JP4625587B2 - Method for producing cellulose acylate film - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、額縁状の光漏れを改善することができるセルロースアシレートフィルム及びその製造方法並びにセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
偏光板は、液晶表示装置(LCD)の普及に伴い、重要が急増している。この偏光板は、一般に、偏光能を有する偏光膜の両面あるいは片面に、接着剤層を介して保護フィルムを貼り合わせて構成されている。この偏光膜は、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」という)が主に用いられており、PVAフィルムを一軸延伸させてからヨウ素あるいは二色性染料で染色するか、また、逆に染色してから延伸させ、さらにホウ素化合物で架橋することにより作製されている。
【0003】
偏光膜に貼合される偏光板保護フィルムとしては、一般に、セルロースアシレートフィルムが用いられ、特にその透明性、低複屈折性、適度な透湿性、適度な剛性から、セルロースアセテートフィルムが最も広く用いられている。このセルロースアセテートフィルムは、通常、溶液製膜法で製造されており、すなわちセルロースアセテートを溶媒に溶解させたドープを、ドラム、バンド等の無端支持体に流延し、自己支持性を持たせて剥離し、さらにテンターやローラーを用いた乾燥装置で乾燥させて製造している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、セルロースアシレートフィルムを偏光板保護フィルムに用いた偏光板を、パネルの両面に粘着剤を介してクロスニコルで貼り付け、60℃,90%RH等の湿熱条件に置くと、額縁状の光漏れ現象(以下、額縁現象という)が見られることがあり、表示品位の低下が問題となっていた。
【0005】
ところで、偏光板保護フィルム等に用いられるセルロースアシレートフィルムの製造方法としては各種手段が提案されており、例えば、特開昭62−46625号公報、特開平11−48271号公報、特開平4−1009号公報がある。しかしながら、これらの公報で提案されている手段は、乾燥促進、平面性改良等を目的とし、テンタ−等の幅規制手段で収縮抑制又は幅方向に延伸しつつ乾燥するものであり、前記額縁現象に対しては、何ら改善することができないものであった。
【0006】
すなわち、特開平11−48271号公報で提案された手段は、延伸開始時の揮発分X(%)が12≦X<50、延伸率Y(%)がY≧−10log(X+40)+20であることを特徴とし、比較的低い残留溶媒量で延伸して平面性を改良することができるとされている。しかしながら、額縁現象を改善することができず、さらに、フィルム乾量基準で50%未満の領域では、フィルムは比較的かたく、延伸するのに必要な力が大きくなり、フィルム破断が起こりやすくなるものである。また、低残留溶媒での延伸は、膜のヘイズ上昇、残留応力増による熱寸度安定性の低下等、さまざまの問題点がある。
【0007】
また、特開平4−1009号公報で提案された手段は、乾燥工程のフィルム揮発分に応じて、幅収縮率を一定範囲に抑えるものであるが、基本的には「収縮を一定に抑える」手段であり、額縁現象を改善することができないものである。
【0008】
なお、ポリオレフィン類等の低複屈折であるポリマーフィルムを偏光板保護フィルムに用いると、額縁現象は緩和される。しかし、ポリオレフィンフィルムは疎水性であるので、、偏光膜に製造工程で含ませた水分、接着剤に含まれる水分が乾燥工程で抜けず、耐久性の悪化、生産性の低下をもたらすものであり、好ましくなかった。
【0009】
本発明は、以上の問題点を解決し、額縁現象を緩和することができるセルロースアシレートフィルムを提供することを目的とする。また、このセルロースアシレートフィルムを製造することができるセルロースアシレートフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、以上の問題点を解決するために、セルロースアシレートフィルムと額縁現象との関係について鋭意検討し、セルロースアシレートフィルムが特定の物性であると、額縁現象が改善されることを見出し、本発明を完成させたものである。また、この特定の物性を有するセルロースアシレートフィルムを好適に製造することができる方法を見出し、本発明を完成させたものである。
【0012】
また、本発明によるセルロースアシレートフィルムの製造方法は、少なくともセルロースアシレート及び芳香環構造を含む可塑剤を有機溶剤に溶解してドープを調製し、このドープを無端支持体に連続して流延して剥ぎ取り、この剥離したフィルムを乾燥してフィルムを製造する方法であって、
i)無端支持体から剥離後フィルム完成までに、フィルムを幅方向に1.5%以上延伸する幅延伸工程と、
ii)無端支持体から剥離後フィルム完成までに、フィルムを長手方向に0.5%以上延伸する縦延伸工程と、
iii)無端支持体から剥離後フィルム完成までに、フィルムの膜面温度を120℃以上に加熱する加熱工程とを有し、
前記幅延伸工程が、フィルム両端を保持手段で保持しつつ幅方向に張力を付与するものであって、張力付与開始時点のフィルムの溶剤残留量が乾燥フィルム基準で50重量%以上であり、かつ、張力付与終了時点の溶剤残留量が乾燥フィルム基準で20重量%未満であり、
前記縦延伸工程が、フィルムが無端支持体より剥離されてから幅延伸工程に導入されるまでに設けられていることを特徴として構成されている。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明によるセルロースアシレートフィルムは、セルロースアシレートを80重量%以上含むフィルムであって、20℃の水に30分浸漬後の面積膨張X(%)が、膜厚Y(μm)に対し、下記の式(1)の関係にあり、
0≦X<7.2/√Y ……式(1)
好ましくは、下記の式(2)の関係にある。
0≦X<3.6/√Y ……式(2)
【0014】
前記セルロースアシレートフィルムの膜厚Y(μm)は、特に制限されないが、額縁故障が特に顕著である60μm以上が好ましく、70〜90μmの範囲がより好ましい。膜厚が90μmを超えると、額縁が顕著になり大画面のLCDに利用することができない。
【0015】
本発明によるセルロースアシレートフィルムは、90℃,120hにおけるフィルム長手方向、幅方向各々の熱収縮率が、いずれも0.2%以下であることが好ましく、0.18%以下であることがより好ましく、0.15%以下であることが最も好ましい。熱収縮率が0.2%を超えると、高温下での使用において、偏光板の偏光度、透過率、色味の変化が著しく、高品位の表示ができない。
【0016】
セルロースアシレートフィルムのレターデーション値は、特に制限がないが、0〜200nmが好ましく、0〜5nmが特に好ましい。遅相軸の向きは、実質的にフィルム長手方向に対し垂直又は平行であることが、偏光の楕円化を避ける観点から好ましい。実質的に垂直又は平行とは、0±1°あるいは90±1°を指す。
【0017】
本発明のセルロースアシレートフィルムはセルロースアシレートを主体として構成されている。セルロースアシレートの詳細について、以下に記載する。好ましいセルロースアシレートは、セルロースの水酸基への置換度が下記式▲1▼〜▲4▼の全てを満足するものである。
▲1▼ 2.6≦A+B≦3.0
▲2▼ 2.0≦A≦3.0
▲3▼ 0≦B≦0.8
▲4▼ 1.9<A−B
【0018】
ここで、式中A及びBはセルロースの水酸基に置換されているアシル基の置換基を表し、Aはアセチル基の置換度、またBは炭素原子数3〜5のアシル基の置換度である。セルロースには1グルコース単位に3個の水酸基があり、上記の数字はその水酸基3.0に対する置換度を表すもので、最大の置換度が3.0である。セルローストリアセテートは一般にAの置換度が2.6以上3.0以下であり(この場合、置換されなかった水酸基が最大0.4もある)、B=0の場合がセルローストリアセテートである。本発明のセルロースアシレートは、アシル基が全部アセチル基のセルローストリアセテート、及びアセチル基が2.0以上で、炭素原子数が3〜5のアシル基が0.8以下、置換されなかった水酸基が0.4以下のものが好ましく、置換度2.6〜3.0のセルローストリアセテートが特に好ましい。なお、置換度は、セルロースの水酸基に置換する酢酸及び炭素原子数3〜5の脂肪酸の結合度を測定し、計算によって得られる。測定方法としては、ASTMのD−817−91に準じて実施することが出来る。
【0019】
アセチル基の他の炭素原子数3〜5のアシル基はプロピオニル基(C2H5CO−)、ブチリル基(C3H7CO−)(n−、iso−)、バレリル基(C4H9CO−)(n−、iso−、sec−、tert−)で、これらのうちn−置換のものがフィルムにした時の機械的強さ、溶解し易さ等から好ましく、特にn−プロピオニル基が好ましい。また、アセチル基の置換度が低いと機械的強さ、耐湿熱性が低下する。炭素原子数3〜5のアシル基の置換度が高いと有機溶媒への溶解性は向上するが、それぞれの置換度が前記の範囲であれば良好な物性を示す。
【0020】
セルロースアシレートの重合度(粘度平均)は200〜700が好ましく、特に250〜550のものが好ましい。粘度平均重合度(DP)は、オストワルド粘度計で求めることができ、測定されたセルロースアシレートの固有粘度[η]から下記式により求められる。
DP=[η]/Km(式中、Kmは定数6×10−4)
【0021】
セルロースアシレート原料のセルロースとしては、綿花リンターや木材パルプなどがあるが、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、また、これらを混合して使用してもよい。
【0022】
セルロースアシレートを溶解する有機溶媒の例には、炭化水素(例:ベンゼン、トルエン)、ハロゲン化炭化水素(例:メチレンクロライド、クロロベンゼン)、アルコール(例:メタノール、エタノール、ジエチレングリコール)、ケトン(例:アセトン)、エステル(例:酢酸エチル、酢酸プロピル)及びエーテル(例:テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ)などがあげられる。
【0023】
炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素が好ましく用いられ、メチレンクロライドが最も好ましく用いられる。セルロースアシレートの溶解性、支持体からの剥ぎ取り性、フィルムの機械強度等、光学特性等の物性の観点から、メチレンクロライドの他に炭素原子数1〜5のアルコールを一種、ないし数種類混合することが好ましい。アルコールの含有量は、溶媒全体に対し2〜25重量%が好ましく、5〜20重量%がより好ましい。アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等があげられるが、メタノール、エタノール、n−ブタノール、あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
