JP4636087B2 - Filament holding structure and ion source including the same - Google Patents
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Description
この発明は、例えばイオン源、プラズマ発生装置等に用いられるものであって、フィラメント導体にフィラメントを保持するフィラメント保持構造、およびそれを備えるイオン源に関する。 The present invention relates to a filament holding structure that is used in, for example, an ion source, a plasma generator, and the like and holds a filament on a filament conductor, and an ion source including the same.
イオン源等に用いられる従来のフィラメント保持構造の一例を図7に示す。このフィラメント保持構造は、フィラメント50(これは、全体は概ねU字状に曲げ戻された形状をしている。例えば図4参照)を保持しかつ通電するための二つのフィラメント導体120の先端部付近にそれぞれスロット(細長い溝)122を設けておいて、スロット122を押し開いてフィラメント50(より具体的にはその両端部)を挟むことによって、フィラメント導体120の弾性によってフィラメント50を挟み込んで保持する(クランプする)という構造である。同様の構造が特許文献1にも記載されている。
An example of a conventional filament holding structure used for an ion source or the like is shown in FIG. This filament holding structure has two
上記従来のフィラメント保持構造では、フィラメント50が発熱によって高温になることに伴って、フィラメント導体120のフィラメント50保持部付近も高温(例えば1000℃〜1500℃程度)になり、それによって、フィラメント導体120の材料(例えばモリブデン)が硬化して、スロット122を押し開いた状態が維持されて(即ち弾性が低下して)、フィラメント50を保持する力(クランプ力)が低下してしまい、しかも一旦クランプ力が低下するとその再生が困難であるという課題がある。
In the conventional filament holding structure, as the
クランプ力が低下すると、フィラメント50の位置がずれやすくなり、様々な不具合を惹き起こす。例えば、フィラメント50によってカソードを加熱する傍熱型陰極の場合、フィラメント50の位置ずれによって当該フィラメント50とカソードとの間の間隔が変化するので、カソードからの電子放出特性が変化してしまう。フィラメント50とカソードとが当たると、両者間に接続されている電源を短絡して当該電源が壊れることも起こり得る。
When the clamping force is reduced, the position of the
これに対しては、当初からのクランプ力をより強くするために、(a)フィラメント50の直径(線径)よりもスロット122の幅を十分に小さくする、(b)フィラメント導体120のフィラメント保持部付近の幅を大きくする、(c)フィラメント導体120のフィラメント保持部付近の厚さを大きくする、等の対策が考えられるが、当初からのフィラメントクランプ力をより強くすると、スロット122を押し開くことが困難になるので、フィラメント50を挟み込んで保持する作業性が低下するという別の課題が発生する。
For this, (a) the width of the
そこでこの発明は、高温になってもクランプ力の低下が少なく、クランプ力の再生も容易であり、かつフィラメントの保持や位置調整の作業性が良いフィラメント保持構造およびそれを備えるイオン源を提供することを主たる目的としている。 Accordingly, the present invention provides a filament holding structure that is less likely to cause a decrease in clamping force even at a high temperature, can easily be regenerated, and has good workability for holding and adjusting the filament, and an ion source including the same. This is the main purpose.
この発明に係るフィラメント保持構造は、溝を挟んで板厚方向に二つに分かれている部分を有していて当該二つに分かれている部分の両方の相対応する位置に、フィラメントを通すフィラメント穴および支点部材を通す支点部材穴をそれぞれ有しているフィラメント導体と、前記フィラメント導体の溝内に位置している部分を有していて、当該溝内に位置している部分であって前記フィラメント導体のフィラメント穴および支点部材穴にそれぞれ対応する位置に、フィラメントを通すフィラメント穴および支点部材を通す支点部材穴を有しているフィラメントクランパーと、前記フィラメント導体および前記フィラメントクランパーの両支点部材穴に通されていて、前記フィラメントクランパーを前記フィラメント導体に回動可能に保持している支点部材と、前記フィラメント導体に対して前記フィラメントクランパーを回動させる方向に締め付ける締付け手段とを備えていて、前記フィラメント導体および前記フィラメントクランパーのフィラメント穴にフィラメントを通し、前記締付け手段によって前記フィラメントクランパーを締め付けることによって、前記フィラメントにせん断方向に力を加えて、前記フィラメント導体に前記フィラメントを保持していることを特徴としている。 The filament holding structure according to the present invention has a portion that is divided into two in the plate thickness direction across the groove, and the filament that passes the filament at the corresponding position of both of the two divided portions. A filament conductor having a fulcrum member hole through which the hole and the fulcrum member pass, and a portion located in the groove of the filament conductor, the portion located in the groove, A filament clamper having a filament hole for passing a filament and a fulcrum member hole for passing a fulcrum member at positions corresponding to the filament hole and the fulcrum member hole of the filament conductor, and both fulcrum member holes of the filament conductor and the filament clamper The filament clamper is rotatably held by the filament conductor. And a fastening means for fastening the filament clamper in a direction in which the filament clamper is rotated with respect to the filament conductor. The filament is passed through a filament hole of the filament conductor and the filament clamper, and the filament is passed by the fastening means. By tightening the clamper, a force is applied to the filament in a shearing direction to hold the filament on the filament conductor.
このフィラメント保持構造によれば、締付け手段によってフィラメントクランパーを締め付けることによって、フィラメントにせん断方向に力を加えて、フィラメント導体にフィラメントを保持することができる。 According to this filament holding structure, it is possible to hold the filament on the filament conductor by applying a force in the shearing direction to the filament by fastening the filament clamper with the fastening means.
前記フィラメント保持構造を二つ用いて、曲げ戻された形状をしているフィラメントの両端部をそれぞれ保持していても良い。 Two filament holding structures may be used to hold both ends of the bent filament.
前記締付け手段は、ボルトと、それに螺合するナットとを有していても良い。 The tightening means may include a bolt and a nut screwed into the bolt.
前記ボルトはモリブデンから成り、前記ナットはカーボンから成っていても良い。 The bolt may be made of molybdenum, and the nut may be made of carbon.
この発明に係るイオン源は、前記フィラメント保持構造を備えていることを特徴としている。 An ion source according to the present invention includes the filament holding structure.
この発明に係るフィラメント保持構造は、フィラメント導体およびフィラメントクランパーのフィラメント穴にフィラメントを通し、締付け手段によってフィラメントクランパーを締め付けることによって、フィラメントにせん断方向に力を加えて、フィラメント導体にフィラメントを保持している構造であり、締付け手段を締め付けることによって強いクランプ力を得ることができる。しかも、従来技術と違って弾性によってフィラメントをクランプする構造ではないので、高温になってもクランプ力の低下が少ない。フィラメント導体やフィラメントクランパーがフィラメントからの熱によって高温に曝されて硬化しても、この硬化現象は、フィラメントをクランプしている部分の形状を維持するように作用するので、弾性を用いる従来技術とは反対に、クランプ力を維持する良い方向に作用する。 In the filament holding structure according to the present invention, the filament is passed through the filament hole of the filament conductor and the filament clamper, and the filament clamper is clamped by the fastening means, thereby applying a force in the shear direction to the filament and holding the filament on the filament conductor. A strong clamping force can be obtained by tightening the tightening means. In addition, unlike the prior art, it does not have a structure that clamps the filament by elasticity, so that the clamping force is hardly reduced even at high temperatures. Even if the filament conductor or filament clamper is cured by being exposed to a high temperature due to heat from the filament, this curing phenomenon acts to maintain the shape of the portion clamping the filament. On the contrary, it acts in a good direction to maintain the clamping force.
しかも、仮にクランプ力が低下したとしても、締付け手段を増し締めすることによって、クランプ力を容易に再生することができる。 Moreover, even if the clamping force decreases, the clamping force can be easily regenerated by tightening the fastening means.
また、締付け手段を緩めることによって、フィラメントのクランプを簡単に開放することができるので、強いクランプ力を得ることができるにも拘わらず、フィラメントの保持や位置調整の作業性が良い。 Further, since the filament clamp can be easily released by loosening the tightening means, the workability of holding the filament and adjusting the position is good even though a strong clamping force can be obtained.
請求項4に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、ボルトとナットとは互いに異なる材質であるので、フィラメントからの熱によって高温に曝されても、互いに焼き付くのを防止することができる。しかも、ボルトの材質であるモリブデンと、ナットの材質であるカーボンとは、互いに線膨張係数が非常に近いので、高温に曝されても、締付けが緩むのを防止することができる。
According to invention of
この発明に係るイオン源は、上記フィラメント保持構造を備えているので、上記フィラメント保持構造が奏する効果と同様の効果を奏する。 Since the ion source according to the present invention includes the filament holding structure, the same effect as that obtained by the filament holding structure can be obtained.
図1は、イオン源の一例を電源と共に示す図であり、フィラメント保持構造部分は簡略化して図示している。まずこのイオン源全体について説明する。 FIG. 1 is a diagram illustrating an example of an ion source together with a power source, and a filament holding structure portion is illustrated in a simplified manner. First, the entire ion source will be described.
このイオン源2は、フィラメント50によってカソード20を加熱して当該カソード20から熱電子を放出(具体的にはアノードを兼ねるプラズマ生成容器4内へ放出)させる構造の傍熱陰極を有している傍熱陰極型のイオン源である。
The ion source 2 has an indirectly heated cathode having a structure in which the
プラズマ生成容器4は、例えば直方体状をしていて、その内部には、例えばガス導入口8を通して、プラズマ6の生成用の所望のガス(蒸気の場合を含む)10が導入される。このガス10は、所望の元素(例えば、B、P、As 等のドーパント)を含むガスである。より具体例を挙げれば、BF3 、PH3 、AsH3 、B2H6 等の原料ガスを含むガスである。
The
プラズマ生成容器4の一つの壁面(長辺壁の一つ)には、イオンビーム14の引き出し用のイオン引出し口12が設けられている。このイオン引出し口12は、例えば、当該壁面の長手方向に細長いスリット状をしている。
An
プラズマ生成容器4の他の一つの壁面(短辺壁の一つ)には、カソード20を位置させるためのカソード用開口18が設けられている。カソード用開口18の正面形状は、この例では円形をしている。このカソード用開口18を有する壁面と対向する壁面の内側には、この例では、カソード20と対向させて、プラズマ6中の電子を反射させる反射電極16が、電気絶縁物17を介して保持されている。
On the other wall surface (one of the short side walls) of the
反射電極16は、この例のようにどこにも接続せずに浮遊電位にしても良いし、カソード用の支持体58(換言すれば、アーク電源68の負極端)に接続してカソード電位にしても良い。
The
プラズマ生成容器4内には、この例のように、プラズマ6の生成・維持用に、プラズマ生成容器4の外部に設けられた磁石(図示省略)から、カソード20と反射電極16とを結ぶ軸に沿う磁界76を印加するようにしても良い。但し磁界76の向きは、図示とは逆でも良い。
In the
カソード20を保持する筒状のカソードホルダー30の先端部が、プラズマ生成容器4の外部からカソード用開口18内に、プラズマ生成容器4との間に隙間70をあけて挿入されている。カソードホルダー30は、この例では、プラズマ生成容器4に対して、先端部が鉛直方向Gの下に向くように配置されている。このカソードホルダー30の先端部内にカソード20が保持されている。
A distal end portion of a
より具体的には、この例では、カソード20は、全体として概ね円柱状をしていて、熱電子をプラズマ生成容器4内へ放出させるための前部22、その背後にあり前部22よりも細い後部24およびその中間部の周囲に形成された円環状の溝26を有している。そして、カソードホルダー30の先端部付近(先端部から少し奥まった所)内に設けられた棚部32の貫通穴にカソード20の後部24を通し、溝26にロックワイヤ40を嵌めて、ロックワイヤ40でカソード20をカソードホルダー30の棚部32に係止している。但し、カソードの保持構造はこの例に限られるものではない。
More specifically, in this example, the
カソードホルダー30の先端部内には、この実施形態では、カソードホルダー30の内周面およびカソード20の外周面との間に空間をあけて、カソード20の外周面を取り囲むように、筒状(この例では円筒状)の第1熱シールド36が設けられている。この第1熱シールド36は、この例では、カソードホルダー30の棚部32に、それと一体物として立設されている。
In this embodiment, the tip of the
カソードホルダー30の先端、カソード20の先端および第1熱シールド36の先端は、この例では、プラズマ生成容器4のカソード用開口18周りの内壁面5よりもプラズマ生成容器4外側に位置している。但し、これらの先端は、内壁面5と同一面に位置させても良いし、更に必要に応じてプラズマ生成容器4内に位置させても良い。
In this example, the tip of the
カソードホルダー30の先端部とプラズマ生成容器4との間の隙間70は断面がL字状に折れ曲がっていて、この隙間70の部分に迷路構造部72を形成している。このような迷路構造部72を形成することによって、隙間70の部分におけるガスのコンダクタンスを低下させることができるので、プラズマ生成用のガス10の漏れを抑制して、ガス10の利用効率を向上させることができる。また、ガス10が漏れ出ることによるプラズマ生成容器4周辺の構造物の汚染を抑制することができる。
A
但し、上記のような迷路構造部72を採用する代わりに、カソードホルダー30とプラズマ生成容器4との間を電気絶縁物で塞いでも良い。
However, instead of using the
カソードホルダー30内であってカソード20の後部24の近傍には、当該後部24との間に隙間をあけて、カソード20をその後部24から加熱するフィラメント50が設けられている。フィラメント50は、この例では、図4に示す例のように、概ねU字状に曲げ戻された形状をしており、かつその中間部に、カソード20の後部24の表面に沿うように曲げられた曲り部51を有している。
A
更にこの例では、カソードホルダー30内に、フィラメント50との間に空間をあけてフィラメント50の後面を一重以上に(この例では二重に)覆うように、第2熱シールド54が設けられている。第2熱シールド54は、この例では、筒状部56の先端に、それと一体で設けられている。
Further, in this example, a
カソードホルダー30は支持体58によって、フィラメント50はその両端部が二つのフィラメント導体90によって(図1には一方のみが表れている)、第2熱シールド54は筒状部56および支持体60を介して一方のフィラメント導体90によって、それぞれ所定の位置に保持されている。各フィラメント導体90は、フィラメント50を保持しかつそれに通電する働きをする。このフィラメント導体90にフィラメント50を保持するフィラメント保持構造は後で詳述する。
The
フィラメント50の両端部には、フィラメント導体90を介して、フィラメント50を加熱するフィラメント電源64が接続されている。フィラメント50の一端と第2熱シールド54とは、支持体60および筒状部56を介して同電位にされている。フィラメント電源64は、図示例のように直流電源でも良いし、交流電源でも良い。
A
フィラメント50とカソード20との間には、フィラメント50から放出された熱電子をカソード20に向けて加速して、当該熱電子の衝撃によってカソード20を加熱する直流の加熱電源66が、カソードホルダー30等を介して、かつカソード20を正極側にして接続されている。
Between the
カソード20とプラズマ生成容器4との間には、カソード20から放出された熱電子を加速して、プラズマ生成容器4内に導入されたガス10を電離させると共にプラズマ生成容器4内でアーク放電を生じさせて、プラズマ6を生成する直流のアーク電源68が、プラズマ生成容器4を正極側にして接続されている。
Between the
上記イオン源2においては、フィラメント50によってカソード20を加熱してカソード20からプラズマ生成容器4内に熱電子を放出させて、当該熱電子を用いてプラズマ生成容器4内でアーク放電を生じさせて、プラズマ生成容器4内に導入されたガス10を電離させてプラズマ6を生成し、このプラズマ6から、イオン引出し口12を通して、電界の作用で、イオンビーム14を引き出すことができる。なお、イオン引出し口12の出口側近傍には、通常は、イオンビーム14の引き出し用の引出し電極が設けられる。
In the ion source 2, the
次に、フィラメント導体90にフィラメント50を保持するフィラメント保持構造の一実施形態を図2〜図5を参照して説明する。図2は、図1中のフィラメント導体90の先端部付近の詳細例を示したものに相当する。
Next, an embodiment of a filament holding structure for holding the
フィラメント50は、この例では、例えば図4に示すように、概ねU字状に曲げ戻された形状をしている。但し、このフィラメント50の中間部の曲り部51の構造は、図示例のものに限られない。このフィラメント50の両端部を、図2に示す二つのフィラメント保持構造によってそれぞれ保持している。
In this example, for example, as shown in FIG. 4, the
フィラメント50は、金属、例えばタングステン(W)から成る。
The
図2には、互いに接近して並設されたフィラメント導体90をそれぞれ有していて、両フィラメント導体90間の中心線80を中心にして線対称に配置された二つのフィラメント保持構造が図中の上下に並べて記載されている。この二つのフィラメント保持構造は互いに同じ構造であるので、以下においてはその一方のフィラメント保持構造を主体に説明する。
FIG. 2 shows two filament holding structures each having
各フィラメント保持構造は、フィラメント導体90、フィラメントクランパー100、支点部材110および締付け手段(ボルト112およびナット114)を備えている。
Each filament holding structure includes a
フィラメント導体90は、図5も参照して、その先端部付近に、溝92を挟んで板厚方向に二つに分かれている部分94を有している。この二つに分かれている部分94の上下両方の相対応する位置に、フィラメント50を通すフィラメント穴96および支点部材110を通す支点部材穴98をそれぞれ有している。従って、フィラメント50および支点部材110が斜めになるのを防止することができる。フィラメント導体90は、更に、後述するボルト112を通すボルト穴99およびボルト112の頭部を入れる凹部91を有している。
With reference to FIG. 5 as well, the
フィラメント導体90は、金属、例えばモリブデン(Mo )から成る。後述するフィラメントクランパー100、支点部材110およびボルト112も同様である。
The
フィラメントクランパー100は、図3も参照して、この実施形態では、フィラメント導体90の溝92内に位置している部分102と、当該部分102にほぼ直角につながるレバー部104とを有していて、全体の平面形状が概ねL字形をしている。レバー部104は、フィラメント導体90の溝92の外に位置している。より具体的には、レバー部104は、フィラメント導体90の先端部の細くなった段部93に位置している。
With reference to FIG. 3, the
フィラメントクランパー100は、この溝内に位置している部分102であって上記フィラメント導体90のフィラメント穴96および支点部材穴98にそれぞれ対応する位置に、フィラメント50を通すフィラメント穴106および支点部材110を通す支点部材穴108を有している。レバー部104は、後述するボルト112を通すボルト穴109を有している。
The
支点部材110は、フィラメント導体90およびフィラメントクランパー100の両支点部材穴98および108に通されていて、フィラメントクランパー100をフィラメント導体90に、矢印Cで示すように回動可能に保持している。即ち、支点部材110がフィラメントクランパー100の上記回動の支点となる。支点部材110は、例えばピンであり、止め輪等の公知の抜け止め手段(図示省略)によって抜け止めがなされている。但し、支点部材110はピン以外のもの、例えばねじ、ワイヤ等でも良い。
The
フィラメント導体90に対してフィラメントクランパー100を回動させる方向に、より具体的には図5中の矢印Fに示す方向に締め付ける締付け手段として、この実施形態では、ボルト112およびそれに螺合するナット114を有している。ボルト112は、フィラメント導体90のボルト穴99およびフィラメントクランパー100のボルト穴109に通されている。
In this embodiment, as a fastening means for fastening the
この実施形態では、ボルト112の頭部をフィラメント導体90の凹部91に入れて、ボルト112の頭部がフィラメント導体90の側面から外に突き出さないようにしている。そのようにすると、両フィラメント導体90をより近づけて並設することができるので、フィラメント50の間隔(より具体的にはフィラメント50の脚部間の間隔)が狭い場合にも対応が容易となる。
In this embodiment, the head of the
ナット114は、モリブデン等の金属から成るものでも良いけれども、この実施形態ではカーボン(C)から成る。ボルト112は、上述したように例えばモリブデンから成る。
The
そして、フィラメント導体90およびフィラメントクランパー100のフィラメント穴96および106にフィラメント50を通し、ボルト112およびナット114によってフィラメントクランパー100を矢印Fに示す方向に締め付けることによって、フィラメント50にせん断方向に力を加えて、フィラメント導体90にフィラメント50を保持している。即ちクランプしている。その状態を拡大して図5に示す。上記締め付けは、例えばナット114を回すことによって行うけれども、それに限られるものではない。また、ナット114を回すのに、必要に応じてナットレンチ等の治具を用いても良い。
The
図2に示す実施形態では、前述したように、互いに同じ構造のフィラメント保持構造を二つ用いて、フィラメント50の両端部をそれぞれ保持している。
In the embodiment shown in FIG. 2, as described above, two filament holding structures having the same structure are used to hold both ends of the
このフィラメント保持構造は、フィラメント導体90およびフィラメントクランパー100のフィラメント穴96、106にフィラメント50を通し、締付け手段を構成するボルト112およびナット114によってフィラメントクランパー100を締め付けることによって、フィラメント50にせん断方向に力を加えて、フィラメント導体90にフィラメント50を保持している構造であり、締付け手段を締め付けることによって強いクランプ力を得ることができる。しかも、従来技術と違って弾性によってフィラメントをクランプする構造ではないので、高温になってもクランプ力の低下が少ない。
In this filament holding structure, the
フィラメント導体90やフィラメントクランパー100がフィラメント50からの熱によって高温に曝されて硬化しても、この硬化現象は、フィラメント50をクランプしている部分の形状を維持するように作用するので、弾性を用いる従来技術とは反対に、クランプ力を維持する良い方向に作用する。
Even if the
これを詳述すると、常温でフィラメントクランパー100を締め付けた際に、その力によって当初は、フィラメント導体90およびフィラメントクランパー100のフィラメント穴96、106の側壁が僅かに凹んでフィラメント50に馴染むかも知れない。その後、フィラメント導体90やフィラメントクランパー100がフィラメント50からの熱によって高温に曝されて硬化しても、上記フィラメント50に馴染んだ形状を維持するように作用するので、このことはクランプ力を維持する良い方向に作用する。即ち、高温に曝されることによる材料の硬化現象は、弾性を用いる従来技術では当該弾性を低下させクランプ力を低下させる現象であったけれども、このフィラメント保持構造では、材料の硬化現象を、クランプ力を維持する良い方向に利用することができる。
More specifically, when the
しかも、このフィラメント保持構造では、仮にクランプ力が低下したとしても、締付け手段を増し締めすることによって、例えばナット114を回して増し締めすることによって、クランプ力を容易に再生することができる。
Moreover, in this filament holding structure, even if the clamping force is reduced, the clamping force can be easily regenerated by tightening the tightening means, for example, by rotating the
また、締付け手段を緩めることによって、例えばナット114を緩めることによって、フィラメント50のクランプを簡単に開放することができるので、例えばフィラメント50のクランプを完全に開放することもできるので、強いクランプ力を得ることができるにも拘わらず、フィラメント50の保持や位置調整の作業性が良い。
Further, by loosening the tightening means, for example, by loosening the
締付け手段は、ボルト112とナット114との組み合わせ以外のもの、例えば、フィラメント導体90に形成された雌ねじ部とそれに螺合する雄ねじ(例えばボルト)等でも良いけれども、この実施形態のようにボルト112およびナット114で構成すると、フィラメント導体90にねじ加工のような複雑な加工を施さずに済むなど、締付け手段を簡単に構成することができる。また、以下に述べるように、モリブデンとカーボンとの組み合わせを選択することも容易になる。
The tightening means may be other than the combination of the
ボルト112がモリブデンから成り、ナット114がカーボンから成るものにすると、ボルト112とナット114とは互いに異なる材質であるので、フィラメント50からの熱によって高温に曝されても、互いに焼き付くのを防止することができる。しかも、ボルト112の材質であるモリブデンと、ナット114の材質であるカーボンとは、互いに線膨張係数が非常に近いので、具体的にはモリブデンの線膨張係数は約5.1×10-6/K(0−100℃において)、カーボンのそれは約5.6×10-6/K(0−100℃において)と非常に近いので、高温に曝されても、締付けが緩むのを防止することができる。
If the
上記のようなカソード保持構造を備えている図1に示すイオン源2も、上記と同様の効果を奏する。以下に述べる他の実施形態のフィラメント保持構造を備えているイオン源も、当該フィラメント保持構造が奏する効果と同様の効果を奏する。 The ion source 2 shown in FIG. 1 having the above-described cathode holding structure also has the same effect as described above. The ion source provided with the filament holding structure of the other embodiment described below also has the same effect as the filament holding structure.
フィラメント導体90の形状やフィラメントクランパー100の形状は、上記実施形態のものに限られるものではない。例えば図6に示す実施形態のように、フィラメントクランパー100が台形状をしていて、このフィラメントクランパー100の大半がフィラメント導体90の溝92内に位置している部分102となっていて、このフィラメントクランパー100のフィラメント導体90外に出ている部分にボルト112の頭部を係合させて、このボルト112と螺合するナット114とで締付け手段を構成して、この締付け手段によってフィラメントクランパー100をフィラメント導体90に対して矢印Fに示す方向に締め付ける構造にしても良い。ボルト112とナット114とは反対にしても良い。フィラメント導体90に、必要に応じて、ナット114、ボルト112を入れる凹部を形成しておいても良い。
The shape of the
上記各実施形態のフィラメント保持構造は、例えば特開2001−236897号公報等に記載されているような、直熱陰極を構成するフィラメントの保持や、そのようなフィラメントを有する直熱陰極型のイオン源にも適用することができる。 The filament holding structure of each of the embodiments described above is, for example, as described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-236897 and the like, holding a filament constituting a directly heated cathode, and a directly heated cathode type ion having such a filament. It can also be applied to sources.
また、上記各実施形態のフィラメント保持構造は、例えば特開平8−36983号公報等に記載されているような、直線状のフィラメントの保持や、そのようなフィラメントを有するイオン源にも適用することができる。 The filament holding structure of each of the above embodiments is also applicable to holding a linear filament as described in, for example, JP-A-8-36983, and an ion source having such a filament. Can do.
また、各上記実施形態のフィラメント保持構造は、例えば特開平8−190888号公報に記載されているような、フィラメントを用いてイオンビームの正電荷中和用のプラズマを発生させるプラズマ発生装置(これはプラズマフラッドガン、プラズマシャワー装置等と呼ばれることもある)にも適用することができる。中和用以外のプラズマ発生装置等にも適用することができる。 Further, the filament holding structure of each of the above embodiments is a plasma generator (this is described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-190888) that generates plasma for neutralizing positive charges of an ion beam using a filament. Can also be applied to plasma flood guns and plasma shower devices). It can also be applied to plasma generators other than those for neutralization.
また、上記各実施形態のフィラメント保持構造は、必ず二つ用いなければならないものではなく、一つ用いても良い。その場合でも、当該一つのフィラメント保持構造について、上述した効果を奏することができる。 Moreover, the filament holding structure of each said embodiment does not necessarily have to use two, You may use one. Even in that case, the above-described effects can be achieved with respect to the one filament holding structure.
2 イオン源
50 フィラメント
90 フィラメント導体
92 溝
94 二つに分かれている部分
96 フィラメント穴
98 支点部材穴
100 フィラメントクランパー
102 溝内に位置している部分
106 フィラメント穴
108 支点部材穴
110 支点部材
112 ボルト
114 ナット
2
Claims (5)
前記フィラメント導体の溝内に位置している部分を有していて、当該溝内に位置している部分であって前記フィラメント導体のフィラメント穴および支点部材穴にそれぞれ対応する位置に、フィラメントを通すフィラメント穴および支点部材を通す支点部材穴を有しているフィラメントクランパーと、
前記フィラメント導体および前記フィラメントクランパーの両支点部材穴に通されていて、前記フィラメントクランパーを前記フィラメント導体に回動可能に保持している支点部材と、
前記フィラメント導体に対して前記フィラメントクランパーを回動させる方向に締め付ける締付け手段とを備えていて、
前記フィラメント導体および前記フィラメントクランパーのフィラメント穴にフィラメントを通し、前記締付け手段によって前記フィラメントクランパーを締め付けることによって、前記フィラメントにせん断方向に力を加えて、前記フィラメント導体に前記フィラメントを保持していることを特徴とするフィラメント保持構造。 A filament hole through which the filament passes and a fulcrum member hole through which the fulcrum member passes at a position corresponding to both of the two parts divided in the plate thickness direction across the groove Each having a filament conductor;
The filament conductor has a portion located in the groove of the filament conductor, and the filament is passed through the portion located in the groove corresponding to the filament hole and the fulcrum member hole of the filament conductor. A filament clamper having a fulcrum member hole for passing the filament hole and the fulcrum member;
A fulcrum member that is passed through both fulcrum member holes of the filament conductor and the filament clamper, and holds the filament clamper rotatably on the filament conductor;
Tightening means for tightening the filament clamper in a direction to rotate the filament conductor,
The filament is passed through the filament conductor and the filament hole of the filament clamper, and the filament clamper is clamped by the clamping means, thereby applying a force in the shear direction to the filament to hold the filament on the filament conductor. A filament holding structure characterized by.
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