JP4642180B2 - Method for producing acicular apatite particles - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、針状アパタイト粒子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アパタイトは人体の骨を形成する物質と同じ組成であり、生体内に埋入された場合、生体との親和性が良く、自家骨との接合性も良いので、焼結したアパタイトが、人工骨や人工歯などの代替材料として用いられている。また蛋白質との親和性やアパタイト自体の有するイオン交換能を利用してクロマトグラフィー用の充填材やイオン交換材などにも用いられている。
【0003】
このような焼結体やカラムの充填材としてアパタイトを用いる場合、一般的には、その粒子のサイズが微細であり、またその形状は針状であるほうが、比表面積が大きく、密な充填が可能となるため、特性がよいとされている。またアパタイトはプラスチックやゴム等を強化するために、フィラーとしても利用されているが、この目的で用いる場合にも、微細でかつ針状である方が補強効果に優れる。このように、各種用途において、微細かつ高度に針状化したアパタイト粒子の製造が強く求めらている。
【0004】
アパタイトの製造方法としては、一般的には、(1)湿式合成法、(2)水熱合成法、(3)乾式合成法が用いられる。より具体的には、(1)湿式合成法は、カルシウム塩水溶液とリン酸塩水溶液を反応させてCa/P=1.40〜1.67の微粒子状のリン酸カルシウムを得る方法であり、その具体例としては、特開平1−167209号公報に開示されている製造方法、すなわち、塩化カルシウムとリン酸水素二カリウムの縣濁水溶液をPH4以上、70℃程度に保った条件下で、生成するヒドロキシアパタイトを熟成させる方法を挙げることができる。
【0005】
(2)水熱合成法は、その具体例としては、特公昭59−51485号公報に開示されている方法、すなわち、リン酸水素カルシウム2水和物(又はリン酸水素カルシウム)に水酸化カルシウムを加えて、オートクレーブ中で200〜400℃、15〜200気圧の熱水条件下で反応させる方法を挙げることができる。また、吉村昌弘らにより、日本化学会誌、1991,(10)、p.1402〜1407で開示されている方法、すなわち、低結晶性アパタイトにエチレンジアミン四酢酸などの添加物を加えて、水熱合成する方法も挙げることができる。この方法を用いた場合、針状化したアパタイトが得られるとされている。
【0006】
(3)乾式合成法は、その具体例としては、特公昭59−51458号公報に開示されている方法、すなわち、オクタカルシウムフォスフェートにカルシウム化合物を加え1000℃〜1300℃で固相反応させる方法を挙げることができる。
しかしながら、本発明者らの検討によると、前記の従来技術では、微細で高度に針状化したアパタイトを高収率で得ることは難しく、このため、アパタイトの各種用途への応用が著しく制限されているというのが現状であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、生体用材料、カラムなどの充填材、更にはプラスチックやゴムなどの補強材などの各種用途に好適な、微細でかつ高度に針状化したアパタイトを効率的に得る製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決する目的で、鋭意研究を重ねた結果、特定のカルシウム化合物と特定のリン酸あるいは亜リン酸エステル化合物とを原料とし、特定の条件下で水熱合成することで、微細でかつ高度に針状化したアパタイトを効率的に合成できることを見出し、本発明をなすに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、(1)(A)リンとカルシウムとのモル比(P/Ca)が0.1以下のカルシウム化合物および(B)下記一般式(1)で示されるリン酸エステル化合物あるいは下記一般式(2)で示される亜リン酸のエステル化合物を、(C)水または親水性有機溶媒の中から選ばれた少なくとも1種からなる溶媒に混合して得られる原料液を、120℃以上かつ加圧の条件下で、水熱合成することを特徴とする針状アパタイト粒子の製造方法、
(RO) n PO(OH) 3-n (1)
(式中、nは1、2あるいは3を表し、Rはアルキル基、フェニル基、あるいはそれらの基の一部が炭化水素基で置換された置換基アルキル基を表す。)
(RO) n P(OH) 3-n (2)
(式中、nは1、2あるいは3を表し、Rはアルキル基、フェニル基、あるいはそれらの基の一部が炭化水素基で置換された置換基アルキル基を表す。)
【0010】
(2)原料液が均一溶解溶液であることを特徴とする上記1記載の針状アパタイト粒子の製造方法、
(3)原料液のカルシウムとリンとのモル比(Ca/P)が1.55〜1.70であることを特徴とする上記1あるいは2記載の製造方法、
(4)上記1〜2記載の方法により製造される、カルシウムとリンとのモル比(Ca/P)が1.55〜1.67であり、平均繊維径が100nm以下であり、かつ平均アスペクト比が10以上であることを特徴とする針状アパタイト粒子、である。以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】
本発明は、微細でかつ高度に針状化したアパタイト粒子を得るための水熱合成法に係わる。
本発明の(A)カルシウム化合物とは、リンとカルシウムとのモル比(P/Ca)が0.1以下のカルシウム化合物であれば特に制限されないが、好ましいものとしては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、フッ化カルシウムなどの難溶性カルシウム化合物や、
【0012】
塩化カルシウム、硝酸カルシウム、蟻酸カルシウム、酢酸カルシウムなど水溶性カルシウム化合物、エチレンジアミン四酢酸カルシウム錯体やシクロヘキサンジアミン四酢酸カルシウム錯体、グリコールエーテルジアミン四酢酸カルシウム錯体、ジエチレントリアミン五酢酸カルシウムなどカルシウム錯体化合物、
【0013】
フマル酸、酒石酸、リンゴ酸、こはく酸等のカルボン酸との塩類など、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。この中でも、より微細でかつ針状化したアパタイトを得るという観点から、好ましいものしては、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、蟻酸カルシウム、酢酸カルシウムなどの水溶性カルシウム化合物を挙げることができる。これらは一種類で用いてもよいし、または二種類以上組み合わせて用いても良い。
【0014】
該カルシウム化合物の製造方法は特に制限されるものでなく、例えば炭酸カルシウムの場合を例にとると、天然材の粉砕品であっても、化学的に合成されたものであってもかまわない。また、その結晶形態や形状も特に制限されるものではなく、炭酸カルシウムの場合を例にとると、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、コロイド炭酸カルシウム、アラゴナイト型炭酸カルシウム、バテライト型炭酸カルシウム、針状型炭酸カルシウムなど、あるいはこれらの混合品など、いずれを用いてもかまわない。
【0015】
本発明においては、該カルシウム化合物全体としてリンとカルシウムとのモル比(P/Ca)が0.1以下であればよい。従って、前記リンとカルシウムとのモル比(P/Ca)が0.1以下のカルシウム化合物と、リンとカルシウムとのモル比(P/Ca)が0.1を越えるカルシウム化合物とを混合して用いてもかまわない。リンとカルシウムとのモル比(P/Ca)が0.1を越える場合には、微細でかつ針状化したアパタイトが得にくくなる傾向にある。
【0016】
ここで、リンとカルシウムとのモル比(P/Ca)が0.1を越えるカルシウム化合物としては、例えば、リン酸一水素カルシウム(CaHPO4・mH2O、但し0≦m≦2である。)、二リン酸二水素カルシウム(CaH227)、リン酸二水素カルシウム一水和物(Ca(H2PO42・H2O)
、二リン酸カルシウム(α−およびβ−Ca227)、リン酸三カルシウム(α−およびβ−Ca3(PO42)、
リン酸四カルシウム(Ca4(PO42O)、リン酸八カルシウム五水和物(Ca82(PO46・5H2O)、亜リン酸カルシウム一水和物(CaHPO3・H2O)、次亜リン酸カルシウム(Ca(H2PO22)などを挙げることができる。
【0017】
また、前記(A)リンとカルシウムとのモル比(P/Ca)が0.1以下のカルシウム化合物のほかに、カルシウム以外の金属元素を含有する金属化合物を加えてもかまわない。
該金属元素としては、カルシウム以外の金属元素であれば特に制限されず、具体的には、元素周期律表の1、2(カルシウムを除く)、3、4、5、6、7、8、11、12、13族元素およびスズ、鉛などを挙げることができる。
【0018】
該金属元素を含有する金属化合物としては、カルシウムを除く金属化合物であれば特に制限されないが、好ましいものとしては、例えば、金属水酸化物(水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、水酸化マンガンなど)、金属塩化物(塩化マグネシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウム、
【0019】
塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化マンガンなど)、金属フッ化物(フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アルミニウムなど)、金属臭化物(臭化カリウムなど)、金属ヨウ化物(ヨウ化カリウム、ヨウ化銅など)、
