JP4649800B2 - Solenoid valve - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁駆動弁に係り、特に、内燃機関の吸気弁または排気弁を電磁力で駆動する機構として好適な電磁駆動弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平11−36829号公報には、内燃機関の吸気弁または排気弁を電磁力で駆動する電磁駆動弁が開示されている。この電磁駆動弁は、磁性材料で構成されたアーマチャと、アーマチャの上下に配された2つの電磁石とを備えている。アーマチャの中央には、電磁石の中央を貫くアーマチャ軸が固定されている。
【0003】
アーマチャ軸は、電磁石の中に設けられたブッシュにより、軸方向に摺動可能に保持されている。また、アーマチャ軸の下端には、弁体に通じる弁軸が連結されている。上記のブッシュには、アーマチャ軸の摺動抵抗を低減させるべく、外部より潤滑油が供給されている。
【0004】
上記構成を有する電磁駆動弁によれば、上方の電磁石に励磁電流を供給することで、その電磁石にアーマチャを引き寄せ、弁体を全閉状態とすることができる。また、上方の電磁石への励磁電流を停止し、下方の電磁石に励磁電流を供給すると、アーマチャを下方の電磁石に引き寄せて、弁体を全開状態とすることができる。従って、従来の電磁駆動弁によれば、2つの電磁石に対して適当に励磁電流を供給することで、弁体を任意に開閉させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の電磁駆動弁において、ブッシュに供給される潤滑油は、アーマチャ軸を伝ってアーマチャの表面に到達する。アーマチャの表面に到達した潤滑油は、アーマチャが電磁石に吸着された際に、両者間に介在する油膜となり、それらの密着性を高める。その結果、上記の油膜が存在する場合は、その油膜が存在しない場合に比して、励磁電流の停止後に、アーマチャが電磁石から離れ難くなる。
【0006】
電磁駆動弁において、精度良く所望のタイミングで弁体を開閉させるためには、電磁石への励磁電流の供給が停止された後、アーマチャが電磁石から離れるまでの遅延は、短いほど望ましい。この点、上記従来の電磁駆動弁において、アーマチャの表面に到達した潤滑油は、弁体の開閉タイミング精度を悪化させる一つの要因となっていた。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、アーマチャの表面に到達した潤滑油が弁体の開閉タイミングの精度に与える影響を十分に抑制することのできる電磁駆動弁を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、電磁力により弁体を開閉させる電磁駆動弁であって、
前記電磁力を発生する電磁石と、
前記電磁石と対向して配置されるアーマチャと、
前記アーマチャに固定されたアーマチャ軸と、
前記アーマチャと前記電磁石が接した状態と、それらが離れた状態とが実現できるように、潤滑油を利用して、前記アーマチャ軸を摺動可能に保持する湿式保持部と、
前記アーマチャと前記電磁石との接触面に形成された撥油性被膜と、
前記弁体に固定された弁軸と、
前記弁軸を摺動可能に保持するバルブガイドと、を備え、
前記弁軸は、前記バルブガイドの内壁と摺動する摺動部と前記弁体との間に、当該弁軸を前記摺動部より細くするカーボンリリーフを備え、
前記カーボンリリーフは、当該電磁駆動弁の停止時に、前記バルブガイドの外に位置するように形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電磁駆動弁であって、
前記アーマチャは、シリコンを含む磁性材料で構成された磁性部を含み、
前記撥油性皮膜は、フルオロカーボン層と、当該フルオロカーボン層と前記磁性部とを結合させるシランカップリング層とを含むことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の電磁駆動弁であって、
前記アーマチャは、シリコンを含む磁性材料で構成された磁性部を含み、
前記発油性被膜は、メチルハイドロジェンシロキサン層を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項記載の電磁駆動弁であって、
前記電磁石を保持する保持ブロックと、
前記電磁石と前記保持ブロックとの間に介在する緩衝材と、
を更に備えることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0014】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1である電磁駆動弁10の構成を説明するための断面図である。
図1に示す電磁駆動弁10は、内燃機関の排気弁として機能する弁体12を備えている。弁体12は、内燃機関の排気ポート14に配置されている。排気ポート14には弁座16が設けられており、弁体12が弁座16に着座することにより、或いは弁座16から離座することにより排気ポート14が開閉される。
