JP4656620B2 - Preparation of sucrose phosphorylase - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクロースホスホリラーゼ調製物を得る方法およびスクロースホスホリラーゼ調製物に関する。
【0002】
【従来の技術】
スクロースホスホリラーゼは、無機リン酸の存在下でスクロースに作用してグルコース−1−リン酸とフルクトースとを生成させる酵素である。スクロースホスホリラーゼを例えばホスホグルコムターゼおよびグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼなどと組み合せて無機リン酸またはスクロースの定量分析に適用することができる。そのため、スクロースホスホリラーゼは、診断用酵素などとして有用である。
【0003】
また、スクロースホスホリラーゼをホスホリラーゼと組み合せて用いることにより、アミロース、デンプン、グリコーゲンなどのグルカンに、糖単位をα−1,4−グルコシド結合によって連結して糖鎖を伸長させることができる。
【0004】
スクロースホスホリラーゼを上述の目的に用いるためには、いくつかの夾雑酵素を除去し、スクロースホスホリラーゼの純度をある程度高めることが好ましい。例えば、ホスホグルコムターゼおよびグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼとともにスクロースホスホリラーゼを用いて無機リン酸を定量する場合、ホスファターゼをあらかじめ除去しておくことが好ましい。α−1,4−グルコシド結合によって糖単位をグルカンに付加する伸長反応にスクロースホスホリラーゼを用いる場合、ホスファターゼに加えて、アミラーゼなども除去しておくことが好ましい。
【0005】
スクロースホスホリラーゼを持っている微生物としては、例えば、以下が公知である。ロイコノストック メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)、ストレプトコッカス ミュータンス(Streptococcus mutans)、シュードモナス種(Pseudomonas sp.)、クロストリジウム種(Clostridium sp.)、プルラリア プルランス(Pullularia pullulans)、アセトバクター キシリヌム(Acetobacter xylinum)、アグロバクテリウム種(Agrobacterium sp.)、シネココッカス種(Synecococcus sp.)、大腸菌(E.coli)、アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)、モニリア シトフィラ(Monilia sitophila)、スクレロチネア エスセロチオルム(Sclerotinea escerotiorum)、クラミドモナス種(Chlamydomonas sp.)。スクロースホスホリラーゼを含むこれらの微生物の菌体の抽出液、あるいはこれらの微生物の培養上清からスクロースホスホリラーゼを調製する場合、従来、通常のイオン交換クロマトグラフィーなどの手法が用いられている。これまで、スクロースホスホリラーゼを調製するために熱処理工程を行ったという報告はない。従来のイオン交換クロマトグラフィーを用いた精製では、夾雑タンパク質を多く含む菌体の抽出物、培養上清などをカラムに流すために、カラムに対する負荷が大きく、それゆえ、大きなカラムで精製を行う必要があった。コストおよび時間がかかるという問題点があった。また、イオン交換クロマトグラフィー以外の簡便な精製方法(例えば、硫酸アンモニウム沈澱法)では、アミラーゼなどの夾雑酵素を除去することが難しい。そのため、スクロースホスホリラーゼを用いて合成されるアミロースの分子量が小さいという問題があった。また、ホスファターゼが混在するとアミロース合成が阻害され、アミロースの収率が低くなるという問題もあった。さらに、スクロースホスホリラーゼ以外のスクロース分解酵素が混在すると、スクロースおよびリン酸の定量分析に使えないことなどがあった。このように、スクロースホスホリラーゼを産業用途に利用するために、その簡便な調製法が求められている。
【0006】
特開平2−23866(発明の名称:シュクロースホスホリラーゼの安定化法)には、スクロースホスホリラーゼを安定化させる方法が示されている。この方法ではまず、ロイコノストック メセンテロイデス由来のスクロースホスホリラーゼを粗精製する。次いで、粗精製したスクロースホスホリラーゼに、糖類および有機酸を1%(w/v)以上添加するか、あるいはアルカリ金属の塩、アルカリ土類金属の塩、またはキレート剤を5mM程度以上添加し、さらにアミノ酸を10mM程度以上含有させる。この溶液を凍結乾燥して、粉末酵素を得る。その粉末酵素を30℃、30日間保存した結果、無添加(残存活性68%)と比較して、残存活性が高い(83〜94%)。さらにこの酵素粉末は4℃で保存した場合、6ヶ月以上安定である。しかし、特開平2−23866は、スクロース溶液中で加熱することによるスクロースホスホリラーゼの調製方法も精製方法も開示していない。
【0007】
他の酵素調製法としては、熱に安定な酵素の調製に、熱処理工程を加える方法が挙げられる。この方法の例は多数報告されている。また、基質を添加すると、酵素の熱安定性が上がる例がいくつか公開されている。例えば、アミラーゼはデンプンが存在すると、耐熱性が高くなる。ホスホリラーゼは、リン酸、グルコース−1−リン酸などが存在すると、耐熱性が高くなる。これらの場合、一般に基質濃度が上がるにつれて(飽和点はあるものの)、耐熱性が高くなる。
【0008】
しかし、このような基質による酵素の安定化は決して一般的なものとは言えない。例えば、スクロースホスホリラーゼに基質であるフルクトースまたはリン酸を添加しても、熱安定化効果は見られない。
【0009】
従って、スクロースホスホリラーゼがスクロースの添加により耐熱化されることは、容易に推測できなかった。まして、スクロースホスホリラーゼの調製において最適なスクロース濃度が存在し、それよりも高濃度でも低濃度でも、調製効率が下がることは全く予想できなかった。
【0010】
さらに、従来公知の一般的な調製方法(例えば、クロマトグラフィー、透析、沈澱法など)でスクロースホスホリラーゼの純度を上げることにより比活性を上げようとすると、スクロースホスホリラーゼが変性し易いという欠点がある。あるいは、カラムの前処理または洗浄等に多大な工数を要したり、または極めて高額な設備が工業的量産のために必要であるという欠点がある。このため、従来技術においては、工業的量産規模で実用的なコストでスクロースホスホリラーゼを精製する方法はなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点の解決を意図するものであり、スクロースホスホリラーゼの簡便な調製方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のスクロースホスホリラーゼ調製物の調製方法は、スクロースホスホリラーゼおよびスクロースを含む溶液を、スクロースホスホリラーゼによる酵素反応が実質的に起こらない条件下で加熱する工程を包含する。
【0013】
1つの実施態様では、上記スクロースホスホリラーゼ調製物は、上記加熱前のスクロースホスホリラーゼと比較して向上した比活性を有し得る。
【0014】
1つの実施態様では、上記溶液は、無機リン酸を実質的に含まなくともよい。
【0015】
1つの実施態様では、上記溶液中のスクロースの濃度は、1.5〜50%であり得る。
【0016】
1つの実施態様では、前記溶液は、スクロースホスホリラーゼを含む微生物抽出液もしくはその粗精製物にスクロースを添加することにより調製され得る。
【0017】
1つの実施態様では、上記溶液中のスクロースの濃度は、4〜30%であり得る。
【0018】
1つの実施態様では、上記溶液中のスクロースの濃度は、8〜30%であり得る。
【0019】
1つの実施態様では、上記溶液中のスクロースの濃度は、8〜25%であり得る。
【0020】
1つの実施態様では、加熱工程における上記溶液の温度が、該溶液を30分間加熱した場合に、加熱前の該溶液に含まれる上記スクロースホスホリラーゼの活性の50%以上の活性が残る温度であり得る。
【0021】
1つの実施態様では、上記温度は、40℃〜90℃であり得る。
【0022】
1つの実施態様では、上記温度は、50℃〜80℃であり得る。
【0023】
1つの実施態様では、上記温度は、55℃〜70℃であり得る。
【0024】
1つの実施態様では、上記スクロースホスホリラーゼは、4%のスクロース存在下で55℃にて30分間加熱した場合に加熱前の該スクロースホスホリラーゼの活性の50%以上の活性を保持し得る。
【0025】
1つの実施態様では、上記スクロースホスホリラーゼは、ストレプトコッカス(Streptococcus)属細菌由来である。
【0026】
1つの実施態様では、上記スクロースホスホリラーゼは、ストレプトコッカス ミュータンス(Streptococcus mutans)由来である。
【0027】
1つの実施態様では、上記スクロースホスホリラーゼは、ストレプトコッカス サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)由来であり得る。
【0028】
1つの実施態様では、上記スクロースホスホリラーゼは、ストレプトコッカス ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)由来であり得る。
【0029】
1つの実施態様では、上記スクロースホスホリラーゼは、組換えされた中温菌から産生され得る。好ましい実施態様では、上記スクロースホスホリラーゼは、組換えされた大腸菌または組換えされた枯草菌から産生され得る。
【0030】
本発明のスクロースホスホリラーゼ調製物は、上記の方法で調製され、比活性が30U/mg以上である。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0032】
<スクロースホスホリラーゼ調製物の材料>
本発明のスクロースホスホリラーゼ調製物は、良好な比活性を有し、好ましい実施態様では、比活性が30単位/mg以上である。本明細書中では、「スクロースホスホリラーゼ調製物」とは、スクロースホスホリラーゼを含有する、液体、半固体および固体をいう。従って、必要に応じてスクロースホスホリラーゼの状態が失われない範囲で、スクロースホスホリラーゼ以外の酵素、溶媒、添加剤などを含んでもよい。スクロースホスホリラーゼ調製物は、調製物の重量を100とした場合に、スクロースホスホリラーゼを代表的には0.0001重量%〜40重量%、好ましくは0.001重量%〜20重量%、さらに好ましくは0.005重量%〜10重量%含有する。
【0033】
本明細書中で「比活性」とは、スクロースホスホリラーゼ溶液中のタンパク質1mgあたりの酵素活性をいう。従って、比活性を計算する際には、調製物の容器の底に沈澱するタンパク質は考慮されない。このため、例えば、調製物中に不溶性タンパク質が沈澱する場合には、不溶性タンパク質を除いたスクロースホスホリラーゼ調製物中に含まれるタンパク質1mgあたりの酵素活性を比活性という。
【0034】
スクロースホスホリラーゼの酵素単位は、例えば、以下の方法により求められる。
【0035】
25μlの10%スクロースと20μlの500mM リン酸バッファー(pH7.0)とを混合する。この混合液に、不溶性タンパク質を除去した適切に希釈した酵素液を5μl加えて攪拌し、反応系を得る。この反応系を適切な温度(例えば、ストレプトコッカス ミュータンス(Streptococcus mutans)由来のスクロースホスホリラーゼの場合、例えば50℃、ロイコノストック(Leuconostoc)由来のスクロースホスホリラーゼの場合、例えば、37℃)で20分間保持した後、100℃で5分間加熱し反応を停止させる。その後、反応生成物中のグルコース−1−リン酸を定量する。
【0036】
グルコース−1−リン酸は、例えば、以下の方法により定量される。300μlの測定試薬(200mM Tris−HCl(pH7.0)、3mM NADP、15mM 塩化マグネシウム、3mM EDTA、15μMグルコース−1,6−二リン酸、6μg/ml ホスホグルコムターゼ、6μg/ml グルコース−6−リン酸脱水素酵素)に、適切に希釈したグルコース−1−リン酸を含む溶液600μlを加えて攪拌し、反応系を得る。この反応系を、30℃で30分間保持した後、分光光度計を用いて340nmでの吸光度を測定する。濃度既知のグルコース−1−リン酸ナトリウムを用いて同様に吸光度を測定し、標準曲線を作成する。この標準曲線に試料で得られた吸光度を当てはめ、試料中のグルコース−1−リン酸濃度を求める。通常は、1分間に1μmolのグルコース−1−リン酸を生成する活性を1単位(U)とする。
【0037】
本発明のスクロースホスホリラーゼ調製物の主な原料は、例えば、スクロースホスホリラーゼ、スクロース、およびそれを溶かしている溶媒である。
【0038】
(1)スクロースホスホリラーゼ:
本明細書中では、「スクロースホスホリラーゼ」とは、スクロースのα−グルコシル基をリン酸に転移して加リン酸分解を行う任意の酵素をいう。スクロースホスホリラーゼによって触媒される反応は、次式により示される:
【0039】
【化1】
