JP4646349B2 - Oxygen-absorbing resin composition - Google Patents
Oxygen-absorbing resin composition Download PDFInfo
- Publication number
- JP4646349B2 JP4646349B2 JP2000057661A JP2000057661A JP4646349B2 JP 4646349 B2 JP4646349 B2 JP 4646349B2 JP 2000057661 A JP2000057661 A JP 2000057661A JP 2000057661 A JP2000057661 A JP 2000057661A JP 4646349 B2 JP4646349 B2 JP 4646349B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oxygen
- resin
- resin composition
- layer
- thermoplastic resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Packages (AREA)
- Wrappers (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は酸素に対し感受性が高く劣化し易い製品、特に食品、飲料、医薬品、化粧品などの包装材料、容器などに用いられる、酸素吸収性の樹脂および樹脂組成物に関する。本発明はまた、上記酸素吸収性に加え、優れたガスバリア性、防湿性、保香性、およびフレーバーバリア性を有する、酸素吸収性樹脂組成物に関する。さらに本発明は、このような組成物または樹脂を用いた成形品、例えば、食品、飲料、医薬品、化粧品などの包装材料、容器などに関する。
【0002】
【従来の技術】
酸素に対し感受性が高く劣化し易い製品が酸素に対し暴露されるのを防ぐことにより、その製品の品質を維持し、貯蔵寿命、いわゆる“Shelf Life”を延長することができることはよく知られている。例えば包装材料を用いて、酸素雰囲気下で劣化し易い食品の酸素暴露を抑制することにより、その食品の品質が維持され、食品の腐敗が回避される。この種の包装はまた、製品の商品価値をより長く保ち、廃棄と再仕入れの必要とにより生ずる経費を減少させる。食品の包装分野においては、数種の酸素暴露を制限する手段が既に開発されている。現在、一般的に使用される手段には、改良大気包装(MAP)、真空包装および酸素障壁フィルム包装が含まれる。最初の2者の場合には、酸素濃度の低い雰囲気を包装に使用し、後者の場合には酸素が包装環境に入ることを物理的に防止する。
【0003】
上記酸素障壁フィルム包装は、最も古典的に用いられている手段であり、フィルム材料として種々のガスバリア性樹脂が用いられている。
【0004】
このようなガスバリア性樹脂としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略すことがある)、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリルなどが広く用いられている。これらの樹脂は、酸素あるいは炭酸ガスバリア性に優れた材料であり、かつ溶融成形が可能で、包装用のフィルム、シート、ボトル、容器等に広く用いることが可能である。このような樹脂は、耐湿性、機械的特性等に優れた熱可塑性樹脂、なかでもポリオレフィン系樹脂の層と積層され、多層プラスチック包装材として好適に用いられている。例えば、バッグ、ボトル、カップ、パウチ等の形で酸素バリア性に優れた容器として食品、化粧品、医化学薬品、トイレタリー等の種々の分野で広く使用されている。
【0005】
このようなガスバリア性樹脂を用いた包装材料は、酸素、炭酸ガスなどのバリア性に優れるものの、缶詰等の用途に使用される金属素材や、瓶詰め等の用途に使用されるガラスのように、酸素等の気体に対する透過性はゼロに限りなく近いというわけではなく、未だ無視し得ない量の気体を透過する。特に食品用途における包装材料においては、長期間保存した場合の内容物の酸化による品質の低下が懸念されるため、酸素バリア性の改良が強く望まれている。また、酸化されやすい内容物を包装する場合、内容物包装時や充填時に内容物とともに包装容器内に混入する酸素を掃去することにより、内容物の劣化を防ぐことも望まれている。そのため、包装環境内に酸素掃去剤を封入すること、あるいは酸素掃去剤をガスバリア性樹脂に混入させてガスバリア性樹脂に酸素掃去機能を付与することが提案されている。特にガスバリア性樹脂に酸素吸収機能を付与する場合には、包装内部全体を通じての均一な掃去効果が得られ、加えて包装材壁を通過する酸素が掃去剤によりを掃去される。そのため、包装内部全体を通じて酸素のレベルを最小限に維持することが可能となる。
【0006】
上記酸素掃去剤としては種々の化合物が知られているが、改良された酸素掃去剤として、遷移金属触媒とエチレン性不飽和化合物(たとえばポリブタジエン、ポリイソプレン等)とを含有する組成物が提案されている(特開平5−115776号参照)。この公報には、エチレン性不飽和化合物としてトランス−1,4−ポリイソプレン、および1,2−ポリブタジエンが、そして遷移金属触媒としてコバルト化合物が例示されている。しかしながら、該酸素掃去剤の酸素掃去効果は必ずしも十分でなく、また場合によっては、有用な酸素掃去の開始までの遅れ(以下、誘導期間という)が、長くなってしまう問題を有している。
【0007】
ガスバリア性樹脂に酸素吸収機能(掃去機能)を付与する方法としては、次のような方法が提案されている:▲1▼EVOHに遷移金属等の酸化触媒を加えることにより、該EVOHを酸化されやすくし、透過しようとする酸素と該EVOHとを反応させ、そのことによりEVOHに酸素吸収機能を付与する方法(特開平4−211444号);▲2▼ポリ塩化ビニルに遷移金属等の酸化触媒を加えることにより、該ポリ塩化ビニルを酸化されやすくし、透過しようとする酸素と該ポリ塩化ビニルとを反応させ、そのことによりポリ塩化ビニルに酸素吸収機能を付与する方法(特開平4−45144号);▲3▼ポリオレフィンと酸化触媒からなる樹脂組成物をEVOH中に分散させて、透過しようとする酸素とEVOH中のポリオレフィンとを反応させることにより、酸素吸収機能を有する樹脂組成物を得る方法(特開平05−156095号);および▲4▼EVOH、ポリオレフィンおよび酸化触媒を配合し、透過しようとする酸素とポリオレフィンおよびEVOHとを反応させることにより、酸素吸収機能を有する樹脂組成物を得る方法(特開平05−170980号)。
【0008】
しかしながら、上記した▲1▼および▲2▼の方法は酸素バリア性の向上効果が十分でなく、かつ酸化触媒を多量に添加するため透明性が十分でないという問題がある。▲3▼および▲4▼の方法でも、ガスバリア性樹脂にポリオレフィンを加えることにより著しく透明性が損なわれるという問題を有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、酸素に対し感受性が高く劣化し易い製品、特に食品、飲料、医薬品、化粧品などを包装する場合において、酸素を掃去、あるいは吸収する効果に優れた組成物を提供することである。本発明の他の目的は上記酸素を掃去、あるいは吸収する効果に加え、優れたガスバリア性、透明性、防湿性、保香性、およびフレーバーバリア性を有する、酸素吸収性樹脂組成物を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、上記性質を有する樹脂を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、上記組成物あるいは樹脂を用い、上記酸素吸収性、ガスバリア性などに優れた成形品を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の酸素吸収性樹脂組成物は、数平均分子量が1000〜500000の範囲であり、構造式(I):
【0011】
【化3】
【0012】
[式中、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、またはアルコキシ基であり、R2およびR3は各々水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、置換アリール基、非置換アリール基、−COOR4、−OCOR5、シアノ基、またはハロゲン原子であり、R4およびR5は各々独立して炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、またはアルコキシ基である]
で示される構造単位の少なくとも1種を有する熱可塑性樹脂(a)と、遷移金属塩(b)とを含有する。この熱可塑性樹脂(a)は、上記構造単位中の炭素−炭素二重結合を0.0001eq/g以上の割合で含有する。遷移金属塩(b)は、金属元素換算で1〜10000ppmの割合でこの組成物中に含有される。
【0013】
好適な実施態様においては、本発明の樹脂組成物の酸素吸収速度は0.01ml/m2・day以上である。
【0014】
好適な実施態様においては、上記構造単位において、R1はメチル基、R2およびR3は各々水素原子である。
【0015】
好適な実施態様においては、上記熱可塑性樹脂(a)は芳香族ビニル化合物から誘導される構造単位を有する。
【0016】
好適な実施態様においては、上記熱可塑性樹脂(a)は構造式(I)を含むポリイソプレンブロックおよびポリスチレンブロックから主としてなり、さらに好適にはこの熱可塑性樹脂(a)は、ポリスチレンブロック−構造式(I)を含むポリイソプレンブロック−ポリスチレンブロックからなる3元ブロック共重合体である。
【0017】
好適な実施態様においては、熱可塑性樹脂(a)の炭素−炭素二重結合は、該樹脂中に0.002eq/g以上の割合で含有される。
【0018】
好適な実施態様においては、上記遷移金属塩(b)は鉄塩、ニッケル塩、銅塩、マンガン塩、およびコバルト塩のうちのいずれかである。
【0019】
ある実施態様においては、本発明の樹脂組成物は、さらに上記熱可塑性樹脂(a)以外の熱可塑性樹脂を含有する。この樹脂は、例えば、酸素透過速度が500ml・20μm/m2・day・atm(20℃、65%RH)以下のガスバリア性樹脂(c)である。
【0020】
好適な実施態様においては、本発明の樹脂組成物は、上記熱可塑性樹脂(a)およびガスバリア性樹脂(c)を有し、該熱可塑性樹脂(a)からなる粒子が該ガスバリア性樹脂(c)のマトリックス中に分散している。
【0021】
本発明はまた、数平均分子量が1000〜500000の範囲であり、構造式(I):
【0022】
【化4】
【0023】
[式中、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、またはアルコキシ基であり、R2およびR3は各々水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、置換アリール基、非置換アリール基、−COOR4、−OCOR5、シアノ基、またはハロゲン原子であり、R4およびR5は各々独立して炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、またはアルコキシ基である]
で示される構造単位の少なくとも1種を有し、該構造単位中の炭素−炭素二重結合が0.0001eq/g以上の割合で含有され、酸素吸収速度が0.01ml/m2・day以上である、酸素吸収性熱可塑性樹脂を包含する。
【0024】
本発明は、上記酸素吸収性樹脂組成物または酸素吸収性熱可塑性樹脂を含有する成形品を包含する。
【0025】
本発明は、上記酸素吸収性樹脂組成物または酸素吸収性熱可塑性樹脂を含む層を有する多層構造体を包含する。
【0026】
本発明は、上記酸素吸収性樹脂組成物または酸素吸収性熱可塑性樹脂を含む層を有する多層容器を包含する。
【0027】
本発明は、上記酸素吸収性樹脂組成物または酸素吸収性熱可塑性樹脂からなる層を含み、全層厚みが300μm以下である多層フィルムからなる多層容器を包含する。
【0028】
本発明は、上記酸素吸収性樹脂組成物または酸素吸収性熱可塑性樹脂からなる層および熱可塑性ポリエステル層からなる層を有する多層容器を包含する。
【0029】
本発明は、上記酸素吸収性樹脂組成物または酸素吸収性熱可塑性樹脂からなるガスケットを装着してなるキャップを包含する。
【0030】
【発明の実施の形態】
本明細書において、酸素を“掃去する”とは、与えられた環境から酸素を吸収・消費し、あるいはその量を減少させることを言う。
【0031】
本発明の酸素吸収性樹脂組成物に含有される熱可塑性樹脂(a)は、数平均分子量が1000〜500000の範囲であり、構造式(I):
【0032】
【化5】
【0033】
[式中、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、またはアルコキシ基であり、R2およびR3は各々水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、置換アリール基、非置換アリール基、−COOR4、−OCOR5、シアノ基、またはハロゲン原子であり、R4およびR5は各々独立して炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、またはアルコキシ基である]
で示される構造単位の少なくとも1種を有する。この構造単位由来の炭素−炭素二重結合は0.0001eq/g以上の割合で該樹脂中に含有される。本発明はまた、このような樹脂であって、酸素吸収速度が0.01ml/m1・m2day以上である樹脂を包含する。
【0034】
上記構造式(I)の定義におけるアリール基の炭素数は、好ましくは6から10であり、アルキルアリール基の炭素数は、好ましくは7〜11であり、アルコキシ基の炭素数は、好ましくは、1〜10である。アルキル基の例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が、アリール基の例としてはフェニル基が、アルキルアリール基の例としてはベンジル基が、アルコキシ基の例としてはメトキシ基、エトキシ基が、ハロゲン原子の例としては塩素原子が、それぞれ挙げられる。
【0035】
この熱可塑性樹脂(a)は、上記のようにその分子内に炭素−炭素二重結合を有するため、酸素と効率よく反応することが可能であり、酸素掃去機能(酸素吸収機能)が得られる。上記炭素−炭素二重結合とは、共役二重結合を包含するが、芳香環に含まれる多重結合は包含しない。
【0036】
この炭素−炭素二重結合は、上記のように、熱可塑性樹脂(a)中に0.0001eq/g以上の割合で含有される。この二重結合は、好ましくは、0.0005eq/g以上、より好ましくは0.001eq/g以上、さらに好ましくは0.002eq/g以上の割合で含有される。炭素−炭素二重結合の含有量が0.0001eq/g未満である場合には、酸素吸収速度が十分とならず、本発明の組成物の酸素掃去効果が十分に向上しない。上記熱可塑性樹脂(a)の酸素吸収速度は、好ましくは0.01ml/m2/dayである。
【0037】
熱可塑性樹脂(a)の分子量は、好ましくは、上記のように、1000〜500000である。さらに、樹脂組成物の成形・加工性、それから得られる成形品の機械的性質及び熱可塑性樹脂(a)以外の熱可塑性樹脂への分散性の点を考慮すると、より好ましくは、10000〜250000、最も好ましくは40000〜200000の範囲である。
【0038】
熱可塑性樹脂(a)の分子量が1000未満の場合には、樹脂組成物の成形・加工性或いは取り扱いのし易さが著しく低下する虞があり、成形品とした場合の強度や伸度等機械的性質も低下する虞がある。更に、熱可塑性樹脂(a)以外の熱可塑性樹脂(例えば、ガスバリア性樹脂)と混合して使用する場合において分散性が低下し、その結果、ガスバリア性および酸素掃去性能が低下する場合がある。数平均分子量が500000を超える場合においても、樹脂組成物の成形・加工性が低下することがある。さらに、熱可塑性樹脂(a)以外の熱可塑性樹脂と混合して使用する場合の分散性が低下し、ガスバリア性および酸素掃去性能が低下することもある。
【0039】
熱可塑性樹脂(a)の炭素−炭素二重結合は、一般にジエン化合物由来であるが、それに限定されない。本発明において用いられる熱可塑性樹脂(a)の合成に用いられるジエン化合物の例としては、イソプレン、ブタジエン、2−エチル−ブタジエン、2−ブチル−ブタジエン等が挙げられる。ジエン化合物として、1成分のみを使用しても良いし、2成分を同時に使用しても良く、特に制限されない。
【0040】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂(a)の炭素−炭素二重結合は、主鎖に含まれてもよく、側鎖に含まれてもよいが、側鎖に含まれる二重結合の量が多い方が(すなわち、炭素−炭素二重結合を有している基が側鎖に多い方が)、酸素吸収速度を早くすることから好ましい。例えば、熱可塑性樹脂(a)の合成原料として、イソプレンあるいはブタジエンを用いる場合、得られる熱可塑性樹脂(a)中のビニル結合含有量は10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、30%以上であることが更に好ましい。ビニル結合含有量とは、ポリマー中のすべてのジエン由来の単位のうちで、ビニル結合(CH2=CH-)を形成したもの(1,2付加重合したもの)の割合をいう。なお、重合後に存在する二重結合は、本発明の組成物における性能を妨げない範囲において、その一部が水素により還元されていても構わない。
【0041】
ビニル結合の含有量を10%以上にするためには、イソプレン等のジエン化合物を重合させる際に、共触媒としてルイス塩基が用いられる。ルイス塩基の例としてはジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、トリエチレンジアミン等の第三級アミン類、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等のエーテル含有アミン類が挙げられる。ルイス塩基は後述の開始剤100重量部あたり0.1〜400重量部使用される。
【0042】
溶媒としては不活性な有機溶媒を用いる。特に炭素原子数が6〜12の炭化水素、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン並びにそれらの環状類似物が適している。芳香族系の溶媒、例えばトルエン、ベンゼン、キシレン等も適している。重合は通常−20〜80℃の温度範囲、1〜50時間の範囲で行われる。
【0043】
このようにして得られる熱可塑性樹脂(a)は、側鎖に二重結合を多く含むため酸化され易く、酸素吸収性能に優れる。
【0044】
熱可塑性樹脂(a)が有する上記構造式(I)が、R1として炭素数1〜3のアルキル基を有する場合(特に、イソプレン、2−エチルブタジエン、2−ブチルブタジエンを重合してなる構造単位を有する場合)、熱可塑性樹脂(a)が酸化され易く、酸素吸収性の樹脂として好ましい。なかでも、熱可塑性樹脂(a)が、構造式(I)で示される構造単位としてイソプレンを重合してなる構造単位(すなわち構造式(I)におけるR1がメチル基、R2およびR3が水素原子である場合)を含む場合は該構造単位の二重結合(ビニル結合)が酸素と効果的に反応するため、特に熱可塑性樹脂(a)が酸化され易く、酸素吸収性に優れる。さらにイソプレンは入手が容易であり、他のモノマーと容易に重合するので、熱可塑性樹脂(a)合成コストの点からも好適である。
【0045】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂(a)は、芳香族ビニル化合物とジエン化合物の共重合体であることが好ましい。熱可塑性樹脂(a)が芳香族ビニル化合物とジエン化合物の共重合体である場合、ジエン化合物に由来する二重結合と酸素とが反応し易くなり、酸素バリア性および酸素掃去効果を向上させることができる。更に、芳香族ビニル化合物とジエン化合物の共重合比率を調整することで熱可塑性樹脂(a)の成形・加工性を向上することができ、また硬度を変化させることも可能となる。芳香族ビニル化合物とジエン化合物の共重合比率を調整することにより、得られる熱可塑性樹脂(a)の屈折率を調整することが可能である。従って、後述のように、本発明の組成物がガスバリア性樹脂(c)を含有する場合には、このガスバリア性樹脂(c)の屈折率と熱可塑性樹脂(a)の屈折率との差を小さく設定することができ、その結果、透明性に優れた製品が得られる。このように、本発明の組成物を、種々の包装材料に適した物性に調整することが可能となる。
【0046】
本発明において用いられる熱可塑性樹脂(a)の合成に用いられる芳香族ビニル化合物としては、スチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、3−ビニルナフタレン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン等が挙げられる。中でも、コストおよび重合の容易さの観点からスチレンが最も好ましい。
【0047】
熱可塑性樹脂(a)が、芳香族ビニル化合物とジエン化合物の共重合体である場合に、この共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、あるいはそれらの複合物であってもよく、特に制限されない。製造性、並びに熱可塑性樹脂(a)の機械的特性、取り扱いの容易さ、および酸素吸収速度の観点から、ブロック共重合体であることが好ましい。
【0048】
熱可塑性樹脂(a)がブロック共重合体である場合、その製造方法は特に限定されないが、アニオン重合法を用いることが好適である。このとき、芳香族ビニル化合物ブロックの数平均分子量は、好ましくは300〜100000の範囲であり、より好ましくは1000〜50000の範囲であり、更に好ましくは3000〜50000の範囲である。芳香族ビニル化合物ブロックの分子量が300未満の場合は、熱可塑性樹脂(a)の溶融粘度が低く、樹脂組成物の成形・加工性或いは取り扱い性の悪い場合がある。さらに、成形品とした場合の強度や伸度等機械的性質が低下する傾向にある。更に、後述のように、熱可塑性樹脂(a)をガスバリア性樹脂(c)のような他の樹脂に分散させる態様の場合には、この熱可塑性樹脂(a)の分散性が低下し、その結果、酸素掃去性能が低下するおそれがある。芳香族ビニル化合物ブロックの分子量が100000を越える場合には、溶融粘度が高く熱可塑性が損なわれるため、樹脂組成物の成形・加工性が低下する。また、上記に分散性も低下するため、その結果酸素掃去性能が低下する傾向にある。
【0049】
ブロック共重合体のブロック形態は、A(BA)n、(AB)nで示される。ここでAは芳香族ビニル化合物からなるブロック、Bはジエン化合物からなるブロックを示し、nは1以上の整数である。
【0050】
本発明において用いられる熱可塑性樹脂(a)は2元ブロック共重合体あるいは3元ブロック共重合体であるのが好ましく、3元ブロック共重合体であることが更に好ましい。中でも、芳香族ビニル化合物からなるブロックがポリスチレンブロックであり、ジエン化合物からなるブロックがポリイソプレンであることがコストおよび重合の容易さの観点から好適である。特に、熱可塑性樹脂(a)が構造式(I)を含むポリイソプレンブロック及びポリスチレンブロックからなる2元ブロック共重合体である場合、重合の容易さ、取り扱いの容易さ、酸素吸収速度およびコストの点で好ましい。熱可塑性樹脂(a)がポリスチレンブロック−構造式(I)を含むポリイソプレンブロック−ポリスチレンブロックからなる3元ブロック共重合体である場合、重合の容易さ、取り扱いの容易さ、酸素吸収速度およびコストの点に加え、機械的性質が向上する点からより好ましい。
【0051】
更に、本発明における熱可塑性樹脂(a)は、ジエン化合物から誘導されるブロックにおけるtanδの主分散ピーク温度が−40℃〜60℃の範囲内であるのが好ましい。tanδの主分散ピーク温度が−40℃未満である場合、酸素吸収速度が遅くなり酸素掃去性能が低下する傾向にある。tanδの主分散ピーク温度が60℃を超える場合、低温での酸素吸収速度が遅くなり酸素掃去性能が低下する傾向にある。酸素掃去性能の点を考慮すると、ジエン化合物から誘導されるブロックにおけるtanδの主分散ピーク温度は−20℃〜40℃の範囲内がより好ましく、−10℃〜30℃の範囲内が更に好ましい。
【0052】
芳香族ビニル化合物とジエン化合物のブロック共重合体は次の種々の方法により得られる。アルキルリチウム化合物を開始剤として芳香族ビニル化合物とジエン化合物とを重合し、カップリング剤によってカップリングする方法、あるいはジリチウム系化合物を開始剤として、ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを逐次重合する方法などが代表的なものとして挙げられるが、これらに限定されない。アルキルリチウム化合物の例としては、アルキル残基の炭素原子数が1〜10のアルキル化合物が挙げられる。特にメチルリチウム、エチルリチウム、ベンジルリチウム、およびブチルリチウムが好ましい。
【0053】
カップリング剤としてはジクロロメタン、ジブロモメタン、ジクロロエタン、ジブロモエタン等が用いられる。ジリチウム化合物の例としては、ナフタレンジリチウム、オリゴスチルジリチウム、ジリチオヘキシルベンゼン等が挙げられる。使用量は重合に用いられる全モノマー100重量部に対し、開始剤0.01〜0.2重量部、カップリング剤0.04〜0.8重量部が適当である。
【0054】
ブロック共重合体は、重合の反応液をメタノールなどの貧溶媒中に添加し、凝固させた後、加熱あるいは減圧乾燥させるか、重合反応液を沸騰水中に滴下し、溶媒を共沸・除去した後、加熱あるいは減圧乾燥させて得られる。
【0055】
上記熱可塑性樹脂(a)は、単一の樹脂であっても複数の樹脂からなる混合物であってもよい。混合物であるときに、透明性の良好な成形品を得たい場合には、厚み20μmのフィルムにおいて、その内部ヘイズ値が10%以下であるのが好ましい。
【0056】
上記熱可塑性樹脂(a)は、その構造上酸化を受けやすいため、例えば、保存時の酸化を防止するために、あらかじめ酸化防止剤を添加しておくことも推奨される。
【0057】
上記酸化防止剤の例としては、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、2,6−ジ−(t−ブチル)−4−メチルフェノール(BHT)、2,2′−メチレンビス−(6−t−ブチル−p−クレゾール)、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリス−(ノニルフェニル)、チオジプロピオン酸ジラウリル等を挙げることができる。
【0058】
酸化防止剤の添加量は、組成物中の成分の種類、含有割合、使用目的、保存条件などを考慮して最適量が決定される。一般に酸化防止剤を多く含む場合には、熱可塑性樹脂(a)を含む樹脂組成物中を透過しようとする酸素と、この熱可塑性樹脂(a)との反応が妨げられる。そのため、本発明の組成物の酸素バリア性および酸素掃去機能が十分に発揮されない場合がある。一方、酸化防止剤を含まない場合あるいはその含有量が少なすぎる場合には、熱可塑性樹脂(a)の保存時あるいは溶融加工時に酸素との反応が進行してしまい、実使用時には酸素吸収性能が低下してしまっている場合がある。
【0059】
熱可塑性樹脂(a)を不活性ガス雰囲気下で保存する場合や、比較的低温であるいは窒素シールした状態で溶融配合して樹脂組成物を製造する場合などは、酸化防止剤の量は少なくても良い。
【0060】
また、酸化を促進するために溶融配合時に酸化触媒である遷移金属塩(b)を添加するような場合には、熱可塑性樹脂(a)がある程度の量の酸化防止剤を含んでいても、良好な酸素吸収能力を有する樹脂組成物を得ることができる。このような場合の酸化防止剤の含有量は、0.01〜1重量%が好ましく、0.02〜0.5重量%がより好ましい。この酸化防止剤は、上記のように、熱可塑性樹脂(a)にあらかじめ添加されていてもよく、あるいは後述の他の一般の添加剤と同様に酸素吸収性樹脂組成物の各成分を混合するときに加えられてもよい。
【0061】
本発明の樹脂組成物は、好ましくは遷移金属塩(b)を含有する。この遷移金属塩(b)は、金属元素換算で1〜10000ppm、好ましくは5〜5000ppm、より好ましくは10〜2000ppmの割合で含有される。これにより、熱可塑性樹脂(a)の酸素酸化反応を促進することができる。例えば、本発明の組成物から得られる包装材料内部に存在する酸素並びに包装材料中を透過しようとする酸素と熱可塑性樹脂(a)とが効率よく反応し得るようになる。その結果、本発明の樹脂組成物における酸素バリア性および酸素掃去作用が向上する。但し、遷移金属塩(b)の含有量が金属元素換算で10000ppmを超える範囲で使用すると本発明の樹脂組成物の熱安定性が低下し、分解ガスの発生やゲル物の発生が著しくなる。このような観点から、遷移金属塩(b)の含有量は上記の範囲が好ましい。本発明の組成物が、ガスバリア性樹脂など、熱可塑性樹脂(a)以外の熱可塑性樹脂を含有する場合には、上記遷移金属塩(b)は1〜5000ppm、好ましくは5〜1000ppm、さらに好ましくは10〜500ppmの範囲で含有される。
【0062】
このような遷移金属塩(b)に用いられる金属は、周期表の第1、第2または第3遷移系列から選択されるのが好ましい。適当な金属にはマンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ロジウム、チタン、クロム、バナジウムおよびルテニウムが含まれるが、これに限定されない。これらの金属の中で好ましいのは、鉄、ニッケル、銅、マンガンおよびコバルトであり、より好ましくは、マンガンおよびコバルトであり、更に好ましくはコバルトである。
【0063】
遷移金属塩(b)に用いられる金属の対イオンとしては、有機酸または塩化物由来のアニオンが挙げられる。有機酸としては、酢酸、ステアリン酸、ジメチルジチオカルバミン酸、パルミチン酸、2−エチルへキサン酸、ネオデカン酸、リノール酸、トール酸、オレイン酸、樹脂酸、カプリン酸、およびナフテン酸が含まれるが、これに限定されるものではない。特に好ましい塩には、2−エチルへキサン酸コバルト、ネオデカン酸コバルトおよびステアリン酸コバルトが挙げられる。金属塩は重合体性対イオンを有する、いわゆるアイオノマーであっても良い。
【0064】
本発明の組成物は、必要に応じて、熱可塑性樹脂(a)以外の熱可塑性樹脂を含有する。この熱可塑性樹脂は、例えば、ガスバリアー性樹脂(c)であってもよく、あるいは他の機能を有する熱可塑性樹脂であってもよい。
【0065】
上記ガスバリア性樹脂(c)としては、20℃、相対湿度65%の条件下で測定したときの酸素透過速度が、500ml・20μm/m2・day・atm以下であるような樹脂が好ましい。これは、1気圧の酸素の差圧がある状態で、面積1m2、20μm厚のフィルムを1日に透過する酸素の体積が、500ml以下であることを意味する。酸素透過速度が500ml・20μm/m2・day・atmを超えると、ガスバリア性能が十分に発揮されない。良好なガスバリア性を得る必要のある場合には、ガスバリア性樹脂(c)の酸素透過速度が小さい方が好ましい。好ましくは、100ml・20μm/m2・day・atm以下であり、より好ましくは20ml・20μm/m2・day・atm以下であり、さらに好ましくは、5ml・20μm/m2・day・atm以下である。
【0066】
かかるガスバリア性樹脂(c)と炭素−炭素二重結合を有する熱可塑性樹脂(a)を配合することで、樹脂(c)によるガスバリア効果に加えて樹脂(a)による酸素捕捉効果が発揮され、結果として極めて高度なガスバリア性を有する樹脂組成物を得ることができる。
【0067】
透明度の高い樹脂組成物を得たい場合には、熱可塑性樹脂(a)以外の熱可塑性樹脂の屈折率は、1.50〜1.56であることが好ましい。この範囲を逸脱すると、後述のように、該樹脂の屈折率と熱可塑性樹脂(a)の屈折率との差が大きくなり、得られる樹脂または樹脂組成物の透明性が低下する。一般に、炭素−炭素二重結合を有する熱可塑性樹脂(a)の屈折率が上記範囲にあることが多いことから、熱可塑性樹脂(a)と、ガスバリア性樹脂(c)のようなその他の樹脂との屈折率の差を小さくすることが容易となり、結果として透明性の良好な樹脂組成物を得ることが可能となる。ガスバリア性樹脂(c)の屈折率は、上記範囲において、より好ましくは1.51以上であり、さらに好ましくは1.52以上である。また好ましくは上記範囲において1.55以下であり、さらに好ましくは1.54以下である。
【0068】
本発明の樹脂組成物において、熱可塑性樹脂(a)以外の熱可塑性樹脂としてガスバリア性樹脂(c)が含有されるときに、該ガスバリア性樹脂(c)の種類は特に限定されない。上記のような、酸素透過速度が500ml・20μm/m2・day・atm以下であり、かつ、屈折率が1.50〜1.56であるという条件を満たすガスバリア性樹脂(c)の例としては、ポリビニルアルコール系樹脂(例えばEVOH)、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリルなどが代表的な樹脂として例示されるが、これらの樹脂に限定されない。
【0069】
上記ガスバリア性樹脂(c)のうちポリビニルアルコール系樹脂は、ビニルエステルの単独重合体、またはビニルエステルと他の単量体との共重合体(特にビニルエステルとエチレンとの共重合体)を、アルカリ触媒等を用いてケン化して得られる。
【0070】
上記ビニルエステルとしては酢酸ビニルが代表的な化合物としてあげられるが、その他の脂肪酸ビニルエステル(プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなど)も使用できる。
【0071】
上記ポリビニルアルコール系樹脂のビニルエステル成分のケン化度は、好適には90%以上であり、より好適には95%以上であり、更に好適には97%以上である。ケン化度が90モル%未満では、高湿度下でのガスバリア性が低下する虞がある。また、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)の場合には熱安定性が悪化し、得られる成形品にゲル・ブツが発生しやすくなる。
【0072】
ポリビニルアルコール系樹脂がケン化度の異なる2種類以上のポリビニルアルコール系樹脂の配合物からなる場合には、配合重量比から算出される平均値をケン化度とする。かかるポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、核磁気共鳴(NMR)法により求めることができる。
【0073】
本発明に用いられるポリビニルアルコール系樹脂としては、溶融成形が可能で、高湿度下でのガスバリア性が良好な点から、上記ガスバリア性樹脂の中でも、EVOHが好適である。
【0074】
EVOHのエチレン含有量は5〜60モル%であるのが好ましい。エチレン含有量が5モル%未満では、高湿度下でのガスバリア性が低下し溶融成形性も悪化することがある。EVOHのエチレン含有量は、好適には10モル%以上であり、より好適には15モル%以上、最適には20モル%以上である。エチレン含有量が60モル%を超えると十分なガスバリア性が得られにくい。エチレン含有量は、好適には55モル%以下であり、より好適には50モル%以下である。EVOHのエチレン含有量は、核磁気共鳴(NMR)法により求めることができる。
【0075】
好適に利用されるEVOHは、エチレン含有量が5〜60モル%、ケン化度が90%以上である。
【0076】
EVOHがエチレン含有量あるいはケン化度の異なる2種類以上のEVOHの配合物からなる場合には、配合重量比から算出される平均値をエチレン含有量あるいはケン化度とする。
【0077】
ただし、2種類のEVOHを配合する際には、両者のエチレン含有量の差が15モル%以下であり、かつケン化度の差が10%以下であることが好ましい。これらの条件から外れる場合には、樹脂組成物層の透明性が損なわれる。良好な透明性を得る観点からはエチレン含有量の差はより好適には10モル%以下であり、さらに好適には5モル%以下である。また、同様に良好な透明性を得る観点からケン化度の差はより好適には7%以下であり、さらに好適には5%以下である。
