JP4632076B2 - Exhaust turbine turbocharger - Google Patents
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- Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は排気タービン過給機に関し、コンプレッサ特性を改善するため空気を循環させるコンプレッサトリートメントの効率向上を図るようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の排気ガスと環境の問題が世界的にクローズアップされているなか、乗用車クラスの小型ディーゼルエンジン市場ではエミッション規制への対応と低燃費化、性能向上のため過給機の使用が必須となりつつあり、低速から高速域まで広い領域での性能向上を図るため、種々の改良がなされている。
【0003】
例えば、排気タービン過給機では、コンプレッサの特性を改善する1つの方法として、コンプレッサトリートメントをコンプレッサハウジングに設けることが行われ、サージング特性を改善することが行われている。
【0004】
このコンプレッサトリートメントは、図5に示すように、コンプレッサハウジングaのコンプレッサインペラbの外周部と対向する部分に空気流入口cを形成し、コンプレッサインペラbの吸入側前方のコンプレッサハウジングaに空気排出口dを形成し、これら空気流入口cと空気排出口dとを連通する略円筒状の循環通路eをコンプレッサハウジングaに形成する。そして、コンプレッサハウジングaの吸入側内周にインサートリングfを取り付け、吸入する空気をコンプレッサインペラbに案内するようになっている。
【0005】
このようなコンプレッサトリートメントをコンプレッサに設けることによって、通過空気量が少ない場合(サージ側)にコンプレッサインペラbで生じる、逆流する空気の一部を空気流入口cから循環通路eを介して空気排出口dに戻し、これを再びコンプレッサインペラbに戻すようにして循環させることでサージングを防止して低流量側での運転領域を拡大できるようにしている。
【0006】
また、通過空気量が多い場合(チョーク側)には、コンプレッサインペラbの吸入側前方の空気排出口dから吸入した空気を循環通路eを介して空気流入口cからコンプレッサインペラbに送ることで効率低下を防止するようにしている。
【0007】
このようなコンプレッサの性能特性を改善するコンプレッサトリートメントの形状などは、循環通路内の流れの解析が不十分なためもあり、理論的に設計することが難しく、実験結果に基づく経験によって設計されることが多く、相似則等により具体的な形状などを決定している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、実際のコンプレッサに適用した場合に、個々の都合による形状の違いにより、実験結果が十分に反映されずコンプレッサトリートメントの効果が大きく変化してしまうという問題がある。
【0009】
この発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたもので、循環通路内の流れをスムーズにすることでコンプレッサの特性を改善することができる排気タービン過給機を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
これまでのコンプレッサトリートメントについて検討を重ねたところ、個々の形状の違いがあっても、上流と下流の圧力差により生じる循環流れの程度には大きな差がないが、コンプレッサインペラからコンプレッサトリートメントの空気流入口に入った流れが持つスワール成分(円周方向の流れ成分)を循環流れにいかにうまく転用して空気排出口からコンプレッサインペラの吸入側前方に戻すことができるかどうかの程度によってコンプレッサトリートメントの効果が異なることを見出だし、この発明を完成したものである。
【0011】
すなわち、上記従来技術が有する課題を解決するため、この発明の請求項1記載の排気タービン過給機の具体的構成は、コンプレッサインペラの外周部と対向するコンプレッサハウジングに第1の空気口を形成するとともに、前記コンプレッサインペラの吸入側前方のコンプレッサハウジングに第2の空気口を形成し、これらを前記コンプレッサハウジングに形成した略円筒状の空気通路を介して連通させた排気タービン過給機であって、前記コンプレッサハウジングをスクロール部とシュラウド部との分割構造とする一方、前記スクロール部と前記シュラウド部との分割部に前記第1および第2の空気口および前記空気通路を形成するとともに、前記略円筒状の空気通路の前記第2の空気口側を外周側に膨らませて流路断面積を増大させ通過空気に接線方向の流れを生じさせる通路拡大部を形成し、さらに前記分割部に前記略円筒状の前記空気通路を形成するためのリブを内外周面間に設け、このリブの少なくとも一方面を前記第1空気口から流入し第2空気口から排出する間に空気の流れを軸方向成分の流れに変える湾曲面に形成し、前記スクロール部にコンプレッサへの空気の流入を案内するインサートリング部を一体に形成したことを特徴とするものである。
【0012】
