JP4670575B2 - 統計比較処理装置 - Google Patents
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Description
このような調査では、イベントや施策の前後でアンケート質問やデータ測定を行って、当該イベント等の効果を計る等の目的でアンケート回答や測定値を比較したい場合がある。
このように部分的に構成者が異なる対象者集合から得られた2つのアンケート回答や測定値の変化は、統計的には、母集団(対象者集合)の平均の最尤推定値はその構成者の平均値となるため、単純に平均をとって比較されてしまうことが多い。
しかしながら、χ二乗適合度検定をそのまま使っても、変化したことが判別できても、それが実質の変化なのか、メンバ(対象者集合の構成者)が変わったことによる変化なのかは、判断できない。
また、変動がメンバによるものか、測定や回答時の条件によるものかをF検定によって求める方法もあるものの、メンバが同じである必要があるため判定できない。
また、時間的な変化を伴う故障診断のため、シミュレーション結果と時系列データを比較する提案もなされているが、この提案は前後のデータの比較ではない(特許文献2参照。)。
また、F検定は、一部のデータが欠けても検定は可能なものの、検定精度が大幅に下がるため、メンバのほとんどが同じでなければ、極端に検定精度が低くなるため、F検定を単純に適用しても実質的に比較ができないという課題がある。
また、本発明では、上記所定の統計的な有意差として、第1のデータと第2のデータとについて同じ値を用いることも或いは異なる値を用いることもでき、要は、処理の必要性や目的等に応じて任意に設定すればよい。
図1には本例に係る統計比較処理装置の構成を示してあり、本例では統計処理方法としてχ二乗適合度検定を用いている。
まず、本例の統計比較処理装置を説明するに先立って、対象者集合のメンバ(構成者)に部分的な相違がある場合に、第1データ及び第2のデータから比較に用いる比較用第1データ及び比較用第2のデータを選択する方法について図2〜図4を参照して説明する。
時間的に前後のアンケートに回答したメンバの集合に部分的にメンバの変更があると、メンバ集合1は、時間的に前のアンケートと後のアンケートの両方に回答した共通回答者(共通メンバ)3と、時間的に前のアンケートだけに回答した一時的回答者(その時点のみのメンバ)4とから成っている。また同様に、メンバ集合2は、時間的に前のアンケートと後のアンケートの両方に回答した共通回答者(共通メンバ)3と、時間的に後のアンケートだけに回答した一時的回答者(その時点のみのメンバ)5とから成っている。
図3は、時間的前のアンケート(事前調査)に対する回答分布に共通メンバと一時的メンバとの間で比較的大きな差があり(a)、時間的後のアンケート(事後調査)に対する回答分布に共通メンバと一時的メンバとの間で殆ど差がない(b)場合を示している。
この分布の差は、任意に設定した値を基準として、設定値より大きな差がる場合は「有意差あり」、設定値より小さな差の場合は「有意差なし」とする。
なお、選択された回答データは、事前調査回答(第1のデータ)と事後調査回答(第2のデータ)との間に差があるかを統計処理するために用いられる。
なお、比較データ抽出手段15には図4に示す選択ルールが予め設定されており、比較データ抽出手段15は当該選択ルールに従って比較用の事前データと比較用の事後データとを抽出する。
事前データ記憶手段11と事後データ記憶手段12とにそれぞれ事前データと事後データとが記録されている状態で、メンバデータ層別手段13が、事前データと事後データに付加されている回答者情報や被験者情報により、事前データと事後データで共通するメンバのデータを抽出する(ステップS1)。なお、オンラインアンケートの場合、無記名であっても個別の識別子などによって回答者を特定できるようにしておくことで、回答者が同じことを特定できるようにするようにしてもよい。
次いで、比較データ抽出手段15が、事前データメンバ間検定(ステップS2)と事後データメンバ間検定(ステップS3)の結果に基づいて、有意差があるか否かにより選択ルールに従って前後の比較に用いる比較用事前データと比較用事後データを抽出する(ステップS4)。
そして、出力手段17が前後データ比較手段16の検定結果を出力または記録する(ステップS6)。
なお、事前データメンバ間検定(ステップS2)と、事後データメンバ間検定(ステップS3)と、前後比較(ステップS5)は、同様な統計処理を行うので、同じ統計処理機能を呼び出すように共通化してもよい。
図6には、イベントの事前回答結果及び事後回答結果を示してあり、共通メンバは1〜26の番号を付し、事前アンケートの一時的メンバは27〜51の番号を付し、事後アンケートの一時的メンバは52〜75の番号を付して示し、それぞれが回答した選択肢番号「1」又は「2」又は「3」を示してある。
