JP4648871B2 - 直列型瞬時電圧低下補償装置 - Google Patents

直列型瞬時電圧低下補償装置 Download PDF

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Description

本発明は、交流電源の瞬時電圧低下(瞬低)を補償する直列型瞬時電圧低下補償装置に係り、特に電力変換器による補償電圧の投入位相制御に関する。
直列型瞬時電圧低下補償装置は、図10に破線ブロックで基本構成を示すように、商用の交流電源1と負荷2の間に、変圧器3の二次巻線を直列に介挿し、変圧器3の一次巻線には電力変換器としての可変電圧型インバータ4の出力を補償電圧として印加できる構成にされる。インバータ4は、蓄電池や電気二重層キャパシタなどの蓄電体5を直流電源とし、交流電源1とはその検出電圧を基に周波数と位相を同期させた待機状態にしておき、交流電源1に電圧低下が発生したときにその補償電圧を変圧器3の一次巻線に投入させ、負荷2に対する電源電圧の低下を抑制する。この装置において、短絡スイッチ6を設けておき、電圧補償時にそれまでの投入状態から開放制御するものもある。
ここで、インバータ4から変圧器3に補償電圧を印加すると、変圧器3には大きな励磁突入電流が流れる。この突入電流を抑制するため、インバータ4の出力電圧指令を0から徐々に補償電圧まで高めるのでは、その遅れ(数秒)で電圧補償ができない。
この課題を解決するため、交流電源電圧の90゜(π/2[rad])若しくは270゜(3π/2[rad])のタイミングでインバータから変圧器に補償電圧を印加することで、迅速な補償を実現しつつ変圧器の励磁突入電流を抑制する手法を本願出願人は既に提案している(例えば、特許文献1参照)。
この手法を原理的に説明すると、変圧器の磁束をφ、初期磁束をφ0、巻数をNとし、その巻線の印加電圧U(t)の間には式(A)が成り立つ。
Figure 0004648871
初期磁束がφ0=0である時に、磁束は式(B)となる。
Figure 0004648871
(B)式より、補償電圧を発生させる位相を電源電圧波形の90゜(π/2[rad])若しくは270゜(3π/2[rad])にすれば、変圧器の励磁突入電流を抑制できる。つまり、φ0=90゜または270゜の時にはcosθ0=0で、|φ(x)|=Vm・cosx/Nが成り立ち、鉄心磁束は、正方向の最大磁束と負方向の最大磁束とが等しくなるため、鉄心に磁束の飽和が発生しなくなり、励磁突入電流を抑制できる。
この手法は、励磁突入電流の抑制に加えて、磁束飽和が発生しないため、変圧器の直流偏磁の抑制もできる。この直流偏磁の他の抑制方法としては、変圧器の一次側または二次側の検出電流から変圧器の励磁電流が最大になる位相を求め、この最大位相を中心とした一定期間のみ検出電流を積分することで変圧器に流れる直流成分を求め、これを電力変換器の電圧指令補正値とするものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−095265号公報 特許第3463164号公報
直列変圧器を用いて電圧補償を行う場合、電力変換器から補償電圧を投入する際の電圧位相によっては直列変圧器に生じる磁束が大きくなり(直流偏磁)、変圧器の大型化につながるという問題がある。そこで、補償電圧を投入する際の各相の電圧位相を制御(投入位相制御)し、変圧器に生じる磁束を抑制することで変圧器の小型化が期待できる。
前記の特許文献1(特開2002−095265)に記載されるように、補償電圧をπ/2[rad]または3π/2[rad]で投入することで直列変圧器に生じる磁束は直流バイアス分を含まない正弦波状の波形になり、最大磁束を最も抑制でき、直列変圧器の小型化が期待できる。
しかし、瞬時電圧低下補償装置において、瞬低発生位相に関わらずπ/2[rad]または3π/2[rad]から補償電圧を投入する励磁突入電流抑制では、瞬低発生時の位相がπ/2[rad]または3π/2[rad]に達するまで待って補償電圧を印加することになり、所望の時間内に電圧回復ができないという問題がある。