【0015】
弁体12は、弁軸18の先端に固定されている。弁軸18は、バルブガイド20によって摺動可能に保持されている。バルブガイド20の上方において、弁軸18にはロアリテーナ22が固定されている。ロアリテーナ22の下方には、弁軸18を上方に付勢する弾性力を発生するロアスプリング24が配置されている。
【0016】
弁軸18の上端は、また、ラッシュアジャスタ26を介してアーマチャ軸28に連結されている。ラッシュアジャスタ26は、弁軸18とアーマチャ軸28の相対位置を適当に変化させるべく、必要に応じて適宜伸縮する機能を有する機能部品である。ラッシュアジャスタ26によれば、弁軸18の熱膨張などに関わらず、アーマチャ軸28と弁軸18の間のあそびをゼロにしつつ、弁体12が全閉位置まで変位できる状態を常に保つことができる。
【0017】
アーマチャ軸28は、アーマチャ30の中心軸に沿って延在するように設けられている。アーマチャ30は、磁性材料で構成された円盤状の部材である。アーマチャ30には、静磁場の低磁界域で高い磁束密度を発生させ、かつ、交流磁場での鉄損(渦電流損)を十分に小さく抑制する特性が要求される。この要求を満たすため、本実施形態では、Fe-Si系の磁性材料でアーマチャ30を形成している。
【0018】
アーマチャ軸28の上端には、アッパリテーナ32が固定されている。アッパリテーナ32の上方には、アーマチャ軸28を下方に付勢する弾性力を発生するアッパスプリング34が配置されている。アッパスプリング34の上端位置は、アジャスタ36により規制されている。電磁駆動弁10において、アーマチャ軸28の中立位置は、アジャスタ36により調整されている。
【0019】
アーマチャ30の下方には、ロアコア38とロアコイル40からなる下側電磁石42が配置されている。また、アーマチャ30の上方には、アッパコア44とアッパコイル46からなる上側電磁石48が配置されている。ロアコア38の中央部、およびアッパコア44の中央部には、それぞれ、アーマチャ軸28を摺動可能に保持する湿式のブッシュ50,52が配置されている。ブッシュ50,52には、それぞれ、図示しない油路を介して潤滑油が供給されている。
【0020】
アッパコア44の上方には、上記のアジャスタ36を保持するキャップ部材54が配置されている。ロアコア38、アッパコア44およびキャップ部材54は、それぞれ保持ブロック56に固定されている。保持ブロック56とロアコア38との間、および保持ブロック56とアッパコア44との間には、緩衝材58が挟み込まれている。緩衝材58によれば、アーマチャ30の動作に伴う振動を、保持ブロック52に伝達される前に十分に小さく減衰させることができる。
【0021】
アーマチャ軸28の位置は、電磁駆動弁10の停止時に、すなわち、ロアコイル40およびアッパコイル46の何れにも励磁電流が供給されていない時に、アーマチャ30がほぼロアコア38とアッパコア44の中央に位置するように調整されている。また、電磁駆動弁10の各部は、その際に、弁体12が全開位置と全閉位置のほぼ中央に位置するように調整されている。以下、それらの位置を、アーマチャ30或いは弁体12の「中立位置」と称す。
【0022】
図1は、アッパコイル46に励磁電流が供給されることにより、アーマチャ30が上側電磁石48に密着し、かつ、弁体12が全閉状態となった状態を示す。この際、弁体12は、弁座16に着座した状態、すなわち、全閉状態となる。
【0023】
図1に示す状態から、アッパコイル46への通電が停止されると、アーマチャ30は、ロアスプリング24およびアッパスプリング34により付勢され、中立位置を超えて、下側電磁石42の近傍まで変位する。アーマチャ30が下側電磁石42に近接するタイミングでロアコイル40に励磁電流を供給すると、アーマチャ30を下側電磁石42に引き寄せて弁体12を全開位置まで変位させることができる。以後、励磁電流の遮断と供給をロアコイル40側とアッパコイル46側とで交互に行うことにより、弁体12の開閉動作を継続させることができる。
【0024】
電磁駆動弁10は、上記の如く、ロアスプリング24とアッパスプリング34とを備えている。これらのスプリング24,34は、弁体12の開閉動作と共に伸縮し、その伸縮に伴って、アーマチャ軸28に一定方向の回転力を伝達する。その結果、アーマチャ軸28およびアーマチャ30は、弁体12の開閉動作が繰り返される間、一定方向に回転し続ける。
【0025】
電磁駆動弁10の動作中は、弁体12の開閉動作に伴って、アーマチャ30とロアコア38或いはアッパコア44との衝突が繰り返される。この際、ロアコア38或いはアッパコア44には、アーマチャ30の衝突に起因する振動が伝達される。この振動は、ロアコア38やアッパコア44から保持ブロック56に伝達されると、内燃機関の全体に広がり大きな騒音を生じさせる。本実施形態では、ロアコア38やアッパコア44に伝達された振動は、緩衝材58で十分に減衰される。このため、保持ブロック56に大きな振動が伝達されることがなく、内燃機関において優れた静粛性が実現される。
