JP4701491B2 - ガスクロマトグラフ法を用いるフッ素化されたエステル化合物の製造方法 - Google Patents

ガスクロマトグラフ法を用いるフッ素化されたエステル化合物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスクロマトグラフ法(以下、GC法と記す。)を用いるフッ素化されたエステル化合物の製造方法、フッ素化されたエステル化合物の化学変換においてGC法を用いる生成物の製造方法、および、フッ素化されたエステル化合物の分析方法に関する。本発明の方法は、フッ素化されたエステル化合物を所定の反応成績で生成させる方法または化学変換する方法において、またフッ素化されたエステル化合物の品質管理法等において有用な方法である。
【0002】
【従来の技術】
フッ素化されたエステル化合物を製造する場合において、またはフッ素化されたエステル化合物を化学変換して他の化合物(以下、他の化合物を生成物と記す。)を製造する場合において、フッ素化されたエステル化合物を定量分析および/または定性分析(以下、定量分析および/または定性分析を単に分析と記す。)することは、反応の進行を確認する場合、製造条件を制御する場合、および得られた化合物の品質を管理する場合等において重要である。
【0003】
従来、フッ素化された化合物の分析法としてGC法が知られている。また、GC法における試料の注入法としては、スプリット法、スプリットレス法、ムービングニードル法、およびクライオフォーカス法等が知られている。
【0004】
また他の分析法としては、核磁気共鳴吸収法(NMR法)、高速液体クロマトグラフ法(HPLC法)、超臨界流体クロマトグラフ法(SFC法)、および、HPLC法やSFC法と質量分析法(MS法)とを組み合わせた方法、等も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のGC法では、フッ素化された化合物が熱的に不安定であると分析が困難であった。特にフッ素化されたエステル化合物が化学的に安定な化合物である場合においても、従来のGC法で分析すると、化合物の分解反応が起こり、フッ素化されたエステル化合物を直接分析できない問題があった。
【0006】
また、NMR法は汎用の方法ではあるが、分析操作が煩雑であり、分離を行わない方法であるため正確な定量が困難であり感度も低い問題があった。また、HPLC法およびSFC法は分離能および感度が低い問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、フッ素化されたエステル化合物を正確に分析することにより、フッ素化されたエステル化合物を効率的に製造する方法、およびフッ素化されたエステル化合物に対して化学変換を行って生成物を得る製造方法において、フッ素化されたエステル化合物の消費量や生成物量を正確に分析することにより、目的とする収率以上の生成物を効率的に得る製造方法、および、フッ素化されたエステル化合物の品質管理等に有用な該化合物の分析方法の提供を目的とする。
【0008】
すなわち本発明は、原料化合物の化学反応によりフッ素化されたエステル化合物を製造する方法において、無極性カラムを用いるGC法によってフッ素化されたエステル化合物の収率を求め、該求められた収率が所定の収率になるまで化学反応を行うことを特徴とするフッ素化されたエステル化合物の製造方法を提供する。
【0009】
また本発明は、フッ素化されたエステル化合物を化学変換して生成物を得る方法において、無極性カラムを用いるGC法によってフッ素化されたエステル化合物の転化率を求め、該求められた転化率が所定の転化率になるまで化学変換を行う生成物の製造方法を提供する。
【0010】
さらに本発明は、フッ素化されたエステル化合物を含む試料中に含まれるフッ素化されたエステル化合物を、無極性カラムを用いるGC法により分析することを特徴とするフッ素化されたエステル化合物の分析方法を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明におけるフッ素化されたエステル化合物とは、フッ素原子とエステル結合とを有する化合物である。該化合物としては、特にエステル結合の酸素原子に隣接した炭素原子にフッ素原子が結合した下式1で表される部分構造を有する化合物が好ましい。
【0012】
【化3】
Figure 0004701491
【0013】