同様に、前記の特許文献2(特許第3463164号公報)に記載されるように、検出電流を積分する期間として交流電圧のゼロクロス点もしくはゼロクロス点から+π/6[rad]もしくは−π/6[rad]だけ移相した時点とした偏磁抑制では、瞬低発生時に所望の時間内に電圧回復ができないという問題がある。
本発明の目的は、変圧器の励磁突入電流および偏磁を抑制しながら、高速の瞬低補償ができる直列型瞬時電圧低下補償装置を提供することにある。
本発明は、前記の課題を解決するため、瞬低を検出した時点での系統電圧の位相によって、補償電圧を投入するタイミングを早め投入位相制御、π/2[rad](90°)投入位相制御、瞬時投入位相制御に切り替えるようにし、さらに補償電圧を1周期の間は基準補償電圧Vbを補正分Vc’だけ低めまたは高めたもので、以下の構成を特徴とする。
(1)交流電源と負荷の間に変圧器を直列に介挿し、交流電源の瞬時電圧低下時に電力変換器の出力を前記変圧器に補償電圧として投入させる直列型瞬時電圧低下補償装置において、
前記電力変換器の制御装置は、
瞬時電圧低下の発生から検出までの遅れ時間をθd1[rad]、瞬時電圧低下の検出による補償電圧の投入開始から補償完了までの遅れ時間をθd2[rad]とすると、
瞬時電圧低下を検出した時点での交流電源電圧の位相θdが0〜(θd1+θd2)[rad]、またはπ〜π+(θd1+θd2)[rad]のときは瞬時電圧低下検出からπ/2−(θd1+θd2)[rad]後に前記補償電圧の投入を開始する早め投入位相制御、
瞬時電圧低下を検出した時点での交流電源電圧の位相θdが(θd1+θd2)〜π/2[rad]、またはπ+(θd1+θd2)〜3π/2[rad]のときはπ/2[rad]または3π/2[rad]まで待ってから前記補償電圧の投入を開始するπ/2[rad]、3π/2[rad]投入位相制御、
瞬時電圧低下を検出した時点での交流電源電圧の位相θdがπ/2〜π[rad]または3π/2〜2π[rad]のときは直ちに前記補償電圧の投入を開始する瞬時投入位相制御、
のいずれかに切り替える手段を備えたことを特徴とする。
(2)前記早め投入位相制御は、瞬時電圧低下を検出した時点での交流電源電圧の位相θdが0〜(θd1+θd2)[rad]のときは補償電圧を基準補償電圧よりも低めに制御し、π〜π+(θd1+θd2)[rad]のときは補償電圧を基準補償電圧よりも高めに制御し、早め投入による変圧器の直流偏磁を抑制することを特徴とする。
(3)前記瞬時投入位相制御は、瞬時電圧低下を検出した時点での交流電源電圧の位相θdがπ/2〜π[rad]のときは補償電圧を基準補償電圧よりも高めに制御し、3π/2〜2π[rad]のときは補償電圧を基準補償電圧よりも低めに制御し、瞬時投入による変圧器の直流偏磁を抑制することを特徴とする。
(4)前記早め投入位相制御は、瞬時電圧低下を検出した時点での交流電源電圧の位相θdが0〜(θd1+θd2)[rad]のときの補償電圧を1周期の間は基準補償電圧Vbを補正分Vc’だけ低め、π〜π+(θd1+θd2)[rad]のときの補償電圧を1周期の間は基準補償電圧Vbを補正分Vc’だけ高め、
前記補正分Vc’は瞬時電圧低下を検出した時点での交流電源電圧の位相θdが0〜(θd1+θd2)[rad]のときδ*θd/(θd1+θd2)−δ、π〜π+(θd1+θd2)[rad]のとき−δ*(θd−π)/(θd1+θd2)+δとし、θd・が(θd1+θd2)[rad]またはπ+(θd1+θd2)[rad]に近づくにつれて、θd=0またはπのときのVbに対するVc’の割合δでVc’の絶対値を一次関数的に減少させ、θd・=(θd1+θd2)[rad]またはπ+(θd1+θd2)[rad]でVc’=0とすることを特徴とする。