【0026】
次に、図2を参照して、本実施形態の電磁駆動弁10の第2の特徴について説明する。
図2は、電磁駆動弁10が備える弁軸18の周辺を拡大して表した図を示す。より具体的には、図2は、電磁駆動弁10の停止中の状態、すなわち、アーマチャ30および弁体12がそれらの中立位置に存在する状態を示している。
【0027】
図2に示すように、弁軸18には、バルブガイド20により摺動可能に保持される部分と弁体12との間に、カーボンリリーフ60が設けられている。弁軸18は、バルブガイド20により保持される部分において、ほぼバルブガイド20の内径と等しい直径Dを有している。カーボンリリーフ60の部分は、弁軸18の直径が、上記の直径Dに比べて所定量ΔDだけ小さなD-ΔDとされている。本実施形態において、このカーボンリリーフ60は、その上端位置が、電磁駆動弁10の停止中にバルブガイド20の下端位置より下方に位置するように形成されている。図2は、カーボンリリーフ60の上端と、バルブガイド20の下端との間に、所定長hの距離が確保されている状態を示す。
【0028】
内燃機関の停止直後(電磁駆動弁10の停止直後)は、排気ポート14の内部などに付着していたオイルが上方から下方へ向かって流れ落ちてくる。また、その際、排気ポート14の内部は、そのようにして流れ落ちてきたオイルが空焼きされる程度に高温である。このため、弁軸18には、バルブガイド20より下方の部分に、内燃機関の停止中においてカーボンが付着し易い。
【0029】
電磁駆動弁10の停止時におけるカーボンリリーフ60の上端位置が、バルブガイド20の下端位置より上方であった場合、つまり、カーボンリリーフ60の上端が、電磁駆動弁10の停止時にバルブガイド20の中に入り混むような場合は、バルブガイド20の下端に、バルブガイド20の内径Dと弁軸18の内径D-ΔDとの差“ΔD”に対応する隙間が生ずる。
【0030】
このような隙間が生じた状態で、弁軸18へのカーボンの付着が進行すると、カーボンの一部が、上記の隙間からバルブガイド20の中に入り込んだ状態が形成される。このような状態が形成された後、電磁駆動弁10が起動されると、弁体12が全閉方向に向かって移動する際に、バルブガイド20と弁軸18の間でカーボンの噛み込みが生じ、一時的に著しく摺動抵抗が増大する。
【0031】
電磁駆動弁10において、弁軸18の摺動抵抗が増大すると、弁体12の動作停止や動作遅れが生ずる。このため、電磁駆動弁10を円滑に動作させるためには、弁軸18の摺動抵抗を増大させるようなカーボンの噛み込みを、確実に防止することが重要である。
【0032】
本実施形態において、弁軸18は、カーボンスラッジの堆積が進む電磁駆動弁10の停止時に、カーボンリリーフ60の上端がバルブガイド20の下端から所定長hだけ下方となるように構成されている。この構成によれば、弁軸18に付着するカーボンが、バルブガイド20の内部に入り込むのを確実に防止することができる。バルブガイド20の内部に侵入することなく形成されたカーボンは、弁軸18の摺動に伴って、バルブガイド20によりこそげ落とされる。この際、弁軸18に大きな摺動抵抗は発生しない。従って、本実施形態の電磁駆動弁10によれば、弁軸18へのカーボンの付着に影響されることなく、常に良好な起動特性を実現することができる。
【0033】
次に、図1と共に、図3および図4を参照して、電磁駆動弁10の第3の特徴について説明する。
本実施形態の電磁駆動弁10は、図1に示すように、アーマチャ軸28を保持する湿式のブッシュ50,52を備えている。それらのブッシュ50,52に供給される潤滑油は、アーマチャ軸28を伝ってアーマチャ30の表面に到達する。この潤滑油が、そのままアーマチャ30の表面に残存すると、アーマチャ30が下側電磁石42または上側電磁石48と密着する際に、それらの間に油膜を発生させる。
【0034】
このような油膜は、下側電磁石42または上側電磁石48に密着しているアーマチャ30が、それらから離間しようとする際に、その離間を妨げる方向の力を発生する。このような力は、電磁駆動弁10を円滑に動作させるうえでは発生しないことが望ましい。そこで、本実施形態では、上記の油膜の形成をできる限り避けるため、アーマチャ30を、以下に説明するような構成としている。
【0035】
図3(A)は、アーマチャ30およびアーマチャ軸28の斜視図である。また、図3(B)は、アーマチャ30を、図3(A)に示すB-B直線に沿って切断することで得られる断面図である。
【0036】
図3(A)に示すように、アーマチャ30は、放射状に形成された複数の排油溝62を備えている。本実施形態において、排油溝62は、潤滑油が溜まり易いアーマチャ30の上面側に設けられている。排油溝62によれば、アーマチャ30の表面に到達した潤滑油を捕獲して、油膜の素となる潤滑油の量を減少させることができる。
【0037】
図3(B)に示すように、アーマチャ30は、Fe-Si系の磁性材料で構成された磁性部64と、その磁性部64の表面を覆う撥油性被膜66とを備えている。撥油性被膜66は、アーマチャ30の表面と共に、排油溝62の内部をも被覆するように形成されている。