スクロースホスホリラーゼは、自然界では種々の微生物に含まれる。スクロースホスホリラーゼを産生する微生物の例としては、ロイコノストック メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)、ストレプトコッカス サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)、ストレプトコッカス ミュータンス(Streptococcus mutans)、ストレプトコッカス ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、シュードモナス種(Pseudomonas sp.)、クロストリジウム種(Clostridium sp.)、プルラリア プルランス(Pullularia pullulans)、アセトバクター キシリヌム(Acetobacter xylinum)、アグロバクテリウム種(Agrobacterium sp.)、シネココッカス種(Synecococcus sp.)、大腸菌(E.coli)、アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)、モニリア シトフィラ(Monilia sitophila)、スクレロチネア エスセロチオルム(Sclerotinea escerotiorum)、およびクラミドモナス種(Chlamydomonas sp.)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0040】
スクロースホスホリラーゼは、スクロースホスホリラーゼを産生する任意の微生物(例えば、スクロースホスホリラーゼを産生する細菌)由来であり得る。スクロースホスホリラーゼは、ある程度の耐熱性を有することが好ましい。スクロースホスホリラーゼは、単独で存在する場合の耐熱性が高ければ高いほど好ましい。例えば、4%のスクロース存在下で55℃にて30分間加熱した場合に加熱前のスクロースホスホリラーゼの活性の50%以上の活性を保持するものであることが好ましい。スクロースホスホリラーゼは、好ましくはストレプトコッカス(Streptococcus)属の細菌由来であり、さらに好ましくはストレプトコッカス ミュータンス(Streptococcus mutans)、ストレプトコッカス サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)またはストレプトコッカス ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)由来である。
【0041】
本明細書中では、酵素がある微生物に「由来する」とは、その微生物から直接単離したことのみを意味するのではなく、その微生物を何らかの形で利用することによりその酵素が得られることをいう。例えば、その微生物の酵素遺伝子を大腸菌に導入して、その大腸菌から酵素を単離する場合も、その酵素はその微生物に「由来する」という。
【0042】
本発明で用いられるスクロースホスホリラーゼは、上記のような自然界に存在する、スクロースホスホリラーゼを産生する微生物から直接単離され得る。本発明で用いられるスクロースホスホリラーゼは、これらの微生物から単離したスクロースホスホリラーゼをコードする遺伝子を用いて遺伝子組換えされた微生物から単離してもよい。
【0043】
本発明の方法で用いられるスクロースホスホリラーゼは、例えば、以下のようにして調製され得る。まず、スクロースホスホリラーゼを産生する微生物を培養する。この微生物は、スクロースホスホリラーゼを直接生産する微生物であってもよい。また、スクロースホスホリラーゼをコードする遺伝子をクローン化し、得られた遺伝子でスクロースホスホリラーゼ発現に有利な微生物を遺伝子組換えして組換えされた微生物を得、得られた微生物からスクロースホスホリラーゼを得てもよい。
【0044】
スクロースホスホリラーゼ遺伝子での遺伝子組換えに用いられる微生物は、スクロースホスホリラーゼの発現の容易さ、培養の容易さ、増殖の速さ、安全性などの種々の条件を考慮して容易に選択され得る。遺伝子組換えに用いられる微生物は、スクロースホスホリラーゼよりも耐熱性の高い水溶性タンパク質を実質的に産生しないかまたは低レベルでしか産生しない微生物であることが好ましい。このような耐熱性水溶性タンパク質は、本発明の加熱工程で変性しにくく、加熱後に夾雑タンパク質として溶液中に存在する可能性が高いからである。そのため、遺伝子組換えのためには、大腸菌または枯草菌のような中温菌を用いることが好ましい。中温菌とは、中温域で生育する細菌をいい、一般に最適生育温度が約20℃〜約40℃の細菌をいう。スクロースホスホリラーゼは、夾雑物としてアミラーゼおよびホスファターゼを含まないことが好ましいので、アミラーゼおよびホスファターゼを産生しないかまたは低レベルでしか発現しない微生物を遺伝子組換えに用いることがより好ましい。組換えられた大腸菌または枯草菌などの中温菌から産生されるスクロースホスホリラーゼは、耐熱性水溶性タンパク質を実質的に含まないため、本発明の方法での使用に好ましい。
【0045】
クローン化した遺伝子での微生物の遺伝子組換えは、当業者に周知の方法に従って行われ得る。クローン化した遺伝子を用いる場合、この遺伝子を、構成性プロモーターまたは誘導性プロモーターに作動可能に連結することが好ましい。「作動可能に連結する」とは、プロモーターと遺伝子とが、そのプロモーターによって遺伝子の発現が調節されるように連結されることをいう。誘導性プロモーターを用いる場合、培養を、誘導条件下で行うことが好ましい。種々の誘導性プロモーターは当業者に公知である。
【0046】
クローン化した遺伝子をまた、生産されるスクロースホスホリラーゼが菌体外に分泌されるように、シグナルペプチドを遺伝子に連結し得る。シグナルペプチドは当業者に公知である。
【0047】
当業者は、スクロースホスホリラーゼを生産するために、微生物の培養の条件を適切に設定し得る。微生物の培養に適切な培地、各誘導性プロモーターに適切な誘導条件などは当業者に公知である。
【0048】
適切な時間の培養後、スクロースホスホリラーゼを培養液から回収する。生産されたスクロースホスホリラーゼが菌体外へ分泌される場合、遠心分離によって微生物の菌体を除去すれば、上清中にスクロースホスホリラーゼが得られる。菌体内で生産されたスクロースホスホリラーゼが菌体外へ分泌されない場合、超音波処理、機械的破砕、化学的破砕などの処理によって微生物を破砕し、微生物破砕液を得る。本発明の方法では、微生物破砕液を精製せずに用いてもよい。次いで、微生物破砕液を遠心分離して細菌の破片を除去し、上清を入手し得る。得られたこれらの上清から、本発明の酵素を、硫酸アンモニウム沈澱またはエタノール沈澱、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含む周知の方法によって回収し得る。回収された生成物は、必要に応じて精製され得る。
【0049】
溶液中に含まれるスクロースホスホリラーゼの濃度は、溶液の重量を基準として、代表的には0.00001重量%〜40重量%、好ましくは0.0001重量%〜20重量%、より好ましくは0.001重量〜10重量%である。スクロースホスホリラーゼの重量が多すぎると、本発明の方法によって比活性を上げにくい場合がある。使用量が少なすぎると、スクロースホスホリラーゼ活性の回収率が低くなる場合がある。
【0050】
(2)スクロース:
スクロースは、C12H22O11で示される、分子量約342の二糖である。スクロースは、光合成能を有するあらゆる植物中に存在する。スクロースは、植物から単離されてもよいし、化学的に合成されてもよい。コストの面からみて、スクロースを植物から単離することが好ましい。スクロースを多量に含む植物の例としては、サトウキビ、サトウダイコンなどが挙げられる。サトウキビは、汁液中に約20%のスクロースを含む。サトウダイコンは、汁液中に約10〜15%のスクロースを含む。
【0051】
本発明の方法で使用されるスクロースは、純粋なものであることが好ましい。しかし、本発明のスクロースの効果を阻害しない限り、任意の他の夾雑物を含んでいてもよい。例えば、本発明では、原糖が用いられ得る。
【0052】
溶液中に含まれるスクロースの濃度は、特に大量のスクロースホスホリラーゼ溶液を処理することを考慮して、代表的には4〜30%、好ましくは8〜30%、より好ましくは8〜25%である。なお、本明細書中でスクロースの濃度は、Weight/Volumeで、すなわち、
(スクロースの重量(g))×100/(溶液の容量(ml))
で計算する。スクロースの重量が多すぎると、本発明の方法によって比活性を上げにくい場合がある。使用量が少なすぎると、スクロースホスホリラーゼ活性の回収率が低くなる場合、および比活性を上げにくい場合がある。
【0053】
(3)溶媒:
スクロースホスホリラーゼおよびスクロースを溶解する溶媒は、スクロースホスホリラーゼの酵素活性を損なわない溶媒であれば任意の溶媒であり得る。代表的な溶媒としては、水が挙げられる。溶媒は、上記スクロースホスホリラーゼを調製する際にスクロースホスホリラーゼに付随して得られる微生物破砕液のうちの水分であってもよい。
【0054】
水は、軟水、中間水および硬水のいずれであってもよい。軟水とは、硬度20°以上の水をいい、中間水とは、硬度10°以上20°未満の水をいい、硬水とは、硬度10°未満の水をいう。水は、好ましくは軟水または中間水であり、より好ましくは軟水である。
【0055】
(4)他の成分:
スクロースホスホリラーゼおよびスクロースを含む溶液中には、スクロースホスホリラーゼとスクロースとの間の相互作用を妨害しない限り、任意の物質を含み得る。このような物質の例としては、緩衝剤、スクロースホスホリラーゼを産生する微生物の成分、塩類(NaClなど)および培地成分が挙げられる。
【0056】
<スクロースホスホリラーゼ調製物の調製>
スクロースホスホリラーゼ調製物は、スクロースホスホリラーゼおよびスクロースを含む溶液を、スクロースホスホリラーゼによる酵素反応が実質的に起こらない条件下で加熱する工程を包含する方法により調製される。
【0057】
溶液は、例えば、スクロースホスホリラーゼを含む溶液(例えば、スクロースホスホリラーゼを含む上清)に純粋なスクロースを溶解することによって得ることができる。あるいは、スクロースホスホリラーゼを含む溶液と、スクロースを含む溶液(例えば、砂糖水、サトウキビの汁液濃縮物など)とを混合することによって得ることができる。1つの好ましい実施態様では、微生物抽出液もしくはその粗精製物にスクロースを添加する。ここで、微生物抽出液とは、スクロースホスホリラーゼ生産能を有する微生物から抽出された液であって、スクロースホスホリラーゼを含む液をいう。前述した破砕液および培養上清は、ここでいう微生物抽出液に含まれる。抽出方法としては公知の任意の方法が可能である。ここで、微生物抽出液の粗精製物とは、微生物抽出液から、スクロースホスホリラーゼ以外の任意の物質を部分的または実質的に除去することにより得られる産物をいう。微生物の粗精製は、当該分野で周知の方法によって行われ得る。粗精製の方法の例としては、濃縮、膜分画による不溶物除去、硫安分画などが挙げられる。
【0058】
粗精製物は、スクロースホスホリラーゼの純度が、代表的には約0.00001%〜約40%、好ましくは約0.0001%〜約20%、さらに好ましくは約0.001%〜約10%である。
【0059】
粗精製によって除去される物質は、例えば、濃縮によって粗精製される場合は、例えば水であり、膜画分によって不溶物が除去される場合は、例えば、細胞壁、細胞膜などの細胞破片、核酸、スクロースホスホリラーゼ以外のタンパク質などであり、そして硫安分画によって粗精製される場合は、例えば、細胞壁、細胞膜などの細胞破片、核酸、スクロースホスホリラーゼ以外のタンパク質などである。
【0060】
「スクロースホスホリラーゼによる酵素反応が実質的に起こらない条件」とは、スクロースホスホリラーゼによって触媒される加リン酸反応が実質的に起こらない条件である。例えば、加リン酸反応が全く起こらない条件または起こっても極めて少ないことをいう。例えば、リン酸の濃度がスクロースホスホリラーゼのリン酸に対するKm値を超えない条件である。このような条件の例としては、無機リン酸が少量しか存在しない条件、反応の平衡が加リン酸反応とは逆の方向に大きく傾いた条件(例えば、グルコース−1−リン酸またはフルクトースのいずれかがスクロースと比較して多量に存在する条件)などが挙げられる。従って、本発明の方法は、リン酸を加えずに行うことが好ましい。
【0061】
得られた溶液は、加熱される。この加熱工程における溶液の温度は、この溶液を30分間加熱した場合に、加熱前のこの溶液に含まれるスクロースホスホリラーゼの活性の50%以上、より好ましくは80%以上の活性が残る温度であることが好ましい。この温度は用いられるスクロースホスホリラーゼの種に応じて選択され、一般的に好ましくは50℃〜80℃であり、より好ましくは55℃〜70℃である。例えば、ストレプトコッカス ミュータンス(S.mutans)スクロースホスホリラーゼの場合、この温度は50℃〜60℃であることが好ましい。
【0062】
加熱時間は、加熱温度を考慮して、スクロースホスホリラーゼの活性を大きく損なうことがない限り、任意の時間で設定され得る。加熱時間は、代表的には10分間〜90分間、より好ましくは30分間〜60分間である。
【0063】