フッ素原子が結合した炭素原子から伸びる2つの結合には、それぞれ1価有機基や1価原子が結合していてもよく、または該2つの結合は二重結合を形成していてもよい。また該フッ素原子が結合した炭素原子は環を形成する炭素原子であってもよい。これらのうち、式1におけるフッ素原子が結合した炭素原子から伸びる2つの結合には、フッ素原子または1価有機基が結合しているのが好ましい。該部分構造を分子内に有する化合物は、エステル結合の分解反応が起こりうる化合物であり、従来のGC法で分析した場合には、注入口の熱やカラムの影響により分解し、直接の分析が困難であった化合物である。一方、GC分析のしやすさの点から、フッ素化されたエステル化合物は、沸点が400℃以下である化合物が好ましい。
【0014】
本発明は、原料化合物の化学反応によりフッ素化されたエステル化合物を製造する方法において特定のGC法を用いる。該製造方法としては、フッ素化されうる原料化合物のフッ素化反応によりフッ素化されたエステル化合物を製造する方法、フッ素化されたエステル化合物の一部の構造を化学変換して他のフッ素化されたエステル化合物にする方法(たとえば、官能基を交換する方法)、カルボン酸とアルコールとを反応させる方法(ただし、カルボン酸とアルコールの少なくとも一方は含フッ素化合物である。)によりフッ素化されたエステル化合物にする方法等がある。
【0015】
これらの製造方法のうち、フッ素化されうる原料化合物のフッ素化反応によるフッ素化されたエステル化合物の製造方法は、反応により複数の化合物が生成して分離分析が必要になることから、本発明の方法を適用することが特に有利であり好ましい。
【0016】
フッ素化反応としては、塩素原子をフッ化カリウムでフッ素化してフッ素原子に置換する方法、水素原子をフッ素化してフッ素原子に置換する方法(以下、直接フッ素化法という。)、不飽和結合にフッ素を反応させる方法等が挙げられる。以下、直接フッ素化法によりフッ素化されたエステル化合物を製造する方法を代表例に挙げて説明する。
【0017】
直接フッ素化法における原料化合物としては、水素原子を有するエステル化合物であるのが好ましい。また、直接フッ素化法としては、液相中でフッ素(F2)と反応させる方法(特表平4−500520、WO00/56694)、コバルトフッ素化法、電気化学的フッ素化法等が挙げられ、液相中でフッ素と反応させる方法が好ましい。直接フッ素化法によれば、水素原子がフッ素原子に置換され、また化合物中に不飽和結合が存在する場合には、該不飽和結合にフッ素原子が付加して、フッ素化されたエステル化合物が生成する。
【0018】
フッ素化されたエステル化合物のフッ素導入率(ここで、フッ素導入率とは、フッ素化されうる原料化合物を完全にフッ素化してペルフルオロ化されたエステル化合物中のフッ素原子総数に対する、フッ素化されたエステル化合物中のフッ素原子数の割合をいう。)は目的化合物に応じた所定の値であり、通常の反応において該所定の値は、ある特定値以上の値として設定されうる。該所定の値は、通常の場合は80%以上が好ましく、特に98%以上が特に好ましく、とりわけ実質的に100%が好ましい。特に直接フッ素化法におけるフッ素導入率は、上記導入率であるのが好ましい。
【0019】
本発明においては、フッ素化されたエステル化合物を、無極性カラムを用いるGC法により分析する。無極性カラムを用いるGC法によれば、フッ素化されたエステル化合物を分解させることなく、他の化合物と良好に分離して正確な分析ができる。そして、フッ素化されたエステル化合物の製造時にフッ素化されたエステル化合物を随時分析することによって、該化合物を効率的に製造する反応条件を制御して、反応の終点を決定できる。
【0020】
このGC法に用いるカラムとしては、フッ素化されたエステル化合物を分解させない無極性のカラムを用いる。無極性カラムとしては、液相またはカラムの内表面に100%ポリジメチルシロキサンを有するカラムが好ましく、特にWall Coated Open Tubular(WCOT型)の無極性タイプのカラムが特に好ましい。該カラムを用いることによって、フッ素化されたエステル化合物を実質的に分解させることなくフッ素化されたエステル化合物を分析できる。
【0021】
さらに該無極性カラムとしては、分離能の点からキャピラリーカラムであるのが好ましく、長さが5〜120mのキャピラリーカラムが特に好ましく、とりわけ汎用的な溶出時間、理論段数、分離度および利便性などの理由から、30〜60mのキャピラリーカラムが望ましい。また、キャピラリーカラムの内径は特に限定されず、0.2〜1.2mmが好ましい。キャピラリーカラムの膜厚としては、0.1〜5μmが好ましく、特に0.25〜1.0μmが好ましい。
