JP4649145B2 - ワクチン製造用株化細胞およびウイルス - Google Patents

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本発明は、サブタイプBに分類されるネコ免疫不全ウイルス(以下、FIVという)分離株TM2が持続感染し、FIVワクチンの製造に十分なFIV TM2株を恒常的に産生する株化細胞とその樹立法、およびサブタイプEに分類されるFIV分離株(以下、FIV-E株という)が持続感染し、FIVワクチンの製造に十分なFIV-E株を恒常的に産生する株化細胞とその樹立法に関する。
FIVは、ヒト後天性免疫不全症候群(acquired immunodeficiency syndrome;AIDS)と類似した臨床症状を呈するネコから分離されたレトロウイルスで (Pedersen, N.C.ら、1987. Science 235: 790-793)、ヒト免疫不全ウイルス1型 (HIV-1)と同じレンチウイルス亜科に属する。FIVのRNAゲノムは、遺伝子発現を制御すると考えられているLTR、コアタンパク質やキャプシドタンパク質をコードするgag、プロテアーゼ、インテグラーゼおよび逆転写酵素(ウイルスRNA依存性DNAポリメラーゼ)をコードするpol、アクセサリータンパク質をコードするvif、機能不明のタンパク質をコードするORF A、外被表面タンパク質や膜貫通タンパク質をコードするenv、並びにウイルスmRNAの核外輸送に関与するRevタンパク質をコードするrevなどの遺伝子から構成されている。また、外被を有するFIVは、その外被タンパク質V3-V5領域の塩基配列の違いからA、B、C、DおよびEのサブタイプに分類されている (Lombardi, S.ら、1993. J. Virol. 67: 4742-4749; Siebelink, K.H.J.ら、1995. J.Virol. 69: 5124-5127)。
サブタイプBに分類されるFIV分離株としてはTM1株(Kohmoto, M.ら、1994. J. Gen. Virol. 75: 1935-1942)、TM2株(Kohmoto, M.ら、1994. J. Gen. Virol. 75: 1935-1942)、KYO-1株(Kawaguchi, Y.ら、1992. Arch. Virol. 125: 347-354)、Bangston株(Lutz, H.ら、1995. Vet. Immunol. Immunopathol. 46: 103-113)、5種のポルトガル分離株(RP1株、PP2株、TLP3株、FP4株、CP5株)(Duarte, A.ら、2002. Arch. Virol. 147: 1061-1070)、Millan 2株(Matteucci, D.ら、1996. J. Virol. 70: 617-622)、Sendai-2株(Kakinuma, S.ら、1995. J. Virol. 69: 3639-3646)、Aomori-1株(Kakinuma, S.ら、1995. J. Virol. 69: 3639-3646)およびAomori-2株(Kakinuma, S.ら、1995. J. Virol. 69: 3639-3646)などが、またサブタイプEに分類されるFIV分離株としてはアルゼンチン分離株(LP3株、LP20株、LP24株)(Yamada, H.ら、1995. Arch. Virol. 140: 41-52)がある。
これまでの広範な血清疫学的調査の結果、病気を患っているネコの44%もがFIVに感染していることが報告されている (Miyazawa, T. and Mikami, T.、1993. J. Vet. Med. Sci. 55: 519-526)。
また、欧州、米国および日本のネコでは、AからEのサブタイプに分類されるFIVのうちサブタイプBに分類されるFIVによる汚染が広がっているという疫学的調査結果が報告されている(Bachmann, M. H.ら、1997. J. Virol. 71: 4241-4253;Nishimura, Y.ら、1998. Virus Res. 57: 101-112;Steinrigl, A. and Klein, D.、2003. J. Gen. Virol. 84: 1301-1307)。
このように、ネコでの汚染が広がっているFIVは、免疫担当細胞であるリンパ球等に感染するため、感染したネコの免疫機能を低下させる。また、その結果、感染ネコは種々の日和見感染症を併発し、致命的な臨床症状を呈する。このような状況から、獣医学領域では、FIVに対するワクチンの開発が切望されている。
FIVワクチンとしては、サブタイプAに分類されるFIV(以下、FIV-Aという)とサブタイプDに分類されるFIV(以下、FIV-Dという)を工業スケールで大量に調製するための製造用細胞としての持続感染細胞が樹立されたことから、これら2種のFIV分離株を混合した不活化FIVワクチンが開発され、米国で上市されている(Pu, R.ら、2001. AIDS 15: 1-13;特表平11-513031)。
また、研究レベルでは、サブタイプA、BおよびDに分類される種々のFIV分離株を抗原としたワクチンの有効性が検討されているが、上記のFIV-AとFIV-Dを混合した不活化ウイルスワクチンのみが実用化されているにすぎない。
ネコの間で広範に汚染しているサブタイプBに分類されているFIV分離株については、TM1株およびTM2株がインターロイキン-2(IL-2)依存性ネコ株化リンパ芽球であるMYA-1細胞で(Miyazawa, T.ら、1989. Arch. Virol. 108: 131-135)、KYO-1株がIL-2依存性ネコ株化リンパ芽球であるKumi-1細胞で(Hohdatsu, T.ら、1996. J. Gen. Virol. 77: 93-100)、Millan 2株がIL-2依存性ネコ末梢血単核球株MBMで(Matteucci, D.ら、1996. J. Virol. 70: 617-622)、また、Aomori-1株、Aomori-2株およびBangston株がIL-2非依存性ネコ株化リンパ芽球であるFeT-J細胞で(U. S. Patent 5,846,825、U. S. Patent 6,447,993、特表平11-513031)それぞれ増殖可能であることが見いだされている。
さらに、FIV-B分離株の一つであるTM2株については、それが持続感染したIL-2非依存性に増殖する株化細胞として、ネコ白血病ウイルス(以下、FeLVという)が持続感染したネコ由来株化細胞であるF422細胞にTM2株を重感染させたF422TR細胞が樹立されている(特開2001-97885号)。