この排気タービン過給機によれば、コンプレッサインペラの外周部と対向するコンプレッサハウジングに第1の空気口を形成するとともに、前記コンプレッサインペラの吸入側前方のコンプレッサハウジングに第2の空気口を形成し、これらを前記コンプレッサハウジングに形成した略円筒状の空気通路を介して連通させた排気タービン過給機で、前記コンプレッサハウジングをスクロール部とシュラウド部との分割構造とする一方、前記スクロール部と前記シュラウド部との分割部に前記第1および第2の空気口および前記空気通路を形成するとともに、前記略円筒状の空気通路の前記第2の空気口側を外周側に膨らませて流路断面積を増大させ通過空気に接線方向の流れを生じさせる通路拡大部を形成し、さらに前記分割部に前記略円筒状の前記空気通路を形成するためのリブを内外周面間に設け、このリブの少なくとも一方面を前記第1空気口から流入し第2空気口から排出する間に空気の流れを軸方向成分の流れに変える湾曲面に形成し、前記スクロール部にコンプレッサへの空気の流入を案内するインサートリング部を一体に形成しており、通路拡大部により流路断面積が大巾に拡大されることでこの部分を通過する流れが外周側に押し付けられ、その後の循環流れを強く生じさせる力を得てスワール成分を循環流れに転用できるようにしている。
【0014】
また、空気通路を形成するために内外周面の間に設けられるリブの一方面あるいは両方面を湾曲面として空気の流れ方向を変えることで、一層効率良くスワール成分を循環流れに転用できるようにしている。
【0016】
さらに、コンプレッサトリートメントの第1および第2の空気口、前記空気通路、前記通路拡大部をスクロール部と前記シュラウド部との分割部に形成し、しかもスクロール部にインサートリング部を一体に形成することで、部品点数を増やさずにスワール成分を循環流れに転用できるようにしている。
【0017】
そして、この発明により、スワール成分を循環流れに転用できることからコンプレッサトリートメントによるコンプレッサの特性改善を図ることができるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。
図1および図2はこの発明の排気タービン過給機の参考例にかかり、図1はコンプレッサハウジングの部分拡大断面図、A方向から見た流れの説明図およびB方向から見た流れの説明図、図2は排気タービン過給機の一例にかかるコンプレッサトリートメントを省略した可変容量型過給機の全体断面図およびA−A断面図である。
【0019】
まず、この発明が適用される排気タービン過給機の全体構造を図2に示す可変容量型過給機1で説明する。
この可変容量型過給機1は、タービンハウジング2とコンプレッサハウジング3との間にベアリングハウジング4が配置されて一体に連結されており、タービンハウジング2内のタービンインペラ5とコンプレッサハウジング3内のコンプレッサインペラ6とがベアリングハウジング4内で回転可能に支持されたタービン軸7を介して一体に連結されている。このタービンハウジング2には、一端にガス入口8を備えたスクロール通路9が設けられ、このスクロール通路9の内周部に環状ガス流路10が設けられてガスをタービンインペラ5に導入する一方、タービンインペラ5を駆動した後のガスを中心部に形成したガス出口11から排出するようになっている。
【0020】
そして、タービンハウジング2の環状ガス流路10には、ベーンノズルを構成する複数のノズルベーン12が回動可能に設けられ、スライドジョイント方式などのノズル駆動機構13によって外部からノズルベーン12の角度を調整制御することで開閉され、タービンインペラ5に導入されるガスの流量を変えることができるようになっている(なお、図2では紙面上部のノズルベーン12を全開状態とし、紙面下部のノズルベーン12を全閉状態として示してある)。
【0021】
このような可変容量型過給機1では、ノズルサイドクリアランスCが性能に大きな影響を及ぼすため、ノズルの作動と性能面と信頼性とから最適な隙間を決定し、ベーンノズルのノズルベーン12の側面に位置させてクリアランスコントロールプレート14をタービンハウジング2に取り付けるようにし、熱間時のクリアランスCの確保や排気ガスがノズルを通過せずに流出することによる性能低下を抑えるようにしている。
【0022】
したがって、このような可変容量型過給機1によれば、エンジンの低速時のガス流量が少ない場合には、ノズルベーン12を回動してベーンノズルを絞るようにし、エンジンの高速時のガス流量が多い場合には、ノズルベーン12を回動して開くようにし、最大限の位置としてベーンノズルがストッパピン15に当たるまで開くようにすることで、低速回転から高速回転領域までの広範囲の過給によりエンジンの性能向上を図ることができるようにしている。
【0023】
このような可変容量型過給機1では、いわゆるコンプレッサトリートメント20として、図1に示すように、コンプレッサハウジング3のコンプレッサインペラ6の外周部と対向する部分に第1の空気口としての空気流入口21を形成し、コンプレッサインペラ6の吸入側前方のコンプレッサハウジング3に第2の空気口としての空気排出口22を形成し、これら空気流入口21と空気排出口22とを連通する空気通路としての略円筒状の循環通路23をコンプレッサハウジング3に形成してある。そして、コンプレッサハウジング3の吸入側内周にインサートリング部24aを一体に形成し、吸入する空気をコンプレッサインペラ6に案内するようになっている。
【0024】