(5)前記瞬時投入位相制御は、瞬時電圧低下を検出した時点での交流電源電圧の位相θdがπ/2〜π[rad]のときの補償電圧を1周期の間は基準補償電圧Vbを補正分Vc’だけ高め、瞬時電圧低下を検出した時点での交流電源電圧の位相θdが3π/2〜2π[rad]のときの補償電圧を1周期の間は基準補償電圧Vbを補正分Vc’だけ低め、
前記補正分Vc’は−α*cos(θd)、ただし、αは直列変圧器に生じる磁束の最大値を最小にするためのθdについての関数、とすることを特徴とする。
以上のとおり、本発明によれば、瞬低を検出した時点での系統電圧の位相によって、補償電圧を投入するタイミングを早め投入位相制御、π/2[rad]または3π/2[rad](90°/270°)投入位相制御、瞬時投入位相制御に切り替えるようにし、さらに補償電圧を1周期の間は基準補償電圧Vbを補正分Vc’だけ低めまたは高めるため、変圧器の励磁突入電流および偏磁を抑制しながら、高速の瞬低補償ができる。
電力供給面からは瞬時電圧低下に対する規定はないが、系統連系技術要件ガイドラインおよび分散型電源系統連系技術指針において、分散型電源の併解列時の電圧低下を10%以内に抑制することが適正とされている。また、負荷機器の耐量に関しては、電気協同研究会による調査結果などから、電圧低下15%以上の状態が15msec以上継続すると、負荷機器に影響が出ることが分かっている。また、一般に負荷機器は定格電圧±10%の範囲で正常に動作することから、瞬低に対する補償目標レベルは以下の通りとした。
「系統残存電圧30%の瞬低に対して補償応答時間1/4サイクル以内に負荷電圧90%以上の電圧回復」
また、1/4サイクル以内の電圧値については補償目標レベルの設定を除外した。
本実施形態の瞬低補償装置の制御装置構成を図1に示す。ここで説明に用いる記号を以下に示す。
系統電圧:Vs
負荷電圧:Vl
目標電圧(瞬低が発生しない場合の負荷電圧):Vref
基準補償電圧(Vref−Vsで表される不足電圧):Vb
補正電圧(直流偏磁を抑制するためにVbに追加する補正分):Vc
補償電圧(直列変圧器から出力される補償電圧、Vb+Vc’に相当):Vc
瞬低検出時の系統電圧位相:θd[rad]
瞬時電圧低下発生から検出までの遅れ時間:θd1[rad]
瞬時電圧低下の検出による補償電圧の投入開始から補償完了までの遅れ時間:θd2[rad]
図1において、瞬低発生時の投入位相制御装置7は、同図中にコンピュータ制御による処理フローで示すように、補償電圧の投入タイミングは瞬低を検出したときの系統電圧位相によって以下のように切り替える。なお、瞬低発生から検出までの遅れ時間θd1として1msec(位相演算でπ/10[rad])を想定している。
(a)早め投入位相制御
従来の投入位相制御方法のように、π/2[rad]投入位相制御を採用すると、このときの磁束は電圧を積分することによって得られるから直流偏磁を全く含まない波形になる(後に記載する(b)π/2[rad]投入位相制御を参照)。しかし、補償電圧投入までの待機時間が長くなり、1/4サイクル以内に90%以上の電圧回復が実現できないという問題がある。
早め投入位相制御(早め補償)を用いない場合のシミュレーション結果の一例として、u相の瞬低検出時の系統電圧位相θdがπ/10[rad](瞬低発生位相は0[rad])である場合のVl波形を図2に示す。また、VrefとVlの差を図3に示す。図3をみると、瞬低発生後から1/4サイクル以内に目標電圧との差が10%以内にならず、つまり、90%以上の電圧回復が実現できず、電圧が90%以上に回復するのはπ/20[rad]だけ遅れてからであることがわかる。
したがって、補償開始をπ/20[rad]だけ早めれば、つまり補償電圧を9π/20[rad]から投入開始すれば所望の電圧補償が実現できる。すなわち、補償開始をθd2[rad]だけ早め、補償電圧を瞬時電圧低下検出からπ/2−(θd1+θd2)後から投入開始すれば所望の電圧補償が実現できる。
