JP4633387B2 - 形状記憶合金部材およびその形状記憶方法、並びに、流量制御用アクチュエータ - Google Patents

形状記憶合金部材およびその形状記憶方法、並びに、流量制御用アクチュエータ Download PDF

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Description

本発明は、形状記憶合金部材、特に、二方向性を有する形状記憶合金部材およびその形状記憶方法、並びに、当該形状記憶合金部材を具備する流量制御用アクチュエータに関する。
一般的に、形状記憶効果は非可逆的な一方向性であり、形状記憶合金に特殊な処理を施すことで、合金自体に二方向性を付与することがある。記憶素子単独での二方向性素子としての使用は、機器の小型化や機構の簡単化などに寄与すると共に使用分野の拡張につながるものと考えられる。しかし、形状記憶合金の二方向性記憶特性は実用上満足すべき段階にまでは至っていない。
そこで、合金自体は一方向性で、ばねや重りなどの他の部品を組み合わせて、素子として二方向性を付与すること(バイアス方式)が行われているのが現状である。
そのため、構成が複雑となって使用分野が限定されたり、繰り返し再現性が低いといった信頼性が問題となっている。
また、二方向性形状記憶に関する研究としては、その発現方法や機構、小型アクチュエータヘの応用などに関するものが行われているが、実用面を考慮すると十分な特性が得られているとは言いがたい(例えば、非特許文献(1)〜(4)参照)。
以上から、繰り返し再現性が良好で、種々の用途に適用できる実用的な二方向性の形状記憶合金部材は、未だ見出されていないといえる。
武沢和義,佐藤進一「可逆形状記憶のメカニズム」,金属会報,1982年,第21巻,第6号,p.403−407 Oshima,R.,Adachi,K.「Reversible Shape Memory Effect of Cu−Zn Alloy(Cu−Zn合金の形状記憶効果)」,J Appl.Phys.(ジャーナル オブ アプライド フィジックス),1975年,第14巻,第4号,p.563−564 栗林勝利,清水聖治,吉竹正明、小川倉一「可逆形状記憶合金薄膜アクチュエータの試作と変態特性」,精密工誌,1997年,第63巻,第4号,p.530−534 和栗創一,上中玲子,中島尚正,村上存,「二方向性形状記憶合金を用いたマイクロファクトリ用マイクログリッパの開発」,機論C,2002年,第68巻,第668号,p.1231−1238
以上から、本発明は、上記従来からの技術的課題を解決することを目的とする。すなわち、本発明は、二方向性を有しながら、信頼性および繰り返し再現性が良好で、種々の用途に適用できる形状記憶合金部材およびその形状記憶方法、並びに、流量制御用アクチュエータを提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者らは、下記本発明により当該課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、マルテンサイト変態終了温度以下の低温側では低温記憶形状となり、オーステナイト変態終了温度以上の高温側では高温記憶形状となる二方向性を有する形状記憶合金部材であって、前記形状記憶合金部材は、Ni含有量が49.5〜51at%であるTi−Ni形状記憶合金からなり、オーステナイト変態終了温度以上の高温側で曲げ加工によって前記高温記憶形状を形状記憶処理した後、マルテンサイト変態開始温度より低温側で引張歪み加工によって前記低温記憶形状を形状記憶処理して得られ、前記マルテンサイト変態終了温度から前記オーステナイト変態終了温度までの温度範囲で、前記高温記憶形状に対し逆変形形状となる逆変形挙動を示し、温度上昇に伴って、低温記憶形状、逆変形形状、高温記憶形状へ順次変形することを特徴とする形状記憶合金部材である。