【0024】
最近、環境に対する影響を最小限に抑えるため、メチレンクロライドを用いない溶媒組成も提案されている。この目的に対しては、炭素原子数が3〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステルが好ましく、これらを適宜混合して用いる。これらのエーテル、ケトン及びエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトン及びエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−及び−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソール及びフェネトールがあげられる。炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン及びメチルシクロヘキサノンがあげられる。炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート及びペンチルアセテートがあげられる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノール及び2−ブトキシエタノールがあげられる。
【0025】
セルロースアシレートの他に、乾燥後固形分となる成分としては、可塑剤をはじめ、紫外線吸収剤、無機微粒子、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩などの熱安定剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、油剤、支持体からの剥離促進剤、セルロースアシレートの加水分解防止剤等を任意に含むことができる。
【0026】
好ましく添加される可塑剤としては、リン酸エステル又はカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェート(TPP)及びトリクレジルフォスフェート(TCP)、クレジルジフェニルフォスフェート、オクチルジフェニルフォスフェート、ジフェニルビフェニルフォスフェート、トリオクチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート等があげられる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステル及びクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)及びジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)及びO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチルが含まれる。
【0027】
その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、トリメチルトリメリテート等のトリメリット酸エステルが含まれる。グリコール酸エステルの例としては、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレートなどがある。
【0028】
以上に例示した可塑剤の中でも、トリフェニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジエチルヘキシルフタレート、トリアセチン、エチルフタリルエチルグリコレート、トリメチルトリメリテートらを用いることが好ましい。特にトリフェニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート、ジエチルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、トリメチルトリメリテートが好ましい。これらの可塑剤は1種でもよいし2種以上併用してもよい。可塑剤の添加量はセルロースアシレートに対して5〜30重量%が好ましく、特に8〜16重量%以下が好ましい。これらの化合物は、セルロースアシレート溶液の調製の際に、セルロースアシレートや溶媒と共に添加してもよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよい。
【0029】
紫外線吸収剤は、目的に応じ任意の種類のものを選択することができ、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系、ニッケル錯塩系等の吸収剤を用いることができるが、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸エステル系が好ましい。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の例として、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−アセトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジ−ヒドロキシ−4,4'−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノン等をあげることができる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2(2'−ヒドロキシ−5'−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2(2'−ヒドロキシ−5'−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等をあげることができる。サリチル酸エステル系としては、フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート等をあげることができる。これら例示した紫外線吸収剤の中でも、特に2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジ−ヒドロキシ−4,4'−メトキシベンゾフェノン、2(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2(2'−ヒドロキシ−5'−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾールが特に好ましい。
【0030】
吸収波長の異なる複数の吸収剤を複合して用いることが、広い波長範囲で高い遮断効果を得ることができ、特に好ましい。紫外線吸収剤の量はセルロースアシレートに対し0.01〜5重量%が好ましく、0.1〜3重量%が特に好ましい。紫外線吸収剤はセルロースアシレート溶解時に同時に添加しても良いし、溶解後のドープに添加しても良い。特にスタティックミキサ等を用い、流延直前にドープに紫外線吸収剤溶液を添加する形態が、分光吸収特性を容易に調整することができ、好ましい。
【0031】
セルロースアシレートに添加する無機微粒子としては、シリカ、カオリン、タルク、ケイソウ土、石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナなどを目的に応じ、任意に用いることができる。これら微粒子はドープに添加する前に、高速ミキサー、ボールミル、アトライター、超音波分散機等、任意の手段でバインダー溶液中に分散を行うことが好ましい。バインダーとしてはセルロースアシレートが好ましい。紫外線吸収剤等、他の添加物と共に分散を行うことも好ましい。分散溶媒は任意であるが、ドープ溶媒と近い組成であることが好ましい。分散粒子の数平均粒径は0.01〜100μmが好ましく、0.1〜10μmが特に好ましい。上記の分散液はセルロースアシレート溶解工程に同時に添加しても良いし、任意の工程でドープに添加できるが、紫外線吸収剤同様スタティックミキサ等を用い、流延直前に添加する形態が好ましい。
【0032】
支持体からの剥離促進剤としては、界面活性剤が有効でありリン酸系、スルフォン酸系、カルボン酸系、ノニオン系、カチオン系など特に限定されない。これらは、例えば特開昭61−243837号など記載されている。
【0033】
本発明の偏光板保護フィルムには、PVA系樹脂との密着性を高めるため、フィルム表面にケン化、コロナ処理、火炎処理、グロー放電処理等の手段により、親水性を付与することが好ましい。また、親水性樹脂をセルロースアシレートと親和性のある溶媒に分散し、薄層塗布しても良い。以上の手段の中では、フィルムの平面性、物性が損なわれないため、ケン化処理が特に好ましい。ケン化処理は、例えは苛性ソーダのようなアルカリ水溶液にフィルムを浸漬することで行われる。処理後は過剰のアルカリを除くため、低濃度の酸で中和し、水洗を十分行うことが好ましい。
【0034】
本発明によるセルロースアシレートフィルムは、偏光板保護フィルム、位相差膜、光学異方性層を塗布して光学補償膜等に用いることができるが、偏光板保護フィルムに特に有効である。
【0035】
本発明のセルロースアシレートフィルムは、偏光板保護フィルムとして偏光膜の少なくとも片面に貼合され、偏光板として利用される。偏光板は一般に、基材フィルムに二色性物質を吸着、配向させて作製された偏光膜の少なくとも片面に保護フィルムを貼合して製造される。基材ポリマーとしては、PVA系ポリマーが一般的である。二色性物質としてはヨウ素あるいは、二色性染料が単独、あるいは組み合わせて用いられる。
【0036】
以上のようなセルロースアシレートフィルムは、本発明によるセルロースアシレートフィルムの製造方法により好適に製造することができる。
【0037】
本発明によるセルロースアシレートフィルムの製造方法は、少なくともセルロースアシレート及び芳香環構造を含む可塑剤を有機溶剤に溶解してドープを調製し、このドープを無端支持体に連続して流延して剥ぎ取り、この剥離したフィルムを乾燥してフィルムを製造する方法であって、
i)無端支持体から剥離後フィルム完成までに、フィルムを幅方向に1.5%以上延伸する幅延伸工程と、
ii)無端支持体から剥離後フィルム完成までに、フィルムを長手方向に0.5%以上延伸する縦延伸工程と、
iii)無端支持体から剥離後フィルム完成までに、フィルムの膜面温度を120℃以上に加熱する加熱工程とを有している。
【0038】
なお、上記製造方法において、フィルム完成までとは、フィルムを巻き芯に巻き取るまでのことである。
【0039】
幅延伸工程における幅方向の延伸率と、縦延伸工程における長手方向の延伸率との比は、特に限定されず、任意に選択することができる。
【0040】
前記幅延伸工程は、フィルムを無端支持体より剥離後、フィルム完成までに設けられており、フィルム両端を保持手段(テンター等)で保持しつつ幅方向に張力を付与するものである。この幅延伸工程は、新たに幅延伸工程を設けても、従来からある工程に兼用させるようにしてもよい。例えば、幅延伸工程は、幅規制工程(テンター工程)で兼用させることが好ましい。なお、幅規制工程で行う場合、幅方向を規制している間、常にフィルムを幅方向に延伸し続ける必要はなく、例えば、前半ではフィルムに弛みが生じない範囲で幅を縮小させた後、後半でフィルムを幅方向に拡大して延伸することもできる。