また、このコンプレッサトリートメント20では、空気流入口21がコンプレッサでの吸気の流れの上流側から下流側に傾いた(図1(a)では、右に傾いた)スリット状に形成される一方、空気排出口22も、同様に、コンプレッサでの吸気の流れの上流側から下流側に傾いた(図1(a)では、右に傾いた)スリット状に形成してある。
【0025】
そして、これら空気流入口21と空気排出口22を連通させる循環通路23は、円筒状の隙間を確保するため、円周方向3か所程度にリブ23aが設けられており、これらリブ23aによって略円筒状の通路となっている。
【0026】
さらに、これら空気流入口21と空気排出口22を連通させる略円筒状の循環通路23には、中間部から空気排出口22側に外周に膨らませて流路断面積を拡大した通路拡大部23bが形成してあり、この通路拡大部23bの空気排出口22側は空気排出口22と同一の傾斜面とされ、空気流入口21側も空気排出口22と同一の傾斜面とされ、略平行四辺形状の横断面形状になっている。
【0027】
これにより、循環通路23は、略円筒状とされ、その流路断面積の小さい部分の途中から外周側に膨らんで流路断面積の大きい通路拡大部23bを経て空気排出口22に連通することになる。
【0028】
このようなコンプレッサトリートメント20をコンプレッサに設けた可変容量型過給機1では、通過空気量が少ない場合(サージ側)にコンプレッサインペラ6で生じる吸入空気に対して逆流する空気を空気流入口21から循環通路23および通路拡大部23bを介して空気排出口22から吸入空気中に戻すようにし、これを再びコンプレッサインペラ6に吸引させて循環させることでサージングを防止して低流量側での運転領域を拡大することができる。
【0029】
このようなコンプレッサインペラ6で生じる、逆流する空気を循環させる流れにする場合に、このコンプレッサトリートメント20では、図1(b),(c)に示すように、空気流入口21から入った空気Xには、強いスワール成分Xaの流れ(円周方向の流れ)が残っているが、循環通路23に円筒状の隙間を形成するためのリブ23aが形成してあることからこれらリブ23aによって空気排出口22方向へのベクトル成分(循環流れ成分)Xbで加速され、さらに通路拡大部23bによって流路断面積が大きくなることで、空気Xに接線方向の流れXcが発生し、これらの成分のベクトル和として空気Xが外周側に押し付けられる。
【0030】
すると、外周側に押し付けられた空気Xの直前に通路拡大部23bの壁(空気排出口22の延長部分の壁)があるため、空気Xの流れが外周側から壁に沿う中心方向および循環流れに沿う方向に変換され、スムーズに吸入空気に戻すことができ、これによって大きなトリートメント効果を得ることができる。
【0031】
すなわち、コンプレッサインペラで生じるスワール成分を持つ空気流れを空気流入口21から流入させ、空気排出口22から排出する間にコンプレッサインペラに吸入させる空気と同様の軸方向成分の流れに転用して循環流れとするようにしている。
【0032】
このようなコンプレッサトリートメント20を設けた可変容量型過給機1では、サージングの発生を抑えて通過空気量の少ない場合の運転領域を拡大することができる。
【0033】
また、この可変容量型過給機1では、コンプレッサハウジング3が外周側のスクロール部3aと内周側のシュラウド部3bとの分割構造とされ、それぞれをダイキャストで製造した後、焼き嵌め(暖め嵌め)によって一体にされるとともに、スクロール部3aに吸気入口部3cおよびその内周に嵌合されるインサートリング部24aが一体成形してあり、スクロール部3aとシュラウド部3bとの分割部に既に説明したコンプレッサトリートメント20が形成してある。
【0034】
したがって、コンプレッサトリートメント20を設ける場合、後でコンプレッサハウジング3の吸気入口部3cに別に製造したインサートリング24を取り付ける必要があり、部品点数の増大や製造工数の増大となるが、この可変容量型過給機1では、スクロール部3aに一体に吸気入口部3cおよびインサートリング部24aを製造し、シュラウド部3bを焼き嵌めすることで、分割部にコンプレッサトリートメント20も形成でき、部品点数の増大や製造工数の増大とならずに製造することができる。
【0035】
このような可変容量型過給機1のコンプレッサトリートメント20の形状としては、例えば図3に示すような種々の形状とすることもでき、同図(a)のように、空気流入口21から循環通路23の端部に直接連通させ、しかも通路拡大部23bが空気排出口22より先まで大きく形成したものでも良い。また、同図 (b)のように、空気流入口21から循環通路23の端部に直接連通させ、通路拡大部23bを小さめに形成するとともに、空気排出口22の内周面22aをテーパ状の傾斜面したものでも良い。さらに、また、同図(c)のように、空気流入口21を傾けることなく真っ直ぐのスリット状とし、この空気流入口21から循環通路23の端部に直接連通させ、通路拡大部23bを空気排出口22より先まで大きく形成したものでも良い。なお、図中、24はべったいとして取付けられるインサートリングであるが、この場合もスクロール部3aに一体に形成するようにしても良い。
【0036】
これらのいずれのコンプレッサトリートメント20の形状によってもコンプレッサインペラで生じるスワール成分を持つ空気流れを空気流入口21から流入させ、空気排出口22から排出する間に軸方向成分の流れに転用して循環流れとすることができ、サージングの発生を抑えて通過空気量の少ない場合の運転領域を拡大することができる。
【0037】