加熱は、どのような手段を用いて行ってもよいが、溶液全体に均質に熱が伝わるように、攪拌を行いながら加熱することが好ましい。溶液は、例えば、ビーカーの中に入れられて攪拌される。加熱に用いられる装置としては、ウォーターバスが挙げられる。
【0064】
上記溶液中に存在する、スクロースホスホリラーゼ以外の夾雑タンパク質の多くが加熱の間に変性して沈澱し得る。スクロースホスホリラーゼは、スクロースと共存することにより、熱安定性が増す。この機構は不明である。しかし、例えば、共存したスクロースがスクロースホスホリラーゼと複合体を形成して、単独のスクロースホスホリラーゼおよび夾雑タンパク質よりも安定した構造をとっているなどの何らかの様式でスクロースがスクロースホスホリラーゼに対して何らかの作用を及ぼすことによりスクロースホスホリラーゼが安定化されると考えられる。それゆえ、単独のスクロースホスホリラーゼおよび夾雑タンパク質が変性する温度に加熱しても、スクロース存在下のスクロースホスホリラーゼは依然として未変性のままであると考えられる。もちろん、熱安定性の増加は、このような機構によるとは限らず、他の機構によることも考えられ得る。本願請求の範囲に記載された方法により、安定化効果が得られる限り、その安定化のメカニズムのいかんを問わず、その方法は本発明に包含される。
【0065】
沈澱した夾雑タンパク質は、必要に応じて、当該分野で公知の方法によって除去され得る。例えば、沈澱した夾雑タンパク質は、溶液を遠心分離して沈澱を除去することにより、または溶液を適切な膜で濾過することにより、除去され得る。ただし、沈澱した夾雑タンパク質が存在していてもその後の工程を行うのに支障がない場合には、沈澱を除去することなくその後の工程を進めてもよい。
【0066】
このようにして、本発明のスクロースホスホリラーゼ調製物が得られる。本発明のスクロースホスホリラーゼ調製物は好ましくは、加熱前のスクロースホスホリラーゼ溶液と比較して向上した比活性を有する。本発明のスクロースホスホリラーゼ調製物の比活性は、代表的には30U/mg以上、好ましくは40U/mg〜200U/mg、より好ましくは40U/mg〜100U/mgである。
【0067】
本発明のスクロースホスホリラーゼ調製物が、加熱前のスクロースホスホリラーゼ溶液と比較して向上した比活性を有する機構はわかっていない。しかし、この比活性の上昇は、主に夾雑タンパク質が沈澱することに起因し得ると考えられる。また、比活性の上昇は、スクロースホスホリラーゼによる加リン酸化反応を阻害するタンパク質の変性に起因し得ると考えられる。すなわち、スクロースホスホリラーゼの基質であるスクロースおよびリン酸の少なくとも一方をスクロースホスホリラーゼから奪う作用を有するタンパク質の変性に起因し得ると考えられる。さらに、スクロースホスホリラーゼに対してスクロースが何らかの様式で作用することによりスクロースホスホリラーゼの活性が向上することも考えられる。
【0068】
本発明の方法によって得られたスクロースホスホリラーゼ調製物は、従来公知のスクロースホスホリラーゼの用途に用いることができる。例えば、無機リン酸またはスクロースの定量分析に用いることもできる。診断用酵素とすることもできる。
【0069】
本発明の方法によって得られたスクロースホスホリラーゼ調製物は、無処理の状態のスクロースホスホリラーゼと比較して、より高温での反応に用いることができる。本発明のスクロースホスホリラーゼ調製物は、加熱処理後、そのまま何の操作も行わずに酵素液として用いてもよいし、沈澱した夾雑タンパク質を除去した後に用いてもよい。また、さらに高純度のスクロースホスホリラーゼ調製物が必要な場合は、本発明のスクロースホスホリラーゼ調製物を、カラムクロマトグラフィーなどの精製工程に供することができる。この場合には、本発明の方法によるスクロースホスホリラーゼ調製物は、カラムクロマトグラフィーなどの精製工程への負荷が少ないので、本発明は有利である。本発明のスクロースホスホリラーゼ調製物は、沈澱または凍結乾燥などの処理により粉末状態にされた後に保存されてもよい。本発明のスクロースホスホリラーゼ調製物を工業的に利用する場合、何の操作も行わずに用いることがコストの面から好ましい。
【0070】
本発明のスクロースホスホリラーゼ調製物は、無処理の状態と比較して夾雑物が少ないので、本発明のスクロースホスホリラーゼ調製物をアミロース合成に用いた場合に、得られるアミロースの最大分子量が大きくなるという効果が得られる。
【0071】
1つの好ましい実施態様では、スクロースホスホリラーゼをスクロース存在下で加熱してスクロースホスホリラーゼ調製物を調製した後、スクロース、リン酸、オリゴ糖およびグルカンホスホリラーゼを添加してアミロース合成反応を開始する。ここで、アミロース合成反応開始前には必要に応じて、沈澱した夾雑タンパク質を除去してもよいが、沈澱を除去せずにアミロース合成を行うことが、プロセス全体の簡略化およびコストの低減の点において好ましい。
【0072】
本発明のスクロースホスホリラーゼ調製物の調製方法は、一般的な他の精製方法と比較して、スクロースホスホリラーゼを変性させる割合が少ない。また、必要な処理手順が極めて簡便であり、高価な設備も必要としないので、低コストで効率良くスクロースホスホリラーゼを得ることができる。従って、一般的な他の精製方法と比較して低いコストでスクロースホスホリラーゼを得ることができるという利点を有する。
【0073】
【実施例】
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。本発明は以下の実施例のみに限定されない。
【0074】
(製造例1 馬鈴薯塊茎由来グルカンホスホリラーゼの調製方法)
市販されている馬鈴薯塊茎1.4kgの皮をむく。皮をむいた塊茎をジューサーですりつぶしてすりつぶし液を得る。次いで、このすりつぶし液をガーゼで濾過して濾液を得る。濾液に、Tris緩衝液(pH7.0)を最終濃度100mMになるように加えて、酵素液を得る。この酵素液を、55℃の水浴中で、液温が50℃に達してからさらに10分間加熱する。加熱後、この酵素液を、遠心機(ベックマン社製、AVANTI J−25I)を用いて、8,500rpmにて、20分間遠心分離し、不溶性のタンパク質などを除去し、上清を得る。
【0075】
得られた遠心上清に、硫酸アンモニウムを100g/Lになるように加えてから、4℃にて2時間放置し、タンパク質を沈澱させる。次いで、遠心機(ベックマン社製、AVANTI J−25I)を用いて、8,500rpmにて20分間遠心分離し、不溶性のタンパク質などを除去し、上清を得る。さらに、得られた上清に硫酸アンモニウムを最終濃度250g/Lになるように加えてから、4℃にて2時間放置し、タンパク質を沈澱させる。次いで、遠心機(ベックマン社製、AVANTI J−25I)を用いて、8,500rpm、20分間遠心分離し、不溶性のタンパク質を回収する。
【0076】
回収された不溶性のタンパク質を25mM Tris緩衝液(pH7.0)150mlで懸濁する。懸濁した酵素液を同じ緩衝液に対して一晩透析する。透析後のサンプルを、あらかじめ平衡化しておいた陰イオン交換交換樹脂Q−Sepharose(ファルマシア社製)に吸着させ、200mM塩化ナトリウムを含む緩衝液で洗浄する。続いて、400mM塩化ナトリウムを含む緩衝液で溶出させ、溶出液を回収し、部分精製馬鈴薯塊茎由来グルカンホスホリラーゼ含有溶液とする。
【0077】
購入した馬鈴薯によっては、この段階で本発明に使用し得るグルカンホスホリラーゼ含有溶液になるが、さらなる精製を必要とすることが多い。必要に応じて、Sephacryl S−200HR(ファルマシア社製)などを用いたゲルフィルトレーションクロマトグラフィーによる分画、Phenyl−TOYOPEARL 650M(東ソー社製)などを用いた疎水クロマトグラフィーによる分画を組み合わせることにより、精製馬鈴薯グルカンホスホリラーゼ含有溶液を得ることができる。
【0078】
(実施例1:ストレプトコッカス ミュータンス(S.mutans)スクロースホスホリラーゼを含む組換え大腸菌の菌体破砕液の調製、およびその菌体破砕液からのスクロースホスホリラーゼ酵素液の調製)
(1.1 組換えストレプトコッカス ミュータンス(Streptococcus mutans)スクロースホスホリラーゼを含む菌体破砕液の調製方法)
ストレプトコッカス ミュータンス(Streptococcus mutans)スクロースホスホリラーゼ遺伝子(Ferretti,J.Jら、Ingbritt.Infect.Immun.56:1585−88)を、選択マーカー遺伝子Ampr、TetrとともにpKK388−1に組み込み、プラスミドpKK388−SMSPを得た。このプラスミドでは、スクロースホスホリラーゼ遺伝子を、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)誘導性プロモーターの制御下に作動可能に連結した。このプラスミドを、大腸菌TG−1(STRATAGENE社製)に、コンピテントセル法により導入した。この大腸菌を、抗生物質アンピシリンおよびIPTGを含むLB培地を含むプレートにプレーティングして、37℃で一晩培養した。このプレート上で増殖した大腸菌を選択することにより、スクロースホスホリラーゼ遺伝子が導入された大腸菌を得た。得られた大腸菌がスクロースホスホリラーゼ遺伝子を含むことを、導入された遺伝子の配列を解析することによって確認した。また、得られた大腸菌がスクロースホスホリラーゼを発現していることを、活性測定によって確認した。
【0079】
この大腸菌を、抗生物質アンピシリン、テトラサイクリンを含むLB培地1リットルに接種し、120rpmで振盪させながら37℃で6〜7時間振盪培養した。その後、IPTGを0.04mMになるようにこの培地に添加し、30℃でさらに18時間振盪培養した。次いで、この培養液を5,000rpmにて5分間遠心分離して、大腸菌の菌体を収集した。得られた菌体を、50mlの20mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.0)中に懸濁し、次いで超音波処理により破砕し、菌体破砕液50mlを得た。この破砕液中には、約15U/mgの比活性のスクロースホスホリラーゼが含まれていた。
【0080】
(1.2 スクロース存在下での55℃での加熱によるスクロースホスホリラーゼの調製)
上記1.1で得られた菌体破砕液に、スクロースを加えて溶解し、スクロースの最終濃度がそれぞれ、溶解後の溶液を基準として4%、8%、12%、16%、20%、25%または30%の溶液を得た。スクロースを加えない菌体破砕液をコントロール(0%スクロース)とした。これらの溶液を、55℃の水浴中で加熱した。加熱開始時(0分)、加熱開始後30分、60分および90分の時点でサンプリングし、スクロースホスホリラーゼの活性を本明細書中に記載の方法に従って測定した。
【0081】
測定された活性に基づいて、残存活性を算出した。
【0082】
残存活性を、以下の通りに算出した:
【0083】
【数1】
また、上記の各サンプルを、12000rpmにて5分間遠心分離して上清を得た。この上清中に含まれるタンパク質量を、ブラッドフォード法(Bradford,M.,Anal.Biochem.,72,248〜254頁(1976))を用いて測定した。ブラッドフォード法は、溶液中に含まれる全てのタンパク質に発色性基質を結合させる、比色検定法である。ここでは、日本バイオ・ラッドラボラトリーズ(株)より購入したプロテインアッセイキットを用い、そのプロトコルに従って、ウシγグロブリンを標準として測定した。
【0084】
比活性を、以下の通りに算出した:
【0085】
【数2】
残存活性についての結果を図1に、そして比活性についての結果を図2に示す。この結果、以下のことがわかった。スクロースを含まない場合(0%)は、55℃にて30分の加熱後、活性は10%程度にまで低下した。
【0086】
4%以上のスクロースを含む場合には、30分の加熱後も50%以上の活性が残存していた。特に8%以上のスクロースを含む場合には、30分の加熱後も80%以上の活性が残存していた。
【0087】
加熱前の抽出液のスクロースホスホリラーゼ比活性は、15U/mgタンパク程度であったが、4〜20%のスクロースを添加して、55℃にて30分間の加熱したところ、40U/mgタンパク質以上に向上し、精製度が上昇したことが示された。一方、スクロースが25%以上の場合には、同様の処理後の比活性は20U/mgタンパク質程度にとどまった(図2)。
【0088】
55℃にて60分の加熱の場合には、8〜25%のスクロースを添加した抽出液の場合に比活性が顕著に向上し、60U/mgタンパク質程度となった。一方、スクロースが4%以下の場合には、活性の顕著な減少が見られたことから結果的に比活性が低下した。また、スクロースが30%以上の場合には、顕著な比活性向上は見られなかった(図2)。
【0089】
55℃にて90分間の加熱の場合には、12〜25%のスクロースを添加した抽出液の場合に比活性が顕著に向上し、70U/mgタンパク質程度となった(図2)。
【0090】
(1.3 スクロース存在下での55℃での加熱後に得られたスクロースホスホリラーゼ酵素液を用いたアミロース製造(分子量および収率))