一方、アルゼンチンで分離されたサブタイプEに分類されるFIV分離株は、それが感染したネコの血清がサブタイプEに分類されるFIVのみならずサブタイプA、B、CおよびDに分類されるFIV分離株を中和するという実験例が示されており、そのブロードスペクトラムな抗原性から、FIVワクチン用ウイルス株として期待されている(Inoshima, Y.ら、1998. Arch. Virol. 143: 157-162)。しかしながら、MYA-1細胞以外にFIV-Eに感受性を示す株化細胞は見いだされてなく、FIVワクチンの製造に供する大量のFIV-Eウイルスを調製するための細胞系は確立されていない。従って、FIV-Eを抗原としたワクチンに関する研究例もない。
FIVの感染には、その外被タンパク質が標的細胞上のウイルスレセプターに結合する必要があることが知られている(Miyazawa, T.、2002. Front. Biosci. 1: 504-518;Frey, S. C.ら、2001. J. Virol. 75: 5433-5440)。特に、FIV TM2株については、細胞性ウイルスレセプターとしてネコ由来OX40(以下、fOX40という)(Shimojima, M.ら、2004. Science 303: 1192-1195)が同定されている。しかしながら、サブタイプEに分類されるFIV分離株であるLP20株およびLP24株などの感染に関与する細胞性ウイルスレセプターや細胞性因子は同定されていない。
一般的に、ウイルス持続感染細胞を調製する方法としては、ウイルスを細胞に直接感染させる、いわゆる「cell-free感染法」か、もしくはウイルス感染細胞と非感染細胞を共培養し、感染細胞から非感染細胞への細胞間感染によってウイルスを伝播する、いわゆる「cell-to-cell感染法」が用いられている。また、一般的ではないが、感染させようとする細胞上にウイルス特異的なレセプターが存在しない場合には、それらを介さない感染法として、全長プロウイルスゲノムを組み込んだプラスミド(感染性分子クローン)を細胞内に導入する、いわゆる「トランスフェクション法」が実施されている。さらに、感染させようとする細胞上にウイルス感染に必要な細胞性因子やレセプターが存在しない細胞にウイルスを感染させる別の方法として、感染に必要な細胞性因子を発現することが可能な組換えレトロウイルスや発現ベクターを標的細胞に感染またはトランスフェクションすることで、その標的細胞上にウイルス感染に必要な細胞性因子を強制発現させ、それらを介してウイルス感染を成立させる方法が考えられる。
これまでに、FIV-Bに分類されるTM1株の感染性分子クローンをトランスフェクション法で種々の株化細胞に導入することで、細胞にTM1株を感染させる試みがなされている。しかしながら、感染は成立したものの、TM1株が持続感染した株化細胞は得られていない(Miyazawa, T.ら、1992. J. Gen. Virol. 73: 1543-1546)。
特開2001-97885号公報
世界各国のネコで特に汚染が広がっているFIV-Bを標的としたFIVワクチンに関しては、FIV-B分離株であるBangston株を抗原としたワクチンの効果が検討されているが実用化には至っていない。また、種々のサブタイプのFIVを中和する交差反応性中和抗体を誘導すると考えられているFIV-Eを効率良く産生し、工業スケールで大量増殖できる株化細胞系、いわゆる市販向けFIV-Eワクチン製造用株化細胞が樹立されていないことから、FIV-Eを抗原としたワクチンに関する研究例はなく、従って上市もされていない。そこで、本発明は、市販向けワクチン製造に供するFIV-B分離株TM2およびFIV-Eを大量、かつ安定的に調製するためのTM2株持続感染株化細胞およびFIV-E持続感染株化細胞の樹立を目的とする。
FIV-B分離株であるTM2株については、その感受性株化細胞としてネコ株化リンパ芽球MYA-1が見出されているが、MYA-1細胞はその増殖にIL-2の添加を要することから、ワクチン用FIVの増殖工程を煩雑にし、また、ワクチン製造価格の高騰を招き、さらには、添加したIL-2がワクチン抗原液とする細胞培養上清中に残留してしまうという問題がある。よって、TM2株/MYA-1細胞のウイルス/細胞系は市販用FIVワクチンを製造するに相応しいとは言い難いものであった。
一方、TM2株を恒常的、かつ効率良く産生するウイルス/細胞系として、TM2株が持続感染したネコ由来株化細胞F422TRが作出されている(特開2001-97885)。しかし、F422TR細胞は、TM2株のみを産生するものではなく、持続的に重感染しているFeLVを同時に産生するため、FIV-BとしてのTM2株のみを抗原とするFIVワクチンを製造するための細胞とはなりえない。
上記のように、サブタイプBに分類されるFIVはネコにおける汚染率が高く、獣医学領域でワクチン開発が切望されているが、未だ、実用化には至っていない。特に、日本で分離されたFIV-B分離株であるTM2株を抗原としたワクチンの実用化に向けては、市販用ワクチンの製造のために必要な効率的なTM2株の産生系確立が課題として残されている。
一方、FIV-Eについては、IL-2依存性に増殖するMYA-1細胞以外での株化細胞におけるウイルス増殖はこれまでに確認されていない(Pecoraro, M. R.ら、1996. J. Gen. Virol. 77: 2031-2035)。また、本明細書においても、FB-1細胞(ネコ胎子脳由来株化細胞)、CrFK(Crandell feline kidney)細胞、FeT-J細胞、3201細胞およびfcwf(Felis catus whole fetus)細胞などのIL-2非依存的に増殖するネコ由来株化細胞、また、Vero細胞およびCOS-1細胞などのサル由来の株化細胞にサブタイプEに分類されるFIV分離株であるLP24株を感染させたが、安定的なウイルス感染は認められていない。また、そのため、未だ、市販を目的としたサブタイプEに分類されるFIVを抗原としたワクチン開発が阻まれており、ワクチン開発およびその実用化に向けて、効率的にFIV-Eを産生できる細胞系の確立が課題となっている。
また、FIV-Eの感染成立に必要な細胞性レセプターが同定されていないことも、このウイルスを抗原としたワクチンを製造するためのウイルス増殖用株化細胞の選択や樹立を困難にしている。
すなわち、本発明は、上記のような課題を解決するため、サブタイプBに分類されるFIV分離株であるTM2株およびサブタイプEに分類されるFIVを抗原とした不活化FIVワクチンの製造、およびTM2株持続感染細胞やサブタイプE FIV持続感染細胞を抗原とした不活化FIV感染細胞ワクチンの製造に供するTM2株持続感染株化細胞およびFIV-E 持続感染株化細胞の樹立を目的とするものである。
本発明者らは、サブタイプBに分類されるFIV分離株TM2の感染性分子クローンをネコ脳由来株化細胞に繰り返しトランスフェクションすることで、TM2株やその持続感染細胞を抗原とするFIVワクチンの製造に十分な量のTM2ウイルスを産生する能力を備えたFIV TM2株持続感染株化細胞が樹立できることを見出し、本発明を完成したものである。
