JP4692342B2 - 電子機器の消費電力制御システム、電子機器の消費電力制御方法およびプログラム - Google Patents

電子機器の消費電力制御システム、電子機器の消費電力制御方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、オフィスや家庭で利用されるパソコン等の電子機器の電気使用量を制御し、電子機器の省エネルギーを実現する消費電力制御システム、消費電力制御方法および消費電力制御用のプログラムに関する。
従来の電子機器の消費電力制御システムの一例が、特許文献1に記載されている。この印刷装置は、複数の動作モード、例えばスタンバイモードと省電力モードを備え、スタンバイモードから省電力モードに移行するまでのタイムアウト時間をコンピュータから制御できる印刷装置と、これに接続された計算機装置からなる印刷システムであって、任意の動作モードで動作中に印刷データ等を受信しない所定の時間が経過すると他の動作モードに移行させるモード制御手段と、印刷データ等を受信しない時間を計測し、また所定の時間を変更する制御情報の受信や入力により所定の時間を変更、管理する時間情報処理手段を備え、印刷システムを構成する計算機装置には時間、時刻を計測し時刻情報を出力する計時手段と、所定の時間を決定する時間長決定手段と、所定の時間を印刷装置の制御情報として印刷装置に送信する送信手段を備える。
このような構成を有する従来の消費電力制御システムは次のように動作する。時間長決定手段は、時刻情報をもとに印刷装置が動作モードを切り替えるまでに経過を待つ、印刷データ等を受信しない時間長を決定する。送信手段は、時間長をもとに印刷装置の制御情報を構成し、印刷装置に対して送信する。制御情報を受信した印刷装置の時間情報処理手段は、制御情報から所定の時間を取り出し、管理する。モード制御手段はこれ以後、新しく指定された所定の時間を以って、該時間印刷データ等を受信しない時間が継続すると動作モードを切り替える。
すなわち、このような構成を有する従来の消費電力制御システムは、一日を複数の時間帯に分けて、それぞれについて異なるタイムアウト時間を設定できるようになるので、印刷装置を頻繁に使う時間帯(例えば昼間)にはタイムアウト時間を長く設定しておき、印刷データをウォームアップすることなく印刷処理することで利用者に対して高い利便性を提供でき、さらに印刷装置を余り使わない時間帯(例えば夜間)にはタイムアウト時間を短く設定しておき、印刷処理終了後に短時間で省電力モードに移行することで省エネルギー効果の向上を両立できるようになる。
特開2004−358859号公報(第1、6、10頁)
ところで、従来技術における印刷装置は、電子機器が待機状態の際に低消費電力モードに移行する時間である低消費電力モード設定時間(従来例におけるタイムアウト時間)が、電子機器の各々の利用者の利用状態に対応した制御を行っておらず、各々の利用者の利便性を維持した状態における消費電力削減の達成が十分でない虞がある。その理由は、従来技術における低消費電力モード設定時間は、昼夜など時刻のみに相関して設定されているためである。
また、従来技術においては予め設定した電気使用削減量の目標値を達成するような動的な消費電力制御ができない虞がある。その理由は、従来技術における低消費電力モード設定時間は、電気使用削減量の目標値を考慮して設定されていないためである。
本発明の第一の目的は、電子機器の各々の利用者の利用状態に対応した制御を行い、各々の利用者の利便性を維持した状態における消費電力削減を達成することにある。
また、本発明の第二の目的は、予め設定した電気使用削減量の目標値を達成するような動的な消費電力制御を行うことにある。