【0078】
また、ポリビニルアルコール系樹脂、特にEVOHには、本発明の目的が阻害されない範囲で、他の単量体を共重合成分として少量含有することもできる。共重合成分となり得る単量体の例としては、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα−オレフィン;イタコン酸、メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸、その塩、その部分または完全エステル、そのニトリル、そのアミド、その無水物;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン系化合物;不飽和スルホン酸またはその塩;アルキルチオール類;ビニルピロリドン類などが挙げられる。
【0079】
なかでも、EVOHに共重合成分としてビニルシラン化合物0.0002〜0.2モル%を含有する場合は、共押出成形あるいは共射出成形する際の基材樹脂との溶融粘性の整合性が改善され、均質な成形品の製造が可能である。ここで、ビニルシラン系化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。なかでも、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが好適に用いられる。
【0080】
さらに、EVOHにホウ素化合物が添加されている場合にも、EVOHの溶融粘性が改善され、均質な共押出あるいは共射出成形品が得られる点で有効である。ここでホウ素化合物としては、ホウ酸類、ホウ酸エステル、ホウ酸塩、水素化ホウ素類等が挙げられる。具体的には、ホウ酸類としては、ホウ酸、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸などが挙げられ、ホウ酸エステルとしてはホウ酸トリエチル、ホウ酸トリメチルなどが挙げられ、ホウ酸塩としては上記の各種ホウ酸類のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、ホウ砂などが挙げられる。これらの化合物うちでもホウ酸、オルトホウ酸、NaBH4が好ましい。
【0081】
ホウ素化合物が添加される場合に、その含有量はホウ素元素換算で20〜2000ppm、望ましくは50〜1000ppmである。この範囲にあることで加熱溶融時のトルク変動が抑制されたEVOHを得ることができる。20ppm未満ではそのような効果が小さく、2000ppmを超えるとゲル化しやすく、成形性不良となる場合がある。
【0082】
EVOHに、アルカリ金属塩をアルカリ金属元素換算で5〜5000ppm添加しておくことも層間接着性や相容性の改善のために効果的である。
【0083】
アルカリ金属塩のより好適な添加量はアルカリ金属元素換算で20〜1000ppm、好ましくは、30〜500ppmである。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどがあげられ、アルカリ金属塩としては、一価金属の脂肪族カルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、燐酸塩、金属錯体等が挙げられる。例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、燐酸ナトリウム、燐酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、エチレンジアミン四酢酸のナトリウム塩等が挙げられる。中でも酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、燐酸ナトリウムが好適である。
【0084】
EVOHに対し、リン化合物をリン元素換算で2〜200ppm、より好適には3〜150ppm、最適には5〜100ppmの割合で添加することも好ましい。EVOH中のリン濃度が2ppmより少ない場合や200ppmより多い場合には、溶融成形性や熱安定性に問題を生じることがある。特に、長時間にわたる溶融成形を行なう際のゲル状ブツの発生や着色の問題が発生しやすくなる。
【0085】
EVOHに添加するリン化合物の種類は特に限定されるものではない。リン酸、亜リン酸等の各種の酸やその塩等を用いることができる。リン酸塩としては第1リン酸塩、第2リン酸塩、第3リン酸塩のいずれの形で含まれていても良い。リン酸塩のカチオン種も特に限定されないが、リン酸塩はアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩であることが好ましい。中でも、リン酸2水素ナトリウム、リン酸2水素カリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウムの形でリン化合物を添加することが好ましい。
【0086】
この他、必要に応じて、EVOHにあらかじめ熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フィラー、他の樹脂(ポリアミド、ポリオレフィンなど)をブレンドしておくことも可能である。上記ホウ素化合物、アルカリ金属塩、リン化合物などが添加されたEVOHは、市販されている。
【0087】
本発明に用いられ得るEVOHの好適なメルトフローレート(MFR)(210℃、2160g荷重下、JIS K7210に基づく)は0.1〜100g/10分、より好適には0.5〜50g/10分、さらに好適には1〜30g/10分である。
【0088】
本発明においては、本発明の目的を阻害しない範囲で、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フィラー、可塑剤、充填剤、他の樹脂(ポリオレフィンなど)をあらかじめガスバリア性樹脂(c)にブレンドすることもできる。
【0089】
本発明の組成物中に含有され得る熱可塑性樹脂(a)以外の樹脂であって、かつ上記ポリビニルアルコール系樹脂以外の樹脂としては、例えば、次の熱可塑性樹脂が挙げられる:エチレンホモポリマーおよびエチレンコポリマー(エチレンと以下の単量体とのコポリマー:プロピレン、1−ブテン、イソブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα−オレフィン;イタコン酸、メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸、その塩、その部分または完全エステル、そのニトリル、そのアミド、その無水物;ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルブチレート、ビニルオクタノエート、ビニルドデカノエート、ビニルステアレート、ビニルアラキドネートなどのカルボン酸ビニルエステル類;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン系化合物;不飽和スルホン酸またはその塩;アルキルチオール類;ビニルピロリドン類など)、プロピレンホモポリマーおよびプロピレンコポリマー(プロピレンと以下の単量体とのコポリマー:エチレン、1−ブテン、イソブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα−オレフィン;イタコン酸、メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸、その塩、その部分または完全エステル、そのニトリル、そのアミド、その無水物;ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルブチレート、ビニルオクタノエート、ビニルドデカノエート、ビニルステアレート、ビニルアラキドネートなどのカルボン酸ビニルエステル類;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン系化合物;不飽和スルホン酸またはその塩;アルキルチオール類;ビニルピロリドン類など)、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリブテン−1などのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル;ポリε−カプロラクタム、ポリヘキサメチレンアジポアミド、ポリメタキシリレンアジポアミドなどのポリアミド;ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリアクリレートなど。上記熱可塑性樹脂の選択は、製造する成形品の構造及び用途に依存する。このような選択因子は構造及び用途において周知である。
【0090】
本発明の組成物が熱可塑性樹脂(a)および該樹脂以外の熱可塑性樹脂を含有する場合には、これらの樹脂の混和性を考慮することが好ましい。これらの樹脂の混和性により、透明性、清浄性、酸素掃去剤としての有効性、バリアー性、機械的性質、製品のテキスチャーなどが影響を受けることがある。
【0091】
本発明の樹脂組成物が、熱可塑性樹脂(a)以外の熱可塑性樹脂を含有する場合に各成分の含有量は、特に限定されない。通常、熱可塑性樹脂(a)および遷移金属塩(b)の合計量が99〜1重量%であり、熱可塑性樹脂(a)以外の熱可塑性樹脂が1〜99重量%である。好ましくは樹脂(a)および遷移金属塩(b)の合計量が90〜10重量%であり、熱可塑性樹脂(a)以外の熱可塑性樹脂が10〜90重量%である。
【0092】
本発明の種々の態様のうちで、ガスバリア性に優れた組成物を得たい場合には、本発明の酸素吸収性樹脂組成物中には、ガスバリア性樹脂がやや多い量で含有される。通常、熱可塑性樹脂(a)を0.1〜30重量%の割合で、そしてガスバリア性樹脂(c)を、99.9〜70重量%の割合で含有することが好ましい。
【0093】
ガスバリア性樹脂(c)の含有割合が70重量%未満である場合、樹脂組成物を用いた多層容器等の成形品における透明性や酸素ガスあるいは炭酸ガス等のガスバリア性が低下する場合がある。含有割合が99.9重量%を超える場合には、熱可塑性樹脂(a)の含有割合が少なくなるため、酸素吸収速度が低下し、酸素ガスバリア性および酸素掃去性が低下する傾向にある。樹脂組成物における熱可塑性樹脂(a)の含有割合の好適な範囲は1〜20重量%であり、より好適な範囲は2〜15重量%である。ガスバリア性樹脂(c)の含有割合のさらに好適な範囲は80〜99重量%であり、より好適な範囲は85〜98重量%である。
【0094】
他方、ガスバリア性よりも、酸素吸収速度を重視する場合、ガスバリア性樹脂(c)は含まない態様も好ましい態様である。
【0095】
本発明の樹脂組成物のうち、ガスバリア性樹脂(c)など、熱可塑性樹脂(a)以外の樹脂を含む組成物においては、熱可塑性樹脂(a)からなる粒子が、この(a)以外の樹脂および必要に応じて後述の各種添加剤などを含むマトリックス中に分散している態様が推奨される。例えば、本発明の酸素吸収性樹脂組成物が熱可塑性樹脂(a)およびガスバリア性樹脂(c)でなる場合には、熱可塑性樹脂(a)でなる粒子がガスバリア性樹脂(c)のマトリックスに分散している態様が推奨される。このような状態の組成物でなる各種成形品においては酸素掃去性及びガスバリア性が持続し易く、ガスバリア性樹脂(c)など熱可塑性樹脂(a)以外の樹脂の有する機能が付与できる点で好ましい。透明性も良好である。このとき、熱可塑性樹脂(a)からなる粒子の分散粒径は10μm以下であることが好適である。分散粒径が10μmを超える場合には、熱可塑性樹脂(a)と熱可塑性樹脂(a)以外の樹脂との界面の面積が小さくなり、酸素ガスバリア性が低下するとともに、酸素掃去性能が低下する場合がある。樹脂組成物を使用した多層容器等の成形品の酸素掃去性、ガスバリア性および透明性の観点から、分散している熱可塑性樹脂(a)粒子の平均粒径は5μm以下がより好ましく、2μm以下が更に好ましい。
【0096】
本発明の樹脂組成物のうち、ガスバリア性樹脂(c)など、熱可塑性樹脂(a)以外の熱可塑性樹脂を含む組成物においては、熱可塑性樹脂(a)の屈折率と熱可塑性樹脂(a)以外の樹脂の屈折率との差が0.01以下である場合に、この組成物から得られる成形品の透明性が良好である。屈折率の差が0.01を超える場合、樹脂組成物から得られる成形品はやや不透明となる傾向がある。良好な透明性を得るためには、上記屈折率の差が0.007以下であることが好ましく、0.005以下であることがより好ましい。熱可塑性樹脂(a)との屈折率の差が0.01以下である樹脂としてはポリビニルアルコール、ポリ(エチレンビニルアルコール)などのビニルアルコール系樹脂、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリルなどが好適であるが、これらに限定されない。
【0097】
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて各種の添加剤が含有される。このような添加剤の例としては、酸化防止剤、可塑剤、熱安定剤(溶融安定剤)、光開始剤、脱臭剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、フィラー、乾燥剤、充填剤、顔料、染料、加工助剤、難燃剤、防曇剤あるいは他の高分子化合物を挙げることができ、これらを本発明の作用効果が阻害されない範囲内で含有させることが可能である。
【0098】
上記添加剤のうち熱安定剤(溶融安定剤)としては、ハイドロタルサイト化合物、高級脂肪族カルボン酸の金属塩(たとえば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等)の1種または2種以上が用いられる。これらの化合物は、樹脂組成物全体の0.01〜1重量%の割合で含有されるのが好適である。
【0099】
本発明の樹脂組成物がハイドロタルサイト化合物を含有する場合には、樹脂組成物からなる層において経時的に発生するゲルやフィッシュアイを防止することができ、長時間の運転安定性をさらに改善することができる。
【0100】
また、樹脂組成物が、高級脂肪族カルボン酸の金属塩を含有する場合に、経時的に発生するゲルやフィッシュアイを防止することができ、長時間の運転安定性をさらに改善することができる。
【0101】
高級脂肪族カルボン酸の金属塩とは、炭素数8〜22の高級脂肪酸の金属塩である。炭素数8〜22の高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸などがあげられる。塩を構成する金属としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、アルミニウムなどがあげられる。このうちマグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属が好適である。
【0102】
上記添加剤のうち光開始剤は、樹脂組成物でなる層状体、包装用フィルムなどの中で、酸素掃去を開始または促進させるために使用される。
【0103】
本発明の酸素吸収性組成物に酸化防止剤が含有されている場合、この組成物にさらに1種以上の光開始剤を含有させることもまた、推奨される。このような組成物に所望の時期に光を照射することにより、熱可塑性樹脂(a)と酸素との反応の開始が促進され、その結果、組成物の酸素掃去機能を発現することが可能となる。
【0104】
適当な光開始剤の例としては、次の化合物が挙げられるがこれに限定されない:ベンゾフェノン、o−メトキシベンゾフェノン、アセトフェノン、o−メトキシアセトフェノン、アセナフテンキノン、メチルエチルケトン、バレロフェノン、ヘキサノフェノン、α−フェニルブチロフェノン、p−モルホリノプロピオフェノン、ジベンゾスベロン、4−モルホリノベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、4−o−モルホリノデオキシベンゾイン、p−ジアセチルベンゼン、4−アミノベンゾフェノン、4′−メトキシアセトフェノン、α−テトラロン、9−アセチルフェナントレン、2−アセチルフェナントレン、10−チオキサントン、3−アセチルフェナントレン、3−アセチルインドール、9−フルオレノン、1−インダノン、1,3,5−トリアセチルベンゼン、チオキサンテン−9−オン、キサンテン−9−オン、7−H−ベンズ[de]アントラセン−7−オン、ベンゾインテトラヒドロピラニルエーテル、4,4′−ビス−(ジメチルアミノ)−ベンゾフェノン、1′−アセトナフトン、2′−アセトナフトン、アセトナフトンおよび2,3−ブタンジオン、ベンズ[a]アントラセン−7,12−ジオン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、α,α−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジブトキシアセトフェノンなど。一重項酸素発生光増感剤、たとえばローズベンガル、メチレン青およびテトラフェニルポルフィリンも、光開始剤として使用することができる。上記のような単量体タイプの光開始剤の他、重合体開始剤も使用することが可能であり、それにはポリ−(エチレン一酸化炭素)およびオリゴ−[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)−フェニル]−プロパノン]が含まれる。一般にはより迅速かつ効率的な開始効果が得られるので、光開始剤の使用が好ましい。
【0105】
光開始剤が含有される場合、放射線へ暴露されると、熱可塑性樹脂(a)と酸素との反応の開始が促進される。使用される光開始剤の量は、種々の要因によって変化する。光開始剤の量は、一般に使用する熱可塑性樹脂(a)の種類、使用する放射線の波長および強度、使用する酸化防止剤の性質および量、ならびに使用する光開始剤の型に応じて適切に決定される。光開始剤の量はまた、酸素吸収性樹脂組成物の使用時の形態によっても異なる。例えば、光開始剤を含む組成物でなる成形品が若干不透明な層状体であり、これに対して放射線を照射する場合には、比較的多量の開始剤が必要となる。
【0106】
一般に光開始剤を使用する場合に、その量は組成物全体の0.01〜10重量%の範囲であろう。
【0107】
上記光開始剤を含有する本発明の酸素吸収性組成物は、所望の時期に放射線に暴露され、そのことによりこの組成物の酸素掃去が開始される。放射線を暴露することにより、酸素吸収性組成物の酸素捕捉の誘導期を有意に減少または消失させ、酸素捕捉を開始させ、あるいは、酸素捕捉を促進することができる。上記誘導期とは、酸素吸収性組成物が充分に酸素の捕捉を開始するまでの時間である。
【0108】
上記使用される放射線としては、化学作用放射線、たとえば約200〜750ナノメートル(nm)の、好ましくは約200〜400nmの波長を有する紫外または可視光が有用である。化学作用放射線は比較的長い波長を有するため、コスト面および人体等への影響などの観点から好ましい。放射線による暴露を行なう場合には酸素吸収性組成物を、この組成物に含有される熱可塑性樹脂(a)1グラムあたり少なくとも0.1ジュール暴露するのが好ましい。暴露の典型的な量は熱可塑性樹脂(a)1グラムあたり10から100ジュールの範囲である。放射線はまた、約0.2から20メガラッドの、好ましくは約1から10メガラッドの線量の電子線であってもよい。他の放射線源には、イオン化放射線、たとえばガンマ線、X線およびコロナ放電が含まれる。放射線暴露は、好ましくは酸素の存在下に行う。暴露の継続時間は種々の要因に応じて変化する。その要因には、存在する光開始剤の量および型、暴露すべき成形品の形状(例えば、層状体の厚さ)、存在する全ての酸化防止剤の量、ならびに放射線源の波長および強度を含むが、これらに限定されない。
【0109】
上記光開始剤を含有する本発明の酸素吸収性樹脂組成物の放射線への暴露は、この組成物を所望の成形品または物品に調製した後であっても、調製の途中であってもよい。例えば、本発明の組成物を酸素感受性製品の包装に使用するならば、放射線への暴露は包装の直前であっても包装中であっても、包装後であってもよい。但し、放射線暴露は、成形品または物品の酸素捕捉剤としての使用の前であることが必要である。放射線を最大限に均一に照射するためには、暴露は成形品または物品が、例えば、平坦なシートの形状である加工段階で行うべきである。
【0110】
上記添加剤のうち、脱臭剤(あるいは消臭剤、吸着剤;以下これらを包含して脱臭剤という)は、本発明の樹脂組成物の酸素掃去に伴い発生する低分子の副生成物による臭気を低減させるために、利用される。
【0111】
適当な脱臭剤の例としては、その種類に特に制限はないが、亜鉛化合物、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、鉄(II)化合物、有機酸類、鉄(II)化合物−有機酸組成物等があげられる。これらは単独で用いることもできるし、複数種の混合物あるいは複塩であってもよい。
【0112】
上記亜鉛化合物としては、ケイ酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、リン酸亜鉛、硝酸亜鉛、炭酸亜鉛、酢酸亜鉛、シユウ酸亜鉛、クエン酸亜鉛、フマル酸亜鉛、ギ酸亜鉛等があげられる。
【0113】
アルミニウム化合物としては、硫酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウムなどがあげられる。
【0114】
ケイ素化合物としては、二酸化ケイ素、オルソリン酸ケイ素、ピロリン酸ケイ素−I型、ピロリン酸ケイ素−II型などのリン酸ケイ素化合物、活性シリカゲルなどが挙げられる。
【0115】
鉄(II)化合物としては、2価の鉄イオンを形成するものであれば任意の鉄化合物が使用できる。例としては硫酸第一鉄、塩化第一鉄、硝酸第一鉄、臭化第一鉄、ヨウ化第一鉄などの鉄(II)無機塩、没食子酸第一鉄、リンゴ酸第一鉄、フマル酸第一鉄などの鉄(II)有機塩が挙げられ、このうち硫酸第一鉄、塩化第一鉄が好ましい。
【0116】
亜鉛化合物とケイ素化合物とを含む組成物(混合物あるいは複塩)も好適に用いられる。この組成物の具体的な例としては、酸化亜鉛と二酸化ケイ素の比率が重量比で1:5〜5:1の範囲からなり、大部分がアモルファスな構造を有している、ケイ酸亜鉛の、実質的に不定形微粒子が好ましい。酸化亜鉛と二酸化ケイ素の比率は、好ましくは1:4〜4:1の範囲、更に好ましくは1:3〜3:1の範囲である。
【0117】
亜鉛化合物とアルミニウム化合物との組成物も好適に用いられる。このような具体的な例としては、酸化亜鉛および/または炭酸亜鉛と、硫酸アルミニウムおよび/または硫酸アルミニウムカリウムと、の混合物が好ましく、亜鉛化合物100重量部に対してアルミニウム化合物1〜1000重量部、好ましくは30〜300重量部の割合で混合される。
【0118】
有機酸類としては、炭素数8以上の有機酸、例えば脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ポリカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、芳香族ポリカルボン酸が好ましく、特に芳香族カルボン酸が好ましい。芳香族ポリカルボン酸の例としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリツト酸、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、ピロメリツト酸、ベンゼンへキサカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ジフエニルテトラカルボン酸、ジフエニルエーテルテトラカルボン酸、アゾベンゼンテトラカルボン酸あるいはこれらの無水物が挙げられ、これらの中でベンゼントリカルボン酸、とりわけトリメリット酸が好ましい。
【0119】
鉄(II)化合物−有機酸組成物に用いられる鉄(II)化合物としては、前記したとおりの、水中に溶解して2価の鉄イオンを形成する化合物であれば任意のものが使用できる。例として硫酸第一鉄、塩化第一鉄、硝酸第一鉄、臭化第一鉄、ヨウ化第一鉄などの鉄(II)無機塩、没食子酸第一鉄、リンゴ酸第一鉄、フマル酸第一鉄などの鉄(II)有機塩が挙げられ、このうち硫酸第一鉄、塩化第一鉄が好ましい。
【0120】
鉄(II)化合物−有機酸組成物に用いられる有機酸としては水に可溶なものであればよく、例としてはアスコルビン酸、イソアスコルビン酸及びその金属塩などのアスコルビン酸類、クエン酸、イソクエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸などのカルボン酸類が挙げられ、このうちL−アスコルビン酸が好ましい。
【0121】
用いられる鉄(II)化合物−有機酸組成物は、両者が結合していることが好適であり、これは、例えば、両成分を一旦混合、溶解した水溶液を噴霧乾燥、凍結乾燥等により乾燥、粉末化して調製できる。鉄(II)化合物と有機酸の成分比率は重量比で1:0.01〜1:1.0の範囲が好ましく、より好ましくは1:0.02〜1:0.80の範囲である。有機酸成分がアスコルビン酸類の場合は鉄(II)化合物と有機酸の成分比率は重量比で1:0.02〜1:0.30の範囲が好ましく、より好ましくは1:0.02〜1:0.13、特に好ましくは1:0.05〜1:0.13の範囲である。本発明において2種以上の鉄(II)化合物あるいは2種以上の有機酸を併用して用いても差し支えない。また鉄(II)化合物−有機酸組成物には脱臭機能の安定化剤としてミヨウバンを鉄(II)化合物と有機酸の合計量に2〜20重量%添加することが好ましい。ミヨウバンとしては特に制限はないが、カリミヨウバン、アンモニアミヨウバン、ナトリウムミヨウバンが好適である。
【0122】
さらにまた、他の脱臭剤として、亜鉛化合物とポリカルボン酸からなる組成物などの金属化合物を安定化させた組成物、鉄(II)−フタロシアニン誘導体などの生体酵素モデル化合物、キリ、ヒイラギ、モクセイ、ツワブキ、フキ、ライラック、シナレンギヨウ、クリ、ハンノキなどの植物の樹木液または抽出成分、ゼオライトなどのアルミノ珪酸塩、セピオライト、シロタイル、バリゴルスカイト、ラフリナイトなどの含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物、活性フミン酸、活性アルミナ、活性炭なども使用できる。また、多孔質吸着剤も使用可能である。
【0123】
前記した脱臭剤の中で酸化亜鉛、硫酸亜鉛などの亜鉛化合物、二酸化ケイ素、オルソリン酸ケイ素などのケイ素化合物、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウムなどのアルミニウム化合物、亜鉛化合物およびケイ素化合物を含む組成物、亜鉛化合物およびアルミニウム化合物を含む組成物、さらには有機酸、鉄(II)化合物−有機酸組成物が特に好ましい。
【0124】
これらの脱臭剤のうち、本発明の樹脂または樹脂組成物に好ましく利用できる脱臭剤としては、けい酸亜鉛、酸化亜鉛とミヨウバンの組成物が挙げられる。
【0125】
本発明が多層容器である場合など、多層構造である場合には、脱臭剤は種々の形態で該多層構造体中に含有される。後述のように、樹脂または樹脂組成物からなる層、あるいはこの層以外の層に含有させることができる。本発明の多層構造体においては、組成物層と他の熱可塑性樹脂層との層間に接着性樹脂層を設ける場合には、接着性樹脂層に脱臭剤を含有させることも可能である。脱臭剤は、これらの層のうち一層のみに配合してもよいし、また必要に応じ、二層以上に配合することもできる。脱臭剤の含有量は配合する層(樹脂層など)の総重量中0.1重量%以上、好適には0.2〜50重量%、さらに好適には0.5〜10重量%である。
【0126】
本発明の酸素吸収性樹脂組成物は、種々の優れた特性を有する。例えば、本発明の酸素吸収性樹脂は、上記のように、その酸素吸収速度が0.01ml/m2・day以上である。本発明の酸素吸収性樹脂組成物についても、酸素吸収速度は、好ましくは0.01ml/m2・day以上である。酸素吸収速度は0.05ml/m2・day以上であることがより好ましく、0.1ml/m2・day以上であることが更に好ましい。酸素吸収速度が0.01ml/m2・day未満である場合、本発明の樹脂組成物を用いて成形される多層容器等の成形品の酸素バリア性が十分でなく、また、酸素掃去効果も十分でない場合が多い。
【0127】
上記酸素吸収速度は、樹脂組成物のフィルムを一定容量の空気中に放置した場合に、単位表面積当たりで、単位時間内にそのフィルムが吸収した酸素の体積である。具体的な測定方法については、後述の実施例に示す。
【0128】
本発明の樹脂組成物あるいは樹脂を酸素掃去剤として使用する場合(特に、ガスバリア性樹脂を含有しない場合)、有用な掃去速度(酸素吸収速度)は、20℃、1気圧下、空気中で1日につき、炭素−炭素二重結合を有する熱可塑性樹脂(a)層1m2当たり0.5mlの酸素を吸収することが好ましく、5ml以上の酸素を吸収することがより好ましい。
【0129】
また、本発明の樹脂組成物あるいは樹脂の酸素掃去容量は、1グラム当たり1ml以上の酸素掃去容量であることが好ましく。1グラム当たり10ml以上の酸素掃去容量であることがより好ましく、1グラム当たり50ml以上の酸素掃去容量がより好ましい。
【0130】
本発明の酸素吸収性樹脂組成物あるいは樹脂における好適なメルトフローレート(MFR)(210℃、2160g荷重下、JIS K7210に基づく)は0.1〜100g/10分、より好適には0.5〜50g/10分、さらに好適には1〜30g/10分である。本発明の樹脂組成物のメルトフローレートが0.1〜100g/10分の範囲から外れる場合、溶融成形を行うときの加工性が悪くなる場合が多い。
【0131】
本発明の酸素吸収性樹脂組成物あるいは樹脂は、目的に応じて種々の成形品に成形される。
【0132】
酸素吸収性樹脂組成物の各成分を混合・成形する方法は特に限定されない。各成分を混合する際の順序も特に限定されない。例えば、熱可塑性樹脂(a)、ガスバリア性樹脂(c)、および遷移金属塩(b)を配合して成形品を調製する場合に、これらの成分は同時に混合しても良いし、熱可塑性樹脂(a)および遷移金属塩(b)の配合物を製造した後、ガスバリア性樹脂(c)と混合しても良い。あるいは、ガスバリア性樹脂(c)および遷移金属塩(b)の配合物を製造した後、熱可塑性樹脂(a)と混合しても良い。熱可塑性樹脂(a)およびガスバリア性樹脂(c)の配合物を製造した後、遷移金属塩(b)を混合しても良い。更に、熱可塑性樹脂(a)およびガスバリア性樹脂(c)の配合物、並びにガスバリア性樹脂(c)および遷移金属塩(b)の配合物を別々に製造した後、それらを混合しても良い。
【0133】
これら組成物の各成分は溶融配合してペレット状にしてから成形に供しても良いし、ドライブレンドして直接成形に供しても良い。
【0134】
上記各成分を配合・混錬する手段としては、溶剤を用いて各樹脂成分を溶解し、混合した後に溶媒を蒸発させる方法;および50℃から300℃の範囲の温度において溶融・混錬する方法(溶融配合法)が挙げられる。工程の簡便さ及びコストの観点から溶融配合法が好ましいが、特に制限されるものではない。溶融配合に利用される手段としては、リボンブレンダー、高速ミキサー、コニーダー、ミキシングロール、押出機、バンバリーミキサー、インテイシブミキサー等が例示される。
【0135】
例えば、本発明の組成物の各成分は、バンバリーミキサー、単軸又は二軸スクリュー押出し機などで混練し、ペレット化してから溶融成形に供される。ブレンド操作時に熱可塑性樹脂(a)の酸化が進行するのを防止するためには、ホッパー口を窒素シールし、低温で押出すことが望ましい。さらに、混練度の高い押出機を使用し、各成分を細かく均一に分散させることが、酸素吸収性能、透明性を良好にすると共に、ゲル、ブツの発生や混入を防止できる点で好ましい。
【0136】
樹脂組成物中の各成分が良好に分散されるために、混練操作は重要である。高度な分散を有する組成物を得るための混練機としては、連続式インテンシブミキサー、ニーディングタイプ二軸押出機(同方向、あるいは異方向)などの連続型混練機が最適であるが、バンバリーミキサー、インテンシブミキサー、加圧ニーダーなどのバッチ型混練機を用いることもできる。また別の連続混練装置としては石臼のような摩砕機構を有する回転円板を使用した装置、たとえば(株)KCK製のKCK混練押出機を用いることもできる。混練機として通常に使用されるもののなかには、一軸押出機に混練部(ダルメージ、CTM等)を設けたもの、あるいはブラベンダーミキサーなどの簡易型の混練機もあげることができる。
【0137】
この中で、本発明の目的に最も好ましいものとしては、連続式インテンシブミキサーを挙げることができる。市販されている機種としては、Farrel社製FCM、(株)日本製鋼所製CIMあるいは(株)神戸製鋼所製KCM、LCMあるいはACM等がある。実際にはこれらの混練機の下に一軸押出機を有する、混練と押出ペレット化を同時に実施する装置を採用するのが好ましい。また、ニーディングディスクあるいは混練用ロータを有する二軸混練押出機、例えば(株)日本製鋼所製のTEX、Werner&Pfleiderer社のZSK、東芝機械(株)製のTEM、池貝鉄工(株)製のPCM等も本発明の混練の目的に用いられる。
【0138】
これらの連続型混練機を用いるにあたっては、ローター、ディスクの形状が重要な役割を果たす。特にミキシングチャンバとローターチップあるいはディスクチップとの隙間(チップクリアランス)は重要で、狭すぎても広すぎても良好な分散性を有する組成物は得られない。チップクリアランスとしては1〜5mmが最適である。
【0139】
混練機のローターの回転数は100〜1200rpm、望ましくは150〜1000rpm、さらに望ましくは200〜800rpmの範囲が採用される。混練機チャンバー内径(D)は30mm以上、望ましくは50〜400mmの範囲のものが挙げられる。混練機のチャンバー長さ(L)との比L/Dは4〜30が好適である。また混練機はひとつでもよいし、また2以上を連結して用いることもできる。
【0140】
混練時間は長い方が良い結果を得られるが、熱可塑性樹脂(a)の酸化防止あるいは経済性の点から10〜600秒、好適には15〜200秒の範囲であり、最適には15〜150秒である。
【0141】
本発明の樹脂組成物は、上記種々の成形方法を適宜採用することによって、種々の成形品、例えば、フィルム、シート、容器その他の包装材料、各種形状の脱酸素剤等に成形することができる。
【0142】
例えば、溶融押出成形によりフィルム、シート、パイプ等に、射出成形により容器形状に、また中空成形によりボトル状等の中空容器に成形できる。中空成形には、押出成形によりパリソンを成形し、これをブローして成形を行う押出中空成形と、射出成形によりプリフォームを成形してこれをブローして成形を行う射出中空成形が好適な実施態様として例示されるが、これらに限定されない。
【0143】
本発明の酸素吸収性樹脂組成物は、上記のように、種々の包装材料や容器として好適に使用されるが、その優れた酸素吸収性と、取り扱い・加工性とから、脱酸素剤としても有用である。脱酸素剤は、本発明の酸素吸収性樹脂組成物あるいは樹脂を任意の形状に成形して得られ、例えば、食品や医薬品等を充填した包装容器にこれを入れることにより、効果的に包装容器内の酸素を掃去することができる。本発明の樹脂組成物と内容物の直接接触が好ましくない場合は、本発明の樹脂組成物からなる成形品を、内容物は遮断するが気体は透過する包装材に充填することが好適である。例えば、内容物が充分な平均粒径を有する固体であれば、不織布などからなる包装材に本発明の樹脂組成物からなる成形品を充填する実施態様も好適である。
【0144】
上記脱酸素剤の形状は特に限定されないが、酸素掃去機能を効率的に発現させるためには単位体積あたりの表面積を大きくすることが有効であり、フィルム状あるいは粒状とすることが好適である。
【0145】
一般に、上記目的に応じて得られた種々の成形品の外面を、本発明の樹脂組成物または樹脂以外の熱可塑性樹脂等で被覆する態様も好適である。例えば、内容物を入れる容器の場合、酸素吸収性樹脂組成物と内容物の直接接触を抑制できる他、被覆する熱可塑性樹脂の種類や厚みにより、外部からの酸素の侵入速度をコントロールし、本発明の樹脂組成物と酸素が反応する速度を調節することができる。本発明の樹脂組成物の酸素吸収速度を上記のような方法で調節することにより、本発明の樹脂組成物の酸素掃去機能を長期間に渡って維持することが可能である。