すなわち、この株化細胞はTM2株の感染性分子クローンをネコ脳由来付着性株化細胞FB-1に1回トランスフェクションするだけでは樹立できず、繰り返し12回トランスフェクションを行った結果、予期せぬことに樹立されるに至ったTM2株持続感染株化細胞であり、FIV TM2株が持続感染した初めてのIL-2非依存性の株化細胞である。このTM2株持続感染株化細胞は、その培養上清中にTM2株ウイルスを持続的、かつ恒常的に産出することができる。なお、持続感染とは少なくとも感染細胞を殺すことなく恒常的にウイルスを産生し続ける状態をいい、本発明の株化細胞は少なくとも10代継代培養してもFIVによる細胞傷害は認められず、市販用FIVワクチンの製造に十分な細胞増殖能およびFIV TM2株産生能を維持し続ける細胞であった。
換言すれば、本発明のTM2株持続感染株化細胞は、サブタイプBに分類されるFIV分離株TM2が持続感染し、市販用FIVワクチンを製造するに十分なウイルス力価のTM2株を恒常的、かつ効率的に産生する株化細胞であることを特徴とする。さらに、本発明はこの株化細胞を得るための細胞樹立方法も包含し、該方法は、FIVの感染性分子クローンをネコ脳由来株化細胞FB-1に対して繰り返しトランスフェクションするもので、それによって導入されるFIV感染性分子クローンがFIV TM2株の全長プロウイルスゲノムが組み込まれたプラスミドであることを特徴としている。
上記の発明に加えて、本発明者らは、サブタイプEに分類されるFIV分離株LP24の感染成立に細胞性因子であるfOX40が必要なことを初めて見出し、fOX40発現ユニットを含有する組換えレトロウイルスを用いてFB-1細胞上にfOX40を発現させ、LP24株非感受性であったFB-1細胞をLP24株感受性細胞に転換させることで、FB-1細胞にLP24株を持続感染させることに成功した。さらには、その持続感染細胞の集団から、LP24株やその持続感染細胞を抗原とするFIVワクチンの製造に十分なウイルス力価のLP24ウイルスを産生する能力を備えた細胞をクローニングすることでLP24株が持続感染した株化細胞を樹立できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明をさらに詳細に述べれば、本発明者らは、サブタイプEに分類されるFIV分離株であるLP24株がその感染に細胞性因子であるfOX40を必要とすることを見出し、加えて、fOX40を発現することができる組換えマウス白血病ウイルスをLP24株非感受性であったFB-1細胞に感染させることでそのFB-1細胞上にfOX40を発現させてLP24株感受性に転換し、さらには、そのfOX40発現FB-1細胞にLP24株を感染させ、その細胞集団からLP24株が持続感染した細胞のみからなる株化細胞を樹立するに至った。なお、本発明で樹立したLP24株持続感染株化細胞は、LP24株を持続的かつ恒常的に産出する能力を備え、少なくとも10代継代培養してもFIVによる細胞傷害は認められず、LP24株およびその持続感染細胞を抗原とする市販を目的とするFIVワクチンの製造に十分な細胞増殖能およびウイルス産生能を維持し続ける細胞であった。
すなわち、本発明のLP24株持続感染株化細胞は、サブタイプEに分類されるFIV分離株LP24が持続感染し、市販を目的としたFIVワクチンの抗原として十分なウイルス力価のLP24株を恒常的かつ効率的に産生する能力を備えた株化細胞であることを特徴とする。さらに、本発明はこの株化細胞を得るための細胞樹立方法も包含し、該方法は、サブタイプEに分類されるFIVの感染に必要な細胞性因子を遺伝子工学的技術を駆使して発現させたFIV-E感受性株化細胞を作出するもので、その遺伝子工学的技術が細胞性因子の遺伝子断片を組み込んだマウス白血病ウイルスを用いていること、および遺伝子工学的技術で発現させる細胞性因子がfOX40であることを特徴としている。
本明細書では、TM2株のcell-free感染法によるTM2株持続株化感染細胞作出の試みにFB-1細胞、CrFK細胞、FeT-J細胞、3201細胞、fcwf細胞、Vero細胞、COS-1細胞、HeLa細胞、SW480細胞および293T細胞などのIL-2非依存性株化細胞を用い、また、LP24株のcell-free感染法によるLP24株持続感染株化細胞作出の試みにはFB-1細胞、CrFK細胞、FeT-J細胞、3201細胞、fcwf細胞、Vero細胞およびCOS-1細胞などのIL-2非依存性株化細胞を用いたが、いずれの株化細胞においてもTM2株およびLP24株の持続感染は成立しなく、TM2持株続感染株化細胞およびLP24株持続感染株化細胞の樹立の困難さが示された。
また、本明細書では、TM2株の感染性分子クローンDNAのトランスフェクション法による細胞への導入によるTM2株持続感染株化細胞の作出の試みにFB-1細胞、CrFK細胞、FeT-J細胞、3201細胞、fcwf細胞、Vero細胞、COS-1細胞、HeLa細胞、SW480細胞および293T細胞などのIL-2非依存性株化細胞を用いたが、TM2株は、CrFK細胞、FeT-J細胞、3201細胞、fcwf細胞、Vero細胞およびCOS-1細胞に対して一過性にしか感染せず、また、HeLa細胞、SW480細胞および293T細胞にはまったく感染しなく、TM2株持続感染株化細胞の樹立の困難さが強調された。一方、TM2株は一部のFB-1細胞に持続感染したものの、その持続感染細胞は、産生されるTM2株ウイルスが少なく、市販用FIVワクチンの抗原に供するTM2株ウイルスをウイルス濃縮工程なしに生産するためのワクチン製造用細胞とは成り得ないものであった。しかし、本発明者らは、FB-1細胞に対してTM2株感染性分子クローンの遺伝子導入操作を12回繰り返し行うことによって、予期せぬことに、感染に供したFB-1細胞におけるTM2株持続感染細胞の占める割合を高めることに成功し、さらには、細胞クローニングを行うことによって、他に例のないTM2株持続感染株化細胞の樹立に至った。
加えて、LP24株の感染成立に細胞性因子であるfOX40が必要であることを他に先駆けて見出したこと、さらには、そのfOX40をFB-1細胞に発現させたことで初めてLP24株持続感染株化細胞の樹立に至ったことも強調された。
本発明では、TM2株およびLP24株の持続感染株化細胞の樹立にネコ脳由来株化細胞であるFB-1細胞を用いたが、これらのウイルスが持続感染した株化細胞の樹立には、FB-1細胞以外のネコ脳由来株化細胞も用いることができる。
また、本発明のネコ脳由来株化細胞を用いたFIV持続感染株化細胞の樹立法は、持続感染させるFIVがTM2株もしくはLP24株以外のFIVであっても良い。
さらに、本発明のfOX40の人為的発現系を用いたFIV持続感染株化細胞の樹立法は、持続感染させるウイルスがLP24株以外のFIVであっても、感染にfOX40を要するFIVであれば、それを包括する。
本発明のTM2株持続感染株化細胞もしくはLP24株持続感染株化細胞およびそれらの持続感染細胞から産生されるFIVは、不活化することでFIVワクチンおよびFIV感染診断法の抗原として用いることができる。