なお、コンプレッサトリートメント20の形状は、これら図示した具体的な形状に限らず、外周に膨らんだ通路拡大部を備え、スワール成分を持つ空気流れを軸方向成分の流れに転用できる他の形状であっても良い。
【0038】
次に、この発明の排気タービン過給機の一実施の形態について図4により説明するが、既に説明した実施の形態と同一部分には同一記号を記し、説明は省略する。
【0039】
この排気タービン過給機では、基本構造は既に説明した可変容量型過給機1と同一であり、コンプレッサトリートメント20の形状の一部の構成が異なるものである。
【0040】
ここでは、コンプレッサトリートメント20の空気通路を構成する循環通路23の内外周間の隙間を形成するリブ23aの空気流入口21側の両面が湾曲面23cとしてある。
【0041】
これにより、通過空気量が少ないサージ側では、図4(b)に示すように、空気流入口21から流入する空気Xを湾曲面23cでガイドすることで周方向から軸方向にスムーズに変換することができ、一層効率的にコンプレッサインペラで生じるスワール成分を持つ空気流れを空気流入口21から流入させ、空気排出口22から排出する間に軸方向成分の流れに転用して循環流れとすることができ、サージングの発生を抑えて通過空気量の少ない場合の運転領域を拡大することができる。
【0042】
なお、この実施の形態では、リブ23aの両方の面を湾曲面23cとしたが、図中破線で示すように、一方面を平坦面としても良く、こうすることで製作が容易となる。
【0043】
なお、上記実施の形態では、排気タービン過給機として可変容量型過給機を例に説明したが、他の形式の排気タービン過給機であっても同様に適用することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上、一実施の形態とともに具体的に説明したようにこの発明の請求項1記載の排気タービン過給機によれば、コンプレッサインペラの外周部と対向するコンプレッサハウジングに第1の空気口を形成するとともに、前記コンプレッサインペラの吸入側前方のコンプレッサハウジングに第2の空気口を形成し、これらを前記コンプレッサハウジングに形成した略円筒状の空気通路を介して連通させた排気タービン過給機で、前記コンプレッサハウジングをスクロール部とシュラウド部との分割構造とする一方、前記スクロール部と前記シュラウド部との分割部に前記第1および第2の空気口および前記空気通路を形成するとともに、前記略円筒状の空気通路の前記第2の空気口側を外周側に膨らませて流路断面積を増大させ通過空気に接線方向の流れを生じさせる通路拡大部を形成し、さらに前記分割部に前記略円筒状の前記空気通路を形成するためのリブを内外周面間に設け、このリブの少なくとも一方面を前記第1空気口から流入し第2空気口から排出する間に空気の流れを軸方向成分の流れに変える湾曲面に形成し、前記スクロール部にコンプレッサへの空気の流入を案内するインサートリング部を一体に形成したので、通路拡大部により流路断面積が大巾に拡大されることでこの部分を通過する流れが外周側に押し付けられ、その後の循環流れを強く生じさせる力を得てスワール成分を循環流れに転用することができる。
【0045】
このスワール成分の循環流れへの転用によってコンプレッサのサージ側およびチョーク側の特性改善を図ることができる。
【0046】
また、空気通路を形成するために内外周面の間に設けられるリブの一方面あるいは両方面を湾曲面として空気の流れ方向を変えることで、一層効率良くスワール成分を循環流れに転用することができ、コンプレッサのサージ側の特性改善を図ることができる。
【0047】
さらに、コンプレッサトリートメントの第1および第2の空気口、前記空気通路、前記通路拡大部をスクロール部と前記シュラウド部との分割部に形成し、しかもスクロール部にインサートリング部を一体に形成することで、部品点数を増やさずにスワール成分を循環流れに転用することができ、コンプレッサトリートメントによるコンプレッサの特性改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の排気タービン過給機の参考例にかかるコンプレッサハウジングの部分拡大断面図、A方向から見た流れの説明図およびB方向から見た流れの説明図である。
【図2】 この発明の排気タービン過給機の参考例にかかるコンプレッサトリートメントを省略した可変容量型過給機の全体断面図およびA−A断面図である。
【図3】 この発明の排気タービン過給機の参考例にかかるコンプレッサハウジングの部分拡大断面図である。
【図4】 この発明の排気タービン過給機の一実施の形態にかかるコンプレッサハウジングの部分拡大断面図、A方向から見たサージ側の流れの説明図である。
【図5】 従来の排気タービン過給機のコンプレッサトリートメントの部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 可変容量型過給機(排気タービン過給機)
2 タービンハウジング
3 コンプレッサハウジング
3a スクロール部
3b シュラウド部
3c 吸気入口部
4 ベアリングハウジング
5 タービンインペラ
6 コンプレッサインペラ
7 タービン軸
8 ガス入口
9 スクロール通路
10 環状ガス流路
11 ガス出口
12 ノズルベーン
13 ノズル駆動機構
14 クリアランスコントロールプレート
15 ストッパピン
20 コンプレッサトリートメント