【0146】
本発明の樹脂組成物からなる成形品の外面を、他の熱可塑性樹脂等で被覆する方法は特に限定されない。本発明の樹脂組成物からなる層の少なくとも片面に熱可塑性樹脂等を積層して多層体とする方法や、本発明の樹脂組成物を内層とし、他の熱可塑性樹脂を最外層とする多層構造重合体粒子などが好適な実施態様として挙げられる。
【0147】
本発明においては、上記成形により得られる成形品、例えばフィルムやシートは単層であってもよいが、他の色々な樹脂、金属、紙、織布あるいは不織布から構成される層との積層体として用いることが、機能を多く付与できる点からより好ましい。本発明の樹脂組成物を単層で用いた場合、酸素と接触する面積が大きいため酸素掃去機能の持続期間が短くなることがあり、さらに酸素掃去後に機械的強度が低下することがある。加えて、内容物あるいは外気の水分によって酸素バリア性が低下することがある。それを補う上で、ガスバリア性樹脂(c)でなる層を積層したり、或いは機械的強度の高い層を積層したりすることが好ましい。
【0148】
本発明においては、酸素吸収性樹脂組成物層の外側を他の樹脂層で覆うことによって、外部からの酸素の侵入速度を抑制することができ、樹脂組成物の酸素掃去機能を長時間維持することができる点からも、多層構成とすることが好ましい。本発明はまた、酸素吸収性樹脂組成物または酸素吸収性樹脂を含む層を有する多層構造体または多層容器を包含する。
【0149】
多層構成の容器のうち、この容器の最内層が本発明の樹脂組成物で形成されている実施態様は、容器内の酸素掃去機能が速やかに発揮される観点から好適である。
【0150】
多層構造体の具体的な層構成としては、熱可塑性樹脂(a)以外の樹脂、金属、紙、織布あるいは不織布等からなる層をA層、熱可塑性樹脂(a)あるいはこの熱可塑性樹脂(a)を含む樹脂組成物層をB層、接着性樹脂層をC層とすると、A/B、A/B/A、A/C/B、A/C/B/C/A、A/B/A/B/A、A/C/B/C/A/C/B/C/Aなどの層構成が例示されるが、これらに他の層を適宜付加することは何ら差しつえなく、上記の例に限定するものではない。複数の他の樹脂からなる層を設ける場合は、異なった種類のものでもよいし、同じものでもよい。さらに、成形時に発生するトリムなどのスクラップからなる回収樹脂を用いた層を別途設けてもよいし、回収樹脂を他の樹脂からなる層にブレンドしてもよい。多層構造体の厚み構成に関しても、特に限定されるものではないが、成形性およびコスト等を考慮した場合、全層厚みに対するB層の厚み比は2〜20%が好適である。
【0151】
本発明の酸素吸収性樹脂組成物の成形品に積層する樹脂層を形成する材料としては、加工性等の点から、熱可塑性樹脂が好ましい。かかる熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、次のような樹脂が挙げられる:エチレンホモポリマーおよびエチレンコポリマー(エチレンと以下の単量体とのコポリマー:プロピレン、1−ブテン、イソブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα−オレフィン;イタコン酸、メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸、その塩、その部分または完全エステル、そのニトリル、そのアミド、その無水物;ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルブチレート、ビニルオクタノエート、ビニルドデカノエート、ビニルステアレート、ビニルアラドキネートなどのカルボン酸ビニルエステル類;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン系化合物;不飽和スルホン酸またはその塩;アルキルチオール類;ビニルピロリドン類など)、プロピレンホモポリマーおよびプロピレンコポリマー(プロピレンと以下の単量体とのコポリマー:エチレン、1−ブテン、イソブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα−オレフィン;イタコン酸、メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸、その塩、その部分または完全エステル、そのニトリル、そのアミド、その無水物;ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルブチレート、ビニルオクタノエート、ビニルドデカノエート、ビニルステアレート、ビニルアラキドネートなどのカルボン酸ビニルエステル類;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン系化合物;不飽和スルホン酸またはその塩;アルキルチオール類;ビニルピロリドン類など)、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリブテン−1などのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル;ポリε−カプロラクタム、ポリヘキサメチレンアジポアミド、ポリメタキシリレンアジポアミドなどのポリアミド;ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリアクリレートなど。かかる熱可塑性樹脂により積層される層は無延伸のものであっても良いし、一軸あるいは二軸に延伸あるいは圧延されているものであっても構わない。
【0152】
これらの熱可塑性樹脂のうち、ポリオレフィンは耐湿性、力学特性、経済性、ヒートシール性等にも優れる点から好適である。また、ポリエステルは透明性が良好で、力学特性にも優れるため、透明性の良好な本発明の樹脂組成物と積層する有用性が大きい。
【0153】
また、本発明の樹脂組成物と積層する金属層を形成する材料としては、缶容器などに一般的に使用されているスチールやアルミ等が挙げられる。
【0154】
本発明においては、本発明の樹脂組成物層と他の樹脂層とを接着するために、接着性樹脂を使用することができる。接着性樹脂は各層間を接着できるものであれば特に限定されるものではないが、ポリウレタン系、ポリエステル系一液型あるいは二液型硬化性接着剤、不飽和カルボン酸またはその無水物(無水マレイン酸など)をオレフィン系重合体または共重合体に共重合またはグラフト変性したもの(カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂)が好適に用いられる。
【0155】
これらのうちでも、接着性樹脂がカルボン酸変性ポリオレフィン樹脂であることが、ポリオレフィンなどの表面層と樹脂組成物層との接着性の観点からより好ましい。かかるカルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂の例としては、ポリエチレン{低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)}、ポリプロピレン、共重合ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(メチルエステル、またはエチルエステル)共重合体等をカルボン酸変性したものが挙げられる。
【0156】
本発明の成形品が多層製品の場合、酸素掃去層は、“酸素バリア材”などの層、すなわち酸素透過速度が、20℃で1気圧当たり、200cm3/m2・day以下の材料から作られた層と積層してもよいが、必ずしもこれに限られない。典型的な酸素バリア材は、ポリ(エチレンビニルアルコール)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルクロリド、ポリ(ビニリデンジクロリド)、ポリエチレンテレフタレート、シリカ、及びポリアミドを含む。上記の単量体の1種を含有するコポリマー、及び金属箔層も使用することができる。
【0157】
その他の層は1種類かそれ以上の酸素透過性の層を含むこともできる。特に食品用の柔軟性を有する包装フィルムの1例として、(i)酸素遮断層、(ii)本発明の酸素吸収性樹脂組成物を含む層、及び任意に(iii)酸素透過性層を含む積層包装フィルムを挙げることができる。このフィルムは、(i)の層を外側に、そして(iii)の層を内側にして包装に使用される。(i)の酸素遮断層は、外部から(ii)の層への酸素の侵入を制限し、それによって層(ii)内の酸素掃去可能な時間を長くする。層(iii)の酸素透過性層は、内部の酸素の透過速度を調整し、それによって層(ii)内の酸素掃去可能な時間を長くする。これはまた、包装前にフィルムを取り扱う際、酸素掃去物質の寿命を長くすることに役立つ。さらに層(iii)は熱可塑性樹脂(a)、遷移金属塩(b)、他の添加剤又は掃去の副生成物が包装内部に移動するのを遮断することができる。さらに層(iii)はヒートシール性、透明性及び/又は多層フィルムの粘着に対する抵抗性を増すことができる。
【0158】
多層構造体を得る方法としては、押出ラミネート法、ドライラミネート法、溶剤流延法、共射出成形法、共押出成形法などが例示されるが、特に限定されるものではない。共押出成形法としては、共押出ラミネート法、共押出シート成形法、共押出インフレ成形法、共押出ブロー成形法などを挙げることができる。
【0159】
このようにして得られた多層構造体のシート、フィルム、パリソンなどを、含まれる樹脂の融点以下の温度で再加熱し、絞り成形等の熱成形法、ロール延伸法、パンタグラフ式延伸法、あるいはインフレ延伸法、ブロー成形法などにより一軸、あるいは二軸延伸することによって延伸された成形品を得ることもできる。
【0160】
本発明の樹脂組成物は含有される熱可塑性樹脂(a)、ガスバリア性樹脂(c)などの種類を、屈折率を考慮して適宜選択することにより、透明性が良好となる。従って、積層する他の樹脂として透明性に優れた樹脂を選択することにより、内容物を視認しやすい包装容器が得られる。透明性に優れた多層構造体を得たい場合には、内部ヘイズが10%以下、より好適には5%以下、さらに好適には3%以下となるようにする。
【0161】
本発明の酸素吸収性樹脂あるいは酸素吸収性樹脂組成物は、任意の形状で酸素吸収剤として使用することが出来る。また、これらを用いた容器等の成形品、特に多層構造体は、各種用途に用いられる。なかでも、酸素掃去性に極めて優れ、また酸素バリア性にも優れるという本発明の樹脂組成物を用いることの優位性は、各種包装容器として用いられたときに大きく発揮される。特に、食品、医薬品、農薬等、酸素の存在によって品質が悪化しやすいものの包装容器として好適である。さらに、本発明の樹脂組成物は、容器用パッキング(ガスケット)として、特に容器のキャップ用のガスケットとして使用するのにも適している。かかるガスケットを装着してなるキャップは、優れたガスバリア性、酸素掃去性を有している。
【0162】
さらに、本発明の樹脂組成物は、樹脂を適宜選択することにより良好な透明性を有することが可能であるから、内容物を視認しやすい包装容器としての用途にも適している。かかる包装容器の内でも透明性に対する要求性能が厳しく、本願発明の樹脂組成物を使用することの有用性が大きい態様として、例えば、以下の2種の実施態様が挙げられる。
【0163】
すなわち、一つは本願発明の酸素吸収性樹脂組成物または酸素吸収性樹脂からなる層を含み、全層厚みが300μm以下である多層フィルムからなる容器であり、他の一つは本願発明の酸素吸収性樹脂組成物または酸素吸収性樹脂からなる層および熱可塑性ポリエステル層からなる多層容器である。以下、それらの実施態様について順次説明する。
【0164】
本願発明の樹脂組成物からなる層を含み、全層厚みが300μm以下である多層フィルムからなる容器は、全体層厚みが比較的薄い多層構造体からなるフレキシブルな容器であり、通常パウチ等の形態に加工されているものである。
【0165】
一般に良好な透明性が要求される容器としては、多層構造体を構成する各樹脂層の厚みが薄く、全体としての厚みの薄い容器が製造される。例えばポリオレフィン等の結晶性の樹脂を用いる場合に、厚みが大きい場合には、結晶による散乱に由来して透明性が悪化する場合が多いのに対し、厚みの薄い容器であれば、良好な透明性が得られる。また一般に、無延伸で結晶化している樹脂は透明性が不良であっても、延伸配向して結晶化した樹脂は透明性が良好となる。かかる一軸あるいは二軸に延伸されたフィルムは通常厚みが薄く、この点からも厚みの薄い多層構造体が良好な透明性を与える場合が多い。
【0166】
本発明の樹脂組成物は、適切な樹脂を選択することにより透明性が非常に良好となる。従って、透明性が要求されることの多い、厚みの薄い多層フィルムからなる容器に好適に使用することが可能である。このような薄いフィルムにおいては経時的に透明性が悪化しても比較的透明性に優れる。
【0167】
かかる多層フィルムの厚みは、特に限定されるものではないが、300μm以下であることが良好な透明性を維持しやすく好適である。より好適には250μm以下であり、さらに好適には200μm以下である。一方、厚みの下限値も特に限定されるものではないが、容器としての力学的な強度を考慮すると、10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましく、30μm以上であることがさらに好ましい。
【0168】
層構成は特に限定されるものではないが、本発明の樹脂組成物層と他の熱可塑性樹脂層とをドライラミネート、共押出ラミネートなどの手法で多層化することによって多層フィルムを得ることができる。
【0169】
ドライラミネートする場合には、無延伸フィルム、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルム、圧延フィルムが使用可能である。これらの内で、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリε−カプロラクタムフィルムが、強度、透明性等の点から好ましいものとして挙げられる。二軸延伸ポリプロピレンフィルムは防湿性が良好であり特に好ましい。
【0170】
包装容器を密封するために、この包装容器を構成する多層フィルムの少なくとも片面の最表面にヒートシール可能な樹脂からなる層を設けることも好ましい。かかる樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを挙げることができる。
【0171】
また、積層した後に再加熱し、絞り成形等の熱成形法、ロール延伸法、パンタグラフ式延伸法、あるいはインフレーション延伸法などにより一軸、あるいは二軸延伸することによって延伸された多層フィルムを得ることもできる。
【0172】
こうして得られた多層フィルムは、袋状に加工され、内容物を充填して、包装容器とすることができる。フレキシブルで簡便であり、かつ透明性、ガスバリア性そして酸素掃去性に優れるので、酸素の存在により劣化しやすい内容物、特に食品等の包装に極めて有用である。
【0173】
本願発明の樹脂組成物からなる層および熱可塑性ポリエステル層からなる多層容器は、樹脂を適切に選択することにより良好な透明性が得られ、かつガスバリア性、酸素掃去性に優れる。
【0174】
一般にポリエステル樹脂は透明性が良好であり、本発明の樹脂組成物と積層することで、透明性の良好な多層構造体を得ることができる。
【0175】
本願発明の樹脂組成物からなる層および熱可塑性ポリエステル層からなる多層容器の形態は特に限定されるものではなく、袋状容器、カップ状容器、中空成形容器等が挙げられるが、中でも重要なのが中空成形容器である。中空成形容器の製法は特に限定されず、ブロー成形、射出成形等が挙げられるが、実用的にはブロー成形が重要であり、中でもボトル形状のものが重要である。
【0176】
熱可塑性ポリエステル樹脂からなるブロー成形ボトルは、現在広く飲料容器として使用されている。かかる用途においては内容物の劣化を防ぐ必要があるとともに、内容物である飲料を消費者が充分に視認できることが要求されている。しかも、例えばビールのような酸素による風味の劣化を極めて受けやすい内容物を包装する場合には、極めて高度なガスバリア性と酸素掃去性能を有することが望まれるが、そのような要求に応えるのは容易ではない。
【0177】
本願発明の樹脂組成物からなる層および熱可塑性ポリエステル層からなる多層ブローボトルは、透明性を維持しながら、内容物の品質の保持性能が極めて優れているので、かかる用途に最適である。
【0178】
酸素吸収性樹脂組成物または酸素吸収性樹脂からなる層および熱可塑性ポリエステル層からなる本願発明の多層容器に用いられるポリエステル樹脂としては、芳香族ジカルボン酸またはそれらのアルキルエステルとジオールを主成分とする縮合重合体が用いられる。特に本発明の目的を達成するには、エチレンテレフタレート成分を主成分とするポリエステル樹脂が好ましい。本発明に使用されるポリエステル樹脂では、一般に、テレフタル酸単位とエチレングリコール単位との合計割合(モル%)が、ポリエステルを構成する全構造単位の合計モル数に対して、70モル%以上であるのが好ましく、90モル%以上であるのがより好ましい。ポリエステルにおけるテレフタル酸単位とエチレングリコール単位の合計割合が70モル%未満であると得られるポリエステルが非晶性になるため、延伸容器に加熱充填(ホットフィル)した場合の収縮が大きく耐熱性に劣る上、強度も低下してしまう。さらに、樹脂内に含有されるオリゴマーを低減するために行われる固相重合時に、樹脂の軟化による膠着が生じやすく、生産も困難になる。
【0179】
上記ポリエステル樹脂は、必要に応じてテレフタル酸単位およびエチレングリコール単位以外の2官能化合物単位を、加工性、強度、耐熱性などを大幅に損なわない範囲で含有することができる。その割合(モル%)としては、ポリエステルを構成する全構造単位の合計モル数に対して、30モル%以下であるのが好ましく、20モル%以下であるのがより好ましく、10モル%以下であるのがさらに好ましい。
【0180】
含有させることのできる好ましい2官能化合物単位としてはジカルボン酸単位、ジオール単位およびヒドロキシカルボン酸単位から選ばれる少なくとも1種の2官能化合物単位が挙げらる。これらは脂肪族の2官能化合物単位、脂環式の2官能化合物単位、芳香族の2官能化合物単位のうちのいずれでもよい。
【0181】
また成形性および透明性の観点からは、熱可塑性ポリエステルが、エチレンテレフタレート成分を主成分とし、かつその融点が240〜250℃であることが好ましい場合もある。
【0182】
融点が250℃を超える場合には、ポリエステル樹脂の結晶化速度が速いため、射出成形時あるいはブロー成形時に加熱による結晶化が進行しやすく、結果として得られたボトルに白化が生じたりしやすくなり、透明性が損なわれる場合がある。また、延伸配向性が低下して賦形性も悪化する場合もある。そのため良好な製品を得ることのできる製造条件の範囲が狭くなり、不良品率が高くなりやすい。融点はより好適には248℃以下である。
【0183】
一方、融点が240℃未満の場合には、多層容器の耐熱性が低下する。またポリエステル樹脂の結晶性も必要以上に低下するため、延伸配向性が低下して強度も低下する。さらに、融点が低下することで固相重合温度も低くせざるを得ず、反応速度の低下に由来する生産性の低下の問題も生じる。融点はより好適には242℃以上であり、最適には244℃以上である。
【0184】
かかる融点を有するポリエステル樹脂を得るには、エチレンテレフタレート成分を主成分とするポリエステル樹脂に適当な量の共重合成分を共重合させればよい。具体的にはポリエステルを構成する全構成単位の合計モル数に対して、1〜6モル%の共重合成分を含んでいることが好ましい。より好適には1.5〜5モル%であり、最適には2〜4モル%である。
【0185】
製造時に副生するジエチレングリコールの共重合量を考慮した上で、共重合単量体をポリエチレンテレフタレートの製造系に加えることにより上記範囲の共重合量の樹脂を得ることができる。共重合単量体としては、特に限定されるものではなく、前述の2官能化合物単位として挙げられた各種の単量体を用いることができるが、中でもネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸が好適なものとして挙げられる。
【0186】
特にイソフタル酸は、得られた共重合ポリエステルを用いた場合、良好な製品を得ることのできる製造条件が広いため、得られる樹脂の成形性に優れる。その結果、不良品率が低いという利点を有する。さらに、結晶化速度の抑制による成形品の白化を防止できる点からも好ましい。
【0187】
1,4−シクロヘキサンジメタノール単位または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸は、それから得られる成形品の落下強度が優れるという点からも好ましい。
【0188】
また、ナフタレンジカルボン酸は、得られるポリエステルのガラス転移温度が高く、その結果、最終的に得られる容器の耐熱性が向上する点から好ましい。さらに、ナフタレンジカルボン酸を共重合成分として含有するポリエステルは紫外線を吸収することができるので、内容物が紫外線による劣化を生じやすい場合に特に有用である。例えば、ビールのように内容物が酸化によっても、紫外線によっても劣化しやすいものである場合に有用である。
【0189】
共射出延伸ブロー成形容器において、内容物を紫外線から保護することを目的とする場合、熱可塑性ポリエステルが、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分を、全ジカルボン酸成分に対して0.5〜15モル%の範囲内で含有することが好ましく、1.0〜10モル%の範囲内で含有することが更に好ましい。
【0190】
ポリエステル樹脂の製造に際して重縮合触媒を使用する場合は、ポリエステルの製造に通常用いられているものを使用することができ、例えば、三酸化アンチモンなどのアンチモン化合物;二酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラn−ブトキシドなどのゲルマニウム化合物;テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタンなどのチタン化合物;ジ−n−ブチル錫ジラウレート、ジ−n−ブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテートなどの錫化合物などを挙げることができ、これらの触媒化合物は単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの重合触媒のうち、得られるポリエステルの色調が良好となるという面からはゲルマニウム化合物が好ましく、触媒コストの面からはアンチモン化合物が好ましい。ゲルマニウム化合物としては二酸化ゲルマニウムが特に好ましく、アンチモン化合物としては三酸化アンチモンが特に好ましい。重縮合触媒は、ジカルボン酸100重量部に対して0.002〜0.8重量部添加されるのが好ましい。
【0191】
成形性の観点からはアンチモン化合物よりもゲルマニウム化合物を採用することが好ましい。すなわち、一般にアンチモン化合物を用いて重合したポリエステルの結晶化速度はゲルマニウム化合物を用いて重合したポリエステルよりも速いため、射出成形時あるいはブロー成形時に加熱による結晶化が進行しやすく、結果として得られたボトルに白化が生じやすくなり、透明性が損なわれる。また、延伸配向性が低下して賦形性も悪化する場合がある。そのため良好な製品を得ることのできる製造条件の範囲が狭くなり、不良品率が上昇しやすくなる。
【0192】
したがって、副生するジエチレングリコール以外の共重合成分を含まないポリエチレンテレフタレートを用いる場合には、他の共重合成分で少量変性されたポリエチレンテレフタレートを用いるときに比べて結晶化速度が速いため、特に触媒の選択が重要であり、ゲルマニウム化合物を用いることが好ましい。
【0193】
本発明の多層ブローボトルの熱可塑性ポリエステル層に使用されるポリエステル樹脂の製造方法は特に限定されない。上記ジオール、ジカルボン酸、重合触媒などを用いて、通常の方法により調製される。
【0194】
上記熱可塑性ポリエステル層を有する多層容器のうち、ボトル形状の容器の製造について説明する。
【0195】
このような容器の製造方法は特に限定されないが、共射出ブロー成形法を用いることが、生産性等の点から好適である。共射出ブロー成形法では、多層構造を有する容器前駆体(パリソン)は通常2台の射出シリンダーを有する成形機を用い単一の金型に1回の型締め操作を行い、溶融したポリエステル樹脂(PES)および本願発明の酸素吸収性樹脂組成物をそれぞれの射出シリンダーよりタイミングをずらして交互に射出するか、同心円状のノズル内を同時に射出するか、その両者を併用する事により得られる。例えば、(1)先に内外層用のPESを射出し、次いで、中間層となる樹脂組成物を内外層と同時に射出して、PES/樹脂組成物/PESの3層構成の容器を作る方法;あるいは(2)先に内外層用のPESを射出し、次いで樹脂組成物を内外層と同時に射出して、さらにそれと同時にあるいはその後、中心層となるPESを前記各層と同時に射出し、PES/樹脂組成物/PES/樹脂組成物/PESの5層構成の容器を作る方法;など、内層がPES層に完全に封入された有底パリソンの一般的な方法で得られ、特に設備上限定を受けるものではない。また、上記層構成においてPES層と樹脂組成物層の間に、必要に応じて接着性樹脂層を配置しても良い。
【0196】
有底パリソンの射出成形時の条件として、PESは250℃〜330℃の温度範囲内で射出するのが好ましく、270℃〜320℃の温度範囲内で射出するのがより好ましく、280℃〜310℃の温度範囲内で射出するのがさらに好ましい。PESの射出温度が250℃未満である場合、PESペレットが十分に溶融しきらないために成形品に未溶融物(フィッシュアイ)が混入し外観不良を生じる。また、それにより成形品の強度が低下する。さらに、極端な場合はスクリュートルクが上昇し成形機の故障を引き起こす。一方、PESの射出温度が330℃を越える場合、PESの分解が著しくなり、分子量低下による成形品の強度低下を引き起こす。また、分解時に生じるアセトアルデヒドなどのガスにより成形品に充填する物質の性質を損なうだけでなく、分解時に生じるオリゴマーにより金型の汚れが激しくなり成形品の外観を損なう。
【0197】
酸素吸収性樹脂組成物は170〜250℃の温度範囲内で射出するのが好ましく、180〜240℃の温度範囲内で射出するのがより好ましく、190〜230℃の温度範囲内で射出するのがさらに好ましい。
【0198】
樹脂組成物の射出温度が170℃未満である場合、樹脂組成物ペレットが十分に溶融しきらないために成形品に未溶融物(フィッシュアイ)が混入し外観不良を生じる。さらに、極端な場合はスクリュートルクが上昇し成形機の故障を引き起こす。一方、樹脂組成物の射出温度が250℃を越える場合、熱可塑性樹脂(a)の酸化が進行し、樹脂組成物の酸素吸収能力が低下して、ガスバリア性や酸素掃去性の低下を引き起こしやすい。同時に、着色やゲル化物による成形品の外観不良、あるいは分解ガスやゲル化物により流動性が不均一となりあるいは阻害されて、樹脂組成物層の欠落部分を生じることもある。極端な場合には、ゲル化物の発生により、射出成形が不可能となる。溶融時の酸化の進行を抑制するためには、原料供給ホッパーを窒素でシールすることも好ましい。
【0199】
本発明の酸素吸収性樹脂組成物は、前もって熱可塑性樹脂(a)および遷移金属塩(b)、さらに必要に応じてガスバリア性樹脂(c)などを溶融配合してペレットとし、これを成形機に供給しても良い。あるいは、ドライブレンドした各材料を成形機に供給しても良い。
【0200】
PESおよび樹脂組成物が流入するホットランナー部分の温度は220℃〜300℃の範囲内で射出するのが好ましく、240℃〜280℃の範囲内で射出するのがより好ましく、250℃〜270℃の範囲内で射出するのがさらに好ましい。
【0201】
ホットランナー部分の温度が220℃未満である場合、PESの結晶化が生じてしまい、ホットランナー部分で固化してしまうため、成形が困難となる。一方、ホットランナー部分の温度が300℃を越える場合、熱可塑性樹脂(a)の酸化が進行し、樹脂組成物の酸素吸収能力が低下して、ガスバリア性や酸素掃去性の低下を引き起こしやすい。同時に、着色やゲル化物による成形品の外観不良、あるいは分解ガスやゲル化物により流動性が不均一となるか、あるいは流動性が阻害されて樹脂組成物層の欠落部分を生じることもある。極端な場合には、ゲル化物の発生により、射出成形が不可能となる。
【0202】
上記有底パリソンを延伸ブロー成形して得られる多層容器の良好な耐デラミ(耐層間剥離)性、透明性を得るためには、上記の射出成形時に、パリソンのPESおよびガスバリア性樹脂(c)の結晶化をできる限り抑制することが重要である。それにより、均一な延伸性が得られ、耐デラミ性、透明性および形状に優れた成形品を得ることができる。パリソンのPESおよびガスバリア性樹脂(c)の結晶化を抑制するためには、金型温度を0℃〜70℃の範囲内にするのが好ましく、5℃〜50℃の範囲内にするのがより好ましく、10〜30℃の範囲内にするのがさらに好ましい。金型温度が0℃未満であると、金型の結露によりパリソンの外観が損なわれ、良好な成形品が得られない。また、金型温度が70℃を越える場合、パリソンのPESおよびガスバリア性樹脂(c)の結晶化が促進されてしまい、均一な延伸性が得られず、延伸ブロー成形して得られる成形品の耐デラミ性が低下する上、意図した形に賦形された成形品を得ることが困難となる。さらに、PESの結晶化により、透明性が損なわれる。
【0203】
パリソンの厚みに関しては、総厚みで2〜5mm、酸素吸収性樹脂組成物層は合計で10〜500μmであるのが好ましい。
【0204】
こうして得られた多層パリソンは、高温の状態で直接、あるいはブロックヒーター、赤外線ヒーターなどの発熱体で75〜150℃に再加熱された後、延伸ブロー工程に送られる。縦方向に1〜5倍にストレッチされた後、圧縮空気などで1〜4倍にブロー成形され、PES樹脂層および酸素吸収性樹脂組成物層が一軸あるいは二軸延伸された多層ポリエステル延伸ブロー容器が得られる。
【0205】
この場合、多層パリソン加熱時の温度が高すぎると、ポリエステルが結晶化し易くなるため、延伸ブロー容器が白化し外観が損なわれる。また、延伸ブロー容器のデラミの発生が増加するため、好ましくない。一方、多層パリソン加熱時の温度が低すぎると、ポリエステルにクレーズが生じ、パール調になるため透明性が損なわれる。このため、加熱時の多層パリソンの温度は、85〜140℃が好ましく、90℃〜130℃がより好ましく、95〜120℃がさらに好ましい。
【0206】
本発明におけるブロー容器の容器胴部の総厚みは一般的には100〜2000μm、好適には150〜1000μmであり、用途に応じて使い分けられる。このときの酸素吸収性樹脂組成物層の合計厚みは2〜200μmの範囲内であるのが好ましく、5〜100μmの範囲内であるのがより好ましい。
【0207】
このようにして本願発明の熱可塑性樹脂組成物あるいは熱可塑性樹脂からなる層および熱可塑性ポリエステル層からなる多層容器が得られる。この容器は良好な透明性を有するように調製することが可能であり、かつガスバリア性および酸素掃去性に極めて優れる。従って、酸素の存在により劣化しやすい内容物、例えば、食品、医薬品等の包装に有用である。特にビール等の飲料の容器として極めて有用である。
【0208】
【実施例】
以下に本発明を実施例などの例によって具体的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されない。以下の実施例における分析および評価は次のようにして行った。
【0209】
(1)熱可塑性樹脂(a)のスチレン含有量、構造式(I)で示される構造単位の含有量(ビニル結合含有量)および炭素−炭素二重結合含有量:
重クロロホルムを溶媒とした1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトル(日本電子社製「JNM−GX−500型」により測定)により、熱可塑性樹脂(a)を測定し、この樹脂の構造を同定した。それにより上記含量の算出を行なった。
【0210】
ここで、スチレン含有量とは、この樹脂を構成する全単量体中のスチレンの割合(モル%)であり、構造式(I)で示される構造単位の含有量(ビニル結合含有量)は、ジエンブロック中の全ジエン単量体のうちで構造式(I)で示される構造単位の割合(すなわちビニル結合を形成したものの割合)(%)をいう。炭素−炭素二重結合の含有量は、樹脂1g中に含まれる二重結合のモル数(eq/g)を計算により求めた。
【0211】
(2)メルトフローレート:
メルトインデクサーL244(宝工業株式会社製)を用いて測定した。具体的には、検体の樹脂(樹脂あるいは樹脂組成物)のチップを、内径9.55mm、長さ162mmのシリンダーに充填し、210℃で溶融した後、溶融した検体の樹脂に対して、重さ2160g、直径9.48mmのプランジャーによって均等に荷重をかけた。シリンダーの中央に設けた径2.1mmのオリフィスより押出された樹脂の流出速度(g/10分)を測定し、これをメルトフローレートとした。
【0212】
(3)樹脂の屈折率:
測定すべき樹脂を用いて、押出温度210℃にてフィルム押出成形を行い、厚み20μmの無延伸フィルムを得た。得られたフィルムを用いてアッベの屈折率計(株式会社アタゴ社製4T型、株式会社東芝社製SL−Na−1ランプ)を用いて屈折率を測定した。
【0213】
(4)ヘイズ値(曇価):
測定すべき樹脂あるいは樹脂組成物を押出成形し、厚み20μmの無延伸フィルムを得た。得られたフィルムを用いて、ASTM D1003−61に準じて、ポイック積分球式光線透過率・全光線反射率計(村上色彩技術研究所製「HR−100型」)を使用し内部ヘイズ値を測定した。多層フィルムについても同様に測定した。さらに、多層ボトルについてはボトル胴部中央を円周上に4分割した4箇所について、各箇所における内部ヘイズ値を測定し、その平均値を採ってボトルのヘイズ値(曇価)とした。
【0214】
(5)樹脂のジエン化合物から誘導されるブロックにおけるtanδの主分散ピーク温度:
測定すべき樹脂あるいは樹脂組成物を押出成形し、厚み20μmの無延伸フィルムを得た。得られたフィルムを用いて、RHEOLOGY Co.,LTD製「DVE RHEOSPECTOLER DVE−V4」を使用し、周波数11Hz、変位振幅10μm、チャック間距離20mm、幅5mm、測定温度範囲−150℃〜150℃、昇温速度3℃/分の条件で、樹脂のジエン化合物から誘導されるブロックにおけるtanδの主分散ピーク温度を測定した。
【0215】
(6)ポリビニルアルコール系樹脂のエチレン含有量およびケン化度:
ポリビニルアルコール系樹脂のエチレン含有量およびケン化度は、重水素化ジメチルスルホキシドを溶媒とした1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトル(日本電子社製「JNM−GX−500型」により測定)により測定した。
【0216】
(7)ポリエステルにおける各構造単位の含有率:
ポリエステルにおける各構造単位の含有率は、重水素化トリフルオロ酢酸を溶媒としたポリエステルの1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトル(日本電子社製「JNM−GX−500型」により測定)により測定した。
【0217】
(8)ポリビニルアルコール系樹脂におけるリン酸根含有量:
リン酸根含量は、以下に示す方法に従いリン酸イオン(PO4 3−)含量として得た。試料とする乾燥済みポリビニルアルコール系樹脂10gを0.01規定の塩酸水溶液50mlに投入し、95℃で6時間撹拌した。撹拌後の水溶液を、イオンクロマトグラフィーを用いて定量分析し、リン酸イオン含量を得た。クロマトグラフィーのカラムは、(株)横川電機製のCIS−A23を使用し、溶離液は2.5mMの炭酸ナトリウムと1.0mMの炭酸水素ナトリウムを含む水溶液とした。なお、定量に際してはリン酸水溶液で作製した検量線を用いた。
【0218】