本発明のTM2株持続感染株化細胞もしくはLP24株持続感染株化細胞およびそれらの持続感染細胞から産生されるFIVは、それら以外のFIV分離株や他のサブタイプのFIVと混合した不活化FIVワクチンの抗原として用いることができ、加えて、FIV以外のネコ病原性ウイルスや病原性細菌もしくはそれらに由来する免疫原性抗原と混合したネコ用多価ワクチンの抗原として用いることができる。
本発明によれば、サブタイプBに分類されるFIV分離株TM2およびサブタイプEに分類されるFIV分離株がそれぞれ持続感染した株化細胞を樹立することができ、それらの株化細胞は不活化FIV感染細胞ワクチンとして利用することができ、加えて、それらの株化細胞からは不活化FIVワクチンの抗原とするに十分なウイルス力価のFIV TM2株とサブタイプEのFIVを調製することができる。
本発明の一つであるFIV TM2株持続感染株化細胞は、サブタイプBに分類されるFIV分離株であるTM2株が細胞傷害性を示すことなくネコ胎子脳由来株化細胞FB-1に持続感染した株化細胞である。また、該TM2株持続感染細胞は、その細胞培養上清中に市販を目的とするFIVワクチンの抗原として十分なウイルス力価のTM2ウイルスを産生することができ、また、不活化することで不活化FIV感染細胞ワクチンを調製することができる。以下に、TM2株持続感染株化細胞の樹立について詳細に説明する。
発明者らは、FB-1細胞、CrFK細胞、FeT-J細胞、3201細胞およびfcwf細胞などのIL-2非依存的に増殖するネコ由来株化細胞、Vero細胞およびCOS-1細胞などのIL-2非依存性サル由来株化細胞、HeLa細胞、SW480細胞および293T細胞などのIL-2非依存性ヒト由来株化細胞にそれぞれFIV TM2株をcell-free感染法で感染させたが、どの細胞においてもTM2株の感染は認められなかった。
上記のように「cell-free感染法」では、市販を目的としたFIVワクチンの抗原としてのFIV TM2株を調製するためのTM2株持続感染細胞が全く得られなかった。そこで、発明者らは、表1に示した各種IL-2非依存性株化細胞について、FIV TM2株の全長プロウイルスゲノムを有する感染性分子クローンpTM219(Maki, N.ら、1992. Arch. Virol. 123: 29-45 東京大学農学部獣医微生物学教室より分与)のプラスミドDNAをトランスフェクションすることで、TM2株持続感染株化細胞の作出を試みた。その結果、CrFK、FeT-J細胞、3201細胞、fcwf細胞、Vero細胞およびCOS-1細胞で一過性にTM2ウイルスの産生が認められたが、それらを3代継代培養した後に産生されたウイルス量は、FIV p24抗原を検出する市販のFIV抗原検出ELISA(enzyme-linked immunosorbent assay)キット(PetCheck FIV Ag、IDEXX Laboratories社製)で検出限界以下に低下した。一方、驚くべきことに、FB-1細胞のみは、FIVによる細胞傷害が認められず、3代継代培養後においても、約4%ではあるが、間接螢光抗体法おいて、FIV抗原を発現する感染細胞が検出され、さらには、僅かながらではあったが、その培養上清中にFIVウイルス粒子を産生していた。しかしながら、このように一部の細胞にTM2株が持続感染したFB-1細胞は、それから産生されるTM2株ウイルスが少なく、市販を目的とするFIVワクチンの抗原を調製するための細胞もしくは不活化FIV感染細胞ワクチン調製用の細胞とは言い難いものであった。
そこで、発明者らは、TM2株由来の感染性分子クローンpTM219をトランスフェクション法によりFB-1細胞に遺伝子導入する操作を12回繰り返し、細胞集団中に占める感染性分子クローン由来のFIV TM2株が持続感染する細胞の割合を高め、さらに、限界希釈法を2度繰り返し実施してTM2株が持続感染した細胞を株化した。その結果、予期せぬことに、株化後、少なくとも10代継代培養した後でもTM2株が持続感染し、その培養上清中に市販に供するFIVワクチンの製造に十分な約1 x 108.0 TCID50/mlの高力価のTM2ウイルスを安定的に産生する株化細胞を樹立することに成功し、本発明を完成するに至った。
以上のように、FIV TM2株が持続感染したIL-2非依存性株化細胞を樹立したこと、また、その樹立した株化細胞が安定的、かつ恒常的に高力価のFIV TM2株を産生し、その細胞培養上清中に放出することを見出したのは、本発明が最初である。
一方、本発明のもう一つの株化細胞であるFIV LP24株持続感染株化細胞は、サブタイプEに分類されるFIV分離株であるLP24株が細胞傷害性を示すことなくネコ胎子脳由来株化細胞FB-1に持続感染した株化細胞であり、その細胞培養上清中に市販に供するFIVワクチンの抗原として十分なウイルス力価のLP24株ウイルスを産生することができ、また、不活化することで不活化FIV感染細胞ワクチンを調製することができる。以下に、LP24株持続感染株化細胞の樹立について詳細に説明する。
本発明者らは、まず、FB-1細胞、CrFK細胞、FeT-J細胞、3201細胞、fcwf細胞、Vero細胞およびCOS-1細胞などのIL-2非依存的に増殖する株化細胞にcell-free感染法でFIV LP24株を感染させた。しかしながら、用いた株化細胞のいずれにおいてもLP24株の持続感染は成立しなかった。
そこで、発明者らは、LP24株については不明であるが、FIV TM2株の細胞性レセプターとして知られるfOX40を、fOX40発現ユニットを含有する組換えマウス白血病ウイルス(以下、MuLVという)を用いてFB-1細胞上に発現させ、発現したfOX40を介してFB-1細胞にLP24株を感染させる試みを行った。その結果、予期せぬことに、供試した細胞の60%程度の細胞にLP24株の抗原発現が確認され、fOX40を発現させることでLP24株非感受性細胞であったFB-1細胞にLP24株を感染させることができた。しかしながら、感染が確認された細胞を継代培養すると、LP24株感染細胞の割合は10%以下に低下してしまい、ここでLP24株の感染が認められた細胞は、市販用FIVワクチンの抗原としてのLP24株を産生する細胞もしくは不活化FIV感染細胞ワクチンを調製する細胞とは言い難いものであった。
次に、発明者らは、FB-1細胞へのLP24株の感染効率を高めるため、fOX40発現ユニットを含有する組換えMuLV(以下、MuLV-fOXという)を感染させたFB-1細胞をピューロマイシン存在下で培養することでMuLV-fOXが感染したFB-1細胞のみを選択し、それにLP24株を感染させた。その結果、継代培養を続けても約40〜60%の細胞が安定的にFIV抗原を発現し続ける細胞系の作出に成功した。