21 空気流入口(第1の空気口)
22 空気排出口(第2の空気口)
22a 内周面
23 循環通路(空気通路)
23a リブ
23b 通路拡大部
23c 湾曲面
24 インサートリング
24a インサートリング部
X 空気流れ
Xa スワール成分
Xb ベクトル成分
Xc 接線方向の流れ
C ノズルサイドクリアランス[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an exhaust turbine supercharger, and is intended to improve the efficiency of a compressor treatment for circulating air in order to improve compressor characteristics.
[0002]
[Prior art]
With the exhaust gas and environmental issues of automobiles being highlighted around the world, the use of turbochargers is becoming essential in order to meet emission regulations, reduce fuel consumption, and improve performance in the passenger car-class small diesel engine market In order to improve performance in a wide range from low speed to high speed, various improvements have been made.
[0003]
For example, in an exhaust turbine supercharger, as one method for improving the characteristics of a compressor, a compressor treatment is provided in a compressor housing, and a surging characteristic is improved.
[0004]
In this compressor treatment, as shown in FIG. 5, an air inlet c is formed in a portion of the compressor housing a facing the outer peripheral portion of the compressor impeller b, and an air outlet is provided in the compressor housing a in front of the compressor impeller b on the suction side. d is formed, and a substantially cylindrical circulation passage e communicating with the air inlet c and the air outlet d is formed in the compressor housing a. An insert ring f is attached to the inner periphery of the suction side of the compressor housing a to guide the sucked air to the compressor impeller b.
[0005]
By providing such a compressor treatment in the compressor, a part of the backflowing air generated in the compressor impeller b when the amount of passing air is small (surge side) from the air inlet c to the air outlet through the circulation passage e. Returning to d and circulating it back to the compressor impeller b prevents surging so that the operating range on the low flow rate side can be expanded.
[0006]
When the amount of passing air is large (choke side), the air sucked from the air discharge port d ahead of the suction side of the compressor impeller b is sent from the air inlet c to the compressor impeller b through the circulation passage e. The efficiency is prevented from decreasing.