上記のような形状記憶処理、特に、上記引張歪み加工を施すことで、形状記憶合金部材中に歪みが付与され、マルテンサイト変態終了温度からオーステナイト変態終了温度までの温度範囲で、高温記憶形状に対し逆変形形状となる逆変形挙動が示される。そして、低温記憶形状となる温度から逆変形挙動を示す温度までの温度範囲で、温度に応じて、低温記憶形状となったり逆変形形状となったりして形状の変化が生じる。
一方向性や二方向性を有する形状記憶合金は、一般的に、低温の状態から温度を上げていくと、高温記憶形状の形状に近づくように(記憶方向に向けて)低温記憶形状から高温記憶形状へと変形が生じる。
しかし、本発明の形状記憶合金部材は、高温記憶形状に変形する高温の状態になるまでの逆変形温度範囲において、高温記憶形状への回復過程で生じる記憶方向とは逆方向への変形が生じる。言い換えると、低温から高温になるに伴い、その温度に応じて低温記憶形状、逆変形形状、高温記憶形状へと順次変形する。
また、温度に応じて、低温記憶形状と逆変形形状との形状変化が繰り返されることで、低温記憶形状、逆変形形状および高温記憶形状のそれぞれの形状をより有効に利用することが可能となり、広い用途に適用できる形状記憶合金部材とすることができる。
本発明形状記憶合金部材の合金組成は、Ti−Ni系であることが好ましい。引張歪み加工により付与される引張ひずみは、5〜13%であることが好ましい。
また、本発明は、マルテンサイト変態終了温度以下の低温側では低温記憶形状となり、オーステナイト変態終了温度以上の高温側では高温記憶形状となり、前記マルテンサイト変態終了温度から前記オーステナイト変態終了温度までの温度範囲で、前記高温記憶形状に対し逆変形形状となる逆変形挙動を示す二方向性を有する形状記憶合金部材の形状記憶方法であって、オーステナイト変態終了温度より高温の250〜600℃、温度保持時間20〜60分で曲げ加工によって前記高温記憶形状を形状記憶処理を施した後、マルテンサイト変態開始温度より低温の5〜40℃で、引張ひずみ5〜13%の引張歪み加工を施すことを特徴とするNi含有量が49.5〜51at%であるTi−Ni形状記憶合金からなる形状記憶合金部材の形状記憶方法である。
高温側で曲げ加工を施した後に低温側で引張歪み加工を施すことで、形状記憶合金部材中に歪みが付与され、マルテンサイト変態終了温度からオーステナイト変態終了温度までの温度範囲で、高温記憶形状に対し逆変形形状となる逆変形挙動が示される形状記憶合金部材とすることができる。その結果、温度に応じて、低温記憶形状、逆変形形状および高温記憶形状とすることが可能となり、それぞれの形状を利用することで、広い用途に適用できる形状記憶合金部材とすることができる。引張歪み加工により付与される引張ひずみは、5〜13%とすることが好ましい。
さらに、本発明は、二方向性を有する前記形状記憶合金部材で形成されると共に、流体の圧力によって流路を閉弁する流量制御弁を回動させて前記流路を開弁することで、該流路を流れる流体の流量を制御する流量制御用アクチュエータであって、一端が流路内に固定されると共に、オーステナイト変態終了温度より高温側で、先端部が前記流量制御弁から離れて前記流路を閉弁する形状に高温記憶形状処理が施され、該高温記憶形状処理後に、マルテンサイト変態開始温度より低温側で、引張歪み加工により先端部が前記流量制御弁に接近もしくは接触して前記流路を閉弁する形状に低温記憶形状処理が施されたことを特徴とする流量制御用アクチュエータである。
本発明の流量制御用アクチュエータは、既述の本発明の形状記憶合金部材を使用するため、低温記憶形状、逆変形形状および高温記憶形状を温度に応じて選択的に利用することで、流体の流量を選択的に制御することができる。
本発明によれば、二方向性を有しながら、信頼性および繰り返し再現性が良好で、種々の用途に適用できる形状記憶合金部材およびその形状記憶方法、並びに、流量制御用アクチュエータを提供することができる。
[形状記憶合金部材およびその形状記憶方法]
本発明の形状記憶合金部材は、逆変形挙動を示すことで、温度に応じた形状、すなわち、低温記憶形状、逆変形形状および高温記憶形状となる。ここで、「逆変形」は、高温記憶形状となる記憶方向とは異なる方向、具体的には逆変形終了時の形状が、高温記憶形状とほぼ対照的になるような方向に向かう変形をいう。このような本発明の形状記憶合金部材は、下記の形状記憶方法により作製される。