本発明の一つのアスペクトに係る電子機器の消費電力制御システムは、電子機器の過去の消費電力の推移に関する消費電力情報を入力する消費電力情報入力部と、消費電力情報から電子機器の過去の動作状態の推移に関する動作状態情報を算出する動作状態検出部と、動作状態情報から電子機器の利便性値を求め、予め設定した電気使用量削減目標値と動作状態情報と利便性値とから低消費電力モード新規設定情報を算出する低消費電力モード新規設定情報算出部と、予め設定された電子機器の低消費電力モード初期設定情報を蓄積する低消費電力モード初期設定情報蓄積部と、前回の低消費電力モード設定情報を低消費電力モード現在設定情報として蓄積する低消費電力モード現在設定情報蓄積部と、低消費電力モード新規設定情報と低消費電力モード初期設定情報と低消費電力モード現在設定情報とから低消費電力モード設定情報を算出する低消費電力モード設定情報算出部と、低消費電力モード設定情報を電子機器に出力すると共に低消費電力モード現在設定情報蓄積部に書き出す低消費電力モード設定情報出力部と、を備える。また、低消費電力モード新規設定情報算出部は、電子機器における制御区間ごとの待機状態から動作状態への移行回数を動作状態情報から算出する手段と、移行回数を単調減少関数で写像して利便性値とし、制御区間ごとの利便性値を算出する手段と、電気使用量削減目標値を、利便性値が大きいほど大きくなるように各制御区間に配分して制御区間毎に低消費電力モード新規設定情報に対応させる手段と、を備える。このような構成のシステムによれば、電子機器の利用者の利便性と電気使用量削減目標値の両方を考慮した電子機器の制御を行うことができ、本発明の目的を達成することができる。
の展開形態の電子機器の消費電力制御システムにおいて、低消費電力モード設定情報算出部は、低消費電力モード新規設定情報と低消費電力モード初期設定情報と低消費電力モード現在設定情報とにそれぞれ所定の重み付けをして結合した情報を求め、該情報に基づいて低消費電力モード設定情報を算出するようにしてもよい。
の展開形態の電子機器の消費電力制御システムにおいて、低消費電力モード新規設定情報、低消費電力モード初期設定情報、低消費電力モード現在設定情報、低消費電力モード設定情報は、それぞれ電子機器を低消費電力モードに設定する時間からなることが好ましい。
本発明の一つのアスペクトに係る電子機器の消費電力制御方法は、電子機器の過去の消費電力の推移に関する消費電力情報を入力するステップと、消費電力情報から電子機器の過去の動作状態の推移に関する動作状態情報を算出するステップと、動作状態情報から電子機器の利便性値を求め、予め設定した電気使用量削減目標値と動作状態情報と利便性値とから低消費電力モード新規設定情報を算出するステップと、低消費電力モード新規設定情報と、予め設定された電子機器の低消費電力モード初期設定情報と、前回の低消費電力モード設定情報である低消費電力モード現在設定情報との3つから低消費電力モード設定情報を算出するステップと、低消費電力モード設定情報を電子機器に出力すると共に低消費電力モード現在設定情報の替わりに置き換えるステップと、を含む。また、低消費電力モード新規設定情報を算出するステップにおいて、電子機器における制御区間ごとの待機状態から動作状態への移行回数を動作状態情報から算出し、移行回数を単調減少関数で写像して利便性値とし、制御区間ごとの利便性値を算出し、電気使用量削減目標値を、利便性値が大きいほど大きくなるように各制御区間に配分して制御区間毎に低消費電力モード新規設定情報に対応させる。このような方法によれば、電子機器の利用者の利便性と電気使用量削減目標値の両方を考慮した電子機器の制御を行うことができ、本発明の目的を達成することができる。
本発明の一つのアスペクトに係るプログラムは、消費電力制御システムを構成するコンピュータに、電子機器の過去の消費電力の推移に関する消費電力情報を入力する消費電力情報入力処理と、消費電力情報から電子機器の過去の動作状態の推移に関する動作状態情報を算出する動作状態検出処理と、動作状態情報から電子機器の利便性値を求め、予め設定した電気使用量削減目標値と動作状態情報と利便性値とから低消費電力モード新規設定情報を算出する低消費電力モード新規設定情報算出処理と、予め設定された電子機器の低消費電力モード初期設定情報を蓄積する低消費電力モード初期設定情報蓄積処理と、前回の低消費電力モード設定情報を低消費電力モード現在設定情報として蓄積する低消費電力モード現在設定情報蓄積処理と、低消費電力モード新規設定情報と、低消費電力モード初期設定情報と、低消費電力モード現在設定情報との3つから低消費電力モード設定情報を算出する低消費電力モード設定情報算出処理と、低消費電力モード設定情報を電子機器に出力すると共に低消費電力モード現在設定情報蓄積部に書き出す低消費電力モード設定情報出力処理と、を実行させる。また、低消費電力モード新規設定情報算出処理において、電子機器の動作状態情報から制御区間ごとの待機状態から動作状態への移行回数を算出する処理と、移行回数を単調減少関数で写像して制御区間ごとの利便性値を算出する処理と、電気使用量削減目標値を、利便性値が大きいほど大きくなるように各制御区間に配分して制御区間毎に低消費電力モード新規設定情報に対応させる処理と、を実行させる。このようなプログラムによれば、電子機器の利用者の利便性と電気使用量削減目標値の両方を考慮した電子機器の制御を行うことができ、本発明の目的を達成することができる。
