JP4633596B2 - 星空表示装置,これを有する家具,建造物およびミラーハウス - Google Patents

星空表示装置,これを有する家具,建造物およびミラーハウス Download PDF

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Description

本発明は、あたかも実際の星空のようなシャープで奥行き感のある星像群と所望の背景とを作り出すことができる星空表示装置,これを有する家具,建造物およびミラーハウスに関する。
星空のような星像群を作り出す装置として、たとえば、特許文献1(特開2003−241303号公報)には、星空をスクリーンドームや室内の壁や天井に広角に簡易に投影することができるプラネタリウム装置が記載されている。
このプラネタリウム装置は、投影装置からある距離をおいたところに設けたドームスクリーンや室内の壁や天井に星像群を投影し、ユーザーはその反射光を見るようになっている。
その投影される星像群は、レンズを用いて星像のピントぼけを少なくする工夫がなされているが、原理的にピントのぼけをゼロにすることはできない。特に、一般的な箱型形状の室内の壁や天井に投影された星像群は、投影装置からの距離や角度が一定にできないため、全ての星像をシャープにすることは原理的に困難であった。
そこで、特許文献2(実用新案登録第3081769号公報)には、光ファイバーを使用して星の並びを再現した簡易プラネタリウムが提案されている。
また、特許文献3(実用新案登録第3053620号公報)には、星座学習のための夜光塗料により天体を表示した壁紙または天井紙が記載され、さらに、特許文献4(特開2002−34745号公報)には、カラー写真画像を取り込んだ装飾鏡が記載されている。
特開2003−241303号公報 実用新案登録第3081769号公報 実用新案登録第3053620号公報 特開2002−34745号公報
特許文献2に記載の簡易プラネタリウムでは、ユーザーは「直接光」を見ることになるが、奥行き感のある星像群を作り出すための対策はなされていない。よりリアルな星空を再現しようとすればするほど、多数で且つ幾種類もの太さの光ファイバーが必要となり、装置が複雑化するとともに製作が困難であった。
また、光ファイバーは小半径で曲げるのが難しいので、装置の薄型化が困難であり、さらに、大量の光ファイバーの束に光を供給するための投光部が必要なので、装置の小型化が困難であった。
特許文献3に記載の壁紙または天井紙では、多数の星座が表されているが、その奥行き感を出すための対策はなされていない。また、特許文献2および特許文献3に記載のものは、周囲が暗いときにのみ使用するものであり、使用環境の明るさ条件には大きな制約がある。
特許文献4に記載の装飾鏡は、鏡面内の一部分にカラー写真画像を取り込んでいるが、星像群を作り出して表示するようにはなっていない。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、周囲の物体や光の映り込みの影響を抑制でき、シャープで奥行き感のある星像群と、所望の背景とを作り出して表示することができ、通常の鏡としても使用することができる簡素な構成の星空表示装置,これを有する家具,建造物およびミラーハウスを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明にかかる星空表示装置は、マジックミラーの反射膜に多数の光透過孔を散在して形成し、この反射膜の裏側に光透過性の光フィルターを配置し、この光フィルターの裏側に配置された光源部から光を照射してこの光が前記光フィルターと前記マジックミラーとを通り抜けてこのマジックミラーの表側に出ることにより、前記多数の光透過孔に対応する星像群を作り出すようにしている。
前記光フィルターは、前記反射膜を覆ってその裏面に固着された光透過性の腐食防止膜の裏面に固着されており、前記光フィルターにも、前記反射膜に散在して形成された前記多数の光透過孔と同じ配置で多数の光透過孔が散在して形成されているのが好ましい。
なお、前記光フィルターは前記反射膜を覆ってその裏面に固着されるとともに、この光フィルターにも前記反射膜の前記多数の光透過孔と連通して同じ位置に多数の光透過孔が散在して形成され、光透過性の腐食防止膜が前記光フィルターを覆ってその裏面に固着されている場合であってもよい。
上述の目的を達成するため、他の実施態様にかかる星空表示装置は、マジックミラーの反射膜を光学フィルターで形成するとともにこの光学フィルターに多数の光透過孔を散在して形成し、この光学フィルターの裏面にこの光学フィルターを覆う光透過性の腐食防止膜を固着し、この腐食防止膜の裏側に配置された光源部から光を照射してこの光が前記腐食防止膜と前記マジックミラーとを通り抜けてこのマジックミラーの表側に出ることにより、前記多数の光透過孔に対応する星像群を作り出すようにしている。
また、上述の目的を達成するため、さらに他の実施態様にかかる星空表示装置は、マジックミラーの反射膜の裏面にこの反射膜を覆う光透過性の光フィルターを固着するとともにこの光フィルターに多数の光透過孔を散在して形成し、この光フィルターの裏側に配置された光源部から光を照射してこの光が前記光フィルターと前記マジックミラーとを通り抜けてこのマジックミラーの表側に出ることにより、前記多数の光透過孔に対応する星像群を作り出すようにしている。
上述の各星空表示装置において、前記光透過孔には光透過性で着色された色素部が形成されているのが好ましい。
また、前記光源部は、前記光を発生する光源と、この光源から所定距離離れて配置され、ほぼ均一な光を照射するための光拡散板とを有しているのが好ましい。なお、前記光源部には薄型面発光素子が使用されている場合であってもよい。
本発明にかかる家具は、前記星空表示装置を有する家具であって、壁掛け鏡,卓上鏡,浴室用鏡,ドレッサー,鏡台,窓状鏡,時計,装飾窓およびテーブルからなる群から選択される一の家具である。
なお、前記構成の星空表示装置を、建造物またはミラーハウスに適用することも可能である。
本発明の星空表示装置は、上述のように構成したので、周囲の物体や光の映り込みの影響を抑制でき、シャープで奥行き感のある星像群と所望の背景とを作り出して表示することができ、通常の鏡としても使用することができ、また、簡素な構成にすることができる。
下記の各実施例では、鏡部にマジックミラーと光フィルター(または、光学フィルター)とを用いるとともに多数の光透過孔を散在させ、光源部から照射された光がマジックミラーの表側に出ることにより、多数の光透過孔に対応する星像群を作り出す構成にしている。
これにより、周囲の物体や光の映り込みの影響を抑制でき、シャープで奥行き感のある星像群と、所望の背景とを作り出す機能を発揮するとともに、通常の鏡としての機能も発揮するという目的を実現している。
本発明にかかる星空表示装置は、マジックミラーを構成部材とする各種物品(たとえば、壁掛け鏡など家具類)に適用することができる。この星空表示装置を適用する家具としては、壁掛け鏡,卓上鏡,浴室用鏡,ドレッサー,鏡台,窓状鏡,時計(特に、時計の文字盤),装飾窓,テーブルなどがある。
星空表示装置は、上述の家具のほか、マジックミラーを有する宝石箱,装飾置物やディスプレイ器具など小物類,万華鏡のようなマジックミラーを使用した玩具類,科学教育(特に、天文教育)の教材として使用するための簡易プラネタリウム,自動車用アクセサリーとしてのルームミラー,ランプシェード類などにも適用することができる。
星空表示装置は、高い装飾性や癒し効果が求められる建造物などの天井,壁,床のほか、エレベータの天井,壁などに装飾材として使用可能である。たとえば、住宅,ホテル,店舗,その他の建造物の室,廊下,ロビーの壁,天井,床面などがあり、また、遊園地やテーマパークに設置されたミラーハウスにも適用可能である。
また、星空表示装置は、店舗の商品ディスプレイ(たとえば、宝石,貴金属,時計,眼鏡,その他種々の商品のディスプレイ)としても有効である。
星空表示装置のマジックミラーは、通常は平面であるが、球面形,楕円形,放射面などの曲面であってもよい。