(9)ポリビニルアルコール系樹脂におけるNa、K、Mgイオンの含有量:
試料とする乾燥チップ10gを0.01規定の塩酸水溶液50mlに投入し、95℃で6時間撹拌した。撹拌後の水溶液を、イオンクロマトグラフィーを用いて定量分析し、Naイオン、KイオンおよびMgイオンの量を定量した。クロマトグラフィーのカラムは、(株)横河電機製のICS−C25を使用し、溶離液は5.0mMの酒石酸と1.0mMの2,6−ピリジンジカルボン酸を含む水溶液とした。定量に際してはそれぞれ塩化ナトリウム、塩化カリウムおよび塩化マグネシウム水溶液で作成した検量線を用いた。こうして得られたNaイオン、KイオンおよびMgイオンの量から、乾燥チップ中のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩の量を金属換算の量で得た。
【0219】
(10)酸素吸収速度
(10−1)樹脂組成物の酸素吸収速度:
酸素吸収性樹脂組成物を用い、押出温度210℃にて押出成形を行い、厚み20μmのフィルムを得た。得られた単層フィルム0.01m2(0.1m×0.1m;表面積0.02m2)を精秤し、フィルム製膜の1時間後にロール状に巻いて、20℃、65%RHの空気を満たしておいた内部容量260mlのガラス容器に入れた。ガラス容器中の空気は、体積比で21:79の酸素および窒素を含有する。ガラス容器の口を、アルミニウム層を含む多層シートを用いてエポキシ樹脂で封じてから、20℃で放置した。封入後、経時的に内部の空気をシリンジでサンプリングして、この空気の酸素濃度を、ガスクロマトグラフィーを用いて測定した。測定時に多層シートに空いた細孔は、エポキシ樹脂を用いてその都度封じた。ガスクロマトグラフィーで得られた酸素と窒素の体積比から、酸素の減少量を計算することによって組成物の酸素吸収量を求めた。その結果から、最も速い速度となる時点における樹脂組成物の酸素吸収速度(ml/m2・day)を、グラフの傾きによって算出した。実施例1においてこの方法を採用した。
(10−2)樹脂組成物の酸素吸収速度:
樹脂組成物を用い、押出温度210℃にて押出成形を行い、厚み20μmのフィルムを得た。得られた単層フィルム0.9m2(0.2m×4.5m;表面積1.8m2)をフィルム製膜の5時間後にロール状に巻いて、20℃、65%RHの空気を満たしておいた内部容量375mlの三角フラスコに入れた。三角フラスコ中の空気は、体積比で21:79の酸素および窒素を含有する。三角フラスコの口を、アルミニウム層を含む多層シートを用いてエポキシ樹脂で封じてから、20℃で放置した。封入48時間後、96時間後および192時間後の内部の空気をシリンジでサンプリングし、この空気の酸素濃度をガスクロマトグラフィーを用いて測定した。測定時に多層シートに空いた細孔は、エポキシ樹脂を用いてその都度封じた。測定はガスクロマトグラフィーで得られた酸素と窒素の体積比から、酸素の減少量(酸素吸収量)を計算することによって求めた。2日後〜8日後の6日間での酸素減少量を、日数と表面積とで割ることにより、樹脂組成物の酸素吸収速度(ml/m2・day)を算出した。実施例2〜8および比較例1においてこの方法を採用した。
【0220】
(11)ガスバリア性樹脂(c)の酸素透過速度
ガスバリア性樹脂(c)を押出成形して、厚さ20μmの無延伸フィルムを得た。得られたフィルムを20℃−65%RHに温湿度調整し、酸素透過量測定装置(モダンコントロール社製、OX−TRAN−10/50A)を用いて酸素透過量を測定した。なお、フィルムの押出温度は、EVOH樹脂の場合は210℃、ポリアミド樹脂の場合は260℃、ポリ塩化ビニル樹脂の場合は160℃、ポリアクリロニトリル樹脂の場合は200℃であった。
【0221】
(12)ポリエステルの極限粘度:
多層容器胴部のポリエステル層からサンプルのフィルム層を切り出し、フェノールとテトラクロルエタンの等重量混合溶媒に溶解させた。得られた溶液の粘度を、30℃にてウベローデ型粘度計(林製作所製「HRK−3型」)を用いて測定した。
【0222】
(13)ポリエステルのガラス転移温度および融点:
多層容器胴部のポリエステル層からサンプルフィルム層(試料)を切り出し、JIS K7121に準じて、示差熱分析法(DSC)により、次のように測定を行なった。セイコー電子工業(株)製示差走査熱量計(DSC)RDC220/SSC5200H型を用い、試料を280℃の温度に5分間保持した後、降温速度100℃/分の条件で30℃の温度にし、さらに5分間保持した後、昇温速度10℃/分の条件で測定した。但し、温度の校正にはインジウムと鉛を用いた。また、本発明でいうガラス移転点は、前記JISでいう中間点ガラス転移温度(Tmg)をいい、さらに、本発明でいう融点は、前記JISでいう融解ピーク温度(Tpm)をいう。
【0223】
(14)多層フィルムの酸素透過量(1):
20℃−85%RHに温湿度調整した雰囲気下において、酸素透過量測定装置(モダンコントロール社製、OX−TRAN−10/50A)を用いて積層フィルムの酸素透過量を測定した。但し、測定は酸素供給セル側から窒素供給セル側に向けて、延伸ポリプロピレンフィルム層/ウレタン系接着剤層/酸素バリア性フィルム層/ウレタン系接着剤層/酸素掃去フィルム層/ウレタン系接着剤層/延伸ポリプロピレンフィルム層の順に層が並ぶようにフィルムを設置して行った。測定は、製膜後24時間の後から経時的に720時間の間、測定を行った。実施例1においてこの方法を採用した。
【0224】
(15)多層フィルムの酸素透過量(2):
樹脂組成物層と延伸ポリプロピレンフィルムを積層してなる積層フィルムを用いた。20℃−85%RHに温湿度調整した雰囲気下において、酸素透過量測定装置(モダンコントロール社製、OX−TRAN−10/50A)を用いてこのフィルムの酸素透過量を測定した。測定は、製膜後24時間の後から経時的に300時間の間行った。実施例2〜5および比較例1においてこの方法を採用した。
【0225】
(16)多層容器の酸素吸収量:
多層フィルムを用いて得られたパウチに20℃、65%RHの空気を300ml満たした。パウチ中の空気は、体積比で21:79の酸素および窒素を含有する。20℃で放置し、封入後経時的に酸素濃度を、シリンジでサンプリングして、ガスクロマトグラフィーを用いて測定した。なお、測定時に多層シートに空いた細孔は、エポキシ樹脂を用いてその都度封じた。ガスクロマトグラフィーで得られた酸素と窒素の体積比から、酸素の減少量を計算することによって、酸素吸収速度を求めた。
【0226】
(17)多層容器の酸素透過量:
得られたボトルの形態のままで、空気雰囲気下、ボトル外部を20℃−65%RH、ボトル内部を20℃−100%RHに温湿度調整した後、酸素透過量測定装置(モダンコントロール社製、OX−TRAN−10/50A)にて、成形10日後の容器1個当たりの酸素透過量(ml/ container ・day・atm)を測定した。その後、ボトル外部を20℃−65%RH空気雰囲気下、ボトル内部を20℃−100%RH窒素雰囲気下の状態で3ヶ月間保管し、さらに容器1個当たりの酸素透過量(ml/container・day・atm)を測定した。
【0227】
(実施例1)
下記の方法で、酸化防止剤が添加された熱可塑性樹脂(a)を調製した。
【0228】
乾燥した窒素で浄化された攪拌式オートクレーブ中にシクロヘキサン600体積部、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.16体積部、開始剤としてn−BuLi0.094体積部を投入した。温度を50℃に昇温した後にスチレンモノマーを4.25体積部フィードし1.5時間重合させた。次に温度を30℃に下げてからイソプレンを120体積部フィードし2.5時間重合させた。次いで、再び温度を50℃に昇温して、スチレンモノマーを4.25体積部フィードし1.5時間重合させた。
【0229】
得られた反応液に、酸化防止剤として2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレートおよびペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)を、それぞれ、スチレンおよびイソプレンの合計重量に対して0.15phrずつ加えた。反応液をメタノールに注ぎ、トリブロック共重合体を沈殿させた。これを乾燥し、酸化防止剤が添加された熱可塑性樹脂(a)として用いた。
【0230】
得られたトリブロック共重合体の数平均分子量は85000、共重合体中のスチレンブロックの分子量はそれぞれ8500、スチレン含有量は14mol%、イソプレンブロック中のビニル結合含有量は55%であり、構造式(I)で示される構造単位の含有量は55%であった。得られたトリブロック共重合体における炭素−炭素二重結合の含有量は0.014eq/gであり、メルトフローレートは7.7g/10分であった。当該樹脂中には、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート0.12重量%およびペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)0.12重量%が含まれていた。
【0231】
上記酸化防止剤を含む熱可塑性樹脂(a)の屈折率およびヘイズ値(曇価)を測定したところ、それぞれ1.531および1.0%であった。また、この樹脂の、ジエン化合物から誘導されるブロックにおけるtanδの主分散ピーク温度を測定したところ、−3℃であった。
【0232】
上記の熱可塑性樹脂100重量部およびステアリン酸コバルト(II)0.8484重量部(コバルト原子として0.0800重量部)をドライブレンドし、30mmφ二軸押出機((株)日本製鋼所TEX−30SS−30CRW−2V)を用い、210℃でスクリュー回転数300rpm、押出樹脂量25kg/時間の条件で押出し、ペレット化した後、30℃、16時間減圧下で乾燥を行い酸素吸収性樹脂組成物を得た。この樹脂組成物のメルトフローレート(210℃−2160g荷重)は7.1g/10分であった。
【0233】
上記した樹脂組成物を用い、押出温度210℃で押出成形を行ない、厚さ20μmのフィルムを得た。このフィルムの内部ヘイズを測定したところ、0.5%であった。また、樹脂組成物の酸素吸収速度(1)の測定法によりフィルムの酸素吸収量を測定したところ、図1に示す結果を得た。その結果、樹脂組成物の酸素吸収速度は95ml/m2・dayであった。
【0234】
上記樹脂組成物を用いて得られたフィルム(酸素吸収性フィルム)から、次のようにして積層フィルムを作成した。このフィルムの一方の面に、厚さ20μmの延伸ポリプロピレンフィルム(東セロ株式会社製OP−#20 U−1)を積層し、ウレタン系接着剤(東洋モートン製、商品名:AD335Aと硬化剤(東洋モートン製、商品名:Cat−10)のトルエン/メチルエチルケトン混合溶液(重量比1:1))を用いて接着させた。次いで、フィルムの他方の面に、厚さ15μm酸素バリア性フィルム(株式会社クラレ製エバールフィルムEF−F#15)及び厚さ20μmの延伸ポリプロピレンフィルム(東セロ株式会社製OP−#20 U−1)を順次積層し、上記ウレタン系接着剤を用いて接着させた。このようにして、延伸ポリプロピレンフィルム層/ウレタン系接着剤層/酸素バリア性フィルム層/ウレタン系接着剤層/酸素吸収性フィルム層/ウレタン系接着剤層/延伸ポリプロピレンフィルム層の層構成を有する多層フィルムを得た。この多層フィルムのヘイズは2.7%であった。またこの多層フィルムを用いて、酸素透過量を経時的に測定したところ、図2に示す結果を得た。
【0235】
更に、上記で得られた多層フィルムを用い、外側/延伸ポリプロピレンフィルム層/ウレタン系接着剤層/酸素バリア性フィルム層/ウレタン系接着剤層/酸素吸収性フィルム層/ウレタン系接着剤層/延伸ポリプロピレンフィルム層/内容物側の層構成になる様に2枚を重ね合わせヒートシールすることで、30cm×30cmのパウチを作製した。得られたパウチを用いて、パウチ内の酸素吸収量を測定したところ、図3に示す結果を得た。
【0236】
(実施例2)
実施例1と同様の方法で酸化防止剤を含む熱可塑性樹脂(a)を調製した。ガスバリア性樹脂(c)としてポリビニルアルコール系樹脂であるEVOHを使用した。このEVOHは、エチレン含有量32モル%、ケン化度99.5%、メルトフローレート(210℃−2160g荷重)8.4g/10分であった。このEVOHのリン酸根含有量及びNa、K、Mgイオン含有量を測定したところ、それぞれ100ppm,20ppm、60ppm、20ppmであった。さらにこのEVOHの屈折率を測定したところ、1.533であった。また、酸素透過速度は、0.4ml・20μm/m2・day・atmであった。
【0237】
上記の熱可塑性樹脂(a)5重量部、EVOH95重量部、およびステアリン酸コバルト(II)0.2121重量部(コバルト原子として0.0200重量部)をドライブレンドし、30mmφ二軸押出機((株)日本製鋼所TEX−30SS−30CRW−2V)を用い、210℃でスクリュー回転数300rpm、押出樹脂量25kg/時間の条件で押出し、ペレット化した後、30℃、16時間減圧下で乾燥を行い樹脂組成物ペレットを得た。この樹脂組成物のメルトフローレート(210℃−2160g荷重)は9.5g/10分であった。樹脂組成物ペレットの破断面を電子顕微鏡で観察したところ、熱可塑性樹脂(a)である上記トリブロック共重合体のおおむね1μm前後の粒子がEVOHからなるマトリックス中に分散していた。
【0238】
得られた樹脂組成物を用いて、押出温度210℃にてフィルム押出成形を行い、厚み20μmのフィルムを得た。このとき得られた単層フィルムの内部ヘイズを測定したところ、1.0%であった。次に、フィルムの酸素吸収量を測定したところ、図4に示す結果を得た。2日後(48時間)と8日後(192時間)の測定結果から算出(樹脂組成物の酸素吸収速度(2)により算出)した、樹脂組成物の酸素吸収速度は0.498ml/m2・dayであった。
【0239】
上記樹脂組成物を用いて作製したフィルムの両面に、厚さ20μmの延伸ポリプロピレンフィルム(東セロ株式会社製OP−#20 U−1)を積層し、ウレタン系接着剤(東洋モートン製、商品名:AD335Aと硬化剤(東洋モートン製、商品名:Cat−10)とのトルエン/メチルエチルケトン混合溶液(重量比1:1))を用いて接着させて、積層フィルムを作製した。この積層フィルムのヘイズは2.3%であった。またこの積層フィルムを用いて、酸素透過量を経時的に測定したところ、図5に示す結果を得た。
【0240】
次に、上記樹脂組成物、および下記の方法で製造した熱可塑性ポリエステル樹脂を用いて共射出ブロー成形を行い、多層ブローボトルを成形した。
【0241】
熱可塑性ポリエステル樹脂は、二酸化ゲルマニウムを重合触媒として調製したものを使用した。ポリエステル樹脂の各構造単位の含有率をNMRで測定したところ、このポリエステルにおけるテレフタル酸単位、エチレングリコール単位、およびジエチレングリコール単位の含有率はそれぞれ50.0モル%、48.9モル%、および1.1モル%であった。
【0242】
極限粘度、融点、ガラス転移温度はそれぞれ0.83dl/g、252℃、80℃であった。
【0243】
共射出ブロー成形においては、日精ASB製共射出延伸ブロー成形機(ASB−50HT型750ml、2個取り)を使用し、PES側射出機温度290℃、熱可塑性樹脂組成物側射出機温度220℃、PESとこの樹脂組成物とが合流するホットランナーブロック部260℃、射出金型コア温度15℃、射出金型キャビティー温度15℃で共射出成形を行い、PES/樹脂組成物/PESの、2種類の樹脂でなる3層のパリソンを得た。
【0244】
その後、パリソンの表面温度を105℃に加熱し、延伸ブロー成形を行い、胴部における平均厚みが内層PES200μm、中間層樹脂組成物20μm、外層PES70μmである、2種類の樹脂でなる3層の多層共射出ブロー成形ボトルを得た。
【0245】
得られたボトルを用いて、ボトルの胴部のヘイズ、並びに成形10日後および3ヶ月間保管後のボトルの酸素透過量を測定したところ、それぞれ2.7%、0.00cc/container・day・atmおよび0.00cc/container・day・atmであった。
【0246】
(実施例3)
実施例1で得られた熱可塑性樹脂(a)5重量部、実施例2で使用したEVOH95重量部、およびステアリン酸コバルト(II)0.1060重量部(コバルト原子として0.0100重量部)を用いて、実施例2と同様にして酸素吸収性樹脂組成物を得た。この樹脂組成物のメルトフローレート(210℃−2160g荷重)は9.3g/10分であった。得られた樹脂組成物ペレットの破断面を電子顕微鏡で観察したところ、熱可塑性樹脂(a)であるトリブロック共重合体のおおむね1μm前後の粒子がEVOHからなるマトリックス中に分散していた。
【0247】
得られた樹脂組成物を押出温度210℃にてフィルム押出成形を行い、厚み20μmのフィルムを得た。このとき得られた単層フィルムの内部ヘイズを測定したところ、0.9%であった。次に、フィルムの酸素吸収量を測定したところ、図4に示す結果を得た。2日後と8日後の測定結果から算出した、樹脂組成物の酸素吸収速度(樹脂組成物の酸素吸収速度(2)により算出)は0.280ml/m2・dayであった。
【0248】
次に、実施例2と同様に、積層フィルムを作製した。この積層フィルムのヘイズは2.2%であった。この積層フィルムを用いて、酸素透過量を経時的に測定したところ、図5に示す結果を得た。
【0249】
得られた樹脂組成物、および実施例2と同じ熱可塑性ポリエステル樹脂を用いて、実施例2と同様に共射出ブロー成形を行い、多層ブローボトルを成形した。胴部における平均厚みが内層PES200μm、中間層樹脂組成物20μm、外層PES70μmである、2種類の樹脂でなる3層の多層共射出ブロー成形ボトルを得た。
【0250】
得られたボトルを用いて、ボトルの胴部のヘイズ、並びに成形10日後および3ヶ月間保管後のボトルの酸素透過量を測定したところ、それぞれ2.6%、0.00cc/container・day・atmおよび0.00cc/container・day・atmであった。
【0251】
(実施例4)
実施例1で得られた熱可塑性樹脂(a)10重量部、実施例2で使用したEVOH90重量部、およびステアリン酸コバルト(II)0.2121重量部(コバルト原子として0.0200重量部)を用いて、実施例2と同様にして酸素吸収性樹脂組成物を得た。この樹脂組成物のメルトフローレート(210℃−2160g荷重)は9.0g/10分であった。得られた樹脂組成物ペレットの破断面を電子顕微鏡で観察したところ、熱可塑性樹脂(a)であるトリブロック共重合体のおおむね1μm前後の粒子がEVOHからなるマトリックス中に分散していた。
【0252】
得られた樹脂組成物を押出温度210℃にてフィルム押出成形を行い、厚み20μmのフィルムを得た。このフィルムの酸素吸収量を測定したところ、図4に示す結果を得た。2日後と8日後の測定結果から算出(樹脂組成物の酸素吸収速度(2)により算出)した、樹脂組成物の酸素吸収速度は0.595ml/m2・dayであった。
【0253】
次に、実施例2と同様に積層フィルムを作製した。この積層フィルムを用いて、酸素透過量を経時的に測定したところ、図5に示す結果を得た。
【0254】
上記樹脂組成物、および実施例2と同様の熱可塑性ポリエステル樹脂を用いて、実施例2と同様に共射出ブロー成形を行い、多層ブローボトルを成形した。胴部における平均厚みが内層PES200μm、中間層樹脂組成物20μm、外層PES70μmである、2種類の樹脂でなる3層の多層共射出ブロー成形ボトルを得た。
【0255】
得られたボトルを用いて、成形10日後および3ヶ月保管後のボトルの酸素透過量を測定したところ、ともに、0.00cc/container・day・atmであった。
【0256】
(実施例5)
実施例1で得られた熱可塑性樹脂(a)5重量部、エチレン含有量44モル%、ケン化度99.5%、メルトフローレート(210℃−2160g荷重)13.0g/10分、屈折率1.528、酸素透過速度1.5ml・20μm/m2・day・atmのEVOH95重量部、およびステアリン酸コバルト(II)0.2121重量部(コバルト原子として0.0200重量部)を用いて、実施例2と同様にして酸素吸収性樹脂組成物を得た。この樹脂組成物のメルトフローレート(210℃−2160g荷重)は10.5g/10分であった。得られた樹脂組成物の破断面を電子顕微鏡で観察したところ、熱可塑性樹脂(a)である上記トリブロック共重合体のおおむね1μm前後の粒子がEVOHからなるマトリックス中に分散していた。
【0257】
得られた樹脂組成物を押出温度210℃にてフィルム押出成形を行い、厚み20μmのフィルムを得た。このとき得られた単層フィルムの内部ヘイズを測定したところ、1.7%であった。このフィルムの酸素吸収量を測定したところ、図4に示す結果を得た。2日後と8日後の測定結果から算出(樹脂組成物の酸素吸収速度(2)により算出)した、樹脂組成物の酸素吸収速度は1.344ml/m2・dayであった。
【0258】
次に、実施例2と同様に積層フィルムを作製した。この積層フィルムのヘイズは2.9%であった。次に、この積層フィルムを用いて、酸素透過量を経時的に測定したところ、図5に示す結果を得た。
【0259】
上記の樹脂組成物、および実施例2と同様の熱可塑性ポリエステル樹脂を用いて、実施例2と同様に共射出ブロー成形を行い、多層ブローボトルを成形した。胴部における平均厚みが内層PES200μm、中間層樹脂組成物20μm、外層PES70μmである、2種類の樹脂でなる3層の多層共射出ブロー成形ボトルを得た。
【0260】
得られたボトルを用いて、ボトルの胴部のヘイズ、並びに成形10日後および3ヶ月間保管後のボトルの酸素透過量を測定したところ、それぞれ3.3%、0.00cc/container・day・atmおよび0.00cc/container・day・atmであった。
【0261】
(比較例1)
実施例2で用いたEVOH樹脂を単独で用い、押出温度210℃にてフィルム押出成形を行い、厚み20μmのフィルムを得た。このとき得られた単層フィルムの内部ヘイズを測定したところ、0.7%であった。また、フィルムの酸素吸収量を測定したところ、図4に示す結果を得た。2日後と8日後の測定結果から算出した、当該EVOH樹脂の酸素吸収速度は0.000ml/m2・dayであった。
【0262】
次に、実施例2と同様に、積層フィルムを作製した。この積層フィルムのヘイズは2.0%であった。次に、この積層フィルムを用いて、酸素透過量を経時的に測定したところ、図5に示す結果を得た。
【0263】
上記EVOH樹脂、および実施例2と同じ熱可塑性ポリエステル樹脂を用いて、実施例2と同様に共射出ブロー成形を行い、多層ブローボトルを成形した。胴部における平均厚みが内層PES200μm、中間層EVOH20μm、外層PES70μmである2種類の樹脂でなる3層の多層共射出ブロー成形ボトルを得た。
【0264】
得られたボトルを用いて、ボトルの胴部のヘイズ、並びに成形10日後および3ヶ月間保管後のボトルの酸素透過量を測定したところ、それぞれ2.4%、0.02cc/container・day・atmおよび0.02cc/container・day・atmであった。
【0265】
上記試験の結果を下記表1にまとめて示す。
【0266】
【表1】
【0267】
(実施例7)
実施例1で作製した積層フィルムを、外径65mm、底部厚み1.2mmのポリプロピレン製スクリューキャップ本体に合うように、ガスケットの形状に打ち抜き、このスクリューキャップ本体にキャップ側/延伸ポリプロピレンフィルム層/ウレタン系接着剤層/酸素バリア性フィルム層/ウレタン系接着剤層/酸素吸収性フィルム層/ウレタン系接着剤層/延伸ポリプロピレンフィルム層/内容物側の層構成になる様に取り付けた。次いで圧縮成形用ガスケット成形機の金型に得られたガスケット付きキャップを供給し、また、この圧縮成形用ガスケット成形機にエチレン−1−ブテン共重合体(シェルケミカル製「POLYBUTYLENE 8240」: 1−ブテン(99モル%以上)、エチレン(1モル%以下)共重合品、密度0.908g/cm3、MFR=2.0g/10分(210℃、2160g荷重))を供給し、圧縮成形することにより多層ガスケット付きキャップを作製した。このとき圧縮成形機のシリンダー温度は245℃、ノズル温度は235℃、金型温度は30℃となるよう調節した。
【0268】
このようにして作製したキャップの容器のシール性について、次の様に評価した。
【0269】
内容量500mlの円筒状のポリエステル製ブローボトルに、水200mlを入れ、スクリュー式キャップを取り付け、下記評価方法に示すような要領でキャップを締めた。その後にボトル胴部を手で持ち上下に大きく20回振った。その結果、液漏れの状態を観察して以下の4段階で評価分類した。
A:指先で軽く締めただけでも全く漏れない。
B:指先で軽く締めただけでは漏れ、キャップのスクリュー部が濡れる。
C:指先で軽く締めただけでは漏れ、キャップ外部に水が飛散するが、強く締めれば漏れない。
D:強く締めても漏れる。
評価の結果、「A」であり良好なシール性を示した。
【0270】
(実施例8)
実施例2で得られた積層フィルムを用い、実施例7と同様に試験を行なった。
その結果、Aの評価が得られた。
【0271】
【発明の効果】
本発明によれば、酸素吸収性に優れた樹脂組成物あるいは樹脂が得られる。このような樹脂あるいは樹脂組成物は取り扱いが容易であり、任意の形状の成形品に調製され得る。これらを用いて調製された成形品、例えば、フィルムや容器は、酸素吸収性およびガスバリア性に優れ、さらに適切に樹脂を選択することにより、良好な透明性が得られる。そのため、本発明の樹脂組成物あるいは樹脂は、食品、医薬品等の酸素による劣化を受けやすい物品を保存するための容器として有用である。また、その優れた酸素掃去機能および取り扱いの容易性から、脱酸素剤としても有用である。
【0272】
上記樹脂あるいは樹脂組成物を用いた多層構造体、例えば多層フィルムからなる包装材料も上記優れた性能を有するため好適に用いられる。特に、全層厚みが300μm以下である多層フィルムからなる容器、あるいは熱可塑性ポリエステル層と積層してなる多層容器は、上記酸素吸収性あるいはガスバリア性に加え、透明性が要求される容器の用途に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の単層フィルムの酸素吸収量を時間に対してプロットしたグラフである。
【図2】 実施例1の多層フィルムの酸素透過量を時間に対してプロットしたグラフである。
【図3】 実施例1の多層フィルムからなるパウチ内の酸素吸収量を時間に対してプロットしたグラフである。
【図4】 実施例2〜5の樹脂組成物および比較例1のEVOH樹脂の酸素吸収量を時間に対してプロットしたグラフである。
【図5】 実施例2〜5および比較例1の多層構造体の酸素透過量を時間に対してプロットしたグラフである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an oxygen-absorbing resin and a resin composition used for products that are highly sensitive to oxygen and easily deteriorated, in particular, packaging materials such as foods, beverages, pharmaceuticals, and cosmetics, and containers. The present invention also relates to an oxygen-absorbing resin composition having excellent gas barrier properties, moisture-proofing properties, perfuming properties, and flavor barrier properties in addition to the oxygen-absorbing properties. Furthermore, the present invention relates to a molded article using such a composition or resin, for example, a packaging material such as a food, a beverage, a pharmaceutical or a cosmetic, a container, and the like.
[0002]
[Prior art]
It is well known that oxygen sensitive products that are susceptible to degradation can be protected from oxygen to maintain product quality and extend shelf life, the so-called “shelf life”. Yes. For example, by using a packaging material to suppress oxygen exposure of a food that is easily deteriorated in an oxygen atmosphere, the quality of the food is maintained, and food spoilage is avoided. This type of packaging also keeps the commercial value of the product longer and reduces the costs caused by the need for disposal and restocking. In the food packaging field, several means of limiting oxygen exposure have already been developed. Currently commonly used means include modified atmospheric packaging (MAP), vacuum packaging and oxygen barrier film packaging. In the first two cases, an atmosphere with a low oxygen concentration is used for the packaging, and in the latter case, oxygen is physically prevented from entering the packaging environment.
[0003]
The oxygen barrier film packaging is the most classically used means, and various gas barrier resins are used as film materials.
[0004]
As such a gas barrier resin, ethylene-vinyl alcohol copolymer (hereinafter sometimes abbreviated as EVOH), polyamide, polyvinyl chloride, polyacrylonitrile and the like are widely used. These resins are materials excellent in oxygen or carbon dioxide gas barrier properties, can be melt-molded, and can be widely used for packaging films, sheets, bottles, containers, and the like. Such a resin is laminated with a layer of a thermoplastic resin excellent in moisture resistance, mechanical properties, etc., especially a polyolefin resin, and is suitably used as a multilayer plastic packaging material. For example, it is widely used in various fields such as foods, cosmetics, medicinal chemicals and toiletries as containers having excellent oxygen barrier properties in the form of bags, bottles, cups, pouches and the like.
[0005]
The packaging material using such a gas barrier resin is excellent in barrier properties such as oxygen and carbon dioxide gas, but metal materials used for cans and other uses, and glass used for bottles and other uses, Permeability with respect to gases such as oxygen is not limited to zero, and it passes through a gas that cannot be ignored yet. In particular, in packaging materials for food applications, there is a concern about deterioration in quality due to oxidation of the contents when stored for a long period of time, and thus improvement of oxygen barrier properties is strongly desired. In addition, when packaging a content that is easily oxidized, it is also desired to prevent deterioration of the content by scavenging oxygen mixed in the packaging container together with the content at the time of packaging or filling the content. Therefore, it has been proposed to enclose an oxygen scavenger in the packaging environment or to add an oxygen scavenging function to the gas barrier resin by mixing the oxygen scavenger in the gas barrier resin. In particular, when an oxygen absorbing function is imparted to the gas barrier resin, a uniform scavenging effect is obtained throughout the interior of the package, and in addition, oxygen passing through the packaging material wall is scavenged by the scavenger. Therefore, it is possible to keep the oxygen level to a minimum throughout the interior of the package.