さらに、発明者らは、上記のようにして得たLP24株感染細胞について限界希釈法による細胞クローニングを実施し、FIV LP24株が持続感染し、市販に供するFIVワクチンの抗原を調製するに十分な、もしくは不活化FIV感染細胞ワクチンを調製するに十分な約1 x 108 TCID50/mlという高力価のFIV LP24株を恒常的に産生し続ける細胞のみからなる細胞株を樹立し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のサブタイプE FIV分離株LP24が持続感染した株化細胞は、LP24株の感染に必要な細胞性因子fOX40をMuLV-fOXを用いてFB-1細胞に発現させ、そのfOX40発現細胞にLP24株を感染させることによって恒常的に高力価のLP24ウイルスを産生するLP24持続感染細胞を作出するという独創的な方法によって樹立したものである。
以上のように、サブタイプEに分類されるFIVが持続感染した細胞株を樹立したこと、また、その樹立した株化細胞が安定的、かつ恒常的に市販に供するFIVワクチンの抗原として十分なウイルス力価のサブタイプEに分類されるFIVを培養上清中に産生することを見出したのは本発明が最初である。
さらには、サブタイプEに分類されるFIVが、その感染に細胞性因子fOX40を利用することを見出し、また、そのfOX40を人為的に発現させた株化細胞を用いたFIV-E株持続感染株化細胞の作出工程を確立したのは、本発明が最初である。
なお、本発明で樹立したFB-1B細胞がFIV TM2株に持続感染していること、およびFB-1E細胞がFIV LP24株に持続感染していることは、TM2株感染ネコ血清を一次抗体とし、フルオレッセイン・イソチオシアネート(fluorescein isothiocyanate;FITC)標識ヤギ抗ネコIgG抗体(ICN Pharmaceutical社製)を二次抗体とした間接螢光抗体法で検出することができる。
一方、FB-1B細胞がTM2ウイルスを、FB-1E細胞がLP24ウイルスをそれぞれ恒常的に産生していることは、FIV p24抗原を検出するELISAキットPetCheck FIV Agを用いて、FB-1B細胞およびFB-1E細胞の培養上清中のFIV p24抗原を検出することで確認できる。
加えて、FB-1B細胞が恒常的にTM2株を産生していること、およびFB-1E細胞が恒常的にLP24株を産生していることは、株化後継代培養したFB-1B細胞およびFB-1E細胞のそれぞれの培養上清を10倍ずつ階段希釈したのち、一部をMYA-1細胞の培養系に添加し、7〜30日間培養した後、その培養細胞について上記同様の間接螢光抗体法を行い、螢光ラベルされたFIV抗原産生細胞の存在を螢光顕微鏡観察下で調べる方法、いわゆるウイルス力価測定法でも確認することができる。
一方、FB-1細胞にfOX40を発現させることは、fOX40発現ユニットを組み込んだ組換えマウス白血病ウイルス(MuLV-fOX)を標的細胞としてのFB-1細胞に感染させることで可能であるが、その組換えマウス白血病ウイルスとしては、ネコ由来細胞に効率的に感染させる目的から、宿主域の広い水疱性口内炎ウイルス(以下、VSVという)の外被タンパク質(Gタンパク質)を持つ組換えマウス白血病ウイルスが好ましい。
このような組換えマウス白血病ウイルスMuLV-fOXのウイルス粒子は、「ウイルス実験プロトコール(メジカルビュー社発行)」などに記載されている一般的な実験手技で調製することができる。すなわち、MuLVのLTR(long terminal repeat)、SV40のプロモーター、fOX40遺伝子およびピューロマイシン耐性遺伝子からなる発現ユニットに加え、パッケージングシグナルを組み込んだレトロウイルスベクターとVSVのGタンパク質発現ユニットを組み込んだ真核細胞発現プラスミドベクターとをMuLVのGagタンパク質とPolタンパク質を産生するパッケージング細胞にコトランスフェクション(co-transfection)することで、MuLVのGagタンパク質からなる空粒子中にfOX40とピューロマイシン耐性遺伝子の発現ユニットがパッケージングされ、VSVのGタンパク質がウイルス粒子表面に発現したMuLV-fOXをパッケージング細胞の培養上清中に調製することができる。
なお、fOX40を標的細胞に発現するための方法は、真核細胞発現ベクター等を用いる方法であっても良いが、発現効率の点から、本発明の組換えマウス白血病ウイルスを用いた方法が好ましい。
<実験例> 以下、実験例により本発明をさらに詳しく説明する。
1.FIV TM2株持続感染株化細胞の樹立
(1)cell-free感染法によるFIV TM2株の感染
各々1.5 x 105個/0.2 mlのFB-1細胞、CrFK細胞、FeT-J細胞、3201細胞、fcwf細胞、Vero細胞、COS-1細胞、HeLa細胞、SW480細胞および293T細胞(表1)にFIV TM2株をM.O.I. (multiplicity of infection、感染価)0.1および0.01でそれぞれ感染させ、96ウェルの組織培養プレートを用いて、5%の炭酸ガス存在下、37℃で培養した。7〜30日後、それらの細胞培養上清中のFIV p24抗原を市販のFIV p24 検出用ELISAキット(PetCheck FIV Ag、IDEXX Laboratories社製)を用いて検出し、各株化細胞におけるTM2株の感染状態を調べた。その結果、供試した株化細胞のいずれの培養上清においても、陰性対照としたTM2株未感染の各株化細胞の培養上清に比べて有意に高いELISA値(650 nmにおける吸光度)は検出されず、cell-free感染法では、TM2株は供試したいずれの株化細胞にも感染しなかった。
(2)トランスフェクション法によるFIV TM2株の感染
FB-1細胞、CrFK細胞、FeT-J細胞、3201細胞、fcwf細胞、Vero細胞、COS-1細胞、HeLa細胞、SW480細胞および293T細胞の各々について、10%の牛胎子血清(fetal calf serum、FCS)を含む McCoy’s 5A MEDIUM(マッコイ5A培地、Invitrogen社製)、ダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco-modified Eagle’s medium、DMEM、Invitrogen社製)あるいはRPMI1640培地(Invitrogen社製)(表1参照)にけん濁して 1 mlあたり0.75 x 105個の細胞密度に調整し、その細胞けん濁液2 mlを6ウェルの組織培養プレートのウェル中に注ぎ、次いで、TM2株の感染性分子クローンpTM219のプラスミドDNA 2μgを含むトランスフェクション溶液を加え、各株化細胞にpTM219を遺伝子導入(トランスフェクション)した。なお、トランスフェクションは市販のFuGENE6 Transfection Reagent(Roche Diagnostics社製)を用いて行った。以下に、その詳細について説明する。