【0041】
幅延伸工程において、フィルムの幅方向に張力の付与を開始する時点のフィルムの溶剤残留量が、乾燥フィルム基準で50重量%以上であることが好ましく、60重量%以上であることがより好ましい。また、張力付与終了時点の溶剤残留量が、乾燥フィルム基準で20重量%未満であることが好ましく、15重量%未満であることがより好ましい。
【0042】
前記縦延伸工程は、フィルムを無端支持体より剥離後、フィルム完成までに設けられており、新たに縦延伸工程を設けても、従来からある工程に兼用させるようにしてもよい。例えば、フィルムを無端支持体から剥離した後、幅規制工程に導入されるまでの搬送工程、幅規制工程の後段に設けられたローラー乾燥工程で兼用させることができ、これらの中では、剥ぎ取った後、幅規制工程に導入されるまでの搬送工程が、フィルム残留溶媒が高く、不要な残留応力を残さず延伸できるので好ましい。
【0043】
縦延伸工程におけるフィルムの残留溶剤分は、上述したように、残留応力の観点から高いほうがよく、乾燥フィルム基準で50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。
【0044】
本発明によるセルロースアシレートフィルムの製造方法を実施する製造装置の具体的な例を図1及び図2に示すが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0045】
図1はセルロースアシレートフィルムの製造装置でドラム流延法の例を示す概略図である。この図において、10はドープを無端支持体に流延してフィルムを形成する流延部、20は流延部10で形成されたフィルムを延伸すると共に乾燥させる延伸乾燥部、30はフィルムをさらに乾燥させて製品とする乾燥部、40は完成したフィルムを巻き取る巻き芯である。
【0046】
前記流延部10は、乾燥室11の中に流延ダイ12が設けられると共に無端支持体としての流延ドラム13が設けられ、さらに、フィルムを剥ぎ取るための剥ぎ取りロール14が設けられている。延伸乾燥部20は、乾燥室21の中にフィルム両端を保持して幅方向に延伸する保持手段22が設けられており、乾燥部30は、乾燥室31の中に搬送ロール32が多数配置されている。
【0047】
以上のようなドラム流延法の製造装置でフィルムを製造するには、まず、ドープを流延ダイ12より押し出し、流延ドラム13上に流延する。流延ドラム13は、剥ぎ取りを迅速に行うため、10℃以下に冷却されていることが好ましい。適当な雰囲気で乾燥し、ドープが自己支持性を持ったところで剥ぎ取りロール14を介し残留溶媒を含んだフィルムとして剥ぎ取る。この剥ぎ取られたフィルムは、乾燥室21へ送られるが、この過程において長手方向に延伸させられる(縦延伸工程)。乾燥室21においては、導入されたフィルムの両端を保持手段22で保持し、幅方向に張力を与えて延伸させつつ搬送しながら乾燥させる(幅延伸工程)。保持手段22は、クリップ、ピン等任意の手段を用いることができる。乾燥手段は熱風吹き付けが一般的であるが、赤外線、マイクロ波等任意の手段が可能である。幅方向の規制を行ったまま残留溶媒が20%以下になるまで乾燥することが好ましい。このフィルムはさらに乾燥室31に搬送され、搬送ロール32に掛け回されて搬送されつつ、さらに乾燥されて巻き芯40でロール形態に巻き取られる。巻き取り時の残留溶媒量は、0.8%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがさらに好ましい。
【0048】
図2は、バンド流延法の例を示す概略図である。この図において、50はドープを無端支持体に流延してフィルムを形成する流延部であり、60は延伸乾燥部、70は乾燥部、80は巻き芯である。
【0049】
前記流延部50は、乾燥室51の中に流延ダイ52が設けられると共に無端支持体としての流延バンド53が設けられ、さらに、フィルムを剥ぎ取るための剥ぎ取りロール54が設けられている。延伸乾燥部60、乾燥部70及び巻き芯80は、図1に示すドラム流延法の場合と略同様である。
【0050】
以上のようなバンド流延法の製造装置でフィルムを製造するには、まず、ドープを流延ダイ52より押し出し、流延バンド53の上に流延する。流延バンド53上で熱風等の手段により乾燥させ、ドープが自己支持性を持ったところで、剥ぎ取りロール54を介して残留溶媒を含んだフィルムとして剥ぎ取る。この剥ぎ取られたフィルムは、乾燥室61へ送られるが、この過程において長手方向に延伸させられる(縦延伸工程)。乾燥室61においては、導入されたフィルムの両端を保持手段62で保持し、幅方向に張力を与えて延伸させつつ搬送しながら乾燥させる(幅延伸工程)。このフィルムはさらに乾燥室71に搬送され、搬送ロール72に掛け回されて搬送されつつ、さらに乾燥されて巻き芯40でロール形態に巻き取られる。
【0051】
なお、乾燥室11、21、31、51、61、71は、それぞれ単一の乾燥条件である必要はなく、いくつかに区分され、各々違う雰囲気で乾燥させてもよい。また、熱収縮率を改良するためのフィルム加熱は、乾燥部30、70の後半で行うことが好ましい。
【0052】
【実施例】
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0053】
[原料ドープの調製]
(微粒子分散液aの調製)
シリカ(日本アエロジル(株)製,『アエロジルR972』) 0.67重量%
セルロースアセテート(置換度2.8) 2.93重量%
トリフェニルフォスフェート 0.23重量%
ビフェニルジフェニルフォスフェート 0.12重量%
メチレンクロライド 88.37重量%
メタノール 7.68重量%
なる溶液を調製し、アトライターにて体積平均粒径0.7μmになるよう分散を行った。
【0054】
(原料ドープAの調製)
セルローストリアセテート(置換度2.8) 89.3重量%
トリフェニルフォスフェート 7.1重量%
ビフェニルジフェニルフォスフェート 3.6重量%
なる固形分100重量部に対し上記微粒子分散液aを17.9重量部添加し、さらに
ジクロルメタン 92重量%
メタノール 8重量%
なる混合溶媒を適宜添加、攪拌溶解しドープを調製した。ドープの固形分濃度は18.5%であった。このドープを濾紙(東洋濾紙(株)製,『#63』)にて濾過後、さらに燒結金属フィルタ(日本精線(株)製,『06N』,公称孔径10μm)で濾過し、さらにメッシュフィルタ(日本ポール(株)製,『RM』,公称孔径45μ)で濾過した。
【0055】
(紫外線吸収剤溶液bの調製)
2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−
クロルベンゾトリアゾール 5.83重量%
2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾ
トリアゾール 11.66重量%
セルロースアセテート(置換度2.8) 1.48重量%
トリフェニルフォスフェート 0.12重量%
ビフェニルジフェニルフォスフェート 0.06重量%
メチレンクロライド 74.38重量%
メタノール 6.47重量%
上記処方で紫外線吸収剤溶液を調製し、富士写真フイルム(株)製,『アストロポア10フィルタ』にて濾過した。
【0056】
(原料ドープBの調製)
セルローストリアセテート(置換度2.8) 89.5重量%
トリフェニルフォスフェート 7.0重量%
ビフェニルジフェニルフォスフェート 3.5重量%
なる固形分に、
メチレンクロライド 82重量%
メタノール 15重量%
n−ブタノール 3重量%
なる混合溶媒を適宜添加、攪拌溶解し、ドープを調製した。ドープの固形分濃度は23.5%であった。このドープを濾紙(東洋濾紙(株)製,『#63』)で濾過し、さらに燒結金属フィルタ(日本精線(株)製,『06N』)で濾過し、さらに燒結金属フィルタ(日本精線(株)製,『12N』,公称孔径40μ)で濾過した。
【0057】
(微粒子分散、紫外線吸収剤溶液cの調製)
2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−
クロルベンゾトリアゾール 5.40重量%
2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾ
トリアゾール 10.79重量%
シリカ(日本アエロジル(株)製,『アエロジルR972』) 0.39重量%
セルロースアセテート(置換度2.8) 2.58重量%
トリフェニルフォスフェート 0.28重量%
ビフェニルジフェニルフォスフェート 0.14重量%
メチレンクロライド 67.71重量%
メタノール 10.86重量%
n−ブタノール 1.85重量%
なる溶液を調製し、アトライターにてシリカ粒子の体積平均粒径が0.6μmになるように分散を行った。分散後の溶液を富士写真フイルム(株)製,『アストロポア10フィルタ』にて濾過し、さらに燒結金属フィルタ(日本精線(株)製,『07N』)にて濾過した。
【0058】
<体積平均粒径の測定>
前記微粒子分散液a及び微粒子分散・紫外線吸収剤溶液cにおける体積平均粒径は、MALVERN社製,『マスターサイザーMS20』にて測定した。
【0059】
<ドープ固形分濃度の測定>
前記原料ドープA及び原料ドープBにおけるドープ固形分濃度(%)は、湿量基準で、
(ドープを120℃,2時間加熱した減量分重量)/(元のドープ重量)×100
で求めた。
【0060】
[実施例1]
上記のドープAに対し、スタティックミキサを用い、上記紫外線吸収剤溶液bを、ドープ中の固形分に対し、紫外線吸収剤量が1.04重量%になるよう調節しつつ、ドープの配管経路において添加、混合した。
【0061】
このドープを用い、図2に示すバンド流延法の製造装置でフィルムを製造した。すなわち、ドープを流延ダイ52より流延バンド53に流延し、自己支持性を持つまで熱風乾燥し、フィルムとして剥離した。剥離したフィルムは、延伸乾燥部60へ送るが、この時、フィルムの長手方向に張力を付与し、長手方向に0.8%延伸させた。
【0062】
延伸乾燥部60に導入されたフィルムは、テンター式乾燥機の保持手段62で両端が保持され、幅方向に張力が付与されつつ搬送される。その結果、延伸乾燥部60入口におけるフィルムの幅に対し、3.0%延伸された。なお、延伸乾燥部60内においては、常にフィルムを延伸し続け、フィルムを収縮させなかった。また、幅方向の張力付与開始時点(テンター入口)の残留溶媒は、55重量%であり、張力付与終了時点(テンター出口)の残留溶媒は、13.7重量%であった。
【0063】
次に、フィルムをローラ乾燥部70へ導入し、フィルムの表面温度が最高130℃になるまで加熱した。ローラ乾燥部70においては、幅方向及び長手方向とも延伸は発生しなかった。完成したフィルムの膜厚は80μmであった。
【0064】
[実施例2]