なお、本例のアンケートでは、事前アンケートのメンバ総数は51人、事後アンケートのメンバ総数は50人であるが、これら前後のメンバ数が同じであってもよく、本発明ではメンバ総数の同一性について特段の限定はない。
すなわち、回答毎の比率が共通メンバと事前のみの一時的メンバとの間で変わらないと仮定し、 χ二乗適合度検定により有意差をみると、式(1)に示すように、事前メンバ間の場合は、危険率を5%で判定して有意差がないため、メンバ間に有意差があるとは言えないという結果になった。
同様に、回答毎の比率が共通メンバと事後のみの一時的メンバとの間で変わらないと仮定し、 χ二乗適合度検定により有意差をみると、式(2)に示すように、事後メンバ間の場合は、危険率5%で有意差があり、メンバ間には差があるという結果になった。
なお、事前データの全平均は2.019608、事後データの全平均は2.02で変化はないように見える。事後データの共通メンバのみの平均は2.346154である。
同様に、回答毎の比率が前後間で変わらないと仮定し、χ二乗適合度検定により有意差をみると、式(3)に示すように、危険率5%で有意差があり、前後間で差がある(変化があった)とみなせる結果になった。
同様に、回答毎の比率が前後間で変わらないと仮定し、χ二乗適合度検定により、有意差をみると、式(4)に示すように、全データを使った前後間の比較では有意差はなく、前後での変化はなかったものとみなされるため、上記の本例と較べると、前後の変化を見落とす結果になってしまう。
したがって、本発明を適用することにより、回答者もしくは被験者の変化の影響を排除して、事前データと事後データとの正しい比較が可能になる。
図11には、両アンケートの回答結果を示してあり、共通メンバは1〜20の番号を付し、一方(対象Aについて)のアンケートの一時的メンバは21〜40の番号を付し、他方(対象Bについて)のアンケートの一時的メンバは41〜60の番号を付して示し、それぞれが回答(選択)した結果「0:YES」又は「1:NO」を示してある。
なお、本例は、例えば、政党Aを指示するかどうか、政党Bを指示するかどうかという別々の調査の結果を比べるような場合や、製品Aを購入したいと思うかと、製品Bを購入したいと思うかという調査結果を比べる場合に相当する。
回答毎の比率が共通メンバと対象Aのみの一時的メンバとの間で変わらないと仮定し、χ二乗適合度検定により有意差をみると、式(5)に示すように、対象Aの評価におけるメンバ間の比較では、危険率5%として有意差があり、メンバ間に差があるという結果になった。
同様に、回答毎の比率が共通メンバと対象Bのみの一時的メンバとの間で変わらないと仮定し、χ二乗適合度検定により有意差をみると、式(6)に示すように、対象Bの評価におけるメンバ間の比較では、危険率を5%で判定して、有意差がなく、メンバ間には差があるとは言えないという結果になった。
すなわち、上記の結果、対象Aのデータでは有意差あり、対象Bのデータでは有意差なしという結果だったので、対象Aのデータは共通メンバのデータのみを利用し、対象Bのデータは全てのデータを利用する。
本例では、対象Aのデータはメンバ1〜20まで、対象Bのデータはメンバ1〜20と41〜60までのデータを利用する。
同様に、回答毎の比率が前後間で変わらないと仮定し、χ二乗適合度検定により有意差をみると、式(7)に示すように、危険率5%で有意差がなく、対象AB間で差がない(変化がなかった)とみなせる結果になった。
同様に、回答毎の比率が対象間で変わらないと仮定し、χ二乗適合度検定により、有意差をみると、式(8)に示すように、全データを使った比較では有意差があり、対象間での変化があったものとみなされる。
また、本発明はアンケートの回答に限らず、例えば脈拍や血圧のような対象者から直接的に取得する測定値データに関しても、例えば、測定値を高血圧、正常、低血圧というようにいくつかのカテゴリに分類すれば、そのまま適用が可能である。
3:共通メンバ、 4:事前一時的メンバ、
5:事後一時的メンバ、 11:事前データ記憶手段、
12:事後データ記憶手段、 13:メンバデータ層別手段、
14:メンバ間比較手段、 15:比較データ抽出手段、
16:前後データ比較手段、 17:出力手段、
Claims (6)
- 複数の対象者から取得した第1と第2のデータを統計的に比較処理する統計比較処理装置であって、
統計比較処理装置は、データ記憶手段と、出力手段と、比較データ抽出手段と、データ比較手段とを備え、
前記データ記憶手段は、第1対象者集合と第2対象者集合から取得した第1のデータと第2のデータを統計的比較処理のために保持し、