また、このことから、瞬低発生位相をずらしていったとき、π/2[rad]で補償開始する場合とはθd=3π/20[rad](=θd1+θd2)で瞬低を検出する場合であることがわかる。
したがって、早め投入位相制御には、図1に示すように、瞬低検出時の系統電圧位相θdが0〜(θd1+θd2)[rad]では瞬時電圧低下検出からπ/2−(θd1+θd2)[rad]後に補償を開始、または位相θdがπ〜π+(θd1+θd2)[rad]では瞬時電圧低下検出からπ/2−(θd1+θd2)[rad]後に補償を開始する。
上記の早め投入位相制御において、補償電圧の投入をπ/2[rad]より早めた場合の電圧を積分すると早めた分が直流分として磁束に重畳されることになる。したがって、図4に示すように早め補償を適用する場合は、補正を減じて基準補償電圧よりも小さな補償電圧とすれば直流偏磁を緩和できる。
早め補償を行わない場合、最も補償が遅れるのはθd=0[rad]のときである。このときは補償電圧を投入するまでの時間が最も長いことから、低め補償制御としてVbに対して最も大きなVc’を減じる必要がある。この場合のVc’の大きさを基準補償電圧の10%に設定した。Vc’はθdが3π/20[rad]に近づくにつれて小さな値で済み、θd=3π/20[rad]のときは従来のπ/2[rad]投入位相制御と同じであるからVc’=0でよい。したがって、θdについてVc’として単調増加する式(1)のような関数を用いた。また、Vbに補正を加えるのは補償開始後1周期としている。
Figure 0004648871
以上の関係をまとめると表1のようになる。
Figure 0004648871
したがって、早め投入位相制御には、瞬時電圧低下を検出した時点での系統電圧位相θdが0〜(θd1+θd2)[rad]のときの補償電圧を1周期の間は基準補償電圧Vbを補正分Vc’だけ低め、π〜π+(θd1+θd2)[rad]のときの補償電圧を1周期の間は基準補償電圧Vbを補正分Vc’だけ高める。この補正分Vc’は瞬時電圧低下を検出した時点での系統電圧位相θdが0〜(θd1+θd2)[rad]のときδ*θd/(θd1+θd2)−δ、π〜π+(θd1+θd2)[rad]のとき−δ*(θd−π)/(θd1+θd2)+δとし、θd・が(θd1+θd2)[rad]またはπ+(θd1+θd2)[rad]に近づくにつれてVc’の絶対値は小さくてもよいため、θd=0またはπのときのVbに対するVc’の割合δでVc’の絶対値を一次関数的に減少させ、θd=(θd1+θd2)[rad]またはπ+(θd1+θd2)[rad]でVc’=0とする。
また、早め補償および低め補償を適用した場合に先ほどと同じ条件の下でシミュレーションによって求めたVl波形を図5に示す。また、VrefとVlの差を図6に示す。図6から瞬低発生後、1/4サイクル以内に90%以上の電圧回復が実現できていることがわかる。
(b)π/2[rad](90°)投入位相制御
上記の(a)における考察から、θdが3π/20〜π/2[rad]のときは補償をπ/2[rad]から開始しても所望の電圧補償を実現することができるため、早め投入位相制御は不要となる。図7に示すように、π/2[rad]から補償を開始することで、Vc’=0として電圧波形を積分しても磁束波形は直流分を含まない波形となり、直流偏磁は発生しない。したがって、θdが(θd1+θd2)〜π/2[rad]、またはπ+(θd1+θd2)〜3π/2[rad]のときはπ/2[rad]または3π/2[rad]まで待ってから前記補償電圧の投入を開始する。また、Vbに対して補正を加えず、Vc=Vbである。
(c)瞬時投入位相制御
θdがπ/2〜π[rad]のとき、図8に示すように、瞬低検出後、直ちに補償を開始する。従来のように補償開始を3π/2[rad]まで待ってしまうと、磁束の最大値は最も抑制できるが所望の時間内に規定の電圧回復が不可能となるためである。ただし、すぐに補償を開始することで、直流偏磁の増加の原因となる。そこで、直列変圧器に生じる直流偏磁を抑制するためにVc’を加えてVbを高める制御を追加する。