【0020】
金属酸化物(酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなど)、炭酸金属塩(炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アルミニウムなど)、硫酸金属塩(硫酸カリウムなど)、硝酸金属塩(硝酸カリウムなど)、ケイ酸金属塩(ヘキサフルオロケイ酸ナトリウムなど)などの無機金属化合物や、金属元素とモノカルボン酸との化合物(酢酸銅、ステアリン酸アルミニウムなど)、
金属元素とジカルボン酸との化合物(アジピン酸カリウムなど)、金属元素とトリカルボン酸との化合物(クエン酸カリウムなど)など、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
【0021】
前記カルシウム化合物と、カルシウム以外の金属からなる金属化合物とを混合する場合には、該混合物の全金属元素に対して、カルシウムの含有率が、70mol%以上程度、好ましくは80mol%、最も好ましくは90mol%以上程度になるような割合で混合すれば良い。上記範囲を外れた場合には、微細でかつ針状化したアパタイトを得にくくなる傾向にある。
本発明の(B)リン酸あるいは亜リン酸のエステル化合物は、特に限定されないが、好ましいリン酸エステル化合物としては、下記一般式で示される。
(RO)nPO(OH)3-n
【0022】
ここで、nは1、2あるいは3を表し、Rはアルキル基、フェニル基、あるいはそれらの基の一部が炭化水素基などで置換された置換基アルキル基であることが好ましい。前記一般式内の(RO)基は、同じでも異なっていてもよい。前記のRとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル、n−ヘキシル、
n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ステアリル基、オレイル基などの脂肪族基、フェニル基、ビフェニル基などの芳香族基、あるいはヒドロキシ基、メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、ノニル基、メトキシ基、エトキシ基などの置換基を有する芳香族基などを挙げることができる。
【0023】
この中でも、より好ましいものとしては、具体的には、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリブトキシエチル、リン酸トリス(2−エチルヘキシル)、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニルクレシル、リン酸トリクレシル、リン酸ビフェニル、リン酸トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)、
【0024】
リン酸トリス(1,5−ジ−t−ブチルフェニル)、リン酸トリス(ジメチルフェニル)、リン酸トリス(イソプロピルフェニル)、リン酸オクチルジフェニルなど、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。最も好ましいものとしては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチルあるいはこれらの混合物を挙げることができる。
【0025】
また、好ましい亜リン酸エステル化合物は、下記一般式で示される。
(RO)nP(OH)3-n
ここで、nは1、2あるいは3を表し、Rはアルキル基、フェニル基、あるいはそれらの基の一部が炭化水素基などで置換された置換基アルキル基を表す。前記一般式内の(RO)基は、同じでも異なっていてもよい。前記のRとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ステアリル基、オレイル基などの脂肪族基、フェニル基、ビフェニル基などの芳香族基、あるいはヒドロキシ基、メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、ノニル基、メトキシ基、エトキシ基などの置換基を有する芳香族基などを挙げることができる。
【0026】
この中でも、より好ましいものとしては、具体的には、亜リン酸エチル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジプロピル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリプロピル、亜リン酸トリブチル、亜リン酸トリオクチル、亜リン酸トリブトキシエチル、亜リン酸トリス(2−エチルヘキシル)、亜リン酸トリフェニル、
亜リン酸ジフェニルクレシル、亜リン酸トリクレシル、亜リン酸ビフェニル、亜リン酸トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)、亜リン酸トリス(1,5−ジ−t−ブチルフェニル)、亜リン酸トリス(ジメチルフェニル)、亜リン酸トリス(イソプロピルフェニル)、亜リン酸オクチルジフェニルなど、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
【0027】
本発明においては、前記リン酸エステルあるいは亜リン酸エステルは、1種で用いてもよいし、2種以上、例えばリン酸トリエチルと亜リン酸トリフェニルを混合して用いるように、組み合わせてもかまわない。
本発明の前記(A)リンとカルシウムとのモル比(P/Ca)が0.1以下のカルシウム化合物と(B)リン酸あるいは亜リン酸のエステル化合物との配合割合は、特に限定されないが、目的のアパタイトを効率的に得るといった観点で、カルシウムとリンとのモル比(Ca/P)が1.0〜2.0の範囲になるように配合するのが好ましく、1.40〜1.80の範囲がより好ましく、1.55〜1.70の範囲が最も好ましい。Ca/Pが上記範囲を外れた場合には、微細で針状化したアパタイトが得られにくくなる傾向にある。
【0028】
本発明の(C)水または親水性有機溶媒の中から選ばれた少なくとも1種からなる溶媒における、親水性有機溶媒とは、水と相溶する溶媒であれば特に限定しないが、好ましいものとしては、例えばメタノール、エタノール、エチレングリコール等アルコール系溶媒やN,N−ジメチルホルムアミド、アセチルアセトアミド等のアミド系溶媒、その他アセトン、エーテル、ジメチルスルフォキシドなど、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。また水と上記親水性有機溶媒とを混合して用いてもかまわない。
【0029】
混合する場合の配合割合については特には限定されないが、両者が相分離しない程度が好ましい。
本発明の原料液は、前記(A)リンとカルシウムとのモル比(P/Ca)が0.1以下のカルシウム化合物、(B)リン酸またはは亜リン酸のエステル化合物を、(C)水または親水性有機溶媒の中から選ばれた少なくとも1種からなる溶媒に混合し得られるものであって、(A)および(B)の混合原料が(C)の溶媒に溶解した均一溶解溶液、あるいは(A)および(B)の混合原料の一部または全部が(C)の溶媒中に縣濁した懸濁液であることが好ましい。中でも、より微細でかつ針状化したアパタイトが得られるという理由から、原料液は、均一溶解溶液であることがより好ましい。
【0030】
原料液における混合原料濃度、すなわち(C)の総重量に対する(A)および(B)の総重量比は特に限定されるものではないが、原料液が均一溶解あるいは縣濁液となる混合原料濃度を任意に選んで用いればよい。好ましくは(C)の総重量100重量部に対して、(A)および(B)の総重量は1〜200重量部であり、さらに好ましくは5〜100重量部である。
前記原料液を構成する(A)、(B)、(C)を配合する順序、および方法は特に限定されない。また攪拌機、超音波、あるいはホモジナイザーなどによって攪拌した状態で混合してもかまわない。
【0031】
本発明においては、原料液を均一溶解溶液あるいは懸濁液として長時間安定化するために、必要に応じて、分散剤あるいはカップリング剤などを添加してもかまわない。
前記分散剤は、特に制限するものではなく、公知の分散剤を用いることができる。例えば、「分散・凝集の解明と応用技術,1992年」(北原文雄監修・株式会社テクノシステム発行)の232〜237ページに記載されているようなアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などを用いることができる。
【0032】
これらの中でもアニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤を用いることが好ましく、特に、価格および物性の観点から、クエン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ショ糖ステアリン酸エステルなどのショ糖エステル類などを用いることがより好ましい。
前記カップリング剤は、特に制限するものではなく、公知のカップリン剤を用いることができる。中でも、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤が好ましいものとして挙げることができる。
【0033】
シラン系カップリング剤としては、トリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(1,1−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
【0034】
N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル−トリス(2−メトキシ−エトキシ)シラン、N−メチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
【0035】
トリアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−4,5ジヒドロイミダゾールプロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレアなど、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
【0036】
この中でもγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(1,1−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのアミノシランおよびエポキシシランが経済性に優れ、取り扱い易いため、好ましく用いられる。
【0037】
チタン系カップリング剤は、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(1,1−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、
【0038】
ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネートイソプロピルトリクミルフェニルチタネート、
イソプロピルトリ(N−アミドエチル、アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネートなど、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
【0039】
前記原料(A)および(B)を溶媒(C)に配合する温度は、取り扱い易さという観点から、好ましくは100℃未満であり、より好ましくは70℃未満であり、更に好ましくは40℃未満である。
本発明の水熱合成は、120℃以上の温度条件でかつ加圧条件下で行う水熱合成である。
水熱合成温度は120℃以上の範囲であるが、微細でかつ針状化したアパタイトを効率的に得るという観点から、好ましくは150℃〜400℃であり、より好ましくは200℃〜375℃である。
【0040】
また、水熱合成の圧力は、加圧下であれば特に限定されないが、微細でかつ針状化したアパタイトを効率的に得るという観点から、好ましくは0.5MPa以上であり、より好ましくは1.0Mpa以上であり、更には1.5Mpa以上であり、最も好ましくは2.0Mpa以上である。
【0041】
水熱合成の方法は、特に限定はされないが、例えば原料液をオートクレーブなどの反応容器に封入し、窒素などの不活性ガスで置換したあと、密閉状態で前記温度条件下、飽和水蒸気圧程度の圧力条件下で行う方法や、あるいは水熱合成中に、反応容器から水あるいは親水性溶媒を抜き出し、飽和水蒸気圧より低い圧力で行う方法や、これらを組み合わせた方法などを用いることができる
本発明で用いられる水熱合成を行う装置は、オートクレーブなどの耐圧反応容器を用いることができ、特に限定されるものではない。中でも針状アパタイト粒子を得るといった観点から、攪拌装置を装備しているオートクレーブ型反応容器が最も好ましい。
【0042】
水熱合成時間は、反応を完結させるため、任意に決めることができるが、2時間以上とすることが好ましく、さらに好ましくは4時間以上である。
本発明のアパタイトとは、下記一般式で示される。
(X)10-z(HPO4z(PO46-z(Y)2-z・nH2
ここで、0≦z<1、0≦n≦16であり、(X)は金属元素、また(Y)は陰イオンまたは陰イオン化合物であるが、0≦z<0.5、0≦n≦4であることがより好ましい。
【0043】
金属元素(X)はカルシウムが好ましいが、カルシウムと、元素周期律表の1、2(カルシウムを除く)、3、4、5、6、7、8、11、12、13族元素およびスズ、鉛などとの混合物であってもかまわない。この中でも、本発明においては、微細でかつ針状のアパタイト粒子を得るという観点から、カルシウム以外の金属元素としては、2族元素であるマグネシウム、ストロンチウム、バリウム、あるいはこれらの2種以上からなる混合物であることが特に好ましい。金属元素(X)の中のカルシウムの割合は、70mol%以上程度、好ましくは80mol%程度以上である。上記範囲を外れた場合には、微細でかつ針状化したアパタイト粒子が得られにくくなる傾向にある。
【0044】
前記一般式中の(Y)で示される陰イオンまたは陰イオン化合物としては、水酸イオン(OH-)、フッ素イオン(F-)、塩素イオン(Cl-)などを挙げることができる。これら陰イオン元素または陰イオン化合物は1種であっても、2種以上であってもかまわない。また、前記一般式中のリン酸水素イオン(HPO4 2-)、リン酸イオン(PO4 3-)、あるいは(Y)の一部が炭酸イオン(CO3 2-)に置換した炭酸含有アパタイトであってもよい。
【0045】
本発明においては、前記アパタイト型化合物の中、金属元素(X)がカルシウムである水酸アパタイト((Y)が水酸イオン)、フッ素化アパタイト((Y)の一部または全部がフッ素イオン)、塩素化アパタイト((Y)の一部または全部が塩素イオン)、炭酸含有水酸アパタイト、炭酸含有フッ素化アパタイト、炭酸含有塩素化アパタイト、さらには、これらの混合物が最も好ましく用いられる。
【0046】
また、この場合、カルシウムとリンとのモル比(Ca/P)は、1.51〜1.75であり、好ましくは1.53〜1.70であり、最も好ましくは1.55〜1.67である。カルシウムとリンとのモル比は、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析を用いて、前記原料液の場合と同様にして求めることができる。Ca/Pが上記範囲を外れると、微細で針状化したアパタイトが得にくくなる傾向にある。
【0047】
本発明において、カルシウムなどの金属元素やリンの定量は、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析を用いて行うことができる。より具体的には、原料、原料液あるいは生成したアパタイト粒子0.5gを白金皿に秤量し、500℃電気炉で炭化し、冷却後、塩酸5mlおよび純水5mlを加えヒーター上で煮沸溶解する。再び冷却し、純水を加え500mlとし、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析により、カルシウムの特性波長317.933nmにてカルシウム濃度を定量する。カルシウム以外の金属の場合は、目的とする金属の特性波長を用いることにより、同様に定量することができる。
【0048】
一方、原料、原料液あるいはアパタイト粒子0.5gを秤量し濃硫酸を20ml加え、ヒーター上で湿式分解し、冷却後、過酸化水素5mlを加え、ヒーター上で加熱し、全量が2〜3mlになるまで濃縮した。再び冷却し、純水で500mlとし、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析により、リンの特性波長213.618(nm)にてリン濃度を定量する。
【0049】
本発明の製造方法により得られる粒子がアパタイトである確認は、例えば、広角X線回折、赤外吸収スペクトルなどで確認する方法などによれば良い。広角X線回折での確認方法をより具体的に述べれば、X線の線源として、銅Kα(波長λ=0.1542nm)を用いて、広角X線回折を測定し、回折角(2θ)が25.5〜26.5度に(002)面ピークが存在し、さらに回折角(2θ)が32.5〜33.5度に(300)面ピークが存在することを確認すればよい。
【0050】
本発明の製造方法では、アパタイトの収率が75%以上、より好ましくは80%以上、更には90%以上、最も好ましくは95%である。本発明のおけるアパタイトの収率とは、広角X線回折を用いて求める。より具体的には、X線の線源として、銅Kα(波長λ=0.1542nm)を用いて測定した広角X線回折から、アパタイト由来の(002)面ピーク強度と、アパタイト以外、例えば炭酸カルシウムの場合には約29度の(104)面ピーク、リン酸水素カルシウム二水和物の場合には約12度の(020)面ピーク、リン酸三カルシウム(Ca3(PO42)の場合には約31度の(0210)面ピーク強度の比から算出することができる。
【0051】
本発明のアパタイト粒子は、重量平均繊維径が100nm以下であり、かつ重量平均繊維長と重量平均繊維径の比である平均アスペクト比が4以上、好ましくは6以上、最も好ましくは10以上である。ここで、前記重量平均繊維長、重量平均繊維径、および平均アスペクト比は、単位体積中に繊維長Li、繊維径Diのアパタイト粒子がNi個存在するとき、
【0052】
重量平均繊維長L=ΣLi2Ni/ΣLiNi
重量平均繊維径D=ΣDi2Ni/ΣDiNi
平均アスペクト比L/D=(ΣLi2Ni/ΣLiNi)/(ΣDi2Ni/ΣDiNi)
と定義することができる。実際には、得られたアパタイト粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)(写真倍率5.0万倍)により観察し、最低500個の粒子を任意に選択し、繊維長L、繊維径Dを算出する。その後、これらの値から重量平均繊維径、平均アスペクト比を上記の計算式に従って求めることができる。
【0053】
本発明により得られるアパタイト粒子は、微細でかつ高度に針状化したアパタイトであり、焼結体原料、カラム充填材、イオン交換材、プラスチックやゴムの補強材として好適に用いられることが期待できる。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例、比較例において記載した評価は、以下の方法により実施した。
【0055】
(1)広角X線回折
測定条件は以下のとうりである。
X線:銅Kα
波数:0.1542nm
管電圧:40KV
管電流:200mA
走査速度:4deg./min
発散スリット:1deg.
散乱スリット:1deg.