以下、本発明にかかる実施例を、図1ないし図17を参照して説明する。
図1は、本発明にかかる星空表示装置を有する壁掛け鏡の使用状態を示す斜視図、図2は、図1に示す壁掛け鏡の斜視図である。
図3は、前記星空表示装置の第1の実施例にかかる基本構造を示す分解斜視図、図4は、第1の実施例の一実施態様を示す組立断面構造図、図5は、第1の実施例の他の実施態様を示す組立断面構造図、図6は、前記星空表示装置の第2の実施例を示す組立断面構造図である。
図7は、第1の実施例,第2の実施例について、奥行き感のある星像群を作り出す原理を説明する図で、図7(A),(B)はそれぞれ断面図,斜視図である。
図8は、前記星空表示装置の第3の実施例にかかる基本構造を示す分解斜視図、図9は、第3の実施例を示す組立断面構造図、図10は、第3の実施例について、奥行き感のある星像群を作り出す原理を説明する図で、図10(A),(B)はそれぞれ断面図,斜視図である。
図1ないし図10に示すように、本発明にかかる星空表示装置1,1a,1b,1cは、鏡部10a,10b,10cに多数の光透過孔を散在して形成している。光が通り抜け可能な多数の光透過孔のうち透過孔4,4a,4bを例にとって以下説明する。
多数の光透過孔4,4a,4bは、実際の星空における星の位置に対応する相対的な位置に形成され、また、実際の星空における星の明るさに対応する相対的な大きさに形成されている。図1ないし図10では、星空表示装置1,1a〜1cにより、オリオン座およびその付近の天体に類似している星像群6を作り出して表示する場合を示している。
鏡部10,10a〜10cの裏側に配置された光源部5から鏡部10,10a〜10cに光Rを照射し、光Rが鏡部10,10a〜10cを通り抜けて鏡部10,10a〜10cの表側(ユーザーのいる方向)に出ることにより、多数の光透過孔4,4a,4bに対応する星像群6を作り出すようにしている。なお、鏡部10,10a〜10cには、光Rをほぼ均一に照射するのが好ましいが、わざと不均一に照射して特有の星像群6を作り出すようにしてもよい。
星空表示装置1,1a〜1cは、マジックミラー2を使用して背景9を表示しているので、星空表示装置1,1a〜1cの周囲の物体や光の映り込みの影響を抑制でき、シャープで奥行き感のある星像群6を作り出して表示することができる。
また、光フィルター8,8a,8c(または、光学フィルター8b)とマジックミラー2を使用することにより、所望の背景9を作り出して表示することができ、さらに、光源部5をオフすれば通常の鏡としても使用することができる。
もし、マジックミラーの代わりに通常の鏡を使用すると仮定すると、星空表示装置の周囲が明るい場合、その周囲の物体や光が背景(鏡の反射面)に映り込んでしまうので、せっかく作り出した星像群6が、物体や光の像に埋もれて見えにくくなってしまう。
そのため、星空表示装置の周囲の物体や光が背景(鏡の反射面)に映り込まないように、星空表示装置の周囲を十分に暗い環境にする必要があるので、星空表示装置の使用環境の明るさ条件には大きな制約がある。
これに対して、本発明の星空表示装置1,1a〜1cでは、光源部5の光Rが、マジックミラー2を通り抜けてその表側に出て、星像群6や所望の背景9を作り出すので、星空表示装置1,1a〜1cの周囲の物体や光の映り込みの影響を抑制することができる。
その結果、星空表示装置1,1a〜1cを明るい場所で使用しても(たとえば、室内に照明がついている場合でも)、周囲の物体や光の映り込みが目立たなくなり、星像群6や背景9が、ユーザーに感動を与えるほど美しく且つ明瞭に表示される。
本発明は、実際の星空と同じように一つの星に対して一つの光透過孔を対応させて形成しているので、写真や画像などを使用する従来技術と比べて、極めてシャープで高いコントラストを有する美しい星像群6を得ることができる。
本発明の星空表示装置1,1a〜1cは、周囲が暗くても明るくても使用可能で、使用環境の明るさ条件の制約がほとんどない。たとえば、日中の屋外や非常に明るい室内などでは使用できないが、日中で電灯をつけない程度の明るさの室内なら十分に使用可能である。
また、マジックミラー2を遠いところから見ても近くから見ても、シャープで奥行き感のある星像群と、所望の背景が得られるので、星空表示装置1,1a〜1cは、使用条件の制約が少なく、常時高い装飾性を発揮し、用途も広い。
ドームスクリーンや投影装置などが必要な従来のプラネタリウム装置と比べて、星空表示装置1,1a〜1cは簡素な構成で製造が容易である。
まず、図1ないし図4を参照して、第1の実施例の一実施態様について説明する。
図1,図2は、星空表示装置1,1a〜1cを用いて、家具としての壁掛け鏡20を構成した場合を示している。この壁掛け鏡20は、通常、住宅の寝室や居間の壁に設置したり、ホテルの客室,廊下,ロビーの壁などに設置して使用される。
図3,図4に示す星空表示装置1は、マジックミラー2の反射膜3に多数の光透過孔4,4a,4bを散在して形成し、反射膜3の裏側に光透過性の光フィルター8を配置している。
光フィルター8の裏側に配置された光源部5から光Rを照射して、光Rが光フィルター8とマジックミラー2とを通り抜けてこのマジックミラー2の表側に出ることにより、多数の光透過孔4,4a,4bに対応する星像群6を作り出すようにしている。
星空表示装置1は、マジックミラー2と光フィルター8を使用しているので、壁掛け鏡20の周囲の物体や光の映り込みの影響を抑制でき、シャープで奥行き感のある星像群6と所望の背景9とを作り出して表示することができ、光源部5をオフすれば通常の鏡としても使用することができ、簡素な構成にすることができる。
星空表示装置1において、光フィルター8は、マジックミラー2の反射膜3を覆ってその裏面に固着された光透過性の腐食防止膜7の裏面に固着されている。星空表示装置1の鏡部10は、マジックミラー2と、マジックミラー2の裏側に層状に重ねて配置された腐食防止膜7および光フィルター8とを有している。
マジックミラー2は、光透過性の鏡母材11と、鏡母材11の裏面に固着された反射膜3とを有している。マジックミラー2は、白いレースカーテンと同じように、暗い側からは明るい側を透視できるが、明るい側からは透視できず鏡になる機能を有するものである。
マジックミラー2は、透明なガラスまたは樹脂からなる鏡母材11の裏面に、鍍金,金属のスパッタリング,蒸着などにより、光を一部透過するように鏡母材11に薄く形成された金属製の薄膜(反射膜3)が形成されており、「ハーフミラー」とも呼ばれている。マジックミラーの光の透過率は、その製造段階で調整可能であり、種々の透過率のマジックミラーが市販されている。
腐食防止膜7と光フィルター8は、共に光透過性を有し、反射膜3の裏面に層状に重ねて固着され、反射膜3の全体(または、一部)を覆って保護している。
鏡母材11は、ガラス製または合成樹脂製(たとえば、アクリル製)であり、光透過性で無色透明である。星空表示装置1に高い強度が要求される場合には、鏡母材11の素材を強化ガラスにするのが好ましく、また、軽量化が求められる場合には、鏡母材11をアクリル樹脂など樹脂からなる樹脂鏡を使用するのが好ましい。さらに、鏡母材11の表面に反射防止処理およびくもり止め処理のなされたものを使用するのもよい。
反射膜3は、鍍金,金属のスパッタリング,蒸着などにより、光を一部透過するように鏡母材11に薄く形成された金属製の薄膜である。反射膜3の材料としては一般的にクロム系金属が主流であるが、アルミニウム,銀,銅,鉛,金,その他各種材料を反射膜3として用いたマジックミラーでもよい。
反射膜3には、多数の光透過孔4,4a,4bが散在して形成されている。たとえば、光透過孔4aは一の星像を作り出すための孔であり、光透過孔4は他の星像を作り出すための孔であり、光透過孔4bは街の灯などを作り出すための孔である。
なお、鏡母材11が着色透明の場合、または、反射膜3が特定波長帯の光を多く透過,反射または干渉することで反射面が色づいて見える場合など、用途によって種々のマジックミラーを使用することで、さらに応用範囲が広がる。
また、鉛皮膜または無鉛の金属皮膜を反射膜3として用いた反射率の低いミラーは、「ダークミラー」と呼ばれており、反射膜3が黒く高級感と装飾性が高い。ダークミラーは、その反射面の材質や反射率によっては限定されない。