上記(1.1)で得られた菌体破砕液を、上記(1.2)と同様に、4%、8%、16%、20%、25%、または30%のスクロースの存在下で、55℃にて30分間または60分間加熱した。加熱後に得られたスクロースホスホリラーゼ酵素液に対して、スクロース、無機リン酸、マルトテトラオース、スクロースホスホリラーゼおよび上記製造例1で製造した馬鈴薯由来のグルカンホスホリラーゼを混合して、最終濃度がスクロース2%、無機リン酸10mM、マルトテトラオース10μM、スクロースホスホリラーゼ1U/ml、馬鈴薯由来のグルカンホスホリラーゼ1U/mlの混合液を得た。この混合液を37℃にて一晩インキュベートし、アミロースを合成した。加熱処理により、反応を停止させた。コントロールとして非加熱の菌体破砕液を用いて同様にアミロースを製造した。
【0091】
次いで、反応生成物中のグルコース、フルクトースおよびグルコース−1−リン酸の量を測定した。グルコースの定量を、和光純薬社から市販されている測定試薬(グルコースAR−II)を用いて行なった。フルクトースの定量を、ロシュ社から市販されている測定キット(F−キット D−グルコース/D−フルクトース)を用いて行なった。グルコース−1−リン酸の定量を、以下の方法により行った。まず、300μlの測定試薬(200mM Tris‐HCl(pH7.0)、3mM NADP、15mM 塩化マグネシウム、3mM EDTA、15μMグルコース−1,6−二リン酸、6μg/ml ホスホグルコムターゼ、6μg/ml グルコース−6−リン酸脱水素酵素)に、適切に希釈したグルコース−1−リン酸を含む溶液600μlを加えて攪拌し、反応系を得た。この反応系を、30℃で30分間保持した後、分光光度計を用いて340nmでの吸光度を測定した。濃度既知のグルコース−1−リン酸ナトリウムを用いて同様に吸光度を測定し、標準曲線を作成した。この標準曲線に試料で得られた吸光度を当てはめ、試料中のグルコース−1−リン酸濃度を求めた。1分間に1μmolのグルコース−1−リン酸を生成する活性を1単位とした。
【0092】
生成されたアミロースの量を以下の数式に基づいて算出した:
【0093】
【数3】
さらに、アミロースの収率を以下の式に基づいて算出した:
【0094】
【数4】
加熱時間30分間では、スクロースが8〜30%含まれている場合、非加熱の場合に比較して、アミロースの収率が高かった。
【0095】
同じ反応液を用いてアミロースの分子量を測定した。本発明で合成したグルカンの分子量を以下の方法により測定した。まず、本発明で合成したグルカンを1N水酸化ナトリウムで完全に溶解し、適切な量の塩酸で中和した後、グルカン約300μg分を、示差屈折計と多角度光散乱検出器を併用したゲル濾過クロマトグラフィーに供することにより重量平均分子量を求めた。
【0096】
詳しくは、カラムとしてShodex SB806M−HQ(昭和電工製)を用い、検出器としては多角度光散乱検出器(DAWN−DSP、Wyatt Technology社製)および示差屈折計(Shodex RI−71、昭和電工製)をこの順序で連結して用いた。カラムを40℃に保ち、溶離液としては0.1M硝酸ナトリウム溶液を流速1mL/分で用いた。得られたシグナルを、データ解析ソフトウェア(商品名ASTRA、Wyatt Technology社製)を用いて収集し、同ソフトを用いて解析することにより、重量平均分子量を求めた。
【0097】
55℃にて30分間加熱した菌体破砕液についての生成物アミロースの分子量の結果を図3に、そして収率の結果を図5に、そして55℃にて60分間加熱した菌体破砕液についての生成物アミロースの分子量の結果を図4に示す。この結果、以下のことがわかった。
【0098】
加熱時間30分間では、スクロースが4〜25%含まれている場合、非加熱の場合に比較して高分子量のアミロースを合成できた。スクロースが8〜25%含まれている場合、特に高分子量のアミロースを合成できた。アミロース収率は、スクロースが8〜30%含まれている場合に高かった。
【0099】
加熱時間60分間では、スクロースが8〜30%含まれている場合、非加熱の場合に比較して高分子量のアミロースを合成できた。スクロースが16〜25%含まれている場合、特に高分子量のアミロースを合成できた。
【0100】
生成物であるアミロースの分子量および収率はスクロースホスホリラーゼ中の不純物、特にアミラーゼ活性により小さくなる傾向がある。従って、この結果はスクロース4〜30%、より好ましくは8〜30%、さらに好ましくは8〜25%のスクロース存在下における熱処理により、それら不純物が減少したスクロースホスホリラーゼ酵素液を得ることができたことを示している。
【0101】
(1.4 スクロース存在下での60℃での加熱による比活性向上効果)
上記(1.1)で得られた菌体破砕液を、上記(1.2)と同様に、20%または30%のスクロースの存在下で、60℃にて30分間または60分間加熱した。加熱後に得られたスクロースホスホリラーゼ酵素液を用いて、上記(1.3)と同様にアミロースを製造した。その結果、非加熱の菌体破砕液を用いた場合と比較して1.5倍程度高分子のアミロースが得られた。
【0102】
(実施例2:ストレプトコッカス ミュータンス(S.mutans)スクロースホスホリラーゼを含む組換え枯草菌の菌体破砕液の調製、およびその菌体破砕液からのスクロースホスホリラーゼ調製)
実施例1で用いた大腸菌の代わりに枯草菌を用い、プラスミドとして、枯草菌中でも大腸菌中でも複製できるpWH1520(MoBiTec GmbH社、ドイツ)を用い、そして枯草菌中での選択マーカーとしてテトラサイクリン耐性遺伝子を用い、そして誘導物質としてキシロースを最終濃度0.5重量%で用いる以外は実施例1と同様にして、ストレプトコッカス ミュータンス(S.mutans)由来スクロースホスホリラーゼを含む組換え枯草菌の菌体破砕液を調製した。
【0103】
得られた菌体破砕液を、上記の(1.2)と同様に、4〜30%のスクロース存在下、55℃で30分間または60分間加熱し、調製物を得た。得られた調製物をアミロース製造について上記(1.3)および(1.4)に従って試験した。その結果、アミロース合成に適するスクロースホスホリラーゼ酵素液が得られたことがわかった。
【0104】
一方、スクロースを未添加で、枯草菌の菌体破砕液を55℃で30分間または60分間加熱した結果、得られた溶液の活性は低下してしまっていた。つまり、アミロース合成に適するスクロースホスホリラーゼ酵素液が得られなかった。
【0105】
(ロイコノストック メセンテロイデス(L.mesenteroides)スクロースホスホリラーゼを含む菌体破砕液からのスクロースホスホリラーゼ調製)
ロイコノストック メセンテロイデス(L.mesenteroides)NCIMB8699株を、1リットルのLM培地(2% スクロース、2% 酵母エキス、1% ペプトン、2% リン酸一水素二カリウム、0.02% NaCl)で25℃にて24時間培養した。次いで、8000rpmにて遠心分離を行い、菌体を回収した。得られた菌体に、リゾチーム処理を行い、さらに超音波で処理することにより、スクロースホスホリラーゼを含む菌体破砕液を得た。
【0106】
この菌体破砕液に、最終濃度がそれぞれ、溶解後の溶液を基準として4%、8%、12%、16%、20%、25%または30%になるようにスクロースを加えて溶解し、溶液を得た。スクロースを加えない菌体破砕液をコントロール(0%スクロース)とした。これらの溶液を、50℃の水浴中で30分間または60分間加熱した。スクロースホスホリラーゼの活性を本明細書中に記載の方法に従って測定した。その結果、4〜30%のスクロースの存在下で加熱した場合に、アミロース合成に適するスクロースホスホリラーゼ酵素液が得られた。
【0107】
一方、スクロースを未添加の場合、得られた溶液には充分な活性がなかった。つまりアミロース合成に適するスクロースホスホリラーゼ酵素液が得られなかった。
【0108】
(ロイコノストック メセンテロイデス(L.mesenteroides)スクロースホスホリラーゼを含む菌体抽出液(大腸菌抽出液モデル)からのスクロースホスホリラーゼ調製)
組換え大腸菌からロイコノストック メセンテロイデス(L.mesenteroides)スクロースホスホリラーゼを調製した場合を想定して、オリエンタル酵母社製の高純度スクロースホスホリラーゼに大腸菌TG−1株の菌体破砕液を添加した、モデル菌体破砕液を作製した。
【0109】
このモデル菌体破砕液に最終濃度がそれぞれ、溶解後の溶液を基準として4%、8%、12%、16%、20%、25%または30%になるようにスクロースを加えて溶解し、溶液を得た。スクロースを加えない菌体破砕液をコントロール(0%スクロース)とした。これらの溶液を、50℃の水浴中で30分間または60分間加熱した。スクロースホスホリラーゼの活性を本明細書中に記載の方法に従って測定した。その結果、4〜30%のスクロースの存在下で加熱した場合に、アミロース合成に適するスクロースホスホリラーゼ酵素液が得られた。
【0110】
一方、スクロースを未添加の場合、得られた溶液には充分な活性がなかった。つまりアミロース合成に適するスクロースホスホリラーゼ酵素液が得られなかった。
【0111】
(比較例1:スクロースホスホリラーゼの安定性に対するフルクトースの効果)
スクロースホスホリラーゼの基質には、スクロース以外にフルクトース、リン酸、およびグルコース−1−リン酸がある。フルクトースのスクロースホスホリラーゼ安定性への効果を以下のように調べた。
【0112】
上記(1.1)で調製したストレプトコッカス ミュータンス(S.mutans)由来スクロースホスホリラーゼを含む菌体破砕液に、最終濃度がそれぞれ、5%または10%になるようにフルクトースを加えて溶解し、溶液を得た。フルクトースを加えない菌体破砕液をコントロール(0%スクロース)とした。対照として、同濃度のスクロースを添加した場合についても同時に調べた。これらの溶液を、55℃の水浴中で加熱した。加熱開始時(0分)、加熱開始後30分、60分および90分の時点でサンプリングし、スクロースホスホリラーゼの活性を本明細書中に記載の方法に従って測定した。
【0113】
測定された活性に基づいて、残存活性および比活性を算出した。
【0114】
残存活性についての結果を図6に示す。この結果、フルクトースにはスクロースの場合のようなスクロースホスホリラーゼ安定化効果は認められないことがわかった。
【0115】
(比較例2:スクロースホスホリラーゼの安定性に対するリン酸の効果)
リン酸のスクロースホスホリラーゼ安定性への効果を以下のように調べた。
【0116】
上記(1.1)で調製したストレプトコッカス ミュータンス(S.mutans)由来スクロースホスホリラーゼを含む菌体破砕液に、最終濃度がそれぞれ、溶解後の溶液を基準として40mM、100mMおよび400mMになるようにリン酸ナトリウムを加えて溶解し、溶液を得た。リン酸ナトリウムを加えない菌体破砕液をコントロール(添加なし)とした。対照として、10%の濃度のスクロースを添加した場合についても同時に調べた。これらの溶液を、55℃の水浴中で加熱した。加熱開始時(0分)、加熱開始後30分、60分および90分の時点でサンプリングし、スクロースホスホリラーゼの活性を本明細書中に記載の方法に従って測定した。
【0117】
測定された活性に基づいて、残存活性および比活性を算出した。
【0118】
残存活性についての結果を図7に示す。この結果、リン酸にはスクロースの場合のようなスクロースホスホリラーゼ安定化効果は認められないことがわかった。
【0119】
【発明の効果】
本発明によれば、スクロースホスホリラーゼ調製物およびそれを調製するための方法が提供される。本発明の方法によれば、夾雑タンパク質の除去および比活性を上げることにより、精製度の高いスクロースホスホリラーゼ調製物が容易に得られる。本発明のスクロースホスホリラーゼ調製物は、アミロース合成、リン酸の定量、フルクトースの定量などの用途に適している。本発明のスクロースホスホリラーゼ調製物は夾雑タンパク質含有量が比較的少ないので、スクロースホスホリラーゼを利用した反応が妨害されにくい。特にアミロース合成に用いる場合には、アミロースの収率を上げることができるという利点、および/または得られるアミロースの最大分子量が大きくなるという利点がある。さらに、本発明のスクロースホスホリラーゼ調製物は、比活性が高いためカラムクロマトグラフィーへの負荷を下げることができ、比活性が低い場合よりも小さなカラムで精製できるので、スクロースホスホリラーゼをさらに精製する目的にも適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】スクロース存在下でのスクロースホスホリラーゼの安定性を示すグラフである。
【図2】スクロース存在下でのスクロースホスホリラーゼの安定性を示すグラフである。
【図3】スクロース存在下で加熱されたスクロースホスホリラーゼを用いたアミロース合成を示すグラフである。
【図4】スクロース存在下で加熱されたスクロースホスホリラーゼを用いたアミロース合成を示すグラフである。
【図5】スクロース存在下で加熱されたスクロースホスホリラーゼを用いたアミロース合成を示すグラフである。
【図6】スクロースホスホリラーゼ安定性へのスクロースまたはフルクトースの効果を示すグラフである。
【図7】スクロースホスホリラーゼ安定性へのリン酸の効果を示すグラフである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for obtaining a sucrose phosphorylase preparation and to a sucrose phosphorylase preparation.