受光スリット:0.15mm
【0056】
(2)走査型電子顕微鏡(SEM)観察
日立製作所(株)製S−5000用いて、5.0万倍の明視野像を撮影し、2000個の粒子を任意に選択して、アパタイトの重量平均繊維径および平均アスペクト比を求めた。
【0057】
(3)原料、原料液あるいはアパタイト粒子の、カルシウムとリンとのモル比(Ca/P)
原料、原料液あるいはアパタイト粒子のカルシウムおよびリンを定量し、モル比を算出した。
(a)カルシウムの定量:
原料、原料液あるいはアパタイト粒子0.5gを白金皿に秤量し、500℃電気炉で炭化する。冷却後、塩酸5mlおよび純水5mlを加えヒーター上で煮沸溶解する。再び冷却し、純水を加え500mlとした。装置はThermoJarrellAsh製IRIS/IPを用いて、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析により、波長317.933nmにて定量した。
【0058】
(b)リンの定量:
原料、原料液あるいはアパタイト粒子0.5gを秤量し濃硫酸を20ml加え、ヒーター上で湿式分解した。冷却後、過酸化水素5mlを加え、ヒーター上で加熱し、全量が2〜3mlになるまで濃縮した。再び冷却し、純水で500mlとした。装置はThermoJarrellAsh製IRIS/IPを用いて、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析により、波長213.618(nm)にて定量した。
【0059】
【実施例1】
酢酸カルシウム一水和物300.0g(1.70モル)とリン酸トリエチル186.0g(1.02モル)とを、蒸留水1000mlに、40℃の温度条件下で配合し原料液とした。この原料液は、原料が溶媒に溶解した均一溶解溶液であった。その後、撹拌装置を有する5Lオートクレーブ中に原料液を入れ、250rpmで撹拌しながら、窒素で十分置換した後、220℃に昇温した。この時の圧力は2.5Mpaであった。この状態を4時間保持し水熱合成を行った。その後、加熱をやめ室温まで冷却し、撹拌装置を停止し、白色懸濁液を抜き出した。得られた白色懸濁液を、濾過・水による洗浄を十分な回数、繰り返し行った後、80℃にて乾燥し白色粉末を得た。評価結果を表1に示す。
【0060】
【実施例2】
平均粒子径が100nmの軽質炭酸カルシウム105.2g(1.05モル)を200mlの蒸留水および分散剤として、ポリアクリル酸アンモニウム2.5gを加え、安定な懸濁液とした。該炭酸カルシウムの懸濁液、およびリン酸トリエチル114.8g(0.63モル)とを、40℃の条件下、蒸留水1800mlに配合し、原料液とした。この原料液は、白色の縣濁液であった。以後の操作は、実施例1と同様にして実施した。評価結果を表1に示す。
【0061】
【実施例3】
酢酸カルシウム一水和物338.9g(1.92モル)、平均粒径3μmのフッ化カルシウム16.7g(0.21モル)、ならびにリン酸トリエチル232.5g(1.28モル)とを、蒸留水1000mlに、40℃の温度条件下で配合し原料液とした。この原料液は、白色の縣濁液であった。以後の操作は、実施例1と同様にして実施した。
【0062】
【実施例4】
針状炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)ウイスカルA)192.2g(1.92モル)、平均粒子径3μmのフッ化カルシウム16.7g(0.21モル)、ならびにリン酸トリエチル232.5g(1.28モル)とを、蒸留水1000mlに、40℃の温度条件下で配合し原料液とした。この原料液は、白色の縣濁液であった。以後の操作は、実施例1と同様にして実施した。
【0063】
【比較例1】
水酸化カルシウム74.2g(1.00モル)を蒸留水2000mlに分散、かき混ぜた縣濁液中に、28.3%リン酸水溶液204.8g(リン酸:0.60モル)を、5ml/minの速度で滴下し、ゲル状の白色沈殿を生成させ、原料液とした。以後の操作は、実施例2と同様にして行った。評価結果を表1に示す。
【0064】
【比較例2】
水酸化カルシウム74.2g(1.00モル)を蒸留水2000mlに分散、かき混ぜた縣濁液中に、28.3%リン酸水溶液204.8g(リン酸:0.60モル)を、5ml/minの速度で滴下し、ゲル状の白色沈殿を生成させ、その後、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)2.28g(8ミリモル)を加えたものを原料液とした。以後の操作は、実施例2と同様にして行った。評価結果を表1に示す。
【0065】
【比較例3】
リン酸水素カルシウム二水和物40.0g(0.23モル)と平均粒子径が100nmの軽質炭酸カルシウム15.3g(0.15モル)を蒸留水500mlに分散、縣濁させた。その後の操作は実施例1と同様にして行った。評価結果を表2に示す。
【0066】
【比較例4】
塩化カルシウム31.8g(0.287モル)を蒸留水250mlに溶解し(液a)、リン酸水素二カリウム29.9g(0.172モル)を蒸留水250mlに溶解し(液b)、液aと液bとを室温にて混合し、沈殿物が多く存在する液(液c)を得た後、この液cを80℃の500mlの蒸留水にマイクロポンプにて1時間かけて滴下したものを原料液とした。この後、更に溶液のpHが常時約4.5となるように、1M水酸化カリウム水溶液を加え、80℃の状態で2時間保持した。生成した白色沈殿物を濾過・水による洗浄を十分な回数、繰り返し行った後、80℃にて乾燥し、白色粉末を得た。評価結果を表2に示す。
【0067】
【表1】

Figure 0004642180
【0068】
【表2】
Figure 0004642180
【0069】
【発明の効果】
本発明の製造方法により、微細でかつ高度に針状化したアパタイト粒子を、効率良く製造することができ、また、得られるアパタイト粒子は、生体用材料、カラムなどの充填用材料、更にはプラスチックやゴムの補強用材料などの用途に好適であることが期待できる。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a method for producing acicular apatite particles.
[0002]
[Prior art]
Apatite has the same composition as the material that forms the bones of the human body, and when implanted in a living body, it has good affinity with the living body and good bonding properties with autogenous bone. It is used as an alternative material for artificial teeth. In addition, it is also used as a packing material for ion chromatography or an ion exchange material by utilizing the affinity with proteins and the ion exchange ability of apatite itself.
[0003]
When apatite is used as a packing material for such a sintered body or column, generally, the particle size is finer and the shape is more acicular, so the specific surface area is larger and the packing is denser. Because it becomes possible, it is said that the characteristics are good. Apatite is also used as a filler in order to reinforce plastics, rubber, and the like, but when used for this purpose, it is finer and has a needle-like shape with a better reinforcing effect. Thus, there is a strong demand for the production of fine and highly acicular apatite particles in various applications.
[0004]
As a manufacturing method of apatite, (1) wet synthesis method, (2) hydrothermal synthesis method, and (3) dry synthesis method are generally used. More specifically, (1) the wet synthesis method is a method in which a calcium salt aqueous solution and a phosphate aqueous solution are reacted to obtain fine calcium phosphate with Ca / P = 1.40 to 1.67. As an example, the production method disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 1-167209, that is, a hydroxy group produced under the condition that a suspended aqueous solution of calcium chloride and dipotassium hydrogen phosphate is maintained at PH 4 or higher and about 70 ° C. A method of aging apatite can be mentioned.
[0005]
(2) The hydrothermal synthesis method is, as a specific example, a method disclosed in Japanese Patent Publication No. 59-51485, that is, calcium hydrogen phosphate dihydrate (or calcium hydrogen phosphate) and calcium hydroxide. And a method of reacting in an autoclave under hot water conditions of 200 to 400 ° C. and 15 to 200 atm. In addition, the method disclosed by Masahiro Yoshimura et al. In the Journal of Chemical Society of Japan, 1991, (10), p. 1402-1407, ie, by adding an additive such as ethylenediaminetetraacetic acid to low crystalline apatite, The method of doing can also be mentioned. When this method is used, acicular apatite is obtained.
[0006]
(3) As a specific example of the dry synthesis method, a method disclosed in JP-B-59-51458, that is, a method in which a calcium compound is added to octacalcium phosphate and a solid phase reaction is carried out at 1000 ° C. to 1300 ° C. Can be mentioned.
However, according to the study by the present inventors, it is difficult to obtain a high-yield fine and highly acicular apatite with the above-mentioned prior art, and this greatly limits the application of apatite to various uses. It was the current situation.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a production method for efficiently obtaining fine and highly acicular apatite suitable for various uses such as biomaterials, packing materials such as columns, and reinforcing materials such as plastics and rubbers. Is to provide.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies aimed at solving the above problems, the present inventors have synthesized hydrothermal synthesis under specific conditions using a specific calcium compound and a specific phosphoric acid or phosphite compound as raw materials. Thus, it has been found that fine and highly acicular apatite can be efficiently synthesized, and the present invention has been made.