すなわち、まず、形状記憶合金材料に、700〜1000℃の範囲で溶体化処理を施しておく。形状記憶合金材料としては、Cu−Al系、Ti−Ni系等の合金材料を使用することができるが、強度・耐疲労・耐食性等を考慮して、Ti−Ni系合金を使用することが好ましい。Ti−Ni系合金を使用する場合の当該合金中のNi含有量は、49.5〜51at%であることが好ましく、50〜50.5at%であることがより好ましい。その他に、形状記憶合金材料に一般的に使用される添加剤を適宜含有させてもよい。形状記憶合金材料の形態は、線材や板材等種々の形態を適用することができる。
次に、形状記憶合金材料について、所望の高温記憶形状を付与するための加工処理として、例えば、曲げ加工行う。この曲げ加工が施され、形状が拘束された状態でオーステナイト変態終了温度よりも高い温度で高温記憶形状処理を施す(形状記憶処理)。形状記憶処理における熱処理温度は、合金の成分にもよるが、250〜600℃とすることが好ましい。また、かかる温度に保持する時間は、20〜60分間とすることが好ましい。当該温度範囲および時間とすることで、十分な強度を維持しながら所望の形状を記憶させることができる。
形状記憶処理後、低温記憶形状となるように、マルテンサイト変態開始温度より低温で、形状記憶合金材料に引張歪み加工を施す(低温記憶形状処理)。当該引張歪み加工は、公知の方法を適用することができる。引張歪み加工により付与される引張歪みは、5〜13%(25℃)とすることが好ましく、9〜11%とすることがより好ましい。5〜13%とすることで、材料の強度的な特性を維持しながら、実用的な逆変形が得られる。
逆変形は、低温時に形状記憶合金部材のマルテンサイト相に与えた歪みが内部応力として残留し、それが引き金となって発現するものと考えられる。そのため、合金中に存在する残留応力の程度によって、逆変形の発現の可否が決まるものと考えられる。一方、マルテンサイト変態開始温度を超える場合、マルテンサイト相がわずかに存在する場合もあるが、実用的な逆変形が得られにくい。特に、オーステナイト変態終了温度を超えると、合金は、オーステナイト相だけとなり、逆変形は発生しない。
以上のような観点から、歪み付与処理を施す温度は、マルテンサイト変態開始温度より低温とする。より確実に逆変形を発現させるためには、合金の組織全体がマルテンサイト相の状態であることが好ましいため、形状記憶合金部材のマルテンサイト変態終了温度以下とすることが好ましく、具体的には、5〜40℃とすることが好ましい。5〜40℃とすることで、効率よく低温側の形状を記憶させることができる。
以上のような所定温度での曲げ加工およびその後の引張歪み加工といった形状記憶処理を施すことで、本発明の形状記憶合金部材が作製される。
なお、本明細書でいう「形状記憶合金部材」とは、板材や線材といった種々の形態を取り得る。そして、これらに適宜、加工を施し、種々の部品として供することができる。例えば、本発明の形状記憶合金部材に公知の加工を施し、図1に示すような着脱容易な締結部品として利用することが可能である。また、後述するような本発明のアクチュエータとして利用することもできる。
以下に、図1に示す締結部品について説明する。図1は、本発明の形状記憶合金部材を締結部品としての止めピンに適用した場合のその使用態様を説明する図である。
止めピン10は、その軸10aの先端方向にスリットが設けられている。かかる止めピン10について、高温側(オーステナイト変態終了温度を超える温度以上)では図1(A)に示すように、軸10aの付け根部分から先端部分の途中部にかけて、外側へ凸となるように湾曲され、その途中部から先端部分にかけて湾曲の曲率が小さくなるように、曲げ加工を施しながら形状記憶処理を施す。そして、図1(B)に示すように、低温側(マルテンサイト変態開始温度未満の温度以下)では、直線形状となるように止めピン10に引張歪み加工を施す。