本発明の第1の効果は、電子機器の利用者の利用状態に対応した制御を行い、利用者の利便性を維持した状態における消費電力削減を実現できることにある。その理由は、電子機器の消費電力情報を入力し、消費電力情報から電子機器の動作状態情報を算出することにより、電子機器の動作状態を把握できるためである。また、動作状態情報から、予め設定した制御区間ごとの待機状態から動作状態への移行回数を算出し、移行回数を単調減少関数で写像して制御区間ごとの利便性値を算出し、全体の電気使用量削減目標値を、利便性値が大きいほど大きくなるように各制御区間に配分し、電子機器の利用者の利便性を考慮した低消費電力モード新規設定情報を算出することにより、待機状態から動作状態への移行回数がより大きい区間、つまりより頻繁に操作を行っている区間ほど電気使用量削減目標値を小さく割り当てられるような制御を行うためである。
また、第2の効果は、ある電気使用削減量の目標値を達成するような動的な消費電力制御を行うことができることにある。その理由は、電子機器の動作状態情報と全体の電気使用量削減目標値から低消費電力モード新規設定情報を算出することにより、全体の電気使用量削減目標値を達成するような制御を行うためである。
次に、発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る消費電力制御システムの構成を示すブロック図である。図1において、消費電力制御システム100は、消費電力情報入力部101、動作状態検出部102、低消費電力モード新規設定情報算出部103、低消費電力モード設定情報算出部104、低消費電力モード初期設定情報蓄積部105、低消費電力モード現在設定情報蓄積部106、低消費電力モード設定情報出力部107を備える。
消費電力情報入力部101は、予め設定された設定期間における電子機器200の過去の消費電力の推移に関する情報である消費電力情報を入力し、消費電力情報を動作状態検出部102に出力する機能を持つ。
動作状態検出部102は、消費電力情報入力部101から受信した消費電力情報から、設定期間における電子機器200の過去の動作、待機、停止等の動作状態の推移に関する情報である動作状態情報を算出し、動作状態情報を低消費電力モード新規設定情報算出部103に出力する機能を持つ。
低消費電力モード新規設定情報算出部103は、動作状態検出部102から受信した動作状態情報から、予め設定され、設定期間よりも小さな値である制御区間ごとの待機状態から動作状態への移行回数を算出し、移行回数を単調減少関数で写像して制御区間ごとの値、すなわち電子機器の状態持続状況を表す利便性値を算出する機能を持つ。そして、設定期間における電気使用量削減目標値を、利便性値が大きいほど大きくなるように各制御区間に配分し、設定期間における電子機器200の利用者の利便性を考慮した低消費電力モード設定情報である低消費電力モード新規設定情報を算出し、低消費電力モード新規設定情報を低消費電力モード設定情報算出部104に出力する機能を持つ。
低消費電力モード設定情報算出部104は、低消費電力モード新規設定情報算出部103から受信した低消費電力モード新規設定情報と、低消費電力モード初期設定情報蓄積部105から読み出した低消費電力モード初期設定情報と、低消費電力モード現在設定情報蓄積部106から読み出した低消費電力モード現在設定情報との3つから、設定期間における電子機器200の利用者の利便性を考慮した低消費電力モード設定情報を算出する。ここで、低消費電力モード新規設定情報と低消費電力モード初期設定情報と低消費電力モード現在設定情報とにそれぞれ所定の重み付けをして結合した情報を求め、この情報に基づいて低消費電力モード設定情報を算出する。算出した低消費電力モード設定情報を電子機器200の制御のために低消費電力モード設定情報出力部107に出力する機能を持つ。