[0002]
[Prior art]
Sucrose phosphorylase is an enzyme that acts on sucrose in the presence of inorganic phosphate to produce glucose-1-phosphate and fructose. Sucrose phosphorylase can be applied to quantitative analysis of inorganic phosphate or sucrose in combination with, for example, phosphoglucomutase and glucose-6-phosphate dehydrogenase. Therefore, sucrose phosphorylase is useful as a diagnostic enzyme.
[0003]
Further, by using sucrose phosphorylase in combination with phosphorylase, sugar chains can be linked to glucans such as amylose, starch, glycogen, etc. by α-1,4-glucoside bonds to extend sugar chains.
[0004]
In order to use sucrose phosphorylase for the above-mentioned purpose, it is preferable to remove some contaminating enzymes and increase the purity of sucrose phosphorylase to some extent. For example, when quantifying inorganic phosphate using sucrose phosphorylase together with phosphoglucomutase and glucose-6-phosphate dehydrogenase, it is preferable to remove phosphatase in advance. When sucrose phosphorylase is used in an extension reaction for adding a sugar unit to glucan by an α-1,4-glucoside bond, it is preferable to remove amylase in addition to phosphatase.
[0005]
For example, the following is known as a microorganism having sucrose phosphorylase. Leuconostok Mecenteroides ( Leuconostoc mesenteroides ) , Streptococcus mutans ( Streptococcus mutans ) , Pseudomonas species ( Pseudomonas sp. ) , Clostridium species ( Clostridium sp. ) , Pullulia Pullance ( Pullularia pullulans ) , Acetobacter xylinum ( Acetobacter xylum ) , Agrobacterium species ( Agrobacterium sp. ) , Synecococcus species ( Synecoccus sp. ) , E. coli ( E. coli ) , Aspergillus niger ( Aspergillus niger ) , Moniria Sitophila ( Monilia sitophila ) , Sclerotinea Esserothiolum ( Sclerotinea escerioorum ) , Chlamydomonas species ( Chlamydomonas sp. ) . In the case of preparing sucrose phosphorylase from an extract of cells of these microorganisms containing sucrose phosphorylase or a culture supernatant of these microorganisms, a conventional technique such as normal ion exchange chromatography has been used. So far, there has been no report that a heat treatment step has been performed to prepare sucrose phosphorylase. In the purification using conventional ion exchange chromatography, the load on the column is heavy in order to allow the extract of bacterial cells rich in contaminating proteins, culture supernatant, etc. to flow through the column, so it is necessary to perform purification on a large column. was there. There was a problem of cost and time. Moreover, it is difficult to remove contaminant enzymes such as amylase by a simple purification method other than ion exchange chromatography (for example, ammonium sulfate precipitation method). Therefore, there has been a problem that the molecular weight of amylose synthesized using sucrose phosphorylase is small. Further, when phosphatase is mixed, there is a problem that amylose synthesis is inhibited and the yield of amylose is lowered. Furthermore, when a sucrose degrading enzyme other than sucrose phosphorylase is mixed, it cannot be used for quantitative analysis of sucrose and phosphate. Thus, in order to utilize sucrose phosphorylase for industrial applications, a simple preparation method is required.
[0006]
JP-A-2-23866 (Title of Invention: Method for Stabilizing Sucrose Phosphorylase) shows a method for stabilizing sucrose phosphorylase. In this method, first, sucrose phosphorylase derived from Leuconostoc mesenteroides is roughly purified. Next, saccharides and organic acids are added to the crude sucrose phosphorylase at 1% (w / v) or more, or alkali metal salts, alkaline earth metal salts, or chelating agents are added at about 5 mM, An amino acid is contained about 10 mM or more. This solution is lyophilized to obtain a powdered enzyme. The powdered enzyme was stored at 30 ° C. for 30 days, and as a result, the residual activity was high (83 to 94%) compared to no addition (residual activity 68%). Furthermore, this enzyme powder is stable for more than 6 months when stored at 4 ° C. However, JP-A-2-23866 does not disclose a method for preparing or purifying sucrose phosphorylase by heating in a sucrose solution.
[0007]
Other enzyme preparation methods include a method in which a heat treatment step is added to the preparation of a heat-stable enzyme. Many examples of this method have been reported. In addition, there are some published examples in which the thermal stability of an enzyme increases when a substrate is added. For example, amylase has high heat resistance in the presence of starch. Phosphorylase has high heat resistance in the presence of phosphoric acid, glucose-1-phosphate, and the like. In these cases, heat resistance generally increases as the substrate concentration increases (although there is a saturation point).
[0008]
However, enzyme stabilization by such a substrate is not a general one. For example, even when fructose or phosphoric acid as a substrate is added to sucrose phosphorylase, no heat stabilization effect is observed.
[0009]
Therefore, it has not been easily guessed that sucrose phosphorylase is heat-resistant by the addition of sucrose. In addition, there is an optimum sucrose concentration in the preparation of sucrose phosphorylase, and it was completely impossible to predict that the preparation efficiency would be lowered at higher or lower concentrations.
[0010]
Furthermore, when the specific activity is increased by increasing the purity of sucrose phosphorylase by a conventionally known general preparation method (for example, chromatography, dialysis, precipitation method, etc.), there is a disadvantage that sucrose phosphorylase is easily denatured. Alternatively, there are drawbacks that a great amount of man-hours are required for column pretreatment or washing, or that extremely expensive equipment is required for industrial mass production. For this reason, in the prior art, there was no method for purifying sucrose phosphorylase at a practical cost on an industrial mass production scale.
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention is intended to solve the above-described problems and aims to provide a simple method for preparing sucrose phosphorylase.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The method for preparing a sucrose phosphorylase preparation of the present invention includes a step of heating a solution containing sucrose phosphorylase and sucrose under conditions where an enzyme reaction by sucrose phosphorylase does not substantially occur.
[0013]
In one embodiment, the sucrose phosphorylase preparation may have an improved specific activity compared to the sucrose phosphorylase prior to heating.
[0014]
In one embodiment, the solution may be substantially free of inorganic phosphoric acid.
[0015]
In one embodiment, the concentration of sucrose in the solution can be 1.5-50%.
[0016]
In one embodiment, the solution can be prepared by adding sucrose to a microbial extract containing sucrose phosphorylase or a crude product thereof.
[0017]
In one embodiment, the concentration of sucrose in the solution can be 4-30%.
[0018]
In one embodiment, the concentration of sucrose in the solution can be 8-30%.
[0019]
In one embodiment, the concentration of sucrose in the solution can be 8-25%.
[0020]
In one embodiment, the temperature of the solution in the heating step may be a temperature at which 50% or more of the activity of the sucrose phosphorylase contained in the solution before heating remains when the solution is heated for 30 minutes. .
[0021]
In one embodiment, the temperature can be between 40 ° C and 90 ° C.
[0022]
In one embodiment, the temperature can be between 50 ° C and 80 ° C.
[0023]
In one embodiment, the temperature can be between 55 ° C and 70 ° C.
[0024]
In one embodiment, the sucrose phosphorylase can retain 50% or more of the activity of the sucrose phosphorylase prior to heating when heated at 55 ° C. for 30 minutes in the presence of 4% sucrose.
[0025]
In one embodiment, the sucrose phosphorylase is Streptococcus ( Streptococcus ) It is derived from the genus bacteria.
[0026]
In one embodiment, the sucrose phosphorylase is Streptococcus mutans ( Streptococcus mutans ) Is from.
[0027]
In one embodiment, the sucrose phosphorylase is Streptococcus thermophilus ( Streptococcus thermophilus ) It can be derived from.
[0028]
In one embodiment, the sucrose phosphorylase is Streptococcus pneumoniae ( Streptococcus pneumoniae ) It can be derived from.
[0029]
In one embodiment, the sucrose phosphorylase can be produced from a recombinant mesophilic bacterium. In a preferred embodiment, the sucrose phosphorylase can be produced from recombinant E. coli or recombinant Bacillus subtilis.
[0030]
The sucrose phosphorylase preparation of the present invention is prepared by the above method and has a specific activity of 30 U / mg or more.
[0031]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
[0032]
<Material of sucrose phosphorylase preparation>
The sucrose phosphorylase preparation of the present invention has good specific activity, and in a preferred embodiment, the specific activity is 30 units / mg or more. As used herein, “sucrose phosphorylase preparation” refers to liquid, semi-solid and solid containing sucrose phosphorylase. Therefore, an enzyme other than sucrose phosphorylase, a solvent, an additive, and the like may be included as long as the state of sucrose phosphorylase is not lost. The sucrose phosphorylase preparation is typically from 0.0001% to 40% by weight, preferably from 0.001% to 20% by weight, more preferably from 0 to 40% by weight, where the weight of the preparation is 100. 0.005% by weight to 10% by weight.
[0033]
As used herein, “specific activity” refers to enzyme activity per mg of protein in a sucrose phosphorylase solution. Therefore, when calculating the specific activity, the proteins that settle to the bottom of the preparation container are not taken into account. For this reason, for example, when insoluble protein precipitates in the preparation, the enzyme activity per 1 mg of protein contained in the sucrose phosphorylase preparation excluding the insoluble protein is referred to as specific activity.
[0034]
The enzyme unit of sucrose phosphorylase is obtained, for example, by the following method.
[0035]
Mix 25 μl of 10% sucrose and 20 μl of 500 mM phosphate buffer (pH 7.0). To this mixed solution, 5 μl of an appropriately diluted enzyme solution from which insoluble protein has been removed is added and stirred to obtain a reaction system. The reaction system is brought to an appropriate temperature (for example, Streptococcus mutans ( Streptococcus mutans ) In the case of sucrose phosphorylase derived from, for example, 50 ° C., Leuconostok ( Leuconostoc ) In the case of sucrose phosphorylase derived from, for example, it is maintained at 37 ° C. for 20 minutes, and then heated at 100 ° C. for 5 minutes to stop the reaction. Thereafter, glucose-1-phosphate in the reaction product is quantified.
[0036]
Glucose-1-phosphate is quantified, for example, by the following method. 300 μl of measurement reagent (200 mM Tris-HCl (pH 7.0), 3 mM NADP, 15 mM magnesium chloride, 3 mM EDTA, 15 μM glucose-1,6-diphosphate, 6 μg / ml phosphoglucomutase, 6 μg / ml glucose-6 To the phosphate dehydrogenase), 600 μl of a solution containing appropriately diluted glucose-1-phosphate is added and stirred to obtain a reaction system. After holding this reaction system at 30 ° C. for 30 minutes, the absorbance at 340 nm is measured using a spectrophotometer. Absorbance is measured in the same way using sodium glucose-1-phosphate having a known concentration, and a standard curve is prepared. The absorbance obtained in the sample is applied to this standard curve to determine the glucose-1-phosphate concentration in the sample. Usually, the activity to produce 1 μmol of glucose-1-phosphate per minute is defined as 1 unit (U).
[0037]
The main raw materials of the sucrose phosphorylase preparation of the present invention are, for example, sucrose phosphorylase, sucrose, and a solvent in which it is dissolved.