上記のような一連の処理を施した後、図1(C)に示すように、締結部の貫通孔に止めピン10を挿入する。その後、ヒータ等の熱源を使用して、逆変形開始温度まで加熱を行う。当該加熱により、止めピン10は、形状記憶処理を施した際の高温記憶形状に対し逆変形を起こす逆変形挙動を示し、図1(D)に示すように、その軸10aのスリット部が図面上、外側に開くように変形して、止めピン10が締結部を良好に締結することになる。なお、「変態開始温度(As点)、変態終了温度(Af点)」と、「逆変形開始温度、逆変形終了温度」とは、それぞれ、ほぼ一致するといえる。
締結を解除する場合は、逆変形温度を超える温度でさらに加熱し、図1(E)に示すように、高温記憶形状を回復させる。このようにすることで、締結部品を破壊することなく、締結を容易に解除することができる。
本実施形態の止めピンは、リサイクル可能部品の締結に用いると、リサイクル部品の分解が容易になるので、より効果的であるといえる。
[流量制御用アクチュエータ]
本発明の流量制御用アクチュエータについて、図2を参照しながら説明する。まず、当該アクチュエータに使用される形状記憶合金部材は、線状もしくは板状とし、高温記憶形状としてはL字型の形状、その後の低温記憶形状としては、引張歪み加工により直線状として歪を付与しておく。
図2(A)に示すように、流体が流れる管の内部に流量制御弁22および流量制御用アクチュエータとしての形状記憶合金部材20が設けられている。流量制御弁22は、その一端部を基点に回動可能に設けられているが、ストッパとして機能する突起24により、形状記憶合金部材20側への移動が制限されているため、突起24により形状記憶合金部材20が設けられていない側で回動可能な状態で設けられている。そして、逆変形を生じない低温では、流量制御弁22に形状記憶合金部材20の先端部が接触して設けられている。これは、流体の温度を流量制御弁22を介して感知するためである。
ここで、形状記憶合金部材20としては、既述の本発明の形状記憶合金部材を使用することができる。また、流量制御板としては、流体に腐食されず、流体から受ける圧力に耐え得る材料であれば、その材質は特に限定されず、鉄、ステンレス、チタン等の金属材料や、酸化物系、窒化物系等のセラミック材料を適用することができる。さらに、流体としても種々の液体や気体が適用できる。
形状記憶合金部材20が逆変形挙動を示す温度未満の範囲では、図2(A)に示すように、流量制御弁22を回動させないことで流体の流路が閉じられている。
流体の温度が上昇し、形状記憶合金部材20の温度が逆変形挙動を示す温度範囲に入ると、温度に対応して図2(B)に示すようにして逆変形が起こり、逆変形を起こした形状記憶合金部材20が流量制御弁22を回動させながら流体の流路を開く。
このように、低温記憶形状と逆変形形状とが温度に応じて繰り返される変形サイクルを利用することで、繰り返し再現性が良好で信頼性の高いアクチュエータとすることができる。
一方、逆変形挙動を示す温度を超えると、形状記憶合金部材20が高温記憶形状となって流量制御板20から離間し、流量制御弁22が流体の流路を閉じる。このように、逆変形温度以上の異常な温度入力に対し安全装置的に作動することができる。
本発明を以下の実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、「at%」とは、合金中の金属の原子百分率を示す。
[実施例1]
(形状記憶合金部材(線材)の作製)
ニッケルの含有量がそれぞれ、50at%、50.075at%および50.127at%の組成比で、直径0.5mmのTi−Ni線材((株)関東特殊製鋼製)それぞれの形状記憶合金材料に、900℃で30分保持の溶体化処理を施した。
その後、高温記憶形状として、180°のU曲げ形状を付与し、低温記憶形状として、直線形状を付与した。高温側曲げ形状の付与の場合は、線材をステンレスパイプに入れ室温で円柱に巻きつけて曲げ加工を行い、形状を拘束したまま恒温炉で形状記憶処理を行った。このとき用いた曲げ加工用円柱の半径は、R=5、10および15mmの3種類(表面でのひずみはそれぞれ4.8%、2.4%、1.6%)とし、高温記憶形状処理温度はT=350℃、400℃および500℃の3種類、保持時間はいずれも30分間とした。