前記比較データ抽出手段は、前記データ記憶手段に保持された第1のデータを取得した第1対象者集合と前記データ記憶手段に保持された第2のデータを取得した第2対象者集合との構成者に部分的に変更がある状況に対して、当該第1のデータについて第1対象者集合と第2対象者集合とに共通して属した共通対象者から取得した第1のデータと当該第1対象者集合にだけ属した一時的対象者から取得した第1のデータとの間に所定の統計的な有意差がある場合には当該共通対象者から取得した第1のデータを比較用第1データとして選択する一方、当該第1のデータについて当該所定の統計的な有意差がない場合には当該第1対象者集合から取得した全ての第1のデータを比較用第1データとして選択し、また、当該第2のデータについて前記共通対象者から取得した第2のデータと前記第2対象者集合にだけ属した一時的対象者から取得した第2のデータとの間に所定の統計的な有意差がある場合には当該共通対象者から取得した第2のデータを比較用第2データとして選択する一方、当該第2のデータについて当該所定の統計的な有意差がない場合には前記第2対象者集合から取得した全ての第2のデータを比較用第2データとして選択する処理を行い、
前記データ比較手段は、前記比較データ抽出手段が選択した比較用第1データと比較用第2データと統計処理して両データ間の差を算出する処理を行い、
前記出力手段は、前記データ比較手段が算出したデータ間の差に係る情報を出力することを特徴とする統計比較処理装置。 - 請求項1に記載の統計比較処理装置において、
前記第1のデータと第2のデータから、前記共通対象者から取得した第1のデータと第2のデータ、前記第1対象者集合の一時的対象者から取得した第1のデータ、及び、前記第2対象者集合の一時的対象者から取得した第2のデータを分離するメンバデータ層別手段と、
前記共通対象者から取得した第1のデータと前記第1対象者集合の一時的対象者から取得した第1のデータとの間に前記所定の統計的な有意差があるか否かを判定するとともに、当該共通対象者から取得した第2のデータと前記第2対象者集合の一時的対象者から取得した第2のデータとの間に前記所定の統計的な有意差があるか否かを判定するメンバ間比較手段と、を更に備え、
前記比較データ抽出手段は、前記メンバ間比較手段の判定結果に応じて前記比較用第1データと比較用第2データを選択することを特徴とする統計比較処理装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の統計比較処理装置において、
前記第1のデータと第2のデータとは時間を違えて対象者から取得した質問に対する回答データであることを特徴とする統計比較処理装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の統計比較処理装置において、
前記第1のデータと第2のデータとは評価対象を違えて対象者から取得した質問に対する回答データであることを特徴とする統計比較処理装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の統計比較処理装置において、
前記第1のデータと第2のデータとは対象者を測定することで取得したデータであることを特徴とする統計比較処理装置。 - 複数の対象者から取得した第1と第2のデータを統計的に比較処理する統計比較処理装置を、コンピュータにより構成するプログラムであって、
統計比較処理装置は、第1対象者集合と第2対象者集合から取得した第1のデータと第2のデータを統計的比較処理のために保持するデータ記憶手段と、比較データ抽出手段と、データ比較手段と、前記データ比較手段が算出したデータ間の差に係る情報を出力する出力手段と、を備え、
コンピュータに、
前記データ記憶手段に保持された第1のデータを取得した第1対象者集合と前記データ記憶手段に保持された第2のデータを取得した第2対象者集合との構成者に部分的に変更がある状況に対して、当該第1のデータについて第1対象者集合と第2対象者集合とに共通して属した共通対象者から取得した第1のデータと当該第1対象者集合にだけ属した一時的対象者から取得した第1のデータとの間に所定の統計的な有意差がある場合には当該共通対象者から取得した第1のデータを比較用第1データとして選択する一方、当該第1のデータについて当該所定の統計的な有意差がない場合には当該第1対象者集合から取得した全ての第1のデータを比較用第1データとして選択し、また、当該第2のデータについて前記共通対象者から取得した第2のデータと前記第2対象者集合にだけ属した一時的対象者から取得した第2のデータとの間に所定の統計的な有意差がある場合には当該共通対象者から取得した第2のデータを比較用第2データとして選択する一方、当該第2のデータについて当該所定の統計的な有意差がない場合には前記第2対象者集合から取得した全ての第2のデータを比較用第2データとして選択する比較データ抽出手段と、
前記出力手段による出力に供するために、前記比較データ抽出手段が選択した比較用第1データと比較用第2データと統計処理して両データ間の差を算出するデータ比較手段と、
を構成することを特徴とする統計比較処理プログラム。
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