【0038】
図4は、アーマチャ30の構造を分子構造レベルで表した図を示す。磁性部64の表面には、自然酸化により生じた酸化シリコンが存在している。撥油性被膜66は、その酸化シリコンと結合するシランカップリング層68と、更にその上に形成されたフルオロカーボン層70とを含んでいる。
【0039】
シランカップリング層68、およびフルオロカーボン層70は、それぞれ、公知の手法で、かつ、200℃以下の成膜温度で形成することができる。シランカップリング層68は、シリコンを含む無機材料(磁性部64)と、フルオロカーボン層70などの有機層を強固に結合させる特性を有している。また、フルオロカーボン層70は、優れた撥油性を有している。従って、図4に示す構造によれば、強い結合力で磁性部64の表面を被覆し、かつ、優れた撥油性を示す撥油性皮膜66を実現することができる。
【0040】
アーマチャ30の表面が、撥油性皮膜66で覆われていると、アーマチャ30の上に流れ落ちてきた潤滑油は、球状となってその表面上を移動する。その結果、その潤滑油は、容易に排油溝62に捕獲され、或いはアーマチャ30の表面から脱落する。特に、本実施形態の電磁駆動弁10では、上述した通り、弁体12の開閉動作に伴ってアーマチャ30が回転する。このため、アーマチャ30の表面上に流れ落ちた潤滑油は、遠心力により速やかにその表面上から排除される。
【0041】
アーマチャ30の表面に到達した潤滑油が、上記の如く速やかにその表面上から排除されると、アーマチャ30が上側電磁石48に接しても、両者の間に、両者の離間を妨げる油膜は形成されない。このため、本実施形態の電磁駆動弁10によれば、湿式のブッシュ50,52を用いつつ、弁体12の開閉タイミングに関して優れた制御精度を実現することができる。
【0042】
本実施形態において撥油性皮膜66の構成要素として用いられているシランカップリング層68およびフルオロカーボン層70は、それぞれ、本実施形態で下地として用いられる材質に対して良好な濡れ性を示し、極めて薄い膜厚で十分にその下地を被覆し得る特性を有している。このため、本実施形態の構造によれば、全面において安定して高い撥油性を示す撥油性皮膜66を、20〜50オングストローム程度の極めて薄い膜厚で形成することができる。
【0043】
撥油性皮膜66は、アーマチャ30の動作に伴って繰り返し上側電磁石48に衝突する。従って、撥油性皮膜66には、高い耐久性が要求される。撥油性皮膜66には、その膜厚が厚いほど、上側電磁石48との衝突に伴うたわみ等の影響で亀裂が生じ易い。この亀裂の発生を防止するには、撥油性皮膜66の膜厚が5000オングストローム以下であることが望ましい。本実施形態では、撥油性皮膜66の膜厚を、その所望の膜厚に比して十分に薄い20〜50オングストロームとすることができる。このため、本実施形態の構造によれば、撥油性皮膜66に対して高い耐久性を付与することができる。
【0044】
電磁駆動弁10において、アーマチャ30と上側電磁石48との間に働く電磁力は、両者間のエアギャップが小さいほど大きな力となる。より厳密には、その電磁力は、アーマチャ30の磁性部64とアッパコア44との距離が短いほど大きな力となる。つまり、本実施形態の構成において、撥油性皮膜66は、磁気回路の構成要素としてはエアギャップであり、効率的に大きな電磁力を発生させるためには、その膜厚は薄いほど望ましい。
【0045】
上述の如く、本実施形態では、撥油性皮膜66の膜厚が、十分に薄い20〜50オングストロームとされている。このため、本実施形態の構造によれば、アーマチャ30の磁性部64が撥油性被膜66で覆われているにも関わらず、アーマチャ30が上側電磁石48に接している際に、効率的に大きな磁束密度を発生させることができる。
【0046】
アーマチャ30の磁性部64の磁気特性は、アーマチャ30が高温で熱処理されると、熱歪みの影響で悪化することがある。本実施形態では、撥油性皮膜66を形成するための熱処理の温度が、上記の如く200℃以下、すなわち、磁性部64の磁気特性を悪化させることのない温度とされている。このため、図4に示すアーマチャ30の構造は、磁性部64の磁気特性の悪化を伴うことなく実現することができる。
【0047】
ところで、上述した実施の形態1においては、排油溝62および撥油性被膜66を、アーマチャ30の上面にのみ形成することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、排油溝62や撥油性皮膜66は、アーマチャ30の上面および下面の双方に形成してもよい。
【0048】
また、上述した実施の形態1においては、排油溝62や撥油性皮膜66を、アアーマチャ30の表面に設けることとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、排油溝62や撥油性皮膜66は、アーマチャ30の表面に代えて、或いは、アーマチャ30の表面と共に、電磁石42,48側に設けることとしてもよい。
【0049】
実施の形態2.