低消費電力モード初期設定情報蓄積部105は、設定期間における電子機器200の低消費電力モード初期設定情報を蓄積し、低消費電力モード設定情報算出部104が参照することを可能にする機能を持つ。
低消費電力モード現在設定情報蓄積部106は、低消費電力モード設定情報出力部107から送信された設定期間における電子機器200の低消費電力モード設定情報を、次回の低消費電力モード現在設定情報として入力して蓄積し、低消費電力モード設定情報算出部104が参照することを可能にする機能を持つ。
低消費電力モード設定情報出力部107は、低消費電力モード設定情報算出部104から入力した低消費電力モード設定情報を電子機器200に出力すると共に、低消費電力モード設定情報を低消費電力モード現在設定情報蓄積部106に書き出す機能を持つ。
次に、消費電力制御システム100の動作について詳細に説明する。図2は、本発明の実施の形態に係る消費電力制御システムの動作を示すフローチャートである。
まず、消費電力情報入力部101は、予め設定された期間(例えば1日)における電子機器200の過去(例えば前日)の消費電力(W)の推移に関する情報である消費電力情報を入力し(図2のステップA1)、消費電力情報を動作状態検出部102に出力する(図2のステップA2)。
動作状態検出部102は、消費電力情報を受信し(図2のステップA3)、予め設定された電子機器200の動作状態と待機状態の消費電力閾値、および待機状態と停止状態の閾値を用いて、設定期間における電子機器200の過去の動作、待機、停止等の動作状態(例えば、動作状態を3、待機状態を2、停止状態を1という量子化した数値で表現する)の推移に関する情報である動作状態情報を算出し、動作状態情報を低消費電力モード新規設定情報算出部103に出力する(図2のステップA4)。
低消費電力モード新規設定情報算出部103は、動作状態情報を受信し(図2のステップA5)、設定期間よりも小さな値である制御区間(例えば10分)ごとの制御区間ごとの待機状態から動作状態への移行回数を算出し、移行回数を単調減少関数で写像して制御区間ごとの利便性値を算出する(図2のステップA6)。次に、設定期間における電気使用量削減目標値(Wh)を、利便性値が大きいほど大きくなるように各制御区間に配分し、設定期間における電子機器200の利用者の利便性を考慮した低消費電力モード設定情報である、低消費電力モード新規設定情報を算出し、低消費電力モード新規設定情報を低消費電力モード設定情報算出部104に出力する(図2のステップA7)。
低消費電力モード初期設定情報蓄積部105は、設定期間における電子機器200の低消費電力モード初期設定情報を蓄積する(図2のステップA8)。
低消費電力モード現在設定情報蓄積部106は、前回の低消費電力モード現在設定情報を蓄積する(図2のステップA9)。
低消費電力モード設定情報算出部104は、低消費電力モード新規設定情報を受信する(図2のステップA10)。
低消費電力モード初期設定情報蓄積部105は、蓄積されている低消費電力モード初期設定情報を読み出し(図2のステップA11)、低消費電力モード設定情報算出部104は、低消費電力モード初期設定情報を読み込む(図2のステップA12)。
低消費電力モード現在設定情報蓄積部106は、蓄積されている低消費電力モード現在設定情報を読み出し(図2のステップA13)、低消費電力モード設定情報算出部104は、低消費電力モード現在設定情報を読み込む(図2のステップA14)。
低消費電力モード設定情報算出部104は、低消費電力モード新規設定情報、低消費電力モード初期設定情報、低消費電力モード現在設定情報の3つより制御区間ごとの低消費電力モード設定時間を算出し、設定期間における電子機器200の利用者の利便性を考慮した低消費電力モード設定情報を算出し、低消費電力モード設定情報を低消費電力モード設定情報出力部107に出力する(図2のステップA15)。
低消費電力モード設定情報出力部107は、低消費電力モード設定情報算出部104から低消費電力モード設定情報を受信し(図2のステップA16)、低消費電力モード設定情報を電子機器200に送信し(図2のステップA17)、低消費電力モード設定情報を低消費電力モード現在設定情報蓄積部106に書き出す(図2のステップA18)。