本発明のマジックミラー2としてこのダークミラーを用いれば、より高級感と装飾性が増すので、特にテーブル類や天井材などに本発明の星空表示装置1,1a〜1cを採用すると効果的である。
腐食防止膜7は、反射膜3の裏面に固着され、反射膜3の全体(または、一部)を覆っている。腐食防止膜7は、透明な樹脂または塗料(たとえば、シリコンワニス)などからなっており、光が透過可能である。
光フィルター8にも、反射膜3に散在して形成された多数の光透過孔と同じ配置で、多数の光透過孔4,4a,4bが散在して形成されており、光Rは、空間になっている各光透過孔4,4a,4bを通過可能である。なお、光フィルター8に形成された多数の光透過孔4,4a,4bの内部が空間の場合を示したが、この内部を透光性の物質で埋めた場合であってもよい。
光透過孔4,4bを通り抜ける光Rは、反射膜3の色素部15,15aでそれぞれ着色される。
たとえば赤,青,黄色などの光透過性の塗料や透明カラーインクなどを光透過孔4,4bの内方に塗布または充填することにより、光透過孔4,4bに色素部15,15aがそれぞれ形成されている。
その結果、光透過孔4,4bを通り抜ける光Rを着色し、赤い星,青い星,黄色の星など着色された星像や、着色された街の灯の像などを作り出して、より現実に近い星像群6や街灯りなどを作り出すことができる。
反射膜3の光透過孔4,4bには、光透過性で着色された色素部15,15aがそれぞれ形成されているので、光透過孔4,4b(すなわち、色素部15,15a)を通り抜けた光R0は、各色素部15,15aの色(たとえば、赤,青,黄色など)に着色されて、それぞれ星像や街の灯などを作り出すことができる。
なお、反射膜3の光透過孔4aには色素部が形成されていないので、この光透過孔4aを通り抜けた光R1は、着色されずにそのまま白い星像を作り出す。
光透過孔以外の場所を通った光R2は、光フィルター8を通り抜けて着色された光となって背景9を作り出す。
ところで、地上から見た実際の星空は、大気の影響などで完全に暗黒ではなく、たとえば深い青紫色または暗濃紺色に見える。そこで、たとえば、光フィルター8を通り抜けた光が、380〜430nmの波長域(すなわち、青紫色)になるようにすれば、実際の星空に似た深い青紫色の背景9が作り出される。
星空だけでなく、夕景,夜景も背景として表現したい場合があるが、その場所や時刻などの環境、方角,高度などによっても多様な色合いに変化するので、背景は一様ではない。たとえば、日没直後の西の空は地平線付近が赤く紅色に染まり、高度が高くなるにつれてその色合いは、青や紫から濃紺などへと変化する(グラデーション)。
図示する背景9については、夕日に山の稜線17や建物などのシルエット,街の灯,月L2など多様な風景になっている。
このように、背景9は、光フィルター8とマジックミラー2とを組み合わせることによって実現可能である。その結果、ユーザーは、実際の星空を地上から見たときのようなリアル感を感じて、実際の星空に極めて近い臨場感を得ることができる。
反射膜3において、その光透過孔4aの内部には光透過性の腐食防止膜7と同じ物質が一体的に塗布または充填などにより形成され、光透過孔4には所定の色の色素部15が塗布または充填などにより形成され、光透過孔4bには所定の色の色素部15aが塗布または充填などにより形成されている。
腐食防止膜7は、反射膜3の光透過孔4aを埋め、他の光透過孔4,4bの各色素部15,15aに密着してこれを覆っているので、光透過孔4,4a,4bの位置で金属製の反射膜3が大気と直接接触しないことになり、反射膜3の腐食を防止することができる。
反射膜3と光フィルター8に光透過孔4,4a,4bなど多数の光透過孔を形成するための加工は、市販の恒星座標データや街の灯用の画像などから得た座標データなどに基づいて、マジックミラー2の裏側の反射膜3と、光フィルター8に、ドリルによる切削加工,エッチング処理,レーザー加工など、一般に広く使われている技術で容易に可能である。
光透過孔を形成するには、反射膜3の一部を除去することになるが、この加工部分では、反射膜3が露出して湿気などにより腐食しやすい。そこで、この加工部分(光透過孔4aの部分)には、光透過性がよくて無色透明の防湿塗料などを塗布または充填しながら、腐食防止膜7を形成する。そして、光透過性を有して着色された色素部15,15aを光透過孔4,4bにそれぞれ塗布または充填したのち腐食防止膜7を形成することにより、耐食性を確保している。
多数の光透過孔4,4a,4bの各孔径は、星の明るさ等級や街灯りの明るさなどにより決定し、たとえば明るい星は孔径を大きくし、暗い星は孔径を小さくする。多数の光透過孔4,4a,4bの各孔形状は、通常は円形が好ましいが、円形以外の形状(たとえば、楕円形,三角形,四角形,多角形,星形)であってもよい。
また、星空表示装置1,1a〜1cを至近距離から見る場合や離れて見る場合など、目的に応じて、多数の光透過孔4,4a,4bの相互の相対的な大小関係はそのままにして、全体の孔径自体を小さくしたり大きくしたりすればよい。
たとえば、ユーザーが星空表示装置1,1a〜1cを数十cm〜数mの至近距離で見る場合には、光透過孔4,4a,4bの直径としては、約数十μm〜約1mmであるのが好ましい。
なお、より遠くからユーザーが星空表示装置1,1a〜1cを見る場合には、全体的により大きな直径の光透過孔4,4a,4bを形成して、これら光透過孔4,4a,4bから出る光量を大きくするのが好ましい。
また、鏡の用途によっては、代表的な星座(たとえば、オリオン座)のみを強調するために、この星座を構成する光透過孔4,4aのみの孔径を大きくしてもよい。
恒星座標データは、宇宙関連機関などのインターネットホームページで公開されていたり、CD−ROMなどメディアに記録されて市販されている。したがって、星空の写真などを用いなくても、星の正確な位置と明るさおよびそのスペクトル(色)情報を再現することは容易である。この正確な恒星座標データに基づいて再現された星像群6は、癒し効果や観賞,装飾の用途に留まらず、科学教育(特に、天文教育)の教材としても使用することができる。
「光フィルター」は、それ自体が光着色効果を有する膜状体である場合、透明な膜状体に光透過性のインクなどで着色または印刷した場合、カラー写真フィルムなどのように光着色性粒子層がフィルム表面に形成されている場合、光透過性反射膜面に光透過性インクなどで着色または印刷した場合などがある。
その結果、光フィルターを使用すれば、星像群6の背景(たとえば、所望の色に着色した場合や、グラデーションなどにデザインされた景色など背景)9を容易に形成することができる。
「光学フィルター」とは、光を特定制御するための光学素子である。すなわち、光学フィルターは、たとえば特定波長域(フィルター固有の波長帯)の光を通過させ、他の波長域の光を吸収する物質からなる層を用いて(または、誘電体多層膜などによる光干渉を用いて)、特定波長域の光を取り出すために用いられる。
光学フィルターは、光源部5から発生する光Rを通過させることにより、所望の背景9を形成する機能を有しており、光透過性反射膜自体が特定波長帯の光透過性を持つように光制御機能を有している場合がある。
たとえば、光フィルター8の面(前方の面,裏側の面,または両面)に、星像群6の背景9を構成する点,線(たとえば、星座線L1,模様),面(たとえば、背景色(空),夕焼け),文字,風景,図形(たとえば、街の建物),絵(たとえば、星座の絵),恒星以外の天体(たとえば、月L2)を各種色彩やその濃淡などにより用途に応じてデザインする場合がある。
こうしてデザインされた光フィルター8を、腐食防止膜7の裏面に密着させることになる。その結果、シャープな星像を保ちつつ、リアルな風景の表現と、装飾性,用途に応じたデザイン自由度の向上との両方を実現している。
図3,図4に示す星空表示装置1における光源部5は、光Rを発生する光源21と、光源21から所定距離d離れて配置され、鏡部10にほぼ均一な光を照射するための光拡散板22とを有している。光源21と光拡散板22の間には、所定距離dのギャップ25が確保されている。