[0038]
(1) Sucrose phosphorylase:
As used herein, “sucrose phosphorylase” refers to any enzyme that undergoes phosphorolysis by transferring the α-glucosyl group of sucrose to phosphoric acid. The reaction catalyzed by sucrose phosphorylase is shown by the following formula:
[0039]
[Chemical 1]
Sucrose phosphorylase is naturally contained in various microorganisms. Examples of microorganisms that produce sucrose phosphorylase include Leuconostok Mecenteroides ( Leuconostoc mesenteroides ) , Streptococcus thermophilus ( Streptococcus thermophilus ) , Streptococcus mutans ( Streptococcus mutans ) , Streptococcus pneumoniae ( Streptococcus pneumoniae), Pseudomonas species ( Pseudomonas sp. ) , Clostridium species ( Clostridium sp. ) , Pullulia Pullance ( Pullularia pullulans ) , Acetobacter xylinum ( Acetobacter xylum ) , Agrobacterium species ( Agrobacterium sp. ) , Synecococcus species ( Synecoccus sp. ) , E. coli ( E. coli ) , Aspergillus niger ( Aspergillus niger ) , Moniria Sitophila ( Monilia sitophila ) , Sclerotinea Esserothiolum ( Sclerotinea escerioorum ) ,and Chlamydomonas species ( Chlamydomonas sp. ) However, it is not limited to these.
[0040]
The sucrose phosphorylase can be derived from any microorganism that produces sucrose phosphorylase (eg, a bacterium that produces sucrose phosphorylase). Sucrose phosphorylase preferably has a certain degree of heat resistance. Sucrose phosphorylase is preferred as it has higher heat resistance when present alone. For example, when heated at 55 ° C. for 30 minutes in the presence of 4% sucrose, it preferably retains 50% or more of the activity of sucrose phosphorylase before heating. Sucrose phosphorylase is preferably Streptococcus ( Streptococcus ) Derived from bacteria of the genus, more preferably Streptococcus mutans ( Streptococcus mutans ) , Streptococcus thermophilus ( Streptococcus thermophilus ) Or Streptococcus pneumoniae ( Streptococcus pneumoniae ) Is from.
[0041]
In this specification, the phrase “derived from” a microorganism does not mean that the enzyme is isolated directly from the microorganism, but that the enzyme is obtained by utilizing the microorganism in some form. Say. For example, when an enzyme gene of the microorganism is introduced into E. coli and the enzyme is isolated from the E. coli, the enzyme is said to be “derived” from the microorganism.
[0042]
The sucrose phosphorylase used in the present invention can be directly isolated from the microorganisms that produce sucrose phosphorylase existing in nature as described above. The sucrose phosphorylase used in the present invention may be isolated from a microorganism that has been genetically modified using a gene encoding sucrose phosphorylase isolated from these microorganisms.
[0043]
The sucrose phosphorylase used in the method of the present invention can be prepared, for example, as follows. First, a microorganism that produces sucrose phosphorylase is cultured. This microorganism may be a microorganism that directly produces sucrose phosphorylase. Alternatively, a gene encoding sucrose phosphorylase may be cloned, a microorganism advantageous for sucrose phosphorylase expression may be recombined with the obtained gene to obtain a recombinant microorganism, and sucrose phosphorylase may be obtained from the obtained microorganism. .
[0044]
A microorganism used for gene recombination with a sucrose phosphorylase gene can be easily selected in consideration of various conditions such as ease of expression of sucrose phosphorylase, ease of culture, speed of growth, and safety. The microorganism used for gene recombination is preferably a microorganism that does not substantially produce a water-soluble protein having higher heat resistance than sucrose phosphorylase, or produces only at a low level. This is because such a heat-resistant water-soluble protein is unlikely to be denatured in the heating step of the present invention and is likely to be present in the solution as a contaminating protein after heating. Therefore, for gene recombination, it is preferable to use mesophilic bacteria such as Escherichia coli or Bacillus subtilis. A mesophilic bacterium refers to a bacterium that grows in a medium temperature range, and generally refers to a bacterium having an optimum growth temperature of about 20 ° C to about 40 ° C. Since sucrose phosphorylase preferably does not contain amylase and phosphatase as contaminants, it is more preferable to use a microorganism that does not produce amylase and phosphatase or expresses it at a low level for genetic recombination. Sucrose phosphorylase produced from mesophilic bacteria such as recombinant Escherichia coli or Bacillus subtilis is substantially free of thermostable water-soluble proteins and is therefore preferred for use in the method of the present invention.
[0045]
Genetic recombination of microorganisms with cloned genes can be performed according to methods well known to those skilled in the art. When using a cloned gene, it is preferred that this gene be operably linked to a constitutive or inducible promoter. “Operably linked” means that a promoter and a gene are linked so that expression of the gene is regulated by the promoter. When using an inducible promoter, culturing is preferably performed under inducing conditions. Various inducible promoters are known to those skilled in the art.
[0046]
The cloned gene can also be linked to a signal peptide so that the sucrose phosphorylase produced is secreted outside the cell. Signal peptides are known to those skilled in the art.
[0047]
A person skilled in the art can appropriately set conditions for culturing microorganisms to produce sucrose phosphorylase. A medium suitable for culturing microorganisms, conditions for induction suitable for each inducible promoter, and the like are known to those skilled in the art.
[0048]
After incubation for an appropriate time, sucrose phosphorylase is recovered from the culture medium. When the produced sucrose phosphorylase is secreted outside the cells, sucrose phosphorylase can be obtained in the supernatant by removing the cells of the microorganisms by centrifugation. When the sucrose phosphorylase produced in the microbial cells is not secreted outside the microbial cells, the microorganisms are crushed by a treatment such as ultrasonic treatment, mechanical crushing, and chemical crushing to obtain a microbial crushing solution. In the method of the present invention, the microorganism disrupting solution may be used without being purified. The microbial disruption solution can then be centrifuged to remove bacterial debris and the supernatant obtained. From these supernatants obtained, the enzyme of the present invention was converted to ammonium sulfate precipitation or ethanol precipitation, acid extraction, anion or cation exchange chromatography, phosphocellulose chromatography, hydrophobic interaction chromatography, affinity chromatography, hydroxyl chromatography, It can be recovered by well known methods including apatite chromatography and lectin chromatography. The recovered product can be purified as necessary.
[0049]
The concentration of sucrose phosphorylase contained in the solution is typically 0.00001 to 40% by weight, preferably 0.0001 to 20% by weight, more preferably 0.001 based on the weight of the solution. Weight to 10% by weight. If the weight of sucrose phosphorylase is too large, it may be difficult to increase the specific activity by the method of the present invention. If the amount used is too small, the recovery of sucrose phosphorylase activity may be low.
[0050]
(2) Sucrose:
Sucrose is C 12 H twenty two O 11 And a disaccharide having a molecular weight of about 342. Sucrose is present in every plant that has photosynthetic ability. Sucrose may be isolated from plants or chemically synthesized. In view of cost, it is preferable to isolate sucrose from plants. Examples of plants containing a large amount of sucrose include sugar cane and sugar beet. Sugar cane contains about 20% sucrose in the juice. Sugar beet contains about 10-15% sucrose in the juice.
[0051]
The sucrose used in the method of the present invention is preferably pure. However, any other impurities may be included as long as the effect of the sucrose of the present invention is not inhibited. For example, in the present invention, raw sugar can be used.
[0052]
The concentration of sucrose contained in the solution is typically 4-30%, preferably 8-30%, more preferably 8-25%, especially considering the processing of large amounts of sucrose phosphorylase solution. . In the present specification, the concentration of sucrose is Weight / Volume, that is,
(Weight of sucrose (g)) × 100 / (volume of solution (ml))
Calculate with If the sucrose is too heavy, it may be difficult to increase the specific activity by the method of the present invention. If the amount used is too small, the recovery rate of sucrose phosphorylase activity may be low, and the specific activity may be difficult to increase.
[0053]
(3) Solvent:
The solvent for dissolving sucrose phosphorylase and sucrose can be any solvent as long as it does not impair the enzyme activity of sucrose phosphorylase. A typical solvent is water. The solvent may be water in the microorganism disruption liquid obtained accompanying the sucrose phosphorylase when preparing the sucrose phosphorylase.
[0054]
The water may be any of soft water, intermediate water and hard water. Soft water refers to water having a hardness of 20 ° or more, intermediate water refers to water having a hardness of 10 ° to less than 20 °, and hard water refers to water having a hardness of less than 10 °. The water is preferably soft water or intermediate water, more preferably soft water.
[0055]
(4) Other ingredients:
The sucrose phosphorylase and the solution containing sucrose may contain any substance as long as it does not interfere with the interaction between sucrose phosphorylase and sucrose. Examples of such substances include buffers, components of microorganisms that produce sucrose phosphorylase, salts (such as NaCl) and media components.
[0056]
<Preparation of sucrose phosphorylase preparation>
The sucrose phosphorylase preparation is prepared by a method comprising heating a solution containing sucrose phosphorylase and sucrose under conditions in which an enzymatic reaction by sucrose phosphorylase does not substantially occur.
[0057]
The solution can be obtained, for example, by dissolving pure sucrose in a solution containing sucrose phosphorylase (for example, a supernatant containing sucrose phosphorylase). Alternatively, it can be obtained by mixing a solution containing sucrose phosphorylase and a solution containing sucrose (eg, sugar water, sugarcane juice concentrate, etc.). In one preferred embodiment, sucrose is added to the microbial extract or a crude product thereof. Here, the microorganism extract refers to a liquid extracted from a microorganism having the ability to produce sucrose phosphorylase and containing sucrose phosphorylase. The crushed liquid and the culture supernatant described above are included in the microorganism extract herein. As the extraction method, any known method can be used. Here, the crudely purified product of the microbial extract refers to a product obtained by partially or substantially removing any substance other than sucrose phosphorylase from the microbial extract. The crude purification of microorganisms can be performed by methods well known in the art. Examples of the crude purification method include concentration, insoluble matter removal by membrane fractionation, and ammonium sulfate fractionation.
[0058]
The crude product typically has a sucrose phosphorylase purity of about 0.00001% to about 40%, preferably about 0.0001% to about 20%, more preferably about 0.001% to about 10%. is there.
[0059]
The substance to be removed by rough purification is, for example, water when roughly purified by concentration, and when insoluble matter is removed by the membrane fraction, for example, cell debris such as cell wall and cell membrane, nucleic acid, When the protein is other than sucrose phosphorylase and is roughly purified by ammonium sulfate fractionation, for example, cell debris such as cell wall and cell membrane, nucleic acid, protein other than sucrose phosphorylase, and the like.
[0060]
The “conditions in which an enzyme reaction by sucrose phosphorylase does not substantially occur” are conditions in which a phosphorylation reaction catalyzed by sucrose phosphorylase does not substantially occur. For example, it refers to a condition in which a phosphoric acid reaction does not occur at all or very little. For example, the conditions are such that the concentration of phosphoric acid does not exceed the Km value for phosphoric acid of sucrose phosphorylase. Examples of such conditions include conditions in which there is only a small amount of inorganic phosphoric acid, conditions in which the reaction equilibrium is greatly inclined in the opposite direction to the phosphoric acid reaction (for example, either glucose-1-phosphate or fructose). And the like are present in large amounts compared to sucrose). Therefore, it is preferable to carry out the method of the present invention without adding phosphoric acid.
[0061]
The resulting solution is heated. The temperature of the solution in this heating step is such that when this solution is heated for 30 minutes, 50% or more, more preferably 80% or more of the activity of sucrose phosphorylase contained in this solution before heating remains. Is preferred. This temperature is selected according to the species of sucrose phosphorylase used, and is generally preferably 50 ° C to 80 ° C, more preferably 55 ° C to 70 ° C. For example, Streptococcus mutans ( S. mutans ) In the case of sucrose phosphorylase, this temperature is preferably 50 ° C to 60 ° C.
[0062]
The heating time can be set at an arbitrary time in consideration of the heating temperature as long as the activity of sucrose phosphorylase is not significantly impaired. The heating time is typically 10 minutes to 90 minutes, more preferably 30 minutes to 60 minutes.
[0063]
The heating may be performed using any means, but it is preferable to perform the heating while stirring so that the heat is uniformly transferred to the entire solution. The solution is stirred, for example, in a beaker. A water bath is mentioned as an apparatus used for a heating.