流延バンド53から剥離し、延伸乾燥部60へ導入までの長手方向の延伸率を10.0%、延伸乾燥部60における幅方向の延伸率を12.0%、出口の残留溶媒量を14.3重量%とした他は、実施例1と同様にフィルムを製造した。
【0065】
[実施例3]
前記ドープBに対し、スタティックミキサを用い、上記紫外線吸収剤溶液cを、ドープ中の固形分に対し紫外線吸収剤量が1.04重量%になるよう調節しつつ、ドープの配管経路において添加、混合した。
【0066】
このドープを用い、図1に示すドラム流延法の製造装置でフィルムを製造した。すなわち、ドープを流延ダイ12より流延ドラム13に流延し、自己支持性を持つまで熱風乾燥し、フィルムとして剥離した。このとき、流延ドラム13の表面温度は、−3℃であった。剥離したフィルムは、延伸乾燥部20へ送るが、この時、フィルムの長手方向に張力を付与し、長手方向に8.0%延伸させた。
【0067】
延伸乾燥部20に導入されたフィルムは、テンター式乾燥機の保持手段62で両端が保持され、まず、前半の2/3の工程で幅を一旦5.3%縮小させ、次に、残りの工程で幅方向に2.0%延伸した。なお、前半の2/3の収縮工程が終了した時点で、フィルムの弛みは目視で観察されなかった。また、幅方向の張力付与開始時点(テンター入口)の残留溶媒は、240重量%であり、張力付与終了時点(テンター出口)の残留溶媒は、12.0重量%であった。
【0068】
次に、フィルムをローラ乾燥部30へ導入し、フィルムの表面温度が最高137℃になるまで加熱した。ローラ乾燥部30においては、幅方向及び長手方向とも延伸は発生しなかった。完成したフィルムの膜厚は80μmであった。
【0069】
[実施例4]
流延ドラム13から剥離し、延伸乾燥部20へ導入までの長手方向の延伸率を12.0%、延伸乾燥部20における後半の1/3の工程における幅方向の延伸率を5.7%、出口の残留溶媒量を12.7重量%とした他は、実施例3と同様にフィルムを製造した。
【0070】
[実施例5]
紫外線吸収剤量を2.08重量%、完成フィルムの膜厚を40μm、延伸乾燥部60入口での残留溶媒を52重量%、出口での残留溶媒を8.3重量%、ローラ乾燥部70内での最高温度を125℃とした他は、実施例1と同様にフィルムを製造した。
【0071】
[比較例1]
延伸乾燥部60における幅方向の延伸率を0.5%、延伸乾燥部60の出口における残留溶媒を14.0重量%とした他は、実施例1と同様にフィルムを製造した。
【0072】
[比較例2]
ローラー乾燥部70におけるフィルム表面温度の最高値を、110℃にした他は、実施例1と同様にフィルムを製造した。
【0073】
[比較例3]
延伸乾燥部20の後半1/3工程において、幅方向延伸させずに3.0%収縮させ、また、延伸乾燥部20の出口の残留溶媒を13.0重量%にした他は、実施例3と同様にフィルムを製造した。
【0074】
[比較例4]
延伸乾燥部60の温度を下げ、延伸乾燥部60の出口での残留溶媒を22重量%とした他は、実施例1と同様にフィルムを製造した。
【0075】
[比較例5]
延伸乾燥部60の入口での残留溶媒を25重量%とし、実施例2と同様にフィルムを製造しようとしたが、テンタークリップ部で破断が生じ、実施例2と同様の幅方向の延伸率が得られなかった。
【0076】
[比較例6]
延伸乾燥部60において延伸せず、幅を1.2%収縮させ、出口の残留溶媒を9.0%にした他は、実施例5と同様にフィルムを製造した。
【0077】
[比較例7]
フィルムの剥離から延伸乾燥部60に導入するまで長手方向に延伸せず、0.5%収縮させ、延伸乾燥部60において幅方向の延伸率を2.0%とし、延伸乾燥部60の出口での残留溶媒を13.8重量%とした他は、実施例1と同様にフィルムを製造した。
【0078】
[フィルムのケン化処理]
実施例1〜5、比較例1〜4,6,7のフィルムを50℃の1.5N NaOH水溶液で180秒処理した後、中和、水洗処理を行って乾燥した。
【0079】
[偏光板の作製]
(株)クラレ製,『PVAフィルム』(75μm)をヨウ素0.3g/l、ヨウ化カリウム18.0g/lの水溶液に25℃にて浸漬し、さらにホウ酸80g/l、ヨウ化カリウム30g/l、塩化亜鉛10g/l、50℃の水溶液中にて5.0倍に延伸した。60℃にて5分間乾燥の後、PVA((株)クラレ製,『PVA−117H』)4%水溶液を接着剤としてケン化処理を行った実施例1〜5、比較例1〜4,6,7のフィルムを両面に貼合し、さらに80℃で乾燥して偏光板を得た。
得られた偏光板の偏光度は、99.7〜99.9%であった。
【0080】
<偏光度の測定>
偏光度は、以下の式により算出した。
偏光度P(%)={(Tp−Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100
但し、Tpは2枚の偏光板の重ね合わせサンプルにおいて、2枚の偏光板の吸収軸を平行に重ね合わせた場合の透過率(%)、Tcは2枚の偏光板の吸収軸を垂直に重ね合わせた場合の透過率(%)である。
【0081】
また、染色液への膜浸漬時間を調整して、偏光板の透過率が42±0.5%となるようにした。
【0082】
<偏光板の透過率>
偏光板の透過率は、島津分光光度計UV−3100PCにて、透過率を測定し、10nmおきに求めた分光透過率τ(λ)から以下の式に従い算出した。式中、P(λ)はJIS Z 8720による標準光D65光源の分光分布、y(λ)はJIS Z 8701による2度視野X,Y,Z系に基づく等色関数である。
透過率T(%)=A/B×100
A=∫visP(λ)・y(λ)・τ(λ)dλ
B=∫visP(λ)・y(λ)dλ
(vis:400〜700nm)
【0083】
以上の実施例1〜5及び比較例1〜4、6、7を試験した結果を表1に示す。
【0084】
【表1】
【0085】
[残留溶媒量の測定]
フィルムの残留溶媒量は、以下式に従って求めた。
残留溶媒量(%)=(A−B)/B×100
ここで、
A:フィルムサンプルの重量(g)
B:115℃空気恒温槽にて1時間乾燥後のフィルムサンプルの重量(g)
【0086】
[面積膨張率の測定]
フィルムの長手方向及び幅手方向に沿って120mm長の短冊状にカットした2枚のサンプルをあらかじめ23℃,65%RHで2時間以上放置した後、両端に直径6mmの穴を100mm間隔に開け、間隔の原寸(L1)を最小目盛り1/1000mmまで測定する。次に、20℃の水に30分浸漬した後、パンチ間隔の寸法(L2)を測定し、長手方向及び幅手方向の膨張を以下式により求める。
膨張=L2/L1
【0087】
長手方向、幅方向について得られた膨張を以下式に従って計算し、面積膨張率を得る。
面積膨張率(%)={膨張(長手)×膨張(幅手)−1}×100
【0088】
[熱収縮率の測定]
120mm長の短冊状にカットしたサンプルをあらかじめ23℃,65%RHで2時間以上放置した後、両端に直径6mmの穴を100mm間隔に開け、間隔の原寸(L1)を最小目盛り1/1000mmまで測定する。次に、90℃恒温槽にて120時間処理後、パンチ間隔の寸法(L2)を測定し、以下式により求める。
収縮率(%)=(L1−L2)/L1×100
【0089】
[額縁現象の評価]
作製した偏光板を、吸収軸を対角線として14.1×14.1cmの正方形にカットし、粘着剤を介してガラス板の両面にクロスニコル状態で貼り合わせた。
これをシャーカステンで背面より光をあてて暗室内で目視観察すると、すべてのサンプルについて額縁現象は観察されなかった。
【0090】
これらのサンプルを、60℃,90%RHの恒温恒湿室に48h入れ、さらに常温常湿に1h置いた後、同様にシャーカステン光により暗室内で額縁現象を目視観察した。
【0091】
額縁現象の程度は以下の基準で判定した。
A…目視では全く額縁現象が観察されない。
B…縁から1〜2mm程度にわずかに額縁現象がみられるが、注意してみないとわからない。
C…縁から5mm程度、薄いが額縁現象が見られる。
D…縁から10mm程度額縁が発生し、目視で顕著に観察される。
【0092】
以上のように、実施例は、比較例に対し明らかに額縁現像の改良効果が見られた。また、実施例のうちでも、延伸倍率が高く、吸水膨張率の低い実施例2、4、及び膜厚が薄い実施例5に特に改良効果が顕著であった。
【0093】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、セルロースアシレートフィルムを用いた偏光板をパネルに貼合した場合において、額縁状の光漏れを抑制することができる。また、限定された条件でフィルムを延伸することにより、望ましい吸水膨張率、熱収縮率のセルロースアシレートフィルムを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 流延ドラム形式の溶液製膜法によりフィルムを製造する装置の概略図である。
【図2】 流延バンド形式の溶液製膜法によりフィルムを製造する装置の概略図である。
【符号の説明】
10…流延部
11…乾燥室
12…流延ダイ
13…流延バンド
20…延伸乾燥部
21…乾燥室
22…保持部
30…乾燥部
31…搬送ロール
40…巻き芯
50…流延部
51…乾燥室
52…流延ダイ
53…流延バンド
60…延伸乾燥部
61…乾燥室
62…保持部
70…乾燥部
71…搬送ロール
80…巻き芯[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a cellulose acylate film capable of improving frame-like light leakage, a method for producing the same, and a polarizing plate using the cellulose acylate film.
[0002]
[Prior art]
The importance of polarizing plates has been increasing rapidly with the spread of liquid crystal display devices (LCD). In general, the polarizing plate is configured by attaching a protective film to both surfaces or one surface of a polarizing film having polarizing ability via an adhesive layer. This polarizing film is mainly made of polyvinyl alcohol (hereinafter referred to as “PVA”). After the PVA film is uniaxially stretched, it is dyed with iodine or a dichroic dye, or vice versa. It is produced by stretching and further crosslinking with a boron compound.