100μlのマッコイ5A培地、DMEMあるいはRPMI1640培地(表1参照)に6μlのFuGENE6 Transfection Reagentを混和し、室温で5分間静置後、pTM219のDNA 2μgを混合し、室温で15分間静置することでトランスフェクション溶液を調製した。次いで、そのトランスフェクション溶液をそれぞれ1.5 x 105個の上記各株化細胞に滴下し、5%の炭酸ガス存在下、37℃で2日間培養して、pTM219を各株化細胞に遺伝子導入した。
pTM219のDNAでトランスフェクションした後、10%のFCSを含有するマッコイ5A培地、DMEMあるいはRPMI1640培地中(表1参照)、5%の炭酸ガス存在下、37℃で7日間培養した各株化細胞の培養上清中におけるFIV p24抗原を FIV p24 検出用ELISAキット(PetCheck FIV Ag)で検出した。その結果、FB-1細胞、CrFK細胞、FeT-J細胞、3201細胞、fcwf細胞、Vero細胞およびCOS-1細胞の培養上清では、陰性対照としたpTM219 DNAでトランスフェクションしていない各株化細胞の培養上清中におけるELISA値に比べて明らかに高いELISA値が検出され、これらの株化細胞にFIV TM2株が感染したことが明らかになった。
次に、上記のように、pTM219 DNAを用いたトランスフェクション法でFIV TM2株が感染したFB-1細胞、CrFK細胞、FeT-J細胞、3201細胞、fcwf細胞、Vero細胞およびCOS-1細胞が安定的にTM2株に感染しているかを調べるため、各株化細胞を10%のFCSを含有するマッコイ5A培地、DMEMあるいはRPMI1640培地中(表1参照)、5%の炭酸ガス存在下、37℃で3代継代培養し、各株化細胞の培養上清中のFIV p24抗原をFIV p24 検出用ELISAキット(PetCheck FIV Ag)で検出した。その結果、CrFK細胞、FeT-J細胞、3201細胞、fcwf細胞、Vero細胞およびCOS-1細胞の培養上清中ではFIV p24抗原は検出されず、これらの株化細胞におけるTM2株の感染が一過性であったことが判明した。一方、FB-1細胞は、pTM219 DNAをトランスフェクションしたのち3代継代後においても、その培養上清中に僅かながらではあったがFIV p24抗原が検出された。しかしながら、3代継代培養後のFB-1細胞におけるTM2株の感染状態を間接螢光抗体法で調べた結果、FIV抗原を産生している細胞は、全細胞の約4%しか存在しなかった。
なお、上記の間接螢光抗体法は以下のように実施した。すなわち、10%のFCSを含有するマッコイ5A培地を用いて1 mlあたり3 x 104個の細胞数に調整したFB-1細胞のけん濁液0.4 mlを8ウェル螢光抗体用組織培養スライドガラス(Lab-Tek Chamber Slide、Nalge Nunc International社製)の各ウェル上に滴下し、5%の炭酸ガス存在下、37℃で培養した。2日後、培養上清を吸引除去し、リン酸緩衝液(pH 7.3)で細胞を洗浄した後、80%の冷却アセトンで20分間細胞を固定した。続いて、アセトンを除去し、さらに風乾した後、細胞と1%FCS含有リン酸緩衝液(pH 7.3)で100倍希釈したTM2株感染ネコ血清とを37℃で30分間反応させた。次いで、細胞をリン酸緩衝液で3回洗浄し、1%FCS含有リン酸緩衝液で1,000倍希釈したFITC標識ヤギ抗ネコIgG抗体と37℃で30分間反応させたのち、螢光顕微鏡下で、螢光ラベルされたFIV抗原を検出した。
(3)トランスフェクション法の繰り返しによるTM2株の感染
上記のように、TM2株の感染性分子クローンpTM219のトランスフェクションによってFB-1細胞のみでその一部にTM2株が持続感染したが、pTM219のFB-1細胞へのトランスフェクションを12回繰り返し実施したところ、予期せぬことに、TM2株の感染効率をさらに向上させ、最終的にすべてのFB-1細胞にTM2株を感染させることに成功した。以下に、その詳細について説明する。
上記のようにして得られたpTM219によるトランスフェクションで一部の細胞にTM2株が感染したFB-1細胞を10%のFCSを含有するマッコイ5A培地中、5%の炭酸ガス存在下、37℃で培養し増殖させた。次いで、増殖したFB-1細胞を2%のトリプシン及び0.04%のエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(ethylenediamine tetra-acetate:EDTA)を含有するリン酸緩衝液による処理で組織培養プレートから剥離し、約1.5 x 105個を別取して、上記同様に、FuGENE6 Transfection Reagentを用いてpTM219のDNA 2μgでトランスフェクションした。さらに、このようなトランスフェクション法を10回繰り返し、計12回のトランスフェクション法を行ったFB-1細胞について、上記同様の間接螢光抗体法でTM2株の感染状態を解析した。その結果、予期せぬことに、最終的にすべてのFB-1細胞が螢光ラベルされ、pTM219を用いた1回だけのトランスフェクションでは実現できなかったすべてのFB-1細胞へのTM2株の感染に成功した。
(4)TM2株感染株化細胞のクローニング
上述のように、pTM219のトランスフェクションを12回繰り返すことで得られたTM2株感染FB-1細胞について、限界希釈法による細胞クローニングを実施し、TM2株が持続感染する細胞を株化した。以下にその詳細について説明する。
TM2株が感染したFB-1B細胞を0.2 mlあたり5個の細胞密度となるように10%のFCSを含有するマッコイ5A培地で希釈し、その細胞けん濁液を96 ウェル組織培養プレートの各ウェル に0.2 mlずつ分注し、5%の炭酸ガス存在下、37℃で培養した。20日後、各ウェルの細胞培養上清についてFIV p24 検出用ELISAキット(PetCheck FIV Ag)を用いたELISAを行い、上清中のFIV p24抗原量を解析し、最もELISA値が高い細胞、すなわちFIV p24抗原発現能の最も高い細胞を選択した。次いで、その細胞を0.2 mlあたり1個の細胞密度となるように10%のFCSを含有するマッコイ5A培地で希釈し、その細胞けん濁液を96 ウェル組織培養プレートの各ウェル に0.2 mlずつ分注し、5%の炭酸ガス存在下、37℃で20日間培養し、単一の細胞が増殖した細胞、すなわち株化細胞を得た。
次に、上述の限界希釈法を経てクローニングした株化細胞について、上記のTM2株感染ネコ血清およびFITC標識ヤギ抗ネコIgG抗体を用いた間接螢光抗体法を行った。その結果、すべての細胞が螢光ラベルされ(図1)、株化した細胞がTM2株持続感染細胞であることが確認された。なお、このようにして得られたTM2株持続感染株化細胞をFB-1Bと名付けた。
(5)FB-1B細胞の解析
次に、FB-1B細胞から産生されるTM2ウイルス量をMYA-1細胞を用いたウイルス力価測定法で定量した。以下に、そのウイルス力価測定について詳しく説明する。