光源21には複数の光発生部23が配列されており、各光発生部23から発生した光Rが、光拡散板22の全体(または、一部)に入射するようになっている。光発生部23に発光ダイオード(LED),蛍光灯,冷陰極管などを使用すれば白色光を発するので好ましいが、星空表示装置1が装飾などを目的とする場合には、白色光以外の光源でもよい。また、星空表示装置1を建物に使用する場合などには、光源21として日光を導いてもよい。
光発生部23で発生した光Rは、ギャップ25のところで所定角度で広がった状態で、光拡散板22の全体(または、一部)に照射される。光発生部23は複数個配置されているので、光拡散板22の全体(または、一部)に光Rがほぼ均一に照射される。
なお、LEDを光発生部23に使用し、個別に不規則に明暗,点滅などさせることにより星の瞬きを表現してもよく、その場合には光拡散板22は不要である。
また、光源部5と鏡部10の間にLCD(液晶表示器)を挟み、LCD表示を多点且つ不規則に瞬かせると、色も自由になるので用途も拡がる。なお、光源を兼ねたプラズマ表示装置を鏡部10の裏側に配置しても、同等の効果を奏する。
光源21では、電流供給用の配線が設けられた板状の配線板24に多数の発光ダイオード(光発生部23)を縦横方向に規則的に並べて配置し、発光ダイオードから白色光が発生するようにしている。
発光ダイオードを使用する場合は、各発光ダイオードの発光にばらつきが生じやすいので、電流が均一に流れて同じ明るさの光を発光させる機能を有する定電流ダイオードやLED駆動専用ICなどを使用するのが好ましい。
光拡散板22は、光源21の光Rを受けて内部で拡散させた後、鏡部10にほぼ均一な光を照射するためのディフューザーとしての機能を発揮する。そのために、光拡散板22には、乳白色で光透過性の合成樹脂板が使用されているが、すりガラスなどであってもよい。
光拡散板22を設け、且つ、光源21と光拡散板22の間にギャップ25を確保したので、光源部5から鏡2に照射される光を、ほぼ均一な面状光にすることができる。
光源部5における照明色や点灯パターンなどについて、最も使用頻度の高いのは白色光で連続点灯であるが、用途に応じて色々な色彩光や色彩の可変,色彩分布,連続点灯,点滅点灯,明暗の可変などを組み合わせれば色々な効果を発揮することができる。
なお、光源部には薄型面発光素子を使用した場合であってもよい。この薄型面発光素子としては、白色光を発生する白色EL(エレクトロルミネッセンス)シートなどが使用される。この白色ELシートは、ELシートメーカの指定する絶縁処理が行われており、光源部は、その裏面に設けられた押さえ板により保持される。
このような薄型面発光素子を光源部に使用すれば、光源部自体が全体的にほぼ均一な面状光を発生して、この面状光を鏡部10にほぼ均一に照射することができる。したがって、光源部におけるギャップと光拡散板が不要になり、シート状の光源部を鏡部10に直接密着させることができる。
その結果、星空表示装置全体を薄型化でき、且つ部品点数を少なくすることができる。したがって、この星空表示装置は、壁掛け鏡,浴室用鏡,窓状鏡などに使用すると奥行き寸法が短くなるので好ましい。
なお、光源部に使用する薄型面発光素子は、テレビ,パソコン,携帯電話などの液晶ディスプレイまたはプラズマディスプレイなどに使用する面照明(バックライト)のようなものであってもよい。
鏡部10と光源部5の間には遮光板16が配置されている。遮光板16は、山脈の稜線17や建物などをシルエットとして演出するための所定形状を有するシートである。風景画像の場合に、遮光板16を設けると、山脈や建物などがシルエットとして表示され、スケール感とリアル感が演出される。
なお、遮光板16は、鏡部10と光拡散板22との間に挟持されているが、鏡部10の内部たとえば、反射膜3と腐食防止膜7との間、または腐食防止膜7と光フィルター8との間に挟持される場合であってもよい。
また、遮光板16の代わりに、鏡部に遮光性のインクを塗って図形を描いたり、または所定形状の膜状体を光フィルター8に密着させた場合も、稜線17や建物などのシルエットを演出することができる。
星空表示装置1において、鏡部10,遮光板16および光拡散板22が順に積層され、これらの部材10,16,22の全体が一体化して密着した多層構造をなしているが、図3,図4では一体化する前の状態を示している。なお、この点は、星空表示装置1a〜1cにおいても同様である。
星空表示装置1において、光源部5で発生した光(たとえば、白色光)は、光フィルター8を通り抜け、腐食防止膜7を通り、マジックミラー2を通ってその表面12から表側の大気中に出てユーザーの左眼E1と右眼E2に至る。
このとき、光フィルター8の光透過孔4,4bと反射膜3の光透過孔4,4bを通り抜けた光R0は、色素部15,15aでそれぞれ着色される。光フィルター8の光透過孔4aと反射膜3の光透過孔4aを通った光R1は、色素部はないので、そのまま着色されずにマジックミラー2から表側に出る。光透過孔以外の場所を通った光R2は、光フィルター8を通り抜けて着色された光となってマジックミラー2から表側に出る。なお、遮光板16に至った光Rはここで遮光される。
このように、光源部5を出た光Rは、光フィルター8の後面,光フィルター8と腐食防止膜7との境界面,腐食防止膜7と反射膜3との境界面,反射膜3と鏡母材11との境界面,鏡母材11の前面(表面12)で、それぞれ直進または屈折した光R0,R1,R2となって、やがてユーザーの眼E1,E2に届く。これにより、ユーザーは、星空表示装置1のマジックミラー2の表側に出る光を直接見ることができる。
次に、第1の実施例の他の実施態様にかかる星空表示装置1aについて説明する。
なお、第1の実施例の他の実施態様,第2の実施例および第3の実施例では、第1の実施例の一実施態様と同一または相当部分には同一符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみ説明している。
図5に示す星空表示装置1aの鏡部10aでは、マジックミラー2の裏面に直接光フィルター8aを配置している。すなわち、星空表示装置1aの光フィルター8aは、マジックミラー2の反射膜3を覆ってその裏面に固着されている。
光フィルター8aにも、反射膜3の多数の光透過孔4,4a,4bと連通して同じ位置に多数の光透過孔4,4a,4bが散在して形成されている。光透過性の腐食防止膜7が、光フィルター8aを覆ってその裏面に固着されている。
このようにすれば、腐食防止膜7が外部に露出し、光フィルター8aはマジックミラー2と腐食防止膜7との間に挟まれて露出しないので、光フィルター8aに傷が付いたり汚れたりするのを防止することができる。
星空表示装置1aにおいて、光源部5で発生した光(たとえば、白色光)Rは、鏡部10aの裏面に入射する。そして、この光は、腐食防止膜7,光フィルター8a,マジックミラー2の反射膜3および鏡母材11を通って、その表面12から表側の大気中に出て、ユーザーの左眼E1と右眼E2に至る。
このとき、光透過孔4,4bを通り抜けた光R0は、光透過孔4,4bにそれぞれ形成された色素部15,15aにより赤,青,黄色などに着色されて、星像,街の灯などを作り出す。
光透過孔4aの内部には、腐食防止膜7が塗布または一体的に充填されており、色素部は形成されていない。したがって、光透過孔4aを通り抜けた光R1は、白色光のままで鏡母材11を通って星像を作り出す。
星空表示装置1aでは、光透過孔4,4a,4bを通り抜ける光は、光フィルター8aを通過しないので、光フィルター8aの影響を受けない。すなわち、光透過孔4,4bを通り抜ける光R0は、色素部15,15aのみで着色される。光透過孔4aを通り抜ける光R1は、この光透過孔4aに塗布または充填された腐食防止膜7と同じ素材のところを通過するので、着色されず白色光のままである。
光透過孔以外の場所を通った光R2は、光フィルター8aにより特定波長域の光(たとえば、青紫色の光)R2となって、マジックミラー2を通って背景9を作り出す。