【0022】
また、溶媒効果を目的とすることや、不揮発性成分をトラップするために、カラムコネクタを用いて、プレカラムを無極性カラムの注入口側に接続してもよい。このプレカラムとしては、長さが5cm〜10mであるものが好ましく、特に1m程度の長さのものを用いるのが好ましい。プレカラムの内径は0.1〜1mmが好ましく、さらに、ステンレス鋼製のニードルまたは溶融シリカ製のニードルを用いることから内径が0.25〜0.53mmであるのが望ましい。また、該プレカラムとしては、不活性化処理溶融シリカ中空キャピラリーを用いるのが望ましい。
【0023】
フッ素化されたエステル化合物のGC法においては、注入法としてクールオンカラム注入法、プログラム昇温気化法(以下、PTV法と記す。)を採用するのが好ましく、汎用性があり試料を気化させずにカラムに導入できるクールオンカラム法が特に好ましい。このクールオンカラム注入法は、公知の方法であり、一般に熱的に不安定な化合物に対して有効である。またクールオンカラム注入法では、試料の全量をカラムに導入できるため、シリンジや気化部において、分析対象となる試料成分の選択的な揮発や選択的なカラム導入が起こりにくい方法であることから、定量性や再現性に優れた方法である。
【0024】
さらにクールオンカラム法を、オートインジェクタを用いることにより実施した場合には、人為的なサンプリングミスを排除でき、より高い正確さと精度で定量できるため、特に好ましい。クールオンカラム法の注入口は市販されており、アジレント社製、パーキンエルマー社製、島津製作所製オンカラム注入口等が挙げられる。
【0025】
GC法の検出器にはあらゆる原理のものが採用できる。たとえば、水素炎イオン化検出器、熱伝導度検出器、窒素・リン検出器、電子捕獲検出器、炎光光度検出器、光イオン化検出器、電気伝導度検出器、表面イオン化検出器、化学発光検出器、質量分析計、マイクロ波誘導プラズマ発光検出器、フーリエ変換赤外分光光度計、化学発光検出器等が採用できる。これらのうち、フッ素化されたエステル化合物等の有機化合物の分析に一般的に用いられる、質量分析計や水素炎イオン化検出器が好ましい。フッ素化されたエステル化合物の分析においては、通常のGC分析における定量法や定性法がそのまま適用できる。
【0026】
本発明においては、フッ素化されたエステル化合物の製造方法において、上記GC法によって求まるフッ素化されたエステル化合物の収率が所定の収率になるまで化学反応を行う。該所定の収率は任意であり、通常は特定の収率以上の値に設定され、実施する反応により適宜変更されうる。
【0027】
たとえば、水素原子を有するエステル化合物をフッ素と反応させてフッ素化されたエステル化合物を製造する方法においては、フッ素導入率が所定の導入率である目的化合物量をGC法で分析することにより、目的化合物を所定の収率で得ることができる。たとえば、フッ素導入率が実質的に100%である目的化合物を得ようとする場合には、フッ素化反応中の反応粗液を分析することによって反応条件を制御して、反応の終点を知ることができ、目的とする化合物を所定の収率で得ることもできる。フッ素化されたエステル化合物は、実質的に100%の水素原子がフッ素化されたエステル化合物が、有用性の点から特に好ましい。
【0028】
また、直接フッ素化法を液相中で実施する場合には、フッ素導入率を高くするために、反応の終期において、紫外線照射やベンゼン注入を行う場合があるが、この場合においても、フッ素導入率が所定の導入率になったフッ素化されたエステル量を分析することにより、紫外線照射やベンゼン注入を行う時期を決定できる。また、紫外線照射後やベンゼン注入後にフッ素導入率が所定の導入率であるフッ素化されたエステル量を分析することにより、反応の終点も決められる。
【0029】
また、本発明によれば、フッ素化されたエステル化合物を化学変換して生成物を製造する方法において、フッ素化されたエステル化合物を上記と同じGC法により分析することにより、フッ素化されたエステル化合物の転化率を所定の転化率にした製造が実施できる。該所定の転化率も、通常の場合は、特定の値以上の値として設定されうる。
【0030】