低消費電力モード現在設定情報蓄積部106は、低消費電力モード設定情報を低消費電力モード現在設定情報として書き込む(図2のステップA19)。
次に、具体的な実施例に即して消費電力制御システムの動作について説明する。ここで制御対象となる電子機器は、標準消費電力59Wのデスクトップ型パソコンであるとする。
消費電力情報入力部101は、デスクトップ型パソコンの消費電力情報として、電子機器200の昨日0時から24時までの1分間ごとの消費電力推移のデータを入力する。ここで、m分後(0≦m≦1440)の消費電力値をp(W)とする。
動作状態検出部102は、消費電力情報を以下の論理により動作状態情報として動作状態値qを算出する。
(1)t<pならば、q=3
(2)t≦p≦tならば、q=2
(3)p<tならば、q=1
ここで、動作状態をq=3、待機状態をq=2、停止状態をq=1とする。また、tは、動作状態と待機状態との間の消費電力閾値で、例えばt=53(W)である。さらに、tは、待機状態と停止状態との間の消費電力閾値で、例えばt=6(W)である。
以上のようにして求められるqは、pを離散化して階段関数にしたものを表す。qは、以下に説明するように、動作状態から待機状態への移行回数xをカウントするために用いられる。
低消費電力モード新規設定情報算出部103は、制御区間10分の区間i(0≦i≦144)ごとの動作状態から待機状態への移行回数xおよび待機状態時間wを入力する。図3は、ある区間iにおける消費電力の変化(動作状況)の例であり、この場合x=4である。
次に、例えば、下記に示すような式により、低消費電力モード新規設定情報として区間iの低消費電力モード設定時間y(分)を算出して出力する。
Figure 0004692342
ここで、Qは1日の電気使用量削減目標値であって、例えばQ=50(Wh)である。Rは、低消費電力モードを適用した場合と適用しない場合との消費電力の差であり、例えばR=21(W)である。yminは定数で、ymin=1である。min(x,y)は、xとyの小さい方の値を与える関数である。
また、f(x)は、x≧0で0以上の値を与える所定の単調減少関数であり、f(x)が電子機器の状態持続状況を表す利便性値に相当する。f(x)としては、例えば以下のいずれかに示すような式が好適である。
Figure 0004692342
但し、a、b、cは、定数で、a>0、b>0である。
f(x)のような単調減少関数を用いることで、区間iにおける電気使用量削減目標値の割当量を、移行回数xが大きい区間、すなわち頻繁に動作する区間ほど小さくなるように設定して、ユーザの利便性の確保を図る。
低消費電力モード初期設定情報蓄積部105には、低消費電力モード初期設定情報として区間iの低消費電力モード設定時間の初期値aが蓄積されている。ここでは、全てのiについてa=1(分)とする。また、低消費電力モード現在設定情報蓄積部106には、低消費電力モード現在設定情報として区間iの低消費電力モード設定時間の現在値b(分)が蓄積されている。ここでは、前回の制御のために決定した低消費電力モード設定時間が蓄積されている。
低消費電力モード設定情報算出部104は、例えば下記に示すような式により、低消費電力モード設定情報として区間iの低消費電力モード設定時間s(分)を算出して出力する。
Figure 0004692342
ここで、sminは定数で、smin=1である。また、g(x,y,z)は、x≧0、y≧0、z≧0で0以上の値を与え、x、y、zを混合するような関数である。例えば、以下の示すような線形結合による式が好適である。
Figure 0004692342
但し、X、Y、Zは、定数である。
低消費電力モード設定情報出力部107は、現在時刻に対応する低消費電力モード設定時間sを、10分ごとにデスクトップ型パソコンに送信し、パソコンの低消費電力モード設定時間を書き換え、省エネ制御を行う。また、低消費電力モード設定時間sを低消費電力モード現在設定情報蓄積部106に書き込む。
例えば、2月6日の低消費電力モード設定時間sを算出するにあたり、前日の2月5日の0時から24時までの1分間ごとの消費電力値pの入力を受けてyを算出し、aとbとyとからsを算出する。ここで、bは、2月5日のsと同じ値である。そして、sの算出後に、b←sとしてbに2月6日のsを保存することで、翌日の2月7日の低消費電力モード設定時間sを算出する。