10%のFCSを含むマッコイ5A培地で1 mlあたり2 x 104個の細胞密度にけん濁したFB-1B細胞を24ウェル組織培養プレートを用いて、5%の炭酸ガス存在下、37℃で7日間培養し、その培養上清を102〜1010倍に階段希釈後、12ウェル組織培養プレート中で1 mlあたり約5 x 104個に増殖したMYA-1細胞に各希釈液を100μlずつ添加して感染させ、5%炭酸ガス存在下、37℃で培養した。7日後、各MYA-1細胞について、上記同様に間接螢光抗体法を実施し、ウイルス力価を求めた。以上に示したウイルス力価測定を3回繰り返し行った結果、FB-1B細胞から産生されたTM2ウイルスのウイルス力価は、約1 x 108 TCID50/mlであり、一般的な不活化ウイルスワクチンの抗原として用いられているウイルス量である1 x 106〜1 x 107 TCID50/mlより高いウイルス力価であった。次に、このFB-1B細胞が安定した細胞増殖能およびウイルス産生能を備えた株化細胞であるかを、以下に示す細胞増殖曲線の作成と継代培養後の培養上清中TM2ウイルスの力価測定とで検討した。
すなわち、株化時および株化後10代継代培養した時点のFB-1B細胞を10%のFCSを含むマッコイ5A培地でそれぞれ2 x 104個/mlの細胞密度にけん濁し、12ウェル組織培養プレートに1ウェルあたり1 mlずつ分注した。5%の炭酸ガス存在下、37℃で7日間培養し、経時的に細胞数を計測し、細胞増殖曲線を作成した。その結果、表2および図2に示すように、FB-1B細胞は、株化時および株化後10代継代培養後のどちらにおいても6日間の培養で平均1.1 x 106個/ml以上に増殖し、少なくとも10代継代後まではその細胞増殖能を維持していた。
一方、FB-1B細胞のTM2ウイルス産生能は、株化時、株化から10継代培養時のFB-1B細胞培養上清を10%のFCSを含むマッコイ5A培地で102〜1010倍階段希釈し、各々の希釈培養上清2μlについて上記のMYA-1細胞を用いたウイルス力価測定法を実施して解析した。その結果、表3に示したように、株化時および株化から10代継代培養時のどの培養上清においても、約1 x 10TCID50/mlのウイルス力価が認められ、FB-1B細胞は株化後少なくとも10代継代後までは安定して高力価のTM2ウイルス産生能を保持していた。
また、株化後10代継代したFB-1B株化細胞を上記同様のTM2株感染ネコ血清を用いた間接螢光抗体法で解析した結果、継代培養後においてもすべての細胞が螢光ラベルされたことから、FB-1B株化細胞にTM2株が安定的に持続感染していることが確認された。なお、図3に10代継代培養後のFB-1B細胞の間接螢光抗体法における螢光顕微鏡像を示した。
なお、ここで得られたTM2株持続感染株化細胞FB-1B細胞については、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターにより平成15年10月24日付けで受託拒否証明書(平成15年10月17日申請)が一旦発行されたが、平成16年4月1日以降寄託生物の範囲が拡大されたことから再度申請したところ、平成16年7月22日付けで独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託された(受託番号 FERM P-20125)。
2.FIV LP24株持続感染株化細胞の樹立
(1)cell-free感染法によるFIV LP24株の感染
各々1 mlあたり5 x 105個のFB-1細胞、CrFK細胞、FeT-J細胞、3201細胞、fcwf細胞、Vero細胞およびCOS-1細胞(表1)にFIV LP24株を0.1および0.01のM.O.I.でそれぞれ感染させ、96ウェルの組織培養プレートを用いて5%の炭酸ガス存在下、37℃で培養した。3代継代後、それらの細胞培養上清中のFIV p24抗原を上記のPetCheck FIV Agを用いたELISAキットで検出し、各株化細胞におけるLP24株の感染状態を調べた。その結果、供試した株化細胞のいずれの培養上清においても、陰性対照としたLP24株未感染の各株化細胞の培養上清に比べて有意に高いELISA値は検出されず、cell-free感染法では、供試した各株化細胞にLP24株を感染させるには至らなかった。
(2)FIV LP24株の細胞性レセプターの同定
FIV LP24株が、fOX40をその感染に必要とすることは、以下に示す方法で見出した。
すなわち、fOX40を発現可能な組換えマウス白血病ウイルスMuLV-fOXを10%のFCSを含むマッコイ5A培地中で培養した1 x 106個のFB-1細胞にM.O.I. 10で感染させ、5%の炭酸ガス存在下、37℃で培養した。4日後、培地交換時にLP24株をM.O.I. 1で感染させ、上記同様に培養した。4日後、培養した細胞を10%のFCSを含有するマッコイ5A培地を用いて1 mlあたり5 x 104個の細胞数に調整し、その0.2 mlを8ウェル螢光抗体用組織培養スライドガラス(Lab-Tek Chamber Slide)のウェル上に滴下し、5% の炭酸ガス存在下、37℃で培養した。2日間培養後、培養上清を吸引除去し、細胞をリン酸緩衝液(pH 7.3)で洗浄した後に80%の冷却アセトンで20分間固定した。次いで、FIV感染ネコ血清(100倍希釈)を一次抗体として、およびFITC標識ヤギ抗ネコIgG抗体(100倍希釈)を二次抗体として用いた上記同様の間接螢光抗体法を行い、細胞におけるFIV抗原の発現を検出した。その結果、供試した細胞の約60%が螢光ラベルされ、FB-1細胞にFIV LP24株を感染させることができた。一方、このことより、FIV LP24株の感染にfOX40が関与していることを他に先駆けて同定するに至り、また、fOX40を発現させることでFB-1細胞をLP24株非感受性細胞から感受性細胞へと転換できることを見出した。
前述のように、fOX40発現ユニットを導入したMuLV-fOXを感染させ、FB-1細胞上にfOX40を発現させることによって、FB-1細胞をLP24株感受性細胞に転換できることを見出したが、LP24株感染後、LP24株のウイルス抗原を発現する細胞、すなわちLP24株感染細胞の占める割合は全細胞の約60%であり、さらに、その細胞を継代培養するとLP24株感染細胞の割合は10%以下に低下してしまった。そこで、より安定的にLP24株を感染させるため、すべての細胞にMuLV-fOXが感染したFB-1細胞、すなわちfOX40発現細胞のみからなる株化細胞を樹立した。以下に、その詳細を説明する。
(3)fOX40発現FB-1細胞株の樹立
2 x 106個の細胞にMuLV-fOXをM.O.I. 10で感染させ、1 mlあたり4 μgのピューロマイシンおよび10%のFCSを含むマッコイ5A培地中、5%の炭酸ガス存在下、37℃で培養した。4代継代培養後、10%のFCSを含むマッコイ5A培地で細胞を0.1 mlあたり1個の細胞密度に希釈し、その0.1 mlを96ウェル組織培養プレートの各ウェルに注ぎ、5%の炭酸ガス存在下、37℃で培養することでMuLV-fOXが感染した1個のFB-1細胞が増殖した株化細胞、すなわち、1個のfOX40発現FB-1細胞が増殖した株化細胞を樹立した。