フッ素化されたエステル化合物の化学変換の具体例としては、フッ素化されたエステル化合物のエステル分解反応を行って分解反応の生成物からアシルフルオリド化合物やケトン化合物を得る方法、フッ素化されたエステル化合物を加熱してフッ化ビニル基を含みエステル結合を含まない化合物に変換する方法、フッ素化されたエステル化合物のエステル交換反応を行う方法等が挙げられる。該化学変換において、反応粗液中に含まれるフッ素化されたエステル化合物量を分析することにより、フッ素化されたエステル化合物の転化率が求まる。そして、反応粗液中の転化率を随時知ることにより、効率的な化学変換が実施できる。
【0031】
また、フッ素化されたエステル化合物の化学変換において、生成物の分析が可能なGC分析条件でGC法を行った場合には、該生成物の収率も分析できる。たとえば、フッ素化されたエステル化合物のエステル分解反応を行って分解反応の生成物からアシルフルオリド化合物を得る場合において、アシルフルオリドの収率とフッ素化されたエステル化合物の転化率の両方を1回の分析で適宜知ることができ、生成物を効率的に製造する反応条件を制御して、化学変換の終点を決定できる。
【0032】
本発明は、試料中に含まれるフッ素化されたエステル化合物を、無極性カラムを用いるGC法により分析する方法も提供する。該方法は、特にフッ素化されたエステル化合物の品質管理分析法として有用である。該方法における試料としては、原料化合物の化学反応により得られたフッ素化されたエステル化合物を含む反応粗生成物、該粗生成物を精製したフッ素化されたエステル化合物、フッ素化されたエステル化合物の化学変換により得られた生成物を含む反応粗生成物、該反応粗生成物を精製して得た生成物等が挙げられる。
【0033】
【実施例】
以下に本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの説明によって限定されない。
[分析条件]
メインカラムに無極性キャピラリーカラム(J&W社製、DB−1、長さ60m、内径0.25mm、膜厚1.0μm)、プレカラムに不活性化処理溶融シリカ中空キャピラリー(ジーエルサイエンス社製、フューズドシリカキャピラリー不活性化処理チューブ、長さ1m、内径0.530mm、外径0.660mm)を用い、それぞれをキャピラリーカラムコネクタ(ジーエルサイエンス社製、プレスフィットユニバーサルユニオン)で接続した。
【0034】
オーブン温度を20℃に5分間維持し、つぎに20℃から270℃まで10℃/分の速度で昇温し、つぎに270℃に5分間維持した。検出器には、水素炎イオン化検出器を使用した。また、クロマトグラム上の各ピークに対応する化合物の構造の決定においては、検出器に質量分析計を用いた。キャリアガスにはヘリウムガスを使用し、検出器の温度は280℃で、試料導入量は0.03μL、カラム線速度は25cm/分となるように、カラムトップ圧を設定した。
[分析例1]
500mLのニッケル製オートクレーブに、NaFを入れ、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン(R−113)を加えて撹拌し、−10℃に冷却した。窒素ガスを1時間吹き込んだ後、窒素ガスで20%に希釈したフッ素ガスを1時間吹き込み、H(CH23OCH(CH3)CH2OC(O)CF(CF3)O(CF23FをR−113に溶解した溶液を19.4時間かけて注入した。
【0035】
つぎに、窒素ガスで20%に希釈したフッ素ガスを吹き込みながらベンゼンのR−113溶液を注入し、オートクレーブの出口バルブを閉め、圧力が0.12MPaになったところでオートクレーブの入口バルブを閉めて、1時間撹拌を続ける操作を行った。該操作を、−10℃から室温にまで昇温する間に4回、その後室温で5回繰り返した。その後、窒素ガスを2時間吹き込み、反応混合物をデカンテーションで取り出して試料1とした。
【0036】
試料1を上記の分析条件でGC分析することによって得たガスクロマトグラムを図1に示す。ガスクロマトグラム上では、F(CF23OCF(CF3)CF2OC(O)CF(CF3)O(CF23F(以下、ペルフルオロエステルと記す。)、部分フッ素化エステル、F(CF23OCF(CF3)COF(以下、ペルフルオロアシルフルオリドと記す。)の各ピークは完全に分離していることを確認した。
【0037】
さらに、上記ガスクロマトグラムにおいて、ペルフルオロエステル(フッ素導入率は100%。)の収率が95%になっていることを確認して、反応を終了させた。また、試料中に含まれるペルフルオロアシルフルオリド量は0.6モル%(ペルフルオロエステルに対する量)であった。同一の試料1をNMR法で分析した結果、ペルフルオロアシルフルオリド量は0.4モル%(ペルフルオロエステルに対する量)であった。すなわち、ペルフルオロエステルを実質的に分解させることなく分析できることが確認できた。