[0003]
In general, a cellulose acylate film is used as a polarizing plate protective film to be bonded to a polarizing film, and in particular, cellulose acetate film is the most widely used because of its transparency, low birefringence, appropriate moisture permeability, and appropriate rigidity. It is used. This cellulose acetate film is usually produced by a solution casting method. That is, a dope obtained by dissolving cellulose acetate in a solvent is cast on an endless support such as a drum or a band to provide self-supporting properties. It is peeled and further dried by a drying device using a tenter or a roller.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, when a polarizing plate using a cellulose acylate film as a polarizing plate protective film is attached to both sides of the panel with a crossed Nicol via an adhesive and placed in wet heat conditions such as 60 ° C. and 90% RH, There is a case where a light leakage phenomenon (hereinafter referred to as a frame phenomenon) is observed, and the deterioration of display quality is a problem.
[0005]
By the way, as a method for producing a cellulose acylate film used for a polarizing plate protective film or the like, various means have been proposed. For example, JP-A Nos. 62-46625, 11-48271, and 4- No. 1009. However, the means proposed in these publications are intended to promote drying, improve the flatness, etc., and are used to suppress shrinkage or stretch in the width direction by a width regulating means such as a tenter, and the frame phenomenon described above. It was something that could not be improved.
[0006]
That is, the means proposed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-48271 is such that the volatile content X (%) at the start of stretching is 12 ≦ X <50 and the stretching ratio Y (%) is Y ≧ −10 log (X + 40) +20. The flatness can be improved by stretching with a relatively low residual solvent amount. However, the frame phenomenon cannot be improved, and the film is relatively hard in the region of less than 50% on the basis of the dry amount of the film, and the force required for stretching becomes large, and the film breaks easily. It is. In addition, stretching with a low residual solvent has various problems such as an increase in film haze and a decrease in thermal dimensional stability due to an increase in residual stress.
[0007]
Further, the means proposed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 4-1009 is to suppress the width shrinkage rate within a certain range according to the film volatile content in the drying process. This means that the frame phenomenon cannot be improved.
[0008]
In addition, when a polymer film having low birefringence such as polyolefin is used for the polarizing plate protective film, the frame phenomenon is alleviated. However, since the polyolefin film is hydrophobic, the moisture contained in the polarizing film in the manufacturing process and the moisture contained in the adhesive cannot be removed during the drying process, resulting in deterioration of durability and productivity. It was not preferable.
[0009]
An object of the present invention is to provide a cellulose acylate film capable of solving the above-described problems and alleviating the frame phenomenon. Moreover, it aims at providing the manufacturing method of the cellulose acylate film which can manufacture this cellulose acylate film.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the present inventor has intensively studied the relationship between the cellulose acylate film and the frame phenomenon, and that the frame phenomenon is improved when the cellulose acylate film has specific physical properties. The title and the present invention have been completed. Further, the inventors have found a method capable of suitably producing a cellulose acylate film having this specific physical property and completed the present invention.
[0012]
Further, the method for producing a cellulose acylate film according to the present invention comprises preparing a dope by dissolving a plasticizer containing at least cellulose acylate and an aromatic ring structure in an organic solvent, and continuously casting the dope on an endless support. It is a method for producing a film by drying the peeled film,
i) a width stretching step of stretching the film in the width direction by 1.5% or more from the endless support to the completion of the film after peeling;
ii) a longitudinal stretching step of stretching the film in the longitudinal direction by 0.5% or more from the endless support to the completion of the film after peeling;
iii) a heating step for heating the film surface temperature to 120 ° C. or higher from the endless support to the completion of the film after peeling.And
The width stretching step applies tension in the width direction while holding both ends of the film with holding means, and the residual solvent amount of the film at the start of applying the tension is 50% by weight or more based on the dry film, and The residual solvent amount at the end of applying the tension is less than 20% by weight based on the dry film,
The longitudinal stretching step is provided from when the film is peeled off from the endless support until it is introduced into the width stretching step.It is configured as a feature.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The cellulose acylate film according to the present invention is a film containing 80% by weight or more of cellulose acylate, and the area expansion X (%) after being immersed in water at 20 ° C. for 30 minutes is equivalent to the film thickness Y (μm). It has the relationship of the following formula (1),
0 ≦ X <7.2 / √Y Equation (1)
Preferably, it has the relationship of the following formula (2).
0 ≦ X <3.6 / √Y (2)
[0014]
The film thickness Y (μm) of the cellulose acylate film is not particularly limited, but is preferably 60 μm or more, particularly in the range of 70 to 90 μm, where frame failure is particularly remarkable. When the film thickness exceeds 90 μm, the frame becomes prominent and cannot be used for a large-screen LCD.
[0015]
In the cellulose acylate film according to the present invention, the thermal shrinkage rate in each of the film longitudinal direction and the width direction at 90 ° C. and 120 h is preferably 0.2% or less, more preferably 0.18% or less. Preferably, it is most preferably 0.15% or less. When the thermal shrinkage rate exceeds 0.2%, the polarization degree, transmittance, and color change of the polarizing plate are remarkably changed in use under high temperature, and high quality display cannot be performed.
[0016]
The retardation value of the cellulose acylate film is not particularly limited, but is preferably 0 to 200 nm, particularly preferably 0 to 5 nm. The direction of the slow axis is preferably substantially perpendicular or parallel to the longitudinal direction of the film from the viewpoint of avoiding elliptical polarization. Substantially perpendicular or parallel refers to 0 ± 1 ° or 90 ± 1 °.
[0017]
The cellulose acylate film of the present invention is composed mainly of cellulose acylate. Details of the cellulose acylate are described below. Preferred cellulose acylates are those in which the substitution degree of the hydroxyl group of cellulose satisfies all of the following formulas (1) to (4).
(1) 2.6 ≦ A + B ≦ 3.0
(2) 2.0 ≦ A ≦ 3.0
(3) 0 ≦ B ≦ 0.8
(4) 1.9 <AB
[0018]
Here, A and B represent the substituent of the acyl group substituted by the hydroxyl group of cellulose, A is the substitution degree of an acetyl group, and B is the substitution degree of a C3-C5 acyl group. . Cellulose has three hydroxyl groups in one glucose unit, and the above number represents the degree of substitution with respect to the hydroxyl group 3.0, and the maximum degree of substitution is 3.0. Cellulose triacetate generally has a substitution degree of A of 2.6 or more and 3.0 or less (in this case, there is a maximum of 0.4 hydroxyl groups not substituted), and B = 0 is cellulose triacetate. The cellulose acylate of the present invention has a cellulose triacetate in which all acyl groups are acetyl groups, an acetyl group of 2.0 or more, an acyl group of 3 to 5 carbon atoms of 0.8 or less, and an unsubstituted hydroxyl group. A cellulose triacetate having a substitution degree of 2.6 to 3.0 is particularly preferable. The degree of substitution can be obtained by calculation by measuring the degree of binding of acetic acid substituted with a hydroxyl group of cellulose and a fatty acid having 3 to 5 carbon atoms. As a measuring method, it can carry out according to ASTM D-817-91.
[0019]
Other acyl groups having 3 to 5 carbon atoms of the acetyl group are propionyl groups (C2H5CO-), butyryl group (C3H7CO-) (n-, iso-), valeryl group (C4H9CO-) (n-, iso-, sec-, tert-), of which n-substituted ones are preferred from the viewpoint of mechanical strength when formed into a film, ease of dissolution, etc., and in particular, an n-propionyl group Is preferred. Moreover, when the substitution degree of an acetyl group is low, mechanical strength and heat-and-moisture resistance deteriorate. When the degree of substitution of the acyl group having 3 to 5 carbon atoms is high, the solubility in an organic solvent is improved. However, if the degree of substitution is within the above range, good physical properties are exhibited.
[0020]
The degree of polymerization (average viscosity) of cellulose acylate is preferably from 200 to 700, particularly preferably from 250 to 550. The viscosity average degree of polymerization (DP) can be determined with an Ostwald viscometer, and is determined from the measured intrinsic viscosity [η] of cellulose acylate according to the following formula.
DP = [η] / Km (where Km is a constant 6 × 10-4)
[0021]
Examples of cellulose as a cellulose acylate raw material include cotton linter and wood pulp. Any cellulose acylate obtained from any raw material cellulose may be used, or these may be used in combination.
[0022]
Examples of organic solvents that dissolve cellulose acylate include hydrocarbons (eg benzene, toluene), halogenated hydrocarbons (eg methylene chloride, chlorobenzene), alcohols (eg methanol, ethanol, diethylene glycol), ketones (eg : Acetone), esters (eg, ethyl acetate, propyl acetate), ethers (eg, tetrahydrofuran, methyl cellosolve) and the like.
[0023]
A halogenated hydrocarbon having 1 to 7 carbon atoms is preferably used, and methylene chloride is most preferably used. From the viewpoint of physical properties such as solubility of cellulose acylate, peelability from the support, mechanical strength of the film, optical properties, etc., in addition to methylene chloride, one or several alcohols having 1 to 5 carbon atoms are mixed. It is preferable. The content of alcohol is preferably 2 to 25% by weight, more preferably 5 to 20% by weight, based on the entire solvent. Specific examples of the alcohol include methanol, ethanol, n-propanol, isopropanol, n-butanol, etc., but methanol, ethanol, n-butanol, or a mixture thereof is preferably used.