以上のように消費電力制御システムは、パソコンの利用状況に対応した制御を行い、利用者の利便性を維持した状態で、予め設定した電気使用削減量の目標値を達成するような動的な消費電力制御を行う。
なお、低消費電力モード設定情報は、デスクトップ型パソコンの本体の低消費電力モード設定時間であるとして説明したが、本体だけでなくモニタやハードディスクなどの個別ユニットや印刷機、さらに家電製品等における低消費電力モード設定時間にも同様に適用できることはいうまでもない。
本発明によれば、オフィスや家庭で利用されるパソコン等の電子機器の消費電力削減システムや、消費電力削減システムをコンピュータに実現するためのプログラムといった用途に適用できる。また、オフィスや家庭における省エネ活動、環境推進活動を管理するためのシステムといった用途にも適用できる。
本発明の実施の形態に係る消費電力制御システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る消費電力制御システムの動作を示すフローチャートである。 消費電力の変化(動作状況)の例を示す図である。
符号の説明
100 消費電力制御システム
101 消費電力情報入力部
102 動作状態検出部
103 低消費電力モード新規設定情報算出部
104 低消費電力モード設定情報算出部
105 低消費電力モード初期設定情報蓄積部
106 低消費電力モード現在設定情報蓄積部
107 低消費電力モード設定情報出力部
200 電子機器

Claims (9)

  1. 電子機器の過去の消費電力の推移に関する消費電力情報を入力する消費電力情報入力部と、
    前記消費電力情報から前記電子機器の過去の動作状態の推移に関する動作状態情報を算出する動作状態検出部と、
    前記動作状態情報から前記電子機器の利便性値を求め、予め設定した電気使用量削減目標値と前記動作状態情報と前記利便性値とから低消費電力モード新規設定情報を算出する低消費電力モード新規設定情報算出部と、
    予め設定された前記電子機器の低消費電力モード初期設定情報を蓄積する低消費電力モード初期設定情報蓄積部と、
    前回の低消費電力モード設定情報を低消費電力モード現在設定情報として蓄積する低消費電力モード現在設定情報蓄積部と、
    前記低消費電力モード新規設定情報と前記低消費電力モード初期設定情報と前記低消費電力モード現在設定情報とから低消費電力モード設定情報を算出する低消費電力モード設定情報算出部と、
    前記低消費電力モード設定情報を前記電子機器に出力すると共に前記低消費電力モード現在設定情報蓄積部に書き出す低消費電力モード設定情報出力部と、
    を備え
    前記低消費電力モード新規設定情報算出部は、
    前記電子機器における制御区間ごとの待機状態から動作状態への移行回数を前記動作状態情報から算出する手段と、
    前記移行回数を単調減少関数で写像して前記利便性値とし、前記制御区間ごとの前記利便性値を算出する手段と、
    前記電気使用量削減目標値を、前記利便性値が大きいほど大きくなるように各制御区間に配分して制御区間毎に前記低消費電力モード新規設定情報に対応させる手段と、
    を備えることを特徴とする電子機器の消費電力制御システム。
  2. 前記低消費電力モード設定情報算出部は、前記低消費電力モード新規設定情報と前記低消費電力モード初期設定情報と前記低消費電力モード現在設定情報とにそれぞれ所定の重み付けをして結合した情報を求め、該情報に基づいて前記低消費電力モード設定情報を算出することを特徴とする請求項1記載の電子機器の消費電力制御システム。
  3. 前記低消費電力モード新規設定情報、前記低消費電力モード初期設定情報、前記低消費電力モード現在設定情報、前記低消費電力モード設定情報は、それぞれ前記電子機器を低消費電力モードに設定する時間からなることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器の消費電力制御システム。
  4. 電子機器の過去の消費電力の推移に関する消費電力情報を入力するステップと、
    前記消費電力情報から前記電子機器の過去の動作状態の推移に関する動作状態情報を算出するステップと、