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施形態の電磁駆動弁は、アーマチャの表面を覆う撥油性皮膜の構造を除き、実施の形態1の電磁駆動弁10と同様の構成を有している。以下、便宜上、実施の形態1の場合と同様の参照符号を用いて、本実施形態の電磁駆動弁の構成について説明する。
【0050】
図5は、本実施形態の電磁駆動弁において用いられるアーマチャ30の構造を分子構造レベルで表した図を示す。図5に示すように、本実施形態では、アーマチャ30の磁性部64を覆う撥油性被膜66が、メチルハイドロジェンシロキサンの層で構成されている。
【0051】
メチルハイドロジェンシロキサンは、シロキサン結合により、磁性部64の表面に存在する酸化シリコンと強固に結合すると共に、フルオロカーボンと同様に優れた撥油性を示す。更に、本実施形態における撥油性皮膜66は、実施の形態1におけるそれと同様に、200℃以下の温度で成膜することができ、かつ、5000オングストロームより十分に薄い膜厚で十分に安定した撥油性を実現することができる。このため、本実施形態の電磁駆動弁によれば、実施の形態1の電磁駆動弁10と同様の効果を得ることができる。
【0052】
実施の形態3.
次に、図6を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
上述した実施の形態1または2では、本発明を適用する対象が、円筒バルク構造のコア(ロアコア38およびアッパコア44)を有する電磁駆動弁10に限定されている。しかし、本発明の適用が可能な電磁駆動弁は、このタイプに限定されるものではない。すなわち、本発明は、矩形積層構造のコアを有する電磁駆動弁にも適用することが可能である。
【0053】
図6(A)は、本発明の実施の形態3である電磁駆動弁80の構造を説明するための図である。また、図6(B)は、電磁駆動弁80の主要部の断面を、図6(A)に示すB矢視で表した図である。
【0054】
図6(A)および図6(B)に示す電磁駆動弁80は、矩形積層構造のロアコア82およびアッパコア84を備えている。ロアコア82、およびアッパコア84は、それぞれ、珪素鋼板などの磁性板を、互いに絶縁した状態で複数毎積層させることにより形成されている。上記の磁性板は、図6(A)における紙面に垂直な方向、すなわち、図6(B)における左右方向に、互いに密着した状態で積層されている。
【0055】
ロアコア82およびアッパコア84の内部には、それぞれ、実施の形態1におけるロアコア38およびアッパコア44の場合と同様に、それらの内部に、図示しないロアコイル或いはアッパコイルが内蔵されている。矩形積層構造のコアによれば、それらのコイルにより発せられる磁束密度が変化した際に、その変化に伴って生ずる渦電流損を小さく抑えることができる。従って、本実施形態の電磁駆動弁80によれば、実施の形態1の電磁駆動弁10に比して、より高いエネルギー効率を実現することができる。
【0056】
本実施形態の電磁駆動弁80は、ロアコア82の下方に底板86を備えていると共に、ロアコア82の周囲に下側側壁88を備えている。また、アッパコア84の上方にキャップ部材90を備えると共に、アッパコア84の周囲に上側側壁92を備えている。そして、底板86の下、底板86とロアコア82との間、下側側壁88と上側側壁92との間、或いはアッパコア84とキャップ部材90との間などに、緩衝材94を備えている。
【0057】
緩衝材94によれば、実施の形態1における緩衝材58と同様に、アーマチャ30の動作に伴ってロアコア82或いはアッパコア84に伝達される振動を十分に減衰させることができる。このため、本実施形態の電磁駆動弁80によっても、実施の形態1の電磁駆動弁10と同等の静粛性を実現することができる。
【0058】
また、本実施形態の電磁駆動弁80は、実施の形態1の場合と同様の条件を満たすカーボンリリーフ60を有している。このため、本実施形態の電磁駆動弁80によれば、実施の形態1の場合と同様に、バルブガイド20へのカーボンの噛み込みを防止して、優れた起動性を実現することができる。
【0059】
更に、本実施形態の電磁駆動弁80は、実施の形態1または2の場合と同様に、排油溝62と撥油性被膜66を有するアーマチャ30を備えている。このアーマチャ30は、実施の形態1または2の場合とは異なり、図6(A)に示される辺を長辺とし、図6(B)に示される辺を短辺とする長方形とされており、かつ、回転しないように構成されている。
【0060】
このため、本実施形態では、アーマチャ30の表面に到達した潤滑油に遠心力は作用しない。しかし、その潤滑油は、撥油性被膜66の上で球状となり、アーマチャ30の上下動に伴って、その殆どがアーマチャ30の表面上から脱落する。このため、本実施形態の電磁駆動弁80によっても、実施の形態1または2の場合と同等に、弁体12の開閉タイミングにつき、優れた精度を実現することができる。
【0061】
ところで、上述した実施の形態1乃至3は、電磁駆動弁10,80の弁体12が排気弁である場合に限定されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、電磁駆動弁10,80は、吸気弁およびその駆動機構として用いることとしてもよい。
【0062】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
請求項1記載の発明によれば、アーマチャと電磁石の接触面が撥油性皮膜で覆われているため、湿式保持部からその接触面に到達した潤滑油の多くは、油滴となって流れ落ちる。このため、本発明によれば、アーマチャと電磁石の接触面に、両者の離間を妨げる油膜が形成されるのを有効に防止し、弁体の開閉タイミングに関して、優れた制御精度を実現することができる。また、この発明によれば、電磁駆動弁の停止時は、カーボンリリーフがバルブガイドの外に位置している。このため、本発明によれば、電磁駆動弁の停止中にバルブガイドの中にカーボンが堆積・付着するのを避けて、始動性の良い電磁駆動弁を実現することができる。
【0063】
請求項2記載の発明によれば、アーマチャの表面を撥油性に優れたフルオロカーボン層で覆うことができる。また、本発明は、シランカップリング層を介在させることにより、フルオロカーボン層の強度や密着性を高めることができる。このため、本発明によれば、アーマチャの表面を、撥油性に優れ、かつ、信頼性・耐久性に優れた撥油性膜で覆うことができる。
【0064】
請求項3記載の発明によれば、アーマチャの表面をメチルハイドロジェンシロキサン層で覆うことができる。メチルハイドロジェンシロキサン層は、撥油性に優れ、また、シリコンを含む無機材料の上で高い強度を発揮する層である。このため、本発明によれば、アーマチャの表面を、撥油性に優れ、かつ、信頼性・耐久性に優れた撥油性膜で覆うことができる。
【0065】
請求項4記載の発明によれば、電磁石と保持ブロックとの間に緩衝材が配置されるため、静粛性に優れた電磁駆動弁を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1または2の電磁駆動弁の構成を説明するための図である。
【図2】 図1に示す電磁駆動弁が備える弁軸の周辺を拡大して表した図である。
【図3】 図1に示す電磁駆動弁が備えるアーマチャの構造を説明するための図である。
【図4】 本発明の実施の形態1の電磁駆動弁が備えるアーマチャの構造を分子レベルで表した図である。
【図5】 本発明の実施の形態2の電磁駆動弁が備えるアーマチャの構造を分子レベルで表した図である。
【図6】 本発明の実施の形態3の電磁駆動弁の構造を説明するための図である。
【符号の説明】
10;80 電磁駆動弁
12 弁体
18 弁軸
20 バルブガイド
28 アーマチャ軸
30 アーマチャ
38 ロアコア
40 ロアコイル
42 下側電磁石
44 アッパコア
46 アッパコイル
48 上側電磁石
50,52 湿式のブッシュ
58;94 緩衝材
60 カーボンリリーフ
62 排油溝
64 磁性部
66 撥油性被膜
68 シランカップリング層