[0006]
Although various compounds are known as the oxygen scavenger, a composition containing a transition metal catalyst and an ethylenically unsaturated compound (for example, polybutadiene, polyisoprene, etc.) as an improved oxygen scavenger. It has been proposed (see Japanese Patent Laid-Open No. 5-115776). In this publication, trans-1,4-polyisoprene and 1,2-polybutadiene are exemplified as the ethylenically unsaturated compound, and a cobalt compound is exemplified as the transition metal catalyst. However, the oxygen scavenging effect of the oxygen scavenger is not always sufficient, and in some cases, there is a problem that the delay until the start of useful oxygen scavenging (hereinafter referred to as induction period) becomes long. ing.
[0007]
The following methods have been proposed as methods for imparting an oxygen absorption function (scavenging function) to a gas barrier resin: (1) The EVOH is oxidized by adding an oxidation catalyst such as a transition metal to EVOH. (2) Oxidation of transition metal or the like to polyvinyl chloride by reacting oxygen to be permeated with the EVOH and thereby imparting an oxygen absorption function to EVOH (Japanese Patent Laid-Open No. 4-21444) By adding a catalyst, the polyvinyl chloride is easily oxidized, and the oxygen to be permeated is reacted with the polyvinyl chloride, thereby providing the polyvinyl chloride with an oxygen absorbing function (Japanese Patent Laid-Open No. Hei 4-). 45144); (3) A resin composition comprising a polyolefin and an oxidation catalyst is dispersed in EVOH, and oxygen to be permeated and polyolefin in EVOH. A method of obtaining a resin composition having an oxygen absorbing function by reacting (Japanese Patent Laid-Open No. 05-156095); and (4) blending EVOH, polyolefin and an oxidation catalyst, To obtain a resin composition having an oxygen absorption function (Japanese Patent Laid-Open No. 05-170980).
[0008]
However, the above methods (1) and (2) have a problem that the effect of improving the oxygen barrier property is not sufficient, and transparency is not sufficient because a large amount of an oxidation catalyst is added. The methods {circle around (3)} and {circle around (4)} also have a problem that transparency is significantly impaired by adding polyolefin to the gas barrier resin.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a composition excellent in the effect of scavenging or absorbing oxygen in the case of packaging products that are highly sensitive to oxygen and easily deteriorated, particularly foods, beverages, pharmaceuticals, and cosmetics. It is. Another object of the present invention is to provide an oxygen-absorbing resin composition having excellent gas barrier properties, transparency, moisture proofing properties, flavor retention properties, and flavor barrier properties in addition to the effect of scavenging or absorbing oxygen. There is to do. Still another object of the present invention is to provide a resin having the above properties. Still another object of the present invention is to provide a molded article excellent in oxygen absorption and gas barrier properties using the composition or resin.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The oxygen-absorbing resin composition of the present invention has a number average molecular weight in the range of 1,000 to 500,000, and the structural formula (I):
[0011]
[Chemical 3]
[0012]
[Wherein R1Is an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, an aryl group, an alkylaryl group, or an alkoxy group, and R2And RThreeAre each a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, a substituted aryl group, an unsubstituted aryl group, -COOR4, -OCOR5, A cyano group, or a halogen atom, R4And R5Are each independently an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, an aryl group, an alkylaryl group, or an alkoxy group.
The thermoplastic resin (a) which has at least 1 type of the structural unit shown by and transition metal salt (b) are contained. This thermoplastic resin (a) contains the carbon-carbon double bond in the structural unit at a rate of 0.0001 eq / g or more. The transition metal salt (b) is contained in the composition at a rate of 1 to 10,000 ppm in terms of metal element.
[0013]
In a preferred embodiment, the resin composition of the present invention has an oxygen absorption rate of 0.01 ml / m.2-It is day or more.
[0014]
In a preferred embodiment, in the structural unit, R1Is a methyl group, R2And RThreeAre each a hydrogen atom.
[0015]
In a preferred embodiment, the thermoplastic resin (a) has a structural unit derived from an aromatic vinyl compound.
[0016]
In a preferred embodiment, the thermoplastic resin (a) consists mainly of a polyisoprene block and a polystyrene block comprising structural formula (I), more preferably the thermoplastic resin (a) comprises a polystyrene block-structural formula. It is a ternary block copolymer comprising a polyisoprene block-polystyrene block containing (I).
[0017]
In a preferred embodiment, the carbon-carbon double bond of the thermoplastic resin (a) is contained in the resin at a rate of 0.002 eq / g or more.
[0018]
In a preferred embodiment, the transition metal salt (b) is any one of an iron salt, a nickel salt, a copper salt, a manganese salt, and a cobalt salt.
[0019]
In a certain embodiment, the resin composition of this invention contains thermoplastic resins other than the said thermoplastic resin (a) further. For example, this resin has an oxygen transmission rate of 500 ml · 20 μm / m.2Day-atm (20 ° C., 65% RH) or less gas barrier resin (c).
[0020]
In a preferred embodiment, the resin composition of the present invention comprises the thermoplastic resin (a) and the gas barrier resin (c), and the particles comprising the thermoplastic resin (a) are the gas barrier resin (c). ) In the matrix.
[0021]
The present invention also has a number average molecular weight in the range of 1000 to 500,000, the structural formula (I):
[0022]
[Formula 4]
[0023]
[Wherein R1Is an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, an aryl group, an alkylaryl group, or an alkoxy group, and R2And RThreeAre each a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, a substituted aryl group, an unsubstituted aryl group, -COOR4, -OCOR5, A cyano group, or a halogen atom, R4And R5Are each independently an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, an aryl group, an alkylaryl group, or an alkoxy group.
The carbon-carbon double bond in the structural unit is contained at a rate of 0.0001 eq / g or more, and the oxygen absorption rate is 0.01 ml / m.2-The oxygen-absorbing thermoplastic resin which is more than day is included.
[0024]
The present invention includes a molded article containing the oxygen-absorbing resin composition or the oxygen-absorbing thermoplastic resin.
[0025]
The present invention includes a multilayer structure having a layer containing the oxygen-absorbing resin composition or the oxygen-absorbing thermoplastic resin.
[0026]
The present invention includes a multilayer container having a layer containing the oxygen-absorbing resin composition or the oxygen-absorbing thermoplastic resin.
[0027]
This invention includes the multilayer container which consists of a multilayer film which contains the layer which consists of the said oxygen absorptive resin composition or an oxygen absorptive thermoplastic resin, and the total layer thickness is 300 micrometers or less.
[0028]
The present invention includes a multilayer container having a layer made of the oxygen-absorbing resin composition or the oxygen-absorbing thermoplastic resin and a layer made of a thermoplastic polyester layer.
[0029]
The present invention includes a cap formed by mounting a gasket made of the oxygen-absorbing resin composition or the oxygen-absorbing thermoplastic resin.
[0030]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In this specification, “scavenging” oxygen means absorbing or consuming oxygen from a given environment or reducing the amount thereof.
[0031]
The thermoplastic resin (a) contained in the oxygen-absorbing resin composition of the present invention has a number average molecular weight in the range of 1,000 to 500,000, and the structural formula (I):
[0032]
[Chemical formula 5]
[0033]
[Wherein R1Is an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, an aryl group, an alkylaryl group, or an alkoxy group, and R2And RThreeAre each a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, a substituted aryl group, an unsubstituted aryl group, -COOR4, -OCOR5, A cyano group, or a halogen atom, and R4And R5Are each independently an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, an aryl group, an alkylaryl group, or an alkoxy group.
It has at least 1 sort (s) of the structural unit shown by these. The carbon-carbon double bond derived from this structural unit is contained in the resin at a rate of 0.0001 eq / g or more. The present invention also provides such a resin having an oxygen absorption rate of 0.01 ml / m1 · m.2Includes resins that are greater than or equal to day.
[0034]
The carbon number of the aryl group in the definition of the structural formula (I) is preferably 6 to 10, the carbon number of the alkylaryl group is preferably 7 to 11, and the carbon number of the alkoxy group is preferably 1-10. Examples of alkyl groups are methyl, ethyl, propyl, and butyl groups, examples of aryl groups are phenyl groups, examples of alkylaryl groups are benzyl groups, examples of alkoxy groups are methoxy groups, and ethoxy groups. Examples of the halogen atom include a chlorine atom.
[0035]
Since the thermoplastic resin (a) has a carbon-carbon double bond in the molecule as described above, it can react with oxygen efficiently and has an oxygen scavenging function (oxygen absorption function). It is done. The carbon-carbon double bond includes a conjugated double bond but does not include a multiple bond contained in an aromatic ring.
[0036]
As described above, this carbon-carbon double bond is contained in the thermoplastic resin (a) at a rate of 0.0001 eq / g or more. This double bond is preferably contained at a rate of 0.0005 eq / g or more, more preferably 0.001 eq / g or more, and still more preferably 0.002 eq / g or more. When the content of the carbon-carbon double bond is less than 0.0001 eq / g, the oxygen absorption rate is not sufficient, and the oxygen scavenging effect of the composition of the present invention is not sufficiently improved. The oxygen absorption rate of the thermoplastic resin (a) is preferably 0.01 ml / m.2/ Day.
[0037]
The molecular weight of the thermoplastic resin (a) is preferably 1000 to 500,000 as described above. Furthermore, when considering the moldability / workability of the resin composition, the mechanical properties of the molded product obtained therefrom and the dispersibility of the thermoplastic resin other than the thermoplastic resin (a), more preferably 10,000 to 250,000, Most preferably, it is the range of 40000-200000.
[0038]
When the molecular weight of the thermoplastic resin (a) is less than 1000, there is a risk that the moldability / workability of the resin composition or ease of handling may be significantly reduced. There is a risk that the physical properties will also deteriorate. Furthermore, when used by mixing with a thermoplastic resin (for example, a gas barrier resin) other than the thermoplastic resin (a), the dispersibility is lowered, and as a result, the gas barrier property and the oxygen scavenging performance may be lowered. . Even when the number average molecular weight exceeds 500,000, the moldability / workability of the resin composition may deteriorate. Furthermore, the dispersibility when used in combination with a thermoplastic resin other than the thermoplastic resin (a) is lowered, and the gas barrier property and oxygen scavenging performance may be lowered.
[0039]
The carbon-carbon double bond of the thermoplastic resin (a) is generally derived from a diene compound, but is not limited thereto. Examples of the diene compound used for the synthesis of the thermoplastic resin (a) used in the present invention include isoprene, butadiene, 2-ethyl-butadiene, 2-butyl-butadiene and the like. As the diene compound, only one component may be used, or two components may be used simultaneously, and there is no particular limitation.
[0040]
The carbon-carbon double bond of the thermoplastic resin (a) used in the present invention may be contained in the main chain or in the side chain, but the amount of the double bond contained in the side chain is A larger number (that is, a larger number of groups having a carbon-carbon double bond in the side chain) is preferable because the oxygen absorption rate is increased. For example, when isoprene or butadiene is used as a synthetic raw material for the thermoplastic resin (a), the vinyl bond content in the obtained thermoplastic resin (a) is preferably 10% or more, and preferably 20% or more. Is more preferable, and more preferably 30% or more. The vinyl bond content is the unit of all diene-derived units in the polymer.2= CH-) is the ratio of those formed (1,2 addition polymerization). In addition, as long as the double bond which exists after superposition | polymerization does not interfere with the performance in the composition of this invention, the one part may be reduce | restored with hydrogen.
[0041]
In order to increase the vinyl bond content to 10% or more, a Lewis base is used as a cocatalyst when a diene compound such as isoprene is polymerized. Examples of Lewis bases include ethers such as dimethyl ether, diethyl ether, methyl ethyl ether, and tetrahydrofuran; glycol ethers such as ethylene glycol diethyl ether and ethylene glycol dimethyl ether; N, N, N ′, N′-tetramethylethylenediamine (TMEDA) ), Tertiary amines such as triethylenediamine, and ether-containing amines such as N-methylmorpholine and N-ethylmorpholine. The Lewis base is used in an amount of 0.1 to 400 parts by weight per 100 parts by weight of the initiator described later.
[0042]
An inert organic solvent is used as the solvent. Particularly suitable are hydrocarbons having 6 to 12 carbon atoms, such as hexane, heptane, octane, decane and their cyclic analogues. Aromatic solvents such as toluene, benzene, xylene and the like are also suitable. The polymerization is usually carried out in the temperature range of -20 to 80 ° C and in the range of 1 to 50 hours.
[0043]
The thermoplastic resin (a) thus obtained is easily oxidized because it contains many double bonds in the side chain, and has excellent oxygen absorption performance.
[0044]
The structural formula (I) of the thermoplastic resin (a) is R1As having an alkyl group having 1 to 3 carbon atoms (particularly when having a structural unit obtained by polymerizing isoprene, 2-ethylbutadiene, 2-butylbutadiene), the thermoplastic resin (a) is easily oxidized and oxygen. Preferred as an absorbent resin. Among them, the thermoplastic resin (a) is a structural unit obtained by polymerizing isoprene as the structural unit represented by the structural formula (I) (that is, R in the structural formula (I)).1Is a methyl group, R2And RThreeIn the case where is a hydrogen atom), the double bond (vinyl bond) of the structural unit effectively reacts with oxygen, so that the thermoplastic resin (a) is particularly easily oxidized and has excellent oxygen absorption. Furthermore, since isoprene is easily available and easily polymerizes with other monomers, it is also preferable from the viewpoint of the cost of synthesizing the thermoplastic resin (a).
[0045]
The thermoplastic resin (a) used in the present invention is preferably a copolymer of an aromatic vinyl compound and a diene compound. When the thermoplastic resin (a) is a copolymer of an aromatic vinyl compound and a diene compound, the double bond derived from the diene compound and oxygen easily react with each other, thereby improving the oxygen barrier property and the oxygen scavenging effect. be able to. Furthermore, by adjusting the copolymerization ratio of the aromatic vinyl compound and the diene compound, the moldability / workability of the thermoplastic resin (a) can be improved, and the hardness can be changed. By adjusting the copolymerization ratio of the aromatic vinyl compound and the diene compound, it is possible to adjust the refractive index of the resulting thermoplastic resin (a). Therefore, as described later, when the composition of the present invention contains the gas barrier resin (c), the difference between the refractive index of the gas barrier resin (c) and the refractive index of the thermoplastic resin (a) is determined. As a result, a product having excellent transparency can be obtained. Thus, it becomes possible to adjust the composition of this invention to the physical property suitable for various packaging materials.
[0046]
Examples of the aromatic vinyl compound used for the synthesis of the thermoplastic resin (a) used in the present invention include styrene, 1-vinylnaphthalene, 2-vinylnaphthalene, 3-vinylnaphthalene, 3-methylstyrene, 4-propylstyrene, Examples include 4-cyclohexyl styrene, 4-dodecyl styrene, 2-ethyl-4-benzyl styrene, 4- (phenylbutyl) styrene, and the like. Of these, styrene is most preferable from the viewpoint of cost and ease of polymerization.
[0047]
When the thermoplastic resin (a) is a copolymer of an aromatic vinyl compound and a diene compound, the copolymer is a random copolymer, a block copolymer, a graft copolymer, or a composite thereof. There is no particular limitation. From the viewpoints of manufacturability, mechanical properties of the thermoplastic resin (a), ease of handling, and oxygen absorption rate, a block copolymer is preferred.
[0048]
When the thermoplastic resin (a) is a block copolymer, its production method is not particularly limited, but an anionic polymerization method is preferably used. At this time, the number average molecular weight of an aromatic vinyl compound block becomes like this. Preferably it is the range of 300-100000, More preferably, it is the range of 1000-50000, More preferably, it is the range of 3000-50000. When the molecular weight of the aromatic vinyl compound block is less than 300, the melt viscosity of the thermoplastic resin (a) is low, and the molding / workability or handleability of the resin composition may be poor. Furthermore, mechanical properties such as strength and elongation when formed products tend to decrease. Furthermore, as described later, in the case of an embodiment in which the thermoplastic resin (a) is dispersed in another resin such as the gas barrier resin (c), the dispersibility of the thermoplastic resin (a) is reduced, As a result, the oxygen scavenging performance may be reduced. When the molecular weight of the aromatic vinyl compound block exceeds 100,000, the melt viscosity is high and the thermoplasticity is impaired, so that the moldability / workability of the resin composition is lowered. Moreover, since dispersibility also falls as mentioned above, there exists a tendency for oxygen scavenging performance to fall as a result.
[0049]
The block form of the block copolymer is A (BA)n, (AB)nIndicated by Here, A represents a block composed of an aromatic vinyl compound, B represents a block composed of a diene compound, and n is an integer of 1 or more.
[0050]
The thermoplastic resin (a) used in the present invention is preferably a binary block copolymer or a ternary block copolymer, and more preferably a ternary block copolymer. Among them, it is preferable from the viewpoint of cost and ease of polymerization that the block made of an aromatic vinyl compound is a polystyrene block and the block made of a diene compound is polyisoprene. In particular, when the thermoplastic resin (a) is a binary block copolymer comprising a polyisoprene block and a polystyrene block containing the structural formula (I), the ease of polymerization, ease of handling, oxygen absorption rate, and cost This is preferable. When the thermoplastic resin (a) is a ternary block copolymer composed of a polystyrene block-polyisoprene block containing the structural formula (I) -polystyrene block, ease of polymerization, ease of handling, oxygen absorption rate and cost In addition to this point, it is more preferable from the viewpoint of improving mechanical properties.
[0051]
Furthermore, the thermoplastic resin (a) in the present invention preferably has a main dispersion peak temperature of tan δ in a block derived from a diene compound in the range of −40 ° C. to 60 ° C. When the main dispersion peak temperature of tan δ is less than −40 ° C., the oxygen absorption rate becomes slow and the oxygen scavenging performance tends to decrease. When the main dispersion peak temperature of tan δ exceeds 60 ° C., the oxygen absorption rate at a low temperature becomes slow and the oxygen scavenging performance tends to be lowered. In view of oxygen scavenging performance, the main dispersion peak temperature of tan δ in the block derived from the diene compound is more preferably in the range of −20 ° C. to 40 ° C., and further preferably in the range of −10 ° C. to 30 ° C. .
[0052]
A block copolymer of an aromatic vinyl compound and a diene compound can be obtained by the following various methods. A method in which an aromatic vinyl compound and a diene compound are polymerized using an alkyllithium compound as an initiator, and a coupling is performed using a coupling agent, or a method in which a diene compound and an aromatic vinyl compound are sequentially polymerized using a dilithium compound as an initiator Although it is mentioned as a typical thing etc., it is not limited to these. Examples of the alkyl lithium compound include alkyl compounds having 1 to 10 carbon atoms in the alkyl residue. In particular, methyl lithium, ethyl lithium, benzyl lithium and butyl lithium are preferable.
[0053]
As the coupling agent, dichloromethane, dibromomethane, dichloroethane, dibromoethane or the like is used. Examples of dilithium compounds include naphthalene dilithium, oligostildilithium, dilithiohexylbenzene, and the like. The amount used is suitably 0.01 to 0.2 parts by weight of initiator and 0.04 to 0.8 parts by weight of coupling agent with respect to 100 parts by weight of all monomers used in the polymerization.
[0054]
The block copolymer is obtained by adding the polymerization reaction solution into a poor solvent such as methanol and solidifying it, followed by heating or drying under reduced pressure, or dropping the polymerization reaction solution into boiling water to azeotropically remove the solvent. Thereafter, it is obtained by heating or drying under reduced pressure.
[0055]
The thermoplastic resin (a) may be a single resin or a mixture of a plurality of resins. When it is a mixture, when it is desired to obtain a molded article having good transparency, the internal haze value is preferably 10% or less in a film having a thickness of 20 μm.
[0056]
Since the thermoplastic resin (a) is susceptible to oxidation due to its structure, for example, it is also recommended to add an antioxidant in advance in order to prevent oxidation during storage.
[0057]
Examples of the antioxidant include 2,5-di-t-butylhydroquinone, 2,6-di-t-butyl-p-cresol, 4,4′-thiobis- (6-t-butylphenol), 2 , 2′-methylene-bis- (4-methyl-6-tert-butylphenol), octadecyl-3- (3 ′, 5′-di-tert-butyl-4′-hydroxyphenyl) propionate, 4,4′- Thiobis- (6-tert-butylphenol), 2-tert-butyl-6- (3-tert-butyl-2-hydroxy-5-methylbenzyl) -4-methylphenyl acrylate, pentaerythritol tetrakis (3-laurylthiopro) Pionate), 2,6-di- (t-butyl) -4-methylphenol (BHT), 2,2'-methylenebis- (6-t-butyl-p-cresol) Triphenyl phosphite, phosphorous acid tris - (nonylphenyl) include dilauryl thiodipropionate and the like.
[0058]
The addition amount of the antioxidant is determined in consideration of the type, content ratio, purpose of use, storage conditions and the like of the components in the composition. In general, when a large amount of an antioxidant is contained, the reaction between oxygen that attempts to permeate through the resin composition containing the thermoplastic resin (a) and the thermoplastic resin (a) is hindered. Therefore, the oxygen barrier property and oxygen scavenging function of the composition of the present invention may not be sufficiently exhibited. On the other hand, when the antioxidant is not included or the content thereof is too small, the reaction with oxygen proceeds during the storage or melt processing of the thermoplastic resin (a), and the oxygen absorption performance is low in actual use. It may have declined.
[0059]
When the thermoplastic resin (a) is stored in an inert gas atmosphere or when a resin composition is produced by melt blending at a relatively low temperature or in a nitrogen-sealed state, the amount of antioxidant is small. Also good.
[0060]
Further, in the case of adding a transition metal salt (b) that is an oxidation catalyst at the time of melt blending to promote oxidation, even if the thermoplastic resin (a) contains a certain amount of antioxidant, A resin composition having a good oxygen absorption ability can be obtained. In such a case, the content of the antioxidant is preferably 0.01 to 1% by weight, and more preferably 0.02 to 0.5% by weight. As described above, this antioxidant may be added to the thermoplastic resin (a) in advance, or each component of the oxygen-absorbing resin composition is mixed in the same manner as other general additives described later. Sometimes added.
[0061]
The resin composition of the present invention preferably contains a transition metal salt (b). This transition metal salt (b) is contained in a proportion of 1 to 10000 ppm, preferably 5 to 5000 ppm, more preferably 10 to 2000 ppm in terms of metal element. Thereby, the oxygen oxidation reaction of the thermoplastic resin (a) can be promoted. For example, oxygen present inside the packaging material obtained from the composition of the present invention, oxygen to permeate the packaging material, and the thermoplastic resin (a) can react efficiently. As a result, the oxygen barrier property and oxygen scavenging action of the resin composition of the present invention are improved. However, when the content of the transition metal salt (b) is in a range exceeding 10,000 ppm in terms of metal element, the thermal stability of the resin composition of the present invention is lowered, and the generation of decomposition gas and the generation of gels become remarkable. From such a viewpoint, the content of the transition metal salt (b) is preferably within the above range. When the composition of the present invention contains a thermoplastic resin other than the thermoplastic resin (a) such as a gas barrier resin, the transition metal salt (b) is 1 to 5000 ppm, preferably 5 to 1000 ppm, more preferably. Is contained in the range of 10 to 500 ppm.
[0062]
The metal used in such a transition metal salt (b) is preferably selected from the first, second or third transition series of the periodic table. Suitable metals include but are not limited to manganese, iron, cobalt, nickel, copper, rhodium, titanium, chromium, vanadium and ruthenium. Among these metals, iron, nickel, copper, manganese and cobalt are preferable, manganese and cobalt are more preferable, and cobalt is more preferable.
[0063]
Examples of the counter ion of the metal used in the transition metal salt (b) include an anion derived from an organic acid or chloride. Organic acids include acetic acid, stearic acid, dimethyldithiocarbamic acid, palmitic acid, 2-ethylhexanoic acid, neodecanoic acid, linoleic acid, toluic acid, oleic acid, resin acid, capric acid, and naphthenic acid, It is not limited to this. Particularly preferred salts include cobalt 2-ethylhexanoate, cobalt neodecanoate and cobalt stearate. The metal salt may be a so-called ionomer having a polymeric counter ion.
[0064]
The composition of this invention contains thermoplastic resins other than a thermoplastic resin (a) as needed. This thermoplastic resin may be, for example, a gas barrier resin (c), or may be a thermoplastic resin having other functions.
[0065]
The gas barrier resin (c) has an oxygen transmission rate of 500 ml · 20 μm / m when measured at 20 ° C. and a relative humidity of 65%.2· A resin that is not more than day · atm is preferred. This is an area of 1 m with a pressure difference of oxygen of 1 atm.2, Which means that the volume of oxygen permeating through a 20 μm thick film per day is 500 ml or less. Oxygen transmission rate is 500ml ・ 20μm / m2-If it exceeds day * atm, gas barrier performance will not fully be exhibited. When it is necessary to obtain good gas barrier properties, it is preferable that the gas barrier resin (c) has a lower oxygen transmission rate. Preferably, 100ml / 20μm / m2Day / atm or less, more preferably 20 ml / 20 μm / m2Day / atm or less, more preferably 5 ml / 20 μm / m2-It is below day-atm.
[0066]
By blending the gas barrier resin (c) and the thermoplastic resin (a) having a carbon-carbon double bond, in addition to the gas barrier effect by the resin (c), the oxygen scavenging effect by the resin (a) is exhibited, As a result, a resin composition having an extremely high gas barrier property can be obtained.
[0067]
When it is desired to obtain a highly transparent resin composition, the refractive index of the thermoplastic resin other than the thermoplastic resin (a) is preferably 1.50 to 1.56. If it deviates from this range, as will be described later, the difference between the refractive index of the resin and the refractive index of the thermoplastic resin (a) increases, and the transparency of the resulting resin or resin composition decreases. In general, since the refractive index of the thermoplastic resin (a) having a carbon-carbon double bond is often in the above range, the thermoplastic resin (a) and other resins such as a gas barrier resin (c). It becomes easy to reduce the difference in refractive index between and a resin composition having good transparency. The refractive index of the gas barrier resin (c) is more preferably 1.51 or more and further preferably 1.52 or more in the above range. Further, it is preferably 1.55 or less, more preferably 1.54 or less in the above range.
[0068]
In the resin composition of the present invention, when the gas barrier resin (c) is contained as a thermoplastic resin other than the thermoplastic resin (a), the type of the gas barrier resin (c) is not particularly limited. As described above, the oxygen transmission rate is 500 ml · 20 μm / m2Examples of the gas barrier resin (c) satisfying the condition that it is not more than day · atm and the refractive index is 1.50 to 1.56 include polyvinyl alcohol resin (for example, EVOH), polyamide, polychlorinated Vinyl, polyacrylonitrile and the like are exemplified as typical resins, but are not limited to these resins.
[0069]
Among the gas barrier resins (c), the polyvinyl alcohol resin is a vinyl ester homopolymer or a copolymer of vinyl ester and another monomer (particularly a copolymer of vinyl ester and ethylene). It is obtained by saponification using an alkali catalyst or the like.
[0070]
The vinyl ester is exemplified by vinyl acetate, but other fatty acid vinyl esters (such as vinyl propionate and vinyl pivalate) can also be used.
[0071]
The saponification degree of the vinyl ester component of the polyvinyl alcohol resin is preferably 90% or more, more preferably 95% or more, and further preferably 97% or more. If the saponification degree is less than 90 mol%, the gas barrier property under high humidity may be lowered. Further, in the case of an ethylene-vinyl alcohol copolymer (EVOH), the thermal stability is deteriorated, and gels and blisters are easily generated in the obtained molded product.
[0072]
When the polyvinyl alcohol resin is composed of a blend of two or more kinds of polyvinyl alcohol resins having different saponification degrees, the average value calculated from the blending weight ratio is defined as the saponification degree. The degree of saponification of such a polyvinyl alcohol resin can be determined by a nuclear magnetic resonance (NMR) method.
[0073]
As the polyvinyl alcohol-based resin used in the present invention, EVOH is preferable among the gas barrier resins because it can be melt-molded and has good gas barrier properties under high humidity.
[0074]
The ethylene content of EVOH is preferably 5 to 60 mol%. When the ethylene content is less than 5 mol%, the gas barrier property under high humidity may be lowered and the melt moldability may be deteriorated. The ethylene content of EVOH is preferably 10 mol% or more, more preferably 15 mol% or more, and most preferably 20 mol% or more. If the ethylene content exceeds 60 mol%, sufficient gas barrier properties are difficult to obtain. The ethylene content is preferably 55 mol% or less, and more preferably 50 mol% or less. The ethylene content of EVOH can be determined by a nuclear magnetic resonance (NMR) method.
[0075]
EVOH suitably used has an ethylene content of 5 to 60 mol% and a saponification degree of 90% or more.
[0076]
When EVOH consists of a blend of two or more types of EVOH having different ethylene contents or saponification degrees, the average value calculated from the blending weight ratio is taken as the ethylene content or saponification degree.
[0077]
However, when blending two types of EVOH, it is preferable that the difference in ethylene content between the two is 15 mol% or less and the difference in the degree of saponification is 10% or less. When deviating from these conditions, the transparency of the resin composition layer is impaired. From the viewpoint of obtaining good transparency, the difference in ethylene content is more preferably 10 mol% or less, and even more preferably 5 mol% or less. Similarly, from the viewpoint of obtaining good transparency, the difference in the degree of saponification is more preferably 7% or less, and further preferably 5% or less.
[0078]
In addition, the polyvinyl alcohol resin, particularly EVOH, may contain a small amount of another monomer as a copolymerization component as long as the object of the present invention is not impaired. Examples of monomers that can be copolymerized components include: α-olefins such as propylene, 1-butene, isobutene, 4-methyl-1-pentene, 1-hexene, 1-octene; itaconic acid, methacrylic acid, acrylic acid , Unsaturated carboxylic acids such as maleic anhydride, salts thereof, partial or complete esters thereof, nitriles thereof, amides thereof, anhydrides thereof; vinylsilane compounds such as vinyltrimethoxysilane; unsaturated sulfonic acids or salts thereof; And vinyl pyrrolidones.
[0079]
In particular, when EVOH contains a vinylsilane compound of 0.0002 to 0.2 mol% as a copolymerization component, the consistency of the melt viscosity with the base resin during coextrusion molding or coinjection molding is improved, It is possible to produce a homogeneous molded product. Here, examples of the vinylsilane compound include vinyltrimethoxysilane, vinyltriethoxysilane, vinyltri (β-methoxy-ethoxy) silane, and γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane. Of these, vinyltrimethoxysilane and vinyltriethoxysilane are preferably used.
[0080]
Furthermore, when a boron compound is added to EVOH, the melt viscosity of EVOH is improved, and this is effective in that a homogeneous co-extrusion or co-injection molded product can be obtained. Examples of the boron compound include boric acids, boric acid esters, borates, borohydrides, and the like. Specifically, examples of boric acids include boric acid, orthoboric acid, metaboric acid, and tetraboric acid. Examples of boric acid esters include triethyl borate and trimethyl borate. These include alkali metal salts, alkaline earth metal salts, and borax of various boric acids. Among these compounds, boric acid, orthoboric acid, NaBH4Is preferred.
[0081]
When a boron compound is added, its content is 20 to 2000 ppm, preferably 50 to 1000 ppm in terms of boron element. By being in this range, EVOH in which torque fluctuation during heating and melting is suppressed can be obtained. If it is less than 20 ppm, such an effect is small, and if it exceeds 2000 ppm, gelation tends to occur and moldability may be deteriorated.
[0082]
Adding an alkali metal salt to EVOH in an amount of 5 to 5000 ppm in terms of alkali metal element is also effective for improving interlayer adhesion and compatibility.