直流偏磁を抑制するため、Vc’はθdがπ/2からπ[rad]に近づくにつれて大きな値である必要がある。このような要求を満たすVc’の関数としてθdについて単調増加する式(2)のような余弦関数が考えられる。Vbに対してこの補正を加えるのは瞬低補償開始後1周期の間としている。
Figure 0004648871
ここで、αはθdによって異なる値をとり、この値の決定手順を以下に示す。Vbに対して補正を加えるのは瞬低発生後の1周期であるため、直列変圧器の出力Vcは式(3)のように表される。
Figure 0004648871
この電圧を積分することで、磁束φ(t)は式(4)のように表される。ただし、C1とC2は積分定数である。
Figure 0004648871
時間t=0にて磁束は0であるから、φ(0)=0とおくことで式(5)が得られる。
Figure 0004648871
また、t=Tで磁束の連続性を考えると式(6)が得られる。
Figure 0004648871
したがって、直列変圧器に生じる磁束φ(t)は式(7)のように表される。
Figure 0004648871
以上の電圧及び磁束を図示すると図8のようになる。
図8において、磁束の最大値については以下の2通りが考えられる。
・αが小さい場合は電圧の補正が不足するためにt=t2で磁束の最大値|φ(t2)|をとる。
・αが大きい場合は電圧の補正が過剰になるためにt=t3で磁束の最大値|φ(t3)|をとる。
また、式(3)においてVc(t)=0とおくことで式(8)が得られる。
Figure 0004648871
このt0を用いてt2とt3はそれぞれ式(9)と式(l0)のように表すことができる。
Figure 0004648871
この値を使って|φ(t2)|と|φ(t3)|を得ることができる。αを変化させたときのθdに対する|φ(t2)|と|φ(t3)|が求められるが、これらの2値のうち大きいほうをφmaxとすると、φmaxをできるだけ小さくすることで変圧器の小型化を実現できる。
そこで、αを変化させたときのθdに対するφmaxの関係をまとめると図9のようになり、この結果からφmaxが最小値をとるためには、θdによって以下の3通りのαをとればよい。
θd
π/2〜7π/10[rad]のときα=0.13
7π/10〜9.3π/10[rad]のときα=0.14
9.3π/10〜π[rad]のときα=0.15
で磁束の最大値を最も抑制することができる。
以上のように、瞬時投入位相制御は、瞬時電圧低下を検出した時点での交流電源電圧の位相θdがπ/2〜π[rad]のときの補償電圧を1周期の間は基準補償電圧Vbを補正分Vc’だけ高める。逆に、瞬時電圧低下を検出した時点での交流電源電圧の位相θdが3π/2〜2π[rad]のときの補償電圧を1周期の間は基準補償電圧Vbを補正分Vc’だけ低める。
なお、補正分Vc’は前記式(2)から、−α*cos(θd)とする。ただし、αは直列変圧器に生じる磁束の最大値を最小にするためのθdについての関数である。
本発明の実施形態を示す瞬低補償装置の制御装置構成図。 Vl波形図(早め補償なし)。 目標電圧と負荷電圧の差波形図(早め補償なし)。 早め投入位相制御波形図。 実施形態におけるVl波形図(早め補償あり)。 実施形態における目標電圧と負荷電圧の差波形図(早め補償あり)。 実施形態におけるπ/2[rad]投入位相制御の波形図。 実施形態における瞬時投入位相制御の波形図。 αを変化させたときの瞬低発生位相θdとφmaxの関係図。 直列型瞬時電圧低下補償装置の回路構成図。
符号の説明
1 交流電源
2 負荷
3 変圧器
4 インバータ
5 蓄電体

Claims (5)

  1. 交流電源と負荷の間に変圧器を直列に介挿し、交流電源の瞬時電圧低下時に電力変換器の出力を前記変圧器に補償電圧として投入させる直列型瞬時電圧低下補償装置において、