70 フルオロカーボン層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an electromagnetically driven valve, and more particularly to an electromagnetically driven valve suitable as a mechanism for driving an intake valve or an exhaust valve of an internal combustion engine with an electromagnetic force.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, for example, JP-A-11-36829 discloses an electromagnetically driven valve that drives an intake valve or an exhaust valve of an internal combustion engine with an electromagnetic force. This electromagnetically driven valve includes an armature made of a magnetic material and two electromagnets arranged above and below the armature. An armature shaft passing through the center of the electromagnet is fixed at the center of the armature.
[0003]
The armature shaft is slidably held in the axial direction by a bush provided in the electromagnet. A valve shaft that communicates with the valve element is connected to the lower end of the armature shaft. Lubricating oil is supplied to the bush from the outside in order to reduce the sliding resistance of the armature shaft.
[0004]
According to the electromagnetically driven valve having the above configuration, by supplying an exciting current to the upper electromagnet, the armature can be attracted to the electromagnet and the valve body can be fully closed. Further, when the exciting current to the upper electromagnet is stopped and the exciting current is supplied to the lower electromagnet, the armature can be attracted to the lower electromagnet and the valve element can be fully opened. Therefore, according to the conventional electromagnetically driven valve, the valve body can be arbitrarily opened and closed by appropriately supplying an exciting current to the two electromagnets.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In the conventional electromagnetically driven valve, the lubricating oil supplied to the bush reaches the surface of the armature along the armature shaft. The lubricating oil that has reached the surface of the armature becomes an oil film interposed between the two when the armature is adsorbed by the electromagnet, and improves the adhesion between them. As a result, when the oil film is present, the armature is less likely to be separated from the electromagnet after the excitation current is stopped, compared to when the oil film is not present.
[0006]
In an electromagnetically driven valve, in order to accurately open and close the valve body at a desired timing, it is desirable that the delay until the armature is separated from the electromagnet after the supply of the excitation current to the electromagnet is stopped is shorter. In this regard, in the conventional electromagnetically driven valve, the lubricating oil that has reached the surface of the armature has been one factor that deteriorates the opening / closing timing accuracy of the valve body.
[0007]
The present invention has been made in order to solve the above-described problems, and provides an electromagnetically driven valve that can sufficiently suppress the influence of the lubricating oil that has reached the surface of the armature on the accuracy of the opening / closing timing of the valve body. The purpose is to provide.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The invention according to
An electromagnet for generating the electromagnetic force;
An armature disposed opposite to the electromagnet;
An armature shaft fixed to the armature;
A wet holding unit that slidably holds the armature shaft using a lubricant so that the armature and the electromagnet are in contact with each other and separated from each other; and
An oil repellent coating formed on a contact surface between the armature and the electromagnet;
A valve shaft fixed to the valve body;
A valve guide for slidably holding the valve shaft,
The valve shaft includes a carbon relief that makes the valve shaft thinner than the sliding portion between the valve body and the sliding portion that slides with the inner wall of the valve guide,
The carbon relief is formed so as to be located outside the valve guide when the electromagnetically driven valve is stopped.It is characterized by that.