【0038】
[分析例2]
上記で得た試料1をNaF存在下に145℃に加熱した。該反応の反応中の反応粗液を上記と同じ分析条件でGC分析した。その結果、反応粗液中には、ペルフルオロエステルとペルフルオロアシルフルオリドが検出されたが、反応の進行に伴って、ペルフルオロエステル量が減少した。ガスクロマトグラム上にペルフルオロエステルのピークがほとんどなくなったところで反応を終了させた。ペルフルオロエステルの転化率は98%であった。
【0039】
また、ガスクロマトグラム上にはペルフルオロアシルフルオリドの熱分解生成物であるF(CF23OCF=CF2のピークは検出されなかった。この反応終了後の反応粗液をさらにNMR分析した結果、GC分析の結果と一致した。
【0040】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、フッ素化されたエステル化合物量を、正確に分析しつつ、効率的にフッ素化されたエステル化合物の製造およびフッ素化されたエステル化合物の化学変換が実施できる。すなわち、フッ素化反応や熱分解反応の進行の度合を正確に定量しながら製造ができる。また本発明の分析方法は、フッ素化されたエステル化合物を用いる製造における工程管理法としても有用である。さらに、本発明の分析方法は、製品の品質管理法としても有利な方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】分析例1に係るフッ素化反応によって得られたフッ素化されたエステル化合物のガスクロマトグラム(横軸は時間(分)を示す。)。
【符号の説明】
1:ペルフルオロアシルフルオリドのピーク
2:ペルフルオロエステルのピーク
3:部分フッ素化エステルのピーク

Claims (13)

  1. 原料化合物の化学反応によりフッ素化されたエステル化合物を製造する方法において、無極性カラムを用いるガスクロマトグラフ法によってフッ素化されたエステル化合物の収率を求め、該求められた収率が所定の収率になるまで化学反応を行うことを特徴とするフッ素化されたエステル化合物の製造方法。
  2. 原料化合物の化学反応が、フッ素化されうる原料化合物をフッ素化してフッ素化されたエステル化合物を得る反応である請求項1に記載の製造方法。
  3. フッ素化されたエステル化合物における下記フッ素導入率が所定の導入率である請求項1または2に記載の製造方法。
    フッ素導入率:フッ素化されうる原料化合物を完全にフッ素化してペルフルオロ化されたエステル化合物中のフッ素原子総数に対する、フッ素化されたエステル化合物中のフッ素原子数の割合。
  4. フッ素化されたエステル化合物における上記フッ素導入率が100%である請求項3に記載の製造方法。
  5. フッ素化を、液相中でフッ素と反応させることにより行う請求項2、3または4に記載の製造方法。
  6. フッ素化において、紫外線照射を行う、またはベンゼン注入を行う請求項5に記載の製造方法。
  7. フッ素化されたエステル化合物を化学変換して生成物を得る方法において、無極性カラムを用いるガスクロマトグラフ法によってフッ素化されたエステル化合物の転化率を求め、該求められた転化率が所定の転化率になるまで化学変換を行う生成物の製造方法。
  8. 生成物の収率を、無極性カラムを用いるガスクロマトグラフ法によって求める請求項7に記載の製造方法。
  9. フッ素化されたエステル化合物を化学変換して生成物を得る方法が、フッ素化されたエステル化合物を熱分解して分解反応生成物を得る方法である請求項7または8に記載の製造方法。
  10. ガスクロマトグラフ法における注入法としてクールオンカラム注入法を用いる請求項1〜9のいずれか1つに記載の製造方法。
  11. フッ素化されたエステル化合物が、部分構造として下式1で表される構造を有する化合物である請求項1〜10のいずれか1つに記載の製造方法。
    Figure 0004701491
  12. フッ素化されたエステル化合物を含む試料中に含まれるフッ素化されたエステル化合物を、無極性カラムを用いるガスクロマトグラフ法により分析することを特徴とするフッ素化されたエステル化合物の分析方法。
  13. フッ素化されたエステル化合物が、部分構造として下式1で表される構造を有する化合物である請求項12に記載の分析方法。
    Figure 0004701491
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