[0083]
A more preferable addition amount of the alkali metal salt is 20 to 1000 ppm, preferably 30 to 500 ppm in terms of alkali metal element. Examples of the alkali metal include lithium, sodium, and potassium, and examples of the alkali metal salt include aliphatic monovalent metal carboxylates, aromatic carboxylates, phosphates, and metal complexes. Examples thereof include sodium acetate, potassium acetate, sodium phosphate, lithium phosphate, sodium stearate, potassium stearate, sodium salt of ethylenediaminetetraacetic acid, and the like. Of these, sodium acetate, potassium acetate, and sodium phosphate are preferred.
[0084]
It is also preferable to add a phosphorus compound to EVOH at a ratio of 2 to 200 ppm, more preferably 3 to 150 ppm, and most preferably 5 to 100 ppm in terms of phosphorus element. When the phosphorus concentration in EVOH is less than 2 ppm or more than 200 ppm, there may be a problem in melt moldability and thermal stability. In particular, the occurrence of gel-like spots and coloring problems during melt molding over a long time tends to occur.
[0085]
The kind of phosphorus compound added to EVOH is not particularly limited. Various acids such as phosphoric acid and phosphorous acid and salts thereof can be used. The phosphate may be contained in any form of a first phosphate, a second phosphate, and a third phosphate. The cationic species of the phosphate is not particularly limited, but the phosphate is preferably an alkali metal salt or an alkaline earth metal salt. Among these, it is preferable to add the phosphorus compound in the form of sodium dihydrogen phosphate, potassium dihydrogen phosphate, disodium hydrogen phosphate, or dipotassium hydrogen phosphate.
[0086]
In addition, if necessary, it is also possible to blend EVOH with a heat stabilizer, an ultraviolet absorber, an antioxidant, a colorant, a filler, and other resins (polyamide, polyolefin, etc.) in advance. EVOH to which the boron compound, alkali metal salt, phosphorus compound and the like are added is commercially available.
[0087]
A suitable melt flow rate (MFR) of EVOH that can be used in the present invention (at 210 ° C. under a load of 2160 g, based on JIS K7210) is 0.1 to 100 g / 10 min, more preferably 0.5 to 50 g / 10. Min, more preferably 1-30 g / 10 min.
[0088]
In the present invention, as long as the object of the present invention is not impaired, a heat barrier, an ultraviolet absorber, an antioxidant, a colorant, a filler, a plasticizer, a filler, and other resins (polyolefin, etc.) are previously used as gas barrier resins. It can also be blended with (c).
[0089]
Examples of the resin other than the thermoplastic resin (a) that can be contained in the composition of the present invention and other than the polyvinyl alcohol-based resin include the following thermoplastic resins: ethylene homopolymer and Ethylene copolymers (copolymers of ethylene and the following monomers: α-olefins such as propylene, 1-butene, isobutene, 4-methyl-1-pentene, 1-hexene, 1-octene; itaconic acid, methacrylic acid, acrylic Acids, unsaturated carboxylic acids such as maleic anhydride, salts thereof, partial or complete esters thereof, nitrites, amides thereof, anhydrides thereof; vinyl formate, vinyl acetate, vinyl propionate, vinyl butyrate, vinyl octanoate, Carboxylic acids such as vinyl dodecanoate, vinyl stearate, vinyl arachidonate Nyl esters; vinylsilane compounds such as vinyltrimethoxysilane; unsaturated sulfonic acids or salts thereof; alkylthiols; vinylpyrrolidones, etc .; propylene homopolymers and propylene copolymers (copolymers of propylene and the following monomers: ethylene Α-olefins such as 1-butene, isobutene, 4-methyl-1-pentene, 1-hexene and 1-octene; unsaturated carboxylic acids such as itaconic acid, methacrylic acid, acrylic acid and maleic anhydride, salts thereof; Partial or complete ester, nitrile, amide, anhydride thereof; vinyl formate, vinyl acetate, vinyl propionate, vinyl butyrate, vinyl octanoate, vinyl dodecanoate, vinyl stearate, vinyl arachidonate, etc. Acid vinyl esthetic Vinyl silane compounds such as vinyltrimethoxysilane; unsaturated sulfonic acids or salts thereof; alkyl thiols; vinyl pyrrolidones, etc.), polyolefins such as poly-4-methylpentene-1 and polybutene-1; polyethylene terephthalate, polybutylene Polyesters such as terephthalate and polyethylene naphthalate; Polyamides such as poly ε-caprolactam, polyhexamethylene adipamide, and polymethaxylylene adipamide; polyvinylidene chloride, polyvinyl chloride, polystyrene, polyacrylonitrile, polycarbonate, polyacrylate, and the like. The selection of the thermoplastic resin depends on the structure and application of the molded product to be produced. Such selection factors are well known in structure and application.
[0090]
When the composition of the present invention contains a thermoplastic resin (a) and a thermoplastic resin other than the resin, it is preferable to consider the miscibility of these resins. The miscibility of these resins can affect transparency, cleanliness, effectiveness as an oxygen scavenger, barrier properties, mechanical properties, product texture, and the like.
[0091]
When the resin composition of the present invention contains a thermoplastic resin other than the thermoplastic resin (a), the content of each component is not particularly limited. Usually, the total amount of the thermoplastic resin (a) and the transition metal salt (b) is 99 to 1% by weight, and the thermoplastic resin other than the thermoplastic resin (a) is 1 to 99% by weight. Preferably, the total amount of the resin (a) and the transition metal salt (b) is 90 to 10% by weight, and the thermoplastic resin other than the thermoplastic resin (a) is 10 to 90% by weight.
[0092]
Among various aspects of the present invention, when it is desired to obtain a composition having excellent gas barrier properties, the oxygen-absorbing resin composition of the present invention contains a slightly larger amount of gas barrier resin. Usually, it is preferable to contain the thermoplastic resin (a) in a proportion of 0.1 to 30% by weight and the gas barrier resin (c) in a proportion of 99.9 to 70% by weight.
[0093]
When the content ratio of the gas barrier resin (c) is less than 70% by weight, transparency in a molded article such as a multilayer container using the resin composition and gas barrier properties such as oxygen gas or carbon dioxide gas may be deteriorated. When the content ratio exceeds 99.9% by weight, the content ratio of the thermoplastic resin (a) decreases, so the oxygen absorption rate decreases, and the oxygen gas barrier property and the oxygen scavenging property tend to decrease. The suitable range of the content rate of the thermoplastic resin (a) in a resin composition is 1 to 20 weight%, and a more suitable range is 2 to 15 weight%. A more preferable range of the content of the gas barrier resin (c) is 80 to 99% by weight, and a more preferable range is 85 to 98% by weight.
[0094]
On the other hand, when the oxygen absorption rate is more important than the gas barrier property, an embodiment in which the gas barrier resin (c) is not included is also a preferable embodiment.
[0095]
Among the resin compositions of the present invention, in a composition containing a resin other than the thermoplastic resin (a) such as a gas barrier resin (c), particles made of the thermoplastic resin (a) are other than (a). An embodiment in which it is dispersed in a matrix containing a resin and, if necessary, various additives described below is recommended. For example, when the oxygen-absorbing resin composition of the present invention is made of a thermoplastic resin (a) and a gas barrier resin (c), particles made of the thermoplastic resin (a) are used as a matrix of the gas barrier resin (c). A distributed mode is recommended. In various molded articles made of the composition in such a state, the oxygen scavenging property and the gas barrier property can be easily maintained, and the functions of resins other than the thermoplastic resin (a) such as the gas barrier resin (c) can be imparted. preferable. Transparency is also good. At this time, the dispersed particle diameter of the particles made of the thermoplastic resin (a) is preferably 10 μm or less. When the dispersed particle diameter exceeds 10 μm, the area of the interface between the thermoplastic resin (a) and the resin other than the thermoplastic resin (a) is reduced, the oxygen gas barrier property is lowered, and the oxygen scavenging performance is lowered. There is a case. From the viewpoint of oxygen scavenging property, gas barrier property and transparency of molded articles such as multilayer containers using the resin composition, the average particle diameter of the dispersed thermoplastic resin (a) particles is more preferably 5 μm or less, and 2 μm. The following is more preferable.
[0096]
Among the resin compositions of the present invention, in a composition containing a thermoplastic resin other than the thermoplastic resin (a), such as a gas barrier resin (c), the refractive index of the thermoplastic resin (a) and the thermoplastic resin (a When the difference from the refractive index of the resin other than) is 0.01 or less, the molded product obtained from this composition has good transparency. When the difference in refractive index exceeds 0.01, a molded product obtained from the resin composition tends to be slightly opaque. In order to obtain good transparency, the difference in refractive index is preferably 0.007 or less, and more preferably 0.005 or less. As the resin having a refractive index difference of 0.01 or less from the thermoplastic resin (a), vinyl alcohol resins such as polyvinyl alcohol and poly (ethylene vinyl alcohol), polyamide, polyvinyl chloride, polyacrylonitrile and the like are preferable. Although there is, it is not limited to these.
[0097]
The resin composition of the present invention contains various additives as necessary. Examples of such additives include antioxidants, plasticizers, heat stabilizers (melt stabilizers), photoinitiators, deodorants, UV absorbers, antistatic agents, lubricants, colorants, fillers, desiccants. , Fillers, pigments, dyes, processing aids, flame retardants, anti-fogging agents or other polymer compounds, and these can be contained within a range that does not impair the effects of the present invention. .
[0098]
Among the above additives, as the heat stabilizer (melt stabilizer), one or more of hydrotalcite compounds and metal salts of higher aliphatic carboxylic acids (for example, calcium stearate, magnesium stearate, etc.) are used. . These compounds are preferably contained in a proportion of 0.01 to 1% by weight of the entire resin composition.
[0099]
When the resin composition of the present invention contains a hydrotalcite compound, it is possible to prevent gels and fish eyes that are generated over time in the layer composed of the resin composition, and further improve long-term driving stability. can do.
[0100]
Further, when the resin composition contains a metal salt of a higher aliphatic carboxylic acid, gels and fish eyes that occur with time can be prevented, and long-term driving stability can be further improved. .
[0101]
The metal salt of a higher aliphatic carboxylic acid is a metal salt of a higher fatty acid having 8 to 22 carbon atoms. Examples of the higher fatty acid having 8 to 22 carbon atoms include lauric acid, stearic acid, myristic acid and the like. Examples of the metal constituting the salt include sodium, potassium, magnesium, calcium, zinc, barium, and aluminum. Of these, alkaline earth metals such as magnesium, calcium and barium are preferred.
[0102]
Among the above additives, the photoinitiator is used for initiating or promoting oxygen scavenging in a layered body made of a resin composition, a packaging film, or the like.
[0103]
If the oxygen-absorbing composition of the present invention contains an antioxidant, it is also recommended that the composition further contain one or more photoinitiators. By irradiating such a composition with light at a desired time, the initiation of the reaction between the thermoplastic resin (a) and oxygen is promoted, and as a result, the composition can exhibit the oxygen scavenging function. It becomes.
[0104]
Examples of suitable photoinitiators include, but are not limited to, the following compounds: benzophenone, o-methoxybenzophenone, acetophenone, o-methoxyacetophenone, acenaphthenequinone, methyl ethyl ketone, valerophenone, hexanophenone, α- Phenylbutyrophenone, p-morpholinopropiophenone, dibenzosuberone, 4-morpholinobenzophenone, benzoin, benzoin methyl ether, 4-o-morpholinodeoxybenzoin, p-diacetylbenzene, 4-aminobenzophenone, 4′-methoxyacetophenone, α -Tetralone, 9-acetylphenanthrene, 2-acetylphenanthrene, 10-thioxanthone, 3-acetylphenanthrene, 3-acetylindole, 9-fluorenone, 1-i Danone, 1,3,5-triacetylbenzene, thioxanthen-9-one, xanthen-9-one, 7-H-benz [de] anthracen-7-one, benzoin tetrahydropyranyl ether, 4,4'-bis -(Dimethylamino) -benzophenone, 1'-acetonaphthone, 2'-acetonaphthone, acetonaphthone and 2,3-butanedione, benz [a] anthracene-7,12-dione, 2,2-dimethoxy-2-phenylacetophenone, α , α-diethoxyacetophenone, α, α-dibutoxyacetophenone, etc. Singlet oxygen generating photosensitizers such as rose bengal, methylene blue and tetraphenylporphyrin can also be used as photoinitiators. In addition to the monomer-type photoinitiators described above, polymer initiators can also be used, including poly- (ethylene carbon monoxide) and oligo- [2-hydroxy-2-methyl- 1- [4- (1-methylvinyl) -phenyl] -propanone] is included. In general, the use of a photoinitiator is preferred because a more rapid and efficient initiation effect is obtained.
[0105]
When the photoinitiator is contained, the initiation of the reaction between the thermoplastic resin (a) and oxygen is promoted when exposed to radiation. The amount of photoinitiator used will vary depending on various factors. The amount of photoinitiator is generally appropriate depending on the type of thermoplastic resin (a) used, the wavelength and intensity of the radiation used, the nature and amount of the antioxidant used, and the type of photoinitiator used. It is determined. The amount of the photoinitiator also varies depending on the form in use of the oxygen-absorbing resin composition. For example, a molded article made of a composition containing a photoinitiator is a slightly opaque layered body, and when this is irradiated with radiation, a relatively large amount of initiator is required.
[0106]
In general, when a photoinitiator is used, the amount will range from 0.01 to 10% by weight of the total composition.
[0107]
The oxygen-absorbing composition of the present invention containing the photoinitiator is exposed to radiation at a desired time, thereby initiating oxygen scavenging of the composition. Exposure to radiation can significantly reduce or eliminate the induction period of oxygen scavenging of the oxygen-absorbing composition, initiate oxygen scavenging, or promote oxygen scavenging. The induction period is a time until the oxygen-absorbing composition sufficiently starts to capture oxygen.
[0108]
The radiation used is actinic radiation, for example ultraviolet or visible light having a wavelength of about 200 to 750 nanometers (nm), preferably about 200 to 400 nm. Since actinic radiation has a relatively long wavelength, it is preferable from the viewpoints of cost and influence on the human body and the like. In the case of exposure by radiation, the oxygen-absorbing composition is preferably exposed at least 0.1 Joule per gram of the thermoplastic resin (a) contained in the composition. Typical amounts of exposure range from 10 to 100 joules per gram of thermoplastic resin (a). The radiation may also be an electron beam dose of about 0.2 to 20 megarads, preferably about 1 to 10 megarads. Other radiation sources include ionizing radiation such as gamma rays, x-rays and corona discharges. Radiation exposure is preferably performed in the presence of oxygen. The duration of exposure varies depending on various factors. The factors include the amount and type of photoinitiator present, the shape of the part to be exposed (eg, layer thickness), the amount of all antioxidants present, and the wavelength and intensity of the radiation source. Including, but not limited to.
[0109]
Exposure of the oxygen-absorbing resin composition of the present invention containing the photoinitiator to radiation may be after the composition is prepared into a desired molded article or article, or in the course of preparation. . For example, if the composition of the present invention is used to package oxygen sensitive products, the exposure to radiation may be immediately before packaging, during packaging, or after packaging. However, the radiation exposure should be prior to use of the molded article or article as an oxygen scavenger. In order to irradiate the radiation maximally uniformly, the exposure should take place in a processing stage where the molded article or article is, for example, in the form of a flat sheet.
[0110]
Of the above additives, the deodorizer (or deodorizer, adsorbent; hereinafter referred to as the deodorizer) includes a low-molecular by-product generated by scavenging oxygen of the resin composition of the present invention. Used to reduce odor.
[0111]
Examples of suitable deodorizers are not particularly limited, but include zinc compounds, aluminum compounds, silicon compounds, iron (II) compounds, organic acids, iron (II) compounds-organic acid compositions, and the like. . These can be used alone, or a mixture of two or more kinds or a double salt.
[0112]
Examples of the zinc compound include zinc silicate, zinc oxide, zinc sulfate, zinc chloride, zinc phosphate, zinc nitrate, zinc carbonate, zinc acetate, zinc oxalate, zinc citrate, zinc fumarate, and zinc formate. .
[0113]
Examples of the aluminum compound include aluminum sulfate, aluminum phosphate, aluminum silicate, and aluminum potassium sulfate.
[0114]
Examples of the silicon compound include silicon phosphate compounds such as silicon dioxide, silicon orthophosphate, silicon pyrophosphate-I type, silicon pyrophosphate-II type, and active silica gel.
[0115]
As the iron (II) compound, any iron compound can be used as long as it forms a divalent iron ion. Examples include ferrous sulfate, ferrous chloride, ferrous nitrate, ferrous bromide, ferrous iodide and other iron (II) inorganic salts, ferrous gallate, ferrous malate, Examples include iron (II) organic salts such as ferrous fumarate, among which ferrous sulfate and ferrous chloride are preferable.
[0116]
A composition (mixture or double salt) containing a zinc compound and a silicon compound is also preferably used. As a specific example of this composition, the ratio of zinc oxide to silicon dioxide is in the range of 1: 5 to 5: 1 by weight, and most of the composition has an amorphous structure. Substantially amorphous particles are preferred. The ratio of zinc oxide to silicon dioxide is preferably in the range of 1: 4 to 4: 1, more preferably in the range of 1: 3 to 3: 1.
[0117]
A composition of a zinc compound and an aluminum compound is also preferably used. As such a specific example, a mixture of zinc oxide and / or zinc carbonate and aluminum sulfate and / or potassium aluminum sulfate is preferable, and 1 to 1000 parts by weight of the aluminum compound with respect to 100 parts by weight of the zinc compound, Preferably it mixes in the ratio of 30-300 weight part.
[0118]
As organic acids, organic acids having 8 or more carbon atoms, such as aliphatic monocarboxylic acids, aliphatic polycarboxylic acids, aromatic monocarboxylic acids, and aromatic polycarboxylic acids are preferable, and aromatic carboxylic acids are particularly preferable. Examples of aromatic polycarboxylic acids include phthalic acid, terephthalic acid, isophthalic acid, trimellitic acid, 1,2,3-benzenetricarboxylic acid, 1,3,5-benzenetricarboxylic acid, pyromellitic acid, benzenehexacarboxylic acid, naphthalene Examples include dicarboxylic acid, naphthalenetricarboxylic acid, naphthalenetetracarboxylic acid, diphenyltetracarboxylic acid, diphenylethertetracarboxylic acid, azobenzenetetracarboxylic acid, and anhydrides thereof. Among these, benzenetricarboxylic acid, especially trimellitic acid Is preferred.
[0119]
As the iron (II) compound used in the iron (II) compound-organic acid composition, any compound can be used as long as it dissolves in water to form a divalent iron ion as described above. Examples include ferrous sulfate, ferrous chloride, ferrous nitrate, ferrous bromide, ferrous iodide and other iron (II) inorganic salts, ferrous gallate, ferrous malate, fumarate Examples thereof include iron (II) organic salts such as ferrous acid, among which ferrous sulfate and ferrous chloride are preferable.
[0120]
The organic acid used in the iron (II) compound-organic acid composition is not particularly limited as long as it is soluble in water. Examples include ascorbic acids such as ascorbic acid, isoascorbic acid and metal salts thereof, citric acid, isocitrate. Examples thereof include carboxylic acids such as acid, lactic acid, tartaric acid and malic acid, and among them, L-ascorbic acid is preferable.
[0121]
The iron (II) compound-organic acid composition to be used is preferably combined with each other. For example, the aqueous solution in which both components are once mixed and dissolved is dried by spray drying, freeze drying, or the like. Can be prepared by powdering. The component ratio of the iron (II) compound and the organic acid is preferably in the range of 1: 0.01 to 1: 1.0, more preferably in the range of 1: 0.02 to 1: 0.80 by weight. When the organic acid component is ascorbic acid, the component ratio between the iron (II) compound and the organic acid is preferably in the range of 1: 0.02 to 1: 0.30, more preferably 1: 0.02-1. : 0.13, particularly preferably in the range of 1: 0.05 to 1: 0.13. In the present invention, two or more kinds of iron (II) compounds or two or more kinds of organic acids may be used in combination. Further, it is preferable to add 2 to 20% by weight of miyoban as a stabilizer for the deodorizing function to the total amount of the iron (II) compound and the organic acid in the iron (II) compound-organic acid composition. Although there is no restriction | limiting in particular as myoban, Calimiyoban, ammonia myoban, and sodium myoban are suitable.
[0122]
Furthermore, as other deodorizers, compositions comprising a stabilized metal compound such as a composition comprising a zinc compound and a polycarboxylic acid, bioenzyme model compounds such as iron (II) -phthalocyanine derivatives, drills, holly, mokusei , Tree sap or extract components of plants such as oyster, camellia, lacquer, lilac, syringen, chestnut and alder, aluminosilicates such as zeolite, hydrous magnesium silicate clay minerals such as sepiolite, sirotile, barygorskite and rafrinite, active humic acid Further, activated alumina, activated carbon and the like can be used. A porous adsorbent can also be used.
[0123]
Among the aforementioned deodorizers, zinc compounds such as zinc oxide and zinc sulfate, silicon compounds such as silicon dioxide and silicon orthophosphate, aluminum compounds such as aluminum sulfate and potassium aluminum sulfate, compositions containing zinc compounds and silicon compounds, zinc A composition containing a compound and an aluminum compound, and further an organic acid and an iron (II) compound-organic acid composition are particularly preferred.
[0124]
Among these deodorizers, examples of the deodorizer that can be preferably used for the resin or resin composition of the present invention include a composition of zinc silicate, zinc oxide and myoban.
[0125]
In the case of a multilayer structure such as when the present invention is a multilayer container, the deodorizer is contained in the multilayer structure in various forms. As described later, it can be contained in a layer made of a resin or a resin composition, or in a layer other than this layer. In the multilayer structure of the present invention, when an adhesive resin layer is provided between the composition layer and another thermoplastic resin layer, a deodorant can be contained in the adhesive resin layer. A deodorizing agent may be mix | blended with only one layer among these layers, and can also be mix | blended with two or more layers as needed. The content of the deodorizer is 0.1% by weight or more, preferably 0.2 to 50% by weight, more preferably 0.5 to 10% by weight, based on the total weight of the layer to be blended (resin layer and the like).
[0126]
The oxygen-absorbing resin composition of the present invention has various excellent characteristics. For example, the oxygen-absorbing resin of the present invention has an oxygen absorption rate of 0.01 ml / m as described above.2-It is day or more. Also for the oxygen-absorbing resin composition of the present invention, the oxygen absorption rate is preferably 0.01 ml / m.2-It is day or more. Oxygen absorption rate is 0.05ml / m2More preferably day or more, 0.1 ml / m2-More preferably, it is not less than day. Oxygen absorption rate is 0.01ml / m2-If it is less than day, the oxygen barrier property of molded articles such as multilayer containers molded using the resin composition of the present invention is not sufficient, and the oxygen scavenging effect is often insufficient.
[0127]
The oxygen absorption rate is a volume of oxygen absorbed by the film within a unit time per unit surface area when the resin composition film is left in a certain volume of air. Specific measurement methods will be described in the examples described later.
[0128]
When the resin composition or resin of the present invention is used as an oxygen scavenger (particularly when it does not contain a gas barrier resin), a useful scavenging rate (oxygen absorption rate) is 20 ° C., 1 atm, in air. 1 m of a thermoplastic resin (a) layer having a carbon-carbon double bond per day2It is preferable to absorb 0.5 ml of oxygen per hit, and more preferable to absorb 5 ml or more of oxygen.
[0129]
The oxygen scavenging capacity of the resin composition or resin of the present invention is preferably an oxygen scavenging capacity of 1 ml or more per gram. More preferred is an oxygen scavenging capacity of 10 ml or more per gram, and more preferred is an oxygen scavenging capacity of 50 ml or more per gram.
[0130]
The preferred melt flow rate (MFR) (210 ° C., 2160 g load, based on JIS K7210) in the oxygen-absorbing resin composition or resin of the present invention is 0.1 to 100 g / 10 min, more preferably 0.5. -50 g / 10 min, more preferably 1-30 g / 10 min. When the melt flow rate of the resin composition of the present invention is out of the range of 0.1 to 100 g / 10 minutes, the workability when performing melt molding often deteriorates.
[0131]
The oxygen-absorbing resin composition or resin of the present invention is molded into various molded products according to the purpose.
[0132]
The method for mixing and molding the components of the oxygen-absorbing resin composition is not particularly limited. The order of mixing the components is not particularly limited. For example, when a molded product is prepared by blending a thermoplastic resin (a), a gas barrier resin (c), and a transition metal salt (b), these components may be mixed at the same time, or the thermoplastic resin After producing a blend of (a) and the transition metal salt (b), it may be mixed with the gas barrier resin (c). Or after manufacturing the compound of gas barrier resin (c) and transition metal salt (b), you may mix with a thermoplastic resin (a). After producing the blend of the thermoplastic resin (a) and the gas barrier resin (c), the transition metal salt (b) may be mixed. Furthermore, after the preparation of the thermoplastic resin (a) and the gas barrier resin (c) and the preparation of the gas barrier resin (c) and the transition metal salt (b) are separately produced, they may be mixed. .
[0133]
Each component of these compositions may be melt-blended and pelletized before use for molding, or dry blended for direct molding.
[0134]
As a means for blending and kneading the above components, a method in which each resin component is dissolved using a solvent, the solvent is evaporated after mixing; (Melt blending method). The melt blending method is preferable from the viewpoint of process simplicity and cost, but is not particularly limited. Examples of the means used for melt blending include a ribbon blender, a high speed mixer, a kneader, a mixing roll, an extruder, a Banbury mixer, an inactive mixer, and the like.
[0135]
For example, each component of the composition of the present invention is kneaded with a Banbury mixer, a single screw or twin screw extruder, etc., pelletized, and then subjected to melt molding. In order to prevent the oxidation of the thermoplastic resin (a) during the blending operation, it is desirable that the hopper port be sealed with nitrogen and extruded at a low temperature. Furthermore, it is preferable to use an extruder with a high degree of kneading and to disperse each component finely and uniformly from the viewpoint of improving oxygen absorption performance and transparency, and preventing the generation and mixing of gels and blisters.
[0136]
The kneading operation is important because each component in the resin composition is well dispersed. As a kneading machine for obtaining a composition having a high degree of dispersion, a continuous kneading machine such as a continuous intensive mixer and a kneading type twin screw extruder (same direction or different direction) is optimal. Batch type kneaders such as intensive mixers and pressure kneaders can also be used. As another continuous kneading apparatus, an apparatus using a rotating disk having a grinding mechanism such as a stone mill, for example, a KCK kneading extruder manufactured by KCK Corporation may be used. Among those commonly used as a kneading machine, a single screw extruder provided with a kneading part (Dalmage, CTM, etc.) or a simple kneading machine such as a Brabender mixer can also be mentioned.
[0137]
Among these, the most preferable one for the purpose of the present invention is a continuous intensive mixer. Examples of commercially available models include FCM manufactured by Farrel, CIM manufactured by Nippon Steel Works, Ltd., KCM, LCM, or ACM manufactured by Kobe Steel Corporation. In practice, it is preferable to employ an apparatus for simultaneously carrying out kneading and extrusion pelletization having a single screw extruder under these kneaders. In addition, a twin-screw kneading extruder having a kneading disk or a kneading rotor, for example, TEX manufactured by Nippon Steel, ZSK manufactured by Werner & Pfleiderer, TEM manufactured by Toshiba Machine Co., Ltd., PCM manufactured by Ikekai Tekko Co., Ltd. Etc. are also used for the purpose of kneading in the present invention.
[0138]
In using these continuous kneaders, the shape of the rotor and disk plays an important role. In particular, the gap (chip clearance) between the mixing chamber and the rotor chip or the disk chip is important, and a composition having good dispersibility cannot be obtained if it is too narrow or too wide. The optimum tip clearance is 1 to 5 mm.
[0139]
The number of rotations of the rotor of the kneader is 100 to 1200 rpm, preferably 150 to 1000 rpm, more preferably 200 to 800 rpm. The kneader chamber inner diameter (D) is 30 mm or more, preferably 50 to 400 mm. The ratio L / D to the chamber length (L) of the kneader is preferably 4-30. One kneader may be used, or two or more kneaders may be connected and used.
[0140]
The longer the kneading time, the better results can be obtained, but it is 10 to 600 seconds, preferably 15 to 200 seconds, optimally 15 to 200 seconds from the viewpoint of oxidation prevention or economical efficiency of the thermoplastic resin (a). 150 seconds.
[0141]
The resin composition of the present invention can be molded into various molded products, for example, films, sheets, containers and other packaging materials, oxygen scavengers of various shapes, etc. by appropriately adopting the above various molding methods. .
[0142]
For example, it can be formed into a film, sheet, pipe or the like by melt extrusion molding, into a container shape by injection molding, or into a hollow container such as a bottle shape by hollow molding. For hollow molding, extrusion hollow molding in which a parison is molded by extrusion molding and blown to perform molding, and injection hollow molding in which a preform is molded by injection molding and molded by blow molding are suitable. Although illustrated as an aspect, it is not limited to these.
[0143]
As described above, the oxygen-absorbing resin composition of the present invention is suitably used as various packaging materials and containers. However, because of its excellent oxygen-absorbing property and handling / workability, it can be used as an oxygen scavenger. Useful. The oxygen scavenger is obtained by molding the oxygen-absorbing resin composition or resin of the present invention into an arbitrary shape. For example, the oxygen scavenger can be effectively packaged by placing it in a packaging container filled with food, medicine, etc. The oxygen inside can be scavenged. When direct contact between the resin composition of the present invention and the contents is not preferred, it is preferable to fill the molded article made of the resin composition of the present invention into a packaging material that blocks the contents but allows gas to permeate. . For example, if the content is a solid having a sufficient average particle size, an embodiment in which a molded product made of the resin composition of the present invention is filled in a packaging material made of a nonwoven fabric or the like is also suitable.
[0144]
Although the shape of the oxygen scavenger is not particularly limited, it is effective to increase the surface area per unit volume in order to efficiently express the oxygen scavenging function, and it is preferable to form a film or granules. .
[0145]
In general, an embodiment in which the outer surfaces of various molded articles obtained according to the above-described purpose are coated with a thermoplastic resin other than the resin composition or resin of the present invention is also suitable. For example, in the case of a container for containing contents, direct contact between the oxygen-absorbing resin composition and the contents can be suppressed, and the oxygen penetration rate from the outside can be controlled by the type and thickness of the thermoplastic resin to be coated. The rate at which oxygen reacts with the resin composition of the invention can be adjusted. By adjusting the oxygen absorption rate of the resin composition of the present invention by the method as described above, the oxygen scavenging function of the resin composition of the present invention can be maintained over a long period of time.
[0146]
The method for coating the outer surface of the molded article made of the resin composition of the present invention with another thermoplastic resin or the like is not particularly limited. A method of laminating a thermoplastic resin or the like on at least one side of a layer composed of the resin composition of the present invention to form a multilayer body, or a multilayer structure having the resin composition of the present invention as an inner layer and another thermoplastic resin as an outermost layer A polymer particle etc. are mentioned as a suitable embodiment.
[0147]
In the present invention, a molded product obtained by the above molding, for example, a film or a sheet may be a single layer, but is a laminate of layers composed of other various resins, metals, paper, woven fabric, or nonwoven fabric. It is more preferable to use as the point that many functions can be imparted. When the resin composition of the present invention is used in a single layer, since the area in contact with oxygen is large, the duration of the oxygen scavenging function may be shortened, and the mechanical strength may decrease after the oxygen scavenging. . In addition, the oxygen barrier property may be lowered by the contents or moisture of the outside air. In order to compensate for this, it is preferable to laminate a layer made of the gas barrier resin (c) or a layer having high mechanical strength.
[0148]
In the present invention, by covering the outside of the oxygen-absorbing resin composition layer with another resin layer, the rate of oxygen penetration from the outside can be suppressed, and the oxygen scavenging function of the resin composition can be maintained for a long time. From the viewpoint of being able to do this, a multilayer structure is preferable. The present invention also includes a multilayer structure or multilayer container having an oxygen-absorbing resin composition or a layer containing an oxygen-absorbing resin.
[0149]
Of the multi-layered containers, an embodiment in which the innermost layer of the container is formed of the resin composition of the present invention is preferable from the viewpoint of promptly exhibiting the oxygen scavenging function in the container.