[0024]
Recently, a solvent composition not using methylene chloride has been proposed in order to minimize the influence on the environment. For this purpose, ethers having 3 to 12 carbon atoms, ketones having 3 to 12 carbon atoms, and esters having 3 to 12 carbon atoms are preferable, and these are used by appropriately mixing them. These ethers, ketones and esters may have a cyclic structure. A compound having two or more functional groups of ether, ketone and ester (that is, —O—, —CO— and —COO—) can also be used as the organic solvent. The organic solvent may have another functional group such as an alcoholic hydroxyl group. In the case of an organic solvent having two or more types of functional groups, the number of carbon atoms may be within the specified range of the compound having any functional group. Examples of ethers having 3 to 12 carbon atoms include diisopropyl ether, dimethoxymethane, dimethoxyethane, 1,4-dioxane, 1,3-dioxolane, tetrahydrofuran, anisole and phenetole. Examples of ketones having 3 to 12 carbon atoms include acetone, methyl ethyl ketone, diethyl ketone, diisobutyl ketone, cyclopentanone, cyclohexanone and methylcyclohexanone. Examples of the esters having 3 to 12 carbon atoms include ethyl formate, propyl formate, pentyl formate, methyl acetate, ethyl acetate and pentyl acetate. Examples of the organic solvent having two or more kinds of functional groups include 2-ethoxyethyl acetate, 2-methoxyethanol and 2-butoxyethanol.
[0025]
In addition to cellulose acylate, the components that become solid after drying include plasticizers, UV absorbers, inorganic fine particles, heat stabilizers such as alkaline earth metal salts such as calcium and magnesium, antistatic agents, A flame retardant, a lubricant, an oil agent, a peeling accelerator from the support, a cellulose acylate hydrolysis inhibitor, and the like can optionally be included.
[0026]
As a plasticizer to be preferably added, phosphate ester or carboxylic acid ester is used. Examples of phosphate esters include triphenyl phosphate (TPP) and tricresyl phosphate (TCP), cresyl diphenyl phosphate, octyl diphenyl phosphate, diphenyl biphenyl phosphate, trioctyl phosphate, tributyl phosphate, etc. Can be given. Representative examples of the carboxylic acid ester include phthalic acid esters and citric acid esters. Examples of phthalic acid esters include dimethyl phthalate (DMP), diethyl phthalate (DEP), dibutyl phthalate (DBP), dioctyl phthalate (DOP), diphenyl phthalate (DPP) and diethyl hexyl phthalate (DEHP). Examples of citrate esters include triethyl O-acetylcitrate (OACTE) and tributyl O-acetylcitrate (OACTB), acetyltriethyl citrate, and acetyltributyl citrate.
[0027]
Examples of other carboxylic acid esters include trimellitic acid esters such as butyl oleate, methyl acetyl ricinoleate, dibutyl sebacate, and trimethyl trimellitate. Examples of glycolic acid esters include triacetin, tributyrin, butyl phthalyl butyl glycolate, ethyl phthalyl ethyl glycolate, methyl phthalyl ethyl glycolate, and butyl phthalyl butyl glycolate.
[0028]
Among the plasticizers exemplified above, triphenyl phosphate, biphenyl diphenyl phosphate, tricresyl phosphate, cresyl diphenyl phosphate, tributyl phosphate, dimethyl phthalate, diethyl phthalate, dibutyl phthalate, dioctyl phthalate, diethyl hexyl phthalate , Triacetin, ethyl phthalyl ethyl glycolate, trimethyl trimellitate and the like are preferably used. In particular, triphenyl phosphate, biphenyl diphenyl phosphate, diethyl phthalate, ethyl phthalyl ethyl glycolate, and trimethyl trimellitate are preferable. These plasticizers may be used alone or in combination of two or more. The addition amount of the plasticizer is preferably 5 to 30% by weight, particularly preferably 8 to 16% by weight or less based on the cellulose acylate. These compounds may be added together with cellulose acylate and a solvent during the preparation of the cellulose acylate solution, or may be added during or after the solution preparation.
[0029]
As the ultraviolet absorber, any type can be selected according to the purpose, and salicylic acid ester-based, benzophenone-based, benzotriazole-based, benzoate-based, cyanoacrylate-based, nickel complex-based absorbers and the like can be used. However, benzophenone series, benzotriazole series, and salicylic acid ester series are preferred. Examples of benzophenone ultraviolet absorbers include 2,4-dihydroxybenzophenone, 2-hydroxy-4-acetoxybenzophenone, 2-hydroxy-4-methoxybenzophenone, 2,2′-di-hydroxy-4-methoxybenzophenone, 2, 2′-di-hydroxy-4,4′-methoxybenzophenone, 2-hydroxy-4-n-octoxybenzophenone, 2-hydroxy-4-dodecyloxybenzophenone, 2-hydroxy-4- (2-hydroxy-3- And methacryloxy) propoxybenzophenone. As a benzotriazole ultraviolet absorber, 2 (2′-hydroxy-3′-tert-butyl-5′-methylphenyl) -5-chlorobenzotriazole, 2 (2′-hydroxy-5′-tert-butylphenyl) ) Benzotriazole, 2 (2′-hydroxy-3 ′, 5′-di-tert-amylphenyl) benzotriazole, 2 (2′-hydroxy-3 ′, 5′-di-tert-butylphenyl) -5 And chlorobenzotriazole, 2 (2′-hydroxy-5′-tert-octylphenyl) benzotriazole, and the like. Examples of salicylic acid esters include phenyl salicylate, p-octylphenyl salicylate, and p-tert-butylphenyl salicylate. Among these exemplified ultraviolet absorbers, in particular, 2-hydroxy-4-methoxybenzophenone, 2,2′-di-hydroxy-4,4′-methoxybenzophenone, 2 (2′-hydroxy-3′-tert-butyl- 5'-methylphenyl) -5-chlorobenzotriazole, 2 (2'-hydroxy-5'-tert-butylphenyl) benzotriazole, 2 (2'-hydroxy-3 ', 5'-di-tert-amylphenyl) ) Benzotriazole, 2 (2′-hydroxy-3 ′, 5′-di-tert-butylphenyl) -5-chlorobenzotriazole is particularly preferred.
[0030]
A combination of a plurality of absorbents having different absorption wavelengths is particularly preferable because a high blocking effect can be obtained in a wide wavelength range. The amount of the ultraviolet absorber is preferably from 0.01 to 5% by weight, particularly preferably from 0.1 to 3% by weight, based on the cellulose acylate. The ultraviolet absorber may be added simultaneously with the dissolution of cellulose acylate, or may be added to the dope after dissolution. In particular, a mode in which an ultraviolet absorbent solution is added to the dope immediately before casting using a static mixer or the like is preferable because the spectral absorption characteristics can be easily adjusted.
[0031]
As the inorganic fine particles to be added to the cellulose acylate, silica, kaolin, talc, diatomaceous earth, quartz, calcium carbonate, barium sulfate, titanium oxide, alumina and the like can be arbitrarily used depending on the purpose. These fine particles are preferably dispersed in the binder solution by any means such as a high-speed mixer, a ball mill, an attritor, or an ultrasonic disperser before being added to the dope. As the binder, cellulose acylate is preferable. It is also preferable to carry out dispersion together with other additives such as ultraviolet absorbers. The dispersion solvent is arbitrary, but a composition close to that of the dope solvent is preferable. The number average particle diameter of the dispersed particles is preferably from 0.01 to 100 μm, particularly preferably from 0.1 to 10 μm. The above dispersion may be added simultaneously to the cellulose acylate dissolving step, or may be added to the dope in any step, but a form of addition just before casting using a static mixer or the like is preferable as with the ultraviolet absorber.
[0032]
As the peeling accelerator from the support, a surfactant is effective, and is not particularly limited, such as a phosphoric acid type, a sulfonic acid type, a carboxylic acid type, a nonionic type, and a cationic type. These are described, for example, in JP-A-61-243837.
[0033]
The polarizing plate protective film of the present invention is preferably imparted with hydrophilicity by means such as saponification, corona treatment, flame treatment, glow discharge treatment, etc., on the surface of the film in order to enhance the adhesion with the PVA resin. Alternatively, a hydrophilic resin may be dispersed in a solvent having affinity for cellulose acylate and applied in a thin layer. Among the above means, saponification is particularly preferable because the flatness and physical properties of the film are not impaired. The saponification treatment is performed, for example, by immersing the film in an alkaline aqueous solution such as caustic soda. In order to remove excess alkali after the treatment, it is preferable to neutralize with a low-concentration acid and sufficiently wash with water.
[0034]
The cellulose acylate film according to the present invention can be used as an optical compensation film by applying a polarizing plate protective film, a retardation film, and an optically anisotropic layer, and is particularly effective for a polarizing plate protective film.
[0035]
The cellulose acylate film of the present invention is bonded to at least one surface of a polarizing film as a polarizing plate protective film and used as a polarizing plate. A polarizing plate is generally produced by adhering a protective film to at least one surface of a polarizing film produced by adsorbing and orienting a dichroic substance on a base film. As the base polymer, a PVA polymer is generally used. As the dichroic substance, iodine or a dichroic dye is used alone or in combination.
[0036]
The cellulose acylate film as described above can be suitably produced by the method for producing a cellulose acylate film according to the present invention.
[0037]
In the method for producing a cellulose acylate film according to the present invention, a dope is prepared by dissolving a plasticizer containing at least cellulose acylate and an aromatic ring structure in an organic solvent, and the dope is continuously cast on an endless support. A method of peeling off and drying the peeled film to produce a film,
i) a width stretching step of stretching the film in the width direction by 1.5% or more from the endless support to the completion of the film after peeling;
ii) a longitudinal stretching step of stretching the film in the longitudinal direction by 0.5% or more from the endless support to the completion of the film after peeling;
iii) a heating step of heating the film surface temperature of the film to 120 ° C. or higher from the endless support to the completion of the film after peeling.