以上のようなピューロマイシン存在下での選択培養に続く限界希釈法による細胞クローニングで株化した細胞をFB-fOX細胞と名付けた。なお、このFB-fOX細胞は、平成16年7月22日付けで、「FB-fOX」として独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されている(受託番号 FERM P-20127)。
(4)FB-fOX株化細胞へのFIV LP24株によるcell-free感染
1 x 106個のFB-fOX株化細胞にFIV LP24株をM.O.I. 1で感染させ、6ウェル組織培養プレートを用い、10%のFCSを含むマッコイ5A培地中で5%の炭酸ガス存在下、37℃で培養した。4日後、増殖した細胞を10%のFCSを含むマッコイ5A培地で1 mlあたり1 x 105個の細胞密度にけん濁し、その0.2 mlを8ウェル螢光抗体用組織培養スライドガラス(Lab-Tek Chamber Slide)のウェル上に滴下し、5% の炭酸ガス存在下、37℃で培養した。次いで、3日間培養した後、増殖した細胞について、上記同様の間接螢光抗体法を行い、LP24株の感染状態を解析した。その結果、約60%の細胞が螢光ラベルされ、LP24株に感染していることが明らかになった。また、ここで得られた細胞は、2代継代培養した後においても約30%の細胞が間接螢光抗体法で螢光ラベルされており、それらの細胞は安定的にLP24株が感染しているものであった。
(5)FIV LP24株持続感染細胞のクローニング
上述のようにして得られたFIV LP24株が感染した細胞を10%のFCSを含むマッコイ5A培地で0.1 mlあたり1個の細胞密度に希釈し、96ウェル組織培養プレートの各ウェルに0.1 mlずつ分注した。5%の炭酸ガス存在下、37℃で14日間培養後、増殖した細胞について上記同様の間接螢光抗体法を実施した結果(図4)、1個の細胞から増殖し、増殖したすべての細胞が螢光ラベルされたLP24株持続感染細胞を株化することができた。なお、ここで得られたLP24株持続感染株化細胞をFB-1Eと名付けた。
(6)FB-1E細胞の解析
FB-1E細胞から産生されるLP24ウイルス量を上記同様のMYA-1細胞を用いたウイルス力価測定で定量した。3回繰り返し測定した結果、FB-1E細胞から産生されたLP24ウイルスのウイルス力価は、約1 x 108 TCID50/mlであった。次に、このFB-1E細胞が安定した細胞増殖能およびウイルス産生能を備えた株化細胞であるかを、以下に示す細胞増殖曲線の作成と継代培養後の培養上清中LP24ウイルスの測定とで検討した。
すなわち、株化時および株化後10代継代培養した時点のFB-1E細胞を10%のFCSを含むマッコイ5A培地でそれぞれ1 x 104個/mlの細胞密度にけん濁し、12ウェル組織培養プレートに1ウェルあたり1 mlずつ分注した。5%の炭酸ガス存在下、37℃で7日間培養し、経時的に細胞数を計測し、細胞増殖曲線を作成した。その結果、表4および図5に示すように、FB-1E細胞は、株化時および10代継代培養時のどちらにおいても5日間の培養で1 mlあたり平均1.4 x 106個以上に増殖し、少なくとも10代継代後まではその細胞増殖能を維持していた。
一方、FB-1E細胞のLP24ウイルス産生能は、株化時および株化から10継代培養時のFB-1E細胞培養上清を10%のFCSを含むマッコイ5A培地で102〜1010倍階段希釈し、各々の希釈培養上清2μlについて上記のMYA-1細胞を用いたウイルス力価測定法を実施して解析した。その結果、表5に示したように、株化時および10代継代培養時のどちらの培養上清においても、約1 x 108 TCID50/mlのウイルス力価が認められ、FB-1E細胞は株化後少なくとも10代継代後までは安定して高力価のLP24ウイルス産生能を保持していた。
一方、株化後10代継代したFB-1E細胞を上記同様の間接螢光抗体法で解析した結果、図6に示したように、すべての細胞が螢光ラベルされたことから、FB-1E細胞にLP24株が安定的に持続感染していることが確認された。
なお、ここで得られたLP24株持続感染株化細胞FB-1E細胞については、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターにより平成16年1月21日付けで受託拒否証明書(平成16年1月19日申請)が一旦発行されたが、平成16年4月1日以降寄託生物の範囲が拡大されたことから再度申請したところ、平成16年7月22日付けで独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されている(受託番号 FERM P-20126)。
図1は、本発明のTM2株持続感染株化細胞FB-1Bを間接螢光抗体法で解析した螢光顕微鏡像である。 図2は、株化時および10代継代培養した時のFB-1B細胞の増殖曲線である。 図3は、株化後10代継代培養した時のFB-1B細胞を間接螢光抗体法で解析した螢光顕微鏡像である。 図4は、本発明のLP24株持続感染株化細胞FB-1Eを間接螢光抗体法で解析した顕微鏡像である。 図5は、株化時および10代継代培養した時のFB-1E細胞の増殖曲線である。 図6は、株化後10代継代培養した時のFB-1E細胞を間接螢光抗体法で解析した螢光顕微鏡像である。

Claims (9)

  1. サブタイプBに分類されるネコ免疫不全ウイルス(FIV)分離株TM2を恒常的、かつ効率的に産生するFIV TM2株持続感染ネコ由来株化細胞FB-1B。
  2. サブタイプEに分類されるFIV分離株(FIVサブタイプE株)を恒常的、かつ効率的に産生するFIVサブタイプE株持続感染ネコ由来株化細胞FB-1E。
  3. fOX40を発現している請求項2記載のFIVサブタイプE株持続感染ネコ由来株化細胞FB-1E。
  4. 市販に供するFIVワクチンの抗原としてのFIV TM2株を得るための請求項1に記載のFIV TM2株持続感染ネコ由来株化細胞FB-1Bの使用。
  5. 市販に供するFIVワクチンの抗原としてのFIVサブタイプE株を得るための請求項2に記載のFIVサブタイプE株持続感染ネコ由来株化細胞FB-1Eの使用。
  6. 市販に供するFIVワクチンの抗原としての請求項1に記載のFIV TM2株持続感染ネコ由来株化細胞FB-1B。
  7. 市販に供するFIVワクチンの抗原としての請求項に記載のFIVサブタイプE株持続感染ネコ由来株化細胞FB-1E。
  8. 市販に供するネコ用多価ワクチンの抗原としてのFIV TM2株を得るための請求項1に記載のFIV TM2株持続感染ネコ由来株化細胞FB-1Bの使用。
  9. 市販に供するネコ用多価ワクチンの抗原としてのFIVサブタイプE株を得るための請求項2に記載のFIVサブタイプE株持続感染ネコ由来株化細胞FB-1Eの使用。
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