[0007]
The shape of the compressor treatment that improves the performance characteristics of such a compressor is difficult to design theoretically due to insufficient analysis of the flow in the circulation passage, and is designed based on experience based on experimental results In many cases, the specific shape is determined by the similarity rule.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
However, when it is applied to an actual compressor, there is a problem that the effect of the compressor treatment greatly changes because the experimental result is not sufficiently reflected due to the difference in shape due to individual circumstances.
[0009]
The present invention has been made in view of the above-described problems of the prior art, and is intended to provide an exhaust turbine supercharger that can improve the characteristics of a compressor by smoothing the flow in a circulation passage. is there.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
As a result of repeated investigations on compressor treatments so far, there is no significant difference in the degree of circulating flow caused by the pressure difference between the upstream and downstream, even though there are differences in individual shapes, but the air flow from the compressor impeller to the compressor treatment Effect of compressor treatment depending on how well the swirl component (circumferential flow component) of the flow entering the inlet can be diverted into the circulation flow and returned from the air outlet to the front side of the compressor impeller suction side Has been found to be different, and the present invention has been completed.
[0011]
Specifically, in order to solve the above-described problems of the prior art, the specific configuration of the exhaust turbine supercharger according to
[0012]
According to this exhaust turbine supercharger, the first air port is formed in the compressor housing facing the outer peripheral portion of the compressor impeller, and the second air port is formed in the compressor housing in front of the compressor impeller on the suction side. And an exhaust turbine supercharger in which these are communicated via a substantially cylindrical air passage formed in the compressor housing , wherein the compressor housing is divided into a scroll part and a shroud part, while the scroll part and the The first and second air ports and the air passage are formed in the divided portion with the shroud portion, and the second air port side of the substantially cylindrical air passage is inflated to the outer peripheral side so that the cross-sectional area of the flow path And a passage enlargement portion for generating a tangential flow in the passing air is formed, and the substantially cylindrical portion is formed in the divided portion. A rib for forming the air passage is provided between the inner and outer peripheral surfaces, and at least one surface of the rib flows in from the first air port and is discharged from the second air port. It is formed on a curved surface that changes into flow, and an insert ring part that guides the inflow of air to the compressor is formed integrally with the scroll part, and the flow passage cross-sectional area is greatly enlarged by the passage enlarged part. The flow passing through this portion is pressed against the outer peripheral side, and a force that strongly generates the subsequent circulation flow is obtained so that the swirl component can be diverted to the circulation flow.
[0014]
In addition, the swirl component can be diverted to the circulation flow more efficiently by changing the air flow direction by using one or both surfaces of the rib provided between the inner and outer peripheral surfaces as a curved surface to form the air passage. ing.
[0016]
Furthermore, the first and second air ports of the compressor treatment , the air passage, and the passage enlarged portion are formed in a divided portion of the scroll portion and the shroud portion, and the insert ring portion is integrally formed in the scroll portion. Therefore, the swirl component can be diverted to the circulation flow without increasing the number of parts.
[0017]
According to the present invention, since the swirl component can be diverted to the circulation flow, the compressor characteristics can be improved by the compressor treatment.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
1 and 2 relate to a reference example of an exhaust turbine supercharger according to the present invention. FIG. 1 is a partially enlarged sectional view of a compressor housing, an explanatory view of a flow seen from the A direction, and an explanatory view of a flow seen from the B direction. FIG. 2 is an overall cross-sectional view and a cross-sectional view taken along the line AA of the variable capacity supercharger in which the compressor treatment according to an example of the exhaust turbine supercharger is omitted.
[0019]
First, the overall structure of an exhaust turbine supercharger to which the present invention is applied will be described with reference to a
In the variable capacity supercharger 1, a bearing housing 4 is disposed between a
[0020]
The annular
[0021]
In such a
[0022]
Therefore, according to such a
[0023]
In such a
[0024]
Further, in the
[0025]
The
[0026]
Furthermore, the substantially
[0027]
As a result, the
[0028]
In the
[0029]
In the case of a flow that circulates the backflowing air generated in the
[0030]
Then, since there is a wall of the
[0031]
That is, an air flow having a swirl component generated in the compressor impeller is introduced from the
[0032]
In the
[0033]
Further, in this
[0034]
Therefore, when the
[0035]
As the shape of the
[0036]
Regardless of the shape of any of these
[0037]
The shape of the
[0038]
Next, a description will be given of an embodiment of a turbocharger of the invention with reference to FIG. 4, denoted by the same symbols in the form of the same portion of the embodiment already described, description thereof is omitted.