[0009]
  That is, the present invention provides (1) (A) a calcium compound having a molar ratio of phosphorus to calcium (P / Ca) of 0.1 or less and (B)It is shown by the following general formula (1)phosphoric acidEster compoundOrIt is shown by the following general formula (2)A raw material liquid obtained by mixing an ester compound of phosphorous acid with at least one solvent selected from (C) water or a hydrophilic organic solvent, under a condition of 120 ° C. or higher and pressure, A method for producing acicular apatite particles, characterized by hydrothermal synthesis;
(RO) n PO (OH) 3-n (1)
(In the formula, n represents 1, 2 or 3, and R represents an alkyl group, a phenyl group, or a substituted alkyl group in which a part of these groups is substituted with a hydrocarbon group.)
(RO) n P (OH) 3-n (2)
(In the formula, n represents 1, 2 or 3, and R represents an alkyl group, a phenyl group, or a substituted alkyl group in which a part of these groups is substituted with a hydrocarbon group.)
[0010]
(2) The method for producing acicular apatite particles according to 1 above, wherein the raw material liquid is a homogeneous solution,
(3) The production method according to 1 or 2 above, wherein the molar ratio (Ca / P) of calcium and phosphorus in the raw material liquid is 1.55 to 1.70,
(4) The molar ratio (Ca / P) between calcium and phosphorus produced by the method described in 1-2 above is 1.55-1.67, the average fiber diameter is 100 nm or less, and the average aspect Acicular apatite particles having a ratio of 10 or more. Hereinafter, the present invention will be described in detail.
[0011]
The present invention relates to a hydrothermal synthesis method for obtaining fine and highly acicular apatite particles.
The (A) calcium compound of the present invention is not particularly limited as long as the molar ratio of phosphorus to calcium (P / Ca) is 0.1 or less, but preferred examples include calcium carbonate and water. Slightly soluble calcium compounds such as calcium oxide and calcium fluoride,
[0012]
Water-soluble calcium compounds such as calcium chloride, calcium nitrate, calcium formate and calcium acetate, calcium complex compounds such as ethylenediaminetetraacetic acid calcium complex, cyclohexanediaminetetraacetic acid calcium complex, glycol etherdiamine tetraacetic acid calcium complex, diethylenetriaminepentaacetic acid calcium acetate,
[0013]
Examples thereof include salts with carboxylic acids such as fumaric acid, tartaric acid, malic acid and succinic acid, and mixtures thereof. Among these, water-soluble calcium compounds such as calcium chloride, calcium nitrate, calcium formate, and calcium acetate are preferable from the viewpoint of obtaining finer and acicular apatite. These may be used alone or in combination of two or more.
[0014]
The method for producing the calcium compound is not particularly limited. For example, in the case of calcium carbonate, it may be a pulverized product of natural material or a chemically synthesized product. The crystal form and shape are not particularly limited. For example, in the case of calcium carbonate, heavy calcium carbonate, light calcium carbonate, colloidal calcium carbonate, aragonite calcium carbonate, vaterite calcium carbonate, needle Any of calcium carbonate, etc., or a mixture thereof may be used.
[0015]
In the present invention, the molar ratio of phosphorus and calcium (P / Ca) may be 0.1 or less as the whole calcium compound. Accordingly, a calcium compound having a molar ratio of phosphorus to calcium (P / Ca) of 0.1 or less and a calcium compound having a molar ratio of phosphorus to calcium (P / Ca) exceeding 0.1 are mixed. You can use it. When the molar ratio of phosphorus and calcium (P / Ca) exceeds 0.1, fine and acicular apatite tends to be difficult to obtain.
[0016]
Here, as a calcium compound having a molar ratio of phosphorus to calcium (P / Ca) exceeding 0.1, for example, calcium monohydrogen phosphate (CaHPO)Four・ MH2O, where 0 ≦ m ≦ 2. ), Calcium dihydrogen phosphate (CaH)2P2O7), Calcium dihydrogen phosphate monohydrate (Ca (H2POFour)2・ H2O)
, Calcium diphosphate (α- and β-Ca2P2O7), Tricalcium phosphate (α- and β-Ca)Three(POFour)2),
Tetracalcium phosphate (CaFour(POFour)2O), octacalcium phosphate pentahydrate (Ca8H2(POFour)6・ 5H2O), calcium phosphite monohydrate (CaHPO)Three・ H2O), calcium hypophosphite (Ca (H2PO2)2) And the like.
[0017]
In addition to the calcium compound having a molar ratio (P / Ca) of phosphorus and calcium of (A) of 0.1 or less, a metal compound containing a metal element other than calcium may be added.
The metal element is not particularly limited as long as it is a metal element other than calcium. Specifically, 1, 2 (excluding calcium), 3, 4, 5, 6, 7, 8, Examples include 11, 12, 13 group elements, tin, lead and the like.
[0018]
The metal compound containing the metal element is not particularly limited as long as it is a metal compound excluding calcium, but preferred examples include metal hydroxides (magnesium hydroxide, strontium hydroxide, barium hydroxide, hydroxide). Lithium, sodium hydroxide, potassium hydroxide, aluminum hydroxide, iron hydroxide, manganese hydroxide, etc.), metal chlorides (magnesium chloride, strontium chloride, barium chloride,
[0019]
Lithium chloride, sodium chloride, potassium chloride, aluminum chloride, iron chloride, manganese chloride, etc.), metal fluoride (magnesium fluoride, barium fluoride, strontium fluoride, lithium fluoride, sodium fluoride, potassium fluoride, fluoride) Aluminum), metal bromides (such as potassium bromide), metal iodides (such as potassium iodide, copper iodide),
[0020]
Metal oxides (magnesium oxide, aluminum oxide, etc.), metal carbonates (magnesium carbonate, strontium carbonate, barium carbonate, lithium carbonate, sodium carbonate, potassium carbonate, aluminum carbonate, etc.), metal sulfates (potassium sulfate, etc.), metal nitrates Inorganic metal compounds such as salts (such as potassium nitrate) and metal silicate salts (such as sodium hexafluorosilicate), compounds of metal elements and monocarboxylic acids (such as copper acetate and aluminum stearate),
A compound of a metal element and a dicarboxylic acid (such as potassium adipate), a compound of a metal element and a tricarboxylic acid (such as potassium citrate), or a mixture thereof can be given.
[0021]
When mixing the calcium compound and a metal compound composed of a metal other than calcium, the content of calcium is about 70 mol% or more, preferably 80 mol%, most preferably based on the total metal elements of the mixture. What is necessary is just to mix in the ratio which will be about 90 mol% or more. When it is out of the above range, it tends to be difficult to obtain fine and acicular apatite.
Although the ester compound of (B) phosphoric acid or phosphorous acid of the present invention is not particularly limited, preferred phosphoric acid ester compounds are represented by the following general formula.
(RO)nPO (OH)3-n
[0022]
Here, n represents 1, 2 or 3, and R is preferably an alkyl group, a phenyl group, or a substituted alkyl group in which a part of these groups is substituted with a hydrocarbon group or the like. The (RO) groups in the general formula may be the same or different. Examples of R include methyl, ethyl, n-propyl, i-propyl, n-butyl, i-butyl, t-butyl, n-pentyl, n-hexyl,
n-octyl group, 2-ethylhexyl group, decyl group, lauryl group, tridecyl group, stearyl group, aliphatic group such as oleyl group, aromatic group such as phenyl group, biphenyl group, or hydroxy group, methyl group, ethyl group , An aromatic group having a substituent such as a propyl group, a t-butyl group, a nonyl group, a methoxy group, and an ethoxy group.
[0023]
Among these, more preferred are specifically trimethyl phosphate, triethyl phosphate, tripropyl phosphate, tributyl phosphate, trioctyl phosphate, tributoxyethyl phosphate, tris phosphate (2-ethylhexyl), Triphenyl phosphate, diphenyl cresyl phosphate, tricresyl phosphate, biphenyl phosphate, tris phosphate (2,4-di-t-butylphenyl),
[0024]
Mention may be made of tris (1,5-di-t-butylphenyl) phosphate, tris (dimethylphenyl) phosphate, tris (isopropylphenyl) phosphate, octyldiphenyl phosphate, or a mixture thereof. Most preferred are trimethyl phosphate, triethyl phosphate, tripropyl phosphate, tributyl phosphate or mixtures thereof.
[0025]
A preferred phosphite compound is represented by the following general formula.
(RO)nP (OH)3-n
Here, n represents 1, 2 or 3, and R represents an alkyl group, a phenyl group, or a substituted alkyl group in which a part of these groups is substituted with a hydrocarbon group or the like. The (RO) groups in the general formula may be the same or different. Examples of R include methyl group, ethyl group, n-propyl group, i-propyl group, n-butyl group, i-butyl group, t-butyl group, n-pentyl, n-hexyl, n-octyl group, 2-ethylhexyl group, decyl group, lauryl group, tridecyl group, stearyl group, oleyl group and other aliphatic groups, phenyl group, biphenyl group and other aromatic groups, hydroxy group, methyl group, ethyl group, propyl group, t -The aromatic group etc. which have substituents, such as a butyl group, a nonyl group, a methoxy group, an ethoxy group, etc. can be mentioned.
[0026]
Among these, more preferred are specifically ethyl phosphite, diethyl phosphite, dipropyl phosphite, dibutyl phosphite, diphenyl phosphite, trimethyl phosphite, triethyl phosphite, Tripropyl phosphate, tributyl phosphite, trioctyl phosphite, tributoxyethyl phosphite, tris phosphite (2-ethylhexyl), triphenyl phosphite,
Diphenyl cresyl phosphite, tricresyl phosphite, biphenyl phosphite, tris phosphite (2,4-di-t-butylphenyl), tris phosphite (1,5-di-t-butylphenyl) , Tris phosphite (dimethylphenyl), tris phosphite (isopropylphenyl), octyl diphenyl phosphite, etc., or a mixture thereof.
[0027]
In the present invention, the phosphate ester or the phosphite ester may be used alone or in combination of two or more, for example, a mixture of triethyl phosphate and triphenyl phosphite. It doesn't matter.
The blending ratio of the calcium compound having a molar ratio (P / Ca) of phosphorus and calcium (P / Ca) of 0.1 or less and (B) an ester compound of phosphoric acid or phosphorous acid of the present invention is not particularly limited. From the standpoint of efficiently obtaining the target apatite, the molar ratio of calcium to phosphorus (Ca / P) is preferably in the range of 1.0 to 2.0. The range of .80 is more preferable, and the range of 1.55 to 1.70 is most preferable. When Ca / P is out of the above range, it tends to be difficult to obtain fine and acicular apatite.
[0028]
(C) In the present invention, the hydrophilic organic solvent in the solvent consisting of at least one selected from water or a hydrophilic organic solvent is not particularly limited as long as it is a solvent compatible with water. Examples include alcohol solvents such as methanol, ethanol and ethylene glycol; amide solvents such as N, N-dimethylformamide and acetylacetamide; acetone, ether and dimethyl sulfoxide; and mixtures thereof. Further, water and the above-mentioned hydrophilic organic solvent may be mixed and used.
[0029]
The blending ratio in the case of mixing is not particularly limited, but it is preferable that both are not phase-separated.
The raw material liquid of the present invention comprises (A) a calcium compound having a phosphorus to calcium molar ratio (P / Ca) of 0.1 or less, (B) phosphoric acid or phosphorous ester compound (C) A homogeneous solution obtained by mixing in a solvent consisting of at least one selected from water or a hydrophilic organic solvent, wherein the mixed raw materials (A) and (B) are dissolved in the solvent (C) Alternatively, a part or all of the mixed raw materials (A) and (B) is preferably a suspension suspended in the solvent (C). Among these, the raw material liquid is more preferably a homogeneous solution because finer and needle-like apatite can be obtained.
[0030]
The mixed raw material concentration in the raw material liquid, that is, the total weight ratio of (A) and (B) to the total weight of (C) is not particularly limited, but the mixed raw material concentration at which the raw material liquid is uniformly dissolved or becomes a suspension Can be arbitrarily selected and used. Preferably, the total weight of (A) and (B) is from 1 to 200 parts by weight, more preferably from 5 to 100 parts by weight, based on 100 parts by weight of the total weight of (C).
The order and method for blending (A), (B), and (C) constituting the raw material liquid are not particularly limited. Further, they may be mixed while being stirred by a stirrer, ultrasonic waves, or a homogenizer.
[0031]
In the present invention, in order to stabilize the raw material solution as a homogeneous solution or suspension for a long time, a dispersant or a coupling agent may be added as necessary.
The dispersant is not particularly limited, and a known dispersant can be used. For example, anionic surfactants and cationic surfactants as described on pages 232 to 237 of “Elucidation of dispersion / aggregation and applied technology, 1992” (supervised by Fumio Kitahara, published by Techno System Co., Ltd.) Amphoteric surfactants, nonionic surfactants, nonionic surfactants and the like can be used.
[0032]
Of these, anionic surfactants and nonionic surfactants are preferably used. Particularly, from the viewpoint of price and physical properties, sodium citrate, sodium polyacrylate, ammonium polyacrylate, sucrose stearate, etc. It is more preferable to use the sucrose esters.
The coupling agent is not particularly limited, and a known coupling agent can be used. Among these, silane coupling agents and titanium coupling agents can be mentioned as preferable ones.
[0033]
Silane coupling agents include triethoxysilane, vinyltris (β-methoxyethoxy) silane, γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane, β- (1,1-epoxycyclohexyl) Ethyltrimethoxysilane, N-β- (aminoethyl) -γ-aminopropylmethyldimethoxysilane, γ-aminopropyltriethoxysilane,
[0034]
N-phenyl-γ-aminopropyltrimethoxysilane, γ-mercaptopropyltrimethoxysilane, γ-chloropropyltrimethoxysilane, γ-aminopropyltrimethoxysilane, γ-aminopropyl-tris (2-methoxy-ethoxy) silane N-methyl-γ-aminopropyltrimethoxysilane, N-vinylbenzyl-γ-aminopropyltriethoxysilane,
[0035]
Triaminopropyltrimethoxysilane, 3-ureidopropyltrimethoxysilane, 3-4,5 dihydroimidazolepropyltriethoxysilane, hexamethyldisilazane, N, O- (bistrimethylsilyl) amide, N, N-bis (trimethylsilyl) A urea etc. or a mixture thereof can be mentioned.
[0036]
Among these, γ-aminopropyltrimethoxysilane, N-β- (aminoethyl) -γ-aminopropyltrimethoxysilane, γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane, β- (1,1-epoxycyclohexyl) ethyltrimethoxy Amino silanes such as silanes and epoxy silanes are preferably used because they are economical and easy to handle.
[0037]
Titanium coupling agents include isopropyl triisostearoyl titanate, isopropyl tridodecyl benzene sulfonyl titanate, isopropyl tris (dioctyl pyrophosphate) titanate, tetraisopropyl bis (dioctyl phosphite) titanate, tetraoctyl bis (ditridecyl phosphite) titanate, Tetra (1,1-diallyloxymethyl-1-butyl) bis (ditridecyl) phosphite titanate,
[0038]
Bis (dioctylpyrophosphate) oxyacetate titanate, bis (dioctylpyrophosphate) ethylene titanate, isopropyl trioctanoyl titanate, isopropyl dimethacrylisostearoyl titanate, isopropyl isostearoyl diacryl titanate, isopropyl tri (dioctyl phosphate) titanate isopropyl tricumylphenyl Titanate,
Mention may be made of isopropyl tri (N-amidoethyl, aminoethyl) titanate, dicumylphenyloxyacetate titanate, diisostearoylethylene titanate and the like, or mixtures thereof.
[0039]
The temperature at which the raw materials (A) and (B) are blended with the solvent (C) is preferably less than 100 ° C., more preferably less than 70 ° C., and even more preferably less than 40 ° C. from the viewpoint of ease of handling. It is.
The hydrothermal synthesis of the present invention is a hydrothermal synthesis performed under a temperature condition of 120 ° C. or higher and under a pressurized condition.
The hydrothermal synthesis temperature is in the range of 120 ° C. or higher. From the viewpoint of efficiently obtaining fine and acicular apatite, it is preferably 150 ° C. to 400 ° C., more preferably 200 ° C. to 375 ° C. is there.
[0040]
The hydrothermal synthesis pressure is not particularly limited as long as it is under pressure, but it is preferably 0.5 MPa or more, more preferably from the viewpoint of efficiently obtaining fine and acicular apatite. 0 Mpa or more, further 1.5 Mpa or more, and most preferably 2.0 Mpa or more.
[0041]
The method of hydrothermal synthesis is not particularly limited. For example, after the raw material liquid is sealed in a reaction vessel such as an autoclave and replaced with an inert gas such as nitrogen, the temperature is kept in a sealed state at about the saturated water vapor pressure. A method performed under pressure conditions, or a method in which water or a hydrophilic solvent is extracted from the reaction vessel during hydrothermal synthesis and performed at a pressure lower than the saturated water vapor pressure, or a combination of these can be used.
The apparatus for hydrothermal synthesis used in the present invention can use a pressure-resistant reaction vessel such as an autoclave, and is not particularly limited. Among these, from the viewpoint of obtaining acicular apatite particles, an autoclave type reaction vessel equipped with a stirring device is most preferable.
[0042]
The hydrothermal synthesis time can be arbitrarily determined in order to complete the reaction, but it is preferably 2 hours or longer, more preferably 4 hours or longer.
The apatite of the present invention is represented by the following general formula.
(X)10-z(HPOFour)z(POFour)6-z(Y)2-z・ NH2O
Here, 0 ≦ z <1, 0 ≦ n ≦ 16, (X) is a metal element, and (Y) is an anion or an anion compound, but 0 ≦ z <0.5, 0 ≦ n More preferably, ≦ 4.
[0043]
The metal element (X) is preferably calcium, but calcium and elements 1, 2 (excluding calcium), 3, 4, 5, 6, 7, 8, 11, 12, 13 of the element periodic table and tin, It may be a mixture with lead. Among these, in the present invention, from the viewpoint of obtaining fine and needle-like apatite particles, the metal element other than calcium is a group 2 element magnesium, strontium, barium, or a mixture of two or more thereof. It is particularly preferred that The proportion of calcium in the metal element (X) is about 70 mol% or more, preferably about 80 mol% or more. When outside the above range, it is difficult to obtain fine and needle-like apatite particles.
[0044]
Examples of the anion or anion compound represented by (Y) in the general formula include a hydroxide ion (OH-), Fluorine ion (F-), Chlorine ion (Cl-) And the like. These anionic elements or anionic compounds may be one kind or two or more kinds. In addition, hydrogen phosphate ion (HPO) in the above general formulaFour 2-), Phosphate ion (POFour 3-) Or part of (Y) is carbonate ion (COThree 2-Carbonic acid-containing apatite substituted with).
[0045]
In the present invention, among the apatite type compounds, hydroxyapatite ((Y) is a hydroxide ion) in which the metal element (X) is calcium, fluorinated apatite (a part or all of (Y) is a fluorine ion) Chlorinated apatite (a part or all of (Y) is a chloride ion), carbonate-containing hydroxyapatite, carbonate-containing fluorinated apatite, carbonate-containing chlorinated apatite, and a mixture thereof are most preferably used.
[0046]
In this case, the molar ratio of calcium to phosphorus (Ca / P) is 1.51 to 1.75, preferably 1.53 to 1.70, and most preferably 1.55 to 1.75. 67. The molar ratio of calcium and phosphorus can be determined in the same manner as in the case of the raw material liquid using high frequency inductively coupled plasma (ICP) emission analysis. When Ca / P is out of the above range, it tends to be difficult to obtain fine and acicular apatite.
[0047]
In the present invention, metal elements such as calcium and phosphorus can be quantified using high frequency inductively coupled plasma (ICP) emission analysis. More specifically, 0.5 g of raw material, raw material liquid or produced apatite particles is weighed in a platinum dish, carbonized in a 500 ° C. electric furnace, cooled, added with 5 ml of hydrochloric acid and 5 ml of pure water, and boiled and dissolved on a heater. . After cooling again, pure water is added to 500 ml, and the calcium concentration is quantified at a characteristic wavelength of 317.933 nm by high frequency inductively coupled plasma (ICP) emission analysis. In the case of a metal other than calcium, it can be similarly quantified by using the characteristic wavelength of the target metal.
[0048]
On the other hand, weigh 0.5 g of raw material, raw material liquid or apatite particles, add 20 ml of concentrated sulfuric acid, wet decompose on the heater, cool, add 5 ml of hydrogen peroxide, and heat on the heater to make the total amount 2-3 ml Concentrated to The solution is cooled again to 500 ml with pure water, and the phosphorus concentration is quantified at a characteristic wavelength of phosphorus of 213.618 (nm) by high frequency inductively coupled plasma (ICP) emission analysis.
[0049]
Confirmation that the particles obtained by the production method of the present invention are apatite may be confirmed by, for example, a method of confirming by wide-angle X-ray diffraction, infrared absorption spectrum, or the like. More specifically, the confirmation method by wide-angle X-ray diffraction is described. Using copper Kα (wavelength λ = 0.1542 nm) as an X-ray source, wide-angle X-ray diffraction is measured, and diffraction angle (2θ) Is confirmed to have a (002) plane peak at 25.5 to 26.5 degrees and a (300) plane peak at a diffraction angle (2θ) of 32.5 to 33.5 degrees.
[0050]
In the production method of the present invention, the apatite yield is 75% or more, more preferably 80% or more, further 90% or more, and most preferably 95%. The yield of apatite in the present invention is determined using wide angle X-ray diffraction. More specifically, from the wide-angle X-ray diffraction measured using copper Kα (wavelength λ = 0.1542 nm) as an X-ray source, the (002) plane peak intensity derived from apatite and other than apatite, for example, carbonic acid In the case of calcium, the (104) plane peak at about 29 degrees, in the case of calcium hydrogen phosphate dihydrate, the (020) plane peak at about 12 degrees, tricalcium phosphate (CaThree(POFour)2), It can be calculated from the ratio of the (0210) plane peak intensity of about 31 degrees.
[0051]
The apatite particles of the present invention have a weight average fiber diameter of 100 nm or less, and an average aspect ratio that is a ratio of the weight average fiber length to the weight average fiber diameter of 4 or more, preferably 6 or more, and most preferably 10 or more. . Here, when the weight average fiber length, the weight average fiber diameter, and the average aspect ratio are Ni apatite particles having a fiber length Li and a fiber diameter Di in a unit volume,
[0052]
Weight average fiber length L = ΣLi2Ni / ΣLiNi
Weight average fiber diameter D = ΣDi2Ni / ΣDiNi
Average aspect ratio L / D = (ΣLi2Ni / ΣLiNi) / (ΣDi2Ni / ΣDiNi)
Can be defined as Actually, the obtained apatite particles are observed with a scanning electron microscope (SEM) (photo magnification of 50,000 times), and at least 500 particles are arbitrarily selected, and the fiber length L and the fiber diameter D are calculated. To do. Thereafter, the weight average fiber diameter and the average aspect ratio can be determined from these values according to the above formula.
[0053]
The apatite particles obtained by the present invention are fine and highly acicular apatite, and can be expected to be suitably used as sintered body raw materials, column fillers, ion exchange materials, plastics and rubber reinforcements. .
[0054]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention still in detail, this invention is not restrict | limited to a following example, unless the summary is exceeded. The evaluations described in the following examples and comparative examples were carried out by the following methods.
[0055]
(1) Wide angle X-ray diffraction
The measurement conditions are as follows.
X-ray: Copper Kα
Wave number: 0.1542nm
Tube voltage: 40KV
Tube current: 200 mA
Scanning speed: 4 deg. / Min
Divergent slit: 1 deg.
Scattering slit: 1 deg.
Receiving slit: 0.15mm
[0056]
(2) Scanning electron microscope (SEM) observation
Using a S-5000 manufactured by Hitachi, Ltd., a 50,000-times bright field image was taken, 2000 particles were arbitrarily selected, and the weight average fiber diameter and average aspect ratio of the apatite were determined.
[0057]
(3) Calcium to phosphorus molar ratio (Ca / P) of raw material, raw material liquid or apatite particles
Calcium and phosphorus in the raw material, raw material liquid or apatite particles were quantified, and the molar ratio was calculated.
(A) Quantification of calcium:
A raw material, a raw material liquid or apatite particles (0.5 g) are weighed in a platinum dish and carbonized in a 500 ° C. electric furnace. After cooling, 5 ml of hydrochloric acid and 5 ml of pure water are added and dissolved by boiling on a heater. The mixture was cooled again and pure water was added to make 500 ml. The apparatus was quantified at a wavelength of 317.933 nm by high frequency inductively coupled plasma (ICP) emission analysis using IRIS / IP manufactured by Thermo Jarrel Ash.
[0058]
(B) Quantification of phosphorus:
A raw material, a raw material liquid or apatite particles (0.5 g) were weighed, 20 ml of concentrated sulfuric acid was added, and wet decomposition was performed on a heater. After cooling, 5 ml of hydrogen peroxide was added, heated on a heater, and concentrated until the total amount became 2-3 ml. The mixture was cooled again to 500 ml with pure water. The apparatus was quantified at a wavelength of 213.618 (nm) by high frequency inductively coupled plasma (ICP) emission analysis using IRIS / IP manufactured by Thermo Jarrel Ash.
[0059]
[Example 1]
30.0 g (1.70 mol) of calcium acetate monohydrate and 186.0 g (1.02 mol) of triethyl phosphate were blended in 1000 ml of distilled water at a temperature of 40 ° C. to obtain a raw material solution. This raw material liquid was a homogeneous solution in which the raw material was dissolved in a solvent. Thereafter, the raw material liquid was put in a 5 L autoclave having a stirrer, and sufficiently substituted with nitrogen while being stirred at 250 rpm, and then heated to 220 ° C. The pressure at this time was 2.5 Mpa. This state was maintained for 4 hours to perform hydrothermal synthesis. Thereafter, the heating was stopped, the system was cooled to room temperature, the stirring device was stopped, and the white suspension was extracted. The obtained white suspension was repeatedly filtered and washed with water a sufficient number of times, and then dried at 80 ° C. to obtain a white powder. The evaluation results are shown in Table 1.
[0060]
[Example 2]
105.2 g (1.05 mol) of light calcium carbonate having an average particle size of 100 nm was added as 200 ml of distilled water and a dispersant, and 2.5 g of ammonium polyacrylate was added to form a stable suspension. The calcium carbonate suspension and 114.8 g (0.63 mol) of triethyl phosphate were blended in 1800 ml of distilled water under the condition of 40 ° C. to obtain a raw material solution. This raw material liquid was a white suspension. Subsequent operations were carried out in the same manner as in Example 1. The evaluation results are shown in Table 1.
[0061]
[Example 3]
338.9 g (1.92 mol) of calcium acetate monohydrate, 16.7 g (0.21 mol) of calcium fluoride having an average particle size of 3 μm, and 232.5 g (1.28 mol) of triethyl phosphate, It mix | blended with distilled water 1000ml on 40 degreeC temperature conditions, and was set as the raw material liquid. This raw material liquid was a white suspension. Subsequent operations were carried out in the same manner as in Example 1.
[0062]
[Example 4]
192.2 g (1.92 mol) of acicular calcium carbonate (Maruo Calcium Co., Ltd. Wiscal A), 16.7 g (0.21 mol) of calcium fluoride with an average particle diameter of 3 μm, and 232.5 g of triethyl phosphate (1 .28 mol) was mixed with 1000 ml of distilled water at a temperature of 40 ° C. to obtain a raw material liquid. This raw material liquid was a white suspension. Subsequent operations were carried out in the same manner as in Example 1.
[0063]
[Comparative Example 1]
In a suspension obtained by dispersing 74.2 g (1.00 mol) of calcium hydroxide in 2000 ml of distilled water and stirring, 204.8 g of 28.3% phosphoric acid aqueous solution (phosphoric acid: 0.60 mol) was added at 5 ml / It dripped at the speed | rate of min, the gel-like white precipitation was produced | generated, and it was set as the raw material liquid. Subsequent operations were performed in the same manner as in Example 2. The evaluation results are shown in Table 1.
[0064]
[Comparative Example 2]
In a suspension obtained by dispersing 74.2 g (1.00 mol) of calcium hydroxide in 2000 ml of distilled water and stirring, 204.8 g of 28.3% phosphoric acid aqueous solution (phosphoric acid: 0.60 mol) was added at 5 ml / The solution was added dropwise at a rate of min to produce a white gel-like precipitate, and then 2.28 g (8 mmol) of ethylenediaminetetraacetic acid (EDTA) was used as a raw material liquid. Subsequent operations were performed in the same manner as in Example 2. The evaluation results are shown in Table 1.
[0065]
[Comparative Example 3]
40.0 g (0.23 mol) of calcium hydrogen phosphate dihydrate and 15.3 g (0.15 mol) of light calcium carbonate having an average particle diameter of 100 nm were dispersed and suspended in 500 ml of distilled water. Subsequent operations were performed in the same manner as in Example 1. The evaluation results are shown in Table 2.
[0066]
[Comparative Example 4]
31.8 g (0.287 mol) of calcium chloride was dissolved in 250 ml of distilled water (Liquid a), 29.9 g (0.172 mol) of dipotassium hydrogen phosphate was dissolved in 250 ml of distilled water (Liquid b). a and liquid b were mixed at room temperature to obtain a liquid (liquid c) in which a large amount of precipitate was present, and this liquid c was dropped into 500 ml of distilled water at 80 ° C. with a micropump over 1 hour. The material was used as a raw material liquid. Thereafter, a 1M aqueous potassium hydroxide solution was added so that the pH of the solution was always about 4.5, and the mixture was kept at 80 ° C. for 2 hours. The produced white precipitate was repeatedly filtered and washed with water a sufficient number of times, and then dried at 80 ° C. to obtain a white powder. The evaluation results are shown in Table 2.
[0067]
[Table 1]
Figure 0004642180
[0068]
[Table 2]
Figure 0004642180
[0069]
【The invention's effect】
By the production method of the present invention, it is possible to efficiently produce fine and highly acicular apatite particles, and the obtained apatite particles include biomaterials, packing materials such as columns, and plastics. It can be expected to be suitable for applications such as rubber reinforcing materials.

Claims (4)

(A)リンとカルシウムとのモル比(P/Ca)が0.1以下のカルシウム化合物および(B)下記一般式(1)で示されるリン酸エステル化合物または下記一般式(2)で示される亜リン酸のエステル化合物を、(C)水または親水性有機溶媒の中から選ばれた少なくとも1種からなる溶媒に混合して得られる原料液を、120℃以上かつ加圧の条件下で、水熱合成することを特徴とする針状アパタイト粒子の製造方法。
(RO) n PO(OH) 3-n (1)
(式中、nは1、2あるいは3を表し、Rはアルキル基、フェニル基、あるいはそれらの基の一部が炭化水素基で置換された置換基アルキル基を表す。)
(RO) n P(OH) 3-n (2)
(式中、nは1、2あるいは3を表し、Rはアルキル基、フェニル基、あるいはそれらの基の一部が炭化水素基で置換された置換基アルキル基を表す。)
(A) the molar ratio of phosphorus and calcium (P / Ca) is indicated by 0.1 or less calcium compound and (B) phosphoric acid ester compound represented by the following general formula (1) or the following general formula (2) A raw material liquid obtained by mixing an ester compound of phosphorous acid with at least one solvent selected from (C) water or a hydrophilic organic solvent, under a condition of 120 ° C. or higher and pressure, A method for producing acicular apatite particles, characterized by hydrothermal synthesis.
(RO) n PO (OH) 3-n (1)
(In the formula, n represents 1, 2 or 3, and R represents an alkyl group, a phenyl group, or a substituted alkyl group in which a part of these groups is substituted with a hydrocarbon group.)
(RO) n P (OH) 3-n (2)
(In the formula, n represents 1, 2 or 3, and R represents an alkyl group, a phenyl group, or a substituted alkyl group in which a part of these groups is substituted with a hydrocarbon group.)
原料液が均一溶解溶液であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。2. The method according to claim 1, wherein the raw material liquid is a homogeneous solution. 原料液のカルシウムとリンとのモル比(Ca/P)が1.55〜1.70であることを特徴とする請求項1あるいは2記載の製造方法。The manufacturing method according to claim 1 or 2, wherein a molar ratio (Ca / P) of calcium and phosphorus in the raw material liquid is 1.55 to 1.70. 請求項1〜2記載の方法により製造される、カルシウムとリンとのモル比(Ca/P)が1.55〜1.67であり、平均繊維径が100nm以下であり、かつ平均アスペクト比が10以上であることを特徴とする針状アパタイト粒子。The molar ratio of calcium to phosphorus (Ca / P) produced by the method according to claim 1 is 1.55 to 1.67, the average fiber diameter is 100 nm or less, and the average aspect ratio is 10 or more acicular apatite particles,
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