[0150]
As a specific layer structure of the multilayer structure, a layer composed of a resin other than the thermoplastic resin (a), metal, paper, woven fabric, nonwoven fabric or the like is formed as a layer A, the thermoplastic resin (a) or the thermoplastic resin ( When the resin composition layer containing a) is B layer and the adhesive resin layer is C layer, A / B, A / B / A, A / C / B, A / C / B / C / A, A / Examples of layer configurations such as B / A / B / A and A / C / B / C / A / C / B / C / A are exemplified, but other layers may be appropriately added to these layers. However, the present invention is not limited to the above example. When providing the layer which consists of several other resin, a different kind may be sufficient and the same thing may be sufficient. Furthermore, a layer using a recovered resin made of scrap such as trim generated during molding may be separately provided, or the recovered resin may be blended with a layer made of another resin. The thickness structure of the multilayer structure is not particularly limited, but considering the moldability and cost, the thickness ratio of the B layer to the total thickness is preferably 2 to 20%.
[0151]
As a material for forming the resin layer to be laminated on the molded article of the oxygen-absorbing resin composition of the present invention, a thermoplastic resin is preferable from the viewpoint of processability and the like. Examples of such thermoplastic resins include, but are not limited to, the following resins: ethylene homopolymers and ethylene copolymers (copolymers of ethylene and the following monomers: propylene, 1-butene, isobutene , Α-olefins such as 4-methyl-1-pentene, 1-hexene and 1-octene; unsaturated carboxylic acids such as itaconic acid, methacrylic acid, acrylic acid and maleic anhydride, salts thereof, partial or complete esters thereof, Nitriles, amides, anhydrides thereof; vinyl carboxylates such as vinyl formate, vinyl acetate, vinyl propionate, vinyl butyrate, vinyl octanoate, vinyl dodecanoate, vinyl stearate, vinyl aradquinate; Vinylsilane compounds such as vinyltrimethoxysilane; Sulfonic acids or salts thereof; alkyl thiols; vinyl pyrrolidones, etc., propylene homopolymers and propylene copolymers (copolymers of propylene and the following monomers: ethylene, 1-butene, isobutene, 4-methyl-1-pentene, Α-olefins such as 1-hexene and 1-octene; unsaturated carboxylic acids such as itaconic acid, methacrylic acid, acrylic acid and maleic anhydride, salts thereof, partial or complete esters thereof, nitriles thereof, amides thereof and anhydrides thereof Carboxylic acid vinyl esters such as vinyl formate, vinyl acetate, vinyl propionate, vinyl butyrate, vinyl octanoate, vinyl dodecanoate, vinyl stearate, vinyl arachidonate; vinyl silane compounds such as vinyl trimethoxysilane; Unsaturated sulfonic acid Or salts thereof; alkyl thiols; vinyl pyrrolidones, etc.), polyolefins such as poly-4-methylpentene-1, polybutene-1, polyesters such as polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, polyethylene naphthalate; poly ε-caprolactam, poly Polyamides such as hexamethylene adipamide and polymetaxylylene adipamide; polyvinylidene chloride, polyvinyl chloride, polystyrene, polyacrylonitrile, polycarbonate, polyacrylate and the like. The layer laminated with such a thermoplastic resin may be unstretched, or may be stretched or rolled uniaxially or biaxially.
[0152]
Of these thermoplastic resins, polyolefin is preferable because it is excellent in moisture resistance, mechanical properties, economy, heat sealability and the like. In addition, since polyester has good transparency and excellent mechanical properties, it is highly useful to be laminated with the resin composition of the present invention having good transparency.
[0153]
Moreover, as a material which forms the metal layer laminated | stacked with the resin composition of this invention, steel, aluminum, etc. which are generally used for can containers etc. are mentioned.
[0154]
In the present invention, an adhesive resin can be used to bond the resin composition layer of the present invention and another resin layer. The adhesive resin is not particularly limited as long as it can bond each layer, but polyurethane, polyester one-pack or two-pack curable adhesive, unsaturated carboxylic acid or anhydride thereof (anhydrous maleic anhydride). An olefin polymer or copolymer obtained by copolymerization or graft modification (carboxylic acid-modified polyolefin resin) is preferably used.
[0155]
Among these, it is more preferable that the adhesive resin is a carboxylic acid-modified polyolefin resin from the viewpoint of adhesiveness between the surface layer such as polyolefin and the resin composition layer. Examples of such carboxylic acid-modified polyolefin resins include polyethylene {low density polyethylene (LDPE), linear low density polyethylene (LLDPE), very low density polyethylene (VLDPE)}, polypropylene, copolymer polypropylene, ethylene-vinyl acetate. Examples thereof include a copolymer, an ethylene- (meth) acrylic acid ester (methyl ester or ethyl ester) copolymer, etc., which have been modified with a carboxylic acid.
[0156]
When the molded article of the present invention is a multilayer product, the oxygen scavenging layer is a layer such as an “oxygen barrier material”, that is, an oxygen transmission rate of 200 cm per one atmosphere at 20 ° C.3/ M2-Although it may be laminated | stacked with the layer made from the material below day, it is not necessarily restricted to this. Typical oxygen barrier materials include poly (ethylene vinyl alcohol), polyacrylonitrile, polyvinyl chloride, poly (vinylidene dichloride), polyethylene terephthalate, silica, and polyamide. Copolymers containing one of the above monomers and metal foil layers can also be used.
[0157]
Other layers can also include one or more oxygen permeable layers. In particular, as an example of a packaging film having flexibility for food, (i) an oxygen barrier layer, (ii) a layer containing the oxygen-absorbing resin composition of the present invention, and optionally (iii) an oxygen-permeable layer A laminated packaging film can be mentioned. This film is used for packaging with layer (i) on the outside and layer (iii) on the inside. The oxygen barrier layer of (i) limits the entry of oxygen from the outside into the layer of (ii), thereby extending the time during which oxygen can be scavenged in the layer (ii). The oxygen permeable layer of layer (iii) adjusts the internal oxygen transmission rate, thereby increasing the time during which oxygen can be scavenged in layer (ii). This also helps to extend the lifetime of the oxygen scavenging material when handling the film before packaging. Further, layer (iii) can block migration of the thermoplastic resin (a), transition metal salt (b), other additives or scavenging by-products into the package. Furthermore, layer (iii) can increase heat sealability, transparency and / or resistance to adhesion of the multilayer film.
[0158]
Examples of the method for obtaining the multilayer structure include an extrusion laminating method, a dry laminating method, a solvent casting method, a co-injection molding method, and a co-extrusion molding method, but are not particularly limited. Examples of the coextrusion molding method include a coextrusion lamination method, a coextrusion sheet molding method, a coextrusion inflation molding method, and a coextrusion blow molding method.
[0159]
The sheet, film, parison, etc. of the multilayer structure obtained in this way are reheated at a temperature below the melting point of the resin contained therein, a thermoforming method such as drawing, a roll stretching method, a pantograph stretching method, or A molded product stretched by uniaxial or biaxial stretching by an inflation stretching method, a blow molding method, or the like can also be obtained.
[0160]
The resin composition of the present invention has good transparency by appropriately selecting the type of the thermoplastic resin (a), gas barrier resin (c) and the like contained in consideration of the refractive index. Therefore, by selecting a resin having excellent transparency as the other resin to be laminated, a packaging container in which the contents can be easily seen is obtained. When it is desired to obtain a multilayer structure excellent in transparency, the internal haze is set to 10% or less, more preferably 5% or less, and further preferably 3% or less.
[0161]
The oxygen-absorbing resin or oxygen-absorbing resin composition of the present invention can be used as an oxygen absorbent in any shape. Moreover, molded articles, such as a container using these, especially multilayer structures are used for various uses. Among these, the superiority of using the resin composition of the present invention, which is extremely excellent in oxygen scavenging property and oxygen barrier property, is greatly exhibited when used as various packaging containers. In particular, it is suitable as a packaging container for foods, pharmaceuticals, agricultural chemicals, etc. whose quality is likely to deteriorate due to the presence of oxygen. Furthermore, the resin composition of the present invention is suitable for use as a packing for a container (gasket), particularly as a gasket for a container cap. A cap provided with such a gasket has excellent gas barrier properties and oxygen scavenging properties.
[0162]
Furthermore, since the resin composition of the present invention can have good transparency by appropriately selecting a resin, it is also suitable for use as a packaging container in which the contents are easily visible. Among such packaging containers, the required performance for transparency is strict, and examples of the mode in which the use of the resin composition of the present invention is large include the following two embodiments.
[0163]
That is, one is a container composed of a multilayer film having a layer composed of the oxygen-absorbing resin composition or the oxygen-absorbing resin of the present invention and having a total layer thickness of 300 μm or less, and the other is the oxygen of the present invention. It is a multilayer container which consists of a layer which consists of an absorptive resin composition or oxygen absorptive resin, and a thermoplastic polyester layer. Hereinafter, these embodiments will be sequentially described.
[0164]
A container made of a multilayer film including a layer made of the resin composition of the present invention and having a total layer thickness of 300 μm or less is a flexible container made of a multilayer structure having a relatively thin overall layer thickness, and is usually in the form of a pouch or the like. Is processed.
[0165]
In general, as a container that requires good transparency, a container having a thin overall thickness is manufactured, with each resin layer constituting the multilayer structure being thin. For example, when a crystalline resin such as polyolefin is used, if the thickness is large, the transparency often deteriorates due to scattering by the crystal, whereas a thin container has good transparency. Sex is obtained. In general, even if a resin crystallized unstretched is poor in transparency, a resin crystallized by stretching and orientation has good transparency. Such a uniaxially or biaxially stretched film is usually thin, and from this point of view, a thin multilayer structure often gives good transparency.
[0166]
The resin composition of the present invention has very good transparency by selecting an appropriate resin. Therefore, it can be suitably used for a container made of a thin multilayer film that often requires transparency. Such a thin film is relatively excellent in transparency even if the transparency deteriorates with time.
[0167]
The thickness of such a multilayer film is not particularly limited, but is preferably 300 μm or less because it is easy to maintain good transparency. More preferably, it is 250 micrometers or less, More preferably, it is 200 micrometers or less. On the other hand, the lower limit value of the thickness is not particularly limited, but considering the mechanical strength as a container, it is preferably 10 μm or more, more preferably 20 μm or more, and more preferably 30 μm or more. Further preferred.
[0168]
Although the layer structure is not particularly limited, a multilayer film can be obtained by multilayering the resin composition layer of the present invention and another thermoplastic resin layer by a technique such as dry lamination or coextrusion lamination. .
[0169]
When dry laminating, an unstretched film, a uniaxially stretched film, a biaxially stretched film, and a rolled film can be used. Among these, a biaxially stretched polypropylene film, a biaxially stretched polyethylene terephthalate film, and a biaxially stretched poly ε-caprolactam film are preferable from the viewpoint of strength, transparency, and the like. A biaxially stretched polypropylene film is particularly preferred because of its good moisture resistance.
[0170]
In order to seal the packaging container, it is also preferable to provide a layer made of a heat-sealable resin on at least one surface of the multilayer film constituting the packaging container. Examples of such a resin include polyolefins such as polyethylene and polypropylene.
[0171]
In addition, it is possible to obtain a multilayer film stretched by uniaxial or biaxial stretching by thermoforming such as drawing, roll stretching, pantograph stretching, inflation stretching or the like after being laminated and reheated. it can.
[0172]
The multilayer film thus obtained can be processed into a bag shape, filled with contents, and used as a packaging container. Since it is flexible and simple and has excellent transparency, gas barrier properties, and oxygen scavenging properties, it is extremely useful for packaging contents such as foods that are easily deteriorated by the presence of oxygen.
[0173]
A multilayer container composed of a layer composed of the resin composition of the present invention and a thermoplastic polyester layer can obtain good transparency by appropriately selecting the resin, and is excellent in gas barrier properties and oxygen scavenging properties.
[0174]
In general, a polyester resin has good transparency, and a multilayer structure with good transparency can be obtained by laminating with the resin composition of the present invention.
[0175]
The form of the multilayer container composed of the layer composed of the resin composition of the present invention and the thermoplastic polyester layer is not particularly limited, and examples thereof include a bag-shaped container, a cup-shaped container, and a hollow molded container. It is a hollow molded container. The method for producing the hollow molded container is not particularly limited, and examples thereof include blow molding, injection molding, and the like, but practically blow molding is important, and bottle-shaped ones are particularly important.
[0176]
Blow molded bottles made of thermoplastic polyester resin are currently widely used as beverage containers. In such applications, it is necessary to prevent deterioration of the contents, and it is required that the consumer can sufficiently visually recognize the beverage that is the contents. In addition, when packaging contents such as beer that are extremely susceptible to flavor deterioration due to oxygen, it is desirable to have extremely high gas barrier properties and oxygen scavenging performance. Is not easy.
[0177]
The multilayer blow bottle composed of the resin composition layer of the present invention and the thermoplastic polyester layer is most suitable for such use because it retains the transparency while maintaining excellent quality of contents.
[0178]
The polyester resin used in the multilayer container of the present invention consisting of an oxygen-absorbing resin composition or a layer comprising an oxygen-absorbing resin and a thermoplastic polyester layer is mainly composed of aromatic dicarboxylic acids or their alkyl esters and diols. A condensation polymer is used. In particular, in order to achieve the object of the present invention, a polyester resin containing an ethylene terephthalate component as a main component is preferable. In the polyester resin used in the present invention, generally, the total ratio (mol%) of terephthalic acid units and ethylene glycol units is 70 mol% or more with respect to the total number of moles of all structural units constituting the polyester. And more preferably 90 mol% or more. When the total proportion of terephthalic acid units and ethylene glycol units in the polyester is less than 70 mol%, the resulting polyester becomes amorphous, so the shrinkage when heated by filling (hot fill) into a stretched container is large and the heat resistance is poor. In addition, the strength also decreases. Furthermore, at the time of solid-phase polymerization performed to reduce the oligomers contained in the resin, the resin tends to cause sticking and production becomes difficult.
[0179]
The polyester resin can contain a bifunctional compound unit other than the terephthalic acid unit and the ethylene glycol unit as required, as long as the processability, strength, heat resistance and the like are not significantly impaired. The proportion (mol%) is preferably 30 mol% or less, more preferably 20 mol% or less, and more preferably 10 mol% or less, based on the total number of moles of all structural units constituting the polyester. More preferably.
[0180]
Preferred bifunctional compound units that can be included include at least one bifunctional compound unit selected from dicarboxylic acid units, diol units, and hydroxycarboxylic acid units. These may be any of an aliphatic bifunctional compound unit, an alicyclic bifunctional compound unit, and an aromatic bifunctional compound unit.
[0181]
From the viewpoint of moldability and transparency, it may be preferable that the thermoplastic polyester has an ethylene terephthalate component as a main component and has a melting point of 240 to 250 ° C.
[0182]
When the melting point exceeds 250 ° C., the crystallization speed of the polyester resin is high, so that crystallization by heating is likely to proceed during injection molding or blow molding, and the resulting bottle is likely to be whitened. , Transparency may be impaired. In addition, the stretch orientation may be lowered and the shapeability may be deteriorated. For this reason, the range of manufacturing conditions under which a good product can be obtained is narrowed, and the defective product rate tends to increase. The melting point is more preferably 248 ° C. or lower.
[0183]
On the other hand, when the melting point is less than 240 ° C., the heat resistance of the multilayer container decreases. Moreover, since the crystallinity of the polyester resin is lowered more than necessary, the stretch orientation is lowered and the strength is also lowered. Furthermore, since the melting point is lowered, the solid phase polymerization temperature is inevitably lowered, and there is a problem that productivity is lowered due to the lowered reaction rate. The melting point is more preferably 242 ° C. or more, and most preferably 244 ° C. or more.
[0184]
In order to obtain a polyester resin having such a melting point, an appropriate amount of a copolymer component may be copolymerized with a polyester resin containing an ethylene terephthalate component as a main component. Specifically, it is preferable that 1 to 6 mol% of a copolymer component is included with respect to the total number of moles of all the structural units constituting the polyester. More preferably, it is 1.5-5 mol%, optimally 2-4 mol%.
[0185]
In consideration of the copolymerization amount of diethylene glycol produced as a by-product during production, a copolymerization monomer in the above range can be obtained by adding a copolymerization monomer to the polyethylene terephthalate production system. The comonomer is not particularly limited, and various monomers listed as the above-mentioned bifunctional compound unit can be used, among which neopentyl glycol, cyclohexanedimethanol, cyclohexanedicarboxylic acid. , Isophthalic acid, and naphthalenedicarboxylic acid are preferable.
[0186]
In particular, isophthalic acid is excellent in moldability of the resulting resin because of the wide range of production conditions under which a good product can be obtained when the obtained copolyester is used. As a result, there is an advantage that the defective product rate is low. Furthermore, it is preferable from the point that whitening of the molded product due to suppression of the crystallization speed can be prevented.
[0187]
A 1,4-cyclohexanedimethanol unit or 1,4-cyclohexanedicarboxylic acid is also preferable from the viewpoint of excellent drop strength of a molded product obtained therefrom.
[0188]
Naphthalenedicarboxylic acid is preferred because the polyester obtained has a high glass transition temperature, and as a result, the heat resistance of the finally obtained container is improved. Furthermore, since the polyester containing naphthalenedicarboxylic acid as a copolymerization component can absorb ultraviolet rays, it is particularly useful when the contents are likely to be deteriorated by ultraviolet rays. For example, it is useful when the contents are easily deteriorated by oxidation or ultraviolet rays like beer.
[0189]
In a co-injection stretch blow molded container, when the content is to be protected from ultraviolet rays, the thermoplastic polyester contains 0.5 to 15 moles of 2,6-naphthalenedicarboxylic acid component with respect to the total dicarboxylic acid component. %, Preferably in the range of 1.0 to 10 mol%.
[0190]
When a polycondensation catalyst is used in the production of the polyester resin, those usually used in the production of polyester can be used, for example, antimony compounds such as antimony trioxide; germanium dioxide, germanium tetraethoxide, germanium Germanium compounds such as tetra n-butoxide; titanium compounds such as tetramethoxy titanium, tetraethoxy titanium, tetra-n-propoxy titanium, tetraisopropoxy titanium, tetrabutoxy titanium; di-n-butyltin dilaurate, di-n-butyl Examples thereof include tin compounds such as tin oxide and dibutyltin diacetate. These catalyst compounds may be used alone or in combination of two or more. Among these polymerization catalysts, a germanium compound is preferable from the viewpoint that the color tone of the resulting polyester is good, and an antimony compound is preferable from the viewpoint of catalyst cost. As the germanium compound, germanium dioxide is particularly preferable, and as the antimony compound, antimony trioxide is particularly preferable. The polycondensation catalyst is preferably added in an amount of 0.002 to 0.8 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the dicarboxylic acid.
[0191]
From the viewpoint of moldability, it is preferable to employ a germanium compound rather than an antimony compound. That is, since the crystallization speed of polyester polymerized using an antimony compound is generally faster than that of polyester polymerized using a germanium compound, crystallization by heating is likely to proceed during injection molding or blow molding, resulting in a result. The bottle is likely to be whitened and the transparency is impaired. In addition, the stretch orientation may be lowered and the shapeability may be deteriorated. For this reason, the range of manufacturing conditions under which a good product can be obtained is narrowed, and the defective product rate is likely to increase.
[0192]
Therefore, when using polyethylene terephthalate that does not contain any copolymer component other than diethylene glycol as a by-product, the crystallization rate is faster than when polyethylene terephthalate modified in a small amount with other copolymer components is used. Selection is important and it is preferred to use a germanium compound.
[0193]
The manufacturing method of the polyester resin used for the thermoplastic polyester layer of the multilayer blow bottle of this invention is not specifically limited. It is prepared by the usual method using the diol, dicarboxylic acid, polymerization catalyst and the like.
[0194]
Among the multilayer containers having the thermoplastic polyester layer, the production of a bottle-shaped container will be described.
[0195]
Although the manufacturing method of such a container is not specifically limited, It is suitable from points, such as productivity, to use a co-injection blow molding method. In the co-injection blow molding method, a container precursor (parison) having a multilayer structure is usually subjected to a single mold clamping operation using a molding machine having two injection cylinders, and a molten polyester resin ( PES) and the oxygen-absorbing resin composition of the present invention can be obtained by alternately injecting from the respective injection cylinders at different timings, or by simultaneously injecting concentric nozzles, or by using both in combination. For example, (1) A method of injecting PES for inner and outer layers first and then injecting a resin composition as an intermediate layer simultaneously with the inner and outer layers to make a container having a three-layer structure of PES / resin composition / PES Or (2) PES for the inner and outer layers is injected first, then the resin composition is injected at the same time as the inner and outer layers, and at the same time or thereafter, the PES as the central layer is injected at the same time as each of the above layers. It is obtained by a general method of a bottomed parison in which the inner layer is completely enclosed in the PES layer, such as a method of making a resin composition / PES / resin composition / PES five-layer container; It is not something to receive. Moreover, you may arrange | position an adhesive resin layer as needed between the PES layer and the resin composition layer in the said layer structure.
[0196]
As conditions for injection molding of the bottomed parison, PES is preferably injected within a temperature range of 250 ° C. to 330 ° C., more preferably 270 ° C. to 320 ° C., and more preferably 280 ° C. to 310 ° C. It is more preferable to inject within the temperature range of ° C. When the injection temperature of PES is less than 250 ° C., the PES pellets are not sufficiently melted, so that an unmelted product (fish eye) is mixed into the molded product, resulting in poor appearance. This also reduces the strength of the molded product. Furthermore, in extreme cases, the screw torque increases and causes a failure of the molding machine. On the other hand, when the injection temperature of PES exceeds 330 ° C., the decomposition of PES becomes remarkable, causing a reduction in strength of the molded product due to a decrease in molecular weight. Further, not only the properties of the substance filled in the molded product are deteriorated by a gas such as acetaldehyde generated at the time of decomposition, but also the oligomers generated at the time of decomposition cause the mold to become dirty and the appearance of the molded product is impaired.
[0197]
The oxygen-absorbing resin composition is preferably injected within a temperature range of 170 to 250 ° C, more preferably injected within a temperature range of 180 to 240 ° C, and injected within a temperature range of 190 to 230 ° C. Is more preferable.
[0198]
When the injection temperature of the resin composition is less than 170 ° C., the resin composition pellets are not sufficiently melted, so that an unmelted product (fish eye) is mixed into the molded product, resulting in poor appearance. Furthermore, in extreme cases, the screw torque increases and causes a failure of the molding machine. On the other hand, when the injection temperature of the resin composition exceeds 250 ° C., the oxidation of the thermoplastic resin (a) proceeds, the oxygen absorption capacity of the resin composition is lowered, and the gas barrier property and oxygen scavenging property are lowered. Cheap. At the same time, the appearance of the molded product due to coloring or gelled product may be poor, or the fluidity may be non-uniform or inhibited by decomposition gas or gelled product, resulting in a missing portion of the resin composition layer. In an extreme case, injection molding becomes impossible due to the generation of a gelled product. In order to suppress the progress of oxidation during melting, it is also preferable to seal the raw material supply hopper with nitrogen.
[0199]
The oxygen-absorbing resin composition of the present invention comprises a thermoplastic resin (a), a transition metal salt (b), and a gas barrier resin (c), if necessary, melt-blended into pellets. May be supplied. Alternatively, each dry blended material may be supplied to a molding machine.
[0200]
The temperature of the hot runner part into which PES and the resin composition flow is preferably injected within a range of 220 ° C to 300 ° C, more preferably injected within a range of 240 ° C to 280 ° C, and 250 ° C to 270 ° C. It is more preferable to inject within the range.
[0201]
When the temperature of the hot runner portion is less than 220 ° C., crystallization of PES occurs and the hot runner portion solidifies, so that molding becomes difficult. On the other hand, when the temperature of the hot runner portion exceeds 300 ° C., the oxidation of the thermoplastic resin (a) proceeds, and the oxygen absorption capacity of the resin composition is lowered, which tends to cause a decrease in gas barrier properties and oxygen scavenging properties. . At the same time, the appearance of the molded product due to coloration or gelation may be poor, or the fluidity may be uneven due to the decomposition gas or the gelation, or the fluidity may be hindered, resulting in a missing portion of the resin composition layer. In an extreme case, injection molding becomes impossible due to the generation of a gelled product.
[0202]
In order to obtain good delamination resistance (delamination resistance) and transparency of a multilayer container obtained by stretching blow molding of the bottomed parison, the PES and gas barrier resin (c) of the parison are used during the above injection molding. It is important to suppress crystallization of as much as possible. Thereby, uniform stretchability is obtained, and a molded product having excellent delamination resistance, transparency and shape can be obtained. In order to suppress the crystallization of the parison PES and the gas barrier resin (c), the mold temperature is preferably in the range of 0 ° C to 70 ° C, and is preferably in the range of 5 ° C to 50 ° C. More preferably, it is more preferably in the range of 10 to 30 ° C. When the mold temperature is less than 0 ° C., the appearance of the parison is impaired due to condensation of the mold, and a good molded product cannot be obtained. When the mold temperature exceeds 70 ° C., the crystallization of the parison PES and the gas barrier resin (c) is promoted, and uniform stretchability cannot be obtained. In addition to the reduced delamination resistance, it is difficult to obtain a molded product shaped into the intended shape. Furthermore, transparency is impaired by the crystallization of PES.
[0203]
Regarding the thickness of the parison, the total thickness is preferably 2 to 5 mm, and the oxygen-absorbing resin composition layer is preferably 10 to 500 μm in total.
[0204]
The multilayer parison obtained in this way is reheated to 75 to 150 ° C. directly in a high temperature state or with a heating element such as a block heater or an infrared heater, and then sent to the stretch blow step. Multi-layer polyester stretch blow container in which the PES resin layer and the oxygen-absorbing resin composition layer are stretched uniaxially or biaxially after being stretched 1 to 5 times in the longitudinal direction and then blow molded 1 to 4 times with compressed air or the like Is obtained.
[0205]
In this case, if the temperature at the time of heating the multilayer parison is too high, the polyester is easily crystallized, so that the stretch blow container is whitened and the appearance is impaired. Moreover, since generation | occurrence | production of the delamination of an extending | stretching blow container increases, it is not preferable. On the other hand, when the temperature at the time of heating the multi-layer parison is too low, crazing occurs in the polyester and a pearl tone is obtained, so that transparency is impaired. For this reason, 85-140 degreeC is preferable, the temperature of the multilayer parison at the time of a heating is more preferable, 90-130 degreeC is more preferable, and 95-120 degreeC is further more preferable.
[0206]
The total thickness of the container body of the blow container in the present invention is generally 100 to 2000 μm, preferably 150 to 1000 μm, and can be properly used depending on the application. The total thickness of the oxygen-absorbing resin composition layer at this time is preferably in the range of 2 to 200 μm, and more preferably in the range of 5 to 100 μm.
[0207]
Thus, the multilayer container which consists of the thermoplastic resin composition of this invention or the layer which consists of a thermoplastic resin, and a thermoplastic polyester layer is obtained. This container can be prepared to have good transparency, and is extremely excellent in gas barrier properties and oxygen scavenging properties. Therefore, it is useful for the packaging of contents that easily deteriorate due to the presence of oxygen, such as foods and pharmaceuticals. In particular, it is extremely useful as a container for beverages such as beer.
[0208]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be specifically described with reference to examples and the like, but the present invention is not limited thereto. Analysis and evaluation in the following examples were performed as follows.
[0209]
(1) Styrene content of thermoplastic resin (a), content of structural unit represented by structural formula (I) (vinyl bond content) and carbon-carbon double bond content:
Thermoplastic resin (a) was measured by 1H-NMR (nuclear magnetic resonance) spectrum (measured by “JNM-GX-500 type” manufactured by JEOL Ltd.) using deuterated chloroform as a solvent, and the structure of this resin was identified. . Thereby, the above content was calculated.
[0210]
Here, the styrene content is the ratio (mol%) of styrene in all monomers constituting this resin, and the content of the structural unit represented by the structural formula (I) (vinyl bond content) is The ratio of the structural unit represented by the structural formula (I) among all the diene monomers in the diene block (that is, the ratio of those having a vinyl bond) (%). The content of carbon-carbon double bonds was determined by calculating the number of moles of double bonds (eq / g) contained in 1 g of resin.
[0211]
(2) Melt flow rate:
It measured using melt indexer L244 (made by Takara Kogyo Co., Ltd.). Specifically, a sample resin (resin or resin composition) chip is filled in a cylinder having an inner diameter of 9.55 mm and a length of 162 mm, and melted at 210 ° C. The load was evenly applied by a plunger having a length of 2160 g and a diameter of 9.48 mm. The outflow rate (g / 10 minutes) of the resin extruded from an orifice having a diameter of 2.1 mm provided in the center of the cylinder was measured, and this was used as a melt flow rate.
[0212]
(3) Refractive index of resin:
Using the resin to be measured, film extrusion was performed at an extrusion temperature of 210 ° C. to obtain an unstretched film having a thickness of 20 μm. The refractive index was measured using the Abbe refractometer (4T type manufactured by Atago Co., Ltd., SL-Na-1 lamp manufactured by Toshiba Corporation) using the obtained film.
[0213]
(4) Haze value (cloudiness value):
The resin or resin composition to be measured was extruded to obtain an unstretched film having a thickness of 20 μm. Using the obtained film, in accordance with ASTM D1003-61, the internal haze value was determined using a Poic integrating sphere type light transmittance / total light reflectometer (“HR-100 type” manufactured by Murakami Color Research Laboratory). It was measured. It measured similarly about the multilayer film. Furthermore, about the multilayer bottle, about 4 places which divided the center of the bottle trunk | drum into 4 on the circumference, the internal haze value in each location was measured, and the average value was taken and it was set as the haze value (cloudiness value) of the bottle.
[0214]
(5) Main dispersion peak temperature of tan δ in the block derived from the diene compound of the resin:
The resin or resin composition to be measured was extruded to obtain an unstretched film having a thickness of 20 μm. Using the obtained film, RHEOLOGY Co. , Using “DVE RHEOSPECTORER DVE-V4” manufactured by LTD, with a frequency of 11 Hz, a displacement amplitude of 10 μm, a distance between chucks of 20 mm, a width of 5 mm, a measurement temperature range of −150 ° C. to 150 ° C., and a temperature increase rate of 3 ° C./min. The main dispersion peak temperature of tan δ in the block derived from the diene compound of the resin was measured.
[0215]
(6) Ethylene content and saponification degree of polyvinyl alcohol resin:
The ethylene content and saponification degree of polyvinyl alcohol resin are measured by 1H-NMR (nuclear magnetic resonance) spectrum (determined by “JNM-GX-500 type” manufactured by JEOL Ltd.) using deuterated dimethyl sulfoxide as a solvent. did.
[0216]
(7) Content of each structural unit in polyester:
The content of each structural unit in the polyester was measured by 1H-NMR (nuclear magnetic resonance) spectrum of polyester using deuterated trifluoroacetic acid as a solvent (measured by “JNM-GX-500 type” manufactured by JEOL Ltd.). .
[0217]
(8) Phosphate radical content in polyvinyl alcohol resin:
The phosphate radical content was determined by phosphate ion (PO4 3-) Obtained as content. 10 g of dried polyvinyl alcohol resin as a sample was put into 50 ml of 0.01N hydrochloric acid aqueous solution and stirred at 95 ° C. for 6 hours. The aqueous solution after stirring was quantitatively analyzed using ion chromatography to obtain a phosphate ion content. The chromatography column was CIS-A23 manufactured by Yokogawa Electric Corporation, and the eluent was an aqueous solution containing 2.5 mM sodium carbonate and 1.0 mM sodium bicarbonate. For the determination, a calibration curve prepared with a phosphoric acid aqueous solution was used.