[0038]
In addition, in the said manufacturing method, until a film completion is until it winds up a film on a winding core.
[0039]
The ratio between the stretching ratio in the width direction in the width stretching process and the stretching ratio in the longitudinal direction in the longitudinal stretching process is not particularly limited and can be arbitrarily selected.
[0040]
The width stretching step is provided until the film is completed after the film is peeled off from the endless support, and tension is applied in the width direction while holding both ends of the film with holding means (such as a tenter). This width extending step may be newly provided as a width extending step or may be combined with a conventional step. For example, the width stretching step is preferably used in the width regulating step (tenter step). In addition, when performing in the width regulation step, while regulating the width direction, it is not always necessary to continue to stretch the film in the width direction, for example, after reducing the width in a range where the film does not sag in the first half, In the latter half, the film can be stretched in the width direction.
[0041]
In the width stretching step, the residual amount of solvent in the film at the start of application of tension in the width direction of the film is preferably 50% by weight or more, more preferably 60% by weight or more based on the dry film. Moreover, it is preferable that the residual solvent amount at the time of completion | finish of tension | tensile_strength is less than 20 weight% on a dry film basis, and it is more preferable that it is less than 15 weight%.
[0042]
The longitudinal stretching step is provided until the film is completed after peeling the film from the endless support, and a new longitudinal stretching step may be provided, or a conventional step may be used. For example, after peeling the film from the endless support, it can be used in the roller drying process provided at the subsequent stage of the conveying process and the width regulating process until it is introduced into the width regulating process. After that, the transporting process until it is introduced into the width regulating process is preferable because the film residual solvent is high and the film can be stretched without leaving an unnecessary residual stress.
[0043]
As described above, the residual solvent content of the film in the longitudinal stretching step is preferably high from the viewpoint of residual stress, and is preferably 50% or more, more preferably 60% or more on the dry film basis.
[0044]
Although the specific example of the manufacturing apparatus which enforces the manufacturing method of the cellulose acylate film by this invention is shown in FIG.1 and FIG.2, this invention is not limited to these examples.
[0045]
FIG. 1 is a schematic view showing an example of a drum casting method in an apparatus for producing a cellulose acylate film. In this figure, 10 is a casting part for casting a dope onto an endless support to form a film, 20 is a stretching / drying part for stretching and drying the film formed by the casting
[0046]
The casting
[0047]
In order to produce a film using the production apparatus of the drum casting method as described above, first, the dope is extruded from the casting die 12 and cast onto the casting drum 13. It is preferable that the casting drum 13 is cooled to 10 ° C. or less in order to quickly remove the casting drum 13. The film is dried in an appropriate atmosphere, and when the dope has a self-supporting property, it is peeled off as a film containing a residual solvent through a peeling
[0048]
FIG. 2 is a schematic view showing an example of the band casting method. In this figure, 50 is a casting part for casting a dope onto an endless support to form a film, 60 is a stretching and drying part, 70 is a drying part, and 80 is a winding core.
[0049]
The casting
[0050]
In order to produce a film using the production apparatus of the band casting method as described above, first, the dope is extruded from the casting die 52 and cast onto the
[0051]
The drying
[0052]
【Example】
In order to describe the present invention in detail, examples will be described below, but the present invention is not limited thereto.
[0053]
[Preparation of raw material dope]
(Preparation of fine particle dispersion a)
Silica (Nippon Aerosil Co., Ltd., “Aerosil R972”) 0.67% by weight
Cellulose acetate (substitution degree 2.8) 2.93% by weight
Triphenyl phosphate 0.23% by weight
Biphenyl diphenyl phosphate 0.12% by weight
Methylene chloride 88.37% by weight
Methanol 7.68% by weight
A solution was prepared and dispersed with an attritor so that the volume average particle size was 0.7 μm.
[0054]
(Preparation of raw material dope A)
Cellulose triacetate (substitution degree 2.8) 89.3% by weight
Triphenyl phosphate 7.1% by weight
Biphenyl diphenyl phosphate 3.6% by weight
17.9 parts by weight of the fine particle dispersion a is added to 100 parts by weight of the solid content,
Dichloromethane 92% by weight
8% by weight of methanol
The dope was prepared by appropriately adding a mixed solvent to be dissolved under stirring. The solid content concentration of the dope was 18.5%. This dope is filtered through a filter paper (Toyo Filter Paper Co., Ltd., “# 63”), then filtered through a sintered metal filter (Nihon Seisen Co., Ltd., “06N”,
[0055]
(Preparation of UV absorber solution b)
2 (2'-hydroxy-3 ', 5'-di-tert-butylphenyl) -5
Chlorbenzotriazole 5.83 wt%
2 (2'-hydroxy-3 ', 5'-di-tert-amylphenyl) benzo
Triazole 11.66% by weight
Cellulose acetate (substitution degree 2.8) 1.48% by weight
Triphenyl phosphate 0.12% by weight
Biphenyl diphenyl phosphate 0.06% by weight
Methylene chloride 74.38% by weight
Methanol 6.47% by weight
An ultraviolet absorber solution was prepared according to the above formulation, and filtered through “
[0056]
(Preparation of raw material dope B)
Cellulose triacetate (substitution degree 2.8) 89.5% by weight
Triphenyl phosphate 7.0% by weight
Biphenyl diphenyl phosphate 3.5% by weight
To the solid content
82% by weight of methylene chloride
15% by weight of methanol
n-butanol 3% by weight
The mixed solvent to be added was appropriately added and dissolved by stirring to prepare a dope. The solid content concentration of the dope was 23.5%. This dope is filtered with a filter paper (Toyo Filter Paper Co., Ltd., “# 63”), further filtered with a sintered metal filter (Nihon Seisen Co., Ltd., “06N”), and further with a sintered metal filter (Nihon Seisen). The product was filtered with “12N” (
[0057]
(Fine particle dispersion, preparation of ultraviolet absorber solution c)
2 (2'-hydroxy-3 ', 5'-di-tert-butylphenyl) -5
Chlorbenzotriazole 5.40% by weight
2 (2'-hydroxy-3 ', 5'-di-tert-amylphenyl) benzo
Triazole 10.79% by weight
Silica (Nippon Aerosil Co., Ltd., “Aerosil R972”) 0.39% by weight
Cellulose acetate (substitution degree 2.8) 2.58% by weight
Triphenyl phosphate 0.28% by weight
Biphenyl diphenyl phosphate 0.14% by weight
Methylene chloride 67.71% by weight
Methanol 10.86% by weight
n-butanol 1.85% by weight
A solution was prepared and dispersed with an attritor so that the volume average particle diameter of the silica particles was 0.6 μm. The solution after dispersion was filtered through “
[0058]
<Measurement of volume average particle diameter>
The volume average particle size in the fine particle dispersion a and the fine particle dispersion / ultraviolet absorber solution c was measured by “Mastersizer MS20” manufactured by MALVERN.
[0059]
<Measurement of dope solid content concentration>
The dope solid content concentration (%) in the raw material dope A and the raw material dope B is based on the moisture amount,
(Weight loss of dope heated at 120 ° C. for 2 hours) / (original dope weight) × 100
I asked for it.
[0060]
[Example 1]
For the dope A, using a static mixer, adjusting the ultraviolet absorbent solution b so that the amount of the ultraviolet absorbent is 1.04% by weight with respect to the solid content in the dope, Added and mixed.
[0061]
Using this dope, a film was produced with the production apparatus of the band casting method shown in FIG. That is, the dope was cast from the casting die 52 to the
[0062]
Both ends of the film introduced into the stretching / drying unit 60 are held by the holding means 62 of the tenter dryer, and the film is conveyed while tension is applied in the width direction. As a result, the film was stretched 3.0% with respect to the width of the film at the entrance of the stretch drying unit 60. In addition, in the extending | stretching drying part 60, the film was always extended | stretched and the film was not shrunk | reduced. Further, the residual solvent at the start of application of tension in the width direction (tenter inlet) was 55% by weight, and the residual solvent at the end of application of tension (tenter outlet) was 13.7% by weight.
[0063]
Next, the film was introduced into the
[0064]
[Example 2]
The longitudinal stretch rate until peeling from the casting
[0065]
[Example 3]
For the dope B, using a static mixer, the ultraviolet absorber solution c is added in the dope piping path while adjusting the amount of the ultraviolet absorber to 1.04% by weight with respect to the solid content in the dope, Mixed.
[0066]
Using this dope, a film was produced by a drum casting method production apparatus shown in FIG. That is, the dope was cast from the casting die 12 to the casting drum 13, dried with hot air until self-supporting, and peeled off as a film. At this time, the surface temperature of the casting drum 13 was −3 ° C. The peeled film was sent to the stretching / drying
[0067]
Both ends of the film introduced into the
[0068]
Next, the film was introduced into the
[0069]
[Example 4]
12.0% of the stretching ratio in the longitudinal direction until peeling from the casting drum 13 and introduction into the stretching and drying
[0070]
[Example 5]
The amount of the UV absorber is 2.08% by weight, the film thickness of the finished film is 40 μm, the residual solvent at the inlet of the stretch drying unit 60 is 52% by weight, the residual solvent at the outlet is 8.3% by weight, inside the roller drying unit 70 A film was produced in the same manner as in Example 1 except that the maximum temperature was 125 ° C.