[0064]
Many contaminant proteins other than sucrose phosphorylase present in the solution can denature and precipitate during heating. When sucrose phosphorylase coexists with sucrose, thermal stability is increased. This mechanism is unknown. However, sucrose has some effect on sucrose phosphorylase in some way, for example, the coexisting sucrose forms a complex with sucrose phosphorylase and has a more stable structure than single sucrose phosphorylase and contaminating proteins This is considered to stabilize sucrose phosphorylase. Therefore, even when heated to a temperature at which single sucrose phosphorylase and contaminating protein denature, sucrose phosphorylase in the presence of sucrose is still considered to be undenatured. Of course, the increase in thermal stability is not necessarily due to such a mechanism, but may be due to other mechanisms. As long as a stabilizing effect is obtained by the method described in the claims of the present application, the method is included in the present invention regardless of the mechanism of the stabilization.
[0065]
The precipitated contaminating protein can be removed by a method known in the art, if necessary. For example, precipitated contaminating proteins can be removed by centrifuging the solution to remove the precipitate or by filtering the solution through a suitable membrane. However, even if precipitated contaminating proteins are present, if there is no problem in performing the subsequent steps, the subsequent steps may be performed without removing the precipitate.
[0066]
In this way, the sucrose phosphorylase preparation of the present invention is obtained. The sucrose phosphorylase preparation of the present invention preferably has an improved specific activity compared to the sucrose phosphorylase solution before heating. The specific activity of the sucrose phosphorylase preparation of the present invention is typically 30 U / mg or more, preferably 40 U / mg to 200 U / mg, more preferably 40 U / mg to 100 U / mg.
[0067]
The mechanism by which the sucrose phosphorylase preparation of the present invention has an improved specific activity compared to the sucrose phosphorylase solution before heating is not known. However, it is thought that this increase in specific activity can be mainly attributed to the precipitation of contaminating proteins. In addition, it is considered that the increase in specific activity may be due to protein denaturation that inhibits the phosphorylation reaction by sucrose phosphorylase. That is, it is considered that it may be caused by denaturation of a protein having an action of depriving sucrose phosphorylase from at least one of sucrose and phosphoric acid, which are substrates of sucrose phosphorylase. Furthermore, it is considered that the activity of sucrose phosphorylase is improved by the action of sucrose on sucrose phosphorylase in some manner.
[0068]
The sucrose phosphorylase preparation obtained by the method of the present invention can be used for conventionally known sucrose phosphorylase. For example, it can also be used for quantitative analysis of inorganic phosphate or sucrose. It can also be a diagnostic enzyme.
[0069]
The sucrose phosphorylase preparation obtained by the method of the present invention can be used for a reaction at a higher temperature than sucrose phosphorylase in an untreated state. The sucrose phosphorylase preparation of the present invention may be used as an enzyme solution after heat treatment without any operation, or may be used after removing contaminating proteins that have precipitated. In addition, when a sucrose phosphorylase preparation with higher purity is required, the sucrose phosphorylase preparation of the present invention can be subjected to a purification step such as column chromatography. In this case, the sucrose phosphorylase preparation according to the method of the present invention is advantageous because the load on the purification step such as column chromatography is small. The sucrose phosphorylase preparation of the present invention may be stored after being powdered by a process such as precipitation or lyophilization. When the sucrose phosphorylase preparation of the present invention is industrially used, it is preferable from the viewpoint of cost to use it without performing any operation.
[0070]
Since the sucrose phosphorylase preparation of the present invention is less contaminated than the untreated state, when the sucrose phosphorylase preparation of the present invention is used for amylose synthesis, the maximum molecular weight of the resulting amylose is increased. Is obtained.
[0071]
In one preferred embodiment, a sucrose phosphorylase preparation is prepared by heating sucrose phosphorylase in the presence of sucrose, and then sucrose, phosphate, oligosaccharide and glucan phosphorylase are added to initiate the amylose synthesis reaction. Here, before the start of the amylose synthesis reaction, the precipitated contaminating protein may be removed if necessary, but performing amylose synthesis without removing the precipitate can simplify the entire process and reduce costs. It is preferable in terms.
[0072]
The preparation method of the sucrose phosphorylase preparation of the present invention has a lower ratio of denaturing sucrose phosphorylase than other general purification methods. In addition, since the necessary processing procedure is very simple and expensive equipment is not required, sucrose phosphorylase can be obtained efficiently at low cost. Therefore, it has an advantage that sucrose phosphorylase can be obtained at a low cost as compared with other general purification methods.
[0073]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples. The present invention is not limited only to the following examples.
[0074]
(Production Example 1 Preparation Method of Potato Tuber-Derived Glucan Phosphorylase)
Peel 1.4 kg of commercially available potato tubers. Grind the peeled tubers with a juicer to obtain a ground liquid. Subsequently, this ground liquid is filtered through gauze to obtain a filtrate. Tris buffer (pH 7.0) is added to the filtrate to a final concentration of 100 mM to obtain an enzyme solution. This enzyme solution is heated in a 55 ° C. water bath for another 10 minutes after the solution temperature reaches 50 ° C. After the heating, the enzyme solution is centrifuged at 8,500 rpm for 20 minutes using a centrifuge (manufactured by Beckman, AVANTI J-25I) to remove insoluble proteins and the like to obtain a supernatant.
[0075]
To the obtained centrifugal supernatant, ammonium sulfate is added so as to be 100 g / L, and then left at 4 ° C. for 2 hours to precipitate proteins. Next, using a centrifuge (AVANTI J-25I, manufactured by Beckman Co., Ltd.), centrifugation is performed at 8,500 rpm for 20 minutes to remove insoluble proteins and the like, and a supernatant is obtained. Further, ammonium sulfate is added to the obtained supernatant to a final concentration of 250 g / L, and then left at 4 ° C. for 2 hours to precipitate proteins. Subsequently, it is centrifuged at 8,500 rpm for 20 minutes using a centrifuge (manufactured by Beckman, AVANTI J-25I) to recover insoluble protein.
[0076]
The recovered insoluble protein is suspended in 150 ml of 25 mM Tris buffer (pH 7.0). Dialyze the suspended enzyme solution against the same buffer overnight. The dialyzed sample is adsorbed on an anion exchange exchange resin Q-Sepharose (Pharmacia) previously equilibrated and washed with a buffer containing 200 mM sodium chloride. Subsequently, elution is carried out with a buffer containing 400 mM sodium chloride, and the eluate is collected to obtain a partially purified potato tuber-derived glucan phosphorylase-containing solution.
[0077]
Depending on the potato purchased, it becomes a glucan phosphorylase-containing solution that can be used in the present invention at this stage, but often requires further purification. If necessary, fractionation by gel filtration chromatography using Sephacryl S-200HR (Pharmacia), etc., or fractionation by hydrophobic chromatography using Phenyl-TOYOPARL 650M (Tosoh Corporation), etc. Thus, a purified potato glucan phosphorylase-containing solution can be obtained.
[0078]
(Example 1: Streptococcus mutans ( S. mutans ) Preparation of recombinant E. coli cell disruption solution containing sucrose phosphorylase and preparation of sucrose phosphorylase enzyme solution from the cell disruption solution)
(1.1 Recombination Streptococcus mutans ( Streptococcus mutans ) (Method for preparing cell disruption solution containing sucrose phosphorylase)
Streptococcus mutans ( Streptococcus mutans ) The sucrose phosphorylase gene (Ferretti, JJ et al., Ingbritt. Infect. Immun. 56: 1585-88) was selected from the selectable marker gene Amp. r , Tet r And incorporated into pKK388-1 to obtain a plasmid pKK388-SMSP. In this plasmid, the sucrose phosphorylase gene was operably linked under the control of an isopropyl-β-D-thiogalactopyranoside (IPTG) inducible promoter. This plasmid was introduced into E. coli TG-1 (manufactured by STRATAGENE) by the competent cell method. The Escherichia coli was plated on a plate containing LB medium containing antibiotics ampicillin and IPTG and cultured overnight at 37 ° C. By selecting E. coli grown on this plate, E. coli into which the sucrose phosphorylase gene was introduced was obtained. It was confirmed by analyzing the sequence of the introduced gene that the obtained Escherichia coli contained the sucrose phosphorylase gene. In addition, it was confirmed by activity measurement that the obtained Escherichia coli expressed sucrose phosphorylase.
[0079]
This Escherichia coli was inoculated into 1 liter of LB medium containing antibiotics ampicillin and tetracycline, and cultured with shaking at 37 ° C. for 6 to 7 hours while shaking at 120 rpm. Then, IPTG was added to this medium so that it might become 0.04 mM, and it culture | cultivated by shaking at 30 degreeC for further 18 hours. Next, this culture solution was centrifuged at 5,000 rpm for 5 minutes to collect E. coli cells. The obtained bacterial cells were suspended in 50 ml of 20 mM Tris-HCl buffer (pH 7.0), and then disrupted by ultrasonic treatment to obtain 50 ml of bacterial cell disruption solution. This crushed liquid contained sucrose phosphorylase having a specific activity of about 15 U / mg.
[0080]
(1.2 Preparation of sucrose phosphorylase by heating at 55 ° C. in the presence of sucrose)
The microbial cell disruption solution obtained in 1.1 above is dissolved by adding sucrose, and the final concentration of sucrose is 4%, 8%, 12%, 16%, 20% based on the solution after dissolution, respectively. 25% or 30% solutions were obtained. A cell disruption solution to which sucrose was not added was used as a control (0% sucrose). These solutions were heated in a 55 ° C. water bath. Sampling was performed at the start of heating (0 minutes), 30 minutes, 60 minutes and 90 minutes after the start of heating, and the activity of sucrose phosphorylase was measured according to the method described herein.
[0081]
Based on the measured activity, the residual activity was calculated.
[0082]
Residual activity was calculated as follows:
[0083]
[Expression 1]
Each sample was centrifuged at 12000 rpm for 5 minutes to obtain a supernatant. The amount of protein contained in the supernatant was measured using the Bradford method (Bradford, M., Anal. Biochem., 72, pages 248-254 (1976)). The Bradford method is a colorimetric assay in which a chromogenic substrate is bound to all proteins contained in a solution. Here, a protein assay kit purchased from Nippon Bio-Rad Laboratories was used, and bovine γ globulin was measured as a standard according to the protocol.
[0084]
Specific activity was calculated as follows:
[0085]
[Expression 2]
The results for residual activity are shown in FIG. 1, and the results for specific activity are shown in FIG. As a result, the following was found. When sucrose was not included (0%), the activity decreased to about 10% after heating at 55 ° C. for 30 minutes.
[0086]
In the case of containing 4% or more of sucrose, 50% or more of the activity remained even after heating for 30 minutes. In particular, when 8% or more of sucrose was contained, 80% or more of the activity remained even after heating for 30 minutes.
[0087]
The sucrose phosphorylase specific activity of the extract before heating was about 15 U / mg protein, but when 4 to 20% sucrose was added and heated at 55 ° C. for 30 minutes, it was over 40 U / mg protein. It was shown that the degree of purification was improved. On the other hand, when sucrose was 25% or more, the specific activity after the same treatment remained at about 20 U / mg protein (FIG. 2).
[0088]
In the case of heating at 55 ° C. for 60 minutes, the specific activity was remarkably improved in the case of the extract added with 8 to 25% sucrose, and reached about 60 U / mg protein. On the other hand, when sucrose was 4% or less, a significant decrease in activity was observed, resulting in a decrease in specific activity. Further, when sucrose was 30% or more, no significant specific activity was improved (FIG. 2).
[0089]
In the case of heating at 55 ° C. for 90 minutes, the specific activity was remarkably improved in the case of the extract added with 12 to 25% sucrose, and reached about 70 U / mg protein (FIG. 2).
[0090]
(1.3 Amylose production (molecular weight and yield) using sucrose phosphorylase enzyme solution obtained after heating at 55 ° C. in the presence of sucrose)
In the presence of 4%, 8%, 16%, 20%, 25%, or 30% sucrose, the cell disruption solution obtained in (1.1) is the same as (1.2) above. And heated at 55 ° C. for 30 or 60 minutes. The sucrose phosphorylase enzyme solution obtained after heating is mixed with sucrose, inorganic phosphate, maltotetraose, sucrose phosphorylase, and potato-derived glucan phosphorylase produced in Production Example 1, so that the final concentration is 2% sucrose, A mixed solution of 10 mM inorganic phosphate, 10 μM maltotetraose, 1 U / ml sucrose phosphorylase, and 1 U / ml glucan phosphorylase derived from potato was obtained. This mixture was incubated at 37 ° C. overnight to synthesize amylose. The reaction was stopped by heat treatment. Amylose was produced in the same manner using a non-heated cell disruption solution as a control.