[0039]
In this exhaust turbine supercharger, the basic structure is the same as that of the
[0040]
Here, both surfaces on the
[0041]
As a result, on the surge side where the amount of passing air is small, as shown in FIG. 4B, the air X flowing from the
[0042]
In this embodiment, both surfaces of the
[0043]
In the above embodiment, the variable capacity supercharger has been described as an example of the exhaust turbine supercharger. However, the present invention can be similarly applied to other types of exhaust turbine superchargers.
[0044]
【The invention's effect】
As described above in detail with reference to the embodiment, according to the exhaust turbine supercharger according to
[0045]
By diverting the swirl component to the circulating flow, the characteristics on the surge side and the choke side of the compressor can be improved.
[0046]
In addition, the swirl component can be more efficiently diverted to the circulation flow by changing the air flow direction by using one or both surfaces of the rib provided between the inner and outer peripheral surfaces to form an air passage as a curved surface. It is possible to improve the characteristics on the surge side of the compressor.
[0047]
Furthermore, the first and second air ports of the compressor treatment , the air passage, and the passage enlarged portion are formed in a divided portion of the scroll portion and the shroud portion, and the insert ring portion is integrally formed in the scroll portion. Thus, the swirl component can be diverted to the circulation flow without increasing the number of parts, and the compressor characteristics can be improved by the compressor treatment.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partially enlarged cross-sectional view of a compressor housing according to a reference example of an exhaust turbine supercharger of the present invention, an explanatory view of a flow seen from the A direction, and an explanatory view of a flow seen from the B direction.
FIGS. 2A and 2B are an overall cross-sectional view and a cross-sectional view taken along line AA of a variable capacity supercharger in which a compressor treatment according to a reference example of the exhaust turbine supercharger of the present invention is omitted.
FIG. 3 is a partial enlarged cross-sectional view of a compressor housing according to a reference example of the exhaust turbine supercharger of the present invention.
FIG. 4 is a partially enlarged cross-sectional view of a compressor housing according to an embodiment of the exhaust turbine supercharger of the present invention, and an explanatory view of a surge side flow as viewed from the direction A.
FIG. 5 is a partially enlarged cross-sectional view of a compressor treatment of a conventional exhaust turbine supercharger.
[Explanation of symbols]
1 Variable capacity turbocharger (exhaust turbine turbocharger)
DESCRIPTION OF
22 Air outlet (second air outlet)
22a Inner
Claims (1)
前記コンプレッサハウジングをスクロール部とシュラウド部との分割構造とする一方、前記スクロール部と前記シュラウド部との分割部に前記第1および第2の空気口および前記空気通路を形成するとともに、前記略円筒状の空気通路の前記第2の空気口側を外周側に膨らませて流路断面積を増大させ通過空気に接線方向の流れを生じさせる通路拡大部を形成し、さらに前記分割部に前記略円筒状の前記空気通路を形成するためのリブを内外周面間に設け、このリブの少なくとも一方面を前記第1空気口から流入し第2空気口から排出する間に空気の流れを軸方向成分の流れに変える湾曲面に形成し、前記スクロール部にコンプレッサへの空気の流入を案内するインサートリング部を一体に形成したことを特徴とする排気タービン過給機。A first air port is formed in the compressor housing facing the outer periphery of the compressor impeller, and a second air port is formed in the compressor housing in front of the compressor impeller on the suction side, and these are formed in the compressor housing. An exhaust turbine supercharger communicated through a cylindrical air passage,
While the compressor housing is divided into a scroll part and a shroud part, the first and second air ports and the air passage are formed in the divided part of the scroll part and the shroud part, and the substantially cylindrical shape The second air port side of the air passage is expanded to the outer peripheral side to increase the flow passage cross-sectional area to form a passage expanding portion that causes a tangential flow in the passing air, and further, the substantially cylindrical portion is formed in the divided portion. A rib for forming the air passage is provided between the inner and outer peripheral surfaces, and at least one surface of the rib flows in the axial direction component while flowing in from the first air port and discharging from the second air port. An exhaust turbine supercharger characterized in that it is formed on a curved surface that changes to the flow of air, and an insert ring part that guides the inflow of air into the compressor is formed integrally with the scroll part .
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