    前記動作状態情報から前記電子機器の利便性値を求め、予め設定した電気使用量削減目標値と前記動作状態情報と前記利便性値とから低消費電力モード新規設定情報を算出するステップと、
    前記低消費電力モード新規設定情報と、予め設定された前記電子機器の低消費電力モード初期設定情報と、前回の低消費電力モード設定情報である低消費電力モード現在設定情報との3つから低消費電力モード設定情報を算出するステップと、
    前記低消費電力モード設定情報を前記電子機器に出力すると共に前記低消費電力モード現在設定情報の替わりに置き換えるステップと、
    を含み、
    前記低消費電力モード新規設定情報を算出するステップにおいて、
    前記電子機器における制御区間ごとの待機状態から動作状態への移行回数を前記動作状態情報から算出し、
    前記移行回数を単調減少関数で写像して前記利便性値とし、前記制御区間ごとの前記利便性値を算出し、
    前記電気使用量削減目標値を、前記利便性値が大きいほど大きくなるように各制御区間に配分して制御区間毎に前記低消費電力モード新規設定情報に対応させることを特徴とする電子機器の消費電力制御方法。
  5. 前記低消費電力モード設定情報を算出するステップにおいて、前記低消費電力モード新規設定情報と前記低消費電力モード初期設定情報と前記低消費電力モード現在設定情報とに対してそれぞれ所定の重み付けをして結合した情報を求め、該情報に基づいて前記低消費電力モード設定情報を算出することを特徴とする請求項記載の電子機器の消費電力制御方法。
  6. 前記低消費電力モード新規設定情報、前記低消費電力モード初期設定情報、前記低消費電力モード現在設定情報、前記低消費電力モード設定情報は、それぞれ前記電子機器を低消費電力モードに設定する時間からなることを特徴とする請求項4または5に記載の電子機器の消費電力制御方法。
  7. 消費電力制御システムを構成するコンピュータに、
    電子機器の過去の消費電力の推移に関する消費電力情報を入力する消費電力情報入力処理と、
    前記消費電力情報から前記電子機器の過去の動作状態の推移に関する動作状態情報を算出する動作状態検出処理と、
    前記動作状態情報から前記電子機器の利便性値を求め、予め設定した電気使用量削減目標値と前記動作状態情報と前記利便性値とから低消費電力モード新規設定情報を算出する低消費電力モード新規設定情報算出処理と、
    予め設定された前記電子機器の低消費電力モード初期設定情報を蓄積する低消費電力モード初期設定情報蓄積処理と、
    前回の低消費電力モード設定情報を低消費電力モード現在設定情報として蓄積する低消費電力モード現在設定情報蓄積処理と、
    前記低消費電力モード新規設定情報と、前記低消費電力モード初期設定情報と、前記低消費電力モード現在設定情報との3つから低消費電力モード設定情報を算出する低消費電力モード設定情報算出処理と、
    前記低消費電力モード設定情報を電子機器に出力すると共に前記低消費電力モード現在設定情報蓄積部に書き出す低消費電力モード設定情報出力処理と、
    を実行させ
    前記低消費電力モード新規設定情報算出処理において、
    電子機器の動作状態情報から制御区間ごとの待機状態から動作状態への移行回数を算出する処理と、
    前記移行回数を単調減少関数で写像して制御区間ごとの利便性値を算出する処理と、
    電気使用量削減目標値を、前記利便性値が大きいほど大きくなるように各制御区間に配分して制御区間毎に前記低消費電力モード新規設定情報に対応させる処理と、
    を実行させるためのプログラム。
  8. 前記低消費電力モード設定情報算出処理において、前記低消費電力モード新規設定情報と前記低消費電力モード初期設定情報と前記低消費電力モード現在設定情報とに対してそれぞれ所定の重み付けをして結合した情報を求め、該情報に基づいて前記低消費電力モード設定情報を算出することを特徴とする請求項記載のプログラム。
  9. 前記低消費電力モード新規設定情報、前記低消費電力モード初期設定情報、前記低消費電力モード現在設定情報、前記低消費電力モード設定情報は、それぞれ前記電子機器を低消費電力モードに設定する時間からなることを特徴とする請求項7または8に記載のプログラム。
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