[0091]
Next, the amounts of glucose, fructose and glucose-1-phosphate in the reaction product were measured. Glucose was quantified using a measurement reagent (glucose AR-II) commercially available from Wako Pure Chemical Industries. Fructose was quantified using a measurement kit (F-kit D-glucose / D-fructose) commercially available from Roche. Glucose-1-phosphate was quantified by the following method. First, 300 μl of a measurement reagent (200 mM Tris-HCl (pH 7.0), 3 mM NADP, 15 mM magnesium chloride, 3 mM EDTA, 15 μM glucose-1,6-diphosphate, 6 μg / ml phosphoglucomutase, 6 μg / ml glucose- 6-phosphate dehydrogenase), 600 μl of a solution containing appropriately diluted glucose-1-phosphate was added and stirred to obtain a reaction system. The reaction system was kept at 30 ° C. for 30 minutes, and then the absorbance at 340 nm was measured using a spectrophotometer. Absorbance was measured in the same manner using sodium glucose-1-phosphate having a known concentration, and a standard curve was prepared. The absorbance obtained in the sample was applied to this standard curve, and the glucose-1-phosphate concentration in the sample was determined. The activity for producing 1 μmol of glucose-1-phosphate per minute was defined as 1 unit.
[0092]
The amount of amylose produced was calculated based on the following formula:
[0093]
[Equation 3]
Furthermore, the yield of amylose was calculated based on the following formula:
[0094]
[Expression 4]
In the heating time of 30 minutes, when 8-30% of sucrose was contained, the yield of amylose was high compared to the case of non-heating.
[0095]
The molecular weight of amylose was measured using the same reaction solution. The molecular weight of the glucan synthesized in the present invention was measured by the following method. First, the glucan synthesized in the present invention is completely dissolved with 1N sodium hydroxide, neutralized with an appropriate amount of hydrochloric acid, and then about 300 μg of glucan is combined with a differential refractometer and a multi-angle light scattering detector. The weight average molecular weight was determined by subjecting it to filtration chromatography.
[0096]
Specifically, Shodex SB806M-HQ (manufactured by Showa Denko) is used as a column, and a multi-angle light scattering detector (DAWN-DSP, manufactured by Wyatt Technology) and a differential refractometer (Shodex RI-71, manufactured by Showa Denko) are used as detectors. ) Were used in this order. The column was kept at 40 ° C., and 0.1 M sodium nitrate solution was used as an eluent at a flow rate of 1 mL / min. The signals obtained were collected using data analysis software (trade name ASTRA, manufactured by Wyatt Technology), and analyzed using the same software to determine the weight average molecular weight.
[0097]
The product amylose molecular weight results for the cell disruption solution heated at 55 ° C. for 30 minutes are shown in FIG. 3, the yield result in FIG. 5, and the cell disruption solution heated at 55 ° C. for 60 minutes. The results of the molecular weight of the product amylose are shown in FIG. As a result, the following was found.
[0098]
In the heating time of 30 minutes, when 4 to 25% of sucrose was contained, high molecular weight amylose could be synthesized as compared with the case of non-heating. When sucrose was contained in an amount of 8 to 25%, particularly high molecular weight amylose could be synthesized. The amylose yield was high when 8-30% sucrose was included.
[0099]
In the heating time of 60 minutes, when sucrose was contained in an amount of 8 to 30%, high molecular weight amylose could be synthesized as compared with the case of non-heating. When sucrose was contained in an amount of 16 to 25%, particularly high molecular weight amylose could be synthesized.
[0100]
The molecular weight and yield of the product amylose tends to be smaller due to impurities in sucrose phosphorylase, especially amylase activity. Therefore, this result shows that sucrose phosphorylase enzyme solution with reduced impurities could be obtained by heat treatment in the presence of sucrose 4-30%, more preferably 8-30%, and still more preferably 8-25%. Is shown.
[0101]
(1.4 Specific activity improvement effect by heating at 60 ° C. in the presence of sucrose)
The cell disruption solution obtained in (1.1) was heated at 60 ° C. for 30 or 60 minutes in the presence of 20% or 30% sucrose in the same manner as in (1.2) above. Amylose was produced in the same manner as in (1.3) above using the sucrose phosphorylase enzyme solution obtained after heating. As a result, about 1.5 times higher molecular weight amylose was obtained compared to the case of using a non-heated cell disruption solution.
[0102]
(Example 2: Streptococcus mutans ( S. mutans ) Preparation of cell disruption solution of recombinant Bacillus subtilis containing sucrose phosphorylase and preparation of sucrose phosphorylase from the cell disruption solution)
B. subtilis was used instead of E. coli used in Example 1, pWH1520 (MoBiTec GmbH, Germany) capable of replicating in both B. subtilis and E. coli was used as a plasmid, and a tetracycline resistance gene was used as a selectable marker in B. subtilis. And similar to Example 1 except that xylose is used as the inducer at a final concentration of 0.5% by weight, Streptococcus mutans ( S. mutans ) A cell disruption solution of recombinant Bacillus subtilis containing the derived sucrose phosphorylase was prepared.
[0103]
The obtained bacterial cell disruption solution was heated at 55 ° C. for 30 minutes or 60 minutes in the presence of 4 to 30% sucrose in the same manner as in (1.2) above to obtain a preparation. The resulting preparation was tested for amylose production according to (1.3) and (1.4) above. As a result, it was found that a sucrose phosphorylase enzyme solution suitable for amylose synthesis was obtained.
[0104]
On the other hand, as a result of heating the cell disruption solution of Bacillus subtilis without adding sucrose at 55 ° C. for 30 minutes or 60 minutes, the activity of the obtained solution was lowered. That is, a sucrose phosphorylase enzyme solution suitable for amylose synthesis could not be obtained.
[0105]
( Leuconostok Mecenteroides ( L. mesenteroides ) Preparation of sucrose phosphorylase from cell disruption solution containing sucrose phosphorylase)
Leuconostok Mecenteroides ( L. mesenteroides ) NCIMB8699 strain was cultured in 1 liter of LM medium (2% sucrose, 2% yeast extract, 1% peptone, 2% dipotassium hydrogen phosphate, 0.02% NaCl) at 25 ° C. for 24 hours. Subsequently, centrifugation was performed at 8000 rpm, and the bacterial cells were collected. The obtained bacterial cells were treated with lysozyme and further treated with ultrasound to obtain a disrupted bacterial cell solution containing sucrose phosphorylase.
[0106]
In this cell disruption solution, sucrose is added and dissolved so that the final concentration is 4%, 8%, 12%, 16%, 20%, 25% or 30%, respectively, based on the solution after dissolution, A solution was obtained. A cell disruption solution to which sucrose was not added was used as a control (0% sucrose). These solutions were heated in a 50 ° C. water bath for 30 or 60 minutes. The activity of sucrose phosphorylase was measured according to the method described herein. As a result, a sucrose phosphorylase enzyme solution suitable for amylose synthesis was obtained when heated in the presence of 4-30% sucrose.
[0107]
On the other hand, when sucrose was not added, the obtained solution did not have sufficient activity. That is, a sucrose phosphorylase enzyme solution suitable for amylose synthesis could not be obtained.
[0108]
( Leuconostok Mecenteroides ( L. mesenteroides ) Preparation of sucrose phosphorylase from bacterial cell extract containing sucrose phosphorylase (E. coli extract model)
From recombinant E. coli Leuconostok Mecenteroides ( L. mesenteroides ) Assuming that sucrose phosphorylase was prepared, a model cell disruption solution was prepared by adding the cell disruption solution of Escherichia coli TG-1 to high-purity sucrose phosphorylase manufactured by Oriental Yeast.
[0109]
In this model cell disruption solution, sucrose is added and dissolved so that the final concentration is 4%, 8%, 12%, 16%, 20%, 25% or 30% based on the solution after dissolution, A solution was obtained. A cell disruption solution to which sucrose was not added was used as a control (0% sucrose). These solutions were heated in a 50 ° C. water bath for 30 or 60 minutes. The activity of sucrose phosphorylase was measured according to the method described herein. As a result, a sucrose phosphorylase enzyme solution suitable for amylose synthesis was obtained when heated in the presence of 4-30% sucrose.
[0110]
On the other hand, when sucrose was not added, the obtained solution did not have sufficient activity. That is, a sucrose phosphorylase enzyme solution suitable for amylose synthesis could not be obtained.
[0111]
(Comparative Example 1: Effect of fructose on stability of sucrose phosphorylase)
In addition to sucrose, sucrose phosphorylase substrates include fructose, phosphate, and glucose-1-phosphate. The effect of fructose on sucrose phosphorylase stability was examined as follows.
[0112]
Prepared in (1.1) above Streptococcus mutans ( S. mutans ) Fructose was added to and dissolved in a cell disruption solution containing sucrose phosphorylase derived so that the final concentration was 5% or 10%, respectively, to obtain a solution. A cell disruption solution without addition of fructose was used as a control (0% sucrose). As a control, the same concentration of sucrose was also examined. These solutions were heated in a 55 ° C. water bath. Sampling was performed at the start of heating (0 minutes), 30 minutes, 60 minutes and 90 minutes after the start of heating, and the activity of sucrose phosphorylase was measured according to the method described herein.
[0113]
Based on the measured activity, residual activity and specific activity were calculated.
[0114]
The results for residual activity are shown in FIG. As a result, it was found that fructose does not have the effect of stabilizing sucrose phosphorylase like sucrose.
[0115]
(Comparative Example 2: Effect of phosphoric acid on stability of sucrose phosphorylase)
The effect of phosphate on sucrose phosphorylase stability was examined as follows.
[0116]
Prepared in (1.1) above Streptococcus mutans ( S. mutans ) Sodium phosphate was added to the cell disruption solution containing sucrose phosphorylase derived from sodium phosphate so that the final concentrations would be 40 mM, 100 mM, and 400 mM based on the solution after dissolution to obtain a solution. A bacterial cell disruption solution to which sodium phosphate was not added was used as a control (no addition). As a control, the case where 10% sucrose was added was also examined. These solutions were heated in a 55 ° C. water bath. Sampling was performed at the start of heating (0 minutes), 30 minutes, 60 minutes and 90 minutes after the start of heating, and the activity of sucrose phosphorylase was measured according to the method described herein.
[0117]
Based on the measured activity, residual activity and specific activity were calculated.
[0118]
The results for residual activity are shown in FIG. As a result, it was found that sucrose phosphorylase stabilizing effect was not recognized in phosphoric acid as in the case of sucrose.
[0119]
【The invention's effect】
According to the present invention, sucrose phosphorylase preparations and methods for preparing them are provided. According to the method of the present invention, a highly purified sucrose phosphorylase preparation can be easily obtained by removing contaminating proteins and increasing the specific activity. The sucrose phosphorylase preparation of the present invention is suitable for uses such as amylose synthesis, phosphate quantification, and fructose quantification. Since the sucrose phosphorylase preparation of the present invention has a relatively low content of contaminating proteins, the reaction using sucrose phosphorylase is not easily disturbed. In particular, when used for amylose synthesis, there is an advantage that the yield of amylose can be increased and / or the maximum molecular weight of the obtained amylose is increased. Furthermore, since the sucrose phosphorylase preparation of the present invention has a high specific activity, it can reduce the load on column chromatography and can be purified with a smaller column than when the specific activity is low, so that the sucrose phosphorylase can be further purified. Is also suitable.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing the stability of sucrose phosphorylase in the presence of sucrose.
FIG. 2 is a graph showing the stability of sucrose phosphorylase in the presence of sucrose.
FIG. 3 is a graph showing amylose synthesis using sucrose phosphorylase heated in the presence of sucrose.
FIG. 4 is a graph showing amylose synthesis using sucrose phosphorylase heated in the presence of sucrose.
FIG. 5 is a graph showing amylose synthesis using sucrose phosphorylase heated in the presence of sucrose.
FIG. 6 is a graph showing the effect of sucrose or fructose on sucrose phosphorylase stability.
FIG. 7 is a graph showing the effect of phosphoric acid on sucrose phosphorylase stability.
Claims (20)
スクロースホスホリラーゼおよびスクロースを含む溶液を、該溶液のリン酸濃度が該スクロースホスホリラーゼのリン酸に対するKm値を超えない条件下で加熱する工程を包含する、方法。A method for preparing a sucrose phosphorylase preparation comprising:
Heating a solution comprising sucrose phosphorylase and sucrose under conditions such that the phosphate concentration of the solution does not exceed the Km value for the phosphate of the sucrose phosphorylase .
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