高温側で曲げ形状を記憶した形状記憶合金材料に対して、低温側の直線形状(低温記憶形状)を室温(25℃、以下同じ)で材料試験機によって引張を負荷して与え、形状記憶合金部材を作製した。引張ひずみは、3%〜17%の範囲とした。
(評価)
これらの形状記憶合金部材に対して、室温から170℃(高温)の範囲で「室温→高温」および「室温→高温→室温→高温」の環境温度変化に対する形状変化を観察した。環境温度変化はシリコンオイルバスで行い、形状記憶合金部材の形状変化をデジタルカメラに記録した。さらに、種々の形状記憶合金部材の変態点は示差走査熱量計(DSC)によって測定した。
(結果)
(1)逆変形挙動:
図3は、高温側に曲げ変形を記憶させた場合の環境温度変化に対する高温側形状回復率を示す図である。当該結果は、Ni含有量50.075at%の場合に対するもので、高温側記憶処理温度400℃、高温側記憶形状は曲率半径R=10mmによる180°曲げ形状であり、低温記憶形状は直線形状である。なお、特に断らない限り、以後の結果はNi含有量が50.075at%の試料に関するものである。
図3の縦軸は形状回復率であり、それは各温度における試験片の角度と室温における形状記憶合金部材の初期角度との差を回復角度とし、それを高温側加工角度180°で除したものである。
なお、角度はすべて試料の接線方向からの偏角である。引張ひずみ5%以上では回復率が一旦負の値をとり、その後正の値に急激に変化している。回復率の負の値は付加した曲げ形状と逆方向への曲がりの発生(逆変形挙動)を表わしている。本明細書では、既述のように、このような環境温度の上昇に伴う高温側記憶形状と逆方向への変形(逆変形挙動)を逆変形と呼ぶ。
一般的な形状記憶合金は、低温での加工形状から高温における記憶形状に単調に回復していくものであるが、特異な形状変化の例として、全方位形状記憶の例が報告されている(西田 稔・本間敏夫:東北大学選研彙報,38−2(1982)75−84)。
しかし、本実施例の形状記憶合金部材の場合は、加熱による回復の途中で一旦逆方向へ変形が生じる現象であり、上の例とは異なっている。
実際の形状変化の過程を図4(A)〜(F)に示す。当該例は、低温側引張ひずみが9%の場合であり、図4(B)の80℃から図4(C)の88.6℃では、右方向への曲げ記憶に対して、逆方向へ大きく変形する現象が確認された。その後は、図4(D)に示すように、右方向への曲げ記憶方向に向かって変形が起こり、95℃で、図4(E)に示すように、高温記憶形状へと変形が生じた。このような逆変形は小さい温度範囲で一気に記憶形状へ反転していた。
(2)最大逆変形率:
図5は引張ひずみの量に対する逆変形の最大値を示したものである。いずれの形状記憶処理温度においても低温側引張ひずみが9%付近でピーク値が最大となり、記憶処理温度が400℃の場合が最も大きく逆変形していることが確認できた。
(3)逆変形挙動と変態点:
逆変形挙動と変態点とがいかなる関係にあるかを知るために、高温側で曲げを記憶させ、低温側で引張ひずみを与えた場合の示差走査熱量(DSC)測定を行った。DSC測定から得られた「変態開始温度(As点)、変態終了温度(Af点)およびピーク温度」と、「逆変形開始、終了およびピーク温度」とを比較した。その結果、それぞれ両者はほぼ一致しており、この事から逆変形はオーステナイト相への変態開始と共に開始し、変態終了と共に高温記憶形状に回復していることがわかった。
母相への変態に際して元の母相と異なった結晶方位への移行は化学的自由エネルギーの上昇を招くので、そのような変態はおこりえないし、また、変態の開始には非化学的自由エネルギーに見合う余分のエネルギーが必要であり、マルテンサイト相と母相との自由エネルギー差がその非化学的自由エネルギー値を越えなければならないとされている。従って、本実施例において、変態開始後、逆方向への変形が生じるのは180°曲げの状態から直線形状への強加工が非化学的自由エネルギーの増大をもたらし、これらが元の母相への変態にとっては障壁になる反面、強加工によって導入された引張方向の内部応力場が逆方向への変形に対する駆動力として作用するためと思われる。