    前記電力変換器の制御装置は、
    瞬時電圧低下の発生から検出までの遅れ時間をθd1[rad]、瞬時電圧低下の検出による補償電圧の投入開始から補償完了までの遅れ時間をθd2[rad]とすると、
    瞬時電圧低下を検出した時点での交流電源電圧の位相θdが0〜(θd1+θd2)[rad]、またはπ〜π+(θd1+θd2)[rad]のときは瞬時電圧低下検出からπ/2−(θd1+θd2)[rad]後に前記補償電圧の投入を開始する早め投入位相制御、
    瞬時電圧低下を検出した時点での交流電源電圧の位相θdが(θd1+θd2)〜π/2[rad]、またはπ+(θd1+θd2)〜3π/2[rad]のときはπ/2[rad]または3π/2[rad]まで待ってから前記補償電圧の投入を開始するπ/2[rad]、3π/2[rad]投入位相制御、
    瞬時電圧低下を検出した時点での交流電源電圧の位相θdがπ/2〜π[rad]または3π/2〜2π[rad]のときは直ちに前記補償電圧の投入を開始する瞬時投入位相制御、
    のいずれかに切り替える手段を備えたことを特徴とする直列型瞬時電圧低下補償装置。
  2. 前記早め投入位相制御は、瞬時電圧低下を検出した時点での交流電源電圧の位相θdが0〜(θd1+θd2)[rad]のときは補償電圧を基準補償電圧よりも低めに制御し、π〜π+(θd1+θd2)[rad]のときは補償電圧を基準補償電圧よりも高めに制御し、早め投入による変圧器の直流偏磁を抑制することを特徴とする請求項1に記載の直列型瞬時電圧低下補償装置。
  3. 前記瞬時投入位相制御は、瞬時電圧低下を検出した時点での交流電源電圧の位相θdがπ/2〜π[rad]のときは補償電圧を基準補償電圧よりも高めに制御し、3π/2〜2π[rad]のときは補償電圧を基準補償電圧よりも低めに制御し、瞬時投入による変圧器の直流偏磁を抑制することを特徴とする請求項1に記載の直列型瞬時電圧低下補償装置。
  4. 前記早め投入位相制御は、瞬時電圧低下を検出した時点での交流電源電圧の位相θdが0〜(θd1+θd2)[rad]のときの補償電圧を1周期の間は基準補償電圧Vbを補正分Vc’だけ低め、π〜π+(θd1+θd2)[rad]のときの補償電圧を1周期の間は基準補償電圧Vbを補正分Vc’だけ高め、
    前記補正分Vc’は瞬時電圧低下を検出した時点での交流電源電圧の位相θdが0〜(θd1+θd2)[rad]のときδ*θd/(θd1+θd2)−δ、π〜π+(θd1+θd2)[rad]のとき−δ*(θd−π)/(θd1+θd2)+δとし、θdが(θd1+θd2)[rad]またはπ+(θd1+θd2)[rad]に近づくにつれて、θd=0またはπのときのVbに対するVc’の割合δでVc’の絶対値を一次関数的に減少させ、θd=(θd1+θd2)[rad]またはπ+(θd1+θd2)[rad]でVc’=0とすることを特徴とする請求項1または2に記載の直列型瞬時電圧低下補償装置。
  5. 前記瞬時投入位相制御は、瞬時電圧低下を検出した時点での交流電源電圧の位相θdがπ/2〜π[rad]のときの補償電圧を1周期の間は基準補償電圧Vbを補正分Vc’だけ高め、瞬時電圧低下を検出した時点での交流電源電圧の位相θdが3π/2〜2π[rad]のときの補償電圧を1周期の間は基準補償電圧Vbを補正分Vc’だけ低め、
    前記補正分Vc’は−α*cos(θd)、ただし、αは直列変圧器に生じる磁束の最大値を最小にするためのθdについての関数、とすることを特徴とする請求項1または3に記載の直列型瞬時電圧低下補償装置。
JP2006122150A 2006-04-26 2006-04-26 直列型瞬時電圧低下補償装置 Active JP4648871B2 (ja)

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