光源部5を出た光Rは、腐食防止膜7の後面,腐食防止膜7と光フィルター8aとの境界面,光フィルター8aと反射膜3との境界面,反射膜3と鏡母材11との境界面でそれぞれ直進または屈折した光R0,R1,R2となって、やがてユーザーの眼E1,E2に届く。これにより、ユーザーは、星空表示装置1aのマジックミラー2の表側に出る光を直接見ることができる。
このように、光フィルター8aにも多数の光透過孔を散在して形成したので、光透過孔4,4a,4bを通り抜ける光R0,R1は、光フィルター8aの影響を受けず、実際の星空に極めて近い色の星像となって臨場感が得られる。
次に、図6に示す第2の実施例にかかる星空表示装置1bは、鏡部10bのマジックミラー2における反射膜を光学フィルター8bで形成し、光学フィルター8bには、多数の光透過孔4,4a,4bを散在して形成している。また、光学フィルター8bの裏面には、光学フィルター8bを覆う光透過性の腐食防止膜7を固着している。
すなわち、鏡部10bは、マジックミラー2と、このマジックミラー2の裏面に固着された腐食防止膜7とを有している。
光学フィルター8bは、鍍金,金属のスパッタリング,蒸着などにより鏡母材11に薄く半透明に固着された薄膜であり、且つ、特定波長域の光を通過させ、他の波長域の光を吸収する物質からなる層を用いて(または、誘電体多層膜などによる光干渉を用いて)、特定波長域の光を取り出すために用いる光学素子であり、反射膜としての機能を兼ねている。
星空表示装置1bは、腐食防止膜7の裏側に配置された光源部5から光Rを照射して、この光Rが腐食防止膜7とマジックミラー2を通り抜けてこのマジックミラー2の表側に出ることにより、多数の光透過孔4,4a,4bに対応する星像群6を作り出すようにしている。これにより、星空表示装置1bは、上述の星空表示装置1,1aと同じ作用効果を奏する。
また、光学フィルター8bがマジックミラー2の反射膜の機能を有するので、マジックミラーとは別途に光学フィルターを設ける必要がなくなり、多層構造の鏡部10bの層の数を一つ減らして簡素な構成にすることができる。
光学フィルター8bに形成された光透過孔4,4bには、色素部15,15aがそれぞれ塗布または充填により形成され、光透過孔4aには、腐食防止膜7と同じ材質の透光性の物質が塗布または一体的に充填されている。
星空表示装置1bにおいて、光源部5で発生した光(たとえば、白色光)Rは、鏡部10bに入射し、腐食防止膜7,マジックミラー2を通って、その表面12から表側の大気中に出て、ユーザーの左眼E1と右眼E2に至る。
このとき、光透過孔4,4bを通り抜けた光R0は、色素部15,15aでそれぞれ赤,青,黄色などに着色されて星像,街の灯などを作り出す。光透過孔4aを通り抜けた光R1は、色素部がないので白色光のままで星像を作り出す。光透過孔以外の場所を通り抜けた光R2は、光学フィルター8bにより特定波長域の光(たとえば、青紫色の光)となって背景9を作り出す。
このように、光源部5を出た光Rは、腐食防止膜7の後面,腐食防止膜7と光学フィルター8bとの境界面,光学フィルター8bと鏡母材11との境界面,鏡母材11の表面12でそれぞれ直進または屈折した光R0,R1,R2となって、やがてユーザーの眼E1,E2に届く。これにより、ユーザーは、星空表示装置1bのマジックミラー2の表側に出る光を直接見ることができる。
反射膜の機能を有する光学フィルター8bに多数の光透過孔4,4a,4bを散在して形成したので、光透過孔4,4a,4bをそれぞれ通り抜ける光R0,R1,R0は、光学フィルター8bの影響を受けず、実際の星空に極めて近い色の星像となって臨場感が得られる。
次に、星空表示装置1,1a,1bを使用することにより、奥行き感のある星像群6や街の灯などを作り出す原理について、図7(A),(B)を参照して説明する。
マジックミラー2の鏡母材11の媒質(ガラスやアクリルなどの材質)の違いにより光の屈折率が異なるが、本発明では、明るい星像である「星A」の奥にその「虚像B」がかすかに見えるようにして、奥行き感を作り出すようにしている。なお、媒質の種類に基づく屈折率の違いによる星像の見えかたの変化は機能上問題にならないので、図7では、屈折による光の変化の図示は省略している。
図7(A)では、光が光透過孔4を通り抜けて作り出される星像を例にとって説明する。鏡部10,10a,10bに形成された光透過孔4から表側方向に発せられた光(直接光)R0は、鏡部10,10a,10bの表面12の点A1で、その一部が鏡母材11内に部分反射する。
光透過孔4から発せられた光R0の大部分は、点A1で屈折し、表面12から外部に飛び出して、ユーザーの右眼E2に到達する。その結果、右眼E2で、明るい星像である星Aが見える。すなわち、この星Aから直接発せられた光R0が右眼E2に到達するので、右眼E2は星Aを実像として見ることになる。
光透過孔4から鏡母材11内のあらゆる方向に光が発せられている。この光のうち鏡母材11の表面12の点B1に到達した光は、点A1のときと同様にそのほとんどが屈折して鏡母材11の外部に飛び出していくが、この光は、右眼E2,左眼E1とは違う方向を向いているので、実際には見えないことになる。
一方、点B1で部分反射して弱まった光R01は、鏡母材11の反射面13上の点B2に進む。この点B2でさらに全反射した光R02は、鏡母材11の表面12上の点B3に向かう。点B3に到達した光R02は、その一部がこの点B3でさらに部分反射して減衰する。
点B3で部分反射せずに残った弱い光は、点B3で屈折して右眼E2に到達する。その結果、星Aの虚像Bが星Aの後方に結ばれ、右眼E2ではこの虚像Bが暗い(弱い)星像として見えることになる。
ここで、光透過孔4から発せられた光R0が、星Aとその虚像Bとして、右眼E2に到達するまでの光路を比較する。実像については、星Aから出た光R0は、点A→点A1→右眼E2であるのに対して、虚像Bについては、点A→点B1→点B2→点B3→右眼E2となるので、右眼E2では、虚像Bの方が星Aより距離の差の分だけ遠くに見えることになる。鏡母材11の厚みTが厚くなるほど、前記距離の差が大きくなる。
このようにして、星Aの奥にその虚像Bがかすかに見えるようにしている。虚像Bは、反射面13ではなくさらにその延長上の点Bにあるように見えるので、右眼E2では、実際には同一平面上(すなわち、反射面13)から発せられる光R0を見ているにもかかわらず、明るい星Aと暗い虚像Bとが見えるので、奥行きのある星像として認識することになる。上述の原理は、左眼E1についても同様である。
図7(B)は、鏡部10,10a,10bの反射面13上に星Aおよびその他多数の星からなる星像群6が見え、これら実像の星像群6の後方にも、虚像Bおよびその他多数の虚像が見えている状態を示している。
人間が奥行きのある空間を認識する場合、対象物と両眼(右眼E2,左眼E1)とのなす角度と像がそれぞれ脳により合成処理されるので、星Aとその虚像Bを左右の眼E1,E2で同時に見た場合も、同様に奥行きのある星像として認識されることになる。
虚像Bは、鏡母材11の内部での反射回数が多く、またこの部分反射光が点B3でさらに弱まった光になっている。その結果、虚像Bの明るさは星Aと比べて非常に弱い。
星Aから直接眼(たとえば、右眼E2) に入る光R0と、虚像Bを見るときの光R02とのなす角度θは、鏡部10,10a,10bを至近距離斜めから見た場合を除いて極めて微小であり、虚像Bの存在はほとんど意識されない。
したがって、ユーザーは、無意識のうちに奥行き感だけを感じることになる。たとえば、膨大な星の集まりである天の川も、暗い星まで表現することでリアルに作り出して再現すると同時に、星空の奥行き感をさらに効果的に演出することができる。
このように、奥行き感のある星像群6や街の灯などを容易に作り出すことができるので、狭い室内であっても、ユーザーは、リアルな星空を見てリラックスすることができ、また広々とした場所に居るような広域感を感じ取ることができる。
図8ないし図10に示す第3の実施例にかかる星空表示装置1cは、マジックミラー2の反射膜3に光透過孔を形成しないことにより、マジックミラー2を前方から見たときの反射膜3の美観を向上させている。
したがって、星空表示装置1cでは、マジックミラー2の反射膜3の裏面に、反射膜3を覆う光透過性の光フィルター8cを固着するとともに、光フィルター8cに多数の光透過孔4,4a,4bを散在して形成している。