[0009]
The invention according to claim 2 is the electromagnetically driven valve according to
The armature includes a magnetic part made of a magnetic material containing silicon,
The oil-repellent coating includes a fluorocarbon layer and a silane coupling layer that bonds the fluorocarbon layer and the magnetic part.
[0010]
The invention according to claim 3 is the electromagnetically driven valve according to
The armature includes a magnetic part made of a magnetic material containing silicon,
The oleaginous film includes a methylhydrogensiloxane layer.
[0011]
The invention according to claim 4 is the electromagnetically driven valve according to any one of
A holding block for holding the electromagnet;
A cushioning material interposed between the electromagnet and the holding block;
Is further provided.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings. In addition, the same code | symbol is attached | subjected to the element which is common in each figure, and the overlapping description is abbreviate | omitted.
[0014]
FIG. 1 is a cross-sectional view for explaining the configuration of an electromagnetically driven
An electromagnetically driven
[0015]
The
[0016]
The upper end of the
[0017]
The
[0018]
An
[0019]
A
[0020]
A
[0021]
The position of the
[0022]
FIG. 1 shows a state in which the
[0023]
When the energization of the
[0024]
As described above, the electromagnetically driven
[0025]
During the operation of the electromagnetically driven
[0026]
Next, a second feature of the electromagnetically driven
FIG. 2 shows an enlarged view of the periphery of the
[0027]
As shown in FIG. 2, a carbon relief 60 is provided on the
[0028]
Immediately after the internal combustion engine is stopped (immediately after the electromagnetically driven
[0029]
When the upper end position of the carbon relief 60 is higher than the lower end position of the
[0030]
When carbon adheres to the
[0031]
In the electromagnetically driven
[0032]
In the present embodiment, the
[0033]
Next, a third feature of the electromagnetically driven
As shown in FIG. 1, the electromagnetically driven
[0034]
Such an oil film generates a force in a direction that prevents the
[0035]
FIG. 3A is a perspective view of the
[0036]
As shown in FIG. 3A, the
[0037]
As shown in FIG. 3B, the
[0038]
FIG. 4 is a diagram showing the structure of the
[0039]
The
[0040]
When the surface of the
[0041]
When the lubricating oil that has reached the surface of the
[0042]
The
[0043]
The
[0044]
In the electromagnetically driven
[0045]
As described above, in this embodiment, the film thickness of the oil-
[0046]
When the
[0047]
Incidentally, in the first embodiment described above, the
[0048]
In the first embodiment described above, the
[0049]
Embodiment 2. FIG.
Next, a second embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. The electromagnetically driven valve of the present embodiment has the same configuration as that of the electromagnetically driven
[0050]
FIG. 5 shows a diagram representing the structure of the
[0051]
Methylhydrogensiloxane is firmly bonded to silicon oxide existing on the surface of the
[0052]
Embodiment 3 FIG.
Next, a third embodiment of the present invention will be described with reference to FIG.
In the first or second embodiment described above, the object to which the present invention is applied is limited to the electromagnetically driven
[0053]
FIG. 6A is a view for explaining the structure of an electromagnetically driven valve 80 according to Embodiment 3 of the present invention. FIG. 6B is a view showing a cross section of the main part of the electromagnetically driven valve 80 as viewed in the direction of arrow B shown in FIG.
[0054]
The electromagnetically driven valve 80 shown in FIGS. 6A and 6B includes a
[0055]
As in the case of the
[0056]
The electromagnetically driven valve 80 according to this embodiment includes a
[0057]
According to the
[0058]
Further, the electromagnetically driven valve 80 of the present embodiment has a carbon relief 60 that satisfies the same conditions as in the case of the first embodiment. For this reason, according to the electromagnetically driven valve 80 of the present embodiment, as in the case of the first embodiment, it is possible to prevent carbon from getting into the
[0059]
Further, the electromagnetically driven valve 80 of the present embodiment includes the
[0060]
For this reason, in this embodiment, centrifugal force does not act on the lubricating oil that has reached the surface of the
[0061]
By the way, although
[0062]
【The invention's effect】
Since the present invention is configured as described above, the following effects can be obtained.
According to the first aspect of the present invention, since the contact surface between the armature and the electromagnet is covered with the oil-repellent coating, most of the lubricating oil that has reached the contact surface from the wet holding part flows down as oil droplets. Therefore, according to the present invention, it is possible to effectively prevent an oil film from being formed on the contact surface between the armature and the electromagnet from being separated from each other, and to realize excellent control accuracy with respect to the opening / closing timing of the valve body. it can.According to the present invention, the carbon relief is located outside the valve guide when the electromagnetically driven valve is stopped. For this reason, according to the present invention, it is possible to realize an electromagnetically driven valve with good startability by avoiding the accumulation and adhesion of carbon in the valve guide while the electromagnetically driven valve is stopped.