また、一旦逆方向への変形が生じるものの、元の母相状態のとる自由エネルギーは温度の上昇と共に低下する。そのため、元の母相への駆動力は温度の上昇と共に大きくなるので、マルテンサイト相との自由エネルギー差はおおきくなり、逆方向への駆動力よりも元の状態への駆動力が大きくなり、一気に元の母相の状態に移行するものと考えられる。
この逆方向への変形は駆動力が大きいほど大きな逆変形量を生じるものと予想されるので、低温側ひずみの増大と共に逆変形は大きくなると考えられるが、限界値以上のひずみを付加すると塑性変形が生じ内部応力場の低下をもたらし、逆変形量は減少するものと推察される。
(4)ニッケル濃度の影響:
上述の結果はニッケル濃度50.075at%の材料に関するものであり、逆変形がこの材料に特有のものか否かを調べるため、異なるニッケル濃度の材料について同様の実験を行った。
図6はニッケル濃度が異なる形状記憶合金部材に対する回復率を示したもので低温側ひずみ9%の例である。いずれの組成においても逆変形は発現しており、また他の引張ひずみにおいても同様の傾向を示した。
(5)温度サイクルによる影響:
図7および図8は温度サイクルの影響を観察した結果である。図7および図8においては、それぞれ温度範囲は、室温と170℃との間、および室温と90℃との間、である。
図7からわかるように、一旦正常な記憶形状まで回復した試料は冷却後再び加熱しても逆変形は生じなかった(図中の矢印(4))。しかし、図8に示すように逆変形状態から冷却し、再び加熱した場合、逆変形状態で形状変化サイクルが生じる。
前述のように逆変形は内部応力によって駆動されると考えられるが、一旦限界値以上に加熱されて正常な形状に回復すると、内部応力は消滅してしまいその後、冷却の後再度加熱しても逆変形は生じないものと推察される。他方、逆変形状態までの加熱から冷却すれば内部応力は残ったままであり、この温度範囲で温度サイクルを与えれば逆変形の状態で繰返し変形が生じる。
図9は、10℃から80℃までの範囲で50回までの温度サイクルを与えた場合、逆変形状態における角度の可動範囲の変化を示したもので、縦軸は可動角度を初期角度で無次元化したものである。逆変形は温度サイクルに対しても繰返し発生しうるといえる。
[実施例2]
(形状記憶合金部材(板材)の作製)
ニッケルの含有量が50.2at%の組成比を持つ、幅1.5mm、長さ100mm、厚さ0.8mmのTi−Ni板材((株)関東特殊製鋼製)に、900℃で30分保持の溶体化処理を施した。
記憶形状として、高温側では180°のU曲げ形状を付与し、低温側では平面形状を付与した。高温側曲げ形状の付与の場合は、板材をステンレスパイプに入れ室温で円柱に巻きかけて曲げ加工を行い、形状を拘束したまま恒温炉で記憶処理を行った。このとき用いた曲げ加工用円柱の半径は、R=10mmとし、高温記憶形状処理温度はT=400℃、保持時間は30分間とした。
高温側で曲げ形状を記憶した形状記憶合金に対して、低温側の平面形状を室温(25℃、以下同じ)で材料試験機によって引張を負荷して与え、形状記憶合金部材を作製した。引張ひずみは9%とした。
(評価および結果)
作製した形状記憶合金部材に対して、室温から170℃の範囲で「室温→高温」の環境温度変化に対する形状変化を観察した。
その結果、図10に示すように、92.6℃にピークをもつ逆変形挙動が確認され、板材でも逆変形挙動を示す形状記憶合金部材を作製できることが確認できた。
以上、本実施例により、下記事項が明らかとなった。
(1)高温側記憶形状を曲げ形状とし、低温側で引張ひずみを与えると、加熱による形状回復過程で記憶形状とは逆方向への曲げ変形が発現することが確認できた。また、逆変形開始および終了温度はそれぞれ形状記憶合金部材のオーステナイト変態開始および終了温度に対応していた。
(2)正常な形状(高温記憶形状)まで回復する温度範囲で温度サイクルを与えても逆変形は生じないが、逆変形発現温度範囲で温度サイクルを与えれば繰返し逆変形が生じることが確認できた。従って、当該形状記憶合金部材は、二方向性を有しながら、信頼性および繰り返し再現性が良好で、種々の用途に適用できることが確認できた。