そして、光フィルター8cの裏側に配置された光源部5から光Rを照射して、この光Rが光フィルター8cとマジックミラー2とを通り抜けて、マジックミラー2の表側に出ることにより、多数の光透過孔4,4a,4bに対応する星像群6を作り出すようにしている。
これにより、星空表示装置1cでは、上述の星空表示装置1,1aと同じ作用効果を奏する。また、光源部5をオフして星空表示装置1cを通常の鏡として使用する場合、鏡部10cを前方から見たときに、光透過孔4,4a,4bは、マジックミラー2の反射膜3に遮られているので一切見えない。したがって、通常の鏡として使用可能な星空表示装置1cの商品価値が向上する。
鏡部10cは、マジックミラー2と、マジックミラー2の裏面に固着された光フィルター8cとを有している。光フィルター8cに形成された光透過孔4,4bには、色素部15,15aがそれぞれ形成されているが、光透過孔4aには色素部が形成されていない場合を示している。
星空表示装置1cにおいて、光源部5で発生した光(たとえば、白色光)Rは、鏡部10cに入射し、光フィルター8cを通り、マジックミラー2を通ってその表面12から表側の大気中に出て、ユーザーの左眼E1と右眼E2に至る。
このとき、光透過孔4aを通り抜けた光R1は白色光のままであるが、光透過孔4,4bを通り抜けた光R0は、色素部15,15aでそれぞれ赤,青,黄色などに着色される。なお、遮光板16に至った光がここで遮光されるのは、他の星空表示装置1,1a,1bと同じである。
こうして、光透過孔4aを通った光R1は一の星像を作り出し、光透過孔4,4bを通った光R0は、他の星像や街の灯などをそれぞれ作り出す。光透過孔以外の場所で光フィルター8cを通った光R2は、特定波長の光(たとえば、青紫色の光)となったのち、マジックミラー2を通って背景9を作り出す。
このように、光源部5を出た光Rは、光フィルター8cの後面,光フィルター8cと反射膜3との境界面,反射膜3と鏡母材11との境界面,鏡母材11の前面でそれぞれ直進または屈曲した光R0,R1,R2となって、やがてユーザーの眼E1,E2に届く。
これにより、ユーザーは、星空表示装置1cのマジックミラー2の表側に出る光を直接見ることができる。
次に、星空表示装置1cを使用することにより奥行き感のある星像群6や街の灯などを作り出す原理について、図10(A),(B)を参照して説明する。
この星空表示装置1cでは、マジックミラー2に光透過孔を形成していないので、光フィルター8cの光透過孔を通り抜けて星像が作り出される。したがって、図10(A)では、光が光透過孔4を通り抜けて作り出される星像を例にとって説明する。
マジックミラー2の鏡母材11の媒質(ガラスやアクリルなどの材質)の違いにより光の屈折率が異なるが、本発明では、光透過孔4を通り抜けることにより作り出される星Aの奥にその虚像Bがかすかに見えるようにして、奥行き感を作り出すようにしている。なお、媒質の種類に基づく屈折率の違いによる星像の見えかたの変化は機能上問題にならないので、図10では、屈折による光の変化の図示は省略している。
鏡部10cの光フィルター8cに形成された光透過孔4から表側方向に発せられた光(直接光)R0は、鏡部10cの表面12の点A1でその一部が鏡母材11内に部分反射する。
光透過孔4から発せられた光R0の大部分は、点A1で屈折し、表面12から外部に飛び出して、ユーザーの右眼E2に到達する。その結果、右眼E2で見えるこの明るい星像を「星A」とする。すなわち、この星Aから直接発せられた光R0が右眼E2に到達するので、右眼E2では星Aを実像として見ることになる。
光透過孔4から鏡母材11内のあらゆる方向に光が発せられている。この光のうち鏡母材11の表面12の点B1に到達した光は、点A1のときと同様にそのほとんどが屈折して鏡母材11の外部に飛び出していくが、この光は右眼E2,左眼E1とは違う方向を向いているので、実際には見えないことになる。
一方、点B1で部分反射して弱まった光R01は、鏡母材11の反射面13上の点B2に進み、この点B2でさらに全反射した光R02は、鏡母材11の表面12上の点B3に向かう。点B3に到達した光R02は、その一部がこの点B3でさらに部分反射して減衰する。
点B3で部分反射せずに残った弱い光は、点B3で屈折して右眼E2に到達する。その結果、星Aの虚像Bが星Aの後方に結ばれ、右眼E2ではこの虚像Bが暗い(弱い)星像として見えることになる。
ここで、光透過孔4から発せられた光R0が、星Aとその虚像Bとして、右眼E2に到達するまでの光路を比較する。実像については、星Aから出た光R0は、点A→点A1→右眼E2であるのに対して、虚像Bについては、点A→点B1→点B2→点B3→右眼E2となるので、右眼E2では、虚像Bの方が星Aより距離の差の分だけ遠くに見えることになる。鏡母材11の厚みTが厚くなるほど、前記距離の差が大きくなる。
このようにして、星Aの奥にその虚像Bがかすかに見えるようにしている。虚像Bは、反射面13ではなくさらにその延長上の点Bにあるように見えるので、右眼E2では、実際には同一平面上(すなわち、反射面13)から発せられる光R0を見ているにもかかわらず、明るい星Aと暗い虚像Bとが見えるので、奥行きのある星像として認識することになる。上述の原理は左眼E1についても同様である。
図10(B)は、鏡部10cの反射面13上に星Aおよびその他多数の星からなる星像群6が見え、これら実像の星像群6の後方にも、虚像Bおよびその他多数の虚像が見えている状態を示している。
人間が奥行きのある空間を認識する場合、対象物と両眼(右眼E2,左眼E1)とのなす角度と像がそれぞれ脳により合成処理されるので、星Aとその虚像Bを左右の眼E1,E2で同時に見た場合も、同様に奥行きのある星像として認識されることになる。
虚像Bは鏡母材11の内部での反射回数が多く、また、この部分反射光が点B3でさらに弱まった光になっている。その結果、虚像Bの明るさは星Aと比べて非常に弱い。
星Aから直接眼(たとえば、右眼E2) に入る光R0 と、虚像Bを見るときの光R02とのなす角度θは、鏡部10cを至近距離斜めから見た場合を除いて極めて微小であり、虚像Bの存在はほとんど意識されないので、ユーザーは無意識のうちに奥行き感だけを感じることになる。たとえば、膨大な星の集まりである天の川も、暗い星まで表現することでリアルに作り出して再現すると同時に、星空の奥行き感をさらに効果的に演出することができる。
このように、奥行き感のある星像群6や街の灯などを容易に作り出すことができるので、狭い室内であっても、ユーザーは、リアルな星空を見てリラックスすることができ、また広々とした場所に居るような広域感を感じ取ることができる。
星空表示装置1cを通常の鏡として使用している状態で光源部5をオンすると、美しい星像群6や街の灯などが背景9とともに突然パッと目の前に表れてユーザーを驚かすという意外性があり、星空表示装置1cを各種商品に適用することができる。
図1ないし図10で説明したように、星空表示装置1,1a〜1cで作り出されて表示された星像群6は、あたかも本物の星空のように明るさ(明暗)や色の違う星が集まった状態になっている。ユーザーは、星空表示装置1,1a〜1cから出る「直接光」を見ることになるので、星像群6は、そのピントがぼやけることがなくシャープな像の集まりになっている。
すなわち、人が実際の星空を見る場合には、恒星の発する「直接光」を見ているが、本発明の星空表示装置1,1a〜1cでも、恒星と同じように「直接光」を見ることになるので、星像の見え方が、反射光と違って本物の恒星のようにピントぼけのないシャープな星像になる。
また、星像群6は、星座(たとえば、オリオン座)を構成する星やその他の明るい恒星の明るさや色を、実際の星空とほぼ同じになるように個別に表示している。なお、各図面では、オリオン座はおおよその配置で、その他の星は適当な配置になるように、模式的に描かれている。
星空表示装置1,1a〜1cは、光源部5から外部に不要な光が漏れ出ない構造になっており、また、浴室や屋外などで使用する場合には防水構造になっている。
星空表示装置1,1a〜1cは、反射光を見るようにした従来のプラネタリウム装置を使用しなくても、シャープで奥行き感のある星像群6を容易に作り出して表示することができる。
すなわち、本発明は、従来のプラネタリウムのようにスクリーンなどに星像群を投影するのではなく、多数の微細な光透過孔4,4a,4bから発せられた光を直接見るようにしている。
したがって、本発明では、反射光を見るプラネタリウムなどと比べて、ピントぼけのない非常にシャープで美しい星像群6や街の灯などを得ることができ、また、これら星像群6や街の灯などが、マジックミラー2の反射面13にかすかに暗く映り込む。
こうして映り込んだ星像群は虚像であるが、鏡内部の反射によって、眼E1,E2に入るまでの距離が、元の星(星Aなど)より長くなるので、元の星の後側に虚像があるように錯覚して奥行き感を感じることができる。
このような星像群の映り込みは、マジックミラー2の表面12の内側(臨界面)での部分反射によるものなので、光R0,R1の強度が大幅に減衰したものとなる。その結果、ユーザーが意識して見ない限り分からないほど微小なずれで微弱な映り込みの虚像の星像群(虚像Bなど)を無意識のうちに見ることになる。
したがって、ユーザーは、奥行き感だけを感じて、あたかも本物の星空を眺めているような感覚を得ることができるので、観賞や癒しの効果が十分に発揮される。
鏡部10,10a〜10cは、鏡母材11が前方側に位置するマジックミラー2を有しており、星空表示装置1,1a〜1cを使用する際には光源部5が明るくなるので、マジックミラー2は鏡としての機能の一部または大部分を失って、前方側から後方側を透視できる状態になる。その結果、星空表示装置1,1a〜1cの周囲にある物体や光の映り込みの影響が抑制され、星像群6などがはっきりと見える。
また、鏡部10,10a〜10cが光フィルター8,8a,8c(または、光学フィルター8b)を有しており、光源部5で発生した光Rが、光フィルター8,8a,8c(または、光学フィルター8b)を通り抜けて特定波長域の光(たとえば、青紫色の光)または種々の波長域の光となるので、色彩,模様,デザインなどを任意に組合せた所望の背景9を作り出して表示することができる。
また、光源部5をオフすれば、マジックミラー2は明るい側からは透視できず鏡になるので、星空表示装置1,1a〜1cを通常の鏡として使用することができる。
星空表示装置1,1a〜1cが卓上鏡などのように比較的小さな場合でも、星空表示装置1,1a〜1cで、星像群6などをシャープ且つリアルで奥行き感のあるように容易に作り出して表示することができる。
したがって、ユーザーの意識がこの星像群6などのみを認識して周囲の存在を意識しなくなると、観賞や癒し効果が十分に発揮される。これは、テレビや映画を観賞する際に、その映像のみが認識されて画面周囲の存在が意識されなくなり、その結果、映像に自己意識が入り込む現象があることと同様である。
また、本発明は、従来のプラネタリウム装置のように無理に部屋全体に星像群を作り出す必要はなく、非常に限られた空間たとえば壁の一部や卓上、または浴室の壁などで、星空の観賞や癒し効果を発揮することができる。
星空表示装置1,1a〜1cは、従来のプラネタリウム装置などと比べて、簡素で薄型化でき、また、光源部5をオフすれば通常の鏡としても使用できるので実用的であり、しかも、従来使用していた鏡と置き換えるだけでよく、専用の設置場所などを新たに設ける必要はない。
よりリアルな星像群を作り出すために、代表的な明るい星に相当する光透過孔の位置に、実際の色を模した色彩を与えるための色素部(たとえば、色素部15,15a)を配置することにより、よりリアルな星像を作り出すことができる。
また、光源部5と鏡部10,10a〜10cとの間に、光を不規則に遮る可動性遮光板などを配置したり、またはLCD(液晶表示器)やプラズマ表示装置を使用すれば、大気による星の瞬きを再現して、よりリアルな星像群6などを作り出して表示することができる。
また、LEDなどの発光素子を密に並べて面発光とした場合などは、個々に供給する電流や電圧を不規則に増減させる構成などにすれば好ましい。
次に、本発明の星空表示装置1,1a〜1cを家具に適用した各種の例について、図11ないし図15を参照して説明する。
図11,図12,図13,図14,図15は、それぞれ家具が浴室用鏡41,ドレッサー42,窓状鏡43,テーブル44,星座早見板の機能を有するテーブル44aの場合を示している。
図11に示す浴室用鏡41は、浴室40の壁に掛けられているか、または壁にはめ込まれている。浴室40は湯気が多いので、従来の投影式のプラネタリウムでは、投影光が湯気により乱反射して投影が困難である。また、レンズなどの投影光学系に水滴が付着するとレンズとしての機能を失う恐れがあり、また防水対策も機構上困難である。
これに対して、浴室用鏡41では、その裏面側に位置する光源部5から光を当てて、表側に出る光をユーザーが直接見ることになるので、浴室40内に湯気があってもシャープで奥行き感のある星像群と所望の背景とが作り出される。
浴室用鏡41を浴室40に設けることにより、入浴中のユーザーは、シャープで奥行き感のあるリアルな星像群とその背景を眺めてリラックスすることができる。
浴室用鏡41に使用する星空表示装置1,1a〜1cは、湿気を防止するために防水構造にするとともに、マジックミラー2の表面に水滴が付着するのを防止するために、マジックミラー2の表面に曇り止め処理を行うかまたはマジックミラー2を暖めるのが好ましい。
なお、浴室用鏡41の近傍にスイッチを設け、このスイッチで浴室40の電灯や浴室用鏡41の電源をオン、オフまたは調光できるようにすれば便利である。
図12ないし図15にそれぞれ示すドレッサー42,窓状鏡43,テーブル44,44aにおいても、星空表示装置1,1a〜1cが使用されている。その結果、シャープで奥行き感のある星像群と、その背景とを作り出して表示することができ、また、光源部5をオフすれば通常の鏡としても使用することができる。
図13に示す窓状鏡43は、窓の形に似せたいわゆる「擬似窓」と呼ばれる鏡であり、窓枠で仕切られた部分にそれぞれ星空表示装置1,1a〜1cが配置されている。このように、複数(ここでは、4枚)の星空表示装置1,1a〜1cを組み合わせれば、全体として大きな家具などに適用することが可能である。
図14に示すテーブル44では、その天板45に星空表示装置1,1a〜1cを取付けた場合を示している。図15に示すテーブル44aでは、星空表示装置1,1a〜1cが星座早見板の機能を有している。
星空表示装置1,1a〜1cでは、ダークミラーを採用することで、さらに高い高級感と装飾性を得ることができる。この場合、バーカウンターなどの天板に星空表示装置1,1a〜1cを使用すれば、より高い高級感と装飾性が発揮される。
図16は、本発明の星空表示装置1,1a〜1cが曲面と平面の場合の、建造物51の正面図である。図17は、本発明の星空表示装置1,1a〜1cをミラーハウス55に適用した場合の、ミラーハウス55の内部構造の一例を示す斜視図である。
星空表示装置は、全体が曲面状(ここでは、部分円筒状)に形成されているが、その内部構造は星空表示装置1,1a〜1cと同じである。なお、星空表示装置は、表側が窪んだ曲面の場合や、表側が膨らんだ曲面になっている場合もある。
図16に示す建造物51では、通路52の円筒状天井部に星空表示装置1,1a〜1cを配置し、平面状の一方の側面に平面状の星空表示装置1,1a〜1cを配置している。なお、星空表示装置1,1a〜1cと対向する他方の平面状の側面には、通常の鏡53が設けられている。
したがって、湾曲した天井の星空表示装置1,1a〜1cと側面の星空表示装置1,1a〜1cで星像群6や背景9を作り出すと、この星像群6などが通常の鏡53に映り込むので、通路52にいるユーザーMは、周囲が星空で囲まれたような不思議な感覚になる。
なお、天井の星空表示装置から発する光の映り込みの状態によっては、両方の側面を通常の鏡53にしてもよい。このようにすれば、平面状の星空表示装置1,1a〜1cを省略できるので好ましい。