[0218]
(9) Content of Na, K, Mg ions in polyvinyl alcohol resin:
10 g of the dried chip as a sample was put into 50 ml of 0.01 N hydrochloric acid aqueous solution and stirred at 95 ° C. for 6 hours. The aqueous solution after stirring was quantitatively analyzed using ion chromatography, and the amounts of Na ions, K ions, and Mg ions were quantified. As the chromatography column, ICS-C25 manufactured by Yokogawa Electric Corporation was used, and the eluent was an aqueous solution containing 5.0 mM tartaric acid and 1.0
[0219]
(10) Oxygen absorption rate
(10-1) Oxygen absorption rate of the resin composition:
Using an oxygen-absorbing resin composition, extrusion was performed at an extrusion temperature of 210 ° C. to obtain a film having a thickness of 20 μm. The obtained monolayer film 0.01m2(0.1m x 0.1m; surface area 0.02m2) Was precisely weighed, rolled up 1 hour after film formation, and placed in a glass container having an internal capacity of 260 ml filled with air at 20 ° C. and 65% RH. The air in the glass container contains 21:79 oxygen and nitrogen by volume. The mouth of the glass container was sealed with an epoxy resin using a multilayer sheet containing an aluminum layer, and then left at 20 ° C. After sealing, the internal air was sampled with a syringe over time, and the oxygen concentration of this air was measured using gas chromatography. The pores vacated in the multilayer sheet at the time of measurement were sealed with an epoxy resin each time. From the volume ratio of oxygen and nitrogen obtained by gas chromatography, the amount of oxygen absorbed was calculated by calculating the amount of decrease in oxygen. From the results, the oxygen absorption rate (ml / m 2) of the resin composition at the time when the fastest rate is reached.2-Day) was calculated by the slope of the graph. This method was adopted in Example 1.
(10-2) Oxygen absorption rate of resin composition:
Using the resin composition, extrusion molding was performed at an extrusion temperature of 210 ° C. to obtain a film having a thickness of 20 μm. The obtained monolayer film 0.9m2(0.2m x 4.5m; surface area 1.8m2) Was rolled into a
[0220]
(11) Oxygen permeation rate of gas barrier resin (c)
The gas barrier resin (c) was extruded to obtain an unstretched film having a thickness of 20 μm. The obtained film was adjusted to a temperature and humidity of 20 ° C. to 65% RH, and the oxygen transmission amount was measured using an oxygen transmission amount measuring device (OX-TRAN-10 / 50A, manufactured by Modern Control). The extrusion temperature of the film was 210 ° C. for EVOH resin, 260 ° C. for polyamide resin, 160 ° C. for polyvinyl chloride resin, and 200 ° C. for polyacrylonitrile resin.
[0221]
(12) Intrinsic viscosity of polyester:
A sample film layer was cut out from the polyester layer of the multilayer container body and dissolved in an equal weight mixed solvent of phenol and tetrachloroethane. The viscosity of the obtained solution was measured at 30 ° C. using an Ubbelohde viscometer (“HRK-3 type” manufactured by Hayashi Seisakusho).
[0222]
(13) Glass transition temperature and melting point of polyester:
A sample film layer (sample) was cut out from the polyester layer of the multilayer container body, and measured by differential thermal analysis (DSC) according to JIS K7121, as follows. Using a differential scanning calorimeter (DSC) RDC220 / SSC5200H type manufactured by Seiko Denshi Kogyo Co., Ltd., the sample was held at a temperature of 280 ° C. for 5 minutes, and then brought to a temperature of 30 ° C. under a temperature decreasing rate of 100 ° C./min. After holding for 5 minutes, the measurement was performed under the condition of a temperature rising rate of 10 ° C./min. However, indium and lead were used for temperature calibration. Moreover, the glass transition point as used in the present invention refers to the intermediate glass transition temperature (Tmg) referred to in the above JIS, and the melting point referred to in the present invention refers to the melting peak temperature (Tpm) referred to in the above JIS.
[0223]
(14) Oxygen permeation amount of multilayer film (1):
In an atmosphere adjusted to a temperature and humidity of 20 ° C. to 85% RH, the oxygen transmission amount of the laminated film was measured using an oxygen transmission amount measuring device (OX-TRAN-10 / 50A, manufactured by Modern Control). However, the measurement is from the oxygen supply cell side to the nitrogen supply cell side, and the oriented polypropylene film layer / urethane adhesive layer / oxygen barrier film layer / urethane adhesive layer / oxygen scavenging film layer / urethane adhesive The film was placed so that the layers were arranged in the order of layer / stretched polypropylene film layer. The measurement was performed for 720 hours over time from 24 hours after film formation. This method was adopted in Example 1.
[0224]
(15) Oxygen permeation amount of multilayer film (2):
A laminated film obtained by laminating a resin composition layer and a stretched polypropylene film was used. In an atmosphere adjusted to a temperature and humidity of 20 ° C. to 85% RH, the oxygen transmission rate of this film was measured using an oxygen transmission rate measuring device (OX-TRAN-10 / 50A, manufactured by Modern Control). The measurement was performed for 300 hours over time from 24 hours after film formation. This method was adopted in Examples 2 to 5 and Comparative Example 1.
[0225]
(16) Oxygen absorption amount of multilayer container:
The pouch obtained using the multilayer film was filled with 300 ml of air at 20 ° C. and 65% RH. The air in the pouch contains 21:79 oxygen and nitrogen by volume. The mixture was left at 20 ° C., and after the encapsulation, the oxygen concentration was sampled with a syringe and measured using gas chromatography. In addition, the pores vacated in the multilayer sheet at the time of measurement were sealed with an epoxy resin each time. The oxygen absorption rate was determined by calculating the amount of oxygen decrease from the volume ratio of oxygen and nitrogen obtained by gas chromatography.
[0226]
(17) Oxygen permeation amount of multilayer container:
After adjusting the temperature and humidity to 20 ° C.-65% RH for the outside of the bottle and 20 ° C.-100% RH for the outside of the bottle in an air atmosphere, the oxygen permeation measuring device (manufactured by Modern Control Co., Ltd.) OX-TRAN-10 / 50A), the oxygen permeation amount (ml / container · day · atm) per
[0227]
Example 1
A thermoplastic resin (a) to which an antioxidant was added was prepared by the following method.
[0228]
600 parts by volume of cyclohexane, 0.16 parts by volume of N, N, N ′, N′-tetramethylethylenediamine (TMEDA), 0.094 parts by volume of n-BuLi as an initiator in a stirring autoclave cleaned with dry nitrogen I put it in. After raising the temperature to 50 ° C., 4.25 parts by volume of styrene monomer was fed and polymerized for 1.5 hours. Next, after the temperature was lowered to 30 ° C., 120 parts by volume of isoprene was fed and polymerized for 2.5 hours. Next, the temperature was raised again to 50 ° C., and 4.25 parts by volume of styrene monomer was fed and polymerized for 1.5 hours.
[0229]
To the resulting reaction solution, 2-tert-butyl-6- (3-tert-butyl-2-hydroxy-5-methylbenzyl) -4-methylphenyl acrylate and pentaerythritol tetrakis (3-laurylthio) were added as antioxidants. Propionate) was added at 0.15 phr to the total weight of styrene and isoprene, respectively. The reaction solution was poured into methanol to precipitate a triblock copolymer. This was dried and used as a thermoplastic resin (a) to which an antioxidant was added.
[0230]
The number average molecular weight of the obtained triblock copolymer was 85000, the molecular weight of the styrene block in the copolymer was 8500, the styrene content was 14 mol%, and the vinyl bond content in the isoprene block was 55%. The content of the structural unit represented by the formula (I) was 55%. The obtained triblock copolymer had a carbon-carbon double bond content of 0.014 eq / g and a melt flow rate of 7.7 g / 10 min. In the resin, 2-tert-butyl-6- (3-tert-butyl-2-hydroxy-5-methylbenzyl) -4-methylphenylacrylate 0.12% by weight and pentaerythritol tetrakis (3-laurylthio) Propionate) was contained at 0.12% by weight.
[0231]
When the refractive index and haze value (haze value) of the thermoplastic resin (a) containing the antioxidant were measured, they were 1.531 and 1.0%, respectively. The main dispersion peak temperature of tan δ in the block derived from the diene compound of this resin was measured and found to be −3 ° C.
[0232]
100 parts by weight of the above thermoplastic resin and 0.8484 parts by weight of cobalt stearate (II) (0.8800 parts by weight as cobalt atoms) were dry blended, and a 30 mmφ twin-screw extruder (Nippon Steel Works TEX-30SS) -30CRW-2V), extruded at 210 ° C. under conditions of a screw speed of 300 rpm and an extrusion resin amount of 25 kg / hour, pelletized, and then dried under reduced pressure at 30 ° C. for 16 hours to obtain an oxygen-absorbing resin composition. Obtained. The melt flow rate (210 ° C.-2160 g load) of this resin composition was 7.1 g / 10 min.
[0233]
Using the resin composition described above, extrusion molding was performed at an extrusion temperature of 210 ° C. to obtain a film having a thickness of 20 μm. When the internal haze of this film was measured, it was 0.5%. Moreover, when the oxygen absorption amount of the film was measured by the method of measuring the oxygen absorption rate (1) of the resin composition, the result shown in FIG. 1 was obtained. As a result, the oxygen absorption rate of the resin composition was 95 ml / m.2-It was day.
[0234]
A laminated film was prepared from the film (oxygen-absorbing film) obtained using the resin composition as follows. A stretched polypropylene film (OP- # 20 U-1 manufactured by Tosero Co., Ltd.) having a thickness of 20 μm is laminated on one surface of this film, and a urethane-based adhesive (manufactured by Toyo Morton, trade name: AD335A and a curing agent (Toyo Adhesion was performed using a toluene / methyl ethyl ketone mixed solution (1: 1 by weight) manufactured by Morton, trade name: Cat-10). Next, on the other side of the film, a 15 μm-thick oxygen barrier film (Eval Film EF-
[0235]
Furthermore, using the multilayer film obtained above, outside / stretched polypropylene film layer / urethane adhesive layer / oxygen barrier film layer / urethane adhesive layer / oxygen absorbing film layer / urethane adhesive layer / stretched A 30 cm × 30 cm pouch was prepared by stacking and heat-sealing two sheets so as to have a layer structure on the polypropylene film layer / content side. When the oxygen absorption amount in the pouch was measured using the obtained pouch, the result shown in FIG. 3 was obtained.
[0236]
(Example 2)
A thermoplastic resin (a) containing an antioxidant was prepared in the same manner as in Example 1. As the gas barrier resin (c), EVOH which is a polyvinyl alcohol resin was used. This EVOH had an ethylene content of 32 mol%, a saponification degree of 99.5%, and a melt flow rate (210 ° C.-2160 g load) of 8.4 g / 10 min. When the phosphate group content and the Na, K, and Mg ion contents of this EVOH were measured, they were 100 ppm, 20 ppm, 60 ppm, and 20 ppm, respectively. Furthermore, when the refractive index of this EVOH was measured, it was 1.533. The oxygen transmission rate is 0.4 ml · 20 μm / m.2-It was day-atm.
[0237]
5 parts by weight of the above thermoplastic resin (a), 95 parts by weight of EVOH, and 0.2121 parts by weight of cobalt stearate (II) (0.0200 parts by weight as cobalt atoms) were dry blended, and a 30 mmφ twin screw extruder (( Ex. Japan Steel Works TEX-30SS-30CRW-2V) was extruded at 210 ° C under the conditions of a screw speed of 300 rpm and an extruded resin amount of 25 kg / hour, pelletized, and then dried under reduced pressure at 30 ° C for 16 hours. A resin composition pellet was obtained. The melt flow rate (210 ° C.-2160 g load) of this resin composition was 9.5 g / 10 min. When the fracture surface of the resin composition pellet was observed with an electron microscope, particles of about 1 μm of the triblock copolymer, which is the thermoplastic resin (a), were dispersed in a matrix composed of EVOH.
[0238]
Using the obtained resin composition, film extrusion was performed at an extrusion temperature of 210 ° C. to obtain a film having a thickness of 20 μm. When the internal haze of the monolayer film obtained at this time was measured, it was 1.0%. Next, when the oxygen absorption amount of the film was measured, the result shown in FIG. 4 was obtained. The oxygen absorption rate of the resin composition calculated from the measurement results after 2 days (48 hours) and 8 days (192 hours) (calculated from the oxygen absorption rate (2) of the resin composition) was 0.498 ml / m.2-It was day.
[0239]
A stretched polypropylene film having a thickness of 20 μm (OP- # 20 U-1 manufactured by Tosero Co., Ltd.) is laminated on both surfaces of the film prepared using the resin composition, and a urethane-based adhesive (manufactured by Toyo Morton, product name: A laminated film was prepared by adhering using a toluene / methyl ethyl ketone mixed solution (weight ratio 1: 1) of AD335A and a curing agent (trade name: Cat-10, manufactured by Toyo Morton). The haze of this laminated film was 2.3%. Moreover, when the amount of oxygen permeation was measured over time using this laminated film, the results shown in FIG. 5 were obtained.
[0240]
Next, co-injection blow molding was performed using the above resin composition and the thermoplastic polyester resin produced by the following method to form a multilayer blow bottle.
[0241]
As the thermoplastic polyester resin, one prepared by using germanium dioxide as a polymerization catalyst was used. When the content of each structural unit of the polyester resin was measured by NMR, the content of terephthalic acid unit, ethylene glycol unit, and diethylene glycol unit in this polyester was 50.0 mol%, 48.9 mol%, and 1. It was 1 mol%.
[0242]
The intrinsic viscosity, melting point, and glass transition temperature were 0.83 dl / g, 252 ° C., and 80 ° C., respectively.
[0243]
In the co-injection blow molding, a Nissei ASB co-injection stretch blow molding machine (ASB-
[0244]
Thereafter, the surface temperature of the parison is heated to 105 ° C., stretch blow molding is performed, and an average thickness in the body is 200 μm for the inner layer PSE, 20 μm for the intermediate layer resin composition, and 70 μm for the outer layer PES. A co-injection blow molded bottle was obtained.
[0245]
Using the obtained bottle, the haze of the body of the bottle and the oxygen permeation amount of the bottle after storage for 10 days and after storage for 3 months were measured to be 2.7% and 0.00 cc / container · day · atm and 0.00 cc / container · day · atm.
[0246]
Example 3
5 parts by weight of the thermoplastic resin (a) obtained in Example 1, 95 parts by weight of EVOH used in Example 2, and 0.1060 parts by weight of cobalt (II) stearate (0.0100 parts by weight as cobalt atoms) And an oxygen-absorbing resin composition was obtained in the same manner as in Example 2. The melt flow rate (210 ° C.-2160 g load) of this resin composition was 9.3 g / 10 minutes. When the fracture surface of the obtained resin composition pellet was observed with an electron microscope, particles of about 1 μm of the triblock copolymer, which is the thermoplastic resin (a), were dispersed in a matrix made of EVOH.
[0247]
The obtained resin composition was subjected to film extrusion molding at an extrusion temperature of 210 ° C. to obtain a film having a thickness of 20 μm. When the internal haze of the monolayer film obtained at this time was measured, it was 0.9%. Next, when the oxygen absorption amount of the film was measured, the result shown in FIG. 4 was obtained. The oxygen absorption rate of the resin composition (calculated from the oxygen absorption rate (2) of the resin composition) calculated from the measurement results after 2 days and 8 days was 0.280 ml / m.2-It was day.
[0248]
Next, a laminated film was produced in the same manner as in Example 2. The haze of this laminated film was 2.2%. Using this laminated film, the amount of oxygen permeation was measured over time, and the results shown in FIG. 5 were obtained.
[0249]
Using the obtained resin composition and the same thermoplastic polyester resin as in Example 2, co-injection blow molding was performed in the same manner as in Example 2 to form a multilayer blow bottle. A three-layer multilayer co-injection blow-molded bottle composed of two types of resins having an average thickness in the body of 200 μm for the inner layer PES, 20 μm for the intermediate layer resin composition, and 70 μm for the outer layer PES was obtained.
[0250]
Using the obtained bottle, the haze of the body of the bottle and the oxygen permeation amount of the bottle after 10 days of molding and after storage for 3 months were measured to be 2.6% and 0.00 cc / container · day · atm and 0.00 cc / container · day · atm.
[0251]
(Example 4)
10 parts by weight of the thermoplastic resin (a) obtained in Example 1, 90 parts by weight of EVOH used in Example 2, and 0.2121 parts by weight of cobalt (II) stearate (0.0200 parts by weight as cobalt atoms) And an oxygen-absorbing resin composition was obtained in the same manner as in Example 2. The melt flow rate (210 ° C.-2160 g load) of this resin composition was 9.0 g / 10 min. When the fracture surface of the obtained resin composition pellet was observed with an electron microscope, particles of about 1 μm of the triblock copolymer, which is the thermoplastic resin (a), were dispersed in a matrix made of EVOH.
[0252]
The obtained resin composition was subjected to film extrusion molding at an extrusion temperature of 210 ° C. to obtain a film having a thickness of 20 μm. When the oxygen absorption amount of this film was measured, the result shown in FIG. 4 was obtained. The oxygen absorption rate of the resin composition calculated from the measurement results after 2 days and 8 days (calculated from the oxygen absorption rate (2) of the resin composition) was 0.595 ml / m.2-It was day.
[0253]
Next, a laminated film was produced in the same manner as in Example 2. Using this laminated film, the amount of oxygen permeation was measured over time, and the results shown in FIG. 5 were obtained.
[0254]
Using the resin composition and the same thermoplastic polyester resin as in Example 2, co-injection blow molding was performed in the same manner as in Example 2 to form a multilayer blow bottle. A three-layer multilayer co-injection blow-molded bottle composed of two types of resins having an average thickness in the body of 200 μm for the inner layer PES, 20 μm for the intermediate layer resin composition, and 70 μm for the outer layer PES was obtained.
[0255]
Using the obtained bottle, the oxygen permeation amount of the
[0256]
(Example 5)
5 parts by weight of thermoplastic resin (a) obtained in Example 1, ethylene content 44 mol%, saponification degree 99.5%, melt flow rate (210 ° C.-2160 g load) 13.0 g / 10 min, refraction Rate 1.528, oxygen permeation rate 1.5ml ・ 20μm / m2Using 95 parts by weight of EVOH of day and atm and 0.2121 parts by weight of cobalt stearate (II) (0.0200 parts by weight as cobalt atoms), an oxygen-absorbing resin composition was obtained in the same manner as in Example 2. It was. The melt flow rate (210 ° C.-2160 g load) of this resin composition was 10.5 g / 10 min. When the fracture surface of the obtained resin composition was observed with an electron microscope, particles of about 1 μm of the triblock copolymer, which is the thermoplastic resin (a), were dispersed in a matrix made of EVOH.
[0257]
The obtained resin composition was subjected to film extrusion molding at an extrusion temperature of 210 ° C. to obtain a film having a thickness of 20 μm. When the internal haze of the monolayer film obtained at this time was measured, it was 1.7%. When the oxygen absorption amount of this film was measured, the result shown in FIG. 4 was obtained. The oxygen absorption rate of the resin composition calculated from the measurement results after 2 days and 8 days (calculated from the oxygen absorption rate (2) of the resin composition) was 1.344 ml / m.2-It was day.
[0258]
Next, a laminated film was produced in the same manner as in Example 2. The haze of this laminated film was 2.9%. Next, when this laminated film was used to measure oxygen permeation over time, the results shown in FIG. 5 were obtained.
[0259]
Using the above resin composition and the same thermoplastic polyester resin as in Example 2, co-injection blow molding was performed in the same manner as in Example 2 to form a multilayer blow bottle. A three-layer multilayer co-injection blow-molded bottle composed of two types of resins having an average thickness in the body of 200 μm for the inner layer PES, 20 μm for the intermediate layer resin composition, and 70 μm for the outer layer PES was obtained.
[0260]
Using the obtained bottle, the haze of the body of the bottle and the oxygen permeation amount of the bottle after storage for 10 days and after storage for 3 months were measured to be 3.3% and 0.00 cc / container · day · atm and 0.00 cc / container · day · atm.
[0261]
(Comparative Example 1)
Using the EVOH resin used in Example 2 alone, film extrusion was performed at an extrusion temperature of 210 ° C. to obtain a film having a thickness of 20 μm. When the internal haze of the monolayer film obtained at this time was measured, it was 0.7%. Moreover, when the oxygen absorption amount of the film was measured, the result shown in FIG. 4 was obtained. The oxygen absorption rate of the EVOH resin calculated from the measurement results after 2 days and 8 days was 0.000 ml / m.2-It was day.
[0262]
Next, a laminated film was produced in the same manner as in Example 2. The haze of this laminated film was 2.0%. Next, when this laminated film was used to measure oxygen permeation over time, the results shown in FIG. 5 were obtained.
[0263]
Using the EVOH resin and the same thermoplastic polyester resin as in Example 2, co-injection blow molding was performed in the same manner as in Example 2 to form a multilayer blow bottle. A three-layer multilayer co-injection blow-molded bottle made of two kinds of resins having an average thickness in the body portion of 200 μm for the inner layer PES, 20 μm for the intermediate layer EVOH and 70 μm for the outer layer PES was obtained.
[0264]
Using the obtained bottle, the haze of the body of the bottle and the oxygen permeation amount of the bottle after 10 days and after storage for 3 months were measured to be 2.4% and 0.02 cc / container day. atm and 0.02 cc / container · day · atm.
[0265]
The results of the above test are summarized in Table 1 below.
[0266]
[Table 1]
[0267]
(Example 7)
The laminated film produced in Example 1 was punched into a gasket shape so as to fit a polypropylene screw cap body having an outer diameter of 65 mm and a bottom thickness of 1.2 mm, and this screw cap body was cap-side / stretched polypropylene film layer / urethane. It was attached so as to have a layer structure of a system adhesive layer / oxygen barrier film layer / urethane adhesive layer / oxygen absorbing film layer / urethane adhesive layer / stretched polypropylene film layer / content side. Subsequently, the cap with the gasket obtained was supplied to the mold of the gasket molding machine for compression molding, and an ethylene-1-butene copolymer ("POLYBUTYLENE 8240" manufactured by Shell Chemical: 1- 1) was added to the gasket molding machine for compression molding. Butene (99 mol% or more), ethylene (1 mol% or less) copolymer, density 0.908 g / cm3, MFR = 2.0 g / 10 min (210 ° C., 2160 g load)) and compression-molded to produce a cap with a multilayer gasket. At this time, the cylinder temperature of the compression molding machine was adjusted to 245 ° C, the nozzle temperature to 235 ° C, and the mold temperature to 30 ° C.
[0268]
The sealing performance of the cap container thus produced was evaluated as follows.
[0269]
200 ml of water was put into a cylindrical polyester blow bottle having an internal volume of 500 ml, a screw type cap was attached, and the cap was tightened as shown in the following evaluation method. After that, the bottle body was held by hand and shaken up and down 20 times. As a result, the liquid leakage state was observed and classified according to the following four stages.
A: Even if it is lightly tightened with a fingertip, it does not leak at all.
B: Leaking simply by tightening with a fingertip causes the screw part of the cap to get wet.
C: It leaks only by lightly tightening with a fingertip, and water splashes outside the cap, but does not leak if tightened strongly.
D: Leaks even if tightened strongly.
As a result of the evaluation, it was “A” and showed a good sealing property.
[0270]
(Example 8)
Using the laminated film obtained in Example 2, the test was conducted in the same manner as in Example 7.
As a result, an evaluation of A was obtained.
[0271]
【The invention's effect】
According to the present invention, a resin composition or resin excellent in oxygen absorbability can be obtained. Such a resin or resin composition is easy to handle, and can be prepared into a molded article having an arbitrary shape. Molded articles prepared using these, such as films and containers, are excellent in oxygen absorption and gas barrier properties, and good transparency can be obtained by appropriately selecting a resin. Therefore, the resin composition or resin of the present invention is useful as a container for storing articles that are susceptible to deterioration due to oxygen, such as foods and pharmaceuticals. Moreover, it is also useful as an oxygen scavenger because of its excellent oxygen scavenging function and ease of handling.
[0272]
A multilayer structure using the resin or resin composition, for example, a packaging material made of a multilayer film is also preferably used because it has the above-mentioned excellent performance. In particular, a container made of a multilayer film having a total layer thickness of 300 μm or less, or a multilayer container laminated with a thermoplastic polyester layer is suitable for use in containers that require transparency in addition to the oxygen-absorbing property or gas barrier property. Preferably used.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph plotting oxygen absorption of the single-layer film of Example 1 against time.
FIG. 2 is a graph in which the oxygen transmission rate of the multilayer film of Example 1 is plotted against time.
3 is a graph in which the oxygen absorption amount in the pouch made of the multilayer film of Example 1 is plotted against time. FIG.
4 is a graph plotting oxygen absorption amounts of the resin compositions of Examples 2 to 5 and the EVOH resin of Comparative Example 1 against time. FIG.
FIG. 5 is a graph in which oxygen permeation amounts of the multilayer structures of Examples 2 to 5 and Comparative Example 1 are plotted against time.
Claims (15)
で示される構造単位を含むポリイソプレンブロック、およびポリスチレンブロックから主としてなる樹脂であって、該構造単位中の炭素−炭素二重結合が0.0001eq/g以上の割合で含有される熱可塑性樹脂(a)と;金属元素換算で1〜10000ppmの遷移金属塩(b)と;を含有し、該熱可塑性樹脂(a)中のビニル結合含有量が10%以上である、酸素吸収性樹脂組成物。The number average molecular weight is in the range of 1,000 to 500,000, and the structural formula (I):
A thermoplastic resin mainly comprising a polyisoprene block containing a structural unit represented by formula (II) and a polystyrene block , wherein the carbon-carbon double bond in the structural unit is contained at a rate of 0.0001 eq / g or more. an oxygen-absorbing resin composition comprising: a); 1 to 10,000 ppm of a transition metal salt (b) in terms of a metal element, and a vinyl bond content in the thermoplastic resin (a) of 10% or more . .
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000057661A JP4646349B2 (en) | 1999-03-03 | 2000-03-02 | Oxygen-absorbing resin composition |
Applications Claiming Priority (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5526499 | 1999-03-03 | ||
JP11-55264 | 1999-03-03 | ||
JP16119199 | 1999-06-08 | ||
JP11-161191 | 1999-06-08 | ||
JP11-218669 | 1999-08-02 | ||
JP21866999 | 1999-08-02 | ||
JP2000057661A JP4646349B2 (en) | 1999-03-03 | 2000-03-02 | Oxygen-absorbing resin composition |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001106866A JP2001106866A (en) | 2001-04-17 |
JP4646349B2 true JP4646349B2 (en) | 2011-03-09 |
Family
ID=27463180
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000057661A Expired - Lifetime JP4646349B2 (en) | 1999-03-03 | 2000-03-02 | Oxygen-absorbing resin composition |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4646349B2 (en) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002146142A (en) * | 2000-09-01 | 2002-05-22 | Kuraray Co Ltd | Ethylene-vinyl alcohol copolymer composition and multilayer container using the same |
Families Citing this family (23)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE60134153D1 (en) | 2000-09-01 | 2008-07-03 | Kuraray Co | RESIN COMPOSITION AND MULTILAYER CONTAINERS |
JP2003011288A (en) * | 2001-07-03 | 2003-01-15 | Kuraray Co Ltd | Multilayered structural body |
JP4590823B2 (en) * | 2002-02-19 | 2010-12-01 | 凸版印刷株式会社 | Oxygen-absorbing resin composition and laminate and package using the same |
JP4692279B2 (en) * | 2002-08-23 | 2011-06-01 | 凸版印刷株式会社 | Oxygen-absorbing resin composition, laminate, and package |
ATE551393T1 (en) * | 2002-08-23 | 2012-04-15 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | OXYGEN ABSORBING RESIN COMPOSITION AND LAYER PRODUCT |
JP4304147B2 (en) * | 2003-12-03 | 2009-07-29 | 株式会社クラレ | Oxygen-absorbing resin composition |
CA2488485C (en) | 2003-12-03 | 2010-02-23 | Kuraray Co., Ltd. | Oxygen absorption resin composition |
JP2006056530A (en) * | 2004-08-17 | 2006-03-02 | Dainippon Printing Co Ltd | Packaging product |
JP5585795B2 (en) * | 2004-11-24 | 2014-09-10 | 東洋製罐株式会社 | Oxygen-absorbing resin composition |
JP5019248B2 (en) * | 2004-11-24 | 2012-09-05 | 東洋製罐株式会社 | Oxygen-absorbing resin composition |
JP2006249204A (en) * | 2005-03-10 | 2006-09-21 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | Resin composition |
JP4914064B2 (en) * | 2005-03-31 | 2012-04-11 | 出光ユニテック株式会社 | Multi-layer tape and package for heat bonding |
JP5089071B2 (en) * | 2005-04-05 | 2012-12-05 | 日本合成化学工業株式会社 | Resin composition |
JP4863042B2 (en) * | 2005-04-13 | 2012-01-25 | 大日本印刷株式会社 | Packaging products |
JP2006335809A (en) * | 2005-05-31 | 2006-12-14 | Kuraray Co Ltd | Oxygen absorbing resin composition, molded article, and method of absorbing oxygen |
JP5268014B2 (en) * | 2005-07-19 | 2013-08-21 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | Pellets for oxygen-absorbing resin composition and oxygen-absorbing resin composition |
US20100086755A1 (en) * | 2005-09-27 | 2010-04-08 | Kyoraku Co., Ltd. | Oxygen barrier multilayer structure, and multilayer packaging material and multilayer container using same |
WO2007040060A1 (en) | 2005-09-30 | 2007-04-12 | Kuraray Co., Ltd. | Oxygen absorbing composition and containers made by using the same |
WO2007126157A1 (en) | 2006-04-28 | 2007-11-08 | Kuraray Co., Ltd. | Oxygen-absorbing resin composition |
EP2065443B1 (en) | 2006-09-12 | 2012-02-01 | Kuraray Co., Ltd. | Oxygen-absorbing resin composition |
EP2873698B1 (en) | 2012-07-10 | 2020-08-19 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Oxygen-absorbing resin composition |
JP7157760B2 (en) * | 2017-11-22 | 2022-10-20 | 株式会社クラレ | Resin composition, laminate and package |
JP7506855B2 (en) * | 2019-03-28 | 2024-06-27 | 大日本印刷株式会社 | Laminate, packaging material, packaging bag and stand-up pouch |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08502202A (en) * | 1992-10-01 | 1996-03-12 | ダブリユ・アール・グレイス・アンド・カンパニー・コネテイカツト | Improved oxygen scavenging composition for use at low temperatures |
-
2000
- 2000-03-02 JP JP2000057661A patent/JP4646349B2/en not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08502202A (en) * | 1992-10-01 | 1996-03-12 | ダブリユ・アール・グレイス・アンド・カンパニー・コネテイカツト | Improved oxygen scavenging composition for use at low temperatures |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002146142A (en) * | 2000-09-01 | 2002-05-22 | Kuraray Co Ltd | Ethylene-vinyl alcohol copolymer composition and multilayer container using the same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001106866A (en) | 2001-04-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4503768B2 (en) | Gas barrier resin composition | |
JP4646349B2 (en) | Oxygen-absorbing resin composition | |
US6599598B1 (en) | Oxygen absorptive resin composition | |
KR100490710B1 (en) | Oxygen absorptive resin composition | |
KR100615842B1 (en) | A resin composition, and a multilayered structure, a multilayered container and a cap comprising the resin composition | |
JP5457030B2 (en) | Oxygen-absorbing resin composition | |
KR100780567B1 (en) | Oxygen absorption resin composition and a molded product comprising the same | |
JP5133094B2 (en) | Oxygen-absorbing resin composition | |
JP5385494B2 (en) | Resin composition and multilayer container | |
JP4889891B2 (en) | Resin composition and multilayer container | |
JP5143322B2 (en) | Resin composition with excellent gas barrier properties | |
JP2008213840A (en) | Oxygen-absorbing packaging material and package | |
JP5143321B2 (en) | Resin composition having gas barrier properties | |
JP5073137B2 (en) | Ethylene-vinyl alcohol copolymer composition and multilayer container using the same | |
JP4823411B2 (en) | Oxygen-absorbing resin composition | |
JP4786826B2 (en) | Resin composition | |
JP4781507B2 (en) | Multilayer structure | |
JP2002144501A (en) | Multi-layer structure | |
JP2003011288A (en) | Multilayered structural body |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20061109 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081201 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100223 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100421 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100622 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100908 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100910 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20100909 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20101004 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20101130 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20101207 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4646349 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |