間を要するという問題があった。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、比較的少ない計算量で超音波診断画像のパノラマ合成を実現できる装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、超音波診断装置により得られる複数の画像フレームを合成してパノラマ画像を形成する装置であって、合成対象とする第1画像フレーム及び第2画像フレームのうち、第1画像フレームに複数の候補点検出領域を設定し、それら各候補点検出領域から、それぞれ周囲の画素との画素値の差が最も大きい画素を候補点として検出する候補点検出手段と、前記各候補点の中から、近傍所定範囲の画素値の分散及び相互の距離を考慮した所定の規則に従って2つの基準点を選択する基準点選択手段と、選択された各基準点ごとに、その点の近傍所定範囲の画像パターンと最もよく適合する画像パターンを近傍に持つ点を、前記基準点に対応する対応点として前記第2画像フレームから探索する対応点探索手段と、互いに対応する前記基準点と前記対応点とが一致するよう前記第1画像フレームに対して前記第2画像フレームを位置合わせして合成する画像合成手段と、を含む超音波パノラマ画像形成装置を提供する。
【0010】
この構成では、第1画像フレーム中に設定した複数の候補点検出領域から候補点が検出され、それら候補点の中からフレーム間の位置合わせの基準となる2つの基準点が選択される。候補点は、周囲の画素との画素値の差を検査するという比較的簡単な処理に基づき求められ、それら候補点に対して、近傍所定範囲の画素値の分散やそれら候補点同士相互の距離など、基準点としての適性に関するより詳細な検査が行われる。これにより選択された2つの基準点に対応する対応点をパターンマッチングにより第2画像フレームから求め、基準点と対応点とが一致するように第1,第2画像フレームを位置合わせすることで、それら両画像フレームを正しい位置関係で合成することができる。
【0011】
この構成において、基準点選択手段で用いる前記所定の規則としては、例えば前記近傍所定範囲の画素値の分散が大きい候補点ほど基準点に選択されやすくする、という規則や、相互の距離が大きい候補点のペアほど基準点に選択されやすくする、という規則などが考えられる。
【0012】
また上記発明の好適な態様では、前記候補点検出手段は、前記第1画像フレームにおいて、皮膚層を表す領域と想定される所定範囲を除いた範囲に、複数の前記候補点検出領域を設定する。この態様によれば、画像としての特徴の少ない皮膚層の範囲をあらかじめ省くことで、候補点検出処理の処理量を軽減できる。
【0013】
また別の好適な態様では、前記候補点検出手段は、前記第1画像フレームと前記第2画像フレームとの間での画像化範囲の想定最大移動量に基づき、前記第1画像フレームのうち前記第2画像フレームから外れない範囲の中に複数の前記候補点検出領域を設定する。候補点検出領域をこのように限定することで、基準点の対応点が必ず第2画像フレーム中に存在することを保証できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本発明に係る超音波パノラマ画像形成装置を含む超音波診断システムの概要を示す図である。
【0016】
図1の構成において、超音波診断装置本体部10は、超音波プローブ12を備え、このプローブ12による被検体への超音波送受によって、Bモード断層像やドプラ断層像などの超音波診断画像を形成するための装置である。この超音波診断装置本体部10としては、従来からある一般的な超音波診断装置を用いることができる。プローブ12は、電子走査式アレイ振動子を備えている。このプローブ12を、被検体の体表に沿ってアレイ方向にゆっくり動かすことで、アレイ振動子の電子走査範囲が徐々に移動していく。これに応じて、超音波診断装置本体部10からは、現在のプローブ12の電子走査範囲に応じたリアルタイム画像(動画像)の信号が出力される。
【0017】
パノラマ画像形成部20は、超音波診断装置本体部10から供給されるリアルタイム画像からパノラマ画像を形成する。
【0018】
パノラマ画像形成部20には、2つのフレームメモリ22,24が設けられている。各フレームメモリ22,24は、そのリアルタイム画像の1フレームの画像データを保持することができる。フレームメモリ24には、フレームメモリ22よりも1フレーム前の画像が格納される。本実施形態では、これら2フレームの画像からそれら両画像の位置関係を求め、その位置関係に従って画像合成を行う。この処理の基本的な考え方は、一方のフレームの画像から特徴的な部位を2箇所選び、もう一方の画像からそれら各特徴部位にマッチングする部位を探索し、これらマッチングする部位同士が一致するようにそれら2つのフレームを位置合わせして合成するというものである。
【0019】
この画像合成処理のため、まず基準点決定部26が、それら2フレームのうちの前の方のフレームである第nフレーム(nは整数)の画像から、前述の2つの特徴部位に対応する2つの基準点を決定する。
【0020】
図2はこの基準点決定部26の処理手順を示すフローチャートであり、図3はこの手順に従って基準点が決定されるまでの様子を示した図である。
【0021】
これら各図を参照して説明すると、まず基準点決定部26は、第nフレームの画像から、超音波プローブ側の所定幅の領域を皮膚部カットエリア102として除き、画像フレーム100の残りの領域を縦横にそれぞれ2分割して合計4個の分割領域104に分割する(S10。図3(a)参照)。
【0022】
ここで、皮膚部カットエリア102は、被検体の皮膚部分に相当する領域である。皮膚部分は組織の均質性が高く、また超音波反射強度が高いため、全体的に均質な画像となるので、マッチングのための特徴部位を見つけ出す領域としては不適当である。このため、本実施形態では、被検体表面から所定の深さまでの領域を皮膚部カットエリア102とし、このエリアを基準点の検出範囲からあらかじめ省く。
【0023】
次に、これら4分割した各分割領域104から移動マージン106と接近防止マージン108を除いた部分を検出領域110に設定する(S12。図3(b)参照)。検出領域110は、基準点の候補となる候補点を探索する対象領域である。
【0024】
ここで、移動マージン106は、2フレーム間での電子走査範囲の移動を考慮したマージンであり、各分割領域104の外周各辺のうち画像フレームの外周に沿った辺について設けられる。移動マージン106は、該走査範囲のフレーム間で移動量の想定上限値(これを最大移動量と呼ぶ)に応じてその幅が定められる。この最大移動量は、ユーザが手操作でプローブ12を移動させるするときの速度の上限値などに応じてあらかじめ定めておく。この移動速度上限値は、任意に定めてユーザに守ってもらうようにしてもよい。また、フレームレート等との兼ね合いで、有意な診断画像が得られるプローブ移動速度の上限値は自ずと定まるので、これを基準にしてもよい。このような最大移動量に相当する移動マージン106を考慮して検出領域110を規定することで、一方のフレームの検出領域110から選択した点の対応点が他方のフレーム内に存在することを保証することができる。なお、最大移動量は、診断装置の表示画面での水平方向(すなわちユーザが手操作でプローブ12を移動させる方向)、垂直方向(被検体表面の起伏に対応した方向)のそれぞれについて個別に設定できるようにすることも好適である。
【0025】
接近防止マージン108は、各検出領域110から選ぶ候補点同士が近づきすぎないようにするためのマージンであり、各検出領域110の外周辺のうち他の検出領域110との境界の辺に対して設定される。すなわち、本実施形態では一方のフレームから選んだ2つの基準点を結ぶ直線と、他方のフレームから求めたそれら各基準点の対応点同士を結ぶ直線とのなす角から、2フレーム間での画像の回転量を求めるが、基準点の候補である候補点同士が近いほど、基準点同士の距離も近くなる可能性が高くなり、この結果対応点を求めたときの1画素の誤差が回転量に大きな誤差を招いてしまう。接近防止マージン108はこのような問題を回避するために設けたものである。
【0026】
このようにして4つの検出領域110が設定されると、次に各検出領域110からそれぞれ1つずつ候補点120a〜120dを検出する(S14。図3(c)参照)。この処理では、検出領域110内の各画素ごとに、その画素と周囲の隣接画素(例えば上下左右の隣接4画素、又は斜め隣接も加えた隣接8画素など)との画素値の差を求め、この差が該検出領域110内で最大となる画素を候補点として選択する。例えばBモード画像の場合、画素値としては輝度を用い、周囲との輝度の差が最大となる点を求める。また、ある画素と周囲との画素値の差といった場合、例えば、周囲の画素(隣接画素)の画素値の平均と、当該画素の画素値との差を用いたり、あるいは当該画素と各隣接画素との画素値差のうちの最小値を用いたりすることが考えられる。このようにして求められた候補点は、検出領域内で画素値が最も急激に変化する点であり、画像的な特徴が強いのでパターンマッチングが行いやすい。
【0027】
各検出領域110からそれぞれ候補点120a〜120dが求められると、次にそれら候補点の中から2つの点を基準点130a,130bとして選択する(S16。図3(d)参照)。選択は、できるだけ特徴的な点を選び、できるだけ距離の離れた2つの点を選ぶ、という2つの方針に従って行う。実際の選択処理の手順としては、この2つの方針の組合せ方によっていろいろな方法が考えられる。
【0028】
一例として、第1段階として4つの候補点の中から近傍所定領域の画素値(Bモードの場合は輝度)の分散が最も小さい点を除き、第2段階として残った3つの候補点の中で、4つの検出領域110のうち画像フレームの対角線(斜め)関係にある2領域の候補点を基準点に選択する(図3(d)の例では検出領域1と4の候補点が基準点130a,bに選ばれている)。このうち第1段階は「できるだけ特徴的な点を選ぶ」という方針に従ったものである。近傍所定領域の分散が大きいほど、その近傍領域内にパターンマッチングのポイントとなる特徴部が多いので、基準点としての適性が高い。候補点の近傍所定領域としては、例えば当該候補点を中心とするN×N画素のマトリクス領域を用いることができる。マトリクス領域は、小さすぎると信頼性が低くなり、大きすぎると分散の計算の量が膨大になるので、これらのトレードオフを考慮してマトリクス領域のサイズを定める。例えば、画像フレームのサイズ460×400画素に対して32×32画素をマトリクス領域とする等の例が考えられる。また、前述の手順の第2段階は、「できるだけ距離の離れた2点を選ぶ」という方針に則したものである。すなわち、検出領域110を図3に例示した2×2の配置で設定した場合、上下又は左右に隣接した2領域の候補点を選ぶより、対角線方向の2領域の候補点を選んだ方が、候補点間の距離が大きくなる可能性が高い。個々の候補点同士の組合せについて距離を求め、その中で最大距離となるものを求める方法も考えられるが、自動的に対角線方向を選択する方が計算量が少なくて済む。
【0029】
なお、この方法では、対角線方向の2つの候補点は、近傍のマトリクス領域の分散が4つのうちで最小ではないものの、分散が小さすぎてパターンマッチング処理には適さない場合もあり得る。そこで、マトリクス領域の分散に関して下限値を定めておき、候補点のマトリクス領域の分散がその下限値を下回る場合は、その候補点を用いないようにするなどの処理も好適である。処理の流れとしては、例えば、まず分散が最小の候補点を除く3つの候補点の中から対角線方向の2点を選び、それら各候補点についての分散が共に前記下限値以上であればそれら2点を基準点として選び、そうでなければ下限値以下の分散に対応する候補点を除いた残りの2個の候補点を基準点に選択する。
【0030】
なお、4つの候補点のうちの3つ以上の分散がこの下限値を下回る場合もないとは言えないが、そのような場合には、下限値を下回った候補点に対して同じ検出領域から別の点を候補点(例えば周囲との画素値差が2位の点など)として選び、上記の処理を行えばよい。
【0031】
以上、基準点決定部26による基準点決定処理について説明した。このようにして第nフレームから2つの基準点が選択されると、次に相関演算部28が、それら各基準点の対応点を第n+1フレームから検出する。この場合、相関演算部28は、図4に示すように、第nフレームの基準点130を中心とした所定範囲の画像をテンプレート135として切り出すとともに、第n+1フレーム上でのその基準点130の位置140を中心に、対応点の探索領域142を設定する。対応点は、理論上その位置140から、フレーム間の最大移動量144の範囲にあるはずなので、その範囲を探索領域142に設定する。この最大移動量は、前述の検出領域110の設定の際に考慮したものとおなじでよい。そして、その探索領域142の範囲でテンプレート135の中心を動かしながら、各位置でのテンプレート135と第n+1フレームの画像との相関を求める。そして、その相関が最も高くなったときのテンプレート135の中心を、当該基準点130に対応する対応点に決定する。
【0032】
このとき、テンプレート135としては、ステップS14で用いたマトリクス領域と同じ、基準点を中心とするN×N画素の領域を用いればよい。この場合、テンプレート135と探索領域142の画像との相関Rは、例えば次式により求めることができる。
【0033】
【数1】
Figure 0004704630
この式はBモード画像(画素値が輝度)の場合のものであり、Gray()は輝度値を示す。またi,jはN×N行列のテンプレート135における列(i)及び行(j)のインデックスであり、nは画像フレームの通し番号である。したがって、Gray(n,i,j)はテンプレート135(第nフレーム)の座標(i,j)の画素の輝度値を示し、Gray(n+1,i,j)は第n+1フレームでの同じ座標における輝度値を示す。
【0034】
なお、この相関演算式によるパターンマッチングはあくまで一例であり、公知の他のパターンマッチング手法を用いてももちろんよい。
【0035】
このようにして相関演算部28が2つの基準点の対応点をそれぞれ求めると、次に移動量・回転量算出部30が、それら基準点と対応点の情報に基づき、第nフレームと第n+1フレームとの間の画像の平行移動量及び回転量を計算する。図5に示すように、基準点Aに対して対応点A’が、基準点Bに対して対応点B’がそれぞれ求められたとすると、まず基準点A(xn,yn)と対応点A’(xn+1,yn+1)と間の変位(xn+1−xn,yn+1−yn)を、第nフレームに対する第n+1フレームの移動量とする。また、線分A’B’が線分ABに対してなす角を、第nフレームに対する第n+1フレームの回転量として求める。回転量は、例えば反時計回りを正の方向として、符号によりその回転方向を表す。したがって、第n+1フレームをその移動量だけ平行移動させて対応点A’を基準点Aに一致させ、更にその回転量だけ回転させて線分A’B’を線分ABに合わせることで、第n+1フレームの画像を第nフレームの画像に対して位置合わせすることができる。なお、この例では基準点Aに関して移動量を求めたが、基準点Bに関して移動量を求めるようにしても実質的に同じ結果が得られる。
【0036】
このようにして移動量、回転量が求められると、画像合成部34は、この情報に基づき、第n+1フレームの画像をパノラマ画像メモリ36内の既存パノラマ画像に合成する。すなわち、パノラマ画像メモリ36には、合成開始からこれまでに得られた画像フレームをパノラマ合成した合成画像が記憶されており、その合成画像に対して第n+1フレームの画像を合成する。ここで、移動量・回転量算出部30で分かるのは、第nフレームに対する第n+1フレームの相対的な移動量、回転量であって、パノラマ画像上での絶対的な位置や傾きではない。そこで、本実施形態では、基準位置情報保持部32に第nフレームの画像のパノラマ画像上での絶対位置及び傾きを記憶しておく。この記憶情報に対し移動量・回転量算出部30で求めた移動量、回転量をそれぞれ加算することで、パノラマ画像上での第n+1フレームの絶対位置及び傾きを求めることができ、これに従って第n+1フレームを位置決めして合成すればよい。基準位置情報保持部32の情報は、各フレーム間ごとに求めた移動量及び回転量をそれぞれ順次加算することで更新すればよい。
【0037】
パノラマ画像メモリ36内の既存画像への第n+1フレームの画像の合成は、上述の位置合わせを行った後、重複部分の各画素については例えばそれら両画像の画素値の平均をとるなどの処理により行えばよい。
【0038】
このようにしてフレームメモリ22内の第n+1フレームの画像を合成し終わると、その画像がフレームメモリ24に移され、超音波診断装置本体部10から供給される次のフレームの画像がフレームメモリ22に格納されて、以上の処理が繰り返される。
【0039】
このようにしてパノラマ画像メモリ36には、リアルタイム診断画像の画像フレーム100が順次合成されたパノラマ画像200が形成される。そして、このパノラマ画像200が表示装置40に表示される。
【0040】
以上説明したように、本実施形態によれば、2つの基準点について、その基準点周りの比較的小さい領域についてフレーム間でパターンマッチングを行うことで両フレームの位置関係が特定できるので、従来技術と比べてより簡単な演算でパノラマ合成ができる。ここで基準点は、近傍所定領域の画素値分散や相互の距離などからパターンマッチングに適した点を選んでいるので、これら基準点に基づく画像位置合わせもかなり高い精度が期待できる。また、基準点の選択も、まず周囲との画素値を調べるという簡単な演算で候補点を求め、それら候補点の中から基準点を選び出すという2段階の手順をとったので、基準点としての適性を見るための近傍所定領域の画素値分散などの計算は少数の候補点について行うだけでよいため、全体としての計算量が少なくて済む。
【0041】
また、本実施形態では、画像としての特徴の少ない皮膚部分を除いた範囲から候補点を選ぶようにしたので、候補点検出のための計算の量を少なくすることができる。
【0042】
本実施形態のシステム構成において、パノラマ画像形成部20は、典型的には、基準点決定部26、相関演算部28、移動量・回転量算出部30、基準位置情報保持部32、画像合成部34などの機能モジュールをプログラムとして実現し、コンピュータシステム上で実行することにより実現できる。もちろん、それら各機能の一部乃至全部をハードウエア化することも可能である。パノラマ画像形成部20は、超音波診断装置に内蔵することも、別体として構成することもできる。
【0043】
なお、図1に示した装置構成はあくまで概念的なものであり、この概念構成の範囲内で様々な実装が可能であることはいうまでもない。例えば、フレームメモリ22,24は物理的には1つのメモリ上に実現することが可能であり、さらにはパノラマ画像メモリ36も同じ物理的メモリ上に実現することもできる。また、以上の例では、フレームメモリ22の画像の合成が終わるとそれをフレームメモリ24に移すと説明したが、実際の装置では1フレーム分のメモリ領域を2つ用意し、それらを1フレーム毎に第nフレーム用の領域と第n+1フレーム用の領域とに順次切り替えて利用するようにすれば、画像データの移動は不要である。
【0044】
また、以上で説明した例では、比較する2フレームのうち前の方のフレームから基準点を求め、後の方のフレームから対応点を求めたが、これを逆にすることも可能である。
【0045】
また、以上に例示した手順での候補点群から基準点を絞り込む方法はあくまで一例である。このほかにも、例えば各候補点の近傍所定領域の画素値の分散と、それら各候補点間の距離とを総合的に評価する評価式を用意し、これによる評価の高い2つの候補点を基準点に選ぶようにすることもできる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、画像フレーム同士の位置関係を比較的簡単な演算で求めることができるので、少ない演算量でパノラマ画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る超音波パノラマ画像形成装置を含む超音波診断システムの概要を示す図である。
【図2】 基準点決定部の処理手順の例を示す図である。
【図3】 基準点決定の手順を説明するための図である。
【図4】 基準点に対する対応点の探索領域を説明するための図である。
【図5】 フレーム間の移動量及び回転量を説明するための図である。
【符号の説明】
10 超音波診断装置本体部、20 パノラマ画像形成部、22,24 フレームメモリ、26 基準点決定部、28 相関演算部、30 移動量・回転量算出部、32 基準位置情報保持部、34 画像合成部、36 パノラマ画像メモリ、40 表示装置。

Claims (7)

  1. 超音波診断装置により得られる複数の画像フレームを合成してパノラマ画像を形成する装置であって、
    合成対象とする第1画像フレーム及び第2画像フレームのうち、第1画像フレームに複数の候補点検出領域を設定し、それら各候補点検出領域から、それぞれ周囲の画素との画素値の差が最も大きい画素を候補点として検出する候補点検出手段と、
    前記各候補点の中から、近傍所定範囲の画素値の分散及び相互の距離を考慮した所定の規則に従って2つの基準点を選択する基準点選択手段と、
    選択された各基準点ごとに、その点の近傍所定範囲の画像パターンと最もよく適合する画像パターンを近傍に持つ点を、前記基準点に対応する対応点として前記第2画像フレームから探索する対応点探索手段と、
    互いに対応する前記基準点と前記対応点とが一致するよう前記第1画像フレームに対して前記第2画像フレームを位置合わせして合成する画像合成手段と、
    を含む超音波パノラマ画像形成装置。
  2. 前記基準点選択手段の前記所定の規則は、前記近傍所定範囲の画素値の分散が大きい候補点ほど基準点に選択されやすくするものであることを特徴とする請求項1記載の超音波パノラマ画像形成装置。
  3. 前記基準点選択手段の前記所定の規則は、相互の距離が大きい候補点のペアほど基準点に選択されやすくするものであることを特徴とする請求項1記載の超音波パノラマ画像形成装置。
  4. 前記基準点選択手段は、前記近傍所定範囲の画素値の分散が所定下限値より大きい候補点のうち、相互の距離が最も大きい2つの候補点を基準点として選択することを特徴とする請求項1記載の超音波パノラマ画像形成装置。
  5. 前記候補点検出手段は、前記第1画像フレームにおいて、皮膚層を表す領域と想定される所定範囲を除いた範囲に、複数の前記候補点検出領域を設定することを特徴とする請求項1記載の超音波パノラマ画像形成装置。
  6. 前記候補点検出手段は、前記第1画像フレームと前記第2画像フレームとの間での画像化範囲の想定最大移動量に基づき、前記第1画像フレームのうち前記第2画像フレームから外れない範囲の中に複数の前記候補点検出領域を設定することを特徴とする請求項1記載の超音波パノラマ画像形成装置。
  7. 前記画像合成手段により画像合成が行われるごとに、それまでの第2画像フレームを新たに第1画像フレームとし、次に合成しようとする画像フレームを新たな第2画像フレームとすることで、逐次供給される画像フレームを1つの画像に合成可能としたことを特徴とする請求項1記載の超音波パノラマ画像形成装置。
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