図17に示すミラーハウス55は、入口から出口まで続く迷路に多数の鏡を配置した構成を有して、遊園地などに設置されている。ミラーハウス55では、すべての鏡を本発明の星空表示装置にする必要はなく、一部の鏡を本発明品にすれば十分である。たとえば、所定位置の壁材に平面状の星空表示装置1,1a〜1cを取付け、曲面状の壁材には曲面状の星空表示装置1,1a〜1cを設けている。
ミラーハウス55は、迷路内が明るいときには鏡のある通常のミラーハウスとなるが、ミラーハウスの内部を暗くすれば、ユーザーは自分の姿が鏡には写らず、星空表示装置1,1a〜1cで作り出された星像群が各鏡で反射して連続的に写し出される。このようにすれば、迷路内にいるユーザーには、あたかも自分が広大な宇宙空間に身を投じてさまよっているような不思議な感覚が演出される。
曲面状の星空表示装置のような曲面の鏡を迷路に配置し、星像群の反射に変化を持たせることで、より不思議な空間を形成して娯楽性を高めることができる。なお、曲面状の星空表示装置の代わりに、平面状の星空表示装置または通常の鏡を使用してもよい。
本発明の星空表示装置1,1a〜1cを、科学教育用教材などの教育的要素の強いものに使用せず、用途を観賞や癒しまたは装飾的用途に限定する場合には、星像群の配列は必ずしも実際の天体と同じである必要はなく、代表的な星座や天の川などを適宜デザインして配列してもよい。
また、鏡部10,10a,10b,10cの全体(または、一部)に多数の微細な光透過孔4,4a,4bが形成されているので、周囲が暗いときには鏡面全体として仄かな灯を発することになり、就寝灯としての機能も発揮する。
星空表示装置1,1a,1bは、周囲が明るいときには比較的大きな光透過孔4,4a,4bが見える場合があるが、その他の微細な多数の光透過孔はほとんど見えない。見える程度の大きさの光透過孔であっても、星空表示装置1,1a,1bを明るいところで通常の鏡として使用する場合には、そのときの眼の焦点は、鏡に映っている自分の顔や身体などに合っている。
したがって、微細な光透過孔4,4a,4bの位置では眼の焦点がずれているので、特に意識しない限り光透過孔4,4a,4bはほとんど見えない。したがって、光源部5をオフすれば、星空表示装置1,1a,1bを通常の鏡と同じように使用することができる。
以上、本発明の実施例(各種実施態様を含む。以下同じ)を説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で種々の変形,付加などが可能である。
なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
本発明は、上述の壁掛け鏡など家具のほか、玩具類,建造物,ミラーハウス,教材などに適用可能である。
図1ないし図17は本発明の実施例を示す図で、図1は、本発明にかかる星空表示装置を有する壁掛け鏡の使用状態を示す斜視図である。 図1に示す壁掛け鏡の斜視図である。 前記星空表示装置の第1の実施例にかかる基本構造を示す分解斜視図である。 第1の実施例の一実施態様を示す組立断面構造図である。 第1の実施例の他の実施態様を示す組立断面構造図である。 前記星空表示装置の第2の実施例を示す組立断面構造図である。 第1の実施例,第2の実施例において、奥行き感のある星像群を作り出す原理を説明する図で、図7(A),(B)はそれぞれ断面図,斜視図である。 前記星空表示装置の第3の実施例にかかる基本構造を示す分解斜視図である。 第3の実施例を示す組立断面構造図である。 第3の実施例において、奥行き感のある星像群を作り出す原理を説明する図で、図10(A),(B)はそれぞれ断面図,斜視図である。 図11ないし図15は、本発明の星空表示装置を家具に適用した各種の例を示す図で、図11は家具が浴室用鏡の場合を示している。 家具がドレッサーの場合を示している。 家具が窓状鏡の場合を示している。 家具がテーブルの場合を示している。 家具が、星座早見板の機能を有するテーブルの場合を示している。 本発明の星空表示装置が曲面と平面の場合の、建造物の正面図である。 本発明の星空表示装置をミラーハウスに適用した場合の、ミラーハウスの内部構造の一例を示す斜視図である。
符号の説明
1,1a〜1c 星空表示装置
2 マジックミラー
3 反射膜
4,4a,4b 光透過孔
5 光源部
6 星像群
7 腐食防止膜
8,8a,8c 光フィルター
8b 光学フィルター
15,15a 色素部
20 壁掛け鏡(家具)
21 光源
22 光拡散板
41 浴室用鏡(家具)
42 ドレッサー(家具)
43 窓状鏡(家具)
44,44a テーブル(家具)
51 建造物
55 ミラーハウス
d 所定距離
R,R0,R1,R2 光

Claims (11)

  1. マジックミラーの反射膜に多数の光透過孔を散在して形成し、
    この反射膜の裏側に光透過性の光フィルターを配置し、
    この光フィルターの裏側に配置された光源部から光を照射してこの光が前記光フィルターと前記マジックミラーとを通り抜けてこのマジックミラーの表側に出ることにより、前記多数の光透過孔に対応する星像群を作り出すようにしたことを特徴とする星空表示装置。
  2. 前記光フィルターは、前記反射膜を覆ってその裏面に固着された光透過性の腐食防止膜の裏面に固着されており、
    前記光フィルターにも、前記反射膜に散在して形成された前記多数の光透過孔と同じ配置で多数の光透過孔が散在して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の星空表示装置。
  3. 前記光フィルターは前記反射膜を覆ってその裏面に固着されるとともに、この光フィルターにも前記反射膜の前記多数の光透過孔と連通して同じ位置に多数の光透過孔が散在して形成され、
    光透過性の腐食防止膜が前記光フィルターを覆ってその裏面に固着されていることを特徴とする請求項1に記載の星空表示装置。
  4. マジックミラーの反射膜を光学フィルターで形成するとともにこの光学フィルターに多数の光透過孔を散在して形成し、
    この光学フィルターの裏面にこの光学フィルターを覆う光透過性の腐食防止膜を固着し、
    この腐食防止膜の裏側に配置された光源部から光を照射してこの光が前記腐食防止膜と前記マジックミラーとを通り抜けてこのマジックミラーの表側に出ることにより、前記多数の光透過孔に対応する星像群を作り出すようにしたことを特徴とする星空表示装置。
  5. マジックミラーの反射膜の裏面にこの反射膜を覆う光透過性の光フィルターを固着するとともにこの光フィルターに多数の光透過孔を散在して形成し、
    この光フィルターの裏側に配置された光源部から光を照射してこの光が前記光フィルターと前記マジックミラーとを通り抜けてこのマジックミラーの表側に出ることにより、前記多数の光透過孔に対応する星像群を作り出すようにしたことを特徴とする星空表示装置。
  6. 前記光透過孔には光透過性で着色された色素部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの項に記載の星空表示装置。
  7. 前記光源部は、前記光を発生する光源と、この光源から所定距離離れて配置され、ほぼ均一な光を照射するための光拡散板とを有していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかの項に記載の星空表示装置。
  8. 前記光源部には薄型面発光素子が使用されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかの項に記載の星空表示装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれかの項に記載の星空表示装置を有する家具であって、
    壁掛け鏡,卓上鏡,浴室用鏡,ドレッサー,鏡台,窓状鏡,時計,装飾窓およびテーブルからなる群から選択される一の家具であることを特徴とする星空表示装置を有する家具。
  10. 請求項1ないし8のいずれかの項に記載の星空表示装置を有する建造物。
  11. 請求項1ないし8のいずれかの項に記載の星空表示装置を有するミラーハウス。
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