[0063]
According to invention of Claim 2, the surface of an armature can be covered with the fluorocarbon layer excellent in oil repellency. Moreover, this invention can improve the intensity | strength and adhesiveness of a fluorocarbon layer by interposing a silane coupling layer. Therefore, according to the present invention, the surface of the armature can be covered with an oil-repellent film that is excellent in oil repellency and excellent in reliability and durability.
[0064]
According to the invention described in claim 3, the surface of the armature can be covered with the methylhydrogensiloxane layer. The methyl hydrogen siloxane layer is excellent in oil repellency and is a layer that exhibits high strength on an inorganic material containing silicon. Therefore, according to the present invention, the surface of the armature can be covered with an oil-repellent film that is excellent in oil repellency and excellent in reliability and durability.
[0065]
According to the fourth aspect of the present invention, since the cushioning material is disposed between the electromagnet and the holding block, an electromagnetically driven valve having excellent silence can be realized.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram for explaining a configuration of an electromagnetically driven valve according to
FIG. 2 is an enlarged view of the periphery of a valve shaft included in the electromagnetically driven valve shown in FIG.
FIG. 3 is a view for explaining the structure of an armature provided in the electromagnetically driven valve shown in FIG. 1;
FIG. 4 is a diagram showing the structure of an armature included in the electromagnetically driven valve according to the first embodiment of the present invention at a molecular level.
FIG. 5 is a view showing the structure of an armature provided in an electromagnetically driven valve according to Embodiment 2 of the present invention at a molecular level.
FIG. 6 is a view for explaining the structure of an electromagnetically driven valve according to a third embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
10; 80 Electromagnetically driven valve
12 Disc
18 Valve stem
20 Valve guide
28 Armature axis
30 Armature
38 lower core
40 Lower coil
42 Lower electromagnet
44 Upper Core
46 Upper coil
48 Upper electromagnet
50,52 Wet bush
58; 94 cushioning material
60 carbon relief
62 Oil drain groove
64 Magnetic part
66 Oil repellent coating
68 Silane coupling layer
70 Fluorocarbon layer
Claims (4)
前記電磁力を発生する電磁石と、
前記電磁石と対向して配置されるアーマチャと、
前記アーマチャに固定されたアーマチャ軸と、
前記アーマチャと前記電磁石が接した状態と、それらが離れた状態とが実現できるように、潤滑油を利用して、前記アーマチャ軸を摺動可能に保持する湿式保持部と、
前記アーマチャと前記電磁石との接触面に形成された撥油性被膜と、
前記弁体に固定された弁軸と、
前記弁軸を摺動可能に保持するバルブガイドと、を備え、
前記弁軸は、前記バルブガイドの内壁と摺動する摺動部と前記弁体との間に、当該弁軸を前記摺動部より細くするカーボンリリーフを備え、
前記カーボンリリーフは、当該電磁駆動弁の停止時に、前記バルブガイドの外に位置するように形成されていることを特徴とする電磁駆動弁。An electromagnetically driven valve that opens and closes the valve body by electromagnetic force,
An electromagnet for generating the electromagnetic force;
An armature disposed opposite to the electromagnet;
An armature shaft fixed to the armature;
A wet holding unit that slidably holds the armature shaft using a lubricant so that the armature and the electromagnet are in contact with each other and separated from each other; and
An oil repellent coating formed on a contact surface between the armature and the electromagnet;
A valve shaft fixed to the valve body;
A valve guide for slidably holding the valve shaft,
The valve shaft includes a carbon relief that makes the valve shaft thinner than the sliding portion between the valve body and the sliding portion that slides with the inner wall of the valve guide,
The carbon relief is formed so as to be positioned outside the valve guide when the electromagnetic relief valve is stopped .
前記撥油性皮膜は、フルオロカーボン層と、当該フルオロカーボン層と前記磁性部とを結合させるシランカップリング層とを含むことを特徴とする請求項1記載の電磁駆動弁。The armature includes a magnetic part made of a magnetic material containing silicon,
The electromagnetically driven valve according to claim 1, wherein the oil-repellent coating includes a fluorocarbon layer and a silane coupling layer that bonds the fluorocarbon layer and the magnetic part.
前記発油性被膜は、メチルハイドロジェンシロキサン層を含むことを特徴とする請求項1記載の電磁駆動弁。The armature includes a magnetic part made of a magnetic material containing silicon,
The electromagnetically driven valve according to claim 1, wherein the oleaginous coating includes a methylhydrogensiloxane layer.
前記電磁石と前記保持ブロックとの間に介在する緩衝材と、
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の電磁駆動弁。A holding block for holding the electromagnet;
A cushioning material interposed between the electromagnet and the holding block;
The electromagnetically driven valve according to any one of claims 1 to 3, further comprising:
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