[0071]
[Comparative Example 1]
A film was produced in the same manner as in Example 1 except that the stretching ratio in the width direction in the stretching and drying unit 60 was 0.5% and the residual solvent at the outlet of the stretching and drying unit 60 was 14.0% by weight.
[0072]
[Comparative Example 2]
A film was produced in the same manner as in Example 1 except that the maximum film surface temperature in the
[0073]
[Comparative Example 3]
Example 3 except that in the latter half of the third step of the
[0074]
[Comparative Example 4]
A film was produced in the same manner as in Example 1 except that the temperature of the stretching / drying unit 60 was lowered and the residual solvent at the outlet of the stretching / drying unit 60 was changed to 22% by weight.
[0075]
[Comparative Example 5]
The residual solvent at the entrance of the stretch drying unit 60 was 25% by weight, and an attempt was made to produce a film in the same manner as in Example 2. However, the tenter clip part was broken, and the stretch rate in the width direction was the same as in Example 2. It was not obtained.
[0076]
[Comparative Example 6]
A film was produced in the same manner as in Example 5 except that the film was not stretched in the stretch drying unit 60, the width was shrunk by 1.2%, and the residual solvent at the outlet was 9.0%.
[0077]
[Comparative Example 7]
The film is not stretched in the longitudinal direction until it is introduced into the stretching / drying unit 60 from peeling of the film, and is shrunk by 0.5%. In the stretching / drying unit 60, the stretching ratio in the width direction is 2.0%. A film was produced in the same manner as in Example 1 except that the residual solvent was changed to 13.8% by weight.
[0078]
[Saponification of film]
The films of Examples 1 to 5 and Comparative Examples 1 to 4, 6 and 7 were treated with a 1.5N NaOH aqueous solution at 50 ° C. for 180 seconds, then neutralized and washed with water, and dried.
[0079]
[Preparation of polarizing plate]
“PVA film” (75 μm) manufactured by Kuraray Co., Ltd. was immersed in an aqueous solution of 0.3 g / l iodine and 18.0 g / l potassium iodide at 25 ° C., and further 80 g / l boric acid and 30 g potassium iodide. / L, zinc chloride 10 g / l, stretched 5.0 times in an aqueous solution at 50 ° C. Examples 1 to 5 and Comparative Examples 1 to 4 and 6 which were subjected to saponification treatment using a 4% aqueous solution of PVA (manufactured by Kuraray Co., Ltd., “PVA-117H”) as an adhesive after drying at 60 ° C. for 5 minutes. , 7 films were bonded to both sides and further dried at 80 ° C. to obtain polarizing plates.
The polarization degree of the obtained polarizing plate was 99.7 to 99.9%.
[0080]
<Measurement of degree of polarization>
The degree of polarization was calculated by the following formula.
Polarization degree P (%) = {(Tp−Tc) / (Tp + Tc)}1/2× 100
Where Tp is the transmittance (%) when the absorption axes of the two polarizing plates are superposed in parallel in the sample of the two polarizing plates, and Tc is perpendicular to the absorption axis of the two polarizing plates. It is the transmittance (%) when superimposed.
[0081]
Further, the film immersion time in the staining solution was adjusted so that the transmittance of the polarizing plate was 42 ± 0.5%.
[0082]
<Transparency of polarizing plate>
The transmittance of the polarizing plate was calculated according to the following formula from the spectral transmittance τ (λ) obtained every 10 nm by measuring the transmittance with a Shimadzu spectrophotometer UV-3100PC. In the equation, P (λ) is a spectral distribution of the standard light D65 light source according to JIS Z 8720, and y (λ) is a color matching function based on the two-degree field X, Y, Z system according to JIS Z 8701.
Transmittance T (%) = A / B × 100
A = ∫visP (λ) · y (λ) · τ (λ) dλ
B = ∫visP (λ) · y (λ) dλ
(Vis: 400-700 nm)
[0083]
Table 1 shows the results of testing Examples 1 to 5 and Comparative Examples 1 to 4, 6, and 7.
[0084]
[Table 1]
[0085]
[Measurement of residual solvent content]
The amount of residual solvent in the film was determined according to the following formula.
Residual solvent amount (%) = (A−B) / B × 100
here,
A: Weight of film sample (g)
B: Weight (g) of film sample after drying for 1 hour in a 115 ° C air constant temperature bath
[0086]
[Measurement of area expansion coefficient]
Along the longitudinal and lateral directions of the filmCut into strips 120mm long2 sheetsThe sample is left to stand for 2 hours or more at 23 ° C. and 65% RH in advance, then holes with a diameter of 6 mm are formed at both ends at 100 mm intervals, and the original size (L1) of the interval is measured to a minimum scale of 1/1000 mm. Next, after being immersed in water at 20 ° C. for 30 minutes, the dimension (L2) of the punch interval was measured, and the longitudinal direction and width were measured.handThe expansion in the direction is obtained by the following formula.
Expansion = L2 / L1
[0087]
The expansion obtained in the longitudinal direction and the width direction is calculated according to the following formula to obtain the area expansion rate.
Area expansion rate (%) = {expansion (longitudinal) × expansion (width) −1} × 100
[0088]
[Measurement of heat shrinkage]
Samples cut into 120 mm long strips are left in advance at 23 ° C. and 65% RH for 2 hours or more, then 6 mm diameter holes are opened at both ends at 100 mm intervals, and the original distance (L1) is set to the minimum scale of 1/1000 mm taking measurement. Next, after processing in a 90 ° C. constant temperature bath for 120 hours, the dimension (L2) of the punch interval is measured and obtained by the following equation.
Shrinkage rate (%) = (L1-L2) / L1 × 100
[0089]
[Evaluation of frame phenomenon]
The produced polarizing plate was cut into a square of 14.1 × 14.1 cm with the absorption axis as a diagonal line, and bonded to both surfaces of the glass plate in a crossed Nicol state via an adhesive.
When this was visually observed in the dark room by applying light from the back with a Schaukasten, no frame phenomenon was observed for all samples.
[0090]
These samples were placed in a constant temperature and humidity chamber at 60 ° C. and 90% RH for 48 hours, and further placed at room temperature and humidity for 1 hour, and then the frame phenomenon was visually observed in the dark room similarly with Schaukasten light.
[0091]
The degree of the frame phenomenon was judged according to the following criteria.
A ... The frame phenomenon is not observed at all visually.
B: Although a frame phenomenon is slightly seen about 1-2 mm from the edge, it is not understood unless attention is paid.
C: The frame phenomenon is seen although it is thin about 5 mm from the edge.
D: A frame of about 10 mm is generated from the edge, and is visually observed visually.
[0092]
As described above, in the example, the effect of improving the frame development was clearly seen as compared with the comparative example. Further, among the examples, the improvement effect was particularly remarkable in Examples 2 and 4 having a high draw ratio and a low water absorption expansion coefficient and Example 5 having a thin film thickness.
[0093]
【The invention's effect】
Since this invention was comprised as mentioned above, when the polarizing plate using a cellulose acylate film is bonded to a panel, frame-shaped light leakage can be suppressed. In addition, by stretching the film under limited conditions, a cellulose acylate film having a desirable water absorption expansion coefficient and thermal contraction coefficient can be produced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view of an apparatus for producing a film by a casting drum type solution casting method.
FIG. 2 is a schematic view of an apparatus for producing a film by a casting band type solution casting method.
[Explanation of symbols]
10 ... Casting part
11 ... Drying room
12 ... Casting die
13 ... Casting band
20 ... Stretching and drying section
21 ... Drying room
22 ... holding part
30 ... Drying section
31 ... Conveying roll
40 ... winding core
50 ... Casting part
51. Drying room
52 ... Casting die
53 ... Casting band
60 ... Stretching and drying section
61 ... Drying room
62 ... Holding part
70 ... Drying section
71 ... Conveying roll
80 ... winding core
Claims (3)
i)無端支持体から剥離後フィルム完成までに、フィルムを幅方向に1.5%以上延伸する幅延伸工程と、
ii)無端支持体から剥離後フィルム完成までに、フィルムを長手方向に0.5%以上延伸する縦延伸工程と、
iii)無端支持体から剥離後フィルム完成までに、フィルムの膜面温度を120℃以上に加熱する加熱工程とを有し、
前記幅延伸工程が、フィルム両端を保持手段で保持しつつ幅方向に張力を付与するものであって、張力付与開始時点のフィルムの溶剤残留量が乾燥フィルム基準で50重量%以上であり、かつ、張力付与終了時点の溶剤残留量が乾燥フィルム基準で20重量%未満であり、
前記縦延伸工程が、フィルムが無端支持体より剥離されてから幅延伸工程に導入されるまでに設けられていることを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。A plasticizer containing at least a cellulose acylate and an aromatic ring structure is dissolved in an organic solvent to prepare a dope, and the dope is continuously cast on an endless support and peeled off. A method for manufacturing
i) A width stretching step of stretching the film in the width direction by 1.5% or more from the endless support to the completion of the film after peeling;
ii) a longitudinal stretching step of stretching the film by 0.5% or more in the longitudinal direction from the endless support to the completion of the film after peeling;
iii) a heating step of heating the film surface temperature of the film to 120 ° C. or higher from the endless support to the completion of the film after peeling,
The width stretching step applies tension in the width direction while holding both ends of the film with holding means, and the residual solvent amount of the film at the start of applying the tension is 50% by weight or more based on the dry film, and The residual amount of solvent at the end of applying the tension is less than 20% by weight based on the dry film,
The method for producing a cellulose acylate film, wherein the longitudinal stretching step is provided from when the film is peeled off from the endless support until it is introduced into the width stretching step.
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