(3)板材でも逆変形挙動を示す形状記憶合金部材を作製できることが確認できた。
本発明の形状記憶合金部材の応用例としての止めピンの使用形態を説明する説明図である。 本発明のアクチュエータの使用形態を説明する説明図である。 高温側に曲げ変形を記憶させた場合の環境温度変化に対する高温側形状回復率を示す図である。 実施例の形状記憶合金部材の形状変化の過程を示す図である。 引張ひずみの量に対する逆変形の最大値を示す図である。 ニッケル濃度が異なる形状記憶合金部材に対する回復率を示す図である。 温度サイクル(室温〜170℃)の影響を観察した結果を示す図である。 温度サイクル(室温〜90℃)の影響を観察した結果を示す図である。 温度サイクルを与えた場合で、逆変形状態における角度の可動範囲の変化を示す図である。 室温から170℃までの範囲で「室温→高温」の環境温度変化に対する形状変化を観察した結果を示す図である。
符号の説明
10・・・止めピン
10a・・・軸
20・・・形状記憶合金部材
22・・・流量制御板

Claims (5)

  1. マルテンサイト変態終了温度以下の低温側では低温記憶形状となり、オーステナイト変態終了温度以上の高温側では高温記憶形状となる二方向性を有する形状記憶合金部材であって、
    前記形状記憶合金部材は、Ni含有量が49.5〜51at%であるTi−Ni形状記憶合金からなり、
    オーステナイト変態終了温度以上の高温側で曲げ加工によって前記高温記憶形状を形状記憶処理した後、
    マルテンサイト変態開始温度より低温側で引張歪み加工によって前記低温記憶形状を形状記憶処理して得られ、
    前記マルテンサイト変態終了温度から前記オーステナイト変態終了温度までの温度範囲で、前記高温記憶形状に対し逆変形形状となる逆変形挙動を示し、温度上昇に伴って、低温記憶形状、逆変形形状、高温記憶形状へ順次変形することを特徴とする形状記憶合金部材。
  2. 前記オーステナイト変態終了温度以上の高温側は、250〜600℃であることを特徴とする請求項1に記載の形状記憶合金部材。
  3. 前記引張歪み加工により付与される引張ひずみが、5〜13%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の形状記憶合金部材。
  4. マルテンサイト変態終了温度以下の低温側では低温記憶形状となり、オーステナイト変態終了温度以上の高温側では高温記憶形状となり、前記マルテンサイト変態終了温度から前記オーステナイト変態終了温度までの温度範囲で、前記高温記憶形状に対し逆変形形状となる逆変形挙動を示す二方向性を有する形状記憶合金部材の形状記憶方法であって、
    オーステナイト変態終了温度より高温の250〜600℃、温度保持時間20〜60分で曲げ加工によって前記高温記憶形状を形状記憶処理を施した後、
    マルテンサイト変態開始温度より低温の5〜40℃で、引張ひずみ5〜13%の引張歪み加工を施すことを特徴とするNi含有量が49.5〜51at%であるTi−Ni形状記憶合金からなる形状記憶合金部材の形状記憶方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の形状記憶合金部材で形成されると共に、流体の圧力によって流路を閉弁する流量制御弁を回動させて前記流路を開弁することで、該流路を流れる流体の流量を制御する流量制御用アクチュエータであって、
    一端が流路内に固定されると共に、オーステナイト変態終了温度より高温側で、先端部が前記流量制御弁から離れて前記流路を閉弁する形状に高温記憶形状処理が施され、
    該高温記憶形状処理後に、マルテンサイト変態開始温度より低温側で、引張歪み加工により先端部が前記流量制御弁に接近もしくは接触して前記流路を閉弁する形状に低温記憶形状処理が施されたことを特徴とする流量制御用アクチュエータ。
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